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2000/04/18 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第26号
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2000/04/18 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第26号

#1
第147回国会 本会議 第26号
平成十二年四月十八日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十二号
  平成十二年四月十八日
    午後一時開議
 第一 公職選挙法の一部を改正する法律案(鈴木宗男君外七名提出)
 第二 国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案(鈴木宗男君外七名提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 裁判官訴追委員の選挙
 日程第一 公職選挙法の一部を改正する法律案(鈴木宗男君外七名提出)
 日程第二 国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案(鈴木宗男君外七名提出)
 弁理士法案(内閣提出、参議院送付)
 高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案(内閣提出)
 循環型社会形成推進基本法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時三分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 裁判官訴追委員の選挙
#3
○議長(伊藤宗一郎君) 裁判官訴追委員の選挙を行います。
#4
○野田聖子君 裁判官訴追委員の選挙は、その手続を省略して、議長において指名されることを望みます。
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。
 議長は、裁判官訴追委員に上原康助君を指名いたします。
     ――――◇―――――
 日程第一 公職選挙法の一部を改正する法律案(鈴木宗男君外七名提出)
 日程第二 国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案(鈴木宗男君外七名提出)
#7
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、公職選挙法の一部を改正する法律案、日程第二、国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長桜井新君。
    ―――――――――――――
 公職選挙法の一部を改正する法律案及び同報告書
 国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔桜井新君登壇〕
#8
○桜井新君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 本案は、現行選挙制度のうち、次回衆議院議員総選挙までに緊急に是正する必要があるものとして、次の五点につきまして改正を行うものであります。
 第一は、衆議院議員の特別選挙の期日の統一であります。
 衆議院議員の再選挙及び補欠選挙は、原則として期日を統一して行うこととし、九月十六日から翌年の三月十五日までに選挙を行うべき事由が生じたものについては、当該期間の直後の四月の第四日曜日に、三月十六日からその年の九月十五日までに選挙を行うべき事由が生じたものについては、当該期間の直後の十月の第四日曜日に、それぞれ行うことといたしております。
 第二に、衆議院小選挙区選出議員を辞し、または辞したものとみなされた者が、当該欠員について行われる補欠選挙の候補者となることを禁止いたしております。
 第三に、衆議院比例代表選出議員の選挙において、当該選挙と同時に行われた小選挙区選出議員の選挙で、法定得票数に達していない名簿登載者がある場合は、これらの者を当該名簿に記載されていないものとみなし、比例代表選挙の当選人となることができないことといたしております。
 第四に、参議院比例代表選出議員を除く選挙において、選挙運動従事者のうち、専ら手話通訳のために使用する者について、政令等で定める額の報酬を支給することができることといたしております。
 第五に、政党その他の政治活動を行う団体は、その政治活動のうち、書籍及びパンフレットの普及宣伝のための自動車、拡声機等の使用については、衆議院議員、参議院議員等の選挙運動期間中は、確認団体による一定の制限の範囲内のものを除き、行うことができないものといたしております。
 なお、この法律は、原則として公布の日から施行するものとし、手話通訳者への報酬支給及びパンフレット等の普及宣伝のための自動車、拡声機等の使用規制に係る規定は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行することといたしております。
 次に、国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 まず、国会法を改正し、衆議院及び参議院の比例代表選出議員が、議員となった日以後に、当該選挙における他の名簿届け出政党等に所属する者となったときは、退職者となるものといたしております。
 次に、公職選挙法を改正し、衆議院及び参議院の比例代表選出議員の選挙における当選人が、選挙期日以後に、当該選挙における他の名簿届け出政党等に所属する者となったときは、当選を失うものといたしております。
 ただし、いずれの場合も当該議員の属する名簿届け出政党等が他の名簿届け出政党等と合併した場合、または分割後に合併した場合を除くことといたしております。
 この法律は、公布の日から施行し、施行日以後、期日を公示される衆議院議員総選挙または参議院議員通常選挙等において選出される議員または当選人に対して適用することといたしております。
 両案は、四月十日本委員会に付託され、四月十三日提出者鈴木宗男君から提案理由の説明を聴取した後、翌十四日修正案提出者堀込征雄君から、公職選挙法の一部を改正する法律案のうち、法定得票数未満の重複立候補者の比例復活当選の排除の規定につき、法定得票数未満の基準を供託物没収点未満の基準に修正する旨の提案理由の説明を聴取いたしました。
 続いて、両法律案及び修正案に対する質疑及び討論を行い、採決の結果、公職選挙法の一部を改正する法律案は修正案のとおり賛成多数をもって修正議決すべきものと決定し、国会法及び公職選挙法の一部を改正する法律案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○議長(伊藤宗一郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#10
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。
 次に、日程第二につき採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#12
○野田聖子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、参議院送付、弁理士法案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#13
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 弁理士法案(内閣提出、参議院送付)
#15
○議長(伊藤宗一郎君) 弁理士法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。商工委員長中山成彬君。
    ―――――――――――――
 弁理士法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中山成彬君登壇〕
#16
○中山成彬君 ただいま議題となりました法律案につきまして、商工委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、近年における知的財産の適正な保護及び利用の促進等に対する要請の高まりに対応し、知的財産専門サービスの重要な担い手である弁理士について、規制改革による競争の促進、国民への利便性向上の観点から、その業務を規定する弁理士法の全面的な見直しを行うものであります。
 その主な内容は、
 第一に、弁理士業務について、工業所有権等に係る契約締結の代理等の業務を追加するとともに、権利が確定した後の特許料の納付手続等を弁理士の独占業務から開放すること、
