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1950/12/09 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 農林委員会 第9号
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1950/12/09 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 農林委員会 第9号

#1
第009回国会 農林委員会 第9号
昭和二十五年十二月九日(土曜日)
    午後四時四分開議
 出席委員
  委員長 千賀 康治君
   理事 足立 篤郎君 理事 松浦 東介君
   理事 小林 運美君
      宇野秀次郎君    遠藤 三郎君
     小笠原八十美君    川西  清君
      河野 謙三君    中馬 辰猪君
      幡谷仙次郎君    原田 雪松君
      平野 三郎君    八木 一郎君
      吉川 久衛君    足鹿  覺君
      深澤 義守君    河口 陽一君
 出席政府委員
        農林政務次官  島村 軍次君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (農政局長)  藤田  巖君
        通商産業事務官
        (通商化学局長)長村  貞一君
        経済安定事務官
        (産業局次長)  前谷重夫君
        専  門  員 難波 理平君
        専  門  員 岩隈  博君
        専  門  員 藤井  信君
十二月九日
 委員足立篤郎君辞任につき、その補欠として小
 淵光平君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 肥料に関する件
 食糧問題に関する件
 植物病虫害防除緊急対策推進に関する件
    ―――――――――――――
#2
○千賀委員長 ただいまから農林委員会を開会いたします。
 食糧問題に関して発言の要求があります。これを許します。遠藤君。
#3
○遠藤委員 私はこの際食糧増産の基本問題であります植物病虫害防除緊急対策推進について、本委員会の決議をお願いしたいと思うのであります。その決議案の朗読をいたします。
   植物病虫害防除緊急対策推進に関する件
  講和会議を目前に控えて国際情勢は益々緊迫の度を加え、今や経済自立の根幹をなす主要食糧自給体制確立の緊急性が更めて深く認識さるべき段階となつた。
  我々はかかる要請に応える最も確実迅速なる方策にして、而も進んで日本農業生産力を高めるべき経済的技術的諾條件整備への端緒を開くものとして、農作物防疫体制を拡充強化し、農作物防疫行政を刷新することは刻下農業政策の最も重要なる課題であると信ずる。
  よつて政府は左の各項を急速に実施すべきである。
  一、農作物防疫行政の刷新強化農林省農政局の扱う防除行政、防除資材行政と農業改良局の扱う発生予察関係の事業を綜合統一して植物防疫部を設置し、農作物防疫行政の刷新強化をなすこと。
  二、農作物防疫体制の拡充強化部落防除班を基底とする共同防除組織を整備すると共に、常時発生に備えて、市町村毎に防除器具並びに農薬を配備し、異常発生に備えて都道府県或は数府県毎に防除器具並びに農薬を備蓄すること、右の如き農作物跡疫体制をとり得る如く予算的措置並びに防除資材の生産資金貸材等につき万全を期すること。
   右決議する。
 ただいまの決議案の提案の理由の説明を簡単に申し上げたいと思うのであります。今日食糧増産がきわめて重要な課題であることは、いまさら説明を要しないのでありますが、特に終戦後におきましては、わが国におきましてアメリカから相当の援助を受けて、とにかく今日まで生活を続けて参つたのでありますが、この援助も早晩打切られるであろうというような情勢になつております。そのときのことを考えて参りますと、食糧のために拂うわが国の外貨というものは、莫大なものになつておるわけであります。経済の自立をはかるということが、日本の最も大きな課題でありますが、この経済体制の官立化、この見地からいたしましても、わが国において食糧の輸入をでき得る限り減少し、従つてそのためには国内における食糧の増産を推進することが、最も緊要なことであると思うのであります。のみならず、最近の朝鮮事変をめぐりまして、世界の情勢は非常に大事な急転回を始めて参りました。万一世界の構勢の大転換がありました場合には、このわが国における食糧問題というものは、まことに戰慄を覚えるような段階に立ち至るおそれもあるのでありまして、私どもこの際食糧増産に対しては、あらゆる政策の基本として、あらゆる施策の先に、これらの問題を解決して行かなければならぬと思うのであります。ところがこの食糧増産の問題については、各種のきわめて広汎な問題を含んでおるのであります。なかんずく植物防疫の問題については、きわめて重要な意味を持つておると思うのであります。今まで植物防疫についても、政府は相当の施策を講じて参りましたが、いずれも微温的であり、不徹底であつたのであります。病虫害の被害は、年々数百万石といわれております。統計の上に現われた数字だけでも、大体二百万石以上になつておりまして、この金額は百五十億円以上にも上つておるのであります。これは人目に見えるような病虫害があつた場合の数字だけでありまして、問題になつておらない病虫害の数字まで合せますと、優に八百万石以上にも及ぶような現状であるのでありまして、この病虫害の駆除予防を徹底的に行うことによりまして、八百万石以上の増産が可能である、供給が可能であるというような結論になるのでございます。そこで私どもとしましては、すみやかに植物防疫の防疫体制というものを確立する必要がある。
 その方法といたしましては、まず第一に農林省における防疫行政の機構を整備しなければならぬ。現在農政局がある一部分は担当し、また農業改良局もこれをつかさどつておるのでありまして、これらの所管が区々にわかれておりまして、それぞれなわ張り的な行政をやつておりますために、植物防疫行政というものが強力に推進ができないような現状にあります。すみやかにこれを一本に総合品いたしまして、防疫部というようなものをつくつて、強力なる行政機構を確立する必要がまずあると思うのであります。
