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2000/03/30 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第17号
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2000/03/30 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第17号

#1
第147回国会 本会議 第17号
平成十二年三月三十日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十五号
  平成十二年三月三十日
    午後一時開議
 第一 アルコール事業法案(内閣提出、参議院送付)
 第二 技術士法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 アルコール事業法案(内閣提出、参議院送付)
 日程第二 技術士法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案(内閣提出)
 国立国会図書館法の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
 衆議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案(議院運営委員長提出)
 衆議院法制局職員定員規程の一部を改正する規程案(議院運営委員長提出)
 行政機関の職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 アルコール事業法案(内閣提出、参議院送付)
#3
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、アルコール事業法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。商工委員長中山成彬君。
    ―――――――――――――
 アルコール事業法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中山成彬君登壇〕
#4
○中山成彬君 ただいま議題となりました法律案につきまして、商工委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、アルコール専売制度を廃止するとともに、我が国のアルコール事業の健全な発展及びアルコールの安定的かつ円滑な供給の確保を図るため、
 第一に、アルコールの製造、輸入もしくは販売の業または使用を行おうとする者は、許可を受けなければならないこと、
 第二に、許可を受ける義務を課さない特定アルコールについては、酒類原料への不正使用を防止するために必要な額を付加した上、新エネルギー・産業技術総合開発機構が販売すること、
 第三に、アルコール専売制度の廃止後五年間を目途に、暫定措置として、新エネルギー・産業技術総合開発機構がアルコールの製造及び一手購入を行えることとし、その後については、同機構の行うアルコール製造業務の全部を引き継ぐ株式会社として、政府がその資本の全額を出資するものを設立するとともに、その会社をできる限り早期に民営化するため、必要な措置を講ずること
等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、去る三月二十一日本委員会に付託され、同月二十二日深谷通商産業大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。同月二十九日質疑を行い、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 技術士法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#7
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第二、技術士法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。科学技術委員長田端正広君。
    ―――――――――――――
 技術士法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔田端正広君登壇〕
#8
○田端正広君 ただいま議題となりました技術士法の一部を改正する法律案につきまして、科学技術委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。
 本案は、技術士の制度についての国際的な整合性の確保を図るため、我が国の技術士と同等以上の外国の資格を有する者が技術士の資格を取得できるよう特例を設けるとともに、良質の技術士の一層の育成を図るため、第二次試験の受験資格の改善を図るほか、技術士等の公益確保の責務を定める等、所要の措置を講じようとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、技術士等の資格に関する特例として、技術士と同等以上の科学技術に関する外国の資格を有する者であって、技術士の業務を行うのに必要な知識及び能力を有すると文部科学大臣が認めたものは、技術士となる資格を有するものとすること。また、大学その他の教育機関における課程であって、その修了が第一次試験の合格と同等であるものとして文部科学大臣が指定したものを修了した者は、技術士補となる資格を有することとしております。
