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1999/12/03 第146回国会 参議院 参議院会議録情報 第146回国会 共生社会に関する調査会 第3号
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1999/12/03 第146回国会 参議院

参議院会議録情報 第146回国会 共生社会に関する調査会 第3号

#1
第146回国会 共生社会に関する調査会 第3号
平成十一年十二月三日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     福山 哲郎君     羽田雄一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         石井 道子君
    理 事
                有馬 朗人君
                南野知惠子君
                大森 礼子君
                林  紀子君
                福島 瑞穂君
                入澤  肇君
                堂本 暁子君
    委 員
                岩永 浩美君
                釜本 邦茂君
                末広まきこ君
                仲道 俊哉君
                橋本 聖子君
                森下 博之君
                小川 敏夫君
                小宮山洋子君
                千葉 景子君
                羽田雄一郎君
                松崎 俊久君
                渡辺 孝男君
                小池  晃君
                八田ひろ子君
   政務次官
       文部政務次官   小此木八郎君
       農林水産政務次
       官        金田 勝年君
       総理府政務次官  長峯  基君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        大場 敏彦君
   政府参考人
       内閣総理大臣官
       房審議官     佐藤 正紀君
       内閣総理大臣官
       房男女共同参画
       室長       大西 珠枝君
       法務大臣官房審
       議官       小池 信行君
       文部省初等中等
       教育局長     御手洗 康君
       農林水産省経済
       局長       石原  葵君
       農林水産省農産
       園芸局長     樋口 久俊君
       労働省女性局長  藤井 龍子君
       建設省建設経済
       局長       風岡 典之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○共生社会に関する調査
 (男女等共生社会の構築に向けてのうち女性の
 政策決定過程への参画についての現状と課題に
 関する件)

    ─────────────
#2
○会長(石井道子君) ただいまから共生社会に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、福山哲郎君が委員を辞任され、その補欠として羽田雄一郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(石井道子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 共生社会に関する調査のため、本日の調査会に内閣総理大臣官房審議官佐藤正紀君、内閣総理大臣官房男女共同参画室長大西珠枝君、法務大臣官房審議官小池信行君、文部省初等中等教育局長御手洗康君、農林水産省経済局長石原葵君、農林水産省農産園芸局長樋口久俊君、労働省女性局長藤井龍子君及び建設省建設経済局長風岡典之君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(石井道子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○会長(石井道子君) 共生社会に関する調査のうち、「男女等共生社会の構築に向けて」を議題といたします。
 本日は、女性の政策決定過程への参画についての現状と課題に関する件に関し、まず政府から第四回世界女性会議行動綱領に対する取り組みについて説明を聴取いたします。長峯総理府政務次官。
#6
○政務次官(長峯基君) 総理府総括政務次官の長峯でございます。よろしくお願い申し上げます。
 本日は、北京行動綱領に対する日本政府の取り組みについて御説明させていただきます。
 平成七年九月、国連の主催により北京市で第四回世界女性会議、いわゆる北京会議が開催されました。会議には、我が国からも内閣官房長官・女性問題担当大臣を首席代表とする総計八十名から成る代表団を派遣いたしました。
 この会議で採択された国際文書が北京行動綱領ですが、行動綱領では女性の地位向上の視点から緊急に取り組むべき問題として十二の重大問題領域を挙げております。我が国においても、この行動綱領の趣旨を踏まえて政府全体として多くの取り組みを行ってまいりました。
 もとより、男女共同参画は国民生活のあらゆる分野に及ぶものであることから、政府全体でそれぞれの分野における取り組みがなされているところでありますが、本日は総理府からの説明ということですので、全般にわたるものについて御説明させていただきたいと思います。
 北京行動綱領では、一九九六年末までに行動綱領を取り入れた国内行動計画の策定を要請しており、これを受けて男女共同参画審議会は行動綱領の整合性にも配慮しながら男女共同参画ビジョンを平成八年六月に内閣総理大臣に答申いたしました。さらに、平成八年十二月にはビジョン及び行動綱領の趣旨を踏まえた男女共同参画二〇〇〇年プランを内閣総理大臣を本部長とする男女共同参画推進本部で決定いたしました。現在、このプランに沿い、男女共同参画社会づくりのための諸施策の推進に努めているところでございます。
 また、男女共同参画社会の実現を促進するための枠組みである基本的な法律については、男女共同参画審議会から昨年十一月、内閣総理大臣に出されました答申を受けて、政府においてはさきの国会に男女共同参画社会基本法案を提出いたしましたが、委員の皆様方の多大なる御尽力により本年六月十五日に成立し、二十三日に公布、施行されました。
 この法律の五つの基本理念、すなわち、一つ、男女の人権の尊重、二つ、社会における制度等についての配慮、三つ、政策等の立案及び決定への共同参画、四つ、家庭生活における活動と他の活動の両立、五つ、国際的協調という理念には北京行動綱領の趣旨が込められております。
 基本法の制定を受けて、政府は新たに男女共同参画基本計画の策定を行うため、現在男女共同参画審議会において基本計画を策定していく際の基本的な考え方について調査審議をお願いしているところでありますが、その審議結果を踏まえ、また国際的協調の観点から来年六月の国連特別総会女性二〇〇〇年会議の成果を盛り込む形で基本計画の策定を行いたいと考えております。
 さらに、北京行動綱領では推進体制の強化について提唱されていますが、現在進められている中央省庁等改革においては、新たに設置される内閣府に男女共同参画会議が置かれ、現在の審議会の機能を発展的に継承するとともに、内部部局として男女共同参画を担当する局が置かれることとなっており、男女共同参画社会の実現のための推進体制は格段に強化されることとなっています。
 また、女性に対する暴力は女性の人権を侵害するものであることから、北京行動綱領では重大問題領域のうちの一つに挙げられております。男女共同参画審議会においては、本年五月に、この問題に関する我が国として初めての答申を出しましたが、現在も引き続き審議を行っているところであります。
 次に、政策・方針決定過程への女性の参画の拡大についてでありますが、女性の地位向上のためのこの分野への女性の参画の重要性は北京行動綱領でも強調された点です。我が国は、これを受けて平成八年五月に男女共同参画推進本部決定で、国の審議会等における女性委員の割合について、平成十二年度末までのできるだけ早い時期に二〇%を達成するとの目標を掲げ、その達成に向けて着実に取り組んでおります。本日公表された平成十一年九月末現在の女性委員の割合は一九・八%となっております。
 さらに、北京行動綱領では民間団体との連携や国際協調の考え方が重視されております。
 民間団体との連携については、広く情報や意見の交換を行い、連携を図るため、内閣官房長官が依頼する有識者をもって構成する男女共同参画推進連携会議を平成八年に発足させました。また、女性二〇〇〇年会議に向けて広く民間団体等との情報交換を初め、連携を図るため、女性二〇〇〇年会議日本国内委員会を開催するほか、国際的会議の報告会やニュースレターの発行を通じて民間団体等への関連情報の提供を行っております。
 また、国際協調の精神にのっとり、総理府においては、我が国と地理的に関係の深い東アジア・東南アジア諸国との男女をめぐる状況の改善について意見交換を行い、相互の連携協力関係を深めるため、東アジア女性問題国内本部機構上級担当官会議を平成八年から開催いたしております。
 次に、女性二〇〇〇年会議に向けた最近の国連の取り組みと、それに向けた我が国の対応について御紹介いたします。
 北京会議から五年後の来年六月に、女性二〇〇〇年会議が国連の特別総会としてニューヨークの国連本部で開催されます。会議では、北京行動綱領の実施状況の評価と男女平等に向けてのさらなる行動を中心に議論されます。
 その準備の一環として、国連は、各国における取り組み状況を把握するため、昨年秋、各国政府に対し質問状により情報提供を求めてまいりました。質問状では、北京行動綱領の実施状況の概観及び十二の重大問題領域それぞれについて国内における成果、直面した障害とその原因分析を行うことが求められております。これに対する回答を作成するに当たり、民間団体等から意見を聞く会を開催するとともに、個人、民間団体等から文書により意見をいただきました。これらを踏まえて政府としての回答を作成し、本年四月二十八日に国連に提出いたしました。
 また、本年十月、ESCAPハイレベル政府間会議がバンコクで開催され、北京行動綱領実施状況のアジア太平洋地域における問題や課題について討議が行われました。
 我が国は、このような国連からの質問状への回答及びこれらの会議の場において、ただいま御説明しましたような二〇〇〇年プランの策定とその推進、基本法の制定、推進体制の強化等の取り組みを報告いたしたところでございます。
 以上、北京行動綱領に対する日本政府の取り組みのうち、全般にわたることについて総理府として説明させていただきました。
 これまで我が国の男女共同参画社会の形成の促進は、国連を中心とする国際社会の動きと密接に関連しながら進められてきたところであり、今後も国際的動向に的確に対応しながら男女共同参画社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#7