 第二に、弁理士試験制度について、試験科目及び内容の見直しを図るとともに、一定の資格保有者に対し試験の一部免除を行うこと、
 第三に、弁理士事務所の法人化を解禁し、特許業務法人制度の創設を行うこと
等であります。
 本案は、去る三月三十一日参議院から送付され、四月十三日本委員会に付託されました。同月十四日深谷通商産業大臣から提案理由の説明を聴取いたしました。本日質疑を行った後、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#19
○野田聖子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#20
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案(内閣提出)
#22
○議長(伊藤宗一郎君) 高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。運輸委員長仲村正治君。
    ―――――――――――――
 高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔仲村正治君登壇〕
#23
○仲村正治君 ただいま議題となりました法律案について、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、我が国における急速な高齢化の進展等に対応して、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動に係る身体の負担を軽減することによりその移動の利便性及び安全性の向上を促進するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、
 第一に、主務大臣は、移動円滑化を総合的かつ計画的に推進するため、基本方針を定めること、
 第二に、公共交通事業者等は、旅客施設の新設、大改良または車両等の導入を行うときは、これらを移動円滑化のために必要な一定の基準に適合させなければならないこととするとともに、既にその事業の用に供している旅客施設、車両等についても、当該基準に適合させるため必要な措置を講ずるよう努めなければならないこと、
 第三に、市町村は、多数の旅客が利用する旅客施設を中心とした地区について、移動円滑化のための事業の重点的かつ一体的な推進に関する基本構想を作成することができることとし、基本構想が作成されたときは、関係する公共交通事業者等、道路管理者及び都道府県公安委員会は、これに即して事業を実施するための計画をそれぞれ作成し、これに基づき当該事業を実施すること並びにその他所要の措置を講ずること
等であります。
 本案は、去る二月十五日本院に提出され、三月十日の本会議において趣旨の説明を聴取し、同日本委員会に付託されました。
 本委員会においては、同月二十二日二階運輸大臣から提案理由の説明を聴取し、二十九日質疑に入り、四月四日及び七日に参考人からの意見聴取を行いました。また、五日に現地視察を行うなど慎重に審査を行い、本十八日質疑を終了いたしました。
 次いで、本案に対し、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、保守党及び自由党から、本法施行後五年を経過した場合において、本法施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする修正案及び日本共産党から、法案の対象者を高齢者、障害者等と改めるとともに、移動することが基本的な権利であることを規定する等を内容とする修正案がそれぞれ提出されました。
 両修正案について趣旨説明を聴取した後、採決の結果、日本共産党提案の修正案は賛成少数をもって否決され、本案は自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ、保守党及び自由党共同提出の修正案のとおり全会一致をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#24
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。
     ――――◇―――――
 循環型社会形成推進基本法案(内閣提出)の趣旨説明
#26
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、循環型社会形成推進基本法案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣清水嘉与子君。
    〔国務大臣清水嘉与子君登壇〕
#27
○国務大臣(清水嘉与子君) ただいま議題となりました循環型社会形成推進基本法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 近年、我が国における社会経済活動が拡大し、国民生活が物質的に豊かになる一方で、廃棄物の排出量の高水準での推移、最終処分場の残余容量の逼迫、廃棄物の焼却施設からの有害物質の発生、最終処分場における重金属等による環境汚染のおそれの高まり、不法投棄の増大などさまざまな深刻な社会問題が生じております。
 また、このような事態により、大気環境、水環境、土壌環境等への負荷が高まり、自然界における健全な物質循環が損なわれるおそれも生じております。
 これらの問題に対応するため、これまで廃棄物の処理及び清掃に関する法律、再生資源の利用の促進に関する法律、容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律及び特定家庭用機器再商品化法などの諸法が制定、改正されるなどさまざまな対応が図られてまいりました。
 これらの措置は、順次施行され、廃棄物の適正処理やリサイクルの推進に着実に成果を上げつつあります。
 しかしながら、依然として大量の廃棄物が排出されているなど多くの問題が残されており、さらに一層の対策を推進し、その解決を図ることが、政府としての喫緊の課題となっております。
 これらの諸問題は、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会のあり方に根差したものであり、その根本的な解決を図るためには、これまでの社会のあり方や国民のライフスタイルを見直し、環境基本法が目指す環境への負荷の少ない経済社会、なかんずく、社会における物質循環の確保により、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷の低減が図られた循環型社会を形成することが不可欠であります。
 このような循環型社会の形成は、いわば社会のあり方そのものの見直しを求めるものにほかならないことから、この形成に向けて着実に歩みを進めるためには、循環型社会の形成に係る確固たる道筋を示す制度が必要であります。
 政府におきましては、このような認識に立ち、廃棄物・リサイクル対策を総合的かつ計画的に推進するための基盤となる制度を設けることを喫緊の課題と位置づけ、本法案の検討を進めてまいりました。
 循環型社会形成推進基本法案は、このような検討の結果、循環型社会の形成を推進するための基本原則とこれに基づく基本的施策の総合的な枠組みを国民的合意として新たに打ち立てようとするものであります。
 次に、循環型社会形成推進基本法案の内容を御説明申し上げます。
 第一に、循環型社会の形成について、その基本原則を明らかにしております。すなわち、まず循環型社会の形成は、自主的かつ積極的な行動により環境への負荷の少ない持続的に発展することができる社会の実現を目指して推進されなければならないことを示した上で、関係者の適切な役割分担と適正かつ公平な費用負担の必要性を規定しております。そして、国、地方公共団体、事業者及び国民といった関係者の責務を具体的に定めております。また、廃棄物等の発生はできるだけ抑制されなければならないこと、循環資源についてはできる限り循環的な利用が行われなければならず、循環的な利用が行われないものについては適正に処分しなければならないことを明確にしております。さらに、循環型社会の形成に深く関連する自然界における物質の適正な循環の確保に関する施策への配慮について定めております。
 第二に、循環型社会の形成に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、政府が、循環型社会形成推進基本計画を平成十五年十月一日までに定めて、施策の基本的な方針、総合的かつ計画的に講ずべき施策等を国民の前に明らかにするとともに、毎年、循環型社会の形成に関して講じた施策、講じようとする施策等を国会に報告することについて規定しております。さらに、問題の状況に応じた的確な対応を図るため、この計画の見直しをおおむね五年ごとに行うこととしております。
