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1950/12/05 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 大蔵委員会通商産業委員会連合審査会 第1号
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1950/12/05 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 大蔵委員会通商産業委員会連合審査会 第1号

#1
第009回国会 大蔵委員会通商産業委員会連合審査会 第1号
昭和二十五年十二月五日(火曜日)
    午後一時四十六分開議
 出席委員
  大蔵委員会
   理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君
      三宅 則義君    宮幡  靖君
      宮腰 喜助君    川島 金次君
  通商産業委員会
   委員長 小金 義照君
   理事 阿左美廣治君 理事 多武良哲三君
   理事 中村 幸八君 理事 高橋清治郎君
   理事 今澄  勇君
      今泉 貞雄君    小川 平二君
      澁谷雄太郎君    永井 要造君
      中村 純一君    福田  一君
      南  好雄君    加藤 鐐造君
      田代 文久君    小平  忠君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (主計局法規課
        長)      佐藤 一郎君
        通商産業事務官
        (資源庁炭政局
        長)      中島 征帆君
 委員外の出席者
        通商産業委員会專
        門員      谷崎  明君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 特別鉱害復旧特別会計法案(内閣提出第二六
 号)
    ―――――――――――――
#2
○小金委員長 これより大蔵委員会、通商産業委員会連合審査会を開会いたします。
 本日は大蔵委員長と協議の結果、私が本連合審査会の委員長の職務を行うことに相なりましたから御了承願います。
 ただいまより特別鉱害復旧特別会計法案を議題といたします。まず政府当局より本法案の提案理由の説明を求めます。大蔵省法規課長佐藤一郎君。
    ―――――――――――――
#3
○佐藤(一)政府委員 ちよつとお手元に書類を配付しないので不行届でありますが、簡單でありますので私から御説明申し上げます。
 特別鉱害復旧臨時措置法の一部改正に伴い、同法による特別鉱害復旧工事に関し、政府の行う鉱業権者等からの納付金等の徴收、及びその納付金等を財源とする復旧工事の費用の負担のための支出に関する経理を明確にする、特別鉱害復旧特別会計を設置しようとするものであります。すなわち従来は特別鉱害の復旧工事に関する納付金等の徴收、及び復旧工事の費用の負担のための支出等の経理は、特別鉱害復旧臨時措置法に規定する特別鉱害復旧公社において行うこととなつていたのでありますが、別途提出いたしまして御審議を願つております通り、今回同法を改正して特別鉱害復旧公社を廃し、特別会計においてその業務を引継ぐこととなつたのに伴い、本特別会計を設置し、特別鉱害復旧臨時措置法に規定する納付金、受益者負担金、寄附金、返納金及び付属雑收入をもつて歳入とし、同法の規定による復旧工事に要する費用の負担のための交付金、その他の諸費をもつて歳出といたしまして、これらに関する政府の経理を明確にいたしますとともに、この会計の予算及び決算の作成及び提出に関する手続規定等、特別会計に必要な措置を規定いたそうと思うのであります。
#4
○小金委員長 これより質疑に入ります。三宅則義君。
#5
○三宅(則)委員 私は大蔵委員といたしまして、ただいまから質疑をいたしたいと存じます。この特別鉱害復旧特別会計法案は、御承知の通り今回通産委員会にかかつておりまする特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案に関係深いものでございまして、この点についてお尋ねいたしまするが、この復旧特別会計法案については、政府は現在どのくらいの支出をしようとするもくろみを持つておりますか。もう少しはつきりと御説明を承りたいと思います。
#6
○佐藤(一)政府委員 それでは私からごく概略を申し上げます。復旧工事の総額は、約七十五億円ということになつておりまして、その七十五億円をどういうふうに分担いたしますかと申しますと、公共事業費で三十九億八千万円、約四十億円であります。それから地方公共団体におきまして五億四千万円であります。それから本特別会計の関係におきまして二十九億円であります。それでその三者にわかれるわけでありますが、これを五箇年間に復旧しようという計画になつております。本特別会計の二十九億円のうち、本年度の補正予算としては四億三千八百万円というものが歳入になり、それに見合つて歳出をする。これは本特別会計の分だけということになつており映す、
#7
○三宅(則)委員 この復旧の対象となりまするところは、どこを中心に考えておりますか。全国の各鉱山等に関するものであります。その辺を明確にされたいと思います。
#8
○佐藤(一)政府委員 復旧の対象になるのは、筑豊炭田並びに宇部であります。しかしながらいわゆる納付金の対象となるものは、一箇所でもその手持の山に鉱害を受けましたものは、みんなその出炭量に応じて納付金を出すということになつております。
#9
○三宅(則)委員 筑豊とか宇部とかいうようなところは、主として鉱山の中心であると思いまするが、ほかにもかなりありはしないかと思うのですが、これは切離してやるのでありますか。ほかの鉱山でもそういうようなことが起つた場合においては、どんどんとやる方針でありますか。査定をいかにいたしてやるかということについての明確な御判断を承りたと思います。
#10
○中島政府委員 今度の特別会計の対象となつております特別鉱害は、戰時中に強行採炭をいたしました結果起きた鉱害の復旧に関するものでありまして、そういう種類の鉱害は常磐地区、北海道、その他本州一般は山口を除きましてはございません。現在起きておりまする地区は、先ほど御説明のありました通り、大部分は福岡県の筑豊地区でありまして、その他福岡県全般それからごく一部熊本県にございます。それから佐賀、長崎に若干ございまして、宇部のあります山口、これだけが関係の県でございます。全体の鉱害といたしまして、先般来綿密に調査いたしました結果、九州地区におきまして、九州の四県を合計いたしまして総額七十二億、山口県が二十五億ということになつております。この査定につきましては嚴重な認定基準を設けまして、これによつて各炭鉱別に、また各関係県別に調査したわけであります。
#11
○三宅(則)委員 さつき佐藤政府委員からは、総額七十五億、公共事業費三十九億八千万円というふうに聞いたのですが、今聞きますと九州の筑豊地区が七十二億、山口が二十五億ということで少上多いようですが、その説明は建つておりはしませんか、承りたいと思います。
#12
