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2000/04/21 第147回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第28号
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2000/04/21 第147回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第147回国会 本会議 第28号

#1
第147回国会 本会議 第28号
平成十二年四月二十一日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十四号
  平成十二年四月二十一日
    午後一時開議
 第一 農産物検査法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 農産物検査法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案(内閣提出)
 沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議
#2
○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 農産物検査法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
#3
○議長(伊藤宗一郎君) 日程第一、農産物検査法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長松岡利勝君。
    ―――――――――――――
 農産物検査法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔松岡利勝君登壇〕
#4
○松岡利勝君 ただいま議題となりました農産物検査法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、現在、国が実施している農産物検査について、行政機構の減量及び民間能力の積極的活用を図るための措置を講じようとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、農産物検査の実施主体を、一定の検査能力を有するものとして農林水産大臣の登録を受けた民間の検査機関に改めることとしております。
 第二に、登録検査機関の適正な業務運営を確保するため、登録検査機関に対する農林水産大臣の指導監督の仕組みを整備することとしております。
 第三に、民間の検査体制が整うまでの一定期間においては、国が検査業務を実施することができるよう経過措置を講ずることとしております。
 本案は、去る三月三十一日参議院から送付され、四月十八日本委員会に付託されました。
 委員会におきましては、四月十九日玉沢農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、昨二十日政府に対する質疑を行いました。
 質疑終局後、討論を行い、採決いたしましたところ、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#6
○議長(伊藤宗一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#7
○野田聖子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改正する法律案、犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案、右両案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#8
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案(内閣提出)
#10
○議長(伊藤宗一郎君) 刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改正する法律案、犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長武部勤君。
    ―――――――――――――
 刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改正する法律案及び同報告書
 犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔武部勤君登壇〕
#11
○武部勤君 ただいま議題となりました両法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 初めに、刑事訴訟法及び検察審査会法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、刑事手続において犯罪被害者等に対するより適切な配慮と一層の保護を図るため、親告罪である強姦罪等の告訴期間を撤廃し、証人尋問手続における証人への付添人の付与、証人の遮へい措置、いわゆるビデオリンク方式による証人尋問等、証人の負担を軽減するための手続及び被害者等による公判期日における被害に関する意見陳述の制度を導入するとともに、あわせて検察審査会に対する審査申し立て権者の範囲の拡大等を行おうとするものであります。
