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2000/03/16 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第12号
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2000/03/16 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第12号

#1
第147回国会 本会議 第12号
平成十二年三月十六日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十号
  平成十二年三月十六日
    午後零時三十分開議
 第一 過疎地域自立促進特別措置法案(地方行政委員長提出)
 第二 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第五 教育職員免許法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第六 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案(厚生委員長提出)
 第七 栄養士法の一部を改正する法律案(厚生委員長提出)
 第八 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
     ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 過疎地域自立促進特別措置法案(地方行政委員長提出)
 日程第二 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 教育職員免許法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第六 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案(厚生委員長提出)
 日程第七 栄養士法の一部を改正する法律案(厚生委員長提出)
 日程第八 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑

    午後零時三十三分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第一 過疎地域自立促進特別措置法案(地方行政委員長提出)
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、過疎地域自立促進特別措置法案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。地方行政委員長斉藤斗志二君。
    ―――――――――――――
 過疎地域自立促進特別措置法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔斉藤斗志二君登壇〕
#6
○斉藤斗志二君 ただいま議題となりました過疎地域自立促進特別措置法案について、趣旨弁明を申し上げます。
 まず、本案の趣旨について御説明申し上げます。
 過疎問題につきましては、昭和四十五年以来三度にわたり、議員立法による特別措置が講ぜられたところでありますが、現行の過疎地域活性化特別措置法は、この三月末日をもって失効しようとしております。
 これまでの間、過疎地域の公共施設等の整備は相当進んできましたが、若年者の流出などによる人口減少と著しい高齢化など、引き続き厳しい状況が続いております。
 一方で、交流の拡大、情報通信の発達、価値観の多様化など地域を取り巻く環境の変化の中で、これからの過疎地域は、懐深い風格ある国土を形成するとともに、都市地域と相互に補完し合うことで、豊かな国民生活を実現するために重要な役割を担うことが期待されております。
 このような見地から、人口の著しい減少により、地域社会の活力が低下し、生産機能及び生活環境の整備等が低位にある地域について、総合的かつ計画的な対策を実施し、もって住民福祉の向上、雇用の増大、地域格差の是正及び美しく風格ある国土の形成に寄与するため、本案を提出した次第であります。
 次に、本案の内容について御説明申し上げます。
 まず第一に、過疎地域の要件でありますが、人口要件と財政力要件を定め、これら二つの要件に該当する市町村の区域を過疎地域といたしております。
 なお、過疎地域市町村の追加につきましては、平成十二年に実施される見込みの国勢調査の確定人口により行うこととしております。
 第二は、過疎地域自立促進対策を総合的かつ計画的に推進するため、都道府県が定める過疎地域自立促進方針に基づき、市町村及び都道府県はそれぞれ過疎地域自立促進計画を策定することとしております。
 第三は、国の負担または補助の割合の特例、過疎対策事業債の発行、都道府県による基幹的な市町村道等の代行整備、税制上の特例等の特別措置を講ずることとしております。
 第四は、合併により過疎地域の要件に該当しなくなる区域について、引き続き過疎地域とみなしてこの法律上の特別措置を適用することとしております。
 第五は、この法律は、平成十二年四月一日から施行し、十年後の平成二十二年三月三十一日限りでその効力を失うこととしております。
 また、現行法に基づく過疎地域の市町村のうち、本法では対象とならない市町村に対しては、財政上の激変を緩和するために、過疎対策事業債の発行等の措置を引き続き五年間講ずることとしております。
 以上が本案の提案の趣旨及びその内容でありますが、本案は、去る十四日地方行政委員会において、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであります。
 なお、本案を決定するに際しまして、内閣の意見を聴取いたしましたところ、中山国土庁長官から、本案について特に異存はない旨の意見が述べられました。
 何とぞ、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#9
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第二、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長武部勤君。
    ―――――――――――――
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔武部勤君登壇〕
#10
○武部勤君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、裁判所における事件の適正迅速な処理を図るため、判事補の員数を七十人、裁判官以外の裁判所の職員の員数を十六人増加しようとするものであります。
 委員会においては、去る十四日臼井法務大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑を行い、これを終了し、直ちに採決を行った結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#13
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第三、国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案、日程第四、関税定率法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長金子一義君。
    ―――――――――――――
 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
 関税定率法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔金子一義君登壇〕
