くにさくロゴ
2000/03/15 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 文教委員会 第7号
姉妹サイト
 
2000/03/15 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 文教委員会 第7号

#1
第147回国会 文教委員会 第7号
平成十二年三月十五日(水曜日)
    午前九時開議    
 出席委員
   委員長 鈴木 恒夫君
   理事 飯島 忠義君 理事 小川  元君
   理事 奥山 茂彦君 理事 栗原 裕康君
   理事 肥田美代子君 理事 藤村  修君
   理事 西  博義君 理事 松浪健四郎君
      岩永 峯一君    小此木八郎君
      河村 建夫君    倉成 正和君
      小島 敏男君    下村 博文君
      平沢 勝栄君    柳沢 伯夫君
      渡辺 博道君    田中  甲君
      松沢 成文君    山元  勉君
      池坊 保子君    旭道山和泰君
      佐々木洋平君    石井 郁子君
      山原健二郎君    菊地  董君
      濱田 健一君    粟屋 敏信君
    …………………………………
   文部大臣         中曽根弘文君
   文部政務次官       河村 建夫君
   文部政務次官       小此木八郎君
   政府参考人
   (文部省教育助成局長)  矢野 重典君
   文教委員会専門員     岡村  豊君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十五日
 辞任         補欠選任
  笹山 登生君     佐々木洋平君
  濱田 健一君     菊地  董君
同日
 辞任         補欠選任
  佐々木洋平君     笹山 登生君
  菊地  董君     濱田 健一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 教育職員免許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二三号)

    午前九時開議
     ――――◇―――――
#2
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、教育職員免許法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として文部省教育助成局長矢野重典君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○鈴木委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山元勉君。
#5
○山元委員 民主党の山元でございます。議題になりました免許法についてお尋ねをしたいと思います。
 「情報」と「福祉」の教科が新設されてその免許状がつくられる、このことは、今の時代の流れ、情報化社会で情報教育の充実が求められる、こういう流れからいえば、これは当然必要だというふうに思います。しかし、このことを円滑に学校で実践をしていくということになれば、あるいは成果を上げていくためにということでは、いろいろ条件があるだろうというふうに思うのです。そのことについて少し具体的にお尋ねをしたいと思います。
 何しろこれは、特に「情報」についてはすべての子供に課せられるわけですから、相当の条件整備が要るわけです。第一に、免許状を新設するけれども、全国の国公立、私立を含めて、この教科を担任できる人が養成できるのかどうかということですね。二〇〇三年からというとあと三年しかないわけですけれども、その教員の養成計画について、例えばそれぞれの地域、都道府県で講習が行われるように聞きますけれども、その計画についてはもう十分になっているのかどうか、四月から始めなければならぬわけですから。現在、この講習についての計画、万全に行われているのかどうかをまずお尋ねをしたいと思います。
#6
○中曽根国務大臣 新しい教科の「情報」を担当する教員の養成につきましては、この改正法の施行後速やかに、まず、文部大臣によります大学の課程認定を行いまして、平成十三年四月から、大学における教員養成を開始することとしております。
 平成十五年四月からの新しい教育課程の実施に必要な教員の確保につきましては、平成十五年三月までの経過的な措置といたしまして、文部省において、「工業」等一定の免許状を有する現職教員を対象として「情報」に関する十五日間の講習会を実施し、その修了者に「情報」の免許状を授与することとしておりまして、九千人以上の教員を確保することとしているところでございます。
 また、平成十二年度から、「情報」に関する教員資格認定試験を実施することとしておりまして、これらの方策を通じて必要な教員数を確保してまいりたい、そういうふうに考えております。
#7
○山元委員 しかし、国公私立を含めると、現在、高校の数が五千四百を超すわけですね。五千五百に近いわけです。二人ずつ配置しても一万人要るわけですね。第一、そういう九千人という計画で万全にスタートできるのかどうかということも大変問題だというふうに思います。
 教師も、たとえ免許状を九千人が持っていても、病気になる人もおれば、学校の配置がスムーズにいかない場合もあるわけですね。ですから、九千人というのは五千四百八十校に対して少ないような感じもするんですが、その足りるのかどうかということ。
 もう一つは、これをやろうと思うと、例えば現在「工業」や「理科」や「数学」、そういう免許を持っている人に、十五日間の講習で免許を取ってください、授業をしてください、こういうことになるわけですね。一体できるのかどうか、無理がいかないのかどうか。
 だから、端的に言って実態は、僕はもう「工業」をずっとやってきた、私はコンピューターはできるけれども免許状を持って新たな教科を担任するということはとてもじゃないがという先生が多いだろう。そうすると、強制にわたることにならないかどうか、無理がいくのではないか。そこのところは、大丈夫なんですか。
#8
○河村政務次官 新たに導入するものでありますから、そういう御懸念はわかるわけでありますが、これは各県の教育委員会とも十分協議をして、そして積み上げてきて、これでいけるという形で今進めておるわけでございます。十分その点については心しなければいけないことでありますが、今のこの計画でやっていけるだろうということで、今進めておるわけでございます。
#9
○山元委員 これは意地の悪いことを言っているのではなしに、大変心配なんですね。新しい教科ができた、けれども教員としてのしっかりとした配置ができない、さらには、余り意欲はないけれどもやらざるを得ぬ、強制されたと言うたら語弊がありますけれども、そういう状況でスタートしてはならぬという思いで、ぜひ努力をしていただきたいというふうに思います。
 次に、コンピューターなどの配置の計画も出ているわけです。これは、新たな教科をつくる、例えばコンピューターを、高校、中学校でいうと一学校四十二台を設置しますという、金が要るということです。そしてスペースが要りますね。
 私も幾つかの学校を、コンピューターの授業をしているところを見に行きましたけれども、大変スペースが要って、従来の教室に入れると、とにかくもう身動きできぬような状況になっている。新たな教室なりを整備する必要があるというふうに思うのですが、そういう条件整備について十分できるのかどうか。教師はできた、あるいは教科はできた、単位は取らなければならないけれども教室がないということでは困るわけですが、そういう条件整備について整うのかどうかということです。
 もう一つは、よく言われる、教育予算というのは非常に乏しい、貧しいわけです。ですから、例えば新たにインターネットでの電話代とか、あるいは、さっき大臣がおっしゃったように十五日間講習に通いなさい、旅費も要るし受講費も要るわけですね。こういうあらゆる面でというんですか、幾つかの面でしっかりとした予算の手当てができるのかどうか。来年度の概算要求はまだですからなんですけれども、できるのかどうか。いかがですか。
#10
○中曽根国務大臣 この教員を養成して条件を整えるということは、当然大切なことでございます。
 委員御案内のとおり、現職教員等の講習会を開催するわけでありますが、ここにおきましては、全般的な指導内容に加えまして、具体的な実習の方法等について講習を行うこととしておりまして、参加者自身の実習も大幅に取り入れているところでございます。
 そのため、講習会参加者用の実習に係る、今お話ありました、コンピューターやまたネットワークシステム等のハード面が整っている会場が必要でございまして、各都道府県におきましては、この講習会に必要なハード面が整っている教育センターあるいは専門高校等の会場を予定しているところでございます。
 なお、現職教員等の講習会に対する予算措置といたしましては、講師に必要な経費等について予算案に盛り込んでいるところでございまして、文部省といたしましては、この講習会の実施に必要な条件整備に十分配慮をしているところでございます。充実した講習会の実施に努めてまいりたいと思っております。
 なお、平成十二年度予算案では、現職教員等の講習会に五千百万円強の額を計上しておるところでございます。
#11
○山元委員 いや、大臣、研修会場、先生方を集めて講習するときの場所は整備されるでしょうが、各学校で、その四十二台というコンピューターを備えて授業ができるような整備というのは大変難しいだろうと思うのです。それぞれ条件が合う学校というのはすべてではないというふうに思うので、そのことについてお尋ねしたんですが、恐らく努力するということでしょうから、ぜひそれはどこかの教室を使って、ぎゅうぎゅう詰めの教育にならぬように御努力をいただきたいというふうに思います。
 それから、出張も、十五日間一つの学校で二人も三人も行ってもらおうと思うと、私の経験からいっても、出張旅費についてはぎゅうぎゅうなんですよ。ですから、新たにこういうことをする場合には、きっちりとした、ほかの研修等を圧迫したり、あるいは自腹ということにならないような、そういうきちっとした手当ても必要だというふうに思いますから、これは現実的な問題として御努力をいただきたいと思います。
 そしてもう一つですが、この計画で見ますと、教諭の講習会は十五日間で免許を与える、「情報」の免許をできる。実習について、「情報実習」という免許ができるわけですけれども、その「情報実習」の講習会とか、そういうものはないじゃないですか。そうすると、新たに教科はできる。「情報」という教科を担任する教師はできる。けれども、これは実習が伴うわけですから、すべての子供に実習をさせなければならぬわけですから。実習という教員の講習あるいは養成については全然見えてきてないんですが、いかがなっているんですか。
#12
○中曽根国務大臣 今回新設を予定しておりますこの「情報」と「福祉」の免許状は、新しい教科「情報」及び「福祉」における実習部分についても教授することが可能でありまして、これらの教科の実習部分につきましては、「情報」または「福祉」の免許状を有する教員が基本的にはそれぞれ担当することになります。また、実習の重要性にかんがみまして、実習部分のみを担当するための免許状である「情報実習」及び「福祉実習」につきましても今回創設することとしておりまして、情報や福祉に関するすぐれた技術を有する者に免許状を授与できるよう措置を講ずることとしているところでございます。