 次に、犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案について申し上げます。
 本案は、被害者及びその遺族の心情を尊重し、かつその被害の回復に資するための措置を定め、もってその保護を図るため、刑事手続に付随する措置として、犯罪被害者等の公判手続の傍聴に対する裁判長の配慮義務を定めるとともに、犯罪被害者等による公判記録の閲覧及び謄写を可能とする制度並びに民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解の制度を導入しようとするものであります。
 両案は、三月十七日内閣から提出され、四月十三日の本会議において、犯罪被害者等の保護を図るための刑事手続に付随する措置に関する法律案について趣旨説明及び質疑が行われた後、同日両案は本委員会に付託されたものであります。
 委員会においては、去る十四日両案を議題とし、臼井法務大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、参考人から意見を聴取する等の審査を行い、本日これを終了し、直ちに採決を行った結果、両案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、両案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○議長(伊藤宗一郎君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#14
○野田聖子君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 内閣提出、沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
#15
○議長(伊藤宗一郎君) 野田聖子君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
    ―――――――――――――
 沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#17
○議長(伊藤宗一郎君) 沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。沖縄及び北方問題に関する特別委員長佐々木秀典君。
    ―――――――――――――
 沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔佐々木秀典君登壇〕
#18
○佐々木秀典君 ただいま議題となりました法律案につきまして、沖縄及び北方問題に関する特別委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 沖縄振興開発金融公庫は、沖縄が本土へ復帰した昭和四十七年に設立されて以来、本土の六つの政策金融機関が行っているそれぞれの業務を一元的に行う総合公庫として、沖縄における経済の振興と社会の開発に金融面から寄与しております。
 本案は、最近の金融市場をめぐる環境の大きな変化に適切に対応し、今後の沖縄の振興開発を一層進めていくため、沖縄振興開発金融公庫の業務範囲を拡大するとともに、同公庫の業務に要する資金の調達手段を多様化すること等の必要があるとするもので、その概要は次のとおりであります。
 まず第一に、沖縄における産業の振興開発に寄与する事業に対する資金供給の円滑化を図るため、沖縄振興開発金融公庫の業務の範囲に当該事業の資金調達のために発行される社債の取得等の業務を追加するとともに、非設備事業資金等にも資金供給ができるよう対象資金の範囲を拡大することとしております。
 第二に、沖縄振興開発金融公庫の業務に要する資金の調達手段を多様化し、資金の安定的な確保を図るため、沖縄振興開発金融公庫債券の発行を可能にするとともに、この債券に政府保証を付することができることとしております。また、効率的な資金繰りを行うことを可能にするために、民間金融機関から短期借入金をすることができることとしております。
 本案は、去る二月十日本院に提出され、四月十七日本委員会に付託されました。
 本委員会におきましては、本日青木沖縄開発庁長官から提案理由の説明を聴取した後、直ちに質疑を行い、質疑終局後、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し、附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#19
○議長(伊藤宗一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(伊藤宗一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#21
○議長(伊藤宗一郎君) この際、内閣提出、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案について、趣旨の説明を求めます。通商産業大臣深谷隆司君。
