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2000/03/28 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第16号
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2000/03/28 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第16号

#1
第147回国会 本会議 第16号
平成十二年三月二十八日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十四号
  平成十二年三月二十八日
    午後一時開議
 第一 国民年金法等の一部を改正する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
 第二 年金資金運用基金法案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
 第三 年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
 第四 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 国民年金法等の一部を改正する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
 日程第二 年金資金運用基金法案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
 日程第三 年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
 日程第四 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
 私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
 児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時八分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 国民年金法等の一部を改正する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
 日程第二 年金資金運用基金法案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
 日程第三 年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
#3
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、国民年金法等の一部を改正する法律案、日程第二、年金資金運用基金法案、日程第三、年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。厚生委員長江口一雄君。
    ―――――――――――――
 国民年金法等の一部を改正する法律案及び同報告書
 年金資金運用基金法案及び同報告書
 年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔江口一雄君登壇〕
#4
○江口一雄君 ただいま議題となりました三法案について、厚生委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 三法案は、先国会、本院において、国民年金法等の一部を改正する法律案については修正議決し、年金資金運用基金法案及び年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案についてはそれぞれ原案のとおり可決し、参議院に送付いたしましたが、参議院において継続審査となっていたものであります。
 今国会では、参議院において、三法案とも、法律番号及び法律の略称に係る暦年を平成十二年に改めることとする修正が行われ、去る三月二十二日本院に送付され、翌二十三日本委員会に付託されました。
 本委員会においては、三月二十四日提案理由の説明を省略し、質疑を行ったところ、質疑終局の動議が提出され、これを可決しました。
 次いで、採決を行い、三法案はいずれも多数をもって参議院送付案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。金田誠一君。
    〔金田誠一君登壇〕
#6
○金田誠一君 私は、民主党を代表して、年金関連三法案に反対の立場から討論に参加をいたします。(拍手)
 公的年金の将来は本当に大丈夫なのか、中高年層はもとより、若年層にも急激に広がるこうした不安と不信の中で、今次年金改定の課題は、二十一世紀の社会保障のかなめとなる安心できる年金制度を国民とともに創造することにありました。
 ところが、間もなく採決される各法案は、国民の老後をますます不安に陥れるものとなっております。これでは、国民の多くはいやが上にも自己防衛に走らざるを得ません。結果として消費支出は抑制され、景気回復のさらなるブレーキとして機能することになります。この点からも、小渕総理の責任は極めて重大であることをまず冒頭に指摘しておきたいと思います。
 もとより、年金をめぐる今日の状況は極めて厳しいものがあります。少子高齢化が急激に進む一方で、経済もかつてのような成長は期待できません。そのことは、社会保障制度においては、給付を分配した長い時代が終わり、負担を分配する時代に入ったことを意味しております。そして、この負担の分配とは、二十一世紀の年金制度をどのように構想し、その負担をだれがどのように引き受けるかについて、国民的合意を形成する壮大な政治的作業にほかなりません。そのことは、もはや官僚主導が通用する時代は終わったということでもございます。
 しかし、政府・与党はそのことを全く理解できず、政治的責任を放棄して、すべてを官僚機構に丸投げしました。事を官僚的に処理すれば、給付削減と負担増で帳じりを合わせるしかありません。五つの選択肢なるものは、初めに二〇%削減ありき、このことに加え、一方的に負担増を強要するだけのものでした。国会は、強行採決に次ぐ強行採決が繰り返され、単なる通過儀礼の場と化しました。自民党と政権を共有する他の二党も手のひらを返したように従来の主張を捨て去ったことは、必ず有権者の厳しい審判が下されることを銘記すべきであります。
 小渕総理が先般迷言を残しました。たまたま運が悪かった、のではない、天網恢々疎にして漏らさず、私は小渕総理のこの迷言を与党の皆様に謹んで贈呈をいたします。(拍手)
 以下、具体的な反対理由を申し述べます。
 その第一は、基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げる五年前の約束をほごにし、全額税方式に移行する道を閉ざしたことです。
 このことは、与野党の合意のみならず、国民に対する約束事であり、これに比べれば、比例定数を二十削減する自自公合意など、取るに足らないものでございます。にもかかわらず、結果はどうであったか。一方はほごにされ、いま一方は民主主義を踏みにじる冒頭処理が強行されたわけでございます。そのこと一つをとっても、現政権のいいかげんさは論評にも値しないと言わざるを得ません。
 今日、国民年金は、一万三千三百円という定額保険料のゆえに空洞化が進行し、一方で、厚生年金保険料も、中小企業の離脱が相次ぐなど極限状態にあります。基礎年金を全額税方式に移行すれば、国民年金保険料は不要となり、厚生年金保険料も四%程度の削減が可能となります。
 さらに、最後の最後まで悲痛な訴えを続けてこられた無年金障害者や在日外国人無年金者の方々の問題も合理的な解決が可能となり、第三号被保険者の拠出問題も自動的に解決いたします。
 今、年金改革において最も必要なことは、基礎年金財源を保険料方式から税方式に切りかえることでございます。政府・与党は、この財政中立的な改革を国民に呼びかけ、保険料にかわる税財源を何に求めるのか、国民的な議論を巻き起こすべきでした。それができない自自公は、もはや政権にとどまる理由はありません。(拍手)
 反対の理由の第二は、報酬比例部分の給付を一律に削減することでございます。
 もとより今が負担を配分する時代であっては、肥満ぎみの給付部分は一定の削減もやむを得ないでしょう。しかし、現在の報酬比例部分の年金額は、年間十数万円から六百万円を超える額まで、著しい格差が存在します。
 また、六十五歳支給となれば、高卒で四十七年、中卒で五十年になります。そこまでの就労が困難な方も少なくないはずであり、六十五歳支給は安易に導入すべきではありません。
 負担の分配とは、こうした厳しい状況下においても、国民を信頼し、可能な部分から順に譲ってもらう国民的合意を形成することにあります。一律主義の給付カットは、ドイツはもとよりアメリカやイギリスでさえ見直しが進んでいます。ましてや、雇用と年金の連続の見通しもなく、繰り上げ受給の減額率さえ示されない中では、一律の給付削減は国民の不安を深めるばかりです。
 反対の理由の第三は、年金積立金の自主運用の拡大です。
 現在、年金福祉事業団は、年金積立金のうち約二十六兆円を自主運用していますが、運用に失敗して一兆七千億円もの元本を食いつぶし、その上、達成できなかった目標収益は九千五百二十九億円にも上って、国民は、合計二兆七千二百五億円もの損失を受けています。
 このことは、去る二十四日の厚生委員会において我が党の上田清司議員の質問によって明らかにされるまで、厚生省は大臣にも情報を隠し続けてきたものであり、その責任は極めて重大であります。
 ところが、このたびの法改正では、その損失を処理せず、何ら責任を明確にしないまま承継法人に引き継いだ上、年金積立金の全額を自主運用の対象にしようというものであり、全く容認することはできません。
 さらに、巨額な年金積立金を金融市場で運用するということは、国家による市場への介入にもつながるものであり、アメリカにおいても断念された経過があります。にもかかわらず、政府・与党があえて強行しようとする理由は何なのか。常識的に考えれば、莫大な利権につながるということのみであり、だとすれば、年金積立金の私物化にも等しい行為と言わざるを得ません。
 以上が、年金関連各法案に反対する理由です。
 小渕総理は、かかる暴挙を行った上は、速やかに国会を解散して国民の信を問うべきであり、このことを総理に強く申し上げるとともに、議員各位の御賛同をお願い申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)
#7
○議長(伊藤宗一郎君) 安倍晋三君。
    〔安倍晋三君登壇〕
#8
○安倍晋三君 私は、自由民主党、公明党・改革クラブ、自由党を代表して、ただいま議題となっております国民年金法等の一部を改正する法律案等年金三法案に対して、賛成の意を表するものであります。(拍手)
 新たな世紀の到来を控えて、本格的な少子高齢社会が目前に迫っている今日、国民の老後生活の柱である年金制度を将来にわたって安定した盤石なものとすることは、この時代に生きる我々に課せられた重大な使命であります。
 これに対して、その見直しを図ることなく放置した場合、将来世代に過重な負担を課すことは一目瞭然であります。それにもかかわらず、給付の維持のみに固執して必要な改正を先送りすることは、責任ある政治家のとるべき態度ではありません。
 政府案は、年金制度に対する国民の不安感を払拭するため、将来世代の負担を過重なものとしないよう、高齢化がピークを迎えるころにも、保険料を労使折半の合計で年収の二割程度、本人負担でいえば一割程度にとどめることとし、そのために、今後の給付総額の伸びを抑えるべく、給付水準、支給開始年齢などについて必要な改正を行うものであります。
 ただし、これらの改革についても、急激な変化による国民の不安を起こさぬよう、給付の見直しに際しては、今回改正のために年金の額が従前より下がるようなことがないよう必要な経過措置を講じており、また、支給開始年齢の引き上げに当たっても、長い準備期間を置いて緩やかに行うこととしております。