○会長(石井道子君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○仲道俊哉君 自由民主党の仲道でございます。
 私は昨年の七月から当調査会に入らせていただきました。入った動機は、当初は、二十一世紀は共生社会だろうということで共生社会での内容はわからないで入ったんですが、入りましたら、女性の暴力に対する問題等すべて男性が肩身の狭い思いをしながら昨年一年間この席におりました。私たち昭和初期に生まれた者としては、もう七歳にして男女席を同じゅうせずという、そういう教育を受けまた学校教育を受けてきた者といたしまして、聞くことがすべて新しく、そして驚くことばかりでございました。
 昨年、私が一度質問したときに、我々の年齢で女性や子供たち、そういう者に対して暴力を男性が振るうなんていうことは到底考えられない、そんなのは男の風上にも置けないんだというような発言をしましたら、かなりお向かいの方から鋭い反撃や質問をいただきました。しかし、実際私なんかの年齢の者にとりましては、本当に素直な気持ちで私は言ったわけでございますが、それから昨年一年間、ずっとこの調査会に籍を置かせていただきまして、当初は逃げたいような気持ちでございましたけれども、最近はこの調査会に入って本当によかったとつくづく思っております。
 実際に発言された今までの方は、検事さん上がりや弁護士さんや女性の解放に働いた方ばかりでございまして、そういう人たちの意見を聞きながら、なるほどな、今の世の中はそういうふうに動いておるのかと。そして、自分自身の行動とまた生活を反省しながら、自分自身はどうだったかなと思いまして、私自身は自分で採点して九十点の点は上げられるんじゃないかというふうには思っておりますけれども、私の考え方なりまたそういういろいろなお話をする中で御批判をいただいて、自分自身がこの調査会に入った以上、男女共生社会の女性に対するいろいろな暴力やそういうものについてまず理解をしなきゃいけないなということに考えが達したことは、私自身はこの調査会に入ってよかったというふうに思っておるところでございます。
 そこで、今、政務次官から北京会議での報告等がございましたが、まず最初に基本的な一つの認識というものをお聞きいたしたいんです。
 男女共生社会の実現というのは、今私が申しましたように時の流れでもありますし、私自身も二十一世紀に向けて社会がより成熟していくためにはやはり男女の多様な社会参画が必要であるというふうに考えております。
 先日も、当調査会に樋口参考人をお呼びしましていろいろな意見また考え方をお聞きしたんですが、その中でこういうことを言われました。今の状況の中で男女共同参画社会基本法成立も御時世じゃなと、ざっくばらんな言葉でそういう意見を発表されました。
 そこで質問ですが、政府は、基本法の成立、今言いました六月二十三日、公布、施行されましたが、これをどのようにまず受けとめ、ここで述べられておる理念をどう具体的に実現をしていくつもりなのか。もう施行後六カ月を経過しておるわけでございますので、今日時点における政府の基本的な認識をまずお伺いいたしたいというふうに思います。
#9
○政務次官(長峯基君) 男女共同参画社会基本法は、御案内のとおり、少子高齢化など社会経済情勢が急速に変化する中にあって、男女の人権が尊重され、豊かで活力ある社会を実現する上で大きなかぎとなる意義を有するものと考えております。
 政府といたしましては、この法律の趣旨及び審議の過程でいただいた御意見を踏まえ、今後一層男女共同参画社会の形成のための施策を進めてまいる所存でございます。
 このため、現在、広報啓発に努めるとともに、基本法に基づく基本計画を策定していく際の基本的な考え方について、本年八月に総理から男女共同参画審議会に諮問を行い、調査審議していただいておるところでございます。
 先ほど御報告申し上げましたように、施策を総合的に推進していくための体制については、ことし七月に成立した中央省庁等改革関連法案において、二〇〇一年一月をめどに重要政策に関する合議制の機関として内閣府に男女共同参画会議を置くこととされております。
 さらに、ことし一月に決定されました中央省庁等改革に係る大綱においては、男女共同参画に関する企画立案及び総合調整を行う主な所掌事務として局を新たに設置するということになっております。
 以上でございます。
#10
○仲道俊哉君 一応二〇〇一年に向けての具体的な今お話をお聞きしたわけですが、要はこの趣旨が生かされるように、今の説明のように二〇〇一年に向けて前向きに、そして積極的にぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それから、先ほどの発表の中に北京行動綱領に対する政府の説明があったわけですが、北京行動綱領につきましては、一九七五年の第一回のメキシコの世界行動計画、国際婦人年、国連婦人の十年ということで、一九七九年に国連で女子差別撤廃条約が採択をされました。
 この第一回から第二回、第三回とそれぞれ行われているわけですが、第四回の北京での一九九五年の女性会議が非常に大きいものであり、意味があり、特にこれから取り組むべき指針、基本的な考え方または国連の全世界における考え方等に対する問題提起が各国にされて私は非常に大事な会議であったというふうに思うわけです。記録を見ますと、NGOフォーラムの参加者は三万人を超えて、史上最大規模の国際会議となったというようにも記録をされております。
 そこで、北京会議の今の報告を受けまして、二〇〇〇年に向けての行動綱領が採択されたわけですが、政府はこれに対するための国内行動計画である、今発表されました男女共同参画二〇〇〇年プランを策定して、綱領で指摘された問題領域を解決するために我が国においても今発表のありました全省庁的な取り組みがなされたということでございます。そして、ことしの四月には、国連の求めに応じて、北京行動綱領の実施状況に関する各国政府への質問状に対する回答を行ったということでございます。
 政府は、北京会議の行動綱領で指摘された事項が、我が国においてはその後どの程度進展したと考えているか、多少今発表がございましたけれども、また我が国の現状に対する認識を深めて、政府の総括的な御意見を再度お伺いいたしたいというふうに思います。
#11
○政務次官(長峯基君) 先生今御指摘のとおり、この北京行動綱領というのは非常に重要な意味を持っていると思いますけれども、その趣旨を踏まえまして男女共同参画二〇〇〇年プランを平成八年十二月に決定し、それに沿って政府といたしまして各種の政策に取り組んでいるところでございます。また、本年六月に男女共同参画社会基本法が制定されたことは、男女共同参画社会の形成に向けての新しい一歩と言えると思います。さらに、二〇〇一年からの新たな内閣府のもとでは推進体制が格段に強化されることとなるなど、男女共同参画社会の実現に向けての取り組みは一定の成果を上げていると考えております。
 しかしながら、現状においては男女間の不平等を感じる人も多く、男女格差が見られる場面もあるなど解決すべき課題もたくさん残されておりますので、今度とも真の男女共同参画社会の形成のために一層の取り組みをしてまいりたい、そのように考えております。
#12
○仲道俊哉君 問題は、この北京会議での十二の重大問題領域が示されておりますね。「女性と貧困」からずっと「女性と環境」、「女児」というところまで十二の項目の問題領域がありますが、この十二の問題領域が私は非常に大事であると。この重大な問題領域に対して各国がどのように考えどのように取り組んでいくかということが今後の各国の一つの方向を示すわけです。
 そういう意味で、今言われました質問状に対するところの日本の回答が私の手元にあるわけです。詳しくはまだ一々分析をしてはいないんですが、ちょっと先ほどありましたけれども、民間や各省庁ということでしたが、この回答は具体的にどこでどのように、そして最終決定はどこでしたのか。
 これは日本国のその後の考え方をあらわして、英文か何かで回答したんでしょう。そうすると、ここに出ておる回答というのは我々国会議員としても責任を持たなけりゃならない。特に、この調査会においては、この回答というものを十分にやはり理解し認識をしておらなければならない。それが私は、回答を向こうにした後で今ここに示されておるということは、今さら我々がここで述べてもそれを変更することができるのか、いや、これはもう日本国の回答であるからということであるのか、そこのところ。
 私、これを見ながら多少不満なところもあるわけです。内容的にこういうところにやはりこの考え方を入れてもらいたいとか、そういうことがあるんですが、これが政府の方で出されておる。しかし、せっかく参議院でこの調査会があるわけですから、そこのところに対してどのように考えておるか、ちょっとそこのところの考えをお聞きいたしたいと思います。
#13
○政府参考人(大西珠枝君) 先ほど政務次官からの御説明にもございましたように、国連におきましては、来年の女性二〇〇〇年会議の準備の一環といたしまして、各国における北京行動綱領の実施状況についての情報提供を事務局として求めてまいりました。
 質問では、それぞれの国における北京行動綱領の実施状況の概観及び十二の重大問題領域それぞれについて国内における成果、あるいは直面した障害とその原因分析を簡潔に行うことが求められております。その……
#14
○仲道俊哉君 ちょっと、もう少しゆっくり言ってください。
#15
○政府参考人(大西珠枝君) はい。
 それで、質問状への我が国からの回答を作成するに当たりましては、男女共同参画室におきまして、まず民間団体等から意見をお聞きする会を開催しますとともに、また個人や民間団体等から文書により意見をいただきました。これらを踏まえまして政府各省庁と連絡をとり、また外務省と協力して文書を作成しまして、本年四月二十八日に国連に提出したところでございます。
#16
○仲道俊哉君 今、一応経過の発表があったわけですが、私の質問は、この回答が日本国を代表する回答であるので、そうすると、最終的な決定はどこでされたのか、そしてこの日本国の回答はこの調査会との整合性をどのように考えられておるのか、その基本的な考え方をお尋ねしたいわけです。
#17
○政府参考人(大西珠枝君) これは事務的に国連の方からの実施状況についての準備作業ということでございましたので、私ども男女共同参画室が日本におきます男女共同参画の推進機構としての事務局を担当しておりますので、私どもの方で中心に、政府各省庁すべての分野に関係しておりますので、関係省庁と連絡しながら作成させていただいたところでございます。
#18
○仲道俊哉君 そうしますと、手続としては、総理府で決められて、それが内閣の中でどのように最終的に、役所でいいますと、判を押しますね、それで最終的な判を押した責任者というのはどこになるのか、そこのところを。
#19
○政務次官(長峯基君) これは事務局の方で出した問題でございまして、もしこの調査会等で変更とか希望とかがあれば御遠慮なく出していただければ、それは柔軟に対応できるという問題でございます。
#20
○仲道俊哉君 少しわかったわけですが、そうしますと、これは最終的な日本国の回答ではない、一応ここで、こういう調査会で問題があって、今からこれを研究することによってこれは変更するなりある程度修正をしながら回答することができるということであるのか、ちょっとそこのところ、会長、大事なところですから、ひとつ念を押していただきたいと思います。
#21
