くにさくロゴ
2000/03/31 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第18号
姉妹サイト
 
2000/03/31 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第18号

#1
第147回国会 本会議 第18号
平成十二年三月三十一日(金曜日)
    ―――――――――――――
  平成十二年三月三十一日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 人事官任命につき同意を求めるの件
 原子力安全委員会委員任命につき同意を求めるの件
 宇宙開発委員会委員任命につき同意を求めるの件
 国地方係争処理委員会委員任命につき同意を求めるの件
 商品取引所審議会会長及び同委員任命につき同意を求めるの件
 民事法律扶助法案(内閣提出)
 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 人事官任命につき同意を求めるの件
 原子力安全委員会委員任命につき同意を求めるの件
 宇宙開発委員会委員任命につき同意を求めるの件
 国地方係争処理委員会委員任命につき同意を求めるの件
 商品取引所審議会会長及び同委員任命につき同意を求めるの件
#3
○議長(伊藤宗一郎君) お諮りいたします。
 内閣から、
 人事官
 原子力安全委員会委員
 宇宙開発委員会委員
 国地方係争処理委員会委員
及び
 商品取引所審議会会長及び同委員に
次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申し出があります。
 内閣からの申し出中、
 まず、
 人事官に中島忠能君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#4
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。
 次に、
 原子力安全委員会委員に須田信英君、松浦祥次郎君及び松原純子君を、
 商品取引所審議会委員に佐々波楊子君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、
 宇宙開発委員会委員に栗木恭一君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#6
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。
 次に、
 国地方係争処理委員会委員に上谷清君を、
 商品取引所審議会委員に竹居照芳君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#7
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、
 国地方係争処理委員会委員に大城光代君及び塩野宏君を、
 商品取引所審議会会長に神崎克郎君を、
 同委員に上村達男君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
 次に、
 国地方係争処理委員会委員に五代利矢子君及び藤田宙靖君を、
 商品取引所審議会委員に北岡隆君を
任命することについて、申し出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#9
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。
     ――――◇―――――
#10
○野田聖子君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、民事法律扶助法案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#11
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 民事法律扶助法案(内閣提出)
#13
○議長(伊藤宗一郎君) 民事法律扶助法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長武部勤君。
    ―――――――――――――
 民事法律扶助法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔武部勤君登壇〕
#14
○武部勤君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、民事法律扶助事業が、司法制度の充実に寄与する公共性の高いものであることにかんがみ、国民がより利用しやすい司法制度の実現に資することを目的として、民事法律扶助事業の整備及び発展を図るために必要な制度を創設するための措置を講じようとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、民事法律扶助事業の内容を、民事裁判等の手続の準備及び追行に必要な資力に乏しい国民等を援助する事業であって、訴訟代理費用、書類作成費用等の立てかえ及び法律相談の実施等の業務を行うものとし、国は、同事業の統一的な運営体制の整備及び全国的に均質な遂行等に必要な措置を講ずるよう努めるものとすること、
 第二に、日本弁護士連合会及び弁護士会は、民事法律扶助事業の実施に関し、会員である弁護士による協力体制の充実を図る等同事業の適正な運営の確保等に必要な支援をするよう努めるものとするとともに、弁護士は、その実施のために必要な協力をするよう努めるものとすること、
