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1999/11/19 第146回国会 参議院 参議院会議録情報 第146回国会 本会議 第6号
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1999/11/19 第146回国会 参議院

参議院会議録情報 第146回国会 本会議 第6号

#1
第146回国会 本会議 第6号
平成十一年十一月十九日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第六号
  平成十一年十一月十九日
   午前十時開議
 第一 千九百九十九年の食糧援助規約の締結に
  ついて承認を求めるの件
 第二 千九百九十九年七月二十一日に国際コー
  ヒー理事会決議によって承認された千九百九
  十四年の国際コーヒー協定の有効期間の延長
  の受諾について承認を求めるの件
 第三 日本放送協会平成九年度財産目録、貸借
  対照表及び損益計算書並びにこれに関する説
  明書
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に
  関する法律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(斎藤十朗君) 御異議ないと認めます。臼井法務大臣。
   〔国務大臣臼井日出男君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(臼井日出男君) 無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 我が国社会においては、平成六年、七年に、毒性物質であるサリンを使用してのいわゆる松本サリン事件及び地下鉄サリン事件が相次いで発生し、不特定多数の者の生命身体に対し極めて甚大な被害をもたらしたことは記憶に新しいところであります。
 最近の国際情勢を見ても、多数の死傷者を出した平成十年八月のケニア、タンザニアにおける米国大使館同時爆破事件に代表されるように、公共の場所で爆弾を爆発させるなどして多くの一般市民を犠牲にする無差別大量殺人事件が多発いたしております。
 このように、無差別大量殺人行為は、平穏な市民生活にとって重大な脅威となる上、これを団体が行う場合には、秘密裏に計画準備されて実行に移されるため犯行の事前把握が極めて困難であることなどから、犯行の実現可能性も高く、また、団体が一定の目的を達成するための手段としてこれを敢行する場合には、反復して実行される危険性が高いのであります。
 そこで、この法律案は、このような無差別大量殺人行為の特性を踏まえて、過去に無差別大量殺人行為を行った団体について、現在も危険な要素を保持していると認められる場合に、迅速かつ適切に対処するため、必要な法整備を図ろうとするものであります。
 次に、この法律案の主要点について御説明申し上げます。
 第一は、過去に団体の活動として無差別大量殺人行為を行った団体であって、現在も危険な要素を保持している団体を適用対象とするものであります。
 第二は、公安審査委員会が、対象団体について、その活動状況を継続して明らかにする必要があると認めた場合、一定期間、公安調査庁長官の観察に付し、公安調査庁長官が当該団体から一定の事項について定期の報告を受けるとともに、必要に応じ当該団体が所有しまたは管理する土地または建物への立入検査を行い得る観察処分の制度を設けるものであります。
 第三は、公安審査委員会が、対象団体について、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の増大を防止する必要があると認めた場合、または、第二の観察処分に付された団体につき、不報告または立入検査妨害等があり、無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の程度を把握することが困難であると認めた場合、一定期間、土地または建物の新規取得の禁止、既存の土地または建物の使用禁止、無差別大量殺人行為の関与者等に一定の団体の活動に参加させることの禁止、加入強要、脱退妨害の禁止、金品等の贈与を受けることの禁止等の処分を行い得る再発防止処分の制度を設けるものであります。
 第四は、観察処分及び再発防止処分の判断手続を迅速に行い得るようにするための手続規定を設けるものであります。
 第五は、政府が、毎年一回、国会に対し、この法律の施行状況を報告することとするとともに、公安調査庁長官が関係地方公共団体の請求により、観察処分に基づく調査の結果得られた情報について、個人の秘密等を害するおそれがある事項を除き、提供できることとするものであります。
 第六は、本法案による規制をより実効性あるものとするため、警察当局との協力関係につき、所要の措置を講じるものであります。
 第七は、規制の実効性を担保するため、立入検査妨害及び再発防止処分に伴う役職員または構成員等の禁止行為違反等につき、所要の罰則を設けるものであります。
 以上がこの法律案の趣旨であります。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でございますが、この法律案につき、衆議院におきまして一部修正がなされております。
 その第一は、本法律案の目的についてであります。本法律案は、我が国において、団体の活動としてサリンを使用して無差別大量殺人行為が行われ、その団体が依然として危険な要素を保持しつつ活動しており、そのことに国民が大きな不安と危惧の念を抱いているという現状にかんがみ、過去に例えばサリンを使用するなどして無差別大量殺人行為を行った団体について、現在も危険な要素を保持していると認められる場合に、これに迅速かつ適切に対処するための必要な規制措置を定め、もって国民の生活の平穏を含む公共の安全の確保に寄与することを目的とするものでありますので、その趣旨を明記するものであります。
