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1950/11/27 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第2号
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1950/11/27 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第2号

#1
第009回国会 通商産業委員会 第2号
昭和二十五年十一月二十七日(月曜日)
    午前十時五十一分開議
 出席委員
   委員長 小金 義照君
   理事 多武良哲三君 理事 中村 幸八君
   理事 高橋清治郎君 理事 今澄  勇君
      小川 平二君    澁谷雄太郎君
      中村 純一君    福田  一君
      南  好雄君    河野 金昇君
      加藤 鐐造君    砂間 一良君
      田代 文久君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  横尾  龍君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       首藤 新八君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (資源庁電力局
        長)      武内 征平君
        專  門  員 大石 主計君
        專  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
十一月二十五日
 鉱業法施行法案(内閣提出第四号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員並びに小委員長選任に関する件
 連合審査会開会に関する件
 鉱業法施行法案(内閣提出第四号)
 電力事業編成並びに公益事業に関する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○小金委員長 ただいまより委員会を開会いたします。
 まず一昨二十五日本委員会に付託になりました鉱業法施行法案の提案理由の説明を聽取いたします。横尾通商産業大臣。
#3
○横尾国務大臣 ただいま議題となりました鉱業法施行法案につきまして、その提案理由を御説明いたします。
 本年七月第八国会に提案し、継続審議に付せられ、休会中も御審議いただきました鉱業法案は、その提案の際御説明いたしましたように、現行の鉱業決及び砂鉱法を廃止して鉱業に関する一切の統一的基本的な制度を定めるものでありまして、法定鉱物の追加、租鉱権制度の新設等新たな規定を設けている点も少くないのであります。従つて現行法の廃止と新法の制定に伴う経過的措置を規定して、現行制度に基く既得権の保護に遺憾なからしめると同時に、関係法令に所要の改正を加える必要があるのでありますが、これを新法の附則において規定することは、いたずらに法案を厖大ならしめるおそれがあるため、特に單行法として御提案いたした次第であります。
 さて本法案の内容について御説明申し上げますと、第一に現行法の廃止に伴う経過的措置として、新法の規定事項と旧法の規定事項との関連を明確にするための規定が設けてございます。その主要点は旧法による試掘権、採掘権、砂鉱権または使用権は、新法施行の日に新法による試掘権、採掘権または砂鉱権となるものとすること、また新法施行前に旧法によつてした処分、手続、その他の行為であつて、その要件または効果の新法と異なるものは、新法施行後も従前の例によるものとしたこと等でありまして、旧法によつて権利を得、または手続をしていた者を特に支障のない限りそのまま認めて行こうという趣旨であります。
 第二に新法が国民経済上の重要性から見て、鉱業法を適用し、合理的な開発と保安監督の適正化をはかる必要があると思われる石灰石、ドロマイト等七種の鉱物を従来の法定鉱物のほかに新たに追加しておりますことは、さきに鉱業法案提案の際御説明いたしました通りであります。ただ従来土地所有者または土地所有者との契約により権利を有する者が何ら公法上の制限を受けずに掘採しておりました追加鉱物を、新法施行後は鉱業権によらなければ掘採できないものとすることは、従来の掘採者、土地所有者等に不測の損害を與えるおそれがありますので、次のような特例措置を規定してその保護をはかつております。すなわち、追加鉱物の現掘採者には、新法施行後六箇月間の掘採継続を認め、さらに現掘採者、土地権利者または土地所有者が一定期間内に追加鉱物を目的とする鉱業権設定の出願をしたときは、鉱業法の原則を一部変更して、これを優先的に処理するとともに、従来の法定鉱物との重複設定を認めることにより、できる限り容易に鉱業権を取得し得る道を開いているのであります。
 最後に、現行の砂鉱法を廃止して鉱業法に統合した結果、従来の砂鉱権、砂鉱区等は、すべて鉱業権、鉱区等の観念に統一されることとなりましたため、他の法令中のこれらの字句の整理を行うほか、通商産業省設置法、鉱山保安法、登録税法、地方税法等のうち、鉱業法に直接関係のある規定に所要の改正を加えることといたしました。
 以上この法律案の提案の趣旨と大要とを御説明いたしましたが、本法案の成立が新法の実施にぜひとも必要なことを考慮されまして、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第でございます。
#4
○小金委員長 本法律案に対する質疑は後刻許すことといたしまして、ただいま電気事業再編成並びに公益事業に関して発令せられました政令に関連して、政府より発言を求められました。これを許します。横尾通商産業大臣。
#5
○横尾国務大臣 電気再編成公益事業法は至つて重大なる法案でもあり、また国民生活に最も関連あるものでありまするので、就任以来このことにつきまして、いかに取扱うべきかということに対し、慎重に考慮をいたしておりました次第でございます。第八国会後休み中にも、個々的に各位の方方の御意見も聽取し、また早くある程度の成案を得て、公式にもまたは私的にも皆さん方の御意見を承りたい所存であつたのであります。休会中に大体の法案を起算いたしまして、先方の意見の聽取に努め、なるたけ皆さん方と、そしてまた国民の声のあるところに善処したいというつもりで、極力努力しておつたのでございまするが、突然二十二日午後になりまして、マツカーサー総司令官より総理大臣あての書簡が参りまして、ポ政令によつて両案を処理するようと指令があつたのであります。それによりましていろいろの手続をいたしまして、御存じの通りポ政令を発布いたしたのであります。つきましては、私といたしましてはこの政令によつて最も早く再編成を完了し、一日も早く水力の開発その他を――その他と申しますと、火力の発電所の改良等をいたしまして、一番要望しておる、そうして産業に最も重大なる関係がありまするところの電力の増加をはかりたい。これらにつきまして必要なる資金の調達も、他産業に比べまして早く、そうして十分なるものを取得いたすことに努力したいつもりでございます。重ねて各位の御審議を願い得ず、ポ政令によつたことに対しまして、私といたしましては皆さんに申訳ない気分であるということを申し上げてごあいさつといたします。
