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1950/12/05 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 文部委員会 第5号
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1950/12/05 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 文部委員会 第5号

#1
第009回国会 文部委員会 第5号
昭和二十五年十二月五日(火曜日)
    午前十一時二十六分開議
 出席委員
   委員長 長野 長廣君
   理事 岡延右エ門君 理事 圓谷 光衞君
   理事 小林 信一君 理事 松本 七郎君
      高木  章君    平島 良一君
      若林 義孝君    井出一太郎君
      笹森 順造君    渡部 義通君
      小林  進君    浦口 鉄男君
 出席政府委員
        文部事務官
        (初等中等教育
        局長)     辻田  力君
 委員外の出席者
        議     員 内藤 友明君
        議     員 受田 新吉君
        運 輸 技 官
        (船員局教育課
        長)      渡邊 俊道君
       專  門  員 織田重左衞門君
        專  門  員 石井  勗君
    ―――――――――――――
十二月二日
 委員渡部義通君辞任につき、その補欠として補
 欠として林百郎君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
同月三日
 委員平島良一君辞任につき、その補欠として玉
 置信一君が議長の指名で委員に選任された。
同月四日
 委員廣野彦吉君、小西英雄君、玉置信一君及び
 坂本泰良君辞任につき、その補欠として島村一
 郎君、小玉治行君、平島良一君及び水谷長三郎
 君が議長の指名で委員に選任された。
同月五日
 委員島村一郎君、林百郎君、水谷長三郎君及び
 佐藤重遠君辞任につき、その補欠として鹿野彦
 吉君、渡部義通君、坂本泰良君及び川野芳滿君
 が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月一日
 国立学校設置法專一の一部を改正する法律案(
 内藤友明君外三十六名提出、衆法第四号)
同月二日
 六・三制校舎建設予算増額の請願(高橋權六君
 紹介)(第一二三号)
 大阪府下学校施設の災害復旧に関する請願(田
 中萬逸君紹介)(第二五〇号)
 奈良女子大学に教育学部設置の請願(前田正男
 外一名紹介)(第二七〇号)
 学秘教育法及び私立学校法の一部改正に関する
 請願(福井勇君紹介)(第二七一号)
 教職員の結核対策強化に関する請願(笹森順造
 君紹介)(第二七三号)
 同(小林信一君紹介)(第二七四号)
同月三日
 教育委員会法等の一部改正に関する請願(中村
 清君紹介)(第三三九号)
 教職員の結核対策強化に関する請願(受田新吉
 君紹介)(第三四二号)
 同(堤ツルヨ君紹介)(第三八四号)
 教職員の私與改訂並びに年末手当支給に関する
 請願(岡西明貞君紹介)(第三七九号)
同月四日
 平和擁護に関する請願外一件(風早八十二君紹
 介)(第三四三号)
 八築中学校の一部接收に伴う対策確立の請願(
 平井義一君紹介)(第四五〇号)
 教職員の結核対策強化に関する請願(松本七郎
 君紹介)(第四五一号)
 同(佐々木盛雄君紹介)(第五二一号)
 教育財政確立に関する請願外七件(菅家喜六君紹介)
 (第四五二号)
 遠刈田小学校雨天体操場建設費国庫補助の請願
 (庄司一郎君紹介)(第四五三号)
 官立商船学校を国立商船高等学校として存置に
 関する請願(土倉宗明君外二名紹介)(第四五
 四号)
 国民平和運動展開に関する請願(小林進君外二
 名紹介)(第四五六号)
 同(岡田春夫君紹介)(第四九五号)
 教員の定員増加に関する請願(笹森順造君紹
 介)(第四八一号)
 国立大学に夜間部設置の請願(笹森順造君紹
 介)(第四八二号)
 国立弘前大学に夜間部設置の請願(笹森順造君
 紹介)(第四八三号)
 定時制課程の設備費及び建築費国庫補助増額の
 請願(笹森順造君紹介)(第四八四号)
 教職員の待遇改善に関する請願(島村一郎君紹
 介)(第五四九号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