 第三に、循環型社会の形成に関する基本的施策として、原材料、製品等が廃棄物等となることの抑制のための措置、循環資源の適正な循環的利用及び処分のための措置、再生品の使用の促進、製品、容器等に関する事前評価の促進等、環境の保全上の支障の防止、環境の保全上の支障の除去等の措置、原材料等が廃棄物等となることの抑制等に係る経済的措置、公共的施設の整備、地方公共団体による施策の適切な策定等の確保のための措置、地方公共団体に対する財政措置等、循環型社会の形成に関する教育及び学習の振興等、民間団体等の自発的な活動を促進するための措置、調査の実施、科学技術の振興、国際的協調のための措置並びに地方公共団体の施策について規定しております。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 循環型社会形成推進基本法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#28
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。小林守君。
    〔小林守君登壇〕
#29
○小林守君 私は、ただいま議題となりました循環型社会形成推進基本法案に対して、民主党を代表して質問させていただきます。
 現在の大量生産、大量消費、大量廃棄の経済社会システムは、地球温暖化、オゾン層破壊、砂漠化、森林破壊、資源の枯渇など地球規模での環境に大きな影響を与えてしまっています。
 廃棄物の問題では、自然生態系の中で分解できる量をはるかに超えた大量の廃棄物があふれ、各地で不法投棄、不適正処理、自然破壊などの問題が生じています。
 このような問題を解決するためには、省資源、物質循環を徹底し、人間活動を環境と調和させる持続可能な社会へと社会システムを変革する必要があります。先進国が資源の大部分を独占的に消費したり、現世代が将来世代の生存権を奪い取る権利などないはずだからであります。
 持続可能な社会に向けた循環型社会づくりの取り組みは、例えば、環境先進国のドイツにおける一九九四年制定の循環経済及び廃棄物法、いわゆる循環経済法が有名であります。この循環経済法は、経済、社会生活の構造をいわゆる使い捨てから循環型へと転換すること、それによって廃棄物の適正な処理及び廃棄物に伴う環境汚染を防止するとともに、資源の保全等の要請にこたえようとしております。そのために、廃棄物とリサイクルを統一的な理念と指導原理のもとに廃棄物法制を統括しております。
 このような先進的な法制度から五年以上おくれてつくられた今回の法律案は、国際社会における日本の役割を考えれば、国際的な廃棄物・リサイクル法制度の整備の流れに沿って世界の最先端を行く法制度でなければならないはずであります。
 まず、環境庁長官に、ドイツの循環経済法に対する評価と、この法案が循環経済法に対して具体的にどこがどのようにすぐれているのかを、具体的に、詳細に教えていただきたいと思います。
 また、先進国では、日本のように廃棄物・リサイクル政策を別々の省庁が行っている例はあるのでしょうか。環境庁長官にあわせてお尋ねいたします。
 現在の日本の廃棄物・リサイクル対策の問題点につきましては、本当に多くの人たちが同様の指摘を繰り返しているところであります。最も指摘が多いのは、リサイクルの名目で不適正な処理を行った香川県豊島の問題や、廃タイヤを有価物と称して放置し周囲の環境を悪化させる問題など、各地で数多くの問題を引き起こしている廃棄物の定義の問題であります。
 日本の廃棄物の定義は、昭和四十六年の厚生省環境整備課長通知では、「廃棄物とは、客観的に汚物又は不要物として観念できる物であって、占有者の意思の有無によって廃棄物となり又は有用物となるものではない」とされていたものを、昭和五十二年の通知で、「廃棄物とは占有者が自ら、利用し、又は他人に有償で売却することができないために、不要となったもの」とされ、有償で引き取ったものであれば廃棄物ではないとのこじつけ、強弁が通用してしまうことになったのであります。
 このように、通知で廃棄物の定義を勝手に変えることができたということ、このこと自体が国会軽視ではないかと考えますが、なぜこのような変更を行ったのか、また、通知で勝手に定義を変更することは許されないのではないか、厚生大臣の御見解をお伺いいたします。
 また、このたびのこの法案によって、先ほど指摘したような各地での廃棄物の定義をめぐる争いに終止符を打つことができるのか、環境庁長官にお伺いいたします。
 この問題は、廃棄物の定義とあわせて、リサイクルの場合には、廃棄物処理に係る各種の環境規制が全くかからず、野放しとなっているという問題でもあります。このような指摘についてどのようにお考えか、今後どのようにされるおつもりなのか、環境庁長官の御所見をお伺いいたします。
 さらに、そもそも我が国にはきちんとした廃棄物・リサイクル関係の統計が存在しないことも、問題点として指摘されているところであります。
 一般廃棄物及び産業廃棄物の排出、処理状況は、厚生省が都道府県からの報告を集計して公表しておりますが、平成八年度の実績が平成十一年度末に公表される状態となっております。
 また、リサイクルに関する統計としては、紙・パルプ統計など個別品目について古紙などの消費量データがとられていますが、カバーされる品目は限られており、カバーされている品目についても詳細なデータが得られるものとはなっておりません。詳細な回収率として業界が公表している数値もありますが、その内容も十分であるとは思われません。
 国内の資源の利用状況、廃棄物の処分状況などマテリアルフローをきちんと把握しなければ、循環型社会に向けた国の施策を計画的に実行することは不可能ではないでしょうか。
 ところが、今回の法案は、このような統計の整備を行う旨の明示的な規定は置かれておりません。ほとんど実効性のない訓示的な法案の中で、唯一実効性が担保できるはずの統計の整備をなぜ法律できちんと行わないのか、環境庁長官に伺います。
 また、資源の有効な利用の観点から、有用な廃棄物がどこにどの程度存在するかの情報提供を速やかに行うことも必要と考えますが、その点についても何ら本法案では手当てされていないと思われます。そのような状態で、循環型社会をどうやって構築するのでしょうか。環境庁長官にお尋ねいたします。
 さて、今回の法律案の目玉と称されているのが拡大生産者責任であります。法律案の概要資料によれば、生産者が、みずから生産する製品について、使用され廃棄物となった後まで一定の責任を負う拡大生産者責任の一般原則が確立したとありますが、拡大生産者責任の一般原則というものが確立しているのでしょうか。OECDにおける議論の状況と、一般原則が確立しているかについて、環境庁長官にお尋ねします。
 法案十一条三項の引き取り等の規定では、その要件が「当該製品、容器等に係る設計及び原材料の選択、当該製品、容器等が循環資源となったものの収集等の観点からその事業者の果たすべき役割が循環型社会の形成を推進する上で重要であると認められるもの」となっております。具体的な製品がこの要件に該当するかが重要であると考えられます。
 例えば、自動車、大型家具、携帯電話、オーディオ機器、衣類、蛍光灯は、この要件に該当するのでしょうか。それぞれ明確にお答えください。また、この要件にさまざまな製品が該当するかどうかについて、必ずしも明確ではないと思われますが、それはだれがどのように判断するのでしょうか。それとも、この規定はいわゆるプログラム規定であって、該当するかどうかを判断する必要すらないものなのでしょうか。環境庁長官にお尋ねします。
 また、今回の法律案においては、循環資源という新しい概念が登場するわけですが、その定義において、廃棄物等のうち有用なものとされているところであります。ところが、この循環資源の利用及び処分については、技術的及び経済的に可能な範囲により行われることとなっております。
 この、技術的に可能と経済的に可能というのは、だれにとっての話なのでしょうか。当該事業者なのか、業界全体なのか、国としてのあるべき可能性なのでしょうか。また、技術的に可能とは、その技術が存在することなのか、それが既に一般的な技術として確立していることなのか。さらに経済的に可能とは、ドイツの循環経済法の経済的に期待可能と同義なのか。何をもって判断基準とするかを環境庁長官にお尋ねいたします。
 次に、私は、環境負荷という外部経済を内部化し、環境負荷の少ない製品を市場メカニズムを通じて流通する社会を構築すべきであると考えております。環境負荷の価格への内部化についてどのような見解をお持ちか、環境庁長官にお尋ねいたします。
 あわせて、経済的措置について、この法律案において第二十三条二項においてさまざまな条件が付されているわけでありますが、百歩譲ってそのような条件を満たした場合には、当然に必要な措置を講ずるべきであるにもかかわらず、経済的措置を講ずる必要がある場合でさえも、国民の理解と協力を得られるように努めるという理解不可能な条文となっております。経済学的には、経済的手法という市場メカニズムを用いた手法の方がより効率的であり、規制に先立って検討すべきにもかかわらず、なぜこのような後ろ向きな規定になっているのか、環境庁長官に重ねてお伺いいたします。
