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1950/12/01 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第5号
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1950/12/01 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第5号

#1
第009回国会 通商産業委員会 第5号
昭和二十五年十二月一日(金曜日)
    午後一時四十分開議
 出席委員
   委員長 小金 義照君
   理事 阿左美廣治君 理事 多武良哲三君
   理事 中村 幸八君 理事 今澄  勇君
      小川 平二君    澁谷雄太郎君
      高木吉之助君    永井 要造君
      中村 純一君    福田  一君
      南  好雄君    佐伯 宗義君
      加藤 鐐造君    砂間 一良君
      田代 文久君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       首藤 新八君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (資源庁電力局
        長)      武内 征平君
        通商産業事務官
        (資源庁電力局
        電力開発部長) 豊島 嘉造君
        專  門  員 谷崎  明君
        專  門  員 大石 主計君
        專  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
十二月一日
 自転車競技法を廃止する法律案(河田賢治君外
 二十五名提出、衆法第五号)
十一月三十日
 かんがい排体刑電力料金引下げに関する請願(
 河原伊三郎君紹介)(第一四二号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 電気事業再編成及び公益事業に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小金委員長 これから通商産業委員会を開会いたします。
 電気事業再編成及び公益事業に関するポツダム政令について調査を進めます。昨日に続いて質疑を継続いたします。中村純一君。
#3
○中村(純)委員 昨日わが黨の福田委員から詳細なる御質疑がありましたので、私がお尋ねしたいと存じておりました事柄も大体すでに質疑が終つたのであります。従つて重複を避けまして、別の角度から二、三の事柄につきまして簡單にお尋ねをいたしたいと思うのであります。
 まずその第一は、この電気事業再編の目的と申しますか、それによつて達せんとする事業経営上の理想と申しますか、その点につきましてお尋ねいたしたいと思うのであります。なるほど過般公布せられましたこの再編成令の第一條を見ますると、この政令を公布して電気事業の再編成を行う目的なるものは、その一は、電気事業の国家管理を廃止するということであります。その二は、発送配電の一貫体制を確立して行くということ、これが政令に現われておりますところの再編成の目的ということに相なつておるのであります。そこでこの国家管理を廃止するということは、いかなる内容を持つものであるか、ただ單にこの政令において国家管理を廃止するということをうたつただけでは、私どもは額面通りに頂戴をいたしかねるのであります。旧法令によりますれば、申し上げるまでもなく電力管理法あるいは電気事業法その他一連の法令によりまして、一つのいわゆる国家管理体制がつくられておるのであります。しかしながら、これは国家管理と申しましても、むろん電気事業を国営でやつておるわけではないのでありまして、その内容は別といたしましても、形式的にはあくまで民有民営の形でやつておるわけであります。もちろん今日の電力管理法の中に、電力は国家がこれを管理するという字句が使つてあります。これはなくなるわけでありまするが、この言葉はそれだけでは單に一つの標語にすぎないものであつて、そのかんばんがおりたからといつて、はたしてその実質がかわつて来ておるのであるかどうかということはわからないわけであります。また同じく電力管理法によりますれば、日発の重要なる事業計画については政府がこれを決定するとあるのであります。この点なんかも国家管理の一つの重要なるポイントであるわけであります。しかしながらこれは言葉をかえるならば、これらの重要計画について政府が許可もしくは認可の権限を留保するというような言い方にしましても実質は同じことなのでありまして要するに国家管理というものの実質は、電気事業の運営につきまして、政府が許可認可等の権限をどの程度留保しておるか、あるいはまたその運営について政府はいかなる指示権を持つておるか、これらの内容によつてこれが国家管理の体制であるかどうかがきまつて行くと思うのであります。従いまして、旧法令に定めておりまするところの、ただいま申し上げましたような事柄に関連する事項と、新法令によりまするところのその内容と、これは私まだ詳細に比較検討をいたしておりませんのでよくわからないのでありますが、この国家管理を廃止して行くということは、戰時中の特殊な体制を解くとともに、自由闊達なる業界の創意により電気事業の振興をはかつて行くということが本旨であろうと思うのであります。その点につきましては私どもも満腔の賛意を表するものでありますが、ただいま申し上げましたような、この国家管理という意味の内容におきまして、旧法令と断法令との間にいかなる相違点があるか。ただいま政府の許可、認可に関する政府のリザーブの点を主として申し上げたのでありますがその反面におきまして、この電気事業を運営する上において工事の執行等に伴う電気事業者の特権、かような積極的な面においても、旧法令の体制と新法令の体制とを比べてどれだけ進歩があるか、この点について御説明を承りたいのであります。
#4
○首藤政府委員 電力を再編する理由は、理論的に申し上ぐればただいまお説の通りでありまするし、またこの法案の第一條に簡單でありまするが書いてある通りであります。平たく申し上げれば、結局今日までは、国家管理というところから、あらゆる面において法律のもとに統制されるということであつたものを、一応民主主義に切りかえて、そうしてただいま御指摘の通り自由闊達な経営にまかせる。競争をさせる。ここに初めて創意がありくふうがあり、次に来るべきものが発展である。こういうことが一番大きなねらいになつておるのであります。しからば重要な問題は、国家が決定するということになつておるが、それはどういう範囲かという御質問であります。これはいろいろありましようけれども、おもなるものは、たとえば日本の電力の需給のバランス、これらをにらみ合せまして電源の開発、要するに必要な電源はあくまでも開発しなければなりませんけれども、一たび供給が非常にオーバーするというような事態に立至るおそれがありました場合には、たとい電源開発の申請がありましても、これらは国家的見地から考えて抑制しなければならぬことになつて来ると思うのであります。また同時に、かりに電源開発がありましても、あるいは送電線の場所等におきましてこれまた距離の関係から会社側はなるべく近距離を希望するでありましようし、しかもそれによつて公共の福祉に非常な影響を及ぼすというような事態も起り得る場合が想定されるのであります。従つてそういう場合においても、これらの問題についていろいろな紛争の起こり得る事態があると考えるので、さような場合に国家がこれを最終的に決定をする。あるいはまた料金の面におきましても、これまた新しくできまする会社はまつたく私法人であつて、営利を目的とするということになつて参ると思うのであります。従つてそういう面につきましても、最終的には政府がこれを監督する権限を保持しておくことがやはり公共の福祉増進という建前からぜひ必要であるということにもなつて参ると存ずるのであります。大体かようなことは旧法にも規定してあるのでありますけれどもかりにこれが再編成いたしまして、九つの会社ができて私法人となつた場合におきましても、かような重要事項に関しましては、政府はこれを監督し、さらに決定するという権限を保持しておくことが妥当であるという考え方を持つておるのであります。
#5
○中村(純)委員 ただいま御説明を承つたところによりますと、旧法において政府の監督下に置いてあつたようなおもなる事項につきましては、やはり、新法においても同様に政府の監督権を留保してある、こういう大体の建前のように承るのであります。そうしますと、国家管理を廃止したといつても、どうもあまり大した違いがないように思われるのであります。この事業経営上の重要事項と申しまするものは、一つは料金等をも含めて事業計画に関するものであり、一つは人事に関するものであろうと思いますが、その点についてどういう相違があるか、もう少し具体的な例をもつて御説明を願えると仕合せであります。
#6
○武内説明員 先ほど政務次官から御答弁申し上げた点でありますが、事務的に御説明申し上げますと、すでに御承知の通りに現在の国家管理体制、それに設備上の発電所及び一定のボルト以上の送電線といつたようなものは、日本発送電株式会社の成立する際に提供せしめる、そうしてそれによつて日本発送電株式会社をつくり、日本発送電株式会社はこれの実際の運用をするというような体制であつたわけであります。ところが今回は、来年の十月一日には日本発送電株会社も全面的に解消いたしまして、新しい会社ができるということになりますれば、民有民営の真の体制ができ上るわけであります。そのほかに御承知のように、電気料金につきましては政府これを決定するということで、現在物価庁がこれを決定いたしております。それから開発の問題にいたしましても政府が開発命令を出して、そうして日発に開発せしめておるというかつこうです。それから日発の総裁、副総裁は政府これを任命するというような形、その他の理事、あるいは配電会社の役員につきましても、政府がその任命をして、認可を與えておるといつたような形、これらはすべて国家管理体制の一環であろうと考えるのであります。この再編成によつて新会社ができましたあかつきにおきましては、料金につきましても、各会社の申請に基きましてこれを公益事業委員会にかけて、各会社が一応申請いたしますけれども、それのよつて来るところの影響を受ける需用者の代表として、利害関係人が出まして、そこで公聽会の結果委員会がこれを決定する、認可するというようなことになります。
 また開発につきましても命令でこれを行うということでなしに、各会社はおのおのその事業の将来の見通しを立て、その範囲において開発を申請するというようなこと、役員につきましても商法によるわけでありますので、これは商法の原則に従つて選ばれるというような趣旨におきまして民営の全き体制ができる、かように考えます。しかしながら御承知のように電気及びガスは公益事業でありますので、一面会社は民有民営になりまするけれども、その料金の決定等によりまして需用者の受ける影響は非常に強いのでありますから、この公益という性質から、すなわち会社と需用者との間に立つて合理的の料金を決定するということは公益事業の性格から非常に重要視すべき事柄の一つであります。そういう面からはかえつて現在よりはその申請を聽聞にかけまして、愼重なる手続を経まして決定する。さらに公益を保護する上から行きまして、会社の監督その他につきましては、先ほど政務次官から御答弁申し上げましたように、相当深く立入つた監督をいたすのであります。しかしながらそれは公益の性格上必要であるという範囲にとどまるわけであります。
 以上申し上げましたような理由によりまして、新会社成立後は電気事業が運営され、また監督も行われる。かように考える次第であります。
#7
○中村(純)委員 ただいまの御説明でやや了解せられたのでありまするが、お話のごとく電気事業はむろんこれは公益事業でありまするので、いかに国家管理を廃したといえども、その公益的見地において十分事業の経営に関する監督指導をやつて行く必要があることは、これは私どもも十分理解をいたすのでありますが、しかしながらその心持というものは、あくまで国家管理を廃止したところの精神に徹底して、十分に民間の創意くふうを伸ばすという心持においてこの監督指導の実行をお願いいたしたいのであります。これはいかに法律の條文を書き直してみても、その衝に当る者においてその精神に十分徹底しないならば、ただ看板だけはおろしてみたが、依然として内容においてははなはだ国家管理的なにおいがするということでありましては、まことに遺憾千万に思うのでありまするから、その点につきましてはこの上とも十分の御配慮をお願いいたしたいのでありますが、ただ今お話になりました点この事業会社の役員につきまして、旧法令によりますれば、これをあるものについては政府が任命し、あるものについてはその承認を與えるということになつておるのでありますが、今回の再編成令に基きましても、この集中排除法に基くところの企業再編成計画を出すわけでありまして、それについて政府は承認を與えることになると思うのであります。その中にはやはり役員の人事も入つているのではないかと思うのであります。そうしますと、この点は依然として政府の承認にかかるということになるのではないかと思われますが、いかがなものでありますか御意見を承りたい。
#8
○首藤政府委員 御説の通り第一回の、今度新しい会社ができまする最初の役員は、一応政府の認可を必要とするということに多分なつて来ると思うのであります。しかしながら第一回限りでありまして、その次からは当然一般商法の規定によりまして、株主総会において選任されるという方向になつて来るだろうと考えるのであります。
#9
○中村(純)委員 ただいま御説明の中に、第一回の、再編成当初の役員人事等につきましては、再編成計画の一環として政府の承認を要することになるという御説明でございましたが、これはやむを得ないことであろうと思うのでありまするが、その場合にその当初の政府の認可を得た役員の人事というものは、やはり普通の商法の規定による年限を持つものでありまするか、あるいは何かその辺に特段の措置を講ぜられるお考えでありますか。