 このような措置を講ずることによりまして、この新しい教科「情報」及び「福祉」における充実した学習の指導が可能になるもの、そういうふうに思っております。
#13
○山元委員 大臣、今の高校の教育の実態というと、例えば「工業」でいうと、「工業」の免許を持った先生が授業をする、「実習」の免許を持った人が実習をやる、そしてなお足らないときには、実習助手といって、資格免許がない人が実習助手としているわけです。高校卒でもいる。こう三つになっているわけですね。
 ところが、例えば、今、あなたは「工業」の免許だけれども、「理科」の免許だけれども、「情報」の免許を取って担当してくださいと。そうすると、そこへ行くと、「実習」の免許を持った人も実習助手もいない、「工業」だけれども「情報」に行って実習助手もいないという状況だと、授業として成り立たぬというのか、授業がやはり上辺だけの講義、座学というのですか、それだけになってしまうおそれがあるわけです。
 新しい教科で、今先端を行っている、日進月歩している情報技術についてきっちりと教える。これは免許を取ってもらう、十五日間の講習。けれども、実習助手もしっかりといるということでないと十分な教育というのは望めぬというふうに私は思うのですが、そこのところは抜け落ちているのと違いますか。
#14
○中曽根国務大臣 今この「情報」という新しい教科における内容につきまして、今考えておりますことを、特に科目の構成等について申し上げますと、十一科目で構成されることになりますが、一つは情報分野の基礎的な科目、それから情報システムの設計や管理に関する科目、またマルチメディアの作品制作に関する科目、あるいは発展的科目、それから実習科目等々でございます。
 先生の御心配も十分理解できるところでありますが、現在の「工業」等を担当している先生がこの「情報」の方の教員として生徒を指導することが可能である、私どもとしてはそういうふうに思っているところでございます。
#15
○山元委員 可能であると言ってもらえればそれでいいのかもしれませんけれども、私はそれは非常に難しいと思う、先ほども申し上げましたように。現場のそういう授業の組み立て方からいうと、大変難しい。
 今大臣もおっしゃったように、これから大学で免許を取って卒業してくる子は、もともときっちりと十分な勉強をしてくるでしょう。けれども、あなたは「理科」だけれども、あなたは「工業」だけれども、あなたは「数学」だけれども、コンピューターをやってと。ここのところで、実習助手もいないということについては、やはり欠落しているだろうと思うのです。
 やれる自信があるとおっしゃるけれども、私は十分なスタートが切れるというふうには思いませんから、ここのところについては検討していただきたいと思いますし、それぞれのところで、複数できっちりと授業ができるような体制を早急につくる必要があるということだけ指摘をしておきたいと思います。
 時間が少のうございますから、次です。
 こういう教育の中身がふえていきます。これは時代の流れで、先ほども言いましたけれども、そのことは私は必要だというふうには思いますけれども、今一番学校で子供たちに大事なこと、その一つは、やはり子供も教職員もゆとりを持って勉強する、教育をする、こういうことでなければならぬと思うのですね。そこのところへ、新しい教科がふえていく。この単位も取らなきゃならぬ、教科も受けなきゃならぬということになるわけです。
 先ほどのハード面なりあるいは教員の手当てというのはするとして、ここのところ、新たに教科を勉強せいというときに、教師や子供のゆとりの問題、学校生活でのゆとりの問題はないかどうか、そのことについては文部省はどういうふうにお考えになっていますか。
#16
○中曽根国務大臣 新しい高等学校学習指導要領におきましては、すべての生徒に履修させる必修科目全体の最低単位数を、三十八単位から三十一単位へ縮減をしたところでございます。
 この三十一単位の中に、普通教科の「情報」、これが二単位でございますが、これなどが加わりまして、必修教科の数はふえましたけれども、それぞれの教科の必修となる最低単位数を縮減したわけでございます。
 また、高等学校の卒業に必要な総単位数を八十単位以上から七十四単位以上に、これも縮減をいたしました。
 このような改訂によりまして、これまで以上に各学校や生徒の実情に柔軟に対応した教育課程を編成をし、生徒が興味や関心やまた進路希望等に応じて選択して学習できる、そういう幅を一層拡大したところでございます。「情報」の必修化によりまして生徒や教師の負担が重くなるということにはならない、そういうふうに思っているところでございます。
 なお、専門教科、この「情報」及び「福祉」は、情報や福祉に関する専門学科の生徒が専門的に履修するものでございまして、教科の新設が生徒の学習量の増加に結びつくという性格のものではないと思っております。
#17
○山元委員 いや、それは違うでしょう。例えば「情報」という科目を全部の子が取らなければならぬようになる。だから、今度は「音楽」は取らなくてもよろしいよ、そういうふうになればいいですよ。総枠は減っていくことは確かです。今、八十から七十四に変わっていく。けれども、やはり科目は減るわけじゃない、科目はふえるわけですから。あるいは、プラスマイナスになるのではないですから。そこのところは私は、子供の頭の中にやはり新しいものを入れていかなければならぬということですからこれはゆとりが失われる、ゆとりが生まれるか失われるかといったら失われていくというふうに考えて、手当てをしなければいかぬと思います。
 そこで、今現在の最低の単位は八十、これを七十四に新指導要領でするということはわかっているんです。けれども、各学校の現場の実態は、八十単位どころではなしに、八十五も九十も取っている学校がほとんどですね。ですから、そこのところをしっかりと、現場の実態を調べてといいますか、県教委等を指導して、ゆとりということについてしっかりと考えないと、新たな科目がふえるということについて、やはり受け入れられていかない、ゆとりを失っていくだけになっていくということになると思うのです。現在の最低八十を七十四にする、けれども実態は九十やと変わらへんかったら、これは何にもならぬわけです。ですから、そこのところとあわせて、新しい科目がふえるということについての手当てを、ぜひ県教委などに指導をしていただきたいというふうに思います。
 それぞれの学校の判断で、最低は八十だけれども八十五、九十、これはいろいろな考えが、非行対策だとかいろいろあって、あるいは特色ある学校をつくろうということで、単位がふえていることは事実なんです。そこのところで実態に合わせて指導するようにお願いをしたいというふうに思います。
 ところで、そういうことは小手先といったらおかしいけれども、一番大事なことは、今の四十人学級、前の委員会でも私は申し上げました。ヨーロッパや先進諸国ではほとんどない、二十や十八やと言うている国が多い中で、こうなってくるとやはり高校も、定数等標準法で一学級は四十人とすると書いてある、ここのところを直さぬといかぬのと違うかというふうに思うのですね。そこのところを絡めてぜひ考えていただきたいというふうに思います。
 時間がありませんから先に行きますが、文部省の協力者会議のことが、けさの新聞、一紙だけ出ていました。びっくり仰天したんです。三十人学級について「制度化見送りへ」という見出しです。財政負担増加が障害になって、「自治体裁量で実施」。国は財政が厳しいから見送るけれども、地方自治体で実施することはよろしいよ、これは裁量ですよ、こういうことになりそうだということで、小さな記事ですけれども、三カ所も四カ所も財政問題が出てきて、財政問題が先にあってこれはできないんだということが、どうも協力者会議で結論づけられつつあるということです。
 私どもが何回も言ってきた、学級編制基準を変えてほしい、変えなければ今の学校はもたないよということについては、耳を傾けてもらえない協力者会議。財政問題、財政問題と出てくるのだったら、これは大蔵省の協力者会議でしょう。文部省の協力者会議だったら、一兆円であろうが二兆円であろうがと。三十人学級にすると一兆円要る、だからとてもじゃないがと。一つの銀行に何兆円ほうり込んでいますか。そのことから考えたら、日本じゅうのこれからの子供のために一兆円が要ると。財政問題だ、財政問題だと三カ所も四カ所も出てくる。朝、私は起き抜けに見てびっくりしたんですけれども、これは文部省協力者会議と違う、大蔵省協力者会議やというふうに私は結論したんですけれども、これじゃ困ると思うのですよ。
 ですから、こういう新しい科目も出てくる中で、四十人学級というものを見直す、積極的に文部省はその先頭に立つということが必要だというふうにけさ一番に思ったんですが、大臣、いかがですか。
#18
○中曽根国務大臣 この協力者会議におきましては、これまでたびたび会議を重ねてまいりまして議論が行われておるわけでございますが、まだ協力者会議としての一定の結論が出たとは私は聞いておりません。
 私自身もけさの新聞記事を見まして、委員と同じように初めて見たわけでありますけれども、事務局に確認をいたしましたところ、報道にありましたような内容を含めて、委員からさまざまな意見は出され、また論議されているということではありますけれども、協力者会議全体として、一定の方向性なりまた結論というようなことには至っていない、そういうふうに聞いているところでございます。
#19
○山元委員 結論に至ったら大変だという危機感を持って努力してほしいわけですよ。ここのところで、その理由が三つほど書いてあるわけです。
 一番の見送った理由は、一律三十人にすると国も地方も大幅な財政負担が生じる。これは、後の方で一兆円と書いてある。
 二番目が、ホームルームの単位を小さく。四十人学級を小さくするよりも、学習集団を弾力化する方がよい。具体的な例として、二つのクラスを三つに分けて授業したらいい。それはそう言えるでしょう。けれども、それなら教員はどうなるんだ。そうすると、先ほどの標準定数法、一学級四十人というところをなぶらないとすれば、次の九条にある、例えば十五学級以下では掛ける二、乗数が二ですね。十六学級以上になると、乗数は、学級数掛ける一・六六七ということ。ここのところを変えなかったら、二クラス、三クラスにして授業したらいいという協力者会議の考え方は、これは気楽な話だ。現実的でないというふうに思います。
 三つ目の理由は、非常勤講師をふやせば学習集団を小さくすることは可能だ、これは自治体でやりなさい。先ほどに戻りますけれども、国はやれぬけれども自治体はやりなさいというようなことは、文部省協力者会議が言うことと違う。文部省は危機感を持って、結論が出るまでにやはり実態についてしっかりと話をしていただきたいというふうに私は思います。
 この間の二十四日のこの委員会で、大臣と政務次官にお尋ねをしたときに、極めて前向きに答弁いただいたというふうに私は思っていたんです。例えば大臣は、請願について、学級の規模の縮小についての請願は八百件いただいている、前向きに考えなきゃならぬという受けとめ方をしていらっしゃることはありありと出ていました。政務次官についても、これは金をかけてということをおっしゃっていました。