○中島政府委員 九州、山口を合計いたしまして七十五億になります。これは復旧工事費の総額でありましてこのうちで公共業に属するものと非公共的なものと両方ございますが、公共事業費として国から支弁する予定のものが三十九億八千七百万円、地方公共団体か補助すべきものが五億四千百万円、残りが特別会計の出費になるわけであります。
#13
○三宅(則)委員 本年の補正予算では四億三千八百万円というお話になつておりますが、毎年の大体の基準を示すように、逐年支拂うべき金額がそこにありますか。あれば参考に示してもらいたい。
#14
○中島政府委員 特別会計の管理のための経費は、毎年一般会計から支弁されまして、全然特別会一品体とは別個になつております。それから特別会計の費用は、先ほど御説明がありましたように、各関係炭鉱から納付金をとりまして、それが現在の予定では総額三十五億余りになるのでありますが、本年度は昭和二十四年度の後半と五年度の全部を、本年度中にできるだけ徴收するという見通しを立てまして四億三千幾らという数字を出しております。これが特別会計の收入になりまして、これに見合う国庫補助がこれに加算されまして、全体の事業費が出るわけであります。かりに総額七十五億といたしますと、これを平均的に五箇年でやれば、毎年十五億ほどの復旧を要するわけでありますが、初年度はスタートが遅れましたし、また金銭の徴收等もその点でかなり遅れておりますので、平均額だけの工事はできないという結果になるわけであります。
#15
○三宅(則)委員 この予算書は通産大臣が毎年つくるべきものと思つておりますが、今は四億三千万円といつ予算であります。あとは十五億円程度にずつと行くというように承つたのでありますが、そうしたような気持をもつて将来進む方針でおられます。もう一ぺんはつきり承りたいと思います。
#16
○中島政府委員 本年度と明年度の特別会計の予算は一応つくつてあります。明年度の数字は手元に持つておりませんが、大体毎年の收入に見合つて特別会計の予算ができるわけであります。これは機械的に関係炭鉱のその年度の出炭予想高と、それから十円、三十円という一定の金額の基準がございますが、これをかけ合せまして出て来るわけでありまして、おおむね年間の收入見込みが来年度以降は四億程度になる。この四億に見合うだけの国庫補助を加えましたものが全体の事業費、従つて特別会計自体の予算といたしましては、毎年收入に見合うだけのものが出されるということになるわけであります。
#17
○三宅(則)委員 受益者負担金というのがあります。その他番付金もあるのですが、そういう点についてはどういうような見積りでありましうようか。この際承れば仕合せであります。
#18
○中島政府委員 特別会計の性質をちよつとその前に申し上げておきますが、これは特別会計の收入といたしましては、炭鉱から徴收いたします場合の一トン当り十円ないし二十円という金額と、それからただいま御賛同のありました受益者負担金、それから寄付金、こういうものがあるわけであります。受益者負担金と申しますのは、特別鉱害に認定された工事を復旧した結果、普通の観念からいいまして復旧という以上に復旧された。たとえばその結果建物等の耐用年数が増したとか、あるいは国の補助があつたために、災害者としては普通の場合以上に負担金が減つたとか、こういうふうな場合に利益になつた部分だけを特別会計に割り込ませましてそれで全体のプールに資する、こういう趣旨のものが受益者負担金がございます。それから寄付金の方は、法律上寄付金をとることができるということになつておるだけでございます。この法律の制定の経緯にかんがみまして、当時不足分につきましては、非関係炭鉱といえども、ある程度の任意寄付の形では不足するという場合には許されるということもありまして、そういう規定も入つておるわけでございますが、こういうものも全体の工事の進行に見合いまして、どうしても特別会計の收入か不足するという場合には、寄付金も受入れましてこの財源にしたい、こういうふうに考えております。
#19
○三宅(則)委員 今のお話によりますと、一トン幾らというふうにさつきおとりになると言つておられましたが、それはきまつておるものか。あるいは任意にきめるべきものか。あるいは法律にきめるべきものか。その辺をもう少し明細に、わかるように御説明願いたい。
#20
○中島政府委員 これは特別鉱害復旧臨時措置法の問題になりますので、あまり詳細にわたることは差控えますけれども、鉱害を與えた炭鉱が毎年その出炭量に対しまして、一トン当り二十円という金額を支出します。それからたとえば某会社のA炭鉱においては直接鉱害を與えておる。ところがほかの地区にB炭鉱があつて、同じ会社であるけれどもB炭鉱は鉱害に関係がない、こういう場合には会社としても若干の責任を持つというわけで、直接関係はありませんが、B炭鉱からも一トン当り十円とる、これが一トン当り十円ないし二十円という基準であります、それから全然鉱害に関係していない会社からは徴收いたしません。そういうふうにいたしまして、関係炭鉱から三十円、それから間接の関係炭鉱から十円とりまして、これが全体の收入が五年間で大体二十二億、こういうことになつております。
#21
○三宅(則)委員 五年間で七十五億円やるというふうに承つたのでありますが、もつと早くやらなければならぬという情勢に追い込まれておるのではないでしようか。それとも他に経費がないから順々にやつておるというわけですか。それをもう一ぺんはつきりしていただきたい。
#22
○中島政府委員 それは被害者といたしましても、また加害者といたしましても、できるだけ鉱害の復旧を早くしたいという希望は、非常に熾烈なものがございますが、大体ただいまの一トン当り十円ないし二十円という賃金額の限度が、コストの関係からそうむやみに引上げられませんのと、やはりこれに見合うだけの公共事業の補助費というものが、予算のわくで縛られまして、そうしてむやみに膨脹することはできない。こういう点からいたしまして、この特別鉱害の復旧の期限を、法律によつて五箇年間というふうにきめられております。五箇年間にぜひともこれを全部復旧することになつておりますので、その点におきましては、期限が財源から見ますと非常にきゆうくつでありますけれども、できるだけ――できるだけと申しますよりも、むしろ必ず五箇年間で全部仕上げたい。従つてもし財源が不足する分は、寄付金その他の方法によりましてこれを埋めて、ぜひとも五箇年間に全部やる、こういうふうになつております。
#23
○三宅(則)委員 佐藤政府委員にお伺いしたいのですが、もちろんこれは五年間に分割するということも財政上必要かと思いますが、ほかに頭金資金か何かの方法で借入れても、早く鉱害を除去してやるということが、われわれの希望であるのでありますが、大蔵当局はどういうふうにお考えになつておられますか。
#24
○佐藤(一)政府委員 鉱害復旧をできるだけ急速にやるべきであるということについては、私どもも同じように考えております。ただいま預金部のお話もございましたが、これらはしからばこの関係の費用をどこが負担するかという問題、あるいはまた預金部の方から出すということも現在としてはなかなか困難でありますし、そうした点を考慮いたしまして、結局納付金の制度と、それから公共事業費の補助率の引上げ、この二つの仕組みを抱き合せて、さしあたりこの程度で行こう、こういうことでありまして、ただいまとしてはこれで行こうということですかな、特別にまた何か事情でもかわりますれば別でありますが、一応預金部等から出すということは今考えておりません。