#10
○首藤政府委員 この法令には実は年限を明記してないのであります。従つて一応株主総会によつて決定しました年限を、政府の方へ申請して、政府の方で承認を與えるという段取りになるかと考えておるのでありますが、しかし実際問題といたしましては、他にもそういう事例がたくさんありますので、それらの事例を参考にいたしまして決定することに相なつておるやないか、こういうふうに考えております。
#11
○中村(純)委員 国家管理に関します点につきましては、さらに私は別の機会に政府の許可認可の範囲等につきましてお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、その点は留保いたし、一応この程度にいたしまして、次に同じくこの再編成の目的でありますところの発送配電の一貫体制を確立して行くという点についてお尋ねをいたしたいと思うのであります。この趣旨は私ども電気事業のあり方といたしまして原則的に正しい行き方であろうと考えるのでありまして、その趣旨につきましては、原則的に賛意を表するものでございます。しかしながらこの発送配電の一貫体制を確立するということは、今日、現在ありますところの電気事業の体制を、戰時中につくられました一つのイデオロギーを持つた、一つの傾向を持つた今日の運営体制を解きほごして、再編成をして行くという場合において、この発送配電一貫体制という目標を持つて進むことは、私は正しいと思いますけれども、しかしこれをもつて今後永遠不動の、また百パーセントの事業体制でなければならぬというふうな意味合いに第一條の文句を解釈いたしまするならば、これは相当疑問があると思うのであります。旧体制下におけるごとく、国家権力をもつて一つの発送電部門と配電部門とをわけるという行き方は、好ましくないことでありますけれども、今後新電源の開発等に伴い、あるいはその他の電力、経済の事情の変化に伴いまして、発送電のみを行うところの電気事業が、そういう経済の自然的な現象として起きて来る場合に、これをも否定する意味ではないと私は思うのでありますが、その点に関するお考えを承りたいと思います。
#12
○首藤政府委員 まつたくお説の通りでありまして、大体再編成するということ自体が、一自由経済にできるだけ移行して行こうというアイデアのもとに進んでおるのでありまして、いわば第一段階にすぎないというふうにわれわれは了解しおるのであります。と申し上げますのは、しからば今の場合、ほんとうの自由経済に即応するような体制をつくろうといたしまするならば、当然この再編成そのものが混乱いたしまして、あらゆる面に好ましくない事態を惹起するおそれが多分にあると存ずるのであります。従つて一応秩序を立てて、漸進的に進んで、そうして最後にはお説の通りまつたく自由経済にふさわしい体形に持つて行くことがほんとうだ、こういうふうに考えておるのでありまして、一応現在の場合におきましては、この程度に分割いたしまして、さらに事態が安定し、さらにこの供給が豊富になつて来るということになりますれば、そのときの経済情勢に応じまして、ほんとうの自由経済にマッチするような体制がおのずからできて来る、かように考えております。
#13
○中村(純)委員 それでは次のお尋ねに移りたいと思うのでありますが、昨日の福田委員の質疑の中にもちよつと触れられたのでありますが、この事業の譲渡または施設の譲渡に関する点でございます。この委員会令の何條かに、かようなことについては政府の認可を受けることに相なつておるのであります。それはまた当然のことだと思いますが、この種の規定は、これは普通に考えました場合には、今後の事情の変化に伴つて自然的に起きて来るところの問題に対する規定だろうと思うのでありますが、この再編成に関連いたしましては、御承知のごとく戰時中の強制出資の事業なりあるいは施設の復元の問題が、やかましく論議をされたのであります。私どもの見解では、この平面的に書いてあります規定の中に、やはりその復元の問題も包含せられておるものと考えておるのでありますが、けさの新聞を見ますと、通産大臣は予算委員会において、復元の問題はやらないのだというような趣旨の御答弁をされておるようでありますが、どういう意味でそういうことを言われておるのか、その辺のことを、ひとつ御説明願いたいと思います。
#14
○首藤政府委員 政令の上では御指摘の通りになつておりますけれども、これは当事者間で話合いができますれば、別にさしつかえない、そのまま実行できるようにやつてもいいというように考えておるのであります。ただ問題は、先ほど申し上げましたごとく、ただいまの電力の需給の状態から見て、お説の復元の問題でありますが、これらも一応政令の上で明記いたしまして、簡單にそれができるということに相なりますれば、相当混乱を惹起するおそれがあります。従つて現在の段階においては、この問題も相なるべくならば、しばらく時期を、情勢の変化を待つてもらう方がいいのではないかということが端的な考え方なのであります。大体今度の九分割にいたしましても、これを独禁法の建前から考えますならば、やはり一つの独占形態だということに相なつて来ると思うのであります。従つてそういう面からも、この電源の開発が進行し、供給が十二分に相なつて参るということになりますれば、当然その際におきましては、その情勢に即応する対策はとらなければならぬということに相なつて来ると了解しておるのであります。
#15
○中村(純)委員 ただいまの御説明でわかつたのでありますが、一時巷間伝えられましたごとく、法律をもつて必ず復元させるとか、復元させないという規定を置くことは、これは妥当では奪いと思うわけであります。しかしながらまた同時に、ただいまお話のありましたように、各地の電力事情を勘案してみますならば、一律にこれを復元させるということも適当でない場合も多々あると思うのでありまするが、しかしこの電力再編成のスタートがやはり集中排除の精神から出ておりまする点から考えましても、また過去における歴史的な因縁から申しましても、さしつかえのないものについては十分その復元のことを考えてやるのが一般論として、原則的には私は至当な考え方ではないかと思うのであります。従つてただいま御答弁のありましたように、この特別なことが政令の上には表わされていないけれども、当事者間の話合いを基礎にして、復元の問題は十分に考慮するという政務次官の御答弁を信頼いたしまして、この点のお尋ねを打切ることにいたします。
 次に、自家用発電の新設の問題でありまするが、この電源開発の必要なることは、これはもう申すまでもない。従つてその大小いかんにかかわらず、あらゆる面において新しい電源が水力にしろ火力にしろ生まれて来ることは、これは大いに歓迎すべきことであろうと思うのであります。従つて電気事業者による電源開発の問題についてはむろんのことでありまするけれども、自家用電気の新設等につきましては、これはむしろ大いに奨励的な見地において、法令を運用せられることが適当ではないかと思うのでありまするが、その点に関する御意見を承りたい。
#16
○首藤政府委員 御承知の通り、現在におきましては電力の不足によつて産業その他に非常な圧迫を加えておりまする関係上、電力の開発ということが焦眉の急に実は相なつておるわけであります。従つて現有の段階におきましては、電力の開発は一応自由という考え方を持つておりまするので、自家用開発に対しましては何ら制限しないのみならず、むしろ国家はできる限りこれを援助いたすという考え方を持つておるのであります。
#17
○中村(純)委員 もう一つ小さいことでありまするが、ついでに伺つておきたいのであります。それはこの電力再編成に関係のない電気事業会社というものがあるのであります。そのものは旧法令によつて電気事業者として認められて事業を継続いたしておるのでありますが、これは新法令が発布になりましても、何らの手続の更新を要せずして、そのまま継続的に認められるのでありますか、どうでありますか。
#18
○首藤政府委員 お説の通り旧法令の資格そのものを新法令でも認めて行くということに相なつております。
#19
○中村(純)委員 自動的にそうなるんですか。
#20
○首藤政府委員 自動的に……。
#21
○中村(純)委員 いま一点承つておきたいのでありますが、これは冒頭に出し上げました再編成の目的に関連する問題でありまするけれども、この再編成を行うにあたりまして、その副次的な効果申しますか、ねらいとして、外資を導入して電源開発を促進したい、こういうようなねらいが一部において考えられておつたように存ずるのであります。のみならず実際問題として、只見川の電源開発に関する調査等も、外国の人が見て行つたとかいうことも聞いております。また四国の四万十川の電源開発についても、同様なことをやるとかやらないとかいう話も聞いておるのでありまするが、これらの問題のその後の、最近における進行状況――私どもは外資を導入して電源を開発するということは、その導入條件にもよりましようけれども、原則的には大いに歓迎すべきことと思つておるのであります。従つてこの点についてはわれわれといたしまして重大な関心を持つておるのでありまするが、その成り行き、経過等について、おさしつかえのない限り御説明を願いたい。
#22
○首藤政府委員 お説のごとく外資導入は非常に切望されておるのであります。しかしながら御承知の通り、現在のところ電源はことごとく日発が所有しておる。しかもその日発が解体されるという運命になつておりまする関係上、現在外資を導入した場合、だれが債務者になるか、また先方といたしましては、どういう方法によつて分割されるか、そこに外資を貸す上においていろいろの不安な条件が現在ありまするために、非常に切望しながらも、いまだ一口の外資も実は成立していないのであります。従つておそらく今日までの経過から考え、また先方の意向から考えますれば、この再編成法案によつて九つの会社が新しくでき、そこに初めて債務者というものがはつきりいたしまするので、その場合に初めてこの問題も実現いたすのではないか、かように実は考えておるのであります。
#23
○中村(純)委員 ただいまの御説明によりますと、大体においてこれは再編成後の、今後の問題であるように承るのでありますが、今の只見川のごときものについては、すでに何らかのある程度の調査が行われたように聞いておるのでありますが、はたしてそうでありますか。また四万十川につきましては調査が行われたのでありますか。まだであるとすれば、近き将来にそういうことになる段取りになつておるのでありまするか、この際ちよつと承つておきたい。
#24
○武内説明員 お答えいたします。ただいまお尋ねの只見川につきましては、昨年フローア氏というシカゴのコンサルティング・エンジニヤ・アソシェートを主宰している方がお見えになりまして御視察をいただいたのでありますが、そのリポートといたしまして、今後の開発に残された非常に有望な地点であるというリポートを得ておりますけれども、これに基いての外資の導入という運びまでには至つておりません。四万十川につきましては、現在再びフローア氏が日本に来ておられます。近く御視察になるという予定になつておるようでありますが、まだ行つておりません。面接伺つたわけではありませんけれども、間接に伺いますと、この調査の結果有望であれば、何か外資導入も可能であるように承つておりまするけれども、これも直接承つたわけでもございませんし、また現実の問題といたしましては具体化いたしておりません。
#25
○中村(純)委員 なお承りたいことはたくさんありますが、問題がこまかくなりますので、一応打切りまして、後刻に譲りたいと思います。
#26
○小金委員長 次は佐伯宗義君。
#27
○佐伯委員 ちよつと伺いたいのですが、公共事業令第五條並びに第五十九條の法文の趣旨でありますが、その中に、発電水力の開発に関し、都道府県知事に対して、河川法に基く処分につき勧告することを得るとありまするし、第五十九條におきましては、同じく都道府県知事は、認可申請をされた場合においては、意見を附して委員会の意見を求めなければならぬという條項があるのであります。そこで勧告の効力並びに制裁というものがどういうことになつているのでありますか。
#28
○首藤政府委員 勧告はあくまでも勧告でありまして、命令ではないのであります。従つてこれに対しましては何らの制裁並びに制限も付していないわけであります。
#29
○佐伯委員 そうなりますと、万一この河川の使用に対しまして、委員会並びに政府の意向に反して、その都道府県知事が他に認可するというようなことがあつた場合における制裁はどうなりますか。
#30
○首藤政府委員 委員会の意向に反しまして、府県知事が反対な決定をいたすということは、考えていないのでありまして、おそらくさようなことはあり得べからざることである、かような見解を持つているのであります。
#31
○佐伯委員 今回の本案は、地域外に電源を帰属せしむることになつているのであります。そこで電力は河川というものを除いては考えられないものでありまして、河川は土地と離れた存在ではありません。従つてその地域民の生活環境に最も関係があるのであります。その地域民に対してはその河川の効用たる電力を供給してはならないという、いわゆる電力の潮流主義に対しまして、その地方を構成いたしております。住民並びに地方民におきましては、はたしてあらゆる河川の開発その他に協力がなし得るであろうかという、一点の瞬間が残つているように考えられるのでありますが、これに対して政府当局の御所信はどうでありましようか。
#32
○首藤政府委員 ある地域にありまする電源から、その地域に供給してはいけないということは、どこにもないのでありまして、その地域に他地域と同程度の電力を供給するという建前になつているのであります。御承知のように現在では電力が不足しております関係上、十二分な消費にマッチできないのであります。従つてその供給に対しては若干の抑制をしなければ相ならぬ。その場合におきまして、電源を所有している地区だけに、電源があるという理由をもつて特に多くの供給をいたすということは、もちろん一般公共の福祉の増進という建前から、それは許されないことだと考えられるのであります。従つてかような措置は、当然国民として納得の行く措置であると考えますから、それによつて地方民が協力しないというようなことは、断じてあるまいという考えをわれわれは持つているのであります。