○政務次官(長峯基君) 四月末までに回答しろということでございましたので、事務局の方でこれは回答したということでございますが、今後いろいろな問題、御不満の点、御指導があれば謙虚に承りまして、そのような方向に持っていきたいと思いますので、どうぞ御意見をいただきたいと思います。
#22
○仲道俊哉君 それでは、会長に提案をしたいんですが、この回答につきましてこの調査会で十分、一項目から十二項目まで、すべて我々のこの調査会で研究し調査し、そしてこの回答につけ加えるものまた修正するようなことがあれば、この回答に対してまたその意見を政府の方に申し述べるというようなことについてちょっと確認をいたしたいんですが、いかがでしょう。
#23
○会長(石井道子君) 後ほどまた理事会に諮りたいと思います。
#24
○仲道俊哉君 それでは理事会に期待をいたしたいというふうに思います。
 次に、女性の能力活用の国際比較ということについてちょっとお尋ねいたしたいと思いますが、我々のこの調査会の二年目のテーマが女性の政策決定過程への参画ということになっているわけですが、このことに関連してよく指摘されますのが、我が国では政策決定、意思決定の場への女性の進出度が低い、女性の能力が十分に活用されていないということが言われております。人間開発指数HDI、それからジェンダー開発指数GDI、ジェンダー・エンパワーメント測定、すなわちGEMの国際比較をしてみても、我が国の女性は、能力は非常に高い、しかし政治や経済の場で能力にふさわしい参加をしていない。一口で言いますと、HDI、GDIとGEMとの間には著しい乖離があるということが言われておるわけです。
 ちょっと調査をしてみますと、前二者がそれぞれ世界では、この世界比較で見ますと日本は八位ですね。それから、GEMでは三十八位というように非常に離れておるわけです。そういう意味では、政府はこうした現状をどう認識しておるのか。女性の政策決定参加に対して、それだけ能力はあるけれども、実際に参加をしている、その差が数字的にも能力的な指数でも随分開いておるわけです。ですから、それに対する政府の認識と、今後どのように解決をしていこうと考えておるのか、その解決策についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
#25
○政府参考人(大西珠枝君) 今、先生御指摘のとおり、国連開発計画、UNDPの人間開発に関する指標の一九九九年のデータでございますと、HDI、GDI、GEMがそれぞれ世界で四位、八位、三十八位ということになっておりまして、HDI、GDIの順位と、またさらにジェンダー・エンパワーメント測定のGEMの順位とに本当に著しい乖離があるということは大変顕著でございます。日本の場合、特にそのGEMの構成要素のうち、政策・方針決定過程への女性の参画に関するものが国際的に見ておくれているということは言えるかと思います。
 現行の政府の国内行動計画でございます男女共同参画二〇〇〇年プランにおきましては、「政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」というものを重点目標の冒頭に掲げて、国の審議会等委員への女性の参画の拡大、女性国家公務員の採用、登用等の促進などに取り組んでいるところでございます。また、このたび成立、施行されました男女共同参画社会基本法の基本理念の一つにも、「政策等の立案及び決定への共同参画」が掲げられておりまして、これは大変重要なことだと思っております。
 現在、国の審議会等の委員への女性の参画につきましては、実は本日、先ほども政務次官の方から報告がありましたけれども、十一年九月末現在の数値は公表したところでございますけれども、女性委員の割合は一九・八%となっております。平成八年五月の男女共同参画推進本部において決定されました女性委員の登用目標であります二〇%の到達期限というのは平成十三年の三月でございますが、これを待たずできるだけ早い時期に目標が達成できるよう、総理府としても各省庁と協力して努力してまいる所存でございます。
#26
○仲道俊哉君 私、先般、当調査会の一員として実は海外視察に行かせていただいたんですが、大変自分自身でも参考になりましたが、特にノルウェーでの取り組みが非常にすぐれておりました。
 ノルウェーでは、お話を聞く中で特に強調されていたのが、女性に高等教育を与える、そのことが女性の政策参画へのまず第一歩であるというような、後で調べてみましたら、仕組み等につきましては日本よりはるかにすぐれておるので、女性に高等教育を受けさせるということが第一だというようにあったようでございます。
 そうしますと、日本の女性の場合には、それだけ能力があり、そしてすぐれておるわけですが、ノルウェーのそういうのと比較いたしまして、今の日本の女性の高等教育の割合というのは実際どれだけいっておるのであるか、これは文部省の方だと思いますが、その比率なり割合をお聞かせいただきたいと思います。
#27
○政府参考人(御手洗康君) 文部省の学校基本調査の結果でお示しをしたいと思いますけれども、平成十一年度に短期大学と四年制の大学、両方含めまして大学へ進学をしている女性の同一年齢者に占める割合、いわゆる進学率でございますけれども、四九・六%、こうなってございます。男女全体を合わせた数字は四九・一%ということで、短期大学も含めますと女性の方が男性よりも進学率が高いということになっているわけでございますけれども、これを四年制の大学だけに限ってみますと、男性進学率が四六・五%に対しまして、女性の進学率が二九・四%ということで、なお格差があろうかと思っております。
#28
○仲道俊哉君 女性の高等教育は非常に今高いということでございますので、実際の社会の一つの仕組みとしてノルウェーのような仕組みができれば、随分女性の政策決定への参画ができるんじゃないかな、そういう明るい希望が持てるというふうに私は思うんです。
 そこで、ちょっと視点を変えまして、戦前の教育というのは、我々は旧制中学なんですが、男女別学で、中学校と女学校という別々の教育を受けてきた。その以前、明治時代を調べますと、ちょっと後で述べますけれども、すばらしい教育がなされておるんですが、ある一時期からそういう男子と女子の完全に分かれた教育がなされてきた。
 それが、昭和二十年の終戦になって民主主義になり、そして欧米のそういう教育が入れられてきて六三三制になり、そうしたときになぜ女子校ができたんだろうかと。これはやはり何かそのままの考え方が踏襲されて女子校ができたのか。
 今のような考え方でいくと、男女共学でしっかりした男女平等の教育がなされなければならないのが、わざわざ女子校だけをつくったということについては、どういう考え方でしたのか。随分先輩の話でございますので難しいかもわかりませんが、そのことの考え方と、現在まだ全国に女子高等学校という女子だけの高等学校が実際何校あるのだろうか、ちょっとそれをお知らせいただきたいと思います。
#29
○政府参考人(御手洗康君) 戦後の新制の高等学校の発足に際しまして、御案内のとおり、教育基本法第五条に「男女共学」という規定がございまして、「男女は、互に敬重し、協力し合わなければならないものであつて、教育上男女の共学は、認められなければならない。」、こういう規定があるわけでございますけれども、必ずしもこの男女共学、当時、同一学校で男子と女子を同じ教室で授業をする、それを全部やるんだという考え方ではございませんで、文部省の当時の新制度の発足の際の指導の考え方といたしまして漸進的な対応をとるということで、基本的に男子と女子が、本質的な機会が均等である、それから教育の内容、水準において同等である、こういう原則をもちまして、旧制の女学校あるいは中学校、実業学校等が新制の高等学校に転換していく際には、この男女共学の新しい原則と地方の意見などのさまざまな事情を考慮して地方で決定してよろしい、こういう考え方をとりましたので、それぞれの地方の実情によりまして、公立学校につきましてはほとんど全部と言ってよいほど同じ校舎で男女共学が推進される地域もあれば、かなりの学校が、旧制の高等女学校がそのまま女子校という形で残ってきたという経緯が公立学校についてはあるわけでございます。
 現在の学校基本調査で見ますと、公立学校につきましては、全国に四千百六十校ございますけれども、女子のみが百二十七校、男子のみが四十二校ということで、男女共学校は九六%でございます。これに対して私立学校につきましては、それぞれ私学の設置の自由あるいは建学の精神、こういう考え方がございまして、私立高等学校千三百十六校中、女子のみの学校が四百五十一校、男子のみの学校は百九十六校ということで、男女ともに共学だという学校はほぼ半分という状況でございます。
#30
○仲道俊哉君 そうしますと、これからのことですが、今、各県で生徒数の関係で学校数を減らそうというようなことで、こういう一つの風潮の中で女子校を減らしていこう、なくそうというような動きが県あたりであるんです。それに対して、もうここまで来ますと、卒業生の先輩はぜひ自分の学校をなくさないでくれ、本当に先駆的な考えを持っておるような女性の方でも、やはり我が母校となりますとぜひなくさないでくれというようなことの運動を起こしておるんですが、文部省としては今のこういう流れの中においての女子校の存在なり意義というものをどのように考えておるか、将来の計画がもしあれば、考え方があればお伺いしたいと思います。
#31
○政府参考人(御手洗康君) 公立の高等学校につきましては、基本的に都道府県あるいは市町村がこれを設置するということになってございまして、どのような学校を設置するかということは、学校基本法あるいは教育基本法の枠の中でそれぞれの自治体の決定、判断に任されているというのが地方自治の原則でございます。
 昭和四十年代以降の新設校等がふえた時期におきましては、ほとんど男女共学という形でふえてまいりましたが、現在、生徒数の減少に伴いまして、いずれの県でも再編計画等が実施されているわけでございますけれども、男子校、女子校と分かれている県におきましても、例えば福島県などでは、県の判断といたしまして、平成十五年度を目途に年次計画で、その地区にある男子校、女子校を統合しようというような計画を進めているところでございます。
 いずれにいたしましても、文部省の方でこれをこうしなさいというものではございません。それぞれ各県の中で、設置者の判断で、地域住民等の御意見等を十分聞きながら進めていただくことが適切だろうかと思っております。
#32
○仲道俊哉君 せっかく小此木政務次官おいでになっておりますので、これまでとられた日本における男尊女卑といいますか、そういうような考え方がありまして、また女性に対しては良妻賢母の教育をするというようなことがあったんですが、明治時代の一番最初のあれを調べてみますと、明治五年に学制が発布されたときには男女すべて平等の考え方で、そして男性も女性も平等であるという基本的な考え方に立って実は教育方針が出されておるんです。その結果が、御存じのような津田梅子先生や吉岡弥生先生等、明治初期のそういう教育を受けた方がすばらしい実践をされておるわけです。それがいつの間にか、だんだんと時間を経るにつれて女性は良妻賢母型の、家庭におりなさいというようなこと、それから男性は外だということ、これは私はすべてやはり教育の力が非常に大きいと思うんです。
 ですから、今のこの時代におけるところの文部省の方針として、そういう男女平等に対するところの基本的な文部省の考え方なりこれからの取り組みというのを、これまで実践され、非常に教育に御熱心な小此木政務次官の方からぜひお聞きをいたしたいというふうに思います。