 第二に、試験制度の改善として、第一次試験の目的に、技術士となるのに必要な科学技術全般にわたる基礎的学識及び技術士等の義務に関する規定の遵守に関する適性を有するかどうかを判定することを追加すること。また、第二次試験の受験要件として、優秀な指導者による監督のもとで科学技術に関する専門的応用能力を必要とする業務に一定期間従事した場合を、新たに認めることとしております。
 第三に、技術士等の責務として、技術士または技術士補は、その業務を行うに当たっては、公共の安全、環境の保全その他の公益を害することのないよう努めなければならないこと。また、技術士は、常に、その業務に関して有する知識及び技能の水準を向上させる等、その資質の向上を図るよう努めなければならないこととしております。
 本案は、去る三月十四日本委員会に付託され、同日中曽根国務大臣から提案理由の説明を聴取し、昨二十九日に質疑を行い、質疑終局の後、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案(内閣提出)
#11
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第三、大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。建設委員長大口善徳君。
    ―――――――――――――
 大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔大口善徳君登壇〕
#12
○大口善徳君 ただいま議題となりました大深度地下の公共的使用に関する特別措置法案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、公共の利益となる事業の円滑な遂行と大深度地下の適正かつ合理的な利用を図るため、大深度地下の公共的な使用に関し、特別の措置を講じようとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、この法律において、大深度地下とは、建築物の地下室の用に通常供されることがない地下の深さとして政令で定める深さ、または、通常の建築物の基礎ぐいを支持することができる地盤の上面から政令で定める距離を加えた深さのうち、いずれか深い方の地下をいうものとすること、
 第二に、この法律による特別の措置は、人口の集中度、土地利用の状況等を勘案し政令で定める地域において、道路、河川、鉄道、通信、上下水道等一定の公共の利益となる事業について講じられるものとすること、
 第三に、国は、大深度地下における事業の円滑な遂行に関する基本的な事項や、安全の確保、環境の保全その他大深度地下の使用に際し配慮すべき事項等を定めた大深度地下の公共的使用に関する基本方針を定めるものとすること、
 第四に、法律の対象となる地域ごとに、必要な協議を行うため、関係行政機関等で組織する大深度地下使用協議会を設置するものとすること、
 第五に、国土交通大臣または都道府県知事は、使用認可申請書の公告及び縦覧、利害関係人の意見書の提出、関係行政機関の意見書の提出等所要の手続を経て、使用の認可を行うことができるものとすること、
 第六に、使用の認可を受けた事業者は、原則として補償することなく大深度地下を使用することができるものとし、例外的に補償すべき損失がある場合には請求を待ってこれを補償するものとすること
であります。
 本案は、去る三月二十一日本委員会に付託され、翌二十二日中山国土庁長官から提案理由の説明を聴取し、二十九日質疑に入り、同日質疑を終了、討論、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案には附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#13
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#14
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#15
○野田聖子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 議院運営委員長提出、国立国会図書館法の一部を改正する法律案、衆議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案及び衆議院法制局職員定員規程の一部を改正する規程案の三案は、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。
#16
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 国立国会図書館法の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