 第二は、本法律案の適用対象団体の範囲についてであります。本法律案による規制処分は、無差別大量殺人行為を行った団体の活動に対して一定の制約を課すものでありますので、その団体の範囲を明確に限定するため、団体の役職員または構成員が当該団体の活動として行った無差別大量殺人行為のうち、この法律の施行の日から起算して十年以前にその行為が終わったものを除外するものであります。
 第三は、観察処分及び再発防止処分の取り消しについてであります。公安審査委員会は、これらの処分の必要がなくなったと認めるときは、その職権によりこれを取り消すことができるとされておりますが、当該団体においても、公安審査委員会に対して、職権による取り消しを促すことができることを法律上明らかにするものであります。
 第四は、団体の所有等に係る土地または建物についてであります。本法律案による立入検査は、観察処分を受けている団体が所有しまたは管理する土地または建物を対象として実施されるものでありますので、公安審査委員会による観察処分の決定またはその取り消しの判断に資するため、公安調査庁長官が、公安審査委員会規則の定めるところにより、団体が所有しまたは管理する土地または建物について、これを特定するに足りる事項を記載した書面を公安審査委員会に提出するものとするものであります。
 第五は、法律の施行後の見直しについてであります。この法律案は、我が国においてサリンを使用して無差別大量殺人行為を行った団体が依然として危険な要素を保持し、そのことに国民が大きな不安と危惧の念を抱いているという特別な事情に対処することを念頭に置いたものでありますので、この法律について、その施行の日から起算して五年ごとに、この法律の施行状況について検討を加え、その結果に基づいて廃止を含めて見直しを行うものとするものであります。
 以上のとおり修正がなされております。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(斎藤十朗君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。竹村泰子君。
   〔竹村泰子君登壇、拍手〕
#7
○竹村泰子君 私は、民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題とされました無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律案に対し、質問いたします。
 平成七年三月二十日に発生した地下鉄サリン事件は、十一人の死者と五千五百人もの重軽症者を出しました。この事件は、オウム真理教が組織としてサリンという猛毒を散布することにより、通勤途上等にあった多数の一般市民を無差別に殺傷したという、我が国の犯罪史上ではもとより、世界にも類例を見ない残酷きわまりない犯罪でありました。その前年の六月には、松本市で七人ものとうとい命が、やはりオウム真理教によるサリン散布の犠牲となられていたのであります。
 特に、坂本弁護士一家殺害事件は、この事件を早期にオウム真理教に照準を当てて捜査しておけば、これらの悲惨な事件は未然に防ぐこともできたのでしょうが、当時の関係機関の対応は緩慢きわまりないものでありました。私は、当時のオウム真理教に対する政治、政府の責任をまず問いただしたいと思います。法務大臣並びに国家公安委員長の答弁を求めます。
 平成七年十二月、オウム真理教は、宗教法人法に基づく解散命令が確定し、清算手続に入りました。同時に、公安調査庁は、破壊活動防止法による解散処分請求を行いました。
 しかしながら、六回の弁明手続を経た後、平成九年一月、公安審査委員会が下した決定は、解散指定適用要件である将来の危険性について、公安調査庁提出の証拠をもってしては、本団体が、今後ある程度近接した時期に、継続または反復して暴力主義的破壊活動に及ぶ明らかなおそれがあると認めるに足りるだけの十分な理由があると認めることはできないという理由で、オウム真理教に対する解散処分の請求を棄却したのでした。この際に、公安調査庁提出の証拠のずさんさが明らかになったことは、記憶に新しいことであります。
 オウム真理教が解散の指定を免れた時点で信徒の数は減少していましたが、最近再び活動を活発化し、全国各地に新たな活動拠点を求めて進出を図っています。それにつれて地域住民は過重な負担を強いられ、あちこちで住民の暴発のおそれすらあります。
 自治体の首長も、住民票登録拒否、就学拒否などにつき違憲の対応を強いられるという事態に追い込まれております。当然、逆に言えば、オウムの信者たちは居住、移転、就学等で憲法上の権利が阻害されているわけです。
 これらはひとえに、政治の対応がなかったために国民の不安を増大させてきたのではないでしょうか。法務大臣の見解を求めます。
 さて、今回の政府提出のこの法案は、新たな団体規制として、過去に無差別大量殺人行為を行った団体を対象として、活動状況に関する報告徴取と団体施設への立入検査を行う観察処分と、団体の危険性が増大した場合や立入検査妨害があった場合に施設の取得や使用を禁止する再発防止処分を導入しようとするものですが、幾つかの問題点があります。
 第一に、観察処分による住居の立入検査に当たっては、令状を必要としないということです。憲法第三十五条は、住居不可侵の自由を保障し、住居の立ち入りには捜索する場所を明示する令状が必要であると定めております。令状なしに住居に立ち入ることは、憲法違反ではないかとの疑問も寄せられています。また、再発防止処分としての施設の使用禁止は、公安審査委員会の判断によるものであって、裁判所に判断を求めるものではありません。
 このように重大な人権制限を伴うにもかかわらず、厳格な手続を要求していないこの法案の合憲性を、まず問いただしたいと思います。法務大臣は、本法案の合憲性についてはどのようにお考えなのでしょうか。相手がオウムの信徒であれば人権を全く無視しても構わないとお考えなのでしょうか。