 ですから、財政財政と言って、協力者会議が応援団でなしに足引っ張りであるのであれば、文部省はこの協力者会議に、実態について、あるいは文部省の思いについてしっかりとわかってもらうように努力をしていただきたい。これは、ずっとこれから続く問題、第七次があるかないかということはまだ決まっていないみたいですけれども、来年度からの教員の配置計画についてはことしの概算要求時期までにある程度はっきりしなければいかぬわけですから、口酸っぱくなりますけれども、ぜひこのことについては努力をお願い申し上げておきたいと思います。
 時間がないんですが、もう一つだけです。
 前回の委員会でも私はお尋ねしようと思っていて時間がなくなったんですが、学校評議員制度というのができる。開かれた学校をつくろう、地域に開かれた学校をつくろう、地域の皆さんからの意見を聞くような、そういう評議員をつくろうということについては、もっともだというふうに私も思います。しかし、中教審答申が一昨年、九八年ですか、出て、それから、規則の一部改正というのが次官通知でどんと出てきた。びっくりした。それは十分な論議があったというふうに思えぬ。そういうことは、例えば都道府県の教育長協議会でも、去年の暮れに、評議員制度についていろいろ心配をしている調査が出ていました。
 例えば、この教育長協議会の意見の集約の中で、半分以上の人が心配して持っているのは、学校評議員の意見が強い場合、校長の学校運営に支障、制約が見られ、所期の目的から逸脱することが懸念される。あるいは、一部の偏った考えに学校運営が左右されたり、また、特定の主義主張によるもの、団体や地元有力者などによって評議員が圧力団体化しないか。こういう心配を、教育長協議会で半分以上の人がおっしゃっているわけです。
 私は、そういうことが十分論議をされて、地方自治体の皆さんも学校現場も、評議員制度っていいものだ、こういう評議員制度にしなきゃいかぬなというコンセンサスがあって、そして次官通知が出たのだったら文句ないけれども、にわかに出た感じがしてならぬのですが、いかがですか。
#20
○中曽根国務大臣 こういう新しい制度を導入するということにつきましては、その制度導入の趣旨、目的が十分に達成されるように十分な配慮をしていかなければならない、そういうふうに思っております。
 お話ありましたように、平成十年九月の中教審の答申において提言されたものでありますけれども、中教審の中でのいろいろな御審議の過程において、各界からの意見を十分にお聞きになられた上で、そして学校の自主性、自律性の確立のために、またその具体策の一つとしてこの制度が提言された、そういうふうに思っております。
 この学校教育法施行規則の改正に当たりましては、今申し上げましたように、この提言を十分に尊重して制度化を行ったもの、そういうふうに考えておるわけであります。委員御指摘のいろいろな心配点と申しますか、予想される問題等につきましては、十分にその本来の趣旨のとおりにこういう制度が実現できるように、私どもも十分注意をしながらやっていきたいと思っております。
#21
○山元委員 文部省なり大臣の期待というのはわかります。私も言いましたように、開かれた学校にしていかなきゃならぬ。そういうとき、だから、地域の人たちに意見を学校へ寄せていただくという仕組みとして評議員制度をつくる。けれども、今の学校の状態、地域の学校の状態、子どもと教職員、保護者、地域の人が一つのネットワークをつくって、いい学校にしよう、学校を中心にして地域をつくっていこう、あるいは、総理も言ったように、地域が子どもを育てるというようなネットワークというのは、私は十分できていないと思うんですよ。十分できていない。そういうものがあってこれがつくられるのであったら、そういうふうにしてポストをつくろう、仕組みをつくろうというのだったら、私はわかる。あるいは、そういうネットワークをつくるのに、本当に役に立つなという期待を込めてつくられるということはわかる。
 けれども、私は大変危惧を持つわけです。教育長協議会で半数以上の人が持たれるように、一部の声にならないか、あるいは校長を縛ることにならないかと。逆に言うと、校長の都合のよい人が指名されないか、こういういろいろな問題があるわけですね。
 だから、今度の通知の中で、この評議員制度の問題がぼんと出てきた。職員会議のことも出てきた。いろいろなことが、四項目ですか、出てきたんですね。けれども、それが本当に消化をされて、望ましい、期待される方向でこれから動いていくということについては、今文部大臣は注意というふうにおっしゃいましたけれども、相当の注意が必要だろうというふうに思うのです。
 つくった、けれども、開かれた学校にならないで、逆に閉ざされた学校になってしまう。特定の人の意見で、がんがんがんがんとなる。あるいは、職員会議についてもそうです。位置づけが今度変えられたというのですか、出たけれども、それもやはり、開かれた学校にするため、校長のリーダーシップを発揮させるためにということではなしに、その逆に、閉ざされた学校になってしまう、あるいは混乱が起こるということの懸念があるわけですね。そこのところは、ただ文部大臣が言うように、趣旨が生かされるように注意をしますと言うだけでは、私は、わかりました、大丈夫だなという安心はできないんですよ。
 そこのところでやはりもう少し踏み込んで、評議員制度について、どこが一番大事な問題点なのか、注意すると言うけれども、注意すべきはどこなのかということについて、文部省で論議があったとすれば教えていただきたい。
#22
○中曽根国務大臣 この制度の趣旨は、今委員もおっしゃいましたように、開かれた学校、これが一番のねらいであろう、そういうふうに思っております。
 そのために、評議員制度ということになりますが、この評議員制度も、そこでのいろいろな議論といいますか、そういうものもまた開かれたものでなければならない、そういうふうに思います。
 特に、このメンバーといいますか、人選と申しますか、このことにつきましては大変重要なことでございまして、委員御案内のとおり、校長が推薦をいたしまして、そして、学校の管理運営の最終的な責任者であります教育委員会が委嘱をするものでございます。校長や教育委員会の判断によって具体的な人選が行われるわけでありますけれども、この人選に当たりましては、学校や地域の実情等に応じまして、保護者の皆さんや、また地域住民の皆さん方の御意見や御要望が十分的確に把握できるように、できる限り幅広い分野から委嘱することが望ましいわけでございます。
 こうした観点から、適切な方が選ばれますように、各教育委員会に対しましても、公平、公正性、透明性というものも十分に配慮しながら人選が行われるように指導していきたいと思っております。
#23
○山元委員 先進諸国の中で、そういう仕組みというのがあるわけです。十分研究されたんだろうと思いますけれども、例えばイギリスのように、学校理事会というのがあって、校長と教師代表あるいは保護者代表、地域の代表が集まって、きちっとした機関として持っていますが、そこのところにはきちっと、地域の代表あるいは保護者の代表というのが位置づけられていて、歴史を持っているわけですね。
 日本の場合は、まだそこまでいかないで、校長があの人をと言って、市教委、県教委が認めるということで、どちらかというと単発的に行われるような危険が、そのイメージがあってならぬのですね。だから、さっきも言いましたように、しっかりと、学校、校長と教職員、あるいは保護者あるいは地域の人たちがきちっとしたネットワークをつくっている中で、きちっと住民の代表として入ってもらうような評議員という制度が育っていかなければいけないだろうというふうに思うのです。
 ですから、確かに、自主性を大事にする学校というのをつくっていくとすれば、校長のリーダーシップ、それを助ける周りのネットワークというのをどういうふうにつくっていくのかというのは、新しい評議員制度というのができたんですから、日本の新しい歴史をつくっていくことになるだろうと思います。イギリスのように時間をかけてつくってきたところとはまた違うわけで、ぜひそのことについては、先ほど文部大臣が注意をするとおっしゃっていただきましたけれども、注意をしなきゃならぬ観点というのはきちっとまだまだ論議をして、具体的な手だてを講じていただきたいという要請を申し上げて、終わります。
 ありがとうございました。
#24
○鈴木委員長 次に、肥田美代子さん。
#25
○肥田委員 山元委員の質問に関連しまして、私は二つのことをお尋ねしたいと思います。
 まず、大学の研究活動に関連してお尋ねします。
 つい先日、二〇〇〇年三月十九日付のものですが、東京大学先端科学技術研究センターの運営に関連した事柄が報道されました。この報道の後、先端科学技術研究センターに調査委員会が設置されたと聞いております。この調査委員会はどのような構成で何を調査なさるのか、その調査事項と委員会の開催状況についてお尋ねし、あわせて、調査結果について公表なさるのかどうか、お尋ねしたいと思います。
#26
○中曽根国務大臣 御指摘の件につきましては、現在、東京大学の内部で調査委員会を設置して調査を進めている、そういうふうに聞いております。
 調査委員会の構成でございますが、教授四名、助教授六名の合計十名。
 調査事項につきましては、旅費や賃金、謝金の請求、支払いについて事務手続上適正かどうか、また、研究室管理の経費について、その使途の精査、さらに研究室運営上の問題点等について調査をするということでございます。
 また、調査委員会の開催状況でございますが、三月の六日に第一回の調査委員会を開催いたしました。以後、連日にわたり調査委員会を開催し、現在調査を継続中と聞いております。
 それから、調査結果の取り扱いでございますが、調査終了次第、速やかに大学当局に報告される予定でございまして、私どもといたしましては、大学からの報告を待って、適切な対応に努めていきたい、そういうふうに思っております。
#27
○肥田委員 ということは、調査結果については、私どもがわかるように公表していただけるということですね。
#28
○中曽根国務大臣 調査結果につきましては、今申し上げましたように、委員会から大学に報告されるわけでございますが、私どもも、大学からの報告を待って、そしてその結果を見て、対応に努めていきたい、そういうふうに思っております。
#29
○肥田委員 しつこいようですが、結果を見て対応ということは、公表されないこともあるし公表されることもあるということで、私が今質問申し上げても、その結果について、内容について、ある意味では私が知る由もないということですか。
#30
○中曽根国務大臣 私どもが報告を受けましたらば、何らかの形で、公表といいますか、公にすることになろうかと思います。
#31
○肥田委員 文部省からは、大学の研究者や大学当局に、科学研究費補助金と国費が研究費として支給されております。この研究費の中から、研究に協力する大学院生に対して、学会出席の際の交通費とかアルバイト料が支給される仕組みになっているということであります。
 その支給に関連いたしまして、先端科学技術研究センターの研究室では、院生の預金通帳を研究室の教授が管理し、その通帳から交通費やアルバイト料を院生に支払っていたと伺っております。
 国立大学では、一般的に研究室の教授が院生の預金通帳や印鑑、キャッシュカードを管理することになっておりますでしょうか。それとも、この研究室の場合は特別だと考えていいのでしょうか。
