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2000/03/08 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 内閣委員会 第1号
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2000/03/08 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 内閣委員会 第1号

#1
第147回国会 内閣委員会 第1号
本国会召集日(平成十二年一月二十日)(木曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。
   委員長 植竹 繁雄君
   理事 鈴木 俊一君 理事 虎島 和夫君
   理事 萩野 浩基君 理事 松本  純君
   理事 岩田 順介君 理事 山元  勉君
   理事 河合 正智君 理事 三沢  淳君
      越智 伊平君    小泉純一郎君
      佐藤 信二君    関谷 勝嗣君
      谷川 和穗君    近岡理一郎君
      桧田  仁君    堀内 光雄君
      武藤 嘉文君    持永 和見君
      米田 建三君    北村 哲男君
      佐々木秀典君    堀込 征雄君
      赤松 正雄君    白保 台一君
      鰐淵 俊之君    瀬古由起子君
      中路 雅弘君    深田  肇君
      中田  宏君
平成十二年三月八日(水曜日)
    午後零時三十九分開議
 出席委員
   委員長 植竹 繁雄君
   理事 鈴木 俊一君 理事 虎島 和夫君
   理事 萩野 浩基君 理事 松本  純君
   理事 岩田 順介君 理事 山元  勉君
   理事 河合 正智君 理事 三沢  淳君
      小泉純一郎君    小林 多門君
      佐藤 信二君    関谷 勝嗣君
      田中 和徳君    谷川 和穗君
      近岡理一郎君    桧田  仁君
      持永 和見君    米田 建三君
      北村 哲男君    佐々木秀典君
      中田  宏君    堀込 征雄君
      赤松 正雄君    白保 台一君
      鰐淵 俊之君    瀬古由起子君
      中路 雅弘君    深田  肇君
    …………………………………
   国務大臣
   (内閣官房長官)     青木 幹雄君
   国務大臣
   (総務庁長官)      続  訓弘君
   総務政務次官       持永 和見君
   北海道開発政務次官    米田 建三君
   沖縄開発政務次官     白保 台一君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    林  則清君
   政府参考人
   (総務庁恩給局長)    大坪 正彦君
   政府参考人
   (農林水産省構造改善局長
   )            渡辺 好明君
   内閣委員会専門員     新倉 紀一君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月二十日
 辞任         補欠選任
  倉田 栄喜君     赤松 正雄君
三月八日
 辞任         補欠選任
  堀内 光雄君     小林 多門君
  武藤 嘉文君     田中 和徳君
同日
 辞任         補欠選任
  小林 多門君     堀内 光雄君
  田中 和徳君     武藤 嘉文君
    ―――――――――――――
一月二十日
 国の行政機関の職員等の営利企業等への就職の制限等に関する法律案(松本善明君外一名提出、第百四十二回国会衆法第一九号)
 行政評価基本法案(笹木竜三君外六名提出、第百四十二回国会衆法第四四号)
 国家公務員法及び自衛隊法の一部を改正する法律案(若松謙維君外四名提出、第百四十三回国会衆法第一八号)
 特殊法人の役員等の給与等の規制に関する法律案(若松謙維君外四名提出、第百四十三回国会衆法第一九号)
 日本銀行法の一部を改正する法律案(若松謙維君外四名提出、第百四十三回国会衆法第二〇号)
 審議会等の委員等の構成及び審議等の公開等に関する法律案(松本善明君外一名提出、第百四十五回国会衆法第一四号)
 少子化社会対策基本法案(中山太郎君外六名提出、第百四十六回国会衆法第一六号)
三月一日
 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)
二月四日
 戦争被害等に関する真相究明調査会設置法の早期制定に関する請願(東順治君紹介)(第三二号)
 非核三原則の法制定に関する請願(中西績介君紹介)(第一三三号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 政府参考人出頭要求に関する件
 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)

    午後零時三十九分開議
     ――――◇―――――
#2
○植竹委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 国政に関する調査を行うため、本会期中
 行政機構並びにその運営に関する事項
 恩給及び法制一般に関する事項
 公務員の制度及び給与に関する事項
 栄典に関する事項
以上の各事項について、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対して承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○植竹委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#4
○植竹委員長 次に、内閣提出、恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。続総務庁長官。
    ―――――――――――――
 恩給法等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#5
○続国務大臣 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近の経済情勢等にかんがみ、恩給年額及び各種加算額を増額すること等により、恩給受給者に対する処遇の改善を図ろうとするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 この法律案による措置の第一点は、恩給年額の増額であります。
 これは、平成十一年における公務員給与の改定、消費者物価の動向その他の諸事情を総合勘案し、平成十二年四月分から、恩給年額を〇・二五%引き上げようとするものであります。ただし、恩給年額の計算の基礎となっている俸給年額が現行で六百十五万七千円以上に係るものについては、据え置くことといたしております。
