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2000/03/24 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第15号
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2000/03/24 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第15号

#1
第147回国会 本会議 第15号
平成十二年三月二十四日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十三号
  平成十二年三月二十四日
    午後一時開議
 第一 青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法を廃止する法律案(内閣提出、参議院送付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法を廃止する法律案(内閣提出、参議院送付)
 株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(太田誠一君外八名提出)
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 平成十二年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案(内閣提出)
 郵便貯金法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑

    午後一時三分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法を廃止する法律案(内閣提出、参議院送付)
#3
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案、日程第二、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法を廃止する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長松岡利勝君。
    ―――――――――――――
 青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案及び同報告書
 農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法を廃止する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔松岡利勝君登壇〕
#4
○松岡利勝君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、青年等の就農促進を図るため、就農支援資金に農業経営を開始するのに必要な資金を追加し、当該資金について、都道府県青年農業者等育成センターのほか農業協同組合、銀行等が貸し付けることができるようにするとともに、農業協同組合、銀行等から貸し付けられる就農支援資金を農業信用基金協会が行う債務保証の対象とする等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、二月十日提出され、三月三日本委員会に付託されました。
 本委員会におきましては、三月八日玉沢農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、昨二十三日政府に対する質疑を行いました。
 質疑終局後、日本共産党から、就農準備のための研修等に必要な就農支援資金の償還免除等を内容とする修正案が提出され、内閣の意見を聴取し、採決いたしましたところ、修正案は否決され、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 次に、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法を廃止する法律案について申し上げます。
 本案は、農業に関する技術の研究開発の促進に関する特別措置法に基づく研究開発の実施の状況等にかんがみ、同法を平成十二年三月三十一日をもって廃止するとともに、これに伴う所要の規定を整備するものであります。
 本案は、去る三月二十二日参議院から送付され、同日本委員会に付託されました。
 委員会におきましては、昨二十三日玉沢農林水産大臣から提案理由の説明を聴取した後、政府に対する質疑を行いました。
 質疑終局後、採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#7
○野田聖子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 太田誠一君外八名提出、株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#8
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(太田誠一君外八名提出)
#10
○議長(伊藤宗一郎君) 株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長武部勤君。
    ―――――――――――――
 株式の消却の手続に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔武部勤君登壇〕
#11
○武部勤君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、会社をめぐる最近の社会経済情勢にかんがみ、公開会社について、資本準備金をもってする自己株式の消却を行うことができる期間を、二年間延長し、平成十四年三月三十一日までとするものであります。