同月二日
 錦帯橋復旧に関する陳情書(山口市山口県議会
 議長清水為吉外一名)(第一二九号)
 教職員の認定講習改正に関する陳情書外一件(
 小倉市湯川八百九十八番地馬場国治外十四名)
 (第一四〇号)
 教育公務員の結核療養期間延長に関する陳情書
 外二件(山口県吉敷郡国立療養所山陽荘内山崎
 眞一外二百三十九名)(第一四三号)
 六・三制校舎建築整備費に対する国庫補助継続
 の陳情書外一件(長野県下伊那郡町村会長塩沢
 治雄外一名)(第一五九号)
 標準義務教育費法制定に関する陳情書(横浜市
 神奈川区白楽町百番地横浜市P・T・A連絡協
 議会会長中村源兵衛外二名)(第一六一号)
 新教育政策の確立並びにその強化充実に関する
 陳情書外三件(小倉市北方小学校山県巧外百四
 十五名)(第一六二号)
 六・三制校舎建築整備費に対する国庫補助継続
 の陳情書(秋田県由利郡金浦町土倉益栄外二十
 三名)(第一六四号)
 教育予算増額に関する陳情書(広島県豊田郡豊
 栄村五番地豊栄中学校長萩実外四名)(第一六
 七号)
 教育公務員の結核療養期間延長に関する陳情書
 外一件(松江市外乃木村国立島根療養所内島根
 県療養教員会青木達男外一名)(第一六九号)
 福井県の教育費国庫補助増額に関する陳情書(
 敦賀市嶺南各町村長代表敦賀市長川原與作)(
 第一七六号)
 北海道の六・三制校舎建築整備費国庫補助増額
 の陳情書(札幌市北海道父母と先生の会会長新
 田啓二郎)(第一八二号)
 六・三制教育施設費国庫補助増額の陳情書(山
 口市山口県議会議長清水為吉外註名)(第一九
 四号)
 教職員の認定講習費国庫補助に関する陳情書外
 一件(仙台市東北七県自治協議会長佐々木家壽
 治外十五名)(第二〇八号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 国立学校設置法等の一部を改正する法律案(内
 藤友明君外三十六名提出、衆法第四号)
    ―――――――――――――
#2
○長野委員長 開議を開きます。
 国立学校設置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。これより提出者の提案理由の説明を求めます。提出者内藤友明君。
    ―――――――――――――
#3
○内藤友明君 ただいま議題となりました国立学校設置法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
 まず皆様に御了承いただきたいことは、私どもがこの案を提出いたしましたのは、現在運輸省直轄の商船学校が富山、三重、山口、廣島、愛媛の五県にありますので、この五県出身の者が、地元の県庁及び町村当事者と、数回にわたりまして、この商船学校問題に関しまして協議、懇談を重ねました。その結果地元の強い希望によりまして、この法律案を立案いたした次第であります。そういたしまして関係方面とも交渉いたしまして提案の運びになつたのであります。そういう関係上提案者となつた次第でありますので、何とぞ御了承いただきたいと思うのであります。
 御承知の通り新しい憲法によりまして教育の基本が確立いたしまして、この精神に基きまして六・三・三・四制の新学制がしかれ、すでに実施されておるのであります。船員教育につきましても、昭和二十一年八月、運輸省内に船員教育委員会が設けられまして審議いたしました結果、従来の高等商船学校は商船大学に、商船学校は商船高等学校に、それぞれ転換することの方針がきまりました。これによりまして、去る四月に従来の高等商船学校が商船大学に切りかえられ、文部省に移りました。しかし商船学校は、いまなお学校教育法第九十八條のいわゆる従前の規定による学校として経営されているのであります。ところが今年の夏、アメリカから第二次教育使節団が来朝されまして、種々調査研究の結果、九月二十二日にマッカーサー元帥に提出されました報告書に、現在他省によつて実行されている教育機構は、すべからくこれを文部省に移管すべきであるといつているのであります。この法律案は、以上の趣旨に基きまして、運輸省の直轄しております。学校教育法第九十八條によります五つの商船学校を、運輸省設置法の規定から除き、新たに掌校教育法弟一條による商船高等学校といたしまして、これを国立学校設置法に規定したし、文部省の所管にかえようとするものであります。
 かような趣旨によるものでありますが、法律案の内容に不備な点があろうかと思いますので、委員会におかせられまして十分御審議くだされ、恐縮でありますが、なるべく早目に御決定願い、ぜひともこの臨時国会中に何とか成立せしめたい念願でありますので、よろしくお願い申し上げます。