#25
○三宅(則)委員 私はその他の公共事業費というものについても、緊急欠くべからざるものがたくさんありますから、鉱害のみに重点を置くわけではありませんが、やはり重要産業の石炭でありますとか、その他の鉱物については、もちろんわれわれは重点を置いておるわけでありますから、もう少し、たとえば見返り資金の一部でありますとか、その他の何か特別の方法を講ずることか、当局といたしましては最も望ましいことであると信ずるのでございますが、もう一度佐藤さんなり炭政局長から承りたい。
#26
○佐藤(一)政府委員 特別鉱害の問題は久しくいろいろ社会的にも問題として取上げられておつたわけであります。第七回の国会に例の臨時措置法というものができて、従来のいろいろな問題についてはつきりした方針が初めて確立し、それに応じ、特別会計ができたということは、今までから見ますと私ども格段の発展であるというふうに考えております。ただいまのところは議論もあるかと思いますが、財政上こり程度で出発する。こういうことになつたわけでありますから、その点はひとり御了解願います。
#27
○三宅(則)委員 今政府当局の御答弁によりますると、相当考慮はいたしておるけれども、この会計かできただけでも前進である。こういうふうに承つたのでありまして、もちろんわれわれといたしましては、なるべく政府といたしましては余裕金がないでしようけれども、見つけて早く鉱害の復旧をしてやるという線を強く出したいと私は思います。
 次にお伺いいたしまするが、第七條に「支拂上現金に余裕があるときは、」云々と書いてありますが、支拂い上現金に余裕があるということはどういう場合を言つておるのですか。少くとも足らぬ足らぬと言うのが普通であるのに、どういうときにそういう場合が出て来るか、承りたい。
#28
○佐藤(一)政府委員 これはこの会計の仕組みから申しますと、納付金を入れるということは、今後も相当努力しなければ、遅延をするおそれがあるということも考えられるわけでありまして、ただいまのような御疑問が起るのはもつともだと思います。これは工事の進捗との見合いでありますが、さしあたつて一番当初のごときは御承知のように昨年に遡及して、これで納付金をとることになるのであります。それで一番当初は納付金がどの程度のスピードで入るかということと、工事がどの程度行くかということでありますが、この会計の建前はまず納付金が入つて、しこうしてそれを使うというのでありますから、時間的に若干のずれがあつて、現にごくわずかではありますが、現金に余裕を生ずる場合もあろう。こういうことでこの規定を置いたのでありまして、特にこの会計が特別にこれを必要とするという意味の規定と言いますよりは、むしろすべての特別会計を通じて余裕金がありますと、預金部に預け入れるという原則になつておりますので、例文的に書いてあるわけであります。
#29
○三宅(則)委員 この会計の歳出、歳入によります計算書等を作成いたしまして、通産大臣が大蔵大臣に送付しなければならぬと書いてあるのでございますが、送付となると通産大臣の責任になつて、大蔵大臣は單にこれを受取るだけだという意味にも考えられますか、その辺はどういうふうになつているか、明確にしたいと思います。
#30
○佐藤(一)政府委員 この特別会計の管理大臣は通産大臣でありまして、その事業の全体の運用につきましては、もちろん通産大臣が主たる責任を負うことになつております。三宅さんは大蔵委員でいらつしやいますから、特別会計法をたくさん御審議願つておるわけでありますが、どの特別会計でも同じ手続をとつております。
#31
○三宅(則)委員 私は特別会計について、特に御忠告というと失礼でありますが、言いたい点がある。どの特別会計も嚴重に監督しなければならぬことは当然でありますが、むしろ私は大蔵省もしくは会計検査院等が、こういうようなものについては常に会計経理を厳重に検査し監査し、そうしていやしくも濫費のないようにしてもらいたいと思いますが、それに対しては政府にどういうような対策を講じつつありますか承りたい。
#32
○佐藤(一)政府委員 実はこの特別鉱害に関しまする特別会計が設置されるにつきましては、いきさつがあるのでございます。御承知のように第七回の国会に臨時措置法が通りまして、そのときは、先ほどちよつと簡單に御説明をいたしたいと思いますが、復旧公社という組織をつくりまして、納付金を徴收いたしまして、それをプールにしまして出す。いわば公社組織を当初は考えておつたのであります。そしてこの公社というものは、一応政府機関ではないという建前で臨んでおりました。ところが関係方面から、これは政府機関の一部として、国会に予算を他の政府機関と同様に出して一切の審議を受け、かつまた従つてこの予算の執行にあたりましては、他の政府機関と同様の拘束を受けなければならぬという強い要員もございまして、公社の組織を特別会計という組織に改めたのであります。言いかえますと、この特別会計の仕組みにしましたこと自体が、非常に国の監督を強くしたということでございます。特別会計の監督につきましては、国の一般の会計と同様に、嚴重な検査をするということになつております。
#33
○宮幡委員 大体この合同審査の審議にかかつております特別会計法案というものは、必然的なもので、あえてここで質疑をいたすべきはどのものではないと思います。しかし大蔵委員の方では前々からも特別鉱害に対しまする問題について、別に等閑視しておつたわけではありませんが、やはり当面の法律でなかつた関係上、比較的考えが薄かつたのであります。それらにつきましては、ただいま三宅委員から、大蔵委員会の疑問に思つておる諸点の若干をお尋ねしたわけであります。そこでごくあらましの問題について二、三お答えをいただきまして、記録にとどめておきたいと思うのであります。
 まず第一番に、通産省の政府委員の方にお伺いいたしますが、特別鉱害復旧公社が発足いたしまして、現在までのおやりになりました事績はどういうふうな状況であるか。と同時にここにただいま通商産業委員会の審議にかかつております臨時措置法の一部改正のほかに、今日までの事績に照して、なお考慮と改正を要する点があるかないか。この点を御説明いただきたいと思うのであります。
#34
○中島政府委員 特別鉱害復旧公社は、第七国会において成立しました本法によつて設置せられたわけでありまして、その設立は五月二十九日に登記をいたしております。その後さつそく事業開始の予定でありましたが、たまたまこれが公団等の予算及び決算の暫定措置に関する法律というものの適用を受けるという見解が出て参りまして、その適用があるということになりますと、この公社の事業計画並びに事業予算につきまして、あらかじめ国会の承認を経ておらなければ事業ができない、こういうふうなことになります。ところがこの点に関しまする法律的な見解といたしましては、大体政府側といたしましては、公団等の云々の法律はその適用をされる対象をはつきり明示いたしておりますので、この復旧公社そのものはその範囲外であるというような解釈をいたしておつたのでありますが、もしその適用があるという解釈になりますと、やはりただいまの意見の通りに、国会に諮りまして、その承認を求めなければならぬ。ところがその次の第八臨時国会におきまして、早々にその事業計画を立てまして、御承諾を願つて、若干遅ればせながらも業務を開始したい、こういうことであつたのでありますが、たまたまこの第八国会におきましては、予算委員会が開かれないというような関係で、事業予算等に関します承認案を国会に提出することができなかつた。