 このように、今回の改正案は、長期的な視点に立ち、今ある受給者にもきめ細かく配慮した妥当な案であり、その実現を図らなければならないと考えております。
 さらに、政府案は、国民から改善要望の強い、学生が保険料を卒業後に出世払いできるようにするための保険料納付の特例、育児休業期間中の厚生年金保険料の事業主負担分免除を盛り込むなど、高く評価できるものであります。
 また、年金積立金の自主運用に関しては、責任体制の明確化や情報公開を原則として、厚生大臣が、安全かつ確実を基本としつつ自主運用を行うこととしており、また、年金福祉事業団の解散等に関しても、年金加入者の立場から見れば妥当な措置であると考えられます。
 これに対して、野党は、具体的な対案もなく、審議が尽くされていないといたずらに批判し、特に、前国会において実力行使により審議を停止させる行為が行われたことは、まことに残念でありました。(拍手)
 しかしながら、前国会での審議を含め、当院においての審議時間は中央公聴会なども含め三十時間近くを数えており、これまでに必要かつ十分な質疑が行われたものと考えております。そもそも、年金制度の改革に当たっては、国民に率直に語りかけ、国のあるべき方向について国民の理解を得ていくことが必要であります。単なる成立の引き延ばしを画策する野党諸君の態度は、国民、とりわけ将来の世代に対して、無責任きわまるものと言わざるを得ません。
 最後に、この法律案の成立に当たり、今回の年金改革が将来の我が国の国民生活全体の安心と安定に大きく寄与することを確信するとともに、その意義と役割について、国民の広い理解を得ていくよう政府が最大限の努力を払うことを要望し、私の討論を終わります。(拍手)
#9
○議長(伊藤宗一郎君) 児玉健次君。
    〔児玉健次君登壇〕
#10
○児玉健次君 私は、日本共産党を代表して、国民年金法等三法案に対する反対討論を行います。(拍手)
 現在、高齢者世帯の所得に占める公的年金の比率は七八・九%、年金のみで生活する世帯は五八・〇%に達しています。年金は、老後の生活の支え、命綱です。それだけに、本法案の審議は、広く国民に意見を求めながら慎重に徹底して行うことが、国会の当然の責務です。
 ところが、自民、自由、公明三党は、衆議院、参議院の委員会審議において、必要な審議を尽くすこともせず、多数の傲慢さで三たびにわたり採決を強行しました。議会制民主主義を踏みにじるこの暴挙を、私は、怒りを込めて糾弾します。
 昨年十一月十六日、私は、本会議の代表質問で、今厳しく問われているのは、小渕首相が負うべき国民生活に対する責任である、みずからの責任に対して真剣に思いをいたすなら、この年金改悪を撤回すべきではないかと小渕首相にただしました。小渕首相は、私の質問に、高齢者の生活をほぼ賄えるものと考えているなどと国民生活の実態を無視した答弁に終始し、その後は、民主党、日本共産党、社会民主党が再三にわたって求めた委員会出席を拒否し続けて今日に至りました。小渕首相の無責任きわまる態度を、国民は決して許さないでしょう。
 本法案に反対する第一の理由は、今日の異常な解雇、リストラの横行による高齢者の深刻な雇用状況を無視して、厚生年金の支給開始年齢を六十五歳に引き上げたことです。
 昨年一月から本年一月まで、六十歳から六十四歳までの有効求人倍率は〇・〇六から〇・〇七と固定しています。退職と年金受給の間に空白期間を置かないことが世界の趨勢です。医療機関で国民の命と健康を守るために献身している看護婦さんの、六十五歳まで働き続けることなど夜勤に追われる私たちには考えられない、この切実な声を政府・与党は真摯に受けとめるべきです。
 一九九四年に、我が党の反対を押し切って、厚生年金定額部分の支給開始年齢引き上げが決定され、明年から実施されます。これに追い打ちをかける報酬比例部分の支給開始年齢の引き上げは、国民の生存権を事実上否定するに等しいもので、断じて容認できません。(拍手)
 反対理由の第二は、賃金スライドの凍結と五%カットによって、国民一人一人が生涯に受け取る年金を全世代にわたって大幅に削減したことです。
 削減額は、支給開始年齢の引き上げと合わせて、厚生省の試算によっても、夫七十歳の夫婦三百万円、五十歳の夫婦五百万円、三十歳夫婦千百万円に達します。
 賃金スライドは、経済成長の成果、国民の生活水準の向上を年金受給者に及ぼすものです。そのゆえに、これまで年金再計算に際して必ず賃金スライドが実施されてきました。今回の改悪は、国民一人一人が将来に描く生活設計を破壊し、公的年金制度に対する国民の信頼を根底から失わせるものです。
 第三の反対理由は、基礎年金に対する国庫負担の二分の一への引き上げを実施しなかったことです。
 周知のごとく、前回の改正時に、全会派一致の附帯決議で、国庫負担金を「二分の一を目途に引き上げることを検討する」とし、法の附則では、平成七年以降において初めて行われる財政再計算の時期を目途として必要な措置を講ずるものとすると明記しました。これは、国民に対する厳粛な公約ではありませんか。国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げることによって、保険料を厚生年金で一%、国民年金では月額三千円を直ちに引き下げることができます。これを実施しなかったことは許すことのできない公約不履行であり、政府・与党の責任はまさに重大です。
 反対理由の第四は、厚生年金、国民年金で百六十七兆円に達する積立金とその運用責任の問題です。
 積立金の総額は、年金再計算の都度、合理的な説明のないまま一方的に上積みされてきました。運用で損失が生じた場合も責任は問われず、プライス・キーピング・オペレーション、株価買い支えのための政治的介入を防止する保障はありません。厳しい生活の中からみずからが拠出した保険料の積立金を、政府、官僚によるマネーゲームの原資とすることを国民は絶対に容認しません。世界に例のない過大な積立金は計画的に取り崩し、給付の充実と保険料負担の軽減に充てるべきです。
 反対理由の第五は、無年金障害者の問題が今回も無視されたことです。
 一九九四年、厚生委員会の附帯決議に、無年金である障害者の所得保障については、福祉的措置による対応を含め速やかに検討する、このことを全会派が一致して盛り込みました。それから既に六年が経過しました。本法案の審議で、政府・与党は無責任な態度を押し通しました。全国の障害者の祈るような期待を裏切るものです。
 日本共産党は、基礎年金に対する国庫負担を引き上げ、巨額の年金積立金のあり方を抜本的に見直し、女性や高齢者が働きやすい環境をつくり上げて年金の支え手をふやすなどの年金改革に着手することを具体的に提起しています。これを実施するなら、年金給付引き下げ等の改悪を行う必要は全くありません。
 この年金改悪は、四月から始まる介護保険における保険料、利用料の過重な負担、政府・与党が計画している高齢者の医療費の大幅な引き上げと合わせて三重苦となり、老後への不安から国民の消費をさらに冷え込ませるものです。日本が本格的な高齢社会に向かおうとするとき、公的年金を国民の期待にこたえる制度に充実させ、社会保障を日本国憲法第二十五条が示す方向に前進させることこそ、不況の打開と日本経済の再建に直結する大道であります。日本共産党は、多数の国民とともに、この大道を踏み締め、二十一世紀に向けた国づくりを進める決意です。
 本法案の廃案を要求し、自民、自由、公明三党の悪政に対して、速やかな解散・総選挙によって国民に信を問うことを厳しく求めて、反対討論を終わります。(拍手)
#11
○議長(伊藤宗一郎君) 濱田健一君。
    〔濱田健一君登壇〕
#12
○濱田健一君 私は、社会民主党・市民連合を代表いたしまして、国民年金法等の一部を改正する法律案外共済四法案に対し、反対の討論を行います。
 年金を初めとする社会保障制度は社会的セーフティーネットの根幹であり、その時々の経済情勢に左右されることがあってはならないはずであります。年金制度のあるべき姿は、国民がだれでも納得できる負担、安心できる年金なのであります。
 しかし、九八年十月の年金審議会の「国民年金・厚生年金保険制度改正に関する意見」以来、政府は国民に痛みばかりを求めてきました。一貫しているのは、現行の制度では年金財政は破綻する、だから給付を引き下げるか保険料を上げる、あるいはその組み合わせしか方法がないという、国民に対する恫喝まがいの改革の押しつけでありました。
 政府の提出した年金改革法案に至っても、取り組むべき課題はすべて先送りされ、個人のライフサイクルを座標軸とすることや第三号被保険者などの女性の年金問題、他の制度とのリンクなどの根本的課題が全く考えられていません。年金給付水準の引き下げを主な内容とするこの法案により、政府も答弁しているとおり、世代間で給付が最大千八百万円減少するとされており、国民を苦しめるばかりです。
 まさにこの法案は、現下の財政状況面のみに着目した理念なきびほう策で、支給額の削減、受給開始年齢の先送りといった国民を苦しめる法律であり、さらには将来の負担増が必至です。高齢社会の中で、老後の安定を求める国民の期待に背き、高齢者の生活不安を増幅させる高齢者いじめの制度改革そのものであると言わざるを得ません。このような法案が国民の理解を得られるはずがありません。老後の生活、そして所得保障の柱である年金改革に当たって、長期不況と先行き不安が広がる中、国民の期待を砕くような年金法案を提出した政府の見識をまず疑わざるを得ないと思います。
 さて、反対する第一の理由は、基礎年金の国庫負担引き上げを先送りしていることです。
 社民党が繰り返し主張しているように、現下における制度改革の最大の課題は基礎年金制度であります。九四年の前回改正では、我々の主張により、基礎年金の国庫負担の割合は、国庫負担の割合を引き上げることを検討することが法律に明記され、しかも、全会一致で確認された附帯決議においては、「二分の一を目途に引き上げることを検討すること」が盛り込まれました。今次改正で二分の一に引き上げることは、国会の意思であったはずです。
 にもかかわらず、本法案には国庫負担の引き上げが提案されず、二〇〇四年までの間と先送りしているのです。断じて認めるわけにはいきません。社民党は、今回の改正において、受給者の権利を守り現役世代の負担を軽減するために、基礎年金の国庫負担を現行の三分の一から二分の一に引き上げることとし、以降、国民の理解を得つつ、二〇〇四年に税方式に移行させることを強く主張してきました。
 第二の理由は、給付の削減です。高齢者の新たな負担となる介護保険のスタートに当たって高齢者の可処分所得を考慮するならば、五%の適正化などといった給付水準であろうはずがありません。また、この不況下において、賃金スライドの凍結は消費を低迷させるばかりであり、物価と賃金の総合的な勘案方式を維持しなければなりません。
 第三の理由は、支給開始年齢の引き上げです。六十五歳への引き上げは、雇用と年金の接続がなされなければ検討にすら値しません。六十歳定年退職制度がようやく定着してきた状況であり、この未曾有の不況下、提案すべきではありません。
 第四の理由は、多様なライフサイクルに対応した女性の年金権確立、あるいは前回改正の附帯決議でも解決が求められた障害無年金問題などについて、今回の法案で何ら触れられず、政府には取り組む姿勢すら見られないことであります。
 世帯単位の考え方を改めて、女性を元気にすること、不公平を解消し、専業主婦を家庭に縛りつけないことが求められます。夫婦の年齢差による受給開始のずれ、さらに独居老人の増加や非婚率の増加などにより、標準世帯で幾らの年金というモデルは今や幻想なのです。転職、退職や子育て、離婚、死別といった多様な女性のライフサイクルに対応した女性の年金権を確立することが求められています。また、被用者年金における育児、介護、看護期間の保険料について公費負担とするなど、アンペイドワークの評価の確立も喫緊の課題でございます。
 今まで述べたように、今回の法案はこれらの課題に全くこたえていないという点で、絶対反対であります。