 第三に、法務大臣は、民事法律扶助事業を行う公益法人を全国に一を限って指定することができることとした上、指定法人に対する法務大臣の監督等に関する規定を設けるものとすること、
 第四に、国は、予算の範囲内において、指定法人に対し、民事法律扶助事業に要する費用の一部を補助することができるものとすること
であります。
 委員会においては、去る二十一日臼井法務大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、二十八日には参考人から意見を聴取する等慎重な審査を行い、本日質疑を終了し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#17
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。建設大臣中山正暉君。
    〔国務大臣中山正暉君登壇〕
#18
○国務大臣(中山正暉君) 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 現行都市計画法が施行されて以来三十年を経過しており、その間に、都市への人口集中の鎮静化、モータリゼーションの進展等、都市をめぐる経済社会環境は大きく変化をいたしております。
 このような状況を踏まえ、都市計画制度が、今日の安定、成熟した社会に対応し、地域が主体となって、地域ごとの課題に的確に対応し得る柔軟性と透明性を備えた制度となることが求められているところであり、本法律案は、都市計画制度全般にわたって大幅な見直しを行うものであります。
 次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、市街化区域及び市街化調整区域の区分を原則として都道府県の判断にゆだねることとするとともに、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針を充実し、あわせて開発許可制度について地域の実情に応じた適正かつ合理的な土地利用が実現されるよう見直しを行うことといたしております。
 第二に、良好な環境を確保するため、区域の区分をしていない都市計画区域のうち用途地域が指定されていない区域内において、特定の建築物等の用途を制限する特定用途制限地域制度を創設するとともに、既成市街地の再整備を図るため、商業地域内の高度利用を図るべき一定の区域内において、未利用となっている建築物の容積の活用を促進するための特例容積率適用区域制度を創設することといたしております。
 第三に、都市計画区域外において用途の混在を防止し、景観の維持等を図り、あわせて宅地としての最低水準を確保するため、用途地域等の指定を通じ土地利用の整序を行うことを目的とする準都市計画区域制度を創設するとともに、都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域においても大規模な開発行為について開発許可制度を適用することといたしております。
 第四に、都市計画決定手続の合理化等を図るため、都市計画案の作成における都道府県と市町村の役割を明確化し、また、都市計画の案の縦覧に際しその理由を記載した書面を添えることとするとともに、国及び地方公共団体は都市計画に関する知識の普及及び情報の提供に努めなければならないことといたしております。
 その他、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うことといたしております。
 以上が、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。よろしくお願いをいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#19
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。田中慶秋君。
    〔田中慶秋君登壇〕
#20
○田中慶秋君 私は、民主党を代表して質問をさせていただきます。
 議題とされておりました法律の質問に入る前に、北海道の地震、火山等の問題について、有珠山の問題について一言触れたいと思います。
 このたびの有珠山の火山活動の活発化に伴いまして、避難され、不自由、不安な生活を送っている、被災、避難されている皆さん方に、一万人を超える皆さん方でありますが、大勢の方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 噴火の危険性は刻々と迫っていると予測されるようでありますが、政府においては、避難されておられる方々への支援、地震・噴火情報の伝達などの各般にわたって万全の対応で臨むよう強く要望する次第であります。
 さて、ただいま議題となりました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法案について質問をいたします。関係大臣の皆さん方の具体的な答弁を求めるものであります。
 今回の都市計画法の改正は、実に三十二年ぶりの大改正であります。都市計画法制定以来今日に至るまで幾多の改正がされてきましたが、いずれも小幅な改正にとどまり、その間に我が国の都市開発のあり方は、現状にそぐわないミスマッチな状況が続いてきました。線引きや用途指定の実態についても、秩序ある姿とはかけ離れた、理念なき継ぎはぎ状態が全国の都市で見られているのであります。