#33
○佐伯委員 供給してはいかぬという條項はないとおつしやいますが、今次電力再編成は、供給区域の法的処置である。地域外の会社は、地域内におけるところの電源地に対しては電力を供給する権利を持つておらない。であるからその地域民から見ますと、その地域に対して電力を供給すべからずという半面を持つているのであつて、もしこれを供給することができるとするならば、地域民に面接供給することができないので、地域の電源地帶の会社に一度通じなければならない。これは潮流主義によつても同様であつて、結局電源地帯の属地主義いわゆる電源地帯の会社が電力が過剰になりましても、消費地帶の方がこれに対して不安であるから、なぜ電源を帰属せしめたければならぬかといえば、消費地帶が消費地帶の電力を持つておらないからである。こういうことのように私どもは考えられます。従つて今の御回答は、供給してはいけないことはないとおつしやいますが、今次電力再編成の最も重要な点は、電力供給区域の確守なのであります。この面から申しますと、電源地帯の会社にその電源が帰属いたしておりますれば、その電源地帯に直接供給することができるが、反対に消費地帯に対しては、電源地帯の会社と違うのでありますから、直接供給ができないということになるものと考えられますが、これに対して御所信はいかがでありますか。
#34
○首藤政府委員 仮定で申し上げますれば、ある地区に三つの電源がある。そして現在の供給の比率から考えまして、その中の一つだけはその地区に供給する。二つの電源は他の消費地区供給することによつて、その地区に片供給しない。この供給しないことを指摘になつているかと存じますが、すでに他の一つの電源によつてその地区に対する他と同様比率の供給がなされております以上は、他の必要のない二つの電源の電力をその地区に直接供給する必要はないと考えているのでもります。要は、全国にできる限り公正に電力を供給するという建前を原則といたしまして、こういう制度をとつているのでありますから、その点は御了承願いたいと存ずるのであります。
#35
○佐伯委員 ただいまの回答はきわめて了解しがたいものがありますけれども、後ほどまた質問のときに関連してお尋ねいたします。公共事業令の四十四條並びに四十五條におきまして、水力電気の発電量に対して一定の賦課金をとつて、火力電気を助成するというような條文がありますが、この場合において、相互の協定がつかざる場合、つまり水力電気を多く持つている会社が好んで賦課金を出すというような感覚にはならぬと考えられます。ところでそれは協定がつくということはちよつと困難かと考えられるのでありますが、これが條文の法的根拠がきわめて少いように思われる。そこでもし水力電気を專門に使つている会社が、この賦課金の制度に対して応ぜざる場合、委員会におきまして命令を下すことができる、こうなつておるようでありますが、しかし一定の税法にも基かずして、民法に基くところの株式会社に対し、一定の義務を負わせるというがごとき法的な根拠は、どこにあるのでありましよう。
#36
○首藤政府委員 これは再編成の政令によつてこの命令を出しますから、一向他の法令と抵触しないと思うのであります。
#37
○佐伯委員 しかしこの法文によりますと、金銭的な義務を負わせるというがごとき性格は十二分に現われておらない。一定の資本を持つている株式会社が、そういう資本的な義務を負うということは、この法的條文のみにおいてはきわめて薄弱のように思いますが、この点いま一度お伺いいたします。
#38
○首藤政府委員 法律の目的は、終始公共の福祉ということが目的となつておるのであります。従つて一つの会社が、不当な料金であるから拂わないということになりますれば、他の全部の使用者がその分を負担して、そしてその人間だけが安い電力の供給を受けるということは、大局から考えて、かようなことはとうてい許されるはずのものではないと考えます。従つてそういう点を公平ならしめるためのものでありますから、他のどの法令に対しましても抵触することはないと考えております。
#39
○佐伯委員 ただいまの回答にも私は満足できません。そういう場合は企業主体を一つにする。いわゆる発送電をあえて分離する必要はないのでありまして、資本の平等の原則に基いて、企業主体が一つであれば、その目的を達し得るのであります。しかるにこれをあえて分離いたしまして、そして今のごとき社会的な性格を賦與するがごときことは、誤つていると考えますが、政府の見解がさようでありますれば、私は次の條項をお伺いいたします。
 第五十八條に「電気事業者に対し、河川の流量その他の事項の調査に関する報告書の提出を命ずることができる。」となつております。ところでここで問題になりますのは、全国の河川の流量を命ずると言うが、潮流主義をとつておりますから、一定の区域内において、区域内だけの会社と地域外の会社が二重にあります。そこでその河川の流量の調査というのは、どの会社に命ずるか。発電所のあります河川は、それと切り離すことのできないものであるから、発電所のある河川は、その会社に帰属するのであるとのみ答えられない。というのは、その河川にはやはり地域外の会社に帰属しているものと、地域内の会社に帰属している発電所があると考える。河川の流量の調査というがごときに至りますと、部分的の調査では満足なものができません。ことに電力は流域面積の広い区域を擁しておりますからして、ここに電源が地域外と地域内とありますと、紛淆を来す。この場合において、いずれの会社に調査報告を求められるや、この一項をお伺いいたします。
#40
○首藤政府委員 この決定はあげて委員会が決定する権限を持つておりますから、政府におきましてかれこれ申し上げましても、それが結果においては違つたことになる面もあるかと思うのであります。ただ常識的に考えまして、その河川を区域としているところの会社に依頼するか、あるいはまた電源の開発を希望している新会社に許すかということが、一応考えられるのであります。
    〔委員長退席、多武良委員長代理着席〕
しかしいずれにいたしましても、そのときの情勢によつて委員会が最終的な決定をいたしますので、今の場合、かように調査するのだという決定的な回答は困難に考えております。
#41
○佐伯委員 地域外によつて電源が帰属いたしますと、おのずと発電の計画、電力を消化することが、やはり地元で消化する計画を立てずに、遠隔の地で計画が立つものと考えなければならない。先ほど政務次官は供給せぬとは言わぬとおつしやいましたが、この点において潮流主義をとつておる限りにおきましては、その会社が電力の計画を立てる上におきましても、今後の発電開発におきましても、自己の供給区域内に電力を消化させるということ以外には、私は計画が立たぬと思うのであります。そこで電力の自然現象は、電源地帯において第一番に化学工業その他に使用することが、最も国家的の利益であると考えられる。不定時電力並びに特殊電力において、なおかつそれが重要な地位を占めていると思うのであります。この点において政府は、電力の開発上潮流主義なるものが、電力の持つている自然現象に反するものではないか、また国家的に不利ではないかということの所見も伺いたいのであります。
#42
○首藤政府委員 この潮流主義は自然的現象に反しはせぬかという御意見に対しましては、まつたく反対だということを申し上げたいと存ずるのであります。御指摘の化学工業その他電力を多分に使用する工業に対しましては、あるいはそういうことも考えられますけれども、しかしながら物の生産は、電力が百パーセントではないのであります。その他に非常により重要なフアクターがたくさんあるのであります。あるいは交通の関係であるとか、あるいは労務者の関係であるとか、あるいは港湾の関係であるとか、いろいろのフアクターがありまして、結局どこに工場を建設することが有利だという結論がつきまして、その方面に工業が発展するというのが自然的な現象でありまして、電源所在地の現在あります地方に、電源はありながら、工業が発展しないということは、その他の條件が、要するに工業に適しない面が、多分にあるということから、自然にこういう結果に相なつておると存じておるのであります。従つてかりにこの電源所在地の電源を、その地区に非常にたくさん供給いたしたといたしましても、それがためにその地区の工業が急激に発展するとは考えられないのであります。むしろその他の條件の方が比重は重いことになり、工業がたくさんあるということにも相なつておりまして、従つてこの帰属問題あるいは潮流主義ということも、結局自然の現象といたしまして、そうして各地区の消費を対象として開発されており、送電されておる現在の姿を対象として再分割することが一番適当だという考え方のもとにこの法案の整備を進めておるわけであります。
#43
○佐伯委員 今の御説明はきわめて要領を得ないものがあるように考えらるのでありますが、産業の構成はもちろん各種の原理があつて、最も利潤の多い方向に投資せられるのはお話を聞くまでもないことである。しかしながらそういう場合においては自由を根底とせなければならない。ところで今政務次官のおつしやいましたすべてのことを予想いたしまして私はお尋ねしたのである。今回の電力の再編成は、電源地帯にその河川から発するところの電力を使用できない、先ほど使用できるとおつしやいましたが、大体供給圏を持たない会社があるということが前提條件であつて、現在の日発のごとく、その区域にも自由に売られるというものでありますれば、もちろん電力が一番利益のある方向に消化せられるのでありまして、もし今言われた通り今後その河川の未開発電力が開発せられまするときにあたつて、現在の潮流主義によりますと、その最もよいところの需用があつて、その電源地帶で化学工業を興せば、総合的な、原料の上においても一番有利であるという事業があつたといたしましても、これはそこに供給圏を持たない会社におきましては、その産業はそういう方向にくぎづけされざるを得ないのじやないか、こういうことを私はお尋ねしたのであります。要するにこの電力が区域を確定せられて、供給区域を持つものと持たざるものと、こういう点におきまして自由にその電力を得ることができない、こういうことから私はお尋ねをしておるのであります。いま一度御回答を願いたいと思います。
#44
○首藤政府委員 電源の地域に新しい工場を設置した場合に、そこに供給が不可能だ、こういう御質問でありますか。
#45
○佐伯委員 その会社において供給国を持たざる会社がある。供給圏の異なる会社に供給ができますか。
#46
○首藤政府委員 少くなくともそういう場合には、その地区を供給区域とする会社がありますから、その会社から当然供給されるのであつて、そして必要のない会社から供給することそれ自体がむしろ不経済だということにも相なる点があると思うのであります。従つてその新しい工場がいずれでもいい、とにかく電力の供給を受けるということであつたならば、一向さしつかえないと考えるのですが、何か他にこれがために支障を起すようなことがあるのでありましようか。
#47
○佐伯委員 非常に政務次官は明敏な頭を持つておられるようであるが、今日電力再編成はきわめて大きな国民の感覚として視野に止つておる。そして属地主義と潮流主義というものの根底なるものは、生産と消費の対立であり、ひいては資本主義と社会主義の根本思想にまで発展せんとして、遂に電力分割が行き詰まつてポ政令になつたものではないかと思う。しかくたやすいものではないと思われるのであります。今仰せの通り、どつちかというと、その一番大きな問題は、電源地帶が自分の地域にあるという一つの所有権かさらに自分の消費をまかなつて、なお社会の消費に属する部分までも占有せんとするこの点が、属地主義の大きな誤りである。それを調整するという点におきまして、たとい電源地帶に所有的のものはあるにいたしましても、社会が消費する限りにおきましては、これは電源地帶のみに占有せしめておくことができない。これはもつとものことでありまして、しからばといつて電源地帯に厳然としてあるところの電力それ自体を、電源地帶に供給しない、電源地帯を参加せしめない他の区域が占有するということは、これはまたより大きな誤りと考えられる。今おつしやつた事業主体から見るのではなくて、国民の利害関係から見なければならない。電力は土地を離れても存在できません。また生活環境を離れても存在できないものであつてみまするならば、そこに住む一切の大衆社会民といたしましては、單純にこれを企業におまかせすることはできぬのである。御承知の通り、電力なるものは、最も日本の国におきまして恵まれない東北、北陸、北信の地に雪と雨とあられという一つの天災から生れて来るものである。そう考えてみまするならば、この川から出て来るところの電力を直接自己に供給することのできない主体、これに帰属せしめるということが基本をなすでありましよう。私はこの点におきまして、決してこの電源地帯が自己が消費した以上の社会の消費電源までも帰属せしめようという考え方の誤りをわれわれは指摘するのでありますけれども、さればといつて、その地域を除いて、所有権を何ら主権の及ばない他県にこれを帰属せしめるということの誤りが私は重大なものがあると考えられるのです。これは理論でなくして、少くとも今後日本の国におけるところの本電力再編成に上つて来る大きな障害になると思われる。先ほど伺いましたいわゆる河川法による府県知事の認可権、それらのこと並びに何といたしましても電力の施設それ自体が地域を除いては存在し得ない、天空にとどろいておるのではありません。そういたしますと、これらのものに対しては土地その他あらゆる面におきましてその地域民が協力せなくては、私は今後日本の電力の開発に大きな阻害を来すと思われる。今政務次官が非常に超然たるお考えを持たれておつしやいましたけれども、現在の既発電力の分配というがごとき消極的な電力再編成はないのである。これからこれを開発しようという重大なる意味がこの電力再編成の根本なのであります。その場合に臨みまして、未開発電源をだれが開発するか、こういう問題をめぐつて、私はこの潮流主義をおとりになるということでは、円満なる遂行はでき得ないものがあるのではないかという点が憂慮にたえなかつたのであります。