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2000/03/22 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 法務委員会 第5号
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2000/03/22 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 法務委員会 第5号

#1
第147回国会 法務委員会 第5号
平成十二年三月二十二日(水曜日)
    午前十時三十二分開議
 出席委員
   委員長 武部  勤君
   理事 笹川  堯君 理事 与謝野 馨君
   理事 横内 正明君 理事 北村 哲男君
   理事 日野 市朗君 理事 倉田 栄喜君
   理事 西村 眞悟君
      太田 誠一君    奥野 誠亮君
      加藤 紘一君    金田 英行君
      熊谷 市雄君    藤井 孝男君
      保岡 興治君    渡辺 喜美君
      枝野 幸男君    坂上 富男君
      漆原 良夫君    安倍 基雄君
      木島日出夫君    保坂 展人君
    …………………………………
   法務大臣         臼井日出男君
   最高裁判所事務総局刑事局
   長            白木  勇君
   政府参考人
   (警察庁長官官房長)   石川 重明君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 岡田  薫君
   政府参考人
   (警察庁生活安全局長)  黒澤 正和君
   政府参考人
   (警察庁交通局長)    坂東 自朗君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    古田 佑紀君
   政府参考人
   (文部大臣官房審議官)  玉井日出夫君
   法務委員会専門員     井上 隆久君
    ―――――――――――――
三月二十二日
 株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(太田誠一君外八名提出、衆法第一〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件

    午前十時三十二分開議
     ――――◇―――――
#2
○武部委員長 これより会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 内閣提出、民事法律扶助法案の審査のため、来る二十八日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#4
○武部委員長 次に、裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房長石川重明君、警察庁長官官房審議官岡田薫君、警察庁生活安全局長黒澤正和君、警察庁交通局長坂東自朗君、法務省刑事局長古田佑紀君、文部大臣官房審議官玉井日出夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#6
○武部委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所白木刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#8
○武部委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。倉田栄喜君。
#9
○倉田委員 公明党の倉田でございます。
 私、前回、当委員会で裁判所職員定員法の一部改正案の質疑に関連をして、裁判所はだれのものかということで、裁判所は国民のためにある、こういう御答弁をいただきました。その中で、いわばお上が裁くという意識が果たしてどうなっているのか、裁判所自体がもっと透明感あふれ、国民に開かれたものでなければならない、そういう視点から、いわゆる司法システムの中における我が国の被害者の地位、位置づけというのはどうなっているのかという観点から若干補足的に質問をさせていただきました。
 きょうは、一般質疑という機会を与えられましたので、特に犯罪被害者の権利と救済について、この視点からお尋ねをさせていただきたい、このように思います。
 私は、警察権力や国家権力というか、刑罰権力の発動、これが当然抑制的でなければならないということはそのとおりだと思っておりますが、一方で、警察あるいは司法に課されている役割というのが本来十全に機能していかなければまた国民の信頼も得られない、このように思っております。近時盛んに取り上げられております警察不祥事の問題も、警察、捜査あるいは裁判、その仕組みの中において国民の期待に本当に十分こたえているのだろうか、そういう視点からの問題意識なのではなかろうかと思います。
 そこで、きょうは警察段階からお聞きをしたいと思いますが、よく警察は、例えば民事不介入の原則というのがございます、あるいは法律は家庭に入らずという話もあるわけであります。また、男女間のトラブルの問題に警察が介入することについては非常に控えてこられた。これは一方で、警察権力、刑罰権力の発動が抑制的でなければならないということと関連するのかもしれないけれども、しかし一方で、果たして警察が国民の皆さんが期待している役割にこたえているのかどうかということからも実は問題提起をしたいと思うわけであります。つまり、警察の方で、これはやりたくないからやらないとか、あるいは手がいっぱいでとても回っておれないからやれないとか、そういうことがあってはならないのだと思うのですね。
 そこで、これは象徴的なことだと思いますけれども、例えば、犯罪の被害者が、捜査の端緒になり得ると思いますけれども、被害を受けたあるいは詐欺に遭った、そういうことの中で検察あるいは警察に告訴をしたり告発をいたしたりします。これは多分、告訴、告発すると弁護士に相談をしたりあるいは自分で書かれたりするんだろうと思うのですけれども、要件を満たしていないとか証拠が十分でないとか、まあお預かりはしましょうという状況の中でこれはやはりなかなか犯罪にはなりませんよという形で返されてしまうケースも一方あって、なかなか警察が動いてくれないな、こういう意識も国民の皆さんの中にはあるんだと思います。
 現在、被害者の犯罪に対する告訴、告発、この受理、そして受理後の処理、あるいはもうこれは犯罪になりませんよという形で受理しない、そういう形は件数的に、今急遽でしたのでお答えいただくのはなかなか難しいと思いますけれども、どういうふうな基準あるいは形で対応されておられるのか、この点をまず警察の方にお伺いしたい。
#10
○岡田政府参考人 いろいろお尋ねがございました。
 告訴、告発につきましては、国民の皆さんが警察に対して直接犯罪事実を申告いたしまして犯人の処罰を求めてくるものでございますことから、警察庁といたしましても、その迅速適正な受理及び処理がなされるように各都道府県警察に対しまして、受理に関しては、その相談の段階から幹部が的確に内容を把握し受理の適否の判断を組織的に行うこと、あるいは処理に関しては、迅速に捜査が推進されているか、そのために必要な体制の確保が行われているか等につきまして的確な捜査指揮を行うことなどの措置につきまして、各種会議等の場において指示をいたしますとともに、その徹底を図っているところであります。
 ただ、告訴事件の規模や内容によっては何回かにわたり告訴人から十分な説明を受ける必要のあるケースもございますので、個別の事案によって捜査の態様が異なることも御理解いただきたいと存じます。
 それから、数字の話がございましたが、告訴、告発件数という形での数字は必ずしもとってございませんが、平成十一年中に告訴、告発を端緒にして認知した事件が九千件余り、それから、検挙した刑法犯につきまして、告訴、告発によって主たる被疑者を特定したというものが三千件余りでございます。
#11
○倉田委員 これは私も経験があるんですけれども、犯罪の被害を受けたと思う人が警察に相談に行くと、なかなか警察の方で動いてもらえない。そこで、弁護士を頼んで告発状あるいは告訴状を書いてもらって持っていく。一応預かってはもらうのだけれども、なかなか捜査が動き出さない。ここの中には、きちんとした、こういう場合はだめですよ、これはちょっと犯罪になりませんよ、そういう説明が果たして、統一的なというのか、確かにいろいろな事件がありますので難しいんだと思いますけれども、あるのかなという気がしてならないわけですね。そういうことも、いわゆる警察が国民の信頼を得る、あるいは捜査についての最大の協力者が国民であるとすれば、そこはきちっと受けなければならない、こう思うわけであります。