    〔国務大臣深谷隆司君登壇〕
#22
○国務大臣(深谷隆司君) 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 エネルギー供給構造が脆弱な我が国においては、地球温暖化問題への対応といった環境保全及び効率化の要請に対応しながら、エネルギーの安定供給を確保するため、原子力政策を着実に推進していくことが必要であります。原子力発電は、発電開始以来三十数年が経過し、今や我が国の主要なエネルギー源として確固たる地位を占めるに至っております。
 一方、原子力発電に伴い生じた使用済み燃料の再処理後に生ずる特定放射性廃棄物の最終処分は、原子力発電を進めていく上で残された最重要課題の一つであります。この課題を解決するため、最終処分費用の負担に関する世代間の公平性の観点に留意しつつ、最終処分の実施に必要な枠組みを早急に制定化することが極めて重要であります。
 以上のような認識のもと、特定放射性廃棄物の最終処分を計画的かつ確実に実施させるために必要な措置等を講じ、発電に関する原子力に係る環境の整備を図るため、今般、本法律案を提案した次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、通商産業大臣は、特定放射性廃棄物の最終処分を計画的かつ確実に実施させるため、特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針及び最終処分計画を閣議の決定等を経た上で定めることとしております。
 第二に、原子力発電環境整備機構は、概要調査地区等を選定しようとするときは、所要の調査を行い、その結果に基づき概要調査地区等を選定しなければならないこととするとともに、通商産業大臣の承認を受けなければならないこととしております。
 第三に、発電用原子炉設置者は、特定放射性廃棄物の最終処分に必要な費用に充てるため、毎年、原子力発電環境整備機構に拠出金を納付しなければならないこととしております。
 第四に、原子力発電環境整備機構は、最終処分計画等に従い、拠出金に見合う特定放射性廃棄物の最終処分を行わなければならないこととしております。なお、原子力発電環境整備機構が特定放射性廃棄物の最終処分を行う場合についての安全の確保のための規制については、別に法律で定めるところによることとしております。
 第五に、特定放射性廃棄物の最終処分を行う原子力発電環境整備機構に関する事項、発電用原子炉設置者が納付した拠出金を最終処分積立金として管理する指定法人に関する事項、その他所要の措置について定めることとしております。
 以上が、本法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#23
○議長(伊藤宗一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。大畠章宏君。
    〔大畠章宏君登壇〕
#24
○大畠章宏君 私は、民主党を代表して、ただいま議題となりました特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律案について、関係大臣並びに官房長官に質問いたします。
 エネルギー問題は、与野党を超え、日本の経済はもとより国民生活に大きな影響を与える問題であり、かつ、アジアの問題、地球の問題でもあります。人類の英知を結集し、太陽光発電、風力発電などの自然エネルギー技術開発、バイオマス発電や燃料電池などの技術開発にさらに全力を挙げながらも、当面は原子力発電に依存しなければならないというのが現実でありましょう。それだけに、高レベル廃棄物の処分は避けて通れない課題であります。そして、最終処分地を決定するためには、住民理解が絶対条件になります。国の責任により、住民と地元自治体の理解を得られるよう、選定要件、手続など、決定に至る過程の透明性を確保することが必要であります。
 最初に、本法律案に関係する原子力政策にかかわる課題についてお伺いいたします。
 現在、我が国の電力のおよそ四割弱は原子力発電によって賄われております。原子力発電は、COP3京都会議において日本が約束した温室効果ガス排出抑制の目標達成のためにも重要なエネルギー源でありますが、その利用については、あくまで平和利用が原則であり、かつ開発利用に当たっては、安全性の確保と国民の信頼と安心が最優先されなければなりません。
 世界ではスリーマイルアイランド事故、チェルノブイリ事故、そして国内では旧動燃の一連の事故等により安全性に対する国民の信頼が大きく揺らぎました。
 さらに、昨年九月三十日に起こった東海村の臨界事故は、まことに残念ながら、被曝によりとうとい人命を失うこととなり、さらに、多くの住民に重大な影響を与えました。また、行政の安全規制と防災体制に欠陥があったことが露呈し、国内外に衝撃をもたらしました。だからこそ、今、原子力開発については、安全性を最優先させ、万一に備えた防災体制を確立し、国民の理解と信頼を得ながら慎重に推進すべきものであることを改めて心に深く刻まなければなりません。
 そこで、科学技術庁長官に質問いたします。