 第二点は、傷病者遺族特別年金及び実在職年六年未満の者に係る普通扶助料の最低保障額の上積みであります。
 これは、低額恩給の改善を図るため、平成十二年四月分から、傷病者遺族特別年金については二千円、実在職年六年未満の者に係る普通扶助料の最低保障額については千円の、それぞれ上積みを行おうとするものであります。
 第三点は、遺族加算の年額の増額であります。
 これは、遺族加算の年額について、戦没者遺族等に対する処遇の改善を図るため、平成十二年四月分から、公務関係扶助料に係るものにあっては十四万二千二百円に、傷病者遺族特別年金に係るものにあっては九万三千九百十円に、それぞれ引き上げようとするものであります。
 第四点は、短期在職の旧軍人等の仮定俸給の改善であります。
 これは、六十歳以上の短期在職の旧軍人に給する普通恩給またはその妻子に給する扶助料等について、老齢者、寡婦等の優遇の趣旨により、平成十二年四月分から、その年額の計算の基礎となる仮定俸給の格付を一号俸引き上げようとするものであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
#6
○植竹委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#7
○植竹委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として警察庁刑事局長林則清君、総務庁恩給局長大坪正彦君及び農林水産省構造改善局長渡辺好明君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○植竹委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#9
○植竹委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩田順介君。
#10
○岩田委員 民主党の岩田でございます。
 きょうは、恩給局長に来ていただいておりますが、なるべく長官の御答弁をお願いしておきたいと存じます。
 私は、恩給法というのは初めて触れましたけれども、まず興味を持ちましたのは、一つは、階級によってかなり支給額に格差があるということ。
 こういう本が昔出ているんですよね、「爆弾三勇士」というのが。これは福岡でありまして、私も少年のころから聞いておりました。
 この「爆弾三勇士」、三人の兵隊さんが、一人は少将である、一人は少尉である、一人は一等兵である、二等兵であるというような階級の差があった際に、本来ならば、多少の格差があっても、やはりそんなに格差があってはいかないものだろう。当時は、三人の兵隊さんは爆死をされて、戦死をされてから伍長になっておられますが、兵士だったんですよね。こういう疑問が一つありました。
 それからもう一つは、なぜ恩給法の適用が他の戦争被害者に及ばなかったかということが疑問でありまして、そういう疑問を前提に質疑をさせていただきたいと思います。
 まず第一点は、昭和二十一年に、敗戦の翌年でありますが、恩給法がGHQの指令に基づいて廃止された、そして七年後の昭和二十八年に復活をした。簡単に言えば、こういうことだろうと思いますね。
 その理由と背景について、まずお尋ねをしたいと思います。
#11
○大坪政府参考人 ただいま先生の方から、軍人恩給の復活の背景についてという御質問がございました。
 たしか二十一年に廃止、制限された恩給でございます。その後、数年たちましてから、戦死された方の御遺族の方、けがをされた方々、あるいは老齢者の方々、こういう方々の生活の困難さというようなところから、恩給を復活してほしいという声が高まってまいったようでございます。
 その当時は、例のポツダム勅令、占領下にあったということだったわけでございますが、御承知のように、昭和二十七年にサンフランシスコ平和条約が発効いたしまして、占領状態でなくなったという意味で、一種のおもしが取れたという状況になったわけでございます。その当時に、そういうような生活に困っておられる方々を含めて、軍人恩給をどうするかというような点が大きな政治課題になったようでございます。
 それを受けまして、政府におきましては、総理府に恩給法特例審議会を設けまして、各般にわたる審議をしたわけでございます。
 その審議の結論といたしまして、建議が出たわけでございますが、要約いたしますと、国家財政の現状及び国民感情の動向等を勘案し、旧軍人等に対し、相当の恩給を給すべきものという建議がされたわけでございます。この建議に沿った格好で昭和二十八年に恩給法を改正して、軍人恩給が再出発したという経緯があるわけでございます。
#12
○岩田委員 なぜ軍人と軍属だけが救済の対象になったのか、今の説明ではちょっとわかりにくいですね。いかがですか。
#13
○大坪政府参考人 昭和二十一年に廃止、制限されたというふうに言いましたけれども、実は、恩給法自体におきましては、恩給法では文官と言っておりますが、一般の公務員の方につきましては恩給制度は残っておりました。廃止後の昭和二十一年以降も、重度障害者の旧軍人の方には恩給が出るというような実態も実はあったわけでございます。
 そういう意味で、恩給制度そのものは現に動いているという実態があったわけでございまして、そういう状況のもとで、旧軍人の方の処遇をどうするかということにつきまして審議会で議論がされて、結果的に、先ほど言ったようなことになったわけでございます。
 今回、実は、先生の方から質問の御連絡があったときに……(岩田委員「短く答弁してください」と呼ぶ)はい、済みません。二十八年のときに、議事録を読みましたけれども、その辺の同じような問題意識がございまして、それについては、先ほど申しましたような、文官恩給とのバランス等々のことで、軍人恩給を再出発させるという答弁があります。
#14
○岩田委員 長官、ちょっとその辺も、長官のお気持ちを聞かせていただきたいと思います。
 国民感情、それから国家財政を考慮してというふうに建議がなっているとおっしゃっていましたが、私の今の質問の趣旨の、国民感情は今でも残っているんですよ。外国の方々にも残しているわけですよ。
 それから、おもしが取れたという、これは率直な御回答だろうと思うのですよね。
 例えば、二十一年から二十八年の日本のいわゆる社会状況の変化、国家体制の変化というようなものが非常にあるのです。
 一つは、警察予備隊が五〇年にできていますよね。これは多くのことを言う必要はありませんが、このおもしが取れたということとも関連すると思いますけれども、警察予備隊ができまして、七万五千人という部隊ができる。最初はアメリカの軍事顧問団の指導で組織づくりが行われたのです。それからその後は、当初、内務警察官僚を中心にいわゆる指導部というものが置かれたのですけれども、徐々に旧職業軍人が部隊の幹部要員として採用される、大変な変化があったのですよ。これと僕は関連していると思いますよ。おもしが取れたというふうに一言で簡単におっしゃいましたが。