 実は、私も、私が乗っている車が随分ひどいいたずらをされまして、両面ずうっと落書きをされたことがありまして、警察に届けました。届けて、半日ぐらい、指紋をとられて、写真を撮られて、それで犯罪の被害届を出して、もう何年か前の話でありますけれども。しかし、それはそれでしようがないなと思いながらずっと経過をしておりますけれども、私が聞いていないから悪いんだと思いますけれども、それがその後どうなったのか全然わからない。捜査をやってくれたのかどうか、それすらも私は知らないわけです、尋ねていないわけですからね。
 私は、告訴、告発の件もそうでありますけれども、いわゆる被害者の方々が被害届をされた、あるいは捜査が始まった、その状況については捜査の段階からやはり、今こうなっていますよ、あるいは、こういうふうになりましたよ、そういう捜査の状況であるとか捜査の結果ということをきちっと通知をすべきではないのか、このように思うわけであります。
 警察庁から「警察による犯罪被害者支援」という随分立派なパンフをいただきました。この中には、被害者連絡制度というのが書いてございまして、被害者連絡は、殺人、傷害、強姦等の身体犯、あるいはひき逃げ事件の被害者もしくは遺族または交通死亡事故の遺族については、捜査の状況のほか一定の事項が連絡されます、こういうふうなパンフをいただきました。しっかりやっていただいているな、こういう思いはいたしましたけれども、しかしこれは「被害者から事情聴取を行った捜査員等の事件担当捜査員によって行われています」、こういうふうになっているのですね。これが果たしてきちっと行われているのかどうかということを私はあえて疑問なしとはいたしません。そして同時に、被害者連絡は、今申し上げました殺人、傷害、強姦等の身体犯とか、これは限られているわけですね。私は、これはもちろん予算の問題もあるだろうと思いますし、警察の体制の問題もあるだろうと思いますけれども、これから本当に警察が国民に信頼をされていく警察になっていくためには、もっと被害者の方というのは大切にしなければならない、そうでなければやはり捜査の協力も得られないということがあるんだろうと思うのです。
 そうであるとすれば、一方で、警察権力、刑罰権の発動に抑制的であるべきであるということはあるにしても、やはりきちんと捜査の状況、そして結果、私は、担当捜査員がきちっとやったのかどうかということについても検証すべきだし、結果の統計も残すべきであるし、今やっている被害者連絡制度は、すべての事件とは言わないけれども、まだ拡充すべきではないのか、こういうふうにこのパンフを拝見させていただきながら思ったわけでありますが、この点はいかがでしょう。
#12
○岡田政府参考人 大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 被害者に対する捜査状況の、結果その他の通知でございますけれども、今委員御指摘がございましたように、全国的には、殺人とか重大な傷害、あるいはひき逃げ、交通死亡事故というようなものを対象としておりますけれども、またそれぞれの都道府県の実情に応じて広げられるものは広げていくというような形で、捜査の進行状況ですとか被疑者の送致状況について御連絡をさせていただくということでやってございます。
 運用状況についてでありますけれども、各都道府県警察から警察庁に報告のありました被害者連絡を実施した被害者数を見ますと、平成十年で、刑事事件が約二万七千人、交通事件が約九千人となってございます。
 今後とも、御指摘の点も踏まえて、この制度がより充実されていくように努力してまいりたいと存じます。
#13
○倉田委員 ぜひ捜査段階において犯罪被害者の立場をしっかり位置づけていただいて、私は、捜査の状況、結果というのは大体原則的に教える、連絡をするという体制をとっていただけるように進めていただきたいと思います。
 そして同時に、今ここに書いてあるような殺人等の事件の被害者のお父さんであり、あるいは子供であり、その奥さんであったりしても、なかなか現実には、この間もちょっと質問したときにお答えがありましたけれども、捜査の密行性、あるいは一方ではプライバシーとか、情報を教えるとなかなかということで教えてもらえない、そのことによって非常に、何も教えてもらえないというふうな状況に現場がなっている部分もあると思うのですね。
 私は、捜査の密行性とか捜査に支障がない情報はきちっと、それは息子を殺された、お父さんを殺された、そういう被害者の方にとっては本当に重要なことなんです。それをやはりきちっとやるべきである。ここはちゃんと教えるべきである、ここはちゃんと連絡すべきである、あるいは相談に来られたりすればちゃんと対応すべきである、そういう応接基準みたいなものをきちっとつくるべきではないのか、このように考えますが、この点、いかがでしょう。
#14
○岡田政府参考人 応接基準というお話がございましたけれども、犯罪の被害者、その御家族というのは、犯罪によって精神的打撃を受けていることが大変多うございます。そうしたことから、対応する警察官がその心情に配意すべきことは当然であると思います。それから、被害届や告訴、告発の受理に当たりましても、そうした見地から適切な対応をすべきものであるというふうに認識をいたしております。
 警察庁では、従来から、被害届等の受理に当たっては、被害者の立場に立って誠実に対応するように指導をしております。平成八年には被害者対策要綱というものを制定いたしまして、被害者の立場に立った対応を推進するために、被害届の受理について被害者の立場に立った対応に努めよとか、捜査員に対する教養を徹底することですとか、あるいは性犯罪捜査における女性警察官による事情聴取の拡大ですとか、そういったことについて対策を進めております。
 また、平成十一年には、そうした趣旨を明確に位置づけるため、犯罪捜査規範を改正いたしまして、被害者またはその親族の心情を理解し、その人格を尊重しなければならないことや、不安または迷惑を覚えさせないようにするための措置を講じなければならないといった規定を設けて、その徹底を図っているところでございます。
 警察庁といたしましては、委員御指摘の点も十分に踏まえまして、ただいま申し上げた施策をさらに推進して、被害者の立場に立った対応が組織全体に徹底してまいりますように努力してまいりたいと存じます。
#15
○倉田委員 刑罰権が国家にある、あるいは国家に独占をされている。法的秩序という意味から、あだ討ち、自力救済は許されていないわけですね。あだ討ち、自力救済は許されない、そういうことを前提として国家に刑罰権があるわけでありますから、そのことの意味を踏まえて警察はしっかり被害者の家族、被害者に対応していただきたい、こう思うわけであります。
 次に、起訴段階でありますけれども、起訴段階における被害者が我が国の司法システムの中でどう位置づけられているのか。これは法務省にお聞きしたいと思いますが、簡潔に現状だけ答えていただければ結構であります。
 起訴されたことは、法務省としては通知をしないのでしょうか。私は、こういうことで起訴をいたしましたよということを起訴状とともに被害者に届けるべきではないのか、このように考えます。
 それからもう一点、不起訴処分の場合、今回出てくる法案の中では検察審査会の拡大の問題はありますけれども、こういうことで不起訴にしましたよということの被害者に対する説明、そういうものは現状どうなっているのか、この点について……。
#16
○古田政府参考人 第一点目の起訴の通知のことでございますが、昨年四月から検察庁におきましては、全国統一の制度として、被害者等通知制度を導入しております。その中で、事件の処理結果も、被害者等の御希望に応じまして通知することにしております。起訴した事件については、公判請求または略式請求の別及び起訴年月日を通知しております。
 それから、起訴状を送付してはいかがかという御意見でございましたけれども、これにつきましては、起訴状には、被告人の住所等、場合によりましては、どうも被害者等にお知らせするのは適当でないような事項も含まれざるを得ないということから、これはいろいろ検討すべき問題があると思います。ただ、先ほど申し上げました被害者等通知制度におきまして、御希望があるときには、公訴事実の要旨等をお伝えすることにしております。
 もう一点、不起訴でございますが、これにつきましても、先ほどの通知制度によりまして、御希望に応じ、不起訴理由の骨子等を御説明するということにしてございます。
#17
○倉田委員 きょうは裁判所にもお見えいただきましたのでお聞きをしたいと思うのですが、いつ公判期日がありますよということは、犯罪被害者の方に通知はしないのでしょうか。それからもう一点、判決の結果、これは裁判所として、通知されるということはどうお考えになりますか。