 ところで、年金福祉事業団の解散及び業務の承継等に関する法律案及び年金資金運用基金法案は、そもそも自社さ連立政権当時の九七年、与党特殊法人改革等協議会において行われた特殊法人改革に端を発するものでありました。社民党は、本法案の制定及び審議の過程において、徹底した情報公開の確立や責任体制の明確化、大規模年金保養基地からの責任ある撤退、さらには、年金受給者、被保険者への影響配慮、雇用の確保等労使関係への万全の配慮などについて真摯に取り組んでまいりました。したがって、本来的に賛成の立場の法案が年金法案と一括で強行採決された事実は、甚だ遺憾であることを表明しておきます。
 次に、改めて強調しておきたいことがあります。
 それは、前国会における衆議院の数の暴力による採決を繰り返さないためにも、今通常国会では慎重かつ十分な審議が必要だったのです。しかしながら、参議院において、自民、自由、公明三党による再度の強行採決が行われ、送付された衆議院では三度目の暴挙が行われたのです。総理に対する質疑など十分な審議を求める我々の要求を一切無視し、与党は委員会で強行採決の挙に出たのであります。
 国民の年金制度に対する信頼と期待は、衆議院、参議院にわたる数の暴力の前に無残に打ち砕かれたのです。自民、自由、公明三党により幾度となく繰り返される横暴な国会運営は、まさに議会制民主主義に対する重大な挑戦であり、社民党は、これを断じて認めるわけにはまいりません。
 以上の理由により、社会民主党・市民連合は、本法案に反対であることを表明いたします。今回の法案が、将来の生活不安をあおり、国民の消費を冷え込ませ、今回の長期不況の元凶とも指摘されていることを最後につけ加え、私の討論を終わります。(拍手)
#13
○議長(伊藤宗一郎君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#14
○議長(伊藤宗一郎君) 三案を一括して採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#15
○議長(伊藤宗一郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
#16
○議長(伊藤宗一郎君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百七十二
  可とする者(白票)      三百三十七
  否とする者(青票)       百三十五
#17
○議長(伊藤宗一郎君) 右の結果、国民年金法等の一部を改正する法律案外二案は、委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
 国民年金法等の一部を改正する法律案外二案を委員長報告のとおり決するを可とする議員の氏名
    安倍 晋三君    逢沢 一郎君
    愛知 和男君    赤城 徳彦君
    浅野 勝人君    麻生 太郎君
    甘利  明君    荒井 広幸君
    井奥 貞雄君    伊藤 公介君
    伊藤 達也君    伊吹 文明君
    飯島 忠義君    池田 行彦君
    石川 要三君    石崎  岳君
    石破  茂君    石原 伸晃君
    稲垣 実男君    稲葉 大和君
    今井  宏君    今村 雅弘君
    岩下 栄一君    岩永 峯一君
    植竹 繁雄君    臼井日出男君
    江口 一雄君    江渡 聡徳君
    江藤 隆美君    衛藤征士郎君
    衛藤 晟一君    遠藤 武彦君
    遠藤 利明君    小川  元君
    小此木八郎君    小里 貞利君
    小澤  潔君    小野 晋也君
    小渕 恵三君    尾身 幸次君
    越智 通雄君    大石 秀政君
    大島 理森君    大野 松茂君
    大野 功統君    大原 一三君
    大村 秀章君    太田 誠一君
    岡部 英男君    奥谷  通君
    奥山 茂彦君    加藤 紘一君
    加藤 卓二君    嘉数 知賢君
    粕谷  茂君    金子 一義君
    金田 英行君    亀井 静香君
    亀井 善之君    鴨下 一郎君
    川崎 二郎君    河井 克行君
    河村 建夫君    瓦   力君
    木部 佳昭君    木村 太郎君
    木村 隆秀君    木村  勉君
    木村 義雄君    岸本 光造君
    北村 直人君    久間 章生君
    久野統一郎君    鯨岡 兵輔君
    熊谷 市雄君    熊代 昭彦君
    倉成 正和君    栗原 博久君
    栗原 裕康君    小泉純一郎君
    小坂 憲次君    小島 敏男君
    小杉  隆君    小林 興起君
    小林 多門君    古賀  誠君
    河野 太郎君    河野 洋平君
    河本 三郎君    高村 正彦君
    左藤  恵君    佐田玄一郎君
    佐藤 孝行君    佐藤 静雄君
    佐藤 信二君    佐藤 剛男君
    佐藤  勉君    斉藤斗志二君
    坂井 隆憲君    坂本 剛二君
    阪上 義秀君    桜井 郁三君
    桜井  新君    櫻内 義雄君
    桜田 義孝君    笹川  堯君
    自見庄三郎君    塩谷  立君
    実川 幸夫君    島村 宜伸君
    下地 幹郎君    下村 博文君
    白川 勝彦君    新藤 義孝君
    菅  義偉君    杉浦 正健君
    杉山 憲夫君    鈴木 俊一君
    鈴木 恒夫君    鈴木 宗男君
    砂田 圭佑君    関谷 勝嗣君
    園田 修光君    園田 博之君
    田中 和徳君    田中 昭一君
    田中眞紀子君    田邉 國男君
   田野瀬良太郎君    田村 憲久君
    高市 早苗君    高鳥  修君
    高橋 一郎君    滝   実君
    竹本 直一君    武部  勤君
    橘 康太郎君    棚橋 泰文君
    谷  洋一君    谷垣 禎一君
    谷川 和穗君    谷畑  孝君
    玉沢徳一郎君    近岡理一郎君
    中馬 弘毅君    津島 雄二君
    戸井田 徹君    虎島 和夫君
    中尾 栄一君    中川 昭一君
    中川 秀直君    中曽根康弘君
    中谷  元君    中野  清君
    中野 正志君    中村正三郎君
    中山 太郎君    中山 利生君
    中山 成彬君    中山 正暉君
    仲村 正治君    長勢 甚遠君
    丹羽 雄哉君    西川 公也君
    西田  司君    額賀福志郎君
    根本  匠君    能勢 和子君
    野田 聖子君    野中 広務君
    野呂田芳成君    葉梨 信行君
    萩野 浩基君    萩山 教嚴君
    橋本龍太郎君    蓮実  進君
    浜田 靖一君    林  幹雄君
    林  義郎君    林田  彪君
    原 健三郎君    原田昇左右君
    原田 義昭君    桧田  仁君
    平沢 勝栄君    平沼 赳夫君
    平林 鴻三君    深谷 隆司君
    福田 康夫君    福永 信彦君
    藤井 孝男君    藤本 孝雄君
    二田 孝治君    船田  元君
    古屋 圭司君    保利 耕輔君
    穂積 良行君    細田 博之君
    堀内 光雄君    堀之内久男君
    牧野 隆守君    増田 敏男君
    町村 信孝君    松岡 利勝君
    松下 忠洋君    松永  光君
    松本 和那君    松本  純君
   三ッ林弥太郎君    三塚  博君
    御法川英文君    水野 賢一君
    宮腰 光寛君    宮澤 喜一君
    宮路 和明君    宮下 創平君
    宮島 大典君    宮本 一三君
    村井  仁君    村岡 兼造君
    村上誠一郎君    村田 吉隆君
    村山 達雄君    目片  信君
    持永 和見君    望月 義夫君
    茂木 敏充君    森  英介君
    森  喜朗君    森田 健作君
    森田  一君    矢上 雅義君
    谷津 義男君    保岡 興治君
    柳沢 伯夫君    柳本 卓治君
    山口 俊一君    山口 泰明君
    山崎  拓君    山下 徳夫君
    山中あき子君    山中 貞則君
    山本 公一君    山本 幸三君
    山本 有二君    与謝野 馨君
    横内 正明君    吉川 貴盛君
   吉田六左エ門君    米田 建三君
    渡辺 具能君    渡辺 博道君
    渡辺 喜美君    綿貫 民輔君
    青山 二三君    赤羽 一嘉君
    赤松 正雄君    井上 義久君
    池坊 保子君    石井 啓一君
    石垣 一夫君    石田 勝之君
    石田幸四郎君    市川 雄一君
    上田  勇君    漆原 良夫君
    遠藤 乙彦君    遠藤 和良君
    小沢 辰男君    大口 善徳君
    大野由利子君    太田 昭宏君
    近江巳記夫君    河合 正智君
    河上 覃雄君    神崎 武法君
    北側 一雄君    旭道山和泰君
    久保 哲司君    草川 昭三君
    倉田 栄喜君    斉藤 鉄夫君
    坂口  力君    白保 台一君
    田端 正広君    谷口 隆義君
    富田 茂之君    並木 正芳君
    西  博義君    西川 知雄君
    東  順治君    平田 米男君
    福島  豊君    福留 泰蔵君
    冬柴 鐵三君    桝屋 敬悟君
    丸谷 佳織君    宮地 正介君
    若松 謙維君    安倍 基雄君
    青木 宏之君    青山  丘君
    井上 一成君    井上 喜一君
    一川 保夫君    岩浅 嘉仁君
    江崎 鐵磨君    岡島 正之君
    海部 俊樹君    小池百合子君
    佐々木洋平君    笹山 登生君
    塩田  晋君    菅原喜重郎君
    鈴木 淑夫君    武山百合子君
    達増 拓也君    中井  洽君
    中西 啓介君    中村 鋭一君
    二階 俊博君    西川太一郎君
    西田  猛君    西野  陽君
    西村 章三君    西村 眞悟君
    野田  毅君    藤井 裕久君
    二見 伸明君    松浪健四郎君
    三沢  淳君    吉田 幸弘君
    米津 等史君    鰐淵 俊之君
    粟屋 敏信君    土屋 品子君
    藤波 孝生君
 否とする議員の氏名
    安住  淳君    赤松 広隆君
    伊藤 英成君    伊藤 忠治君
    家西  悟君    池田 元久君
    池端 清一君    石井 紘基君
    石井  一君    石毛えい子君
    石橋 大吉君    岩國 哲人君
    岩田 順介君    上田 清司君
    上原 康助君    生方 幸夫君
    枝野 幸男君    小沢 鋭仁君
    大石 正光君    大畠 章宏君
    岡田 克也君    奥田  建君
    鹿野 道彦君    海江田万里君
    鍵田 節哉君    金田 誠一君
    川内 博史君    川端 達夫君
    河村たかし君    菅  直人君
    北橋 健治君    北村 哲男君
    熊谷  弘君    桑原  豊君
    玄葉光一郎君    小平 忠正君
    小林  守君    木幡 弘道君
    五島 正規君    今田 保典君
    近藤 昭一君    佐々木秀典君
    佐藤謙一郎君    佐藤 敬夫君
    坂上 富男君    渋谷  修君
    島   聡君    島津 尚純君
    城島 正光君    末松 義規君
    仙谷 由人君    田中 慶秋君
    田中  甲君    高木 義明君
    玉置 一弥君    樽床 伸二君
    辻  一彦君    土肥 隆一君
    冨沢 篤紘君    中川 正春君
    中桐 伸五君    中沢 健次君
    中田  宏君    中野 寛成君