 第二の問題としましては、防疫体制がほとんど全国的にできておらない。ある地帯に病虫害が発生いたしますと、非常にあわてて右往左往しておるというのが現状でありまして、これには全国的に植物防疫の組織を確立する必要があるのであります。この組織といたしましては、部落ごとに共同防除班をつくりまして、これに防疫員のごとき世話役を一名ずつ置きまして、これを基盤として市町村共同防除組織を整備するしそうして一般病害虫の常時発生に備えまして、市町村ことに防除器具並びに農薬を配備し、異常発生に備えて、都道府県あるいは数府県ごとに、防除器具並びに農薬を備蓄することが、最も適当であると思うのであります。しかして私の計算によりますならば、これに要する経費は、防除器具としましては二十四億三千万円ばかりであります、農薬が十八億二千万円ばかりでありまして、たお防疫員養成費として二億円、合計四十五億五千万円程度になります。しかしこの経費は全額国庫で負担をして、そうしてしかも三十六年度にただちにこれを計上してほしいと思うのであります。この四十五億程度の負担は、非常に過大のようでありますけれども、これによつて病虫害の駆除、予防が完全に行われますならば、八百万石の増産が可能であるとするならば、四百億以上の利益があるわけでありまして、單なる経済的な計算からいたしましても、十倍の利益になるのみならず、今日におきましては、金を幾ら出しても食糧が得られないという事態も予想されるのでありますから、そういう点からいいますと、四十数億の支出というものは決して厖大なものでないというふうに私どもは確信するのであります。
 かかる見地から、政府はすみやかにこの防疫体制を確立し、防疫行政を整備いたしまして、今日の日取も大切な食糧増産の重要な課題であるところの防疫についての政策を、推推せられんことを念願するものであります。なおこの防疫体制を強化するには、これに必要な農薬及びに防除器具の生産資金等三十数億必要でありますが、これらも当然政府が考慮をしていただかなければならぬと思うのでありまして、これを要するに、すみやかにこの防除体制を確立することによつて、日本の食糧増産が飛躍的に増進されることを信じて手疑わないのでございます
 非常に簡單でございましたが、以上提案の理由を説明いたしまして、農林委員各位の御賛成を希望する次第であります。
#4
○千賀委員長 遠藤君の発言に対しまして、他に意見があれば、この際御発言を願います
#5
○足立(篤)委員 ただいま遠藤委員から御提案のありました決議案につきましては、その趣旨において、私は大賛成をいたすものであります。病虫害等によつて減産になつております主要食糧を少しでも確保するということは、目下の食糧事情からいたしまして、ぜひとも望ましいことは申し上げるまでもないところであります。従来とかく置き忘れられておりましたこの対策につきまして、ただいま御提案の趣旨説明にもありました通り、強力なる組織をここにつくり上げる、しかも物的にも、これを政府において極力援助するという方法によつて効果を上げることは、最も望ましいことであります。しかしながら私は一点希望をつけ加えさ消せていただきたいと思います。またその希曜を、でき得れば政府の側にもつけ加えて申入れ願いたいと考えておるわけであります。その希望と申し上げますのは、この決議案の第一項に防疫行政の組織について触れております。なお、ただいま遠藤委員自身から提案理由の説明として、詳しくその内容について御説明がございましたが、これにつきましては、終戰以来わが国の農業団体の推移を見ますると、きわめて多岐にわたつておりまして、率直に申し上げれば、まさに混乱状態に陷つておると申し上げてもさしつかえないと思うのであります。農業会が解体されて農業協同組合ができまして、なおその連合体の組織におきましては区々にわかれておりまして、かえつて農民の利益にならないような場面も幾多見受けられるのでありまして、そういつた関係から農栗協同組合自体も経営難に逢着しておるような状態であります。ことに技術指導の面におきましては、普及技術負制度がしかれまして、今日喜ぶべき面でございまするが、団体等との関係を考えますと、きわめて錯綜いたしておりまして、今日普及技術員と指導農業協同組合連合会の末端組織と、農業共済組合連合会の末端組織とが、相競合いたしておりまして、とかく指導の統一性を欠くという状態に立至つておることは御承知み通りであります。この技術指導の組織は、でき得べくんばなるべく統一いたしまして、徹底した技術指導ができるようにいたの御説明のありました通りでけつこうすべきではないかと、私ども日ごろ考えておるわけであります、一面経済活動の面を担当します農業協同組合にいたしましても、先ほど申しましたように、連合会組織は非常にこまかにわかれておりまして、運営もきわめて困難に陥つているという状態でありまして、こういつたのは一日も早く整理統合が行われまして、真に農民の利益になるように、はつきりした、しつかりした基盤を持ちまして、経済活動ができるような組織に改変さるべきであると考えておるわけであります。それにつきまして、この決議案に関係して特に私意見を申し上げたいと思いますのは、技術指導の面であまりますが、従来郡農会というものがありまして、これが町村にも組織を持ち、一方経済活動の面は産業組合でやつておつたという、二本建ての関係になつておりましたが、ただいま申し上げましたように、区々にわかれております技術指導部面は、昔行われておりました郡農会知なものに統合されまして、強力に防疫体制も確立するし、また以前の農業保險、現在の災害補償制度の運用にも当り得る、つまりギブ・アンド・テイクの、農民にも喜ばれ、その指導に農民が喜んで服するような組織を持つていくことが理想ではないかと考えておるような次第であります。ただ一方的に農民に義務を課するということではなくて、農民が進んでついて来るような組織に改変さるべきであると考えておるような次第であります。そこでこの決議案の第一項にあります植物防疫部をつくるということは、過渡的には一本にまとめることがただいま提案者の御説明のありました通りでけつこうだと思いますが、理想を申し上げますれば、これは農政局に現在の農業協同組合部がありますが、これと並立するような農業災害対策部と申しますか、農業技術指導部面を担当するような強力なる組織を一元化するということが理想ではないかと考えておるような次第であります。技術指導の組織が区々にわかれまして、お互いに牽制をし合い、末端においては余分な負担もしなければならないし、またその指導そのものが区々に分かれるということは、農民にとつてまことに不幸ではないかと考えますので、特に希望意見を申し上げたような次第でありますが、願わくは政府においてこの点を考究せられて、将来農民がよつてもつてたよることのできるような技術指導組織をここに確立されて、研究されるよう希望するような次第であります。なお現在病虫害の防除につきましては、農業共済組合の組織が、そのみずからの業務の一環として当たつておりますことは、御承知の通りであります。この提案の内容にもあります通り、部落防疫班をつくつて、これに責任者を置き、これを町村でまとめて行くという、この行き方を現にとりつつあるわけでありまして、この全国的に組織化されました農業共済組合の組織を動員いたしまして、この病虫害防除の対策に万全を期せられるよう、あわせて希望を申し上げる次第であります。
 以上の希望を付しまして、本決議案に大賛成をいたす次第であります。
#6