#18
○白木最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 現行刑事訴訟法によりますと、公判期日には、被告人を召喚するとともに、これを検察官、弁護人及び補佐人に通知しなければならないとされておりますが、被害者につきましては特に規定が設けられておりませんで、運用上も裁判所の方から進んで通知をするということはいたしておりません。殊に、起訴状一本主義の現行法の構造からしますと、審理の早い段階では、裁判所は被害者の住所などを知り得ないということもございます。もとより、被害者の方から裁判所に対してお尋ねがあった場合には、公判期日をお伝えして、傍聴等ができるように配慮しているところでございます。
 それから、判決の結果でございますが、これも公判期日の場合と同様でございまして、現行法上、被害者の方に通知すべきとする規定はございません。また、運用としても、裁判所の方から一方的かつ一律にこれをお伝えするというのがよろしいかどうか、議論のあり得るところかと思われます。したがいまして、被害者の方からのお尋ねがあった場合、あるいは、あらかじめ御要望があった場合にお知らせするというのが、これまでの大方の庁の運用ではないかと思われます。
#19
○倉田委員 今の我が国の司法システムの中における被害者の関与のあり方、刑罰権を国家が独占する、その中で被害者がどう位置づけられているのか。前回の質問の中で、私は、いわゆる保護の対象であって権利の主体になっていないのではないのか。これも詰めていくと議論があってなかなか難しいところだと思うのですけれども、今の状況は、明らかに被害者は司法システムの中で蚊帳の外にあって、あくまでも調べの対象というのか、わきに置かれ過ぎていると思うのですね。
 司法システムあるいは警察に対する国民の信頼の確保という観点を考えるならば、被害者を保護の対象とか、国家秩序という意味から捜査があり、裁判があるということではなくて、やはり被害を受けた方の気持ちの回復、被害の回復という観点からも、その捜査、起訴あるいは裁判、公判段階において、被害者をきちっと位置づけていくことを今回の司法制度改革の論議の中でぜひ検討していただきたいと私は思います。
 これは御意見だけ申し上げておきますけれども、被害者等に、例えば被害参加人、そういう法的な立場を与えて、公判の立ち会い権、今回の法律の中で意見陳述権が一部認められることになりますけれども、公判の立ち会い権を権利として認める、そして、十分な意見陳述権を保障すべきではないだろうかというふうにも思いますし、また、犯罪被害の捜査記録というのは、これも一方でプライバシーとかいろいろ問題があるのだと思いますけれども、そういうことを配慮しながらも、法廷に出されない捜査記録の謄写、閲覧権、そういうことも一方で開示をする方向に検討してもいいのではないのか、こういうふうに思っておりますので、これは御検討いただくようにお願いをしたい、こう思っております。
 そこで次に、法務省と法務大臣にお聞きをします。
 先ほど、判決の結果は今原則通知をされない、お問い合わせがあったら知らせることはあるということだと思いますけれども、法務省は、いわば刑罰権を独占して、起訴官として、被害者のかわり、あるいは国民全体のかわりにやっているわけですね。被害者のかわりにやっているわけでもあるわけであります。そうだとすれば、かわりにやっておるのだとすれば、判決の結果についても法務省としては何か通知を考えるべき、先ほど一部お話がありましたけれども、制度として考えるべきなのではないのか。
 それから、これは先般もお尋ねをいたしましたけれども、刑の執行、そして終了情報、今大きな議論になっておりますけれども、これも原則被害者に通知をされるべきなのではないのか、こう思います。これは、この間大臣の御答弁の中でも検討していくというお話でありましたけれども、前回のきょうでございますので、まだその議論の域は進んでいないと思います。しかし、そういうことを踏まえながら、犯罪被害者を我が国の司法システムの中できちっと位置づけるということを考えなければ、それは捜査に対しても、あるいは裁判というものに対しても、やはり国民の信頼は得られないし、あるいは、司法システムの透明性という確保もできないのではないのか、こう思いますが、今私が申し上げたことに関しまして、大臣の御所見があったらお願いしたいと思います。
#20
○古田政府参考人 先ほど委員お尋ねの中に、公判期日、それから裁判結果の問題がございました。この点につきましても、先ほど申し上げました被害者等通知制度によりまして、御希望に応じ、公判期日につきましては係属裁判所及び公判日時、それから刑事裁判の結果につきましては主文、裁判年月日、それから裁判が確定した場合にはそのこと、上訴があった場合にはそのことをお知らせするということにしてございます。
#21
○臼井国務大臣 ただいま委員お話をいろいろいただきましたが、犯罪被害者が刑事手続において、その心情、名誉について適切な配慮を受け、かつこれを尊重されるべき立場にあるということは、これは当然のことでございます。
 実務といたしまして、刑の執行の開始につきましては、検察庁の被害者等通知制度におきまして、主文、裁判年月日、裁判の確定等を通知することといたしております。これによって、犯罪被害者等は刑の執行開始を知るところでございまして、さらに、特に被害者等から照会があれば、相当と認められる限りにおきまして、検察官から被害者等に刑の執行開始をお知らせすることも可能であろうかと考えておるのでございます。
 他方、刑の終了につきましては、犯罪者の改善更生、プライバシーの保護の要請をも考慮いたしまして、犯罪被害者等に対し、どのような場合にどのような範囲の情報を提供することが適当かにつきまして、関係部局において鋭意検討を行っているところでございます。
#22
○倉田委員 時間がなくなってまいりましたので簡潔にお答えいただければと思いますが、警察庁に。
 いわゆるお礼参りというのがありますね。先ほど刑の執行、終了について犯罪被害者が情報を欲しいというのは、そういうことも心配しておられるからだと思うのです。このお礼参りということについて、警察庁は、被害者にどういうふうに対応されておるのか。この点が一点。
 それから、いわゆる犯罪被害者給付金制度がありますけれども、これはこの間も質問いたしました。これは、要件の緩和、今過失にはなかったり、それから金額のアップ、これはお願いを特にしておきます。
 検討事項がありましたらお答えいただいて結構ですが、お礼参りの件と犯罪被害者給付金制度について簡潔にお答えいただきたい。
#23
○岡田政府参考人 お礼参りの点については私から御説明させていただきたいと思います。
 暴力団犯罪の被害者等の保護につきましては、従来から重点として行ってまいりました。しかし、平成九年に被害者が刑務所から出所した加害者に殺害されるという事件が発生をいたしましたことなどを踏まえまして、全国警察において再被害の防止のための取り組みの強化を図っております。
 具体的には、殺人未遂、性犯罪等の凶悪犯罪や粗暴犯が発生した場合で、被害者が過去に加害者から何らかの犯罪被害を受けたり、将来的に被害者に対する再犯のおそれがあるときは、その事件の経過を継続的に把握することに努め、情勢に応じて被害者への連絡や必要な警戒措置を講ずることとしております。
 さらに、平成十一年には、被害者対策の一層の推進を図るために、先ほど申し上げましたのとはちょっと別の規定で犯罪捜査規範を改正いたしまして、再被害のおそれがあるときは被疑者その他の関係者に被害者の氏名等を告げないようにするなど、被害者等の保護のための措置を制度化して、その定着と徹底を図っているところでございます。
#24
○倉田委員 最後に、大臣に二つだけお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
 裁判所が国民のためにある、そして、刑罰権が国家に独占をされ、あだ討ち、自力救済は許されない、そういうことの中で、被害者が我が国の司法システムの中でどう位置づけられるべきであるか。今、捜査段階、起訴段階、公判段階、刑の執行終了段階について概括的にお尋ねをしたわけでありますけれども、やはりどうも被害者そのものに着目をして我が国の司法システムというのはできていないな、こう思うのです。
 そういう意味では、私は、司法制度改革が今議論されているのであれば、我が国の司法捜査、起訴、公判あるいは刑の執行過程、終了過程の中で、被害者があるいは被害者の家族の方がどう位置づけられるべきであるのか。単純に、いわゆる犯罪被害者の保護、保護してあげるんだよということではなくて、やはり被害者として、権利の主体者として、被害回復の当事者として司法システムの中に位置づけられるべきではないのか、そういう方向で検討されていくべきではないのか、このように考えますが、この点について一つ。