#33
○政務次官(小此木八郎君) 文部政務次官の小此木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 先生のお話を今伺いまして、二十数年前に私自身が小学生であったころ、今とは違って、男の子と女の子が別々に座るのではなくて二人用の机がありまして、男の子と女の子が仲よく座る。奇数のクラスですと、最終的に男の子が多いと男の子が一人で座らなければいけない。だから、先生には文句を言わないんだけれども、後で、僕は女の子と一緒に座れないのか、これは不公平だなんと言ってきた子がいたのを今思い出しました。
 そういういろんな、もっと古い時期からの歴史もあるこの日本の中で、今後のことも考えて、なおまた現在のことを考えますと、男女が社会における対等な構成員であるということは言うまでもない話であって、そしていろんな活動が社会で行われ、機会が男女ともに確保されるという男女共同参画社会というものを築いていくためには、やっぱり幼少時の家庭やあるいは社会を通じた教育が私は大事であるというふうに思っています。
 男女平等についての学校教育におきましては、これは特に社会科、家庭科あるいは道徳あるいは特別活動において、生徒や児童の心身の発達段階に応じてなされているところでありまして、指導しているということであります。小学校、中学校、高等学校とありますが、それぞれ日本国憲法の学習において男女の平等というものを教えたり、あるいは協力をすること、あるいはきちっと生活においても協力するということの大切さ、これは大切だよということを教えたり、高等学校になってきますと、これは社会人に近くなってくるわけでありますから、人間の尊厳あるいは平等ということをさらに強く教える、そして男女がまた今度は家庭を築いていくということも大切だよということをきっちりと指導していくこととしております。
#34
○仲道俊哉君 もう時間が来ましたので。
 長峯総括政務次官は、私が大分におるときに同じ定通教育の会長として一緒に働いた仲でございます。教育には非常に熱心に、またこういう面については理解のある方でございますので、ぜひひとつよろしくまたお願いいたします。
 終わります。
#35
○千葉景子君 民主党の千葉景子でございます。
 細かいいろいろな話は男女共同参画室の室長などの方が多分ずっと御存じのところかと思いますけれども、せっかくの機会でもございますので、きょうは政務次官といろいろな今後のあり方などについて率直な意見交換をさせていただければと、こんなふうに思っているところです。特に、ここは調査会という場でもございますので、こういう場から積極的な問題提起を一緒に考えていくということができればというふうに思っておりますので、そういう意味で、政務次官には大変恐縮でございますけれども、ぜひ率直な御意見などいただければ大変ありがたいというふうに思います。
 そこで、冒頭ですけれども、先ほど仲道委員の方から大変適切な御質問がございました。この回答は一体どういう性格のものかということであったかというふうに思います。私もお聞きいたしまして、大変ここはきちっとしておかなければいけない部分だなということを感じております。
 というのは、我が国においていろいろな国際機関への報告などがなされます。条約に基づいての報告等が多岐にわたってございますけれども、そういう際の報告あるいは質問に対する回答ということでございますけれども、どこでだれがどうつくって、結局はどういう性格だったのかというのがいま一つはっきりしていない。
 この北京の行動綱領の実施ということも、政府はもちろんのこと、さまざまな議会、そしてまたNGOを含めてこの行動綱領の実施については本当にこぞって努力をしているわけです。そうなりますと、その回答を出すに当たってはやはりできるだけ広い意見を聞き、実態をきちっと把握し、そしてまた国会での議論などもぜひ踏まえていただきながら、そしてみんながなるほどこれなら自信を持てる回答書だと言えるようなものを出していきたいものだというふうに率直に私も思うわけです。
 そういう意味で、政務次官、また後ほどの協議ということもございましたけれども、政務次官としてはどう率直に思われますでしょうか。こういう回答などを出されるときの手続というか、あり方みたいなものについて、もし御意見ございましたらお願いいたします。
#36
○政務次官(長峯基君) 今回のこの回答については、外務省とそれから当番の総理府の担当者と話し合って、一応準備資料ということで出したということでございますけれども、先生御指摘のように、国際的な回答ということになりますので、もっと慎重に十分議論をして、ただ、時間的な制約がどうかということもございます。私が担当する前の話でございますから大変申し上げにくいのでございますけれども、そういう点は十分議論をして出すべきだというふうに思っております。
#37
○千葉景子君 ぜひ政務次官も政府部内で、そういう指摘があった、こういう取り扱いについて改めて検討しようじゃないかというようなことを提起いただければというふうに思います。
 さて、この行動綱領ができまして、そして来年はまた国連の会議が開かれるということでもございます。この回答は四月に出されておりますけれども、その後に男女共同参画社会基本法というのが我が国でもつくられました。これはこれからの男女共同参画社会へ向けてやはり大変大きな指針になるであろうというふうに私は思っているところでもございます。
 そして、その中に前文というのがつけられましたけれども、この前文では男女共同参画社会を築くことが二十一世紀へ向けた最重要課題だということが明確に指摘をされています。この間も参考人の方からお話がございましたけれども、最重要課題の一つというのではなくて、最重要課題と言い切っているところがやはり大変大きなポイントではないかというふうに思っているところです。そういう意味では、これから男女共同参画社会基本法にのっとりまして、やはり一丸となってさまざまな施策を講じていくことが必要であろうというふうに思います。
 そこでなんですけれども、またこれを蒸し返すのかと言われるかもしれませんが、この基本法ができて、そしてその後に成立をした現在の小渕連立政権でございますけれども、冒頭で某前政務次官の大変女性の人権を侵害するような発言があり、即更迭をされるというようなことからスタートをしてしまったということで、大変残念だったというふうに思いますし、これは政務次官もおいでの総務委員会で私も御質問させていただいたところでございます。
 そういう意味では、基本法ができ、そしてそれを率先して実行し、その内容を実現していくべき政府、そして特に総理大臣を本部長とし総理府がいわばその推進方を実務的にとり行っていくという箇所でもございますので、この男女共同参画社会基本法の理念、これからの取り組み方、こういうことを政府部内がまず勉強していただく必要があるのではないかというふうに思っているんですけれども、どうでしょうか。基本法について、例えば閣議あるいは政務次官の皆さんの会議等がおありかというふうに思うんですけれども、そういう中で例えばこの基本法を何時間かかけてじっくり勉強したというようなことはございますのでしょうか。
#38
○政務次官(長峯基君) この男女共同参画社会の形成に向けて、政府におきましては内閣総理大臣を本部長として今積極的に取り組んでいるところでございますが、実は政務次官会議は週に一遍ずつございまして、重要問題に取り組んでいくということでございますので、先生御指摘の御意見については私の方から政務次官会議に諮って近いうちに勉強会もさせていただきたいなと、御指摘がある前に私はそう考えておりましたので、これは積極的に取り組んでいきたいなと思っております。
 それと、私は先ほど仲道先生のお話を聞いておりまして、先生と私は一回り年齢が違いますが、本当にやわらかい発想だなと思いました。私たちの世代は戦後の教育を受けてまいりましたので当たり前だという感覚を持っておりまして、とりたてて法律でそれを訴えなきゃいかぬのかなという疑問も多少ございます。しかし、現実はなかなかそう進んでおりませんので、そういうところは今後積極的に、これは総理府の責任でございますから、各省庁に対しても積極的に推進するように、そしてこの法律を十分理解して活用していただくように進めてまいりたいと思っております。
#39
○千葉景子君 今、政務次官から、ぜひ政務次官の会議でも提起して勉強会をしよう、こういう御意見でございますので、大変それは結構なことだというふうに思います。そういう中で、けんけんがくがく、いろいろな議論をしていただきまして、それぞれの省庁などでリーダーシップをとっていただくということを、ぜひ私も要望しておきたいというふうに思っております。
 ところで、男女共同参画社会基本法とともに男女雇用機会均等法が改正されまして、その中でも大変厳しく指摘されているのがセクシュアルハラスメントの問題でございます。
 今、これからの時代、この問題に顔を背けているようでは各企業もやっていかれない、こういう状況でさまざまな研修、取り組みがされているようでもございますが、これもやはりまず第一にきちっとしなければいけないというのが政府であり、各中央省庁でもあろうかというふうに思っております。
 例えば、このセクシュアルハラスメントなどについて、中央省庁のセクハラ対策防止週間でしたかしら、何か相談週間のようなものをやるということをちらっとお聞きしたような気もするんですけれども、セクハラ対策といいますか、そういうことについてのまず一番トップにある中央省庁内の対応の仕方あるいは対策、こういうことは何か講じられているのでしょうか。政務次官で御存じのことがございましたら、お教えいただきたいと思います。
#40
○政務次官(長峯基君) 中央省庁におけるセクシュアルハラスメント対策につきましては、平成十年十一月、人事院からその防止に関する人事院規則が出されたところでございまして、適切に取り組んでいく必要があると考えております。
 要するに、男女の人権が尊重され、男女共同参画社会の形成について国、地方公共団体、国民が一体となって取り組んでいけるように積極的に努力をしたいと思っております。
#41
○千葉景子君 中央省庁においても、やはりこれは働く場でもございますし、そういう中で女性が、男性も当然のことですけれども、その能力、そして気持ちよく個性を発揮して働くことができるということは大変重要なことであろうというふうに思います。
 とかく中央の官庁もいろんなことがどうしても伏せられやすいところもありますので、ぜひこういうことにも総理府としても十分目配りをいただきながら、全体としてむしろ手本になるような取り組みをしていただきたいというふうに思っています。
 いろいろこういうことを考えてみますと、本当に政府の方がまだまだ、人様に何か言う前に取り組んでいただかなければいけないことがたくさんあるように思うんです。
 その一つに、実はこれは総理府の実施ということではありませんので大変恐縮ではありますけれども、やはり男女共同参画社会に向けた統括的な役所でございますので御指導をいただきたいというふうに思うんですけれども、総務庁の方で行政相談というのを各地でやっております。そして、秋には行政相談週間ということでさまざまな取り組みを全国的に行っているんですけれども、多分その実態は余りこれまで政務次官も御存じではなかったと思います。