こういうふうな関係で、設立登記までいたしましたけれども、実際上遂に業務の運営ができなくて今日に至つております。従つて公社の内容といたしましては、理事長と理事の任命がありましただけで、業務的には何ら行われておらない、これが率直な実情であります。ただそのために特別鉱害復旧がどのくらい遅れたかということになりますと、これは法律制定直後からさつそく鉱害の認定を開始いたしまして、八月十二日までに特別鉱害の認定の申請書をとりまして、九月から十月にかけて、大体三週間ほどずつ二回にわけて現地を調査いたしております。それによりまして十一月の下旬に大体全般的な計数の整理ができました、こういうふうになつておりまして、結局におきましてはこの認定の作業が完了いたしますまでは、復旧公社はかりに成立いたしておりましても、業務の実体はない、こういうことになりますので、そういう意味におきまして復旧公社の業務ができなかつたということが、特別鉱害の復旧を非常に遅らせたということはないように、私どもは考えております。現実の問題といたしましては、本国会におきまして、この特別会計法並びに復旧臨時措置法の改正案が通過いたしますと、ただちにこれを施行いたしまして、現在の目標といたしましては、十六日にこの認定の結果を公表いたしまして、同時に各関係炭鉱に対して納付金の納入告知書を発送いたします。これはあらかじめ大体年末から年始にかけて、こういう納付金の納入の必要があるから準備してもらいたいということは前にも出しておりますし、最近におきまして金額確定の上において、さらにこの発送以前にも出すつもりでおりますから、それによりまして、できるだけ今年中に、期限といたしましては来年の一月十日までに第一回分の――第二回分と申しますのは昨年の下期、すなわち三十四年の九月十六日から本三十五年の三月末日までの出炭量に相当する部分を徴收いたしまして、一月十日までにこれをおそくとも全部納入してもらいまして、同時にこの関係炭鉱から工事の施行の認可を申請させます。工事の施行の認可がありましたら、ただちに特別会計の負担分が交付されることになるわけでありますが、工事施行の認可を二月十五日に予定しております。そういたしますと、十日までに入りました金額に応じまして、その金額に対応するだけの工事の施行の認可をいたしまして、ただちに第一回の工事に着手する、こういうもくろみであります。そういう関係にありますので、公社が今日まで業務ができなかつたために、特別に遅れたということには相なつておりませんで、遅れたと申しますと、認定作業が意外に遅延したために、たまたま結果が一致したというふうなことにはなるかもしれませんが、これはやはり愼重に認定をするために、これだけの期間は要してもやむを得なかつたのではないかと、私どもは思つております。
#35
○宮幡委員 ただいま詳しい御説明を伺いまして一応安心いたしました。しかしながら御承知のようにこの特別鉱害というものは、広に申しまするところの戰時補償の一種でありまして、これが打切られるのではなかろうかという空気が非常に強くなりまして、当時政府も非常な苦心を拂いまして、関係方面と折衝しましてでき上りましたが、この特別鉱害に対します法制であろうと思つております。従いまして、これは特別な措置を講じたのでありますから、すみやかにその実績を上げなければならないわけでありますが、ただいま御説明のような事情で現地の当面の被害をこうむられました方々には、不幸なる法制手続を踏んで来たことと存じます。さようなことでありますので、ただいま御説明のように、幸い鉱害の復旧の認定という仕事は、ある程度順調に進んでおる。ただ金銭的な裏づけがあれば、立法の趣旨を完全に遂行し得る、かように考えまするけれども、この点になお一層心がけられまして、本法律案が成立いたしましたならば、すみやかにこれを実施の段階に移されて、あらゆる書面審査等の煩瑣な手続につきましては、簡易明快を主としまして、一日も早く不幸なる被害者を救うように邁進せられたいことを、特に希望いたしておきます。
 なおお答えの中にありませんでしたが、万が一にも特別鉱害の現在の復旧臨時措置法におきまして、ただいま審議されております以外の点で、遺憾な点がありましたならば、この際通商産業省の立場におきまして御意見を承りたいと存じますが、さような点はございませんか。
#36
○中島政府委員 法律の構成といたしましては、一応これで完全な形になつていると言えると思います。ただ遺憾な点は、ここに規定をしております納付金の限度によつて、現在見積られております特別鉱害の工事の全部を、完全に遂行できるかという点につきまして、若干の問題があるわけでありまして、これがもともと非常に幅が広くて、相当な工事が残るだろうということになりました結果、いろいろ国会方面でも御心配願いまして、特に国の公共事業費関係の補助率も増していただく。また事故の復旧等の規定なんかにつきましても、いろいろ修正を加えまして、大体今日予算委員会に提出いたしておりますような改正案ができたわけであります。しかしながらこの改正案をもつていたしましても、現在の鉱害の見積額と、それから特別心計の收入予想額と比べますと、やはり計算上ここに三億余りの不足額が出るわけであります。これは特別会計そのものから申しますと、法律の構成上は、特別会計は收入がない場合には支拂いの義務はない、こういうことになつておりますので、各目上の不足は出て来ないということになつておりますけれども、実質的には、それだけのものか認定されながら復旧が残るということになりますので、そういう点がありましたら、また何らかの措置をしなければならぬ。またその他一般物価の値上りでありますとか、いろいろの関係で、たとえば出炭量が予想以上きわめて減少するということになりますと、当然納付金の総額が減少することになりますが、そういうようないろいろな事情によりまして、特別会計の收入予算というものが見積り以上に減りますと、その際は何らかさらに対策を練らなければならぬ。これにつきましては、現在どういうふうな的確な方策があるかということは、なかなかむずかしい問題でありまして、われわれも案がはつきりしないのでありますが、考えられる案といたしましては、たとえば関係業者の努力を要請しまして、できるだけの寄付金の醵出を願う。あるいは物価の値上りがある場合には、これは全般の問題でありますから、納付金そのものにつきましても、金額の限度を引上げてもらうとか、あるいは国の補助ということにつきましても、さらに考慮を願う。こういうようないろいろの方法を考えまして、その上でそのときに応じまして、復旧の工事が最後に残らないようにということにつきましては、やはりこれは政府として責任を持つて最後まで努力しなければならぬ、こういうふうに考えております。
#37