○千賀委員長 他に御発言はありませんか。
#7
○河野(謙)委員 遠藤委員の御提案、全面的に趣旨は賛成でありますが、ただ決議案の一行自から三行目にかけて、「食糧自給体制の確立」という言葉が使つてありますが、私はこの用語は「自給度の向上」ということに直していただきたい。とかく自給体制の確立ということは、あたかも戰時中の国防国家建設の一環としてのあの農村を非常に束縛した形態を農村に印象づけるわけであります。どこまでも自給度の向上をはかり、農村の自由な作付の上に立つての自給度の向上ということでなければならないと私は考えます。その意味合いで、私は「主要食糧自給体制の確立」というのを、重ねて申しますが、「主要食糧の自給度の向上」ということに直していただけたらたいへんけつこうだと思います。簡單に字句の修正を私はお願いするものであります。
#8
○千賀委員長 提案者の遠藤君にお伺いしますが、ただいまの河野君の御意見に対して御発言がありますか。
#9
○遠藤委員 ただいまの河野委員の発言に対して、自給度の向上でけつこうであります。修正に同意いたします。
#10
○千賀委員長 ただいま遠藤君の発案並びに足立、河野両委員の発言の趣旨もこれを取入れまして、決議案の原案を採択することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○千賀委員長 御異議なしと認めます。採択に決しました。
 各省の関係あると思われる方面に参考送付の件は、委員長に一任をしていただくことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○千賀委員長 異議なしと認めます。さように決します。
    ―――――――――――――
#13
○千賀委員長 昨日以来の肥料に関する件の政府の回答を朝から待つておるのでございまして、一時間ごとぐらいに政府に催促をいたしておりますが、向うでも非常に誠意を持つて、額を集めてやつておるそうであります。大体できたという報告も聞いておりますので、今日は報告ができるだろうと思つております。
 それまで暫時休憩いたします。
    午後四時二十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時十六分開議
#14
○千賀委員長 ただいまから農林委員会を再開いたします。
 河口委員から発言を求められておりまするのでこれを評します。河口委員。
#15
○河口委員 昨日も河野委員から、北海道の燐酸肥料が七割アップを突破しているという御指摘があつたのでありますが、私ども当事者としてもこの点非常に苦慮いたしておるのです。肥料価格問題に対しては、七割アップ以上になつた場合、政府としても処置をすることになつておりますが、これに対して農林省はいかようなる御見解を持つておられるか、お知らせ願いたいと思うのであります。
#16
○島村政府委員 北海道に燐酸肥料が相当使用され、かつ従来公団当時には運賃プールがあつたにかかわらず、現在では遠距離であり、工場よりの準搬のために相当価格のつり上げを来たす傾向のあることはお話の通りでありまして、それに対する対策といたしましては、全国の上需給状況から考えて、もちろん適当な手段を講じなければならないと存じておりますが、その方法といたしましては、できるだけ昨日この問題に触れてお話のありましたように、公団手持ちの肥料を政府において適当に操作をいたすということが、それらに対する対処の道ではないかと存じております。
#17
○河口委員 燐酸肥料のみが七割アップの線を突破いたしておるのですが、目下燐鉱石に対しては、それぞれ補給金が支拂われておるわけです。こり際政府が、この燐酸肥料に対して補給金を出しておるその面から、特に北海道だけが運賃関係で高くなつておる実情にかんがみて、運賃だけをこれらの面から補給するような方途をお考え願えれば幸いと考えておるのですが、この点いかがですか。
#18
○島村政府委員 統制全体が解除になりました今日におきましては、運賃に対しで助成するとか、あるいは何らかこれに対する措置を政府方で講ずることは困難ではないかと考えられます。
#19
○河口委員 燐鉱石に補給金を出しておりますので、これは農林省が一応御努力願えれば、ある程度措置がとられるのではないかと考えますが、一応これは事務的にひとつ御研究を願つて善処方をお願いしたい。
 さらにもう一つお願いを申し上げておきたいことは、実は公団手持ちの肥料が、御承知のように価格調整をするために在荷されておるものでありますので、北海道には当時の公団手持ちの数量が全国に比較いたしまして、平均数字よりも少い保有量しかなかつたわけであります。数字的に申し上げると、大体公団が廃止されるときの北海道の公団の手持ち数字は、私どもの方の手元では一万六千五百四十トン、これは全体を通じての数字でありますが、うち一万八千二百四十八トンが過燐酸、こういう少い保有量しかないがゆえに、特に北海道肥料が高くなつておるように推察されるわけであります。大体全国的の消費量から考えれば、北海道の肥料の消費の量は全国消費の約一割です。それから考えると七月末における公団手持ちの数字は八十万トンと承知いたしておりますが、これから逆算いたしますれば、八万トン程度のものが北海道に保有されておらなければ、価格調整の政府の意図に一致しないわけであります。八万トンから三万六千余トンを引きますと、約五万五千トン程度のものが、公団の保有量において北海道に不足をいたしておる、そのことによつてこの肥料の価格が地方的にローカル価格を品差しておる、かように現状がなつておるわけであります。従つ政府としては、この不足の五万五千トン程度のものを、北海道に拂い下げることによつてこの価格の調整が行われる。そのことは全国平均の数字であるから、何も一方的の取扱いにならぬとかように私は考えておるので、この方途を積極的に農林省において取扱つていただきたい、かように私は考えるのですが、この点に対して農林省の御見解をお尋ねいたしたい。
#20
○島村政府委員 公団手持ちの数量は、統一解除後における価格の調整を意味したものであることはお話の通りで、さように政府の方でも取扱いたいと考えておるのでありまして、従いまして、公団の廃止当時にありました八十余万トンをある程度まで放出をいたしまして現在では五十万トンばかりと考えられますが、それらのもののうちを、もし価格のアップのありまする際には、適当に北海道等にも放出いたしまして、最初、公団廃止後における措置として考えたその措資を考えたいと思うのでありますが、数量の点につきましてはなお研究を重ねまして、できるだけ御趣旨に沿うように考慮いたしたいと存じます。
#21
