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2000/04/04 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 法務委員会 第10号
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2000/04/04 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 法務委員会 第10号

#1
第147回国会 法務委員会 第10号
平成十二年四月四日(火曜日)
    午前九時五十五分開議
 出席委員
   委員長 武部  勤君
   理事 笹川  堯君 理事 杉浦 正健君
   理事 与謝野 馨君 理事 横内 正明君
   理事 北村 哲男君 理事 日野 市朗君
   理事 倉田 栄喜君 理事 西村 眞悟君
      太田 誠一君    奥野 誠亮君
      金田 英行君    熊谷 市雄君
      古賀  誠君    左藤  恵君
      菅  義偉君    藤井 孝男君
      宮島 大典君    保岡 興治君
      山本 公一君    山本 有二君
      渡辺 喜美君    坂上 富男君
      前原 誠司君    漆原 良夫君
      安倍 基雄君    木島日出夫君
      保坂 展人君
    …………………………………
   法務大臣         臼井日出男君
   法務政務次官       山本 有二君
   最高裁判所事務総局民事局
   長
   兼最高裁判所事務総局行政
   局長           千葉 勝美君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    細川  清君
   政府参考人
   (建設大臣官房審議官)  三沢  真君
   法務委員会専門員     井上 隆久君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月四日
 辞任         補欠選任
  加藤 紘一君     宮島 大典君
  園田 博之君     山本 公一君
  枝野 幸男君     前原 誠司君
同日
 辞任         補欠選任
  宮島 大典君     加藤 紘一君
  山本 公一君     園田 博之君
  前原 誠司君     枝野 幸男君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 商業登記法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三三号)(参議院送付)

    午前九時五十五分開議
     ――――◇―――――
#2
○武部委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、商業登記法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。臼井法務大臣。
    ―――――――――――――
 商業登記法等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#3
○臼井国務大臣 商業登記法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、最近における高度情報化社会の進展にかんがみ、電子計算機により処理された情報を電気通信回線により伝達して行ういわゆる電子取引等を確実かつ円滑に行うことができるようにするため、登記官においてこれらの情報の作成者を確認する方法の証明を行う電子認証制度並びに公証人において電子計算機等を用いて電磁的記録の認証及び確定日付の付与の事務を行う電子公証制度を創設するとの目的から、商業登記法、公証人法及び民法施行法の一部を改正しようとするものでありまして、その要点は、次のとおりであります。
 第一に、商業登記法の改正につきましては、登記所に印鑑を提出した法人代表者等について、その者が電磁的記録の作成者を示す措置を講じたことを確認するために必要な事項等を登記官が証明する制度を創設することとしております。
 また、法務大臣の指定する登記所間においては、印鑑を提出した登記所以外の登記所に対しても、印鑑証明書の交付を請求することができることとしております。
 第二に、公証人法の改正につきましては、公証人が電磁的記録について認証を行うとともに、認証を受けた電磁的記録を保存し、その内容に関する証明等を行う制度を創設することとしております。
 第三に、民法施行法の改正につきましては、公証人が電磁的記録について確定日付の付与を行うとともに、確定日付を付与した電磁的記録を保存し、その内容に関する証明等を行う制度を創設することとしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
#4
○武部委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#5
○武部委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として法務省民事局長細川清君、建設大臣官房審議官三沢真君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#7
○武部委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所千葉民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#9
○武部委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂上富男君。
#10
○坂上委員 坂上でございます。
 まず初めに、不動産登記関係についてお聞きをいたしたいと思います。
 先般、民事局長が御答弁なさいましたもとになっております報告書の写しをいただきまして、拝見いたしました。私は、この報告書は、甚だしい詭弁があり、事実誤認があるということを指摘し、反省を求めたいと思っております。
 まず一つは、最高裁判所にお出かけをいただいておりますので早速聞きますが、代議士秘書が口ききした菱和ハウスから代議士に献金三十六万円、パーティー券三十万円が支出されている、それが政治資金報告書に書かれておる、こういうようなことで、この菱和ハウスとこの代議士はこのように政治献金を受けるような相当親密な関係にあるというようなことがここに報道されておるわけでございます。事実だろうと思うのでございます。
 そして、この献金とパーティー券の代金分を、問題が起きましたものですから、これを返還しようということで破産管財人に返済を申し出たそうでございますが、破産管財人もこの処置に困りまして、今ごろ返すと言われても、受け取っていいのか悪いのか検討する必要がある、こう言っておるわけでございます。
 正当にいただいて、何ら違法性がないものを受け取ったならば、返還するということもおかしなことなのでございますが、やはり何かあるんだかどうかということもわかりませんけれども、裁判所の立場といたしましては、こういう場合の処置はどういうふうに対応されているのか、まず最高裁にお聞きをしたい、こう思っています。
#11
○千葉最高裁判所長官代理者 係属中の個別事件のことでございますのでコメントは差し控えさせていただきたいと思いますし、また、全国的に同種の事例も承知しているわけではございません。
 ただ、一般論として申し上げますと、金銭の返済を受ける、この返済の趣旨とか、それから事案の内容などによりまして、この返済金が破産財団を構成するものというふうに解することができるのであれば、これは破産債権者に対する弁済原資になるということになるわけでございます。
#12
○坂上委員 もう答弁は要りませんが、違法の金が出ておったのなら、当然返還請求権があるから、これは破産財団を構成するんだろうと思うのです。その辺がポイントなんだという御答弁のようでございますが、ひとつ、これからの的確な処置を期待したい、こう思っております。
 その次に、今度は建設省でございます。これは住宅金融公庫に関連する質問でございます。
 民事局長の報告書によりますと、仮差し押さえの登記が不動産についておると、抹消してもこれがついておると、どうも融資の上で大変不利益を受ける、こういうことだから、法務省法務局に相談をして何とかこれを抹消する工夫をした、こういう事案でございますが、建設省の住宅金融公庫とされましては、登記は仮差し押さえを受けた、しかしこれは正当な弁済によって抹消された、あるいは和解が成立してもう仮差しの必要がないというような場合、取り下げによって抹消される場合があるわけでございますが、そういうふうな記載がありますと、やはり融資を受けるのに差し支えがあるのでございますか。こういうものはいっぱいあるわけでございますが、どんなような対応をしているんですか。
 私はそんなことはないと思っています。そういうことはないと思っておりますので、今後のことにもかかわる、ほかのことにもかかわるものだから質問をするんですが、どうも法務省の法務局の方に、事実と違うことを、そういうふうなことを言って申し立てて、法務省の法務局の方から協力をさせたのじゃなかろうか、こういう疑いを持っておるがゆえに、建設省に融資に対する態度としての基準をひとつお聞きする、こういうわけでございます。
#13
○三沢政府参考人 登記簿の記載事項に仮差し押さえの抹消の記載がある場合に公庫融資を受けることができないのかというお尋ねでございます。
 これにつきましては、公庫と住宅を買われる方との間で、いわゆる融資契約、公庫の方では金銭消費貸借抵当権設定契約と呼んでおりますが、その契約を締結するときまでに抹消登記がなされれば公庫融資はできるということでございます。
#14
○坂上委員 それは当たり前だね。仮差しになっておって、そしてその仮差し押さえが抹消された。抹消されておる事実をとらえて不利益な取り扱いを受けるようでは、これは困ることでございます。まずその前段で結構でございます。
 最高裁と建設省、結構でございます。ありがとうございました。
 さて、そこで、今度は局長にお聞きをいたしますが、局長のこの報告書によりますと、登記官が誤って仮差し押さえ登記をしたような場合はないわけではない、登記を抹消しても不動産の所有者に多大な迷惑をかけるので、七十六条を類推適用して移記をする場合がある、こういうような報告書のようでございます。
 まず一つ聞きたいのは、本件の場合、誤って仮差し押さえ登記がなされた場合ではない、こう私は思っているんですが、いかがですか。そこで、このいわゆる新登記簿を作成するに当たりまして、東京と野田の出張所との間だけの相談なのか、これについては千葉本局ともだれかがかかわっていたのか、これも一つまず御答弁をいただきたいと思います。
#15
○細川政府参考人 まず第一点目の御質問でございますが、菱和不動産からの説明は、仮差し押さえの登記については、整理回収銀行との間で話がついており、これは本来登記されるべきものではなかったが、整理回収銀行の担当者の手違いで登記されたものであるなどの事情があるので、過去の経緯自体がわからなくなるように職権で登記簿から削除することはできないかというものでありました。
 それで、その点につきましては、野田出張所の登記官は、先ほどの菱和ハウスの説明について、整理回収銀行の担当者に電話で確認しておりますが、一年前のことであり、電話をした整理回収銀行の担当者の氏名等は確認することができませんでした。したがいまして、そのところは最終的には事実が確定できないということになりますが、私どもとしては、担当者が確認したということは信用できるというふうに考えております。
 それから、野田出張所が千葉の本局に相談したかどうかということでございますが、これについては後で千葉の法務局の首席登記官に相談しているというふうに聞いております。
#16
○坂上委員 そうしますと、東京法務局、千葉の法務局の担当者、そして野田の出張所、関係者三人が中心的にこういうことになったわけです。
 そこで、今、私は申請書を持ってきました。裁判所の出した仮差し押さえが間違っていたと。登記嘱託書を見ると、裁判所は的確に仮差し押さえ命令を発付いたしまして、決定正本を出して、そして登記嘱託をしているわけであります。
 しかも、この物件に対しましては、私の方は、いわゆる整理回収銀行から、きのう照会をいたしましたら、間違いなく債務があって、この物件について仮差しをしたことは間違いありません、こういう答弁を文書でもっていただいております。一月二十日、仮差し押さえ申し立て、そして決定、登記、そして和解の申し立てが二十七日にあって、二十八日に公正証書をつくって、そして二十九日に仮差し押さえを取り下げをしたのだ、しかしながら、売却済みの九戸があったものだから保存登記抹消にさせてもらいたいのだ、したがって承諾書をいただきたい、こういう経過があったのだそうでございます。