 確かに今回の法改正は、線引き選択制の導入や準都市計画区域の指定などの点において従来にない画期的な内容となっており、都市計画制度の抜本的改革につながる内容となっておりますが、都市計画の現状をかんがみると、いささか遅きに失した感があります。その点について、官房長官の答弁を求めるものであります。
 さて、今回の法改正では、線引きの実施の適否の都道府県への委任、非線引き白地地域における特定用途制限地域制度の創設、都市計画区域外における準都市計画区域の指定や開発許可制度の適用など、まちづくりのあり方における地方自治体の裁量を大幅に認める内容となっております。住民に密着した存在である自治体がみずからの判断によるまちづくりが実施しやすくなったという点では、地方分権の趣旨に合致したものであるとまず一応の評価をいたします。
 しかし、地方自治体の裁量の幅が広がったということは、それだけに地方自治体の責任が重くなるということであります。確固たるグランドデザインに基づき、住民や関係権利者の意思を総合的に判断し、ダイナミックな施策を実行する、まさに自治体の力量が問われる時代なのであります。しかし、自治体によっては必ずしもこのような力量が備わっていないことも想定され、整合性を欠いた都市計画のあり方が継続される事態も予想されます。
 国は、そのような事態を防止し、自治体独自のまちづくりが適切なものとなるためにも、自治体にとって指針となるべき青写真を示した上で、ふさわしいまちづくりの適切な実施のための環境整備を行う責任と義務があると考えます。この点について、建設大臣の見解をお伺いいたします。
 次に、今回の改正案では、自治体の裁量の幅が広がる一方で、都市計画事業の財源に関する改革は全く手をつけられておりません。
 都市計画事業の多くは補助金がつきますが、使途を特定され、補助金に縛られていて、自治体独自の創意工夫あふれるまちづくりを行うことはできません。
 補助金によるコントロールを通じて政府が個別事業の細かい点まで影響力を行使する現在の体制を改めなければ、本当の意味での地方分権とは言えません。
 例えば、自治体にその使途をゆだねる統合補助金の対象を拡大するなどの改革が求められておりますが、この点について、自治大臣及び建設大臣に明快な答弁を求めるものであります。
 さて、今日の都市計画の課題として、都市空間の有効利用のあり方が大きな課題になっております。
 地区によっては、狭い道路が網の目のように街区に入りまじっていたり、駅前の一等地に大きな空き地がぽかりと存在するなど、都市環境の有効利用の観点から、大きなむだが生じている箇所が全国に数多くあるのであります。
 新たな開発が困難な現在、都市の効果的再開発が重要であります。今こそ、大胆な発想が必要ではないんでしょうか。
 例えば、鉄道の駅から半径十キロの範囲や、幹線道路、すなわち国道、地方道から数百メーターの範囲は原則として市街化区域にするなど、限られた土地資源を有効活用する視点から重要であります。
 また、魅力ある都市の形成のために、適切なレベルでの都市空間の利用が強く求められているのであります。
 例えば、東京の山手線の内側には建築物に低さ制限を設けることによって都市空間の有効利用を図り、さらに、昼夜間人口の平均化や都市空間の有効利用とあわせて、都心部の混雑緩和、環境整備、公園などにつなげていくような思い切った政策が必要であります。
 また、都市再開発事業のあり方にも大きな問題があります。
 現在、都市再開発事業の抱える最も大きな問題は、事業計画から施行、完成まで二十年から三十年といった気の遠くなるような時間を要するケースが多いことであります。
 このような時間のロスは、都市空間の有効利用の観点からは大きなむだであり、膨大な費用がかかります。早急に対策を講ずる必要があります。
 確かに、基盤整備などの措置を講じられない状況で都市空間の高度利用を促進する施策は、過密による環境悪化などの点が懸念されるところでありますが、しかし、これらの対策を万全に講ずる一方で、ある地区については都市空間の有効利用を図り、またある地区においては公園などの整備により良好な都市環境を配慮することなど、めり張りのきいたまちづくりを行うことが重要であります。
 このような自治体の活動がより円滑に進むように、国が都市計画の基本方針を示すことも一案だと思います。この点について、建設大臣の見解を求めるものであります。
 さらに、住居専用地域においては、住民各自、それぞれのニーズに適合した自己責任に基づく住宅建設が可能になるようにしなければなりません。
 例えば、高齢化社会の到来が目前になった今日、高齢者がより快適な居住ができるようにバリアフリーが求められております。
 在宅介護により、廊下を広げるなどの住居増改築が不可欠であります。このための補助金や融資制度など行政による各種優遇策が創設されております。
 しかし、現在、その優遇制度を活用して増改築を行おうとすると、建ぺい率や容積率の建築基準法上の規制が邪魔になり、思うような増改築ができないといったケースが多々あります。まさに縦割り行政の弊害としか言えません。仏つくって魂入れずとはこのことであります。
 住宅専用地域におけるこのようなケースには、住民の自己責任と社会的責任に基づいて柔軟な対応ができるようにすべきであると考えますが、建設大臣の答弁を求めます。
 また、現在の都市計画法は、農地の保全という観点からも大きな問題があります。他の先進国では、都市計画の中に農地の保全が明確にされておりますが、我が国は残念ながらそうでありません。いわゆる市街化調整区域が、開発規制とは名ばかりで、事実上の宅地化予備地域として位置づけられ、なし崩し的な乱開発が進められているのであります。