○河野(謙)委員 今北海道の問題が出ましたので、私ここで関連してお尋ねしたいのですが、今河品委員からもお話のように、燐鉱石には補給金がついておる。この補給金は、私がいまさら言うまでもなく、メーカーに対する補給金でもなく、小間業者に対する補給金でもない。農民に七割アップ以内で過燐酸を、やるためには、燐鉱石にこれだけの補給金をつけなければならぬということで、つけておる。従つて全国の農民に、過燐酸は七制割ップ以内の価格でやるという約束のもとに補給金は決定しておるわけだ。従つてそういう約束のもとについておる補給金でありますから、北海道の過燐酸が八割高であつたり、また一方において六割高があつたり、いろいろな価格の相違があることは、これは私は補給金をつけておる精神とまつたく相反するものだと思う。昨日物価庁の人の説明によりますと全平均が七割アップ以内であるからいいと、こういうのですが、私はほかの質問がありましたので、急いだので、その問題に触れませんでしたが、一体今日御出席の通産省なり農林省なりの方々は、きのうの物価庁の御答弁と同じように、過燐酸の価格は平均が七割アップ以内であるならば、政府は何らの措置をとる必要はない、かように考えておられるかどうか。そういう考えのもとに、北海道が八割アップであつても、今政務次官が御答弁のように、政府としては何ら積極的に措置をとる用意がない、こういうことに考えて、いいのですか。
#22
○島村政府委員 燐鉱石に対す補給金でありますので、ただいまお話の河口さんの運賃に対する助成は困難ではないか、かように考えまして、お答えを申し上げたのであります。なお関係省と協議をいたしまして、ただいま河野さんのお話の点を十分研究を進めてみたいと思います。
#23
○河野(謙)委員 非常に簡單なことで、しかも私は重要なことだと思うのですか、一体今の燐鉱石の補給金の性質からいつて、過燐酸の価格が、全各地区ごとに大幅に価格の変動があつていいのかどうか、そういうことと燐鉱石に補給金をつけている精神と相反しはしないか。これについて御答弁を求めたのです。
#24
○藤田説明員 燐鉱石はお話の通り補給金がついておりまして、従つてそれを使つて生産されます過燐酸石灰は、農家へ売り渡します場合には、これを予定の七割アップ程度にとどめたい、こういう趣旨であの停止価格のメモが出たのだと考えております。従つて御趣旨の点は、やはりわれわれといたしましては、さような意味からいたしまして、どこのところでもやはり七割アップで買えるようにすることがその趣旨に沿うものというように考えております。
#25
○河野(謙)委員 私も今農政局長のお話の通り、やはりこの解釈に二つはないと思う。そうしますと、昨日物価庁で言われているところとは違う。この点につきましては、今日物価庁の方がお見えになりませんけれども、ただちに政府において訂正されるように御連絡願いたいと思います。同時にさようにいたしますと、今河口委員がおつしやいましたように、北海道にも、運賃がかかろうが、何かしようが、政府のあとう限りの努力によりまして、北海道といえども内地と同じように、過燐酸の価格をややつり合つたものにするようにしなければならぬ。しかもその方法にあるのであります。礎貨の補助もくそもない。今政府が持つておりますところの公団手持ちの過燐酸を、政府の負担において北海道に移せばいいのです。そうすることによつて、北海道の需要を満たす、ということによつて、価格はバランスかとれるはずだ。さようなことを政府の負担においてやれるのでありますから、これをおやりになる意思があるかどうか、お答えを願いたい。
#26
○藤田説明員 われわれといたしましては、先ほど政務次官からお話がございましたように、公団の放出にあたつては、地域的に、あるいは季節的に価格あるいは数量も非常に不円滑になつておりますことを、これによつて調整したいという趣旨でございますから、従つて放出が決定いたします場合に、できるだけ北海道の事情を考慮いたしまして、北海道にできるだけ放出の肥料が行き、それによつて全体的に価格か安定する方向に持つて行きたい。ただ御承知の通り、過燐酸石灰の手持ちが十万トンぐらいであろう。従つてどれくらい出せるかということは、これは各地方の問題もございますから、そのときにいろいろ具体的な研究をしたいと思います。
#27
○河野(謙)委員 私はくどく申しません。最後に強く要望いたしますが、北海道は河口さんのおつしやるように、年内に春の肥料の六割をとらなければ春の肥料に間に合わない。これはその通りであります。従つて今ここで春の商売が大部分もうできておる。また旬日のうちにできてしまう。こういう状態でありますから、今の御趣旨に沿つて、一日も早く手を打たれるように、そして補給金の精神に反しないように、政府は善処されることを、私は強く要望いたします。
 なおこの機会に委員長にお願いしますが、手元にわれわれがかねて要求しました決議に対する政府の答弁書が来ておりますが、これに対しての質疑をただちに行つてよろしゆうございますか。
#28
○千賀委員長 ちよつと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#29
○千賀委員長 速記を始めて。
#30
○平野委員 昨日の本委員会におきましてお尋ねをいたしました、目下通産省で御計画になつておる過燐酸の二万数千トンの輸出問題につきましては、農林省としてどういう態度をとるかということについての御答弁を、本日に譲るというお話でありましたから、それについて島村政務次官にお尋ねをいたしたい。それは私はくどくどしい御説明はいらないので、ただそれに対して同意をする方針であるか、あるいはしないか。それだけでけつこうですから、簡單にはつきりとお願いします。
#31
○島村政府委員 いろいろ検討を重ねたのでありますが、やはりこれには需給関係等をもう少し調べねばなりませんので、十分検討の上その態度を決定いたしたいと思います。従つて省議ではまだこの問題に対する態度をはつきりと決定いたしかねておりますので、御了承願いたい。
#32
○平野委員 そうしますと、同意を與えられる可能性があるということになるわけですが、本日の回答書を拝見いたしますと、第三項には明年五月末までの輸出可能限度を定めて、右期間内にさらにそれ以上の輸出を行う考えはないということと矛盾するように思われるのですが、その点はどうです。
#33
○島村政府委員 本件に関しましては、委員長の御質疑の要点が窒素質肥料を主体に考えられたものと了解をいたしまして、第三項の回答は、ごらんの通りに窒素質肥料における回答といたしておるのでありまして、さように御承知を願います。
#34
○平野委員 そうしますと、過燐酸については全然別であつて、最近において輸出に同意を與えられる場合があるというふうに了解してよろしゆうございますか。
#35
○島村政府委員 昨日からいろいろ御論議のありました通りに、価格の七割アップが非常に農民の心理状態に影響を持ち、かつまた輸出それ自身が非常な心理的にも影響がありますので、愼重に取扱いをいたしましてできるだけさような価格の点、あるいは需給関係等において、農民の不安を来さないような措置を講じたいという念願を持りて措置いたしたい。かように存じておる次第であります。
#36