 ちょっとその実情を申し上げますと、この行政相談週間の中で、一日所長というんでしょうか、そういうものを委嘱して、そして皆さんにいわば関心を持っていただく、こういう取り組みをされているようでございます。ところが、その行政相談一日所長というものに委嘱されているメンバーを見ますと、これがやはり、女性の本来の意味での共同参画というものを促すというよりは、むしろ女性をそのときの一輪の花みたいな形で考えている節がどうもあるわけです。
 というのは、別に一人一人の個人の方がおかしいということではありませんけれども、かなりの数がミス何々とか、何々娘とか、こういう方を一日所長に委嘱している。それぞれお一人お一人はいろいろな見識をお持ちの方であるのかもしれませんけれども、総体として見ると、やっぱりこれは女性を一輪の花とどうもとっているのではないか、こんな気がいたしますし、今度は男性から見れば、なぜ男性はここに入れてもらえないのだ、むしろそういう声が出ないのがおかしいんですけれども、こういう実情がございます。
 どうでしょう、政務次官もこういうことを多分また改めて知っていただけたかと思いますけれども、まず御感想はいかがですか。
#42
○政務次官(長峯基君) 何分、先生の御質問が昼ごろだったものですから、十分勉強する時間がございませんでした。ただ、何でこういうことになっているのか、私も大変不思議に思います。そういう基準で選択をするということについては疑問を持っておりますし、多分いわゆる役所の横並びというのがこういうことにあらわれたかなと思っておりますが、すぐこれは総務庁の方に私どもの方から申し入れて、こういうことはやめるように申し上げたいと思っております。
#43
○千葉景子君 多分こういう実情というのは、私もまだすべてを調査させていただいたわけではありませんけれども、この行政相談の一日所長というものばかりではなく、よく一日何とかとか、一日署長とか、こういうのがあると思うんですけれども、そういう中にも、なぜこういうことになっちゃうんだろうというものがひょっとしたらあるのではないかと私も懸念をしているところです。
 そういう意味では、ぜひこういう実情もまた機会を見て調べていただきながら、そして各省庁に御指導をきちっとしていただくというようなことも必要じゃないかというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思いますが、いかがですか。
#44
○政務次官(長峯基君) 先生御指摘のとおりだと思います。
 それで、もちろん基本法ができてまだ間もないわけでございますから、時間はかかると思いますが、一つ一つの問題を積極的に取り上げて検討していきたい。また、そういう部分部分で御指摘の点があれば、どうぞ御遠慮なく申し伝えていただいて、全体的な指導は取り組んでまいりますけれども、個別に問題があれば御遠慮なく御指摘いただければ、私どものできる範囲で積極的に努力をしてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
#45
○千葉景子君 それはもう大いにどんどん指摘をさせていただきたいというふうに思っているんですけれども、男女共同参画社会基本法ができて間もないとはいいながらも、こういう認識というものが結局まだ各政府内にも厳然として残っているということではないかというふうに思うんです。
 今、行政相談で申し上げたことも、基本法ができました後、この秋の実情でもございますから、そういう意味では、前に戻りますけれども、最初に申し上げたように、むしろ最初に政府全体として、行動綱領まで戻っていただくことも含めて、基本法なり男女共同参画社会の理念、そしてそのあり方、あるいは問題点、これからの具体的な取り組み方向、こういうものをやはり全体のものとして認識を深めていただくということが今改めて必要なんじゃないかというふうに思います。
 そういう意味では、先ほど政務次官からも勉強の機会をということでもございますので、今のこの実情、これは一例でもございますけれども、こういうことも含めまして、勉強をぜひ一刻も早くする機会をつくっていただきたいというふうに思います。
 さて、この回答でも出ておりますけれども、基本法が制定をされたと同時に、今、女性に対する暴力に関する取り組みというのが進捗をしているところでもございます。この調査会でも、ちょっと私はメンバーではなかったものですから、全体、詳細まではなかなか承知しにくいんですけれども、女性に対する暴力ということがこの調査会でも継続して議論を続けられてきたということでもございます。
 この女性に対する暴力の取り組み、政府としては今具体的にどのような論議、そして進捗状況にございますのでしょうか。政務次官の御理解の限度で結構でございますので、お答えをお願いいたします。
#46
○政務次官(長峯基君) 先生御指摘のとおり、女性に対する暴力は女性の人権を著しく侵害し、決して許されるものではないと考えております。
 本年五月に内閣総理大臣に提出された「女性に対する暴力のない社会を目指して」と題する答申では、現状を分析した上で当面の取り組み課題が提言されております。この提言を踏まえまして、総理府においては、全国の男女四千五百人を対象に男女間における暴力に関する実態調査を実施いたしておりまして、また十月十二日には東京都において女性に対する暴力に関するシンポジウムを開催するなど、広報啓発活動を行っているところでございます。
 そこで、男女共同参画審議会においては引き続き幅広い観点から調査、審議を行っているところでありますが、その結果を踏まえながら、今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#47
○千葉景子君 今、女性に対する暴力というのは、ドメスティック・バイオレンスと言われるようなものから大変深刻さを増しております。そもそも女性に対する暴力がいわば違法行為であり、犯罪にも該当するというような、従来でもそういうことではあるんですけれども、家庭内などで外に見えにくい、こういうことも含めて大変深刻な状況もございます。
 そういう意味では、今いろいろな調査をされたりあるいはシンポジウムを開かれたり、そういうことで実態をよくよく把握していただくということも重要でございますが、これに対する法的な措置を含めて、直ちに駆け込んだりあるいは保護を受けられる、そういう措置などもできるだけ早く講じていく必要があるのではないかというふうに思います。
 多分、そういう準備も進められているということであろうかと思いますけれども、ぜひ政務次官のもとにおきましても、こういう取り組みをできるだけ早くするように指示、指導をしていただきたいものだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#48
○政務次官(長峯基君) 御指摘の件については全く同感でございますから、積極的に進めてまいりたいと思います。
#49
○千葉景子君 次に、基本法ができまして、それを具体的に深めていくためには、基本法に基づく地域での取り組みというのがやはり重要だというふうに思われます。
 そういう意味では、今後、自治体などでも条例などの制定というものが大きな課題になってくるわけですけれども、そうはいっても、全国各都道府県、それからさらに全国の市町村ということになりますと、市町村は別に条例制定が義務ではありませんけれども、なかなかこれを進捗させるというのは容易なことではないというふうに思います。
 全国的な状況など、細かい点はまた機会を見てそれぞれ担当者の方にもお尋ねをしてまいりたいというふうに思うんですけれども、やはりこれを進めるためには、待っていてやれやれと言うだけではなかなか進みにくい。自治体の規模あるいはそれに取り組む姿勢、あるいはこれまでのいろいろな活動の蓄積、そういうこともありましょうから、そういう意味では国の側からもこの条例制定などに向けてさまざまなサポートといいますか後押し、こういうことが求められるのではないかというふうに思います。
 これは自主的なものですから、しかも、ちょっと意味は異なりますけれども、やはりそれぞれの地域の自律性ということもあるので押しつけるというものではありませんけれども、できるだけスムーズにそういう活動ができるようなサポートが必要かというふうに思いますが、そのあたりは何か総理府としてもこういう形でサポートしていきたいというようなことはございますでしょうか。
#50
○政務次官(長峯基君) もう先生御存じと思いますけれども、東京都は来年の都議会への条例提出へ向けて動いている、また埼玉県も来年の県議会へ条例案を提出するため検討中と、その他、地方公共団体の動きがあることも聞いております。そういう動きの中で、全国的に各地方公共団体が積極的に取り組むような動きが出てくると思いますけれども、その動きを見ながらまた総理府として助言することがあれば助言してまいりたいというふうに考えております。
#51
○千葉景子君 これからこの基本法を、例えば職場とか地域の場、あるいは教育、いろんな場面に浸透させていくためには、やっぱり自治体での条例づくりあるいは指針づくりなどが大きな役割を果たしていくだろうというふうに思います。そういう意味では、今おっしゃいました東京都の方でもそういうものが進んでおりますし、ぜひ総理府の方でもそれをさらに引っ張っていくようなといいますか、後押しするような活動をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 ほかにもちょっとお聞きをしたいことはございますけれども、ちょっと時間が中途半端になってしまいましたので、きょうはこの程度にさせていただきます。きょう政務次官にも率直な御意見もいただきました。それをここだけで終わらせることなく、ぜひ各省庁の中でそのお考え方をもっと幅広く出していただきますようによろしくお願いをして、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#52
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 本日のテーマに関しまして、まず最初に農村女性の地域社会での方針決定への参画につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 「北京行動綱領実施状況に関する質問状」への日本政府の回答では、七番目の項目の「権力及び意思決定における女性」というテーマの中の「(1)政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」の項目に関しましてこのように述べております。「ナイロビ将来戦略勧告において、意思決定レベルの地位における女性比率を一九九五年までに三〇%にするという国際的目標が提示されたが、特に我が国については、公的・私的分野を問わず国際的に見て極めて遅れた状況にある。」、このように記載されております。しかし、その中で「一定の成果を上げた取組もある。」としまして、一つ農山漁村地域における女性の政策・方針決定過程への参画の分野で、農業協同組合による農業・農村パートナーシップ推進事業等を挙げているわけであります。
 さて、女性参画を積極的に推進するため、全国農業協同組合中央会は本年十一月に「JA運営への女性参画を進めるために」という報告書をまとめておりますが、その中で、農村女性の地域社会での方針決定過程への参画状況、すなわち全体に占める女性の割合でありますけれども、これは平成九年度においてJA正組合員の一三・五%、それからJA役員においては〇・三%、それから農業委員においては〇・七%であり、徐々に増加しているが依然として低い状況にある。そういう現状分析をしまして、二〇〇三年度末までに女性の占める割合を全国平均で正組合員の二五%以上、総代の一〇%以上にする、また合併JAには女性理事を二名以上登用する、そのような具体的な数値目標を設定して、実効ある取り組みを促進するというふうに述べられております。
