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2000/03/09 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第9号
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2000/03/09 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第9号

#1
第147回国会 本会議 第9号
平成十二年三月九日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第七号
  平成十二年三月九日
    午後零時三十分開議
 第一 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 大豆なたね交付金暫定措置法及び農産物価格安定法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第五 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第六 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 大豆なたね交付金暫定措置法及び農産物価格安定法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第六 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 教育職員免許法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後零時三十三分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#3
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長植竹繁雄君。
    ―――――――――――――
 恩給法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔植竹繁雄君登壇〕
#4
○植竹繁雄君 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、恩給受給者に対する処遇の適正な改善を図るため、平成十一年における公務員給与の改定及び消費者物価の動向その他の諸事情を総合勘案し、恩給年額を平成十二年四月分から〇・二五%引き上げるほか、遺族加算額等についても所要の改定を行おうとするものであります。
 本案は、三月一日本委員会に付託され、昨八日続総務庁長官から提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、採決いたしましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 大豆なたね交付金暫定措置法及び農産物価格安定法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#7
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第二、大豆なたね交付金暫定措置法及び農産物価格安定法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長松岡利勝君。
    ―――――――――――――
 大豆なたね交付金暫定措置法及び農産物価格安定法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔松岡利勝君登壇〕
#8
○松岡利勝君 ただいま議題となりました大豆なたね交付金暫定措置法及び農産物価格安定法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、需要の動向に応じた大豆の生産の確保を図るため、大豆に係る交付金について、農家所得に販売価格が的確に反映されるようその金額の算定方式を変更する等の措置を講ずるとともに、菜種の生産の状況にかんがみ、大豆なたね交付金暫定措置法及び農産物価格安定法の適用対象から菜種を除外する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、三月七日玉沢農林水産大臣から提案理由の説明を聴取した後、昨八日政府に対する質疑を行いました。
 質疑終了後、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#10
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第六 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#11
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第三、明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案、日程第四、国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案、日程第五、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案、日程第六、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。建設委員長大口善徳君。