○千賀委員長 お諮りいたします。昨日来農林委員会で討議をされました肥料対策の件でありますが、ただいまお手元にまわした通りに、三大臣から同等が参つております。いずれこの点には御質疑等の御発言があると思いますけれども、時間の経済上、とりあえずこの案文の説明は島村政務次官にお願いしたいと思います。島村政務次官。
#37
○島村政府委員 昨日来の御論議の点をさらに政府におきましては検討を加えまし、別途お手元に配付いたしておりますような回答を申し上げたいと存じておる次第であります。回答の全文は省略いたしまして、第一から読み上げましで説明にかえたいと存じます。
   肥料対策に関する件一、本肥料年度における化学肥料の生産計画については、昨肥料年度に比し約十万トンの増産を見込んでおり、これが生産に必要な電力については優先的に確保することといたしており、さらに電力の全般的需給を考慮の上、電力使用の合理化並びに余剰電力の活用等によりなお一層の増産をはかる所存である、
  肥料工業の設備資金についても、見返り資金の運用等につき特に考慮を拂い、肥料の増産及び企業の合理化を促進することといたしたい。なお今後の化学肥料の長期的増産計画については、目下自立経済審議会において検討中であり、その成案をまつて肥料の増産並びに製造原価の低減をはかりたいと考えている。二、肥料行政の一元化については、十二月八日貴委員会において行政管理庁長官が答弁した通りの事情にある。三、先般明年五月末までの輸出可能限度を窒素質肥料において九万三千トン(既輸出二万四千トンを除く)としたが、この数量は国内の肥料消費に支障なきよう、十分検討の上決定したものであり、日本政府としては有期間内にさらにこれ以上の輸出を行うことは考えていない。四、肥料の生産と消費との季節的、地域的不均衡に基き、その価格及び需給に混乱を来す場合も予想されるので、財政その他経済諸般の事情を検討し、需給の調整方策に関し、貴委員会の決議の趣旨を尊重し、可及的速かに関係各方両と協議し、その実現に努力いたしたいと考える。以上でありまして、別に説明を加えることもないと存じますので、ただいま読み上げましたことでひとつ御了承を願いたいと思います。
#38
○河野(謙)委員 さつそく二、三お尋ねしたいと思います。
 まず第一に電力の問題ですが、これから起るところの渇水期における電力の供給事情については、一部に非常に悲観的な観側もいたされておる。そこで渇水期における電力事情がかりに惡化いたしましても、現在通産省か生産計画を立てております生産数量だけは、最低限度確保するために、他の産業を犠牲にしても、この線だけの生産をするための電力は必ず確保する、こういうふうな意味に承知していいかどうか、これをまず伺いたいと思います。
#39
○前谷説明員 お答えいたします。ただいまの御質問でありますが、お話のように、私たちといたしましては、先般も申し上げましたように、この輸出を決定いたしました際におきまして見込みました生産数量については、ぜひとも優先確保いたしたい。そのためには、たとい渇水期になりましようとも、その予定した生産数量だけはぜひ確保する、そういうつもりで目下電力その他につきましては、来年の一月―三月の予定に対しまして検討中でございますが、大体お話のような考え方でやつて行きたい、かように考えておりまする
#40
○河野(謙)委員 これはそういう方針でやるという考え方を持つておるとか、さように考えておるとかいうことでなしに、そういうふうにやりますということに、ひとつはつきりとこの際御答弁いただきたいと私は思います。
#41
○前谷説明員 そういうふうに御了解になつていただきたいと思います。
#42
○河野(謙)委員 次に二の問題ですが、きのう行政管理庁の長官として、この委員会で答弁をいただ参いた覚えは私はないのですが、農林大臣に答弁を求め、委員長は農林大臣廣川何がし、こう言つている。その答弁において、廣川農林大臣も特に行政管理庁長官として答弁をするというようなことは入つていない。このところについて、ひとつどういうことですか、少し行き違いがあると思いますが、政府の方から御答弁願いたいと思います。
#43
○藤田説明員 廣川農林大臣は、御承知の通り行政管理庁長官も兼ねておられますので、御答弁のときに農林大臣たると何時に、また行政管理庁長官というふうた考えから御答弁をされておるのであります。それでこれは速記録がまだはつきりはわかりませんが、私ども調べたところでは、昨日は大臣はかように答えられております。「肥料の行政機構一元化につきましては、この前私が述べた通りでありまして、各省と了解を得て来国会に案を出したいということで目下進めておるのであります。」それで「この前私が述べた通りでありまして、」と書いてありますのを、この速記録を調べてみますると、「われわれの草業におきましては、この肥料の実態的なことをよく勘案いたしまして農林省に一元化するように草案は決定いたしておりますが、まだ各省と相談する段階までには至つておりません。」さようにこの当時は行政管理庁長官というような意味で、われわれの草案というのは、行政管理庁の草案というふうにいわれておるわけであります。それについで昨日「この前私が述べた通りでありまして、」こういうふうにございましたので、かように御答弁をいたされたわけであります。
#44
○河野(謙)委員 それは少し私も疑問に思いますけれども、そうとして、しからば答外書の中に、草案は決定しておりますが、まだ各省と相談する段階までに至つていない、従つてこの問題については、事実はどうであるかもしらんけれども、答弁書の形式によりますと、通産大臣も安本長官もまだ相談を受けてない。相談を受けていない人かこういう答弁書をわれわれによこすということは、一体どういうわけか。この答弁は少くとも通産大臣と安本長官はどういうことを答弁しているのであるか、それを伺いたい。
#45
○島村政府委員 三大臣に相談の上でかような答弁を申し上げるということにいたしましたので、従つて昨日本委員会において横川行政管理庁長官が答弁をいたしましたことに対しては、十分承知の上での答弁でありますから、さように御承知を願います。
#46
○河野(謙)委員 行政管理庁長官が答弁した通りの事情にある、「通りの事情」というのは、相談してないという事情であるか、これから相談するという事情であるか。それで一体答弁になるかならないか、私はここのところは、ちよつと人をばかにているのではないかと思う。一体われわれはこういう回答を受けてどういうふうにとつたらいいのですか。
#47
○島村政府委員 肥料行政一元化については、さような考え方を持つておるということに対する三長官の意見は一致しておるわけでありまして、その具体的方法をどうするかということに対する、方法と申しますか、具体的な事項に対する相談が十分できていないということに御了解を願いたいと思います。
#48
