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1999/12/09 第146回国会 参議院 参議院会議録情報 第146回国会 行財政改革・税制等に関する特別委員会 第5号
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1999/12/09 第146回国会 参議院

参議院会議録情報 第146回国会 行財政改革・税制等に関する特別委員会 第5号

#1
第146回国会 行財政改革・税制等に関する特別委員会 第5号
平成十一年十二月九日(木曜日)
   午後六時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月九日
    辞任         補欠選任
     須藤美也子君     吉岡 吉典君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川 芳男君
    理 事
                大島 慶久君
                谷川 秀善君
                三浦 一水君
                吉村剛太郎君
                佐藤 泰介君
                藤井 俊男君
                森本 晃司君
               日下部禧代子君
    委 員
                阿南 一成君
                岩瀬 良三君
                岩永 浩美君
                海老原義彦君
                大野つや子君
                亀井 郁夫君
                亀谷 博昭君
                久野 恒一君
                佐藤 昭郎君
                中島 啓雄君
                畑   恵君
                脇  雅史君
                伊藤 基隆君
                石田 美栄君
                今井  澄君
                江田 五月君
                小川 勝也君
                谷林 正昭君
                内藤 正光君
                福山 哲郎君
                荒木 清寛君
                魚住裕一郎君
                海野 義孝君
                林  紀子君
                吉岡 吉典君
                谷本  巍君
                阿曽田 清君
                菅川 健二君
                石井 一二君
   国務大臣
       文部大臣
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       中曽根弘文君
       国務大臣
       (総務庁長官)  続  訓弘君
   政務次官
       文部政務次官   河村 建夫君
       総務政務次官   持永 和見君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        石田 祐幸君
   政府参考人
       科学技術庁原子
       力局長      興  直孝君
       文化庁次長    近藤 信司君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○中央省庁等改革関係法施行法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○国立公文書館法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
○独立行政法人通信総合研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人消防研究所法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人酒類総合研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人国立特殊教育総合研究所法案(内
 閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人大学入試センター法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合
 センター法案(内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人国立女性教育会館法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人国立青年の家法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○独立行政法人国立少年自然の家法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人国立国語研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人国立科学博物館法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人物質・材料研究機構法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人防災科学技術研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人航空宇宙技術研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人放射線医学総合研究所法