 そこで、今局長の御答弁を聞きますと、いわゆるこの菱和関係、あるいは秘書の方から、間違って仮差し押さえを受けたので、仮に間違っておって抹消したとしても、これはもうとんでもない迷惑な話だから何とかしてくれ、こういうことだそうでございます。
 こんなでたらめありません。そうだとするならば、公正証書原本不実記載じゃないですか。これはとんでもないことだ。はっきり戸籍と書いてあります、はっきり登記簿と書いてあります、原本不実記載罪というのについては。これは、私は法務省から取り寄せていただいたのだ。決定正本に基づいてきちっと登記してあるんだ。何にも間違いがない。裁判所の命令と、単なる代議士の秘書の言葉、菱和ハウスの言葉を、法務省は何でそんなに信憑力を持ってうのみにしたのですか。これがわかりません。もう一遍答えてください。
#17
○細川政府参考人 菱和ハウスの担当者が法務局の担当者に申しましたのは、整理回収銀行とは話がついていたのだけれども、整理回収銀行の手違いで仮差し押さえが申請され、そのまま嘱託されたということでありまして、裁判所からの申請が誤っているということは全くございません。
#18
○坂上委員 どうも局長らしからざる答弁だと私は思っていますが、裁判所の決定は間違っていない、そして、話がついたので、抹消すべきものを抹消しないで載ったものだから仕方がない、抹消しただけのことなんだ、こういう答弁のようですね。
 しかし、間違ってなんて裁判所は決定を出さぬだろうし、間違って法務局が受理することはないんじゃないですか。それを、まあ失礼な話ですが、問題のあるような人が何とかしてくれと言ってきて、法務省は簡単に受けたということに非常に問題がある。これはやはり国会議員の圧力だったんじゃなかろうかと私は今の答弁を聞きながら思っております。これ自体、大変な問題じゃないでしょうか。
 局長、そういうふうな間違っていたなどというようなことを軽々に素人が言って、受けられるのでございますか。答弁してください。
#19
○細川政府参考人 菱和ハウスの担当者が当時言ったことは、要するに、本来は仮差し押さえの申請をしないでということで話がついていたはずなのに申請がされてしまった、それで、その申請自体は正しいわけですからそのまま嘱託されたということだ、そう言っているわけで、裁判所や法務局が間違ったと言っているわけではないのでございます。
#20
○坂上委員 これをひとつごらんになってください。菱和ハウスのいわゆる経過説明書。きのう、銀行の方から私のところに持ってきたのですよ。
 これを見たらはっきりと、間違いではないんだと。和解の申し出が二十七日なんだ、それで和解が成立したのが二十八日なんだ、そこで二十九日に仮差し押さえの取り下げをしたんだと。しかしながら、この取り下げだけだと信用に影響するものだから、もとの保存登記を抹消してくれ、利害関係人だから抹消の同意書をいただきたい、こういうことで、二月三日にいわゆる同意書というものを日付の欄を白紙にして渡したというのですよ。それを二十八日の日付を入れて二月三日以降に法務省に出した、こういうことなんですよ。
 これもまた見てみますと、承諾書はこういうふうに書いてありますよ。私は持ってきた。二十八日という字は入れてあるんです。それで、この承諾書をもとにして菱和の保存登記を抹消し、同意があるから利害関係人も影響なしということにしてこれも抹消して、そして新しい所有者に移したわけであります。
 これがいいか悪いかは別として、こういう登記は結構行われていることも私は知っております。知っておりますから、そうだとするならば、代議士秘書が言っていたように、話がついていたんだ、載せるべきものでないのが載ったんだなどというようなことは全くでたらめです。これは整理回収銀行の私への回答書です。これを見てもはっきりと、二月三日にしか承諾書を渡していないんです。それまでずっと登記手続が行われているのです。どうぞ、ごらんになりますか。とんでもないことです。指摘だけしておきます。
 さてそこで、もう結論が出たようなものでありますから申し上げませんが、登記法の七十六条第四項というのは一体何と書いてあるかといいますと、書くことがいっぱいあって大変不便になったというような場合に新しい登記簿を編成するということになっておるわけでございます。
 そこで、これを見てくださいよ。いいですか。この問題のは余白が一ページあるのです。一と三分の一分の余白があるのです。こういう余白のある場合は全部埋まってから新しいものをつくらなければならぬというのが七十六条の解釈じゃないですか。それをこんなに余白を残して、いわゆる類推解釈だとか特別事情があると。特別事情なんか何にもないじゃないですか、今の話を聞いてみても。本当にとんでもない。七十六条の類推解釈、特別事情、どういう特別事情がありますか。今言ったようなことが特別事情ですか。そうだとするならばこれは法務省の責任だ。それはもう本当にでたらめですよ。
 でありますから、局長さんの方からもう一遍これは調査すべきです。そんな特別事情などありやしないんだから。こんなようなことが、我々がだれでも頼みに行ったらみんなそういうふうにしてくれるのだったら、新しい登記簿を編成してくれれば、それはそれで非常に結構ですよ。代議士の秘書が言ったからこれは許したのでしょう。しかも、東京法務局だ、千葉本局だ、それから野田の出張所だ。この三人。どうも証人喚問しないといかぬね、本当に。私はこんなことまでしたくなかったのですが。
 私が言ったようなことが事実なんです。これはもう私は確信を持って申し上げる。したがって、これはもうちょっと局長の方から再調査をぜひ要求したいと思いますが、どうですか。
#21
○細川政府参考人 本件は不動産登記法七十六条四項の典型的な事例に当たらないことは、坂上先生御指摘のとおりでございます。
 それで、今回の事件を契機としまして私どもが急いで聞き取り調査した結果を申しますと、現時点でこれが類推適用された事例が幾つかあるわけでございます。
 例えば、他人の不動産に誤って仮差し押さえの登記や破産の登記をしたため誤記を理由としてその登記を抹消したが、所有者等から信用問題であるとして苦情の申し出があった場合。登記の抹消請求訴訟の提起があり、裁判所の嘱託により予告登記がされたが、原告の敗訴判決が確定して予告登記が抹消されたものの、所有者等から信用問題であるとして苦情の申し出があった場合。あるいは、破産手続等における否認の登記がされたが、破産取り消し等により否認の登記が抹消されたものの、所有者等から信用問題であるとして苦情の申し出があった場合。あるいは、第三者によって偽造印鑑証明書等を使用して所有権移転登記等の登記がされたものについて、無効の判決がされた登記が抹消されたものの、所有者等から信用問題であるとして苦情の申し出があった場合。さらには、登記簿を部外者により改ざんされたものについて正当な是正措置がされたものの、所有者等から信用問題であるとして苦情の申し出があったというような場合でございます。
 したがいまして、この七十六条が、この文理以外の場合にどのように類推適用されていたかというものは、これは現場の判断に任されておりましたので明らかでないところがありますので、この点についてはもう少し事実を明らかにしまして、きちんとした対応ができるようにいたしたいと思っているわけでございます。
 それからさらに、この具体的な問題につきましては、先ほど来申し上げておるところでございますが、要するに菱和ハウスから、差し押さえの嘱託自体は適法にされているけれども、差し押さえの前の段階で話し合いがついているからそういうことはされるべきものではなかったのだという申し出がありまして、当時の野田出張所の登記官は、菱和ハウスの担当者から整理回収銀行の担当者の名前と電話番号を聞いてその確認を行ったところ、整理回収銀行の担当者から菱和ハウスの説明と同趣旨の回答があった、そういうことで、それを信用して行ったわけです。
 その点について、今は、一年前のことですから担当者がわかりませんので最終的に判断はできませんが、その点の事実の確認が足りなかったのではないかということであれば、それはそういう御指摘を受けてもやむを得ないものだと思っております。しかし、こういった現下の事情のもとでは、登記の処理を急がせていたという事情のもとでは、一概に担当の登記官を責めることは酷ではないかなというのが私どもの正直な実感でございます。
#22
○坂上委員 現場の登記官のことを私は言っているんじゃないのですよ。東京法務局から、千葉の本局から、それに言われて野田の担当官がこういうことをせざるを得なかったのですよ。言わなければ、これは最初は拒否したんだもの。とんでもございませんよ、こう言ったのだ。ちゃんとあなたの報告書に書いてあるのだ。それを何だかんだと言って、国会議員といえども私人じゃないですか。いいですか。ちゃんとはっきりここに書いてある。野田はこれを拒否した、できない旨断った、こう言っているのですよ。できないのを断ったにもかかわらず、何でもう一遍やり直したのですか。
 しかも、あなたの報告書によると、二十九日ごろまた野田出張所を訪れて、東京法務局の担当官の説明内容を伝えたものだから、その趣旨を確認して、同意書が直ちに提出された――同意書を提出したのは二月三日だというのですよ。間違いない。これを見てごらんなさい。二月三日だ。ここに書いてある。この報告書、間違いだというのは、私はこのことを言うのです。
 直ちに提出されたというのは、二十九日に提出されたというのでしょう。二十九日なんて提出していないのですよ。渡したのは二月三日だというのですよ。したがって、こんな類推適用で特別事情があるなんて、これはとんでもないことです。民事局長らしからない報告書であり、答弁だと私は聞いております。これはもう一遍やり直ししてもらわなければいかぬと思っておりますが、いかがですか。私は大声でやぼを言っていると思われますか。
 私は、まさに全部資料を調べて、そして法務省の方も完全に私に協力をいただきまして、同意書から申請書から登記簿謄本から全部いただいた上で、私もいわゆる法律家の端くれといたしまして調査をした結果、こんなものは特別事情に当たらない。しかも、一私人の申し立てを承認して、担当官が拒否し、そして東京法務局、千葉の本局から言われてやむなく、仕方がなく野田の担当官がやった行為なんであって、これはもうとんでもない。
 私は、一番この責任のあるのは、東京の法務局と千葉の本局の担当者の、どういう話をしたかというその話の内容をひとつ明示をしていただかなければ、これはできないと思っております。明らかに人をなめた答弁としか言いようがないと私は思っている。
 こんなの類推適用されるような条文でありません、事態でもありません。二月三日にしか同意書が渡っていないのだ。それが何でそんなに早々と登記ができたか、これも私はわかりません。もう一遍調査をしていただきたい、こう思っております。
 大臣、小渕総理が大変な事態で、回復はお祈りはいたしておりますが、説によりますと、あるいは総辞職という事態があるそうでございます。しかしまた、そのまま留任というようなお話も聞いておりまして、せっかく御指導いただいておる大臣とお別れするのはいささか、そういうことはないだろうとは思いますが、あるいはまかり間違えますときょうの質問で最後になったらちょっと残念でございますので、ぜひ、今言ったように、この間から言っているように、人は戸籍、物は登記ということを私たちは長い間信頼してきたのです。この信頼が揺らぐような状況で、果たしてこれでいいのだろうかということを私は実は思うわけであります。
 そこで、大臣の答弁の前に、いかがでございましょうか、局長。これだけ白紙があるのに、間違っていたから白紙は承知の上で新しい登記簿を編さんしたんだ、こういうふうになるのか、あるいは、この問題はやはりきちっとすべきなんだというふうな御理解に立たれるのか。やはり特別事情を採択して白紙のまま新しいものをつくった、こういう答弁になるんでしょうか。私は、登記簿謄本をとってびっくりしたわけです。私は、下段の部分、三分の一部分だけが余白かと思ったら、とってみたらそうでないのですね。全部なんですね。一ページ三分の一が余白なのでございます。
 まず、この点の違法性はどうですか、特別事情は別として。
#23
○細川政府参考人 不動産登記制度のもとにおきましては、種々の場合に移記する場合がございます。例えば、登記用紙が大変古くなった、あるいは事後的に損耗している、あるいはもともと用紙が粗悪だったという場合には新しい登記用紙に移記しますが、その場合には、余白の有無にかかわらず新しい用紙に移記して、現に効力を有することだけを移記するという扱いになっております。したがいまして、不動産登記法上は、余白があるかどうかにかかわらず、移記すべきときは移記するということになるわけでございます。
 それから、先ほどの御質問でございますが、ちょっとつけ加えさせていただきたいのは、当初野田の出張所の相談内容は、仮差し押さえ登記の記載そのものを最初からなかったかのように処理してほしいというものなので、それはできませんと野田の出張所が断ったわけです。これに対して、東京法務局では、一般的な相談で、答えとしては、あくまで一般論として考え得る処理の方法として、七十六条の類推適用の余地がある旨を説明したということでございます。