    中山 義活君    永井 英慈君
    羽田  孜君    葉山  峻君
    畑 英次郎君    鉢呂 吉雄君
    鳩山由紀夫君    原口 一博君
    日野 市朗君    肥田美代子君
    平野 博文君    藤田 幸久君
    藤村  修君    古川 元久君
    細川 律夫君    堀込 征雄君
    前田 武志君    前原 誠司君
    松崎 公昭君    松沢 成文君
    松本 惟子君    松本  龍君
    山元  勉君    山本 譲司君
    山本 孝史君    横路 孝弘君
    吉田  治君    吉田 公一君
    渡辺  周君    石井 郁子君
    大森  猛君    金子 満広君
    木島日出夫君    児玉 健次君
    穀田 恵二君    佐々木憲昭君
    佐々木陸海君    志位 和夫君
    瀬古由起子君    辻  第一君
    寺前  巖君    中路 雅弘君
    中島 武敏君    中林よし子君
    春名 直章君    東中 光雄君
    平賀 高成君    不破 哲三君
    藤木 洋子君    藤田 スミ君
    古堅 実吉君    松本 善明君
    矢島 恒夫君    山原健二郎君
    吉井 英勝君    伊藤  茂君
    菊地  董君    北沢 清功君
   知久馬二三子君    辻元 清美君
    土井たか子君    中川 智子君
    中西 績介君    畠山健治郎君
    濱田 健一君    深田  肇君
    保坂 展人君    村山 富市君
    横光 克彦君    笹木 竜三君
    武村 正義君
     ――――◇―――――
 日程第四 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
#18
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第四、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長金子一義君。
    ―――――――――――――
 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔金子一義君登壇〕
#19
○金子一義君 ただいま議題となりました本法律案は、前国会、本院において可決され、参議院において継続審査となっておりましたが、去る三月二十二日、参議院において修正議決の上、本院に送付されました。
 大蔵委員会においては、二十四日提案理由の説明を省略して直ちに採決を行った結果、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#21
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#22
○野田聖子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 参議院送付に係る第百四十五回国会、内閣提出、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#23
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
#25
○議長(伊藤宗一郎君) 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長斉藤斗志二君。
    ―――――――――――――
 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔斉藤斗志二君登壇〕
#26
○斉藤斗志二君 ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、地方公務員共済年金制度について、他の公的年金制度と同様に、第一に、年金給付水準の適正化、第二に、年金支給開始年齢の引き上げ、第三に、総報酬制の導入等を行おうとするものであります。
 本案は、第百四十六回国会で本院において可決され、参議院に送付されましたが、同院において継続審査となっていたもので、今国会に至り、去る三月二十二日参議院において修正議決の上本院に送付され、翌二十三日本委員会に付託されたものであります。
 その修正内容は、本法律案の審査が越年したことに伴い、法律番号に係る暦年について、「平成十一年」を「平成十二年」に改めるものであります。
 本委員会においては、本日提案理由の説明を省略し審査に入りましたが、質疑の申し出もなく、討論、採決の結果、本案は賛成多数をもって参議院送付案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#27
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#28
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#29
○野田聖子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 参議院送付に係る第百四十五回国会、内閣提出、私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#30
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
#32
○議長(伊藤宗一郎君) 私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。文教委員長鈴木恒夫君。
    ―――――――――――――
 私立学校教職員共済法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔鈴木恒夫君登壇〕
#33
○鈴木恒夫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、私学共済制度について厚生年金保険及び国家公務員共済制度に倣った改正を図ろうとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。
 第一に、退職共済年金等の額の改定方式を変更し、六十五歳以上については、物価スライドのみとすること、
 第二に、退職みなし措置の適用年齢を七十歳に引き上げること、
 第三に、賞与についても保険料賦課の対象に加える、いわゆる総報酬制を導入すること
などであります。
 なお、この法律は、一部を除き平成十二年四月一日から施行することといたしております。
 本案は、さきの百四十六回国会に本院を通過し、参議院において継続審査となっていたものでありますが、去る三月二十二日参議院において修正議決の上、本院に送付され、二十三日本委員会に付託されたものであります。
 本委員会におきましては、本日採決の結果、本案は賛成多数をもって参議院送付案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#34
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#35
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#36
○野田聖子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 参議院送付に係る第百四十五回国会、内閣提出、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#37
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案(第百四十五回国会、内閣提出)(参議院送付)
#39
○議長(伊藤宗一郎君) 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長松岡利勝君。
    ―――――――――――――
 農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔松岡利勝君登壇〕
#40
○松岡利勝君 ただいま議題となりました農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、農林漁業団体職員共済組合制度の長期的安定を図り、あわせて将来の活力ある長寿社会の実現に資するため、給付水準の適正化、退職共済年金の支給開始年齢の段階的な引き上げ、組合員間の掛金負担の公平性を確保するための総給与制の導入等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、第百四十六回国会に、本院において可決され、参議院において継続審査となっておりましたが、三月二十二日修正議決の上、本院に送付され、二十三日本委員会に付託されました。
 本委員会におきましては、本日提案理由の説明及び質疑を省略し、討論を行った後、採決いたしましたところ、本案は多数をもって参議院送付案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#41
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#42
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#43
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、児童手当法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。厚生大臣丹羽雄哉君。
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕
#44
○国務大臣(丹羽雄哉君) 児童手当法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国の合計特殊出生率は、一・三八と過去最低の水準になっており、このような少子化の傾向は、我が国にとって大きな社会問題になりつつあります。
 このため、政府といたしましては、少子化への対応として、仕事と子育ての両立の負担感などを緩和し、安心して子育てができるような環境の整備を進める観点に立って、昨年末、少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランを策定し、幅広い分野にわたる施策を推進いたしております。
 今回の改正は、こうした総合的な少子化対策を推進する一環として行うものであります。
 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、当分の間、三歳以上義務教育就学前の児童を養育する父母などに対し、現行制度の給付に相当する給付を行うことといたしております。
 第二に、三歳以上義務教育就学前の児童に対する給付の額及び所得制限などは、現行制度と同様にしております。
 第三に、三歳以上義務教育就学前の児童に対する給付の費用負担は、被用者及び自営業者などにつきましては、国が六分の四、都道府県が六分の一、市町村が六分の一を負担することとし、公務員につきましては、所属庁が全額を負担することにいたしております。
 最後に、この法律の施行期日は、平成十二年六月一日といたしております。
 以上が、児童手当法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 児童手当法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#45
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。古川元久君。
    〔古川元久君登壇〕
#46
○古川元久君 私は、民主党を代表して、ただいま議題となりました児童手当法の一部を改正する法律案について、厚生大臣並びに大蔵大臣に対してお伺いいたします。