 資源循環型社会を確立するためには、製品等の資源採取から廃棄に至るまでの全段階での環境の負荷の定量的、客観的評価、すなわちライフサイクルアセスメントの手法を確立しなければならないと考えます。一昨年の環境白書においても、LCAの手法はまだ確立には至っていないが今後検討すべき事項の一つであると記述がなされているところであります。とすれば、循環型社会を目指す上で、非常に重要な意義を有するライフサイクルアセスメント、LCAについて、今回の法案には具体的な記述がありません。なぜ何も触れていないのか、長官にお伺いいたします。
 既に、廃棄物・リサイクル政策に関する現実的な問題点は具体的な事例として十分明らかにされています。廃棄物の定義、一般廃棄物と産業廃棄物の問題、廃棄物とリサイクルの省庁縦割り行政の問題、リサイクルと称する不適正処理、排出者責任の不徹底、上流対策の不十分さ、定量的目標の欠如、廃棄物再生と利用とのミスマッチ、費用負担の不適切さ、統計の不備など、数多くの問題が具体的に提示されているところであります。そのような問題点になぜ正面からこたえようとしないのか、正面からこたえた結果がこの法案なのか、重ねて長官にお伺いいたします。
 私たち民主党は、今回の法案のような廃棄物・リサイクル法制度の縦割り状態を解消できないまま、訓辞的、精神的意味しか持たない基本法をつくるということは、単に問題を先送りするだけであると考え、廃棄物処理法と再生資源利用促進法を統合した資源循環・廃棄物管理法の制定を提言し、現在パブリックコメントを行っているところであります。私たち民主党の提言も完全であるとは言えないでしょうが、これらの問題に真っ正面から取り組み、一定程度の方向性を示しているつもりです。
 まじめに環境負荷を減らそうとしている事業者の方々、多くの国民が本当に望んでいるのは、廃棄物とリサイクル法制度の統合なのであります。民主党政権では、このような単なる理念的な基本法ではなく、廃棄物・リサイクル法制度の統合をした、問題解決に実効性のある法制度を確立することをお誓い申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣清水嘉与子君登壇〕
#30
○国務大臣(清水嘉与子君) 小林先生にお答え申し上げます。
 まず、ドイツ循環経済法に対する評価及びドイツ循環経済法と比較した本法案の長所についてお尋ねがございました。
 ドイツ循環経済法におきましては、廃棄物の処理対策とリサイクル対策を一体的に規定し、対策の優先順位、拡大生産者責任等の廃棄物・リサイクル対策に対する基本的な考え方が明らかにされたことは、同国における廃棄物・リサイクル対策の推進に一定の寄与をしたものと評価しております。
 ドイツ循環経済法と比較した本法案の長所といたしましては、両国の国情の違いもあり断定的に申し上げることは困難ではございますけれども、まず、国における施策の基本となる計画制度を盛り込んでいる点、講じようとする施策やその実施状況についての年次報告の策定を定めている点、国の講ずべき施策が網羅的に明らかにされている点を挙げることができるものと考えております。
 次に、先進国における廃棄物・リサイクル政策の所管官庁についてのお尋ねがございましたが、国によって制度や行政組織の形態が異なるため一概には申し上げられないものの、廃棄物行政とリサイクル行政を一体化している先進国が多いものと承知しております。
 我が国においても、このような各国の事例をも参考にしつつ、来年一月に発足する環境省においては、廃棄物行政を一元化するとともに、現在各省が実施しているリサイクル行政についても環境省が適切な役割を担うことにより、これらの施策を環境省がリーダーシップをとって一体のものとして推進することにしております。
 この法案によって、廃棄物の定義をめぐる争いに終止符を打つことができるのか、また、リサイクルに対して廃棄物処理法の規制がかからないという問題が解決されるのかというお尋ねがございました。
 廃棄物の取り扱いについて、有価、無価をめぐって現場で問題が生じていることについては承知しております。また、有価物のリサイクルに廃棄物処理法が適用されないため十分な規制が行われていないのではないかという意見があることについても承知しております。
 このような御指摘を踏まえ、本法案については、対象物について有価、無価を問わない定義を導入するとともに、対象物の適正な循環的な利用及び処分を確保すべきことを明記し、この問題に対する今後の施策の方向を明らかにしたものでございます。
 この基本的な方向に即し、円滑な物質循環が確保され、かつ適正な環境保全上の対策がすき間なく講じられるシステムの構築を旨として、今後必要な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 次に、廃棄物・リサイクル関係の統計の整備の規定についてのお尋ねがございました。
 廃棄物・リサイクル対策を講ずるに当たっては、まず廃棄物等の発生やリサイクルの状況等の現状を把握することが、今後講ずべき施策の方向を見定める上で基礎であり、大変重要であると認識しております。このため、法案では、第二十九条に、国は、循環資源の発生、循環的な利用及び処分の状況等に関する調査を実施する旨の規定を置いているところでございます。
 これまでも関係省庁において廃棄物の発生実態等の関連調査を実施してきておりますけれども、環境庁としても、循環型社会の形成のための施策立案に必要な情報を適切に把握するため調査の充実を検討したいと考えております。
 有用な廃棄物の存在の状況についての情報の提供に関するお尋ねがございました。
 有用な廃棄物の再使用や再生利用を促進するためには、そのような廃棄物の所在や量などの情報が、これを必要とする国民や事業者に適切に提供されることが効果的でございます。このような観点から、法案では、第二十八条に、国は、民間団体等が自発的に行う循環型社会の形成に関する活動の促進に資するため、循環資源の発生等に関する情報を適切に提供する旨の規定を置いているところでございます。
 拡大生産者責任に関するOECDにおける議論の状況及び拡大生産者責任について一般原則が確立しているかということについてのお尋ねがございました。
 OECDにおきましては、九四年以降、拡大生産者責任についての議論が開始され、本年夏を目途としてガイダンス・マニュアルが取りまとめられるというふうに聞いております。
 このガイダンス・マニュアルは、加盟国政府がみずから政策を立案する際の参考資料として取りまとめられているものでございます。このため、取りまとめは、拡大生産者責任の一般原則を明らかにするものではなく、各国にその導入を勧告するような性格のものではないと承知しております。
 一方、本法案においては、生産者の責務や国の施策として、特定の物質を対象とするのではなく、一般的な規定として拡大生産者責任の考え方を規定しており、このことによって拡大生産者責任の一般原則が確立できるものと考えております。
 個別品目ごとの引き取り責任に関するお尋ねがございました。
 循環型社会形成推進基本法案では、第十八条第三項におきまして、当該循環資源の処分の技術上の困難性、循環的な利用の可能性等を勘案し、関係者の適切な役割分担のもとに、当該製品等に係る設計及び原材料の選択、当該製品等の収集等の観点から、その事業者の果たすべき役割が重要であると認められるものを引き取り責任の対象としたところでございます。
 本法案は、基本法という性格から、直接に個別の権利や義務を生じさせるものではございませんけれども、この規定は、個別の措置を講じる際の基本的な考え方を示したものでございます。したがって、御指摘の自動車、大型家具、携帯電話、オーディオ機器、衣類、蛍光灯といった個別の製品に対して生産者等による引き取り責任を課すのが適切か否かについては、今後、具体的な制度構築が必要となる場合に、本法案に示された考え方に従って個別に検討されるべきものと認識しております。
 生産者が引き取り等の責任を負うべき製品について、だれがどのように判断をするのかというお尋ねがございました。
 さきに申し上げました循環型社会形成推進基本法案第十八条第三項の規定は、個別の措置を講ずる際の基本的な考え方を示したものでございます。したがって、御質問のだれがどのように判断するのかという点につきましては、以上のような考え方に従って立法により個別制度の構築が図られる際に、その制度の対象となる製品等について国会等により判断されるものと認識しております。
 循環資源の循環的な利用及び処分に関して、技術的に可能及び経済的に可能とはだれにとっての話であるのかというお尋ねがございました。
 この基本法案の第七条において、循環資源の循環的な利用及び処分が技術的及び経済的に可能な範囲で行われるべき旨、規定しております。