 それから同時に、今法律扶助法案を議論しておりますけれども、被疑者の被疑段階の国選弁護人の話は出てまいります。私はこれも当然のことだと思いますけれども、一方で、では、いわゆる被害者の被害回復のためのその弁護あるいはその活動に対して国はどう協力できるのかということになれば、なかなかこれも緒についていないわけであります。
 それこそ、本当にいろいろ言いたいこともあるいは調べたいこともあるけれども、資力がなくてできなくて泣き寝入りをする。そうだとすれば、将来的には、被疑者に対する国選弁護人の話が当然あるわけでありますから、一定の範囲の中で、被害者に対する国費による弁護人の制度、システムというのも、法律扶助制度の中身の議論に入るのかもしれませんけれども、あるいはそれと違ったとしても、そういうシステムも用意すべきではないのか、こう思いますが、この二点について、法務大臣の御所見をお伺いいたします。
#25
○臼井国務大臣 犯罪被害者は、被害回復の権利の当事者という意味では民事訴訟において原告となるものでございまして、刑事訴訟において犯罪被害者に検察官や被告人と同様の手続上の当事者たる地位を認めることは、刑事訴訟の基本構造にかかわることでもございまして、慎重な検討が必要であると考えておるのでございます。
 先ほど申し上げましたように、犯罪被害者が刑事手続において尊重されるべき立場にあるということは、これは申し上げるまでもないことでございます。今月十七日に国会に提出しております犯罪被害者の保護のための法案におきまして、犯罪被害者の立場を尊重し、これに配慮する個別具体的な制度というものを導入したいと考えているところでございまして、これによりまして、犯罪被害者について、刑事手続上他の一般人とは異なる特別の配慮を受ける地位が認められることになると考えておるのでございます。
 また、被害者に対する国選弁護人を付す制度というものについて御質問がございましたが、被害者の刑事手続への関与のあり方にも関連をいたすわけでございまして、ひいては刑事訴訟の基本構造にもかかわることでもございますので、その弁護活動の範囲、内容、それがどのようなものであるかどうか、さまざまな観点からその必要性などについて慎重に検討する必要があると考えているところでございます。
#26
○倉田委員 以上で終わります。
#27
○武部委員長 木島日出夫君。
#28
○木島委員 日本共産党の木島日出夫です。
 新潟県警の交通機動隊長らによる交通違反もみ消し問題についてお聞きをいたします。
 新潟県警の交通機動隊長大沢紀士警視と運転管理課行政処分係長曽根原望警部補は、三月十九日、懲戒免職処分を受けた後に公電磁的記録不正作出容疑で逮捕、送検されております。
 懲戒免職処分理由は何でしょうか。逮捕、送検の被疑事実は何でしょうか。警察庁にお尋ねします。
#29
○岡田政府参考人 私から逮捕事実について御説明をさせていただきたいと存じます。
 お尋ねの事件につきましては、新潟県警察の交通機動隊長が、同県警運転管理課の課員と共謀の上、平成十一年十月下旬ころ、同課員をして同課に設置された電算機端末を操作し、警察庁情報処理センターの電算機内の運転者管理ファイルに記載された上越市居住の自営業者に係る交通違反歴データを抹消するとともに、同ファイルを事務処理の用に供したという公電磁的記録不正作出、同供用の罪で、三月十九日、同隊長及び同課員を逮捕したものでございます。
#30
○木島委員 抹消された記録というのは、新潟県板倉町の自営業者が、九九年十月八日に二十四キロ速度違反、反則金一万五千円、違反点二点、こういう内容の記録が抹消されたということでよろしいですか。
#31
○岡田政府参考人 抹消された違反については、平成十一年の十月初旬ころ、新潟県上越市内の制限速度四十キロの一般道路上を六十四キロで走行したものであるというふうに報告を受けております。
#32
○木島委員 大沢と曽根原とは共犯だということですが、抹消の実行行為をしたのは曽根原ですか。
#33
○岡田政府参考人 そのように報告を受けております。
#34
○木島委員 曽根原はなぜ違法な抹消をしたのでしょうか。
#35
○岡田政府参考人 動機等の具体的な部分については、現在捜査中でございますので、答弁を控えたいと思います。
#36
○木島委員 懲戒免職処分にしているのでしょう。そっちの方から聞いているのですよ。
 大沢が果たした役割は何ですか。
#37
○岡田政府参考人 交通機動隊長は、先ほど申し上げました、同課員をして交通違反歴データを抹消するとともに、同ファイルを事務処理の用に供させたということでございます。
#38
○木島委員 そうじゃないのですよ。実行行為者は曽根原でしょう。大沢については共犯だと報告されたでしょう。では、大沢がどういう役割を担ったのかと聞いているのですよ。
#39
○岡田政府参考人 法律上の枠組みといたしましては、両者の間に共謀があり、共謀共同正犯としてこの犯罪を犯したというふうに考えております。
#40
○木島委員 実行行為者は曽根原だ、そして大沢は曽根原のかつての上司だった。報道等によりますと、曽根原は大沢からの抹消の依頼を断れなかったと言われております。
 大沢が曽根原に違法な抹消を指示したのはいつか、なぜ曽根原は拒絶できなかったのか、なぜ大沢がそんな違法な指示をかつての部下の曽根原にしたのか、そこがきちっと据わらなければ懲戒免職処分なんかできないじゃないですか。きちっと答えてください。
#41
○石川政府参考人 先ほどから官房審議官が答弁をしているとおりでございまして、平成十一年の十月下旬ごろそうした行為があったということが逮捕事実でございますから、その状況に基づいて懲戒免職処分に付した、このように承知をいたしております。
#42
○木島委員 全然答えていないじゃないですか。コンピューターをいじって抹消した実行行為者は曽根原でしょう。大沢はどういう役割を果たしたのか。懲戒免職ですよ。答えてください。委員長、答えさせてください。極めて大事なことです。
#43
○石川政府参考人 共謀共同正犯でありますから、抹消の実行行為者、それと共謀関係にあった、それについて同一の懲戒処分の対象となった、こういうことでございます。
#44
○木島委員 だから、その役割を聞いているのでしょう、共謀の役割を。役割を言っていないじゃないですか。委員長、これは答弁拒絶です。答えていないですよ。
#45
○武部委員長 警察庁石川官房長、役割は何かという質問でございますが。
#46
○石川政府参考人 大沢元警視は、交通違反者の依頼を受けた者から頼まれて、運転管理課に勤務していた警部補に依頼をして、十月下旬ごろ、運転者管理ファイルに登録された違反者のデータというものについて、先ほど来申し上げているような経緯をたどった、こういうことでございます。
#47
○木島委員 大沢警視は交通違反者から依頼を受けたと言いますが、では、依頼をしたのはだれなんですか。
#48
○岡田政府参考人 だれからどういう依頼を受けて、どういう動機であったということについては、現在捜査中でございます。
#49
○木島委員 捜査じゃないよ。懲戒免職にしているじゃないですか。そんなもの、事実上もう明らかじゃないですか。
 言いましょう。白川代議士、元国家公安委員長、これの私設秘書から依頼されたんじゃないのですか。答えてください。
#50
○岡田政府参考人 御指摘の点につきましては、そのような報道もございますけれども、その方たちは現在被疑者というようなことの報告は受けておりませんので、だれがどういうふうに頼んだというようなことにつきましては、これから究明していくことでありますし、捜査中のことでございますので、私からは申し上げるのは控えさせていただきたいと存じます。
#51
○木島委員 とんでもないですよ。捜査を理由に答弁拒絶なんかできないですよ、この件は。二人とも懲戒免職処分という行政処分を受けているじゃないですか。行政処分の基本となった事実を聞いているんじゃないですか。いつ、どのような依頼がだれからあったのか、これは言わなきゃ、行政処分できっこないじゃないですか。自主的にやったんじゃないのでしょう。きちっと答えてください。そんな懲戒処分は成り立たぬ。ちゃんと答えなさい。
#52
○石川政府参考人 先ほど来申し上げておりますように、違法行為があったということは、大沢警視が運転管理課に勤務しておった曽根原警部補に依頼をして、先ほど来の行為を共謀共同正犯として行ったということで懲戒処分に付した、こういうことでございます。
#53