 第二に、本法案の第五条第一項第五号は、観察処分の要件の一つとして、「前各号に掲げるもののほか、当該団体に無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があると認めるに足りる事実があること。」と規定し、第八条第一項第八号は、再発防止処分の要件の一つとして、「前各号に掲げるもののほか、当該団体の無差別大量殺人行為に及ぶ危険性の増大を防止する必要があるとき。」と規定しておりますが、これらの要件はいずれも極めてあいまいであり、公安調査庁及び公安審査委員会による拡大解釈を許すとの指摘があります。
 人権を制限して不利益を課すには、明確な手続によらなければならないとするのが憲法三十一条の適正手続の保障の趣旨であると考えますが、法務大臣の見解をお伺いいたします。
 第三に、本法案は、破壊活動防止法と同様に、公安調査庁と公安審査委員会による団体規制の仕組みを採用しています。また、第二条、「この法律の解釈適用」及び第三条、「規制の基準」は、破壊活動防止法の第二条及び第三条と全く同じ条文です。本法案と破壊活動防止法との関係はどのようになっているのでしょうか。
 また、さきに述べましたように、平成九年のオウム真理教に対する破壊活動防止法による解散処分請求において、公安調査庁はずさんな実態をさらけ出しました。にもかかわらず、本法案においても、公安調査庁に規制の中心的役割を与える理由は何でしょうか。また、実際にオウム教団に対する実効性のある規制ができるのでしょうか。
 私たちは、組織と情報量を活用する意味で、国家公安委員会と警察庁に中心的な役割をゆだねるべきだと考えますが、法務大臣の見解を問うものであります。
 第四に、衆議院において違憲の疑いが強いとの懸念が示された立入調査について、公安調査庁長官は、公安審査委員会に対し、事前に通告するとともに、事後に報告することとする修正が行われましたが、国民の基本的人権を制限する処分には、公安審査委員会ではなく裁判所の判断を介在させ、法の厳格適用、人権の保障に配慮した措置をとるべきではないか、特に、再発防止処分については、裁判所の許可を必要とすべきではないかとの主張もありますが、法務大臣の見解はいかがでしょうか。
 最後に、本法案は、国民の基本的人権に対して、司法の判断を介入させることなく重大な制約を加えようとするものであります。公安・警察当局の権限の乱用を抑制するためには、「五年ごとに、」「廃止を含めて見直しを行うものとする。」との附則修正が単なる形式にとどまっているだけではなく、実効性が確認でき、オウム真理教の危険性がなくなったら、必ず廃止することとしなければなりません。
 衆議院における修正の意義をどうとらえているのか、法務大臣にお尋ねをし、二度と再び無差別大量殺人行為を起こすオウム真理教のような組織が事件を犯すことのないよう心から強く願い、民主党・新緑風会を代表しての私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣臼井日出男君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(臼井日出男君) 竹村議員にお答えを申し上げます。
 最初に、オウム真理教による一連の事件は、早期に同教団に照準を合わせ捜査をしていれば、未然に防止することができたのではないかとのお尋ねがございました。
 検察は、坂本弁護士一家殺人事件などオウム真理教関係者による一連の不法事犯につきましては、警察当局と緊密に連携をとりながら、事件の全貌を解明するため、その時々におきまして、それまでに収集された証拠を総合勘案しつつ、限られた条件の中で全力かつ適切に対処してきたものと考えております。
 次に、いわゆるオウム真理教に関してさまざまな問題が起こったのは、政治の対応がなかったからではないかとの御質問がございました。
 御指摘のとおり、各地の自治体の関係者の方々は、オウム真理教が過去みずからが実行した無差別大量殺人行為に対する反省、謝罪の意を全く表明せず、危険な体質を維持しながら各地に進出していることに対する住民の方々の大きな不安と危惧の念を背景に、さまざまな問題について苦渋の選択をされているものと推察をいたしているところでございます。
 政府といたしましても、関係省庁が緊密な連絡をとりつつ、現行の各種法規を駆使して最大限の対応をしてきたのでございますが、それには限界があり、基本的には団体活動を規制する措置が不可欠であるとの認識に至りまして、本国会に本法案を提出いたした次第でございます。
 オウム真理教の信者の転入拒否、子供の就学拒否等の問題につきましては、信教の自由、居住・移転の自由、教育を受ける権利等、信者側の人権にかかわる反面、住民の平穏で安全な生活の確保という住民側の人権にもかかわるものでございまして、その解決に当たりましては、本法によって住民の方々の不安を解消、緩和することがまず必要であり、その上で、地元住民の方々の立場にも十分配慮しつつ、政府全体として総合的な視点から的確に対処していく必要があると考えております。
 次に、観察処分による立入検査及び再発防止処分としての施設の使用禁止に令状を必要としないのは憲法第三十五条に違反するのではないかとのお尋ねがございました。
 無差別大量殺人行為を行った団体に対する観察処分及び再発防止処分は、いずれも公共の安全の確保に寄与することを目的として行われる行政処分でございまして、その判断は裁判所ではなく行政庁がその責任においてすべきものでございます。
 もとより、これらの規制は公共の福祉のために許される必要かつ合理的な制約であり、その手続も、これらの処分が国民の権利に直接かかわりを持つものであることにかんがみ、原則として公開することとし、対象団体側に口頭で意見を述べる機会を与えた上で、独立性を持った準司法機関である公安審査委員会が判断をするという団体の権利保障に手厚い仕組みをとるものでございます。
 また、観察処分の実施の一環として行われる立入検査も、その目的、作用、強制の態様、程度、観察処分に付された団体の活動を明らかにする必要性、公共・公益性、緊急性などからして十分合理性のあるものでございます。したがいまして、御指摘の点につきましては、いずれも憲法第三十五条の法意に反するものとは考えておりません。