 ここで言うところの「技術的及び経済的に可能」とは、国、地方公共団体、事業者及び国民が対策を講じようとする場合、それぞれの立場で、社会通念に照らし、技術的及び経済的に可能であるかどうか判断されるべきものですが、その判断に当たって、当該事業者や国民が相当な努力を行って初めて可能になるような措置まで講じられているかどうかということが考慮されるべきものと考えております。
 循環資源の循環的な利用及び処分に関して、技術的に可能の意味についてのお尋ねがございましたが、技術的に可能とは、循環資源の循環的な利用を行う者に対し、相当な努力を行った上で、利用可能な技術を用いて循環的な利用を行うことを求めているものであります。また、一般的な技術としては必ずしも確立していなくとも、個々の事業者にとって相当な努力を行うことにより利用可能な技術であれば、その者に当該技術を用いることを求めるものであることと理解しております。
 経済的に可能に関しては、ドイツの循環経済法の経済的に期待可能と同義なのか、また、何をもって判断基準とするのかについてのお尋ねがございました。
 ドイツ循環経済・廃棄物法において経済的に期待可能とは、リサイクルに伴う費用が廃棄物の処分を行った場合に要するであろう費用に比べ均衡を失しないという意味と承知しております。
 他方、この基本法案において経済的に可能とは、単に経済的に見合う措置のみを求めるものではなく、相当な努力によって初めて可能となるような措置までも念頭に置いたものであると解しております。したがって、経済的に可能かどうかの判断に際しては、相当な努力によって初めて可能となるような措置が講じられているかどうかが考慮されるべきものと考えております。
 環境負荷の価格への内部化についてのお尋ねがございましたけれども、環境負荷等のいわゆる外部経済の内部化は、環境と経済を統合し、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会を形成する上で重要な考え方であると認識しております。
 このため、本法案におきましては、循環型社会の形成に関する費用の適正かつ公平な負担がされるべきことを基本原則としてうたっております。また、外部経済の内部化に資する具体的な手法として、いわゆる経済的な負担を課す措置について規定を設けております。
 経済的措置についてのお尋ねがございましたけれども、いわゆる経済的負担を課す措置につきましては、循環型社会の構築を図る上で重要な政策手段の一つとなり得るものと認識しております。
 しかしながら、こうした措置は国民に負担を求めるものであることから、本法案の第二十三条においては、経済的負担を課す措置の効果や経済に与える影響を適切に調査研究するとともに、経済的負担を課す措置を導入しようとするときは国民の理解と協力を得るように努めることと規定して、まずその導入に向けての道筋を明らかにするものと理解をしております。
 製品等の生産、使用、廃棄の各段階にわたっての環境への負荷を製品の製造過程で事前に評価するライフサイクルアセスメント、LCAについてのお尋ねがございました。
 この考え方は、環境負荷の低減を図る上で重要な考え方と認識しております。本法案におきましても、循環型社会の形成を推進するための政策手段として、この考え方を導入しているところでございます。
 具体的には、第二十条におきまして、製品等の耐久性、リサイクルや処分の困難性、処分に伴う環境への負荷の程度などを製造事業者等がみずから事前に評価し、その結果を踏まえて製品の設計の工夫等を行うことによりまして、廃棄物の発生抑制やリサイクルが促進され、環境への負荷の低減が図られるよう、国は技術的支援その他、必要な措置を講ずることとしております。
 最後に、廃棄物・リサイクル政策に関する問題点になぜ正面からこたえようとしないのかという御指摘がございました。
 今日、我が国におきましては、廃棄物・リサイクル対策をめぐってさまざまな課題に直面しており、こうした問題への対処が喫緊の課題となっていると考えます。このような問題に正面から対処するため、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷の少ない循環型社会の形成を推進する基本的枠組みとなる法律として、本法案を提出させていただいたところでございます。
 本法案に基づき、循環型社会の形成に向けた施策を総合的かつ計画的に推進することによりまして、廃棄物・リサイクル対策をめぐる諸問題の解決が図られるものと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕
#31
○国務大臣(丹羽雄哉君) 私に対しましては、廃棄物の定義に関する通知改正についてのお尋ねでございます。
 客観的に廃棄物とは言えないようなものでも、廃棄されることによりまして環境保全上支障が生じていたことが現に存在いたしておるわけでございます。こうした事態を踏まえまして、廃棄物かどうかの判断につきましては、廃棄者が廃棄するに至った意図などを総合的に勘案すべきだという趣旨を明らかにしたものでございます。
 厚生省といたしましては、この通知改正によって、廃棄物の規制について実態に即した運用ができるようになったとの立場に立つものでございます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#32
○議長(伊藤宗一郎君) 若松謙維君。
    〔若松謙維君登壇〕
#33
○若松謙維君 私は、公明党・改革クラブを代表して、ただいま議題となりました循環型社会形成推進基本法案について質問をいたします。
 去る四月八日と九日、GLOBE、地球環境国際議員連盟の第十五回世界総会が、G8環境サミットと同時並行で、滋賀県大津市で開催されました。
 最終日には、地球環境ガバナンスをテーマに私が議長役を務めましたが、このとき、G8環境サミット共同声明の最終取りまとめが行われており、G8各国に二〇〇二年まで京都議定書の批准を義務化させるか否かをめぐってアメリカが消極的な態度をとっていることがわかり、急遽議題を変更して、G8環境サミットに対してGLOBEとしての声明文を採択するなど、G8環境サミット成功に向け、側面的支援の役割を果たしたと自負しております。
 そして、最終日の午後、私が提出しました「循環型社会の構築へ向けて」と題しましたアクションアジェンダ、いわゆる行動計画提案書に対しまして、海外の参加議員から賛同の意見が寄せられました。このことからも、今回この循環型社会形成推進基本法案が今国会に提出されたことは、環境先進国を目指す日本にとってまことに意義深いものがあると考えます。
 昨年九月三日、公明党と自民党の政策責任者の間で、平成十二年度を循環型社会元年と位置づけ、循環型社会法を制定することを合意しました。そして、平成十一年十月四日には、当時の自由党も加わった三党の合意となりました。
 この政策合意を実現するため、与党では循環型社会プロジェクトチームを結成し、自民党は山本公一座長、自由党は武山百合子議員、そして我が会派は田端正広議員が中心となって、これまで六カ月間、二十回を超える論議を重ねる中で、ようやく今回の循環型社会形成推進基本法案として政治主導で結実し、森新総理も、四月七日の所信表明演説で、法案の今国会提出を約束されました。
 昨年九月の自公両党の合意から七カ月を要しましたが、今回提出されたこの法案は、公明党が主張し、三党の合意に盛り込まれたものを具体化したものであります。今国会において一日も早く成立することを強く望みます。(拍手)
 そこで、まず、この法案を提出された内閣を代表して環境庁長官に、今国会での成立並びに循環型社会の形成を推進する決意を伺いたいと思います。
 私たち人類を初めとしてこの地球上のすべての生き物は、地球という大自然の循環の中で生かされていることを考えたときに、私たちは再び、環境の恵沢の享受、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築、国際協調による地球環境保全という環境基本法の三つの基本理念を強く認識しなければならないと思います。
 そして、循環型社会は、自然エネルギーの利用などにより天然資源の収奪的消費を減らし、地球環境を保全するとともに、他方、これまで廃棄されていたものを資源として再投入していくシステムが構築された社会です。このような考え方は、本法案の第一条に「この法律は、環境基本法の基本理念にのっとり」とあることや、第二条に「天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会」という文言に表現されています。
 そこで、環境基本法の基本理念との関連において、環境庁長官は循環型社会をどのように理解されているか、お伺いします。
 循環型社会の形成は、二十一世紀の人間社会のあり方につながります。今国会には、基本法案のほかに廃棄物・リサイクル関連の個別法案も提出されており、これらの成立も同時に図っていかなければなりませんが、それだけでは十分ではありません。まず循環型社会を形成、推進する枠組みづくりのための基本法を成立させ、それに基づいてしっかりした基本計画をつくり、その上で次々と個別の施策を具体化しなければなりません。