 それで、先ほど申しましたように、その点については野田の出張所でさらに検討しまして、整理回収銀行に問い合わせまでをしたわけですが、最終的には、先ほど申しましたように、その点の事実関係の確認が十分にできていなかったということについて御指摘であれば、これはおしかりは甘んじて受けなければならないのではないかと思っておりますけれども、当該の事情のもとにおいて、担当の人たち、関係した人たちを責めるのは、私としては忍びないというふうに考えているところでございます。
#24
○坂上委員 担当者はちっとも責めていないんですよ。上の連中に問題があったんじゃないか、私はこう言っているのです。これは回収銀行からきのう二度にわたっていただいた文書なんですよ。これを見ても、二月三日にしか渡していないのですよ。特別事情があるはずないじゃないですか、これだけでも。
 大臣、今言ったような問題点があるのでございますが、最高の責任者としてどのようなお考えでございますか。もっと綿密な調査をして報告させていただきたい。本日、私は参考人申請しません、証人申請しませんので、もう少し報告をきちっとしていただきまして、私の持ってきたものはすべてのきちっとした資料でございまして、これで裁判やったら私は必ず勝つと思っております、国会だから四の五のになっていますけれども、大臣としてはきちっと御答弁いただいて、この次の質問にひとつ備えさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#25
○臼井国務大臣 いろいろと委員の御質疑を聞かせていただいた次第でございます。また、あらかじめ局長の方から本件についての具体的な説明の文書がお手元に行っているということも、ただいま御質問の中でお話をしていただきました。
 また、事前に私ども伺っている際に、従来から私が聞いておりましたこと以外に、かなり詳しい点についてもさらに調査をした旨報告を受けておりまして、その点につきましては、きょうは、委員の方から御質問がございませんでしたので省略をさせていただいている部分もかなりあるようにも思います。
 また、今委員御指摘をいただきましたように、整理回収銀行の方から三日の日に同意書を出したものをどうして早い時期になったのかという御指摘もございました。これは大変重要な御指摘であろうかと思いますし、またしかし、なぜ日付が空欄のものを、書きかえられるような状態のものを整理回収銀行で出したのかという点も、また真意を確かめてみるようなことも必要であろうかと思っておりまして、なお御質疑の点の中で御理解をいただけない点につきましては、今後ともさらに検討をしていく必要があろうかと思っております。
 なお、先ほど来御質疑をいただいております本件の不動産登記法第七十六条の規定の類推適用につきましては、現在、私どもに具体的な運用基準というものはございません。登記官の個々の判断によっている点に問題があったようにも考えますので、この点につきましては、全国統一的な運用が確保されるように今後検討をする必要がある、このように考えている次第でございます。
#26
○坂上委員 ぜひ、御調査の上にきちっとした御答弁をいただきたいと思います。
 きょうは商業登記法に関する質問でございます。四項目に分けてお聞きをいたします。
 まず一つは、全く私よくわかりませんが、公開かぎ暗号方式だそうでございます。そこで、公開かぎというのはどういうものか、秘密かぎというのはどういうものか、ちょっと私わかりかねているんですが、御説明をいただきたいと思います。
 それから、登記法十二条の二第一項の規定による公開かぎの証明はどのような方法によって行われるのか。
 それから、第一項ただし書きによって、代表権に制限があるものについては法務省令で定めるところにより電子証明書を発行しないこととした、こういうことでありますが、その理由をお聞きしたいと思います。代表権に制限がある場合については、その旨を明示した電子証明書を発行することとしなかったのはなぜなんだろうか。
 まず、この三点について御答弁いただきたいと思います。
#27
○細川政府参考人 公開かぎと秘密かぎでございますが、これはいわゆる公開かぎ暗号方式という電子署名のやり方でございます。
 これは、電子的な情報をコンピューターにより暗号処理する方法であり、通信文を暗号文に変換する際に用いるかぎ、すなわち一定の数値でございますが、これと暗号文を通信文に復元、解読するために必要なかぎとが異なるというものでございます。この二つのかぎは、一方のかぎがわかっても、それから他方のかぎを割り出すことはできないという性質があるため、一方のかぎは公開しておくことができます。この公開することができるかぎを公開かぎ、他方の他人に知られないように管理するべきかぎを秘密かぎと呼んでいるわけでございます。
 それで、この署名する場合の具体的な手順でございますが、あらかじめ専用ソフトで自分専用のかぎの組み合わせを用意します。一方のかぎは秘密かぎといたしまして他人が知らないように厳重に管理し、他方のかぎは公開かぎとして商業登記所に届けておく。自己の公開かぎについて認証機関から電子証明書をもらいます。これは、登記官が作成した電子証明書、公開かぎがその中に入っている証明書でございます。そして、例えば契約書等の通信文を作成して、これを自己の秘密かぎによって暗号化する。そして、通信文、暗号文、電子証明書を相手方に送る。相手方は、必要に応じて、送られてきた電子証明書が間違いないものかどうかをインターネットを介して登記所に確認をし、その上で、送信されてきた暗号文を電子証明書中に格納されている公開かぎによって復元して、それが本来の通信文と一致するかどうかということを確認するわけでございます。これが一致すれば、暗号文について、送信者しか知らない秘密かぎによって暗号化したものであることが確認できますので、これによって、通信文は送信者が作成したものであり、内容も改ざんされていないということがわかるということでございます。
 それで、公開かぎの証明はどのような方法で行うかということですが、これは、まず、公開かぎの証明を受けようとする印鑑提出者が自己の電子署名に用いる秘密かぎと公開かぎとを準備して、登記所に公開かぎを届けて証明の請求をする。請求を受けた登記官は、既に届けられている印鑑と照合した上で、公開かぎが印鑑提出者のものであることを証明する電子証明書を発行することになります。この電子証明書は、印鑑提出者の公開かぎのほか、会社の商号、本店所在地、代表者の資格、氏名等の登記事項を証明するものでございます。
 それから、三番目の御質問で、代表権に制限があるものについて法務省令で定めるところにより電子証明書を発行しないことにしている理由はなぜかということでございますが、法人の代表者の制限その他の事項でこの制度の証明に適しないものは、法務省令で定めるものがあるときは電子証明書を発行しないこととしております。
 その理由は、代表者の代表権の制限がある場合には、これは共同代表の定めがある場合が典型なんですが、こういう場合には、電子証明に関する国際標準規格、これは国際電気通信連合、ITUが決めているものでございまして、この標準規格はX.五〇九と呼ばれておりますが、この国際標準規格と、これを前提としてつくられたソフトウエアが対応していないわけでございまして、登記官発行の電子証明書独自の規格を設けると、一般的に用いられているソフトウエアと異なりますので、かえって利用者の混乱を招くおそれがある。そこで、本制度による証明に適さない場合として電子証明書を発行しないものといたしたわけでございます。
#28
○坂上委員 次に、十二条の二の一項二号において電子証明書の有効期間は印鑑提出者が定めることとした理由はどういうわけでしょうか。
 それから、同じく、公開かぎは印鑑提出者が生成して登記所に提出することを予定しておりますが、公開かぎと秘密かぎとの組み合わせはどのようにして生成するのか、お聞かせください。
 それから、第三項の規定により電子証明書に表示される登記事項はどのようなものがあるのか、御答弁ください。
#29
○細川政府参考人 まず、有効期間の点でございますが、電子証明書の発行を受けた印鑑提出者は、電子証明書の有効期間中、秘密かぎを安全に保管し、秘密かぎを用い、会社を代表して電子署名することが期待されることとなります。そこで、電子証明書の有効期間は、会社が電子取引をしようとする期間、会社の代表者の任期等の事情を踏まえて定める必要があります。そのような判断は会社の代表者御自身がするのが適当でございます。そこで、電子証明書の有効期間は、会社の代表者その他の印鑑提出者が定めることといたしたわけでございます。
 それで、有効期間は、現在のところ、期間の下限は三カ月、上限は二年三カ月として、その三カ月の整数倍の期間を定めなきゃならないというものといたしております。二年三カ月といたしましたのは、会社の取締役の任期が二年でございますので、余裕を持って二年三カ月までといたしたいと思っているところでございます。
 次に、公開かぎと秘密かぎの生成の方法でございます。
 秘密かぎを生成しようとする方は、かぎを生成するための専用ソフトウエアを買ってきまして自己のパソコンにインストールして、簡単な操作をすることによって秘密かぎを公開かぎとともに容易に作成することができます。それで、この専用ソフトは運用開始までに市販される予定でございます。
 さらに、電子証明書に記載される登記事項についてお尋ねでございますが、会社の代表者の電子証明書におきましては、会社の商号、本店の所在地、代表者の資格、氏名を証明する予定でございます。そのほかの法人の電子証明書におきましては、法人の名称、主たる事務所の所在地、代表者の資格、氏名を証明することといたしております。
#30
○坂上委員 次に、電子証明書は日本語で表示されるのかどうか。その際、文字の種類や長さ、文字数でございますが、それに制限があるのかどうか。電子証明書の発行の請求はどのような手続によるのか。それから、電子証明書の発行の請求について、本人確認はどのような方法で行うのか、代理人による請求については代理権の確認はどのような方法で行うのか。御答弁ください。
#31
○細川政府参考人 まず、電子証明書は日本語で表示されるかどうかという問題でございますが、電子証明書におきましては、商号、本店、代表者の氏名、資格等先ほど申し上げた事項は、日本語で表記する予定でございます。また、利用者が希望する場合には、英字による会社名、代表者氏名を表示することを検討しているところでございます。
 文字の種類や長さについては、電子認証システムを構築する上で一定の制限を設けることが必要となりますが、これらにつきましては、インターネットにおいて一般的に用いることが可能な文字の範囲や実際のニーズも考慮しながら、省令で定めてまいりたいと思っております。
 電子証明書の発行の請求の手続でございますが、電子証明書の発行の請求は、登記所に提出済みの印鑑に係る押印のある申請書、つまり登記所に届けてある実印を押印した申請書及びフロッピーディスクを提出する方法によります。このフロッピーディスクの中には提出する公開かぎも入れていただくわけでございます。請求者または代理人が登記所に出頭することは必ずしも必要ではありません。使者や郵送による請求も可能でございます。
 それから、本人確認はどういう方法で行うのかという御質問でございますが、電子証明書の発行の請求は、インターネットではなくて、申請書、書面によるものに限ることとしています。その際の本人の確認は、申請書に押印された印鑑と会社の代表者等が就任の際に登記所に届けた実印とを照合して行うこととなるわけでございます。
 代理人による請求については、代理権の確認はどのような方法で行うかという点でございますが、任意代理人による請求については、電子証明書の発行申請書には代理権を証する書面、すなわち委任状を添付しなければならないわけでございます。登記官は、この委任状中の会社の代表者の押印がその代表者が就任の際に登記所に届けた実印であることを確認することによって、適法な代理人からの申請であることの確認をするという運びになるわけでございます。
#32
○坂上委員 十二条の二第五項の電子証明書は法務大臣が指定する登記所の登記官のみが行うこととしたという理由について。それから、同じく第七項の規定による電子証明書、公開かぎ失効の届け出の制度を設けた理由。それから、八項の規定による電子証明書の有効性についての証明の制度を設けた理由。それから、八項による証明のほか、例えばある会社の本店、商号、代表者の氏名等の情報からその会社代表者の公開かぎを検索することは可能かどうか。御答弁ください。
#33
○細川政府参考人 御指摘の十二条の二第五項におきまして、電子証明書は法務大臣が指定する登記所の登記官のみが行うこととしております。
 その理由は、電子証明書の発行、有効性に関する証明等の事務は、インターネットを通じて利用者に情報を送受信するものでございます。電子証明書のこういった発行事務は、セキュリティー設備を含む十分な人的、物的設備を備えた特定の登記所において集中的に行うのが効率的であります。また、そのようにしても遠隔地の利用者に負担をかけることもございません。したがって、電子証明書の発行は、法務大臣が指定する登記所のみが行うことといたしたわけでございます。