    ―――――――――――――
 明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
 国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔大口善徳君登壇〕
#12
○大口善徳君 ただいま議題となりました四法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、明日香村における歴史的風土の保存を住民生活との調和を図りつつ行うための明日香村整備計画を平成十二年度以降についても策定し、同計画を円滑に推進するため、本年度末で期限切れとなる明日香村が行う事業に対する国の負担または補助の割合の特例措置を、引き続き平成二十一年度まで延長しようとするものであります。
 次に、国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、国土調査事業の緊急かつ計画的な実施の促進を図るため、内閣総理大臣は、新たに平成十二年度を初年度とする国土調査事業十カ年計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないこととするものであります。
 次に、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、居住環境が良好で家賃が適正な賃貸住宅の供給を促進するとともに、水田の宅地化に資するため、農地の所有者がその農地を転用して行う賃貸住宅の建設等に要する資金の融通について政府が利子補給金を支給する旨の契約を結ぶことができる期限を、六カ年延長しようとするものであります。
 最後に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、特定市街化区域農地の宅地化を促進するため、特定市街化区域農地の所有者が市に対して土地区画整理事業の施行の要請をすることができる期限及び特定市街化区域農地の所有者等が当該農地を転用して賃貸住宅または分譲住宅を建設する場合等における住宅金融公庫の貸し付けの特例を適用する期限を、平成十八年三月三十一日まで延長する等の改正を行おうとするものであります。
 四法律案は、去る二月二十三日本委員会に付託され、翌二十四日、明日香村における歴史的風土の保存及び生活環境の整備等に関する特別措置法の一部を改正する法律案は青木内閣官房長官から、国土調査促進特別措置法の一部を改正する法律案は中山国土庁長官から、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案は中山建設大臣から、それぞれ提案理由の説明を聴取し、三月八日に質疑を行い、同日採決の結果、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、各法律案にはそれぞれ附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(伊藤宗一郎君) 四案を一括して採決いたします。
 四案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、四案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 教育職員免許法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#15
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、教育職員免許法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。文部大臣中曽根弘文君。
    〔国務大臣中曽根弘文君登壇〕
#16
○国務大臣(中曽根弘文君) 教育職員免許法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成十五年から高等学校の教育課程に新設される教科「情報」及び「福祉」を担任する教員の養成確保を図るなど、高等学校等の新しい教育課程への対応を図る必要があります。
 また、社会人の有する専門的な知識、技能を広く学校教育に生かすため、学校教育への社会人の活用を促進するとともに、社会人から教員となった者の資質能力の向上を図ることが重要であります。
 さらに、教員の資質能力の向上を図るため、教員が大学等において所定の単位を修得することにより上位の免許状を取得できる制度の改善を図る必要があります。
 今回御審議をお願いする教育職員免許法等の一部を改正する法律案は、以上の観点から、教員免許制度の改善を図るものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 まず第一に、高等学校の教科の改正に伴い、高等学校の教員の免許状に係る教科として「情報」、「情報実習」、「福祉」及び「福祉実習」を新設することであります。
 あわせて、必要な教員を確保するため、「工業」または「看護」等の教科の免許状を有する者で所定の講習を修了したものに、「情報」または「福祉」の免許状を授与することができることとするものであります。