○河野(謙)委員 それならば、昨日答弁した通りの事情にある、従つて早急に三相協議の上いついつかまでに回答する、もしくは政府がよく使うところの可及的すみやかに回答するとか、何かそこにつかなければこれでは回答になりません。相談を受けてない、まだ相談をしてない、その相談をかけられてない大臣が、きのう行政管理庁長官が答弁した通りの事情にある、これではどう考えても答弁にならぬと思います。それではこのあとに私はつけ加えますが、まだ相談はかけておられないけれども、近日のうちに行政管理庁長官の草案に従つて三相が相談をして来国会早々にこれについての具体的な答弁をする、こういうふうにこの答弁をわれわれ、は拡大して解釈していいのですか。
#49
○島村政府委員 ただいま農政局長が荒み上げました速記の内容について考えますれば、行政機構改革について案を立てて、それを来国会に提案をする意思であるということは、昨日発表された通りでありますので、お話の通りに、来国会にこの問題を提案するのに対する三長官の――もちろん政府内部の相談ができることと信じております。
#50
○河野(謙)委員 私は今の農村政務次官の御答弁を信じまして、さつそく政府部内において、関係者二大臣と御相談の結果、通常国会早々に具体的の御回答がある、こういうふうに解釈いたしまして次に移りますが、三のところがいつの間にか、わずかでありますけれども一千トンふえている。きのうは九万二千トンだつたのに、きようは九万三千トンになつているのはどういうわけですか。
#51
○前谷説明員 お答えいたします。この案は先般も当委員会において御答弁申し上げましたように、先般総司令部からメモが参りましたときに、総司令部に対して回答いたしましたそのままと同じ考えを政府といたしましては持つておりますので、輸出限度としてここまで認めた、それ以上は輸出しないという同じ回答をいたしたわけでございまして、その事情は、この前総司令部に答弁する前に当委員会において御説明した通りでございます。
#52
○河野(謙)委員 そうしますと、司令部に出した数字と合せて九万三千トンにした。しかし実際の輸出に承認を與えたのは九万二千トンである。従つて差額の一千トンについてはまだ承認を與えていないけれど、も、司令部との数字を合せる意味において九万三千トンにした。従つてその差額の一千トンはまだ許可を與えていない。これは今後において干トン出すつもりですか。それとも今までの承認を與えた九万二千トン限りで、あとは五月までやらぬ、こういうおつもりでありますか。
#53
○前谷説明員 この九万三千トンは、ここにもございまするように輸出の最高限度でございまして、先般司令部に回答いたしましたのは、九万三千トンを出せということに対して了承いたしたわけでございます。従つてその差額の一トンはペンデイングというこになつております。
#54
○河野(謙)委員 ペンデイングというのは、輸出の申請があれば、千トンの範囲内でいつでも許可して出させる、こういうことですか。
#55
○前谷説明員 その点につきましては農林、通産と協議をいたしておりますので、出すか出さぬかということはきめておりません。両省の御意見が一致すれば、出すとか出さないとかいうことがきまるんだろうと考えます。
#56
○河野(謙)委員 農林省はこれに同意を、與える意思がありますか。
#57
○藤田説明員 輸出可能限度といたしましては九万三千トン、これは需給計画上さような数字を農林省も了承しております。しかし現在の具体的な輸出計画け九万三千トンしかございません。従つてあとの一千トンをどうするかという問題は、現実には当面しておりません問題であります。従つて具体的な問題が起りましたときに、農林省といたしましては検討をしてそれに対する意見を出したい、こう思つております。
#58
○河野(謙)委員 それから最後の回答に移りますが、「可及的速かに関係各方面と協議」の上実現に努力する、こういうのであるが、その前の方に「価格及び需給に混乱を来す場合も予想されるので」と将来のことを言つておられるが、政府とわれわれとの見解の相違といいますか、意見の不一致は、われわれはすでに過去並びに現実に起つておるいろいろのトラブルを解決するために決議を出した。将来に備えてわれわれは言つておるのじやない。たとえばここに「需給に混乱を来す場合も予想される」とあるが、予想じやないのです。さつきも北海道の話がありましたが、地域的、季節的の調整がとれていないから、過燐酸が北海道では八割高であつて内地では六割高、ある消費地はまた六割五分と、こういうふうな問題が起つておる。なお北海道に限らず、八日以降の秋肥の価格並びに配給の状態を見れば、いずれも各地区とも、日本全体の価格的地域的、季節的の調節がなかつたためにこういう事態が起つたのだということは、現実の問題として、安本初め関係各省は実質的に経験されてお石わけです。決して将来の予想じやない。すでに八月以降こういう問題を繰返して来たから、早くやらなければいかぬ、こういうことを言つておる。そういうふうにわれわれは認識しておるのですが、これにつきまして、安本初め関係各省は、どこまでも、八月以降は地域的にも季節的にもうまく行つたのだ、ただ来年の春から来年の夏にかけでどうも心配だ、こういうふうな認識に立つておられるのかどうか、これについてひとつ伺いたい。
#59
○島村政府委員 御指摘の通りに価格及び需給の問題につい、は、現実にすでにそういう問題かあつた結果として、公団手持ちのものによつて操作をするということをやつて参りつつあるわけでありまして、現実の上に立ち、かつ将来におきましても、さようなことが考えられるということをここに表わしたに過ぎないのでありまして、お話の点は、おそらく政府としての需給調整の執意が足らないのじやないかというふうな、御激励の意味からであろうと推察いたしますので、農林省といたしましては、さような見地からまた農家の、肥料に関する不安を取除くためには、需給調節ということは、ぜひとも考えなければならぬ問題であるという立場から、かような回答を申し上げておる次第であります。
#60
○河野(謙)委員 私と同じ認識のもとに立つておられるようでありますから、しからば「可及的速かに」というのは、来通常国会に適当な措置をとる、そういう意味に解釈していいかどうか、もう一つは「関係各方面」と書いてありますが、関係方面という字句だと、私たちは大体見当がつくのですが、特に「関係一各方面」と書いてある。「関係各方価」というのは、司令部以外にどこかまた別にさしておるのですか、このごろはとんでもないのが出て来ますから、「各方面」というのを念のために何つておきたい。
#61
○藤田説明員 「関係方面」の最も大きいのは、もちろん司令部でございます。それからまた三大臣から申しますれば、やはリ財政当局、これについてもいろいろすみやかに協議をしなければならない面があるわけであります。それから私どもの気持といたしましては、できるだけ早くやりたいということで考えておりますが、結局現在の財政事情等の関係もございますので、これを端的に通常国会にはどうするという点まで書けなかつた点を御了承いただきたいと思います。気持といたしましては、われわれとしては、できるだけ早く準備を整えて、もちろん間に合えば通常国会に出すつもりで準備するという気持でございますが、文章として表明いたしますのは、そういうふうな事情もございますので、「可及的速か」といたした次第であります。