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○独立行政法人国立美術館法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人国立博物館法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人文化財研究所法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○独立行政法人国立健康・栄養研究所法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○独立行政法人産業安全研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人産業医学総合研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人農林水産消費技術センター法案(
 内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人種苗管理センター法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人家畜改良センター法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人肥飼料検査所法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○独立行政法人農薬検査所法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人農業者大学校法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○独立行政法人林木育種センター法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人さけ・ます資源管理センター法案
 (内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人水産大学校法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人農業技術研究機構法案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人農業生物資源研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人農業環境技術研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人農業工学研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人食品総合研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人国際農林水産業研究センター法案
 (内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人森林総合研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人水産総合研究センター法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○独立行政法人経済産業研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人工業所有権総合情報館法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○貿易保険法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○独立行政法人産業技術総合研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人製品評価技術基盤機構法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○独立行政法人土木研究所法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人建築研究所法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人交通安全環境研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人海上技術安全研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人港湾空港技術研究所法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○独立行政法人電子航法研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人北海道開発土木研究所法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○独立行政法人海技大学校法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人航海訓練所法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人海員学校法案(内閣提出、衆議院
 送付)
○独立行政法人航空大学校法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人国立環境研究所法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構法案
 (内閣提出、衆議院送付)
○自動車検査独立行政法人法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○独立行政法人統計センター法案(内閣提出、衆
 議院送付)
○独立行政法人の業務実施の円滑化等のための関
 係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)