 次に、十二条の二第七項の規定による電子証明書失効の届け出の制度を設けた理由でございますが、印鑑提出者の秘密かぎは、登記所に提出した会社の実印に相当する非常に重要なものでございます。これが他人に知られたりいたしますと、印鑑提出者の名義の電子証明書が他人によってつくられることにもなりかねません。
 そこで、万が一秘密かぎの情報が他人にコピーされたり、これを保存したICカードが盗まれたりした場合には、秘密かぎの悪用を防ぐために、印鑑提出者の届け出により、一般からの電子証明書の有効性の照会に対して、登記所が公開かぎの失効の届け出があった旨を照会者に回答することといたしまして、これによって最終的には取引の安全を図ろうというものでございます。
 それから、商業登記法第十二条の二第八項の規定による電子証明書の有効性についての証明の制度を設けた理由でございますが、本項は、発行された電子証明書の有効性の照会に関する規定でございまして、代表者の資格、氏名等に変更が生じていないか、公開かぎの失効の届け出がされていないか等に関する証明を行うこととしたものでございます。
 こういう規定を設けていることによりまして、だれでもインターネットを通じてこの照会をすることができますので、法人の取引先等、電子証明書を受け取った方は、最新の正確な情報を速やかに入手することができて、安心して取引をすることができるということでございます。
 なお、公開かぎの失効の手続をする時間的余裕がない場合に備えて、インターネットを通じてパスワードを送信することによって電子証明書の効力を保有することができる制度も設ける予定でございます。
 次に、商業登記法第十二条の二第八項による証明のほか、例えばある会社の本店、商号、代表者の氏名等の情報からその会社の代表者の公開かぎを検索することが可能かという御質問でございますが、そのような検索を可能とする制度は、今回の法改正には盛り込んでおりません。
 その理由でございますが、現在の実務におきましては、認証機関による公開かぎの証明は電子証明書を発行する方法によることといたしておりまして、この電子証明書は電子署名がされた電子文書とともに署名者から相手方に送信されるのが一般的でございます。この方法は、電子署名がされた電子文書の受信者が公開かぎを知るための手段として必要十分なものだと考えておりまして、現在民間で行われているのもこのような方法で行われているわけでございます。
 今回の法律案は、この実務を前提といたしまして電子証明書を発行する方法を導入するものでございますので、会社の登記情報から代表者の公開かぎを検索することのできる制度は現時点では必要ないのではないかという判断に至っているわけでございます。
#34
○坂上委員 ちょっと急ぎます。二、三点だけです。
 電子証明書の発行額です。手数料といいましょうか、これはどれくらいになるのか。私は繰り返し言っているのでございますが、登記簿謄本とかそういうものは、戸籍謄本と同じ率にしてやるべきだということを私は主張しているわけです。
 法務省の答弁は、いわゆるコンピューターの特別会計実現のためにやっているんです、こうおっしゃっているのです。毎年毎年、まあ毎年になるかどうかわかりませんが、これは相当高い金額なんですね。これは本当に戸籍並みにすべきなんだろうと思っておりまして、電子証明書の発行がさらにまた高くなるようなことになると、大変な国民の負担だろうと私は思っておりますから、できるだけ低廉な価格にすべきだと思っておりますが、どのようなお考えをお持ちなんでございますか。
 それから、政府としては公的機関から個人に対して電子証明書を発行する予定があるのかどうなのか、これもお聞きをしておきたいと思います。
 それから大臣にちょっと、最後で結構でございますが、商業登記に基礎を置く電子認証制度の概要というのは大体どんなふうに考えておられるのか。それから、電子政府構想というものがあるわけでございます。何か三十一日、政府は決めたそうでございますが、この構想はどういうふうな構想で、本件電子認証制度とはどういうかかわりを持つのかも御答弁をいただいて質問を終わりたい、こう思っております。
#35
○細川政府参考人 電子証明書の発行手数料についてお尋ねでございます。
 手数料につきましては、商業登記法第十三条第一項の規定に基づいて、物価の状況、電子認証の事務に要する費用その他一切の事情を考慮して政令で定めることとされております。
 具体的には、電子認証の事務に要する総経費及び電子証明書の利用見通しを踏まえて、有効期間に応じて金額を定めることとなります。本件におきましては取引の相手方等の照会は一切無料ということになりますので、そういった部分についてはある程度費用がかかるわけでございますが、なるべく利用しやすい額になりますよう、財政当局とも十分協議いたしたいと思っております。
 次に、個人についての証明書はどうなるかということでございます。
 まず、現在のところ、民間の認証業者がございまして、これは個人の認証を行っているわけでございます。現在、郵政省、通産省、法務省、三省におきまして、この民間の認証業務が適正に行われるように公的な認定制度を設ける等を内容とした法案を今国会に提出するように、最後の準備をしているところでございます。
 また、昨年十二月に決定されましたミレニアムプロジェクトの中では、個人の電子署名の認証といったものも検討課題として挙げられているところでございます。
#36
○山本(有)政務次官 商業登記に基礎を置く電子認証制度の概要についてお答え申し上げます。
 商業登記所が行う電子認証制度は、会社の代表者、その他登記の申請書に押印すべき者等として登記所に印鑑を提出した者につきまして、電子取引等の分野における本人確認の手段として用いるため、その者が電子署名をしたことなどを確認するために必要な情報、すなわちその者の電子署名に係る公開かぎ及び代表者の資格、氏名等を登記官が電子的な方法により証明する制度でございます。
 この制度の概要は、次のとおりでございます。
 まず、この制度を利用しようとする印鑑提出者は、自己の電子署名に用いる秘密かぎと公開かぎとを準備いたしまして、登記所に公開かぎだけを届け出て証明の請求をいたします。
 次に、請求を受けた登記官は、既に届け出られている印鑑と照合して確認した上で、当該公開かぎがその印鑑提出者のものであることを証明する旨の電子文書を発行いたします。この電子文書が電子証明書でございます。
 この電子証明書は、印鑑提出者の取引先などにも送信され、広く印鑑提出者の公開かぎを証明する手段となります。さらに、取引の相手方等は、必要に応じて電子証明書の有効性につきまして登記所に照会することができます。
 登記所は、電子証明書に表示された事項の変更の有無、例えば、会社が解散していないかどうか、会社の代表者が交代していないかどうかなどや公開かぎの失効の届け出の有無等につきまして、最新の登記情報に基づいて回答することになるわけでございます。
 次に、電子認証制度と電子政府構想との関係についてお答え申し上げます。
 ミレニアムプロジェクトの電子政府の実現におきましては、民間から政府、政府から民間への行政手続を、インターネットを利用し、ペーパーレスで行える電子政府の基盤を構築するとされております。このような各種申請の電子化のためには、オンラインによる申請、届け出等を行う法人の存在、代表権限の有無、電子署名の真正等の確認のために信頼性の高い電子証明書が必要となります。
 商業登記に基礎を置く電子認証制度は、法人の登記事務をつかさどる商業登記所が登記情報に基づきまして信頼性の高い電子証明書を発行するものでございまして、電子政府実現のための重要な基盤となるものでございます。
 なお、ミレニアムプロジェクトにおきましても、平成十二年度中に、法務省におきまして商業登記に基礎を置く認証システムの整備を図るということとされているところでございます。
 以上でございます。
#37
○坂上委員 最後でございます。
 衆議院調査局の法務調査室から、今回は非常に参考になる資料をいただきました。
 その一つは「電子証明書の表示例」、ここに電子のあれが出ておりますが、私もよくわかりませんので、若干の説明をお願いしたいと思っております。
 その次に、同じく「電子証明書の表示例(詳細)」、こうあって、ここに暗号なんでしょうか、数字が30B1とかB902とか、こういうのをどういうふうに見たらいいのか。
 それから「有効性確認結果の表示例」、「当該電子証明書は有効です。」「確認結果」、こういうふうなものがあるんですが、これは若干の御説明をいただけますか。
#38
○細川政府参考人 衆議院調査局法務調査室でおつくりになりました資料の十三ページの「電子証明書の表示例」でございます。
 これは、登記官が発行した電子証明書をコンピューターの端末で見るとこういうような図になるということでございまして、シリアル番号というのが登記所の発行の連続番号でございます。発行者というのは、JPというのは日本で、日本国の法務省がこれを発行しているということで、それから有効期間等が書いてあるわけでございます。それで、ここで管轄登記所はどこだ、商号とか、だだっと必要な事項が書いてありまして、アクセス場所はどこだと書いてありまして、ここが照会するところでございます。
 この「詳細」のところをクリックしていただきますと、次の十四ページの「電子証明書の表示例(詳細)」が出てくるわけでございます。
 この表示は、これがまさに公開かぎでございまして、アルゴリズムというのは暗号を解く処理の手順のことをいっているわけです。RSA暗号というのは、RSA方式というものによっているということでございます。
 次に、千二十四ビットとありますのは、この暗号のかぎの長さが全体で千二十四ビットだ、したがって十進法で直しますと三百けたぐらいの数字になるということをいっていまして、その下に書いてあるのが公開かぎとなります暗号の数値列そのものでございます。要するに、これをこのアルゴリズムを通して、この数値列を暗号文に通しますと平文が出てくるということでございます。
 それから、十五ページの「有効性確認結果の表示例」は、「当該電子証明書は有効です。」と書いてありますが、これは、電子証明書を送信された取引の相手方が、インターネットを通じて登記所に電子証明書の有効性の確認をします。そして、確認したとき、それが有効であれば有効である、こういうような表示が出る、こういうわけでございます。
#39
○坂上委員 大変ありがとうございました。ぜひ前段の私の調査要求について的確な調査の上御報告いただきますことをお願いいたしまして、質問を終わります。
#40
○武部委員長 木島日出夫君。
#41
○木島委員 日本共産党の木島日出夫です。
 商業登記法等の一部改正法案についてお聞きしますが、本法案は既に参議院先議で三月二十一日に参議院法務委員会で審議が行われておりますので、それを前提にして幾つかお尋ねしたいと思います。
 本法案は、いわゆる電子取引等を確実かつ円滑に行うために、一つは、電子認証制度の導入、これは商業登記法の改正です、資格証明にかわるものだと思うんです。もう一つは、電子公証制度の創設、これは公証人法、民法施行法の一部改正で、私文書の認証と確定日付の電子認証だと思うんです。
 電子取引という全く新しい概念が持ち込まれてきております。インターネットを通じての取引だと思うんですが、改めて法務省民事局長にお尋ねしますが、この電子取引という概念はどういうものとして定義づけられるのですか。
#42
○細川政府参考人 我が国の民法は、いわゆる諾成主義をとっておりまして、申し込みと承諾によって契約が成立するわけでございます。その場合の通信手段については、さまざまなものがございまして、いわゆる対面の取引、それから電話等でする取引、手紙等でやります隔地者の取引とさまざまございますが、電子取引は要するに取引の当事者の意思の交換をインターネットを通じて電子的に行うというものが一般に電子取引と言われていると考えております。
#43
○木島委員 そこで、現行民法、商法が規定している対面取引、電話取引、手紙取引、こういうものと比較して、この電子取引の法的特徴といいますか、契約成立の合意をどう見るかとか、そういう法的観点から見た特徴はどんなところにあると法務省はお考えですか。
#44
○細川政府参考人 対面取引の場合は、取引の相手方がだれであるかというのが一目瞭然にわかるわけです。それから、文書でやる場合、あるいはファクシミリの場合も含めますが、そういう場合には、文書等の証拠が後で残ります。ところが、インターネットの場合には、それが電子的になされますので、だれが本当に取引の相手方かどうかということが後でわからなくなることがある。それから、文書等を改ざんいたしますと、文書の場合には何らかの痕跡が残りますが、電子的には全くわからないように改変することが可能だということがございます。
 ですから、電子取引については、一般的に言えば、その本人の存在あるいは本人の意思表示に基づいているということ、あるいは後でそれが改ざんされたりしないこと、そういうことを確保する方法が必要なのではなかろうか、そのように考えているところでございます。
#45