○木島委員 公電磁的記録不正作出罪は、十年以下の懲役または百万円以下の罰金です。極めて重い罪であります。この事実が摘発されれば、懲戒免職、それは必至でしょう。大沢は、二〇〇〇年三月末、今年三月末で定年退職予定だったと言われております。それは事実ですか。まじめに勤め上げれば、予定された退職金は幾らだったのか。答弁してください。
#54
○石川政府参考人 今、委員のお話でございますが、この前交通機動隊長につきましては、ことしの三月三十一日で定年退職となる予定でございました。本来であれば、これは条例に基づきまして退職金が支払われるべきものであった、こういうふうに承知をしております。(木島委員「幾らですか」と呼ぶ)この退職金の額は、約三千二百万円ということで承知をいたしております。
#55
○木島委員 懲戒免職処分理由、送検の被疑事実は、先ほど答弁のように、昨年十月下旬、共謀ですね。そして、交通違反があったのは昨年十月初旬と言いましたね、私は十月八日だと思いますが。大沢は三月末で退官予定だった。事もなければ三千二百万の退職金が手にできた。名誉も残ったでしょう。なぜ大沢は、見つかれば十年以下の懲役、こういう罪を犯すことを曽根原に指示したのか。一体、だれからどんな依頼を受けたのか。答弁してください。
#56
○岡田政府参考人 だれからどんな指示を受けたか、あるいは動機がどうであったかということは、まさに捜査という立場からはこれを解明していくものと考えておりますが、現時点での答弁は控えさせていただきます。
#57
○木島委員 そんなこと、だめですよ、懲戒処分について聞いているんだから。これは捜査を理由に拒絶できないはずです。委員長、答弁させてください。
#58
○岡田政府参考人 一般論でございますけれども、動機といったものは内心の事情でございますし、それから表面的にこうだということは、直ちにそういう事実が認定できるというものでは必ずしもございませんので、さらに捜査を進めていかなければならないものと思っております。
#59
○木島委員 もう社会的には客観的な事実でしょう。白川代議士だって認めているんでしょう、依頼したことは否定していますけれども。どうなんですか。
#60
○岡田政府参考人 繰り返しで大変恐縮でございますけれども、報道等については承知をしておりますけれども、捜査を担当する者として、今の状態でそういった点については御説明を差し控えさせていただきたいと存じます。
#61
○木島委員 到底納得できません。
 質問を変えますが、新潟県警はこの容疑をいつ、何で知ったのですか。
#62
○岡田政府参考人 警察本部の当直等に匿名の電話によって、そういう事案があるというのが、二月二十七日と二十八日にそういった電話があったというふうに承知しております。
#63
○木島委員 では、もっと具体的に聞きましょう。
 二月二十七日に匿名電話が上越北署にあったんじゃないのですか。二十八日に新潟県警本部監察官室にそういう匿名電話があったんじゃないのですか。
#64
○岡田政府参考人 そのように承知しております。
#65
○木島委員 それで、そのような共謀による不正抹消の事実を警察庁、新潟県警本部が把握したのはいつですか。匿名の電話を受けて把握した時期です。不正抹消の事実をつかんだ日はいつかということです。
#66
○岡田政府参考人 そこのところは、捜査の進行と申しますのは、端緒の情報があって、それにつきましていろいろな裏づけをしてまいりますものですから、明確にいつ確定したとかいうようなことはなかなか申し上げられないのじゃないかと思います。
 ただ、確実な事実は、先ほども申し上げましたように、容疑が固まったと考えて三月十九日に逮捕したということでございます。
#67
○木島委員 そこが今問題になっているんでしょう。外部から匿名の電話があった、そしてどういう内部的な監査なり捜査なりやっているのか、そこがまさに今日本の警察問題の中心的な問題になっているんでしょう。だから聞いているんですよ。
 二月二十七日及び二十八日に電話でそういう事実の摘示があった、それを受けてどういう内部調査をいつやったのか、いつそれがわかったのか、そして堀内県警本部長に報告したのはいつか、それぐらい答えてください。
#68
○岡田政府参考人 今申し上げましたように、捜査の具体的な進行と申しますのは、報告連絡その他も含めて、かなり複合的に行われるものでございます。
 そしてまた、この事案につきまして、捜査でございますので、捜査という観点からしますと、徐々に事実は固まっていくということなのだろうというふうに思っております。
#69
○木島委員 そんなごまかしは通用しませんよ。
 では、警察庁に新潟県警本部からこの問題の報告があった最初はいつですか。そして、そのときどういう報告があったのですか。答弁してください。
#70
○岡田政府参考人 三月の上旬に、新潟県警から、交通違反歴データが不正に抹消された疑いのある事案があるというふうに報告を受けております。
#71
○木島委員 日を特定してください。上旬なんてあいまいな日ではだめです。いつですか。それと、報告の中身。
#72
○岡田政府参考人 日にちにつきましては確認をいたしておりませんが、三月上旬ということでございます。
 内容は、交通違反歴データが不正に抹消された疑いのある事案があるということでございます。
#73
○木島委員 不正に抹消したのが大沢紀士警視と曽根原警部補だという報告は当然あったのでしょう。もっと、どういう報告なのか、答弁してくださいよ。日にちも答弁してくださいよ。私は納得しません、そんな上旬なんというのでは。どうせわかるんだから、そんなことは。隠しちゃだめだよ。
#74
○岡田政府参考人 その疑わしい事案を行ったと思われる者の名前は報告にあったと存じます。
#75
○木島委員 この二人に対する任免権者、懲戒権者はだれですか。
#76
○石川政府参考人 新潟県警察の警察官でありますから、警察本部長だろうと思います。
#77
○木島委員 それでは、三月上旬ときょうは聞いておきましょう、いずれ日ははっきりしますよ、新潟県警本部から、その二人に対して懲戒権者、処分権者としての権限をどう発動するか、どういう報告が最初にその日にあったのですか。
#78
○石川政府参考人 どの時点で懲戒処分をどの形でとるかということにつきましては、事案の解明を待って行うということになるわけでありまして、当初のいわゆる端緒の状況のもとで、具体的にどういう処分をこの者に対して行うかというようなことについての判断というものは、まだその時点ではないというふうに思います。
#79
○木島委員 それでは全然わかりませんね。
 任免権者である新潟県警本部から、三月上旬に二人の容疑について報告があった。三月十九日になって懲戒免職処分をし、逮捕、送検した。どうしてそういう時期になるのですか。もっときちっと報告してくださいよ。
 では、いつ懲戒免職処分を決めたんですか。三月十九日まで手をこまねいていたのですか。
#80
○石川政府参考人 最終的に懲戒処分をこういう形でとる、付すということにつきましては、三月十八日の時点で新潟県警察において決めた、こういうふうに理解をしております。
#81
○木島委員 何時ごろでしょうか。
 新潟県警本部では、三月十九日の午前、未明の記者会見で初めてこの事実が公にされています。なぜか。朝日新聞が三月十九日の朝刊で、この交通違反もみ消し容疑を報じたからであります。朝日新聞が三月十九日の朝刊で報じるということは、もう既に前夜、印刷が刷り上がっている。それを知って、慌てて新潟県警本部は深夜の記者会見になったのじゃないですか。マスコミにすっぱ抜かれるというのがわかって、慌ててこういう処分をしたのじゃないのですか。もうそういう容疑はとっくの昔にわかっていたのじゃないですか。はっきり答えてください。
#82
○石川政府参考人 こうした問題につきましては、事実の解明、それからそれが刑事法令に違反するといった場合には捜査が行われるわけでありまして、そうしたことをきちっとやった上で、三月十八日の時点で懲戒処分の内容が決まった、こういうことでありまして、報道との関係でどうかといったようなことは、その際の主要の要素というふうにはなっていないというふうに思っています。
#83
○木島委員 三月十八日、だれがどこで決めたのですか、何時ごろ。
#84
○石川政府参考人 三月十八日の夜の時点だと思いますが、新潟県警察において、懲戒処分を決める手続にのっとって、そこで決まったというふうに承知をいたしております。(木島委員「夜何時ですか」と呼ぶ)ちょっと時間まで私は具体的に承知いたしておりません。
#85
○木島委員 この一連のことでは、新潟県公安委員会にはどういう報告を、最初にいつやりましたか。
#86
○石川政府参考人 二月の下旬からこうした問題が調査あるいは捜査に入っておるわけでありますから、その過程において公安委員会にどういう形で報告がなされているかというのは、具体的に私は承知をいたしておりません。