これは見解の相違であるとおつしやられればそれまでのここでございましようけれども、しかく政務次官のおつしやつたような簡單なものでありますれば、この二箇年の間におきまして、属地主義と潮流主義は対立いたしまして、ポ政令の施行までは至らぬものと考えますゆえに、われわれ議員といたしましては、真剣に研究しなければならぬ点があると考えますのみならず、政府におかれましても、東北、北陸並びに北信の今日の寒冷、單作、貧弱なる農村が、唯一無二の資源としている電力、また一面から見ますと、大都市集中の弊害が、経済力が貧困であるところの農村というものを搾取しておると見られぬとも限らぬ。また全国の大河川の大発電所、最も有力なるところの有利な発電地点、これらのものが関東、関西に帰属するということは、言わずとも明らかなる事実である、当然そうでなければならない。そして電源地帶の配電会社に残るものは少くても中小河川、小発電所、最も不利な電源が残るのであります。しかもこの関東、関西の二大配電圏は独立して、一歩といえども他県の侵入を許しておらない。しかるにかかわらず、今日電力再編成は、地域の確定なのであります。その関東、関西の消費地帶が、電源地帯に侵入をいたしまして、せつかく区域の確定いたしましたものは、單に供給区域だけである。強大なる資本の專有ということにはいささかの制限を加えておらないがために、弱き者は遂に強き者に搾取せられる傾向を生じて来る、現に今回の電力の再編成の結果は、おそらく、日本全国の九配電会社全部寄せても関東、関西二社の強大なる資本に及ぶものはないと私は考える。大都会集中、独占的な一つの資本の形態がせつかく電源の天地自然の分布によりまして、地方に還元せられつつある一つの現象を、今回の電力再編成によりまして、またもや大都市集中主義、大都会偏重、いわゆる独占資本主義の復興になるというところの潜在性がないであろうかということを私どもは憂えるのでありまして、そういう考え方の対立が、ここまでに大きな問題に展開して来たものがあるのであろうと私には考えられるのであります。そこで政務次官に伺いたいのは、今回の再編成を見ますと、まず現実に電源地帯における大発電所、大設備、それらのものがおそらく同じ消費量において分配せられたとはいいながら、送電線その他の関係上、電源の設備が帰属せられる上におきまして、関東、関西に有利であり、地方には不利であるということ、このことがそうでないと考えられますか、この点伺いたい。
#48
○首藤政府委員 非常にむずかしい御議論をお聞かせ願つて、頭の悪い私は、少々解釈に苦しむのでありますが、一応解釈のできた範囲の点においてお答えいたしたいと思います。最初の関東、関西に比較して、電源地帯が非常に不利でありはせぬかという御質問でありますが、かようなことは絶対ないということをお答えいたします。さらにまた資本主義、社会主義という御議論でありますが、これまたわれわれから考えますと、まつたく見当のはずれた御議論でありまして、いわゆる潮流主義は、自然の需用によつて、電力を供給されておる現在の姿を対象として再編成することが適当であるという観念のもとに、いわゆる潮流主義をとつておるのであります。従つて将来におきまして、現在の電源場所において、非常に工業が発達いたすということに相なるならば、当然またこの面におきましては、大量の電力を供給されることに相なりまして、ただ現実の姿が関東ないし関西の方に非常にたくさんの消費力を持つておる、それにマッチしなければならぬ。しかも今日の姿は、この関西なり関東の需用に応ずべく電源を開発いたし、同時にそれに必要とする十五万ボルトの送電線を架設してあつた、従つてそれを単に電源がその地区にあるからといつて、その地区は処属せしめて、そしてその地区の供給量をふやすということは断じて考えられないようなことであるのであります。なおまた他県には主権が及ばないということを指摘されましたけれども、われわれは国内の経済は單一に考えておるのでありまして、たとえばここに、あるものが不足する、それはよその県にある、その県から持つて来る、あるいはこの県には余るものを足らないところへ持つて来る、これが一国の経済を発展せしめるところの適当な方策だ、かように考えております。今のあなたの御意見のように、いわゆる一つの県を一つの国、主権の及ばない他の国というようなお考えが立ちますならば、そういうことも当然考えられますけれども、国内は一つの経済單位だという考え方のもとに措置しております。それと同時に、現在の需給の姿、ありのままの姿を対象として措置することは、適当な考え方だという信念のもとに、この再編成を実行したわけでありますが、この点は議論すれば限りがないかと思います。結論的にポ政令でこういうふうに決定いたしておりますので、ここでいくら議論いたしましても、この変更ということは絶対至難でありますので、この問題に対するところのお答えは、この程度にいたしたいと考えます。
#49
○佐伯委員 今の問題は、私はただ單に伺つておいて、質問を打ち切りますが、政務次官のお考え方は、まるでポイントをはずれておるというように考えられる、と申しますのは、何も電源地帶だからと申しまして、消費地帶に電力を流さぬというのじやない、そういう問題が問題になるのではなくして、電源の所有をいずれに帰属せしめるかということが問題になるのであります。今おつしやつた通りでありますならば簡單に属地主義と潮流主義が解決せらるべきはずであつて、しからば何を好んで、第一回にこの電力編成が司令部におきまして、電源は地区内に所有すべしという意見も多々あつたのであります。その電源を持つておる地区会社においてこれを所有いたしまして、いわゆる公益委員会その他の法律命令現在の自発がやつておりまするように、地区外の会社に対して電力を処分すればよろしい。その処分に応じないというのではない。このよつて起るところの原因たるや、今日法律をもつてその所有の帰属をいずれに置くかということであつて、発生する電力消費をどうするかという問題とは異なるのであります。根本に相違する。たとえて申し上げまするならば、一国の産業は一国の政治圏内にあるということは言わずとも承知しております。しかしながら、国内におきましてもかくのごとく利害関係の異なる会社を設立する場合、会社から見た場合に、その会社に帰属しておるところの関係者側から見た場合、一つの利害関係が生じて参るのでありまして、われわれはその見地に立つて一部面から見ますると鋭い利害の対立を生ずるという点を申し上げたのであります。要するに本案はポ政令に基くものであつてみますれば、いまさらこれを論ずることは論外のようでありまするけれども、今後における日本の状態は今政務次官の言われたごとく非常に楽観したお考えを持つておつて、国民がついて来るとは考えられないという点において、われわれはよくこの間の関係を知つておくという必要のためにお尋ねしたのであります。
 次にこれは余分でありましようけれども承りたい。本法案は第七国会に提案せられたものとほぼ同様であります。多少の相違はございましようが、ほぼ同様であります。かつて司令部は、ただいまも申し上げましたように、電源の帰属に対しましては、地区会社において処理してもいいじやないかという説もあつたようであります。しかしながら、当時政府は本案の潮流主義がよいということから決定せられたように考えられるのであります。そこで政府はその当時と同じように、本案が是も正しい電力再編成と思つておられるか、もちろんそうでございましようが、一応お伺いいたします。
#50
○首藤政府委員 御指摘の通り、現在におきましては、この再編成は政令が最も適当だと考えておるのであります。
#51
○佐伯委員 司令部では、本案は日本政府に押しつけたものではなくて、日本政府が信ずるところを審議会に諮問して、その答申に基いて日本政府が決定したものであります。従つて電力再編成は、日本の産業再建の最も重要なものであるから、すみやかにこれが実現するようという意向が、ポ政令を施行してもよろしいというようになつたと考えられるのであります。従つて当時の意向と同じく、政府は本案に対して責任を持つという所信を持つておられるのでありましようか。また本案に対して政府は確信を持たないが、命令なるがためにこれを実施するという考え方であろうか、この一点を伺いたいのであります。
#52
○首藤政府委員 この法案に対しましては、確信を持ち全責任をもつて遂行いたしたい、かように考えておるのであります。
#53
○佐伯委員 今回の電力再編成は、いうまでもなく経済力集中排除法の精神にのつとつておらなければならない。ところで日本発送電といふ全国一元性のものは強大なる規模であるという点において、これを解体して再分割するという点は認められるのでありまするけれども、しかし従来は、一地方においては発送電と配電とが対立し、かつ競争する部面もあつた、独裁的ではなかつた点がある。しかるに今度は生産から消費までというので、地域区間内においてのみ見るときには生産的消費、いわゆる発配電一貫作業の一元的独占事業となつておる。しかも国家の強力なる権力をもつてこれを擁護しつつあるという面が見られるのでありますから、反対に、これは農も強力なる独占事業とも見られるが、政府の所信はどうでありましようか。
#54
○首藤政府委員 御指摘の通り、経済力集中排除並びに独禁法の趣旨から考えますれば、まつたく同感でありまして、万全なものではないと考えます。しかしながら先ほども申し上げましたごとく、この厖大な日発あるいはその他の配電会社を一応解散いたしまして、新たに編成するという現在の段階並びに電力の供給量という両から考えますると、一気呵成に独禁法の趣旨そのままを徹底するような措置を講ずることによつて、一面においてかえつて大きな弊害をかもすおそれが多分にあるのであります。従つて一応この程度の分割をいたしまして、さらに電源の開発が進行いたし、電力の供給が豊富になりますれば、それに従いましてさらに独禁法の趣旨に合うような措置を漸次講じて行くことが一番適当である、かような考え方を持つておるのでおりまして、いわば自由経済に移行する一つの段階をつくつたというように考えておるのであります。
 なおまた先ほど、従来の地区における発送電と配電会社の間に非常な競争があつたという御意見でありまするが、これは片一方は供給する方であるし、片一方は配電する関係でありまして、まつたく目的が異なつた営業をいたしておりまする関係上、そこにどういう競争があつたか存じませんけれども、おそらく営業上の競争というものはあり得ない、かように考えておるのであります。
    〔多武良委員長代理退席、委員長着席〕
#55
○佐伯委員 本法の精神とするところは、組立て方は電気事業で、社会の公益性を持つておる。これを非常に強調しておられる。従つてわが国産業の基幹であるから国家の権力をもつてこれを助成しなければならないというので、固定施設を擁護する面からと申しましようか、供給に対しましても区域における一元的独占性格を與える、こういうように国家の強権をもつて本事業を擁護しているのは、本事業がいわゆる公益性を多分に持つておるからであると存ずるのであります。しかるに一転して、企業組織に至つては、企業が能率を高めなければならぬから、株式会社にせなければならぬ。純民営形式をとらなければならぬ。こういうことを主張しておるので、矛盾があるように考えられる。国家が一元的に権力を與え、あらゆる国家の権力をもつて擁護いたしまする公益事業であれば、あるいは国有国営なんという言葉は使わぬかもしれないが、反対に民有であるというがごとき考え方からいたしまして、法文の箇所々々を見ましても、国家資本とか、公共資本を極度に排除しておる。私はこの矛盾に対して、どういうお考えを持つておられるであろうかということを伺つてみたいと思うのです。
#56
○首藤政府委員 電力そのものが日本産業の根幹であります。おそらく国民生活上食糧と同程度の重要性を持つておるにかかわらず、この供給力がとかく非常な不足をしておりますので、自然これを公平な供給をするという建前から、あるいは今後厖大なる開発資金を必要とするが、それらは個々の会社ではとうてい不可能であるという見通しのもとに、かような重要産業に対しましては、国家資金を投ずることが適当であるという考え方を持つておるのでありますが、しかしながらその経営に対しましては、先ほども申し上げましたごとく、少くともできるだけ競争のできるような体制を整えて、そこに努力、熱意、くふう、創意というようなものをできるだけ高揚させて、そうしてこの事業の発展を促進するという方法をとることが、公共の福祉増進という建前から適切な対策である、かような考え方のもとにこういう政令をつくつたわけであります。
#57
○佐伯委員 今の御答弁も私は納得できませんが、その程度にとどめておきまして、次に伺つてみたいのは、本法の再編成の組立て方を見ますと、発配電一貫経営になつております。その根底をなすものは、電力は貯蔵できない性格を持つておるから、生産から消費までを一貫作業にせなければならぬという議論が根本的なように思われる。そこで発配電一貫経営をやりますには、政府におかれましては、生産から消費までをやはり一貫的にやらなければならぬ、それがよいのであるというお考えでありましようか。
#58
○首藤政府委員 先ほども繰返して申しましたごとく、この少い電力をいかに合理的に供給するかという点に重きを置いて考えた場合、かような機構をつくることが適当だという結論に到達いたしましたので、こういう制度をつくつたのであります。しかしながら先ほど来申し上げたごとく、あくまでも各会社の競争を喚起するという精神から、将来、個々の会社が電源を開発いたしましても、一向それには制限を加えない。まつたく自由にまかしておくという方針をとつておるのでありまして、将来はいろいろの新しい会社ができるような時代になつて来るかと考えておるのであります。
#59
