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1950/11/25 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 農林委員会 第1号
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1950/11/25 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 農林委員会 第1号

#1
第009回国会 農林委員会 第1号
昭和二十五年十一月二十五日(土曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 千賀 康治君
   理事 足立 篤郎君 理事 野原 正勝君
   理事 松浦 東介君 理事 小林 運美君
   理事 井上 良二君
      宇野秀次郎君    遠藤 三郎君
     小笠原八十三君    川西  清君
      河野 謙三君    中馬 辰猪君
      幡谷仙次郎君    原田 雪松君
      八木 一郎君    足鹿  覺君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 廣川 弘禪君
 出席政府委員
        食糧庁長官   安孫子藤吉君
 委員外の出席者
        専  門  員 難波 理平君
        専  門  員 岩隅  博君
        専  門  員 藤井  信君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 食糧問題に関し説明聴取
 国政調査承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○千賀委員長 これより農林委員会を開会いたします。
 この際御紹介をいたします。このたび新たに農林専門員になられました難波理平君を御紹介いたします。難波君は農林省官吏として各部局を歴任せられ、畜産局長を最後に農林省を退官いたされました。その後飼料公団総裁となられまして、農林行政のエキスパートといつて過言のない人であります。今後の本委員会の運営に寄与するところ多大なるものがあることを信じておる次第でございます。どうかよろしくお引きまわしと御活用をお願いいたします。
#3
○井上(良)委員 私この際ちよつと専門員の皆さんに申し上げておきたいと思うのですが、御承知の通り国会に専門員制度ができまして、各方面から有能な専門家をお願いをして、それぞれ独自の立場で国会の各委員会の専門調査の資料を、いろいろな角度で検討されてくれておることについては敬意を表しますが、予算や人員の関係で思うように仕事ができないと考えますけれども、少くとも専門員としての任務は、農林委員会の審議を、あらゆる角度から重要な資料を集めて促進をして行くというか、審議の円滑をはかり、かつ審議を国民の前に明らかにして行く補助的機関であろうと考えます。そういう建前からできるだけ当面しておりますいろいろな農林関係の問題が、あとからあとからと起つて参る、これ即刻必要な資料をそれぞれおそろえを願つてガリ版なりその他の方法で、委員にそれらの資料の御提示を願うような手順をとつていただきたいと思います。今までもおやりくださつておりますけれども、いろいろな点で、人手も足らぬし、経費も足らぬということがあろうと思いますれども、その中をいろいろくふう、あるいは創意を凝らされて、できるだけ参考になる資料なら資料を、適宜に御提出願うようにお願いしておきたい。特に委員長のお話だと、今度新しく専門員としてエキスパートの人がお見えになつたということですが、ぜひ一段の御検討を私はこの際特にお願いしておきたいと思います。
#4
○千賀委員長 承知いたしました。ただいまの井上君の御要求は、もつともと思いまするので、努めて御趣旨に沿うように鞭達をいたしたいと思います。他の御一同の諸君もよろしく御鞭達をお願いいたします。
#5
○難波専門員 ただいま委員長からおお話くださいました難波でございます。ずいぶん長く農林本省の仕事を離れておりますので、一向ものことがわかりません。何とぞ皆様方からよろしく御鞭達をお願い申し上げる次第であります。
#6
○千賀委員長 次に最近食糧問題について、政府当局において種々対策が検討されておるようでありますが、国民の食糧を確保し、国民経済の安定をはかる上において、主要食糧の問題は、わが国農政の根本をなすことは、今さら申し上げるまでもありません。特に主要食糧に対する統制の存廃の問題は、輸入補給金、米価、さらに配給機構等に重大な問題を含んでおります。この意味におきまして、この際これまで食糧統制の問題、本年産米の価格及び供出の補正割当の問題等につきまして、政府において検討されました経緯並びにその結果について、説明を承りたいと存じます。
#7