 今回の事故により、農林水産業の方々が大打撃を受けました。また、ジェー・シー・オー付近、特に三百五十メーター以内の地域にお住まいの方々の要望のうち、一般家庭の菜園土壌の健全性についても、農家の畑と同様にその健全性について検査し報告してほしいとの強い要望があります。さらに、健康に関しては、継続的な健康診断など、国の責任で生涯にわたる対応をしてほしいとの強い要望が寄せられておりますが、この件に対する国の責任ある方針と具体的対応について、科学技術庁長官にお伺いいたします。
 次に、風評被害対策の現状について質問いたします。
 昨年末の臨時国会において、与野党の衆議院議員の皆さんの御協力により、茨城県東海村核燃料施設事故による被害者救済に関する国会決議を満場一致で可決していただきました。この国会決議に対して政府はどのように対処したのですか。現状について、農林水産大臣、科学技術庁長官、通産大臣に御質問いたします。
 次に、臨界事故を起こした原因のウラン溶液を回収し、サイクル機構に輸送したとの報告を受けていますが、このウラン溶液の今後の処分計画について、政府の方針を伺います。
 さて、ここまではジェー・シー・オー事故のその後の状況について伺いましたが、要は、二度とこのような事故を起こしては困るというのが、東海村はもとより周辺市町村の住民の率直な思いです。
 今回の事故後、政府は、千三百億円の補正予算を組み、再び起きた場合の対策を強化いたしました。しかし、全体を見ると、各関係省庁とも、住民の安全を考えた対策としておりますけれども、各省庁の予算の分捕り合戦的様相を呈したようにも見えました。
 私たちも含めて常に忘れてならないことは、国民の生命財産を守ることが目的であって、各省庁の縄張りとか、住民救済に名をかりた省益の拡大であってはならないということです。このことは、各関係省庁の方々に強く申し上げておきたいと思います。
 さらに、ジェー・シー・オー事故により、結果として日本国内の原子力発電所の燃料の三分の二をアメリカに依存することになってしまったと聞いております。これでは、これまでの原子力政策の基本の一つである、自前のエネルギー源を確保するという原則が崩れてしまいます。今後、政府はこの原子力発電所の燃料政策をどのように考えているのか、通産大臣にお伺いいたします。
 次に、原子力安全規制に関して伺います。
 政府は、二〇〇〇年四月、今月から、総理府に原子力安全委員会の事務局を移設し、さらに人員を増強するなど事務局を強化いたしましたが、国民から信頼される存在になるかどうかが今問われています。私は、単に原子力安全委員会機能を科学技術庁から実質的に総理府に移設し、増強するだけで国民の信頼を回復できるとは思えません。ジェー・シー・オー事故で大変な恐怖と被害を受けた東海村民、特に、ジェー・シー・オーから三百五十メーター以内に住む住民の方々の信頼をどう回復するかに日本の原子力政策はかかっているとも言えます。
 私は、民主党が提出いたしました原子力安全規制委員会の設置法案、すなわち八条委員会から三条委員会とし、強制立入調査権を付与した強力な査察機関に改革することこそ、被害に遭われました住民の方々に対する責任ある対応と考えますが、政府の基本的考え方をお伺いいたします。
 さらに、現在、東海村の旧動燃、現サイクル機構の構内にある四百八十立米の高レベル液体廃棄物を早急にガラス固化し、安定化してほしいとの強い要望がありますが、政府はどのように考えておられますか。また、固体化推進計画について、政府としての責任ある対応計画についてお伺いいたします。
 さて、そのような状況を踏まえて、今回提出されました法律案についてお伺いいたします。
 今回の法律案は、欧米に比較して二、三十年おくれでありますが、長年トイレなきマンションと比喩されてきた原子力政策にやっと全体的な計画が提示されましたことは、率直に評価したいと思います。しかしながら、同時に、高レベル廃棄物処分についての法制化を今日まで放置してきた政府の責任は、極めて重いものと指摘せざるを得ません。
 また、現実の話としてなかなか引き受け手を探すのは難しい最終処分場を建設するための法律案であり、何分にも、数百年から数千年にわたって安定して安全に管理する施設を建設しなければなりません。これは、文明の発達した人類の近代史上初めての試みであり、欧米におきましても、さまざまな慎重な検討が重ねられ、実施計画を検討していると伺っております。
 その点、欧米に比較して本法律案はまだまだ検討が不十分であり、不明な点も多いと指摘されております。このような視点から質問いたします。
 政府案は、地下深くにつくる最終処分施設の運営主体として、電力会社など民間出資による原子力発電環境整備機構を設け、最終処分費用を電力会社が負担する原則を明記しております。建設地選定は、ボーリングで地層を見る概要調査地区、地下施設を設けてより詳しく調べる精密調査地区、最終処分施設建設地の三段階で絞り込むとし、各段階に進む際、地元自治体の同意を前提とすることも明示されておりますが、この地層処分が前提となっていることについて質問いたします。
 理論的には、宇宙処分、海洋底下処分、氷床処分、地層処分の四つが可能だと言われておりますが、なぜ地層処分を選定したのか、通産大臣に質問いたします。
 また、国際的には、地層処分方式の見直しの動きも一部にあると伺っておりますが、地層処分をするとしても、回収可能性の確保が必要ではないかとの指摘もございます。この点について、あわせて通産大臣に質問いたします。