 次に、本法案の第五条第一項第五号及び第八条第一項第八号の要件は、いずれも極めてあいまいであり、憲法三十一条の適正手続の保障の趣旨に反するのではないかとのお尋ねがございました。
 観察処分の要件を定める本法第五条第一項は、団体が危険な要素を保持していると認められる場合を類型的に規定いたしておりまして、そのうち、第一号から第四号が典型的なものを例示したものであるのに対し、第五号はこれらと同種あるいは類似のものを意味するものでございます。
 また、再発防止処分の要件を定める第八条第一項は、危険な要素を保持している団体について、このような危険な要素が量的、質的に増大しており、あるいはこれを増大させようとしていると認められる場合を類型的に規定しており、そのうち、第一号から第七号が典型的なものを例示してあるものであるのに対し、第八号はこれらと同種あるいは類似のものを意味するものでございます。したがいまして、いずれの要件も明確であり、適正手続の保障の趣旨に反することはないと考えております。
 次に、本法案と破壊活動防止法との関係についてお尋ねがございました。
 破壊活動防止法においては、団体の活動として暴力主義的破壊活動を行った団体につき、継続または反復して、将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあると認められた場合に、そのおそれを除去するために、活動制限処分または解散指定処分を行うことができることになっております。
 これに対し、本法案は、オウム真理教を念頭に置いて、無差別大量殺人行為が、暴力主義的破壊活動のうちでも治安の根幹をも揺るがしかねない極めて危険な行為であって、再発を防止することが困難で反復性が強いという特性を有することにかんがみ、これを団体の活動として行った団体については、公共の福祉の観点から実効ある規制を行うことが社会的に強く要請されることから、緊急の措置として、破壊活動防止法の規制とは異なる手法による観察処分及び再発防止処分という規制措置を、迅速な手続によって行う新たな団体規制の仕組みを設けるものでございます。
 このように、本法案は、オウム真理教を念頭に置いた当面の緊急の措置として新たな団体規制の仕組みを設けるものでございまして、破壊活動防止法とは制度の趣旨及び内容を異にするものでございます。
 次に、公安調査庁に規制の中心的役割を与える理由及び実際にオウム真理教に対する実効性ある規制ができるのか、また、国家公安委員会と警察に中心的役割をゆだねるべきではないかとのお尋ねがございました。
 まず、本法案は、現行法体系上唯一の団体規制法である破壊活動防止法と同じく、公安調査庁長官が調査及び処分の請求を行い、これと全く独立して職権を行使し、準司法的機能を有する公安審査委員会が処分を行うことにより、処分の中立性、公平性を確保できるよう慎重を期したものであります。
 また、公安調査庁はもとより、この法案成立後は、この趣旨を十分踏まえ、その使命と責任を果たすべく適切に対処してまいります。しかも、本法案においては、警察の有する情報力や組織力の活用を図るため、公安調査庁長官の処分請求に係る警察庁長官の意見陳述や意見陳述のための警察職員の調査及び立入検査等の規定を盛り込んでございます。このような点からも、この法案による規制措置は十分に実効性あるものになると確信をいたしております。
 なお、国家公安委員会は、警察行政の民主的管理及び政治的中立性の確保を主眼に設けられたものでありまして、設置の当初よりいわゆる団体規制に係る処分を所掌事務としてはこなかったところでございます。したがいまして、今回の法案においても、国家公安委員会は無差別大量殺人行為を行った団体の規制の処分機関とはせず、また、警察庁に規制の中心的役割をゆだねることもしなかったのであります。
 次に、権利を制限する再発防止処分等については裁判所の許可を必要とするべきではないかとのお尋ねがございました。
 再発防止処分と観察処分は、いずれも公共の安全の確保に寄与することを目的として行われる行政処分であり、行政庁がその責任において判断をすべきものでありますので、裁判所の許可を必要とすることは適当ではないと考えております。
 なお、本法案においては、これらの処分について、独立して職権を行使することが保障され、かつ、準司法機関である公安審査委員会がその判断をする仕組みとし、処分の中立性、公平性を確保できるよう慎重を期していることを申し添えたいと思います。
 また、本法案の立入検査については、その前提となる観察処分が準司法機関である公安審査委員会によって行われるという意味で慎重な手続が踏まれておりますが、さらにその適正な執行を確保するため、その事前と事後に公安審査委員会への通報を行うことを実務上予定いたしております。
 最後に、衆議院におけるこの法案の修正により、廃止を含む見直しに関する規定が附則に設けられましたが、その意義についてお尋ねがございました。
 この法案は、我が国においてサリンを使用して無差別大量殺人行為を行ったオウム真理教が依然として危険な要素を保持し、そのことに国民が大きな不安と危惧の念を抱いているという特別な事情に対処することを念頭に置いたものでございます。
 この法案の成立後においても、政府は、この法律の適正な運用を確保するとともに、この法律による一年ごとの報告等につき積極的に対応いたしてまいりますが、その施行の日から起算をして五年ごとに、この法律に基づく規制処分の実効性、規制対象団体の危険な要素の消長など、この法律の施行状況やいわゆるテロ対策等について検討を加え、その結果に基づいて、その廃止の是非も含めた見直しについて議論がなされることは、大いに意義あるものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣保利耕輔君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(保利耕輔君) 竹村議員にお答えを申し上げます。