 もう一つは、一方ではレッドパージがやはりこれも五〇年ですよね。一々説明するまでもありませんけれども、いわゆる電産や映画、日通、石炭、鉄鋼、東芝、鉱山というものがレッドパージの対象になって、その後ずっと官の方にもいくわけですよ。
 これに対して、憲法十四条違反である、労働基準法第三条違反、こういうものが訴訟に持ち込まれるという歴史的な経過がありますね。しかし、ことごとくGHQが超憲法的命令として全部門前払いをしたのですよね。それは言うに及ばず、吉田内閣のときに、いわゆる軍事体制の整備のために警察予備隊ができたというのはだれも否定できないのです。こういうものがたくさん、その当時の七年間には状況の変化というのがあるわけですよ。したがいまして、これらと無関係ではなかろうというふうに思います。
 なぜ軍人恩給が対象になったのかということについて、これだけが救済の対象になったのか、御意見ございますか。
#15
○大坪政府参考人 ちょっと過去の経緯をお話しさせていただきたいと思うのですが……(岩田委員「その点だけちょっと長官に聞いているんだよ」と呼ぶ)はい。再軍備との関係におきまして、実は二十八年当時も、その辺の問題意識での議事録が残ってございます。これにつきましては当時の緒方国務大臣が答弁しておりますが、再軍備との関連において今回の軍人恩給の措置をするという考えはございませんというような答弁を副総理はいたしております。
#16
○岩田委員 あれから随分たっていますが、その当時のことを、議事録を持ち出すということではなくて、そういう背景が絡んでいるのではないかということについて長官にお聞きしたかったのです。
 復活の際にアメリカだとかドイツの同法との比較や、これを参考にしたということはございますか。
#17
○大坪政府参考人 実はその点も、先生から御連絡があっていろいろ資料を繰ったのですが、実ははっきりいたしません。恩給としては、戦前の制度がありましたので、それをかなり抑制的な制度として再出発させたというのが実態でございます。
 ただ、議事録を読んでおりましたら、抑制の一つに支給開始年齢を上げたという点があるわけでございますが、これはアメリカの例を参考にしたというような答弁記録はございます。
#18
○岩田委員 先ほど、いわゆる復活をするまでの背景を聞きましたのは、参考にしたかどうかということもさることながら、おもしというのは、やはり戦勝国のおもしが取れたということです。敗戦国が旧軍人法を基準にして、ほぼ変わらない恩給法で復活させるというのはそういうことでしょう。それぐらいは素直に言ったらどうですか。長官、そうでしょう。
 いや、長官に聞いているの。もう君はいい。
#19
○続国務大臣 岩田委員の御意見のとおりだと私は思います。
#20
○岩田委員 そういうふうに答えるべきなんだ、だれが見てもそうなんだから。官僚の悪いところというのは、少し知恵を出して、これから先の政治をどうするかということを考えなきゃだめだよ。
 今お答えがありましたけれども、確かに米国やドイツなどとの比較はそうだった、比較というか、御答弁のとおりであると思いますが、日本の場合は仮定俸給ということを基準にやっておりまして、実態の支給額とは違うことは存じております。
 しかし、基準でいきますと、日本の場合は大将が一番上になっていますよね、アメリカの場合は元帥なのかもしれませんが。つまり、支給基準の最高と最低を見ますと、日本の場合は五・七倍、アメリカの場合は十・五九倍、ドイツの場合は七・一三倍というふうになっていますが、これはどういうふうに認識をされていますか。
#21
○大坪政府参考人 恩給の支給基準というものをどういうふうに見るかというときに、外国でのそういう状況というのは、私どもほとんど実は参考にしておりません。今までの経緯の中の基準ということについて考えているわけでございますが、今言われました上と下との格差という点についていいますと、日本の恩給の場合は最低保障制度がかなり充実しておりますので、仮定俸給の格差よりも相当に今は縮まっている、実際上、上と下の格差は三倍程度に縮まっているというのが今の実態でございます。
#22
○岩田委員 参考にしていないと言うけれども、例えば日本の陸軍や海軍や、つまり、明治以来できました日本の軍事体制の組織論というのは全部欧米から持ってきているわけですから。恩給法だってそうなんですよ。厳密にはそうなんですよ。旧恩給法はそうでしょう。
 それで、確かに最低と最高が縮まっているのは、もらった資料でもわかります。五・七だけれども、実際は三以下に縮まっているだろうということもわかります。
 ここでアメリカやドイツと比較をしますと、最低のところだけは大体同レベルなんですよ、三国とも。それから上の方は全然違いますよね。例えば、日本の大将が八百三十万に比べて、ドイツは千四百万ぐらいになりますよね、おたくからもらった資料でいきますと。アメリカも千三百万ぐらいになっていると思いますよ。
 そこで、最低のところだけは一緒に並んでいるのですが、これはこういうふうに見ていいのですか。最低保障は日本は随分上げているというお話がありましたが。
#23
○大坪政府参考人 先生お手持ちの資料はどういう資料か、実は今ちょっと担当に確認しましたけれども、よくわからないのが実態でございます。
 先生今言われましたドイツあるいはアメリカの支給額の基準につきましては、実は私どもは情報がございませんので、ちょっとコメントはいたしかねるということでございます。
#24
○岩田委員 いや、そういうことだったらば、先ほどドイツやアメリカの諸外国を参考にしていないなんといういいかげんな答弁をするんじゃないよ。
#25
○大坪政府参考人 ただいま申しましたのは、制度での比較の問題と、あと、実際の運用としてどのぐらいの額が出ているかという問題の二つがございまして、制度の面ではいろいろ参考にさせていただきますが、実際の額をどうするかというのは、それぞれの国におきます年金制度あるいは恩給制度というものの位置づけの中で額というのは決まってきているはずでございますので、なかなか比較はしにくいというお話をさせていただいた次第でございます。
#26
○岩田委員 最低のレベルのところは大体合っているけれども上の方はこんなに凹凸がある。先ほどあなたがおっしゃったように、おもしが取れた、恐る恐るいろいろな制度を整備しながら、アメリカというか戦勝国の、ある意味では了承の範囲を、環境を整備していったんでしょう。そうだと思いますよ。したがって、今のこの資料の問題は後ほどまた議論する機会があろうと思います。
 要望しておきたいと思いますが、「爆弾三勇士」のことを申し上げましたけれども、大臣、長官の身の回りにもいろいろおられると思いますけれども、老親を置いて、妻と子を置いて戦地に行って亡くなった、職業軍人じゃない、徴兵されて行ったという方々が多いのでありますが、そういうことを考えることが必要。それから、他の年金等との比較、均衡もやはり考える時期ではないのか。その際に、私は大将を落とせと言っているわけではないのです。下の方はこれでいいかという疑問を持っているので質問をさせていただいたのですが、ぜひこれは今後の検討課題にしてほしいというふうに思います。