#14
○金子一義君 ただいま議題となりました両案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案については、行政コストの削減を図るために、国家公務員等の外国出張の際の航空賃の支給基準の見直し等を行おうとするものであります。
 また、関税定率法等の一部を改正する法律案について、本案は、関税の納税申告前に輸入貨物の引き取りを可能とする簡易申告制度の導入を図ることを柱とする改正であります。
 両案は、去る三月八日宮澤大蔵大臣から提案理由の説明を聴取の後、質疑を行い、去る三月十四日質疑を終局、次いで、両案について順次採決いたしましたところ、国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案は全会一致をもって、また、関税定率法等の一部を改正する法律案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、関税定率法等の一部を改正する法律案に対し、附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第三につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、日程第四につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#17
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第五 教育職員免許法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#18
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第五、教育職員免許法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。文教委員長鈴木恒夫君。
    ―――――――――――――
 教育職員免許法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔鈴木恒夫君登壇〕
#19
○鈴木恒夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、学校教育をめぐる状況の変化や社会の要請に対応するため、教員免許制度について所要の改善を図ろうとするもので、その主な内容は、
 第一に、高等学校に新設される情報、福祉の教科に対応する免許教科を新設すること、
 第二に、特別免許状を有する教員が普通免許状を取得できる制度を創設すること、
 第三に、一種免許状を有する教員が専修免許状を取得するための要件を改善すること
などであります。
 本案は、二月八日本院に提出され、三月九日本会議において趣旨説明及び質疑を行い、同日本委員会に付託されたものであります。
 本委員会におきましては、三月十日中曽根文部大臣から提案理由の説明を聴取し、同月十五日質疑を行い、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#22
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第六及び第七は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第六 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案(厚生委員長提出)
 日程第七 栄養士法の一部を改正する法律案(厚生委員長提出)
#24
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第六、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案、日程第七、栄養士法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。厚生委員長江口一雄君。
    ―――――――――――――
 環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案
 栄養士法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔江口一雄君登壇〕
#25
○江口一雄君 ただいま議題となりました二法案について、提案の趣旨説明を申し上げます。
 まず、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、環境衛生関係営業を取り巻く状況にかんがみ、営業者の自主的、主体的な取り組みを支援する体制の整備を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、法律の題名及び目的規定に環境衛生関係営業の振興を加えること。
 第二に、環境衛生同業組合等の事業に、組合員の営業に係る地域社会の福祉の増進に関する事業の実施に資する事業を加えること。
 第三に、厚生大臣は、利用者または消費者の選択の利便の増進に資するため、標準営業約款に関する情報を提供するよう努めるものとすること。
 第四に、国及び地方公共団体は、環境衛生同業組合等に対して必要な助成その他の援助を行うよう努めなければならないものとすること。
 第五に、環境衛生を生活衛生に改めること。
 なお、この法律は、公布の日から一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。ただし、環境衛生同業組合等の名称の変更等については平成十三年一月六日から施行することであります。
 次に、栄養士法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、生活習慣病の予防が国民の健康面における大きな課題となっており、これらの疾病の発症と進行を防ぐには食生活の改善が重要であることにかんがみ、管理栄養士制度の見直し等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、管理栄養士を、傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導等を行う者として位置づけること。また、管理栄養士が傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導を行うに当たっては、主治の医師の指導を受けること。
 第二に、管理栄養士の資格を登録制から免許制にすること。
 第三に、管理栄養士国家試験の受験資格を見直し、管理栄養士として必要な知識及び技能の一層の高度化を図ること。
 なお、この法律は、平成十四年四月一日から施行することであります。
 以上が、二法案の趣旨及び内容であります。
 両案は、いずれも昨日の厚生委員会において、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○議長(伊藤宗一郎君) 両案を一括して採決いたします。
 両案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第八 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#28
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第八、住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。建設委員長大口善徳君。
    ―――――――――――――
 住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔大口善徳君登壇〕