    ─────────────
#2
○委員長(吉川芳男君) ただいまから行財政改革・税制等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、須藤美也子君が委員を辞任され、その補欠として吉岡吉典君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(吉川芳男君) まず、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 中央省庁等改革関係法施行法案、国立公文書館法の一部を改正する法律案等独立行政法人個別法関係五十九法律案及び独立行政法人の業務実施の円滑化等のための関係法律の整備等に関する法律案の各案審査のため、本日の委員会に科学技術庁原子力局長興直孝君及び文化庁次長近藤信司君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(吉川芳男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(吉川芳男君) この際、中曽根科学技術庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。中曽根科学技術庁長官。
#6
○国務大臣(中曽根弘文君) 一昨日、当庁の政府参考人の出席の件で本委員会の御審議に大変御迷惑をおかけいたしました。今後十分に注意してまいりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
    ─────────────
#7
○委員長(吉川芳男君) 中央省庁等改革関係法施行法案、国立公文書館法の一部を改正する法律案等独立行政法人個別法関係五十九法律案及び独立行政法人の業務実施の円滑化等のための関係法律の整備等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
 本日は、独立行政法人個別法関係五十九法律案中、文部科学省関係十五法律案及び厚生労働省関係三法律案について質疑を行います。
 質疑のある方は御発言願います。
#8
○林紀子君 きょうは私は、まず放射線医学総合研究所について御質問したいと思います。
 政府参考人、おいでいただいておりますのでお聞きいたします。今回独立行政法人化される研究所に放射線医学総合研究所がありますが、東海村でのジェー・シー・オー臨界事故でこの研究所はどういうような役割を果たしておりますでしょうか。
#9
○政府参考人(興直孝君) 先生の御質問に対しまして御説明申し上げます前に、一昨日のおわびと、また今後の私の姿勢につきまして一言御説明させてくださいませ。
 一昨日、政府参考人としての私の出席がおくれましたことによりまして、林先生はもとより委員会の皆様方に御迷惑をおかけいたしました。まことに申しわけございません。先ほど大臣から発言がありましたとおり、私は今後、国会の審議に当たりまして全身全霊を打ち込んでまいりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 ただいま先生から御質問のございました東海村のジェー・シー・オー事故に当たっての放射線医学総合研究所の役割、行った措置でございますけれども、放射線医学総合研究所は、事故当日の午後三時過ぎに三名の重度の被曝患者を受け入れ、緊急被ばく医療ネットワーク会議の助言のもと、治療を行ってまいりました。
 また、事故後の住民対応といたしまして、十月中旬より茨城県の住民の方に対する放射線の人体への影響に関する説明会を実施するとともに、週二回東海村におきまして放医研の医師による健康相談を実施してきているところでございます。
 さらに、被曝者の正確な線量推定のため、原子力安全委員会健康管理検討委員会の方針に従いまして、十一月中旬には住民の方々の行動調査を実施してきたところでございます。
#10
○林紀子君 お答えのように、この放医研というのは大変重要な役割を果たしてきたと思います。
 局長にもう一点確認したいところがあるんですけれども、九七年の六月に改訂されました防災基本計画では、緊急被曝医療の中核機関、こういうことでこの放医研が位置づけられております。
 放射線事故が起こったときには、まず第一レベル、原子力施設内の救急医療施設で被曝者に対応する。そして、ここで治療が難しいとなると第二レベル、地域救急医療機関、今回は国立の水戸病院がそれに当たると思うんですが、そこに運ぶ。そして、そこでも対応し切れないときは第三レベル、放射線専門病院に搬送する。
 この第三レベルが中核機関、放射線医学総合研究所ということになると思うんですけれども、この緊急被曝医療の中核機関というのは、この放医研以外には日本ではどこにありますでしょうか。
#11
○政府参考人(興直孝君) 御説明申し上げます。
 放医研以外にはございません。
#12
○林紀子君 この放医研以外には緊急被曝医療の中核機関というのがないと、これがただ一つだということがわかりました。
 放射線の重大事故が起こりますと、例えば原発のある地域、遠いところでは北海道の泊原発、南は鹿児島県の川内原発、全国十九カ所に原発というのは散らばっているということですが、この放医研の医療チームがいざ重大事故だということで直ちに現地に赴くにしても、また重傷者が今回のようにここに搬送されるにしても、国内唯一の被曝医療の中核機関として今後人員、設備、あらゆる面での充実がどうしても必要だと思うわけですが、科学技術庁長官としてこの予算についてはどういうふうにお考えになっておりますでしょうか。
#13
○国務大臣(中曽根弘文君) 原子力災害の際、放射線医学総合研究所の果たす役割は大変重要でございます。
 今回の事故の教訓も踏まえまして、緊急時被曝医療体制のさらなる充実強化が必要であると考えておるところでございます。このため、第二次補正予算におきましても医療機器の整備等を行うとともに、緊急被曝に関する医療ネットワークのさらなる有効活用ができる体制を平時から整備し、緊急時における迅速かつ的確な対応を図ることといたしております。
 今後とも放射線医学総合研究所の緊急被曝医療体制の充実に努めてまいりたいと思っております。
#14