#6
○小金委員長 今の通産大臣の説明に対して、質問の通告があります。これを許します。高橋清治郎君。
#7
○高橋(清)委員 ただいま大臣のお話の中に、マ司令部よりの書簡の中に、ポ政令をもつてこの電力再編成をやるようにという指示があつたということを申されましたが、それは明らかに書簡においてポ政令をもつてやれということが明記されてあつたのでありましようか。それともそれ以外の何かの方法によつてこれをやれというようなことはなかつたのか。その点を明らかにしていただきたいと思います。
#8
○横尾国務大臣 お答えいたします。明らかに政令によつてやれと指令してあつたのであります。さよう御了承願います。
#9
○加藤(鐐)委員 今高橋君の質問に対して、明らかに政令によつて公布すべしということが明記されておつたという御答弁でございました。その点につきましては、私どもは書簡の内容を見なければ、大臣が今簡單にそういうことをおつしやつても、これは信用できない。これは新聞に現われたことでありますけれども、岡崎官房長官はポツダム政令によつて公布する権限を付與するというふうにあつたと御発表になつておる。その権限を付與するということは、それが事実といたしまするならば、その字句から解釈いたしますならば、必ずしも政令以外に方法がないという断定を下すわけには行かないと思うのであります。それ以外にもなお方法があるということが考えられる。たとえば臨時国会中にその成立を期するという言葉が一方にあつたといたしまするならば、臨時国会中にその成立を期するということで、法律で出すことも許されるのではないかというふうに思えるのであります。その点もう少し詳細にお話願いたいと思います。
#10
○横尾国務大臣 私はポ政令によれということであつたのでありますから、それによつて手続いたしました次第でございます。書簡をごらんになるというお話でありますが、書簡は公表しないことになつておるので、さように御了承願いたいと思います。
#11
○加藤(鐐)委員 運営委員会において、いろいろこの問題が論議されたそうでありまするが、そこの決定によりますると、この書簡の公表を要請する――もちろんマツカーサー元帥の書簡でありまするから、出された人の意思によつて決定されることと私どもは思うわけであります。そこでその公表を要請する。政府もまたそれに対して、できるだけ公表できるような処置をとりたい、要請をしたいというようなことを政府側も述べられたということでありまするが、その点について事情はどうでありますか。
#12
○横尾国務大臣 私はまだその点は伺つておりません。だからちよつと御答弁をいたしかねます。
#13
○加藤(鐐)委員 それでは通産大臣としては、この重大な問題、しかも国会の開会中に国会の審議権がまつたく無視されたこの問題に対しては、やはり慎重に取扱つて、国会の十分なる了承を得たいというふうに考えておられるかどうか。これはマ書簡であるからしかたがないというふうにお考えになるか。審議権が完全に蹂躙されたことに対して、十分なる国会の了承を得たいというふうにお考えになるかどうか。
#14
○横尾国務大臣 これは指令なので、それによるほかないと思いますが、今お話を承りますと、官房長官がいろいろお話になつたということでありまするから、よく官房長官に承つてみたいと思います。
#15
○加藤(鐐)委員 私のお聞きしたいことは、国会の審議権が無視されたことに対して、大臣はいかなる心境を持つておられるかということである。ただ官房長官に伝えてどうするということでなくして、大臣御自身がこの重大なる事実に対していかなる心境を持つておられるか。あくまでこうした事実に対して、十分国会の了承を得たいというお考えがもしあるとするならば、このマ書簡の公表についての努力を、大臣御自身も所管大臣としてせられなければならない。この点についてのお考えを承りたい。
#16
○横尾国務大臣 ポ政令に対しましては、私は絶対のものかのように考えまするので、これに対しまして批評をいたすことを避けたいと思います。
#17
○加藤(鐐)委員 私はこのマ書簡といえども従来公表されている事実にかんがみて、その公表がなされるように政府御自身が御努力になるかどうかということをお聞きしている。その点明確に御答弁願いたいと思います。
#18
○横尾国務大臣 私は、今のようなお話なれば、よく相談いたしまして善処いたします。
#19
○加藤(鐐)委員 マ書簡の内容を見なければ、はたして絶対的なものであつたかどうか、この政令による以外に方法がなかつたかどうかということは、私どもは今ただちに断定はできないのであります。しかしながら、私は従来もそういう例はあつたと思いまするが、この国会の審議権がかくも蹂躙されたということに対して、政府御自身が日本の議会政治を尊重するという建前に立たれるならば、その折衝の余地があつたのではないかと思うのであります。今大臣の御発表によりますると、二十二日の午後書簡が参つたということでありまするが、新聞に伝えまするところによりますると、二十三日にはすでに閣議において、この政令によつてこの法律を公布することを決定しておられる。私はこの事実から見て、政府自身が待つてましたというような態度が看取できるのであります。その点についてなお一応折衝の余地が全然ないものであつたかどうか。また従来もそういう例があるのでありまするからして、少くとも通産大臣は日本の議会政治を尊重するという上から考えて、折衝したいというお気持を持つておられたかどうか、承りたいと思います。
#20
○横尾国務大臣 私はマ司令官の指令にはこちらからいろいろと申し上げることはできないかのように考えておつたのであります。
#21
○加藤(鐐)委員 私の聞くところによりますると、通産大臣はこの電力再編成法案についてGHQに折衝された場合に、新聞に伝えておりました自由党案を持つて行かれた。しかもそれは閣議の決定ではなかつたというふうに聞いておる。あるいは自由党と政府との間に折衝されたかもしれませんが、新聞に伝えた自由党案というものをGHQに持つて行かれた。しかもそれは單に閣議が了承したという程度で、閣議の決定を経た案ではなかつたというように聞いておるのですが、その点はどうですか。
#22