#29
○大口善徳君 ただいま議題となりました住宅金融公庫法等の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、成熟社会に向けた良質な住宅ストックの形成、維持管理及び流通の促進を図るため、住宅金融公庫の融資制度について所要の措置を講ずるとともに、同公庫が引き続き安定的に資金を融通していくための措置を講じようとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、新築住宅及び一定の耐久性を有する既存住宅等に係る貸付金の償還期間を三十五年以内とすること、
 第二に、貸付金に係る新築住宅は、一定の耐久性等を有するものでなければならないものとすること、
 第三に、既存住宅を購入して優良な住宅となるよう改良する場合において、貸付金利及び償還期間の特例を設けるものとすること、
 第四に、土地の合理的かつ健全な利用に寄与する耐火建築物等で過半の住宅部分を有するものを貸付対象とし、貸付金利の上限等を定めるものとすること、
 第五に、住宅宅地債券の引受対象者を追加するとともに、同公庫が住宅金融公庫債券を発行することができることとし、あわせて、住宅金融公庫債券に係る債務の担保に供するためにその貸付債権の一部を信託会社等に信託することができるものとすること
であります。
 本案は、去る三月七日本委員会に付託され、翌八日中山建設大臣から提案理由の説明を聴取し、十五日に質疑を行い、同日採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案には附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#30
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#32
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、雇用保険法等の一部を改正する法律案及び高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。労働大臣牧野隆守君。
    〔国務大臣牧野隆守君登壇〕
#33
○国務大臣(牧野隆守君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案及び高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、雇用保険法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 現在、我が国では、厳しい雇用失業情勢が続いていることに加え、産業構造の変化等に伴う雇用慣行の変化、労働移動の増加、就業形態の多様化や少子高齢化の進展等の構造的な変化が見られるところであります。
 このような中で、社会経済の諸情勢の変化等に的確に対応した雇用保険制度のあり方については、中央職業安定審議会の雇用保険部会において検討が行われ、昨年十二月に、早期再就職を促進するため高年齢者雇用対策その他の施策との有機的な連携を図りつつ給与体系を整備すること及び雇用保険制度の安定的運用を確保すること等について報告をいただいております。
 政府としましては、この報告を踏まえつつ本法律案を作成し、関係審議会の全会一致の答申をいただき、ここに提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
 第一は、雇用保険法の一部改正であります。
 その一として、現行の所定給付日数を見直し、一般の離職者に対する給付日数を全体として圧縮することとする一方で、中高年齢層を中心に倒産、解雇等による離職者に対しては給付の重点化を図ること等を行うことといたしております。
 その二として、少子高齢化社会の進展に対応し、育児休業給付及び介護休業給付の給付率を賃金日額の百分の二十五から百分の四十へと引き上げること等を行うことといたしております。
 その三として、雇用安定事業として、中高年齢者である在職求職者に対し再就職の援助等を行う事業主に対し、必要な助成及び援助を行うことができるものとすることといたしております。
 その四として、失業等給付に係る国庫負担の割合を改正し、国庫が原則としてその四分の一を負担することといたしております。
 第二は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正であり、雇用保険の保険料率について、失業等給付に係る保険料率を賃金総額の千分の十二とする等の改正を行うことといたしております。
 第三は、船員保険法の一部改正であり、雇用保険法と同様の趣旨から改正を行うことといたしております。
 なお、この法律は、雇用安定事業に係る部分については平成十二年十月一日から、育児休業給付及び介護休業給付の給付率の引き上げに係る部分については平成十三年一月一日から、その他の部分については原則として平成十三年四月一日から施行することといたしております。
 次に、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 現在、我が国においては、人口の急速な高齢化が進展しており、労働力人口の年齢構成も急速に高齢化していくことが見込まれております。
 このため、今後は、意欲と能力がある限り年齢にかかわりなく働き続けることができる社会の実現に向け、定年の引き上げや継続雇用制度の導入等により、何らかの形で六十五歳まで働き続けることができることを確保していくこと、中高年齢者に対する再就職支援の強化、さらに高年齢者の多様な雇用就業機会の確保が重要な課題となっております。
 このため、政府としましては、昨年十二月に出された中央職業安定審議会の建議に沿って、本法律案を作成し、同審議会の全会一致の答申をいただき、ここに提出した次第であります。
 次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
 第一に、六十五歳までの安定した雇用の確保を図るための定年の引き上げ、継続雇用制度の導入等の措置に関する事業主の努力義務を定めるとともに、これらの措置に対して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針となるべき事項等を高年齢者等職業安定対策基本方針において定めることといたしております。
 第二に、定年、解雇等により離職する中高年齢者について、再就職援助計画制度の充実、再就職援助を行う事業主に対する助成金の創設等、再就職の促進、援助の措置を強化することといたしております。
 第三に、シルバー人材センターが高年齢退職者に提供する就業の範囲を拡大し、臨時的かつ短期的な就業及びその他軽易な業務に係る就業とすることといたしております。
 なお、この法律は、本年十月一日から施行することといたしております。
 以上が、雇用保険法等の一部を改正する法律案及び高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#34
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。鍵田節哉君。
    〔鍵田節哉君登壇〕
#35
○鍵田節哉君 私は、民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案及び高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案について、小渕総理大臣並びに牧野労働大臣に質問をいたします。
 去る二月二十九日に発表されました総務庁の調査によりますと、完全失業率は、昨年一月から十三カ月連続四%台後半という未曾有の高水準に張りつき、雇用は極めて深刻な状況に陥っています。