○林紀子君 今、八億円の補正予算というお話がありましたけれども、放医研にはヘリポートがなかったということです。だから、今回の三人の重傷者はかなり離れたヘリポートにおろされて、そこからさらに四十分かかって救急車で放医研に運び込まれたということを聞いております。
 ですから、そこでヘリポートをすぐつくるというのはぜひとも必要なことだと思います。また、無菌ストレッチャーを備えるとか、応援者の宿泊施設もつくる。今までどうしてこういうものがなかったのかなと不思議に思うほどですけれども、早速手を打ったということは大変結構なことだ、当然なことだというふうに思うわけです。
 しかし、これは機材をそろえたということで、何よりも人員増が必要、ここには今メスを入れていないわけです。放医研の三百八十七名の定員のうち七十三人が病院関係者、お医者さんはそのうち二十名だそうですね。そのほとんどががん治療の最先端であるHIMAC、この装置でのがん治療に従事しているということを伺いました。緊急医療用の人員というのは実は配置されていないというのが現状だということです。
 ですから、これは朝日新聞でも報じられておりましたけれども、今回の重傷者は三人だったから何とか対応できた、それも大学病院などから応援に入ってもらってようやくこれに対処をした。もし十人以上の重症の被曝者が出たらもうお手上げでどうにもならなかっただろう、こういうふうに関係者は口々に言っていたということなんですね。
 この放医研では、現在、染色体の損傷を判定して放射線の線量評価をできるスタッフというのはかなりの数いるということですけれども、これも基礎研究の積み重ねがあったからだというふうにおっしゃっているわけです。ですから、今後、研究部門にももちろん力を入れていかなければいけない。
 また、私はこれは直接お話を聞いたんですけれども、原発を抱える地域では、第二次レベルの医療機関だけではなくその地域の一般病院にも被曝医療の実情をもっともっと教えてほしい、流してほしい、人材育成も強化してほしい、こういう切実な声があるわけです。
 こうした声にこたえるために、人員配置、人員をふやす、それを本気でやる気があるのかどうか、その御決意を科学技術庁長官からお聞きしたいと思います。
#15
○委員長(吉川芳男君) 興原子力局長。
#16
○林紀子君 長官にお聞きしたんですが、どうですか。
#17
○国務大臣(中曽根弘文君) 大変失礼いたしました、御質問の事前のお話がなかったものですから。
 今回のいろいろ事故の反省から、今後厚生省の方の関係で、医療体制、人員の面につきましても配慮を行っていくということを今検討しております。また、放医研の方におきましても、現在いるスタッフの中で今後も強化を行っていく、そういう方針でございます。
#18
○林紀子君 現在のスタッフの中でということなんですけれども、先ほど申し上げましたように、ここでは人員がちゃんと確保されていなかったわけですね、緊急の被曝者のための。そうしますと、現在のスタッフではもう足らないんだ、そのことは今るる御説明したつもりなんですけれども。
 ですから、もちろん医療という部分では厚生省の方もちゃんとやっていただかなくちゃいけませんけれども、この放医研というのはそもそも科学技術庁の管轄の部分ですね。ここが第三次レベルなんですから、どうしてもここにきちんと人をふやしていかなくちゃいけない。いかがでしょうか。
#19
○政府参考人(興直孝君) 御説明させていただきます。
 今、先生のお話がございました点につきましては先ほど大臣から答弁をいたしましたが、まず今回のこの問題の教訓といたしまして、原子力施設を抱えているところにおける緊急時医療が十分でないという問題が顕在化したところでございます。放射線医学総合研究所は千葉の方にありまして、確かに第三次医療機関として専門的な対応をとるわけでございますが、現場の医療体制を充実強化すべきであるというのが地元の方々の大方のお声である、このように考えてございました。
 今回、この補正措置の中におきまして、厚生省の方におきましては国立病院あるいは地方の病院の整備というふうな助成の対応策も同時に講じてきてございまして、あわせて文部省におかれましても大学の病院の整備も図ろうとしているところでございます。
 先ほど来先生からお話ございますように、放射線医学総合研究所は、第三次医療機関としまして最後の銃後のかなめとしての役割を担うわけでございますが、他方、また現場における積極的な医療陣に対する指導、このあたりも重要でございますので、先ほど申し上げました厚生省の国立病院とかあるいは地方の病院でそういう医療機関として整備されるようなところに対しまして、緊急時があれば途端に派遣されて現場対応をし、なおかつ必要な場合には千葉の方の放医研の方に患者さんを移送の上対応する、こういう形をとる予定でございます。
 他方、また先生の方からお話ございました放医研のスタッフは少ないのではないかという御質問でございますけれども、現在放射線医学総合研究所は、この緊急被曝対応というものをとるに当たりまして、先ほど私も御説明したつもりでございますが、緊急被ばく医療ネットワーク会議というものを設けてございます。例えば、委員長に東京大学の救急医学講座の教授でございます前川先生、またその委員のお一人に東京大学医科学研究所の附属病院長である浅野先生がいらっしゃるわけでございます。
 今回三名の方が放医研の方に入られました上で、所要の移植を必要としまして、東京大学病院並びに東京大学医科学病院の方に現在入院をなさっているわけでございますけれども、これも放医研の緊急被ばく医療ネットワーク会議としての活動の一環でございます。
#20
○林紀子君 そのネットワークをつくって、それが今回フルに生かされたというお話は聞きました。東大とそれからあと東京医科学研究所でしたか、一人ずつ入院なさっていますね。
 しかし、今国立病院とか地方の病院をきちんと整備をしていくというお話がありまして、それは非常に重要だと思うわけです。現地でもそういう声が出ているのは確かです。しかし、それならば、第三次レベル、第三次医療機関の役割は何なのかということになるわけです。