 農村地域を訪れるとだれしもが目にするのは、農村の風景とは相入れない住宅、娯楽施設、看板などが無秩序に建っていることであります。私は、このような景色を見るにつけ、かつての美しい農村風景はもう見られないという悲しい思いがわくのであります。
 なぜこのような事態になっているのか。私は、その問題が一方では都市計画法、もう一方においては農地法、農振法という、土地利用にかかわる別個の法体系が併存してきたことにあると思います。このようなダブルスタンダードが、結果的に農村地域のスプロール化を招き、農村の景観を破壊してきたのであります。
 今回、都市計画法の見直しを行う過程で、こういった問題を政府レベルでどのように認識され、今回の法案ではどのように改革が行われようとしたのか、建設大臣に答弁を求めます。
 また、今回の法改正では、線引きの適否は都道府県が判断できるようになり、従来の市街化区域、市街化調整区域の区分にとらわれない開発のあり方が可能になります。その結果、地域活性化などを目的として多数の自治体が線引きの廃止に踏み切ることも予想されます。
 しかし、これまで市街化調整区域であったところを、用途指定のない、いわゆる白地地域に切りかえることによって、今までにも増して郊外の乱開発促進がされるおそれが懸念されるのであります。
 確かに、今回の法改正では、いわゆる白地地域において特定用途制限地域を定めることによって、郊外における乱開発に歯どめをかけようとしておりますが、しかし、法改正に当たり当初検討されておりました大規模建築物を対象にした届け出制度の創設はなぜ見送られてしまったのか、実効ある施策を行う姿勢に欠けているのではないかと思います。建設大臣の答弁を求めます。
 最後に、郊外の開発促進に伴って、中心市街地から人口が流出する可能性があわせて指摘をされております。
 今日においても、中心市街地の空洞化、いわゆるドーナツ現象は全国の地方都市において大きな問題となっており、中心市街地活性化のための方策が強く求められているのは周知のとおりであります。
 モータリゼーションの進展とともに、郊外の国道沿いには大型のショッピングセンターやパチンコ店が建ち並び、住民の流れが、中心市街地から郊外へと大きく流れようとしております。中心市街地はまさにゴーストタウン化しているのが、今日の地方の都市の現状であります。
 今回の法改正が、ますますの郊外部の開発促進につながり、その一方では、中心市街地からの人口流出をますます加速させてしまうのではないかという懸念があります。
 この点、中心市街地活性化に向けてどのような取り組みを行おうとしているのか、その方針について官房長官にお聞きします。
 以上をもちまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣中山正暉君登壇〕
#21
○国務大臣(中山正暉君) 田中慶秋先生にお答えをいたします前に、今、有珠山が爆発をいたしました。
 十三時八分から十三分の間に有珠山が爆発をいたしまして、直ちに今、非常対策本部設置、今メモでやりとりでございますが、直ちに非常対策本部を設置いたしまして、官邸におきまして閣僚会議を準備いたしております。
 議長、その他議運の皆様方でのお計らいでございますが、急遽どういう対策を国会としても打っていただきますか、特に、今答弁をいたしてこの本会議を続行していいものかどうか、お諮りをいただければまことにありがたい、かように存じますが。
 特に、昨日から関係省庁局長級の会議を開催いたしまして、そして、関係十三省庁担当官を現地に派遣をいたしております。昨日も、午後には国土庁それから北海道開発庁の総括政務次官及び運輸省の政務次官を派遣するとともに、災害救助法の適用、自衛隊の派遣等総力を挙げて既に対応はいたしておりますが、適宜対応をいたしてまいりたい、かように考えております。
 国土庁長官としての私の、災害対策、自然災害に対する担当としての発言とさせていただきたいと思いますが、火砕流は海側に向かっております。洞爺湖側ではなしに太平洋側に向かっておりまして、噴火を確認いたしております。
 それでは、今の御質問に御答弁を、この際でございますが申し上げたいと存じます。
 自治体によるまちづくりの適切な実施のための国の責務についてのお尋ねでございましたが、都市計画を初めとするまちづくりについては、地元自治体の自主性が極力尊重されるべきであると認識いたしております。
 一方、国としても、都市計画制度の運用に当たっては適切な情報提供や助言、支援が重要と認識をいたしておりまして、自治体の自主性を損なわない範囲内で、自治体にとっての指針となるべき具体性のある基準を初め技術的助言などを積極的に示してまいる所存です。
 まちづくりに係る統合補助金についてのお尋ねがございました。
 まちづくりに係る統合補助金は、地域の創意工夫を生かした、地域が主役のまちづくりを強力に推進するため、まちづくりに必要な市町村事業をパッケージで一括助成するまちづくり総合支援事業制度として、平成十二年度の予算の柱の一つとして創設されたところでございます。
 平成十二年度予算においては、土地区画整理事業や、街路、公園等のまちづくりに不可欠なさまざまな施設整備等とまちづくり活動支援等のソフト事業を補助対象として盛り込み、国費三百五十億円を計上いたしております。平成十二年度の制度運用等を踏まえ、制度の積極的な活用に努めてまいる所存でございます。
 それから三つ目の御質問でございますが、都市計画の基本方針についてのお尋ねがございました。