 また、こうした雇用危機が国民生活に深刻な影響を及ぼし、先月発表されました経済企画庁の調査でも、国民の実に半数が失業の不安におびえるとともに、世の中は暮らしよい方向に向かっていると答えた人はわずか二割であります。その反面、調査以来最多の八割の人が、そうではない、悪くなっておる認識を示しておるわけでございます。
 失業による不安、老後の不安、そして増税から逃れられないという不安が消費の抑制につながり、不況から脱出できないという悪循環に陥っています。
 これら三つの不安は、政府の経済政策、産業政策、社会保障政策の過ちと、無軌道なばらまき型予算編成を初めとした失政によることは明白であり、現下の憂慮すべき雇用情勢をもたらした責任は政府にあることを強く指摘いたしたいと思います。(拍手)
 しかるに総理は、解散・総選挙により国民の審判を仰ぐべしとの多方面からの沸き上がる声に、一向に耳をかそうとしていません。小渕総理、総理が守らなければならないのは、五百人の衆議院議員の雇用ではありません。七千万人労働者の雇用であり、そして最優先には、三百九万人という現下の大量の失業者の雇用の確保であります。
 フランスでは、予算法案の冒頭に雇用問題を取り上げ、すべての政府の選択を構成するもののうち雇用を最優先項目にすることを宣言しております。
 一方、我が国におきましては、総理が本部長を務める産業構造転換・雇用対策本部は既に八カ月間、また、政労使雇用対策会議は四カ月間、開催されておりません。最優先の課題であるべき雇用問題に政府を挙げて取り組む姿勢が見られないことは、極めて遺憾であります。
 総理はサミットの議長を務めたいと強く念じておられるようでございますが、仮に我が国が経済先進国であるといたしましても、労働後進国の状態を放置していては、サミットの議長国たる資格はないと断ぜざるを得ません。
 総理、もはや一刻の猶予も許されません。早急にこれらの会議を開催し、総理のリーダーシップのもとに雇用安定創出策を直ちに行うよう強く求めるものでございますが、見解を伺いたいと思います。
 次に、改正案について具体的なお尋ねをいたします。
 今回の雇用保険制度改革におきましては、育児・介護休業給付の給付率の引き上げ、パート、派遣労働者などへの適用拡大、訓練延長給付、教育訓練給付の拡充など、前向きの評価をするものもありますが、以下、数点について総理並びに労働大臣の見解をお聞きしたい。
 第一は、雇用保険財政の危機的状況を招いた責任についてでございます。
 本法案の立案に当たり、私は昨年秋の労働委員会におきまして、雇用保険は雇用労働者にとって失業時の最大のセーフティーネットであり、その果たすべき役割の重要性からしても、労働基準法、労働者派遣法改正時の轍を踏むことなく労使の合意を得て審議会答申が行われるよう、そのための環境整備を強く求めました。その後、中央職業安定審議会における雇用保険部会報告の了承、改正法律案要綱諮問に対する答申のいずれもが公労使全会一致となりましたことは、一定の評価をするものであります。
 しかし、今回の見直しは、ここ数年、雇用保険財政が一兆円を超す単年度赤字の連続で、積立金もほぼ底をつき、平成十三年度の予算も組めなくなるほど切迫した財政破綻状況の中で、今後とも雇用保険制度を維持するために、労使ともに、いわばやむなしとする形で一定の決着を見たものであります。
 失政に次ぐ失政を重ね、雇用情勢が危機的な状況にある中で、必要な対策を迅速に行わず、あまつさえ産業競争力強化の美名のもとにリストラを促進する立法措置を行い、失業者増加に手をかしてきたのは、まさに小渕内閣であり、失業保険給付期間も長期化することにより、今日の雇用保険財政の危機的状況をもたらした責任は政府にあると断じます。
 本法案の審議に当たっては、まず、こうした政府の責任を総理みずからがお認めになることが出発点と考えますが、御見解を伺いたい。
 第二に、改正案の最大の焦点となる給付体系の見直しについてであります。
 雇用保険法第一条は、本法の目的として、労働者が失業した場合に必要な給付を行うことを冒頭に明記しています。発足以来、雇用保険制度は順次メニューをふやしてまいりましたが、現在でもなお、社会のセーフティーネットとして、失業者のための求職者給付が制度の原点であり、最も重要な役割を有していることは疑うべくもありません。
 本法案では、基本手当の所定給付日数を、離職を余儀なくされた者とそうでない者に区別し、前者には一部給付日数の増加が行われる一方で、基本的に給付日数を削減しており、労働者にとって厳しい内容となっております。また、希望退職制度、早期退職優遇制度など、一見しただけでは解釈が難しいものの取り扱いや区分けに当たり、労働者の自己申告の尊重がいかに担保され得るかも課題として残ります。
 本来、セーフティーネットとは、その時々の財政の状況で、網の張り方が弱まったり、網の目が広がったりしてはいけないものであります。偶然に、雇用保険の財政状況のよいときに失業をすれば手厚い保護を受け、悪いときに失業すれば我慢を強いられる、そうであってはならないのです。
 果たして、今回の見直しにおいて、給付日数が削減される区分においても雇用保険がセーフティーネットとしての役割を引き続き担えるものと考えられるのか、労働大臣の明快なる答弁を伺いたい。
 第三に、定年退職者の扱いについてであります。
 直近の労働省の調査においても、五十五歳以上の有効求人倍率は〇・一〇という低水準にとどまっており、定年退職者の再就職は極めて難しく、まして、定年や退職優遇制度で多額の退職金を受けられるのは、一部の恵まれた労働者のみであります。現実には、中小零細企業に働く労働者には退職金制度も有しない者も多く、こうした労働者の定年後の再就職までの生活をいかに保障するかに関し、労働大臣の見解を賜りたい。
 仮に、定年退職者に対し、失業給付の給付日数を削減するのならば、それに見合う再就職支援はもとより、定年延長の法制化が前提条件であります。雇用保険法改正案と対をなす高年齢者等雇用安定法改正案では、定年延長や雇用継続措置の制度化はどのように担保され、そのような措置がとれない場合の再就職援助措置の実効性はいかなるものとなっているのでしょうか。また、雇用と年金の接続は確実に保障され得るのでしょうか。労働大臣の明快なる答弁を賜りたい。
 第四に、保険料率についてお尋ねします。
 今日の雇用保険財政の危機を招いた原因の一つは、平成四年から二年連続して保険料率を下げたことにあり、今回の改正案では、労使の保険料率が、現行の暫定料率である千分の八から千分の十二とされました。これは、今日の長引く不況下で、使用者側も苦渋の末の決断と聞いておりますし、まして労働側につきましては、現在取り組んでいる春季賃金改定がかつてない低水準の妥結となる状況の中で、介護保険に続き、またも可処分所得の減少を招くものであり、ぎりぎりの選択ではないかと考えます。
 労働省として、改正案の保険料率は、適切な負担であると考えるのか、過剰な負担であると考えるのか、大臣の見解を伺いたい。
 第五に、今後の保険財政と失業等給付の国庫負担のあり方についてお尋ねいたします。
 国庫負担につきましては、雇用保険の単年度赤字が続いているにもかかわらず、既に凍結された財革法との関係により、平成十年から一四%にまで引き下げられました。今回、これを改め、本則の二五%負担へと引き上げを行っておりますが、そもそも現行の暫定料率一四%が明らかな過ちであったのであり、当然の引き上げであると考えます。
 問題は、今後も失業者が増加し、雇用保険財政が悪化した場合の対応であります。
 労使の保険料率には弾力条項が認められておりますが、今回、本則以上の引き上げを行ったわけであり、そもそも雇用の確保は国の責務でありますから、我が国の雇用対策費のGDP比はEU諸国と比べても極めて少なく、このような現状をそのままに、安易に労使の負担増に求めることは、国の責任放棄にほかなりません。
 今後の雇用保険財政の悪化に際しては、政府の財政支援措置を第一とし、対応を行うべきと考えますが、労働大臣の見解を伺いたい。