 こういう重大事故が起こった場合、すぐ医療チームを組んで、そこへ飛び出していくということも一つの役目でしょう。だけれども、飛び出していくにはHIMACのがん治療をしながら片手間で飛び出していくなんということはできないわけですよ。HIMACの治療というのも今五十人か六十人の入院患者がいて、五、六十人毎日通ってくる人がいる。だから今回の場合も、もし被曝医療の方に全力投球しちゃって、がん治療をしている人にもし何かがあったらどうするか、そういうことも非常に危惧を抱きながらやったということなんですね。
 総務庁長官にお聞きしたいんですが、今のやりとりを聞いておりまして、この放射線医学総合研究所の重要性、役割、どういうふうにお感じになりましたか。
#21
○国務大臣(続訓弘君) 今、林委員とのやりとりを伺いながら、この放射線医学総合研究所が大変重要であるということは私自身も認識しております。
 先ほど林委員がおっしゃいました総人員は三百八十七名、その中で医療スタッフは七十三名、研究員が百九十三名おります。そんな中で、御案内のように十一年度の予算も債務負担三億円を含めて百五十七億円の予算がございます。
 したがいまして、私は、独立行政法人化することによって、この三百八十七人の枠の中で、今、大臣やあるいは局長が答弁されたように、あるいは林先生自身が御心配なさるように柔軟な対応、そしてその柔軟な対応の中で今御指摘のような対応ができるようなそういうシステムをつくっていくのが今回の独立行政法人だと、こんなふうに思います。
#22
○林紀子君 それじゃ全然解決にならないということですよ。柔軟な対応。確かにこんなに重大な事故が起こったわけですから、現場の方たちはもう必死にやっている。必死にやっても三人で限度だ、十人だったらどうしようと言っているわけですからね。柔軟な対応なんかできるはずがない。
 ですから、本当はHIMACの治療などもしながら、ふだんから余裕を持った人員配置をして、いざというときはそういう人たちが後顧の憂いなく重症の被曝地にも駆けつける、それから、こういう被曝者も受け入れながら治療をするということが大事だと思うんです。
 だけれども、独立行政法人になったら柔軟な対応と今おっしゃいましたけれども、独立行政法人の制度そのものというのは中期計画、大臣が定める中期計画には効率化を数値化した収支計画を組まなければならない、こういうふうになっているわけですね。会計は企業会計原則によるもの、こういうふうになっているわけです。
 そうしますと、放医研で、例えばHIMACの治療をしながら、被曝者がいざ生まれたときにそれに対応するような人員を組むといたしますと、こういう人たちは実際働く場面がないというのが一番いいわけですね。組んでもそれはむだになったというのが一番いいわけですよ。そうなったら、企業会計原則なんというのはどういうふうに当てはめるんですか。
 ですから、私は思うんですけれども、今、新法をつくって、原子力防災の強化をしようとしているわけです。国内唯一の緊急被曝医療機関、この放医研を独立行政法人にどうしてしなければいけないのか。放射線重大事故は絶対に起こらないと想定していたときに、この放医研というのを独立行政法人にしようというのを決めたんです。だから、今状況は変わっているわけですから、ジェー・シー・オー事故でこれを独立法人にしてまさに企業会計でぎりぎりの運営をしていくなんというのはだめだということがよくわかったわけですから、この放医研の独立行政法人というのはぜひ見直すべきだ、考え直すべきだ、このことを科学技術庁長官にも、また総務庁長官にも厳しく申し上げておきたいと思います。
 もう一点、私は、美術館、博物館の独立行政法人についてもお聞きをしたいということであれしていたので、今度はがらっと大臣にかわっていただかなくちゃいけないんですけれども。
 独立行政法人になると、主務大臣が三年―五年の中期目標を決めて、そして独立行政法人はそれに従った中期計画を立てて評価を受ける。大臣の立てる中期目標というのは、効率化、サービスの質の向上、財務内容の改善を数値化して示す。
 博物館、美術館の場合、一体どういうものを数値化するのか。これがまた奇々怪々、不思議といいますか、そういうところがあるわけなんですけれども、どうでしょうか。
#23
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 独立行政法人国立博物館、国立美術館に対しまして示す中期目標でありますとか、それに基づいて行う業務の評価につきましては、全体の一部を構成するものとして例えば入館者数などの数値を用いることが考えられるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、現在、文化庁の中に専門家会議を設けまして、そこで中期目標のあり方でありますとかあるいはその評価の方法につきましていろいろと幅広い観点から御議論をいただいておるわけでございます。こういった専門家の意見なども聞きながら、今後、十分に検討してまいりたい、かように考えております。
#24
○林紀子君 博物館や美術館、これを目標を立てて評価をするときに、一律に数値化するというのは無理だというのは当然だと思うんです。今、入館者数、美術館、博物館、これで数値というのは見えてくるわけですけれども、このごく一面だけを取り出して目標として将来を左右するような評価がなされるということになったら、これはそれこそ文化や芸術には全くふさわしくない方法だというふうに思うわけです。
 美術館を対象にこういった評価を試みたところがあるんです。私も評価の数値なども見せていただきましたが、これは岐阜県地方自治大学校が岐阜県の県立美術館を対象に評価をしたというんですけれども、その担当者は評価をした結果、展覧会の入場者数のみで評価がなされるのであれば、外国の有名作品の展覧会を行えばその数値はぐっと上がるというんです。しかし、それでは、これは県立美術館ですから、県の文化を育てるという使命は果たせないために総合的な評価が重要だ、こういうふうに述べているわけです。
 私は、国立西洋美術館の高階館長からお話を聞かせていただきましたし、また国立西洋美術館が発行いたしました「西美からのメッセージ」、こういう冊子も読ませていただいたんです。そして、そもそも博物館、美術館の機能というのは展覧会をするだけじゃないんだ、それ以外に美術品の作品の収集とか管理とか保存、調査研究、美術の情報収集と公開、美術館教育、本当に多方面にわたって非常に重要な機能を担っているということがよくわかりました。そして、こうした役割を十分に果たしていこう、これは「国立西洋美術館二十一世紀将来構想」と書いてあるんですけれども、今後こういう目標でやっていこう、その意気込みというのをひしひしと感じたわけです。