○木島委員 私も同一の認識ですね、電子取引は暗号通信技術を用いてお互いに面識のない遠隔地の両者がインターネットを通じて契約を締結するということですから。
 そこで、重要なことは、電子的メッセージの伝達に必要な安全性、信頼性の確保だと思います。これは大体そういう流れになって検討が進められてきたし、今民事局長がおっしゃったとおりだと思うんですが、大体三つのことが重要だ。
 一つは、同一性の確認。大体その当事者が本当に当事者本人であるのかという同一性の確認。
 二つ目は、メッセージの完全性。これは、伝送途中で改ざんされるおそれがあるわけで、ハッカーなんかが入ってきて改ざんされたら大変なことになるわけですから、メッセージの完全性の確認。これは今民事局長がおっしゃったことだと思うんです。
 それと三番目に、世上、秘匿性が大事だと。インターネットでのメッセージはややもすれば第三者に漏れていくということで、その秘匿性が大事だと言われておるようです。
 電子認証制度や電子公証制度はそのための基幹技術をこれによって法制化するものだろうと私は思うんですね。恐らく法務省もこの三つが非常に重要なことだという認識は持たれていると思うんです。
 そこで、最初にお聞きしたいのですが、既に日本では民間の認証機関がこのような認証サービスをやっているわけですね。参議院でも各法務委員から質問をされておりましたが、やっているわけであります。今回の法律によって、この民間が既に行っている認証サービスに、さらに国自身が認証機関として入り込んでいくということですね。並立させることになるわけですね。
 民事局長は参議院の法務委員会でこういう答弁をしているのですね。重要な取引や役所に対する申請は、この法案ができれば、法務省の認証が使われるであろう、そして一般の取引は民間の認証サービスが利用されるのではないか、そういう使い分け、すみ分けが行われるのではないか、そういう答弁をしているわけであります。本当にそうなのかなと思うんです。
 何でこういう民間がやっている認証サービスに国があえて入り込まなければいかぬのかというのは、参議院の議事録を全部何度も読み返してみたのですが、もう一つ民事局長の答弁では得心がいかない面があるので、私はお聞きするのです。
 国際的に見て、日本のように国家による電子認証制度と民間企業による電子認証制度を並立させようとしているところ、あるいは現に並立させてすみ分けているところはあるのでしょうか。国際的な傾向はどうなんでしょうか。アメリカなんかですと、ほとんど民間に任せるという方向じゃないのですか。ヨーロッパなんかでも、基本は民間にやらせて、政府はその民間の自主的な認証業務をきちっと法律で問題がないように規制する、そういう方向で国際的には動いているのではないかと思うんですが、どうなんでしょうか。
#46
○細川政府参考人 昨年末のミレニアムプロジェクトでも、商業登記制度に基づく電子認証制度が電子政府の実現の最も重要な基盤の一つであるというふうに言われているわけです。
 その理由でございますが、商業登記制度に基づいて電子認証を行いますと、そこの電子証明書には、登記事項のうち、商号とか本店の所在地とか代表者の資格、氏名等が最も最新の情報として記載されるわけでございます。これは、代表者が変更いたしますと当然登記を申請する義務がありまして、これを怠ると過料に科されるわけですが、もっと大事なことは、その申請を怠っておりますと、代表者がかわったということは第三者に対抗できないという効力があるわけでございます。したがいまして、その登記事項に基づいた電子証明書というのは最も安全性が高い、信頼性に足るということになるわけでございます。ですから、そういう面では、商業登記制度に基づく電子認証制度が必要だということになります。
 これに対して、民間の方のやる電子認証業務というのは御指摘のように現在もあるのですが、要するに民間の方がやるのは、さまざまなサービスがありますが、基本的には、登録者本人の申し出によってその人の公開かぎを証明するということでございまして、先ほどのように、法人の商号、本店の所在地、代表者の資格有無等を商業登記制度に基づいて証明するものではないのだということでございます。ですから、その面においては、商業登記制度に基づくものの方が信頼性が高いということは言えると思います。
 他方、そういうものが必要ない人は民間の認証機関を使えばよいということになりますし、商業登記に基づく場合には法人の代表者等に限られておりますが、民間の場合は個人の方も当然できますので、そこでそれぞれの利用対象が異なってくるのではないだろうかということを申し上げたわけでございます。
#47
○木島委員 大体、今の答弁は全部参議院で答弁していることなんですが、民間で自主的に現にやっていることよりも、国が責任を持った、国自身が認証機関になるから安全性が高いんだと。確かに、申請が義務づけられる、それを放置しますと罰則の裏づけもある、そして第三者対抗力が付与されている、まさにそのとおりだと思うのですが、であれば、民間でやっている認証業務を法律をきっちりつくってがんじがらめにする、規制する、要するに、申請を義務づけたり、民間でやっている認証に対しても、法律をつくって第三者対抗力を付与させることだって、法律さえつくればできるわけでしょう。そういう道もあるわけですね。ヨーロッパなんかは恐らくそういう方向に行っているんじゃないでしょうか。
 ですから、そういう方向を日本の場合とらずに――民間で自主的にやっているものをきちっと法で規制をして信頼性を高める、安全性を高める、そして法的効力も付与するということは、法律をつくれば可能なんです。そういうことをやらずに、あるいはこれからおやりになるのかもしらぬけれども、わざわざそれと別建てで国の認証機関をどうしてもつくるんだという。なぜか。そこの必要性がもう一つ、私、得心できないのですよ。恐らく欧米では、国自身が認証機関としてはやっていないでしょう。
#48
○細川政府参考人 国、登記所自身が電子認証を実施するという点につきましては、これは従来、登記所が印鑑証明の制度をやっているわけです。この印鑑証明の制度自身は、当初、登記所に申請をした人は、次回以降の申請がその本人のものであることを証明するために印鑑登録をしてもらっているんですが、現実にはそれだけではなくて、民間の方々同士の重要な申請にみんなそれが使われている、あるいは役所にいろいろ申請する場合にそれが使われている、そういう実態がございまして、それが外国と違うところでございます。
 そういう実態がございますので、これは経済界からも、そういう商業登記制度に基づいた電子認証制度を実現してほしいという御要望もございます。そのほか、例えば連合等の労働界からもそういう御要望があります。ですから、そこがちょっと外国とは違います。外国では、確かに、国自体がやっている例は、若干ございますが、そんなに多くないのは御指摘のとおりでございます。
 次に、では民間の業者のことをきちんと対処すべきではないかということですが、これは現在、郵政省、通商産業省、法務省、三省共同で電子署名及び認証業務に関する法律案というものを今国会に提出すべく最後の詰めをしているところでございます。
 その目的でございますが、電子署名に関して、電磁的記録の真正な成立の推定等、特定認証業務に関する認定の制度その他必要な事項を定めることにより、電子署名の円滑な利用の確保による情報の電磁的方式による流通及び情報処理の促進を図り、もって国民生活の向上、国民生活の健全な発展に寄与するということでございますが、具体的には、きちんとした資格要件のある認証業者については、主務大臣がその旨認定をいたしまして、その認定を受けたということをその業者が対外的に表示することができるという制度にして、利用者が安心して選択できるようにしようというものでございます。
 ただ、これでも、認定を受けない業者が認証業務をするということは禁止しておりません。それはなぜかと申しますと、電子取引というのは、いつでもだれでもどこからでもという言葉にあらわされておりますように、世界的なレベルで行われるわけでございます。ですから、外国の認証業者にそれぞれ自分の電子署名を認証しておいて国際的な取引をするということもできるわけで、日本だけで規制しようということがおよそ無理だという判断がございまして、それで特定の民間業者だけに特定の法律効果を与えるというのは難しかろうという結論になったわけでございます。
#49
○木島委員 そうすると、先ほど来の答弁にもあった、郵政、通産、法務三省がこれからつくろうとしている電子署名及び認証業務に関する法律、これは大体いつ出てくるのですか。そして、その施行は本法案改正と同時施行ですか。まずそれだけ聞いておきます。
#50
○細川政府参考人 今のところは、今月十四日の閣議決定という予定で準備を進めているところでございます。施行期日は十三年の四月一日という、本法は公布後一年以内ということになっていますが、ほぼ同じような時期に施行できるというふうに思っております。
#51
○木島委員 そうすると、これから我が国社会では、三つの認証が同時鼎立するということになるのですね。法務局及び公証人がやる電子認証のシステムと、先ほどの電子署名及び認証業務に関する法律が成立したときに、その法律によって認定を受けた業者が行う電子認証システムと、認定を受けられなかった全く自主的な業者がやっている認証業務、そういう三つの類型が鼎立する。そんなばらばらでいいんでしょうか。大丈夫なんでしょうか。
 そうすると、それぞれの認証について法的効果が違うんですか。あるいは、もう一つ、こういう聞き方をしましょうか。これから出てくる電子署名及び認証業務に関する法律は、今審議しているこの法律で法務局と公証人がおやりになる認証業務は対象から除外するというふうに聞いていいんですか。その辺。
#52
○細川政府参考人 先ほど申し上げましたけれども、電子取引というのは世界的規模で行われますので、先ほど挙げられた三つのほかに、さらに外国の認証業者に登録して利用する方も当然ある、それも違う国、たくさんの国のものが用いられる可能性があるというのが実情でございます。
 先ほどの認定をするというのは、新しく現在準備中の法律で認定をするのは、これは民間の業者の方を認定するわけでして、国みずからが行うものを認定するわけではございません。
#53
○木島委員 そうすると、これからこういう形で、今三形態と言いましたが、外国のことも考えればもっといろいろな形態の認証業務がこれから入ってくる、入りまじってくるということですので、では、お聞きします。いろいろな形で認証された、その認証の法的効力というのはやはり大事だと思うので、お聞きしたいと思うのです。
 先ほど民事局長は、日本の民法は諾成主義だとおっしゃいましたね。要するに、契約両当事者が意思が一致すればそれで契約は成立だ、書面も要らなければ印鑑も要らない。ならば、こんな電子認証も基本的には要らないわけであります。契約が有効に成立したということの観点からいうと要らないわけですね。それは立証の問題にすぎない、そういう考えなんですか。
#54
○細川政府参考人 純理論的には諾成主義ですから何か合意があればよろしいわけですが、先ほど申し上げましたように、要するに、後でそういう合意があったかどうかということが例えば紛争になったときに確認することは難しいということは、文書でやる場合とは画然と違うわけですし、成り済まし等、他人の名前で電子取引をすることも可能でありますから、そういうことがないようにするために、電子認証制度を使えば他人の成り済ましを防ぐこともできるし、後で改ざんも防ぐことができる、そういう考え方でございます。
#55
○木島委員 後で成り済ましとか無断使用の問題はお聞きしますが、私は参議院の議事録を読んでみて、本当に面識もない両当事者が、電話のやりとりもしない、手紙のやりとりもしない、そういう両当事者、しかも遠隔地の両当事者、場合によっては日本と海外との商取引もあるでしょう、そういう二人の両当事者が契約を結ぶというときにこれから使われるこの電子認証なんですが、大体、そういうものにまで日本民法の根本原則である諾成主義というものを振りかざしていいのでしょうか。
 私は、諾成主義が成り立っている基本が、こういうインターネットでの契約にはもう根本的な条件が違うのではないかと思えてならないのですよ。ですから、要式主義というのですか何というのですか、一定の型にはまった場合にのみこういう取引が成立だというふうに、考え方の発想を切りかえた方がいいのではなかろうかなと思うのですよ。
 民事局長が参議院で諾成主義だ諾成主義だと強調しているので、では、改めてお聞きします。
 日本民法で、なぜヨーロッパと違って諾成主義が契約成立の基本的な考え方してとられるようになったのですか。それと、このインターネット取引は根本条件が変わっているのではないか。この指摘に対して、民事局長はどう答弁するのですか。
#56
○細川政府参考人 現行法でも一定の法律行為時あるいは意思表示について要式主義を採用しておりまして、特定の形式の文書をつくることを要求している例もあります。例えば遺言の方式として、公正証書によるあるいはその他の文書による、それから任意後見契約による、あるいは定期借地契約等、あるいはそのほかのものについて、あるいは会社の定款等について要式主義を採用しているものがあるわけです。