○横尾国務大臣 自由党案と申すよりも、自由党と交渉してこれくらいの程度で相談してみて、向うのオーケーを得られるならば、それを案としたいというのであつたのであります。
#23
○加藤(鐐)委員 自由党案というものが自由党内部の、あるいはまたいろいろ地方的な事情によつて相当むりな案であるというように私どもは見ておるのです。その案でGHQの了解が得られる自信があると大臣はお考えになつたかどうか。
#24
○横尾国務大臣 向うに相談いたしましたのは、法令についての案でありまして、付属の、帰属問題その他のことについては何ら触れていないのであります。ただ向うへ法案を持つて行つていろいろと相談いたしますときに、向うはこれは公式に持つて来い、それでなければ受付けぬ、これはもちろんのことであります。内々の相談は受付けないということであつて、そのときに、第七国会のときに出たあの案が、自分たちが審議し得る最上の案であるということを聞いて参つたのであります。
#25
○加藤(鐐)委員 公式の案を持つて来いということは、閣議決定の案を持つて来いということですね。そうするとこれは当然政府が持つて行く以上、閣議で決定された案を持つて行くべきだと思うのですが、なぜ閣議決定に至らない案を持つて行かれたか。その点私はおそらく大臣としては、向うの了承が得られない、得られる自信がないものを自由党方面から責め立てられて持つて行かれたのではないかというふうに思うのですが、この点をなお一応お伺いしたいと思います。
#26
○横尾国務大臣 自由党案というお話でありますけれども、大体そういうことを希望されておるかのように感じたものをこちらの案として出す。案としてということになりますと、政府の案としてまではきまつておりませんので、内々にこういうような要望が、聞かれ得るものであるかないかということを聞こうと思つて持つて参りましたけれども、それは正式に完全な案ができてからでないと審議をしないということになつたのであります。ただ下の方の向うの係官と、こういうものがどういうように解釈されるかというような程度の交渉はいたしましたけれども、正式な交渉はいたしていないのであります。
#27
○加藤(鐐)委員 そうすると、政府としてはまつたく自信がなかつたということに判断されると思うのですが、私は政府がGHQに持つて行れかる場合には、もちろん自信がある案を持つて行かれるべきではないかと思う。自由党から要求されたからしかたなしに持つて行くというのではなく、政府自体がこれならば間違いないという自信のある案を持つて行かるべきではないかと思う。それならば閣議決定によつて持つて行かるべきではないかと思うのですが、閣議決定ができなかつたという点はまつたく政府自身に自信がなかつた、こういうことになると思う。そこで政府御自身は万一了解が得られるならば、この案をもつて閣議決定にしようというふうなお考えでしたか。
#28
○横尾国務大臣 政府の閣議決定としてこういう案を出すから、向うに聞いてみるかということで行きましたけれども、向うはそれすらも受付けないのであります。それを閣議決定案として全部まとまつたものを持つて来い、それもGSを通じて持つて来いというので、ケネデイ氏のところへはただ案を持つて行つて、こういう案をという話をし始めたが、向うは受付けなかつたのであります。
#29
○加藤(鐐)委員 ちよつと速記をとめてもらいたいのですが……。
#30
○小金委員長 それでは速記を中止してください。
    〔速記中止〕
#31
○小金委員長 速記を始めて…。
#32
○加藤(鐐)委員 そこで問題は最初に申し上げました通り、このマ書簡の内容が公表されない限り、この書簡が絶対的なものであつたかどうか、政令以外にその選ぶべき方法がなかつたかどうかということについては断定が下されませんので、その書簡の公表について政府のできるだけの努力をされることを要求いたします。そのあとでまた私どもの考えを申し上げたい。また問いただしたいこともあるのでありますが、ただ最後に一つ申し上げたいことは、日本が現在の段階において、すでに講和会議も近く開かれようとするときに、国民生活の上においても、日本の産業の再建の上においても重大な法律案、しかも重大なるがゆえにわれわれ国会といたしましてもきわめて慎重に扱つて来たのであります。われわれ野党側におきましても、いたずらに阻止するということではなくして、できるだけ日本の経済再建の上において、あるいはまた国民生活の安定の上において、最善の案をもつて臨まれなければならないという観点から、慎重に扱つて来たのでありまするが、そういう重大な案が一片の政令によつて公布される、国民の付託によつてわれわれが與えられている審議権が一切無視されたということは、これはきわめて重大であるということは大臣もお考えのことと思う。この今回公布された法律案は、第七国会に政府が出された案がそのまま出されておるのでありまするが、しかしこの案というものは、産業界の方面においても、あるいはまたいろいろの点から考えて非常な不備なものがある。あるいはまた矛盾もある。またその電力の相当大きなロスがこれによつて生じるというような点もあるのであります。従つてこういう点は、私どもはできるだけ是正して行かなければならないと思うのでありますが、そうした点について何らかの形でこのわれわれの審議権を生かして行くという道はないかどうか、この点について政府が協力される意思はあるかないかということを承りたい。
#33
○横尾国務大臣 今のお話は、今の政令を何かの形によつて改善をするというような案があるかという御質問と思いますが、それについては私はでき得ないものと考えております。
#34
○福田(一)委員 関連して……。ただいま閣僚議員からもいろいろ御質問があつたのでありますが、われわれといたしましては、ポ政令が出ました以上、その出たこと並びに出たことの内容につきましては、これはわれわれとしてここで批判を許されないことは、現在のような特殊な政治状況下においては当然でありますから、これについて私は云々するつもりではありません。その点は一応あらかじめお断りして御質問をいたしたいと思うのであります。