 第二は、専門的な知識または技能を有している社会人に免許状を授与する特別免許状制度について、所定の在職年数と単位の修得をすることにより普通免許状を取得できる制度を設けるものであります。
 第三は、専修免許状の質及び水準を確保し、教員の資質能力の維持向上を図るため、一種免許状を有する教員が専修免許状を取得する際に修得することが必要な単位数が在職年数に応じて逓減する措置を廃止するものであります。
 第四は、平成十二年から、盲学校、聾学校及び養護学校の教育課程における「養護訓練」を「自立活動」に改めることに伴い、盲学校、聾学校または養護学校の「自立活動」の免許状を有する者が引き続き他の学校において「自立活動」の教授を担任できるよう、「養護訓練」を「自立活動」に改めるものであります。
 最後に、この法律は平成十二年七月一日から施行することとし、ただし、「養護訓練」から「自立活動」への改正については同年四月一日から施行することとするものであります。
 以上が、法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 教育職員免許法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#17
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。田中甲君。
    〔田中甲君登壇〕
#18
○田中甲君 私は、教育職員免許法等の一部を改正する法律案並びに関連する文教施策について、民主党を代表して質問をさせていただきます。
 本案は、情報通信革命や高齢社会の急速な進展といった社会情勢の変化を反映した改正案であり、民主党としても、反対するものではありません。
 しかしながら、社会情勢の変化を教育が後追いをしている感が否めないところがあります。むしろ、積極的に社会情勢を先取りした二十一世紀に向けての教育制度づくりにこたえる姿が、本来求められているのではないでしょうか。
 今回は、こういう観点も含めて、何点か質問をさせていただきたいと思います。
 まずは、改正案四条、「情報」の教員免状教科新設についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 これは、IT革命を反映したカリキュラムの新設に伴う改革の一環であり、高校生にコンピューター技術を習得させ、インターネットを通じても国際社会に入っていける人材を育成するものであり、教育立国実現のための施策として積極的に推進していく立場から、我が党も、必要なものと受けとめています。
 しかしながら、この情報通信革命には負の部分があることも認識が必要とされています。ネットの上のあふれる情報の中には、例えば麻薬を販売するサイトや無機的に暴力シーンを垂れ流しにするものなど、これら青少年に多大な悪影響を与えるホームページも含まれ、はんらんする情報の中で自分を見失っていく若者が、仮想社会の中から犯罪へと駆り立てられ、現実社会の常識から逸脱していく姿には、強い警告がされなければなりません。
 「情報」の教員免状教科の新設に当たっては、単に情報技術の教育であってはならず、青少年が、はんらんする情報の選択能力を持てることが重要と考えます。情報化社会においてこそ自立をキーワードにした教育が求められているのではないでしょうか。
 この点について文部大臣の御所見をいただきたいと思います。
 また、教育現場からは、「情報」科目新設により、コンピューターの設置やインターネットの接続により発生する料金が、予算面で学校に及ぼす影響について懸念する声が寄せられております。具体的な措置が望まれていますので、この点もあわせて文部大臣の御答弁をいただきたいと思います。
 次に、本案の免許教科「福祉」の新設に関連してお尋ねをさせていただきます。
 高齢社会における福祉教科の必要性は論をまたないところでありますが、しかし、それ以上に今問題にしなければいけないのは、現在の日本において命というものが余りにも軽く扱われているということではないでしょうか。
 崩壊する家庭や社会の中で、自分の役割を見失った中高年層がみずからの命を絶つ悲劇が不況の中相次ぎ、自殺者が年に三万二千人を超え、交通事故で亡くなる方の実に三倍となっています。青少年が自分より小さい者、弱い者を殺害する事件が相次いでいます。
 また、動物の命を粗末にする人が絶えず、その結果として、猫が三十万匹、犬においては四十万匹が毎年人の手によって殺されています。
 二十世紀の平和の象徴とされるマハトマ・ガンジーは、国家の偉大さや道徳的水準は、その国の動物たちがどのように扱われているかによって判断ができると言いました。
 命が大事にされていない日本の現状について、また教育の場でいかに命の大切さを子供たちに教え、自分と同じように人の命を大切にする心をはぐくんでいくか、文部大臣の御所見をいただきたいと思います。
 さらに近年、我が国においては、親から子供に対する暴力行為により、深い傷を受け、場合によっては、幼い命を奪われる事件が激増しています。
 名古屋にあるCAPNAというNGO団体は、平成十年度に、虐待によって百三十一人の子供の命が失われたとの報告をしています。こうした事態を一刻も放置できないことと考え、現行法令においては児童虐待の定義すらない、その状態を回避していかなければなりません。
 また、虐待の国民的関心の高まりを受けて、相談件数が年間六千九百三十二件、最近八年間で六倍にも増加しており、児童相談所からは、現状では対応し切れないという声が届いています。