 次に、これまでも議論になってきた問題の一つで、特別永住者ということについてお尋ねをしたいと思いますが、何回も議論になっていると思います。我が党の佐々木秀典議員も質問に立って、前官房長官から答弁もあっているやに聞いておりますが、長官、これはいかがですか。
#27
○続国務大臣 今お尋ねの特別永住者に対してですけれども、旧植民地出身の旧日本軍人軍属にあった特別永住者につきましては、日韓両国のはざまにあって、結果的に何らの措置も講じられていないところでございます。恩給法の国籍条項は恩給制度の基本的約束事の一つでもございますのは、岩田委員御承知のとおりでございます。
 これらの人々を恩給制度の枠内で処遇することは大変困難でございますので、実は、これらの問題に関連をして内閣の外政審議室でいろいろと議論をしていただいている、このことも岩田委員御承知のとおりだと存じます。
#28
○岩田委員 昨年、この問題に関する訴訟があっておりますね。これは、裁判所の判断では、援護の内容は国会の立法裁量に属する問題というふうに明確に言っております。そこで、これはやがてできる、やがて結論が出るというふうに感触を得てよろしいですか。
#29
○続国務大臣 この問題につきましては、野中前官房長官時代にお示しをしてあると存じますけれども、内閣の外政審議室で議論をする、そして、一定の方向を見出す、こういうことになっておりまして、先ほども申し上げましたように、いろいろな議論をして一定の結論を得るべく努力中でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
#30
○岩田委員 前の野中官房長官、前長官の御答弁でそういうふうになったと言いますが、今は続長官の責任ですから、一刻も早く谷間におられる方々を救済するというふうに理解してよろしいか、こう聞いているのです。
#31
○続国務大臣 ただいまお答え申し上げましたように、外政審議室を中心に議論を重ねている、したがって、一定の時間がたてば今委員がおっしゃいましたような結論が出せるものだと私どもは思います。
#32
○岩田委員 二十世紀中に君が代も日の丸も上げてしまわなければならぬということでは、ばたばたといきましたけれども、はざまにおって今まで何ら措置をしていない人たちが何でこんなにおくれるのか、怒りを僕は持っているんですよ。
 そこで、内容については時間がありませんから、我が党も特別障害給付金等の支給に関する法律案というものを今つくっておりますが、その趣旨をちょっとここで披瀝させていただきまして、いや、それは間違っている、こういうことじゃないかという御意見があれば、長官から見解を聞きたいと思います。
 第二次世界大戦において、二十四万人を超える朝鮮半島の方々、二十一万を超える台湾出身の方々が旧日本軍の軍属や軍人として徴兵され、また、多数が亡くなられたという事実が現実にあります。戦後になって、この日本人の軍人軍属であった戦没者の遺族及び戦傷病者に対しては、戦傷病者戦没者援護法または軍人恩給の復活によって年金または一時金が支給されている、こういう現状であります。
 しかし、それらの法律は日本国籍が問題になります。サンフランシスコ平和条約により日本国籍を離脱した特別永住者に対する戦争被害に関する補償は、同条約に基づく二国間の取り決めにゆだねられました。
 その後の経緯を申し上げれば、在日韓国人については、政府は昭和四十年の日韓請求権の協定締結によって解決をしている、こういうふうに言っております。したがって、韓国政府は韓国国内の戦没者のみを対象として見舞金を支給いたしました。在日韓国人は日韓のはざまで何ら補償はない、これは長官がおっしゃっておったとおりであります。
 同様に、台湾出身者においても、二国間の取り決めが困難になった状況を受けて、昭和六十二年に台湾住民である戦没者の遺族等に対する弔慰金等に関する法律を制定して、見舞金や弔慰金を支給した。しかし、在日台湾人は何らの措置も講じられずに現在に至っている。
 これらの特別永住者は、戦後もずっと日本人と同様に生活をして納税義務も果たしてこられたわけですね。その期間、援護法の制定があったけれども、制定後既に四十八年もたっている。それから、日韓請求権協定の締結後においてもう既に三十五年もたっている。なお現在も公務上の傷病等による障害に苦しんでいる方々が多いことは、御承知のとおりだと思います。社会的なハンディを負っていますけれども、どうしてもこれらの問題は差別的な取り扱いであるというふうに我々は認識をして、是正をするように立法作業を進めているところであります。
 大まかに、いわゆる当時の台湾の方々、朝鮮半島の方々が今どういうふうに取り扱われているかという現状を若干申し上げましたが、そういう認識で立法措置することは当然だと思いますが、長官の理解が得られますでしょうか。
#33
○続国務大臣 今、日韓関係二十四万人、日台関係二十一万人、そしてまた事実関係をいろいろとお述べになりました。まさにそのとおりだと私、認識しております。
 したがいまして、この問題につきましては、先ほども恩給法の枠内では処理できないけれども、同時に、例の裁判所の判決等を受けて、先ほど申し上げましたように、前内閣官房長官の時代にこの問題を何とか解決すべく努力する必要があるということで、外政審議室を中心に議論を進めている、こういう状況でございます。その議論を進めるということは、やはり何らかの結論を出すための議論だと私は思いますので、今しばらく時間をかしていただきたい。
 同時に、今お述べになりましたことは、私もそのとおりだと理解しております。
#34
○岩田委員 ぜひ前向きに取り組んでいただきたい。具体的には、現在その任にあられる長官でありますから、これはしっかりしていただかないと、別の角度からは憲法十四条に違反しているじゃないかという問題が法的にも出てきます。そのこともそういうふうに認識をしてよろしいですか。
#35
○持永政務次官 法律的な問題として、確かに、前回の援護法の関係で、この在日韓国人の人たちの問題について、立法政策をやらないということについては多少違憲のような疑いもあるんだというような、今まだ原告が上告いたしておりますから最終判決じゃありませんけれども、途中でそういう裁判の例もありますし、そういう意味で、私どもとしてはそれを深く重く受けとめなきゃならないと思います。
 実は、総務庁の場合は恩給を所管いたしておりまして、そういう立場で、今外政審議室の方でいろいろと御検討されておりますから、我々は恩給を所管する立場から、それに対して精いっぱいの御協力を申し上げて、御意見に沿うような形で結論が出るように努力してまいりたいと思っております。
#36