 建設省といたしましては、駅周辺や幹線道路の沿道など都心部の土地の有効利用を図りつつ、緑と潤いのある都市空間の形成を目指して都市の再構築を推進することが重要であると考えております。
 また、都市計画制度の運用に当たりましては、国としての適切な情報提供と助言、支援が重要と認識しており、新たな都市計画制度が都市の再構築に資するよう的確に運用されることを目指し、地方公共団体に対し、制度運用の参考となる具体性のある基準を初め、技術的助言などを積極的に示してまいる所存でございます。
 四番目の御質問でございますが、高齢社会等に対応した建築規制についてのお尋ねがございました。
 建ぺい率制限、容積率制限は、一定の市街地環境を確保する上で必要な社会的ルールとして機能しているところでございます。こうした中、社会情勢の変化に対応し、平成六年に制定されたいわゆるハートビル法に基づき、高齢者等の利用に配慮した廊下幅を広げるなどの住宅についての容積率を緩和するとともに、今回の法案においては、住民合意のもとで壁面線などの建築ルールを定めた場合に、建ぺい率制限を緩和できることといたしております。
 さらに、今後、建築基準法の集団規定の総点検を行い、その中で、高齢社会をも踏まえ、地域の実情に応じ柔軟な対応ができるハートビル法を含めた建築規制のあり方について検討を進めてまいります。
 五番目の御質問でございますが、農村地域のスプロールと今回の法案の関係についてのお尋ねがありました。
 我が国の土地利用の状況を見ますと、欧米のように都市と農村が地域的に峻別されておらず、農村においても都市的な土地利用が行われる一方、都市計画区域内においても農林漁業が営まれております。
 このような実態からすれば、農林漁業の健全な発展を目的とする農地法や農振法と、都市的土地利用の整序を目的とする都市計画法が、互いに連携しつつ役割を分担する現行の法体系が適当と認識をいたしております。
 今回の改正も、引き続きこのような認識のもと、例えば、都市計画区域外に指定される準都市計画区域においては、用途地域等の都市計画を適切に定め、都市的土地利用を整序することにより、結果として農村地域のスプロール化の防止に資する内容である、かように考えております。
 六番目の御質問でございますが、大規模建築物の届け出制度を見送ったことについてのお尋ねがございました。
 御指摘の大規模建築物に関する届け出勧告制度については、都市計画中央審議会で検討されたものでございますが、中間的に公表して一般に広く意見を求めた際、まず一番に、あらかじめ区域や規制内容を明確に示さずに事後的に勧告するのは透明性に欠ける、また二番目の御指摘は、勧告という拘束力のない規制では規制として不十分である、また三番目は、地方公共団体として実際に運用するのが困難である等の御意見をいただき、それを踏まえ、特定用途制限地域制度の創設等の措置を講ずることとしたところでございます。
 建設省といたしましては、今回の改正について、地方公共団体が主体となって地域ごとの課題に的確にこたえられるよう制度が運用されることが必要不可欠と考えておりまして、現場において十分に運用し得る実効性の高い制度として改正案を提案させていただいた次第でございます。
 噴火災害でございますが、心から被害の少ないことを祈念いたしたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣青木幹雄君登壇〕
#22
○国務大臣(青木幹雄君) 有珠山の噴火につきましては、ただいま建設大臣が御報告申し上げたとおりであります。直ちに臨時閣議を招集いたしております。万全の体制で対応していきたいと思っております。
 田中議員の質問にお答えを申し上げます。
 今回の改正は遅きに失したのではないかとの御指摘でございました。
 現行制度は、制定当時の社会情勢に対応するものであり、各都市が抱える現在の諸課題に的確に対応できないのではないかとの議論がございました。そうした中、近年の急激な経済社会情勢の変化に緊急かつ的確に対応すべく、都市計画制度の見直しを行おうとしたことでございます。
 次に、今回の法改正と中心市街地活性化の関係についてお尋ねがございました。
 今回の改正は、郊外部において新たな土地利用規制手法を導入する一方、既成市街地については土地の高度利用を一層進めようとするものであり、郊外部の開発に直接結びつくものではございません。中心市街地の活性化につきましては、引き続き関係省庁一体となって、市町村等の取り組みを積極的に支援していく覚悟でございます。(拍手)
    〔国務大臣保利耕輔君登壇〕
#23
○国務大臣(保利耕輔君) お尋ねの統合補助金は、中央省庁等改革基本法や第二次地方分権推進計画に基づき、平成十二年度予算において創設されたものであります。この統合補助金は、具体的な事業箇所、内容について地方公共団体が裁量的に施行できることとするなど、地方公共団体の自主性、自立性を高めるもので、地方分権を進める上で一歩前進と評価すべきものと考えており、今後とも、地方分権の理念に立脚して適切に対処してまいりたいと存じます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#24
○議長(伊藤宗一郎君) 辻第一君。
    〔辻第一君登壇〕
#25
○辻第一君 私は、日本共産党を代表いたしまして、ただいま議題となりました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案について、建設大臣に質問をいたします。
 質問に先立って、北海道有珠山の火山活動災害に関して一言いたします。