 さらに、虐待の最終的な解決につながる、子供や親に対するカウンセリング、心のケアというものが十分にされているとは思えません。
 今こそ、現行法制度を整備し、施策を充実することが必要とされています。
 政治とは、突き詰めるならば、命を守ること、二十一世紀に向けて、日本は命を最もとうとぶ国、尊命国家を目指すべきであります。我が党も、国政において、子供の虐待の問題を初め命にかかわる取り組みを行ってまいりますが、今後、政府としてこの命の問題にどう取り組んでいかれるのか、児童福祉法の改正も含め、厚生大臣の答弁を求めたいと思います。
 本案においては、「福祉」の科目の新設、実施に当たっても、高齢者や身障者に限らず、この児童虐待の問題を考え防止する姿勢を教える能力を学校の先生が身につけ、カリキュラムにおいても盛り込まれることを望むものでありますが、文部大臣は、この点、どのようにお考えでありましょうか。御所見を賜りたいと思います。
 今世紀は、戦争により、アジア一帯において多くの命が失われ、我が国においても例外でなく、戦争に参加し、とうとい命が失われました。しかし、我が国では、戦後五十有余年が経過した現在もなお、この問題の取り上げ方が教育現場に戸惑いを与えてきたことは否めない事実であります。
 ドイツのワイツゼッカー元大統領は、演説の中で、過去に目を閉ざす者は、結局現在にも盲目になると語り、ドイツは、戦後一貫して歴史的事実の究明を進め、近隣諸国からの信頼を得て、ヨーロッパ統合の牽引役を務める国になりました。
 二十一世紀には、西にドイツあり、東に日本ありと言われるように、アジアの諸国から信頼され、東アジアの平和と繁栄を生み出していくという日本の姿と、その役割をつくり出していかなければなりません。
 すなわち、この前提として、我が国が自発的に歴史的事実の究明を行い、二十一世紀を担っていく次世代に、「真理が我らを自由にする」という信念のもと、学校教育の現場でも正確に事実を伝えていく必要があると考えますが、文部大臣はどのようにお考えになられるでしょうか。御答弁をいただきたいと思います。
 最後に、別表第三関係、特別免許状制度の改善に関して、若者の政治参加についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 昨今の我が国の投票率の低下の問題は、民主主義の根幹にもかかわるものであり、特に二十代前半の若者の投票率は、国政選挙において三割を切る危機的状況に陥っています。
 幕末は若い志士たちが明治維新をなし遂げ、戦後も若い力によって、日本は奇跡的な復興を果たしました。
 終戦直後の第八十九回帝国議会において、堀切善次郎内務大臣は、「清新溌剌、純真熱烈ナル青年有権者ノ選挙ヘノ参加ニ依リマシテ、選挙界ノ固著セル幣竇ヲ一新シ、之ニ新日本建設ノ新シキ政治力ヲ形成スル重要ナル要素ヲ加ヘルコトニ相成ルモノト信ジテ居ル次第デアリマス」と高らかに演説し、若い人の力の必要性を説いたのであります。
 幕末、終戦後に続く、第三の変革期と言われている今、我が国も、選挙権年齢を十八歳に引き下げ、あわせて、民主主義の小学校と言われる地方議会への立候補権も与えることが、議会の活性化に資することと提案をいたします。
 海外に目を向けると、百五十六カ国が選挙権年齢を十八歳としており、また、その多くの国が、地方議会選挙に立候補できる被選挙権年齢も同じく十八歳以上としています。
 日本の教育現場では、政治制度や仕組みの教育に重点が置かれ、政党政治にはあえて触れず、弁論を競うということは、ほとんど行われていません。
 アメリカでは、小学校のうちからクラスを民主党と共和党に分け、それぞれの政策、主張をディベートで闘わせる授業が行われています。子供は、十二歳から十三歳まででほぼ成人と同程度の政治意識を形成していると言われています。
 弁論を競うことは、古代ギリシャから始まる民主主義の基本であり、言葉に出し主張し合うことで筋道立てた考え方が身につき、自己の確立と他者との相違の必然性を知ることができるのであります。
 成熟しない我が国の民主主義は、このように小学校で公民教育改革を行うことから考えていかなくてはならないのではないでしょうか。
 本案では、わずか四十二人にとどまっている社会人の教員免状取得を促進させることも内容としており、今後は生きた政治教育ができる人材の登用もあわせて検討すべきだと考えますが、この点についても文部大臣の御所見を求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣中曽根弘文君登壇〕
#19
○国務大臣(中曽根弘文君) 田中甲議員にお答えをいたします。
 まず最初に、青少年の情報選択能力についてのお尋ねでありますけれども、情報化の中で、子供たちが主体的に必要な情報を取捨選択し、みずから情報を発信することができる能力を身につけることは極めて重要であると考えます。
 このため、新しい学習指導要領では、みずから学び、みずから考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力を育成することを重視するとともに、中学校の技術・家庭科や高等学校に新たに設けた情報科において、過剰な情報量への対応など情報化が及ぼす影響についての指導を充実し、情報社会に主体的、自立的に対応できる資質や能力の育成を図ることとしております。