 本案は、去る二十一日太田誠一君外八名から提出され、翌二十二日本委員会に付託されたものであります。
 委員会においては、本日提出者太田誠一君から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、これを終了し、討論、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し、附帯決議が付されたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#13
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#14
○野田聖子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#15
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
#17
○議長(伊藤宗一郎君) 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長井奥貞雄君。
    ―――――――――――――
 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔井奥貞雄君登壇〕
#18
○井奥貞雄君 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、
 第一に、ナイジェリアの首都機能移転に伴い、在ナイジェリア日本国大使館をラゴスからアブジャに移転すること、
 第二に、在ユジノサハリンスク日本国総領事館を新設するとともに、同総領事館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を定めること、
 第三に、既設の在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額及び研修員手当の額を改定すること
を内容とするものであります。
 本案は、去る三月二十一日外務委員会に付託をされ、二十二日河野外務大臣から提案理由の説明を聴取し、本二十四日質疑を行い、引き続き採決を行いました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#21
○野田聖子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案、平成十二年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#22
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 平成十二年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案(内閣提出)
#24
○議長(伊藤宗一郎君) 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案、平成十二年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。厚生委員長江口一雄君。
    ―――――――――――――
 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案及び同報告書
 平成十二年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔江口一雄君登壇〕
#25
○江口一雄君 ただいま議題となりました二法案について、厚生委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、戦傷病者、戦没者遺族等の処遇の改善を図るため、障害年金、遺族年金等の額を恩給の額の引き上げに準じて平成十二年四月分からそれぞれ引き上げようとするものであります。
 次に、平成十二年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案について申し上げます。
 本案は、現下の経済情勢にかんがみ、平成十二年度において特例として、国民年金、厚生年金、児童扶養手当等について、物価の変動に応じた年金の額等の改定の措置を講じないこととするものであります。
 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案については去る三月十四日、平成十二年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案については去る三月二十二日付託となり、本日の委員会において、両案について、丹羽厚生大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑を行った後、採決の結果、両案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○議長(伊藤宗一郎君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 郵便貯金法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#28
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、郵便貯金法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。郵政大臣八代英太君。
    〔国務大臣八代英太君登壇〕
#29