 これは社会の大改革を伴います。しかし、前例や既存の利害関係を重視する癖のある官僚機構は、残念ながらこのような大改革を実行するには適しません。したがって、これを実行していくには、改革の意欲に富んだ、既存の利害にとらわれない大胆な発想のできる第三者的な機関が必要です。
 本法案では、このような第三者的役割を果たす機関を中央環境審議会としております。そして、第十五条の趣旨を見ますと、この審議会の機能は中央省庁改革の審議会や地方分権の委員会に匹敵するものであり、このような第三者的機能を保障するためには、審議会の強化と人選が重要となります。当然、循環型社会に関する施策の進捗状況についても、この審議会がフォローアップすることになると考えます。
 そこで、環境庁長官に伺います。
 一つは、中央環境審議会委員の任命権限は環境大臣、現在の環境庁長官にありますが、政府・与党連絡会議の設置など政治主導による法案化の経緯も踏まえ、その任命に当たって具体的にどのような手続を考えておられるのか、お伺いします。
 もう一つは、委員の人数です。環境省における中央環境審議会委員は三十人ですが、これはこの法律の制定を想定していなかったときの人数です。計画に携わる第三者的な役割を果たす委員の人数として、公明党は七人を考えていました。今回提案された法案に定められた特別の任務を持つ委員については、委員会の正委員とすべきであります。したがって、存在意義が薄まった既存の審議会の廃止を検討しつつ、必要な審議会の委員の増員をすべきと考えますが、このことについて環境庁長官の考えをお伺いします。
 循環型社会の仕組みに関する重要な施策として、拡大製造者責任と排出者責任があります。そのいずれも本法案に盛り込まれていますが、特に排出者責任について明記されたことを高く評価したいと思います。
 現在、各地で廃棄物の不法投棄問題が発生しており、さらには、実際には廃棄物しかならないものをリサイクルと称して野積みしたまま、あげくの果てには倒産して、その後始末を地方自治体に押しつける豊島のような事態が起こっています。地方自治体の財政には余裕がなく、多くの国民が本当に困っている問題です。
 今国会提出されている廃棄物処理法の改正案では、不法投棄した廃棄物処理業者だけでなく、業者に処理を依頼した排出者も責任を負うことになっています。これは一つの前進でありますが、現状の問題を考えれば、前述のリサイクルと称して事実上不法投棄に至るケースに対しても、今後、同じような仕組みを具体的に構築していく必要があります。
 そこで、環境庁長官に伺います。
 環境庁は、平成十三年一月六日から環境省となり、環境省は廃棄物行政を専管するとともに、リサイクル行政を他省と共管することになります。このような、環境省の発足を控え、基金制度や保険制度など、廃棄物とリサイクル、ともにひとしく対象とした排出者責任を徹底する具体的方策の検討に直ちに着手すべきと考えますが、環境庁長官のお考えを伺い、そしてやや大き目の声で答弁いただけることをお願いし、私の質問を終わります。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣清水嘉与子君登壇〕
#34
○国務大臣(清水嘉与子君) まず、私に対します一番最初の質問でございます循環型社会形成推進基本法案の今国会における成立と、循環型社会の形成を推進する決意についてのお尋ねがございました。
 近年、大量の廃棄物が排出されることに起因するさまざまな問題が発生しており、総合的な廃棄物・リサイクル対策の展開は喫緊の国民的課題になっております。このような問題の解決のためには、大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会から脱却し、生産から流通、消費、廃棄に至るまで物質の効率的な利用やリサイクルを進めることにより、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷の少ない循環型社会を形成することが急務となっております。
 このため、政府としては、廃棄物・リサイクル対策について、施策の総合的、計画的な推進の基盤を確立するため、環境庁が中心となって、循環型社会の形成を推進する基本的枠組みとなる法律を提案させていただいたところでございます。
 環境庁といたしましては、今国会での本法案の成立に全力を挙げるとともに、関係省庁とも連携協力して、循環型社会の形成に向けた対応に一層取り組んでまいる所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、環境基本法の基本理念との関連における循環型社会の理解についてのお尋ねがございました。
 国民が豊かで安心できる暮らしを実現していくためには、環境基本法が基本理念で明らかにしているとおり、人類の生存の基盤である環境を将来にわたって維持し、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会を構築することが不可欠でございます。
 本法案に基づく循環型社会の形成は、このような環境基本法の理念にのっとり、我が国の喫緊の課題である廃棄物・リサイクル問題への対処を通じて、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会を形成していこうとするものでございます。これは、環境基本法の理念の実現に大きく寄与するものと認識しているところでございます。
 次に、中央環境審議会の委員の任命手続及び増員についてのお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、中央環境審議会の意見、これは計画の策定に関して重要な役割を負っておりますので、審議会がこの任務を適切に実施することができるように配慮することが重要だというふうに考えております。
 まず、委員の任命の手続につきましては、環境基本法の規定を踏まえまして、環境の保全に関する学識経験を有する者の中から環境大臣が任命することとなりますけれども、その人選につきましては、慎重かつ適切に手続を進めたいと考えております。
 また、審議会委員の人数につきましては、審議会の整理合理化の中で、委員数は最大でも三十人を超えないこととされております。これを踏まえて、本法案において中央環境審議会が求められている役割を適切に果たすことができるよう意を用いてまいりたいと考えております。
 最後でございますが、排出者責任の徹底についてのお尋ねがございました。
 廃棄物の処理に伴う環境負荷の低減につきましては、その排出者が責任を負うという排出者責任の考え方は重要であると認識しております。
 このため、循環型社会形成推進基本法案で、排出事業者に対する規制などの国の措置、不法投棄等により環境保全上の支障を生じる場合の排出事業者等に対する原状回復措置等の排出者責任の明確化を図ることとともに、廃棄物処理法の改正によりまして、不法投棄の原状回復措置命令の対象者の拡大等の排出者責任の徹底措置を織り込んだと考えております。
 したがいまして、可及的速やかに法案の成立をいただきまして、これらの法案の適切な運用に努めまして、排出者責任の徹底を図りたいと考えているところでございます。
 また、今後の具体的な方策の検討につきましては、以上のような排出者責任の徹底措置の効果を見きわめながら、関係省庁と密接な連携を図りつつ、考えてまいりたいと存じます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#35
○議長(伊藤宗一郎君) 北沢清功君。
    〔北沢清功君登壇〕
#36
○北沢清功君 社会民主党・市民連合を代表して、政府提出の循環型社会形成推進基本法案について質問をいたします。
 この法案の目的は、廃棄物の発生量を抑えよう、資源の有効活用を図ろう、資源の循環利用を進めようということですから、まことに結構な法案であり、本来であれば何も申し上げるべきことはないということになるのでありますが、残念ながら、法案の内容を見る限り、政府・与党に積極的に循環型社会を形成していこうという姿勢は感ぜられません。
 そこで、質問をいたします。
 まず、この法案の必要性についてでありますが、この基本法案の条文を読む限り、環境基本法と一体どこがどう違うのかという感じが強くします。言葉が過ぎるかもしれませんが、この程度の法案であれば、現行の環境基本法のもとで個別法を改正、強化していけば十分ではないでしょうか。何も環境基本法の屋上屋を重ねる必要はないと思うのですが、その点についての見解をお聞かせください。
 次に、この基本法案と個別法案の関係についてお伺いいたします。
 関係省庁が提出している個別法案は、当然、この基本法の下位に位置づけられる法案であると思いますが、なぜこの基本法案が提出される以前に個別法案が各省庁別に提出されているのかということであります。本来ならば、この逆でなければならないはずであります。個別法案は基本法案が成立した後で議論されるのが当然の順序のはずであります。なぜこういうことになったのか、環境庁長官もじくじたる思いではないかと思慮いたしますが、この点について、環境庁長官の率直なお気持ちとあわせてお尋ねをいたしたいと思います。