○佐伯委員 私が伺いたいと思いますことは、実は政府が生産から消費までを一貫して経営せしめなければならぬというお考え方でありますと、たいへんに今後における電力政策というものは私はかわつて参ると考えられるのであります。そこで伺いたいのは、要するに電力は貯蔵できぬから、やはり一貫的にやるということは常識でありますが、その一貫的にやるということは、生産から消費までやる。生産はもちろん企業主体が電力を開発するということでありますから、当然企業主体の責任であります。しかし消費というものは、企業主体でなくて、企業客体である。企業が消費するのではない。企業ではなくて、一般社会が消費しておる。消費するのは企業でないものがまた別にある。そこで生産から消費までを一貫作業をやるということになりますと、現在の電力の配電会社は、配分するということを通り越しまして、事実電力を消費する各種の客体まで統制せなければならぬことになつて参りますから、個人の自由意思を統制するということにもなつて参ります。従つて電灯をつけろ、消せという号令のもとに、国民は企業会社に統制せられるという性格を多分に持つのでありまして、電力が不足であるというので、電灯をつけたり消したりするということは、あながち労働問題の行き過ぎばかりじやない。政府においては、今日ここにおいて、生産から消費までという言葉が通常の言葉になつておりますが、この生産から消費までという言葉は、元来政府が志しておる一切の政策の基本になるのであります。生産から消費までを規制するというお考えでありますと、そういうところまで私は発展するように考える。ところで私は生産から消費までという、その消費ということは、企業主体から見ますと、販売供給だと考えるのは間違つておりましようか、この点政務次官に伺いたいのでありますが、私が申しますのは、企業から申しますれば生産品の販売をする供給をする、販売するがためには販売の特権を與えてもらいたい。大建設資本を投下するのでありますから、そういう意味において供給区域を與えてもらいたい、こういうことが生産から消費という言葉でごまかされてはたいへんなあやまちを私は生ずると思うのであります。そこで問題になりますのは、生産から消費までということならば、発配電一貫作業でやらなければならぬという議論が立つのでありますが、そうではなくして、消費ということは販売であり、供給であるということであれば、現在の日本発送電会社がやはり送電というものをもちまして、大口電力を供給し、販売しておるのでありますから、これは一貫作業をやつておる。配電会社におきましても電力を発電し、不足の電力は発送電会社からこれを買つて供給しておるのであるから、これも発配電一貫作業をやつておるのである。この二つの企業主体が決して卸売、小売の会社ではなく、三つとも独立自主的な会社としてりつぱに成立つて行くのであつて、これをごちやごちやにして一つにしなければならぬ、そうして属地主義、潮流主義の争いを国民の中に起す理由は一つもない。その根本原因は生産から消費までという誤つた言葉の魔術にかかつておるためだと思いますから、生産から消費までを統制されるという考え方か、あるいはまた企業会社の健全をはかるために、要するに販売、供給権を與えるというふうに考えるのか、この点伺つてみたいと思います。
#60
○首藤政府委員 先ほども申し上げましたごとく、少い電力をいかに公平に、かつ合理的に供給するかという点に目標を置いて検討いたしました結果、こういう機構が一番適当であるという結論に到達いたしたのであります。従つて今の御意見によりますと、普通の商品のようにお考えになつておりますが、電力は普通の商品とはいささか事情を異にいたしておるのであります。一例をあげますと、過去におきましても、大同電力であるとか、あるいは筆勢であるとか、いろいろの発電会社がありましたが、同時にその会社が電力をただちに売つておる。自分の方で発電所を持ち、そうして販売しておるという制度があつたのであります。一応今回の制度もそれと同じものでありまして、別に新しく供給の会社をつくる必要はないのみならず、むしろかような重複的機関をつくることによつて、原価は高くなる。もう少し合理化しまして、なるべく安い電力を供給しなければならぬという建前から考えて参りましても、こういう機構が適切であるというふうに考えております。
#61
○佐伯委員 今のお考え方にも私は満足ができぬのでありますが、議論になりますからやめます。
 最後に、本法がポ政令に基きまして施行せられ、国会の審議に上らないことを、国民の信託を受けておるわれわれ議員として、まことに遺憾にたえない。いわんや電力問題は、わが国あらゆる民主化の最後の一線でありまして、国民生活とは最も不可分の関係を持つております。私どもが国民の代表として、十二分に論戦を闘わしまして、しかして後ならば、この命令にわれわれは服従することに欣然たるものがあるのでありますが、一切の国民の目をおおうて、この決定を見るに至つたことは、まことに遺憾な点があるように考えられます。ところでただいま政府に伺いますと、本案はいわゆる潮流主義をとるということは、政府の最も正じい案であるという信念から、政令の発動を見たものである。先ほどの政務次官に対する質問の要旨は、つまり本案は日本政府が最も是なりというお考え方をもつて、さきに第七国会に、提案せられ、その後この潮流主義が世論の反撃にあいまして、そして政府は再転をして属地主義に変更せられんとしつつあつた、それがきわめて大きな政治問題に展開いたしまして、遂にポ政令まで行つたんじやなかろうかと私は考えるのであります。そして本案の責任ははたしてどこにあるかということを考えなければならぬ。そしてマッカーサー元帥の命令によつたものであるといたしましても、その命令の発動いたしまする根本基底は、政府が本案を信じ、本案を要請したものと、先ほどの二つの質問に対して、政務次官がお答えになつたように私は考えます。従つて現政府、政府を背景となすところの自由党が、要するに潮流主義は是なりとして要請せられたるものなりという、先ほどの質問に対して、確答を得たごとく私は考えるのであります。
 そこで私が最後に希望しておきたいと思いますることは、この法文の内容その他個々については、いろいろの点がございましようけれども、公共事業令なるものは、まつたくわれわれは全面的にこれを支持するものと私どもは考えます、と申しますことは、先ほどからのお話の通り、今後の電気事業は非常に大きなる国家権力を持ち、しかも企業能率を上げまするために、自由主義体系に基く株式会社法によつておる。そういたしますれば、これを規制して公益性を発揮いたしまするには、やはりこれに対しまして公益事業委員会をつくつて運用する。つまり九つの配電会社を一つの公益委員会が社会性、国家性を帯びまして、二つのものが一つになつて運営して行くというところに妙味があると考えるので、公共事業令というものには、内容の点はともかくといたしましても、全幅の賛意を表せなければならぬものと私は考えます。ただ電気事業の再編は、もちろんなさなければならぬのでありますが、今日これをどうせいというのではありませんが、今後その矛盾を政府においてよくお考えになつていただきたいと思いますることは、この潮流・主義と属地主義というものは、決してこのまま解消するものではないということであります。そこで現在の日本発送電は、一面悪いところもあつたかのごとくお考えになるかもしれませんけれども、非常によい面があつた。と申しますることは、かりに今属地主義と潮流主義から申してみますると、東北、北信、北陸におきましてどういうことになつておるかというと、その地方の電力の大部分は発送電が開発をしております。そうして発送電は今でも関東、関西、中部、九州方面までも、電気を電源地帯から送つておるのであります。これに対して電源地帶は、自分の地域にそれだけの電力がないから、他に送つちやいかぬという声を少しも聞きません。これはどういうわけであるかと申しますると、もちろん電力は国家社会の幸福に貢献するものであつて、ひとり電源地帯の專用するものではないというがごときことは、国民はことごとく知つておると思います。でありまするから、現在の日本発送電が全国を相手に電源地帯の電気を配分いたしておりましても、電源地帯がその特権を主張したことはほとんどないでありましよう。しかるにかかわらず、今度だけこの潮流主義に反対するゆえんはどこにあるかと申しますれば、現在は日本発送電といえども、電源地帶は共同管理の形をとつておる。つまり電源地帶における電源は、その電源地帶の会社が、消費地帯の会社と一緒になつて管理をしておる。しかるにかかわらず、今度は電源地帯の電源をその電源地帶が管理することができなくて、区域がこれを管理するというところに大きな矛盾があるのであります。この矛盾なるものは、将来にも禍根として残るものでありまして、これを解消するにあらずんば、いかによい事業会でございましても、運用に阻害を来す。そこで電源地帶に余つておる電源と、消費地帶の足らざる電源とについて、消費地帯の足らざる方面についてだけ生産管理をする潮流主義、これに対しては反対するのです。同時に属地主義が、そこに電源地帯があるからといつて、消費地帶の電力までも生産管理し、所有管理する、これにも反対するのです。ですから電源地帶の余つておる電源と、消費地帶の不足しておる電源とを共同管理する、ここに日本発送電が今日まで存在して来た意義なるものがあると考えられます。私が民主党でありまするがためにこういう説を立てるとおつしやるかもしれませんが、民主党の五分割案なるものが、この矛盾を完全に解消しておるということは、現在においてはつきりしておる。本州の東西にわかれておる需要供給の電力量というものは、完全に二分することができるということは、私は言い得ると考えるのであります。本委員会におきまして私はこの点に対して論及するものではないのでございますが、要するに、政府は潮流主義を是なりとして、今度ポ政令を要請せられた、そしてこの責任をお持ちになるのだという本員の質問に対して御回答を得たことを満足といたしまして、これをもつて打切る次第であります。
#62
○小金委員長 次は今澄勇君。
#63
○今澄委員 大分いろいろの質問で、われわれの聞かんとするところは明かになりましたが、私は社会党の希望もあわせて、以下五、六点質問をいたす次第であります。
 そこで第一点は、大臣に伺いたいのだけれども、大臣は予算委員会だそうでありまするから、首藤政務次官に伺いますが、このポ政令の内容について、参議院において総理大臣は、これはできる限り公開の努力をするということを言明いたしております。そこで私どもはこの通産委員会が常設の通産委員会である限りは、このような電力に関する大きな問題を通産委員会にまずもつて政府は説明するということがあなた方の責任でなくちやならぬ。そこで私はこれらのポ政令の内容について、今日できる限りの模様をおわかりでございますならば、この委員会において御発表願いたいと思う。
#64
○首藤政府委員 ポ政令を出すまでの経過に対しましては、先般大臣から詳細に御答弁申し上げたのであります。さらにこの政令の内容と七国会に提案した政府案と若干相違している点がありましたので、その点は昨日私から御報告申し上げたのでありまして、経過の事情並びに政令の相違点は大体昨日までの御答弁で済んでいるのでありまして、それ以上に新らしい事態は何もないのであります。
#65
○今澄委員 今私が申し上げましたのは、総理大臣が参議院で言つているポ政令の内容の具体的なものでなくして、総理大臣に、與えられたといわれるマ書簡のポ政令に関する内容です。先般の大臣の説明も、どういういきさつで出さねばならなかつたかということが不得要領で何だかわからない。それからポ政令で出ている文書の内容については屡次の説明と質問によつて明らかになりました。ただ私が今聞いているのは、このポ政令を出すに至つた一番重大な根幹をなすマ書簡というものの内容が、衆議院の運営委員会において説明されたことと参議院の運営委員会において説明せられたことと少し食い違つている。これに対しては通産大臣はいまだこの通産委員会において説明しておらない。しかも参議院においてはこれは公開すべく努力をする、こういうことであるから、少くとも審経過二日を要している今日の段階において通産省としてはこの委員会にそれらの問題を発表すべきではないかというのが私の意見です。さらにもう一つ申し上げておきますが、これらの電力に関する問題は、過ぐる第七国会においても非常に司令部との折衝、與党内の折衝は数々重ねられたが、この委員会に対しては速記録の示しているように、わずかな審議経過である。私は当常設の通産委員会になぜ政府は積極的にその当時も説明しなかつたが今日においても説明しないのか、これらの問題に対する積極的な態度のないということは、通産委員会そのものを無視する態度をとつておられるのかどうか、この点について御答弁を願いたい。
#66
○首藤政府委員 ポ政令の内容発表に対しましては、御説のごとく衆議院並びに参議院から強い御要請があつたと承つております。しかしながらそれに対しまして総理大臣は外交文書の慣例からこの政令は発表しないということに一応申し上げているそうでございます。その後の進展を承つておりませんので、多分その程度にとどまつておるのであろう、かように考えているのであります。
 さらにこの電力の再編成問題につきまして、休会中自由党との間にいろいろの折衝があつたのであります。これは委員会開会の当初御報告すべきであつたかとも存じまするが、他にもいろいろ御質問がありました関係上、今日まで延びておりましたので、一応その経過の大綱を御報告申し上げておきたいと存じます。