 法律案の中身に入る前に、まず、政府が現在の少子化の問題についてどのような認識を持っておられるか、お尋ねしたいと思います。
 先日総務庁が発表した九九年十月現在の我が国の推計人口によれば、十五歳未満のいわゆる年少人口は千八百七十四万二千人で、総人口の一四・八%と統計開始以来初めて一五%を割り込んだとされています。一方、六十五歳以上の高齢者人口は二千百十八万六千人で、総人口に占める割合が一六・七%と過去最高を記録し、改めて少子高齢化の実態がデータの上からも明らかになりました。
 政府は、少子化対策として新旧エンゼルプランの策定や緊急少子化対策などを実施されていますが、これらの施策からは、少子化をどのようにとらえ、どのような社会をつくろうと考えておられるのか、いま一つ明確に伝わってきません。この点、厚生大臣の御見解をお伺いします。
 次に、小渕内閣が昨年夏の補正予算において二千億円盛り込んだ少子化対策臨時特例交付金の効果について質問します。
 これは、保育所の入所待機児童の解消と雇用就業機会の創出という両面を持って交付されたものでした。その交付金の使い道について、労働組合の連合が実態調査をしています。それを見ると、シンポジウムの開催やビデオの作成、あるいは有識者を招いてのキャンペーンなどさまざまです。これで果たして保育所の入所待機を解消できるのかと首をかしげたくなる内容と言わざるを得ません。
 もともと待機児童は大都市部中心に多く見られ、その解消を図るには、地域を限定し、集中的にお金を使った方が効果は大きかったはずです。全国の自治体にあまねく交付し、交付された方もその使い道に困るようでは、まさにばらまき以外の何物でもありません。
 その後、厚生省は、保育所の定員要件引き下げや賃貸方式を認める規制緩和を打ち出しました。いみじくも保利自治大臣が、そうした政策が特例交付金が交付される前にあれば、市町村もやりよかっただろうという点は否定できないという答弁をされたように、目先の結果にこだわる余り、政府全体としての整合性ある政策がとられていません。
 厚生大臣は、この交付金の政策、効果をどう判断されているのでしょうか、御見解を伺います。
 さて、児童手当法改正案について、以下順次質問させていただきます。
 まず、今回の児童手当見直しと来年にも予定される抜本改革との関係についてであります。
 政府案によれば、今回の見直しは当分の間の措置とされています。与党間の合意によって、二〇〇〇年度中に見直すとされているためにこのような一年限りの見直し策になったようですが、児童手当のあり方について今後抜本的な見直しが行われる予定なのであれば、そのための手続や検討期間などを法律で明らかにしておく必要があるのではないかと考えますが、厚生大臣、いかがでしょうか。
 さらに、来年にも抜本的な見直しが予定されているのにもかかわらず、政府が今回、あえて竹に木を接ぐような改正を行おうとする意味は何なのでしょうか。今次改正の意義、目的を国民に明らかにする必要がありますし、来年に行われる抜本改革との関係も明確にしていただきたいと考えますが、厚生大臣の御答弁を求めます。
 そして、その抜本改革の方向性についても伺いたいと思います。
 そもそも、児童手当法の第一条によれば、児童を養育している者に手当を支給することにより、家庭における生活の安定や、次代を担う児童の健全育成及び資質向上に資することをその目的としています。しかし、実際問題として、月五千円で家庭における生活の安定や児童の健全育成、資質の向上に資するのでしょうか。なぜ児童手当を支給するのかを明確にするとともに、法が規定する効果が期待されるレベルはどの程度か、何歳まで支給するのか、支給対象は子供本人か扶養義務者かなど、児童手当の基本となるそのあり方をめぐって国民的な議論が必要ではないでしょうか。
 仄聞するところ、与党間協議ではそのあたりの議論が全く深まっていないようです。児童手当の抜本改革について、ぜひ厚生大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、今回、小学校入学前の子供にまで支給の範囲を拡大される点について伺います。
 私は、児童手当が子育てに伴う経済的負担を軽減するという趣旨のものであるならば、小学校入学前の六歳までではなく、むしろ教育費などの負担が重くなる、学校に通っている子供を持つ家庭に支給する方が、むしろ制度の必要性は高いのではないかと考えます。児童手当の支給範囲がなぜ六歳までとされたのか、この点、厚生大臣に答弁を求めます。
 次に、児童手当の支給額についてお聞きします。
 現在、第一子、第二子について月額五千円、第三子以降は月額一万円となっており、今回の改正案でもその支給金額は変更しないとされています。ところが、この支給水準ではヨーロッパ諸国に比べてかなり少なく、果たして、子育て家庭に対する経済的支援として何らかの効果が期待できる金額と言えるのかどうか、大いに疑問があるのではないでしょうか。
 保育園の保育料だけをとって見ても、例えば中間所得層の共働き世帯では月数万円もかかっており、かなりの負担感があります。せめて保育料の負担がかなり軽減される金額であれば、それなりの効果があると思われますが、手当額の水準について政府ではどのような検討がなされたのでしょうか。また、現在の金額で十分効果が期待できるとお考えなのか、厚生大臣に伺います。
 次に、児童手当を支給される世帯の所得制限に関して伺います。
 ヨーロッパ諸国では、子供を平等に扱うという観点から所得制限はありません。また、後ほどお聞きしますが、今回の財源措置が実質的に年少扶養控除の十万円減額で賄うことになることなどを考慮すれば、所得制限は設けるべきではないとも思われます。この所得制限について、それを設定する理由及びその水準について政府の考え方を説明していただきたいと思います。
 関連して、今次改正案では、新たに支給範囲が拡大される部分に対する給付財源はすべて公費負担となっています。しかし、夫婦子供二人のモデルケースについて、サラリーマン世帯と自営業者世帯とではその所得制限額が異なっており、奇異な印象を受けます。すなわち、モデルケースのサラリーマン世帯が年収六百七十万円であるのに対し、自営業者世帯では四百三十二万五千円と、実に二百三十七万五千円の差があります。なぜこのような格差が生ずるのか、厚生大臣にその理由を伺いたいと思います。
 現在の費用負担は、被用者、自営業者、公務員と、雇用形態の違いによって異なっています。すなわち、被用者の場合、事業主が全体の七割を負担し、残り三割を国と地方自治体が負担しており、自営業者の場合は国と自治体で分担、そして公務員は所属庁が負担することになっています。
 今回の見直しでは、ゼロ歳から三歳までは現行どおりとなっていますが、三歳から六歳までの拡大分はすべて公費で賄うこととされています。
 この費用負担のあり方について、制度本来の理念からすれば財源は全額公費で賄うべきとの議論もありますが、政府は、この事業主負担のあり方についてどうあるべきと考えているのか。公費との負担割合の考えとあわせて、厚生大臣の見解を求めます。
 さて、今回の児童手当見直しに当たって、政府は、その実質的な財源として、十六歳未満の扶養親族に係る年少扶養控除を十万円引き下げる税制改正を予定されています。
 しかし、政府は、この年少扶養控除については、昨年度の税制改革において、子育て減税と称して十万円増額したばかりです。子育て減税といえば、厚生省は就学前の乳幼児に係る特定扶養親族控除の創設を昨年要望しています。そのときに、児童手当の増額については検討されなかったのでしょうか。この件については、先日の本院予算委員会において、我が党同僚議員が厚生大臣に質問いたしましたが、明確な御答弁がありませんでした。この点、再度厚生大臣にお伺いしたいと思います。
 ほんの一年前に、政府は、児童手当の増額ではなく年少扶養控除の増額を選択しました。にもかかわらず、一年たって十万円増額した年少扶養控除をまた十万円引き下げてもとに戻す、これこそまさに朝令暮改ではありませんか。
 これまで、わずか一年で恒久減税策をもとに戻したことはありません。扶養控除の歴史を振り返ってみても、極めて異例な措置であります。そこには理念も政策の一貫性も何も感じられません。税制に対する国民の信頼さえ揺るがせるものであります。なぜ今回のような政策転換をされたのか、大蔵大臣から明確な御答弁をいただきたいと思います。
 しかも、六歳から十六歳までの子供を養育する世帯や三歳未満の子供を持つ世帯にとっては実質増税となることは大変な問題です。子育てに対する経済的負担の軽減が必要であるならば、このような結果を招く制度変更が果たして適当なのかどうか。この点に関して、政府内で十分な検討がなされたのでしょうか。実質的に増税となる子育て家庭に対する明確な説明とあわせて、大蔵大臣の御答弁を求めます。
 ところで、扶養控除は、その収入が課税最低限以下の低所得者にはその恩恵がなく、また、税額控除でなく所得控除であるために、収入が高い者ほど有利な制度となっています。扶養控除を廃止してそのかわりに手当を支給することは、財源と給付の両面において合理的かつ公平な政策を確立する見地から十分意義があると思いますが、扶養控除の見直しなど、そのあり方について大蔵大臣の御所見をお聞かせください。
 児童手当制度は、少子化問題への対応や税の児童に係る扶養控除制度との統合、調整の問題など、広く国民的議論が必要な課題だと思います。また、そもそも、児童手当のような現金給付制度をとるのか、保育や雇用環境など社会的サービス、制度を充実させる現物給付を選択するのかも十分に検討しなければなりません。
 子育て支援と言ったときに、とかく福祉分野だけを考えがちですが、労働、住宅、環境、意識改革、税制そして社会保障とさまざまな分野で不断の改革を行わなければ、少子化問題に対応できません。
 そうした状況の中、政府が竹に木を接ぐいかにも拙速な児童手当の見直し案を提出してきたのは、余りにも無定見で、理解できません。そのことを最後に申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
#47
○国務大臣(宮澤喜一君) 年少扶養親族に係る扶養控除の割り増しの特例は、御承知のように、昨年、平成十一年度税制改正において、我が国における少子高齢化の進展という経済社会の構造変化のもとで、景気の状況も踏まえながら、子育て世帯への配慮として実施したものでございます。
 今回の措置は、子育て世帯の経済的負担の緩和のための施策について、この割り増しの特例を廃止して児童手当を拡充することにより、就学前児童及び中低所得者層に重点を置くことにしたものでございます。したがって、子育て世帯の経済的負担の緩和のための施策という基本的な考え方は同じ思想に立っておりますので、その間に一貫性を欠いた政策変更があったというふうには私ども考えておりません。
 この年少扶養親族に係る扶養控除の割り増しの特例の廃止に伴いまして、おっしゃいますように、一部の家庭にとって実質増税となります。今回、子育て世帯の経済的負担の緩和のための施策について、財政、税制を通じて少子化対策の重点化を図るという観点から、割り増しの特例にかえて児童手当を拡充することによって、就学前児童及び中低所得者層に重点が置かれることになります。
 確かに、お話しのように、平成十一年と十二年の単年度で比較いたしますと、六歳以上十六歳未満の扶養親族を有する者や、児童手当が所得制限がございますので、そのために所得制限を超える所得者など、新たな児童手当の支給がそのために行われないという人々にとっては、今回の措置によって負担増となりますが、他方、子育てにつきまして相対的に負担感が大きい段階にあると考えられます義務教育就学前の扶養家族を有する者、あるいは扶養控除等の税制上の措置に均てんしない、つまり所得がない非納税者あるいは中低所得者に対しては扶養控除等の措置の均てんがございませんから、児童手当の拡充によって財政資金がより手厚く配分されることになることも御理解をいただきたいと存じます。
 なお、扶養控除のあり方につきまして、これは基本的な問題についてのお尋ねでございますが、御承知のように、個人所得税におきましては、所得の多寡にかかわらず、世帯構成に応じて人的控除をいたしております。したがって、これについては、所得制限というものはございません。すべての人が人的控除を差し引かれまして、それによって課税所得を算出する、担税力に応じて課税所得を算出しておるものでございます。したがって、児童手当等の関連におきまして扶養控除を廃止するということになりました場合には、所得にかかわりなく行われておるこのような控除、世帯構成に配慮した税負担の調整機能というものが一応失われるということに考えざるを得ません。