 総理、二十一世紀の到来は目前に迫っております。来るべき二十一世紀は、何としても、チャンスの多い社会、選択肢の多い社会にしていかなくてはなりません。
 失業は、生活の糧を失うだけではなく、人間としての自己実現の場を失うことでもあります。一度失業しても容易に再挑戦ができる社会、そのためのセーフティーネットとして雇用保険制度は存在するものであります。その安心ネットが、経済状況に左右されて、たびたびつくりかえられるようなことになるならば、安心を得ることができません。
 二十一世紀をチャレンジする機会の多い社会にするために、雇用保険制度が極めて重要な役割を果たしていることを強調し、企業再編によるリストラの促進により勤労者の雇用不安がこれ以上高まることのないよう強くお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#36
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 鍵田節哉議員にお答え申し上げます。
 雇用安定創出策についてお尋ねでありました。
 政府といたしましては、雇用問題を国政の最重要課題の一つとして位置づけ、一昨年四月以来、四度にわたり総合的な雇用対策を取りまとめました。これらの対策については、政労使雇用対策会議の開催など、労使の意見を聞くとともに、私を本部長とする産業構造転換・雇用対策本部を、一昨年以来、計六回開催して、政府全体で雇用問題に取り組んできたところであります。
 今後とも、政府全体で雇用の創出、安定に努めてまいります。
 厳しい雇用保険財政の要因についてお尋ねでありました。
 その要因としては、現下の厳しい雇用失業情勢に加え、より根源的には、労働者意識の変化による労働移動の増加、少子高齢化の進展等、雇用を取り巻く状況の構造的な変化が考えられます。
 今般の改正につきましては、現下の厳しい雇用失業情勢とともに、こうした構造的変化に対応して、給付面での必要な見直しを行う一方、負担面では、国庫の負担率を引き上げることとした上で、労使にも必要な負担増をお願いするものであります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣牧野隆守君登壇〕
#37
○国務大臣(牧野隆守君) 最初に、所定給付日数の見直しについてのお尋ねですが、求職者給付につきましては、離職前からあらかじめ再就職の準備ができるような者に対する給付を圧縮する一方で、倒産、解雇等により離職した者等、真に必要のある者に対しては十分な給付を確保することといたした次第であります。このような給付の重点化を行うことにより、雇用保険の雇用に係るセーフティーネットとしての役割はさらに的確に果たされるものとなる、このように考えている次第であります。
 次に、定年退職者の再就職までの生活保障についてのお尋ねでございますが、雇用保険は、これらの人々の生活の安定を図りつつ求職活動を支援するために、基本手当を支給する等、重要な役割を担っていると認識しております。
 また、定年退職者の早期再就職の促進につきましては、今般の高年齢者雇用安定法の改正により、対策の充実強化を図ることといたしております。
 次に、定年延長や再就職支援等についてのお尋ねでございますが、改正法案では、定年の引き上げ等、六十五歳までの安定した雇用の確保を図るために必要な措置をとることを事業主の努力義務とするとともに、これに関する指針を策定することを規定してあります。
 また、六十五歳前に離職する中高年齢者に対する在職中からの計画的な再就職援助が行われる仕組みを設けるとともに、国としましても、再就職援助を行う事業主への助成措置を創設することといたしております。
 雇用と年金の連携は極めて重要でありまして、これらの対策により、六十五歳までの雇用の場の確保に努めてまいりたいと考えております。
 次に、保険料率に関するお尋ねでございますが、今般の改正では、雇用を取り巻く状況変化に対応して、給付面での必要な見直しを行うとともに、負担面においても、現在暫定的に引き下げられている国庫の負担率を引き上げることといたしております。その上で、労使にも一定の負担増をお願いするものでございますが、これは、セーフティーネットとしての雇用保険の安定的運用を確保する上で必要欠くべからざるもの、このように考えております。
 最後に、今後の雇用保険財政に関するお尋ねでございますが、今般の改正により、制度の安定的運用が確保されるものと考えております。今後とも、労使による保険料と国庫からの負担によって雇用保険の安定的運用の確保に万全を期するとともに、雇用失業情勢の変化に機動的に対応して雇用対策の実施に努めてまいりたい、このように考えております。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔議長退席、副議長着席〕
#38
○副議長(渡部恒三君) 大森猛君。
    〔大森猛君登壇〕
#39
○大森猛君 私は、日本共産党を代表して、雇用保険法等の一部を改正する法律案及び高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案に関して、総理並びに労働大臣に質問をします。
 去る十三日に発表された十―十二月期の国民所得統計速報で、国内総生産が前期比一・四%減、年率換算では五・五%減となり、過去三番目の大きなマイナスとなりました。小渕内閣の経済運営の行き詰まりは、もはや明らかであります。
 最大の要因は、言うまでもなく個人消費の冷え込みであり、その原因が、大企業のリストラ、総人件費抑制の動きや社会保障の負担増等新たな社会不安の拡大にあることは、広く指摘をされているところであります。
 現に、ことし一月の完全失業者数は前月比二十一万人増の三百九万人に達し、失業率は四・七%と三カ月ぶりに逆戻りする状況です。中でも、世帯主失業者、中高年失業者の増大、失業期間の増大がさらに進行し、今ほど雇用保険の失業給付期間延長など制度の拡充が求められているときはありません。
 ところが、今回の改正案は、失業給付の大幅削減、失業理由による給付差別、保険料の引き上げ等の改悪をしようというものであり、雇用不安に追い打ちをかけ、将来不安を拡大し、消費の低迷の新たな要因となるものであります。
 以下、こうした立場から質問をいたします。
 第一は、失業給付期間の大幅削減についてであります。
 今回の改正案の最大の問題は、失業手当給付日数を大幅に切り下げ、労働者の生活と求職活動を困難に追い込むことであります。
 現行の給付期間は、失業の理由のいかんを問わず最長給付日数は三百日ですが、本改正案は、失業の理由によって給付日数を差別し、解雇など特別の理由以外の失業については、最も長い場合でも百八十日しか支給しないこととし、百二十日、実に四カ月分も削減しようとするものであります。
 そもそも雇用保険法は、その第一条で、労働者が失業した場合に、必要な給付を行うことにより、労働者の生活の安定を図るとともに、求職活動を容易にすることを目的としているのであります。
 にもかかわらず、給付日数をこのように大幅に削減することは、失業者の生活の安定を大きく脅かすことになるのではありませんか。それとも、失業手当の給付期間を切り縮めれば再就職できる条件が大幅に拡大することになるとでも言われるのか。総理の納得のいく説明をしていただきたいものであります。(拍手)
 総務庁の昨年八月の労働力特別調査報告によれば、五十五歳から六十四歳までの年齢層では、失業期間が六カ月を超える人が全体のほぼ五割にも達しているのであります。このような厳しい状況のもとで、三百日の給付日数を、百八十日、六カ月に削減することは、約半分の高齢者が就職できないまま給付を打ち切られることとなるのであります。失業手当が打ち切られた失業者は一体どのように生活せよというのでしょうか。総理の明快なる答弁を求めるものであります。
 昨年十一月十一日の日経連タイムスは、失業給付の受給で生活の心配がなければ真剣に求職活動をせず、給付をもらい切ってしまうというモラルハザードを発生させないようにする必要があるとして、就職難に苦しむ多くの失業者を敵視し、給付日数の削減を要求しています。