 御承知の通り、七国会におきましては、この法案は遂に審議未了と相なつたのでありまするが、その審議未了と相なつた一番大きな原因は、與党である自由黨内にも相当強い反対がありまして、おそらく委員会では政府案そのままでは通過困難であるという見通しがつけられたのであります。しかも一方におきましては百四十六億に達しますところの見返り資金、しかもこれが工事中でありまして、大体本年の十月になりますればそれまでの資金が全部消費されまして、どうしてもこの百四十六億の見返り資金を放出していただかなければあとの工事に非常な支障を及ぼして来る、従つて再三司令部に対しましてはこの見返り資金の放出を懇請いたしたのでありますけれども、その都度再編成法案が通過してからという実は御意向がありましたので、この再編成法案をかりに通過するといたしましても、臨時国会あるいは通常国会時国会にいたしましても十二月、さらに通常国会にこれが持ち越されることになりますれば来年の四月ないし五月までになつて来る、その間の工事に非常な支障を来しますので、休会中でありましても、大体ここまで行つたならば、来るべき臨時国会でも法案は通過するであろうという司令部の信頼を得たい、そういうことにすればあるいは急いでいるところの見返り資金が放出されるかもしれない、ぜひ放出するように努力をいたしたいという考え方のもとに進んだのであります。そこで臨時国会で法案を通すといたしますれば、まず一番に與黨との調整を完全にいたしまして、與黨のこの法案に対するところの意見を帰一せしむる必要があるということから、與黨内に電力対策特別委員会、さらにその中に電力対策小委員会というものが設けられまして、およそ十五、六回に及ぶと考えまするかのそれぞれの会議が開かれまして、いかにして調整するかということに重点を置いて会議を続行いたしたのであります。当初におきましては大体政府案とあまり隔たりのない結論に到達するかと実は考えられたのでありますが、終局に至りましてこれが急激にかわりまして属地主義でなければいけないという意見が相当強くなつたのであります。一時は属地主義に決定いたしたのでありますけれども、しかしながらこの属地主義に決定した場合、はたして今後の運用がうまく行くかどうかという点に政府は非常な不安を持ちましたので、この点を強く與党に要望いたしまして、そうして原則的には属地主義とするが、特例を設けまして、大部分の電流が行つている幹線は、その消費地を管轄する会社に帰属せしむるという例外措置を実はとつたのであります。しかるに具体的に、しからば、幾らこの供給地の配電会社に帰属せしむるかという段階になりまして、その大部分ということを一体どの程度に決定するか、ある者はこれを八〇%と言い、あるいは九〇%と言い、あるいは九五%と言い、そういうことで、これまた非常に意見の相違がありまして、しかもこれが一度発表されますと、同時にこの電源所在地並びに消費地からそれぞれ反対の猛烈な陳情が毎日殺到いたし、これがまたその地区の選出の代議士諸君の主張を一層強くするということで、非常に問題が重大化して参つたのであります。しかもこれがために見返り資金の放出はいよいよ遅れて参りますので、一応この帰属問題はあとまわしにいたして、そして大綱だけの閣議の了解をとりまして、見返り資金の放出を懇願いたしたのでありますけれども、やはり帰属問題が完全に決定しなければいかぬということで放出は拒否されたのであります。従つてその後におきましても、何とか妥結点を発見いたしたいということで、ほとんど隔日あるいは三日に一度の会議を開きまして、これが成案を得ることに努力をいたしたのでありますけれども、どうしても結論を得なかつたのであります。しかも臨時国会がいよいよ始まりましたので、このまま一日も放任できないということから、おそくも二十四、五日前後には妥結点を発見いたしたい、それがためにこの電力委員の代表が司令部を訪問しまして、直接司令部の意向を聞く、あるいはまた消費地の代表が直接ケネデイ氏を訪問して、ケネデイ氏からこの法案に対する考え方を聞くというような、幾多の方法がとられたのであります。ちようど二十四日、二十五日には何としても解決しなければならぬが、しからばはたしてこの二十四、五日に解決するであろうか。またかりに百歩を讓つて、こちらの方で解決いたしましても、これが参議院にまわつた場合に一体どういうふうになるかというような前途に対しましては、いささか見通し困難の実情に実はあつたのでありますところがたまたま二十二日、突然マッカーサー元帥から吉田首相あてに書簡が参つたというような結果になつておるのが、大体休会中の経過の大要であります。
#67
○今澄委員 長々とお話を承つたが、なかなか政務次官は正直でよろしい。少くともあなたの御説明の経過を聞いておると、この電力法案がポ政令で出たまでの経過については、結論として、與党である自由党の中の意見がまとまらなかつたということに盡きる。だから私は少くとも現在の政権を担当しておる與党の意見がまとまらなかつたから、それで見返り資金はもらわなければならぬし、これが早くなつたということを、政務次官として言われたことについては、私はその正直さには敬服するが、何と情ない政府であると思う。少くともわれわれは国会議員としては、時の多数を持つている與黨は、その態度をきめて、すべての問題を国会の議決権で、占領下であろうとも、きめて行くということが、日本国会を守つて行くという議員の立場でなければならぬ。しかるにもかかわらず、そういうような経過のもとにこれが政令で出たということは、まことに遺憾千万であつて、自由党の分裂を防止するために、こういうようなポ政令が出たというふうに考えなければならぬと思います。しかして私はこのポ政令が出たときに、マ書簡が現われたであるが、そのマ書簡をもらいに行つた人は白洲次郎氏であると言われてるが、だれが一体マ書簡をもらいに行つたのか。少くともこれは政府を代表して行くならば、総理大臣あるいは通産大臣がこのマ書簡をもらつて来るべきであり、最初の折衝者でなければならないが、このマ書簡をもらつた一番最初の人は一体だれであるかということを聞きたい。
 それからもう一点は、マ書簡が出たが、そのマ書簡の内容については総理大臣云々の言葉があつたが、それは、よろしい。しかし通産省をあずかる通商産業大臣や政務次官が、マ書簡の内容を知らないとは、よもや私は言うまいと思う。少くとも一国の電力行政をあずかる責任者が、どのような手紙が出たか知らなかつたということは、あなた方は言えないだろう。だからあなた方は知つておるのかどうか、知つておるけれども、これこれこうい事情で言えないということがあるならば、その事情をひとつこの際申し述べてもらいたい。
#68
○首藤政府委員 この問題について與党の論争が非常にきびしくあつて、政府が統制力がなかつたという御意見でありまするが、これはそもそも第七国会に出しました政府案が、御承知の通り松永氏を委員長とする電力審議委員会という電力界の経験者並びに権威者に、この法案の審議をお願いしたわけであります。しかも御説のごとく、政党内閣でありまするから、まず政党がこの法案に対する趣旨その他に同調して初めて政府案となるのが順序でありまするが、さような普通の行き方と異なつた行き方で、実は第七国会に提案した法案ができたのであります。しかも国会の開会早々でありましたので、実は與党と内容について検討するいとまなく、政府案そのままを実は出したということに相なつた関係上、與党内で一回も審議をしなかつたというところに、一つの欠陷があつたということを御了承願いたいと思うのであります。
 なおマ書簡の内容でありまするが、これは大体大綱は承つたのでありまするけれども、先ほど申し上げましたごとく、書簡の対象が総理大臣でありまするし、その総理大臣が、外交文書の慣例その他によつて、発表しないということに御言明なされておる以上、われわれから発表するわけには参りかねるのでありまするから、この点も御了解願いたいと存じます。
#69
○多武良委員 先ほどの点に関連して……。ただいま同僚今澄委員から御質問がありましたが、このポ政令が出たということは、あたかも政府と與党との間に意見の一致を欠いた、そういうことから出たはうな御答弁でありましたが、亡れは私はポ政令というものはもつと最高の考えで出たのじやないか。何も與党と政府との間の意見の相違があつたというようなことで、属地主義とかあるいは潮流主義のために、いろいろな各地の議員が意見を異にしておつた。そういうことからポ政令が出たというような御答弁でありましたが、それは絶対間違いじやないか。これはひとつはつきり政務次官から御答弁を願いたいと思うのです。
#70
○首藤政府委員 先ほど私が申し上げましたごとく、政府と與党との会議におきましては、二十四、二十五日の二日間において最終の成案を得る申合せに実はなつておつたのでありまして、それに努力しておりました際に、突如二十二日に書簡が参つたということに相なつておるのであります。
#71
○今澄委員 そこで、いろいろ與党内の問題その他については、政務次官の答弁が雄弁に事実を物語つております。ただ私は、少くとも今政務次官の言われたマ書簡の内容については、その大綱を承つたということでございますが、なるほど総理大臣にあてられたものであるけれども、内閣が責任制である以上、一切の問題は総理大臣の責任である。しかしながらその下に通産大臣、通産省というものがあつて、行政の責任を負つておるのであるから、それらの大綱だけをあなた方は承つて、それで総理大臣に対して、よろしい、了承したということを言われたものであるか、それとも、日本の電力というものについては、たとい占領下であろうとも、国家産業並びに民族の将来のために、これこれこういうようないろいろな問題があるというようなことを総理大臣に述べ、その書簡の内容もつぶさに検討して、このポ政令というものになつたのであるかということは、国民の知らんとするところであり、しかも政府の産業経済に関する責任ある態度として重大なところである。もう一ぺんひとつ御答弁願いたい。
#72
○首藤政府委員 すでに御承知と存じまするが、二十二日にマ書簡が到来いたしまして、二十三日に、これをいかに扱うべきかということで、臨時閣議が開催され、閣議の決定によつてポ政令を出すということに決定いたしましたので、従つてわれわれ、大臣といたしましても、また政務次官といたしましても、その閣議決定事項に従つて行くという以外には、とるべき方法はないのであります。
#73
○今澄委員 閣議決定できまつたということは、それはどんな問題でも閣議の決定できまるのだ。われわれはこの電力問題が国会に提案されてから、稲垣通産大臣、その次に兼務として池田大蔵大臣、さらに文部大臣高瀬氏、というふうに申し上げるまでもなく、この通産大臣というものが伴食大臣であり、兼務であり、今の政府は通産大臣をその間に一体何人とりかえたと思いますか。少くともこのような重大な電力問題は、專任の大臣を置いて、とくとこれを検討して、国家経済百年のために立てるのが政府の態度でなければならぬ。しかるにその通産行政をあづかる者の、その間における更迭はひんぴんをきわめ、與党との折衝においても、何ら成案を得ておらない。こういう状態であれば、これはだれが占領軍の司令官に来ておつても、非常な不満を持ち、占領行政上の大きな考えが出るであろう。少くとも私はこれがポ政令で出たということの責任が現内閣にあるということは、こういつた数々の事実によつても明瞭であるといわなければなりません。しかるにこのポ政令の出た書簡の内容をば、これは閣議でやつたから知らないという通産行政の責任者ではわが国の産業経済全般にわたる大きな施策がどうしてなされるか、疑問にたえない。私はもう一度聞きたいが、この書簡を最初に手に受けた者は白洲次郎氏であつたと言われるが、このことについてあなたは何らお知りにならないか。それともだれが最初にもらつたということを責任をもつて明言できるか、御答弁願いたい。
#74
○首藤政府委員 その点は不幸にして承知しておりません。
#75
○今澄委員 それでは私は一問お伺いしますが、政府としては、もし総理大臣が言うているような公表の努力をするというその言葉通り国会に公表される場合があれば、まず第一番にこの通商産業委員会に対して公表する決意であるかどうか、通産省の責任者としてお伺いしたい。
 もう一点は、そのような重大な書簡を、だれが受けたか分からないというようなことでは、通産行故をあずかつておられる方々というものは実に私は杜撰きわまるものであると思う。あなたはそれを調査して、一応これこれこういう事情でだれだれがもらつた、こういうことになつた、通産委員の諸君御了承願いたいというふうな、いわゆる通産行政の政務次官として、あるいは大臣として、まじめな考えで今後臨まれるかどうか、御答弁が願いたい。
#76
○首藤政府委員 なるべく御趣旨に沿うような措置を講じたいと思いまするが、かりにこのマ書簡の内容を発表する機会がありましても、これは総理の権限によつてやりまするので、通産委員会にまつ先に発表をするとは、この際申し上げかねると思うのであります。
#77
○今澄委員 大体私これまでの御答弁で、この電力再編成の法律がポ政令でなぜ出なければならなかつたかという経緯と、日本の最も重大な電気産業をあずかる政府の当面の責任者としての心構えを知ることができたことは非常にうれしいと思います。私どもはそういつた心構えでやられるならば、今後これらの政令が公布され、電力事業再編成が行われても、生ずるであろうところの数々の矛盾に対しても、あなた方は今日と同じような態度であれば、実に将来の日本の産業を壊滅に導くおそれがある。少くとも私は真に国民の声を代表して言うならば、そういつた立場にある皆さん方の猛省を促して、そうして責任をとるというような態度で臨むことか政治家として正しいものであるということを希望として申しそえて、これから各般にわたつていろいろな問題をお聞きしたいと思います。それではまず第一番に、公益事業委員会についてひとつお伺いいたしたい。この公益事業委員会は、ただいま皆さん方の質問で明らかになつたが、あなたの御答弁によると、見返り資金、見返り資金、電源開発、電源開発という言葉がしきりと出たが、この公共事業令の目的をまずわれわれが取上げて見るに、第一條に、「供給を豊富且つ円滑にし、」とございます。しかして本令には、電源を増強する積極的な意図が何ら盛られておりません。政府はこれらの政令ではあるけれども、賛意を表し、過ぐる第七国会にもみずから提案した責任者であるが、こういつた現在の電力不足を解決するために積極的な面、すなわち電源開発その他について、これらの政令の中に政府が盛り込み得なかつたというその理由は一体どうか。そうして電源開発を具体的には一体どういうふうな立場において遂行しようとしておるのか。その電源開発に関する見返り資金は、このポ政令の成立でたちどころに融資するという話であつたが、今日までわれわれは見返り資金が出るという話を聞いたことはない。しかもあなたは昨日見返り資金は簡單に出るような御答弁であつたが、見返り資金が出るためには、この政令でもつて行つて、電気事業再編成をするということだけではなくて、まだそのほかにもいろいろの條件がついておることをわれわれは聞いておるが、一体見返り資金について政府はいつごろこれを出すということを発表し得るか。しかもこれらの電源開発に直接つながる見返り資金が、一体どういうふうな具体的な問題として、ここにあなたがこれこれ出たということを報告し得るか。これは速記録にも残ることであるから、簡單に言われないで、それについている附帶條項その他の問題もひとつ報告して、ここに御所見を承りたい。
#78