 それで、電子取引は、これは事柄の性質上、要式主義としますのはなかなか難しいわけでございまして、その場合の要式というのは、文書でするということではそもそも電子取引ということにはなりませんので、そこのところはどう考えたらいいかということでございます。
 先ほど来御指摘のとおり、実際上は、重要な内容の契約については、紛争が生じた際に備えて証拠の保全を図る理由から書面が用いられますが、諾成主義というのは理念的には契約自由の原則を具体化したものだということでございますので、契約締結過程における煩雑さを省略することにより活動の円滑化、迅速化を図るということが目的となっているわけです。
 それで、例えば英米法でございますと、一定の場合に書面が要求されている場合があります。例えばコモンローの原則では、いわゆる約因がない契約については捺印証書が必要であるとか、一定金額以上の取引については契約書が必要だ、これはスタチュート・オブ・フロードとかいうので、そういうものがありますが、そういう国でも電子取引についてはそういう書面を必要としないんだ、そのかわり電子認証制度というものをつくって、後でそれが証拠がなくなったり成り済まし等が行われることを防止しようということであります。
 ですから、諾成主義というものを詰めて申しますと、やはり取引の活性化を図るためには諾成主義は維持しなければなりませんけれども、そのために問題が生じないような手段は整備する必要がある、その最大の手段は、電子認証制度もきっちりしたものにするということではなかろうかというふうに考えているわけでございます。
#57
○木島委員 諾成主義は契約自由の原則が基本なんだということはそのとおりだと思うのですが、いろいろ技術が発達してきて、難しい取引が行われ、またそれが後で紛争の種になるということから、流れとしてはやはり書面主義とかいうふうになっているのじゃないでしょうかね。今、同時並行的に、今国会には消費者保護法が出ていますよね。ああいうものも、企業と消費者との取引についていろいろ問題があるからこそ、一定の要件を企業に課して、その要件から外れたものはその契約は無効だとか契約は取り消すことができるとして消費者を守るわけでしょう。そうであれば、インターネット取引で契約が成立するというこんな技術的な契約こそ、諾成主義なんか振りかざすのではなくて、きちっとした法律で成立要件をつくった方がいいのではないかと私は思いますが、こんなことをやっていますと時間がなくなりますから、次の質問に移ります。
 法案は、電子署名の方式について法定しないで法務省令に委任しております。再三の答弁のように、方式として、当面法務省は公開かぎ暗号方式をとるとのことであります。RSA暗号というのですか。そういう方式について、なぜ法律事項にしないで省令事項にしてしまったのか、その理由をお答えください。
#58
○細川政府参考人 電子署名は、現在実用化されておりますのは公開かぎ暗号方式、中でもRSA方式で、これが現時点ではほぼ唯一の方式でございます。
 ただ、今後の技術の発展次第では新しい方式が実用化されることがあり得るわけでございます。新しい方式による電子署名が実用化された場合には、これをも速やかに対象にすることができるように、法律の規定はできる限り柔軟で、技術中立的なものとすることがよいのではないかということで、方式については法務省令で定めることとしているわけです。
 それで、技術的な中立性については国際的にも潮流でございまして、諸外国の立法例のほか、EUの指令、それからUNCITRAL、国際連合の国際商取引法委員会でございますが、そこのモデル法案等におきましても、公開かぎ暗号方式によらず、より広い範囲の電子署名を対象とすることができるよう、技術的には中立な規定ぶりをするということをしているわけでございます。
 そういった事情で、法律の中には特定の方式を規定しなかったというところでございます。
#59
○木島委員 それでは、これから私、RSA暗号方式を前提にして、この電子認証、デジタル署名による取引の安全性の問題、セキュリティーの問題についてお聞きします。
 一つは、無断使用の問題です。
 要するに、秘密かぎが無断使用された場合の問題なんですね。これは秘密かぎの保管状況から生じる問題だとは思うのですが、こういう設問に対してどう答えますか。
 Aという当事者が秘密かぎを無断でBという者に使用されてしまって、そしてインターネットでAとX間の商取引が行われた場合に、その取引の法的効力はどうなるのですか。
#60
○細川政府参考人 ただいまの設例は、通常の文書による取引に引き直しますと、要するに、実印を盗んでそれを盗用して契約書をつくったということですから、その点につきましては、これは基本的には契約は成立しないということになるわけでございます。
 ただ、そこに表見代理とかその他の特殊の法理が働く余地があればそれが適用されるということでございますが、基本は、他人が勝手に名前を使ってした契約ですから、それは効力を生じないということでございます。
#61
○木島委員 その場合に、無断にBがAの暗号、秘密かぎを使ったという立証責任はだれが負うんですか。Aですか、Xですか。
#62
○細川政府参考人 これは、契約が成立したということが要件事実でございますから、当然、Aが契約をしたんだということをXが立証する必要があるということ、基本的にはそうでございます。
#63
○木島委員 いや、わからないんですが、要するに、無断に使ったというその事実を立証する挙証責任は、使われた者が負うんじゃなくて、勝手に無断に使われた者の相手方が負うということですか。それはどこから出てくるんですか。
#64
○細川政府参考人 契約の成立は、契約の成立を主張する者が立証責任を負うというのが大原則でございます。
 ただ、それは大原則で、次の問題を考えますと、電子署名が、ある登録機関に、本件の場合は商業登記所で、届けられているものですから、その届けられているものは通常、厳重に管理されているのが当然でございます。ですから、その場合には本人がやったのではないかという推定があるわけですね、事実上の推定が。その点を破るのは、ただいまの例ではAが事実上の推定を覆すというか、真偽不明までに持ち込まなければならないということになろうかと思います。
 文書の成立に関する最高裁の判例では、文書の判こをだれが押したかということは、やはり文書の真正を主張する人が証明しなきゃいけないのですね。それは、具体的に押してあれば、本人が押したということになれば文書全体が真正に成立するものであると推定されるというのが最高裁の判例ですから、その文書がだれによって押されたというのは、具体的にはその文書の成立の真正を主張する人が証明しなきゃならない。
 ただ、その判この保管状況から見て、他の人が盗むような状況ではなかったということになれば、それは判この所持者本人が押したものだと事実上推認されるわけです。それと同じことだろうと考えております。
#65
○木島委員 余り立ち入ると細かくなりますからこれでやめますが、この場合は、国、法務省、認証機関たる国は責任はないということですか。
#66
○細川政府参考人 秘密かぎはあくまでも御本人が厳重に管理すべきものでございまして、秘密かぎが盗用されることによって御本人に損害が起こった場合には、これは御本人の責任というほかはないと思います。
 国が責任を負いますのは、要するに誤った認証をしたということによって相手が不利益を受ければ、それは国家賠償法上の責任があり得るということでございます。
 なお、御設例の秘密かぎは、そういう問題がありますので、非常に厳重に保管してもらわなければならないということになります。
 一般的には、秘密かぎはICチップ等に入れまして厳重に保管しておきます。そうしますと、普通の場合にはそれは吸い出すことができないことになりますが、さらには、そのICチップから情報を使う場合には、暗証番号を入れておく。それから、さらに厳重にすれば、民間の場合では、特定の人の指紋がなければそのICチップからの情報を使えないということをしているところもあります。
 そういうことで、基本的には電子署名というのはそういう性質のものですから、厳重に管理していただかなければならないということでございます。
#67
○木島委員 次に、それでは成り済ましの問題についてお聞きします。
 成り済ましの問題というのは、公開かぎの登録手続に瑕疵があって、いわゆるAのかぎをBが勝手に登録してしまったという問題なんですね。それが利用されてAとXの間の取引が成立した場合、時間が迫っていますから簡潔に、そういう場合には契約は有効に成立しているのでしょうか。そして、それを立証するのはどちらでしょうか。また、そういう場合に国、法務省は責任を負うのは当然だと思うんですが、そういう問題について簡潔にお答えいただきたい。
#68
○細川政府参考人 成り済ましを防止するためには、電子証明書の申請書に、その方の実印、登録済みの印鑑を押印していただく、そういうことで成り済ましを防止しようとしております。
 それで、その審査に、こちら側に、登記所側に過失があれば、それは国家賠償法上の責任を負う場合があるということになります。
 それから三点目に、効力でございますが、それは、やはり他人が勝手に印鑑登録をしたのと同じでございますから、これによって契約が成立することはないのですが、そのことによって取引の相手方が損害を受ければ、これも登記官に過失があれば、国家賠償法上の責任を国が負うということになるわけでございます。
#69
○木島委員 では、第三番目の問題として、インターネットで両当事者が送信中に第三者、ハッカーが侵入してきて文書が改ざんされてしまったという場合に、AとXの取引契約の法的効力はどうか、そのときに国の責任はどうか、簡潔にお願いします。
#70
○細川政府参考人 電子認証制度で用いるかぎの長さは千二十四ビット以上のものとされております。これは十進法でいえば三百けた以上の物すごい大きな数字ですから、これを破ることは不可能ですし、これを通過した上で改ざんするということは、実際上、秘密かぎを盗取しない限りは不可能だというふうに考えております。
 その場合の国の責任でございますが、要するにこれも国家賠償法上の要件があるかどうかということでございますが、インターネットで侵入してやったということですと、国のあずかり知らないということになりますから、その場合に国が責任を負うということは、よほどの事情がなければないのではないかなというふうに思っております。
#71
○木島委員 それで私、このシステムの一番大事な安全性、セキュリティーの問題についてお聞きします。
 参議院でもそういう答弁をしておりますが、昨年の九月二十七日に日本経済新聞がこういう報道をしています。世界標準のRSA暗号、研究者が解読に成功。欧米六カ国の研究者グループは、インターネットの商取引などに使われている世界標準の暗号RSA、今回法務省が導入しようとするものですね、これを破ることに事実上成功した。また、フランスICカードメーカーなどが、RSA暗号でつくる電子署名を偽造する手法を考案した。これらの方法を犯罪に使うのは膨大な資金や手間がかかるため非現実的だが、関係者の間にはRSAの安全性に対する懸念が広がっている。RSAの高度化や新方式の暗号を導入する機運が強まりそうだという導入部分です。
 そして、RSA暗号解読の実績と見通しが、この新聞には表になっております。一番最初は、一九九四年に、四百二十九ビット、百三十けたが、千六百台のコンピューターを使って五千の計算量で八カ月で解読した。さらに九九年、これは日経がやっているのですが、五百十二ビット、百五十五けた、これはコンピューター二百九十二台を使って七カ月半で三万の計算をして解読してしまった。それで、これは推測なんですが、さっき民事局長が言ったように千二十四ビット、三百九けたでいくと、恐らく二〇〇四年以降に解読の可能性があるのではないか。計算量は三千億だというので、もう本当に天文学的な問題で、我々の想定を超えるような世界の話ですが、要するに解読なり侵入なりの技術というのは物すごく発達してくるのではないか。
 そうすると、今民事局長は、実際上そんなことは不可能だ、不可能なことをやられても国の責任はないというようなことをおっしゃるのでしょうけれども、それでは認識が甘いのではないかということを考えるのですが、どうですか。
#72
○細川政府参考人 RSA方式というのは、要するに素因数分解を解く方程式はないということを前提としてやっているわけですが、要するに総当たり方式で一回ずつやっていけば、それは何百台のコンピューターで何千時間か、何カ月かやれば可能性があるわけでございます。
 ただ、私どもが現在考えておりますのは、登録していただくかぎの長さは千二十四ビットを最低限にするというふうに考えておりますし、また、登記官の特に公開かぎにつきましては、さらにその倍の長さにいたしたいと思っているわけです。
 そういうことで、当面は、理論的には可能であっても実際上は大丈夫であろうとは思っているわけですが、今後とも、そういった暗号解読技術の進歩というものを見ながら、こちらの方もそれに負けないような方法を検討しなければならないんじゃないかというふうに考えているところでございます。