 環境庁は、基本法案に拡大生産者責任の一般原則を明記したということで、大きな前進だと自負しておられるのであります。
 そこで伺いますが、基本法案が成立したと仮定いたしますと、この拡大生産者責任の一般原則に従って、環境庁は、基本計画以外にも、関係省庁に対して、関連する個別法並びに個別法案の見直しを指示されるものと理解してよろしいでしょうか。また、環境庁長官からそのような指示があった場合、関係大臣はこれに直ちに従って見直しに着手するものと理解して間違いはないでしょうか。環境庁長官、通産大臣、厚生大臣の明確な答弁をお願いいたしたいと思います。
 関連しますが、環境庁が環境省に移行するときには、関係省庁の個別法は当然環境省の所管となるものと理解しておりますが、環境庁長官、それでよろしいのですか。
 次に、政府・与党がこの基本法案を自信を持って提出したというのであれば、この基本法案を制定することによって、将来廃棄物の量をどの程度に抑制しようと考えておられるのか、これを明らかにしていただきたいと思います。
 昨年九月二十八日のダイオキシン対策閣僚会議においては、一般廃棄物と産業廃棄物の最終処分量を二〇一〇年までに対一九九六年度比で半分に減少させるという目標が決定をされております。この決定に当たっては、現行の廃棄物処理法、再生資源利用促進法、容器リサイクル法の徹底、家電リサイクル法の施行等によって実効を上げるということが前提となっておりました。この基本法案の制定は考慮に置かれていなかったはずであります。したがって、当然この基本法案の制定と個別法の改正案でこの削減目標は大幅に前倒しになると考えますが、そういう理解でよろしいのですね。環境庁長官、厚生大臣、通産大臣の答弁をお願いいたしたいと思います。
 さらに、通産大臣に伺います。
 この基本法案に沿った形で、個別法であるいわゆるリサイクル法の一部改正案も提出されております。さらに、容器包装リサイクル法もこの四月から本格的施行が開始されました。PETボトルを例にとりますが、現在PETボトルは容器包装リサイクル法でリサイクルされている製品であるにもかかわらず、PETボトルの生産量は激増の一途をたどっております。どうしてこういうことが起きるのか、通産大臣の見解をお伺いいたします。
 また、リサイクル法の一部改正案では、PETボトルに分類収集のための表示をするという現実の要請とはずれた感がある措置が考えられているようですが、この基本法案とリサイクル法の一部改正案で、PETボトルの生産量が減少し、循環型社会にふさわしい、資源の有効利用に資するようになるのでしょうか。通産大臣、PETボトルの生産量はこれで減少し、リユース、リサイクルが進むと断言できますか。明快な答弁をお願いいたしたいと思います。
 続いて、廃棄物の排出者責任について厚生大臣にお伺いします。
 廃棄物の一貫した把握、管理を徹底するためには、排出者責任を明確にする以外には方法がありません。この基本法案では拡大生産者責任の一般原則が盛り込まれているわけですから、厚生省が提出している産業廃棄物処理法の一部改正案も、当然排出者の責任を問う条文にすべきだと思います。残念ながら、提出されている改正案は、「産業廃棄物の処分を受託した者」が主語になっております。これは結局委託業者の責任を問うものであり、排出者の責任といっても、排出者の責任を少し厳しくした程度のものであって、排出者の責任を根本から問うものではありません。
 現場で不法投棄を取り締まっている警察からも、排出者責任を明確にした法律をつくるべきだという声が上がっているようでありますが、このことは、厚生大臣もよく認識されているはずであります。できることなら、この基本法案にあわせて、現在提出されている廃掃法の一部改正案よりも思い切って排出者責任を徹底した改正案を提出し直していただきたいと思いますが、厚生大臣、いかがでしょうか。
 続いて、この法案には大いに気になる点があります。法案第三条、第七条、第十一条に、「技術的及び経済的な可能性を踏まえつつ」とか、「技術的及び経済的に可能な範囲で、」「技術的及び経済的に可能であり」という表現があることです。
 これは、お金がなければやらなくてもいいということですが、提出されている法案は基本法案です。すなわち理念法であります。この法案そのものに、企業に対する法的強制力があるわけではありません。にもかかわらず、このようなことを基本法に盛り込まなくてはならない理由は何なのでしょうか。この文言だけでも削除すべきだと思いますが、環境庁長官の御見解を伺いたいと思います。
 この法案では、環境庁長官が原案を作成し、それを関係大臣と協議して、政府が循環社会形成推進基本計画を策定することになっています。一見、政府全体が決意を持って取り組むように映るのでありますが、実際はそうではなくて、中央環境審議会の意見を聴取して作成した環境庁長官の原案が、実は環境庁長官以外の関係大臣によって骨抜きにされるのではないかということであります。
 循環型社会を形成していく、明るい未来をつくるんだということを、政府・与党がせっかく決意をされ、国民に向かって宣言されているわけでありますから、関係大臣はそろって、環境庁長官が策定した案に素直に従う、環境庁長官はそのくらいの権限と権能は持つべきだというくらいの度量を示されたらどうでしょうか。そろそろ環境庁いじめから脱却してもいいのではないかと思慮いたしますが、通産大臣、厚生大臣の見解を伺います。
 最後に、政府・与党の法案は、あくまでも排出者を規制したり拡大生産者責任を踏まえてのものであって、決して拡大生産者責任を導入するものではないということです。
 社民党が主張しているのは、拡大生産者責任、排出者責任の原則を打ち立て、大量廃棄に直結する企業の大量生産システム、企業の生産のあり方そのものを根本的に変えていこうとすることであります。市民の願う循環社会基本法もまた、あらゆる製品に拡大生産者責任を導入するということであります。
 果たして、政府の基本法案と個別法によって企業の生産のあり方は根本的に変わるのでしょうか。環境庁長官の明快なる答弁をお願いして、質問を終わりたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣清水嘉与子君登壇〕
#37
○国務大臣(清水嘉与子君) 北沢先生から、まず、現行の環境基本法のもとで個別法を改正強化すれば十分じゃないかという御指摘がございました。
 環境基本法は、第一に、環境の保全に関するすべての施策分野を対象とするものでございます。また、第二に、その施策につき、長期的な視点に立った着実な取り組みを追求するものでございます。
 これに対しまして、本法案は、第一に、施策の対象を、社会の物質循環の確保という観点から、廃棄物・リサイクル対策に焦点を当て、第二に、大量生産、大量消費、大量廃棄による環境負荷の増大のもとで、喫緊の課題として循環型社会の形成の推進に緊急に取り組むものでございます。
 以上のことから、廃棄物・リサイクル対策を総合的、計画的に実施するためには、これへの対応に絞り、環境基本法に示される理念をも踏まえつつ、新たな基本的な法律を策定することが必要であるというふうに判断したものでございます。
 また、本法案と個別法案の提出時期についてのお尋ねがございました。
 本法案は、廃棄物・リサイクル対策の基本的な枠組みとなる法律であるため、政府及び与党において十分な検討を重ねて、今般国会提出に至った次第でございます。また、結果的に国会提出は先になりましたけれども、個別の廃棄物・リサイクル関係法案は、本法案の考え方を踏まえて立案され、提出されているものでございます。
 政府といたしましては、循環型社会の形成を推進するためには、本法案と各個別法案は必要不可欠なものであると考えておりますので、今国会において速やかに御審議いただきますようお願い申し上げる次第でございます。
 関連する個別法や個別法案の見直しを環境庁長官から指示するかについてのお尋ねでございますけれども、循環型社会の形成に向けて、必要な個別法を充実させていくことは大変重要なことであると認識しております。
 このため、今国会には、循環型社会形成推進基本法にあわせ、これに関連する廃棄物・リサイクル関係法案も提出されておりまして、これらの個別法案や個別法に基づく関連施策が、基本法案の計画制度に基づき総合的、計画的に推進されることによりまして、循環型社会の形成が着実に推進されるものと考えているところでございます。
 循環型社会形成推進基本法案の提出に当たりましては、既存の個別法及び個別法案とも十分に調整しておりまして、拡大生産者責任の考え方については、関連する個別法案に適切に織り込むことができたと考えております。したがって、法案の成立をいただきましたならば、今後、基本法及び個別法の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