 ただ、三月十八日の時点において、県警として懲戒処分の手続をとったという時点で、公安委員会にはこの問題について報告がなされているというふうに聞いております。
#87
○木島委員 当然、懲戒処分、懲戒免職処分ですからね、したのですから、大沢と曽根原からはよくその弁明を聞いているはずなんです。曽根原は、大沢から依頼されて断ることができなかったと言っているはずなんです。そういう弁明はなかったですか。
#88
○岡田政府参考人 犯罪捜査……(木島委員「犯罪捜査は関係ない、懲戒処分ですよ」と呼ぶ)捜査をする過程でどういう発言があったかとかいったことは、いろいろな推測ができるのだと思いますけれども……(木島委員「捜査じゃない、懲戒処分ですよ。当然やるでしょう、国家公務員法に基づいて」と呼ぶ)
#89
○武部委員長 ちょっと、最後まで発言を聞いてください。
#90
○木島委員 いや、答弁をそらすから、ごまかすからただしているのですよ。犯罪捜査じゃない、懲戒処分手続について聞いているのですよ。答えなきゃだめですよ。
#91
○武部委員長 岡田審議官、発言を続けてください。
#92
○岡田政府参考人 犯罪捜査について、あるいはそれ以外でもそうかもしれませんが、いろいろな状況から、こういう内心であっただろうという推測は可能であっても、少なくとも捜査という観点では、証拠に基づいてこれを認定しなければならないということから、ある程度の時間がかかるのはやむを得ないものというふうに考えております。
#93
○木島委員 そんなごまかし答弁、だめですよ。犯罪捜査について聞いているのじゃない。懲戒処分という、公務員にとっては死刑判決と同じような重大な処分を受けたのでしょう。当然、弁明を受けるでしょう。
 では聞きましょう。特に大沢に対しては、大沢からどういう弁明を受けたのですか。自分はあと数カ月で、全うすれば三千二百万退職金をもらえる、退官がもう決まっている人物が、なぜこんな不法なことを曽根原に指示したのか。依頼者からの要請をなぜ断れなかったのか、弁明があって当然でしょう。その弁明を聞かなければ、懲戒処分なんかできるはずがないじゃないですか。きちっと答えてください。
#94
○石川政府参考人 先ほど来御答弁申し上げておりますように、こうした事案の端緒を得たという場合には、調査をし、そして刑罰法令に触れるといった場合には捜査が並行して行われる。同時に行われる場合もありますし、解明後捜査部門においてさらに詰めるということもあると思います。したがいまして、今、懲戒処分の中身と現在捜査中の中身とが非常に密接に関連しているということで、官房審議官から御答弁申し上げているようなことになるわけでございます。
#95
○木島委員 もう時間が来たからやめますが、私は、何でこんな懲戒処分が三月十八日夜なされたのか。どういう手続が行われたのか。特に三月上旬、あなた方の答弁によると、既に新潟県警本部から警察庁にてんまつが報告されている。どういうてんまつだったのか。なぜそのときにこういう処分が行われなかったのか。あるいは、何でこんな時間、隠し続けていたのか。その疑問があるわけです。その根本的な背景には、依頼をした主が、元国家公安委員長の白川代議士の私設秘書からの依頼だった、だから断り切れなかったのじゃないかという疑惑があるのですよ。その疑惑には全く答えようとしない。
 こういう警察庁の幹部の態度が今の警察不祥事に対する国民の不信を高めている、また、こういうかばい立てをしている態度が不祥事を頻発させているということを指摘して、きょうのところは質問を終わります。
#96
○武部委員長 保坂展人君。
#97
○保坂委員 社民党の保坂展人です。
 まず、多くの国民が疑問に思っているマージャンの点について伺いたいと思うのですけれども、新潟県警察をめぐる事案に関する報告書がありますね。これを見ると、いろいろ書いてあります。マージャンは、満貫賞の景品として本部長が五百円の図書券二十枚を私費で購入、提供していて、その都度図書券一枚が配られているので、財物の得喪を争っていないことから、刑法百八十五条の賭博罪には該当しないものと考えられる。こういうふうにあるのですが、これは間違いないですか、官房長。こういう見解について、改めて。
#98
○石川政府参考人 そのように承知をいたしております。
#99
○保坂委員 正直に答えていただきたいのですが、本当に図書券だったのでしょうか。図書券以外の金品は動いていなかったのでしょうか。図書券だというふうにどこで確かめられたのでしょうか。報告だけでしょうか。きちっとそこは裏をとったのでしょうか。
#100
○石川政府参考人 この問題については、当時の関係者から事情を県警としてもきちっと聞いておりますし、私どもとしても、そうした報告を受けて、そして疑問点はただすといった形で調査をした結果をそこに記載しておるわけでございまして、満貫賞として五百円の図書券が提供されたということは確認をいたしておりますが、その他の金品はそこに動いていないというふうに承知をいたしております。
#101
○保坂委員 つまり、そういう結論を導き出す前に本当によく調べたのかということをお聞きしているわけなんですね。
 例えば、新潟県警のこの本部長は、よく図書券を私費で購入してマージャンなどをやられていたのかどうか。そしてまた、この図書券はどこの店で購入したのか、いつ購入したのか。そういった点の裏はとられましたか。証言だけですか。
#102
○石川政府参考人 裏と申しますか経緯を御説明いたしますと、一月二十六日に、県警の総務課の次長が本部長の依頼を受けて、本部長から預かっておる私費で、県庁の生協と聞いておりますが、そこでこの図書券を三十枚購入した、そしてそのうちの二十枚をこのマージャンのときに満貫賞として提供した、こういうふうに調査の結果を承知いたしております。
#103
○保坂委員 その際の領収書は入手されましたか。
#104
○石川政府参考人 警察庁としては入手をいたしておりません。
#105
○保坂委員 多くの人が、図書券でやっているわけないだろうなと思っているわけですね。しかし、今聞くと証言で、図書券で、しかも最初の発表はこうじゃなかったですか、四人の方が均等にお金を出し合ってやりましたと。それが少したって何か変わったように思うのですね。今度は本部長が一括して出したと。順位も微妙に入れかわって、中田局長が四番目というのは二番目の発表だったと思いますけれども、最初の発表の順位、二番目の発表の順位、違っていますよね。どうしてこういう差異があらわれたのでしょうか。
#106
○石川政府参考人 この点について新潟県警察として何か発表したということではないんじゃないだろうか。いろいろ記者からの、報道関係者からの関係者に対する質問に答えて、そこに当初の段階でいろいろ誤解等があって、そういうような報道が錯綜したというようなことはあるかもしれません。
#107
○保坂委員 仮の話ですから、もし、千点で千円程度のレートでかけマージャンをやっていたのだとしたらこれはやはり重大だ。賭博罪のところもこれは該当するということですかね。今、図書券の一万円を本部長が出す、こういう形だと問題はないんだと。これをもう一回確認させていただいていいですか。
#108
○石川政府参考人 直接の所掌でないのでございますが、解釈として、ある人がそれを提供したというときは、賭博罪が成立する場合には何か得喪を争うということなんですが、一方的にマージャンで満貫を上がった人はそれをとる、片一方の人は一方的にそれが減っていく、こういう関係でございますから、賭博罪を構成しないと解釈されるというふうに承知をいたしております。
#109
○保坂委員 今レートの点でいろいろ声があったのですが、では、一万円ぐらいの図書券で健康に楽しむということについては、今警察庁のたび重なる見解で、これは賭博罪じゃない、健康なレジャーだということのようですね。
 とすると、文部省に来ていただいているのですが、私は十代の子供たちに向けて本を書いてきまして、中学生、高校生からたくさんの手紙やいろいろ相談を受ける、そういう立場に長いことありました。例えばこの秋の文化祭で、このような国会のやりとりを見ていて、中学校の生徒会で、よし、では我々も健康マージャン大会をやろう、生徒会が一万円を出して大いに盛り上げよう、こういう企画が出てきたらどうでしょうか。文部省としてはまあ、時代の流れ、サッカーくじもやられていることですし、健康なレジャーということでよろしいでしょうか。
#110
○玉井政府参考人 中学校における文化祭についての御指摘でございますけれども、これは御案内のとおり、学習指導要領において、学校行事のうちの学芸的行事に位置づけられているわけでございまして、これは教育活動の一環でございます。したがいまして、その実施に当たりましては、生徒の日ごろの学習活動の成果を総合的に生かし、学習意欲の向上を一層高める、やはりこういうねらいを持っているわけでございます。