 独立行政法人というのは、文部大臣が中期目標を定めて、それに従って美術館は中期計画をつくらなくちゃいけない。そうなりますと、まさに博物館、美術館がみずから考えている二十一世紀にわたってこうしようという、こういう意欲的な目標というのは一体どういうふうになってしまうんでしょうか。
#25
○政府参考人(近藤信司君) お答えをいたします。
 今、文化庁のもとに国立博物館・美術館に関する懇談会というものを設けておるわけでございますが、この十一月に評価等に関するワーキンググループというものを設けまして、今、委員から御指摘がございました高階国立西洋美術館館長を主査にいたしまして、大学の先生でありますとかいろんな方々から国立博物館、美術館の評価の問題を御議論いただいておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、貴重な国民的財産であります文化財の保存、活用あるいは文化の振興を図るという観点、その目的にかんがみまして実施をしていくということが大切でございます。展示、企画についての評価でありますとか、調査研究活動についての評価あるいは教育・普及活動についての評価など多種多様にわたるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、そういった博物館・美術館活動の特性を踏まえて適切に行っていく、それが大切なことであろう、そのように考えております。
#26
○林紀子君 そうしますと、高階館長の意見なども大いに取り入れられるわけですから、この目標というのに沿って中期目標・計画の中に反映されるというふうに思いたいと思うわけですけれども、そうなりますと予算と人というのがまたまた必要になってくるわけですね。
 今、国立博物館・美術館関係予算というのは日本では八十億円余りというふうに言われておりますけれども、これに比べまして、フランスでは二百四十億円、イギリスでは四百十三億円、イタリアでは維持費だけでも二百六十六億円、こういう数字があります。それぞれの美術館、博物館、各国比べますと、設置形態、成り立ち、大いに違いますから一概に比較はできないとは思うんですけれども、しかし、この八十億円というのはやっぱりけた違い、本当に少ないんじゃないかと思うわけです。
 これ以上スリム化、効率化できないというところで現在も博物館、美術館は運営されていると思うんですが、独立行政法人化したからといって、予算を今以上に減らすということはありませんね。これは大臣、お答えください。
#27
○国務大臣(中曽根弘文君) 独立行政法人の行う事業または事務に関する必要な経費につきましては、独立行政法人通則法第四十六条におきまして、「政府は、予算の範囲内において、独立行政法人に対し、その業務の財源に充てるために必要な金額の全部又は一部に相当する金額を交付することができる。」と規定をされております。
 文部省といたしましては、国立博物館、美術館が現在行っております事務事業を独立行政法人に移行するに際し、当該事務事業を確実に実施するための所要の財源措置に努める所存でございます。
 また、この独立行政法人に対する財源措置についてでございますけれども、平成十一年四月の中央省庁等改革推進本部決定におきまして、「独立行政法人は、一般的には独立採算制を前提とするものではない。独立行政法人への移行後は、国の予算において所要の財源措置を行うものとする。」旨規定をされているところでございます。
 文部省といたしましては、本部決定の趣旨を踏まえまして、所要の財源措置に努めてまいりたいと思います。
#28
○林紀子君 そこで、私は河村次官にお伺いしたいと思うんですけれども、先ほど申し上げましたように、美術館の機能というのは展覧会だけじゃなくいろいろな多面的な機能があるんだということなんですが、河村次官は衆議院の委員会の場で、運営交付金については配慮するというお答えをなさったと思うんです。その運営交付金の配慮という言葉はちょっと漠然としているんですが、こうした美術館のさまざまな機能、本当に計画に盛り込んで二十一世紀に大いに発展させる、そのための配慮というのは、ふやすことはあっても減らすことはない、将来にわたって、そういうことだと受け取ってよろしいですね。
#29
○政務次官(河村建夫君) 先ほど大臣も御答弁された中にございましたが、私が申し上げたのは、ことしの四月の中央省庁等改革推進本部決定の中に、特に移行時の予算措置に当たっては、独立行政法人はこれまでの公費投入額ということを十分踏まえた上でこの美術館、博物館の事業が確実に実施されるように十分配慮するものであると、こういうふうに規定をされておりますから、その方向で考えておりますということであります。
 もちろん、おっしゃったように、十分にこれをやらなきゃいけない上でふやす必要があるということになればふやさなきゃいけないでしょうし、さらに入館料等々の問題もございますから、しっかりとしたまた御努力もお願いをしなきゃいかぬ、こういうことを総合的に勘案して十分な配慮をしていかなきゃいかぬ、こういうふうにお答えしたと思います。
#30
○委員長(吉川芳男君) 時間でございますから。
#31
○林紀子君 配慮という言葉がやはりまだわからないで終わってしまうんですけれども。
 九七年五月の行革会議ヒアリングで、博物館、美術館として国際的にも少ない職員数で効果的な運営を実施しているんだと、日本の博物館、美術館について文部省自身が述べているわけです。ですから、本当に文化を国の責任で守るという立場で、博物館、美術館は独立行政法人にするのではなく国の機関として責任を持つべきだということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。
#32
○委員長(吉川芳男君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後六時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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