○首藤政府委員 電力開発の問題が公共事業令にないと述べておりますが、これは公益事業委員会は、御指摘の通り、電力の供給をいかに支障なくやるとかいうことが主なる目的でありまして、開発の問題はおのずから別個の問題でありまして、この点は国家が積極的に開発を促進すべきである、かような考え方をわれわれは持つておるのであります。従つて現在におきましてこの開発につきましても、すでに本年度の方は御承知の通りと存じまするが、明年度におきましても、大体二百五十億円を実は予定いたしておるのであります。この二百五十億円の内訳は、本年度からの継続工事としまして、水力が二十二地点、これが四十六万七千キロ、これの所要額が百三十一億円、火力が九地点で十三万六千キロ、所要金額が十九億円、なお送電線あるいは変電所というような設備が九件で三十五億、以上の経費が大体百八十五億円でありまするが、さらに新規工事といたしまして、水力が十三地点、これは三十二万八千キロ、所要額が二十九億円、火力が四地点で十万二万キロ、所要額が十一億円、送変電配電設備が二十人件で二十五億、かような計画でありまして、この総計がおよそ二百五十億円に相なつておるのでありまして、さらにすでに御承知と存じまするが、最近アメリカのOCIがそれぞれ参りまして、電源の調査をいたしておるのであります。これらの調査と並行いたしまして、積極的にしかも急速に電力の開発をいたしまして、もつて供給力に遺憾のない措置を講じたい、かように考えておるのであります。
 さらに見返り資金の問題でありまするが、昨日この問題に対しまして、今日までの大体の経過を申し上げたのでありまするが、ただこれは私直接聞いたわけではありませんが、日発が現在立てかえておりまするところの――日発が今日まで運転資金を立てかえ、その他立てかえた総額が大体四十億円になつておるそうであります。そこで司令部におきましては、これを一応差引いてもいいじやないかというような御意見があるかと聞いておるのであります。しかしながらこれはあくまでも日発の運転資金その他でありまして、他の使途に使わなければならぬ経費でありまするので、これは差引かれては困るということを要請いたしておるのが現在の段階でありまして、その他のものも現在手続を進めておりまするから、近いうちに必ずこれは放出されるものであるというふうに考えるわけであります。
#79
○今澄委員 その点についての割合正確な説明はわかりました。そこで私はこの見返り資金は漠然たる表現でなしに、年内に出て、これは年の瀬を控えておるが、支拂われるものかどうかという点についてのひとつ具体的な御答弁を願いたい。
#80
○首藤政府委員 御承知の通り、これは司令部が絶対的権限を持つておりまするので、ここで何日に出るということは断定いたしかねまするけれども、政府といたしましては、どうしてもごく最近のうちに放出していただきたい。おそくとも年末までには放出していただきたいという考えのもとに努力いたしているのであります。
#81
○今澄委員 政務次官の年末までには放出を実現するという答弁で私は打切ります。
 次に昨日の説明で、第七條公益事業委員会の役員、委員の顔ぶれが新聞紙上にもいろいろ出ているし、問題になつて、政府としてのいろいろの説明を政務次官がされましたが、それは結論を得なかつた。私は議論を避けて、ここに率直な意見を申し述べますと、少くともこの公益事業委員会なるものの構成は、内閣総理大臣がこれを任命するとはいいながら、これはやはり最も適当な者をきめねばいかぬ。その具体的な方法としては、まず電気の生産者、それから電気生産に従事している労働組合、この電気生産、労働を経験した体験者、それから電気の需用者、これは産業経営者代表その他なりがございましよう。さらに学識経験者、これをそれぞれの母体から一応推薦さして、そして出て来た人間を総理大臣がそのときの情勢をいろいろ勘案してきめるというような策をとるならば、実際この公益事業委員会本来の目的に沿う一つの民主的な方途で、できる限りこの政令のもとに選んだものということができる。だから、こういつた方式が一番妥当であると思うが、こういうふう母体からおのおの選んで出てきた者の中から何名を選ぶというような方策をおとりになるお考えがあるかどうか、お聞きしておきたいと思います。
#82
○首藤政府委員 御趣旨はごもつともと思いますけれども、今日までこの種委員会の選任が幾度か行われた事例がありまして、大体今回もさような、今日までの事例と同じような選任が行われるのではないかというふうに推察いたしているのであります。申し上げるまでもなく、これは総理大臣が決定いたしますので、できるだけ御趣旨に沿うように進言だけはいたします。
#83
○今澄委員 この電気の公益事業委員会の重要性は、これまでつくられたその他の委員会とはこれは別段の相違があると思う。国政を担当しつつある現内閣としてはほんとうにそういう措置をとつて、国民の期待にこたえられんことを切にあなたに要望しておきます。
 第二点は、新たにできるこれらの公益事業委員会の所掌事務というものは、おそらくは現在の電力局に大体進じてつくられるだろうと思う。それで総理府の外局としての公益委員会が、その運営の上には、これまで自由党の諸君もあるいは野党のわれわれも幾たびか言つておつた官僚統制の弊害というものが出ることが予想されるのです。そこで私はこの際公益事業委員令のそのような運営について、従来の官僚統制の弊に陥らざるような、何らかの措置を講ずる必要があると思うが、これに対してどういう考えと、どういう方途を持つているか。もう一つは、電力局の廃止に伴つて、電力局の職員の身のふり方その他が非常に問題になる。もし電力局の皆さん方をそのままこの公益事業委員会に横すべりするということになると、現在の官僚機構がそのまま移つて行つたということになつて、こういつた新たなものをつくる趣旨に反する。これらの点について詳細な何か抱負と御見解があれば承りたい。
#84
○首藤政府委員 この問題については、まだ最終的な決定はいたしておりません。委員会の委員の任命がありまして、委員会が組織されてから委員会の考えのもとに事務局が組織されるのであります。従うつてここでいずれに決定するというようなことは申しかねますけれども、少くとも事務局でありますから、電気の事情を十二分に知悉しているということが、一番大きなフアクターだと考えるのであります。従つてこういう面から考えますと、電力局がそのまま移行するということにあるいは相なるかとも考えているのであります。しかしながらそれだからといつて、官僚統制が続くとは断じて考えられないのでありまして、この公共事業令によつて、この範囲内において委員会が活動いたしますから、当然事務局も委員会の命令のもとに、その趣旨のもとに動かざるを得ないということに相なるのでありますから、御指摘のような弊害は毫末もない、かように考えるのであります。
#85
○今澄委員 御答弁で毫末もというお話がありましたが、政務職員としての電力局の今日の方々も、失業その他、この電力の分断による転籍その他で、全然関係のないところへやるというようなことでは非常にまずい。これは政令は出たが、そういつた問題について政府は何ら考慮しておらなかつたことを示すものである。ところで、それをそのまま持つて行くという今のあなたのお話ですが、そういうことになると、これは実に無脂なやり方である。少くとも新しい公益事業委員会の制度あるいはその他の問題について何ら用意がないというのが今のあなたの御答弁の概略である。私どもは少くともきのうあなたの答弁のように、九分割については少しも失業者を出さぬ。そしてこれらの人々をおのおの使いながら、そういつた新しいものに持つて行くという点についての積極的な対策を御研究に相なつて、私はきようそれが聞けるものと思つておりましたが、聞けなかつたことは遺憾でございますが、やむを得ません。そこで私は公益事業委員会の根本的な問題を申し上げると、この公益事業委員会そのものが、いわゆる積極的な面において電源開発その他のものもあわせ考慮に入れたような目的をもつて電気の供給を豊富にするということでなければ、なんぼ幾つにわけたところで分割の目的は達せられない。であるから、それらの点についての積極性の面について質問したが、長々と既定計画の御報告があつたのみで、何らそういつた九分割に伴つて、しかしながらこういつた積極面かあるのだという御意見のなかつたことは遺憾であります。ともかくそのの任命についても、私が申し上げましたような民主的な任命をされようというような意思は今の御答弁では伺えなかつたが、総理大臣にはどうか伝えられて、通産省としてはがんばつてもらいたい。それからこれらの、国会をほとんど無視してつくられたこの法律のもとにおいて、その運営がやはり依然として旧来の官僚的なものであつて、国民が不便を感じ、国民が少くともけしからぬと思うようなものであつてはならぬと思つておりますが、それに対しても今のところでは何の対策もないということに了承して先へ進みます。第二は、事業の譲渡、第三十二條でございますが、現在各社が保有している施設を譲渡するかどうかということがいろく問題になりますが、これら現在各社の保有している施設について御見解を承りたい。
#86
○首藤政府委員 この問題につきましては、先ほど中村委員からも御質問がありましたのでお答え申し上げたのでありますが、これはあくまでも双方の間で話合いがついたという場合には譲渡を認めるのでありまして、これを明文で強制するということはこの際かえつて弊害が多いという考えを持つております。
#87
○今澄委員 現在各社保有の施設は、これは非常に小さなことのようであるが、大きな問題で、われわれ現在各社保有の施設は譲渡すべきではない、かような考えに立つているのであつて、政府はできればそういつた方向に進んでもらいたいと思います。それから第三十五條に、これは小さな問題だが、委員会規則云々ということが書いてあるが、この規則というのはいかなるものであるか、明文がどこにも示してありません。これはどういう規則でなつているか、ちよつと御説明願いたいと思います。
#88
○武内説明員 この公益事業委員会の委員会規則と申すものは、省令に相当するものでありまして、その規則を各省並に出し得るという法律上の制度であります。
#89
○今澄委員 これらの問題をいずれも省令と同じようなものにするということよりも、せめてこういつた審議の過程において、これは大体こういつた理由から成立して、こういうふうになるという程度のことは説明をしてもらいたいと思う。どうも政府の考え方が委任立法的な、そういう一任してつくつてやるということでは、私は国民の要望にはこたえがたいと思う。どうか政務次官はこれらの問題についても大いに留意して、これらのものは、委員会において審議するならば、説明ができるというくらいにはしておいてもらいたいと思います。それから次は料金に移りますが、この料金がきようもきのうも御答弁があつて、大体五年間は現在通りの地域差でというようなお話がございました。これももう一ぺん確認しておきたいと思うのであります。特に具体的な例を一例だけ申し上げると、すでに御承知のように、現在岐阜県にあるところの今渡と八百津の発電所は、この法令によると関西の所属になつております。われわれが見ると、今渡、八百津はどうも関西に入るように思うのです。それからこの両発電所の電力は全部中部区域で消費されておつて、ここから出て来るところの送電線は、今回の法令では中部に属するようになつておると私は思う。こういつた場合に、この両発電所の電力を関西に持つて行くためには、新たに送電線をつくられるかどうか。それからこの送電線をつくるとなると、これは多額の経費がいるが、こういうような矛盾は私は各所に出て来ると思う。これらの経費というものが一切電力料金に織り込まれるとすれば、その地区の電力料金は非常に高くなる。こういつた矛盾は、私は詳しく研究しておりませんが、ほかにもまだ非常に多い。われわれが今調べたところでは、中部に属する岩倉、川淀あたりの線と、今の今渡、八百津からまわつて行く線との間には、これを連絡すべきものがない。これらの点については一体どういうような御見解を持つておられるのか、あるいはこれらの施設を新しくつくられるのか。もしそういうことになれば、非常に経費がかかるが、どうするのかというような問題について、ひとつ具体的にお聞きしたいと思います。
#90
○武内説明員 別表第三で発電所の施設の所属がきまつておりますが、この別表の第三の第一項のところに書いてありますように、「この表に掲げる新会社に出資され、又は譲渡されるべき電気工作物は、実際上の運営に関し、更に検討を加えるものとし、その区分は、新会社が公益事業委員会の認可を受けて協定し、」云々と書いてあります。一応こういうふうにきまつておるわけでありますけれども、実際の運営に関して実際に即さないという場合におきましては、両会社の話合いで、もし話合いができなかつた場合においては、一定の期間に委員会がこれをきめるということになつております。ただいまの今渡、八百津で発電された電気を関西に送るという関係につきましては、豊島開発部長からお答えいたします。
#91
○豊島説明員 八百津の発電所にくつついておる送電設備は、やはりこの表にありますように、百八十五とありますが、関西に今度配属されます。今渡及び八百津の電気は、このままでは関西配電、送電線によつてすぐには関西の設備に入りませんが、その間は暫定的に中部の送電線に託送されて、犬山で昇圧されて関西に行く、こういうふうになつております。これは送電容量が十分でありまするから、今すぐ別の線をつくる必要はないと思います。計量装置さえあれば、この点は適当なる託送料を拂えば支障ないと思います。
#92
○今澄委員 これは一例だが、こういつたことによつて送るための電力のロスも相当出る。それから今、今渡、八百津から現在のままで犬山を経由して十分に行けるとあなたが言われたが、現地の技術者はそういうことは困難であると申しております。そこで少くともそのようないろいろの矛盾に対しても、これが料金に織り込まれるということになると、この九分断というものの結果非常に大きなロスを生ずることになるが、これに対する具体的な対策について、今のあなたの御答弁では私ども満足ができません。さらにもう一つ、現在使用者としては、今度できた地域差に伴うものでも大体大きな打撃を受けて、将来非常に不安であると言つておるが、これがさらに大きく開いて来るということになりますと、これは非常な不満が生じ、不安がある。だから五年間は現状通り云々という答弁があつたが、大体現在の電力料金で、これからは上らないのだという明確な御答弁をこの際政務次官からお願いしたい。さらにもう一つは、これは各社のアンバランス、すなわちロスが出ます。これは今われわれの調べた数字で見ると、日発が大体このロスが一一%、今みたいに犬山へ送つて出るロスというものが三〇%ぐらい出るだろう。配電会社は盗電その他いろいろな問題があつて、三五%ぐらいロスが出ておりますが、そういつた地域々々の大きなロスもこれがみな電力料金にかかつて来まして、こういつた一切のロスは現在の電力料金の値上げになるが、現状から見て、きのうの御答弁通り大体五年間は上らないのかどうかということを政務次官から詳しくお答えを願いたいと思います。