○国務大臣(八代英太君) ただいま議題となりました郵便貯金法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、中央省庁等改革基本法第三十三条第二項の規定に基づき、郵便貯金または郵便振替として受け入れた資金の全額を自主運用とするために必要な措置を講じ、また、財政投融資制度の改革に伴い、簡易生命保険特別会計の積立金の運用について所要の措置を講じようとするものであります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 郵便貯金または郵便振替として受け入れた資金の全額を自主運用とするために必要な措置を講ずることとし、郵便貯金資金の設置及びその運用範囲、運用計画の策定等について定めるとともに、郵便振替資金の設置及びその運用範囲を定めるほか、簡易生命保険特別会計の積立金の運用範囲の見直しを行う等の措置を講ずることといたしております。
 なお、この法律の施行期日は、平成十三年四月一日といたしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。よろしくお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
 郵便貯金法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#30
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。小沢鋭仁君。
    〔小沢鋭仁君登壇〕
#31
○小沢鋭仁君 私は、民主党を代表し、ただいま議題となりました郵便貯金法等の一部を改正する法律案に対する質疑を行います。
 二〇〇一年四月、規模三百数十兆円、世界最大の投資機関が誕生いたします。総資産百四十五兆円のみずほグループ、ドイツ銀行、ドレスナー銀行のグループが百三十四兆円、シティーグループが七十七兆円、こう比較してみますと、その巨大さに改めて驚かされます。その機関が市場を通じた運用を開始するのです。もちろん、四月から直ちにその資金がすべて市場に入るわけではないことは十分承知をしておりますが、この制度のもとではいずれそのような運用が行われるわけで、その場合にも十分対応できるようにしておくべきことは、当然のことだと考えます。
 そうした観点に立ち、以下の質問を行います。
 冒頭に、そもそも財政投融資制度はいかなる問題があって改革の必要が生じたのかを伺わなければなりません。
 特殊法人等は財政投融資資金を安易に要求し、審査も甘くなるなど、財政規律が緩み、結果として財政投融資の規模の肥大化を招いてまいりました。また、政策コストを十分に分析しないままに融資という手法が用いられ、結果として後年度の負担の増大も招いてきました。預託金利は、十年利付国債の表面利率を基準としながらも、特に年金財政に配慮して表面利率に一定の上乗せをした設定となっているため、預託金利と同一水準に設定されている財政投融資の貸付金利はその分だけ割高となり、各機関における調達コストが引き上げられ、場合によっては、各機関に対する一般会計からの補給金等が増加することにもなってきました。
 そもそも、郵便貯金や年金といった性格の異なる資金を資金運用部特別会計に集め、同一の金利を付すことには矛盾がある等の批判もかねてからありました。今回の改革で、それらの問題点は完全に解消されるのでしょうか。私は大きな疑問を感じざるを得ません。
 公庫、公団などの財投機関が、必要な資金を、みずから財投機関債を発行し市場を通じ資金調達するという方法が、その解決策として考えられてまいりました。しかしながら、同時に、第二の国債と呼ばれる財投債を通じて大半は調達され、独自調達はごく一部にとどまるのではないでしょうか。市場の選別による財投、政府系機関のスリム化という当初の理念とはほど遠いものになっている、問題点が手つかずのまま引き継がれるのではないかと危惧いたします。大蔵大臣の御所見をお伺いいたします。
 大蔵、郵政、厚生の三省は、財政融資資金特別会計の発行する財投債を、経過措置として、おおむね二分の一程度まで郵貯、年金等資金で引き受けることで合意をしています。また、自主運用の一環として、市場を通じて財投機関債を同資金が引き受けることも可能となっております。これでは、従来の資金運用部を経由した資金の流れが若干変わっただけであり、財投制度の根本的な改革にはなっておりません。
 このままでは、財政のモラルハザード、財投依存体質の財政状況は変わりません。既に地方交付税制度は、借入残高が三十八兆円に上ることから明らかなように、財投に完全に依存しており、また、物流効率化の名目のもとで拡大する高速道路、主要空港整備も財投に依存しております。郵貯資金は財投債を通じて安全性は確保されますが、莫大な資金量がもたらすモラルハザードが、財政が逼迫している中で、結果的に国民負担の増大を招きかねない懸念を強く持つものであります。大蔵大臣、いかがでしょうか。
 続いて、本法案の骨格にかかわる部分についてお伺いいたします。
 本法案を読んでみても、郵便貯金資金の全面的な自主運用導入は何を目的とするものなのか、はっきりと見えてきません。財投改革のためにやむを得ないという受け身の立場なのでしょうか。自分たちが集めた資金は自分たちで運用したい、そういうことだけでもないでしょう。何のための自主運用なのか、郵政大臣、御説明を願います。
 資金余剰のあるところから資金余剰のないところに、市場を通じ、効率的、効果的に資金を流し、剰余資金の有効活用を社会のために行う、それが金融の本質的な役割であります。
 改正案においては、「運用は、確実で有利な方法により、かつ、公共の利益の確保にも配意しつつ行う」との条文が加えられておりますが、特にこれらを盛り込んだ意味はどういったものなのか。
 ともすれば、公共の利益と市場の論理は相反しかねないものであり、有利性、確実性、公共性を常に同時に達成することができるなどとは到底思えません。この三つのうちでどれを柱と据えるのか、あるいはどうバランスをとっていくのか、郵政大臣のお考えをお聞かせください。