 なお商船学校等のことにつきましては、文部、運輸両当局の関係から、並びに同僚の提出者からもそれぞれ御質疑に答えると思うのでありますが、よろしくお願い申し上げます。
#4
○長野委員長 次に質疑に入ります。質疑は順次これを許します。井出一太郎君。
#5
○井出委員 文部当局もお見えのようでございますが、文部省の意見をひとつ承つておきたいと思います。
#6
○辻田政府委員 お答え申し上げます。教育機関の所管の問題につきましては、従来から文部省といたしましては、一般人を対象といたしまする教育機関は、文部省において所管するという方針で来ておるわけでございます。従つて不特定多数の一般人を收容いたしまして教育するのは文部省であるという建前でございます。今回の商船学校は一般人を対象とする学校でございますので、戰時中一時運輸省の方に移管されておりました商船学校も、国会の要請によりまそし商船学校は文部省の方に移管されるということにつきましては、何ら異存はないばかりでなく、本筋に帰つたような形になるのでありまして、賛成でございます。
#7
○井出委員 ただいま政府委員から、文部省としてはこの案に賛成のように言われましたが、運輸省の意見も伺いたいと思います。
#8
○渡邊説明員 教育課長として御説明いたします。運輸省には船員教育審議会がございまして、商船学校学制については、現在これをかけまして審議中であります。審議会で小委員会を設けまして、專門的にこの商船学校の学制について、前後十回にわたつて審議されまして昨日小委員会の決定がなされたのでございます。それによりますと、学校教育法による商船高等学校とするということに決定せられましたので、運輸省としては、この線に浩つて事務的な処理をしたい、こう考えております。
#9
○井出委員 文部省とされまして、この問題について、運輸省の方と今までに何らかの御折衝があつたかどうか。提案者の希望に沿うべく事前の了解があつたかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
#10
○辻田政府委員 この問題は、先ほど御提案の方からお話がございましたように、現在五つの商船学校の所在しておりまする県当局、それから地元の方方の非常に熱烈な御希望がありまして、文部省といたしましても、その点は十分了承しておつたのであります。ただしかし、先ほど運輸省の船員教育課長からお話がありましたように、船員教育審議会において御審議中であるということでございましたので、この審議の結果を待つというふうな形で、直接に文部省が運輸省に移管を促進するように話かけたことはございません。しかし国会におきまして、あるいは地元の方々の非常な御熱望もございますので、その線に沿いまして、もし移管が行われるといたしますれば、円滑にいたしますように、事務当局同士におきましては、緊密に連絡をとりまして、話合いを進める計画でございます。
#11
○井出委員 もう一ぺん運輸省の方にお伺いいたしますが、ただいま伺いますと、船員教育審議会でこの問題を坂上げ、しかも小委員会に移して一応結論が出たように承りました。そこで国会の方で、先ほど提案者の説明を承つた線に沿いまして、国立学校設置法等の改正を行いました際には、運輸省側では、無條件ということはあるいはないかもしれぬけれども、とにかくこの線に浩つて移管をしてけつこうであるという線まで来ておるのであるか、その点を伺いたいと思います。
#12
○渡邊説明員 運輸省としましては、研究をいたしておるのでありますが、今度新制高等学校に切りかえました場合、考慮し処置をしなければならないというような点を書きあげまして、文部省とも話合の上、現在の生徒、職員並びに今後学校の教育並びに運営がよりよくなりますよう打合をして行きたい、こういうふうに考えております。なお考慮すべき点等は、印刷物にいたしておりますので、御参考にしていただければけつこうと存じます。
#13
○井出委員 ただいま御説明の、考慮すべき幾多の点についての印刷物があるようでありますが、これは今日ただちにでもわれわれの方に御配布願われますか。
#14
○渡邊説明員 用意いたしております。
#15
○井出委員 それではその資料をちようだいして、それからまた申し上げることにいたします。
#16