○岩田委員 長官にこの際、今の御答弁を聞いてお願いしておきたい点は、政府は一つなんですよ。外政審議室で、どうなるかわからぬけれども検討しておりますというのでは、余りにも、批判されているような縦割り行政という印象を受けますね。私、先ほども申し上げますように、長官としてびしっとやっていただく、次官も、外政審議室でどういう議論がされているかというのは、興味以上のものを、責任を持っていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 なお、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、西ドイツの同様の問題に対する調査を外務省がしておりますが、これは自国民と同様にみんな扱っておるんですよ。一九八二年の調査です。それも最初からそう扱っているだろう、アメリカなんかはそうだと思いますよ。これはやはり日本の権威というかステータスというか、国際的に見ても何だというふうにそしりを受ける一つでもあろうと思いますね。これは差別ですよ。そういうことをぜひ念頭に置いた立法作業をお願いしたい。我が党ももっと研究をして議員立法を提起していきたい、こういうふうに思っております。
 時間がやがて参るのだろうと思いますが、最後に、時間がなくなりましたが、トロトラストという、戦中にドイツから輸入された造影剤で苦しんでおる方々がおられますね。この方々の苦しみに対して、恩給法の範囲、もしくは、国家補償というのが恩給法の目的ですから、そういう観点から、投与された方々はがんになることはほぼ確実な方々です、どういう対応をされようとしているのか、お尋ねをいたします。
#37
○大坪政府参考人 御指摘のトロトラストの問題につきましては、昭和五十年代、恩給法の世界でも相当に大きな課題ということになったわけでございまして、現在の考え方といたしましては、その症状に応じたものとして、傷病恩給を出すというふうな考え方でございます。
 トロトラストが沈着しているだけで異状が認められない症状の方につきましては四款症、異状が認められる方につきましては、その症状の程度に応じまして増加恩給を支給するという考え方でずっと対応してきておりまして、現在のところ、トロトラストによりまして公務起因という格好で恩給を出した例といたしましては、傷病恩給で二百四件、公務扶助料で百九十七件になっております。その辺は、今後ともその状況に応じまして適切な対応をしていきたいというふうに思っております。
#38
○岩田委員 最後にお願いをしておきたいと思いますが、この方々は、実はその恩給を上げてくれというふうに言っておられるのじゃないのです。多くの方々が、戦争に行ったのは天皇陛下のために命を投げ出して行ったんだ、おおよその方がそう言われていますよね。ところが、そういう気持ちで行っているから命は惜しくないけれども、いわゆる恩給をちょっといじっただけでこれでよしとしている政府の態度に余りにも我慢ならぬ、こうおっしゃっているんですよ、これは難しい問題ですけれども。
 そういうことで、トロトラストという造影剤を投与されてもうほとんどの方ががんになられるわけですから、きょうはこれで質問を終わりますが、この方々への対応についても、次回にまた御質問しますけれども、ひとつ強く記憶にとどめておいてほしいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
#39
○植竹委員長 次に、河合正智君。
#40
○河合委員 公明党の河合正智でございます。
 青木官房長官にお伺いをさせていただきます。参議院での御審議を、御都合をおつけいただきまして御出席いただきまして、最初に感謝申し上げます。
 私は、平成十一年、昨年の三月九日でございますが、この衆議院の内閣委員会におきまして、先ほど来岩田先生がお取り上げの問題につきまして、すなわち、旧日本軍の軍人軍属であった在日韓国人等に対する恩給法、援護法の適用につきまして御質問させていただきました。
 その折、野中官房長官から、この世紀末にどういう措置をしておくことが我々の責任というものを果たせるか検討させていただく、このように御答弁いただきまして、また同日午後の記者会見におきましても、野中長官は、韓国とも十分話し合い、理解を得る中で、可能な限り解決へ努力をすることが内閣の大きな責務だ、このように語られているところでございます。
 さて、この問題につきまして、昨年十月の十五日、大阪高裁から新しく判決が出ているところでございます。
 まず、この判決に裁判所の所見がついております。ちょっと引用させていただきます。
 第二次世界大戦に伴ってこうむった悲惨な戦争被害について、日本国籍を有する軍人軍属等が援護法に基づき相応な補償を受けているのに対し、在日韓国人である軍人軍属等は戦後長期間にわたって日本及び韓国のいずれからも何らの補償を受けられないという状況に置かれていることが契機となって提起された訴訟であり、当裁判所としてもその点を十分認識している。
 また、日韓請求権協定の締結や人権規約の批准といった新しい事態が生じた後も、何ら是正されないまま放置され、政治的な解決はもちろん、人道的な見地からの解決も何ら進展していない、その是正を求めるために訴訟を提起せざるを得なかった心情についても、裁判所なりに相応の理解をしているという所見を述べられております。
 そして、判決文では、日韓請求権協定の締結により、在日韓国人軍属等がこうむった戦争被害について、日本及び韓国のいずれからも補償がされないことが明らかとなった昭和四十年六月二十二日、ちなみにこの日は日韓請求権協定締結の日でございますが、その日以降は、援護法に基づく給付を一切行わないことは憲法十四条に違反する疑いがあるとまで判決文で述べているところでございます。
 さらに、国はB規約を批准しており、昭和五十四年、一九七九年九月二十一日、この日日本は批准したわけでございますが、その国内的効力が発効しているのに、在日韓国人軍属等に援護法に基づく給付を一切行わないことは、右人権規約に違反する疑いがある、このようにも述べております。
 そして、さらに、国会が今後も何らの是正措置も行わずその是正に必要な期間を経過したような場合には、新たな立法措置をしない立法不作為、すなわち国家賠償法上の違法な行為と評価されることがあり得るとまで判決文で述べております。
 そして、さらに、先ほど申し上げました所見に戻りますと、その是正は、第一義的には、立法機関である国会において行うべきものと考える、在日韓国人である軍人軍属等の援護の問題を再検討し、日本が国際社会において占める役割や地位をも十分考慮の上、国籍条項及び戸籍条項の改廃を含め、本件の問題に関して、国際社会からも十分納得が得られるような是正措置がとられることを期待するものでありますと結ばれているわけでございます。
 この大阪高裁の判決につきまして、官房長官の御所見をお伺いさせていただきたいと存じます。
 次に、一九六五年六月二十二日、先ほど申し上げました日韓請求権協定の締結において、日韓両国間の財産請求権問題は完全かつ最終的に解決された、そして同協定は在日韓国人の財産、権利、利益には影響を及ぼさないということが確認されたわけでございます。
 この問題につきまして、すなわち在日韓国人の補償問題につきまして、日本政府は一切この解決済みの問題の中に含まれるというふうに解釈しておりますが、一方、韓国政府は同協定の影響を受けない財産、権利、利益に該当するので、請求権協定に基づく五億ドルの補償の対象にはならないと解釈しているわけでございまして、両国の解釈に完全な食い違いがございます。