 衆議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案(議院運営委員長提出)
 衆議院法制局職員定員規程の一部を改正する規程案(議院運営委員長提出)
#18
○議長(伊藤宗一郎君) 国立国会図書館法の一部を改正する法律案、衆議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案、衆議院法制局職員定員規程の一部を改正する規程案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。議院運営委員長大島理森君。
    ―――――――――――――
 国立国会図書館法の一部を改正する法律案
 衆議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案
 衆議院法制局職員定員規程の一部を改正する規程案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔大島理森君登壇〕
#19
○大島理森君 ただいま議題となりました国立国会図書館法の一部を改正する法律案並びに衆議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案及び衆議院法制局職員定員規程の一部を改正する規程案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、国立国会図書館法の一部を改正する法律案でありますが、これは、納本による図書館資料の収集をより適正に行うため、CD―ROMなどのパッケージ系電子出版物を納入対象に加えるとともに、国、地方公共団体等が発行する出版物の納入部数を見直そうとするものであります。
 次に、衆議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案でありますが、これは、憲法調査会等の設置に伴い、事務局職員の定員を八人ふやし、千七百三十二人とするものであります。
 次に、衆議院法制局職員定員規程の一部を改正する規程案でありますが、これは、同様に、法制局職員の定員を二人ふやし、七十六人とするものであります。
 本法律案及び両規程案は、本日、議院運営委員会において起草し、提出したものであります。
 何とぞ御賛同くださるようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○議長(伊藤宗一郎君) 三案を一括して採決いたします。
 三案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、三案とも可決いたしました。
     ――――◇―――――
 行政機関の職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#22
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、行政機関の職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣続訓弘君。
    〔国務大臣続訓弘君登壇〕
#23
○国務大臣(続訓弘君) 行政機関の職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 行政機関の職員の定員に関する法律、いわゆる総定員法は、各行政機関の職員の定員の総数の最高限度を法定することにより、行政機関の膨張を抑制することを目的とするものであり、政府としては、その範囲の中で、定員の削減に努めてまいったところであります。
 さきに成立した中央省庁等改革基本法においては、平成十三年一月六日に行われる新たな府省の編成にあわせて総定員法を改正するための措置をとることが定められており、その趣旨を踏まえ、総定員法で定められる行政機関の職員の定員の総数について、新たな最高限度を設定する必要があります。
 以上が、行政機関の職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案を提案した理由であります。
 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、現在、国立学校設置法及び沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律に基づき、総定員法の定める最高限度には含まれない定員が定められておりますが、これを見直し、総定員法の定める最高限度に含めることとしております。
 第二に、現在五十二万八千一人とされている総定員法上の最高限度につきまして、ただいま申し上げた国立学校設置法及び沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律に係る改正に伴い、二万八千六百八十六人の定員が付加されることとなり、その上で、府省の編成にあわせて、平成十二年度予算において議決された定員まで、二万一千八百六十五人の引き下げを行うことにより、新たな最高限度の数を五十三万四千八百二十二人とすることとしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 行政機関の職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#24