○宮幡委員 きわめて明らかな御答弁でありまして、実はいささかその内容を初めから知つております関係で、どうもこの特別会計の構成の中に、私の粗雑なる計算ですと、大体四億程度どうも足りないではなかろうか。これを心配いたしておりました。御説明の通り特別会計の歳出は、歳入がなければ拂わぬでもいいわけなのでありますから、会計自身の運営には苦しみませんが、特別鉱害の被害者の立場になつて考えてみますと、これは歳入がないから、ある程度でもつて行けばよい。順次次に送つて行つて、できるだけやろうなどというなどという微温的な考えではとうてい現地の満足を得ることはできません。少くともこの法制措置によりましても、現地は決して満足しておらぬであろうことを、私どもは感ずるのでありまして、かりに百の復旧工事があるとしまして、予算がある程度不足になるので、このうち九十を取上げ、十を見送るという措置になりましたならば、現地では物議が起りまして、容易にこの法律の効果を上げることができなくなるのではなかろうかということをおそれております。従いまして政府当局もお認めのように、もし特別会計の財源に不足がありとするならば、研究とか将来考えるとかいう問題ではなく――この国会は短期でありますが、百五十日の会期を持ちます次の国会を日前に控えておりますので、少くともこの通常国会において、さらにこれに対する対策を講じていただきたい。これをわれわれ国会側といたしましても、若干特別鉱害の現実を知つておる一人といたしましても、政府当局に要望してやまないところであります。幸いにしてただいまの御説明によりますと、御心配を持つておられるようでありますから、一日も早く被害が復旧するような方向に一層の御努力をちようだいしたいことを、この際お願いいたしておきます。
 そこで今度の一部改正の法律の問題で事務的なことを一つ二つ伺いますが、総工事費に対しまする補助率の引上げになつたことは、改正法によつて大体わかるのでありますが、その引上げになります率をここで御説明をいただきたいと思います。
#38
○中島政府委員 従来は土木工事に関しましては、国の補助率が三分の二でありましたものを、今回八〇%に引上げております。耕地に関しましては二分の一を七〇%、それから農業用施設、これは水路その他でありますが、これが従来三分の三のものを八〇%、それから水道の中で、上水道が四分の一のものを五〇%、二倍です。それから下水が三分の一のものを六七%、これも大体三倍になります。それから地方公共団体の負担率は、一応土木、耕地、農業施設、水道、さらにそれぞれ一割のそれに対する補助が現在あるわけでありますが、これは現在のところかわつておりません。それからこのほかに新たに鉄道と公共建物――公共建物と申しますとすべて学校等でありますが、これらのものに対しまして新しく補助を出すことを考えまして鉄道に関しましては一〇〇%一般会計から出す。それから公共建物に対しましては五〇%、こういうものを一般行政費で負担することになつております。
#39
○宮幡委員 ただいまの御説明によりまして、補助率の引上げになつたことはよくわかりましたが、そこで一つ考えていただきたいことは、一体鉄道の方を一〇〇%にしまして、公共建物、主として学校でありまするが、これに五〇%しか供給しないという点について、ちよつと観念的に私は疑問を持ちます。もちろんこれは個人の意見であるかもしれませんが、鉄道は公社とはなつておりまするが、国に隷属いたしました独立採算の機関であります。公共建物、学校等は、地方団体の枯渇した財源の中で運営されて行かなければならない建物でありますので、これこそでき得ましたならば一〇〇%の補助率とし、鉄道の復旧のごときは公社の大きな力を持ちまして、五〇%程度でがまんしてもらつたらどうか、こう考えるのでありますが、この点についてもしでき得ましたならば、鉄道の復旧の一〇〇%もけつこうでありますが、公共建物の学校も一〇〇%になるようにお考えを願う方が、さらに進んでおるかと思いますが、この点についての御意見を承つておきたいと思います。
#40
○中島政府委員 公共建物は従来全部が公共団体の負担ということになつております。それに対しまして国の補助が半分ということになりましたのは、非常な進歩であると思います。鉄道は御承知のように、従来から全部国の事業としてやつております関係で、形がかわつたというだけであります。むしろ公共建物において一層前進したのではないかと考えております。
#41
○宮幡委員 鉄道に対しまする補助というものは、特別会計のプール資金からは交付しないことになつておりますか。
#42
○中島政府委員 全部が国から出ますので、特別会からは出さないのであります。
#43
○宮幡委員 それではつきりいたしました。鉄道の方は全部公共事業費の負担であり、公共建物に対しまする分が五〇%、前より改善されたということが明らかになるわけでありまして、その点は私の方でよく了解できました。
 続いてもう一点伺いますが、今度の改正法によります第二十五條の第四項として追加いたしましたこの條文の運用につきまして、具体的に御説明を願いたい。この特別鉱害の性質を根本的に存じておる方には、さような疑問は起らぬはずでありますが、とかく他の金属鉱山等も、特別鉱害があるのだという主張もありまして、この運用を誤りますと、とかくの疑問を生じますので、そこではつきりとその点を御説明いただいておきたいのであります。特別会計からの交付金の中で工事を進めてしまいまして、あるいはそれを自己復旧の名義にいたしますならば、何かそこで内輪の計算でもできる、さような逃げ道がこの中に残されていないか。こういう方法で完全に監督ができ、たとい自己復旧をやつておりましても、決しで特別会計の中から意外な損耗と申しますか、正常でないことがその中にひそむというような事実は起らないか。この点をぜひ明確に御説明をいただきたいと思います。中心は第四項として追加いたしました條文の全部に対しまする実際の運用を御説明願えれば、けつこうだと思うのです。
#44
○中島政府委員 これは自己復旧をやります工事の施行者が、きわめてルーズな工事をいたしまして、初めの認可いたしました工事契約にのつとつておらない。こういう場合にはこの認可の取消しをするわけであります。その場合におきまして、すでに当初の工事契約に従つて交付金を受けまして、それを使つており、その使い方が契約通りになつておらない、こういう場合には、認可された工事施行契約にのつとつた工事費のみを正当な金額と認めまして、それ以外のものをまたあとでもどさせる、こういうふうなことになるわけであります。従つてあまりルーズなことをいたしておりますと、工事の認可は取消されまして、自己復旧ができないばかりでなく、一般の納付金を納めてなおかつそのほかに従来工事の復旧のやり方が適当でなかつた部分については、それだけ自分でよけい負担しなければならない、こういう結果になりますので、この第四項があります結果、工事施行者は自分の施行します仕事について、やはり相当愼重にやるのではないか、こういう趣旨で設けたのであります。
#45
○福田(一)委員 ただいま同僚議員の御質問によつて、大体この法案についで疑問となつておる点、また注意すべき点は明らかになりましたので、私は簡單に一、二点お伺いしたいのです。
 大体この法案の目的とするところは、特別鉱害を早く復旧するという非常に簡單なことでありまして、それにはどういうことが必要かといえば、まず財源が確保されるかどうか、その次は工事が順調に行われるかどうか、そういう意味合いで法案ができておればいいと思います。目的がそこにあるからであります。そこで財源確保の面で、一点先ほど宮幡委員からも質問があつたのでありますが、この法案によりますと、鉱業権者その他が金を出す、あるいはまた受益者が金を出すというようなことか規定されておるのでありますが、鉱業権者の中などには、自己の関係の工事がすでに終了した、あるいは年度内にはもう施行の契約がない。自分のところにあまり関係がないからというので、資金でも逼迫しておるという現状でありますと、納付金が滞納されるおそれがあると思われるのであります。そういう納付金が入らないというようなことになりますと、そのために復旧工事が停頓するというようなことがありましては、非常にこの法案の趣旨にかなわないことになるのでありますが、そういう場合には炭政局表の御説明では、何か考えておかなければならぬというようなことを言われましたが、これは宮幡委員からも言われたように、次の国会で考えたらどうか。そこまで御親切にこの法案を生かす措置を考えたらどうかという御質問があつたのでありますが、そういう場合何か一時どこからでも借入金でもしてみるというようなことについて、くふうがあるかどうか、もう一ぺんこういう財源の確保という面で、もう少し明らかにしていただきたい。