 坂本弁護士事件についてのお尋ねでございますけれども、事件発生当時におきましては、オウム真理教があれほど凶暴な犯罪を敢行する集団であるという認識を十分に持っていませんでしたものですから、県警察においては、当初あらゆる角度からの捜査をいたしていたものと承知をいたしております。その後、捜査が進みまして、坂本弁護士と同教団の対立関係の詳細が明らかになるにつれまして、同教団に力点を置いた捜査を進めたものでございます。
 しかしながら、閉鎖性の強い団体の犯行でございまして、かつ、組織的な証拠隠滅活動もなされましたことから、多岐にわたる捜査を丹念に行う必要がございまして、事件発生から約六年を経て検挙に至ったものでございますが、警察としては懸命な捜査を尽くしたものと承知をいたしてございます。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(斎藤十朗君) 富樫練三君。
   〔富樫練三君登壇、拍手〕
#11
○富樫練三君 私は、日本共産党を代表して、いわゆるオウム教団規制法案について質問をいたします。
 現在のオウム集団は、松本サリン事件、地下鉄サリン事件など、無差別大量殺人等の一連の凶悪犯罪について一切の謝罪も反省もないまま全国各地へ進出しています。これに対する地域住民や自治体、国民全体の不安は非常に高まっているのであります。去る十月十四日には、全国知事会、市長会、町村会が連名で、国に対してオウム規制立法を要望しています。
 私は、こうした国民の強い要求にこたえ、地域住民の不安を解消するために、現行法の厳正な適用とともに、オウム規制のための実効性ある立法措置が必要であるとの立場から質問をいたします。
 質問の第一は、規制すべき対象となる団体の限定についてであります。
 現在、国民が求めていることは、無差別大量殺人等の凶悪犯罪を過去に起こしたオウム集団に対して法的規制措置を加えることにより、オウム犯罪の再発防止、国民生活の安全確保と不安を解消することであります。その際、重要なことは、憲法の基本的人権の原則に照らして、集会、結社の自由を侵害したり、そのような乱用を許さない、一点の疑いもない措置をとる必要があることであります。これは我が憲法のもとで当然のことと考えますが、まずこの点について法務大臣の所見を伺います。
 したがって、オウム規制法における規制対象団体は、当然のことながらオウム集団に限定されなくてはなりません。また、その他の団体に対する乱用の危険性を排除するためにも、対象はオウムに限定するべきではありませんか。ところが、政府案は、第四条で、「「無差別大量殺人行為」とは、破壊活動防止法第四条第一項第二号へに掲げる暴力主義的破壊活動」であるとして破防法を準用しているため、規制対象団体をオウム集団に限定できないものになっているのではないですか。
 また、修正案によって、過去十年以前に行為が終わったものを除くという限定を加えていますが、これでもなおオウム集団に限定できる保証はないのではありませんか。
 現在の緊急課題は、オウム集団を迅速、効果的に規制することであり、オウム以外の団体にまで規制の網をかけていくことではありません。なぜ法務大臣は規制対象団体をオウム集団に限定できない法的枠組みを使うのですか。
 規制の対象をオウム集団に限定するためには、日本共産党提出の法案どおり、一連のオウム事件に対して既に制定されているサリン等による人身被害の防止法、これを強化、改正し、規制対象団体を、サリン等を発散させ、無差別大量殺人を行った団体に絞ることが一番的確な方法であると考えますが、法務大臣の明確な答弁を求めます。
 次に、規制のための法的枠組みについてであります。
 政府案は、破防法を土台としているために、必然的に規制対象団体の要件に政治上の目的が加わります。したがって、オウム集団を規制対象団体に認定しようとする場合、政治上の目的という要件が加わることで、その立証をしなければなりません。その結果、集団を規制対象団体に認定することが一層困難になるのではありませんか。それでは、迅速かつ効果的な規制は期待できないではありませんか。
 現にオウム集団は、みずから犯した一連の凶悪犯罪について何一つ反省するどころか、今回の政府提出法案の適用を免れるため、オウム真理教は純然たる宗教団体であり、現在のみならず将来にわたり危険な活動をする可能性が全くないので、破防法適用論は完全なる論外であるとしたパンフレットを配布し、政治目的による行動ではないとして、既に今から本法案の適用を免れるための策動をしているではありませんか。この事実を法務大臣はどう認識していますか。
 それに対して日本共産党の対案は、九五年四月に全会一致で成立したいわゆるサリン防止法を改正し、政治目的などという要件は一切なしに、過去にサリン等を発散させ、無差別大量殺人を行った唯一の団体であるオウム集団に対し、迅速的確にオウム集団に対応できるものとなっています。これこそがオウム対策として最も効果的であり、かつオウム以外の団体に対する乱用は完全に防止できる方法ではありませんか。
 次に、規制の実施主体についてであります。
 政府案は、破防法の枠組みを土台としたために、規制の実施主体に公安調査庁を加えました。本来、破防法と公安調査庁は、民主的団体と民主的運動を監視し、これを規制しようという目的でつくられた憲法違反の仕組みであります。
 現に、公安調査庁のやってきたことは、最近でも阪神大震災のボランティア活動やサッカーくじ法案反対の運動までも調査対象にし、監視してきたではありませんか。法務大臣はこの事実を認めますか。
 しかも、八九年十一月の坂本弁護士一家殺害事件以来、オウムの犯罪行為に対して何の役割も果たしていません。その証拠に、公安調査庁が毎年発行している「内外情勢の回顧と展望」にオウムの名前が出てきたのは地下鉄サリン事件以降であり、坂本弁護士一家殺害事件が起きてから何と六年後のことであります。この事実を法務大臣は認識していますか。
 このように、オウム集団に対し何の実効性も持たない破防法と公安調査庁が中心的役割を果たす政府案では、国民が求める機動的で実効あるオウム規制はできるはずがないではありませんか。