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。山元勉君。
    〔山元勉君登壇〕
#25
○山元勉君 私は、民主党を代表し、ただいま議題となりました行政機関の職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案に対する質疑を行います。
 橋本前内閣から引き継がれてきた行政改革は、二〇〇一年一月の中央省庁の再編や四月の独立行政法人の発足によって、一つの大きな区切りを迎えることとなります。
 そもそも、今回の行政改革の目的は、一部の高級公務員の不祥事などさまざまな端緒はありましたが、キャッチアップ型の社会経済システムの見直しに対応した形で、行政のあり方や組織自体を二十一世紀にふさわしいものに見直していくことにあります。中央集権的裁量型行政を事後チェック、監督型行政に見直し、規制緩和や地方分権を進めること、それに対応した形で国の行政組織のあり方を効率的なものに見直していくことこそが問われていることは言うまでもありません。
 しかし、政府がこれまで進めてきた中央省庁再編や独立行政法人化が本当に国民のための行政改革を実現するものであったかどうか、規制緩和や分権化の施策が本当に進んでいるかどうか、大いに疑問と言わざるを得ません。行政改革の一環として位置づけられている本法案についても、こうした観点から見て、幾つか基本的な問題点があると言わざるを得ません。
 本改正案は、現行では定員総数を計算する際これまで加えていない、いわゆる無医大県解消計画等により昭和四十八年以降に設置された国立医科大学等の二万三十二人、昭和四十七年五月の本土復帰に伴い、沖縄県に置かれることとなった国の行政機関の八千六百五十四人の定員も定員総数に加えることとし、その上で総定員の実質削減を図るものであります。
 法定定員の総数上限の実質的な削減は、昭和四十四年の総定員法制定以来初めてであり、また、新設国立医科大学、沖縄県にある国の出先機関の定員がこれまで枠外扱いされていたのは当分の間の暫定的措置であり、一元管理されることになったことともあわせ、一定の評価をするものであります。
 しかしながら、私は、この法案の土台ともいうべき、そもそもの行政改革、行政の減量化、スリム化に対する政府の基本的な姿勢について大きな疑義を持つものであります。
 国際化、情報化、そして少子高齢化などの急速な進展により、国民の求める行政ニーズは近年複雑多岐にわたってきていると考えます。
 御存じのとおり、この法案の理念は、この間の行政改革の論議の中で、中央省庁等の再編と国の行政を地方や民へ移行するという、いわゆるスリム化を通じて国の定数を削減するというものであります。
 ところが、定数削減に対する政府の姿勢は、平成十年六月の中央省庁等改革基本法で一〇%と定めておきながら、小渕総理はさきの自民党総裁選挙における公約で二倍の二〇%に引き上げ、昨年一月の自自連立合意でさらに五ポイント上積み、結局二五%で閣議決定したという経緯があります。
 このことは、政府として国民へどのように行政サービスを提供し、安心して二十一世紀を迎えられるか、あるいは老後を迎えられるかという将来の姿を示さないままに単に国の定員を削減するという、理念も何もないことのあらわれではないでしょうか。
 政府に明確にしていただきたいことは、まずもって、国民が求める行政ニーズに対してどのようにこたえようとするのかということであります。そのことが明らかにされない中で国の役人を四分の一減らしますでは、真に国民が求める行政サービスすらおろそかになりかねないという大きな不安があります。
 また、際限のない官僚の不祥事は、一部の特権的官僚が行政を私物化している事実であり、国の行政の組織やその進め方そのものに問題があると言わざるを得ません。ここで改めて、行政改革に対する官房長官の理念、基本的な考えをお伺いしたいと思います。
 来年四月には、試験研究機関を中心に、八十余りの機関が独立行政法人化し、定員約一万八千人が移行します。また、その後も、国立病院と国立療養所で約五万人、さらに国立大学の独立行政法人化が実現すれば、約十三万人が総定員法から外れる、すなわち削減されることになり、二五%はあっという間にクリアします。総定員法の枠外という点からは、公務員の二五%削減は簡単に達成できるからくりになっているわけであります。これが単なる移行にすぎないのは明らかであります。このように見てくると、今回の行政改革の目玉と言われてきた独立行政法人化の目的や意義にまでさかのぼって疑念を持たざるを得ません。
 よもや政府の公約が、このようなつじつま合わせに終始することはあってはなりませんし、万が一そのような事態になれば、それは国民を愚弄する行為にほかならないものと考えますが、総務庁長官の見解を伺います。
 また、総定員法が定める最高限度数の意義を保つためには、独立行政法人への移行によって総定員法から外れる定員については、自動的に最高限度数から差し引くことをルールとすることは当然でありますが、総務庁長官の御見解をお伺いします。