 私の考えるところでは、ポ政令が出ましたその時期において、われわれそれを改めるとか、改正するとか、変更するとかいうことは絶対できないものと考えておるのでありますが、およそ法律というものの精神から見ましても、また従来の例から見ましても、そういう法律が出た場合に、その後において状況の変化があつたという場合においては、これを変更することは決してとめるものではない、かように私は考えておる次第であります。その状況の変化という点におきましては、われわれ一応二つのことが考えられるのであります。その第一点といたしましては、法律というものが出ましても、出た場合においてただちにそれがそのときの状況に合わないような空気が、あまいは政治的な問題、あるいは経済的な問題で起きて来る場合があるのであります。それは一般の法律論を申し上げておるのでありますが、法律ができた直後においてすぐ事情に合わないような社会問題、あるいは政治問題が出る場合もある。またその法律自体が持つておりまする法文の解釈の面におきまして、その解釈が違いますと、これがまたその当時の事情にそぐわない場合もできるのであります。従つてその法文の解釈を明らかにするために、法律を改正するということも、これまた必要であると私は考えておるのであります。このような二点から考えてみまして、さらにまた電力法案というものが、二年有余の長きにわたりまして今まで決定を見ない。遂に今回ポ政令が出たというような状況になつているところには、相当大きな問題がひそんでいると考えられるのであります。この意味合いにおきまして、政府といたしましてはただいま加藤委員からも申されましたが、ただちにこの法案の内容について云々するという意味ではありませんけれども、将来においてそういうような不都合がありまする場合には、できるだけの努力をもつて関係方面の了解も得られるし、またその状況に応ずるがごとき措置をとられることについて努力をいたされるお考えがあるかどうかという点をお伺いいたしたいのであります。
#35
○横尾国務大臣 今のお話、御意見のほど了解いたしました。でき得る限りにおいて努力をいたすことを申し上げておきます。
#36
○福田(一)委員 次に、私はこの電力再編成法案と公益事業法案との二つの法案が公布をされたのでありますが、これについては大臣から先ほど非常に簡單な事情の御説明があつただけでありまして、法律の内容自体については、まだよくわかつてない面が院の内外において多いのではないかと思う。参議院においても衆議院においてもこの点はまだ明瞭になつておらないのであります。
 そこで私は委員長にひとつ希望を申し上げたいのでありますが、どうかすみやかなる機会においてこの法律をわれわれに配付、そうしてその政令に基いていろいろの説明をさせてもらいたいということを申し入れたいのであります。この点についてまず委員長のお答えを願いたい。
#37
○小金委員長 ただいま福田委員より委員長に対する御要求がありましたが、まことにもつともしごくだと思います。すみやかに資料を整えて、あらためて政府からできるだけ詳細に説明を聽取いたすことといたしたいと思います。なおお断り申し上げておきますが、本日は横尾通産大臣から電力事業再編成及び公益事業に関連してポツダム政令が出ることになつたから、それについて一言釈明を先にいたしたい、こういう申出がありましたので、これを許可した次第であります。そういう次第でありますから、いろいろ詳細な点は、ただいま福田委員の御発議と、私の政府に対する要求とに基きまして、できるだけ早い機会に資料を提出せしめて、その説明を聽取いたし、また国民の代表として要望する事項はその際申し述べる機会をつくりたいと思います。御了承願います。
#38
○福田(一)委員 そこで政府に一つ申し上げたいのは、これはその説明のときに私はいろいろ申し上げたいことも、また御質疑をいたしたいことも起きるであろうと存ずるのでありますが、しかしその前提と相なりますることは、われわれとしては長い間この問題についてはいろいろと研究もし、民意も聞いておる面があると思うのであります。そこでこの法を運用する場合にあたりまして、また法文の解釈をいたす場合にあたりまして、政府は民意を尊重する御意向があるかどうかという点をお伺いいたしたいのであります。
#39
○横尾国務大臣 運用のことにつきましては、よく御意見も承り善処したいと思います。ことにまた電源帰属等について御不満の点があるならば、未開発のところ、そういうところから先にやりまして、そして御不満をなるべく除きたいという考えであります。
#40
○福田(一)委員 ただいま通産大臣から、何か私が質問する前にひとつ答弁しておいたらいいようだというような御説明があつたようでありますが、もちろん電源帰属の問題に関連いたしましては、もとより先ほど言いましたような、ただいま建設中の工事であるとか、あるいは水利権であるとか、こういうような問題についていろいろの希望が出ることは当然であると思いますが、しかしながら電源帰属の問題だけではないと私は考えておるのでありまして、もし私が承知しておるごとき第七回国会に提出せられましたものがそのまま出ておると相なりますると、いろいろとわれわれとして希望があるのであります。これに異議を申すのではない、希望がある、その希望は多々あるのでありますが、そういう点は政府においても現在の電力法案がポ政令で出たということに対して、社会的に、また政治的に、経済的に日本人が受けておる気持というものをどうか十分くみとられまして、その運用の面において特に万遺憾なきを期せられたい。また公益事業法案のうちでは、公益事業委員の任命のごときは、これは非常に重要なことであります。政府もわれわれ議会も、この公益事業委員会を直接に日々の業務について監督するようなことはできなくなつてしまうのでありまして、この人選を誤るというような場合が起きたといたしまするならば、これはわが国の将来のために非常な大きな悪影響を起すことになる、かように私は考えますので、こういう面、また公益事業委員会ができましたあとのいろいろのことにつきましても、よほど慎重を期していただきたい面が多いのでありますから、どうかこの点は特に十分の注意を拂われたいことをお願いいたしたい、また希望いたしておきます。この次の説明会において、またいろいろとお話を申し上げることもあると思いますが、きようはただいま委員長から言われました通り、ポ政令が出た事情についてあなたが御説明になる、こういうお話でありますから、私の質問はこの程度で打切ります。
#41
○加藤(鐐)委員 私の質問は、福田委員に横取りされて、私の聞かんとするところを聞かれたので繰返しませんが、ただ一つ、先ほど最後に質問いたした点について私は強く希望したいことがある。大臣は私の質問の要旨がよくわからなかつたようでしたが、今回政令で出た案というものは、先ほど申し上げたようにいろいろな点で不備があり、また相当問題があると思うのです。そこで今回政令で出ても、次の国会においてこれが修正できないわけはないので、そういう点はできるだけ近い機会に修正して完璧なものにする。あるいはまた今の事業委員会の構成等についても、やはりあの案の内容ではわれわれ納得できないものが相当あると思うのです。そういうような点について、今後できるだけ早く修正すべきものは修正し、あるいはまた国会の意思というものをできるだけ生かして行くという点についての政府の積極的な熱意をお願いしたい、こういうことを私は強く希望として申し上げておきます。
#42