#32
○中曽根国務大臣 大学院生に対しまして大学から支払われることのあります経費としては、旅費や賃金や謝金などが考えられるわけですが、このような経費の支払いのための預金口座を、教授やその他の研究室のスタッフが預かって管理しているかどうかにつきましては、関係者の信頼関係の問題であると思いますし、個々の研究室の実情によって異なるもの、そういうふうに思われます。
 一般論といたしましても、当事者間の了解のもとに適切に行われていれば一概に問題視することもないとも思われますけれども、いずれにいたしましても、今大学内で調査中でございますので、コメントできる段階にはございません。
#33
○肥田委員 預金通帳とかキャッシュカードの管理問題と関連して起きたことでないかと思うのですけれども、先端科学技術センターの大学院生の一人が外国に留学中に、研究室で管理されていた院生の預金通帳から約二十万円が支払われていたという記録が残っております。
 私の手元にその旅券の写しと預金通帳の写しがあるわけですが、旅券の出入国の日付と預金通帳に記載された支払い期日を照合したところ、確かにその院生はその当時は外国に滞在していたのですね。したがって、外国に滞在中の院生に交通費とかアルバイト料が支払われるということはないと私は思うのです。銀行から引き出されたその約二十万円はだれが引き出したのか、そして留学中の院生以外のだれに渡されたのか、引き出した者だけがこれは知り得ることだと思うのです。
 私が指摘したいのは、金額の問題じゃないのです。このことは、やはり国のお金の流れとか研究室の運営の基本にかかわる大切な問題だと思うのです。今回設置された調査委員会でこの件に関する事実関係も調査していただきたいと思うのですけれども、いかがですか。
#34
○中曽根国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、今大学内の調査委員会において厳正な調査が行われているところでございます。そういう厳正な調査を踏まえた上での報告を聞きまして、必要とあれば、今委員もおっしゃいましたように、不正があれば当然それなりの対応をしていかなければならない、そういうふうに思っております。
#35
○肥田委員 では、私が今申し上げました具体についても調査対象にしていただくということですね。
#36
○中曽根国務大臣 当然、その辺も調査の対象になっていると思います。
#37
○肥田委員 次に、大学入試にかかわる問題をお尋ねしたいと思います。
 入試問題は、これまで、大学みずからの教育研究理念に基づいてそれぞれの大学が独自に作成してまいりました。平成十一年十二月の中教審答申も、それぞれの大学の教育理念、目的、特色に応じて、受験生に求める能力、適性について考え方をまとめた入学者受け入れ方針、アドミッションポリシーを大学が確立して、対外的にそれを明示するとともに、選抜方法や出題内容に反映させることが重要だと激励しております。
 ところが、大手予備校は、先日、大学入試問題を作成する新しいビジネスを始めると発表いたしました。受験生を教える塾が入試問題を作成して、試験をする側に販売するということになるわけです。受験対策を目的とする予備校に入試問題を委嘱することは、入試の機密性、公平性、中立性を損なうことになるのではないかと思っております。
 実は、けさの新聞にも、歯科医師国家試験の漏えい疑惑が報道されております。要するに、受験対策を目的とする予備校が入試問題を売る、そして大学側がそれを買うことについて、大臣はどうお考えになりますか。
#38
○中曽根国務大臣 大学の入学者選抜は、基本的には各大学の自主的な判断で行われるものでございまして、どのような方式で行うかということにつきましては、また各大学の責任で行われる、決定されるべきものと思います。
 しかしながら、この入学者の選抜、特に試験問題の作成につきましては、機密性とか公平性とか中立性とか、そういうものが当然要求されるわけでございまして、社会において疑惑が持たれることのないように、そういうようなやり方をとることが当然大事なことでございます。仮に、大学が試験問題の作成を外部に委託をして発注しよう、そういうような場合におきましても、今申し上げましたような疑惑が持たれないよう慎重な検討が必要である、そういうふうに思います。
 特に、これが予備校の場合には、作題者は講師となると考えられまして、予備校の生徒との完全な隔離が事実上困難と考えられることでございますので、基本的には望ましくないものと考えております。
#39
○肥田委員 入試問題の販売を始める予備校のビジネスは、大学側からの注文があって初めて成立することになるわけです。予備校側は、国立大学を含む十数校から入試問題作成の打診があったと発表しております。国立大学が入試問題作成を依頼していることが明らかになれば、文部省としてはどのような措置をとられますか。
#40
○河村政務次官 この問題は、大学側が入試問題をつくる負担に耐え切れなくなっているという現状があるやもしれないという感じはするのでありますが、どういう学生をとりたいというのは、これはもう大学側の一つの大きな課題でありますから、現実にそれを放棄することになると言っても過言でないと私は思うのです。
 したがいまして、この問題について、文部省が直轄しております国立大学側からそういう要請があったやの報道もございますけれども、その事実については、まだ一切こちらは承知いたしておりません。もしそういう現実があるとすれば、今大臣御答弁のとおり、これは非常にゆゆしい問題だという認識に私は立っております。
#41
○肥田委員 総括にも今そのようにお答えいただきましたけれども、入試問題を外部の受験産業に委嘱するということは、大学にはもはや入試問題を作成する能力がなくなったというメッセージだというふうに受けとめることもできると私は思いますが、いかがですか、大臣。
#42
○中曽根国務大臣 大学におきましては、選抜方法も多様化しておりますし、また評価の尺度、そういうものの多元化等の取り組みも進めておりまして、入試業務がかなり負担になっているということも事実ではないか、そういうふうに思っております。
 こういう状況の中で、大学の教員が教育研究の傍ら入試の問題をつくるということは、またかなりの作業でもあり、負担もある、そういうことも私は理解をしているところであります。
 しかし、入試問題の作成、入学者の選抜というものは、学校、大学におきましても当然大変に重要なものの一つでございます。先ほど申し上げましたような機密性とか公平性とか中立性とか、そういうものが強く求められるものでありまして、大学審議会の審議の状況も踏まえながら、入試の業務の合理化とか、あるいはその際の留意点については、いろいろな会議等を通じて各大学の適切な取り組みというものを促していきたい、そういうふうに思っております。
#43
○肥田委員 今、大臣がおっしゃいましたように、やはり大学側も大変なんですね。苦悩があるんですよ。ですから、今までその苦悩に対して何か方策をとっていらっしゃったのか。もしとっていらっしゃらないのならば、やはりこれからもう少し積極的にとるべきことがあるんじゃないかと思うのですが、もう少し具体的にお願いします。
#44
○河村政務次官 肥田委員御指摘の点についてでありますが、入学試験で何年か前の問題がまた出たりすると、そのことが非常に話題になったりする。新しい問題を新しい問題をという形で、入試を作成する大学側も非常に苦労が多いわけですね。
 私は、この問題が発生したときに、大学入試センターというのが大学共同利用機関としてあるわけですから、これをもっと活用できないかということを思ったんですね。事実、問題設計基盤研究部門、難しい名前ですが、その中にどういうふうな問題をつくればいいかという研究部門を設けて、そこでも、いろいろな問題を、どういう問題がいい問題かという分析をしながら、そういうものを集積して大学側にアドバイスするということもかなりやっておるようでございますし、私はもっとそういうことを活用すべきであろうと。
 本当に基礎学力を見る問題なら、今まで出たような問題があったって構わないわけですから、そういうものを全体に集積してデータを持っていて、そしてそれに応じるという体制をつくっていく必要がありますので、それをもっと強化していくということが必要であろうと私は思っております。
#45
○肥田委員 それこそ大学入試のために幼稚園のころから子供たちが苦労するわけでありますけれども、私は、ここまで来ると、大学入試は資格試験程度にして、もう少し発想の転換をすべきかなと実は思っております。
 大学審議会は、現在、大学入試センター試験の複数回実施や前年度の成績活用など、センター試験の改革を検討していらっしゃると伺っておりますが、予備校に入試問題を委嘱することの是非も論議になるのかどうか、改革論議の進捗状況と最終的なまとめの時期についてお尋ねして、私の質問を終わります。
#46
○河村政務次官 大学審議会に入試問題を予備校に発注する問題を諮問するということは、とても、審議会の性格からいって諮問に値しないことだ、私はそう思っているんですね。しかし、外注する問題については、どうあったらいいかということは議論の要があろうと思いますので、要するに、それ以上に、私は入試センターを活用する方向を含めて検討していただいたらいい、こう思っておりますから、今御指摘の点、大学入試の改善のあり方等に含めて、こうした問題が持ち上がったということについても含めて議論していただくということが必要であろうと思います。
#47
○肥田委員 終わります。ありがとうございます。
#48
○鈴木委員長 次に、旭道山和泰君。
#49
○旭道山委員 中曽根文部大臣、河村総括政務次官、若輩者ですけれども、よろしくお願いします。
 質問に入る前に、三月五日に起きました平成十一年度大学山岳部リーダー登山研修中の事故は、現在二名の行方不明者が出ていると聞いていますが、現在の状況を聞きたいと思います。
#50
○河村政務次官 お答えいたします。
 登山事故の防止を目的として設置した登山研修所、この研修においてこのような遭難事故が起きました。まことに苦渋にたえない思いでございますし、御家族の思いを察しますと、何と申し上げていいかわからない気持ちでございます。一刻も早い発見に努めなければいかぬということでこれまでも努力してきたところでございます。
 御案内のように、三月一日から実施されて、研修五日目にこの事故が起きたわけでございまして、今二名の方が行方不明になっておられます。講師等も含めて四十四名が研修に参加された、そして学生が九名、講師二名が滑落された、雪庇の崩壊を受けたわけであります。
 そして、今、気象条件が非常に厳しいものでありますからなかなか思うような捜索が進んでおりませんが、いわゆる無線機、ビーコンと言っておりますが、そこから発信を受けておりまして、雪崩の大体どの辺だということは実はわかっているわけでありますが、直接そこへなかなか行けないということがございます。今、ヘリコプターから、天候のいいときを見て上を探索しているような状況でございます。警察当局とも十分な連携をとりながらさらに捜索を進めてまいりたい、このように思っております。
#51
○旭道山委員 親族は本当に心配しておりますので、一日も早く捜索をお願いします。
 それでは質問させていただきます。