 そもそも、オウム集団は宗教団体ではなく、大量殺人を過去に犯した暴力集団であります。そのオウム集団の犯罪再発を防止し、住民の安全を確保するために、破防法の手続を準用し、公安調査庁を規制機関にすることは、最初からのボタンのかけ違いであり、筋違いも甚だしいものであります。行政改革の論議の際、無用の行政庁としてその廃止まで検討された憲法違反の公安調査庁をあえて生き残らせ、さらにその権限を強化しようということではありませんか。このようなことは断じて容認できません。
 それに対し、我が党提出のサリン等による人身被害の防止に関する法律の一部を改正する法律案では、現行の暴力団による不当な行為の防止等に関する法律の手続を準用し、規制を行う機関を、犯罪から国民の生命、身体、財産を守る責務を負っている各都道府県公安委員会と各都道府県刑事警察としていることは、犯罪の防止という警察本来の目的に沿うものであります。同時に、現実にオウム集団が策動しております地域の実情を最もよく把握しているのが都道府県公安委員会と都道府県警察であるという現状から見て、オウム集団の規制という立法目的に最もよく合致するものであります。
 このように、オウム対策を現実的かつ速やかな実効性を持たせるためには、手続と規制機関を都道府県公安委員会と刑事警察とすべきではありませんか。法務大臣及び国家公安委員長の明確な答弁を求めます。
 次に、修正案の見直し条項について質問いたします。
 修正案によれば、廃止も含めて五年ごとに見直すことになっていますが、なぜ五年ごとに見直すことにしたのですか。修正案では規制対象をオウム集団に絞り切れないために、団体規制の乱用を恐れてのことではありませんか。
 さらに、廃止を含めて見直すとなっていますが、これでは明確に廃止されるという法的保証はどこにもないではありませんか。これでは時限立法と言うにはほど遠いものと言わなければなりません。法務大臣はどう理解されているのか、明確な答弁を求めます。
 最後に、警察がオウムの一連の凶悪な事件について、初動捜査の甚だしいおくれに加えて、その後も断固たる厳正な捜査を遂げなかったことは国民の厳しい批判を受けました。その上、神奈川県警の我が党緒方宅盗聴事件のもみ消し、さらに事もあろうに、県警本部長を先頭とする組織的な犯罪隠ぺい工作など、言語道断の不正、腐敗は目に余るものがあります。
 国民の期待にこたえて厳正にオウム対策を行うには、まずこうした警察の体質について厳しい反省を行うことが当然ではありませんか。国家公安委員長の認識と答弁を求めて、私の質問を終わります。
 以上であります。(拍手)
   〔国務大臣臼井日出男君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(臼井日出男君) 富樫議員にお答えを申し上げます。
 最初に、憲法上の集会、結社の自由を侵害するような乱用を許さないことが重要であるとのお尋ねがございました。
 本法案では、その第二条及び第三条において、その乱用を厳しく戒めるなど、その規制が乱用にわたらないようにするための配慮が十分になされているものと考えており、御懸念には当たらないと考えております。
 次に、対象団体を事実上オウム真理教に限定すべきではないかとのお尋ねがございました。
 本法案は、法文上その対象がオウム真理教のみに限られるわけではございませんが、現時点で適用対象となり得る団体は、事実上オウム真理教以外には考えられません。
 また、対象団体の範囲に関連して、本法案が、例えばサリンを使用するなどして無差別大量殺人行為を行った団体に対する規制措置を定めるものであることを明記し、かつ、無差別大量殺人行為のうち、この法律の施行の日から起算して十年以前にその行為が終わったものを除外する修正が衆議院においてなされております。したがいまして、御指摘の点につきましては適切な配慮がなされているものと考えております。
 次に、本法案第四条第一項の定義に破壊活動防止法の概念を用いているために、オウム真理教以外の教団にも拡大適用されるのではないかとのお尋ねがございました。
 本法案は、無差別大量殺人行為がその被害の重大性、事前防止の困難性及び反復性という特性に照らし、公共の福祉の観点から最も許しがたい行為であることにかんがみ、迅速かつ実効性のある新たな規制措置を設けようとするものでございまして、その適用対象を事実上オウム真理教に限定するため、本法案第四条第一項では、その対象を不特定多数に対する殺人行為で政治目的を持ったものに限定し、しかも衆議院における修正によって、さらに施行の日から起算して十年以前にその行為が終わったものを除くなどの配慮を加えているところでございます。したがいまして、適用拡大あるいは破壊活動防止法の強化などの御指摘は当たらないものと考えております。
 次に、適用対象をオウム真理教に限定できる保証はあるのかとのお尋ねがございました。
 本法案では、法文上その対象がオウム真理教のみに限られるわけではございませんが、ただいま申し上げましたとおり、現時点では事実上オウム真理教以外には考えられません。
 次に、サリン等による人身被害の防止に関する法律の改正による案をとるべきではないかとのお尋ねがございました。
 御指摘の案につきましては、その法律がサリン等の発散に係る個人の行為に対する刑罰と、被害防止のための人の退去やサリン等の回収などの措置を定めるものでございまして、その中にこれと異質の団体規制のための措置を盛り込むということに相当無理があるばかりでなく、規制の前提となる無差別大量殺人行為の手段をサリン等を発散させることのみに限定することが適当かとの疑問があると言わなければなりません。
 次に、法案第四条第一項の定義に政治目的が加わっていることによって、その認定、立証はより困難になるのではないかとのお尋ねがございました。
 政治目的による対象の限定は、この法律の性格づけにおいて重要と考えるものであります。他方、これを加えるとしても、その要件は他の要件と同じく証拠によって認定されるべきものであり、特に認定、立証を困難にするということはないと考えております。
 次に、オウム真理教が規制を逃れるための策動をしていることを承知しているかとのお尋ねがございました。