 拡大生産者責任の一般原則に従い、個別法の見直しを行うかどうかについては、基本計画や個別法の実施状況等を踏まえて、関係省庁とも密接な連携を図りつつ、今後判断していくべきものと考えております。
 それから、環境省設置後の個別法の所管に関するお尋ねがございました。
 中央省庁等改革によりまして、現在厚生省が所管しております廃棄物処理法を初めとする廃棄物関係諸法はすべて環境省に移管することはもとより、リサイクル関係法につきましても、共管等の形で環境省の所管が適切に確保されるものと理解しております。
 また、この基本法案の制定と個別法の改正案によりまして、昨年九月のダイオキシン対策関係閣僚会議で決定いたしました廃棄物の減量化目標が大幅に前倒しになるのではないかというお尋ねがございました。
 この廃棄物の減量化目標では、廃棄物の最終処分量を平成二十二年までに半減させるという目標を掲げておりまして、政府としては、その達成に全力を挙げることとしているところでございます。
 今般、この基本法案が制定されて、施策の基本的な方向性が示されることによりまして、個別法に基づく措置が総合的かつ計画的に実施されることになりまして、平成二十二年度における最終処分量の半減という目標の達成がより確実になるものと考えているところでございます。
 また、法案中に「技術的及び経済的に可能」といった表現を盛り込む理由についてのお尋ね及びこれを削除すべきという御指摘もございました。
 この表現は、この法案が、事業者や国民に対し、個別具体的な義務づけを行うものではないとはいえ、施策の実施に当たっての基本的な考え方を示すものであることから、どのような範囲で施策を実施するのかという考え方を位置づけたものでございます。
 また、「技術的及び経済的に可能」といった表現は、循環型社会の形成のため、国民や事業者に対し、単に経済的に見合う措置のみを求めるものではなく、相当な努力によって初めて可能となるような措置を念頭に置いたものであると解しております。
 したがって、この表現は適切であると考えております。
 最後に、基本法案と個別法について、企業の生産のあり方は根本的に変わるのかというお尋ねがございました。
 生産者が、みずから生産する製品について、使用後廃棄物となった後まで一定の責任を負うという拡大生産者責任の考え方は、循環型社会の形成のために極めて重要な視点でございます。この基本法案では、その考え方を明確に位置づけているところでございます。
 具体的には、物質の耐久性の向上やリサイクルの容易化等のための製品の設計、材質の工夫、使用済み製品等の引き取り、引き渡しルートの整備及びリサイクルの実施といった拡大生産者責任の措置を、個々の物質の性状や、処理、リサイクルの実態等を考慮しつつ、また、関係者の適切な役割分担のもとで実現していくという考え方を位置づけております。
 法案における考え方を踏まえ、事業者による自発的な取り組みが進められ、また、関係する個別法において拡大生産者責任に関して適切な措置が講じられることにより、企業の生産のあり方がより環境に配慮した生産形態に移行していくことと期待しているところでございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣深谷隆司君登壇〕
#38
○国務大臣(深谷隆司君) 北沢議員の私に対する質問は五問でございます。
 まず、個別法並びに個別法案の見直しについてのお尋ねでございますが、本法案においては、環境庁長官が関係大臣に対して個別法について見直しの指示をするという仕組みにはなっておりません。
 個別のリサイクル法の制定あるいは見直しを行うかどうかにつきましては、本法案で規定された拡大生産者責任の考え方に基づいて、関係省庁と十分に相談の上、個々の分野における生産、流通、消費の実態に即して判断されるべきものと考えます。
 一般廃棄物と産業廃棄物の最終処分量の削減目標についてのお尋ねでございますが、政府としては、昨年の九月のダイオキシン対策関係閣僚会議で、平成二十二年度を目標年度として、それぞれ半分に削減するという目標を定めたところでございます。本基本法案と、今国会に提出されている廃棄物・リサイクル関連法案等を一体的に運用することによって、削減目標の確実な達成に全力を挙げて取り組む覚悟でございます。
 PETボトルの生産量が激増しているが、基本法案とリサイクル法の一部改正案により、この生産量が減少し、リユース、リサイクルが進むと言えるかとの御質問でございます。
 リサイクル法の対象となるPETボトルの生産量は、この三年間で二倍弱に増加をしております。これは、軽くて丈夫で、ふたを開けた後も再びできるというPETボトルの特徴から、清涼飲料向けを中心に、需要が好調に推移したためと考えます。
 PETボトルについては、平成九年度より、容器包装リサイクル法に基づく分別収集、再商品化の取り組みが進みまして、リサイクル率が毎年向上して、二三%に達しているところでございます。PETボトルの性質上、リユースはなかなか困難でございますが、まずはリサイクル施設の設置支援とか技術開発を通じてさらなる推進を図って、循環型社会の実現を目指す所存でございます。
 最後に、環境大臣が作成した案に従うかとのお尋ねでございますが、循環型社会形成推進基本計画については、環境庁がリーダーシップを発揮して原案を作成いたします。そして、通産省を初めとする、リサイクル政策に実績を持つ関係省庁の知見、政策手法を総動員するということによりまして、政府一体となって実効性のあるものが策定されると理解しております。
 通産省としましては、関係省庁との密接な連携のもとで、実効性のある基本計画の策定に全力を尽くしてまいりたいと思います。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣丹羽雄哉君登壇〕
#39
○国務大臣(丹羽雄哉君) まず、基本法案と個別法案の関係についてのお尋ねでございますが、循環型社会基本法案は、循環型社会を実現するための総合的で計画的な推進を政府一体として図ることをねらいとしたものでございます。今国会に提出いたしております廃棄物処理法等の改正法案も、この基本法と趣旨を同じくするものでございます。
 廃棄物行政を担当する厚生省といたしましては、廃棄物の適正処理という観点に立ち、基本法の考え方を十分に尊重して今後の施策を進めてまいりたいと考えております。
 次に、廃棄物の減量化の目標についてのお尋ねでございますが、昨年の九月に定めました目標の達成に向けて、政府として一体として取り組みを進めていくことが必要である、このように考えているような次第でございます。
 厚生省といたしましては、まず、現行法に基づいて減量化の徹底を図るとともに、さらに減量化を推進するための取り組みとして、今国会に廃棄物処理法の一部改正法案を初め関係法律を提出しているところであり、これによって廃棄物の着実な減量を目指すものでございます。
 さらに、廃棄物責任についてお尋ねでございますが、今回の廃棄物処理法の一部改正法案では、不法投棄の悪質化、増加の状況のもとで、排出事業者の処理責任を大幅に強化することにいたしております。
 それで、具体的には、廃棄物管理票、いわゆるマニフェストでございますが、制度の強化によりまして、排出事業者は、処理を委託する場合に、最終処分が終了したことを確認し、適切な措置を講じなければならないこと、それから、第二でございますが、排出事業者が処理責任に基づく義務に違反した場合には、原状回復の措置命令の対象とすることなど、排出者責任を大幅に強化することにいたしておるような次第でございます。
 最後でございます。
 基本計画の策定についてのお尋ねでございますが、循環型社会の実現を総合的で計画的に進めていくためには、関係省庁が、言うまでもなく、一体となって施策を進めていくことが必要である、このように考えているような次第でございます。私といたしましては、循環型社会基本計画の策定に当たっても、環境大臣と十分に相談を行い、効果的な施策の推進に力を尽くしていくことが何よりも大切だ、このように考えているような次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
#40
○議長(伊藤宗一郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#41
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十七分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        厚生大臣    丹羽 雄哉君
        通商産業大臣  深谷 隆司君
        運輸大臣    二階 俊博君
        自治大臣    保利 耕輔君
        国務大臣    清水嘉与子君
 出席政務次官
        環境政務次官  柳本 卓治君
ソース: 国立国会図書館
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