 また、三百数十兆円の運用資金を抱える、まさに他を圧倒する世界最大の投資機関の誕生は、国内のみならず、世界の市場からも、その支配力に対する懸念の声が上がっております。国営事業と市場との関係をどう整理されているのか。
 金融ビッグバンは、自己責任原則のもとで、全参加者が市場原理にさらされながら競争を行うことが柱であります。郵貯、簡保というビッグプレーヤーをビッグバンの中でどう位置づけ、果たすべき役割や義務をどう考えるのか、郵政大臣、お答えをください。
 一方、国家の保証で国民から資金を集めているビッグプレーヤーであるからこそ、民間以上のディスクロージャーが求められることも当然であります。いかに一層の透明性を確保していくのか。
 運用計画の国会報告が義務とされていますが、国会承認まで必要ではないか。また、財投機関には公認会計士による外部監査を導入することとしていますが、郵貯等の運用機関に対しても、いわゆる外部機関による経営の監視も必要ではないか。
 計画では、郵政審議会の中に専門部会を設け、ここでチェックすることのようですが、民間金融機関に対する金融監督庁の検査や日銀の考査に相当する制度が必要ではないか。郵政大臣にお尋ねいたします。
 法案の中に、「企業会計の基準に準ずる」とのくだりがありますが、これは、含み損や含み益を簿価ではなく時価評価するものととらえてよろしいのか、郵政大臣にお伺いいたします。
 また、資金運用に当たっては、専門的知識、経験、訓練を積んだ運用担当者の登用が必要ではないかとの声も聞きますが、そうした人たちの導入を考えるべきとも思いますが、郵政大臣、いかがでしょうか。
 ビッグプレーヤーによる日々の運用動向が市場に与える影響も考えなければなりません。インサイダー取引の防止や、機密漏えい防止策をとることも必要であります。その対応はどうなっているのでしょうか。
 また、政治介入を排除することも市場から求められております。これまでも、とかく、PKOなどと呼ばれる株価操作に郵貯資金が使われたなどとの風評もありましたが、そんなことは絶対にしないという点、念のため、郵政大臣に確認をさせていただきます。
 いずれにしても、資金量三百数十兆円の運用は市場に大きな影響を与えます。運用の対象には外国債も含まれています。リスクヘッジも当然できることになっており、行うつもりならば、いわゆる為替介入と同様の政策効果をもたらすことも可能となります。このことは為替政策にも影響するものでありますが、為替当局となる将来の財務省との調整はどうされるのか、郵政大臣と大蔵大臣のお考えをお伺いいたします。
 さらに、国債の大量買い入れを行うことになりますが、これは金利水準にも影響を与え得る規模となるでしょう。このことは、金利を通じて我が国の金融政策にも影響を与え得る力を持つこととなりますが、日銀との連携、政策の整合性をどうとられるのか、郵政大臣にお伺いいたします。
 あわせて、資金運用の実績は貯金金利に連動するのか、今後預金者への貸し付けを拡大する可能性はあるのか、指定単を通じた株式取得に法的な上限はないということですが、一定の基準は必要ではないかについて、郵政大臣にお尋ねいたします。
 さらに、私は国民の不安を必要以上にあおる考えは毛頭ありませんが、考え得る危険性にいかに対処していくのかを事前に明らかにしていくことは必要なことであります。
 将来債券等の価格変動で損失が出た場合に備え、準備金制度を設けることとしておりますが、この制度概要はどうなっているのか。運用収益の一部を充てるというが、どの程度を充て、最終的にどの程度の規模を目指すのか。また、準備金そのものはどのような形態で保持するのか。それで賄えない損失が発生した場合でも、元利、金利の支払いが法によって保証されていること、さらに国営事業であることを考えれば、税金による補てんを受けることになると論理的には思われますが、それでよろしいか。また、運用失敗の責任はいかなる形でとられるのか。具体的にお答えください。
 また、省庁再編後、二〇〇三年度に創設される郵政公社において、運用責任の明確化はどのように図られるのか。すなわち、郵政公社においては責任をとる者はだれなのかもあわせてお尋ねしておきます。
 自治大臣にお伺いいたします。
 本改正案では、郵貯資金から直接地方公共団体への貸し付けができることとなります。今後の省庁再編で、郵政省と自治省が総務省に統合されることになりますが、貸し付けをするものと、交付税措置などで事実上債務を保証するものが同一となるという大きな矛盾が生じてしまいます。これでは総務省内部の資金融通で完結してしまうことになるわけであります。また、総務省が、権限等で行政面、あるいはこうした融資の面で財政面の両面から自治体を支配することになるとの批判もあります。権限が極めて強大となる総務省、その総務省のあり方について、自治大臣の御見解をお伺い申し上げます。
 以上、疑問点、懸念を指摘してまいりましたが、最大の問題は、冒頭申し上げましたように、財政投融資制度改革が余りにも不十分であることに尽きるわけであります。政府がいま一度真剣に財政投融資制度の抜本改革、財投機関のあり方の抜本的見直しに取り組むべきであること、これなくして我が国の財政再建は到底あり得ないことを最後に重ねて申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔国務大臣八代英太君登壇〕
#32
○国務大臣(八代英太君) まず私から小沢議員にお答え申し上げます。
 私には十三問ございました。
 郵貯資金の全額自主運用の意義についてのお尋ねですが、これまで郵貯資金の運用につきましては、原則として資金運用部への全額預託義務とされていたために、郵貯事業といたしまして、商品提供から資金運用まで一貫した経営を行うことができませんでした。今後、郵貯が自主運用となりますと、提供する貯金商品の期間構成等に対応した運用を行うことが可能となることから、郵貯事業としてより責任を持ってサービスを提供できるようになりまして、ひいては事業の健全経営の確保に資するものと考えております。決して受け身ではございません。