#73
○木島委員 これは、日本の場合は国が認証機関になるということですし、技術の進展というのは予想を超えるものでありますから、こういう取引については安全性が基本ですから、引き続き徹底して安全管理には意を尽くすように要求して、終わります。
#74
○武部委員長 保坂展人君。
#75
○保坂委員 本日は、商業登記法改正案の質問に先立って、先ほど坂上委員からも出ておりましたが、例の登記簿が移記された、閉鎖された、隠された、この問題について、先日、民事局長に御答弁をいただいて、率直に言って私は少し驚いてしまいました。私は、民事局長は大変率直かつ明晰で、ひそかに尊敬申し上げているのですが、先日の答弁は、どうでしょう、法務省の登記に対する強い信頼感を損なうような、誤解を招く部分があったのではないか、こう私は思うのですね。
 いろいろな事情を挙げられました。率直に言って、民事局長、この点について反省されていることはありますか。簡潔にお願いいたします。
#76
○細川政府参考人 正直申し上げまして、最大の反省点は、七十六条を使った移記というのは個々の登記官の判断に全くゆだねていて、私どもはそれがどういうふうに利用されているかというのを十分承知していなかった、何も基準を示していなかった、そういうことで、これは、その後調査いたしましたら、いろいろなところに使われているというのがわかりました。私どもとしては、そういう登記官によって判断が異なるということが国民の皆さんに御疑惑を招き、御不信を招いたのではないかと思って、その点は反省しております。
 それで、今後、その点をもう少し調査いたしまして、そういう御心配をいただくことがないようにきちんと、大臣からもそういう御指示がございますが、そういうふうにしてまいりたいと思っているところでございます。
#77
○保坂委員 少し安心しました。何か反省もないというふうにも聞こえましたので、当然そういったことは反省されるべきだと思います。
 いろいろなところに使われているというのもまた気になるお話なんですが、それは後で聞くといたしまして、事実を細かく、簡潔にお聞きをしていきたいと思います。
 国会議員秘書の方と菱和ハウスの担当者が東京法務局長に面会を求めたわけですね。大体何時ごろ、何分間面会をしたか、これは調査の中でおわかりでしょうか。
#78
○細川政府参考人 関係者の供述によりますと、面会が行われたのは一月二十八日ごろとのことでございます。一年以上も前のことでございますので、東京法務局長にも尋ねましたし、菱和ハウスの担当者にも聞いたのですが、余り記憶していないことでございます。
 局長からは、秘書からあいさつを受けた後しばらく雑談したとのことでございまして、そしてその後に、何か相談があるからというので不動産登記の担当者を紹介した、そういうふうに聞いております。
#79
○保坂委員 ちょっと記憶がない。確かに、一年前だと、十五分か三十分か一時間か覚えていないのかもしれません。
 紹介したと今民事局長は言われたのですが、その場に法務局長が総括登記官を呼んだのですか。あるいは、その場を離れて御意向を指示して、あちらに行けと、総括登記官のもとに行かせたのでしょうか。
#80
○細川政府参考人 これはちょっと前提を御説明しませんといけませんが、当時の法務局長は、たしか一月の十八日ごろに着任したばかりで、しかも、もともと検察庁の検事でございましたので、登記のことは何も知らなかった。それで、あいさつ回りが終わったところなので、わからなかったので、それは私はわかりませんので担当者に聞いてくださいと言ったというのが正直な話で、私はそれは信用できると思っているのです。(保坂委員「呼んだか、行ったか」と呼ぶ)それは、その場では、行かせたというふうに言っております。
#81
○保坂委員 そうすると、検事さんで登記のことがわからないので担当に聞いてくれ、こういうことだったということですが、歴代法務局長は、政治家並びに秘書の要請を受けて、登記上の変更などをこれまでも時々はしてきたという実態はあったのでしょうか。
#82
○細川政府参考人 これは、東京法務局のことはわかりませんので、一般論として私の今までの経験から申しますと、登記はそれなりに技術的な問題ですので、いろいろな方から御相談があります。国会議員の秘書の方が、こういう問題があるんだけれども相談に乗ってくれないかと来ることは、それは私の経験からでもあるわけでございまして、その事実だけは申し上げたい、そういうことをまず申し上げたいと思います。
#83
○保坂委員 相談はあるということなんですが、今坂上委員からも指摘があったところですが、不動産登記法第七十六条第四項の類推適用が論点だと思うのですね。これが正しいのかどうか。枚数過多にして取り扱い不便というような要素で大体移記が認められているそうですが、そのほかにも、局長が御説明になったように、例えば著しい汚れや破損がある場合なども適用を受ける。
 ところが、この現物は、著しい破損や汚れ、汚れというのは、この整理回収銀行からの記載が汚れ、こういう解釈はできないわけですね、これは記載事項ですから。これはページからあふれていないわけですね。
 これは類推適用としてちょっと拡大解釈だったんじゃないかという点は認識はいかがですか。
#84
○細川政府参考人 類推適用というか拡大解釈というか、言葉はなかなか難しいのですが、要するに、類推というのは、法規に規定されていない事項の意味を法規にない類似の事項に拡充する法解釈の方法だということになっているわけです。ですから、これは七十六条の文理、形式的文理から見れば当たらないことははっきりしているわけですから、そこは要するに移記しなければならない理由があるというふうに判断したのでこの規定を便法として使ったということが事の実相であります。そういうことはほかの場合にでも行われているということでございます。
#85
○保坂委員 そうすると、その特別な事情があったというふうに判断した根拠は、菱和ハウスの側がマンションが売り物にならないというふうに主張した、そして、整理回収銀行が手違いで仮差し押さえをしてしまっている物件だ、これは経過は先ほど坂上委員への答弁で私わかりましたので、この理由がその特別の事情に相当すると判断されたと解釈してよろしいですか。
#86
○細川政府参考人 要するに、これは話し合いがついているのに手違いで差し押さえの手続がとられてしまった、そして、それによって要するにきずものになったように見えるので非常に困るということを、それを最終的には信用したということでございます。
#87
○保坂委員 そうすると、民事局長のさきの報告の中に、菱和ハウスの業者から要望が千葉県の法務局の野田出張所に、今おっしゃったことですよね、本件マンションを購入された方が、早い話で言えばきずものだというふうに認識したり、あるいは金融機関から融資を受けるのにも支障を生じ、売り物にならない、整理回収銀行との間で話がついていて本来登記されるべきものではなかったが、担当者の手違いで登記されたものである等々の事情を話をして、現場でははねているわけですよね、法務局の野田出張所では。私は、法務局の担当官はしっかりしているな、この方の問題ではないというふうに思うんですね。むしろ、この方に何とかならぬかという指示を出した側に問題があると私は思うんです。
 法務大臣、前回、私、この会社がどういう会社であるか、破産に至る過程でさまざまな被害者を生んでいる、こういうことを御紹介いたしました。こういう会社の言い分を相当聞いたという印象を受けるんですね。これでいいのか。この点に関してはどうでしょうか。
#88
○臼井国務大臣 登記事項につきましては、登記官が現場におきましてそれぞれ判断をすることでございまして、委員が今お話をされて御指摘をいただいているようなことについては現場では認知しないことも多うございまして、あくまでも現場の状況において判断すべきもの、このように思う次第であります。
#89
○保坂委員 それでは、民事局長にまた戻りますけれども、実は菱和ハウスの担当者が国会議員の秘書と同行されて、今度は、出張所から断られて東京法務局に出向いたわけですね。それで、類推適用ということの案が出てきて、それを出張所におろしていったという経過だと思いますが、これは国会議員秘書の要請があってこういう手続が行われたという関係だというふうにとらえてよろしいですか。
#90
○細川政府参考人 初めに野田の登記所に来たときの菱和ハウスの言い分は、何をしてくれと言ったかと申しますと、全部跡形がないようにしてくれと言ったんです。それはだめだと言ったわけです。東京法務局に行ったら、よく聞いてみたら、いや、それはできないことはわかった、少なくともほかにありませんかと言うので、移記という方法もある、それならば閉鎖登記簿として過去の経緯も一般に公開されるんだから検討してみたらいいのではないかということを言ったということでございます。
 ですから、登記官はいろいろ個性がございます。先ほど言ったように、七十六条については統一的な扱いを示しているわけではありませんので、それなりに考え方が、最初のところでは案が出てこなくて後で知恵が出てきたということで、それを検討してみたら最終的にはそれを信じたということだと思います。
 それから、昨年の一月の段階では、私の記憶では、まだ菱和ハウスのいろいろな問題が報道されておりませんで、菱和ハウスが破産したのはもうちょっと後じゃないかと思うんですが、登記官にそういった問題の会社があるということをすべて知っておけというのは、ちょっと酷じゃないかなという感じもいたしております。
#91
○保坂委員 私は、すべて丸ごとなくしてくれなんということを言ってくること自体が要警戒の会社だというふうに思うのが普通じゃないかと思うんですね。元検事さんで法務局長、そっちの面は感覚はさえていてもらわなければ困ると思うんです。
 では、民事局長に伺いますが、本件のマンションで同様の手続で移記をされてしまった物件というのはほかにあるんですか。その方たちには、あなたたちもそうですよという通知を法務省の方からされているんでしょうか。つまり、今回の新聞に記載された一人の方以外に何人いるのか。
#92
○細川政府参考人 今回のマンションには、規約共用部分が二戸、それから専有部分が九十三戸あります。
 それで、整理回収銀行が仮差し押さえの登記をした物件は全部で四十三あります。そのうちの九戸は、新聞で問題になったと同じような扱いで、一月二十七日の受け付けの登記で、所有権保存の登記と仮差し押さえの登記が抹消されているということでございます。残りの三十四戸につきましては、二月一日付で仮差し押さえの取り下げ、すなわち整理回収銀行が裁判所に仮差し押さえの取り下げ書を出しましたので、その取り下げを原因として裁判所から仮差し押さえの抹消の嘱託が参りましたので、それを抹消しております。その後、菱和ハウス株式会社の所有権の保存登記が新登記用紙に記されているという状況でございます。
 それから、残りの五十戸については、仮差し押さえがありませんので問題ありません。(保坂委員「お知らせしたかどうか」と呼ぶ)これはお知らせしておりません。
#93
○保坂委員 これまでちょっと時間をかけて聞いてきたんですけれども、マンションをこの時代に、大変景気が悪くて収入も不安定になっている一般のサラリーマンの皆さんあるいは自営業者の皆さんが買うというのは、やはり生涯に一度の大きな買い物なんですね。これを知らされて、閉鎖登記なんてわからなかった、もし銀行から差し押さえを受けるような会社が分譲しているマンションと知っていれば購入しなかった、だまされた、こういうふうに怒っているわけですね。
 今まで民事局長の答弁を聞いていて私が率直に感じたのは、長いローンを組んでマンションを購入した住人の側の気持ちにほとんど立っておられないんじゃないか。法務省は、菱和ハウスというインチキな、でたらめな会社の代弁はするが、購入者の立場は考えないのか、こういう批判が巻き起こってきて不思議じゃないんじゃないでしょうか。被害を受けた住人は、菱和ハウスにだまされた、しかし、もう破産をしてどうしようもない、とすると法務局にもだまされた、こういうふうに思っても仕方がないんじゃないですか。お知らせもしていない。移記の手続で隠された経緯を見ていれば、こんなきずもの物件、その方はもう売れないわけですから。
 そうすると、これは国家損害賠償、あるいは住人が補償してくれという声を上げたらきちっと受けて立つ、誠意を持って尽くす、そういう姿勢はおありですか、この問題について。
#94
○細川政府参考人 本件の登記処理は、担当者の意識としては購入者のためにもよかれという判断のもとに行われたものでありますが、結果的に購入者に不快な思いを抱かせることになってしまった、そういうことについては私も残念に思います。遺憾に思います。
 そういうことを前提にいたしまして、まず法律上の責任はどうなるかということでございますが、登記簿の記載によりますと、購入者の方は、仮差し押さえの登記簿等の負担のない状態でマンションの所有権の保存登記を受け、本件のマンションを担保として金融機関から購入資金の融資を受けるための担保権を設定した旨の登記をしておられます。したがいまして、本件のマンションの売買に当たって菱和ハウスと購入者の方々との間でどのようなお話し合いがあったか、それは存じませんけれども、登記処理自体によって購入者が法律的に不利益をこうむったということはないのではないかというふうに思っております。