 そもそもこの問題は、国がやるべき仕事、地方が担うべき仕事、民間に託すべき仕事を明確にした上で、合理的、効率的な人員配置を検討するという手順が当然であります。
 しかし、この間の政府には、この当然の手順、判断が欠落しています。国、地方、民間の役割分担もあいまいなまま、とりあえず人だけ減らせば格好がつくと言わんばかりの、なりふり構わぬ所業ばかりが目につきます。このままでは、ともすれば国民への行政サービスの低下、公務員の労働条件の悪化をもたらすばかりで、何ら得るものはないということになりかねません。いま一度行政改革の原点に立ち返って、二十一世紀の行政のあり方、省庁再編のあり方、公務員制度のあり方、公務員定員の適正化について検討すべきと考えますが、総務庁長官、いかがでしょうか。
 続きまして、本法案に基づく具体的な課題についてお伺いをいたします。
 改正案によりますと、新たな最高限度数は、平成十二年四月一日現在の定員数五十三万四千八百二十二人となっております。
 しかしながら、総定員法の制定は昭和四十二年度末定員を最高限度数にして、昭和四十三年から定員削減計画を実施しております。こうした総定員法の制定過程からすれば、本来は、省庁再編の直前、二〇〇一年一月五日の定員五十二万九千七百四十七人を最高限度とするのが筋と言えるのではないでしょうか。中央省庁改革法でも、省庁の再編にあわせ、行政機関の職員の定員に関する法律を改正するための措置をとるとあります。素直に読めば、省庁再編直前の一月五日時点の定員が適当と思われます。
 そうせずに、いわば五千人余りの余裕を持たせているのは、新規採用が年度当初に行われるのに対し、退職は一年を通じて行われることから必要とされるいわゆる調整定員のためということのようですが、これは国民に非常にわかりづらい不透明なものとなっております。調整定員が本当に必要であれば、それを堂々と別枠で明記した方が、不必要に国民の疑念を招くことなく、わかりやすいものとなると考えますが、総務庁長官、いかがでしょうか。
 冒頭、述べましたように、本改正案によれば、現行では定員総数を計算する際にこれまで加えていない、沖縄県にある国の出先機関の定員も定員総数に加え、一元的な定員管理となります。
 しかしながら、沖縄は、現在、サミットの舞台として脚光を浴びていますが、歴史的経緯から、経済及び地域振興の途上にあります。また地理的にも、本土との距離が大きい、離島が多いなど、特異な条件を持っています。今後も沖縄の行政需要は高いことは明らかであり、引き続き特例的なてこ入れが必要で、少なくとも一定期間の経過措置が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。沖縄開発庁長官にお伺いをします。
 新たな省庁再編は、二〇〇一年一月六日とされております。しかし、新たな省庁の事務事業の質と量の実態が明らかになっていない中で、定員削減だけを先行する形となることは、国民に提供すべき行政サービスとのバランスを欠く懸念があります。総務庁長官、定員削減計画策定のスケジュールと手法について明確にお答えください。
 長期的視野と責任を持った国の行政の継続を考えれば、新規採用を継続することは必要であります。また、二〇〇一年度からは、年金支給開始年齢の引き上げとのかかわりで、高齢再任用がスタートいたします。良質な行政サービスを維持し、また、職員が安心して職務に専念するためには、新規採用と高齢再任用の方向性を明らかにすべきと考えますが、総務庁長官、いかがでしょうか。
 また、強制的な早期退職勧奨や配置転換を初め、いたずらに職員の雇用不安を惹起するような削減手法、出血整理を初めとする強引な手法は行うべきではありませんが、総務庁長官、定員削減に当たってどのような姿勢で臨まれるのか、お考えをお聞かせください。
 最後に、申し上げます。
 国民は、単に公務員を減らせ、税金を減らせとは言っておりません。雇用や老後、教育、環境等々、将来に向かって積み重なってきている不安を減らし、解消できることを国に求めているのです。
 このことを常に念頭に置きながら、二十一世紀の国の行政の中身を十分に吟味し、その上に立った組織や定員のあり方を考えていただきたいと申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣続訓弘君登壇〕
#26
○国務大臣(続訓弘君) 山元勉議員から私に対する七点の御質問がございました。順次お答えを申し上げます。
 まず第一に、独立行政法人化は単なる定員の移行ではないかとのお尋ねがございました。
 独立行政法人は、国とは別の法人として、自律的、弾力的な運営を行わせることを目的とするものであり、その職員を行政機関の定員と同じ管理のもとにおくことは適当ではないという考え方から、その法人の定員は、中央省庁等改革基本法に規定されているように、総定員法の管理対象とはしないこととされております。
 独立行政法人に移行した後においては、個々の法人自身が、その趣旨を踏まえて、みずからの責任において定員管理を行うこととなりますので、単なる定員の移行との御指摘は当たらないものと考えております。
 第二に、独立行政法人化と総定員法上の最高限度との関係についてのお尋ねがございました。
 総定員法は、国の行政機関の職員の定員の総数の最高限度を法定するものであり、その範囲内において、政府の責任で定員管理を進めるものであります。したがいまして、独立法人化等により国の行政機関の定員が減少することに伴い、最高限度をその都度引き下げるものではないことを御理解賜りたいと存じます。