#62
○河野(謙)委員 どうもそれだけでは了承できない。どうしても気持だけでは困る。この際もう少し時間的にはつきりと、通常国会なら通常国会と言つてもらわなければ困る。先ほど私が前段において申し上げたごとく、将来を予想するのでなく、現実に、また過去において、地域的、季節的にいろいろ混乱が起きたので、一日も早くやらなければならぬという認識の上に立つておられるということを、少くとも農林政務次官はおつしやつた。そういう私と同じ認識の上に立つならば、ほんとうを言えば通常国会ではおそいのですよ。少くともこの一月から始まる通常国内早々に出すという決意をはつきりと示していただかぬと、これは私は満足できません。この点につてもう一ぺん御答弁を願いたい。
#63
○藤田説明員 先ほど申し上げました通り、私どもといたしましては、需給調整に関する何らかの方策が必要だと思つております。ただそれについては、やはり財政的な現在の事情ということも十分考えなければなりませんので、具体的に実現する時期については、なかなか農林省だけで明言いたしかねる点もございます。ただ気持といたしましては――気持だけでは困るというお話でございますが、われわれの気持といたしましては、極力早くそれを実現したいというふうに考えて、おります。
#64
○河野(謙)委員 私は関係方面からの支障によつて実現ができないということなら、これは了承します。しかし少くとも関係方面ということは別問題として、政府自体においては、少くとも来国会に出すということは言えるのじやないかと私は思う。関係方面を含めての御答弁を私はお願いしているのではないのです。政府自体の決意を伺つておるのです。この点をもう一ぺん伺うことと、最後に本日をもつて国会はまずお休みになりますが、きのう申し上げた通り、これからの一箇月が肥料は非常に大事のときです。そこできようは通産省も農林省も、特に安本もお見えになつておりますが、一体今の肥料市価をもつて、今月来月、再来月、引続き安定させるだけの政府に見通しがあるかないか、これをひとつ私は伺つておきたいと思う。これは率直に各関係各省からお伺いしたいと思う。
#65
○藤田説明員 初めの方の問題は、これはたびたび繰返すようでございますが、もちろん関係方面だけでなく、内部的に財政当局としても、この案に対して財政の事情等をどうしても考えて行かなければならぬ必要がございます。さような点もございますので、われわれといたしましては、極力すみやかに実現するように努力いたしたい。これ以上にけちよつとお答えができなかろうかと考えております。
 それからなお今月、来月、再来月の価格を現在以上に上げないようにできるかということでありまするが、私は率直に申し上げまして現在の肥料価格はだんだんと強含みになつておると思う。そうしてこれを押える手といたしましては、――硫安等につきましては、七割までは行かないと考えております。しかしながらその範囲において役所がこれを抑える具体的な、直接的なきめ手は、ございません。従つて私どもといたしましては、公団の放出を適時適切にやることによつてできる限り調整して行く、それからまた大口は協同組合の団体でございますが、協同組合はできる限り農家の財政負担に耐え得る程度に適正な値段でこれを配ることを使命といたしておると考えます。そういうふうな方面の協力をも得まして、これを事実問題として解決して行きたい。これに私どもといたしましても協力をいたしたいと考えております。放出の問題は、私どもは年内からそれぞれ春肥についての一部の放出をいたしたいということで考えております。これはぜひ実現するまうに努力いたしたいと考えます。
#66
○前谷説明員 市価の見通しでございますが、これは今農林省の方からもおつしやつたように、実は安本といたしましては、直接生産行政なりあるいは配給行政にタツチしておりません。実際の動きの見通しはどうかということにつきましては、非常に立てにくい。データーもございませんし、むずかしいことだと思うのですが、今農政局長からおつしやつたと同じような感じを持つわけであります。これは私の感じだけでございまして、何らの基礎を持つたものではございません。
 それからもう一つの公団の放出につきましては、本日も関係方面と交渉いたしております。そしてわれわれの方といたしましては、できるだけ早く出すように努力いたしておりますが、まだ本日の段階においては、了承を得られなかつたというふうな段階でございます。
#67
○河野(謙)委員 この際委員長に私にお願いしておきます。ただいま政府から御答弁のありましたように、肥料は大体においてまだ順次上るだろう。ところが、ついせんだつてきめました米価は五千五百三十九円、この中に織り込まれておる肥料の値段というものは大体現在の価格もしくは少し安い価格が米価の中に計算されておる。こまかく申しますと、石灰窒素のごときは、あの当時計算しました米価の中に織り込みました価格よりももうすでに上つております。硫安、過燐酸は大体かつかつ、もしくは幾らか上りております。そういうようなことでありますから、米の価段はきまつたが、きまつたとたんに順次肥料は上つて行く。なるほど政府は肥料が上つたら、バツク・ペイする、こういうふうに言うかもしれません。バツク・ペイなんというものは農家にすればきわめて迷惑なものであります。農家が一時肥料代を立てかえるようなものであります。一ぺんとつたものはなかなかくれません。でありますから、この際米価等のにらみ合せも考えまして、私はくどく申しませんが、肥料が順次上る傾向にあるときに、即時適切な方途を政府がとるように、本国会の終末にあたつて、委員長から今晩のうちに、強く政府に伺つて注文をつけてもらいたいということを、私はお願いいたします。
#68
○千賀委員長 承知いたしました。
#69
○平野委員 第二の問題が非常にかんじんなところでありますので、念のためにさらに確言を願つておきたいのであります。この答弁は行政管理庁長官の答弁であるけれども、三長官の名前で出されているのでありまするから、先ほど政務次官の御答弁にあつた通り、この行政理庁長官の意見に対して三長官は完全に意見の一致を見たものなり、かように解釈してよろしいと思います。しかし先般本委員におきましても、通産大臣は正二式に肥料行政は通産省で所管するのが妥当であるという見解表明があつたわけでありますから、それが取消しになつたものとここで了解してよろしいかどうか。なお実はこれは先ほども大臣室で、非公式でありますけれども、政務次官の首藤君に会つたときに、廣川農林大臣と意見が一致したように見えないように私は印象を受けたのですが、そういう点は一切解消して、この行政管理庁長官の答弁がはつきりとこの三長官の意見一致の上に出されたものであるというふうに了解してよろしいか。この点を念のために伺いたいし、もう一つは、これは非常に枝葉末節なことのようであるけれども、どうもへんに思われますことは、これも非公式でありますが、先ほどの第三の回答は行政官理庁長官が答弁した通りであるというふうに書いてあつて、それで私らはこれでいいというふうに申し上げたのですが、今これを拝見すると、「通りの事情にある」という文句が特別にまたここに書き直してあるので、これは私は答弁した通りであるということと同じだと思いますが、何かあとにそういうふうなへんな文句が入つているので、そういう文句をあとから入れなければならぬような特別の事情があつたものかどうか、それもあわせて念のために伺いたい。