 この点につきましては、オウム真理教がさきの破壊活動防止法に基づく解散指定処分の請求があった際に、活動の自粛を装いながら、請求棄却後に再び活動を活発化させた経緯などを踏まえますと、御指摘のような主張あるいは最近の休眠宣言等は単なる規制逃れのための策動にすぎないと考えております。
 次に、共産党案の方がオウム真理教を規制する上で効果的であり、適用対象も拡大しないのではないかとのお尋ねがございました。
 しかし、政治目的を要件としても本法案のオウム真理教への適用に困難が生じるわけではありませんし、かえって政治目的を要件としない場合の方が適用対象の範囲を拡大することになることは明らかでございます。
 次に、公安調査庁が違憲な組織かどうかについてお尋ねがございました。
 憲法第二十一条第一項は結社の自由を保障しておりますが、破壊活動防止法は、過去に暴力主義的破壊活動を行った団体に対し必要な規制措置を定め、もって公共の安全の確保に寄与しようとするものでございまして、その規制は、公共の福祉の観点から必要かつ合理的な制約と言うことができるのでございまして、同法は憲法に違反するものではございません。したがいまして、同法等に基づき設置された公安調査庁が憲法に違反する組織でないことはもちろん、公安調査庁がこれまで行ってきた調査活動が憲法に違反するものであったとは考えられません。
 次に、公安調査庁のオウム真理教についての調査開始時期についてのお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、公安調査庁においては、坂本弁護士一家殺害事件当時は残念ながらオウム真理教を本格的な調査の対象とするまでに至らず、平成七年三月の地下鉄サリン事件以降、オウム真理教が地下鉄サリン事件及び松本サリン事件に関与している疑いが濃厚となったことから、これを危険団体であると認識するに至りまして、同年五月十六日に教団を調査対象団体に指定し、本格的な調査を開始したものでございます。
 次に、公安調査庁を中心として規制を行う本法案によっては、オウム真理教に対して有効な規制が期待できないのではないかとのお尋ねがございました。
 公安調査庁は、破壊活動防止法による解散指定処分の請求が棄却された後も、引き続きオウム真理教の実態調査に努めてまいりました。加えて、警察当局の持つ情報力や組織力を活用できるような仕組みを設けておりますので、本法案の成立、施行後は十分に迅速かつ実効性ある規制を行うことができるものと考えております。
 次に、いわゆるサリン法や暴力団対策法をもとにした共産党提出の法案の方が迅速かつ実効性ある規制が可能ではないかとのお尋ねがございました。
 御指摘の案のもととなった法案は、いずれも個人の行為規制ないし処罰を定めるものでございまして、団体活動の危険性が問題となっている場合の実効性ある規制方法としては、現行の団体規制の枠組みを基礎とすべきものと考えております。
 これに対し、本法案は、無差別大量殺人行為に関する危険な要素を保持しつつ活動している団体に対し観察処分や再発防止処分を迅速に行うことができ、また、警察当局の持つ情報力、組織力を活用できるような仕組みを設けたものでございまして、本法案の成立、施行後はオウム真理教に対し十分な実効性ある規制を行うことが可能であると考えております。
 また、憲法上保障された結社の自由に対し制約を課す場合には、その実効性とともに手続の適正も必要でございまして、準司法機関である公安審査委員会が慎重な手続によって処分を行う仕組みとした本法案に比べますと、その点の配慮に欠けるのではないかとの懸念がございます。
 次に、本法案に見直し条項を加えたことは、オウム真理教以外の団体への適用を恐れてのことではないかとのお尋ねがございました。
 先ほども申し上げましたとおり、過去十年以内に団体の活動として無差別大量殺人行為を行った団体に該当するのは事実上オウム真理教のみでございます。
 衆議院における本法案の修正により、廃止を含む見直しに関する規定が附則に設けられましたが、これは本法案が先ほども述べました特別な事情に対処することを念頭に置いたものでございまして、その施行の日から起算して五年ごとに、その法律に基づく規制処分の実効性、規制対象団体の危険な要素の消長など、この法律の施行状況やいわゆるテロ対策等について検討を加え、その結果に基づいて、その廃止の是非も含めた見直しを議論することとする趣旨であると説明されておりまして、本法案の適用範囲が広過ぎるとの懸念によるものではないということは明らかでございます。
 最後に、見直し規定を入れても、オウム真理教の危険性がなくなった場合には本法案が廃止される保証はあるかとのお尋ねがございました。
 先ほども申し上げましたとおり、国会において、本法について十分な御審議がなされるものと考えております。政府といたしましては、この御議論に資するため、この法律による一年ごとの報告等につき、積極的に対応してまいる所存でございまして、国会により適切な判断がなされるものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣保利耕輔君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(保利耕輔君) 富樫議員に対して二点についてお答えを申し上げます。
 本法案は、公安審査委員会及び公安調査庁による現行の団体規制の仕組みを生かすことが基本であると考えております。
 本法案は、規制措置を実効あらしめるために、公安調査庁の権限のほか、警察の有する情報力、組織力の活用を図るために必要な措置を講じておりまして、現行の団体規制の仕組みを生かしつつ、最大限の効果を上げようとするものであります。
 御指摘のサリン等による人身被害の防止に関する法律や暴力団対策法は、本法案とは目的や対象を異にしていることから、本法案とは規制の枠組みもおのずから異なるものと承知をいたしております。
 本法案が成立した場合、その運用を厳正な手続を踏みつつ行うことにより、無差別大量殺人行為の未然防止に効果を上げるものと考えております。
 また、神奈川県警察の不祥事についてのお尋ねがございました。