 前回の調査会でも、参考人でありました藤原房子氏より、現状での問題点につきまして指摘があったわけでありますけれども、私は、このようなJA中央会の改善へ向けての取り組みを大変重要なものと評価しているわけであります。
 そこで、まず農林水産省、きょう金田政務次官がおいでになっておりますのでお聞きしたいのでありますけれども、このような全国農業協同組合中央会の取り組みに対して、政府としてどのような支援をしていくのか、その方針についてお伺いしたいと思います。
#53
○政務次官(金田勝年君) ただいま渡辺委員からの御質問でございます。農山漁村におきます女性の地位向上を図るためには、農業経営におきます女性の役割を適正に評価して社会参画、経営参画を支援していくことが重要であるというふうに考えておるわけでございます。
 ただいまのお話にもありましたが、JA等の農業団体に対しましては、これまでも農業・農村パートナーシップ推進事業、ただいま御質問の中にありましたこの事業におきまして、農協理事への女性の登用、あるいは加入の促進といった参画目標を都道府県が策定する取り組み、あるいは農山漁村女性の日、これは毎年三月十日でございますが、にシンポジウムを行う等の記念行事を開催するような取り組み、各般のこういった啓発活動の実施等を通じましてJAの活動を支援してきたところでございます。
 今回、男女共同参画社会基本法及び食料・農業・農村基本法が制定されるという状況のもとで、JAみずからが女性の参画目標の策定に取り組まれたということは時宜を得たものだというふうに受けとめておりまして、JAの女性の参画促進への取り組みが一層強化されて、そしてひいては農山漁村におきます女性の地位の向上につながるということが非常に重要だと考えておる次第でございます。
 農林水産省としましては、先般、十一月一日でございますが、男女共同参画社会基本法、食料・農業・農村基本法を踏まえまして、女性の過重労働の軽減や快適性の確保といったことのための環境整備、あるいは地域における男女共同参画のための取り組みの状況を農林水産関係の補助事業の一部の事業の採択基準とするということなどを盛り込んだ農山漁村男女共同参画推進指針というものを策定いたしております。この指針の運用を通じましてJAの女性の参画促進を支援していく所存であります。
#54
○渡辺孝男君 本年、JA中央会が調査をしましたところ、一つだけ目標を達成しているところがあると。これは正組合員の数でありますけれども、山口県におきましては、既に正組合員の女性の占める割合が目標の二五%以上となっております。しかし一方では、一〇%に満たない県も約二割程度あるということでございまして、これらの都道府県間の格差の原因について、金田政務次官に、どういうふうに農林水産省の方で認識されているのか、お聞きしたいと思います。
#55
○政務次官(金田勝年君) ただいま委員御指摘の実態、平成九事業年度におきます農協の女性正組合員は七十三万人でございますが、正組合員全体に占める割合が一三・五%、そして地域別に見ますと、これが今御指摘のような数字になっておるというふうに私どもも認識しております。
 これは、こういう格差が出ておりますのは、県の間で格差が生じているわけでございますが、ことしの十月に全国農業協同組合中央会が報告書をまとめております。
 その中では、農協及び農協のトップが女性の参画を女性組織の問題として扱ってきたという姿勢、あるいは女性の参画のための目標設定や点検をするまでの運動展開がなされなかったことなどによるものというふうにその報告書においてはされておるわけでございますが、私ども農林水産省としましても同様の認識を持っているところでありまして、女性の地位向上というものは農林水産行政にとっても重要な課題の一つでございますから、農協におきましても女性の役割を適正に評価し、そして女性の正組合員化、役員登用の促進が図られるように指導してまいりたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#56
○渡辺孝男君 山口県では大変進んでいるということでありまして、この山口県で、どういう取り組みをしているから進んだのか、その点に関して資料がありましたら教えていただきたいと思います。
#57
○政府参考人(石原葵君) ただいま山口県が非常に進んでいる、その理由、取り組みについて御質問がございました。委員のお話にございましたように、あるいはただいま政務次官の方からお答えいたしましたように、山口県のJAにおける女性の正組合員の割合は二七・二%と、非常に高くなっております。
 このように山口県で割合が高くなっておりますのは、平成三年に山口県農協大会で青年婦人層の意思が農協運営に反映できるよう総代、理事への選出を積極的に行う旨を決議しております。
 それ以来、一つは総代でございます。総代につきましては、集落を基礎とした地区選出枠に加えまして、組織の代表枠を設ける、そして青年部、女性部等の代表者を登用するということを一つ講じております。それから営農、それから生活活動、これとJA運動の中核的な担い手でございます青年部、それから女性部組織の育成強化を図ってきた。それとともに、その代表者が各種委員会、いろいろ支店の運営委員会とかそういうのがございますが、そういう委員会の委員等へ選出される仕組みを推進してきたということがございまして、こういうもろもろの対応によりまして女性の農協活動への参加を呼びかけてきた、このことが最大の要因であろうかと思っておるところでございます。
#58
○渡辺孝男君 どうもありがとうございました。
 また、女性の参画に関しましては、非常に重要なのは農業の運営に当たりましての家族経営協定、これが非常に大事だということであります。ちょっと時間も少ないので、金田政務次官の方にお聞きしたいんですけれども、この家族経営協定を結んでいるのが一番多いのは畜産部門、それから野菜、畑作物、その次に水稲部門となっておりますけれども、やはりメーンの水稲部門でまだ協定が進んでいない。その点に関しまして、今後どのように改善していくのか、農林水産省の方針をお聞きしたいと思います。
#59
○政務次官(金田勝年君) 委員から御質問ですのでお答えさせていただきますが、農業を魅力ある職業とするということは非常に重要なことでございまして、そのためには農業経営に携わります家族の皆様が、家族員が経営内においてそれぞれの人のお立場、地位、役割を明確化していく、そしてそれぞれの方々の意欲と能力が十分に発揮できるような環境づくりを行うということが重要であるというふうに考えております。
 このために、その経営内におきます役割分担、休日等の就業条件、あるいはその家庭内の労働配分といったようなものについて家族員相互間で文書により取り決めました家族経営協定、これを推進してきているところでございます。
 ただいまのお話にありましたように、水稲部門が畜産部門等に比べて比較的低くなっているという御指摘がありましたけれども、水稲部門は作業に季節性がある、あるいは作業分担の必要性が低い、そして畜産、園芸といったような部門は収入時期が年数回ありますものですから、稲作の年一回に比べて報酬協定の必要度が小さいといったような事情、いろいろと、データの上で限りがあるんですけれども、あえて分析いたしますと、そういう各作物部門の経営上の特徴から、家族経営協定に対する取り組みに差があるんだというふうに見られるのではないかと思います。
 しかしながら、いずれにしましても、先ほど申しましたように、家族経営協定というものは男女共同参画社会の形成、あるいは農業経営内の家族員の意欲と能力をもって、そしてそれを発揮しながら頑張るという環境づくりにとりまして非常に重要な推進手段だというように思っておりますことから、その経営内容そして労働保持状況、ライフステージ等によりまして、必要性の大きな農家から、経営類型、その部門にかかわらず家族経営協定の締結をぜひ推進してもらいたいという思いで促進していくことが重要である、こういうふうに考えておる次第であります。
#60
○渡辺孝男君 もう時間もなくなりましたので、もう一つ。
 農村での結婚問題等で、こういうふうに開かれた農村であるということを知ってもらうためにも、この家族協定については、農業関係者だけでなくて、一般国民にもこういうものをやっているんだということをもっと積極的にお知らせしていただいた方がいいのではないかなというふうに思います。
 以上で質問を終わります。
#61
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 さきの国会で、男女共同参画社会の実現が緊急の課題であり、二十一世紀の我が国社会を決定する最重要課題と位置づけられた男女共同参画社会基本法を成立させました。問題なしというわけではございませんで、男女共同参画社会というときに、その最も重要なステージの一つに働く環境があります。
 そこで、日本共産党は、国や地方公共団体、国民の責務規定に関して修正案も出し、企業、事業主の責任、責務を明記すべきことを主張してまいりました。このことにつきましては、衆参本会議でも小渕総理は、「男女共同参画社会の形成に当たっては、単に職場だけでなく、あらゆる分野において取り組みを行うことが求められており、」、また「あらゆる分野において男女共同参画社会の形成に寄与するよう努めなければならない旨規定する」、そして「企業におきましては、男女共同参画のために積極的に取り組んでいくことが重要であると認識をいたしており、」、そのままですけれども、答弁をされました。また、参議院の総務委員会で、事業主の責務は非常に大きいのではないか、こういう質問に対して、当時の野中官房長官は、「お説のとおりだと思っております。」と答弁をされております。
 そこで再確認をしたいんですけれども、男女共同参画社会を実現するために事業主、企業にも責務、責任がある、これは変わっていない、そのとおりの政府の見解だというふうに確認をさせていただきたいんですが、いかがでしょうか。
#62
○政府参考人(大西珠枝君) 男女共同参画社会基本法におきましては、御指摘のとおり第十条において、「国民の責務」として、「職域、学校、地域、家庭その他の社会のあらゆる分野において、基本理念にのっとり、男女共同参画社会の形成に寄与するように努めなければならない。」旨を規定しているところでありまして、この「国民の責務」というところの規定には、事業主においても男女共同参画のために積極的に取り組んでいくことが重要であるということを含んでおるというふうに考えております。
#63
○八田ひろ子君 ありがとうございます。
 まさに家庭生活と職業生活の両立の重要性、環境整備ということから、事業主、企業の責任というのは当然だというふうに思うんです。
 そこで、まず労働省にお伺いしたいんですが、男女共同参画と申しましても、現時点では家庭責任の多くを担っているのが女性です。子育て、介護と仕事の両立のために労働省としてはいろいろな支援対策を行っておいでになりますが、特に企業に対する指導と啓発、子育て、介護と仕事の両立ですね、このことについて簡明にお示しください。
#64
○政府参考人(藤井龍子君) 私ども労働省といたしましては、労働者の方が仕事と育児、介護を両立させ、生涯を通じて豊かな人生を送ることができる、これは大変大きな課題であると考えているところでございます。