 次に、郵貯資金の運用原則につきましてのお尋ねでございますが、国民からお預かりしている郵貯資金は、まず確実に運用することといたしますが、その中で、事業経営を支えるため極力有利に運用を行うことを原則といたしております。さらに、郵貯資金は公的な性格の資金でありますから、確実、有利な運用を前提としつつ、地方公共団体貸し付け等、公共の利益にも配意した運用を行うこととするものでございます。
 以上の三つの運用原則の調和を図りながら、適切な運用に取り組むべきものと考えております。
 そして、金融ビッグバンにおける郵貯、簡保が果たすべき役割等についてのお尋ねでございますが、金融ビッグバンの進展に伴いまして金融サービスの地域間格差や顧客間格差が生まれつつある中で、基礎的な金融サービスをあまねく公平に提供する郵貯、簡保の国営事業としての役割は、より重要になると考えております。
 郵貯、簡保の資金運用につきましては、金融ビッグバンにより自由化が進む金融市場におきまして、債券を中心とした市場運用を行うものでありまして、市場原理のもとで競争を進める金融ビッグバンに即したものと考えておる次第でございます。
 次に、ディスクロージャー等についての御質問でございますが、郵貯資金の運用の透明性の確保を図る観点から、運用計画表を予算に添付して国会に提出することといたしております。予算承認後の金融情勢の変化を考えますと、運用計画そのものの国会承認は必ずしも必要ではないものと考えております。
 なお、郵貯、簡保事業につきましては、その業務内容及び資金運用の範囲について法令により明定されておりまして、これらに従った業務を行う中で、政府の機関としてみずからリスク管理を徹底することとしております。
 さらに、外部の機関としては、会計検査院の検査を受けることとなっておりまして、民間金融機関と同様に金融当局の金融検査等を受ける必要はないものと考えておる次第でございます。
 また、時価評価につきましては、民間企業に適用されるいわゆる時価会計の基準に沿って運用資産の評価を行いまして、その結果を審議会に報告するとともに、一般にディスクローズすることといたしております。
 その次に、運用担当者についてのお尋ねでございますが、郵政省におきましては、これまでに簡保資金及び郵貯資金の一部について自主運用を行い、毎年安定した運用実績を上げております。今後の全額自主運用については、さらに専門的知識、経験を有する職員の育成に努めてまいりますが、運用が拡大していく中で、外部からの人材登用につきましても、御指摘のように将来の検討課題といたしたいと考えております。
 なお、運用に当たってのインサイダー取引、機密漏えい等の防止は極めて重要な課題でありますので、このたび、本法案におきましても、運用職員に対して秘密保持義務等を課すとともに、これに違反した職員に対しましては懲戒処分をしなければならない旨、規定しているところでございます。
 次に、いわゆるPKO等の相場介入についてのお尋ねでございますが、もとより、郵貯、簡保の自主運用は、事業の健全経営の確保を目的としておりまして、預金者、加入者の利益につなげていくものでございます。したがって、市場の相場維持等のために資金運用を行うことがあってはならないと考えております。
 そして、郵貯、簡保の資金運用と為替政策、金融政策との整合性についてのお尋ねがございました。
 為替政策、金融政策につきましては、金融当局が市場の安定等の観点から政策的に関与するものでございます。他方、郵貯、簡保の国債、外国債等への運用は、いわば市場の一員として運用するものでありますが、目先の相場に対応し頻繁にディーリングを行うようなものではなく、債券の長期保有を基本としていることなどから、市場に不安定要因を与えるものではないと考えておる次第でございます。
 そして、資金運用の実績は貯金金利に連動するのかとのお尋ねでございますが、郵便貯金の金利は、郵便貯金法の規定に従い、市場金利を勘案し、預金者利益を確保するとともに、民間預貯金金利に配意して決定しておりますが、独立採算の事業でございますから、運用の状況を考慮して決定していくことは当然のことであると考えておる次第でございます。
 次に、預金者貸し付けについてのお尋ねでございます。
 今回、新たに預金者貸し付けを運用対象と位置づけることといたしておりますが、これをもって直ちに貸付制度の拡大をすることは考えておりません。預金者貸し付けの拡大につきましては、預金者のニーズ等を勘案しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
 次に、株式取得を含む指定単に対する運用についてのお尋ねでございますが、指定単への運用は、引き続き、簡保事業団への資金の寄託により行うことといたしております。
 運用資産における指定単の割合につきましては、おのずから限度を設けることが必要と考えておりまして、具体的には運用計画に明示することを予定いたしております。
 それから、準備金についてのお尋ねでございますが、郵貯資金につきましては、資金運用部への預託廃止に伴いまして、債券を中心とした市場運用に移行することになるわけでございますから、保有資産の価格変動リスクに備えるために、損益計算書、貸借対照表上、準備金を整備することを考えております。
 具体的な積み立ての規模につきましては、既に価格変動準備金を積み立てている簡保等の例を参考にしながら、各資産のリスクに応じた積立基準を検討いたしておるところでございます。
 次に、準備金を上回る損失が発生した場合の損失処理についてのお尋ねでございますが、基本的には、毎年度の損益計算上の利益を積み立てている現行の積立金により対応することといたしております。