○中村(純)委員 ポツダム政令公布に至る経緯に関連いたしまして、一つだけ伺つておきたいのでありますが、この電気事業再編成が遅延いたしましたために、電源開発の工事に関連いたしまして、見返り資金の供給が遅れた、そのために非常ないろいろな混乱がここに発生したということは、申し上げるまでもないのでありますが、その結果といたしましまして、開発の工事そのものが具体的にどれだけ遅れたかということを御説明を願いたいのであります。これは今日資料がなければ詳しいことは後刻でもよろしいのでありますけれども、輪廓だけでも一応伺いたい。同時にこの点に対する今後の見通しでございます。必要なる資金が今後は順調にどんどん出て行くのであるか、またもしこれまでにおいてこの工事等が遅延がありましたならば、それをカバーし得るだけの措置がとられ得る見込みがあるかないか、その点も伺つておきたいのであります。
#43
○横尾国務大臣 この法令が出まして直後のマーカツト会談のときに、ケネデイ氏に、こういう法令が出たので、これが実行は近日のうちにできると思うから、今まで押えられておる見返り資金を早く解除して出していただきたいということを要望いたしました。そのときにこちらから申しましたのが見返り資金を早期に出すこと、それから自己資金で施設の拡張――改良もありましたけれども、これもとめられておりました。これともう一つは株の配当がとめられておつたのであります。これらに対しましても要望いたしましたところ、今まで見返り資金その他の願いを出しておるならば、それの促進方を早くする。出していなければ早く手続をするようにせよ、こういう話でありましたので、私はこの見返り資金その他に対しましても好意を持つておられる、そしてまた出していただけるというような感じを受けたのであります。それからお話の通り、見返り資金が遅れましたので、工事が遅れていることはあります。数学的に申し上げることはちよつと資料がありませんのでできかねますが、しかし多少遅れていることは事実でありまして、これを取返すことにつきましては極力努力をいたしたいと思うのであります。今後の事業計画については、最善を盡して早く水力の開発をしたいという考えであります。さよう御了承願います。
#44
○南委員 電力の問題は、御承知の通り約二箇年にわたつていろいろむずかしい問題があり、さぞかし通産大臣もお困りになつたろうと思います。それでこの電気の問題が非常にむずかしかつたために、電源開発その他に対して、意外な遅延を及ぼした、そういう観点、さらに今各同僚議員からいろいろの質問がありましたような点で、どこかで一線を引かなければならないという意味合いにおきまして、今度のポ政令がおそらく出たものだろうと私は考えております。その意味合いにおいて出されたことについては、私は別に異存がないのでありますが、はたしてそのポ政令が適当な時期に出たものかどうかという点につきましては、これは通産大臣として深い反省を持つていただきたいと思うのであります。ここまで問題を持つて来て、そうしてこの際このときあの政令を出したということにつきましては、何と申しましても通産大臣にもう一ぺん深い御反省が願いたいと思う。大体皆様方からわれわれの言わんと欲するところを十分に御質問になりましたから、あえて申し上げませんけれども、この点において通産大臣として非常に政治的に御反省願いたい。一歩進んでポ政令の性質たるや、これは要するに法律にかわるものであります。これほどの大きな問題があつたのでありますから、一線を引かれたその後の情勢の変化というものを、非常に御考慮に相なりまして、そうしてこの政令を一歩進んでもつと完璧なものに持つて行きたいという熱意と御努力を今後拂つていただかなければ、あなたが今までなされたことについて、また再び大きなマイナスになつて行くとわれわれは考えます。その意味合いにおきまして、今後この政令を通産大臣としてどれほどりつぱに、完璧なものに持つて行かれるか、私たちはあなたの御熱意と御努力によつて、あまり方々に不満の起きぬように、適当に運用されるように御考慮おき願いたいということを私は切にお願いいたしまして、私の質問を終りたいと思います。
#45
○砂間委員 電力再編成につきまして、ポ政令で出した、その政令の内容につきましては、別の機会に資料を提出されまして御説明があるそうでありますから、内容の点につきましては別の機会に譲るといたしまして、政令で出すに至つた経過の点につきまして、二、三大臣に御質問申し上げたいと思います。
 まず二十二日にマツカーサー元帥から吉田総理に出されたという書簡の内容についてでありますが、内容が公表されておりませんのでどういうことかわかりませんが、その書簡は、この電力再編成はポ政令でやれ、こういう簡單な意味の書簡であつたのでありますか、それとも再編成の内容まで書簡の中に指定して、日本の電力の再編成はこれこれこの通りにポ政令でやれというふうに、電源の帰属の点から、公益事業委員会の委員の任命に至るまですつかり指定して、この通りの内容を持つたものを政令ですぐ出せというふうなものであつたか、再編成は国会の審議にかけてぐずぐずやつておつたのでは間に合わぬから、政令でやれ、但しその内容については日本政府が適当に最善と思われるような案を盛つてやれというふうなことであつたか、その点をひとつ御説明願いたいと思います。
#46
○横尾国務大臣 書簡に附随して再編成令案と公益事業令案がついて来ておつたのであります。
#47
○砂間委員 そういたしますと、電力再編成に関するポ政令は、一から十まで連合軍の方で指示されてあつて、日本政府はそれに意見を加える余地はなかつた、簡單な言葉で申しますと、総司令部の方で指示されたことであつて、日本の政府としてはいかんともしがたい――電気事業というものは日本の基幹産業でありまして、きわめて重要な問題であつて、朝野にいろいろな意見があることは大臣御存じの通りだと思うのですが、そういう意見を盛り込む余地はすでになかつた、こういうものが書簡で指示されて来た、こういうわけでありますか。
#48
○横尾国務大臣 ただいまお話いたしましたように、書簡に附随して両政令案が入つておつたのであります。これによつて公布しろという指令があつたのであります。
#49
○砂間委員 私は大臣の御見解を承りたいのですが、電気事業というものは、これまでもたびたび論議されておりましたように、これは日本の電気事業でありまして、これがどういうふうに編成され、運営されて行くかということは、日本の産業にとつて非常に重大な影響を持つわけです。そういうものを、たとえ占領下であるとはいえ、国民の意見が何ら反映されないで、ただ一方的に連合軍によつて押しつけられる――というと語弊があるかもしれませんが、指示されて、その通りに実行して行かなければならぬ、そういうはめに陷つたということについて、日本政府の閣僚として、政府の一員として、そういうやり方に対してどういう考えを持つておられるか、この点につきましては、さつき同僚加藤委員からも御質問がありましたけれども、日本の国内の政治については、大体国会というものもあるわけです。国会というものは飾りものではないと思います。そういう国会があつても、国会の審議にもかけずに、そういうふうに日本の電気事業が、国民の意見も国会の意見も何ら加える余地のないような形で出されて来たということに対して、大臣はそれをいかに思つておられるか、そういうやり方が民主政治にふさわしいか、立憲的であるかどうかということについて、大臣の所見を承りたい。
#50
○横尾国務大臣 ポ政令に対しましてとかくの批評は私はいたすものではございません。御了承を願います。
#51
○砂間委員 そうすると、その政令の内容は、さつきほかの委員の方からよ御質問があつたことでありますが、将来変更されないものですか、それとも国民の要望によつて修正あるいは変更され得る余地のあるものですか。
#52
○横尾国務大臣 私の答弁が遅れたのでいろいろな批評があるようでありますが、先刻お話いたしましたように、皆さんの御意見もよく尊重して、施行した以後において批評があり、また皆さんの御要望があるということでありますれば、変更方について努力はいたしたいと思うのであります。
#53
○田代委員 先ほどから並びにただいま砂間君の、この政令が出ました問題につきましての質問に対しまして、大臣はこれはポ政令というものが出たのであるし、一切合財これによつて解決されているというふうに言われておりまして、また砂間君が聞きました本義というものは、これは申し上げるまでもなく審議権に関する決定権の問題であるし、通産委員会としましてもこれこそが今国会、また前国会からの中心的な問題であつたわけです。また全国民のこれは中心的な問題であつたのでありますが、それがこういう形でばさつとやられてしまうということになりますと、われわれは何のために議会へ来ておるか意味がなくなつて来る。従いましてこういうふうになつた責任は一体だれにあるかという点を、各回僚議員がはつきり大臣に質問しておるわけであります。私は少くともこういうふうな事態に立至つたことというものは、われわれの審議権が無視されるということになつた根本の原因というものは、現在の政府なり、真接的には現在の通産大臣がこれを負わなければならぬ。従いましてその点に関する通産大臣の責任ある答弁、これに対して十分責任を感じておるかという点に対する質問をいたしておるのでありますけれども、それがポ政令が出たからわれわれは知らない、これはどうにもならぬではないかという御答弁では、われわれは納得行きかねるのでありまして、私はその点について御答弁をお願いいたします。
#54
○横尾国務大臣 最初私がこちらへ参りまして発言をいたしましたときに申し上げた通りでございまして、政令の出ました以上に、それを最もよく、最も適切に運用して行くことが私の責任なりと考えておるのでございます。
#55
○砂間委員 今田代委員から質問されたことと同じことを質問するわけですが、大臣の今の御答弁はちよつと見当はずれなんです。私どもが大臣に質問しておりますのは、電気事業再編成をポツダム政令でやらざるを得ないような、そういう事態にまで持込んで来たことについて、横尾通産大臣は責任をお感じになつておられるかどうか、こういうことなんです。これは先ほど他の委員からも言われましたように、集中排除法はもう二年数箇月前に出ているのです。それを政府がぐずぐずしていて、いつまでたつても目鼻がつかない。それでことしになつてからも、すでに一箇年近くたつておるわけです。たとえばことしの春の第七国会においてどんどんやつておれば、何も政令で出なくても十分国会で審議できたと思うのです。それを第七国会で審議できなかつた、成立しなかつた。それで七月の第八国会には、国会が開かれておるにかかわらず出しもしなかつた。その後すつたもんだやつて、そうしてこの事態をいたずらに遷延して来たために、向うでは待ち切れなくなつて、案の内容まで指定して、そして政令で出せということになつて来たと思うのです。もつとこれを早くやつておれば、十分国会において審議し、国民の輿論を反映して、日本の自主性を持つた再編成法案ができたと思うのです。そういう時日が十分あつたにもかかわらず、それを捨ておいて、うやむやにずつと延ばして来たために、遂にしびれを切らして、ええ、めんどうくさいから、それならば案の内容までこつちが指定して、この通りにやれと押しつけられて来た。そういうような事態にまで追い込んで来た、その責任を吉田内閣は感じているかどうか。当面の責任者である通産大臣はその責任を感じておるかということを聞いておるわけです。政令で出た後において、今後その運用をよくやつて行く、悪くやつて行く、そんなことを聞いておるのではないのです。その点をはつきり聞いておるのです。
#56
○横尾国務大臣 私は今までとつて来ました処置に対しましては、正しくやつて来たものと信ずるものでございます。
#57
○砂間委員 それはよくやつて来ていないと思うのです。これは明らかに通産大臣の怠慢だ、吉田内閣の怠慢であると思うのです。しかしそういう答弁であつたならばそれでいいのです。
 次にお尋ねしたいことは、こういうポツダム政令というものは、講話会議が済めばただちに効力を失うものだと思うのでありますが、その点について大臣はどういうふうにお考えになつておりますか。
#58
○横尾国務大臣 その点に関しましては、私まだよく存じませんからよく研究いたします。
#59
○砂間委員 研究するなんてずいぶんのんきなことを言つておられるのですが、しかし何も意見を持つておられないならばしかたがないのです。
 それではその次にお尋ねしたいことは、見返り資金と電気事業の再編成の関係なんですが、見返り資金が出なかつたために工事が遅れて非常にうまく行かなかつたということは、さつき大臣が言われた通りです。ところがこの見返り資金は、二十五年度の分は経済安定本部の配分計画によりましても、すでに百四十五億を電源開発に出すということは決定していたのです。それが出ないということは、これは電気事業の再編成とどういう関係がありますか。再編成問題は再編成問題であつて、電源開発は電源開発でどんどんやつて行つたらいいじやないですか。それを見返り資金を出すの出さないのといつて、そうしてこの電気事業再編成のことにひつからめてやつて行くということにつきましては、私どもどうしても理解ができない。(「向うさんに聞かなければわからぬ」と呼ぶ者あり)向うさんに聞かなければわかもないという意見もありますけれども、私どもは米国対日援助見返資金法案を、去年の第五国会で審議するときにおきまして、この見返り資金の運用については、最初の政府原案には、あの第六項か第七項に、連合国最高指令官の指示も、それは穏当でないということで満場一致削除されたはずです。また予算委員会等における大蔵大臣の答弁によりましても、見返り資金は日本の金であるということをはつきり言つておられるわけです。それを日本政府が経済安定本部で配分計画まで立てて、そうして電源開発に使うということになつておるものを、何でさしとめられたのか。それとこの電力再編成と何の関係があるか、その点について大臣のはつきりした答弁を聞きたいと思う。
#60
○横尾国務大臣 見返り資金を借入れることに関しましては、今までやつて来た事業についてもわくはきめられます。しかし個々別々なものがまた向うに申請されて、その都度許可を得ることになつておると思います。まして今回の電気事業再編成の法案とどうそれが、関連があるかというお話でありますが、個々別々に申請を出しましたものを、向うでは許可しないのでありますからこれはさよう御了承願います。
#61
○砂間委員 最近見返り資金の運用は日本の産業の長期の投資等に関連いたしまして、非常に重要性を持つて来ておるようです。その見返り資金を向うさんの思うようにならなければ個人には出さないというふうなことになりますと、そんなら見返り資金を一つの武器として、日本の産業をどうにでも牛耳つて行ける。自分の思うようにして行けるというそういう結果になると思うのであります。そういうやり方に対しまして、日本政府の閣僚としてそれで満足しておられるのでありますか。
#62
○横尾国務大臣 ただいまのことに対しては、私は答弁を差控えます。
#63
○砂間委員 答弁を差控えるなんて私はわけがわからない。横尾さんだつて日本人でしよう。きのうも本会議で梨木議員が質問したことなんですが、ドイツのアデナウアー首相は減税法案をボンの国会で通した。それを連合軍の高等弁務官がこれはどうもぐあいが悪いといつて拒否しようとした場合に、しかしこの減税案を西ドイツの国会で通して、西ドイツの政府がこれを最善なりと信じたものが、それが連合軍にいれられないといつてそのまま引下つたならば、西ドイツの国会なんか必要じやない。政府も必要ではない。そんなことだつたらわれわれはやつて行けないといつて断固たる決意を示して、そうしてこれを強くお願いしたところが、そういうことだつたならばといつて、その減税案も遂に認められたという、あの日本の政府よりももつともつと占領下で無権利状態に置かれておるあの西ドイツのアデナウアー首相でさえもそれだけの腰はあるのですよ。それをもつと寛大な條件にある日本政府として、その政府の閣僚の一員としてそれだけの腰もないという、それで大臣は勤まるというのですか。しかもそれに対して答弁もできないなんて、私は日本人として、日本の閣僚としてそういう態度で、たとえば電気事業の再編成と見返り資金の出方なんかについてもそれが出て来ていると思う。もつと骨節のある答弁を開きたいと思う。
#64
○横尾国務大臣 許可権は向こうにあります。たびたび懇請はいたしております。しかしながら許可権は向うにある以上は、許可権のことに関しまして私が云々すべきものでないから先刻御答弁いたした通りであります。
#65
○砂間委員 許可権は向うにあるというが、それは何の根拠に基くのですか、私どもは去年の第五国会におきまして、米国対日援助見返資金特別法案というのを審議しましたときにそういう條項は一つもなかつたと思う。法律のどこの條項にそういうことがありますか。最初の政府原案はそういうふうにあの見返り資金の運用について一一連合軍の指図だとか、あるいは管理とか、監督とかいうようなことがなされるような法案になつておつた。しかしそれが削除されて、少くともあの見返り資金の運用について規定してあるところの米国対日援助見返資金特別会計法ですか、その中にはそういう條文が一つもないはずです。もしあるとするならば、それはどういう法的根拠があるのか御説明願いたい。
#66
○首藤政府委員 日本の法律にないから占領軍にそういうことを干渉する権限はないはずだという御質問でありますが、なるほどこれは日本の国内法でありますから、日本政府の責任によつてやるということは建前になつておるから、法案にはそういうことは明記してありませんけれども、それ以上に占領軍は絶対的に権限を持つておるのでありまして、日本に法律がなくても占領軍は自由にそれを変更するだけの権限を持つておりますから、その占領軍の線によつて、許可がなければできないということになつておるのであります。
#67
○砂間委員 首藤政務次官がそういうふうに申されましたが、そういう権限を持つているとしても、それはめちやくちやにやるのではなくて、そういうことをやる場合にははつきりしたメモランダムなりあるいはデイレクテイブなりを出してなされると思うのです。もしそういう指令なり覚書なり出ておるならば、何月何日にマツカーサー元帥がどういう形でそれを出しておるのかそれを御明示願いたい。
#68
○首藤政府委員 メモランダムを出す、あるいはデイレクテイブを出すことは向うの自由でありまして、こちらの方からそれを要請するわけには参りかねる性質のものであります。同時にこの問題に関しましても、日本政府といたしましては、日本経済の実態、特に電源開発の工事の現状とにらみ合せまして、あらゆる努力を拂つて、早期放出を幾たびか懇請いたしたのでありますが、法案が通過しなければ見返り資金の放出はできない。こういうことでありました。従つて今回の臨時国会に対しまして、この再編成法案をぜひとも提案したいというふうに政府はあせつたのも、一にかかつて見返り資金の放出をこれによつてお願いいたしたい、かような念願からあせつた次第であります。
#69
○砂間委員 それならばお尋ねいたしますが、大体見返り資金というのは日本の金でありますか、アメリカのお金でありますか。
#70
○首藤政府委員 一応アメリカの援助物資がかわつて見返り資金となつたのでありまして、見返り資金となつた以上は、日本の金と了解していいと思います。
#71
○砂間委員 日本の金でありましたならば、これは日本政府が自由に使えるはずなんです。それだつたらさらにお尋ねしますが、アメリカの対日援助物資というのはもらつた品物でありますか、それとも借金でありますか。
#72
○首藤政府委員 一応政府としては借金だと了解しております。
#73
○砂間委員 まあ借金という形で対日援助物資が入つて来るとしましても、それを国内に放出して、そして国民の支拂つたのが積み立てられて行くというのであるならば、これは日本政府が自由に使つてもいいはずなんです。借金は借金で、講和会議のときにはつきり清算したらいいと思う。たとえば終戰処費理にしても、アメリカがたくさん援助してくれておるということは言われておりますれども、それ以上のものをわれわれは終戰処理費として血の出るような税金の中から出しておる。そういうものの清算は講和会議のときにつけたらいいのであつて、一応国民が援助物賢の支拂い代金として積立てておる見返り資金は、日本政府が自由に運用してさしつかえないじやなか
#74
○首藤政府委員 法的にはさように解釈するのが至当かと思いますけれども、実際問題としては、見返り資金の運用に関しましてはすべて司令部の許可を必要とするということに相なつておるのであります。その線に沿つてこの問題も司令部の許可を要請したということであります。