 既に一万二千名に及ぶ住民の皆さんが、避難勧告、指示に基づいて避難生活に入り、先ほど、現在噴火中であると報道されており、事態は重大であります。前回の規模をはるかに上回ることが予想されております。
 大規模かつ長期化が予想されているもとで、避難住民の生活条件の改善や不安の解消、農林水産業、畜産業や観光産業などへの支援策など、万全を期すことを強く要求いたします。(拍手)
 さて、今回の改正は、一九六八年の新都市計画法以来三十二年ぶりの抜本的改正であります。それだけに、この間の都市計画法により促進されてきた市街地周辺の乱開発や都心部の空洞化、それに伴う国民の生活環境の改変等について再点検し、それに基づいて今後の方策を講ずるべきであります。
 例えば、今回大幅改正となる線引き制度では、この間、見直しのたびに、現状追認で市街化区域が大幅に拡大されてきました。市街化調整区域は規制の緩和でなし崩し的に乱開発が進行し、都市周辺の農地はスプロール状に宅地化されてきました。
 また、土地の高度利用のかけ声による経済効果の追求で、市街地を一変させました。建築基準法の容積率や日影規制の大幅緩和と相まって、オフィスビルやマンションが林立し、急速に都市改造が進展し、長年住み続けてきた住民が追い出されてきたのであります。
 現行の都市計画法は、こうした事態を促進するてこの役割を担ってきたのではありませんか。これまでのこうした事態をどのように総括されたのか、所見を伺います。
 本来、これまでの都市開発をめぐる問題を総括すべきであるにもかかわらず、改正案は、総括どころか、さらに現在の事態を深刻化させるものであります。
 第一に、市街化区域と市街化調整区域の区分、いわゆる線引きをするかしないかについて原則的に都道府県が選択するという改正についてお聞きいたします。
 これは、三大都市圏や政令指定都市などを除き、この線引きをするかしないか都道府県が選択できるというものです。加えて、現法でこの線引きを行うことになっている人口十万以上の市の区域や都市圏の最も外側となる都市開発区域、新産業都市、工業整備特別地域も線引きの対象から外されます。
 今回の線引きの都道府県による選択制は、自治体の自主性に基づいた都市計画を具体化できる機会の拡大方向として一定評価できます。しかし、実態は都市計画の規制緩和を推し進めるものとなりかねません。現に、一九八八年四月に線引きを廃止した宮崎県都城市では、郊外部の開発が急速に進み、中心市街地の人口減少に拍車をかける事態となっています。市街化を抑制すべき郊外で開発が行われてしまえば、これをもう一度もとに戻すということは不可能であります。
 現行の線引き制度は、不十分な面はありますが無秩序な都市開発を抑制し、計画的な都市づくりの上で一定の役割を果たしてきました。線引き制度にかわり得る柔軟な制度、手法を示さないで都道府県の選択制にすることは、一層市街化調整区域や白地地域の開発を促進することになりませんか。また、今、全国で取り組まれている計画的なまちづくりの障害とならないと言えますか。
 むしろ、市街化調整区域や立地規制のない白地地区での乱開発を規制することこそ必要ではありませんか。また、地方都市などでは、市街化区域を市街化調整区域に変更する逆線引きを実施して、郊外部の開発を規制し、大型店の撤退、商店街の衰退などでの空洞化を防ぐなどの都市再生こそ必要ではありませんか。見解を求めます。
 第二に、開発を抑制すべき市街化調整区域での新たな開発行為を容認する立地基準改正の問題であります。
 市街化調整区域は、リゾート施設等の大規模開発や既存宅地の特例などで既になし崩し的に開発が進み、その本来の姿を喪失しつつあります。立地基準の改正は、これを後追い的に追認するもので、実質的には市街化区域の予備地域を確保するものであります。開発行為について、従来の開発審査会の議を経るという条件をなくし、一件ごとに判断することなく、一定の基準を満たしたものは自動的に許可を出し得ることになっています。
 開発行為は、周辺住民の生活環境に大きな影響を与えます。どの開発行為も、現地の状況に即し、住民の意見を十分に反映させ、判断することが重要であります。開発審査は、個々に厳密に行うべきであります。また、開発審査会委員を首長の任命から議会承認にするなど、開発審査会がその機能を十分果たすことこそが今求められています。こうした対応をとられるのかどうか、答弁を求めます。(拍手)
 第三に、未使用の容積率を区域内の他の建物に移転できるという特例容積率適用区域指定の問題であります。
 現行でも、土地の有効高度利用制度として、既に、市街地再開発事業、特定街区制度、連担建築物設計制度等があります。こうした制度導入と連動して容積率が常に過大に設定され、そのことが土地投機を招き、地価高騰の元凶となってきました。都心では居住地の大半が商業地域に指定され、容積率が四〇〇%と過大に指定されています。
 低層の市街地住宅や歴史的建造物のある京都などでは、住民が建築物の高さを指定よりも低く抑える建築協定、地区計画などを設定し、町並み保存に努力しています。
 また、都心部では容積率いっぱいに高層ビルが次々と建てられ、生活環境や景観の悪化を招き、日暮里では、旧江戸市内で実際に富士山が見える最後の富士見坂もその眺望が失われようとしており、住民の反対の声が高まっています。
 今、住民は、生活環境や営業が保障される用途地域への変更や、過大な容積率の切り下げ、いわゆるダウンゾーニングを求めています。特例容積率適用区域指定は、高層建築物開発のてことなり、住民のこうした努力や願いに逆行するものであり、撤回すべきであります。所見を伺います。
 第四に、道路などの都市施設を立体的に都市計画する問題であります。