#46
○中島政府委員 納付金の集まりが惡い場合は一応予想されますか、全般的に申しまして、納付金を納めることを要するいわゆる関係炭鉱というのは、全体の金額といたしましては大手筋が八五尾を占めております。従つてそういう意味におきましては、八五%の納付金は大体確保される、こういう一応考えを持つておるわけであります。さらに工事施行の認可を各炭鉱別に五年間に平均化いたしまして逐次進める、こういうことになりますと、ごくわずかな鉱害は別にいたしまして、大部分のものは工年間最後まで自分の責任として残るということになりますので、すみやかに工事が完了したために、納付を怠るということも防ぎ得るのではないか。さらにまた実際納付金の滞納を来した場合には、現行法と違いまして、今度は特別会計でありますので、国税徴收法をそのまま適用されますし、この面においても強制徴收の規定が許可されておりますので、この点についても徴收に関する保障が得られる、こういうことであります。なお全体の納付金が全部納付になりましても、なお各種の事情でもつて工事が残るという御心配に対しましては、先ほども申しましたように、今後対策を考えなければならないのでありますが、ただ一応計算上出来ました三億一千万円という不足金額が、はたしてその程度まで上るか上らないかということは、今ただちにはつきりいたしません。これが工事の途上においてさらに増加するか、あるいは減少するかということは、いましばらく見なければ的確な数字はつかめないと思います。かりにわれわれの予想しております出炭量が一層上まわりますと、その分からだけでも不足分というものは解消いたしますので、かりに現在におきましてこの対策を練るということにいたしましても、それではどの金額を目当に不足分の補充をするかということになりまして、一応三億一千万円ということで考えましても、さらにまた将来これが、不足したらどうする、あるいは余つたらどうするという問題も考えなければなりませんので、できるだけこれは至急に目途をつけたいと思いますけれども、それはなかなか困難ではないか、こういうふうに考えております。
#47
○福田(一)委員 工事全般に関する不足金の問題は、ただいまの御説明でわかつたのであります。しかし私が心配していることは、ままこういう例があります。仕事をやり出したけれども金が集まらない。金が集まらないので、たとえば今言われましたような強制徴收方法をとりまして、その金が二月なり三月なり四月なり、強制徴收するまでの手続のうちに遅れるというようなことがあつて金が入らない。金が入らないと工事金を出せない。工事金を出せないと工事が遅れる。こういうことを私は非常に心配します。その点について、そういう場合が起きたときに、どういうような具体的な措置があるか、お伺いしたいのであります。
#48
○中島政府委員 工事にすでに着手しておりまして、その途中において後半分の交付金がもらえないで工事が中絶する、こういうふうなことが心配されるであろうと思いますが、この納付金がゼロということはもちろんないわけ場でありまして、相当数集まると思います。従つてそういう場合には、まず継続の分に対しまして優先的に出しまして、さらに新しい工事を認可することによつて、工事が中断することだけは防ぎ得ると思いますが、ただ全般的にこの納付が遅滞したために、工事が遷延するということに対しまして、借入金等の措置を行うことは、これは現在の法律でできない建前になつておりまして、この点は、実はできればそういうこともいたしたいと思つておりますが、しかし特別会計の特徴からいいまして、借入金等は全然しないという建前になつておりますので、現在のところ、ただいま申し上げましたようなケースに対しては、借入金等で一時の立てかえでもするということは不可能であります。ただ一つ申し添えておきますが、公社の発足が遅れました結果、本年度初めから公共事業費ですでに工事ができるものに対して、公社が発足しないために公共事業関係の復旧ができないということのないように、この分はすでに、特別鉱害に認定されることが明瞭であるものについては、あらかじめ内示をして、すでに工事に着手しております。この分については、一時関係市町村ないし鉱業権者等から立てかえ支弁しております。それによつて工事を継続しておるわけでありますが、そういうものに対しては、今回最初に徴收した納付金額から、まず優先的に工事費を交付する、こういうつもりでおります。その方法を今後ももし用いることができますならば、つまり市町村あるいは鉱業権者において一時立てかえ支弁することを承認せられるならば、その面においては、もう認定されることは確実でありますので、やはり工事を継続されまして、全体の徴收が終りましてから返すというふうな方法も考えられると思います。
#49
○福田(一)委員 ただいまの御答弁によりますと、法律自体からはその救済方法かないということは明らかになりました。便宜の方法として、市町村の公共団体その他がその金を立てかえて、あるいは鉱業権者が立てかえれば、工事はおそくならぬでも済むということですか、これでは私は法の精神をほんとうに生かしておるということにならないと思う。あなたの方にそれに対する対策がないということであれば、どうかそれができるような方法を、今後すみやかにお考えを願つて、適当な時期にこれを直してもらうというふうにしていただきたいと思います。
 次にもう一点伺いたいとは、この工事がまじめに、しかも予定通り行われるということが、非常に必要だと思うのであります。特に鉱害によつて被害を受けられた方は、非常にお気の毒な方であります。こういうようなお気の毒な方を救済するためには、国はいろいろの仕事をしておるのでありますが、とかくこういう仕事をいたしますが、政府がこれを立案した考えとは相違して、工事をやつている人がよく食い物にしてしまうというような例がままあるのであります。そこでこれは会計検査ということが非常に大事な問題になるのでありますが、これが特別会計でありますから、今度はもちろん会計検査が行われるものだと考えております。しかしこの工事をやる主体になる実際の工事の担当者の選定は、一体どういう方針でおやりになるか。その点を明らかにしていただきたい。
#50