 このような場合、同協定第三条では、外交上の経路を通じて解決すること、同条第一項、また、これにより解決できない場合は仲裁委員会を設置して解決する、同条第二項ないし第四項としているところでございますが、政府はこの手続を怠ってきたのではないですか。この点もお伺いさせていただきます。
 さらに、在日韓国人等の方は、実態は日本国民と全く等しい、日本で働き、日本で納税している方たちでございます。先ほど申し上げました野中官房長官にお伺いしたとき私が引用しました東京高裁の判決、平成十年九月二十六日判決の裁判所の所見では、援護法が外国人をその対象から除外したのは、外国人に対しては損害賠償問題として考慮するべき筋であるとの思想からであったとしても、在日韓国人は日本国籍を有し、日本の軍人軍属として戦争に従事したもので、援護法の運用開始時にはまさに日本国籍を有していたと解されるから、その立場は日本国籍を有する者に近いと言うべきである。日本国籍を有する者に準じて処理する方が実態に即してより適切であると言える。そして、現に日本に長年にわたって居住されているということを考慮すると、三つの点をこの所見で述べられているわけでございますが、そのうちの二つでございます。一つ、日韓両国の外交交渉を通じて日韓請求権協定の解釈の相違を解消し、適切な対応を図る努力をする、もう一つは、在日韓国人の戦傷病者について、これに相応する行政上の特別措置をするということを提言しております。
 行政府の長である長官にお伺いさせていただきたいと存じます。
#41
○青木国務大臣 お答えをいたします。
 本件につきましては、現在の恩給法、援護法等の範囲を超える問題でございまして、また、韓国の方々に係る財産請求権の問題については、昭和四十年の日韓請求権・経済協力協定により、在日韓国人の方々にかかわるものを含めて、日韓両国間では既に法的には完全かつ最終的に解決済みであるということは、議員御承知のとおりであります。
 しかしながら、これらの方々の置かれた状況にかんがみ、野中前官房長官の御指示を契機として、関係省庁の協力も得て、内閣外政審議室において、戦後処理の枠組みとの関係等、本件に対処するに当たっての種々の問題点につき調査検討が行われてきたところであります。また、私自身も、この問題につきまして、昨年の十一月、関係者の皆さんからかなりの時間をかけていろいろな事情をお聞きしてまいりました。
 本件は、係属中の提訴を含めて種々の経緯のある難しい問題と認識いたしておりますが、人道的観点からの検討が与党内で開始をされていると承知いたしております。この席に御同席の虎島先生を中心にそういう議論がなされておりますが、そういう議論が始まったということは、今議員おっしゃいましたように、大阪高等裁判所の判決を受けて、この問題は立法機関である国会において十分対応すべきである、その意を酌んだものでもあろうと私も考えております。
 本問題につきましては、私の前任の野中長官が、二十世紀を締めくくるに当たって私どもが十分検討し、解決しなきゃいかぬ問題だということを強く言っております。私も、この問題の解決に向けては、野中長官と同じ使命感と熱意を持って今後とも対応していきたい、そういうふうに考えております。
#42
○河合委員 大変青木長官らしい御答弁をちょうだいいたしました。
 最後に、重ねてこのことを御報告させていただきたいと思います。
 大阪高裁の原告である姜富中さん、八十歳におなりになっているかと思いますが、滋賀県で私もお会いさせていただきました。この問題が解決しない以上、死んでも死に切れないとおっしゃっておりました。また、東京高裁の原告でございます石成基さん、七十八歳でございます、横浜の病院に入院中のところ、私はお訪ねいたしました。昨年三月九日の内閣委員会での質疑と野中官房長官の答弁をそのままお伝えいたしましたところ、石さんはこのように申されました。私が言いたいことを全部あなたが言ってくださった、今度こそ解決してほしいという言葉でございました。
 年老いた、日本人として戦った傷痍軍人軍属のこの切実な叫びをお伝えさせていただきました。長官の御心情をお伺いできればと思います。
#43
○青木国務大臣 ただいまも申し上げましたように、そういう皆さんの気持ちを私どもも十分理解をして、この問題に全力を挙げて対処することがそういう皆さんに報いる道じゃないかと考えて、一生懸命頑張っていきたいと思っております。
#44
○河合委員 大変にありがとうございました。
#45
○植竹委員長 次に、中路雅弘君。
#46
○中路委員 今回の恩給法の改正の問題ですけれども、五三年に旧軍人恩給が復活いたしまして、上級の将校に非常に高額な軍人恩給が支給されている問題や、あるいは一方で他の戦争犠牲者に対する国の補償問題が放置されている、こういう点から、私たちはこの恩給法の内容あるいは性格に照らして、当時はずっと国会では反対をしてまいりました。しかし、その後、この受給者の九割が徴兵による一般兵であり、特に上厚下薄の是正が一定進みまして、公的年金の一つとして、七五年から私たちもこの恩給法には賛成をしてまいりました。
 今回のこの恩給法の改定も、一定の改善措置がとられたものであり、賛成する態度を最初に申し述べたいと思います。
 きょうは、前回から質問をしていました農林省の構造改善事業の疑惑問題を取り上げたいのですが、最初に総務長官に一言お聞きをしたいと思います。
 これも昨年十二月七日の当委員会で、官民交流法案に関連して、私は天上がりの問題を取り上げました。民間企業から各省庁に出向している実態を示して、自由任用、選考任用が、過去五年間で延べ人数が九百八十五人にもなっていること、そして、出向元企業の多くが金融関係、損保や証券会社などに多いということも指摘をしました。長官は、答弁で、私も実態を初めて知った、非常に驚いたという率直な感想も述べていただきましたが、長官、この天上がりの問題について、改善策を今検討されているということも聞いていますけれども、どんな改善策をとろうとされているのか、一問お聞きしておきたいと思います。
#47
○続国務大臣 今、中路委員が御みずから述べられましたように、昨年の官民交流法の御審議の際に、みずから十九省庁の天上がりの実態を調査されまして、私にその実態の表をいただきました。私は、率直に言って、初めてこの実態がわかりました、こういうふうに申し上げました。そして、官民交流法ができた以上は、この交流法に基づいて人事の透明性、公平性を確保いたします、こういうことをお誓い申し上げました。
 そこで、一つは、官民交流法、既に御議決いただいた法律、そしてもう一つは、これから御審議をいただくであろう任期つき任用の法律を出します。この二つの法律をもって天上がりの対応は完全にでき上がるものだと存じます。そして同時に、天上がりの実態を、私どもは三月いっぱいにかけて、今私ども自身が調査をしております。その調査ができ上がれば直ちに公表する、そして国民の皆様にその実態を明らかにさせていただく、こういうことを考えております。