○松本(七)委員 この問題は、すでに昨年からわれわれこの委員会でも問題にしておりまして、なるべくすみやかに文部省の所管になつて、教育というものが文部省で一貫されるようにということを要望いたしておつたのですが、文部省としても、すみやかにできるように運輸省の審議にまつというような御返答が、以前からあつたわけです。それがようやく実現の運びになりましたので、説くとしても、もちろん異存はないわけでございますが、ただ今後所管省となられる文部省の商船学校の教育方針というものを、ここで少しはつきり伺つておきたい。と申しますのは、昨年もこの問題を取上げた場合に、私から一言申し上げましたように、今までの商船学校の教育というものは、まつたく海軍の従属物としての船員をつくるというような建前でやられて来た。そこに大きな特色もあつたわけです。今後日本としては平和的な海運を大いに発展させなければならないときに、従来のそういつた海軍の従属物というようなものを否定した上の海運の発展であり、船員教育の発展でなければならないとわれわれは考えるわけです。そういう根本方針についての文部省の御意見を承つておきたいと思います。
#17
○辻田政府委員 教育につきましては、基本的な方針は、憲法並びに教育基本法に根拠を置きまして、その線に浩つて教育を実施しておるのでございますが、特に商船教育につきましても、その基本的な線は憲法並びに教育基本法の精神に沿つてやつて行きたいと思います。従つて、單なる技術者というだけでなく、国家並びに社会の形成者としてのりつぱな人をつくるということが、一つの眼目でございます。同時に、商船技術を体得して将来国際的なレベルにおいて平和的な海運の中堅となつて行くような船員を養成するという面におきまして、特に技術的な面においても、重点を置きたいと思つておる次第であります。なおその特性を十分尊重いたしまして、あるいは航海関係、あるいは機関関係におきましても、その特性を生かして、十分教育いたしたいと念願しておる次第でございます。
#18
○小林(信)委員 大体文部省の方へ移管できるようなことを、両省からお伺いできたわけですが、大事な点は、これが文部省の方に移管された場合に、国立という建前がとれるかどうか、またその理由が成り立つかどうか、そういう点についてお伺いしたいと思います。
#19
○辻田政府委員 お説の通り、現在では運輸省所管の国立商船学校として運営をされておるわけでありますが、今回これが文部省の所管に移管されることになりますならば、ただちにこれを国立経営のもとに実施して行きたいと考えておる次第であります。
#20
○小林(信)委員 そうした場合にただいまの運輸省の方で持つております定員が、そのまま移譲されて、文部省としてその定員でやつて行けるかどうか。さらに経費等の問題もあると考えますが、その点が、はたしてこの法律を通しただけで運営できるかどうか、お伺いしたいと思います。
#21
○辻田政府委員 現在行政機関職員定員法によつてきめられておりまする商船教育関係の職員は、そのまま文部省に移管していただくというふうに存じております。将来これをどういうふうに拡充して行くかということは、非常に大切な問題でありますが、文部省といたしましては、将来の海運界のことも十分研究し、関係各庁とも緊密な連絡をとりまして、この時代に即応ずべく、遺漏ないようにして行きたいと思つておる次第であります。
#22
○小林(信)委員 定員の問題は、運輸省の方の内容を見ますと、三百七十三八がこのために減になりますから、それがそのままこつちの方に移譲されると思いますが、二百七十三人というのは、これを運営するために――学校そのものでなく、本省の方にも、その事務員とか、それに要する人員等があると思いますが、そういうふうなものを全部入れての二百七十三人であるかどうかを、運輸省の方にちよつとお伺いしたいと思います。
#23
○渡邊説明員 今二百七十三名ということをおつしやいましたが、来年度の定員といたしましては、商船学校として定員をとつておりまして、大蔵省の査定によりまして二十名減になつております。従いまして、運輸省が所管が皇をするとすれば、その中から二十名引いた員数が、移ることになります。なお予算は商船学校としてとつておりますので、商船学校として成立した分だけは移しがえをする予定でおります。なお本省要員につきましては、現在文部省とも話合い中でありまして、大蔵省の査定された数字が非常に少いので、今後運輸省との事務の関係等勘案の上その数を決定したい、こういうふうに考えております。
#24
○小林(信)委員 今のようなお話を承りますと、文部省としてこれを引継ぐ場合に、その後においても文部省の意図に浩つて、定員その他経費等を適切にして行かなければならぬという文部省の方の御意見だと思いますが、とにかく今定員は減員という大蔵省の方の態度であるという点、それから経費等においても、文部省としては今のところどういうふうなお考えでおられるのですか。とにかくこの定員とこれに伴うところの経費だけで、さしあたつてやつて行けるかどうか、これは文部省の方からお伺いしたい。