 次に、コンピューターの設置やインターネット接続についてのお尋ねでございますけれども、学校のコンピューターについては、平成十二年度から平成十七年度までに、新たな整備方針により、コンピューター教室に児童生徒一人当たり一台を整備するとともに、各学校の普通教室に二台ずつの整備を進めていくこととしております。また、インターネット接続につきましては、平成十三年度までに、すべての公立学校がインターネットに接続し教育活動に活用できるよう、計画的な整備を推進しているところでございます。
 次に、命を大切にする教育についてのお尋ねでございますけれども、自殺の増加や、小さな子供や弱いものなどの生命が失われる事件が相次いでいることなどには、私としても心を痛めているところでございます。
 学校では、道徳教育の基本的な目標として、人間尊重の精神と生命に対する畏敬の念を、学校教育活動全体を通じて、家庭、学校、その他社会における具体的な生活の中に生かすよう指導をしております。また、国語、理科、生活科などのさまざまな学習を通じて、命の大切さや生き物を愛護する態度や思いやりの精神などを身につけさせるよう指導することとしております。
 今後とも、学校教育活動全体を通じて、命を大切にする教育について私としても全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
 次に、児童虐待の問題を考え防止する姿勢を教える能力を教員が身につけ、カリキュラムにも盛り込むべきとのお尋ねでございますけれども、新設いたします教科「福祉」では、児童福祉についても取り上げることとしており、その中で児童虐待の問題についても取り上げることになるものと考えております。
 また、「福祉」の教員免許状を取得するための必修科目の具体的な内容については、本法律案の成立後に、学習指導要領の内容に照らし、適切な科目を設定することとしており、御指摘の点につきましては、新しい学習指導要領の趣旨を踏まえつつ、適切に対応してまいる所存でございます。
 次に、歴史教育についてのお尋ねでございますけれども、学校における歴史教育は、児童生徒が我が国の歴史に対する理解と愛情を深め、国際社会に生きる民主的、平和的な国家社会の形成者として必要な資質を身につけることを目指して行われているところであります。
 我が国と近隣アジア諸国との間の歴史につきましても、歴史研究における学問的な研究成果を踏まえ、児童生徒の発達段階に応じて事実を正確に伝えていくことが重要であります。文部省といたしましては、今後とも、国際理解と国際協調の精神を身につけ国際社会に活躍できる日本人を育成する観点から歴史教育を推進してまいります。
 次に、生きた政治教育ができ得る人材の登用に関するお尋ねでございますけれども、児童生徒が政治に関心を持ち、民主社会の一員としてふさわしい知識や判断力を身につけるようにする上で、さまざまな課題について自分なりの考えを持ち、これを論理的に表現したり、根拠を明らかにして効果的な論理を展開したりする能力は、これからの大切な資質の一つであると考えております。
 こうした指導の充実のため、特別免許状制度等により、教育の政治的中立性に留意しつつ、生きた政治教育ができ得る社会人を学校現場に登用していくことも大切であると考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕
#20
○国務大臣(丹羽雄哉君) 私に対しましては、児童福祉法の改正を含めまして児童虐待への対応についてのお尋ねでございますが、まず、児童虐待の問題は、これまでどちらかというと家庭内の問題としてその対応がとられがちでございましたが、私自身、子供の人権、尊厳にかかわる重要な問題であると認識しており、社会全体で取り組まなければならない、このように考えているような次第でございます。
 そこで、厚生省といたしましては、児童虐待の発生防止や早期発見、早期対応に向けて、児童虐待の実態把握やその原因の分析、さらに速やかな通告の促進、そして児童相談所の体制の強化や関係機関との連携の強化など、引き続きあらゆる取り組みを強化してまいる所存でございます。
 こうした取り組みの中で、法的整備の問題につきましては、家庭内に行政が介入すべきかどうかなどの問題もございますが、児童の虐待防止を効果的に進めていくためには何が必要であるかという観点から、その必要性についてもこれから検討を進めてまいりたい、このように考えているような次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
#21
○議長(伊藤宗一郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#22
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時八分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        文部大臣    中曽根弘文君
        厚生大臣    丹羽 雄哉君
        農林水産大臣  玉沢徳一郎君
        建設大臣
        国務大臣    中山 正暉君
        国務大臣    青木 幹雄君
        国務大臣    続  訓弘君
 出席政務次官
        文部政務次官  河村 建夫君
ソース: 国立国会図書館
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