 昨今、いじめや不登校や学級崩壊の問題を初めとする学校現場を取り巻く問題が複雑さ、困難さをふやしています。そして、このような問題に対処するためには、学校と家庭と地域社会の協力、連携が一層重要となると同時に、教員につきましても、教員の登用に多様な資質、能力を持つ個性豊かな人材を集めるなど幅を持たせ、とかく閉鎖的な、視野が狭くなりがちな学校に外部の血を導入し、学校という組織が社会に向かって開かれた形で充実した教育活動を展開していく必要があると思われます。
 そこで、私が注目しますのは、すぐれた知識、技能を有する社会人の教員への積極的登用であります。これについては、昭和六十三年、特別免許状制度や特別非常勤講師制度が導入されておりますが、例えば特別免許状制度により教員になった者は、十年余りで四十二人にしかすぎず、十分効果が上がっているとは言えません。今回の法改正の特別免許にかかわる部分の改正は、一定の前進はあろうと思いますが、これで十分な効果が期待できるでしょうか。深刻さを増す学校教育の現状に照らせば、従来の枠にとらわれず、こうした人材の教職へのもっと積極的な登用を進める方針を真剣に検討すべきだと思います。よろしく答弁をお願いします。
#52
○河村政務次官 委員御指摘のように、せっかくこの特別免許状制度というものをつくって、そして社会人等の活用を図ろうということであったのでありますが、現時点では御指摘の四十二件と、少ないわけでございます。現実に、教員の採用というのが年々厳しくなっているという面もございますが、特別免許状は、やはり学校側もこういう方に社会人としての知恵をかしていただいて、子供たちにいろいろなことを教えてもらいたいということでお願いをする、その場合の免許状を出すわけでございます。
 ただ、これには、十年間という一つの上限を切っているものでありますから、どうしてもそれから先のことを考えると、社会人も、例えば自分の仕事をやめて転職しようというような、なかなかそういう気持ちになれないのではないか。一方では、特別非常勤講師制度というものもございますので、そのときだけスポットでやっていただくという方法もあるものでありますから、むしろその方へ社会人の活用が進んでおるということもあって、まだこれがもう一つ進んでおりません。
 今度、特別免許状を持っている方にもさらに研修をいただければ普通の免許状にかえられるように制度をお願いしておる、そういうこともできるわけでございますので、そういうことをもっとしっかりPRすれば、この免許状を活用しようと言われる方もふえてくるのではないか、このように思っておるわけでございます。そういうことの周知徹底をすることによって、この特別免許状制度というものをもっと教育現場に活用していきたい、このように思っておるところであります。
#53
○旭道山委員 本当に、従来の枠にとらわれず、積極的に推進をよろしくお願いします。
 まず、既存の制度についてであります。
 今回の免許法の改正によって、特別免許状を持った教員が大学などで一定の単位を取れば、生涯有効である免許状を取得することが可能となります。これにより、この十年間の授与件数が四十二件しかなかったこの制度の、一定の改善と言えるかもしれません。しかしながら、特別免許状制度が十分活用されなかったのは、効力が期限つきだからでしょうか。ほかにも例えば、特別免許状の免許授与に当たって、学士の学位を有すること、教員検定の実施等かなり厳しい授与の要件があります。
 もとより、教員の資質の確保という面では、免許状制度の運用は厳しくなければいけませんが、一方、学位なくしても、社会人として大きな業績、豊かな経験を持ち、教育者としてもふさわしい人材が多いと思われます。このような人材に教員への道を開くことで、この制度がさらに活用されると考えられます。
 そこで、こうした見地から、特別免許状の今までの授与件数が四十二件しかなかった理由について、文部省、どうお考えですか。
#54
○河村政務次官 先ほど私が先に答弁したのでしょうか、そんなことはないと思うのですが、四十二件については、今委員御指摘のように、これからこの法改正によって、十年の免許を、さらに研修を受けることによって普通免許に切りかえられるということで、身分が保障されるということによってこの免許制度が活用されることになるであろうというふうに思っております。
 さらに、委員御指摘のように、社会人登用のためにもっと制度を周知徹底させるということは当然必要でございますし、幅広い経験を持った方々、あるいは特別な技能を持った方々、そういう方々にもこの制度をしっかり活用していただくということが必要でありましょうし、また教育現場にも、そういう方々に入っていただくということが非常に大きなインパクトを与えることになるであろう、こう思っておるわけでございます。
 教員には教職に関する専門的な知識等ということもあるものでありますから、教員の資格認定試験というものもあるわけでございます。本制度については、昭和四十八年の小学校の教員資格認定試験の追加とか、平成六年の高等学校の「情報技術」とか「情報処理」、そういうものが必要になってきて、所要の改正をやってきておるわけでございます。
 さらに、大学における教員養成の状況とか特別免許状制度の活用状況を踏まえて、教員の資格認定試験についてもさらに見直しをやりながら、社会人の活用をしっかり図っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#55
○旭道山委員 また、一般社会人から教員の道を開いているものとして、文部省で行っている高等学校卒業者等を対象とする高等学校教員資格認定試験、小学校教員資格認定試験等があると承知をしております。その制度自体は評価をするべきだと思いますが、例えば高等学校教員資格認定試験で見ると、実施科目が「柔道」「剣道」「建築」等七種目に限られています。
 有為な社会人を幅広く採用するために、現行の種目をふやしたり、中学校教員資格を対象にするなど、この制度の充実を図ることについての御所見をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
#56
○中曽根国務大臣 現行の制度におきましては、教員養成は大学で行うこと、そういうふうになっているわけでありますけれども、今委員からもお話ありましたように、広く社会一般から有能な人材を教員として確保すること、これも大変重要でございます。また、大学における教員養成になじみにくい分野もあるということでありまして、大学における教員養成を補完するものとして教員資格認定試験を実施し、その合格者に教員免許状というものを授与しているところでございます。
 今委員からお話ありましたように、高等学校においては七科目でございましたけれども、今総括政務次官からも御答弁申し上げましたとおり、平成六年には二種目追加いたしました。「情報処理」それから「情報技術」の二種目を追加いたしまして、現在は九科目になっているわけでありますけれども、文部省といたしましては、大学におきます教員養成の状況とか、あるいはお話ありました特別免許状制度の活用状況なども踏まえながら、この教員資格認定試験について、必要に応じてまた見直しなども行っていきたい、そういうふうに思っております。
#57
○旭道山委員 七種目、九種目じゃなくて、門戸を広げて、柔軟な考えでよろしくお願いします。
 現行の社会人登用のための制度について伺いましたが、また、制度の充実強化とともに重要になるのは、有為な人材を広く集めるために、こうした制度をわかりやすく周知徹底すること、及び採用者の積極的な姿勢だと思います。こうした点からの文部省のお考えをお聞きしたいと思います。
#58
○中曽根国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、幅広い経験を持って、そしてまたすぐれた知識とか技術を持つ社会人、こういう方を登用するということは、学校の教育内容を非常に多様化するという上でも意義があるもの、そういうふうに思っております。また、教員の意識改革とか、あるいは学校運営の改善を促すなど、そういう効果もあろうかと思っております。
 文部省といたしましては、この特別免許状制度を初めといたしまして、特別非常勤講師制度や、それから先ほどの教員資格認定試験など、社会人の活用を図るための制度の充実に努めてきたところでございます。
 今回の改正におきましては、特別免許状制度の改善について盛り込んでいるところでございまして、これを契機に社会人を一層活用していく、そういうことを考えております。そのためには、委員が御指摘のとおり、周知徹底を図るということが非常に大切だと思っております。学校現場あるいは地域社会に対しまして、また採用者側に対しまして、この制度についての理解を深めていきたい、そういうふうに思っております。
#59
○旭道山委員 よろしくお願いします。
 続いて、私は相撲をやっていた人間ですから、ちょっとそういう観点から質問をさせていただきます。社会人から教員へ登用する人材について質問をさせていただきます。
 外部から導入すべき人材と考えられるのは、例えばオリンピックのメダリストなどのスポーツ、文化その他の分野で大きな業績を上げた有為な方々があります。それぞれの分野において、つらさや厳しさに耐えてかち取ってきた栄誉や経験を持ったこの人たちは、みずから考える力や豊かな人間性などの生きる力を子供たちに教えることができると思うからであります。
 また、この生きる力を学ぶのに最適な中学、高等学校におけるクラブ活動につきましても、最近低調なものになっていると言われますが、その理由の一つに、専門的な技能を持つ教員がいないことが上げられていると思います。そこで、これらの人たちが、個々の高度な技術や知識を見せたり、教えたりすることで、子供たちのクラブ活動に対する魅力が増し、活性化されることも期待できます。
 一方、オリンピックのメダリスト等、スポーツ、文化その他においてきわめられた方々がいます。学校教育の場で活用することは、こうした問題への有効な対策ではないでしょうか。文部省の御意見をお願いします。
#60
○中曽根国務大臣 スポーツとか文化とか、あるいは芸能の分野等において、すぐれた実績、業績、成績等を上げられた方々、また、そういう方々の中で人格的にもすばらしい方は大勢いらっしゃるわけです。そういう方々に学校教育において活躍をしてもらうということは、児童生徒にとっても大変大きな刺激となる、そういうふうに思っておるところでございます。
 こういう人材を学校教育において活用するための制度として、先ほどから申し上げております特別非常勤講師制度とか特別免許状制度があるわけでありますけれども、クラブ活動などの指導において、特にこういう制度が活用されているところでございます。
 また、採用におきましても、スポーツや芸術の分野ですぐれた実績を持っている者につきましては、特別の選考試験を行っている教育委員会もあるところでございます。
 学校教育の活性化を図るという観点から、このような社会人の活用の取り組みを一層促進していきたい、そういうふうに考えております。
#61
○旭道山委員 そういう観点から、少しでもよろしくお願いします。
 社会人を教員に登用する必要性とともに考えなければならないのは、既に教員となっている者の中で、教職にふさわしくない者の取り扱いだと思います。