 次に、長期管理の安全性と信頼性について伺います。
 高レベル放射性廃棄物は、まずタンクに貯蔵した後、ガラス素材と合わせて固化し、ステンレス製の特別容器に封入し、冷却のために三十年から五十年間一時貯蔵し、その後、最終的に地下に処分することになっていると伺っております。
 そこで伺いますが、ガラス固化体処分の長期的安全性は技術的に確保できるのか、さらに、搬入、埋設等に関する安全技術の確立や、二キロ四方の処分場をつくり、総延長二百キロにもなるという処分坑道をつくることが技術的に可能なのか、そして、地下三百メートル以上の深さと聞いておりますけれども、浅過ぎるのではないかなど、基本的計画の安全性に疑問ありとの指摘も受けております。これらの指摘に対して、通産大臣の基本的考えをお伺いいたします。
 最後に、最終処分地の選定手順について伺います。
 本法律案では、概要調査地区などの選定条件があいまいであるとの指摘があります。アメリカでは、ガイドラインを設け、除外条件、好ましくないものとなり得る条件、適正条件を明らかにしています。このように選定要件を明確にすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、最終処分場などの決定時における地元自治体や住民の理解を得るための手続上の明確化を求める声や、最終処分施設の閉鎖以降の数百年、または数千年にわたる長期的管理責任の所在が不明確ではないかとの指摘も受けております。
 以上、関係大臣の答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔国務大臣深谷隆司君登壇〕
#25
○国務大臣(深谷隆司君) 大畠委員の私に対する質問は八問ございます。
 まず第一は、ジェー・シー・オー対策に関する国会決議への政府の対応についてのお尋ねでございますが、当省といたしましては、昨年十月一日付で、茨城県内の被災中小企業者を対象に、政府系中小企業金融機関を通じて災害復旧貸し付けを行っているところでございます。また、同金融機関及び茨城県信用保証協会に特別相談窓口を設けまして、対応いたしてまいっております。
 第二の質問は、原子力発電所の燃料政策についてのお尋ねでございます。
 ジェー・シー・オーが行っていた核燃料の再転換につきまして、他の国内企業においても行うことは可能でございます。ジェー・シー・オー事故に伴い、核燃料の再転換について、海外への依存度が高まっていくことは避けがたいものでありますが、国内におきましても当該再転換を代替して行う動きもあり、原子力政策に変更があるというものではないと存じます。
 第三は、地層処分を選択した理由についてのお尋ねでございますが、平成九年には、原子力委員会から、深部の地層環境は極めて長期にわたり安全である、あるいは安定である、第二に、適切な地点を選べば、廃棄物が人間環境に有意な悪影響を及ぼさないようにすることができるとの考え方が示されました。
 また、長年、各国及び国際機関においてさまざまな検討がなされた結果、現在では地層処分が共通の考え方となっております。
 第四の質問でありますが、回収可能性の確保についてのお尋ねでございます。
 アメリカのように一定期間の回収可能性を確保している国や、逆に、ドイツのようにそれを不要としている国がございます。いずれにいたしましても、各国とも一定期間の後には、処分施設を閉鎖し、高レベル放射性廃棄物の回収可能性を要さないとの考え方になっております。
 具体的に、回収可能性を確保するべき期間につきましては、現在行われている安全規制体系の検討の中において議論されるべきものと考えております。
 第五、高レベル放射性廃棄物処分の安全性に関してのお尋ねでありますが、原子力委員会は、平成五年に、我が国における地層処分の安全確保を図っていく上での技術的可能性が明らかになったと発表いたしております。一方、安全確保の詳細については、現在原子力安全委員会において鋭意検討が進められているものと承知しております。
 当省といたしましても、安全確保が大前提でございまして、今後とも一層の検討を進めてまいる所存です。
 六番目の問いかけは、概要調査地区などの選定要件に関してのお尋ねであります。
 本法案は、概要調査地区、精密調査地区、最終処分建設地を選定するときに適用すべき立地選定基準の基本的要件を法律上具体的に明記しております。さらに、必要に応じて、その他の要件につきましても省令でこれを定めることにいたしております。
 第七の御質問は、地元自治体や住民の理解を得るための手続の明確化についてのお尋ねでございますが、立地選定の各段階におきまして、通商産業大臣が最終処分計画の改定を行い、その際に、当該地点を所管する都道府県知事及び市町村長の意見を聞くということを義務づけているのでございます。したがいまして、地元の意思を十分に反映する制度としております。
 最後の御質問は、最終処分施設の閉鎖以降の責任の所在に関するお尋ねでございますが、まずは、最終処分施設の閉鎖時期及び閉鎖以降の措置について、安全規制体系の一環として検討を行っていくことを必要といたします。安全規制体系により必要とされた措置につきましては、一義的には処分実施主体が責任を持って行うこととなります。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣中曽根弘文君登壇〕