 政府も今回、給付日数の削減を提案していますが、総理も、日経連の主張と同様に、失業給付を法定期間いっぱい受給している人はモラルハザードだとお考えなのでしょうか。お聞かせいただきたい。
 今日の厳しい雇用情勢のもとで、給付日数の短縮は、結局、生活のために、本人の希望や意思に反し、低賃金、長時間労働の仕事につくことを事実上強制することになり、より条件の悪い仕事への再就職、いわゆる労働条件の下降移動をさらに広範に引き起こすことになります。これは、憲法二十二条、職業選択の自由を侵害し、職業安定法第十九条、求職者に対してはその雇用条件に適合する職業を紹介するという原則をゆがめ、労働者の生きがい、働きがいを奪うことにさえなるのであります。総理の見解を求めるものであります。
 第二は、失業理由によって給付期間を差別する問題であります。
 本改正案では、失業者のうち、解雇など特別の理由による失業者を特定受給資格者、それ以外を一般受給資格者として、失業者を失業の理由によって二つに区分けを行って、給付を特定受給資格者に重点化しようとしています。
 本来、失業というのは、労働省も説明してきたように、個々の使用者や労働者の責任の範囲を超えた政治的、経済的、社会的諸要因により発生するものであり、高度な国家的な課題として考慮されるべきものであります。したがって、失業者に対し生活権、勤労権を保障することは、国の当然の責務であります。雇用保険制度は、こうした原則から、失業中の労働者の再就職までの生活保障を保険の方式で行うものであります。
 今日の極めて厳しい雇用失業情勢のもとでも、人は、少しでもましな生活をしたい、そのため、賃金を初めとする労働条件、将来性、自己の能力の発揮いかんなどなどを追求し、新たな仕事を決めて転職する、これは憲法十三条の幸福追求権からいっても当然過ぎるほどの権利ではないでしょうか。
 ところが、今回の改定のような、失業理由によって給付期間に差別を持ち込むことには、何ら合理的な根拠はなく、それは憲法の幸福追求権を否定し、雇用保険の基本的性格を根本から変更しようというものであり、到底容認できないものであります。総理の見解を求めるものであります。
 大体、総理、自己都合で退職したからといって、特別に早く再就職できる保証など何もないではありませんか。失業の理由と再就職の難易度、困難さと、一体どのような相互関係があるというのでしょうか。全く別次元の問題であります。だからこそ、失業保険制度が発足以来半世紀以上たった今日まで、失業理由による給付日数の区別は全く行われなかったのであります。
 ところが政府は、現行雇用保険制度の中でも、自発的離職者をいわゆる自己都合退職者として三カ月の給付据え置きというペナルティーを科していることに加えて、今回の改正で大幅な給付日数の削減という、さらに新たな制裁を科そうとしているのであります。
 今日、自己都合退職者は、本人のわがままや気まぐれによる失業者では決してありません。みずから収入の道を断ち、失業という厳しい選択をせざるを得ない、今日の厳しい現実があるわけであります。
 総理は、自己都合退職者は本人のわがままであり、このような二重の経済的制裁が必要とお考えなのか、明快な答弁を求めるものであります。
 第三は、雇用保険財政についてであります。
 今日の雇用保険財政の悪化の最大の原因が、経済失政による不況の長期化と失業者の爆発的増加及び国庫負担の大幅削減にあることは明らかであります。
 国庫負担について言えば、失業保険制度発足以来五十年間、三分の一あるいは四分の一であった国庫負担率を、一九九二年、九三年と相次いで引き下げ、失業者の増加が激しいさなかだった九八年には、あの悪名高い財政構造改革法の名のもとに、実に一四%にまで引き下げ、財政悪化に拍車をかけたのであります。
 こうした政府の責任を全く棚上げにしたまま、保険料を引き上げるだけではなく、みずからの責任による財政悪化を理由に、憲法原則をもゆがめる、制度の根本的な改変まで行おうとすることは、絶対に認めるわけにはいかないのであります。
 日本共産党は、このような雇用保険改正案は撤回するよう求めるものであります。そして、本法本則にあるように、国庫負担率を直ちに無条件で二五%に戻すよう、強く要求をするものであります。総理の見解を求めるものであります。
 最後に、今緊急に求められている雇用対策について質問いたします。
 今日、我が国の雇用失業問題で最も重大なことは、リストラ至上主義ともいうべき風潮が日本列島を席巻し、そのもとで一方的な解雇や雇用の不安定化が大々的に進められていることであります。
 小渕首相は、去る二月の衆議院本会議での代表質問で、我が党の不破委員長の質問に対し、リストラは企業の経営にかかわるものであり、法的な規制を設けることは適当ではないと答弁をしました。しかし、今政府は、産業再生法にしろ一連の雇用対策にしろその多くが、企業の経営にかかわるリストラへの法的支援、あるいはその受け皿づくり、環境整備となっているのであります。
 雇用失業問題の根本対策として、解雇、リストラを規制するヨーロッパ並みのルールを確立するよう重ねて求めるものであります。総理の見解を求めます。
 雇用保険の原点に立ち返り、失業者の生活保障、安心できる再就職活動のために今必要なことは、給付の延長であります。とりわけ、有効求人倍率が低い四十五から五十五歳、さらには五十五歳以上の失業者、また、特に失業率の高い地域での延長給付を行うべきと考えます。労働大臣の見解をお示しください。
 サービス残業根絶も、失業者を大幅に減らす上で重要であります。総理は、昨年の予算委員会での私の質問に、サービス残業が重大な犯罪であることを認め、サービス残業をなくすために全力を挙げると答弁をされました。その後どのような取り組みをされたのか、また、今後どのような取り組みをされるのか、お聞かせください。労働大臣の見解を求めるものであります。
 労働大臣、高校、大学の新卒者の就職難がこれまで以上に深刻となっています。新卒者は雇用保険未加入でありますが、これらの人たちのうち、就職の意思があって職業訓練を受けようと希望する人に、最低限の生活を維持しながら職業訓練を受けられるような手当を支給する制度を創設すべきと考えますが、労働大臣の見解を求めて、私の質問を終わるものであります。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#40
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 大森猛議員にお答え申し上げます。
 給付日数の削減の妥当性及び給付日数の削減が生存権保障に反するのではないかとのお尋ねであります。
 今回の基本手当の給付日数の改正は、関係審議会における公労使三者の合意のもとに、離職者の理由による再就職の難易度を考慮し、これを再構成することとしたものであり、合理的なものと考えております。
 雇用保険の受給に際してのモラルハザードに関するお尋ねですが、今回の給付体系の再構成は、真に必要のある者に対する給付の重点化を図る観点から行うものであり、モラルハザード防止を目的とするものではありません。
 いずれにしても、新しい給付体系のもとで、求職者の再就職への努力を期待しつつ、職業紹介や職業訓練を通じて、受給資格者の受給期間内の再就職に向けて支援を行ってまいりたいと考えております。
 給付日数の削減が職業選択の自由を脅かすのではないかとのお尋ねですが、給付日数を圧縮するのは離職前からあらかじめ再就職の準備ができる者であり、倒産、解雇等により離職を余儀なくされた者については十分な給付日数を確保しておりますので、本人の希望や意思に反した仕事につくことを強制することになるとは考えておりません。
 失業理由により給付期間に差を設けることに関するお尋ねですが、離職前からあらかじめ再就職の準備ができるような者に対する給付日数を圧縮すること及び倒産、解雇等により離職を余儀なくされた者に対しては十分な給付日数を確保することは、合理的なものと考えております。