○中島政府委員 この法律によりますと、いわゆる工事施行者は大部分の場合が、公共事業に関しましては関係の市町村、あるいは場合によつては県もございますが、そういうものであります。それから非公共に関しましては、鉱業権者である場合が大部分であります。従つて工事施行の責任者はそういうところであります。この責任者が実際の工事の施行をどこに請負わされるかということにつきましては、これはまたそれぞれの公共事業費の使途についていろいろな制約もあり、また検査される義務もありますので、従来と同様に、この点について責任を持つてやると思います。また鉱業権者の場合においても、やはり本法によりまして工事の契約の認可をいたしますとか、工事の施行の方法が適当でない場合には、契約の変更をさせるとか、または着手、完了の届出をさけるとかいうことによりまして、各段階に応じまして、十分この工事の内容につきましては、当初の計画通り行われるかどうかということを監査する仕組みになつておりますので、その点につきましては、もちろん今後もそういう御心配のないように、関係方面に十分申し伝えまして責任をもつて行わせたい、こういうふうに思います。
#51
○福田(一)委員 ただいまのお話で、関係方面によく連絡をとつて監督を厳重にするからということでありますが、このような内容の仕事になりますと、関係方面というものは非常に多くて、甲の方ではこういう監督をした、乙の方ではこういうふうな監督をしたということになつて、監督の主体になるものがはつきりしておりませんと、責任のなすり合いになつてはたしてだれが責任を持つて監督しておつたか明らかでないような場合も、まま起きるのでありますが、この法律によると、実際に責任を持つのはだれになるか。またその人はどういう方法で監督をするか。工事自体がうまく行われておるか。單に工事が期日通り行われたというのではいけないのであります。また工事内容自体が、セメントが足りなかつたとか、砂利が足りなかつたとかいうことだけではいけない。そういうことがはつきりしておるということが、私は非常に大事だと思うのでありますが、これについて、その責任をとる人はだれであるか、また実際の工事の内容をしさいに監督する者はだれであるかということを、もう一度はつきりさせていただきたいと思います。
#52
○中島政府委員 工事の最終的な責任者は、通産大臣であると思います。通産大臣に責任がある結果、工事の施行に関しまして、認可でありますとか、取消しでありますとか、届出をさすとか、こういつたようたいろいろな権限があるのでありますが、実際の工事の施行につきまして責任を負いますのは、工事施行者であります。従つて工事の内容につきまして直接責任を持つのは、公共事業の場合は関係市町村等であり、非公共の場合は鉱業権者がその責任を持つ。通産大臣の認可した通りに工事を施行する責任を持つ。もしその工事がその通り施行されなかつた場合、第一義的に市町村ないし鉱業権者が責任を負い、さらに最終的には通産大臣が責任を負うということになりますので、段階的に二段になりますけれども、直接と間接という区別をもつて、そういうふうな仕組みになるわけであります。
#53
○福田(一)委員 そこで私の言いたいのは、最終的に通産大臣が責任を持つということになるのでありますが、通産省は、実際にその工事がその通りに行われるように監督する制度というか、人というか、そういうものがあるかどうか。たとえばあなたの課なら課で、そういう担当官がおつて、そういうものを現実に監督して行けるのかどうか。それだけの人的な構成があるかどうかということをお伺いしておきます。
#54
○中島政府委員 特別会計の施行に関しまして、来年度から合計八十名の人員をつけております。これはもう八十名全部がこの特別鉱害の復旧に関する行政事務に携わるものでありまして、この陣容の大部分は、鉱害の現地であります福岡に置きますし、宇部に一部と中央にも若干置きますが、直接の出先の監督の責任にあります福岡及び宇部の通産局におきまして、それだけの陣容をもつて、工事の内容についてまで十分の責任を持つて監督する、こういう仕組みになります。
#55
○福田(一)委員 この点は、よく問題が起きてから、ああすればよかつた、こうすればよかつたということがありますが、このことは、そういうことが起きまして、非常に鉱害で苦しんでおられる人があるのに、一方ではそのために金を出したけれども、それが非常に有効に使われなかつたというようなことが、まま困つた人たちを救う場合によく起きて来る事態でありますから、この点はひとつ人選その他についてもよく気をつけられまして、そして何か工事業者とうまく結託してやるということがないように、十分監督をしてもらいたいということを念を押しまして、私の質問は終ることにいたします。
#56
○今澄委員 私一点だけ聞きますが、この一点は時間がないから、大蔵省と両方で答弁してもらいたい。
 今宮幡委員から質問があつた補助率の点ですが、今あなたが述べられたその補助率が、すでにこの改正法律案が出しておる今日において、またかわりそうであるという情勢をわれわれはにらんでおるが、今あなたの言われた補助率は、絶対にかわらないかどうか。あるいはこの特別鉱害の法律というものについては、常に政府が出しておるところの鉱害の認定においても、あるいはこの措置においても、寄付金が何ぼということがあつて、非常に不正確である。しかも今日において補助率がかわれば、またやり直さなければならないという状態では、いくら審議しても、政府は誠意を持つて特別鉱害に対処するものとはまつたく思われない。そこで私の質問する要点は、今あなたが述べられた補助率の八〇%、六五%、五〇%は、少くともかわらないかどうか。これはひとつ責任をもつてこの委員会において、通産省の方も、大蔵省の方も、――あなたの所管ではないかもしれませんけれども、局長がおられるから、そういうことが絶対にないということを、この際御説明願わないと、われわれはたびたび変更されるので安心できない。この点だけ開いて私の質問を終ります。
#57
○中島政府委員 補助率の率が変更になるのだというお話は、これは全般におきましては、絶対にそういうことはないのでありますが、たまたま現在起つておりますのは、受益者負担金を徴收して復旧する鉱害につきまして、これについては引上げた補助率を出す必要はないのではないか、こういうふうな意見が出ております。これにつきましては、もろちん非常に心配しておりまして、折衝を続けておるわけでありますで、私が單独に申し上げましてもいけませんから、ただ折衝に努力しておるということだけで御了承願います。
#58
○佐藤(一)政府委員 ただいまのお話の点でありますが、私今直接予算の方をやつておりませんが、こういう計画がたびたびかわるということは、確かに事業の運行上好ましくないことでありますから、今中島局長のお話がありましたように、この主要の部分につきましては、今かわる予定はないようでありますけれども、できるだけひとつ予算関係方面に今の御趣意を伝えまして、その不安のないように、私の方でもしたいと思います。
#59
○今澄委員 私がこの一問をいたしたかつたのは、少くとも復旧公社の対策の問題においても、当初政府が考えたこととはすでに食い違つて、金は一文も融通できなかつた。そして今度こういうような改正法律案を出して審議しておる途中においても、なおかつ政府はそれらの補助率について、絶対的であるということを言えないという今日のあなた方の態度というものは、これは実は被害者に対しで責任ある政府の誠意ある態度とは申されないのであります。大蔵省の方はきよう私の申したことを持ち帰られて、ひとつ大蔵省においても十分審議して、このような特別鉱害の政府の補助率なりその他の問題については、今後そういうことのないように、十分見通しと責任のある態勢のもとに国会へ諮られるように要望し出す。
#60