 ただ、おっしゃいますように、児童の扶養に関しまして、これを扶養控除の形で行うかあるいは児童手当という形で行うかについては、国によって確かに違いがございまして、イギリスでは児童手当のみでございますが、アメリカは、児童手当はございませんで、所得控除と税額控除でございます。ドイツやフランスは両方を混合して行っておるようでございます。
 今後、したがいまして、扶養控除と児童手当というものの関連について、これは所得控除全体の問題と社会保障制度のあり方という関連においてでございますが、いろいろ議論が行われることと考えておりますが、所得控除全体あるいは社会保障制度全体、両方の面から慎重な検討を要するものと考えております。(拍手)
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕
#48
○国務大臣(丹羽雄哉君) 古川議員にお答えいたします。
 まず、少子化をどのようにとらえ、どのような社会をつくろうと考えているのかのお尋ねでございますが、近年の出生率の低下の要因は未婚率の上昇であり、その背景には、結婚についての意識の変化とともに、仕事と子育ての両立に伴う負担感の増大があるものと考えております。
 結婚や出産は、あくまでも個人の自由な選択にゆだねられるべきものでありますが、私といたしましては、女性が子供を産み育てながら、一方で働ける環境を整備していくことにより、二十一世紀の我が国を、家庭や子育てに夢を持てる社会をつくっていきたい、このように考えているような次第でございます。
 少子化対策臨時特例交付金の効果についてのお尋ねでございます。
 今回の特例交付金は、保育所待機児童の解消を初めとして、それぞれの自治体が地域の実情に応じた創意工夫ある幅広い取り組みを支援する初めての試みでございまして、およそ三万八千人の保育所待機児童の解消を見込まれるなど、効果を上げているものと考えております。
 また、基金を設置することによりまして、平成十三年度までに柔軟に事業ができるよう配慮したところでございまして、市町村の実情に応じ、今回の保育所の規制緩和措置を活用した事業の実施も期待しているものと考えております。
 それから、児童手当の抜本的見直しの手続や検討期間を法律で明らかにすべきだとの御意見でございますが、児童手当のあり方につきましては、今後の与党間の協議や国民的な議論を踏まえまして検討されるべきものであることから、今回の改正に当たりましては、政府として、具体的な手続や検討期間などを法律で規定することは必要ない、このように考えているような次第でございます。
 それから、今回の改正の意義についてのお尋ねでございますが、少子化対策の推進が喫緊の課題として求められる中、新エンゼルプランなど総合的な少子化対策の一環として、子育てを行う家庭の経済的負担の軽減を図る観点から児童手当の拡充を図るものでございます。
 今後の児童手当のあり方につきましては、昨年末の与党合意を踏まえまして、与党において協議されるものと承知をいたしております。
 それから、児童手当の抜本改革についてのお尋ねでございますが、児童手当のあり方につきましては、昨年の与党の合意においては、財源や費用のあり方についても総合的に検討する、こうされておるわけでございます。少子化対策としての効果、税制などほかの施策との関連、具体的財源確保の方策などについて十分に留意しながら、今後、与党間の協議や国民的議論を踏まえ、検討する必要がある、このように考えているような次第でございます。
 義務教育就学前まで支給することとした理由についてのお尋ねでございますけれども、今回の改正案は、義務教育就学前後では子育てに伴う家庭の精神的、経済的な負担にも違いがあるという点を考慮いたしまして、義務教育就学前までとすることが適当である、このように考えたような次第でございます。
 手当額の水準についての御質問でございますが、現在の手当額は、平成三年の改正において倍増されて、それを今日まで維持してきたものでございます。
 今回の改正においては、限られた財源の中で支給対象の拡大を図ることとし、手当額は従来どおりとしたものでございますが、子育て家庭の経済的な負担を軽減することなどにより、総合的な少子化対策の柱の一つとして位置づけることができるもの、このように考えているような次第でございます。
 それから、児童手当の所得制限についてのお尋ねでございますが、児童養育費がさほど家計への負担を感じないような所得階層には、手当の支給を受ける必要性や効果が比較的少ない、こう考えられることから、所得制限を設けることといたしまして、現在、支給率がおおむね七割となるよう限度額を設定しているところでございます。
 また、自営業者などとサラリーマンとで所得制限の限度額が異なりますのは、昭和五十七年に、行財政改革の観点から限度額を引き下げました際、自営業者などとサラリーマンとで児童手当の支給率に著しい格差が生じたため、これを同程度に保つよう、所得制限の限度額の高い特例給付を設けたことによるものでございます。
 事業主負担についての御質問でございますが、児童手当制度の事業主負担は、児童手当が従業員に対する福利厚生的な性格があるということから導入されたものでございます。現行制度では総給付費の三分の二程度を補っているところでございますが、今回の改正においては、現下の厳しい経済財政状況を踏まえまして、年少扶養控除の見直しを行い、改正に要する費用は国及び地方で負担することといたした次第でございます。
 いずれにいたしましても、事業主負担や公費負担のあり方につきましては、現在、経済財政状況を踏まえながら、国民的な議論により合意を得ていくものと考えているような次第でございます。
 最後に、平成十一年度の税制改正の際に児童手当の増額を検討していなかったかとのお尋ねについてでございますが、平成十一年度の税制改正に当たりましては、所得税の特別減税の見直し議論の中で、厚生省といたしましては、乳幼児、つまりゼロ歳から七歳に係る特定扶養親族控除の創設を要望したところでございますが、その時点におきましては、児童手当の増額は、率直に申し上げて、多額の財源を必要とすることから、その取り扱いについては今後の検討課題とされたところでございます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔議長退席、副議長着席〕
#49
○副議長(渡部恒三君) 福島豊君。
    〔福島豊君登壇〕
#50
○福島豊君 私は、公明党・改革クラブを代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました児童手当法の一部を改正する法律案に対して質問をさせていただきます。
 平成十年の出生数は百十六万人と、いまだかつてない水準に低下をいたしました。二十一世紀に向かって、我が国の人口構造は世界に例を見ないスピードで高齢化していますが、この高齢化を促進する大きな要因は、同時に進行する少子化であります。かつては高齢化社会という言葉がよく使われておりましたが、現在は少子高齢化社会と、少子化を同時に指摘することが多くなりました。
 少子高齢化による人口構造の変化は、社会保障制度に大きな影響を与えるとともに、労働力人口の変化や消費行動の変化を通じて経済成長にも大きな影響を与えざるを得ません。
 その意味で、二十一世紀の日本のビジョンを考えるとき、少子高齢化、とりわけ少子化に対して社会としてどのような対応をとるか検討することは極めて大切な課題といえます。
 このような少子化現象は、ヨーロッパの先進諸国には共通する現象ともいえ、各国がさまざまな少子化対策を講じていることはよく知られた事実でございます。
 また、我が国においても、一昨年、中山太郎衆議院議員を会長とする少子化社会対策議員連盟が発足し、少子化社会対策基本法の制定に向けて、党派を超えて多くの国会議員が参加をし、努力を続けていることは皆様もよく御存じのことと思います。
 公明党・改革クラブにおきましても、早くから少子化対策の検討を開始し、少子化対策の柱として、児童手当制度の抜本的な拡充、ヨーロッパ先進諸国に並ぶ水準の児童手当制度の創設を提案いたしました。
 また、昨年初めからは、自民党、自由党両党とともに少子化対策検討会議を設置し、検討を進めた結果、全国で四万人を超える保育所待機児童の解消を図るため、それぞれの自治体での保育サービスの拡充に向けた取り組みを支援する少子化対策臨時特例交付金を平成十一年度補正予算において実現することができました。
 さらに、昨年十月、自民、自由、公明三党の連立政権の発足に当たって、三党の政策合意におきまして「児童手当及び奨学制度の拡充等、少子化対策を進めるとともに、これとの関連で、所得課税の諸控除の整理、税率の引き下げと簡素化について直ちに協議を開始する」ことが盛り込まれ、三党間で設置された連立与党少子化対策検討会において検討が進められました。その結果、総合的少子化対策として、育児休業制度の拡充、保育サービスの拡充、児童手当制度の拡充を進めることで合意をいたしました。
 育児休業制度の拡充では、育児休業手当の水準が現行の従前所得の二五%から四〇%へと大幅に引き上げられることになりました。また、保育サービスの拡充では、新エンゼルプランが策定され、低年齢児の受け入れ枠を五十八万人から六十八万人へと十万人拡充することなどが盛り込まれました。
 そして、児童手当については、昨年末に与党三党間で、児童手当制度を少子化対策の柱として位置づけ、平成十三年度を目途として、支給対象年齢及び支給額の充実を含めた制度全体の抜本的な見直しをすることが合意されるとともに、当面の措置として、現行三歳未満の児童手当を小学校就学前まで拡充することが合意をされ、本法案の提出に至ったわけであります。
 公明党としましては、支給額の倍増、並びに支給年齢の三歳未満から十六歳未満までの大幅な拡充、並びに所得制限の撤廃を内容とする新たな児童手当制度の創設こそが目指すべき目標であるとの認識はいまだ変わっておりませんが、予算編成の時間的な制約と三党の合意形成の観点から、当面の措置として、本法案に盛り込まれた改革を実施することに賛成をするに至りました。
 予算委員会等での野党の委員からのさまざまな御指摘については、我々も認識が大きく隔たっているわけではないと思っております。むしろ、このような議論を通じて私が感じますことは、今まで児童手当制度という名前はあっても至って貧弱な制度でしかなかったこの制度に対して、社会的な子育ての支援という観点から拡充を図ることが政党の枠を超えて一つの大きな流れとなりつつあるとの認識を深めているわけでございます。本法案の経過措置的性格を超えて、子育ての社会的支援として新たな児童手当制度の創設に向けて議員の皆様の御支援を賜りたく、お願いを申し上げる次第でございます。
 以上の経過を申し上げ、児童手当制度についての認識、また少子化対策についての認識を深めさせていただくため、何点かにわたりまして政府にお尋ねをさせていただきます。
 まず初めに、少子化の社会的な影響についてお尋ねいたします。
 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、二〇〇七年に日本の人口はピークを迎え、二〇五〇年には約一億人、二一〇〇年には中位推計で約六千七百万人に減少するとされております。ある程度出生率が低下すれば再び上昇するのではとの楽観的な見方もありますが、その保証はありません。このような少子化が進行した場合に、我が国の経済並びに社会保障制度にどのような影響が予想されるのかお尋ねをいたします。
 また、小児科医、教師からは、少子化によって子供の育ち方が変わってきているのではないかとの指摘があります。
 少ない子供を大切に育てているのが現在の日本の社会です。核家族という小さな家庭の中で、夫は仕事の多忙から子育てにはほとんどかかわらず、妻のみが育児という大きな荷物を背負っている、そして地域で子育てを応援する人もなく、母と子供のみが向かい合う毎日という現実があります。子供の子の字ではなくて、孤立の孤の字を当てた孤育てが現在の子育てであるという指摘があります。そして、児童虐待という現象もこのような孤立した子育てとつながっているとの指摘があります。家庭や、地域の子供社会が少子化によって変化を受け、子供の育ちにも大きな影響を与えているのではないか、そしてまた学級崩壊のような事態にも結びついているのではないかと危惧しますが、認識をお伺いいたします。