 本当につらい言い方ですけれども、多くの先生は真摯に教育に取り組んでおられると思いますが、中には、子供たちの視点に立っていない、今日の学校の環境に適応をしていない等、教師に適さない者も少なからずいると聞いております。これらに関して、大臣の御所見をよろしくお願いします。
#62
○中曽根国務大臣 教員の適格性といいますか、そういうことについてのお尋ねでございます。
 ほとんどの先生方はすばらしい先生であるわけですけれども、大変残念ながら、中には、子供と信頼関係を築くことができない、そういう適格性を欠く教師がおるということ、これは大きな課題でございます。このため、各教育委員会におきましては、教員の採用段階においては、面接を多用するといいますか、面接のやり方を工夫するとか、それから、条件つき採用期間制度がありますけれども、これを適切に運用するということによりまして教員としてふさわしい人材の確保に努めるとともに、また指導力の不足しているような教員に対しましては研修を行うなどして、教員の資質の向上に努めてきたところでございます。
 また、昨年十二月の教育職員養成審議会答申におきまして、ここで提言されておりますけれども、教員としての適格性を欠く者につきましては、必要に応じて、免職を含む分限制度、これを的確に適用するなどにより、適切な人事上の措置を行うことが重要である、そういうふうに提言もされております。
 文部省といたしましては、こういうような考え方に立ちまして、各教育委員会において適切な対応が図られるよう指導を行っていきたいと思っております。
#63
○旭道山委員 本当に現場では一生懸命やっておられると思いますけれども、そういう教職員がいるということは現実ですので、対処をよろしくお願いします。
 以上、教員の登用の面につきまして、オリンピックのメダリスト等、スポーツ、文化、その他の分野に大きな業績を上げた有為な方々、多様な資質、能力を持つ社会人を教員として積極的に登用する必要に関していろいろ申し上げました。
 いずれにしましても、今の学校現場を取り巻く問題が複雑さ、困難さをふやしている現状に対して、従来の枠にとらわれることなく抜本的な改革の方向を目指すことが重要であります。そうした意味で、今月下旬に政府が設置する教育改革国民会議の発足は、まさに時宜に適したものであると思います。この会議におきまして、二十一世紀を支える有為な人材を育成する教育を実現するために活発な議論が行われることを期待しますとともに、次代を担う子供たちの立場に立って今後の教育改革が推進される、そして決められた施策を着実に実行していただくことをお願いして、質問にかえさせてもらいます。
#64
○中曽根国務大臣 教育の問題というのは本当に幅が広く、奥行きもあり、それから国民の皆さんお一人お一人が大変に心配もされておりますし、また、どなたもがいろいろな御意見を持っていると思います。日本の教育水準も上がりましたけれども、教育の現場等でさまざまな問題があるということから、国民みんながこの問題に取り組んでいかなければならないと思います。
 国民会議を近々発足させる予定でございますけれども、この会議の場において、広く教育の根本にまでさかのぼった議論、あるいは今後の教育をどうするかというような理念的な問題等々、また現場での問題等、いろいろ御議論していただきたいと思っておりますし、文部省といたしましても、そういうところでまとまりました方向性等を現場での教育行政に生かしていきたい、そういうふうに考えておるところでございます。
#65
○旭道山委員 中曽根文部大臣、前向きの答弁をありがとうございます。河村総括政務次官、本当に前向きな答弁をありがとうございます。
 私は相撲協会、相撲をやったOBですけれども、この前質問がありまして、予算委員会でいろいろと大臣が答弁されていたと思います。本当に前向きな答弁をありがとうございました。私も相撲をやった人間の一人として、本当にあれですけれども、次元が低いようなことでありましたけれども、私たちは文化、教育、そして美、伝統を大切にした人間です、それを理解してもらって本当に前向きな答弁をしてもらったので、この場をおかりしまして、敬意を払います。どうもありがとうございました。
#66
○鈴木委員長 次に、石井郁子さん。
#67
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 高等学校の免許教科として「情報」及び「福祉」に関する教科が新設されまして、その免許法改正が出されているかと思いますが、私は、この機会に高校教育のあり方について少し質問をさせていただきたいと思います。
 ことしの高校生の就職状況が、先日、文部省、労働省の調査で発表になりましたけれども、七九・三%と過去最悪であります。この就職難に加えまして、若年の未就労者、就職しない方々の増大ということが社会問題となっているかと思うわけです。十八歳になれば本当は親から独立、自立できるというのは世界的には常識かなと私は思うんですけれども、日本の場合は、二十歳を過ぎても親の扶養のもとにいるというか、扶養から離れられないという若者が大勢いるわけであります。
 この問題は、社会全体としてのいろいろな問題があるわけですけれども、しかし、教育制度として、高校段階ですべての高校生に社会人として必要な最低限の労働に関する知識や態度、あるいは職業選択能力を身につけさせるということは、普通高校、職業高校を問わず必要なことだというふうに私は考えます。
 このことは学校教育法でも、高校教育の目的というのは、普通教育と専門教育を施すと。つまりこれは、普通教育だけでいいとか専門教育だけでいいというのでなくて、普通教育と専門教育を両方施すというのが趣旨だというふうに私は理解をしているんですけれども、日本の高校教育はこのようになっているかといいますと、残念ながらそうとは言えない現状がいろいろあると思うのです。つまり、学校教育法のとおりに高校教育が行われているというのは、ごく一部はあるでしょうけれども、いわば多くが受験教育一辺倒、あるいは特定の職種に対応する技能や検定教育に陥っているというふうにも言えるのではないかと私は思います。
 そこで、この新教育課程、今度新学習指導要領ができるということになるわけで、その際に、すべての高校生に技術、職業教育と労働の手ほどきを行うということは、私は高度産業社会の中にある日本の若者にとって必要なことだというふうに考えるわけですけれども、この点での大臣の御見解といいますか、文部省の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#68
○中曽根国務大臣 高等学校における職業教育というのは、職業生活に必要な専門的な知識とか技術、技能の基礎、基本を身につけさせることによりまして日本の発展を担う人材を育成するということで、大変重要であり、意義のあることでございます。
 また、実習を通じまして物づくりなどを行うことによって、勤労観とか職業観を育成し、それから創造性を養う総合的な人間教育、そういうことの育成という意味でも大きな機能を果たしてきたわけでございます。
 このため、職業教育に関する教科につきましては、社会の変化とかあるいは産業の動向等にも適切に対応して検討する必要がありますけれども、時代の要請に応じて教育内容の見直しを行うこと、あるいはまた新たな教科等を設置するということが重要であり、また、そのような対応をとってきたところでございます。
 特に、近年は情報化が急速に進展をしておるわけでございます。いわゆる情報産業とか福祉産業、これが独立の一領域を形成するに至っておりまして、高度な情報技術者とか、あるいは介護サービスなどの充実のための人材の育成が要請されておるところから、この新しい学習指導要領におきましては、新たに専門の教科の「情報」また「福祉」というものを創設したところでございます。
#69
○石井(郁)委員 ここでちょっと伺っておきたいのですけれども、一九八九年、ユネスコ第二十五回総会で、技術教育及び職業教育に関する条約が採択されておりますけれども、日本はというか、文部省としてはこれにどういう態度をとってきたのでしょうか。ちょっと御説明ください。短くで結構です。
#70
○中曽根国務大臣 委員おっしゃいましたとおり、この条約は平成元年に開催されました第二十五回ユネスコ総会において採択されまして、ユネスコ憲章の規定に基づいて、平成二年十一月に国会に報告をしたところでございます。
 この条約は、技術教育、それから職業教育の発展を目的とし、各国においてとるべき措置等を規定しておるわけでございます。内容の上では基本的には問題ない、そういうふうに考えておりますけれども、他省庁にかかわる部分もありまして、検討に時間を要してきております。
 また、そのほかの加盟国の動向を見てみましても、これまでの批准国はわずか十一カ国であります。百八十七カ国のうちの十一カ国でありまして、各国においても時間を要している状況にあります。
 この条約に規定する内容の実現につきましては、批准の有無にかかわらず、行政遂行上余り問題はないと考えておりますけれども、今後各国の動向をよく見きわめながらさらに検討を進めていきたいと思っております。
#71
○石井(郁)委員 大体状況はわかりました。きょうはこの内容に立ち入って質問する時間はありませんけれども、やはり進学するにしろ就職するにしろ、高校生が自分の進路を社会発展の中で見つけ出す、それから、未来を展望して仕事や学問に励むことができる、そういう動機づけも要るし、基礎的な能力形成も必要だということかと思うのです。私は今、学校教育法を引き合いに出しまして、高校教育のそもそもの目的に立ち戻って考えたいというふうに言いましたけれども、そういうことから考えますと、今の日本の高校教育はこのままでいいのかということをやはり思わざるを得ないわけであります。
 それで、文部省はこの間、総合学科とかあるいは単位制、コース制、一口で言えば多様化路線を推進してきたわけです。職業の小学科ということまで含めると本当にさまざまな、いわば職種に対応したコースができて、これはまさに選別多様化教育を推進してきたと言っていいと思うのですが、これが今行き詰まりを来しているんじゃないかというふうに私は思わざるを得ないのです。
 ちょっと一例を挙げますけれども、埼玉の普通科コース制というのは、その内容が貧弱だということで定員割れからさらに廃止へ追い込まれているということも聞いています。また、大阪で、今回「情報」という新設教科になるわけですけれども、既に情報小学科というのができていますよね。情報技術科というのができていまして、これは大阪の府立高校十二校中三校にあるわけですけれども、昨年度の卒業生、九クラス中、何と情報関係に就職したのは十一名だと。もうほとんど情報関連には就職できない。だから、今情報関連は非常に日が当たっている、いいと言われながら、高卒では就職できないということになっていて、やはり今までどおりの電気一般だとか、それ以外のところに就職していると言われているわけです。全国的にも化学科が、重化学工業型から今や環境福祉型へと社会自身が変化していますから、その学科の大幅な縮小、廃止をせざるを得ない、環境化学科というふうに転換を進めるということになっています。
 だから、こういうさまざまなコース、学科というのがいろいろと縮小、転換に追い込まれているということで、私が申し上げたいのは、そういうこともまああり得るという考え方もあるでしょうけれども、事は、高校教育というのがいわば産業構造にこんなに左右される、その波にもまれていくということがあっていいのかというふうに思うのです。その点でちょっと、いかがでしょうか、この多様化についての文部省の基本的な見解をお聞かせいただきたいと思います。