#25
○辻田政府委員 今後の問題につきましては、先ほど申しましたように、十分研究いたしたいと思いまするが、さしあたりといたしましては、現在の運輸省でおとりになりました経費をこちらに移管していただきまして、それでやるよりほか道がないと思つております。なお定員の問題、特に本省要員の問題でございますが、これにつきましては、運輸省の教育課長からお話がありましたように、目下両者で今日も実は相談しておるような程度でございます。いずれできるだけすみやかに決定いたしたいと思います。
#26
○小林(信)委員 提案者にお伺いしたい。提案理由の中にはつきりしておらなかつたのですが、運輸省から文部省の方に移管されることを希望しておられるのですが、どういう点において運輸省に属しておる方がうまく行かなくて、文部省の方に移管されることの方がいいか、その点もう少し詳しく御説明を伺いたい。
#27
○内藤友明君 これは文部委員が知つているはずであります。かえつて小林さんの方がよく御存じだと思います。つまり筋の通つたものにしておきたいということでありますから、どうかよろしく。
#28
○小林(信)委員 文部委員はもちろん知つていることは当然でありますが、地元民の御意向というものもこの際お聞きしないと、文部委員だけで決定すべきものでないと思いますから、お伺いしたのですが……。
#29
○内藤友明君 受田君から御説明いたします。
#30
○受田新吉君 提案者の一人としてただいまのお尋ねの問題にお答えいたしたいと思います。元来、商船学校は、文部省令によつてできた学校で、その後昭和十七年でしたか、運輸通信省ができてその方へ移管されて今日に至つているわけなんでありますが、この文部省所管の学校から運輸省へ所管がえされたという歴史から見てわかる通り、先ほど松本さんがお尋ねになられたような意味で、海軍の関係とししても、ある程度海事教育をそういう方向に向けようとした意図から、その所管がえをしたようにも思われます。従つて船員教育という教育の面を特に考えた過去の文部省所管時代の本筋へ帰すことが、今日平和日本を目ざしている立場からも妥当であるということ、それから先ほど提案理由にも説明した通り、教育はすべて文部省所管の体系の中へ入れることが正しいということは、勧告案にも言われてある通りであつて、この点特に他の省に存置されておつた教育機関を、この国立学校が設置される機会にこれを漸次取入れようとしたことは、これは文部省が当時声明した通りであり、われわれもこれを要望したところであります。そのためにどうしても船員の教育の面は、学校教育の系列の中に入れられるということが本筋であつて、そのほかの、実習その他により特技の免許、資格を与えるということは、まだ教育のほかにおいてなされるのが妥当であると思いますので、この点文部省が特に本筋として、商船高等学校として文部省に移管すべきであるという態度を最近において明らかにしていることは、妥当である思うのであります。特にわれわれ提案者としても、各地にこの商船高等学校が建てられて、地方の中産階級以下の子弟を教育する機関を持つていることは、非常に大事なことであつて、特に将来高級船員の立場に立つ船員を若い時から養成するというような機運をつくることも必要だと思いますし、いろいろな角度から見て、商船高等学校をつくつて運輸省所管の方向から文部行政の中に取入れるということは、時代の要請であり、また教育体系から見て妥当な方法だと考えまして、提案者一同こぞつてこの問題を皆様に持ちかけて御協力を願いたいと思う次第であります。
#31
○圓谷委員 これは実施年度は、昭和二十六年度になるのですか。
#32
○内藤友明君 そうであります。
#33
○圓谷委員 それで予算処置ですが、これは運輸省で二十六年度の予算をとつたものを、文部省の方に移管されるのですか。
#34
○内藤友明君 そうであります。
#35
○圓谷委員 それからもう一つですが、審議会の方から出ておりますプリントを見ますと、これを実施する上において、12345と五つの問題がありますが、これを措置できますか。たとえば、技術の方面を担当する者について免許状を得られない者が起るという問題がありますし、また單元の問題等もありますが、これは文部省の方と話が進んでおりますか、これは重要な問題だと思いますが……。
#36
○渡邊説明員 それでは、運輸省から出しております資料のうちの御質問のようにお伺いしましたので、運輸省側で説明いたします。
 第一の表紙は、昨日決定になりました小委員会の決定の内容であります。第二枚目の「二」というのが、運輸省が考えました考慮すべき点と処置を必要とする点であります。