 しかし、一方では、少子化が決して悪いことではないという認識もあることは事実です。また、結婚、出産は、リプロダクティブ・ライツと言われますように、個人の判断にゆだねられる事柄であり、かつてのように、産めよふやせよというような政策のあり方が不適切であることは論をまちません。
 したがって、少子化対策といっても、単に子供がふえればよいということではないと私は考えます。むしろ、その根本となる考え方は、次代を担う世代はその社会にとってかけがえのないもの、宝である、そして、その世代をいかに健やかにはぐくんでいくのかはその社会の重要な課題である、次代を担う世代の育成は単に個人にゆだねて事足れりとすることはできない社会全体が責任を持つべき事柄である、我々はそのように考えております。(拍手)
 連立与党少子化対策検討会において、我々は総合的少子化対策という言葉を用いました。それは、一つには、さまざまな視点からの政策を同時に実施しなければ実効性ある子育ての社会的支援はできないという認識に基づいております。そして同時に、少子化の進行にはさまざまな原因があるのであり、働きながら子育てをしやすい環境をつくること、経済的な支援を拡充することなど、多面的な対応が必要であるという視点からであります。このような多面的な総合的少子化対策に政府として今後どのように取り組むお考えかお尋ねいたします。
 次に、我々が少子化対策の一つの柱として考えている児童手当制度についてお尋ねいたします。
 我が国の児童手当制度は、昭和四十八年に創設されましたが、その後の制度の拡充はほとんど行われなかったと言っても過言ではありません。昭和四十八年から平成八年までの二十四年間でGDPは、名目で三・七倍、実質で一・八倍になりました。この間、六十五歳以上人口一人当たりの高齢者関係給付費は、名目で十一・八倍、実質で五・八倍になったにもかかわらず、十五歳未満一人当たりの児童手当給付費は、名目で二・八倍、実質で一・三倍にとどまっております。すなわち、GDPに比較すれば実質目減りを続けた二十四年間であったという事実を、我々は認識すべきと考えます。
 また、諸外国との比較をすれば、GDPに占める児童手当給付費の比率は、フランス一・三一%、オーストラリア一・二一%、スウェーデン一・〇三%に対して日本はわずか〇・〇三%と、三十倍から四十倍の差があります。
 このように低い水準にとどめ置かれた理由は、一方で税制における扶養控除制度が中心的な役割を果たしてきた、そして企業における家族手当が大きな比重を占めてきたことが挙げられます。
 しかし、OECD諸国の実態では、扶養控除に主体を置くのはアメリカ、スペイン、ニュージーランドにとどまり、ほとんどは直接の給付である児童手当制度を選択いたしております。これは、扶養控除が高所得者に有利な制度で、子育ての経済的な支援を最も必要とする低所得層には意味がないという点を踏まえた合理的な選択をしていると判断されます。もっとも、日本の水準は、扶養控除と児童手当を合わせても最低の水準にあるのは事実です。
 第二の、企業における家族手当の動向は、九二年に七四%の企業が支給しておりましたが、九七年には六三%と、わずか五年間で一〇%以上低下いたしました。もはや企業福祉にも頼ることのできない時代を迎えつつあるとの認識を深めるべきと考えます。
 総理府社会保障制度審議会も、このような事実を踏まえ、平成七年の社会保障体制の再構築に関する提言において、児童手当制度の拡充の必要性を指摘いたしております。
 扶養控除から児童手当への転換、そして、所得制限を撤廃し、すべての児童を対象とする新たな制度の創設に向け、本法案を超えてさらに検討を進めるべきと強く考えておりますが、御認識をお伺いいたします。
 マックス・ウェーバーの「職業としての政治」には、政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、かたい板に力を込めてじわっじわっと穴をくりぬいていく作業であるという有名な言葉があります。新たな児童手当制度の創設というのは、まさにこのかたい板ではないかとの思いがいたしますが、社会が子育てを支援する新たな時代を築くために、我々はこの課題に引き続き全力で取り組んでいく決意であると最後に申し上げまして、私の代表質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕
#51
○国務大臣(丹羽雄哉君) 福島豊議員にお答えいたします。
 まず、少子化の進行が社会保障制度を初めとする我が国の経済にどのような影響を与えるかというお尋ねでございますが、我が国の社会保障制度は、社会保険方式のもと国民がみんなで支え合う仕組みとなっておりますが、少子化により支える側と支えられる側のバランスが崩れることから、現在の少子化の傾向を大変深刻に受けとめておるところでございます。
 それから、少子化に伴う子供の健全な育成への影響についてのお尋ねでございましたが、少子化は、核家族化や地域における子育てのあり方の変化などによって、親による過保護や干渉のし過ぎ、子供同士の交流機会の減少などによって、子供の健やかな育成に影響を与えかねないと懸念をいたしております。
 また、乳幼児と接触する機会が減少することや子供の数が減っていることから、母親の孤立化や育児不安も生じており、子育て家庭の支援を一層進めていくことが重要である、このように認識をいたしておるような次第でございます。
 それから、三番目でございます。総合的な少子化対策への取り組みについてのお尋ねでございますが、近年の急速な少子化の進展は、今申し上げましたとおり、我が国の社会経済全体に広く深刻な影響を与えることが懸念されておるわけでございます。社会全体で取り組むべき重要な課題である、このように考えているような次第でございます。
 このため、政府といたしましては、少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランなどに沿って、保育、雇用、教育、住宅などの分野における環境整備を行うこととしており、今回の児童手当の支給対象年齢の拡大は、総合的な少子化対策の一環として実施することにいたしておるような次第でございます。
 また、総理が主宰いたします少子化への対応を推進する国民会議におきましても、重要な課題として、各界各層における取り組みを一層進めてまいっておるような次第でございます。
 最後に、新たな制度の創設についてのお尋ねでございますが、児童手当制度のあり方につきましては、昨年の末の与党合意において、財源や費用負担のあり方についても総合的に検討する、このようにされておるわけでございます。
 私といたしましては、御指摘のあった、税制上の扶養控除との関係であるとかあるいは企業の家族手当の関係のほか、少子化対策としての効果、ほかの施策との関連、具体的財源確保の方策について十分に留意をしながら、与党間の協議も踏まえつつ検討する必要がある、このように考えているような次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣中曽根弘文君登壇〕
#52
○国務大臣(中曽根弘文君) 福島豊議員にお答えいたします。
 家庭や地域の子供社会が少子化によって変化を受け、子供の育ちにも大きな影響を与えているのではないかとのお尋ねでございますけれども、御指摘のとおり、少子化は、子供の育ち方について、子供同士の切磋琢磨の機会が減少すること、それから、親の子供に対する過保護、過干渉を招きやすくなること、また、学校や地域において、一定規模の集団を前提とした活動が成立しにくくなることなどのさまざまな影響を与えていると考えております。
 少子化対策は教育行政におきましても重要な課題であると認識をしておりまして、文部省におきましても、政府の少子化対策推進基本方針及び新エンゼルプラン、これを踏まえまして、積極的に少子化対策を推進してまいります。
 なお、中央教育審議会におきましても、少子化に対応した教育のあり方について現在御審議いただいているところであります。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
#53
○国務大臣(宮澤喜一君) 扶養控除を廃止して児童手当に転換することについてのお尋ねでございましたが、昨年の暮れに、この問題につきまして、与党の合意でございますが、それによりますと、社会保障制度全般にわたる改革の方向との整合性及び扶養控除の見直し等税制のあり方との関連に留意するとともに、その財源及び費用負担のあり方についても総合的に検討するとなっておりまして、検討課題として、与党において今後に検討が行われることになっております。
 大蔵省といたしましては、与党間の御協議を踏まえながら、少子化対策の効果、あるいは税制などほかの問題、また財源の問題ともあわせまして、総合的な観点から検討いたさなければならないと思っております。
 先ほども申し上げましたが、各国の例で見ますと、アメリカでは児童手当という制度はございませんようで、所得控除と税額控除を併用して、いわば歳入の面でやっている。イギリスでは児童手当だけのようでございます。ドイツ、フランスは併用しておるということで、この両方の問題につきましては、したがいまして、各国ともいろいろに経験をし、検討をいたしておるようでございますが、扶養控除あるいは児童手当のあり方につきましては、我が国におきましても、所得控除全体を今後どうするかという問題、あるいは社会保障制度をどういうふうに運営していくかというような問題と深く絡みまして、非常に大きな問題であると存じます。私どもとしても、慎重に検討をいたさなければならないと思っております。(拍手)
    ―――――――――――――
#54
○副議長(渡部恒三君) 瀬古由起子君。
    〔瀬古由起子君登壇〕
#55
○瀬古由起子君 私は、日本共産党を代表して、児童手当法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 最初に、法案審議に先立ち、二月八日、栃木県宇都宮市で、生活の困窮から母子ともに衰弱し、二歳の女の子が凍死するという痛ましい事件が起きた問題について、厚生大臣はどのように受けとめておられるのか伺います。
 命の支えである水道をとめる前に、水道料金をたびたび滞納していたこの母子家庭を訪問することができなかったのでしょうか。電気、ガス、水道をとめられ、食べるものもなく、寒さに震えながら二歳の子どもが凍死する、世界に冠たる経済力を誇る日本で、なぜこれほどまでに悲惨でむごい事件が起きてしまうのか。本当にこの子を助けるチャンスはなかったのでしょうか。
 昨年七月、二年もおくれて出生届が提出されたときに職員がその事情を尋ねていれば、あるいは児童手当の申請が行われた際に所得の調査がきちんと行われたなら、職権で生活保護法を適用する道もあったのです。なぜこの職権を生かすことができなかったのか、なぜ福祉の手が一度も届かなかったのか。行政の責任は余りにも重いと言わなければなりません。
 必死で仕事を探す母親に、子供がいてはと断られ、保育所はいっぱいだと断られ、幼子を抱えて次々と前途を絶たれてしまったのです。女性が一人で子供を育てるということがどれほど困難な社会環境か、子供の命を救うことができなかったという事実がすべてを物語っています。
 この悲惨きわまりない事件を、厚生行政を所管する大臣としてどのように責任を感じているのか、今後、この事件を教訓にどのように対応されるのか、最初に答弁を求めます。
 子供を育てられない社会、あと一人子供が欲しいと望みながら産むことができない社会、この深刻な現実を克服し、安心して子供を産み育てる環境整備のために今何をしなければならないのか。大切なことは、少子化を招いている最も大きな要因は何かを明らかにすることです。待機児童が三万人を超えるほどの保育所の不足、高い教育費と受験地獄、女性に対する賃金差別、加えて過酷な労働条件、負担ばかりが増大し、不信が広がる医療や年金、介護など、根本問題にまずメスを入れることです。