 離職理由による給付日数の区別が幸福追求権を否定するものではないかとのお尋ねですが、今般の給付日数の体系の見直しは、年齢や在職期間をもとに給付日数を定めることが必ずしも合理的でなくなっていること等を踏まえ、むしろ離職の理由に着目して、倒産、解雇等による離職者のように離職前から再就職のための準備ができない者に対する給付の重点化を図ることとしたものであり、合理的なものと考えております。
 雇用保険財政に関するお尋ねですが、厳しい財政状況に直面している要因は、根源的には雇用を取り巻く状況の構造的な変化にあると認識しております。今般の改正については、このような変化に的確に対応して、給付面での必要な見直しを行う一方国庫の負担率を二五%に引き上げることとした上で、労使にも必要な負担増をお願いするものであります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣牧野隆守君登壇〕
#41
○国務大臣(牧野隆守君) 最初に、解雇、リストラ規制についてのお尋ねでございますが、リストラは企業の経営にかかわるものであり、御指摘のようなリストラに対する規制を設けることは適当ではない、このように考えております。
 整理解雇につきましては、我が国においては、いわゆる整理解雇について四要件を必要とする、このような判例の考え方を踏まえ、具体的な実情に応じ、労使間で十分に話し合われるべきものと考えております。したがいまして、法律をもって一律に解雇を規制することは適当でない、このように考えております。
 次に、延長給付についてのお尋ねでございますが、求職者給付については、今般の改正により、倒産、解雇等による離職者のように離職前から再就職のための準備ができない者に対しては、手厚い給付日数を定めることといたしております。
 このほか、職業訓練を受講する者に対しましては、必要とする職業訓練の期間に応じて給付日数を延長すること等、個別の事情に応じ給付日数を設定しております。したがって、御指摘のような延長給付は、ただいまのところ考えておりません。
 次に、サービス残業についてのお尋ねでございますが、サービス残業の多くは労働基準法第三十七条に定める割り増し賃金の全部または一部が支払われていない違法なものと考えております。
 労働省におきましては、事業場に臨検、監督を行い、労働基準法違反を把握したときは、割り増し賃金を支払わせる等の是正を図っているところであります。今後とも、法定労働時間や時間外労働の限度基準の遵守、割り増し賃金の適正な支払い等について、使用者に対し的確な監督指導を実施し、労働基準法違反の是正に努めてまいります。
 最後でございますが、未就職卒業者に対する手当制度の創設に関するお尋ねでございます。
 未就職卒業者につきましては、企業の求める職業能力を身につけることを支援するため、短期間の職業講習や事業主、民間教育訓練機関等への委託訓練等を行い、また、これらの修了者を対象とした就職面接会等採用選考機会の積極的な提供を行うことによりまして、早期就職に努めることといたしております。(拍手)
    ―――――――――――――
#42
○副議長(渡部恒三君) 菊地董君。
    〔菊地董君登壇〕
#43
○菊地董君 私は、社会民主党・市民連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました雇用保険法改正案及び高齢者雇用安定法改正案に対し、小渕総理と牧野労働大臣にお尋ねいたします。
 雇用保険法の見直しを論議する際に、何よりまず第一に問われなければならないことは、政府がいかに有効な雇用安定及び拡大策を講じてきたかということであります。
 しかし、小渕政権は、産業再生を優先する余り、肝心の雇用政策はその下風に追いやられてきたと言わざるを得ません。失業率は、四・七%前後という高水準で膠着化する様相を示しつつあります。これを見ても、小渕政権がとってきた雇用政策は十分に機能してこなかったのではありませんか。まずは、小渕総理の率直な答弁を求めるものであります。
 破綻の瀬戸際にある雇用保険会計の現状を前に、保険料率の引き上げは断じて認められないという無責任な対応に終始するつもりは、私自身ありません。要は、国民に負担を求めるのであれば、第一義的には、政府がその責任を十分に果たしてきたのかどうか、また、負担増に見合う給付のあり方が最大限追求されているかどうかが検証されなくてはなりません。
 前者については、最後に小渕総理にお尋ねすることとし、給付の見直し等が適切であるか、ただしていきたいと存じます。
 以下、まず、牧野労働大臣の見解等をお尋ねするものであります。
 今回の見直しで最大の問題となるのが、離職理由によって給付日数に差を設けることが目指されているというところであります。
 見直し部分では、基本手当の所定給付日数に関し、現行制度の圧縮等が図られています。具体的には、倒産や解雇などによって離職を余儀なくされた者に対する給付を拡大し、最長三百三十日とする一方で、それ以外の、例えば定年等による離職者には、これまで最大三百日分が保障されてきたものを、百八十日間へと大幅に切り込む内容となっております。
 労働省は、この部分のセーフティーネットとして、高齢者雇用安定法を改正し、離職があらかじめわかっている高齢者等を雇用する事業主またはその事業主団体に対する在職者求職活動支援助成金を新たに設けようとしております。これは、在職中に求職活動を行う高年者等に三十日間の有給休暇の付与や能力開発を行った事業主に対して、その間の賃金や費用の一部を助成するものであり、定年イコール失業という悪循環を断ち切る観点からも、有用な試みと評価できるものであります。
 それゆえにこそ、定年を控えている労働者と事業主との間で積極的な活用が望まれるところであります。肩たたきとして悪用されることを防ぎつつ、いかにして定着を図っていくおつもりか、決意のほどをお示しいただきたいと思います。
 さらには、社民党が粘り強く提起してきた結果実施されたともいえる訓練延長給付の拡充策との連携も十分に図られる必要があります。前向きに応じていく用意がおありかどうか、お答えいただきたいと思います。
 ただし、高齢者により厳しい現下の雇用情勢を踏まえるならば、三十日間程度の有給休暇の付与で果たして十分なのか、疑問が残るのも事実と言わざるを得ません。なぜ三十日間なのか、納得できる説明を求めたいと存じます。
 また、三百日から百八十日へというような大胆な圧縮がもたらす影響を労働省は真剣に考えているのかも、たださざるを得ないのであります。
 失業給付は退職金の補完ではないことは論をまちません。ただし、いわゆる大企業を勤め上げた方が手にする多額の退職金を前提にした場合と、不況下にある中小零細企業で職を全うした方との間では、この正論が持つ意味は決定的に違ってくることも否定しがたい現実です。定年後の就職活動を行う高齢者には、厳然たる貧富の格差が存在しているのであります。
 この実態を認識するならば、保険制度である限り、所得の多寡による差別化はできないという原理原則に逃げ込むのではなく、例えば、勤続期間二十年超を条件に、一定の退職金額以下の者には従来どおりの三百日分を保障するといったきめ細かな対応も求められていたのではありませんか。御所見をお聞かせいただきたいと思います。
 他方、改正というにふさわしい、非自発的離職者に対する最大三十日間の追加給付等については、だれもが納得し得る、より明確な選定基準の構築が不可欠だと考えます。無定見な基準は避けなくてはなりませんが、硬直的に構えるのも問題であります。時々の雇用失業情勢を踏まえた適宜適切な対応こそが必要とされていると思慮するところでございます。明快なる御答弁を求めるものであります。
 同時に、教育訓練給付の支給額が二十万から三十万円に拡充される手当ても講じられております。