 また、運用において損失が発生し積立金で賄えない場合には、制度上は一般会計からの繰り入れが考えられますが、そのような事態を招かないよう、総務大臣の責任のもと、一つは運用対象を法律上限定すること、二つ目としてはリスクを低減する運用手法をとること、三つ目として準備金制度を設けることなどによりまして、確実な運用を行っていくことができると考えておる次第でございます。
 私からは最後のお答えになりますが、二〇〇三年に発足が予定されている郵政公社における運用のあり方についてのお尋ねでございます。
 公社のあり方について、今後、全体的に検討することとしておりまして、運用責任のあり方につきましてもその中でしっかりと検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
#33
○国務大臣(宮澤喜一君) 今日までの財政投融資制度につきましては、御指摘のように、そういう特殊法人が肥大化をする、非効率になる、また融資の国民経済への貢献についての分析が十分でないといういろいろな御指摘がありまして、それらを踏まえまして、平成十年の六月の中央省庁等改革基本法において、郵便貯金及び年金積立金の預託を廃止するということ、それから市場原理にのっとった資金の調達をしなければならないといったようなことから、このたびの改革になったわけでございます。
 この結果といたしまして、特殊法人の立場からいたしますと、今までのように入り用な金は何となくもらえる、貸してもらえるというようなことから、自分自身で財投機関債を出さなければならない、あるいは財投債に仰がなければならない、いずれにしても市場から調達しなければならないということになりますから、資金調達面で市場の制約が加わってくることは当然のことで、これがまた改革の一つの目的であろうと存じます。
 また、財政投融資の対象分野、事業につきましても、民業圧迫でなく民業を補完するという趣旨を徹底するとともに、償還の確実性を精査しなければならない、当然そういうことになってくるわけでございますから、いわば、特殊法人にとりまして、本当に入り用な金だけを苦労して市場から調達するという仕組みへ転換を強いることになりますので、これによって改革、効率化の促進に寄与しよう、こういう目的でございますことは御存じのとおり、御指摘のとおりでございます。
 そこで、このたびの改革によりまして、郵便貯金、年金積立金の全額が義務的に預託され、巨額の資金が自動的に流入するという仕組みはなくなりまして、必要な金だけを能動的に市場から調達することになるのでございますから、財投債等の発行につきましても当然市場の規模による制約を受ける。買ってもらえなければ売れないということになるわけでございますから、財投債の発行はおのずから極めて制約的にならざるを得ない、制限的にならざるを得ない。これが目的でございますので、投資機関は、そういう制約のある金を受けて、したがって、これは優先的に苦労して取捨選択をしなければならないということになるわけでございます。
 なお、この制度の移行に伴いまして御指摘のように二つほどの経過措置をお願いいたしております。一つは、新しい制度の始まりましたしばらくの間、郵政大臣にお願いをいたしまして、財投債をある程度自主運用の中から買っていただけないかという、これはいつまでもということを申し上げておるわけではございません。
 それからもう一つは、今まで預託を受けております預託金の払い戻し、これは七年でございますが、その金を運用いたします時期はそれよりかなり長いものが多うございますので、片っ方で預託がなくなりますとその資金のギャップが生まれますので、その間だけ、預託金のあります間だけ財投債を買っていただけないかということも郵政大臣にお願いいたしてございますが、これも期限がついていることでございますので、永久にそういう制度でいきたいとしておるのではございません。経過措置でございます。
 それから、最後のお尋ねは、三百数十兆円という金が確かに運用されることになりますが、これは郵政大臣、総務大臣でございますか、法律の規定によりまして安全、有利のほかに、公共の利益にも配慮しろということがございますので、我が国の為替等々の立場は当然御配慮いただけるものと考えますけれども、しかし、財務大臣は財務大臣といたしまして、外国為替の安定の確保の任務を持っておりますので、その立場から当然外国為替の安定につきましては引き続き努力をいたさなければならないもの、こう考えております。(拍手)
    〔国務大臣保利耕輔君登壇〕
#34
○国務大臣(保利耕輔君) 省庁再編後の郵貯資金の地方公共団体貸し付けについてのお尋ねでございますけれども、当該貸し付けにつきましては、地方債計画において地方債資金としての計画を明らかにするとともに、地方債の発行見込み額等を含む地方財政計画を国会に提出することといたしております。
 また、地方債の許可につきましても、地方財政審議会の議を経るなど、総額の決定や貸し付けに当たって多くのチェックが働く仕組みになっていることから、公正透明な手続が十分確保され、適正な地方自治体支援ができるものと考えております。
 以上でございます。(拍手)
#35
○議長(伊藤宗一郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#36
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十八分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        法務大臣    臼井日出男君
        外務大臣    河野 洋平君
        大蔵大臣    宮澤 喜一君
        厚生大臣    丹羽 雄哉君
農林水産大臣  玉沢徳一郎君
        郵政大臣    八代 英太君
        自治大臣    保利 耕輔君
 出席政務次官
        郵政政務次官  小坂 憲次君
ソース: 国立国会図書館
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