○安孫子政府委員 最近の状況を御説明申し上げます。最初に二十五年産米の補正の問題について御説明を申し上げます。本年の補正減額量は総計五百二万三千四百石となつております。この内訳を申し上げますと、被害及び作付不能による減収に基くものが四百七十万三千九百石であります。そのほかに完全保有農家の人口の自然増加によりまする保有量の増加その他のものが三十一万九千五百石と算定いたしました。それから超過供出の割当をいたしておるのでありますが、超過供出の基礎となるべき増収額の推定は、統計調査部の各府県別の予想収穫高を基礎といたしまして、推定減収量から計算をいたしますと全国総計で約五百二十万石となるのであります。作報の数字から減収があつて推定予想収穫高を見比べますと、全国総計で五百二十万石の増収量があるという計算になるのでありますが、この数量は申し上げるまでもなく、統計調査部の予想収穫高を前提としての推定でありまして、そのまま超過供出量の算定の基礎に用いるわけには参らぬと私どもは考えております。従いまして、いろいろ検討を加えました結果、この五百二十万石の増収量のうち、二百二十万石程度は超過供出によつて確保することにいたしたいと考えたのであります。その二百二十万石のうち百五十万石を先般知事会議を開きました際の補正案の中に織込みまして、各府県の当局にこれが確保をお願いいたしたのであります。二百二十万石から百五十万石を差引きました七十万石というものがあるわけでありますが、これは単なる超過供出期待量といたしまして、府県別等の割当をいたさないで、今後の状況の推移によつて、たとえば来年の麦作なり、あるいは米作の見通し等がつきますれば、これはまた自然に出て来るであらう。そういうような一種の推定をもちまして、七十万石を超過供出期待量として考えておるわけであります。そういたしますと供出減額量が五百二万三千四百石に対して、超過供出をお願いいたしましたのが、百五十二万三千四百石でありますので、差引きいたしましてネツトで減額量が三百五十万石となる次第であります。これが先般知事会議で指示をいたしました際の結論でございますが、本年産の米、雑穀の事前供出割当数量は三千二百三十四万三千石でありますから、これからただいま申し上げました、純補正量三百五十万石を差引きますと二千八百八十四万三千石となるのでありますが、これに先ほど申し上げました超過供出期待量七十万石を加えますと、二千九百五十四万三千石になるわけであります。このうち雑穀の買入れ数量を約百五十万石と推定いたしますと、米のみの買入れ数量は二千八百万石という推定をいたしておるわけであります。この二千八百万石という数字は、輸入見込み数量を米について八十万トン程度を見込みますれば、大体本年度、米穀年度で申しますと、前米穀年度と同じ程度の米の食率を維持することができる数字であると存じておる次第であります。なを二十五年産米につきましては、この作柄から見まして、検査等級に五等級増設の要望が各方面から出ておりますので、今年は全般的に前年度同様に五等級を設置する方針で推定をいたしておるわけであります。これが大体補正問題の概要でございます。
 それから最近いろいろ論議をされました統制方式の問題と価格の問題についての概要を申し上げたいと存じます。統制方式につきましてはいろいろ論議があつたのでありますが、二十五年産米はもちろん供出制度によるものであります。二十六年の麦につきましては、従来のような供出制度というようなものをやめまして、政府が一定価格で農民の申し出によつてこれを買入れるという方式をとりたいと考えます。二十六年度の予算上には一応この買入れの数量を百二十万トンと想定いたしまして計上いたしております。約八百八十万石程度のものでございます。来年の状況にもよることでありまして、推定は許さないのでありますけれども、ただいまのところ申出によつて無制限に買うということにいたしましても、およそ八百八十万石と申しますか、百二十万トン程度を一応計上しておきますならば、支障はなかろうと考えておる次第でございます。それから二十六年産の米につきましては事前割当をやめまして、事後割当にはいたしますけれども、供出制度は継続をいたしたいというふうに存じておる次第でござい事ます。配給の面から申し上げますならば、二十六年の十月までは現行の基準価格による二合七勺を配給することにして参りたい。これは前にも申し上げておりますが、来年の一月以降は一種の強制配給的な方法はやめまして、フリークーポン制によりまして麦製品の代替制を認め、また地域的にもこれを県に限ることなく、全国的にその方針をとりましてフリークーポン制によりまして麦の消費が合理化されるような措置を購じて参りたい。この措置を大体十月まで継続をいたしますならば、この転換いたします際の経過措置といたしましても適切なものでなかろうかと存じておる次第でございます。以上が統制方式の概要でございます。