 女性の社会進出が最も進んでいるスウェーデンで、首相のアドバイザーだったアグネッタさんは、自分の意思で子供を産む社会で出生率が下がることは、人々が未来に希望が持てない社会ですと語っています。
 厚生大臣、女性の求める声に本気で耳を傾け、未来に希望の持てる社会をつくること、だれもが安心して産み育てる環境整備のために、抜本的で総合的な対策をとることが求められているのです。大臣の考えを伺います。
 日本共産党は、一貫して児童手当の拡充を主張してまいりました。児童手当を義務教育就学前まで拡充するのは当然のことです。
 本法案では、少子化対策の一環として、子育てを行う家庭の経済的負担を軽減するため、三歳以上義務教育就学前の児童を養育する者に対し、第一子及び第二子には五千円、第三子以降は一万円の手当を支給するとしています。児童手当の拡充は積極的に推進すべきです。しかしながら、今回の法案には余りに多くの問題があります。
 賛成できない最大の問題は、その財源です。新たな財源は二千二百億円ですが、このうち二千億円を、年少扶養控除を廃止して、小中学生の子供のいる世帯の増税で財源を捻出するというものです。この結果、所得税増税の対象になる子供は千九百万人に及び、新たに児童手当支給対象となる三百万人を差し引いても、千六百万人に増税だけがのしかかるということになるではありませんか。しかも、年少扶養控除の廃止によって、子供の数が多いほど増税は大きくなり、三歳未満児及び小中学生を抱える家庭のすべてが増税になるばかりか、年収六百万円の家庭の場合、九八年との比較では、三歳以上就学前の子供がいても、第二子であれば、児童手当は年間六万円で、課税分は約八万円となり、実質二万円もの増税になってしまうのです。三人目では、児童手当と増税がほぼ同額で、児童手当分が吹き飛んでしまいます。
 大蔵大臣、これでは経済的負担の軽減どころか、子供を産むなと言っているのに等しいのではありませんか。この改革によって、子育てを行う家庭の経済的負担はどのように軽減するのですか。具体的に御説明ください。
 また、三月二十三日の参議院財政・金融委員会で、我が党の池田議員の質問に対し大蔵大臣は、少なからず納税者に影響を及ぼしていると述べ、子育て増税が多数に影響があることを認められました。たった一年で結果も検討せずに控除の廃止に踏み切り、子育て中の多くの国民に増税を押しつける、これでは朝令暮改政策そのものと言わなければなりません。年少扶養控除は間違いだったのでしょうか。明確に御答弁ください。(拍手)
 第二に伺いたいのは、国庫負担を大幅に削減している問題です。
 本来、児童手当は義務教育終了までが対象となっていたものを、八六年から順次年齢を引き下げ、九三年からは三歳未満にまで改悪してしまいました。また、所得制限を低く据え置き、標準世帯以上は対象外とするなどによって、支給対象児童数は、一九八八年の三百九十万人から九九年には二百三十一万人へと、最高の六割弱に大幅に減少しているのです。この結果、国の負担分は、一九八〇年の八百十三億円から一九九九年には二百七十八億円に減額され、十九年間で約三割にまで激減してしまったのです。児童手当の拡充を求める国民の声に反して国の負担を大幅に減らす、このことが子育てを一層困難にしているのではありませんか。どのように総括し、反省されているのか、厚生大臣の答弁を求めます。
 第三は、国際的に比較して、我が国の児童手当制度が余りにも貧困であるという問題です。
 児童手当制度については世界八十六カ国で制度化されていますが、国民総生産における児童手当給付費の比率は、日本が〇・〇三%で、四・八四%であるスウェーデンの百六十分の一、二・七七%であるフランスの九十分の一と、主要国の中でもけた違いの最低クラスです。児童手当及び税制控除、両方の制度を持つ国々の標準世帯における対年収比率で比較しても、最高のベルギーで一八・六%、オーストリア一六・八%、フランス八・〇%、スイス六・八%に対し、日本は最低で、二・一%にすぎません。支給年齢も、多くの国が十八歳までとなっており、三歳などという国は見当たりません。支給額も、日本は最低クラスです。
 所得制限、支給年齢、支給額等をせめて諸外国並みに抜本的に引き上げるべきではありませんか。厚生大臣、検討の意思がおありかどうか、明確に御答弁ください。
 第四は、三歳以上就学前の児童手当分について、企業、事業主負担が全くなくなる問題です。
 現行制度で、サラリーマン家庭の場合は、夫婦二人子供二人の家庭の所得額が二百八十四万円まではその十分の七を、そして四百七十五万円までの特例給付については一〇〇%事業主が負担をしております。
 厚生大臣、なぜ三歳以上就学前の児童手当分について事業主の負担をゼロとする異なる制度を創設したのか、財界、事業主団体とどのような話し合いが行われた結果なのか、新制度創設の理由と経緯を明らかにしてください。
 そもそも、子供たちの健全な成長のために企業が大きな責任を負うのは当然です。厚生大臣、事業主負担の千百億円分を子育て家庭の増税に転嫁するなどは到底許されません。なぜ事業主に負担を求めないのか、明確な説明を求めます。
 第五は、児童手当制度の目的に照らして、支給対象が平等、公平な基準で定められなければならないという問題です。
 現行制度でも、自営業者の場合の所得額は二百八十四万円が限度とされ、差別的な取り扱いを受けているのです。児童手当制度の目的は、児童養育家庭の生活の安定に寄与すること、次代の社会を担う児童の健全な成長及び資質の向上に資すると定めています。長引く不況や大型店舗の出店などで倒産、廃業に追い込まれる自営業者は多く、保険料の滞納や未払いを余儀なくされている世帯が多いことは明白な事実です。すべての子供が平等に処遇されなければなりません。なぜ自営業者の子供についてこのような差別的な取り扱いをするのか。厚生大臣、見直すべきではありませんか。
 だれもが安心して子供を産み育てることのできる、未来に希望の持てる社会をつくるためには、公共事業に年間五十兆円もの予算をつぎ込む財政のあり方を根本的に改めることです。公共事業に五十兆円、社会保障に二十兆円という、国際的に見ても逆立ちした財政構造を改めれば、財源は十分に確保できます。
 日本共産党は、連立のための党利党略などという狭い了見を捨て、すべての子供たちが健やかに育ち、未来に希望を持てる社会の実現に向けて、国民とともに力を尽くすことを表明して、質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕
#56
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、今回の宇都宮におきます児童凍死事件についてのお尋ねでございますが、これはまことに痛ましい事件であり、最低生活を保障する生活保護による援助が、結果として最も援助を必要とする家庭に届かなかったことは大変遺憾に思っております。
 生活保護を初めとする社会福祉制度におきましては、たとえ本人が詳しい仕組みを知らなかったとしても、必要な支援を行うことができるようにできる限り努力することが求められております。このため、生活保護におきましては、住民サービスを担当する窓口はもとより、水道事業者などの関係方面との連絡連携体制の強化に努め、真に支援を必要とする者の生活実態の把握に努力をしていきたい、このように考えているような次第でございます。
 それから、子育て支援について総合的な対策が必要ではないかというお尋ねでございます。
 政府といたしましては、少子化対策推進基本方針や新エンゼルプランなどに沿って、保育、雇用、教育、住宅などの分野における環境整備を行うとともに、児童手当の支給対象年齢を拡充し、総合的な少子化対策を実施することにいたしております。
 それから、国庫負担についての御質問でございますが、今回、児童手当を拡充するに当たりましては、厳しい経済財政状況のもとで、将来世代に負担を回す赤字国債の増発ではなく、年少扶養控除の見直しなどにより、具体的な財源を確保したところでございます。その結果、今回の改正に必要な費用は国と地方公共団体で負担することとなり、国庫負担額は、改正前の平成十一年度の総給付費の二割程度から、改正案を実施した場合に、満年度では四割強に増大することになっております。
 外国との比較のお尋ねでございますが、外国の制度と比較する場合に、先ほど大蔵大臣から話がございましたけれども、単に手当の額、対象年齢、所得制限の有無などを比較することは適当ではなく、児童手当と関連性の大きい扶養手当や、年功賃金という賃金構造や、税の扶養控除の有無なども考慮して検討する必要がある、このように考えているような次第でございます。
 それから、事業主負担についてのお尋ねでございますが、経営者団体からは、事業主の負担増には反対との御意見があったところでございますが、今回、児童手当の拡充を行うに当たりましては、財政、税制を通じて少子化対策の重点化を図る観点から、年少扶養控除の見直しによって財源を確保することとし、新たな事業主負担は求めなかったものであり、現下の厳しい経済財政状況のもとにおいて適切な措置である、このように考えているような次第でございます。
 それから、最後でございます。所得制限についてのお尋ねでございますが、自営業者などとサラリーマンとで所得制限の限度額が異なるのは、昭和五十七年に、行財政改革の観点から限度額を引き下げた際、自営業者などとサラリーマンとで支給率に著しい格差が生じました。このため、これを同程度に保つように、所得制限の限度額の高い特例給付を設けたことによるものでございます。
 このような所得制限の仕組みは、所得や課税のあり方が異なる自営業者などとサラリーマンとの間で実質的な平等を図るものであり、今回の改正においても、このような仕組みを踏襲したところでございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
#57
○国務大臣(宮澤喜一君) 今回の措置によりまして、児童手当が拡充され、就学前児童及び中低所得者層に重点が置かれることになることは間違いございませんけれども、確かに、おっしゃいますように、平成十一年と十二年の単年度で比較をいたしますと、六歳以上十六歳未満の扶養親族を有する方、それから、児童手当をもらえるはずだが所得制限があるからもらえなくなる人など、新たな児童手当の支給がない方にとっては、今回の措置により負担の増となります。それは言われるとおりであります。
 他方、子育てについて相対的に負担感が大きい段階にあると考えられます義務教育就学前の扶養親族を有する方、あるいは扶養控除等の税制上の措置に均てんしない、つまり低い所得あるいは所得のない方、これは、児童手当の拡充によりまして財政資金が結果として手厚く配分されることになる、そういうことでございます。
 これは、すべての人がこれで所得的に利益をするわけではないという点はおっしゃるとおりでございますけれども、どこに重点を置くかということの重点の置き方の問題と私ども考えております。
 子育て世帯の経済的負担の緩和のための施策について、つまり少子化対策の重点化を図るということから、割り増しの特例を廃止して児童手当の方を拡充する、それによって就学前児童及び中低所得者の層に重点を置くという考え方でございますから、物事の考え方として二つの間に矛盾することはない、また、朝令暮改といったような御批判は当たらないものだというふうに考えております。(拍手)
#58
○副議長(渡部恒三君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#59
○副議長(渡部恒三君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十二分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        大蔵大臣    宮澤 喜一君
        文部大臣    中曽根弘文君
        厚生大臣    丹羽 雄哉君
        農林水産大臣  玉沢徳一郎君
        自治大臣    保利 耕輔君
 出席政務次官
        厚生政務次官  大野由利子君
ソース: 国立国会図書館
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