#93
○首藤政府委員 單価その他いろいろなものに相当変化がありまして、それがために電力料そのものは高下があるかもしれませんが、地域差は現在のまま五箇年間はすえ置くことにいたしておるのであります。
#94
○今澄委員 地域差は現在のまま五箇年間すえ置く――電力料金については御明答がなかつたが、現在の段階としてはやむを得ないでしよう。われわれは少くとも電力料金についてもこういつたいわゆる公益事業委員会の目的から見ても、供給を豊富かつ円滑にして、そうして将来電力料金の高騰というものがないのだという明確な答弁が聞きたかつたのだが、その点は遺憾であります。それからもう一つ、需給の問題で非常に矛盾に満ちておるところがあるのであるが、第五十四條、第五十五條にいろいろな需給の問題が載つておりまして、そして極端な例を申し上げると、電力の供給状況は時々刻々に変動いたしまして、これが停電するというような場合もある。あるいは電解ガス等の化学工業的な工場においては余剰電力を有効に使わなければ、これらの電力融通というものはできない。それで適時余つて来る余剰電力や、極端な場合は停電をしたというようなそういう場合に、公益事業委員会はこれを処置することになつておるが、はたして間に合うかどうか。われわれはこういうような点で非常に危惧をしておるが、その点については絶対に支障ないということを言い切れるか、それとも具体的にはどうしてその支障を防ぐかということについて御答弁願いたいと思います。
#95
○首藤政府委員 御指摘の通りこの問題はいろいろ困難な事情があろうかと考えまするが、政府といたしましては、あくまでも、公益事業委員会の叡智と急速な措置等によつて、かような万全の対策が講ぜられるであろうということを信じておるのであります。
#96
○今澄委員 今の答弁では、政府は公益事業委員会にまかせて、これはどうなつてもかまわぬこういうことに受取らざるを得ません。もう一つは、電力の制限をするという場合は、これは国民に対する一つの大きな制限規定なのだが、ある地区である産業は電力の制限が非常にゆるかつた。同じようなものが地区が違うために、非常に制限を強く受けて、コストも違うということになると、あなた方の言われている自由競争の経済のもとにおいて、最も重大な原価を構成する電力料において、非常な開きができることになると、会社の競争の上に大きな開きを政府が與えるということになるが、これらについてはどういうふうにお考えになつていますか。
#97
○首藤政府委員 さような事態が起らないように一応プール計算をしております。ただ場合によりましては、瞬間的にそういうこともあり得るかと思いますが、なるべく事前におきまして、そういう事態が起らないような対策を講じて行くというふうに考えております。
#98
○今澄委員 このような自由経済をやつておる経済下において、各社が受ける影響が非常に不公平になるということが予想される事態があるが、これに対してもどうも明快な態度をとつておらぬということは遺憾です。
 もう一つ、私は今度は技術についてお伺いしたいのですが、今電力開発の技術者、日本の電力において発電設備その他の技術者というものは、日発に優秀な人々が集まつておるであろうということは、今日までの経緯を見ると当然でございます。そこで五十七條、五十九條におきまして、現在自発が開発しておるこれら電気事業開発が、九分断された後においては、技術の問題としてどういうふうにそれらの技術者を使うのか。技術者のおらぬところの開発は非常に遅れ、その成果も上らないというふうなおそれが、この法案を見ると多分に感ぜられる。技術者に対する対策、並びに電力の今後の技術の向上、あるいはそういつた不公平に対する政府の態度をひとつ聞きたい。
#99
○首藤政府委員 これは政令に明記してなくても、運営上適当な措置を講じますれば、解決のつく問題だと考えております。当然日発は解散になり、新しく会社ができまするから、現在の日発の技術者を適当に再配置するということはむろんのこと、他にもそれぞれの新しい会社において適当な技術者を採用するという措置が、当然講じられるであろうということを考えております。
#100
○今澄委員 先ほど来この電気の開発について伺つた新電源開発については、今報告された数字は、ずつと前々から電力計画として決定されたものであるか、この際もう一ぺん念を押しておきますが、この電気九分断をやる際に、新たにその計画の上にこれこれをふやして、積極的な対策を講ずるという具体案は、現在いろいろ調査中でありますが、できておりませんか。
#101
○武内説明員 ただいま今澄委員の御指摘になりました点は、今後の電力開発に対する技術という問題で、非常に大きい問題であると思うのです。先ほど政務次官の御答弁にありましたように、一応日発、配電おのおの解散いたしまして、新しい会社ができます。そのままであれば、各会社に分割所属されますけれども、一定の有能なる技術者の方々がグループをなして、そして電源開発の技術的面を担当せられるということは、国家的に必要な面であります。実は公益事業委員会の予算といたしまして、次の通常国会に提出を予定せられておりますお金のうち、約一億というものが、大電源の調査という名目のもとに、政府内部におきましては一応了解を得た数字でありますが、この大電源の調査のやり方については、これは委託調査でやるというような考え方にただいまのところなつております。さようなことにいたしますれば、それがベースになりまして、毎年一定の金額というものは予算に計上できる、かように考えております。従つてただいまアメリカにありますような、水力開発に関するコンサルテイング・エンジニアといつたようなグループができる機運にもありますし、また委託調査の金等がその方面の育成と申しますか、発達に役立つのではないかというふうに考えております。これはしかしながらさようなグループをつくれということを委員会が積極的にやるというわけにも行きませんけれども、そういうような機運の醸成に伴つて、これに即応する予算的の考え方はいたしておるわけであります。
#102
○首藤政府委員 政府の計画しておる状態は、先ほど申しました通りでありますが、ただいま局長から申し上げたごとく、アメリカから調査団が参つておりまして、さらに広汎な調査をいたすことになつておりますから、その結果によりまして、さらに積極的な計画が進められて行くであろうというふうに考えておるのであります。
#103
○今澄委員 これらの技術の問題と、それから電源開発の問題は、重大な問題で、今の局長のやや詳細な答弁で私もその大体のあり方は了承いたします。今後大いにこれらの技術と、電気の開発ということが、この電気事業九分断の将来の積極面の国民の関心事である。過去のいろいろな問題よりも、将来の大きな問題に全力を盡されんことを、ひとつ希望をいたしておきます。もう一つ大事なのは、八十三條、八十五條等の罰則規定である。旧電気事業法あるいは労働組合の三法、これらの罰則と、この労働三法との関係というものは、常にむずかしい問題を惹起するのである。この点特別法優先の建前で、スト権を非合法化しようというようなことになると、これは労働組合運動の上に、重大な労働組合弾圧の法規と化するおそれがあるのであります。これらの労働三法、並びにそれらの罰則との関係について、明確な答弁をこの際承つておきたいと思うわけであります。
#104
○武内説明員 八十三條ないし八十五條の規定はここに書いてあります通り、刑法的な規定でありまして、決してただいま御指摘になりましたスト権云々の問題とは、関係ないと思うのであります。
#105
○今澄委員 重ねて政務次官からも答弁を伺いたいが、答弁ありませんか。
#106
○首藤政府委員 局長の説明の通りであります。
#107
○今澄委員 これらの問題について、明確な政務次官、局長の答弁を得て、この八十三條ないし八十五條が労働三法に優先するということは絶対にない、刑法的規定で、これは労働者の一切の行為については、何ら束縛するものでないという答弁を確認をして、了承をいたしておきます。
 次に、昨日の質問の中で、電気工作物について福田君から御質問がありまして、これは含むということでございましたが、今までの御答弁その他から考えて、公益委員会が專断で非常にむちやなことをした場合における利益の侵害ということが考えられます。その地域に関連する設備の帰属基準というものを、三〇%以上と現在言われておるようですが、今後やはりそういつたような基準を、政令にはないが設けてそれで一体何パーセントくらいという基準をきめるというようなことをされるのか、それらの点について具体的な御見解をひとつ承りたい。
#108
○武内説明員 電気工作物の中に、発電所を含むかというきのうのお話ですが、この趣旨はきのうも御説明いたしましたが、先ほど今澄委員も御指摘になりましたように、実際の運営をやつ出てみて、それがある地区の電気会社に所属しているけれども、実際の問題として、そこに送ることが技術上その他の面から困難であるという場合におきましては、一応この別表の所属によつてやれば、そんなに支障なく送れるという前提のもとに、所属がきめられておりますけれども、はたして実際の運営いかんということは、またわれわれが机上で考えたものとは多少異なるであろうというようなところからいたしまして、この別表通りで、全然動かせないということでは、実際の実情に合わないということがありはしないかという意味から、この規定があるのであります。
#109
○今澄委員 私が聞いたのは、別表第三にいろいろ載つているが、この別表第三で非常にあいまいな点を公益事業委員会が裁断を下す場合に、問題が起るだろう。そういうときに、今言つたように、そのときの事情を見てこれはやるということをしないで、二つ以上の地区に関連している設備の帰属をきめる場合には、その七〇%がどちらに帰属しているから、これをきめるというふうな、一つの基準でおやりになるのかどうかということを聞いたわけです。
#110
○武内説明員 おそらくこれは公益事業委員会の運営にかかるわけでありますけれども、七〇%といつたようなことでなく、純技術的の面がおもなる要素になるのではないかと今考えております。
#111
○今澄委員 時間も参りましたので、この程度にして打切りますが、きのうの質問の、この罰則と比べて、さらに今の電力局の職員、あるいは電産の労働者、その他電気に従事する人々が、この法令の施行によつて、今日のこのデフレ恐慌のただ中に失業するということについては、これはやはり何といつても労働者としては重大な関心を持たざるを得ない。そこで私はこの政令の審議に当つて、少くともこういつた労働者、職員というものについては、この再編成に関しては一人も失業者は出さないということを、政府は明言するということが、これらの危惧を持つている国民に対しても大きな一つの義務であると思います。私はこの点に関して、重ねてもう一度、それらの点については間違いがないかどうか、政務次官の答弁を速記録に残しておきたいと思います。
#112
○首藤政府委員 この法案には整理するということはどこにも明記してないのであります。と同時に御指摘の通り、現在の経済情勢から考えましても、失業いたしました後においての就職はなかなか困難かと考えますので、政府はできる限り御趣旨に沿つて、失業者のないような措置を講ずるよう、勧告いたしたいと考えている次第であります。
#113
○今澄委員 結論としては、今日私がいろいろ聞いたところの問題点は、解決を見、安心であるといつたような問題は数が少い。それから将来の問題についても、非常に大きく危惧の残る問題も多い。それからおもな点を取上げると、政府の今日の答弁からは、電力融通の不円滑が起るだろう。電力料金も大きな差がついて、供給の不円滑、実質的には不均衡とともに、値上りが予想せられる。それから電源開発は、今日の政府答弁の模様では、この九分断したがために、特に新たな電源が開発されて、豊富になるというような希望はない。それから地方産業がこの不均衡から衰微して、企業整備等が行われるおそれが多分にある。そこでそれらの産業構造を変化させるということは、今日の日本の経済電力ではできない。いろいろの点から、政府が責任を持つて実行してみて、そういう矛盾が現われた場合においては、ちゆうちよなくこれを政府提出法案として国会に提出して、その欠点を改める意思があるかどうか、それらの点についてお聞きして、私の質問を終ります。
#114
○首藤政府委員 政令の性格からいいまして、いわゆるポ政令によつて出した政令でありますので、ただいまそれを修正するということは申し上げかねるのであります。しかしながら、それだからといつて、今後この運用の面におきましていろいろの支障がある、これをなおかつ遂行することによつて日本の経済の発展に非常なマイナスになるという点がありますならば、できるだけ修正する方法をとりたいと考えております。
#115
○今澄委員 今の答弁では、これを結論づければ、政令であるから修正する意思はここ当分ない、しかし産業経済に大きな影響を與えるようでは、これを修正したいというような答弁では、今までもいろいろな答弁がお座なりであつたが、私は少くとも電気事業を国民的な良心の上に立つて考えるときに、これは重大な問題であるから、いかに政令とはいいながら、施行してみて、それが非常に大きな矛盾を露呈し、日本の産業に影響を與える場合には、政時は遅滯なくこれが訂正をして、法案を国会に出すということが、為政者の務めであり、国民の期待であるということを申し上げて、終る次第であります。
#116
○小金委員長 それでは今日はこの程度にて散会いたします。明日は午後一時から本委員会を開きます。
    午後四時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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