#26
○国務大臣(中曽根弘文君) 大畠議員にお答えをいたします。
 最初に、菜園土壌の健全性についてのお尋ねでございますけれども、今回の事故に起因する環境試料中の放射性物質のレベルは十分に低く、住民の健康や環境に影響を及ぼすものではないと判断されています。土壌などの採取、分析のデータを管理している茨城県が、周辺住民の方からの調査の御要望に対応することとなっていますが、当庁も、住民の方の不安解消にこたえるべく、茨城県による菜園土壌の調査に同行することといたしております。
 また、住民の健康管理についてのお尋ねでございますが、従来より、原子力安全委員会の健康管理検討委員会の基本方針を踏まえつつ、国と地元自治体が連携して取り組んでまいりました。本日、四月二十一日、科学技術庁、茨城県、東海村及び那珂町の四者が、平成十二年度からの健康管理の具体的な実施のあり方を決定する運びとなっておりまして、引き続き、今後はこの決定に基づき、健康診断や健康相談等に取り組んでまいります。
 次に、ジェー・シー・オー事故による被害者救済に関するお尋ねでございますが、国会決議の趣旨を体し、迅速かつ適切な補償が行われるようジェー・シー・オーを指導するとともに、親会社である住友金属鉱山株式会社にも全面的な支援を要請いたしました。
 地元の県、市町村の御協力もいただいて、昨年末には仮払いが行われ、その後、補償の合意に向けた交渉が進められてまいりました。本年三月末現在、総請求件数の九割を超える約六千件について合意されております。残りの請求につきましても、早期決着に向け努力をしてまいります。
 臨界事故の原因となりましたウラン溶液の処理についてのお尋ねでございますけれども、株式会社ジェー・シー・オー東海事業所から核燃料サイクル開発機構の東海再処理施設への移送を既に完了しております。
 今後は、原子炉等規制法に基づく所要の手続を経て、東海再処理施設において安全に処理を行うことといたしております。
 最後は、サイクル機構の東海再処理施設内にある高レベル放射性廃液についてのお尋ねでございますが、この放射性廃液は、東海再処理施設の一部であるガラス固化技術開発施設においてガラス固化することとしております。
 東海再処理施設は、平成九年三月の火災爆発事故以来、運転を停止しておりますけれども、地元の御理解が得られ、施設の運転が再開されれば、ガラス固化技術開発施設において、当面は年間約四十体のガラス固化を行う計画であります。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣玉沢徳一郎君登壇〕
#27
○国務大臣(玉沢徳一郎君) 大畠議員にお答えいたします。
 ジェー・シー・オー対策国会決議に対しましての農林水産省の対処についてのお尋ねがありました。
 農林水産省といたしましては、事故直後から、風評被害を含め、農林漁業者等への影響に関する情報提供を行うなど、科学技術庁と連携を図りつつ、農林漁業者等の被害の救済が適切に図られるよう対応してきたところであります。
 また、昨年十月二日に政府から安全宣言が発表されたことを受け、直ちに、食品関係団体、消費者団体、関係行政機関を含め、広く国民に適切な情報提供を行い、風評被害の防止に努めてきたところであります。
 なお、被害の賠償につきましては、現在、最終的な賠償額の確定に向けまして、請求者とジェー・シー・オーの間で話し合いが進められているところと承知しております。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣青木幹雄君登壇〕
#28
○国務大臣(青木幹雄君) 大畠議員にお答えをいたします。
 原子力安全委員会についてのお尋ねでありました。
 我が国においては、原子力安全委員会を三条委員会化するよりも、行政庁が法律に基づく安全審査を行い、さらに原子力安全委員会が独自の立場からダブルチェックするという現行の体制が有効なものと考えております。
 昨年の臨界事故を契機として、行政庁では、原子炉等規制法の改正により、保安検査の導入等体制の強化を図るとともに、原子力安全委員会は、平成十三年一月の省庁再編後の内閣府移行に先立って、本年四月に事務局機能を総理府に移管するとともに、その人員も大幅に拡充し、独立性と機能の強化を図ったところであり、このような体制強化によって原子力の安全確保が図られるものと考えております。(拍手)
#29
○議長(伊藤宗一郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#30
○議長(伊藤宗一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十四分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        法務大臣    臼井日出男君
        農林水産大臣  玉沢徳一郎君
        通商産業大臣  深谷 隆司君
        国務大臣    青木 幹雄君
        国務大臣    中曽根弘文君
 出席政務次官
        通商産業政務次官  細田 博之君
ソース: 国立国会図書館
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