 法を厳正に執行すべき警察官、しかも元本部長を含む主要幹部が送検されるという事態に立ち至ったことは、国民の警察に対する信頼を損なうものであり、まことに遺憾であります。
 国家公安委員会としては、警察に対する国民の信頼を回復するため、今回の事件の反省を踏まえて、公安委員会の管理機能のさらなる充実を図るとともに、監察体制の強化を図るなど必要な措置を講ずるよう、警察庁に対し適切な指導を行ってまいりたいと考えております。(拍手)
#14
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#15
○議長(斎藤十朗君) 日程第一 千九百九十九年の食糧援助規約の締結について承認を求めるの件
 日程第二 千九百九十九年七月二十一日に国際コーヒー理事会決議によって承認された千九百九十四年の国際コーヒー協定の有効期間の延長の受諾について承認を求めるの件
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交・防衛委員長矢野哲朗君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔矢野哲朗君登壇、拍手〕
#16
○矢野哲朗君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外交・防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、千九百九十九年の食糧援助規約は、本年六月三十日に失効した食糧援助規約にかわるものでありまして、世界の食糧安全保障に貢献すること、開発途上国に適切な水準の食糧援助を行うこと等について定めるものであります。
 次に、国際コーヒー協定の有効期間の延長は、本年九月三十日に終了することになっていた千九百九十四年の国際コーヒー協定の有効期間を二年間延長し、コーヒーに関する国際協力を継続するとともに、国際コーヒー理事会における新たな協定の交渉のために時間的余裕を与えることを主たる目的とするものであります。
 委員会におきましては、我が国が食糧援助規約を暫定適用した理由、食糧援助及び商品協定に対する我が国の基本方針、新コーヒー協定作成交渉の進捗状況等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#17
○議長(斎藤十朗君) これより両件を一括して採決いたします。
 両件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#18
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#19
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十八  
  賛成           二百二十八  
  反対               〇  
 よって、両件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#20
○議長(斎藤十朗君) 日程第三 日本放送協会平成九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。交通・情報通信委員長齋藤勁君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔齋藤勁君登壇、拍手〕
#21
○齋藤勁君 ただいま議題となりました案件につきまして、交通・情報通信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本件は、日本放送協会の平成九年度決算書類でありまして、放送法の定めるところにより、会計検査院の検査を経て内閣から提出されたものであります。
 その概要は、一般勘定において、平成九年度末における資産総額六千百五十一億円に対し、負債総額は二千五百四十六億円、資本総額は三千六百四億円となっております。また、当年度中の損益の状況は、経常事業収入六千二百十七億円に対し、経常事業支出は六千二十一億円で、差し引き経常事業収支差金は百九十六億円となっており、これに経常事業外収支差金及び特別収入を加え、特別支出を差し引いた当期事業収支差金は九十三億円となっております。この当期事業収支差金は、翌年度以降の財政安定のための財源として繰り越しております。
 なお、本件には、会計検査院の「記述すべき意見はない」旨の検査結果が付されております。
 委員会におきましては、受信料収入と副次収入の増収策、通信と放送の融合に対する法制度のあり方、NHKの情報公開と経営効率化への取り組み、聴覚障害者向け放送の充実等について質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本件は全会一致をもって是認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#22
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本件を委員長報告のとおり是認することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#23
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#24
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十九  
  反対               〇  
 よって、本件は全会一致をもって委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#25
○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時六分散会
     ─────・─────
ソース: 国立国会図書館
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