 そのため、私どもにおきましては、育児休業制度、介護休業制度の定着、またそれぞれの給付、二五%支給してございますが、その支給、あるいは職場復帰を容易にするための奨励金の支給など、育児休業、介護休業をとりやすく、職場復帰しやすい環境の整備を行っておりますとともに、事業所内託児施設の設置をする事業主に対する費用の助成なども行っておりますし、また育児、介護でどうしてもやめざるを得なくなった方が再就職をしたいというときに、セミナーや情報提供をするなどの支援を行っているところでございます。
 また、本年度から、労働者のそういう家族的責任に配慮した人事管理を行うようなファミリー・フレンドリー企業というものを我が国にも普及させる必要があるということで、既に先進的にそういう取り組みを行っている企業を表彰する、あるいはシンポジウムを厚生省と共同で開催するなど、さまざまな事業を展開しているところでございます。
#65
○八田ひろ子君 この基本法をつくるときに、参議院での附帯決議の中でも、今お示しがあったような家庭生活における活動と職業生活の両立、特に子の養育、家族の介護について「社会的支援の充実強化を図ること。」という決議がされております。
 今お示しいただいたようなファミリー・フレンドリー、これは家族的責任を有する労働者に配慮した雇用管理制度の導入、指導というふうに説明を受けているんですが、十月が仕事と家庭を考える月間ということで、とりわけ労働省が力を入れてこれはキャンペーンをされている。そのときに、実はそういう方向と反する事態があるということで、私は労働委員会でも別の角度でこの問題を取り上げたんですが、コンピューター関連企業のIBMの名古屋事業所の事例で、これは新聞やテレビなどのマスコミでも大きく取り上げられています。
 これは、両親と九十五歳になる祖母の三人を働きながら介護されている四十七歳の女性を名古屋から千葉県の幕張に配転ということで、この女性は、片道五時間もかかる幕張では仕事と介護を両立する自信がないと会社に伝えているんですけれども、IBMは、三百名ほどいらっしゃる同僚の中で彼女でなければできない、そういう配転の必要性は示さないで、介護している家庭の事情には耳をかさない、あくまで配転ということです。
 そこで救済の申し立てをされまして、ここにそれを持ってきたんですけれども、この会社ではずっとリストラが進められて、既にこの四年間で五千人社員を削減しています。ただ、ここは昨年度で九百一億円の経常利益を出している超優良企業なんです。
 そこで、この方の文章ですが、「私は今までずっと過労死の心配をするほど一生懸命働いてきました。しかし、同時に私は家族の一員として祖母や両親を介護する責任も果たしたいと思っています。それを両立させることは許されない望みでしょうか。それでは介護責任を負う者は働くなというのと同じです。祖母はなんと言っても九五歳です。」、「私が介護の責任を負うのもそう長い期間ではないと思います。ただ、逆に介護責任は今現在しか負えないのです。他方、今介護のために私が仕事を辞めたら、この雇用情勢下、私は永久に仕事を失います。今はなんとしても仕事と介護を両立したい」、こういう申し立てをされています。
 こういうことなんですが、労働省は、先ほど御説明になった、とりわけ家族的責任を有する労働者に配慮した雇用管理制度を指導、啓発もされているんですけれども、いかがでしょうか。
#66
○政府参考人(藤井龍子君) 人事異動や配置転換というのは、各企業でそれぞれの経営上の御都合なり人材育成というような観点から、労働契約、労働協約、慣行その他に従って実施されるものであろうかと存じておりますが、労働省といたしましては、先ほども申し上げましたように、育児や介護など家族的責任に配慮した雇用管理、人事管理が行われることが望ましいと思っておるところでございます。
 ただ、今お尋ねの事例につきましては、残念ながら女性少年室の方にも御相談には見えておらないという状況でございまして、内容を十分把握していないという段階でございます。また、地裁で係争中とも承っておるところでございますので、当該個別事案につきまして私どもでいろいろコメントを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと存じます。
#67
○八田ひろ子君 一般的に言えば、家族的責任を有する労働者に配慮した労働環境をつくりたいということで施策をお進めだという御説明をいただきました。
 私は、今もありましたこの救済の申立書の中で、ちょっと室長にも伺いたいと思うんですけれども、ここでIBMは、男女共同参画社会基本法に関しても触れているわけです。本件配転は本法、基本法ですね、これに違反するものとする余地は全く存在しない。なぜかと言えば、本法六条は、家族を構成する男女が相互に協力すべきことを定めたものであって、事業主の責務を定めたものではないから、この点から見ても、本条が無縁のものであることは明らかである。また、ILO百五十六号条約、これはいわゆる家族的責任条約で、さっきの参議院の附帯決議に出てくるものですけれども、これに関しても、一般企業の義務を定めたものではないのみならず、この条約ですね、本条のような場合は、特段の立法措置がなければ国内法としての効力を有しない。いずれの点から見ても、会社とは無縁のものと言うべきものである。これが裁判所に出されたIBMの言葉なんです。
 日本政府が今回の大きなポイントとして押し出している男女共同参画社会についての認識、理解が、いわゆる世界に冠たる大企業と言われているところでもこの程度なんです、労働省は一生懸命啓発されているんですけれども。我が国は九五年にこのILO百五十六号条約を批准しまして、先ほど国際的な流れの中で基本法もという御説明があったわけなんですけれども、さきの総理の答弁ともこれは違う、先ほどのここでの御答弁とも何かそぐわないようなIBMのこのような主張であります。それについて、余りにも違うと私は思うんですけれども、これはどうなんでしょうか。
#68
○政府参考人(大西珠枝君) 今の御質問の件につきましては、裁判所に係争中の件でもございますので言及は差し控えたいと存じますけれども、いずれにしましても、男女共同参画社会基本法におきましては、その事業主においても男女共同参画のために積極的に取り組んでいくことが重要であるということが私どもの立場でございますので、基本法については事業主も含めて国民への周知に努めて、今後そういったことに積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#69
○八田ひろ子君 国も、それから政府としても、各省庁としてもそれぞれ一生懸命やっておられるということは認めますが、民間企業の認識と相当な乖離がある。これを一致させるのが国の責任だというふうに思うんですが、次官、どうでしょうか。
#70
○政務次官(長峯基君) 民間企業の中まで入って国が指導するということについてはなかなか難しい問題だと思いますけれども、趣旨は十分理解をして頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。
#71
○八田ひろ子君 そもそも男女共同参画社会実現に対する、先ほどもありましたが、国の、政府の姿勢そのものも私はぜひもうちょっと強化していただきたい。
 きょうは時間がありませんので要望にとどめますけれども、例えば男女の事実上の平等のためのポジティブアクションについても、先ほど審議会等ということで今現在一九・何%ですか、二〇%近くという。だけれども、国家公務員とかそういうところの幹部職員に対する女性の登用のパーセント、こういうものも実はきちんと国が数値目標を持っていただいて、そして民に範を垂れる、こういうことが必要で、男女共同参画社会の実現は緊急の課題、最重要課題、これにふさわしい取り組みをぜひしていただきますように、対策を求めまして、私の質問を終わらせていただきます。
#72
○福島瑞穂君 社会民主党の福島瑞穂です。
 まず、ポジティブアクションについてお聞きをいたします。
 一定規模以上の企業には、女性の採用、昇進状況などを報告するよう行政指導ができないだろうか。東京都男女平等推進基本条例検討骨子には盛り込まれておりますけれども、国としてはどうでしょうか。
#73
○政府参考人(藤井龍子君) 一定規模以上の事業主に対して、女性の採用、登用状況といいますか、ポジティブアクションの状況について報告義務を一律に課すというのはできないものかどうかという御質問でございますが、これにつきましては、ことしの四月一日から施行しております改正男女雇用機会均等法、これの審議の過程におきましても審議会等でもいろいろ議論があったところでございます。
 ただ、一律に報告義務を課すということにつきましては、まだ採用や昇進について差別を明確に禁止した改正均等法がこの四月一日から施行されたというところでございますので、私どもとしては何よりもその改正法の趣旨、内容について一層の周知徹底を図りまして、事業主を指導し、法の目的が実現されるように全力を尽くしていくことが現段階では最も重要なことではないかと考えているところでございます。
#74
○福島瑞穂君 御趣旨はわかるんですが、報告義務を課すことによって、一定規模以上の各企業は熱心にやっぱり取り組むのではないか。割り当て制、クオータ制ですと急に変えられないという問題などはあるかもしれませんが、報告義務は別にそれで罰則の規定もあるわけではありません。例えば、罰則の規定を置かないで報告義務をある程度課すということにすれば、各企業ももっと本気で取り組むのではないかと思いますが、いかがでしょうか。例えば、改正均等法の施行がことしの四月一日ですけれども、ある程度定着した三年後にとか、そういうことはいかがでしょうか。
#75
○政府参考人(藤井龍子君) 改正男女雇用機会均等法の第二十五条に、この法律の施行に関し必要があると認めるときには、事業主に対して報告を求めることができるということとなっておりますので、その事業場における女性の採用、登用状況について把握する必要がある場合には、私どもとしては、この条文に基づきまして事業主の報告を求めてまいりたいと考えておるところでございますが、先ほど申し上げましたように、一律にというようなことは今の段階ではまだ早いかなと考えておるところでございます。
 では、どれぐらいたったら大丈夫かということについては、今のところまだ法律の定着、施行状況が十分把握できていないというところですので、ちょっとお答えできない状況でございます。
#76
○福島瑞穂君 各企業の管理職や支店長の研修などに呼ばれると、一人も女性がいらっしゃらないということばかりで、管理職研修や取締役会などで女性を見たことがないという感じなんですね。やはりそれは非常に問題だと思いますので、ぜひ取り組みをお願いします。
 次に、建設省にお聞きをいたします。
 アメリカのように公共事業を、一定以上の要件を満たし、女性や障害者を積極的に採用している企業に優先的に任せるようにしたらいかがだろうか。例えば、来年一月にオープンする女性と仕事の未来館のような公共施設については、本当にぜひすばらしい活動をしていただきたいと期待をしておりますけれども、入札するときの条件に、女性をどれぐらい採用し、どれぐらい管理職がいるかなどを添付するとか、そうしますとどの企業も必死でやるのではないかと思いますが、どうでしょうか。
#77
○政府参考人(風岡典之君) お答え申し上げます。