 その1は、新制高等学校になつた場合には、八十五單位を修得すれば卒業資格が与えられる関係上、現在運輸省が実施しております教育から比較しますと、四十二單位足りない形になるのであります。従つてこの四十二單位を選択その他においてやるとしましても、なお時間数において制約を受けるだろうと考えておるのであります。従いまして全生徒が現在やつております甲二程度の海技免状を受けることは、事実上どうも困難であろうと考えておるのであります。
 2といたしましては、本科を卒業したのみでは船舶職員としての資格は得られないのであります。従いまして專攻科等を設けられまして実習過程を置かれることが必要であると思うのであります。なお高等学校にした場合はどの程度の実習期間をもつて免状の受験資格を与えるかということにつきましては、海上保安庁の船舶職員法令分科專門委員会において現在審議中でありまして、これは次の通常国会に法案の改正を出す予定になつておりますから、それまでには決定される予定であります。
 なお3といたしまして、現在制定されております教職員免許法によりますと、船長、機関長等、專門的な教官を入れるにあたりまして、学歴の点で專門教官になり得ないのがあるのであります。現在運輸省におきましては、そういう優秀な技術者を教官として採用上て、教育を実施しておるのであります。その数は4に掲げられてありまして、八十三名のうち約二十名がその資格を失うのであります。従いまして、この人たちの教員としての資格があるかどうか等の研究と、なおあるとすれば、これを何らかの形で法的に処置していただかなければならない、こう考えておるのであります。
 5としまして、現在生徒は、船舶職員法の制定によりまして、在校生は卒業と同時に甲二の免状を授与いたしております。その資格を持つておるわけでありますから、何らかの方法で現准の生徒だけは、前の商船学校教育によつて実施願いたいという考えを持つております。
#37
○圓谷委員 これらの処置について、文部省当局にお伺いしますが、これらの処置をできるような方法が講ぜられておるかどうか。
#38
○辻田政府委員 ここに運輸省の案としていろいろ出ておりまする問題は、いずれも重要な問題でございますが、今回商船学校を新制の高等学校として改組いたします場合に、商船大学との関係をどうするかという問題、また資格等につきましての問題が多々残つておるわけでおります。現在はこれに書いてありますように、甲二程度の海技免状を得るものとして教育されておるのでありますけれども、これが新制高等学校となつた場合に、そのまま実施できるかどうか。先ほど申しましたように、單に技術面だけを重観してやるのではなくして、国家及び社会の形成者としてのりつぱな人格体としての教育をしなければなりませんので、その方面にも相当時間を持たなければならないと思つておるのであります。従つてこの卒業者の資格を甲二にするか、あるいはまた多少程度をかえるかというような問題は、重要な問題であります。十分研究いたしまして、できるだけ要望がかなえられるように努力したいと思いますが、一方現在船舶職員法令分科專門委員会におきまして、船舶職員法の改正案の研究中でございますので、その成案ともにらみ合せまして、近時適当な処理をしたいと思つておる次第であります。
 なお現在の職員八十三名のうち、二十名は現在の免許法の規定では資格を得ることができませんが、これにつきましては、すぐ起る問題ではございません、二年後に起る問題でありますが、しかし今回御提案の案によると、一応そのままの形で商船学校から商船高等学校の教諭になることになつておりますから、二箇年後に起る問題であります。この間に十分研究して、できるだけ救済できるように努力したいと思つておる次第であります。
#39
○岡(延)委員 ただいま議題になつておりますこの五つの商船学校というものは、御案内の通り、その沿革をたどりますと、あるいは町村立あり、あるいは都立あり、これが整備昇格として県立となり、それから運輸省に移管された。こういう長い、また復離な沿革歴史を持つておるのであります。ところが今回幸いにして文化国家建設といいますか、そういう線に沿いまして教育の整備一体化――これは御承知の通りアメリカの教育使節団の勧告によるのでありますが、こういう大理想のもとに今回文部省に商船高等学校として正式に移管されるということは、われわれ文部委員としてはまことに慶賀にたえないところであります。そこで文部省としましては、これはもつと早く実は文部省に移管さるべきものであつたと思う。要するに早く嫡子になるべきものが、戸籍が他のところにあつた、それが本家に帰つたということは、文部省として喜ばなばならぬとわれわれは思うのであります。そこでこの文部省へ移管整備ということは、各派一致しているようでありますから、もちろんこれが通常するといたしまして、文部省としてはこれを契機として、またこれを一体化するという再びもあわせて現わすために、内容的に思い切つた整備拡充の抱負と結論を持つておるか、その点の覚悟のほどを示してもらいたい。