 なお二十六年度の予算に計上いたされるでありましよう輸入補給金は二百二十四億と考えております。その内訳を申し上げますると、輸入価格は、トン当り米につきましては百四十ドル、小麦は九十ドル、大麦は七十二ドルという価格を推定いたしております。これと国内の生産者価格との差額につきまして、数量は、米については九十万トン、小麦は百七十万トン、大麦は六十万トンで、合計三百二十万トンの数量について計算をいたしますと、二百二十四億円の輸入補給金になるのであります。こうしたことで予算を編成いたすことになるかと存じます。
 それに関連いたしまして生産者価格の問題が出て参りまするが、これは一応予算に組もうとしております価格を申し上げるのでありまして、特に本年産の米につきましては、近く米価審議会をお開き願いまして、そこで御審議をいただくのでありますが、二十五年産米については、石当り生産者価格を五千五百二十九円にいたしたいというふうに考えております。大要昨今の経過のうちのおもなる点について申し上げた次第でございます。
 消費者価格につきましては、いろいろの経過があつたのでありますが、一応二十六年度の生産者価格はパリテイー指数を大体一九五と見ております。二十五年産米については一八二・二のバリテイー指数を見ております。そういたしますと、二十六年産米の予算上の生産者価格は六千百六円になつております。二十六年度予算は六千百六円の米価でもつて予算をはじこうと思つております。この米価を基礎といたしまして、一月以降消費者価格を改訂いたしたいと思つておりますが、予算上の消費者価格は、国内産の米につきましては十キロ当り五百二十円、外米は四百六十円、小麦粉四百二十五円、押麦四百円という想定でもつて予算を編成いたしているのであります。しかしこれについては、なお十分検討を加えて決定される見込みであります。値上げの実施は明年の一月一日からにいたしたいというふうに存じております。
    ―――――――――――――
#8
○千賀委員長 本日は昨日の理事会の申合せによりまして、説明の聽取のみにとどめまして、次に国政調査承認要求の件についてお諮りをいたします。先ほども申し上げました通り、国民食糧を確保するとともに農家経済を安定し、農村振興政策を確立するためには、種々の検討を要する問題がありますので、会期とも考えあわせまして、最も緊急を要する問題をとらえて国政調査を進めることにいたしたいと思います。
 まず調査事項についてお諮りをいたします。一応委員長の案を申し上げますと、第一に内外の諸情勢から考えまして食糧の需給関係、価格問題、流通機構及び統制の存廃等のいわゆる食糧問題に関する事項、次に前国会以来調査、検討を進めておりました肥料並びに畜産に関する事項、以上三点でありますが、右以外の事項につきましても必要とあればその都度調査事項を追加して行くことにいたしまして、一応これでもつて議長に承認の要求を求めたいと思いますが、御異議ありませんか。
#9
○小林(運)委員 蚕糸業の問題も追加して出してもらいたいと思います。
#10
○千賀委員長 ただいまの小林君の発言を動議といたしまして、先ほど申しました三点のほかに、蚕糸業を追加することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○千賀委員長 御異議なしと認めます。
 なお衆議院規則第九十四条による調査承認要求書につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○千賀委員長 御異議なしと認めます。さよう決しました。
#13
○井上(良)委員 この際ちよつと資料を要求しておきたいと思います。これはもう済んだことですけれども、昨年度各府県に還元米といいますか、補正還元米の措置を政府はとつておりますが、その第一回分還元、第二回の還元で、これを各府県別に割当てましたその数量をお知らせ願いたい。
 それからその次に、その還元米を農民に還元せずに、途中で扱う機関で一部横流しをしているという投書が入つておりますので、これを調べる必要があります。そこで大阪府で各市町村あてに割当をいたしました今申しますその補正還元米の割当量、それから市町村別に出ております被害とその補正量、それから大阪府北河内郡枚方市津田警察署で、還元米の横流し事件を取調べておりますからその内容、それから次に十一月十一日ドツジ氏より政府に内示されました食糧統制に関する書簡、それから十一月十四日政府よりドツジ氏に提示されました食糧統制に関する書簡、これらはいずれも資料として御提出を願いたいと思います。
#14
○千賀委員長 ただいまの井上君の御発言は、国政調査の承認を議長から得ました直後においてただちに手続をとることにいたします。
 本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
    午前十一時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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