 いずれにいたしましても、国民の皆様から批判がないような透明性の確保、そして公平性の確保、そういうものを図るためにも、官民交流法並びに任期つき任用、この二つの法律の運用ですべてのことを処理したい、こんなふうに考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
#48
○中路委員 官房長官に来ていただいていますので、きょうの質問であります構造改善事業の疑惑問題で青木官房長官に一問お尋ねしたいのですが、これは官房長官が、九四年の、平成六年六月二十二日の参議院の農水委員会で、農山漁村滞在型余暇活動のための基盤整備の促進に関する法律案、これは委員長提案で、私どもも賛成しました。全会一致で通っている法案でございますけれども、参議院の自民党の筆頭理事として、青木官房長官がこの法案を提案されているわけであります。当時、この提案が会期の非常に終了直前なんですね、六月二十九日だったですか。だから、私たちが関係の団体に聞きましても、例えば日本民宿協会等に聞いても、突然で非常に驚いているという戸惑いの話をされました。
 一言でいいのですけれども、この議員立法を提案されたのは、どの団体かあるいはだれかからか要請あるいは陳情等があったのかということを一問と、もう一つは、法案の柱の一つに農林漁業体験民宿業者の登録業務があります。この登録業務を行う公益法人を農水大臣が指定することとなっていますけれども、この法人が農林漁業体験協会。この農林漁業体験協会は、やはり昨年十二月七日、当委員会で私が指摘したように、コンサルタント業務の大半を民間業者に丸投げしていたことが明らかになった法人であります。
 当時は、一般のマスコミや新聞も、翌日、この協会が丸投げで収入七億円とか、いろいろ大きい見出しで報道したこの協会でありますけれども、いわゆる今度の農水省の収賄事件で問題になっているふるさと情報センターも含めて、これらの法人が癒着の温床とも指摘されているわけであります。大臣が提案されたのは、当然、都会人が農作業などの体験実習を通して自然や農村に触れるなど評価されるものでありますけれども、しかし、結果としてこうした温床にもなっているという問題であります。
 そして、総務庁の最近の、農業構造の改善対策に関する行政監察、九七年の九月を見ましても、これが、都市と農村の交流施設が温泉つきの宴会場に化けたり、研修用会議室がカラオケ教室に使われたり、農村振興のための補助金が本来の目的から外れているということも指摘されているわけであります。
 提案された法律の趣旨と、今大きく実態がかけ離れたことも指摘をされている。行政監察を見る限りでもそのことが言えるわけですが、この問題と二点について、官房長官から最初に、どんな感想をお持ちか、お聞きしておきたいと思います。
#49
○青木国務大臣 議員御指摘のように、確かに平成六年六月にこの法案を、私が提案理由の説明をいたしまして提案をいたして、いわゆる全会一致でこれは決定をしていただいております。
 ただ、議員も御承知のように、当時私が農林委員会に所属して筆頭理事をやっておりましたので、慣習として筆頭理事が提案理由の説明をするという慣例がございまして、それに従って私が提案理由の説明をしたわけでございます。それは、責任がないということを申し上げているわけではありません。そういう経過で私が説明をしたわけでございまして、これが出された背景、それから、今先生が御指摘になりましたような特定の団体からの働き、そういうものを私は一切受けてもおりませんし、承知もいたしておりません。
 それからまた、農林漁業体験協会のことについてでございますけれども、確かに行政監察の中で、目的と反するいろいろなことをやっておるという指摘を受けておることも事実でございますので、こういう目的に反することが行われないように、今後とも十分注意をしてやっていくことが一番大事なことだ、私はそういうふうに承知をいたしております。
#50
○中路委員 構造改善事業をめぐる職員と業者の癒着の問題に対する農水省の対応、これは正直言って、非常にお粗末過ぎると思うのです。本当に自浄作用が機能したのかどうか、疑問であります。
 構造改善事業の疑惑が、投書あるいは風聞をもとに、昨年一月、調査委員会を局の中に設置して、二月に中間報告があった。三月に五人を内々で口頭注意処分をした。今度の逮捕された上甲被告もこの中に入っていますけれども。七月に中間報告の内容を私たちの機関紙が暴露して報道して、一般のマスコミもこれを報道してから慌てて記者会見をして、その後、飲食接待や韓国旅行などが発覚して、十二月にまた職員を処分する。そして、今回の一月、新たな癒着問題が発覚して、再々度調査を行って、関係職員十八人ですか、処分しています。
 このような対応を見ると、農水省あるいは構造改善局でどんな調査をしたのか。私は、大変お粗末であり、非常に反省すべき点が多いかと思いますけれども、一言これについてお聞きしたいのと、いずれの調査報告を見ても、便宜供与はなかったと言明しています。しかし、接待する方はただで接待するはずがない。何らかの見返りや期待を持って接待するはずであります。これは世間の常識だと思うのですね。接待について農水省はどういう認識を持っておられるのか。この二点について簡潔にお答え願いたい。
#51
○渡辺政府参考人 二点お尋ねがございました。
 第一点目の、調査委員会の調査のことであります。
 この調査は、大臣訓令に基づきまして実施をしているものでございます。構造改善事業の事業の執行体制の適正化というのが最大の目的でありまして、犯罪行為の摘発を目的としたものではございません。執行体制の適正化につきましては、昨年の三月、四月から着実に進めているところでございます。
 ただ、この調査委員会自身は強制権限がないということで、本人の自己申告をベースにしておりますけれども、その中でできる限りのことはやったというふうに私思っております。過去五年にさかのぼって百六人を調査する、そして当人からの申告だけではなく、同伴をした者、それから相手になった者、さらには現場にも出かけて調査をいたしております。ただ、申し上げましたように強制権限がございませんので、その意味で、双方から申告がなかったこの種の、現金授受といったようなことにつきまして事実関係を把握できなかったというのは、まことに残念に思っております。
 いずれにいたしましても、この件は捜査当局の手にゆだねられておりますので、その推移を見守りたいと考えております。
 二点目の、接待なりあるいは便宜供与の問題であります。
 農林水産省職員倫理規程の第三条第二項第一号におきまして、関係業者等との間で接待を受けることは、その理由のいかんを問わず禁止されております。
 それから、今先生、便宜供与というお言葉を使われて報告書を引用されました。報告書の中に三カ所ほど便宜供与という言葉が出てまいります。便宜供与の事実はなかったというふうに言っておりますが、これは職員が関係業者に便宜を供与するのではなく、関係業者から職員に対する便宜供与ということはなかったという記述でございまして、ちょっと、先生の御質問の趣旨とこの報告書で言っていることとは逆でございます。
#52