#40
○辻田政府委員 ただいまお話になりましたこと、まつたく御同感でありましてわれわれといたしましては、一時ほかに預けてあつたものが元のうちに帰つて来たというふうな喜びを感じておる次第でございます。従つてせつかく運輸省におきましてある程度育てられたものを、今後一層りつぱに育てて、日本の海運界のため、十分盡したいと思つております。ただ具体的にどういうように今後拡充して行くかという問題につきましては、さつそく委員会等を設けて、関係各省、また学識経験者、一般の方々の御参加を願いまして、拔本的な改革案をつくつて拡充して行きたいと思つておる次第であります。
#41
○井出委員 商船学校というのは、特殊な学校でありますから、普通の整地や建物のみを移管するというだけでは、事が足りないのであります。たとえば、農林関係の学校が農場や演習林を持つておると同じように、練習船というような問題がおそらくあるだろうと思うのであります。これは現在用いておるものを、運輸省側では快くこれを移管するか、あるいはそれに対して何らか機会を与えるような適当な考慮が施されてあるか、この点を伺つておきたいと思います。
#42
○渡邊説明員 航海訓練所は、現在日本に一つありまして、商船大学、海拔專門学院、商船学校、海員養成所等船員教育機関の海上訓練を実施いたしております。非常に費用がかかりますので、最小の施設をもつて最大の効果をあげるように運営をやつております。乗り込む場合は、いろいろな関係もありまして、生徒は船員として取扱つて教育を実施しておるような実情であります。そういうような関係にありますので、船を一ぱいなら一ぱいだけ移しても、実際の運営に困りまして、また国家としても非常に不能率な運営になるので、どこまでもこれを一本でやるというふうに文部省とも話合いをつけまして、前の商船大学、なおこのたびの商船学校を文部省に移管するようになつたのであります。従いまして、運輸省としましては、海上訓練に関しては、文部大臣と協議の上、全面的にお引受けをするように話合いができております。
#43
○浦口委員 一点お尋ねいたしておきます。予算は運輸省の予算が、そのまま文部省に移管されると聞いておりますが、今岡委員から御希望もありましたように、非常に海員の養成は今後の日本の経済的独立にも重要な意味を持つておりますので、昨年度に比べまして、そこに拡充計画があるか、もしあれば具体的にお示しを願いたい。
#44
○渡邊説明員 来年度の予算につきましては、商船学校については昨年と同様とということになりまして、船舶修理等に関して多少の増額を認めてもらつたという程度であります。
#45
○松本(七)委員 提案者にちよつと伺つておきたいのですが、私どもは、先ほど提案者の御説明にもありましたし、また文部省側の答弁の中にもありましたように、教育というわくの中に入れてこれをやるという建前から、大賛成しておるわけです。地元からの要望というものですが、それもやはり同じような考え方のみからの要望であるか、それとも何か地元として特別な理由があつたのか、その点を伺つておきたい。
#46
○内藤友明君 ただいまのお尋ねでありますが、実は地元の要望に応じまして立案いたしたものであります。大体この方の関係の方は、昨日運輸省の審議会で結論を出されました方向に実はあつたと思うのであります。そういうことで、私どもが実は陰ながらいろいろやつておつたのでありますが、しかし正直なところを申しますと、私ども実は盲でありましたので、文部省に伺つてもよくいろいろな事情をお聞かせ願うことができなかつた。また運輸省は――これは申し上げていいかどうかわかりませんけれども、私どもにいろいろ聞かされておりましたのは、どうも運輸省は離したくない、だからそこへ行つても話は通らぬぞということを聞かされておつたものですから、文部省、運輸省両方へ行つていろいろ專門的な御意見を承るという機会が実は少かつたのであります。そういうことから、あるいはこの法案は多少專門的に見まして、まだ修正を要するところがあるかとも思うのでありますが、その点はひとつ御了承いただきたいと思います。しかし関係方面の了解を得ました後におきまして、運輸、文部の両省の皆さんにお願いいたしまして、いろいろ御了解を得ましたところ、今日におきましては完全な意見の一致をいたしておるのでありまして、従つて昨日の審議会においても、今運輸省からお話がありましたような線が出て参つたのであります。こうなつておるのであります。大体その線に一致しておるかと考えております。