 この制度自体は、変化していく産業、雇用構造に適応して雇用され、雇用され続け得る能力を労働者みずからが確立していくためにも欠かせない施策であると、社民党が与党時代に強く求めて実現されたものでもあり、評価に値すると言いたいところであります。
 しかし、導入に際して、労働省に注文をつけたことがあります。つまりは、本制度が資格マニアの温床になってはいけないという点であります。したがって、今回の見直しに当たっては、自助努力の範疇に入る初歩的なものは除くにしても、能力開発等に関する支援、援助が真に必要な方々に対していかに間口を広げていくかにこそ知恵が出されてしかるべきだという我が党の問題意識は、労働省には明確に伝わっていたはずであります。にもかかわらず、この課題に関しては、見るべき改善がないと言わざるを得ないのであります。
 労働省におかれては、どのように検討を進めてきたのかを含めて、真に必要とされる階層等に対する枠組みの拡充策ではなく、なぜ支給額のかさ上げのみを優先したのか、納得できる説明をお聞かせいただきたいと思います。
 雇用保険収支の著しい悪化は、つまるところは、小渕政権の政策不況によってもたらされたも同然だと言えなくもありません。この認識に立つならば、国庫負担二五%という本則に立ち返るだけでは、政府が責任を十分に果たしたとは言えないのであります。
 現内閣は、旧態依然たる公共事業に国債をじゃぶじゃぶつぎ込むことに対しては何の抵抗も覚えないかのようであります。あまつさえ、財源手当てもないままごり押しされた、個人所得課税の最高税率の引き下げによる五千億円もの金持ち優遇の恒久減税や、介護保険料の徴収停止という無責任な決着のつけ方等を行って何の憶面もない政権であります。
 事ほどさように、景気回復がすべてに優先するとの立場から、世界一の借金王になったことを誇るかのようにみずから吹聴してこられた小渕総理であります。あえて言わせていただくならば、事ここまで至ったかというのであります。であるならば、小渕総理には、生きた金、予算の使い方にこそ意を用いてほしいと切に願わざるを得ないのであります。
 今般のような急速な雇用保険収支の悪化に対応する手だてとして、工夫もないままに、保険料率の引き上げで主には処するというのでは、余りに安易であるだけではなく、歴代総理の中で格段に気前のいい小渕総理らしくないと言わざるを得ないのであります。
 直接的な所得保障であり、また、原則としてすべての人に受給権がある年金制度と同列視し、単純に国庫負担率の引き上げを求めるという態度は、私自身は適当でないと考えるところです。だからこそ、思い切った発想からの責任の果たし方が政府には要請されているのだと思うところでございます。
 直截に国民に負担を求める前に、例えば国庫負担とは別枠で、一般会計からの支出による特別基金を積むことを通じて急場に柔軟に対応していくというような緩衝装置の必要性等も検討されてよいのではありませんか。小渕総理の明快な答弁を求めまして、質問の締めくくりといたします。(拍手)
    〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
#44
○内閣総理大臣(小渕恵三君) 菊地董議員にお答えいたします。
 雇用安定拡大策についてお尋ねがございました。
 厳しい雇用情勢を改善し、国民の雇用不安の払拭を図るため、政府は、一昨年四月以来、四度にわたりまして総合的な雇用対策を取りまとめ、これに基づき、雇用の創出、安定、再就職の促進、能力開発に全力で取り組んできたところでありまして、これまでの雇用対策が雇用情勢に一定の下支え効果を発揮いたしているものと考えております。
 今後とも、政府全体でこれらの施策を積極的に推進することにより、雇用の創出、安定が図られるよう全力で取り組んでまいります。
 雇用保険財政に関するお尋ねでありましたが、今般の改正では、雇用を取り巻く状況変化に的確に対応して、給付面での必要な見直しを行う一方、負担面についても、国庫の負担率を引き上げ、労使にも必要な負担増をお願いし、セーフティーネットとしての制度の安定的運営を確保することといたしております。
 今後とも、労使による保険料とともに国庫からの負担によって雇用保険の安定的運営の確保に万全を期するとともに、雇用失業情勢の変化に対応した機動的な雇用対策の実施に努めてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣牧野隆守君登壇〕
#45
○国務大臣(牧野隆守君) 最初に、在職者求職活動支援助成金についてのお尋ねでございますが、本助成金は、再就職援助の基本となる計画について、労働組合等の意見を聞いて作成することを要件としております。したがいまして、肩たたきとして悪用されることはないと考えております。
 事前の広範な周知徹底などにより、本助成金が大いに活用され、中高年齢者の早期再就職の実現につながるよう、その定着に努めてまいりたいと存じます。
 次に、在職者求職活動支援助成金と訓練延長給付の拡充策との連携についてのお尋ねでございます。
 今般の雇用保険制度の見直しにより、訓練延長給付については、十分な職業訓練の機会を確保しつつ、積極的な活用を図ってまいります。在職者求職活動支援助成金制度を利用し求職活動をしたにもかかわらず失業された労働者の方々につきましては、訓練延長給付施策との連携を図り、速やかな再就職に結びつけてまいりたいと考えております。
 次に、在職者求職活動支援助成金の助成限度日数についてのお尋ねでございます。
 本助成金は事業主による再就職援助の呼び水として支給するものであること、また公共職業安定所等への来所や採用面接等に要する日数等を考慮し、三十日が適切と判断したものでございます。
 次に、求職者給付と退職金についてのお尋ねでございます。
 雇用保険制度における求職者給付は、失業した者の退職金やその他の資産状況にかかわりなく、再就職までの間の生活の安定を図るために、再就職の難易度に応じて支給するものであります。
 今般の給付日数の見直しは、再就職の難易度を、主としてその離職が予期できるものであるか否かにより判断することとしたものでありまして、求職者給付の基本的な性格を変えるものではありません。
 次に、長い給付日数が設定される倒産、解雇等により離職した者の範囲についてのお尋ねでございます。
 これについては、明確かつ合理的な基準のもとに確定されるようにする必要があると考えております。
 この具体的な範囲は雇用保険法施行規則で規定することといたしておりますが、今後、公労使三者から成る関係審議会において、さまざまな離職の実態を踏まえつつ、十分に検討していただいた上で定めてまいりたい、このように考えております。
 最後でございますが、教育訓練給付についてのお尋ねでございます。
 中央職業安定審議会における検討結果を踏まえまして、労働者がより高度で専門的な教育訓練を受講しやすくなるようにするため、支給限度額の引き上げを行うこととしたところであります。一方、多様な訓練ニーズに対応する観点から、給付の対象講座の大幅な拡充に努めてまいります。(拍手)
#46
○副議長(渡部恒三君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#47
○副議長(渡部恒三君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時六分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  小渕 恵三君
        法務大臣    臼井日出男君
        大蔵大臣    宮澤 喜一君
        文部大臣    中曽根弘文君
        厚生大臣    丹羽 雄哉君
        労働大臣    牧野 隆守君
        建設大臣
        国務大臣    中山 正暉君
 出席政務次官
        労働政務次官  長勢 甚遠君
ソース: 国立国会図書館
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