○中路委員 今度の収賄容疑で逮捕された上甲容疑者は、九六年十一月、韓国旅行に行っているわけです。先ほどの農水省の調査結果を見ますと、上甲容疑者は費用負担があるということになっていますけれども、しかし、関係者から私たちが聞きましたところ、上甲容疑者は航空運賃と現地の宿泊代を合わせて四万円程度を負担しただけで、残りの金額は、後でお話ししますが、大川農協コンビナート協同組合側が負担したと聞いています。この点で、捜査をされている警察庁お見えですが、この事実は御存じですか。
#53
○林政府参考人 まことに恐縮でございますけれども、警察がいかなる捜査上の事実を把握しておるかにつきましては、現に個別具体的な事案が進んでおりますので、それにかかわる事柄でございますので、ひとつ答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
#54
○中路委員 贈収賄容疑で問題になった四国大川農協にかかわる問題、これは今回の容疑だけにとどまらない疑いがあると思います。
 時間もありませんから私の方で整理をして数字をお話ししますけれども、八九年度から九九年度の十年間、平成十一年まで、この四国大川農協に対する補助金の問題で膨大な資料をいただきまして、全部計算をしました。私の方で数字を言いますと、四国大川農協に対する補助金は、構造改善局関係で十八億二千八十万八千円、農産園芸局関係で四億八千四百四十五万九千円、三番目に畜産局関係で千六百二十五万三千円、食品流通局関係で七百九十七万一千円の、総合計二十三億二千九百四十九万円余りが補助金として単一の、一つの農協ですね、大川農協に渡されているわけであります。
 この数字は間違いないかということも答弁のときにお尋ねしますけれども、単一農協としては決して少ない額ではありません、構造改善局から出されている補助金。これは全国構造改善協会の機関誌で、最近組合長等が座談会に出ていますけれども、これを見ても、表題が「四国路に農魂商才の華」ということでいろいろ書いていますが、インタビューに答えて、各種の補助事業を活用して補助金をもらって、事業は切れ目なく続いているということを発言しています。補助事業の採択に当たって便宜を図ったことはありませんか。数字の確認と二点、短くひとつお願いします。
#55
○渡辺政府参考人 集計をされたということでありますが、十一年度の実施につきましては、これはまだ予定額で交付をされておりませんので、八九年から九八年までですと、農林水産省からの補助金の支出総額は約十八億円であります。なお、単一の農協ではなく、関連会社その他を含むこの地域へということでございます。(中路委員「十一年度は予算を加えているんです。加えればそうなるんですよ」と呼ぶ)ですから、これは、事業を執行するかどうかというのはまだ決まっておりません。
 それから一点だけ申し上げますが、このJA四国大川が実施した事業の規模なりを比較してみますと、一事業当たりの規模も、例えばJA大川で三億円、全国の平均で五億円ということでございますので、必ずしも規模からいっても過度なものではございませんし、この農協自身が非常に広範囲な地域を管轄区域とする広域の農協で、組合員数も非常に多い、意欲も高いということで、地元の申請を厳正に審査をした上で採択、実施をされたものと考えております。
#56
○中路委員 さっきの数字は、九年間は決算です。最後のものは予算なんです。それは私も承知しているのです。それで合計した額がさっきの額になる。
 上甲容疑者は、地域振興課の課長補佐の後、九六年四月から九八年三月三十一日まで構造改善事業課の課長補佐に就任しています。この間の四国大川農協に対する構造改善事業の補助金は、九六年農協本体はゼロだったのですが、上甲容疑者が就任した後は、九七年農協本体に一億四千七百五十七万二千円、九八年度に農協本体に一億三千九百四十三万円、関連会社である協同サンミックスに一億二千五百二十万六千円となっています。
 上甲容疑者は、大川コンビナート協同組合の役員らと、九六年十一月と九七年二月に韓国旅行に行き、その費用の一部を協同組合側が負担しています。また東京の赤坂、銀座で十二回飲食を行っている。さらには同時期に、組合関係者とのゴルフも行っています。
 さらに、まだ名前を出しませんが、一月に処分されたS氏は、九七年五月に農協関係者と中国旅行に行っています。同氏は、九五年四月から九八年三月まで中四国農政局の構造改善課長、その後本省の構造改善事業課課長補佐になっています。
 警察庁、構造改善事業課をも家宅捜査を行っておられますが、構造改善事業補助金に対する便宜供与を視野に入れて捜査をやっておられるのですか。
#57
○林政府参考人 先ほどの答えと同じでまことに恐縮でございますけれども、現に個別の事件として捜査を行っておるものの具体的な捜査状況あるいはそれにかかわるものについては、答弁を差し控えさせていただきたい。
 ただ、当然、一般論でありますけれども、警察としましては、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、それは法と証拠に基づいて厳正に対処してまいるということで、御理解をいただきたいと思います。
#58
○中路委員 時間が来ていますので、もう一問で終わります。
 今回の汚職事件、構造改善事業の疑惑、これは氷山の一角だと思うんですね。構造改善局は農水省の公共事業関連予算の大半を、一兆二千億を持っています。土地改良などの基盤整備事業を行っています。この予算をめぐっていろいろ公益法人や業者などが群がっていく利権の構図にもなっているということをマスコミも報道しているわけです。私は、この点にメスを入れない限り、利権はなくならないと思います。
 こういう点で、最後に、まだ捜査中だということで具体的な内容は触れられませんけれども、こうしたところにメスを入れて、捜査当局の決意を一言お聞かせ願って、終わりたいと思います。
#59
○林政府参考人 警察におきましては、ただいま申し上げましたように、刑罰法令に違反する行為がございましたのならば、これは法と証拠に基づいて厳正に処置してまいるという所存でございます。
#60
○中路委員 終わります。
#61
○植竹委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#62
○植竹委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 恩給法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#63
○植竹委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○植竹委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#65
○植竹委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十二分散会

ソース: 国立国会図書館
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