 ただ、先ほど申しましたように、結果的に購入者の方々が非常に不満に思われたということについては、私としても申しわけなく思っているところでございます。
#95
○保坂委員 一点、私、ちょっと質問を落としていましたが、これはもちろん法務局の責任もありますが、もともとは、そういういささか無理なお願いをしてきた政治家の側にも問題があるだろうと思います。あるいは政治家秘書の判断だったのかもしれません。
 この総括登記官は、この物件はこう処理をしましたよということを法務局長にその後報告をしておりますか。そして、法務局長は何らかコメントをいたしましたか。いかがでしょうか。
#96
○細川政府参考人 この点につきましては、統括登記官は法務局長に報告しておりませんで、したがって、それは法務局長も忘れていたんですが、今回の件で東京新聞から取材を受けて、さまざま思い出したらそういうことがあったということを思い出した、そういうふうに言っておりますし、私もそれは信用できると思っています。
#97
○保坂委員 登記の信頼にかかわることなんで、新聞に出たから思い出したというのでは、とてもこれは困ると思います。
 さらにお聞きしますが、国会議員及びその秘書から、法務局長に対してお礼の電話や訪問があったか、ずばり言って金銭の授受も含めてあったか、その国会議員はどなたなのか、お願いします。
#98
○細川政府参考人 お礼の電話等はなかったと聞いております。
 担当者に、金銭の授受はなかったか、これは私ども一番心配になるところでして、厳重に確かめましたが、担当者は皆、天地神明に誓ってそういうことはないと言っております。
 最後の点は、これは、木部佳昭衆議院議員の秘書の方が東京法務局長の方に見えられました。
#99
○保坂委員 では、法務大臣に伺いたいと思います。
 民事局長は、前回の答弁より、やはり冒頭反省というふうに述べていただいただけあって、登記への信頼がこれで少し回復できるのかなという希望が私見えてきましたけれども、これは要は、瑕疵はなかったということだけ言われると、同じ条件が出そろったときに、同じようにやればまたやりますよという話になっちゃうんです。
 ですから、こんなことは絶対に起こらないようにしていただきたい。交通事故問題でもありましたね。しかし、交通事故問題も重大だけれども、サラリーマンや自営業者が生涯のローンを組んで買う物件がこんなことだったのかというようなことを、今法務省揺さぶられかねないですよ。そういうことをどういうふうに大臣は受けとめられますか。
#100
○臼井国務大臣 この登記に関しては、それぞれの現場で登記官が責任を持って対処するということになっているわけでございますが、ただいま委員からるる御質問をいただきました、いわゆる不動産登記法第七十六条の規定の類推適用等につきましては、現在具体的な運用基準というものがございません。そういった意味で登記官の判断がそれぞれ異なるということもあるわけでございまして、これは問題だというふうに思っております。この点につきましては、全国統一的な運用が確保されるように、今後しっかりと検討してまいりたいと思います。
#101
○保坂委員 電子情報の世界に入る前にこの質問をしたのは、やはり、電子情報も場合によっては改ざんされるわけですから、しっかりとしたルールをつくってもらわなければいけないという意味でした。
 残り時間はわずかですけれども、商業登記に関して幾つか質問をさせていただきます。
 いわゆるハッカーの問題ですね。いろいろな形で今侵入をしてくる。また、そのハッカーの技術水準も大変高いし、日本からの侵入とは限らない。こういうことに対する防御策、どのレベルで考えておられるのか。いかがでしょう。
#102
○細川政府参考人 この点は大変大事な点でございます。現在考えておりますシステムを申し上げますと、まず、法務大臣の指定する一つの登記所が認証センターとして事務を集中的に処理することになる。このセンターは、インターネットを通じて、本制度の利用者のコンピューターと情報の授受を行うということになります。そこで、認証センターのコンピューターとインターネットとの間には厳重なファイアウオールを設けることといたしておりまして、インターネットを通じてコンピューターに情報を送るにはファイアウオールを通過しなければならないこととなっています。
 このファイアウオールを通過するためには、情報の送信者、形式、アクセスの手順があるわけですが、これをチェックしまして、電子証明書の有効性の確認の要件を満たすものだけを通過させるような仕組みとするものでございます。また、認証センターのコンピューターシステムは、不正侵入の常時監視装置を設けることといたしまして、定められた手順に従わないアクセスがあったときは、これを検知してシステム管理官に通報するとともに、特定の場合にはアクセスを強制的に切断するという機能も持っているわけでございます。
 それから、認証センターへのインターネットを介してのアクセスにつきましては、正当なものか不正なものかを問わずすべて、いわゆるログ、記録でございますが、これを保存して、後に不正アクセスの発信元の調査に資することといたしているわけでございます。
 また、これらの措置は、運用に不備がございますと効力を発揮することができませんので、電子認証制度におきましては、ファイアウオールの定期的なログ監視やメンテナンス作業といった運用の方法についても万全を尽くしてまいりたいと考えております。
#103
○保坂委員 こういうコンピューター化社会の怖さというのは、私も経験がありますけれども、あるときハードディスクが壊れて全部パアになってしまった、バックアップをとっておけばよかったのにというようなことを多くの人が体験していると思うんですね。認証センターとなる登記所で開示している情報が、例えば強い電流ががあっと流れたとか、落雷もそうかもしれないし、爆発とか何らかの理由で全部消えてしまったという場合にどういう対策があるのか。あるいは、ではバックアップは別のところに置きますよという場合には、今度は情報の流出や盗難のおそれも出てきます。そういったことについて、お考えをお願いします。
#104
○細川政府参考人 コンピューターの中にある情報の保全も大変重要な問題でございまして、現在考えております方式は、これはバックアップのテープをつくっておく。日々磁気テープ等に別にダウンロードしておきまして、それを回線でつながらない方法で別途保管しておく。そして、その保管の場所は、もともとのコンピューターの入っているところと同じですが、厳重な入退室管理をする、それから火災等の厳重な防止設備をする、そういうことを考えているわけでございます。
#105
○保坂委員 今の御答弁だと、別の場所ではないんですか。例えば、厳重に管理しても、何らかの災害や事故でその場が決定的、壊滅的な打撃を受けたときに、その情報が全部飛んでしまうという危険がないですか。
#106
○細川政府参考人 全く同じ場所に同じ方法で保管しておけば、おっしゃるような問題は起きるわけです。その点については、具体的にはまだ決めておりませんが、そういう問題が生じないように適切な措置を講じてまいりたいと考えております。
#107
○保坂委員 その点については、同じ場所に置くということは、もしもの危険があります。そして、違う場所に置けば今度は盗難、流出のおそれがある。セキュリティー、これは大変厳重にやっていただきたいということをぜひ要望しますが、登記官が発行する電子証明書が偽造されてしまうというおそれはありますか。
#108
○細川政府参考人 電子証明書は登記官の電子署名があるわけでございます。登記官の電子署名は、これは通常の方の署名と違って、その倍のビット数、すなわち二千四十八のビットでつくろうと思っております。
 そして、この登記官の秘密かぎは、特別の装置の中に格納し、かつこれについて厳重な入退室管理をする。それから、秘密かぎの保全装置から情報を抜き出そうとすれば、それによってその情報が壊れてしまうということを考えておりますので、まず偽造するのは現在の技術ではほとんど不可能ではなかろうかというふうに考えているところでございます。
#109
○保坂委員 間もなく時間のようでございますから、最後に大臣に、登記の信用、根幹にかかわる事態として、先ほど取り上げました事態について、事態をさらに十分精査して、二度とこういう件が、特に多くの国民から、登記が公平でないのではないかというような、信頼を損ねるような事態にならないように、法務大臣の決意をきちっと伺っておきたいと思います。
#110
○臼井国務大臣 御指摘をいただきましたとおり、政府が責任を持ってやる事務については、国民の信頼を得るということは大変重要なことでございます。登記の仕事についてもそのようなことでございまして、今委員御指摘をいただきましたように、私ども、今後こうした点については細心の注意を持って努力をいたしてまいりたいと思います。
#111
○保坂委員 終わります。
#112
○武部委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#113
○武部委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 内閣提出、参議院送付、商業登記法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#114
○武部委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
     ―――――――――――――
#115
○武部委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、杉浦正健君外五名から、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。北村哲男君。
#116
○北村(哲)委員 ただいま議題となりました附帯決議案について、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。
    商業登記法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、この法律の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
 一 電子認証制度及び電子公証制度の運用に当たっては、公開鍵暗号方式における秘密鍵の管理の重要性及び登録時又は嘱託時における本人確認の重要性等について、利用者及び運用関係者に対し、広報及び研修を行うなどして、本制度の周知徹底に努めること。
 二 電子認証制度及び電子公証制度の運用に当たっては、その信頼性及び安全性について万全を期し、特にセキュリティー対策について、今後の技術の進展に機敏に対応できるよう、調査・研究に努めること。
 三 電子公証制度利用に際しての利便性向上のため、制度の充実と公証人適格者の確保等の方策について、必要な措置をとること。
 四 電子取引の一層の進展と利用者の利便性向上の観点から、法人のみならず個人の電子認証制度の確立のための基盤整備に努めるとともに、その際には、プライバシーの保護について、十分に対処されるよう配慮すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#117
○武部委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 杉浦正健君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#118
○武部委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、ただいまの附帯決議につきまして、法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。臼井法務大臣。
#119
○臼井国務大臣 ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
    ―――――――――――――
#120
○武部委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#122
○武部委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、人権擁護に関する件、特に犯罪被害者にかかわる諸問題について調査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○武部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る七日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十四分散会

ソース: 国立国会図書館
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