#72
○中曽根国務大臣 時代も大きく変化しておりまして、高校生や学生を取り巻く環境も変わってきております。また同時に、学生の方の立場にとりましても、いろいろな関心とか興味とかそういうものも変わってきていると思います。そういう多様な実態、社会の実態、また生徒の実態、そういうものに対応しながら、同時に個人個人の個性を伸長していく、そしてそういう関心や要望にこたえていくということが大事であろうと思いますし、また、学習の選択の幅をそういうところから広げる必要もあるのではないかと思っておるわけです。
 従来の普通科、それから専門学科に加えまして、平成六年から総合学科を創設いたしましたけれども、その普通科や専門学科におきましても、既存の学科の枠にとらわれずに、国際化や情報化等の社会の進展に対応したり、また地域の特色を生かした多様な学科やコースを設ける学校がふえているわけであります。
 私は、最初に申し上げましたとおり、時代も大きく変わっておりますので、学生の関心あるいは社会の動向、企業の状況等も見きわめながら、このような選択の幅を広げていくということは現在の方向として好ましい方向だ、そういうふうに思っております。
#73
○石井(郁)委員 私は、この間進めてきたこういう多様化路線というのは、今真剣に考えなければいけないときに来ているんじゃないかというふうに思うのです。最初に申し上げましたように、社会に自立していく、そして職業というのは、まさに今の就職状況を見たら、一たん就職するけれども、それでずっと行けるかどうかという保証がないじゃないですか。どんどん変わっていくというか、変わることもあり得るということを考えますと、やはり基礎的な力、能力、そういうものを幅広くつけておくということが、まさに若い時代に、高校生に必要なことだというふうに私は思います。
 特定の職種に対応した多様化という路線は、高校生にもう合わなくなっているんじゃないか、今の社会に合わなくなっているんじゃないかというふうに私は考えているのですけれども、これは大いに議論があるところかと思いますので、今後大いに議論をしていきたいというふうに思います。
 そこで、具体的にお聞きしますけれども、今回「情報」と「福祉」ということですけれども、例えばこれまでの例で、今言ったように特定の職業に対応するという形でつくられた一つの例で、衛生看護科というのがあるのですね。これは、准看制度廃止の流れの中で学科の廃止、転換を迫られているということで、これはだから、衛生看護科が福祉科になるのかどうか、そういうこともわかりませんけれども、こういう例があるということで、高校段階で高度な専門家を養成するというのは困難だということがあります。
 そこで、ちょっと具体的にお聞きしますが、情報や福祉の専門家を目指す者にとって、やはり高校での学習を土台にして目指す資格取得が図れるというような進路保障が必要なわけです。福祉科というところに今度できるコースでは、これは高校卒で就労できる職種が用意されているのかどうか、想定されているのかどうかという問題が一つ。
 では、その高校卒でつける職種というのは一体どういうところがあるのか。あるいはその資格というのは、何か高校卒で資格につながるようなことを予定しているのかどうか、あるいは大学へ行かないと資格が取れないのかどうか。福祉関係のいろいろな資格がございますね。そういう問題で、ちょっと具体的にお聞かせください。
#74
○中曽根国務大臣 学校におきましては衛生看護、こういう学科があるわけでありますけれども、看護婦とかそれから准看護婦の育成を目的として、看護に関する教科を履修させているわけでございます。
 今回新設されます「福祉」は、こちらの方は、高齢者や障害者等へのよりきめ細かな介護サービスに対応できる専門的な知識や技術を有する人材の育成を目的としているものでございまして、これまで家庭科の中で設置者の独自に定める科目として履修されていた内容を、高齢社会を支える人材育成の充実を図るために、独立した教科として新設したものでございます。
 福祉に関する学科におきましては、社会福祉士及び介護福祉士法に基づきまして、日常生活に支障がある者につき介護や介護に関する指導を行う介護福祉士や、日常生活に支障がある高齢者がいる家庭を訪問して家事とかサービスを提供するホームヘルパーの資格取得を目的とした教育を行っております。
 介護福祉士の受験資格を得るためには、法令に定める科目の履修、修得が必要であるわけです。またホームヘルパーの資格の取得には、都道府県、指定都市の指定を受けたホームヘルパー養成研修の課程を修了することが必要でございます。平成十一年度現在、介護福祉士の国家試験を受験可能な教育課程を編成する高等学校は全国で百八校、それからホームヘルパー養成研修課程の指定を受けている学校が全国で二百二校となっております。
 平成十年度の介護福祉士の国家試験では、福祉に関する学科等の卒業生が二千七百七十九名合格をしているわけでございます。
 卒業後の就職先といたしましては、高齢者や障害者の福祉施設、病院等に就職して介護職員等の職種に従事する者が多くなっている、こういう現状でございます。
#75
○石井(郁)委員 高校のコースは、特色ある学校づくりという名のもとに、本当にさまざまなことが行われてきたと思うのですけれども、それが本当に子供たちの成長、あるいは社会人として自立していく、そういうことに役立っているのかどうかという点では、今真剣な検討が求められているというふうに思いますので、今後この問題は引き続き私も追求していきたいと思います。
 もう一点ですけれども、きょうは若手教員の問題で質問をさせていただきます。
 今回の法改正では社会人の活用ということが出ているわけですが、今、学校現場というのは非常に教員の構成がひずみが著しくなってきておりますので、その問題を伺っておきます。
 若い教員が足りないということで、運動会ができない、部活ができないということをあちこちで聞くわけであります。
 そこで、最初に文部省にお聞きをしますけれども、私自身、九五年の学校教員統計調査報告書、これを見てみまして、二十代の教員が全国平均で一四・四%だと。東京都が八・五%で、これもまた大阪の例ですが、大阪では何と五・七%。都市部ほど深刻だということが出ているのですね。
 これは五年前なんですけれども、現在、例えば去年とか一昨年というレベルで、大都市圏での二十代の教員というのはどういう構成になっているか、もし数字がわかりましたら、教えてください。
#76
○矢野政府参考人 平成十年十月現在の文部省調査でございますが、その調査によりますれば、公立の小中高等学校の二十代教員の構成を見ますと、埼玉県の場合が五・七%、千葉県が五・八%、東京都は五・七%、神奈川県は同じく五・七%、大阪府は五・六%となってございまして、御指摘の二十代につきましては、他の年齢層に比較して少ない状況にございます。
#77
○石井(郁)委員 これは本当に現場は深刻なんですよ。これは私の地元で聞いたことなんですけれども、ある大阪の学校では、四十代以下の先生さえいない、だからもう現場では行事というのはまず難しいということや、それから、子供から見たら、小学校でしょう、小学校一年生、二年生がいるところで、いわば四十代、五十代の先生しかいないというのは異常なんですよ。だから、小学校教育自身がこれで円滑にいくのかという状況が出ておりまして、校長先生からも、何とかならないのかという話も聞いてきたところであります。
 それで、その中で、三十五歳以下のそういう青年教師が本当にどんなに御苦労されているかということも、私たち、アンケートなんかでも聞いているわけですね。それはもう本当に必死に若いなりに頑張っている。
 しかし、その若い先生が、これは二千人のアンケートを見ましたら、半数以上の人が、やはり教師をやめたいと思うと。子供と話す時間もない、それから同僚と話す時間も一日三十分以下だというようなことや、持ち帰りの仕事が多いというふうに答えているのですね。それから、自分が過労死するのではという不安を持っている人が五四%。だから、二人に一人がこのままではもう過労死だなと。これではやはり今の教育というのは異常だと思うのですね。若くてエネルギーある青年教師がこのままではもうやっていけないような気分に半分はなるという問題が一つです。
 しかし、その中でも、やはり若い教員がいることが非常に学校を活気づける、大事だという点で、これは東京都の校長先生のアンケート調査なんですが、若い先生は教材研究に熱心だという人が六七%。中堅の人については五二%だから、中堅以上に若い先生はやはり熱心だと。それから、子供に好かれるという人は若手で七五%、中堅では四二%といいますから、いろいろな項目をとっても、若い先生方はやはり熱心にやっているというのが出ているのですね。
 それで、ちょっとおもしろい表現をある先生がされていまして、二十代は黙っていても子供が寄ってくる、三十代は呼べば来る、四十代は呼ぶと子供は逃げていく、この先、五十代については反応がないということをおっしゃっておりました。五十代、四十代の先生も頑張っていらっしゃると思うのですが、やはり若さというのはいいわけでしょう、子供と年齢が近いわけだから。これだけでも大事なんですよ。
 そこで、文部省に伺います。この現状というのは、今がこうですから、これから、それこそ五年後、十年後と、もっと深刻に進むわけですよ。そうでしょう。二〇一〇年になったらどんなふうになるのか。
 逆に言うと、今度は五十代の先生がさあっとやめていかれて、学校は若手が、新規採用が増大する。そうすると、またベテランとのアンバランスができてくるということになるわけで、文部省としては、今のこの状況と、今後の学校がこういう状態で推移していいのかという点では、どうお考えなんでしょうか。私は文部省はやはり先を見てちゃんと計画をしているところだというふうに思いますから、ちょっとお聞かせください。
#78
○矢野政府参考人 教員の年齢構成のお尋ねでございますが、先ほど御説明申し上げましたように、現在の教員の年齢構成につきましては、特に都市部におきまして、二十歳代の教員が少なくて四十歳前後の教員が多くなっているわけでございますが、これは第二次ベビーブームの世代の子供たちが学齢に達したことや、あるいは大都市圏におきまして児童生徒数が急増したこと等の事情があるものと考えられるわけでございます。
 教員の年齢構成はこうした外的要因に左右されるところが大きいわけでございますけれども、それだけに、それぞれの都道府県教育委員会におきましては、今後の児童生徒数の変動状況等を予測しながら、年齢構成が全体としてアンバランスにならないように配慮して、適切な採用管理、昇進管理、また退職管理を行う必要があるわけでございます。
 しかし同時に、大切なことは、教員全体の年齢構成がどのようなものかということもさることでございますけれども、むしろ、それぞれの学校が一つの組織体として有機的かつ機能的に運営されますように、教員一人一人の資質、能力の向上を図りながら、その適性や能力に留意した適切な人事管理を行うことも重要なことであるわけでございます。
 文部省といたしましては、このような観点から、各県がそれぞれの状況を踏まえながら中長期的な視点に立った適切な人事管理を行えますように、必要な情報提供、指導助言等に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#79