 そういう意味から申し上げますと、今御指摘のような形というものは、行事の趣旨から見ますとどうもふさわしくないのではないか、すなわち教育活動としてはふさわしくないのではないか、かように思っております。
#111
○保坂委員 それでは、もし警察庁に青少年から同様の問い合わせが入ったと。今文部省は、学校だからいけないと言っているのですけれども、では、地域のお祭りか何かでもいいですよ。その実行委員会が一万円の図書券を置いて、オセロゲーム大会とか将棋大会とかあるいはトランプでもいいです、こういうものをやってみたいのですがどうですかと。問題ないですね。
#112
○黒澤政府参考人 いろいろなケースがあろうかと思いますけれども、一般論として申し上げますならば、法に触れるか触れないか、そういう問題と同時に、少年の健全育成という観点からもいろいろなことを考えなければならない、そういう事案ではないかと考えます。
#113
○保坂委員 今の、青少年が電話をして警察の方がそう答えたら、ちょっと判断に迷うと思うんですね、いろいろなことを考えなければいかぬ。法務大臣、この問題で見解はどうですか。
#114
○臼井国務大臣 今御指摘があったとおりのように思います。
#115
○保坂委員 それでは、きょうは、例の神奈川県警の証拠隠しマニュアルというふうに言われた文書が既に廃棄をされていて現存していないということについてさきに私は質疑をしましたけれども、到底納得できないというところで終わっているので、幾つか冷静に追加的に質問をいたしますので、官房長に答えていただきたい。
 この神奈川県警のマニュアルを入手して実際に読んだのはいつでございますか。
#116
○石川政府参考人 十一月二十四日だったというふうに記憶……(保坂委員「何時ごろ」と呼ぶ)これは午前中だったと思います。
#117
○保坂委員 それは直接入手したのでしょうか、郵便でしょうか、あるいはファクスでしょうか。何部入手したのでしょうか。
#118
○石川政府参考人 これは、当日の朝刊に出て、私どもも初めてそういうものがあるという報道に接したわけでありまして、その時点で神奈川県警察に問い合わせて、たしかファクスでその内容を送ってもらった、そしてそれを見た、こういうふうに記憶をいたしております。
#119
○保坂委員 衆議院の調査局がつくられた、この中に当時の議事録があるんですね。私はこの中で石川官房長に一つ一つ聞いています。例えば、不祥事は積極的に公表すべきではない、これはどういう意味ですかとか、あるいは、免職した職員には再就職のあっせんに努め、警察の目の中に入れておくことが必要というのはどういうことかと。それはちゃんと答弁書を見てお答えになっていたんですね。ということは、答弁を作成するチームは何枚か複写して用意したというふうに思われるのですが、そのとおりですか。
#120
○石川政府参考人 御指摘のとおりだと思います。
 一人で持っておりますと、ほかの人が何かそういった答弁資料をつくったり、それを分析して、どこはいい、どこが悪いという判断ができないわけでございますから、当時何部かコピーをしたというふうに……(保坂委員「何部ぐらい」と呼ぶ)ちょっと具体的には承知をいたしておりません。
#121
○保坂委員 それで、問題は、事は単純でありまして、二十四日、たまたま野党の三委員からこの文書を出すようにという求めがあったわけです。ところが、神奈川県議会の県警の答弁を読むと、まさにこの新聞を見て知って、全部廃棄をするように、そういうふうに命令をした、そして廃棄を徹底しました、こういうことになっているんですね。前回の答弁だと、警察庁でそうやってコピーされていた部分も、神奈川県警の判断を尊重して、シュレッダーだと思うというふうに言われていましたけれども、それで廃棄をしたということなんですが、これは具体的にいつ、どのような形で、何部廃棄したのかというのを、ちょっとこれは大事なんで、何日に、どのような形で、どこの部署で廃棄をしたのかを答弁してください。
#122
○石川政府参考人 考え方は今委員御指摘のとおりなんでありますが、いつの時点で何部というのは、ちょっと私、十分把握できていないわけでございます。
 要は、神奈川県警の報告によりますと、十一月の二十四日に報道に接して、文書がどのぐらい残っておるのかといったような実態把握をして、そして適当な文書ではない、また効力も失っておるということで回収、廃棄に移るわけであります。私どもは、そうしたことを受けていろいろなところでこの文書の中身について御説明をしたりしておりました。そして、それが終わった時点だろうと思いますから、恐らく十一月の下旬から十二月の上旬ぐらいにかけてだろうと思いますけれども、その時点において既に庁内的にはこの文書を使って何か作業をするといったことについては終了しておって、そしてこの資料については、神奈川県警の文書で、神奈川県警の判断でもう既に廃棄すべきだという判断が行われているということでありますので、私どもといたしましても、これについてもう不要である、こういうふうに判断をした、こういうことでございます。
#123
○保坂委員 十二月の初めぐらいに廃棄したという記憶でよろしいですか。――それでは、十一月二十四日に法務委員会で、委員長に資料提出要求が三委員から出て、その後の理事会協議がどういうふうに進んだか、これは御存じですか。
#124
○石川政府参考人 私、当時別の分野をやっておりましたので、具体的に承知をいたしておりません。
#125
○保坂委員 一方、地行の委員会からも同様の文書の提出要求があって理事会協議があったんですが、この二つについてほとんどどうなったのかも知らない、こういう答弁で確認してよろしいですか。
#126
○石川政府参考人 地行の委員会では、理事懇あるいは委員会としてこの資料の提出を警察庁に求めるということはしないというふうに判断がなされたというふうに承知をいたしております。
#127
○保坂委員 これは委員長にちょっとお願いしたいんですけれども、法務委員会の理事会で、与野党でいろいろ意見がありました、この文書を請求しないというふうに決めたのは十二月の十日と聞いている。ですから、今答弁者ははっきりしないんですけれども、十二月の十日の理事会協議の結論を待ってこれを廃棄したのかどうかだけ、委員長から質問していただけますか。
#128
○武部委員長 どういうことですか。保坂さんの趣旨がよくわからないですからね。
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#129
○武部委員長 それでは、速記を起こしてください。
 再開いたします。保坂展人君。
#130
○保坂委員 官房長、今もう質問の構図は全部わかったと思うんですよね、御説明もあって。今まで私聞いていました。法務委員会の理事会協議を待って廃棄したと一言も言っていないんですよ。全然わかっていなかったんです。十二月十日の理事会協議の結論を得て廃棄したのかどうか、これは正直にはっきり言ってください。
#131
○石川政府参考人 廃棄の時期について、私の頭の中で特定できていないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、国会からの御要求があるということについてそれを無視するようなことはあり得ないわけでありますから、そうした時点である、こういうふうに承知をいたしております。
#132
○保坂委員 委員長、これでよろしいでしょうかね。
 もう一度聞きますよ。いまだにわからないわけですよ、いつ廃棄したのか。日も言えないわけです。十一月の末から十二月の初めにかけてだということだけは言われました。十二月十日なんですよ。十二月十日、法務委員会の理事会協議がどうなるのかなと注目しながら、協議がこう来て、では提出せずによろしい、まあこれで廃棄したというのも問題なんですよ、まだその後の求めがあるわけですから。しかし、理事会協議さえ待たなかったという可能性もあるんじゃないですか、記憶がないんだから。どうですか。
#133
○石川政府参考人 記憶が問題なんでございますが、まことに申しわけないんですが、この問題については、その後予備的調査もいただいているわけでありまして、そういうものにも対応しておるわけでありますから、十二月初旬というのも、私も記憶で先ほど申し上げた話でございますから、何とも申し上げられませんが、国会の地方行政委員会において提出を求めないという決定も受けて、そしてその後の問題だろうというふうに思います。
#134
○保坂委員 委員長、お願いしますけれども、地行の結論は早く出たんですよ、求めないと。法務委員会はいろいろ忙しくて延びちゃったんです。今の官房長の答弁だと、地行の理事会の決定を受けて廃棄をしたというふうに聞こえますよ。法務委員会の理事会協議は、国会法百四条一項、これでもし与野党の意見が合って国会提出要求というものがあったときには極めて明快な手続がとられているのを知っていますか、官房長。それだけ重大なことだという認識がありましたか。