#47
○松本(七)委員 われわれとしては、これを実現することを大いに促進もしなければなりませんし、望んでおるのですが、それともそういう教育が順調に移されて順調に行くことが大切なんで、万一移るには移つたが、いろいろな支障が起つたというのでは、たいへんなことであります。今もちよつとお言葉にありましたようにせつかく円満に移ることに決定をした以上は、文部省が所管して、十分またより以上にこれが円滑にやつて行けるという確信がおありだろうと思うのでありますが、その点をもう一度文部省側からはつきり言明していただきたいと思います。
#48
○辻田政府委員 こういう学校移管という問題につきましては、ややともするとトラブルがあつたりするおそれがあるのでありますが、運輸省と文部省といたしましては、事務的にまつたく一致して緊密な連絡のもとに、移管についても遺漏のないように、また今後の運営についても遺漏のないように、せつかく努力しておる次第であります。また運輸省の方でも、そのつもりでやつていただいておるので、梓来支障のあるということは、全然予想されないのでございます。
#49
○浦口委員 私も、ただいまの質問にいま一つ追加してお尋ねしたいのであります。運輸当局のお話で、来年度の予算には、船舶修理費が幾分増加されただけであるというお話でありますが、それが決定されるまでに、運輸省としてはどういうふうな計画で、どのくらい御要求になつて、こういう結果に落ちついたか、それに対しての御意見をちよつとお聞かせ願いたいと思います。
#50
○渡邊説明員 運輸省としましては、従来商船学校は、生徒に衣服、糧食、学用品等の給与または貸与を実施し、授業料その他は全額免除して実施いたして来たのであります。ところが戰後これが全部廃止になりましたので、商船学校教育は、むしろ他の学校教育よりも、生徒の負担が大きくなつておるのであります。そのために優秀な青少年を集める必要がありますので、何らか生徒の負担を軽くして、しかも船員として必要な教育、訓練を実施したい、こういう考えで準備いたして来たのであります。そういう関係から、本年度大蔵省に要求しました内容を申し上げますと、生徒に諸度調弁費と申しまして、入学の際一定の金額を貸しまして、それによつて教科書その他衣服等のいいものを与え、そのかわり生徒が在校中にその分を月々返して行く、こういう制度であります。そういう制度によつて生徒の負担を軽くすべく努力したのでありますが、やはりこの線は許されなくて、結局とれなかつたのであります。もう一つは教官の研修費であります。これにつきましても、努力いたしたのでありますが、文部省その他においてその例がないということで、これも見送りになりました。但し、これについては、来年度あたりには相当努力をするような係官の言葉でありました。その他世界の海運の進歩とともに、日本は十年遅れておりますので、航海計器その他進んだ教材がないのであります。これを整備すべく多額の費用を要求したのでありますが、この点も本年度は見送りになつております。以上が大体大きな費用の点であります。
#51
○岡(延)委員 質疑も大体終つたようでありますから、ここで数分間休憩しまして、理事会を開きたいと思います。
#52
○長野委員長 暫時休憩の動議が出ましたが、いかがですか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○長野委員長 それでは暫時休憩いたします。
    午後零時十五分休憩
    ―――――――――――――
    午後零時二十一分開議
#54
○長野委員長 これより再開いたします。
#55
○岡(延)委員 国立学校設置法等の一部を改正する法律案に対する質疑はこれにて打切り、討論、採決は明日に延期せられんことを望みます。
#56
○長野委員長 ただいまの岡君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
#57
○長野委員長 御異議なしと認めます。それではさよう決定いたします。
 本日はこれにて散会し、明日午後一時より開会することにいたしたいと存じます。本日はこれにて散会いたします。
    午後零時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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