 第三に、行政改革の原点に立ち返って定員のあり方を検討すべきではないかとのお尋ねがございました。
 行政の減量、効率化は、今般の中央省庁等改革においても重要な柱の一つとして位置づけられており、定員削減も、その考え方に沿って実施しているところでございます。定員削減を進めていくに当たりましては、御指摘のように、ただ単に人を減らすということではなく、今後、新しい世紀を迎え、新たな省庁体制のもと、真に国がやるべき仕事、すなわち各省庁の職員が担当すべき業務は何であるかという観点に立ちながら、行政需要に即して業務を見直し、その効率的な運営を一層推進することにより実施することが重要であると考えております。
 第四に、調整定員についてのお尋ねがございました。
 調整定員は、御指摘のように、年度当初の一定の採用数を確保し、いわゆる出血整理を避けるために、年度内の一定期間に限って認めているものでありますが、これらも行政機関の職員の定員であり、本来の定員と同じ最高限度のもとで管理すべきものであります。いずれにせよ、調整定員につきましても、毎年度の予算上明記し、国会での御審議を経ることとともに、政令で明確に規定することとしております。
 第五に、新たな定員削減計画策定のスケジュールと手法についてのお尋ねがございました。
 定員削減計画は、各省庁の業務を見直し、合理化可能な部門における定員を計画的に削減するものであります。中央省庁等改革にあわせた新たな定員削減計画は、来年度予算の概算要求作業に間に合わすよう、この夏ごろまでに策定すべく作業を進めてまいりたいと考えております。また、この計画は、各省庁ともよく協議しつつ、各部門の業務の実態や合理化の余地等を勘案して策定することとしたいと考えております。
 第六に、新規採用と高齢再任用の方向性についてのお尋ねがございました。
 平成十三年度から導入される新再任用制度は、定員の枠内で実施されるものであるため、再任用職員が増加した場合には、新規採用数が抑制される場合が生じ得ることは事実でございます。しかし、組織の活力を保持する観点から、所要の新規採用者数を確保することも必要であります。このため、各任命権者においては、所要の新規採用者数を確保するよう努力しつつ、短時間勤務職員の活用を含め、できる限り高齢者の再任用の機会を確保していく必要があると考えております。
 最後に、定員削減の実施の手法についてのお尋ねがございました。
 政府は、昭和四十四年の総定員法制定の際の審議において、出血調整や強制配置転換を行わないよう配慮すべきであるとの国会の附帯決議をいただいたところであります。政府といたしましては、従来からもこの考え方を尊重して対応してきており、今後ともこの方針を踏まえて対応してまいる所存でございます。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣青木幹雄君登壇〕
#27
○国務大臣(青木幹雄君) 山元議員にお答えをいたします。
 定員削減さらには行政改革の理念についてのお尋ねでございますが、行政の減量、効率化は、今回の中央省庁等改革の重要な柱の一つであり、定員削減も、その考えに沿って真に必要な行政サービスの水準に留意しながらこれを進めていこうとするものであります。
 また、そもそもの行政改革の基本理念につきましては、中央省庁等改革基本法にもありますとおり、行政改革は、減量、効率化のみならず、国の行政組織及び事務事業の運営の総合性、機動性、透明性の向上を図り、これにより戦後の我が国の社会経済構造の転換を促し、自由かつ公正な社会の形成を目指そうとするものであると考えております。
 このような考え方に立ちまして、引き続き行政改革に積極的に取り組んでまいる所存であります。
 次に、沖縄県にある国の出先機関の職員の定員管理の問題についてお尋ねがございました。
 本定員につきましては、中央省庁等改革基本法の規定等に基づき、定員の総数について新たな枠組みを設定することとされておりますことから、沖縄特措法の措置を廃止し、総定員法による管理に一元化することといたしております。
 今後、沖縄関係の定員につきましては、必要に応じ総定員法の枠の中で政府全体での定員の再配置によりまして、行政遂行上の支障を来さないように万全の対応をしてまいりたいと考えております。(拍手)
#28
○議長(伊藤宗一郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#29
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十二分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        通商産業大臣  深谷 隆司君
        国務大臣    青木 幹雄君
        国務大臣    続  訓弘君
        国務大臣    中曽根弘文君
        国務大臣    中山 正暉君
 出席政務次官
        総務政務次官  持永 和見君
ソース: 国立国会図書館
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