○石井(郁)委員 そういう点では、何かもう全然今の答弁ではなっていないですよ。これが文部省では、本当に子供たちがかわいそうだなというふうに言わざるを得ません。
 やはり私は、この緊急な事態では、若手の採用というのは本当に思い切って進める、前倒ししてでも進めるというぐらいのことをしなければいけないのではないかというふうに思うのです。
 ただ、基本は、何度も申し上げていますように、やはり少人数学級にしていく。そうしたら、一気に本当に多くの採用ができるわけですから、それも、一気にというか、段階を追ってぜひしていくべきだというふうに思うのですね。
 それで、少人数学級を実現した場合、公立小中学校では十数万人の教員増になるということはずっと言われているわけですけれども、これは九八年の日経連が出した調査でも、百万人の雇用創出計画でもやはり公立小中教員を十万人ふやす計画を出していますよね。だから、やはり今のこの状況の中で、教員になりたい人はもうたくさんいるわけですから、そういう教員のなり手の今の状況から考えますと、採用していく、学校を活気づけていくということが本当に急がれていると思うのです。
 この点ではなかなか、きょう先ほどの山元議員の質問にもありましたけれども、先日私の質問に対しまして、河村総括政務次官が、大臣と政治的な判断もしていかなければいけないのではないか、思い切って教育の予算をふやしていく、あるいは計画を立てるということに踏み出すべきではないかという御見解もいただきましたけれども、本当に教員の若手新採用という問題でもっと政治的な御判断ができないのかどうかという点では、いかがでしょうか、河村政務次官。
#80
○河村政務次官 前回御答弁申し上げた基本的な認識はもちろん変わっておりませんし、今石井委員御指摘の点は、これは第七次の定数改善の中でどのように位置づけていくかということによって、その人員の確保がどのようにできるかということによって解決する問題だと思います。
 今御指摘のように、全体のバランスを見ましたときに、確かに二十代の先生が非常に少ないということ、しかし、今一番多いのは、四十代の先生が半分近く、大体半分おられるわけですね。一番働き盛りの方々が中心になってやっておられるわけでありますが、そのころの採用が非常に大きかったということもありましょう。
 一方では、子供の数がどんどん減っているという大きな問題にも直面をいたしておりますから、私の基本認識では、少なくとも今の、現状の先生方の数を減らさない方向でいけば相当、三十人学級の問題をいつも御指摘をいただいておりますが、その方向に向かっての展望が開けてくるのではないか、私はこういう基本的な認識を持っておりまして、第七次定数改善に向かってはその観点から改善計画を立てていかなければいかぬだろう、そういうことで、今検討をいたしておるような状況でございます。
#81
○石井(郁)委員 終わります。どうもありがとうございました。
#82
○鈴木委員長 次に、菊地董君。
#83
○菊地委員 社民党・市民連合の菊地でございます。本委員会では初めての質問でございます。大臣、簡潔にお伺いしてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 世の中の移り変わりの中で、特に専門高校等で新しい学科をつくっていく傾向があるのでありますが、予算が伴わずして充実し得ない状況というものを見聞きするわけでございます。
 今回の高等学校の免許教科として、「情報」及び「福祉」に関する教科の新設が提案されているわけでありますが、二〇〇三年からの実施に当たりまして、予算等の充実について十分手当てされるものであるかどうか、まずお伺いしたいと思います。
#84
○中曽根国務大臣 この「情報」及び「福祉」の教科の新設に当たりましては、またそれなりの経費が必要なわけであります。実験とか実習、あるいは施設設備、こういうものの整備に要する経費といたしましては、平成十二年度の予算案におきまして約百十四億円を計上しているところでございまして、今後とも、この新しい教科の新設に伴う必要な条件整備には十分配慮していきたい、そういうふうに思っております。
#85
○菊地委員 現職教員による専修免許状上進状況は、いただいた資料によりますと、高等学校の三けたの実態に比べまして、小中学校では、一九九八年ベースでも二けたの後半の数字にあるわけであります。小中学校の教員には取りづらい何かのファクターがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#86
○河村政務次官 お答え申し上げます。
 結論から言えば、特別なファクターはないというふうに考えておるわけでございますが、小中学校に比べると、確かに御指摘のように、高等学校は二八%、小中学校は一%前後、こういう状況にございます。
 一つは、高等学校の教員免許状については、昭和六十三年の免許法改正以前から、既に大学院修士課程修了程度の一級免許状が存在をしておったということでありまして、そういうことで、それの転換が容易であったということであろう。
 それから、もう一方、教科を比べると、どうしても高等学校の方が専門性が高いということがあって、やはり大学院レベルの学習が必要だから、必要性が非常に高かったということがあろうと思います。
 そういう点で、小中学校の要請がまだ低いということが考えられるわけでありまして、それ以外に、特に専修免許が小中学校は低いという要因は考えられないというふうに思っております。
#87
○菊地委員 今回から、在籍三年以上、要修得単位数十五単位が、現職による専修免許状取得要件になるわけでありますが、認定講習や公開講座の開設状況が余りにも少ないのではないかと思われるわけであります。どのような対応の改善を考えられているか、お伺いしたいと思います。
#88
○中曽根国務大臣 免許法認定講習におきまして、専修免許状取得のための科目を開設しております県の数は、平成十一年度で十一県市でございます。科目数は九十四科目ということでございまして、委員がおっしゃいますように、まだ多くはございません。今後、各都道府県教育委員会に対しまして、専修免許状の取得可能な免許法の認定講習をより積極的に開催をするように働きかけてまいりたい、そういうふうに思っております。
 また、現職教員の専修免許状取得の機会もさらに拡充をしていきたいと思っておりまして、その促進を図るために、国公立の小学校等の教員を対象にいたしまして新たな休業制度を設けるなど、そういうものを内容とする教育公務員特例法等の一部を改正する法律案を、今国会に提出させていただくべく、今準備をしているところでございます。
 なお、国立教員養成系の大学院修士課程におきましても、現職教員の積極的な受け入れや、また昼夜開講制、それから夜間大学院の設置が進められているところでございまして、現職の教員が専修免許状を取得する機会が拡大しているところでもございます。
#89
○菊地委員 次は簡単な御質問でありますので、二つの問題をお伺いしたいと思います。
 いただいた資料によりますと、小学校には特別免許状を授与された教諭はおられないようでありますけれども、何らかの理由があるかどうかということが第一点であります。
 二つ目は、小学校の特別免許状から一種免許状を授与された者が専修免許状を取得するには、修士レベルの十五単位を追加すれば要件を満たすことになるのかどうか、この二点をちょっとお伺いしたいと思います。
#90
○河村政務次官 御指摘のとおり、小学校には特別免許状を授与された先生がいないという現状がございます。
 これは委員も御承知と思いますが、小学校の先生というのは全教科要るわけであります。この特別免許状というのは、確かに、非常にすぐれた特定の技能を持たれた方、知識を持たれた方という社会人を対象にしておりますから、「国語」とか「算数」等の特別の教科別の免許状を発出している。したがって、この免許状では全教科が担任できないということがございまして、小学校にこれが合っていないということ。そこで、その小学校の特別免許状についても、さらに改正をして全教科に拡大をいたしておりますから、これは平成十年に拡大したわけでございますから、今から少しはふえるのではないかということを期待いたしております。今まで全くなかったということは、そういうことが理由であろうというふうに思っております。
 それから、修士レベルの問題でございますが、御指摘のとおり、特別免許状を小学校で持っておられる方が在職年数三年を経て大学院レベルの十五単位、さらに教職に関する十単位と教科教育法というのがございます、それを十六単位、計四十一単位をやっていただければ専修免許状の認定が受けられる、こういうことでございます。
#91
○菊地委員 小学校の特別免許状の問題につきましては、私見では、職や技能の問題とか、芸術やあるいはスポーツといった面で、そういった方が免許が受けられる、教育していただけるというような機会をぜひお考えいただきたいというふうに思うわけであります。
 最後になると思いますが、一昨年になりますか、前回の免許法の改正におきまして、教職課程のカリキュラムの見直しが行われたわけであります。その内容の一部は、教育実習の期間が二週間から四週間になるとか、教職に関する単位がふえるとかいうことなどでありましたけれども、これによりまして、いわゆる教員養成大学ではない一般の大学の学生の教職免許が取りにくくなっているという声を聞くわけでございます。
 特に理工系の大学では、教育実習の期間が長くなったり、あるいは専門研究以外に教職に関する単位を取らねばならないということで、教職の免許を取りたいんだけれども取りにくいということを聞くわけでありますけれども、この点、どのようなレビューをされているか、最後にお聞きして、終わりたいと思います。
#92
○河村政務次官 今御指摘のように、特にそういう科目を持っていない、小さい私立大学等々ではそういう問題があるのではないかという御指摘等もあります。ただ、今回の改正といいますか、教職重視の方向というのは、やはり社会的要請がございますので、大学における開かれた教員養成制度というもので力のある先生をできるだけ養成していかなければいかぬということでありまして、今おっしゃったような問題が現実にあるとすれば、よく調査をして対応していかなければいかぬことではないか、このように思います。
#93
○菊地委員 以上で終わります。ありがとうございました。
#94
○鈴木委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#95
○鈴木委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、教育職員免許法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#96
○鈴木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#97
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#98
○鈴木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時五十二分散会

ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト