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1999/12/13 第146回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第146回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
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1999/12/13 第146回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第146回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号

#1
第146回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
平成十一年十二月十三日(月曜日)
    午後一時二十一分開議
 出席委員
   委員長 佐々木秀典君
   理事 嘉数 知賢君 理事 鈴木 宗男君
   理事 望月 義夫君 理事 森田 健作君
   理事 上原 康助君 理事 原口 一博君
   理事 丸谷 佳織君 理事 佐々木洋平君
      石崎  岳君    栗原 博久君
      佐藤 静雄君    下地 幹郎君
      園田 修光君    仲村 正治君
      宮腰 光寛君    森  英介君
      吉川 貴盛君    鉢呂 吉雄君
      藤田 幸久君    白保 台一君
      山中あき子君    鰐淵 俊之君
      古堅 実吉君    伊藤  茂君
    …………………………………
   外務大臣         河野 洋平君
   国務大臣
   (沖縄開発庁長官)    青木 幹雄君
   総務政務次官       持永 和見君
   沖縄開発政務次官     白保 台一君
   外務政務次官       東  祥三君
   政府参考人
   (内閣審議官)      安達 俊雄君
   政府参考人
   (防衛施設庁長官)    大森 敬治君
   政府参考人
   (沖縄開発庁総務局長)  玉城 一夫君
   政府参考人
   (沖縄開発庁振興局長)  襲田 正徳君
   政府参考人
   (外務省欧亜局長)    東郷 和彦君
   政府参考人
   (運輸省航空局長)    岩村  敬君
   衆議院調査局第一特別調査
   室長           鈴木 明夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月七日
 辞任         補欠選任
  長内 順一君     丸谷 佳織君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  中川 昭一君     栗原 博久君
  野中 広務君     森  英介君
同日
 辞任         補欠選任
  栗原 博久君     中川 昭一君
  森  英介君     野中 広務君
同日
 理事長内順一君同月七日委員辞任につき、その補欠として丸谷佳織君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 政府参考人出頭要求に関する件
 沖縄及び北方問題に関する件

    午後一時二十一分開議
     ――――◇―――――
#2
○佐々木委員長 これより会議を開きます。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴いまして、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に丸谷佳織君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○佐々木委員長 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣内政審議室内閣審議官安達俊雄君、防衛施設庁長官大森敬治君、沖縄開発庁総務局長玉城一夫君、沖縄開発庁振興局長襲田正徳君、外務省欧亜局長東郷和彦君、運輸省航空局長岩村敬君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○佐々木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#6
○佐々木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上原康助君。
#7
○上原委員 国会も大詰めに来て、やっと外務大臣と開発庁長官、官房長官に質問する機会が来ましてほっとしているのですが、冒頭からまた航空機事故のことをお尋ねしなければならないことを、何か沖縄米軍基地の状況を象徴しているような感もして、大変私も遺憾に思います。
 そこで、限られた時間でたくさん聞きたいことがありますので簡潔にお答え願いたいのですが、十二月九日午後四時二十分過ぎに起きた、いわゆる米軍嘉手納飛行クラブ所属のセスナ機の事故、嘉手納弾薬庫内道路上、これは石川市寄りの道路ですが、この件について、一体外務大臣はどういう御認識ですか。また、どういう措置をしてこられたのか、お答えを願いたいと存じます。
#8
○河野国務大臣 上原先生御指摘の本事案につきましては、米軍嘉手納飛行クラブ所属のセスナ機ということでございまして、このセスナ機がエンジンの不調によって緊急着陸をした、こういうことでございます。
 いずれにいたしましても、外務省といたしましては、米側からの通報がございましたが、その後直ちに、外務省から米側に対して、こういう事態は甚だ遺憾であるという旨を申し入れいたしたところでございます。そして、この件の原因の究明をできるだけ早くやるべしということを申し入れているところでございます。
#9
○上原委員 今度の事故に限らず、何か事件、事故があれば、原因究明、再発防止を申し入れた、この繰り返しなんですね。
 私は、このセスナ機、いわゆる軽飛行機のことにつきましては、以前から大変懸念を持っておったんですね。いみじくもあなたが前の外務大臣のときに、私はこの問題を沖特で取り上げているんですよ。平成七年の十二月六日、満四年前だ。
 私は嘉手納に現に住んでおるのでよくわかります。最初は土曜、日曜に二機くらいが飛行訓練かいろいろやっているなという感じがしたわけですが、だんだん図に乗ってというか、平日でも、午後四時以降とか五時とかだんだん多くなってきた。
 きょうは時間がありませんからたくさん私は申し上げませんが、私が平成七年十二月の六日に沖特で取り上げて、これはいずれ問題になるよ、危険性もあるし、騒音の問題でもなお加速する、嘉手納町民や基地周辺住民はたまったものでないと。そういうことで、外務大臣は、調査の上的確な措置をすると答えたんです。
 私も、その後SACO問題、いろいろあったものだから、これをフォローしなかったのはなんだが、その後、しかしナシのつぶてなんだよ。一事が万事そういうことなんだ。まさに馬耳東風。これでは納得できませんよ、大臣。この件について、何を調査し、どういうふうな措置をとられたのか、もう一度、ぜひしっかりしたお答えを下さい。
#10
○河野国務大臣 確かに、飛行機の事故というものはまことに大きな事故になるおそれなしとしないわけでございますから、こうしたことのないように十分な、慎重な対応をしてもらわなければいかぬということを米側にも申し入れをしてきているわけでございます。
 今議員御指摘のとおり、この嘉手納飛行クラブにつきましては、かねてから地元自治体などより飛行停止の要請をすべしというお話がございました。こうした地元からの要請にこたえるために、我々としても、米側に対しまして、地元の声を十分聞くべきだというふうに地元の声を伝えると同時に、重ねて安全確保について万全を期すべしという申し入れをしているところでございます。
 これに対しまして、米側より、原因究明まで飛行クラブの飛行を停止するなどの措置をとるという回答がございました。
#11
○上原委員 万全な安全措置をとるように、また米側がとる、当たり前のことで、その繰り返しじゃだめだというんです。私が四年前に取り上げてこれは問題だということを言って、調査をすると言ってもやはり外務省はやっていない、そういうところになお問題があるということです。
 それと、これは何も軍事上のことじゃなく、趣味でやっているんだ。飛行訓練をしてライセンスを取るためのメンバーの趣味にまで嘉手納飛行場が使われて、その被害を県民が受けるということは絶対に承服しがたい。これは、一時停止じゃなくして、政府全体として、こういうことはやめなさいということくらい毅然とした態度で申し入れできませんか。
 それともう一つ、何か地位協定十五条によってこれができるという解釈をしているような新聞報道もあるんだが、私は十五条を見たが、全くそういうことは理解できない、そういう読み方はできない。
 この二点について明確にしてください。
#12
○河野国務大臣 主として空軍に属する人たちがこのセスナ機を使って飛行を行うということは、一方で技術の修練、習得という側面もございましょうし、また、飛行機を操縦する、あるいは空中を飛ぶということで、精神的あるいは心理的なストレス、そういったものに対する解消への方法もあるのだろうと思います。こうしたことをやはり十分な点検の上に行うということについてまで我々がとめるということは、なかなか難しい状況にあることを御理解をいただきたいと思います。
 また、今先生お話しの日米地位協定につきましては、米軍側は、米軍関係者の福利厚生を図るため、歳出外の資金による機関を施設・区域内に設けて運営することが認められておるわけでございまして、米軍飛行クラブについても、このような根拠に基づいて設営、運営するということは認められているものというふうに理解をしていると考えます。
 しかし、いずれにいたしましても、こうしたことが付近住民の危険ということにかかわるものであるとすれば、これは、事はそう簡単なことではございません。繰り返しになって恐縮でございますが、十分に安全というものを確認をしてこうしたことは行われるべきものであるという考えから、安全の確認について申し入れをしたところでございます。
#13
○上原委員 全く納得しかねますね、今の外務大臣の御答弁は。
 これは、地位協定云々の問題以前の問題なんだ。日本の主権と人権にかかわる問題なんだよ。
 これはライセンス保持者だけじゃないと思うんだ。それは確認したんですか。何名メンバーがおって、本当にライセンス保持者だけが操縦をやっているんですか。そうじゃないでしょう。地位協定十五条も、そういう解釈には立っていない。こういうことを日本政府が勝手に解釈をしてアメリカの便宜だけ図るから、基地問題だって一向に前進しないんだ。これを解決せずして、SACO問題なんてできませんよ、普天間問題。
 改めて、外務大臣、このくらいやめさせると言えないんですか。官房長官もいるが、これで基地問題が解決できるはずがないんだよ、あなた。何も私だけが言っているんじゃない、嘉手納町長さんも、北谷も沖縄市も石川市も具志川も、党派を超えて、この問題はまかりならぬ。なぜこのくらいのことを日本政府はできないんだよ。なぜ地位協定でわざわざ有権解釈を与えて、できますよとアメリカの弁護をしなければならないの。そこに根本的問題があるんです、政府の姿勢に。両大臣、一言ずつ答えてみなさい。
#14
○河野国務大臣 上原先生の御質問は、嘉手納飛行クラブに所属するメンバー全員がライセンスを持っていたかどうか、それを調査したかどうか、こういう御質問だと思いますが、答弁がいささかすれ違って申しわけございませんが、今般緊急着陸をした嘉手納飛行クラブのセスナ機の操縦士は、適正な操縦免許を有していたというふうに承知をいたしているところでございます。
 米軍飛行クラブは米空軍規則によりまして規制されておりまして、会員は、飛行時に有効な米国航空当局が発行した操縦免許を携帯しているということが飛行許可の条件となっているということは確認されております。
#15
○青木国務大臣 今の問題は、地位協定があり、またいろいろな米軍内の規則があるにしても、こういう事故が起きるということは沖縄の県民の皆さんに非常に大きな怒りと不安を与えていることは私も十分承知いたしておりまして、今後政府としても、こういうことが起きないように、今まで以上に厳重にアメリカ側に対して抗議を申し込み、今後こういうことが起きないように最大の努力をするつもりでございます。
#16
○上原委員 私はきょうの外務大臣の御答弁はいささか期待も、絶えず外れているんだが、ますます外れましたね、これは。
 さっき私が申し上げた平成七年十二月の私のこの問題を最初に指摘したことをもう一遍、失礼ですが、会議録をお読みになられたらいい。あなたが沖縄に行ってもらったらどうかということもその日に私が指摘したんだよ。あなたは行くと言ったけれども、とうとう行かなかった。
 これは、あなたはライセンス保持者がやっていると言うけれども、私はそう思わないんだよ。我々に言わせれば、おもしろ半分でやっている、ある面では。いいかげんですよ。そんないいかげんな飛行訓練まで自分たちの趣味だなんだといってやられて、おっこちて、万一の場合、これは一大事になりますよ、嘉手納弾薬庫あるいは周辺に墜落したという場合は。ついこの間あったんじゃないですか、ハリアーの墜落だって。
 これは、地位協定の十五条の解釈を皆さんの方が間違っている。私はそう言いたい。
 これは、何ですか、あなた。合衆国の軍当局が公認し、規制する諸機関の管理等について、空軍の諸機関だけじゃないでしょう、軍人だけじゃないんだよ、軍属だってやっているんだ、家族だってやっているんだ、きちっと調査をして、報告しますね。
#17
○河野国務大臣 問い合わせをしたいと思っております。
#18
○上原委員 私は、きょうの政府の御答弁は、両大臣の御答弁は、沖縄県民はこれでは到底承服しないと思いますね。
 そういう意味で、だから地位協定を変えればいいんじゃないですか。そんなに沖縄県民や国民の人権や生活権を守らないような地位協定なら変えればいいんだよ、政府が。だから、私は地位協定の見直しとか抜本改正を言っている。その点を指摘をしておきたいと思います。
 こういう感覚ではとても基地問題は、我々もできるだけ県民の理解と協力を得る方向で、最大公約数を求めていこうという努力をしても、容易じゃないですよ。容易じゃないどころか、火に油を注ぐようなものだ、政府の答弁も。その点、もう少し主体性のある外交と主体性のある基地の提供、運用というものを考えていただきたい。
 次に、これは主に青木官房長官、沖縄開発庁長官になるかもしれませんが、米軍返還用地の跡利用について、せんだってあなたが沖縄に行かれたとき、あるいは前官房長官の野中さんが沖縄に行って大変いいことをおっしゃった。そこで盛んに跡利用新法を制定するということを声高に宣伝をしておって、県民に、関係者に非常な期待を与えている。私は、沖縄側の期待に沿うような内容のある新法が制定されるのであれば結構だと思うのですね。これは結構、大いにやってもらいたい。私たちも協力することにやぶさかでない。
 そこで、返還跡地の利用をするためのどのような新規立法を考えておるのか。また、これは政府がやるのか、法案を閣法として出すのか、あるいは議員立法として出すという話もありますね、そこいらの点はどういうお考えなんですか。公式の場できちっと答えてください、これも。
#19
○青木国務大臣 お答えをいたします
 駐留軍用地の跡地利用につきましては、八月には県から、また十月には土地連からそれぞれ具体的要望をいただく中で、去る十一月十九日、沖縄政策協議会において、米軍施設・区域の返還及び跡地利用に関連して、とりわけ大規模な開発において多くの課題があるとの県及び関係者の認識については政府も非常に重く受けとめ、的確に対処することといたしております。
 政府の取りまとめでございますが、現在、そういう方針を踏まえまして具体的方針案を次回の沖縄政策協議会に諮るべく、沖縄協議会は今のところ十七日に開催することにいたしておりますが、鋭意検討を進めているところでございます。
 また、さきに取りまとめました政府の取り組み方針につきましては、この法案が議員立法として成立した経緯がございますので、政府においても鋭意取り組むこととしているところでございます。
#20
○上原委員 まず、鋭意努力することはいいことなんですよ。
 大規模返還のための新規立法ですか、それとも、返還される米軍用地の跡利用促進全体をカバーする法律制定あるいは制度制定を考えておられるのか、そこいらはどうなんですか。
#21
○青木国務大臣 ただいま申し上げましたように、十七日の政策協議会までに十分議論を交わしていきたいと思っておりまして、私と野中前沖縄開発庁長官が沖縄に参りましていたしました発言は、非常にいろいろな問題が絡んでおりますので、どういう形でこの問題を扱っていいかということも含めて十分検討するというお約束をして帰っておりますので、十七日までに十分検討をして何らかの形で回答が出せるように今努力中でございます。
#22
○上原委員 十七日といっても目前ですよね。目前ですが、私はここで自民党さん、与党の方にも一言申し上げておきたいわけですが、その前に、今の軍転法ですね、沖縄県における米軍用地の返還に伴う特別措置法、跡利用に伴う特別措置法、これについてはどういう認識とどういう評価をしておられるのか、官房長官。
#23
○青木国務大臣 御承知のように議員立法でございますので、恐らく各党においてこの問題についていろいろ議論がなされ、でき得ることならば、党派を超越した形で話し合いがなされて、みんなの合意として現在の状況に即した法案が出されることを期待いたしておりますが、ただそれに頼るだけじゃなくて、政府としても、先ほど申し上げましたように、十分政府としての意見も反映でき、地元の意見も吸収できるような形で今鋭意協議をいたしているところでございます。
#24
○上原委員 官房長官の答弁は何かオウム返しに聞こえて大変残念なんですが、もちろん、議員立法は各党会派の合意がなければ成立しないのは私たちはよくわかるんですよ。
 これはもう多くは言いませんが、十四、五年かかってようやくこの間の議員立法が成立したのです。しかしそれは、自民党さんとか政府が率先してやったのじゃない。我々が与党の立場に立ったりあるいは自民党が野党の立場になったりして、いろいろ沖縄の基地問題を、従来のような立場でなくして、妥協できる面は妥協し合って、全部で合意形成できるものはやろうということで、鈴木先生や皆さんと私も一生懸命骨を折ってやったのです。
 今回も民主党は、本来ならば、会期の問題とかいろいろあれば各党と御相談をして提案したかった。だが、政府がやろうとしている跡地利用の問題について、沖縄に行っていいことをおっしゃるのも結構だよ、外務大臣も官房長官も、みんな夢と何かバラ色みたいなものを描いて、県民に期待感だけ持たせて、政府の政策とか中身は伴わないんだ、皆さんがやろうとしていることは。そのいい例がさっきの事故機のこんな問題なんだ。
 それに対して、私たちは、沖縄県やあるいは宜野湾市、北谷町等々の、もちろん軍用地地主連合会の要望も入れて、包含をして、現在の軍転法の抜本改正を出したんだ。きょう委員会があるからここで趣旨説明をぜひさせろといって、議運の偉いお方々にも、自民党の理事さんにも相当お願いしたんだが、何かまた横やりを入れてやらない。それは私はよろしくないということを指摘しておきます。そういうようなことでは、県民の理解と協力は得られませんよ。
 そこで、あなたがおっしゃるように、確かに十一月十九日、一カ月くらい前ですね、沖縄の稲嶺知事の要望についての政府の取り組み方針というのがある。その中に「跡地利用の円滑化の推進等について」とある。何か「多くの課題があるとの沖縄県及び関係者の認識については、政府としても重く受け止め、」最近この言葉は非常にはやっているね。真摯に受けとめとか。「重く受け止め」というのはどういうふうに受けとめているのか。沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律について鋭意取り組むと書いてある。これは、政府が取り組むのですか、議員立法だから与党とかあるいは各党がやってもらいたいという意味なのか、もう一度お答えしておいてください。
#25
○青木国務大臣 私が申し上げたのは、今日まで議員立法として行われておりますので、それはそれで大事にしながら、そういう成立の経過もかんがみ、議員立法だから議員の皆さんにお任せするだけで通れる問題ではありませんので、今申し上げましたように、現在政府としても鋭意検討をしているところでございます。
#26
○上原委員 いつまでに結論を出すのですか。十七日の沖縄政策協議会までに結論が出るのですか、その要綱というか構想、大綱について。それが一つと、もう一つは、大規模返還という場合は、普天間飛行場の返還を想定というか頭に置いてこの特別立法、新規立法を考えておられるのか、先ほど私が言ったように返還米軍用地全体を対象にする法律なのか。その二点を明確にしてください。
#27
○青木国務大臣 再三申し上げておりますように、十七日をめどに、私ども今鋭意努力をしているところでございます。
 また、内容につきましては、当然全部の地域を含んだものとなるように解釈をいたしております。
#28
○上原委員 この返還跡地利用の問題は、非常に難しいし、またぜひやらなければいかない課題でありますので、私たちは私たちの立場で既に法案改正も提出をしてありますし、我々のものよりもっといいのがあればいつでもそれは取り下げて、政府の案に協力しますよ。しかし、私が個人的に考えて、今までの政府の姿勢からして、私たち民主党が出した案よりも政府が率先していい案を出すとは残念ながら今の段階では思っていない。
 その点も御念頭に置いて、ぜひ県民の期待にこたえられるような内容のあるものをおつくりになっていただきたいということを強く外務大臣にも要望しておきます。
 最後に、あと時間もわずかになりましたので、振興策についてお尋ねをしておきたいと存じます。
 せんだって、北部十二市町村の北部振興についての要望書が既に政府に出されて、これも重く受けとめてその要望に沿うというのが政府の姿勢のように存じます。さらに、きょう改めて、牧野副知事が、この委員会終了後でしょうか、官房長官、開発庁長官にお会いをして、名護市から出される、あるいは名護市を中心とする北部振興策について要望するいうことにもなっているようであります。
 さらに、これもマスコミ報道ですが、二〇〇〇年度予算に北部振興に関する予算措置として百億円ぐらい積んでいくという報道もなされておるわけです。
 私は、基地問題とこの振興策をリンクさせる、あるいは、基地を受け入れるからやる、やらぬということは別問題、そういう前提で申し上げるんですが、今私が指摘したことについて、沖縄開発庁長官あるいは官房長官としてどういうふうにやろうとしておられるのか、お答え願いたいと思います。
#29
○青木国務大臣 委員がおっしゃいましたように、今月の二日に牧野副知事が知事の代理として、北部の全市町村、名護市の市長さんはちょっと都合があっておられなかったんですが、来訪されまして、直接私がその要望書を受け取りました。それから今日まで、全力を挙げて鋭意検討をいたしております。
 と申し上げますのは、来年度予算で処理をしなければいけないもの、また中長期的にいろいろ考えていかなければいけないもの、それから各役所に非常にまたがった問題でございますので、全力を挙げて今作業をいたしておりまして、十七日の沖縄政策協議会においては、大体、大まかな形ではありますけれども、皆さん方にある程度正確な御発表が表示できる、そういうふうに現在考えております。
 私どもとしては、新聞報道等で百億云々というような話も出ておりますが、今の段階はそれをお答えする段階ではございません。
 また、きょう四時過ぎに副知事が、今先生おっしゃいましたように、名護市を中心とした振興策について要望がございますので、それも十分受けとめながら、できれば、あわせて十七日の日にできるだけの方針は地元に対してお示しをしたい、そういうふうに考えて、努力中でございます。
#30
○上原委員 時間ですから終わりますが、どうも十七日というのが沖縄のまた締めくくりの、節目の時期になるような気がいたします。
 最後に、きょう、普天間移設の問題等について、これはちょっと系統立てて時間をかけないと議論ができないものだから言えませんでしたが、私はあえて取り上げませんが、SACO合意というのは、もう既に三年有半経過してもある意味では暗礁状態、これは遅かれ早かれ仕切り直しをしないと前進しないというのが私の認識ですね。そういうことを政府はどういうふうに今後やられるか。
 名護市の市長さんだって、地域住民に著しい影響を与える施設、基地は受け入れがたい、これが岸本市長の一貫した御認識なんですね。それからすると、私は、今皆さんがやろうとするような方向で問題が進展するとは、残念ながら非常に懸念を持っています。そういうことを申し上げておきます。
 そして最後に、官房長官、サミットの前夜祭の晩さん会を首里城跡でやってもらいたいというのは、これは県民の強い要望になっていますね、那覇市長を初め議会もね。このことについては近々結論を出すというのが、何か参議院の方での官房長官か総理の御答弁だったように記憶しておりますが、この件は結論が出たんですか。
#31
○青木国務大臣 先般、市長さん初め各団体の皆さんからそういう陳情を受けました。いろいろな候補地はあるでしょうけれども、私は非常に有力な候補地であるという認識をいたしておりまして、発表につきましては、一月中にでも総理から発表するような段取りで現在検討中でございます。
#32
○上原委員 終わります。
#33
○佐々木委員長 これにて上原康助君の質疑は終了いたしました。
 次に、原口一博君。
#34
○原口委員 民主党の原口一博でございます。
 まず北方問題について、外務大臣それから官房長官の御所見を伺いたいと思います。
 先日、当委員会でロシアへ参りました。そのときに、国境の問題について、そして四島の帰属の問題について、ロシアにある資料も拝見をさせていただきました。やはり、こういった資料が私たち日本側にもオープンになる、これはロシアの改革が一定限の成果を見ているんだ、大変喜ばしいことだというふうに思います。
 そこで御質問でございますが、北方領土返還、日ロ平和友好条約の締結の見通し、これをどのようにお考えになるのか。今世紀中に起きたことは今世紀中にという前の橋本内閣、それからエリツィン大統領とのその会談もございました。その中で、その見通しについてどのようにお考えになっているのか。
 特に今、チェチェン問題を初めとしてロシアの状況は大変流動的になっています。このチェチェンの問題について外務大臣にお伺いしますが、どのようなスタンスで日本は向かうのか、そして今後の交渉日程をどのように詰めていくのか。
 この二点についてお尋ねを申し上げます。
#35
○河野国務大臣 委員御承知のとおり、日ロ間の問題解決は、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する、これが我が国の一貫した日ロ間の交渉に臨む態度でございます。
 この四島の帰属の問題を解決をするということについては、両国首脳においてさまざまな議論がございます。特に近年では、東京宣言あるいはクラスノヤルスクでの話し合い、あるいは川奈、こうした場面場面を通じまして、エリツィン大統領と我が国首脳との間には極めて前向きのやりとりが行われているというふうに私は承知をいたしております。ただ、しかしながら、まだ最終的な場面というところに到達をしておりませんことは甚だ残念なことでございます。
 考えてみますと、こうした領土問題に絡みます交渉でございますから、やはり何といっても、首脳間の会談が持たれて、首脳間で合意がなされなければ問題は解決をしないというふうに私は思います。
 ただ、考えてみますと、我々が思い出す限りにおいて、ロシア側の首脳がこれだけこの問題にかかわって、日ロ間で話し合った首脳というのはエリツィン氏しか思い出さないと言っていいと思います。したがいまして、エリツィン・橋本会談あるいはエリツィン・小渕会談、こうした双方首脳の間で話し合いが持たれました問題を、何としてもエリツィン氏を相手に我が国としては詰めたいという気持ちがあるわけでございます。
 したがいまして、我々としてはエリツィン大統領の訪日ということにこだわって、ぜひ訪日をしてもらいたい。これは先方も訪日すると言っているわけでございますから、その条件を整えて、エリツィン氏の訪日を待って、両国首脳によってこの問題についても十分な、踏み込んだ話し合いをしてほしいものと考えているわけでございます。
 御承知のとおり、年内の訪日ということを我々は期待をいたしておりましたけれども、残念ながら、エリツィン氏の訪日は来年春という、若干抽象的な言い方でございますけれども、来春ということに双方話し合いができております。この来春のエリツィン大統領の訪日に向けて、事務的には精力的に準備をしようということをお互い言い合っているわけでございます。
 それまでの間に、ロシア側からは外務大臣の訪日ということも予定をされているわけでございまして、これら一連の会談を通じまして、首脳間の話し合いの下準備といいますか環境整備といいますか、そういったことができればいいというふうに、私どもとしては強く期待をしているところでございます。
 もう一つの御質問でございましたチェチェン問題でございますが、これはまた、ここ一両日間の動きは我々にとって極めて心配な動きでございます。
 私は強い関心を持ってこの問題を注視しておるわけでございますが、極めて心配な状況、そして私どもとしては、ロシアにおいて適切な処理をしてほしい、適切な判断をしてほしい、こう申し上げていいと思います。
 と申しますのは、やはり何といってもテロに対する対応は毅然とした対応が必要だというふうに考えております一方で、人権問題というものもまた、ないがしろにはできないことでございます。何といっても、ロシア当局において適切な判断をしてもらいたいということを今申し上げていいところだと思います。
#36
○原口委員 私はこのチェチェンの問題についても同様の憂慮をするものであります。
 この北方四島の帰属の問題は、国際法と正義に基づいて両国の民主化、これがある意味では試されている、あるいは両国の将来が一つ象徴的にそこにあらわれている問題であるというふうに思います。重ねて申しますが、両国の交流、そして法と正義に基づいて一刻も早くこの四島が日本に返ってくること、そして日ロの平和友好条約を締結すること、ここに向けて政府のさらなる努力を求めるものであります。
 そこで、総務庁にお尋ねをしたかったのは、来年に向けてのこれまでの取り組みの政策評価についてでございました。中央省庁再編基本法の中でも、数値でしっかりあらわさなければいけない、そしてそれがどのような政策効果をあらわしたのか、それを説明する義務を持っているということでございましたが、果たしてそれがどこまでいっているのか。
 運動にかかわる人たちの熱意、その努力を私は多とするものでございますが、先日、これは平成十年ですから一年ぐらい前でございます、日ロの共同世論調査、朝日新聞とタス通信とでやった中には、二〇〇〇年までに平和条約が結ばれると思うか、日本側では思わないという答えが非常に多かったわけであります。さらなる広報をこれはやらなければいけない、このことを御指摘を申し上げたいというふうに思います。
 また、北方四島の皆さんは海で生きる方々が大変多い。そういう中で、日ロのビザなしの交流、さまざまな交流が進んできました。一方で、そういう皆さんからは、海の情報、気象の情報、日本側のNHKやそういうラジオの天気の情報、そういったものもぜひ欲しいという要望もございます。そういった真摯な交流の態度がこの問題についての道筋をつけていくものだというふうに思っています。
 時間が限られておりますので、沖縄の問題について、総務庁長官はきょうおられませんが、官房長官、それから外務大臣にお伺いをしたい。
 嘉手納のRAPCONの返還の課題については、この国会で、外務大臣、一つの方向を出されていますが、沖縄県の皆さんの要望を米側に伝えるという御答弁をなさっています。私は政府としての態度もしっかり伝えるべきだ、これが第一点。
 それから、第二点は、日米の地位協定、今我が党の上原委員からお話がございましたが、さまざまな改定が必要、見直しが必要な時期に来ているというふうに思います。これは、私は環境の問題についても同じことが言えると思います。協定が結ばれたときには想定できなかったようなさまざまな環境浄化の問題、こういった問題も私たちは地位協定の見直しの中で果たしていかなければいけない、その問題についてどのように考えておられるのか、そして地位協定を見直しをする、そういう意思がありやなしや、お答えをいただきたいというふうに思います。
#37
○河野国務大臣 RAPCONの問題は原口委員が早くから取り上げられて、地元の事故も絡んで、一日も早く、この問題については我が国でもっと積極的に対応するようにという御指摘がございました。私どもからそのときに、分科会でいろいろ議論をしてきたけれども、今度は日米合同委員会の席上でこの問題を日本側から提起をいたしましたということをお答えしたわけでございます。
 その当時、県民から強い要望があるということを申し上げたわけでございますが、当然、日米合同委員会は我が国政府として出席をしているわけでございまして、この問題は、我が国政府といいますか、我が国としての問題提起であるというふうに米側が受け取るのは当然だろうと思いますし、私どももその心構えで問題提起をいたしておるところでございます。
 環境浄化の問題は、確かに新しい問題として我々が相当真剣に取り組まなければならない問題であることは、申し上げるまでもないと思います。この環境問題につきましては、我が国の国内法上の基準とアメリカの国内法上の基準のうち、より厳格な方を選択するという基本的な考え方のもとに環境管理基準というものを作成いたしまして扱っているというのが現状でございます。
 こうした現状を踏まえまして、今議員から地位協定についてもお触れになりましたけれども、私どもといたしましては、環境分科会などを、これは日米合同委員会のもとにございます環境分科会でございますが、こうしたものを活用して、米軍の活動に当たって我が国の公共の安全や国民生活に妥当な考慮が払われるように対処をしなければならない、こう考えておるところでございます。
 現時点におきましては、そうしたことをでき得る限り早急に行いまして、日米合同委員会の枠組みなどを通じて適切に対処をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#38
○原口委員 まとめて官房長官にお尋ねしますが、今の問題、外務大臣から一定の前向きの答弁をいただいたと思いますが、アメリカ政府、国防総省は、九〇年に入ってから、随分環境に対する基準というのを明確にする動きがあります。これは一定の評価をするものです。しかし、それらは例外が多い、そして基準がアメリカ国内のものに比べてあいまいである、このことも見逃せない事実であります。
 基地の返還時の原状回復、補償義務は、アメリカとパナマの間の地位協定にはしっかりとうたわれている。また、ドイツの場合は、一九九三年にいわゆるボン補足協定というものが改正されて、ドイツの駐留NATO軍へのドイツ国内法適用を規定する条項が大幅に拡大をされています。アメリカ軍とよその国との地位協定についてしっかり入ってきていて、まだ我が国についてはそれはない、まだそれは途上である、この認識を持つ必要があるというふうに思いますが、官房長官の御決意をお尋ねしたい。
#39
○青木国務大臣 議員御指摘のように、地位協定が締結された当時は想像できない環境汚染問題が今問題になっておるということは、私も十分承知をいたしております。先ほど外務大臣がお答えなさいましたように、我が国の国内法上の基準と米国の国内法の基準の中でより厳格な方を選択するという基本的な考え方に立って、現在そういう問題が処理されておることも十分承知をいたしております。
 日米地位協定の第四条は、施設・区域の返還に対しては、米側の義務と日本側の義務との均衡を図っているものであると承知をいたしておりまして、同条があるからといって、在日米軍が施設・区域内における活動に際して我が国の公共の安全や環境の保全を無視していいということでは決してないと私どもは考えておりまして、そういう中で、日米地位協定についても、今後環境の変化等を考えながら我々も対応していかなきゃいかぬ問題だ、そういうふうに考えております。
#40
○原口委員 四条は、施設・区域返還の際のアメリカの原状回復、補償義務、このことについては明確に規定していません。むしろそれは免除ととれるかもわからない。こういった問題について政府が真摯に答えを出していくことが、普天間の基地の返還、これまでの沖縄の苦渋の歴史にこたえることだということを御指摘させていただいて、質問を終わります。
#41
○佐々木委員長 これにて原口一博君の質疑は終了いたしました。
 次に、古堅実吉君。
#42
○古堅委員 きょうは、普天間基地の移設問題についてお伺いさせていただきます。
 今沖縄では、稲嶺知事が、普天間基地の移設先、キャンプ・シュワブ水域内名護市辺野古沿岸地域、それを表明して以来、そのことを岸本名護市長に年内に受け入れてもらおうと政府からの強い圧力が加わっていることもあって、県民の中にはそれに対する大きな怒りが広がっています。
 そこで、最初に端的にお伺いしたい。政府が、年内決着とか、あるいは年内解決とか、できるだけ早く結論を、このように言われ、沖縄側に結論を急いで求めておるその理由は何ですか。
#43
○青木国務大臣 知事から名護市長に対し受け入れの要請がなされ、地元において引き続き現在話し合いが行われているところでございます。
 政府は、今後とも地元の動向を見守ってまいりたいと考えておりまして、年内とかそういうふうなことは一度も申し上げたことがございません。できるだけ早く結論が出ることを望んでいるところでございます。
#44
○古堅委員 クリントン大統領が六月二十五日の記者会見で、移設問題が解決しないままでは沖縄サミットに行きたくない、そういうことを表明したのを受けて、七月二十六日にコーエン米国防長官が、野呂田防衛庁長官と普天間基地問題などについての協議をするために来日されたそのときに、移転に向けたスケジュールについて、重要な進展を今後六カ月前後に期待すると述べています。そして、そのアメリカの意向を受けた野呂田防衛庁長官は、九月十四日の記者会見で、沖縄サミットを過ぎてもまだ移設がだめだったということになれば、来年の米国大統領選挙や知事選挙などもあり、この問題が難しくなる、年内解決することが望ましいと述べています。その他にも類似の発言というのはたくさんございます。
 このように、日米両政府の当事者が、沖縄サミット決定を境にして、年内決着を異口同音に強調し合っているのであります。それらについても否定されるおつもりですか。
#45
○青木国務大臣 私は、基本的に、沖縄の移転の問題はサミットとは別個な問題として認識をいたしておりますし、同時に、アメリカの大統領選挙とも全く別な問題である、そういう認識に立っておりまして、先ほど申し上げましたように、名護市の皆さんができ得ることなら早い機会に私どもが望む結論を出していただくことを望んでおりまして、一年以内であるとか、サミットとこれが一緒であるとか、それができなければサミットがどうなるとか、大統領選挙がどうなるとか、そういうようなことは一切関係のない問題だ、そういうふうに認識をいたしております。
#46
○古堅委員 それでは、念を押してお聞きしますけれども、年内の期限もサミット前の期限も求めることはしない、急いで結論を押しつけるようなことはしないということなんですね。
#47
○青木国務大臣 年内の結論、サミット前の結論、急いで結論を出すことは望まないという御質問でございますが、私どもは、できるだけ一日も早く結論が出ることは望んでおりますが、年内とかサミット前だとか、そういうふうなことは何ら考えておりません。できるだけ早い機会に結論を出していただきたいということを望んでいるところでございます。
#48
○古堅委員 年内の期限も求めるものではない、サミット前の期限も求めるものではないということは確認していただきました。
 御存じのとおり、沖縄タイムスと朝日新聞の合同世論調査がなされておって、それによりますというと、移設賛成が三二%で、移設反対が四五%、また、基地の整理縮小についての日本政府の取り組みを評価するが二二%で、評価しないが六一%です。その事実は、移設候補地表明をした稲嶺知事も、それを歓迎した日本政府も、ともに県民の評価を受けていないことを明白に裏づけるものであるというふうに考えます。いかがお考えですか。
#49
○青木国務大臣 私どもも、その世論調査の結果は非常に真摯に受けとめていかなければいけない問題だと十分承知をしているつもりでございます。
 しかしながら、沖縄の米軍施設・区域の整理、統合、縮小を図るためのものであるということを御理解いただけるよう、さらに今後とも政府としてあらゆる努力を続けていきたいと考えておりまして、最終報告の着実な実施に向けて引き続き最大限の努力を政府としては続けていきたい、そういうふうに考えております。
#50
○古堅委員 政府は、この世論調査の結果も踏まえて、本当に反省する立場を取り戻すべきです。
 先ほど年内決着など期限をつけるものではないという表現がありましたけれども、県民は、陰に陽に政府が年内決着を求めていろいろな形で圧力を加えている、押しなべてそう受けとめています。そういうことになるようないろいろな動きがあるだけに、先ほどもそういうような質問をさせていただきましたが、それは否定されましたので、そういう年内決着を急ぐような、言葉はきれいに飾りながらも中身としてはそのように受け取られるようなことも含めて、そういうことをまずやめる、そういうことから態度を改めるべきであるということを強く求めて、次に質問を移らせていただきます。
 青木長官は、十二月八日の参議院予算委員会で、先ほど引用いたしました沖縄タイムス等の世論調査の厳しい結果について、真摯に受けとめて理解が深まるよう最大の努力をしていく、このように述べられました。
 ところで、移設問題について県民が知りたいと考えていることについて、これまでなかなか質問に対する答弁という形で出てこない。具体的に説明することもなしに移設受け入れの結論だけを押しつけるようなやり方は、県民の立場からは到底受け入れられるものでないことは申すまでもありません。多くの県民は、移設の場所、工法、基地の規模や機能や運用、住民や自然環境への影響、軍民共用の中身と使用期限など種々のことについて疑問や懸念を持ち、知りたいと考えています。政府はこれらの一つ一つについて説明をする責務があるというふうに思います。責務があるというふうにお考えかどうかということについてお聞きしたいし、それらについて明らかにされるかどうか、そのことも明確にしてください。
#51
○青木国務大臣 今委員御指摘のような諸問題について十分政府が説明をする責任は、当然政府にあると考えております。しかしながら、例えば工法とか場所とか規模とか、そういうふうな問題については、まだ名護市において受け入れるということがはっきりされていない段階でいろいろな議論をすることは差し控えたいと考えておりますが、幸いにして知事の要望どおり名護市に決定されますれば、当然、地元の皆さん、県民の皆さんにいろいろな問題について政府が詳しく御説明を申し上げ、同時に、地元の市なり県なりの御意見も十分酌み入れた中でそういう問題は解決すべき問題だと考えておりまして、誠意を持って、その時点では県民の皆さんにもわかりやすい説明をしたい、そういうふうに考えております。
#52
○古堅委員 今のお答えは、岸本名護市長が受け入れを表明するまでは具体的な問題については政府として説明するつもりがないのだ、そのように受け取ってよろしいですか。
#53
○青木国務大臣 いろいろな受け取り方でしょうけれども、委員は今、工法とか場所とか規模とか、また軍民共用とか、そういう問題についてはどういうふうに政府は説明するかというお問いをされたというふうに私は解釈いたしましたので、場所も決まっておりませんし、決まった時点で、私は、今委員が御指摘になったような諸問題について、地元と県と十分な話し合いの中で、地元の意見も聞き、県の意見も聞き、また政府としての立場も申し上げ、そういう議論の中からいろいろな問題は決定されていくべきものだ、そういうふうに理解をいたしております。
#54
○古堅委員 今の政府の考えは全く逆立ちではありませんか。日米安保条約に基づいて基地を提供するのは政府です。どういう基地をつくるか、それについても、国が主体的に考えるということを抜きにして、県知事やあるいは名護市長などが考えるものではないでしょう。それなのに、そういうことを明らかにしないままに、名護市長に受け入れを早目に表明してもらおうといろいろな形で圧力を加えるなどという展開がある。これは本当に言語道断と言うしかないですね。何ら具体的な問題を説明することなしに、まず受け入れありき、そういう態度では、名護市長も含めて、沖縄県民はだれも納得できないのじゃないですか。
#55
○青木国務大臣 委員御指摘のように、当然、最終的に決定しなければならないのは、国において決定しなければならない問題であることは十分承知をいたしております。しかし、国が決定するに際しても、やはり県なり地元の皆さんの声を十分に聞き、また議論を闘わせた上で、最終的な決定を国がすべきだ、そういうふうに私は考えております。
#56
○古堅委員 二度引用しますけれども、長官は参議院で、真摯に受けとめて理解が深まるよう最大の努力をするとおっしゃられた。政府はこれまでもそういう努力をしてこなかったと県民の多くが受けとめている。こういう重大な時期に当たっても、県民が知りたいということについては知らせることなしに、まず受け入れろという、こんなやり方がありますか。これほど乱暴なやり方はない、暴挙と言うしかないということを厳しく指摘しておきたいと思っております。
 移りますが、稲嶺知事は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであることを提起しました。同時に、軍民共用空港の設置により、新たな航空路の開設や空港機能を活用した産業の誘致など、地域経済発展の拠点を形成することができるとも述べています。
 政府は軍民共用空港の提起を受け入れると表明しておりますが、どの程度の民間機の就航を想定しておられるか伺いたい。例えば、小さいプロペラ機程度のものか、それとも、産業振興にも結びつく構想で、コンテナ貨物などの輸送機能も持つジェット機の就航を考えているのか、政府の受けとめを明らかにしていただきたい。
#57
○青木国務大臣 知事が軍民共用ということを提案されたことは、私どもも非常に重く受けとめておりまして、前向きな対応をしなければいけないと考えております。
 ただ、内容につきましては、まだ場所も決まっておりません、地域も決まっておりません。これこそ知事の意見なり、いわゆる地元の意見なりを聞きながら、やはりそういう規模とか、そういうものについては今後相談していく問題だ、そういうふうに考えております。
#58
○古堅委員 場所も決まっていないなどとおっしゃるんだけれども、軍民共用というものについて、どういうことになるかということについて、それなりに考えることは不可能ではないというふうに思います。
 運輸省、お見えですね。ちょっと伺います。
 民間空港で、ジェット機の中型、大型が就航できるには、それぞれどのくらいの滑走路の長さが必要か。一定の基準のようなものがありましたら、それに基づいて簡単に説明をしていただきたい。
#59
○岩村政府参考人 空港の必要とする滑走路の長さでございますが、これは、就航する機材の一つは離発着の性能、それから飛行距離、どこまで飛んでいくか、またその最大離陸重量という飛び上がるときの目方、こういった運航条件、さらには空港の設置場所の気象条件、こういったものとも関連をいたしましてそれぞれ異なりますが、一般論で申し上げますれば、大型ジェット機が就航する場合は二千五百メートル、中型ジェット、小型ジェット機が就航する場合は二千メートル、YSクラスのプロペラ機が就航する場合は千二百から千五百メートル、さらに小型のプロペラ機が就航する場合には八百から千メートルというのを原則としておるところでございます。
#60
○古堅委員 長官にもう一度お尋ねします。
 稲嶺知事は、ただ単に軍民共用、民間機が就航できればいいなどというふうなことを言っているのではない。北部の産業振興と結びつけてちゃんと言っています。その内容を読まれれば、どういうことを考えているんだなということをある程度理解することができます。稲嶺知事が言おうとしているのは、小さいプロペラ機でもいい、民間機が何らかの形でそこに飛べるようにすればいいなどというつもりで言っているものではない、私はそのように理解しますけれども、そこらあたりはどうなんですか。そこもわからぬとおっしゃいますか。
#61
○青木国務大臣 稲嶺知事の軍民共用という中身につきましては、それぞれいろいろな解釈があろうと思います。
 しかしながら、よくわかりますことは、やはり北部全域、沖縄全域の発展のために将来役立てよう、そういう知事の気持ちが今みたいな形にあらわれたものということだけは十分理解をいたしております。
#62
○古堅委員 そういう御理解からしますというと、小さなプロペラ機では間に合わない。少なくとも中型あるいはそれ以上のジェット機が就航できるような、そういう飛行場を稲嶺知事は考えておるのであろうというふうに思われます。長官の受けとめはどうなんです。
#63
○青木国務大臣 場所も決まっていない、工法も決まっていない段階において、私からいわゆる航空機の規模等について申し上げることは、現段階では差し控えさせていただきたいと思います。
#64
○古堅委員 先ほど、小さなプロペラ機などということではあり得ないだろうという理解について伺いました。
 一九九七年十一月に政府が提案した海上基地の場合に、滑走路が一千三百メートルでした。今度言っている民間機も飛ぶ軍民共用というものが、その千三百メートルの海上基地、予定しておったその範囲内でおさまる軍民共用ということが考えられますか。千三百などという、小さなプロペラ機しか飛ばせないようなそういうものとは変わった形で検討せざるを得ないことになるのじゃないか、そういうことにわたるものだと考えます。これは、長官かあるいは外務大臣か、どなたかお答えください。
#65
○青木国務大臣 再三申し上げておりますように、工法、規模、そういうものについては、いずれ知事とも地元とも相談をして決めなければいけない問題でございまして、私がこの場においてはっきりと申し上げるべき内容のものではない、そういうふうに私は解釈いたしております。
#66
○古堅委員 外務大臣、同じ質問に対して、大臣も同じようなお答えしかできませんか。
#67
○河野国務大臣 官房長官御答弁のとおりと思います。
#68
○古堅委員 まことに言語道断と申さねばなりません。県民に対してどれだけの説明をして、その上で政府の考えも進めるかということが、これはまともな態度でなければならぬと思いますけれども、そういうことにかかわることも一切避けて通ろうということだけが基本にはあって、なかなか、この国会における、大事な時期における質問でもかみ合ったそういうことがやりにくい。大変残念ですし、そういうことではだめだということを厳しく指摘しておかなくちゃいかぬというふうに思います。
 十月二十一日の日経新聞で、米国のキャンベル国防副次官補が、沖縄側が求めている軍民共用空港について、可能であると述べながら、軍民共用になればより長い滑走路と広い空間が必要になると述べたと報道しています。軍民共用空港になれば、九七年十一月に提案された海上ヘリポート案よりも大きなものにならざるを得ないと思うのですが、外務大臣、そうなるであろう、あるいはそうはならないであろう、そういうことについてどうですか。
#69
○河野国務大臣 キャンベル国防副次官補の発言があったということは承知をいたしておりますが、正確にその内容を公式に受け取っているわけではございません。したがいまして、そうした風聞に答えるというのは適切でないというふうに思います。
 繰り返し申し上げますが、普天間飛行場の移設返還問題に関しましては、現在地元において移設先等について引き続き話し合いが行われているというふうに承知をいたしておりまして、いずれにせよ、政府としてはこの地元の動きを見守るという態度を今とっているわけでございます。
#70
○古堅委員 十一月二十六日の沖縄地元紙で、米政府は、軍民共用空港が最終的に決定された場合、一、米兵の家族住宅や隊舎を含めた移転とする、二、大型輸送機による戦略空輸や緊急時の中継基地としての機能を認めるということを日本政府に非公式に求めたと報道しています。要求されているこれらの問題は、SACO合意では、既存の米軍施設や嘉手納基地で運用するということになっているものであります。報道のような非公式の話があったかどうか、それを明らかにしていただきたい。外務大臣からお願いします。
#71
○河野国務大臣 お尋ねのような事実はございません。
#72
○古堅委員 非公式ということになっていますので、それがあったにしても、今の政府のとっているような態度からは、隠されるということになるのでありましょう。しかし、このように政府筋数人からという形で報道されているということは、間違いなくアメリカ側の意向として出ているものであろうというふうに思います。
 軍民共用空港の構想のもとで、アメリカは望外の大きな基地を手に入れようとしています。しかも、アメリカの意向のままに、言葉だけでは否定しても事実上年内決着を急ぐなど、本当に言語道断と言わなければならぬ、こういう姿勢が続いています。県内移設ではなく、SACO合意の見直しによる普天間基地の無条件返還こそ県民の切実な要求であるということを強く申し上げると同時に、県民の願いにこたえられるように、政府は、基地の押しつけではなしに、SACOの見直しなど必要な手を打つべきであるということを厳しく要求して終わらせていただきます。
#73
○佐々木委員長 これにて古堅実吉君の質疑は終了いたしました。
 次に、伊藤茂君。
#74
○伊藤(茂)委員 開発庁長官にお伺いをいたします。
 沖縄担当大臣と官房長官を兼ねられる大事な立場でございまして、前官房長官も並々ならぬ沖縄問題への熱意を示されておられました。先ほど来同僚議員の議論がございましたように、非常に大事なときであります。沖縄県民にとって大事なだけではなくて、我が国、アジア、日米関係にかかわる大きな問題でございまして、真剣なお取り組みを強く要望をまずしておきたいと思います。
 普天間に関連した質問をしたいのですが、私は、この経過をずっと見ておりまして、非常に終着、決着を急いで、きちんとすべきもの、きちんと決めるべきものをしていないという感じが深くいたします。沖縄のどの場所にどうということを、沖縄の地元の皆さんの合意を得てということを繰り返し政府の皆さんはおっしゃっておりますが、どういうものをつくるのか、一体これから先、軍民共用なのかそうでないのか、あるいは、十年で戻すのか十五年なのか四十年なのかとか、そういう設計の基本にかかわる問題がさっぱりわからないで、それでどこかとやっている。
 先ほど沖縄の県民の意識調査のお話も同僚議員からございましたが、やはり私どもは、沖縄百万の県民の皆さんとともに、私ども一億二千万国民がみんなで真剣に考えなければならない、そういうことではないだろうかという気持ちを深くするところであります。やはり日本は将来に展望を語る政治を持っている国だし、日本はやはり沖縄県民を含めた民主主義の国だという信念でやらなければならない。そういうことから考えますと、幾つもございますが、まず二つ疑問がございます。
 二つと申しますのは、普天間にかかわる米側から出ている文書、読んでいる文書なんですが、一つは、九八年三月に、アメリカ連邦議会会計検査院、いわゆるGAOの出した報告がございます。これは、移転に伴うさまざまな費用の展望などについて分析をした文書であります。もちろん政府の決定文書ではありません、分析をした文書でございますが、それなりに大事なことが書いてございます。もう一つは、九七年九月に国防総省がまとめました普天間基地移転にかかわるさまざまな問題についての最終答申、ファイナルレポートという文書が出ております。その前者の方で申しますと、移転費用の問題、これも、これから設計その他がございますから確定は今はできないわけですが、それと、それから後のメンテナンスの問題などについても詳細にそのGAOの報告書の中で述べております。
 一つだけ申しますと、それで読んでみて感ずるのは、あっと思うのは、建設費と維持費の問題、それから、つくった場合に年間の運用経費は、普天間で現在負担している年間経費二百八十万ドル、三・五億円をはるかに上回り、恐らく二億ドル、二百五十億円、七十倍強ぐらいにふえるだろうというふうなことが書かれております。新しい形のものをやはり大型につくるわけですから、そういうことかなという気もするわけでございます。
 では一体、建設だけではなくて、それから後々長く、どういうふうにこれは処理していくのか。この米側のGAOの出したものから見ますと、当然日本側が思いやり予算などで負担をする。日本の思いやり予算は世界で最高のサービスと、アメリカ側が最も高く評価をしている。御存じのとおりであります。一体こういうことをどう考えるんだろうか。これは、政府の責任ではないだろうかというふうに思います。
 それからもう一つは、これは外務委員会で外務大臣に申し上げたんですが、はっきりとしたお答えはございませんでしたが、国防総省の報告では、運用寿命四十年、二百年の疲労寿命に耐えるよう設計されなければならないという文書がございます。これはもちろん米側の要望ですからなんですが、稲嶺さんは十五年というふうにおっしゃっております。また、世論調査にあるように、多くの県民の皆さんは、県内移転に反対する世論が非常に大きいというのも事実でございます。
 私は、それらを含めまして、先ほど来の答弁の繰り返しでおかしいんで、やはり今きちんとすべきことはきちんとする。それから、日米、沖縄県と政府、本当に真剣に議論をして、その姿が国民にも県民にも映る。もちろん米側もこんな経過みんな知っているんですから。米国というのは我々からするとかちんとくる面もありますが、国民的にフランクリースピーキングの国ですから、いろいろなことをざっくばらんに話をする。少女暴行事件、不幸な事件でしたが、あの後、モンデールさんとかペリーさんとか、いろいろな関係者の方々と私も与党の一員としておつき合いさせていただきましたが、振り返ってみると、そういう思いがいたします。
 やはり、政府として、沖縄の要望、それから米軍、言うならば那覇、東京、ワシントン、これを緊密にしてやるということが必要ではないだろうか。そういう視点から、皆さんに理解できる、中身が少なくともわかる、そういうことが必要なのであって、きちんとすべきことをきちんとしないで、どこに決めるかということだけ急ぐというのは非常に後々不幸なことになる。例えば、今のGAOの報告とペンタゴンの報告と関連した二点、どうお考えでしょう。
#75
○河野国務大臣 GAO、すなわちゼネラル・アカウンティング・オフィス、アメリカの会計検査院とでも申しましょうか、そこがアメリカの議員から要請を受けて、カリフォルニア州選出のハンター下院議員の要請によって調査をした、こういうペーパーでございますが、伊藤先生よく御承知のとおり、このペーパーは、一定の施設、こういう施設というものを想定して、この施設をつくった場合にはこういうことになるであろうということを試算しているものでございます。したがって、恐らく、私ちょっと詳細承知をいたしませんけれども、この時期、つまり九七年、九八年当時のものでございますから、言ってみれば、海上施設を想定して、海上施設ができればこういうことになるであろうという試算であろうとまず思うわけでございます。
 したがって、私がここで繰り返し御答弁を申し上げて大変おしかりをいただいておりますけれども、こうしたものに政府からコメントすることがいかがかとまず思いますけれども、それを超えて申し上げれば、海上施設を想定して出した試算というものが、大変大きいではないか、あるいは大変小さいではないか、仮にそういう御判断をされたとしても、それはちょっと今、だからどうということを我々が申し上げる立場ではないと思います。
 今、議員お話しのように、どういう施設をつくるかということがもっと具体的になって、そして、我が国は我が国でそうした施設をどういう形でつくるか、つくれるかという場面になれば、我々は我々としての試算というものが考えられるのではないかというふうに思うわけでございます。
 それから、今伊藤議員がお話しになりましたように、沖縄、そして東京、ワシントンと申しますかアメリカ側、この意思の疎通といいますか、考え方の相互の理解をできるだけ深めるべきではないかという御指摘は、全く私もそう思います。
 我々は、もっともっとこうした相互の理解を深める努力をしていかなければならないということを考えながら、特にこれからの作業については、沖縄の、地元の考え方を十分理解する。そして、さらに我々の考え方をアメリカに理解をさせる。あるいは、アメリカの日米安保条約上の、すなわち日本の安全保障を考える考え方というものに対しても我々は耳をかす。当然のことだと思いますが、そうした相互の理解の上に立って、お互いが納得できる作業を進めていくということが何より大事だというふうに思っております。
#76
○青木国務大臣 委員が今おっしゃいましたように、前沖縄開発庁長官の野中さんが非常な熱意を持って沖縄の問題に取り組んでこられたことは、私も非常によく承知をいたしておりますし、この熱意を私もしっかりと酌み取って、一生懸命沖縄のために頑張っていこうと思っております。
 また、アメリカ、日本、沖縄という関係につきましては、今外務大臣がお答えになりましたように、やはり三者が綿密な連絡をお互いに信頼し合ってとることによって、いろいろな難しい問題の解決に一番これが役に立つというふうに考えておりますので、今後とも私どもは、国と沖縄との関連、包み隠しなく知事初め皆さんと話し合えるような場を設けることによってこういう問題に対処していきたい、そのように考えております。
#77
○伊藤(茂)委員 両大臣の御答弁を伺いましたが、私は、やはり依然として疑問に思います。要するに、骨組み、大枠、大体こういうものをどうするんだ、何メートルですか、何十年ですか、何年ですか、そういうものがわからないで、それでどこにつくるか早く決めたいという話が日米間で動いているという印象なんですね。
 やはりもっとオープンドアで、河野さん、外務大臣おっしゃいましたが、アメリカでは盛んにこういうGAOの報告などいろいろ出ますね。それだけやはり透明性があるんですよ。いや、これはこういう性格のものですということは私もわかっています。しかし、この場合にはこうなります、国会から、議員から御指示があれば計算してこうしますということが全部オープンになる。私もインターネットですぐ引っ張り出して読める。日本の政府にもっとそういうのがあるべきじゃないだろうかという気がするわけでございます。
 いずれにしろ、冒頭申しましたように、何かきちんとすべきもの、図面と枠組みがわからないままに決定だけが進行するということは非常に不幸なことだ、不幸な将来になるという思いを深くしているということを思います。
 それから、それにも関連をして、やはり一番大事なのは展望性の問題だと思いますね。
 九州・沖縄サミットがございます。首脳が沖縄にお集まりになるということになっております。そして、今世紀最後のサミットですから、やはり二十一世紀にどういう展望を語るか。総理もアジアの将来を語りたいというようなことをこの間報道でも読んだところでありますし、私もそうだと思います。沖縄で世界の首脳が集まる機会に沖縄県民の未来を語る、アジアの将来を語る、そしてそれが世界にどう貢献するのか。それを主催するのが日本の総理であり、日本の政府の、また政治の責任ということ。どういうメッセージを日本は発するのかということが世界から見られている大事なときだ、言うならば、問われているときだというふうな気持ちがいたします。
 そうなりますと、早く決めて、今の普天間の基地よりももっと性能のいい、あるいは滑走路がもっとふえるのかもしれませんが、いいものをどこにつくるかということばかりやっているという中で、未来を語ってもらうというふうに沖縄県民は思わないだろうと私は思います。
 アジアの将来につきましても、いろいろな関係者の御努力がありまして、北朝鮮、朝鮮半島問題など、何か進展を見ようとしている段階、これもこれから非常に大きな政府の責任ということになると思います。
 やはり先を開拓するのが我々の仕事ですから、そういう意味で申しますと、例えばなんですが、二つ見解を伺いたいのですが、実は海兵隊というのがあります。これは、ペンタゴンの資料などを読んでみましてもだれが見ても明らかなのですが、攻撃、上陸、攻撃行動用の部隊でございまして、一体アジアで緊張がだんだん緩和してきた場合にどこでそういう巨大な部隊が、しかもアメリカの国外に唯一ある組織として、日本に、沖縄にそれが必要なのか。これは、ペンタゴンOBの方々からもあれは疑問だということがいろいろ発言されているということも、私どもいつも言っているとおりでございます。
 例えば、一番大きな犯罪とか問題を起こしているのはあの部隊ですから、あの部隊の将来はこういう状況ならこうだというようなことは、日米安保共同宣言のワンフレーズにも、状況が変わればいろいろとお互い検討するのだということが書いてありますね。そういうことではないだろうかという気がします。
 そういう意味を含めまして、先ほども、上原さんでしたか、冒頭言われておりましたが、稲嶺知事も、SACO2を検討すべき、より一層基地縮小を検討すべきだというようなことも県議会でも言われているようでありますけれども、そういう展望を語るという意味においてどうお考えでしょうか。
#78
○河野国務大臣 確かに伊藤先生がお話しのように、我々は日本周辺の状況というものに思いをいたして、これと我が国の安全保障というものがどういう格好に将来展望を持っていくかという議論をする必要は当然あると思います。また、事実我々も内部でそうした議論をいたしております。
 したがいまして、知事の十五年期限という話についても、官房長官から、さまざまな要素を勘案して、将来の問題も検討をして判断をしなければならないということを申し上げているわけでございまして、私どもも今、十五年先の我が国周辺状況というものが一体どういうふうになっていくか、これは、村山元総理団長のもとに訪朝団が北朝鮮を訪問をして、いよいよ国交正常化の交渉を行うかどうかという状況に今なっている。そうしたことが着実にもし進行をして、そして日本を取り巻くさまざまな情勢に、まさに安定した平和の色濃い状況というものをつくり出すために、まず外交政策としてそうした作業が行われるということが私は何より大事だというふうに思っております。
 しかし、残念ながら、現在の状況はと見ますと、これはそう簡単な状況ではないわけでございまして、我々としては、我が国の安全というものを考える以上、日米安保条約を基軸として、そして、海兵隊にもお触れになりましたけれども、海兵隊の持ちます機動力といいますか、そうしたものもやはり安全保障の中の一つとして、重要な一つとして考えているわけでございます。
 もう一点、伊藤先生お話しの、大きさも枠組みも何もわからぬではないかという御指摘がございましたけれども、これは、SACOの最終報告、あるいは今回の知事によります県民への御説明、あるいは政府に対します御要請の中にも、米軍基地の整理統合ということが前提になっているわけでございまして、私どもはかねてから沖縄基地の整理、統合、縮小という問題に取り組んできているわけでございますから、こうしたこともひとつ頭の中にしっかりと入れて物事を考えなければならぬというふうに思うわけでございます。
#79
○伊藤(茂)委員 時間ですから、外務大臣、もう一つだけ一言伺いたいのですが、先ほど同僚の原口さんからお話がございましたが、日ロの関係ですね。私も、当委員会の一員として久しぶりにモスクワに行きまして、外務委員長その他いろいろな話ができて非常に興味深かったのです。
 印象に残っているのが二つあります。非常に率直な意見交換ができて、議員外交というのもいいことだなと思いましたが、一つは、昔、領土問題は存在しないとハードに息巻いた時代がありました。それから、何カ月かで大急ぎで片づけようという時期もありました。両方とも現実的でないということは皆さん御承知のとおりでありまして、なるべく早くお互いに円滑に合意できる、そのためにもやはり年末の選挙と来年七月の大統領選挙が非常に大事だというふうな状況ですねというふうな話が率直にございました。そういうことを理解しながら、議員レベルでも鋭意努力をしていただきたいということがございました。私も、そういう意味では、来年の真ん中ごろに大統領選挙ですから、その前後を含めましていろいろな意味での努力を多角的にやるべき時期だなという思いがいたします。
 もう一つ印象に残っているのは、アジア・ビジョンというか、日ロ関係と同時に、そこでやはりアジアの新しい構図が起きる、四者から六者とかいろいろな構想もございますけれども、何かそういう点で一つ新しく進むということが非常に大事だとは思いますがと言ったら、そのとおりと向こうもおっしゃっておりました。御感想がございましたら。
#80
○河野国務大臣 ロシアを考えますときに、どうもモスクワを中心に考えますとヨーロッパの国という感じもしないではないわけでございますが、考えてみますと、あの大きなロシアの国はアジアの国でもあるわけでございまして、アジアの平和といいますか安定といいますか、そういうことにロシアも積極的にかかわり合ってきてくれて、小渕総理がおっしゃっておられますように、六者でこうした問題が話し合える、そういう状況をつくっていくということもぜひ必要であろうというふうに考えております。私どももそのために努力をしてまいらなければならぬと考えます。
#81
○伊藤(茂)委員 終わります。ありがとうございました。
#82
○佐々木委員長 伊藤茂君の質疑は終わりました。
 次に、嘉数知賢君。
#83
○嘉数委員 自民党の嘉数でございます。
 官房長官の時間が全くないということで、何を質問しようか大変迷っていますけれども、はしょって、普天間基地の返還にかかわる問題、それから北部振興についてちょっと質問をしたいと思います。
 普天間の跡利用について、沖縄県から跡利用対策の要望が出ていると思うのです。私は、その中で三つ、ぜひともこれは国に実現してもらわなければいかぬものがある。一つは、物すごい、滑走路は三メートルぐらいのコンクリが打ち込まれていますから、掘り起こすのは、原状回復というのは大変だと思うのです。そういう意味で、跡利用に至るまで相当な財政需要が必要だと思うのです。それは国の責任で財政を相当持ち出さなければやっていけないだろうという思いがしております。その国の助成、これはぜひやっていただかなければいかぬと思います。
 またもう一つは、軍転を含めて、今ある法律でなかなかうまくいかない部分が相当あります。これは、広大な四十八ヘクタールのいろいろの調査をしますと、埋蔵文化財の調査だけでも恐らく何十億とかかるだろう。それを地権者がやるということになるととてもじゃないけれどもやっていけませんし、その後に跡利用するということだったら、恐らく二十年三十年やっていけないと思うのです。そういう意味で、そういう対応をどうするか。
 これはキャンプ桑江もそうなんです。キャンプ桑江も返還予定されていますが、あれだって十三億ぐらいかかるのです。それからしますと、そういう地主に負担をさせる、地権者に負担をさせるようなことでは、跡利用計画は全くやっていけないだろう。
 要するに、それをどのような対応をするかということになると、これは沖振法を含めて今の法律ではやっていけないだろう。ですから、跡利用計画にかかわる新たな法体制をつくっていく必要があるかと思います。それをしなければ、これだけの広大な軍事基地の返還というのはなかなかうまくいかないだろう。
 もう一つは、そういう大きな返還がこれからずっと始まるということになりますと、その当該市町村と地主に跡利用計画を進めなさいといってもなかなかできない。これは強力に進めていく機関車が必要なんです。その機関車をどこに置くか。これはやはり国を中心にして、それを実現して計画をして進める機関が必要だと思う。その機関をどういう形で置くかわかりませんけれども、やはり強力なリーダーシップを持って作業を進めることのできる機関を設立する必要があると思う。
 この三つは絶対にやらなければ、普天間の返還、跡利用を含めて、沖縄県の基地の返還、跡利用についてはやっていけないだろうと思うのです。そういう意味で、官房長官のお考え方をお伺いしたいと思います。
#84
○青木国務大臣 普天間の跡地利用についてただいま委員がいろいろ申されたこと、一々ごもっともだと私どもも考えておりまして、あれだけ膨大な土地、それから地権者の人数、そういうふうなことから考えても、やはりこれは市なり県なりだけにお任せをして解決できる問題ではないと私どもも考えておりまして、今後市なり県なり国なりが、どういう形が一番いいのか、どういう形の法律をつくった方がいいのかという問題も含めて、十分前向きに検討して対応したい、そういうふうに考えております。
#85
○嘉数委員 これだけはぜひ実現をしていただきたいなと思っています。
 それから、せんだって、十二月二日に、北部市町村あるいは副知事を含めて、北部の振興策についての提案があった。それもおよそ三つぐらい、一番やらなければいけないもの、当面対応しなければいけないもの、中長期的に対応しなければいけないものということを多分出されたと思うのです。
 そのうちの当面対応しなければいかぬもので、基金を設けていただきたいという要請があった。私は、その基金というのは、いわゆるたくさん積み上げてその果実を運営する基金ではなくて、来年度予算で間に合わないから基金を、あるいは調整金みたいな形で設置をしておく必要があるのではないかということでの要請もあろうかと思う。それからしますと、北部町村、この二、三日精力的に私ども話し合いをしていますけれども、来年度予算に今計上できなかった部分で、来年度ぜひやっていかなければいけない、当面対応しなければいけない問題については、そういう調整金みたいな、基金みたいなものを持っておいて、それを来年度予算、国の予算にのっけていただいて、それを後ほど利用して対応するということ。
 それからもう一つは、やはり北部の振興策について、今の沖振法ではなかなか対応できない部分が相当あるという考え方を持っています。それを新たな形で、県は経済新法といったものを新たな振興法というふうに今なさっていますけれども、それも含めて、その中でいかにして対応するかということ。特に、これは各市町村それぞれが抱えている問題で、もし北部に普天間が移設されるという形になったときにどういう対応をするのかということについて相当の不安を持っています。その不安を解消するためにどのような形でやるべきかということについて、県も、中長期的な対応をやるべきだということで提案なさっていると思うのです。その提案についてしっかりと受けていただいて、それに向けて実現をしていただいて、不安のないようにやっていただきたいな、そういうふうに思います。
 もう一つは、返還予定ですと、例えば象のおりもそうですけれども、新たに、もし北部に普天間が移設するならばということで、周辺の、例えば宜野座村あたりも、松田あたりも反対しています。なぜ反対するかということを考えると、これは、その移設されるある町村だけに考え方が集中して、逆に、被害を受ける部分、例えば嘉手納でいえば、嘉手納町にあるけれども周辺市町村もみんな爆音被害を受けている、恐らくそういう被害を宜野座村も東村も受けるだろう。そこにしっかりと目を向けていただいて、同じような形で対応していただかなければなかなか厳しいだろう。それを当該市町村は大変不安視をしておりまして、それについてじっくりと、納得できる形で対応していただきたい。その件についてぜひ御答弁いただきたいと思います。
#86
○青木国務大臣 委員御指摘のように、二日の日に、副知事さん初め十二市町村の皆さんから要望を私自身が受け取りました。現在、その中で、来年度の予算で対応できるもの、また中長期的に考えなければいかぬもの、そういうものも含めて検討いたしておりまして、できれば十七日の審議会で私どもの方から発表させていただきたいと考えております。
 議員がおっしゃっている基金の問題につきましては、いわゆる自由に使える基金をつくれという意味じゃないかと思いますけれども、そういうこともすべて含めて今検討中でございますので、現時点でのコメントは私の立場上差し控えるのが順当じゃないか、そういうふうに考えておりますが、一生懸命取り組んでいることは間違いのないことでございます。
#87
○嘉数委員 どうもありがとうございます。
 もう一点だけ。そういう北部振興を推し進める中で、今、北部町村と県あるいは北部町村と国とのいろいろなやりとりをしなければいけない、キャッチボールをする中で、県も当該市町村も含めて、県と国と北部市町村とで、三者でいろいろ話し合いができるテーブルの場をぜひつくっていただきたいという要請がたしか入っていると思うのです。それについても御検討いただきたいと思うのです。
#88
○青木国務大臣 そういう要望も受けておりまして、当然、北部の振興については、関係市町村そして県、国、三者が一体となってやらなければいけない問題でございますので、議員御指摘のような方法で現在検討しております。前向きにやっていこうと思っております。
#89
○嘉数委員 ぜひ精いっぱいの御努力をお願いいたしたい。
 では、外務大臣にお伺いいたします。
 まず、普天間を移設したとき、県としては十五年という期限を申し出をしています。これについて私なりに知事といろいろな話し合いもしてまいりましたし、この部分については、やはりぜひ国にも配慮していただかなければいかぬなという思いを実はしているのです。
 と申しますのは、沖縄の基地というのは、これまですべて米軍が力で土地を接収して、そこに基地をつくってきた。ですから、県民の納得した形での基地の建設は全くなかったのです。しかしながら今回、普天間を移設するということではありますけれども、新たな基地をつくる場合に、これは県知事が先頭になって了解を出して、そして地方で約束をしながら基地を移設するということになろうかと思います。それも、今までの基地というのは、これは全く期限もなければ何もない。極端に言えば、米軍が使いたいときだけ使って、使えなくなったら返しましょうかというような状態で、沖縄県民が口を挟む余地は全くないのです。しかしながら、今回の場合には、県民が、県知事を中心にして、基地をこういう形でつくってほしいという要望をするわけですから、ある意味で新たな、これまでの基地の形態とは全く違う形の基地の建設になろうかと思うのです。それならば、やはり一定の枠は必要じゃないですかという考え方だと思います。
 これは、考え方として、十五年ということでありますけれども、建設を含めたら二十年か二十五年になってしまう。そのときに、単にそのときが来たら返しなさいという話じゃないと思うのです。ただ、少なくとも、県民が納得をして、自分が政治家として責任を持てる期間をある意味で設定していると思う。その時期が来たら改めてそのときの県知事が、そのときの県民の皆さんが、改めて基地としっかりと向き合い、国としっかりと向き合いながら、では、これからどうしましょうか。そのまま使っていただくのか、あるいは縮めてもらうのか、あるいはなくするのか、いろいろな条件をつけながら改めて対応できる権利はやはり保有して、政治家として残しておくべきだという考え方が根底にあって十五年だという考え方、そういう理解をしているのです。
 それからしますと、新たな基地をつくってそれを無期限に、はい、どうぞというわけにはいかぬだろうから、当然のこととして、その時期の県民もしっかりと基地に対して物の言える、そういう場所をつくっておこうという、政治家としてのある意味で責任から出ている期限だと思うのです。そういう意味で、国としてもしっかりとその意を受けとめていただいて、しっかりと対応していただきたい、そういう思いをしています。お願いします。
#90
○河野国務大臣 嘉数議員のお話は、まことに説得力のあるお話のように私には聞こえました。
 確かに、何度も申し上げておりますように、沖縄県知事におかれてはまことに苦渋の決断をなさった。このままで、普天間基地をそのままにしておいていいかどうかという問題から考えられて、普天間の問題を解決する、そのためには県内に移設場所を考えなければいかぬということで、まさに県知事のイニシアチブによって基地問題というものが積極的に考えられたという点で、私は大変な知事の御決断というふうに思っているわけでございます。
 そういう状況を考えれば、知事がこのたびの政府に対します提案の中で四つの条件といいますかポイントを提起されたわけで、この四つのポイントについて、官房長官が繰り返し申し上げておられますように、政府としては重く受けとめる、真摯にこれにこたえなければならぬということを繰り返し申し上げているわけでございまして、政府としても本当に真摯にこの提起、提言を受けとめて、できるもの、できないものというものをしっかりと見きわめなければならないというふうに思います。
 繰り返し申し上げておりますが、まだ名護市におきまして地元でのお話し合いが続いているわけでございますから、こうした問題についてのお答えを私がここで申し上げられる立場にございませんけれども、地元のお話し合いその他がさらに具体化して進んでまいりますれば、沖縄開発庁長官あるいは防衛庁長官その他とともどもに、この四つの条件の中で一体どれとどれが政府として受けとめられるかということについては、真剣に考えなければならないというふうに考えております。
 ただ、私どもは、日本の国の安全ということも当然考えなければならないわけでございまして、日米安保条約を踏まえて我が国の安全を考えるという立場、これは、沖縄県民の皆様に大変長きにわたって御負担、大変つらい御負担をいただいたわけでございまして、この点については、我々本当に沖縄県民の皆様の御理解といいますか御協力といいますか、いや、もっと平たく言えば忍耐といいますか、そういうものについて感謝の気持ちのほかにないわけでございますが、そうしたことを含めて、我が国全体の安全をどうやって図るかということもまた軽んずるわけにいかないという立場におりますことをぜひ御理解いただきたいと思うわけでございます。
#91
○嘉数委員 外務大臣の答弁、私はよくわかるのです。
 ただ、しかしながら、話はさかのぼりますけれども、前の外務大臣のころ、沖縄のあの不幸な事件、そのときに私は県民大会の実行委員長をしました。そのときの決議をごらんになったらある程度納得いかれると思うのです。
 沖縄県民は決して基地全面撤去とは言わなかった。あの八万五千の皆さんが集まって抗議をしたときに、共産党さんからあらゆる政党、みんな含めて、基地の即時撤去ということは一人もいなかった、あの大会の中で決議をしたときに。決議をしたのは、基地の整理縮小だ、しっかりとした整理縮小をやっていただきたい。安保を破棄しろということも一言も言わなかった。
 そういうことからすると、私は、あれは沖縄県民の常識だと思っているのです。ならば、国を守るという気概は沖縄県民というのは十分持っておる、そう理解して結構だと思うのです。そういうことから考えますと、期限を定めるのと国の安全を脅かすかどうかというのは別の次元だと思って結構だと思うのです。
 そのあたりを理解していただいて、やはりこれまで戦後二十何年、占領当時からでもう五十年以上、基地に対していろいろな形で沖縄県民はひどい目に遭ってきた。その思いを一つにまとめたのがあの大会だった。その大会でさえも安保破棄を言わなかったということは、やはり世界の安全、我が国の安全を含めて、十分な理解のもとに対応され、県民は理解をしておる。それからしますと、新たな基地を設けたから、そして期限を設けたから、期限をつけたために日本の安全が脅かされるとか世界の安全がおかしくなるとかという話にはならぬだろうと思うのです。
 そういう意味では、ぜひそこまでしんしゃくをしていただいて、沖縄県民が納得できる形で、知事さんが納得できるような形で、やはりその部分については真剣に討議をしてやっていただきたいな、そういう思いでおります。もう一度お願いします。
#92
○河野国務大臣 確かに、あの当時のことを思い起こせば、嘉数議員には、あの島民大会といいますか、沖縄の皆さんが本当に集まられて大変な大会を開かれたというときのことを私もよく覚えております。そして、あの中に書かれた文言につきましても随所に沖縄の県民の皆さんの怒りとともに良識がそこにはあったということを、私は本当に感銘を覚えながらあの文書を拝見した日のことを覚えております。
 繰り返して申し上げますが、そうした沖縄県民の皆様方の御苦労、そしてどんなにつらい日々を送られたかという沖縄の歴史に思いをいたして、この問題について知事がああした決断をなさった、そしてまたそうした知事を県民が支持なさったということを私は本当に敬服をしているわけでございまして、先ほど申し上げましたように、その知事の御要請について、これまた政府としてはできるだけ真摯に受けとめなければならぬということを考えているところでございます。
 まだまだこれから先に、地元のお話し合いもございましょう、政府部内によります問題の、工法を初めとしていろいろな御議論もあるだろうと思っております。しかし、そうした中に県民の思いというものを、あるいはまた県民の将来にわたっての期待、希望というものをどれだけ受けとめるかということを心して対応したいというふうに思います。
#93
○嘉数委員 ぜひ、全力を挙げて知事さんの要請にこたえられるようにお願いいたしたいと思います。
 それから、先ほど同僚議員からいろいろ話がありましたけれども、あの嘉手納の軽飛行機の件ですが、確かに、地位協定云々、それはあることはある。ただ、私のいろいろ漏れ聞いた話によると、免許を持っている人だけじゃないんだ、免許を取りたい人もいるんだ、その人たちもそれに加わってやっているんだということです。
 基地の司令官といろいろお話しして、なぜあなた方はそんなことをするんだという話をすると、やはり先ほど大臣が答弁なさったように、いろいろなストレスがあるんだ、そのストレスを何らかの形で発散させるためには、ゴルフ場も必要ですし、いわゆる娯楽施設といいますか、マリーナも必要、いろいろ必要だということはちょこちょこおっしゃる。それはわかる。それは当然、ああいう緊張した中で生活しているわけですから、レクリエーション、リフレッシュもしたいでしょうし、わかりますけれども、ただ、そのリフレッシュするということと沖縄県民が被害に遭うということとはまた別の次元の話なんです。
 そういう意味で、やはり何らかの対応をしっかりやっていただかなきゃいかぬだろうし、私は、今度、大変いい機会ですから、地位協定をある程度、もう一度踏み込んでみたらいかがというふうに思うのです。
 これは、前のいわゆる大会の後を受けて決議を持ってまいったときに、当時の村山総理にいろいろ、あのとき地位協定見直しも一つ決議の中に入っていましたから、やりました。できるだけのことを酌んでいただきたい、しかも、今やって、継続的にそれを検討しながら、不都合なものは一つずつ直していかなきゃいかぬだろうから、それを約束していただきたいという申し入れをしました。当時の総理は、そうだということをおっしゃっていましたけれども、幸いにしまして名護市が受け入れたならば、そこに新たな基地がつくられる。すると、その時点でいろいろな取り決めをしなきゃいかぬと思うのです。いろいろなことを、米軍との約束をしなきゃいかぬだろう。そのときに、いい機会ですから、改めて踏み込んで、今ある地位協定の中で、やはりこれはぐあいが悪いなとか、これは直さなきゃいかぬなということも含めて掘り出して、テーブルの上にのせていただいて検討する。その中でやっていただければ、私は、地位協定でありますから無理ですという話にはならぬと思うのです。ちょうどいい機会ですから、それも含めて改めて地位協定について日米間で話し合いをして、そしてしっかりと沖縄県民が安心して生活できるような形をつくり上げていく、私はこれは政府の責務だと思っています。
 これは、基地があるとかないとかという話とは全く別の話で、私どもが安心して生活できるということを前提に安保があるということを考えると、やはりそれは当然のことだ。ですから、改めて私の方から外務大臣にお願いをしたい。どうぞ、お願いします。
#94
○河野国務大臣 先ほども御質問がございましたが、地位協定締結後、新たにいろいろな問題も出てきているという御質問もございました。今嘉数議員の御質問は、私としても十分検討させていただきたいというふうに思います。日米間でどういう話をするかについて、真剣に検討させていただきたいと思います。
#95
○嘉数委員 お願いします。
 施設庁長官、実は今、沖縄県で、防音の問題でいろいろ各町村が動き出しました。それは何かといいますと、一番大きなネックになっているのは、防衛庁長官が指定をして規制をスタートした地域に、その時点でおられた方は別にして、新たにそこに住宅をつくるということになったら、それは防音工事の対象から外されるわけです。それはある意味でそうかなという部分もあるのですが、ただ、しかしながら、うるさいところにあなた方が来たのだから、初めからその事実があるのだから、そこは納得で来たから防音工事しませんよということも一つの理屈かもしれませんけれども、しかし、来る方からすると、代々の両親の土地がそこにある、家をつくれるところはそこにしかないのだ。沖縄の狭い地域、特に嘉手納あたりでしたら、それはほとんど軍用地にとられている。住宅をつくろうとしたら、本当に限られたところにしかできないのですよ。そこにあえて家をつくっている。あなたは承知の上で来たからそこはだめだと言われたら、じゃ、どこに行けばいいのかという話なんです。
 沖縄全体がそういう基地の中で生活をしているわけですから、どこに行ってもいろいろな形で障害にはかかるわけですよ。嘉手納に生活をする、あるいは沖縄市、具志川市に生活をする。そこにしか親がいない、そこにしか土地がないという人たちは、そこにしかつくらざるを得ないんです。それに対して、隣は防音工事をして、あなた方は後から来たから防音工事はしませんという話にはならぬと思います。それを住民側からいうと、我々が本来そこに土地があったのだ、あなた方が勝手に来たのじゃないか、あなた方が帰れという話になってしまう。
 国としてしっかりと住民の健康を守る、環境を保護するということからすると、その地域指定を受けて、そこしか行けない人たちがいる、両親を見なければいかぬとか、あるいはまたそこにしか土地がないとかという人たちも排除されるという考えはなかなか県民の納得、理解は得られないと思います。そういう意味で、ぜひ検討していただきたいと思います。
 これは長官で答弁できるかどうか定かではないのですが、できるだけ意を受けて答弁してください。
#96
○大森政府参考人 お答え申し上げます。
 住宅防音工事につきましては、今先生御指摘のように、工事の対象となるところは告示が一つの基準になっているところでございます。私どもといたしましては、今先生御指摘のような沖縄の事情も踏まえまして、沖縄の地域特性に合ったような住宅防音工事の充実に努めているところでございますけれども、基本的に告示というものが、時期が基準になっておりますので、また、第一種区域の指定は確かに昭和五十八年に指定ということで、かなりの期間が経過しております。この間におきます土地の利用状況ですとか、また飛行場の運用状況というのも変わってきておりますので、私どもといたしまして、現状の騒音状況、土地の利用状況等の実態を踏まえまして、今御指摘の区域の指定の見直しにつきまして検討をしてまいりたいというふうに思っております。
#97
○嘉数委員 区域の見直しをしてくれという話じゃないのですよ。わかりますか。区域の見直しをしてくれという話じゃない。もちろん、それも必要です。ぜひやってもらわなければならぬ。しかし、現に指定された区域に新たに住宅をつくる、その人たちに対して防音工事はしませんと排除しているわけですから、それはおかしいのじゃないかという話をしているのです。
#98
○大森政府参考人 防音工事の実施に当たりましては、告示の前後ということで、告示後に移ってこられた方は今対象とできないような状況になっておるわけでございますけれども、そこは告示の見直しとの関連におきまして、今御指摘の問題につきましても、私ども、検討して何らかの解決ができないものかということで、勉強してまいりたいというふうに思っております。
#99
○嘉数委員 できないものかじゃなく、できるはずなんです、皆さんのやる気があれば。皆さんがつくった告示でしょう。変えることはできるはずなんだ。ですから勉強する必要もない。できる方向で努力をしていただきたい。そういう意味で、きょう僕は質問をやっているわけですから。
#100
○大森政府参考人 私の説明がちょっと不十分だと思いますけれども、確かに、飛行場周辺で航空機騒音に悩まれている方々の精神的な、またその被害を軽減するということで努めてまいらなければいけないわけでございますので、今先生おっしゃいましたように、解決する方向で検討してまいりたいというふうに思っております。
#101
○嘉数委員 ぜひそうしていただきたい。
 それから、白保政務次官、せっかくおいでいただきましたので。
 今、これから第三次振興開発計画が終わって、ポスト三次振計ということで、県も開発庁も取り組んでおられます。そういうことで、ポスト三次振計に向けてどのような作業をしながらやっておられるのか、御答弁いただきたいと思います。
#102
○白保政務次官 お答えいたします。
 ポスト三次振計につきましては、沖縄開発庁におきましては、これまで沖縄振興開発計画に基づき実施されてきた諸施策について総点検を行うとともに、今後の沖縄振興開発のあり方について検討するため総点検を行っておるところでございます。
 そしてまた、沖縄振興開発審議会におきましても、総合部会を設けて、そのもとに専門委員会を開催し、これまで実施された諸施策の現状と課題について調査審議を進めていただいているところであります。
 今後、総点検の結果をもとに、沖縄県ともよく相談をして、沖縄の振興開発について総合的な観点から検討してまいりたい、こういう状況でございます。
#103
○嘉数委員 これからが一番大事な時期ですから、政務次官、沖縄の振興のために、知事と協力しながら精いっぱい頑張っていただきたい、そう思います。
 多少時間が余りましたけれども、終わります。
#104
○佐々木委員長 これにて嘉数君の質疑は終了いたしました。
 次に、鰐淵俊之君。
#105
○鰐淵委員 私、自由党の鰐淵でございます。
 私は今、北方領土の問題に関しまして、外務大臣を初め関係者の皆様方に御質問を申し上げたいと思っております。
 まず第一に御質問をしたいと思ったことにつきましては、先ほど原口委員の方からもお話がございまして、外務大臣の方からも御答弁がございました。したがいまして確認をするわけでございますが、日本政府は従来、北方領土問題に関しましては、北方四島は固有の領土である、したがってこの領土の帰属をお互いに交渉した後、平和友好条約を結んでいくんだ、こういう考え方をずっと貫いておられたと思いますが、その点につきまして現在も変わりないかどうか、お答えをいただきたいと思います。
#106
○河野国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたが、ロシアとの平和条約につきましては、クラスノヤルスク合意などにございますとおり、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するというのが我が国の基本的姿勢でございますと同時に、この点では日ロ間で一致した交渉指針でございまして、このまま交渉を続けてまいります。
#107
○鰐淵委員 ただいまの外務大臣の御答弁について、了解をいたします。
 そこで、最近の日ロの関係、特にロシア情勢の関係を考えてみますときに、一九九七年のクラスノヤルスクの橋本・エリツィン会談によりまして、今世紀のうちにこの問題について解決をしていきたい、こういうかたい決意のもとに、当時大変大きなセンセーションを巻き起こしまして、国民もまた北方領土を悲願とする私どもも大変大きな期待と希望を持ったわけでございます。
 自来、約二年を経過しておるわけでございますが、今日、ロシア首脳のエリツィン大統領の訪日が延期になったということが一つございます。それから、ロシアではチェチェン紛争、まさにイスラム教徒のチェチェンの共和国独立、こういう考え方もございまして、ロシアの首脳も一層領土問題ということに大変機敏といいましょうか、敏感になったのではないか。あるいはまた、間もなく下院選挙、来年は大統領選挙と、ロシアを取り巻く政治情勢、国際情勢というものが、北方領土問題をお互いに進めていくためにはどうも環境が余りよくない、私はそのように考えているのでございますが、その点についてはいかがでございましょうか。
#108
○河野国務大臣 エリツィン大統領のこの問題に関する態度は、橋本総理あるいは小渕総理に対しまして、いわば従来にない、正面からこの問題に取り組むという姿勢をとっておられるように私どもは感じておるわけでございまして、願わくはエリツィン大統領御在任中にこの問題に何らかの前進を、しっかりとした前進を確認したい、こんな気持ちでおるわけでございます。
 年内訪日が残念ながら実現しないということになって、私どもは若干残念な思いが強いのでございます。御案内のとおり、ロシアと中国との間の首脳会談は行われるという状況が一方にあって、一方で、ロシアと日本の首脳会談は来年の春までお預けというような状況でございますから、我々としては、ぜひとも一日も早くこの首脳会談が行われるように条件整備を精力的に行おうという状況でございます。
 繰り返し、エリツィン大統領もしくはその周辺からは、この問題は我々にとって極めて重要な問題だ、十分な準備が必要だという旨の話は我々に伝えられているわけでございまして、ぜひとも、来春と現在のところ言われております大統領の訪日が実現をし、中身のある首脳会談が行われますように、我々としても努力をいたしたいというのが現状でございます。
#109
○鰐淵委員 クラスノヤルスク会談後、実に、首脳同士の大変緊密な関係、そして、外務省初め多くの関係者の皆様方の大変な御努力につきましては、私、大変敬意を表しておるわけでございます。
 そういう努力をしておるにもかかわらず、先日も、橋本前総理が外交顧問としてモスクワへ行かれた、しかし、残念ながらエリツィンさんと会うことができず、電話だけで終わってしまった。こういう状況が一方にあり、ロシアの考え方というものがいろいろな新聞あるいはまた報道で非常に伝わってくるわけでございますが、ロシアの幹部、いわゆる国会の上院議員あるいは下院議員の議長さんですとか、あるいはモスクワ市長さんですとか、サハリンの知事さん、そういった方々の考え方は、どちらかというと北方領土に対しましては我々の認識とはかなりかけ離れた認識を持っておられるように思います。
 そういうことで、ロシアの方の考え方は、私どもの日本が主張する考え方とアプローチの仕方がどうも違って、向こうは、むしろ平和条約と領土問題を切り離してまず平和条約を先にしたらどうか、こういうような話も出ておるというやに承っております。
 その点について、大臣並びに、交渉されております画定委員会だとかあるいは共同経済委員会とか、何回もやっておりますので、そういった作業部会等の経過から局長の御答弁をいただきたいと思っております。
#110
○東郷政府参考人 お答えを申し上げます。
 事務レベルにおきましては、国境画定委員会、それから御指摘の共同経済活動委員会、最近の例といたしましては、十二月の六日、七日、我が方は外務審議官、先方は外務次官レベルで開催いたしました。
 国境画定委員会の中におきます領土問題に関連する議論は、交渉の最中でございますので、詳細を申し上げられない点は御理解いただけるかと思いますが、基本的には、クラスノヤルスク合意に基づきまして、帰属の問題を解決して平和条約を結ぶというこの大きな合意の枠内で双方の立場をぶつけ合っているという状況でございます。双方の立場が完全に一致しているわけでないことはもちろんでございますけれども、立場を激しくぶつけ合っているという状況でございます。
 それから、共同経済活動委員会の方につきましては、審議官級作業グループのこれまでの作業につきレビューを行いまして、操業枠組み協定のもとで栽培漁業を早期に実現すべく作業を集中して進めるべきということを再確認したというのが現状でございます。
#111
○鰐淵委員 この問題につきましては、日本からも八十億ドルのいろいろな支援策も講じておりますし、あるいは、今言ったように、安全操業問題も解決されている、あるいはまた、旧島民の方々の自由渡航、あるいはまたビザなし渡航、人道支援、いろいろな形で片や進んでおることを大変私は評価をしますし、それが北方領土返還にいい効果をもたらせばありがたい、こう思っておるわけでございますが、日本の国民の中でも、果たして本当にそれだけの事業を片や展開して、最後は領土というものが棚上げになってしまうのではないか、こう懸念される方もおられます。
 その中で、これは私よく知らないわけでありますが、中間条約、かつての日ソ共同宣言でございましたように、二島を返還した後にあとの二島の返還の担保を受けて平和条約を結ぶ、こういう考え方が途中で検討されたやにも伺っておりますが、その点については、局長、いかがでしょうか。
#112
○東郷政府参考人 ただいま申し上げましたように、四島の帰属の問題を解決して平和条約を結ぶ、これが政府の一貫した方針でございまして、そのような観点から、中間条約というものを検討したことはございません。
#113
○鰐淵委員 はい、わかりました。
 その点については、ぜひ、四島は固有の領土であり主権が本当に日本に存するということを、私どもは長い間学校の教科書からずっと学んでおりますので、そのような主張をしていくことは大変大切かと、そして日本の国民の世論が統一することが本当に私は必要だと思っております。
 ただ、その問題をずっと追求していくがために、この領土問題の解決をむしろ難しくしてしまう、だんだん解決が遠のいていくということであっては、これまた大変禍根を残すことになるのではないか。
 そういう意味で、中間条約というのは全くないということでございますが、この四島に関する担保、いわゆる主権の担保というものが可能であれば、それが一段階、二段階で返還され得る、そして平和条約を結び得るということが交渉上可能であれば、その道も全く初めから無視してしまうということではどうかというふうに思うのですが、そういう点、大臣いかがでしょうか。
#114
○河野国務大臣 今局長が御答弁申し上げましたように、中間的な解決策を考えるという状況を我々は持っておりません。これは、クラスノヤルスクにおきまして両国首脳の間でその点については合意を見ているわけでございまして、その合意は四島の帰属を確認をするということが大前提でございますから、この方針に従って原則どおり交渉に臨みたいというふうに思っております。
#115
○鰐淵委員 ただいまいろいろ討論したとおり、日ロに横たわる問題というのは大変複雑で、しかも解決が大変難しい問題が多々ございます。そういう中で、今、お互いに譲ることは譲るということで、あるいはまた日本もいろいろな支援をできる限り行うという形で、お互いの認識を深め合う、そしてお互いにひとつ助け合う、こういうことから領土問題解決にいい環境をつくっていくということが大変必要ではないかと思っております。
 それで、最後の方の御質問になるわけでございますが、今世紀のうちにこの問題を解決したいという日本の強い希望があるとすれば、この期間は一年になるわけであります。
 それでは、この一年間、この領土問題を解決し、平和条約を締結するに至るまで一年で何とかやっていこう、こういう強い決意があるとすれば、これをどのようにアプローチしていくか。いつの時点でどういう会談をセットし、最後は首脳同士の会談でそれが解決を見るということになるわけでございますが、具体的には、この一年、どんなアプローチをしようと考えておられるか。その点について御質問したいと思います。
#116
○河野国務大臣 事務的には、先ほど局長の御答弁のとおり、着々と事務ベースのやりとりは行われているわけでございますが、要は、この問題の最終的な決着といいますか、極めて重要な節目は、首脳会談、首脳同士の決断であろうと思っております。
 したがいまして、繰り返して申し上げるようですが、首脳会談がいつできるかということが何よりも重要だと私どもは心得ておりまして、そのためにも、一月の二十五、二十六日、ロシアのイワノフ外相の訪日という予定が固まっておりまして、ここで両国外相会談を行いまして、次のステップへ進めるべく最善の努力をいたしたい、こう考えているわけでございます。
 他方、ロシアが抱えております現在のチェチェン問題等を考えますと、これまたなかなか難しい状況ということは考えざるを得ませんが、私どもとしては、従来の、これまで双方で取り決めてまいりましたスケジュールと申しますか、そうしたものは外さずに進めたいというふうに思っておりまして、今度はとにかくロシア側の首脳が訪日する順番である、そしてその順番に合わせて我々としてできる限りの準備も進めたいというふうに思っているところでございます。
#117
○鰐淵委員 私は、特に日本の外交問題の中で、いろいろ重大な問題はたくさんあると思いますが、やはり、戦後一貫して未処理で、国民の悲願であるこの北方領土問題の解決というものが何よりも望まれていることであります。
 この問題について、強い日本の交渉姿勢、それから先の見通し、そして多面的な交渉、こういった中で、やはり一抹の明るさを求めて交渉しなければ、現地の、根室を中心とした元島民の方々、あるいはまた北海道を含めて、だんだん失望感に変わっていったら、非常にこの領土問題もまた難しくなると思います。
 したがって、ぜひひとつ、大臣を初め内閣総理大臣はもちろんのことでございますが、多くの皆さんが多面的に交渉されまして、この問題が徐々に明るい兆し、あの橋本・エリツィン会談において合意を見たクラスノヤルスクの明るい見通し、ああいったものがぜひひとつ来年度は報道され得る、あるいはそのように国民にメッセージを送れるように頑張っていただきたい、このように思います。
 以上、質問を終わります。
#118
○佐々木委員長 本日の質疑は以上で終了いたしました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時四十七分散会

ソース: 国立国会図書館
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