 先生の今御指摘の点につきましては、アメリカで行われておりますアファーマティブアクションの考え方を公共事業に取り入れるべきではないかと、こういう御指摘であるかと思います。
 私どももいろいろ勉強させていただいたわけでございますけれども、現在のアメリカの制度につきましては、確かに差別の解消に非常に重要な効果を果たしていると高い評価がなされているわけでございますけれども、その一方、逆差別になっているというようなところも、そういった意見も、一部だとは思いますけれども出ている現状ではないかというふうに思います。
 それからまた、アメリカで一九九五年六月の連邦裁判所におきまして、これは連邦のハイウエー工事ですからまさに公共事業の関連でございますけれども、そのときにマイノリティー関連企業の優遇策について、一定の場合には違憲になるというような司法判断も一部出ているようにもお聞きしております。
 私ども、いずれにしましても、御指摘のような形でのアファーマティブアクションの導入の是非については、これは公共事業分野ももちろん検討しないという意味じゃないんですけれども、そういう分野だけではなくて、国全体の政策でまず考えるべきことかなというふうに思っております。
 公共事業については、私ども、現在いろんな公共事業に対する批判がありまして、入札手続の透明性とか競争性を高める、こういった努力も一生懸命しておりますし、また一方、コストの縮減というようなこともありまして、できるだけ技術力のすぐれた企業を入札に参加させたい、こういうような要請も一方ではあります。そういう中で、御指摘のような手法を取り入れることについてどういうような位置づけができるのかということについては、いろいろ御指摘をいただきました点も含めてもう少し勉強させていただきたい、こういったのが私どもの今の率直な気持ちでございます。
#78
○福島瑞穂君 ありがとうございます。建設省が大きな公共施設について、男女平等を実現している企業なので落札したと言っていただくと日本社会も非常に変わるのではないかと思いますので、ぜひ御検討をお願いします。
 次に、法務省にお聞きをしたいと思います。
 国際人権規約B規約で、民法改正、選択的夫婦別姓や婚外子差別撤廃について勧告を受けております。きょうは特に戸籍の続き柄欄の差別についてお聞きをいたします。
 戸籍における婚外子と婚内子は、婚内子の場合は長男、長女、次男、次女、婚外子の場合は性別、男、女というだけになっております。身分事項欄を見れば婚外子かどうかはっきりわかるわけですから、このような記号的な差別は、勧告も受けておりますので撤廃すべきだと考えます。
 それで、質問をいたします。このような差別を撤廃した場合、実務上の支障はあるのでしょうか。
#79
○政府参考人(小池信行君) 御指摘のように、現在の戸籍には実父母の続柄を記述する欄がございまして、嫡出である子の場合には長男、長女、嫡出でない子の場合には男、女という記載をしております。
 この表記の違いは、現在の民法の制度のもとで、嫡出である子と嫡出でない子とのその法的地位に区分が存在するということが原因でございます。その最たるものは相続分の違いということでございますが、ほかには例えば、親子関係を成立させるためには認知が必要であるとか、あるいは親権者がだれであるとか、氏がどうなるとか、そういうようなものもこの範疇の問題かというふうに思われます。
 したがいまして、戸籍、これは身分関係を正確に登録して公証するということを目的とする制度でございますので、この戸籍に今申し上げたような身分関係を正確に記録する、登載する、そういう意味で今申し上げたような表記をしているわけでございます。
 おっしゃるように、父母欄及びその身分事項欄を見ればその続きがわかるということでございますけれども、しかし、戸籍も一つの表示技術でございますので、一覧性というところから見ますと、今のような記載をもってすれば、例えば相続を例にとれば、どれくらいの範囲の人が相続人になるのか、あるいは相続分がそれぞれどれくらいになるのかということが一覧性をもってわかる、そういうメリットがあるわけでございます。
#80
○福島瑞穂君 しかし、法定相続分を確定する際には、身分事項欄をきちっと確認しない限り間違いが生ずることがあります。住民票の続き柄欄は一九九五年三月一日に通達により差別がなくなりました。ぜひ戸籍についても差別を撤廃してくださるようお願いいたします。できればできるだけ早い時期に、法務省も勇断を持って、選択的夫婦別姓、婚外子差別撤廃を国会上程していただくように要望して、時間がなくなりましたので、暴力について聞けないんですが、私の質問を終わります。
 ありがとうございます。
#81
○入澤肇君 最初に、男女共同参画社会基本法の審査に参加しましたときに、これからいろいろなことをやらなくちゃいけないんですけれども、極めて、男女差別といいますか、現在のいろんな実態についての調査資料が少ないということを痛感いたしまして、当局に、可能な限り、トップダウンでいいから総理府がイニシアチブをとって各省に調査をするように私要請しました。
 法律が通りましていよいよ局ができるわけですね。局ができるまでに、一つの局が十分な活動をするためにはそれなりの基盤整備がなされなくちゃいけない。ここで言う基盤整備というのは、政策を立案していくための基礎的な調査でございますけれども、どのような視点でどのような内容の調査をする方針であるかについて、室長の方から御説明願いたいと思います。
#82
○政府参考人(大西珠枝君) 男女共同参画を進めていくためには、まずさまざまな実態を明らかにしていく必要がございます。
 すべての調査等についてまだ十分対応しているわけではございませんけれども、例えば、政府の各種施策が男女共同参画についてどのような影響を及ぼすのか調査研究をするというようなことも今年度着手していきたいと思っております。
 その過程の中で、恐らくそういった調査研究を進めていく中で、必要な統計、つまり統計において男性と女性についてもっとはっきりと把握していくということが明らかになってくると思われますので、そういったものが明らかになった時点で、関係省庁等に御協力を求めていくような形で準備を進めていきたいというふうに思っております。
#83
○入澤肇君 今のようなそんなやり方じゃ私は進まないと思います。
 むしろ、例えば通産省は、今も八田先生から質問がありましたけれども、企業経営の中で女性がどのように扱われているのか、それから管理職にどれくらい行っているのか、その実態と問題点を、例えば総理府の方から通産省に指示したらいいじゃないですか。
 それから、今度は中小企業の基本法まで改正されて、二重構造は解消されたなんと言っているわけですけれども、実際には二十人以下の従業員を抱えている企業の割合というのはかなり高い、女性の割合それから高齢者の割合が高い。それがどのような労働条件になっているのか。最低賃金制度だって、この間の労働省の発表によりますと、一〇%が最低賃金すら守っていない。その中で女性はどのような実態にあるのか。
 こういう具体的な資料が出ているわけですから、各省ごとに十項目ぐらい、こういうことを調査してくれ、あるいはその調査費がなかったら総理府で調整費をとってやるからというぐらいの意気込みでやったらどうですか。
#84
○政府参考人(大西珠枝君) そういった調査につきましては、必要な事項につきまして、私どもの方でも各省庁に資料等調査があるかどうかお尋ねをし、またそれがない場合につきましては、そういった方面についても、今後、男女共同参画の視点を入れた調査を実施していただきたいということでこれを働きかけているところでございます。
#85
○入澤肇君 これは行政の一つのやり方ですからそれぞれのお考えがあるでしょうけれども、せっかく新しい局ができるわけでございますから、相当思い切って意欲的にやってもらいたいと思うんです。
 例えば、男女共同参画担当局長というのは何も女性じゃなくたっていいわけです、男性だっていいわけです。それから通産省の何とか局長というのも男性じゃなくたっていいわけですね。そういうふうに、官僚体制の中で女性が実績を上げることによって女性の力を皆に見せつけるという大事な場面ですから、ぜひトップダウンで各省庁を督励して実態調査をやっていただきたいと私は思います。
 そこで、一、二具体的なことをちょっと教えてもらいたいんですけれども、国会議員の中の女性議員の数、これは戦後大量に進出してその後数字がどうかなと思いましたら、衆議院の方はそんなにふえていない。しかし、最近では五十年間で最初二・七%が五%になりました。それから、参議院の方は最初四・八%が、ふえたり減ったりしたんですけれども、最近では一七・一%になった。
 この状況はアメリカとかイギリス等と比べても遜色ない数字でありますし、オーストラリア、カナダ、スウェーデン、ノルウェーに比べますと相当な差がありますけれども、今までの歴史の経過の中では一応の実績を上げてきていると思います。
 ただ、ここで一つ問題なのは、参議院は一七・一%までいっているんだけれども衆議院はどうして五%なんだろうかと。この差について、これは役人に答弁を求めてもしようがないので政務次官に感想をお聞きしたいんです。比例代表という制度が導入されてからふえたのかもしれませんけれども、女性が選挙に出るときの選挙運動、大変なハンディがあるのかどうか、それから政治活動の面で男性とハンディがあるのかどうか、これは厳しい選挙戦を戦って出てこられた政務次官に、感想でもいいですから若干お聞きしたいと思います。
#86
○政務次官(長峯基君) どういうふうなハンディキャップがあるかということについてはそれぞれの先生方が御理解いただいていると思いますけれども、私は、女性が政治家を目指すのにハンディキャップのないシステムをつくるということが非常に大事ではないか。
 実は、私はきのうも上杉先生のお母様のお葬式に帰りましたけれども、きょうもまた最終便で帰って、副議長が亡くなったものですからそのお通夜に行く。あさってはまた仲人をする。週末の車の中で眠るというような大変な状況でございまして、地方区の議員というものは男性でもなかなか大変だと思いますが、女性が果たしてそういう地方区で肉体的あるいは精神的、そして子供を育てながらということについてはかなりやっぱり厳しいものがあるだろう。しかし、そういうものを要求しないような選挙制度というかシステムになってくれば、まさに私たちが目指している男女共生社会が実現するのではないかというふうに思っております。
#87
○入澤肇君 お世辞を言うつもりはありませんが、極めて名答弁だと思います。
 男女を問わず国民の各階層の意見が国政の場に具体的に反映されるようにするためには、代表を得なくちゃいけない。しかし、いろんな意味で代表が選べない場合には選ばれる仕組みを工夫しなくちゃいけない。現在の選挙制度なりその他の制度がそれにふさわしくないとすれば、十分でないとすれば、それはきちんと正さなくちゃいけない。
 私は、そういう意味でも男女共同参画、局ですか、ここが中心になって具体的な実態調査を積み重ねてもらいたい、こう思うんです。実態調査なくして政策はあり得ない。そういう意味で、時間が来ちゃったんですけれども、お説教じみて申しわけありませんけれども、ぜひ意欲的に取り組んでいただきたいと思います。
 終わります。
#88
○会長(石井道子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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