#135
○石川政府参考人 国会法の百四条についてはよく承知をいたしております。したがいまして、私どもとしては、誠実に対応するということを基本として今までやってきておるわけでございます。その点は御理解をいただきたいというふうに思います。
#136
○保坂委員 これは委員長にお願いしますけれども、もう一度理事会でこの事実をきちっと検証していただきたい。理事会協議の結論が出ないうちに廃棄をしたというふうに、今言われているのははっきり記憶がないということですね、これは困るわけですよ。法務委員会で資料提出要求があって、法務委員会の理事会の結論を得て廃棄した、こういうふうな記憶ではないわけです。この点、検証していただけますか。
#137
○武部委員長 これは理事会で一度協議してみたいと思います。
#138
○保坂委員 それで、一言一言もっと細かいことを聞きたいのですけれども、大変悲しい報告書ですよ。我々国会議員にとっても悲しいし、そしてまた、こういう報告書を見て、どうでしょう。証拠隠滅事件で揺れる神奈川県警の、その激動の中で、ひょっとしたらこういう不祥事マニュアルがこういう県警の事態を生んだのではないかと、我々は国政調査権に基づいて要望したわけです。当然、国会の審議の役にも立ったと思います。出てくれば出てきたで衝撃もあったでしょう。しかし、今日の事態は幾分防げたかもしれないということも言えると思いますよ。
 官房長、今、警察全体がこれを廃棄しちゃったことについて反省していますか、まずかったなという気持ちはありますか。
#139
○石川政府参考人 この文書は、神奈川県警察において作成をして、そして効力を失った文書であり、一部誤解を招く不適切な表現があったということであります。そして、内容的に見ますと、不祥事案が発生した場合の適切な処理とかいうことを基本に書いてあることも事実でございます。
 ただ、こうしたものが資料として今後何らかの役に立つのではないかといったような点からの御質問だと思いますけれども、そうした点については、既に分析と申しますかこれをやっておりますので、そうした内容の点について、こういうものは不適切である、こういったものはきちっとやるべきだということについての意味合いでは今後の参考になるような経験は私どもこの文書から得ている、こういうことだろうというふうに思っております。
#140
○保坂委員 短く答弁いただきたいのですが、その後、特別監察チームというのが警察にできましたね。その一環で新潟県警の事態があったわけですが、そのチームの方は、このマニュアルを手に入れて検討されたのですか、読まれたのですか。
#141
○石川政府参考人 新潟に特別監察に赴いたのは関東管区警察局のチームであります。
#142
○保坂委員 いや、そうではなくて、警察全体として特別監察チームをつくったでしょう。そのチームとしてこのマニュアルを見たのですか。
#143
○石川政府参考人 警察庁と管区警察局と分担をして全国の都道府県警察に特別監察を行っておりますが、その警察庁から参ります特別監察のチーム、この中の監察の担当者は、警察庁が入手した時点でこれを読んでいるというふうに承知をいたしております。
#144
○保坂委員 私が聞いたのは、特別監察チームという形で全国の警察に活を入れるんだ、そういうチームの方はこれはぜひ見るべきだったと思います。
 それでは、地行の委員長からはっきりと衆議院の調査局長に十二月十五日に議員五十名による予備的調査権の要求があった、これは当然国家公安委員会に上げているでしょうね、この議題は。重大な国会の場における資料要求ですよ、警察が揺れる中で。いかがですか。
#145
○石川政府参考人 国家公安委員会の議題としたということはちょっと承知をしておりませんが、国家公安委員長には報告をしたというふうに記憶いたしております。
#146
○保坂委員 議題としなかったとなれば、なお重大なんですね。
 国家公安委員会は今定期的に開かれていますね。つまり、この全部捨てましたという報告が我々のもとに返ってきて以降もたびたび国会でやっています。その間もずっと国家公安委員会では議論なしですか。あるいは、そのマニュアルの現物も国家公安委員にお見せにならなかったのですか。警察を監督する組織でしょう。
#147
○石川政府参考人 資料を国家公安委員会の皆さんに回覧したといったようなことはなかったと思います。
 それから、国家公安委員会において議題とするかとか議題としないか、あるいはどういう報告を行っているかということでございますけれども、その問題について個別に議題として取り上げたことはなかったということを申し上げたわけであります。
#148
○保坂委員 今の答弁を聞いていると、法務大臣もお疲れだと思うのですけれども、例えば、広尾などの病院で医療過誤事件がありますよ。その医療過誤事件があるとき、それを捜査するとき、まず押さえなきゃいけないのは何ですか。カルテでしょう。報道されたから、そのカルテはもう期限が失効していました、それで焼却しました、こういう話が通用しないでしょう。証拠隠滅事件の中で揺れているときに、いろいろな誤解や一部適切じゃない表現があったとはいえ、こういうものはちゃんと国会に出すのがルールだと思いますよ。
 今度、警察刷新会議が行われますね。その場に、衆議院のこの極めて唖然とするような報告書、あるいは読売新聞の記事、そしてこの間の議事録、こういうものを提供して大いに論じてもらったらどうですか。そういう姿勢は警察庁にありますか。
#149
○石川政府参考人 御指摘の刷新会議でどういう形で警察の組織の刷新等について御議論なさるか、これについては今後の問題だろうと思います。
 いずれにいたしましても、こうした国会での御議論といったようなものについては、必要なものを適時そこへ何らかの形で整理をして報告するということになろうかと存じます。
#150
○保坂委員 では、加えて、国家公安委員の方たち全員にも、この報告書並びに議事録、そして問題の十一月二十四日の読売新聞の記事、こういう問題がこうやって論じられているということをちゃんと事務方として伝えていただきたい。警察庁が事務方ですね。これは強く要望しますが、いかがですか。
#151
○石川政府参考人 事後報告というような形になるわけでありますけれども、考えてみたいというふうに思います。
#152
○保坂委員 保利国家公安委員長も、予算委員会で聞いたときに、「廃棄そのものの事実関係については私も詳細を存じませんが、一般的に言えば、委員御指摘のような、故意のいろいろな隠し立てというようなことはあってはならない」、こういうふうに言っているのですよ。
 この報告書というのは何もない、すっからかんのかんですよ。こういうものをやはり報告して、どうしてそういうことになったのかというメスを入れてもらわなければだめじゃないですか。
 考えてみたいじゃなくて、出すと約束してください。
#153
○石川政府参考人 国家公安委員会で私からお話をしてみたい、このように思います。
#154
○保坂委員 では、時間が迫っていると思いますが、最後の官房長への質問です。
 我々は、いわゆる通信傍受法案、盗聴法とも呼んできましたけれども、その法律で、警察が厳正にやることが条件だと申してまいりました。しかし、八月以降、警察庁で把握されていた不祥事案、これは昨日まで総計何件ぐらいあるでしょうか。できれば、これはもう答弁時間がないと思うので、件数だけ答えていただいて、私たちも記憶できなくなっちゃったのですね、余りにも多くて。ですから、何らかの形でまとめて資料として出していただきたいと思うのですが、いかがですか。
#155
○石川政府参考人 不祥事案というのをどうとらえるかという問題が一つございます。
 それで、月別の集計というのも行っていないというようなこともございますので、懲戒免職の数だけで申し上げますと、昨年の八月以降、懲戒免職を受けた者の数は、昨年中二十一人でございまして、ことしに入ってから十七人、合計三十八人が懲戒免職という重い処分に付されている、こういう状況にございます。
 それから、処分の概要についての資料ということでございますが、ちょっと時間をいただかなければなりませんし、委員会での御指示がございますれば、提出することはやぶさかではございません。
#156
○保坂委員 と言われたので、では、これも理事会で協議していただきたいと思います。
 終わります。
#157
○武部委員長 理事会に諮ります。
 次回は、来る二十四日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十一分散会

ソース: 国立国会図書館
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