#75
○砂間委員 司令部の許可を必要とするということは、どういう文書になつて来ておるのですか。そういう根拠をひとつ私どもに示していただきたい。私どもはその点がはつきりしないから、何か見返り資金というものがうやむやのものであつて、いたずらに国民の支拂つた、蓄積した金でありながら、それが外国さんが日本の産業を思うように牛耳り、その手段に使われているような、そういう感じを受けざるを得ないのです。ですからその点をひとつはつきりしていただきたい。
#76
○首藤政府委員 これはひとり見返り資金のみならず、日本政府の法案あるいは行政、すべてことごとくが司令部の許可を受けていることは、私が申し上げるまでもなく御承知だと思うのであります。予算案にいたしましても、その他すべて司令部の了解がなければできないのが、現在の日本の段階であるのであります。あなたはその点をお忘れになつておるのではないかと考えられますが、ことごとくが司令部の許可がなければ、行政も法案もできないという立場にありまする関係上、この見返り資金もその一環として、司令部の了解を得なければ放出できないという情勢に相なつておるのであります。
#77
○砂間委員 そういたしますと、日本の国会なんというものは、あつてもなくてもどうでもいい、一にかかつて占領下である以上は、占領軍の思うままになつている、こういうことになるわけでありますか。私どもマツカーサー司令部がしばしばトルーマン大統領やその他に報告しておるところを見ますと、日本の民主化ということも非常に進んで行つて、そうして大いに講和会議も十分できるような、そういう準備ができている、こういうふうに報告されていることを、しばしば新聞等によつても見ておるわけであります。ところが今の首藤政務次官の御発言によりますと、日本は占領下であつて、民主主義も憲法も何もあつたものではない、国会も政府もすべて占領下にあつては、占領軍の思うようになるのだから、どうしようもないのだ、そういう通りでありますか。
#78
○首藤政府委員  極端に申し上げれば、さように相なるかとも考えるのであります。しかしながら占領軍は少くとも日本経済を一日も早く再建させたい、秩序を安定させたいという、その目的に沿つて指令を出しておるのでありますから、今言われたような極端な問題は惹起しない、かように考えておるのであります。
#79
○砂間委員 極端に申し上げれば、そう言うよりほかはない、というふうな意味のことを申されれば、もう何をか言わんやです。これ以上私は申しません。
#80
○小金委員長 それではお諮りしたいことが二つあります。まずその一つは、先日設けることになりました五つの小委員会の委員の員数及び小委員は、先日の理事会におきまして、一応御協議を願つたのでありますが、そのときの御趣旨によりまして、これは委員長において考究することになつておりました。それにつきまして大体次のような構成ではどうかと思われますので、ここでお諮りいたします。電気事業及びガス事業に関する小委員会、その他五つの小委員会の員数は、いずれも九名といたすことにいたしたいと思いますが、この員数について御意見はございませんでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶあり〕
#81
○小金委員長 御異議がなければただいまのようにいずれも九名に決定することにいたします。
 次に小委員の選任の件についてお諮りいたします。本件については選挙の手続を省略いたしまして、委員長において御指名いたしたいと思いますが、御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○小金委員長 御異議がないようでありまするから、これから小委員を指名いたします。電気及びガスに関する小委員会
   今泉 貞雄君   神田  博君
   澁谷雄太郎君   福田  一君
   村上  勇君   佐伯 宗義君
   加藤 鐐造君   砂間 一良君
   小平  忠君地下資源開発及び合理化に関する小委員
   江田斗米吉君   田中 彰治君
   中村 幸八君   永井 要造君
   村上  勇君   高橋清治郎君
   加藤 鐐造君   田代 文久君
   小平  忠君工業に関する小委員
   今泉 貞雄君   神田  博君
   澁谷雄太郎君   多武良哲三君
   中村 純一君   南  好雄君
   河野 金昇君   今澄  勇君
   砂間 一良君中小企業に関する小委員
   小川 平二君   多武良哲三君
   高木吉之助君   中村 幸八君
   南  好雄君   河野 金昇君
   金塚  孝君   今澄  勇君
   田代 文久君繊維に関する小委員
   阿左美廣治君   小川 平二君
   高木吉之助君   中村 幸八君
   永井 要造君   砂間 一良君
   小平  忠君さように決定いたしました。
 次に小委員長の選任についてお諮りいたします。
#83
○多武良委員 この際動議を提出いたします。小委員長の選任につきましては、選挙の手続を省略いたしまして、委員長において御指名あらんことを望みます。
#84
○小金委員長 ただいまの多武良哲三君の動議に御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○小金委員長 御異議がなければ委員長より御指名いたします。電気及びガスに関する小委員長福田一君、地下資源開発及び合理化に関する小委員長中村幸八君、工業に関する小委員長中村純一君、中小企業に関する小委員長南好雄君、繊維に関する小委員長高木吉之助君、以上の通り御指名いたします。
 もう一つお諮りいたします。先ほど農林委員会より鉱業法案及び採石法案について連合審査の申入れがありました。この問題について理事各位とも御協議いたしましたところ、大体連合審査は適切であろうという御意見でありましたが、農林委員会と連合審査会を開くことに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○小金委員長 御異議なければさように決定いたします。なお連合委員会開会の日時等につきましては、農林委員会とも協議いたしまして、いずれ御通知申し上げたいと思いますが、これらの点については委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○小金委員長 それではさようとりはからいます。
 それでは本日はこの程度にして散会いたします。
    午後零時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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