 本法では、地上空間や地下利用で、立体的な範囲で都市計画を定めることができるようにし、あわせて、地下の場合は一定の基準に適合すれば建築物の許可を不要とするものであります。一定の条件のもとでは、大深度の地下開発にも適用される可能性があります。
 これは、空間の有効利用をうたい文句とする規制緩和策であり、都市のまちづくりや地域の土地利用計画等が十分に対応できないまま、超過密開発が加速されることにつながるものであります。既に都市計画決定されている道路の上下に、新たな施設が都市計画なしに建設される可能性もあります。さらに、地下利用の際の許可を不要とする緩和は、安全性の上でも問題であります。どのように考えておられるのか、答弁を求めます。
 第五に、都市計画区域外で、既存の集落周辺や幹線道路の沿道、高速道路のインターチェンジ周辺等を中心に、都市計画による都市施設の整備計画がないままに、部分的に用途地域などを定める準都市計画区域制度創設の問題であります。
 この制度では、不良な開発が行われることを事前に予見して、その地域に指定をかけるとしていますが、実際、こうしたことは極めて難しいと言わなければなりません。結局、現状追認で、開発予備地域の先取りとなってしまう可能性があります。農業振興地域内が準都市計画区域に指定されることも想定され、農振法や集落地域整備法との整合性の検討が必要となります。
 現在、なし崩し的に開発が進んでいるこうした飛び地の開発地に、中途半端な都市計画手法を持ち込み規制するのではなく、計画なきところに開発なしの原則を踏まえつつ、開発を抑制する市街化調整区域に指定するか、飛び地の開発地のみに調整区域の網をかけて規制するようにすべきであります。この点についていかがお考えか、答弁を求めます。
 また、本法では、都市計画決定の手続について、計画を決める際に、都市計画を決める理由を記載した書面の縦覧をする等、一定の改善が見られますが、不十分なものにとどまっています。理由書の十分な説明、出された意見への丁寧な回答などが求められています。また、都市計画に住民の意見を反映する公聴会の開催の義務づけが必要であると考えますが、いかがですか。
 しかも、本法では、都市計画の案の作成で、都道府県の都市計画が上位であることは全く変わっていません。都市計画の上で、市町村の決定を尊重する仕組みを確立することが必要であります。都道府県と市町村の関係を、上下関係ではなく、相互の協議によって同意を必要とする関係を築いていくことが重要であります。答弁を求めます。
 欧米諸国では都市計画が厳格に適応され、計画なきところに開発なしの原則が徹底されています。日本の都市計画は、原則建築自由で、開発行為の後追いとなっており、乱開発がまかり通っています。これが環境の破壊や都市郊外などの乱開発、中心市街地の衰退などを生んでいます。しかし、本法案は、これまでの都市計画制度以上に、明確な計画もないまま開発が可能となるという内容になっており、計画的まちづくりや環境の保全を望む住民の声に逆行するものであります。今こそ、計画なきところに開発なしの原則を日本の都市計画制度として確立することが大変重要だと考えるものであります。答弁を求めます。
 最後に、日本共産党は、大手ゼネコン、ディベロッパーや大企業等の身勝手で無秩序な乱開発を許さず、住民の声が反映される計画的、民主的なまちづくりの制度確立、都市計画制度確立のために全力を尽くす決意を表明して、質問を終わります。(拍手)
    〔政務次官加藤卓二君登壇〕
#26
○政務次官(加藤卓二君) 緊急閣僚会議に臨まれました中山大臣にかわりまして、辻議員にお答えいたします。建設総括政務次官の加藤卓二でございます。(拍手)
 都市計画制度の見直しに関し、これまでの事態の再点検、総括についてお尋ねがありました。
 現行制度は、制定当時の急激な都市人口の増加や市街地の拡大に対応するものであり、各都市が抱える現在の諸課題に的確に対応できないのではないかとの認識はかねてからありました。
 こうした中、近年の急激な経済社会状況の変化に緊急かつ的確に対応すべく、都市計画制度の見直しを行っているところであります。この見直しによって、現場において都市計画制度が的確に運用されるとともに、住民の意見を反映しつつ柔軟に都市計画の決定や変更を行うことが可能となるものと考えております。
 線引き選択制についてお尋ねがありました。
 線引き制度につきましては、今日の安定、成熟の都市型社会に対応して、地域ごとの課題に柔軟に対応し得るように、制度の見直しを図ることとしたところであります。
 線引き制度を選択制に移行するに当たりましては、引き続き市街化圧力の強い地域につきましては線引きを堅持するとともに、これまで土地利用規制が比較的緩やかであったいわゆる白地地域につきましても、計画的に土地利用の整序を図るため、新たに特定用途制限地域の制度を創設する等、乱開発の防止について必要な手当てを講じるところとしているところであります。
 なお、中心市街地の空洞化の防止とその活性化については、引き続き積極的に取り組み、都市の再生に努めてまいります。
 市街化調整区域における開発許可の基準と開発審査会についてのお尋ねがありました。
 今回見直す市街化調整区域における開発行為は、建築物が集積する一定の地域で周辺の土地利用と調和するものと、周辺の市街化を促進せず、市街化区域内で行うことが不適当な開発行為として条例で定めるものであります。いずれも、周辺の無秩序な市街化を促進せず、乱開発を容認するものでないと考えております。
 また、条例の制定手続の中で、地域の状況を勘案し、住民の意見が十分反映され、さらに個々の開発行為が基準に適合しているか厳密に審査がなされると考えております。