○田代委員 昨日伺いましたが、なおはつきりいたしませんのです。大体家屋とか墓地とかいうものは、今まで公共事業よりはあとまわしになつて、被害者の諸君は非常に不利な立場に置かれておりましたけれども、今度はそういうふうにやらない。それは公共事業と同じ率で復旧しで行くのだという答弁がありましたので、これは安心しておりますが、初年度において、家屋あるいは墓地なんかに対する復旧か遅れるとかいうことをきのう言われましたが、その理由は大体どういうことですか。
#61
○中島政府委員 これは先ほども申し上げましたが、二十五年度におきましては、すでにこの特別鉱害の復旧の金が、公共事業の予算に組まれておりまして、四月からその金額は決定しておるわけであります。ところがこの法律の制定とその後の認定権、ないしは公社の設立の遅延等のために、実際に公共事業を実施するということが、普通の行き方からいいますと、今日まで延ばさなければならぬという事態になつておりまして、そういたしますと、残りの三箇月でもつて当初予定の一年分の公共事業費を、ここにつぎ込まなければならぬということになりましては、とうてい全額の復旧はできない。そういう意味におきまして、この公共事業費の関係の中で、特別鉱害に認定されることが確実であるというものは、あらかじめ内示をいたしまして、せつかく計上されております公共事業費を余すことがないように、前から工事をさしておるわけであります。従つてそれだけのものはすでに進行しておりまして、これだけはどうしても今年度の特別会計から、それに見合う負担分を支出しなければならないのを差引きますと、かりに納付金の徴收が遅れますと、それだけ非公共の方にまわす分が少くなつて、初年度においては、両者のバランスが破れるおそれがあるということになるわけであります。これは全体の鉱害の復旧を五箇年間で完了するということのためには、初年度分だけそういうことになりますのは、どうしてもやむを得ないのじやないか、こういうふうに考えております。
#62
○田代委員 それから先ほどの御説明によりますと、四億四千万円見当使うということになつているそうでありますが、本年度はあまり期間がないようですが、これは十分使い切れるのですか。
#63
○中島政府委員 公共事業費の関係が、たしか三億余りだと思います。従つてこれだけのものは工事できますので、これに対応するだけの公共事業費は全部使い得るわけであります。残りの一億ぐらいはこれから新しく認定をいたしましてやるわけでありますから、これは三箇月間にこれだけの工事を施行するということは十分可能であります。
#64
○田代委員 それからこの特別会計の総金額ですが、これを七十五億見当のものを完了するにつき出しては、特別会計の方としましては、これは関係鉱業権者が石炭をたくさん出されるということが、重大なる関係を持つわけなので、従つてこれに見込まれております二十二億という特別会計の金を集めるにつきましては、それに応じた出炭量がなければならないわけであります。従つてこの五箇年間に対するそういう出炭の大体外見込みというものを、どういうふうに見込まれておりますか。
#65
○中島政府委員 初年度を四千万トンと見込みまして、毎年百万トンずつふえるということで、最終年度四千五百万トン、ここまで出炭量が伸びるというように承知をいたしております。これは石炭の需要量から若干内輪に見積つたのではないかという気持を、われわれも持つておりますが、むしろ予算を手がたくする意味におきまして、そういうふうにいたしております。
#66
○田代委員 そういたしますと、これがもしたとえば三千五百万トンしか出ないということになりますと、全体の工事量というものは当然減らざるを得なくなつて来るということになる。そうなると結局先ほどの寄付金や何かでまかなうというマイナスの面が相当出て来るわけなのですが、そうだつた場合には、やはり先ほど言われたような形で、これは穴を埋めるのだ、こういう計画になるわけですか。
#67
○中島政府委員 大体おつしやる通りであります。ただこの出炭量がこれ以上非常にふえるとか、あるいは非常に減つたというような場合には、一般物価という面を考えると、おそらく大幅に出炭が減少いたしました場合には、工事費等もかなり安くなる。また非常に出炭がふえる場合には、多少インフレの傾向であますから、全体の工事費も上るであろうということを考えますけれども、その辺で両方で相殺されまして、結局において残る工事というものが、出炭高の増減に比例するということまでは言えないかと思います。
#68
○田代委員 これは大蔵当局に特に質問いたしますが、この特別鉱害の復旧は、実際原案から申しましても、また政府当局自身といたしましても、これは非常に不十分である、また非常に不足しておるということは、客観的な周知の事実なのですが、なお重大な問題としましては、一般鉱害がたくさん残つているわけであります。これに対しましては政府與党といえどもその重大性をはつきり認識されまして、これを今まで通りのわずかな金銭賠償ではいけない。これは地元の被害者の方々からいつでも、あるいは鉱業政策の上からいつでも、こういうやり方ではいけないということに大体輿論がなりまして、自由党の内部でもそういうことじやいけないというので、大体審議会あるいは鉱害に対する原状回復を原則とするそういう委員会というものをつくつて、そうしてこの一般鉱害に対する根本的な解決策をとらなければならないという大きな線は出ておるそうでございますが、これは当然予算措置がないということでは、言葉の上でそういうことを出しましても何らの意味がないので、その間政府の意見として一番重要性を持つておりますのは、大蔵当局のこれに対する資金的な裏づけに関する見解なのでありますが、そういう原状回復の原則で行くと、大蔵当局としてはその予算的裏づけとして、公共事業費特別会計に対しまして出されましたような形で、これを補助されるというような意見がまとまつておりますかどうか。その点につきましてはつきりした御説明をお願いいたしたい。
#69
○佐藤(一)政府委員 この特別鉱害復旧に関連しまして、従来も問題にはなつておりましたが、一般鉱害の問題があわせて取上げられる機運にあるように私たちも伺つております。これにつきましては実は特別鉱害ほど、一般に政府の内部においても研究は進んでおらないと私は思いますが、通産省の方でもこの問題を研究されまして、ごく最近に、まだ非常に部分的でありますけれども、大蔵省の方にも問題を提起して来られたようであります。しかし何分にもごく最近のことでありますし、通産省の方を中心にできるだけ研究を進められておるようでありますが、またその上で大蔵省としても研究したい、こう思つて、おります。
#70
○田代委員 問題が非常に複雑になりまして、特に大蔵当局に要望いたしますが、先ほど申し上げましたように、そういう原状回復の原則が出ましても意味がないので、今申し上げましたような意味におきまして、大蔵当局はぜひともその裏づけになる予算的な措置を講ずるという腹で、ひとつかかつてもらいたい、こういうことを申し上げておきます。
#71
○小金委員長 ほかに御発言はございませんか。――ほかに御発言もありませんから、それでは本日はこれをもちまして、特別鉱害復旧特別会計法案に関する連合審査会を打切ることにいたします。
 これにて散会いたします。
    午後三時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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