#70
○島村政府委員 通産大臣が本委員会においてどういう答弁をされたかよく存じませんけれども、昨日来の経過から考えまして三長官が一致したことは事案でありまして、明らかに本日書面を出しました通りであります。さように御了承願います。
 なお「事情にある」という言葉の問題は過渡的の問題でありまして、私から申し上げない方がいいと思いますので、御了承願います。
#71
○足鹿委員 簡單なことですが、私よく肥料問題の内容を知らぬのですが、先刻から政府手持ちの公団の保有量の放出ということが盛んに言われております。その数量、また種類別の数量、その内容を今おわかりになりましたら、ちよつと伺いたいと思います。七月末と現在と……。
#72
○藤田説明員 公団が解散をいたしまして、清算法人になりました七月末の手持ち数量が、約八十一万トンだと考えておりますしそれにいたしまして、これは大体その当時、原則として春肥において放出する、こういうふうに相なつておつたのでありますが、その後二回にわたりまして放出をいたしております。その放出をいたしております数量が約三十一万トンでございます。まだ現実には入札その他の関係で、すつかりは農家のお手元までは行つておりませんが、すでに手続を進めておりますものが三十万トンであります。残りが大体五十万トンであります。その五十万トンについて、われわれといたしましては、当初もつとおそく三、四に放出することも考えておつたのでありますが、最近のいろいろの諸事情から考えまして、これをできるだけ早く放出して行きたいというふうに考えて、いろいろ相談をしているわけでございます。
#73
○足鹿委員 大体その問題はよろしゆうございます。先刻ちよつと非公式に河野委員の御意見に御注意申し上げたのですが、肥料の値上り分の米価のバツク・ペイの問題であります。しかしこれは五千五百三十九円に政府はまだおきめになつておりませんと思います。その点ははつきりと御訂正を願いたいと思います。特にこの問題でわれわれは非常に憂慮をいたしておるのでありますので、委員長もこれに対してただちに了承したというふうなことをおつしやることは、少し御軽率ではないかと思います。この点は御留意を願いたいと思います。
 最後に答弁書の四項にあります、先刻来河野委員から御質疑になつておりました点につきまして、お伺いしたいのでありますが、いつか委員会で農林大臣は、肥料需給調整法のごときものについて準備を進め、これが実現するということを、しばしば言明されたように記憶いたしております。ところが先刻来河野委員の質問に対しての当局の御答弁では、来国会提案の運びになるかならないかということで、見当がつかないような話でありますが、その原因はどういう点にあるのでありますか。ただ財政上の困難から来ておるのでありますか。他に理由があれば、もう少し詳細に原因を御発表願いたいと思います。
#74
○千賀委員長 ただいまの委員長の答弁について御注意がございましたので、私の心境をちよつと申し上げます。河野君の言われたことは、おそらく政府はある自信をもつて米価をきめようとしておる。その米価にかりにきまつたときには、どうだろう、そういうお話だと私は解釈をいたしましで政府が今懸案中の問題を政府案できめたときには、やはり今申し上げるように、肥料価格が上つて来れば苦しくなるから、それは何とかしなければならぬという意味を私は含めて御答弁を申上げた次第であります。
#75
○足鹿委員 そうおつしやいますと、では政府に伺いますが、今委員長は政府にかわつて非常に御理解のある御答弁をなさいました。島村政務次官以下政府関係の方が御出席になつておりますが、五千五百三十九円になるであろうということを予想して、肥料のバツク・ペイの問題についても、河野委員の希望に対して、委員長は政府の立場を御推察になつて御発言になつたようであります。しかしこといやしくも本委員会は政府の代行機関でもありませず、また委員長は政府にかわつて御答弁をなさる義務も責任もないと思います。関係当局がおいでにたるのでありますから、関係当同がこれについての御見解を述べられるか、あるいは委員長が関係当局に意見をただしてからおやりになるのが私は当然だろうと思う。私はこういうことにこだわりたくはありません。しかし実際において今日、米価問題がどれくらい真劍な、国民の、特に農民の注視の的になつておるか、その当該の農林委員会の委員長が、政府にかわつて、いかに與党政府の関係であるとは言いながら、ただちにさようなことを申されるということは、私は了解に苦しむのであります。この機会において、政府はいかようにお考えになつておるか、委員長が今仰せられたことく、政府はお考えになつておるのであるか、この意もお伺いしたいと思います。
#76
○千賀委員長 私の心境を申し上げた次第で、私は決して政府の代弁もしておらなければ擁護もいたしておりません。私が河野君の質問に対しましてお答えをしたときの私の心境は、今申し上げた通りの心境であつた。先ほどのあなた質問も、私に対しては心境をお聞きになつたと思います。私の立場から――あるいは政府の代理をするかせぬか、さようなことまで含めて御質問になつたのではないと思いましたので、私は先ほどの御答弁を申し上げたのであります。
#77
○河野(謙)委員 先ほどの私の質問の中の、米価が五千五百二十九円についせんだつてきまつた、その中に織り込まれた肥料価格云々ということは言葉が足りませんでした。私が申し上げた趣旨をあらためて申し上ますからひとつ御了解いただきたい。かりに五千五百二十九円の政府の原案がそのまま決定したとしたならば、こういうふうに御訂正いただきます。
#78
○島村政府委員 ただいまの問題に関しまして、政府の考え方をお聞きになりましたので、簡單にお答えを申し上げたいと思います。河野委員のお話は、委員長に対する希望であつたようでありますので、拝聽をいたしたのであります。米価の問題等については、私からお答え申し上げる筋合いでないと存じますので、さように御了承願います。
#79
○千賀委員長 暫時休憩いたします。
    午後六時三十分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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