 開発審査会につきましては、市街化調整区域の一定の開発行為について客観的、専門的な観点から判断を行うため、その委員は首長の任命制としており、専門的知識を有する者で構成されているため、今後とも十分に機能を果たしていくと考えております。
 特例容積率制度の撤回についてお尋ねがありました。
 特例容積率が適用される特例容積率適用区域は、都市の中で特に高度利用を目指すべきとされている商業地域の中で、さらに基盤施設が高水準に整っており、かつ周辺を含めて土地の高度利用が可能な市街地の環境にある区域に限り指定が可能とされております。
 加えて、特例容積率適用区域の指定に当たっては、都市計画決定の手続として、住民に対する案の縦覧、住民による意見の提出の機会が設けられるため、地域の住民の意向を無視した区域の指定ではなく、問題は生じないものと考えております。
 立体的都市計画の決定についてお尋ねがありました。
 道路、河川等の都市施設は、交通機能等とともにオープンスペースの機能をあわせて持っており、一般的に、平面的に整備がなされるものと考えております。立体的な都市計画の決定は、都心部等において、周辺の土地利用状況等から、適正かつ合理的な土地利用を図る上で建築物との複合的な整備が必要不可欠な場合に限定的に活用することとしており、御指摘のような過密な開発等につながるものでないと認識しております。
 また、地下に立体的な都市施設を決定した場合に、その上部において建築許可を不要とするのは、建築物の載荷重等が都市施設に支障を及ぼすおそれのないよう都市計画に定められた限度に適合しているものに限られるため、安全性の点で問題はないものと考えております。
 準都市計画区域制度についてお尋ねがありました。
 都市計画区域は、一体の都市として総合的に整備し、開発し、保全する区域であり、都市計画区域内において土地利用の規制と道路等の施設整備、面的整備事業が一体的に行われることとしており、したがって、都市計画区域外のうち、道路、公園、下水道等を整備し、都市として一体的に整備開発等を行うまでの必要が認められない区域については、現行制度上、都市計画区域を指定することはできません。
 準都市計画区域は、都市計画区域を指定するまでの必要が認められないものの、土地利用の整序が必要な場合、用途地域等の都市計画を市町村が主体となって定められるようにしたものであり、準都市計画区域の指定により、都市計画区域外での無秩序な開発行為や建築行為を整序し、地域の土地利用上の問題を解決し得るものと考えております。
 都市計画の決定に当たっての公聴会の義務づけなど手厚い手続の採用、都道府県と市町村との関係についてお尋ねがありました。
 都市計画の決定手続における公聴会の開催などについては、法律により一律に義務づけるべき性格のものではなく、地方公共団体の判断によるべきものと認識しております。こうした観点に立ち、今回の改正においても、地方公共団体の条例により都市計画の決定手続を加重することができる旨を明示しているところであります。
 また、都市計画の基本的な決定主体は市町村であり、広域・根幹的なものに限り都道府県が定めるところとしております。都道府県と市町村とは上下関係に立つものでないと認識しております。
 ただし、広域・根幹的な都市計画であっても、地域の実情を反映させることは重要と認識しており、今回の改正においても、都道府県の定める都市計画の案の作成に当たって、市町村が提案することができることとし、市町村の意思が都市計画に一層反映されるように措置するものとなっております。
 我が国の都市計画制度と、計画なきところに開発なしの原則との関係についてお尋ねがありました。
 我が国の都市計画は、適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念としております。この実現のため、線引き制度や用途地域制度、地区計画制度等により、無秩序な開発や周辺市街地と調和のない建築等を排除し、適切な土地利用や建築活動が実現されるよう措置しているところであります。
 今回の改正は、こうした考えのもと、準都市計画区域制度などの、都市計画区域外における新たな土地利用の規制手法や、特定用途制限地域制度などを導入し、制度の充実を図ろうとするものであります。
 なお、諸外国においては、計画なきところ開発なしとの考え方を採用している国もありますが、それは固有の歴史的、社会的背景を反映したものであり、土地利用規制が国民の財産権に対する重大な制限であることを考えれば、同様の制度を導入することについては慎重な検討が必要と認識しております。(拍手)
#27
○議長(伊藤宗一郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#28
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時八分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        法務大臣    臼井日出男君
        通商産業大臣  深谷 隆司君
        建設大臣    中山 正暉君
        自治大臣    保利 耕輔君
        国務大臣    青木 幹雄君
        国務大臣    中曽根弘文君
 出席政務次官
        建設政務次官  加藤 卓二君
        建設政務次官  岸田 文雄君
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト