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1950/12/02 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第6号
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1950/12/02 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第6号

#1
第009回国会 通商産業委員会 第6号
昭和二十五年十二月二日(土曜日)
    午後一時四十四分開議
 出席委員
   委員長 小金 義照君
   理事 阿左美廣治君 理事 多武良哲三君
   理事 中村 幸八君 理事 高橋清治郎君
      今泉 貞雄君    小川 平二君
      澁谷雄太郎君    高木吉之助君
      田中 彰治君    永井 要造君
      中村 純一君    福田  一君
      南  好雄君    加藤 鐐造君
      砂間 一良君    田代 文久君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  横尾  龍君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       首藤 新八君
        資源庁長官   始関 伊平君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (資源庁次長) 岡田 秀男君
        專  門  員 谷崎  明君
        專  門  員 大石 主計君
        專  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
十二月二日
 委員高木吉之助君及び砂間一良君辞任につき、
 その補欠として大野伴睦君及び池田峯雄君が議
 長の指名で委員に選任された。
同日
 委員大野伴睦君及び池田峯雄君辞任につき、そ
 の補欠として高木吉之助君及び砂間一良君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月二日
 特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第二五号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 連合審査会開会申入に関する件特別鉱害復旧臨
 時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 二五号)
 電気事業再編成及び公益事業に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小金委員長 これより会議を開きます。
 本委員会に特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案が付託になりましたので、この際これを議題として提案理由の説明を求めます。横尾通商産業大臣。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#3
○横尾国務大臣 ただいま議題となりました特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明いたします。
 特別鉱害復旧臨時措置法は第七回国会において成立をし、去る五月十一日公布、翌十二日から施行されておりますが、今回改正を必要といたしますのは次の二点についてであります。
 第一は、特別鉱害復旧公社の廃止に関するものであります。現行法におきましては、鉱業権者等から納付金等を徴收し、これをプールした上で、主務大臣が認可する復旧工事の施行者に対して工事費を支拂うことを主たる業務とする機関として、特別鉱害復旧公社が設置されているのでありますが、同法附則第十三項の規定によりますと、本年十二月三十一日またはそれより早いときに、通商産業省にその業務を引渡さなければならないことになつておりますので、復旧公社を廃止し、新たに特別鉱害復旧特別会計を設けまして、通商産業省においてその業務を行うことといたしたのでございます。
 第二は、現行法第二十五條の被指定者がみずからの負担において施行する工事の規定の改正に関するものであります。御承知の通り、現行の公共事業の国及び地方公共団体の補助率のままでは、認定された特別鉱害の総復旧工事費について多額の不足分が生じることになりますので、政府におきましては、特別鉱害復旧に対する公共事業の補助率を特別に引上げることにより、不足分を極力補填することに方針を決定いたしました。この場合現行規定によりますと、自己復旧をし得るのは、その者の納付金の総額が、その者にかかる特別鉱害の復旧工事費の総額から、国及び地方公共団体が負担する費用等を控除した額を越える場合について認められておりますので、右の補助率引上げの措置によりまして、自己復旧者が従来予定されておりました以上に増加し、納付金によるプール財源の確保の上からは、かえつて支障を来すことになりますので、この改正法律案におきましては、自己復旧をし得るのは、その者の納付金の総額がその者にかかる特別鉱害の復旧工事費の総額を越える場合について認めることとし、また自己復旧者となつたときは、従来の補助率によつて算出されるその書の負担額を従来通り納付せしめることとした次第であります。
 以上二つの点が今回の改正の要点でありますが、これに附帶しまして、この法律案におきましては附則第八項によりまして、通商産業省設置法の一部を改正いたしまして、資源庁炭政局施設部を開発鉱害部にするとともに、福岡通商産業局には新たに鉱害部を設けまして、従来の特別鉱害に関する行政事務とあわせまして、特別会計の経理事務をも所掌することといたしましたほか、必要なる條文及び字句の整理をいたしているのでございます。
 なおこの改正法律案と一体をなしている特別鉱害復旧特別会計法案につきましては、別に提案いたすこととしております。また特別鉱害の認定も本年八月以降二回にわたつて愼重に現地調査を進めまして、この改正法律施行と同時に認定の公告をするよう準備を進めておりますので、何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決せられんことをお願いいたします。
#4
○小金委員長 次に第九国会すなわちこの臨時国会及び来るべき第十通常国会に通商産業省から提出される予定の法律案について説明を求めることにいたします。首藤政務次官。
#5
○首藤政府委員 この臨時国会に提案する法案をあらかじめ御報告申し上げておきたいと思います。
 すでに御承知の通り、鉱業法と採石法は前国会以来の継続審議となつておるのでありますが、そのほかに新たにこの鉱業法施行法並びに中小企業信用保險法、特別鉱害復旧特別会計法、特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案、これをこの臨時国会に提案することに相なつておるのであります。なおほかに土地調整委員会設置法、これは先般この委員会の御要望がありましたし、またなくとも鉱業法との関連上、法務府の方で提案いたしまするけれども、合同審査をお願いいたすことになつて来ると存ずる次第であります。従つてすでに大部分のものは提案されておるのでありまして、なおあとに残つておりまするものは、中小企業信用保險法、これは大体オーケーがとれておりますので、来週早々御提案申し上げたいと考えておるのであります。それから特別鉱害復旧特別会計法も来週早々提案いたしたいと考えております。以上がこの臨時国会に対する通商産業省の提案の法案であります。
 なお次の第十国会に提案いたしたいと考えております法案を申し上げますと、産業機械設備近代化法、これは多少最近行悩みの状態にありますけれども、できる限りこれを立法化いたしてまたその裏づけをはつきりいたしたいと考えておるのであります。それから高圧ガス保安法。計量法の施行法、これは計量法の施行に伴いまして、経過規定を設ける必要がありますので、この法案をつくりたい。それから計量法、現行の度量衡法を時勢に即応しまして、根本的に改正いたしたいと考えておるのであります。それから輸出信用保險特別会計法の一部を改正する法律案、これは輸出信用保險を通じまして輸出振興を確保するためにどうしても改正しなければならぬ点がありますので、この点を改正いたしたい。それから輸出品取締法の一部を改正する法律、これもまた取締り品目を拡大する等の必要が実際面にできて参りましたので、この法案をつくりたいと考えておるのであります。
 なおまた鉄くず資源回收法の一部を改正する法律、これは鉄くずの回收がいよいよ重大問題と相なつて参りましたので、これも客観情勢を考慮いたしまして適当な改正をいたしたい、かように存じておるのであります。それから中小企業等協同組合法の一部を改正する法律、これはすでに御承知の通り、現在の中小企業等協同組合法にいろいろの不備な点がありますので、これをなるべく緩和いたしたいということで、できる範囲内において改正いたしたいのであります。特許法、実用新案法、意匠法、商標法の一部を改正する法律、これは手数料を改正いたす必要から提案いたすのであります。弁理士法の一部を改正いたす法律、これも手数料を改正する必要からこの法案を提案いたしたいと考えております。熱管理法、これは熱源の合理化使用をはかり、熱管理士試験を行う等、立法を行う必要ができましたので提案いたしたい、かように存じておるのであります。それから銃砲取締法、これは銃砲の製造、販売を取締り、保安を確保いたす必要がありますので、あらためて立法いたしたいわけであります。石油及び天然ガス資源開発法、これは現在御審議を願つておりまする鉱業法の改正に伴いまして、資源の開発を民主的に運用をいたす必要が生じて参りましたので、新たに立法いたしたい次第であります。それから帝国鉱業開発株式会社法を廃止する案、これは御承知の通り戰時中にできた特殊会社でありまするので、なお従来は特別会社であつたのでありまするが、これを一般会社にしてもいいという状態になりましたので、この特別会社の法案を廃止いたしたいと考えております。以上大体次の国会に提案いたしたいと想定しておりまする法案が十四あります。多少このうちでは中止になるものもあるかと存じまするが、同時にまた新たに提案いたすのもできるかと存じまするので、大体次の国会では通商産業省関係の法案が十四、五程度、かように御了承願いたいと存じます。
#6
○小金委員長 以上で説明を終りましたが、ただいま事務局からの御報告によりますと、特別鉱害復旧特別会計法案はすでに国会に提出せられまして大蔵委員会にかかつておるそうであります。そこで特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案の審議と関連いたしまして連合審査を要求したらどうかと思いますが、いかがでございましようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○小金委員長 それでは連合審査を申し込むことに決定いたしました。
    ―――――――――――――
#8
○小金委員長 これより電気事業再編成及び公益事業に関するポツダム政令について調査を進めます。昨日に引続いて質疑を継続いたしますが、今日は横尾通産大臣が御出席になりましたので、先般大臣に対する質疑を留保されておりました方に質疑を許します。福田一君。
#9
○福田(一)委員 先日の委員会におきましていろいろの問題につきまして質疑をいたしたのでありますが、今日は通産大臣が御出席になりましたので、重要な点二つ三つ特に御質問申し上げたいと思います。
 まず第一点といたしましては、再編成を行う場合において、さしあたり公益事業委員会というものをつくらなければならないのであります。その人選につきましては政府としても非常に愼重にやつておいでになることと思いますが、御存じのごとく、再編成法案で公益事業と言つております中には、電気事業とガスが含まれておるのでありますが、公益事業委員中のには、ガスの関係者もお入れになるのが至当ではないかと考えておるので、この点をお伺いたしたいのであります。
 次にお伺いいたしたいことは、この委員会の設置に伴いまして、いろいろのこまかい問題もあるとは思いますけれども、私は電気というものは電源の開発が非常に大事ではあるけれども、これに関連して、やはり電気事業についていろいろと試験研究をするような研究機関も非常に大事ではないかと考えております。これは元の日本発送電には電力研究所がありまして、電力の研究を進めておつたと存ずるのであります。今回再編成になりました場合には、この電力研究所というものは何らかの形において存置すべきものであると考えておるのでありますが、これに対する大臣の御意見を伺いたい。
 もう一点は、今度の再編成法案で九つの新会社ができるのでありますが、これに関連いたしまして、公益事業委員会では地方に支局を置くということが規定されておるのであります。従来の通産局は全国で八つしかないのでありますが、しかし九つの新会社ができて電気の生産、配分を行うという場合におきましては、おそらく大臣も九つの支局を設けられるようなお考えを持つておられると思うのでありますが、この点について大臣のお答えを願いたい。
#10
○横尾国務大臣 福田さんの御質問にお答えいたします。公益事業委員会の委員の選任につきましては、お話の通り最も重大なることかと考えます。これは総理大臣が任命されることでありますが、しかしながら電気事業の主管大臣たる通産大臣としても、意見を具申するつもりでございます。これに対しまして、ただいまのお話のガス関係者ということでありますが、ごもつともな御意見かと思います。但し今私がその方面の方を入れるか入れぬかということをこの席で申し上げることだけは、ひとつ御勘弁を願いたいと思います。御要望の点は私承つておきます。
 それから第二の技術陣のことであります。御存じの通り、わが国の技術陣は至つて貧弱でございます。貧弱と申しますと失礼な言い方でありますが、練達の方が非常に少いのであります。
 しかるときに、日発において電源開発に全力を盡されるために、技術陣を擁して技術研究をなさつていることに対しては、私は賛意を表する次第であります。私は、わが国において常に少い技術者を最も有効に利用するのには、何と申しましても外国にありまするような形式を整えることがいいのではないか、たとえて言いますと、コンサルテイング・エンジニーアのようなものを日本にも置きまして、技術陣を強化することが必要であるということを常に考えておるのであります。ましてや、せつかく集められた有数な技術者の方を散らかす。電力と申さず、電気関係と申さず、発電所関係の土木工事技術者もある程度おられるかと思います。これらの方を九つの配電会社に分属させるといたしますならば、力をわけるようになりますので、これは少い技術陣の力をまとめることが必要と思います。従つて今後におきましてもその方向に向つて、新しくできます会社とも相談をいたしまして、極力存置いたしたいと考えております。
 次に通産局の問題でありますが、まず現在の通産局の数と、新しくできます会社の数が一つだけ違うかと思います。お話の通り、ごもつともなことでありますので、これはよく研究いたしまして、御要望に沿いたいと考える次第であります。さよう御了承を願います。
#11
○福田(一)委員 ちよつと速記をとめてください。
#12
○小金委員長 速記を止めてください。
    〔速記中止〕
#13
○小金委員長 速記を始めてください。
#14
○福田(一)委員 ただいま通産大臣のお言葉で、九つの支局を設けられるやに承つたのでありますが、さようにいたしますと、これは北陸の問題でありますが、実は北陸には通産局がないのでありまして、当然北陸にも公益事業委員会の支局を設けていただけることに相なると思うのであります。ところが従来は御存じのごとく、日本発送電が電気に関しましてはほとんど統制的な立場で、生産、配分というか、発電、消費の面を実際にコントロールしておる。また政府が中心になつてこの仕事をやつておられたのでありますが、今度はその仕事が九つにわかれまして、北陸にもそういうものが一つできるということになるのであります。そうしますと、実はこれは北陸だけでなくてあるいはほかにも例があると思いますが、たとえば静岡県あるいは福井県のようなところでありますが同じ県でありながら一つは関西の支局に、一部分は北陸の支局にというようなことに相なるのであります。行政区画を設けました趣旨から考えてみましても、また実際面の運用において、電気料金が非常に違つておるという現状から見ましても、地方の行政官、さらにまた地方の消費者は、こういう面で税金を取立てる場合とか、あるいはその他いろいろの面におきまして非常に不満、不便が起きるのであります。そのようなわけでありますから、今回の再編成の場合におきましても、これを適当に処理するという空気が強かつたのであります。ところが今度ポ政令が出まして、この点についてはもちろん触れておりません。従つて私は、この法律をどうこうしていただきたいということは申し上げませんが、今度できる公益事業委員会というものに対しまして、通産関係の方からこういう要望があつた、またこれはそういう事情をよく御存じでありましようが、そういう面について地方的にもそういう強い要望がある、また行政の施行の面から見ても、一応筋が通つておると私は考えるのであります。こういう点はひとつ十分その方面にも御連絡を願いたいと思いますが、これに対する大臣のお答えを願いたいのであります。
#15
○横尾国務大臣 ごもつともな御意見でございます。よくその間の事情を勘案いたしましてなるべく御期待に沿いたいと考えております。
#16
○南委員 関連して……。今同僚福田さんからお話がありました北陸の問題は、地方的に見ますと非常に重大な問題であります。單に御考慮なさるという程度でなくて、私はかかる事態の発生をすでに一年、二年前から想像いたしまして、北陸通産局設置の問題をしばしば前代臣、前々大臣に陳情いたしておつたのでありますが、そういう面につきましても、いつもただいま大臣がお答えになつたように、愼重に考慮するという程度のお答えで事態がここまで参りました。福井県の実例などは、道一つはさんで料金が違つたり、道一つはさんで電気の節約程度が違つて来る。こういう東京などでは考えられない不便と申しますか、不平等、不均衡がそこに起るのであります。どうぞ行政の末端にまでほんとうに気を配られまして、こういうようなことのないように、單に考慰するという意味でなくして、ほんとうに地方民を救つていただくように繰返し私からもお願いしておく次第であります。
#17
○福田(一)委員 ただいま大臣から御答弁がありましたので、私がここで蛇足を加えることはいささかおかしいと思いますが、区域を変更いたす場合には、電力というものは当然ついてまわる問題であろうと私は考えるのであります。この点もひとつお考え願つておきたいという希望をまず申し上げておきます。
 次に私のお伺いいたしたいと思いますことは、今度の電力再編成法案によりまして、物が動く、また人が動くわけであります。人と物と二つがわかれて行くことになるのでありますが、人の関係におきましては、この法案には何ら規定されておらないのであります。およそ職業の自由並びに職業の保護ということは、現在の日本の憲法のもとにおきましては、ちやんと保障されておると思うのであります。
    〔委員長退席、中村委員長代理着席〕
 従つて法案の中にそれに触れていない以上は、今回の再編成によつて人員の整理は行われないのが当然であると私は考えるのでありますが、この点について大臣のはつきりした御意見が伺いたいのであります。
#18
○横尾国務大臣 お答えいたします。今の人員淘汰のことでありますが、私はこれは、新しくできる会社と今あります会社と両方通じて考えられるべきであると思います。私の考えとしては、絶対に淘汰がないとは断言いたしかねますが、さようなことがありまして再編成のために非常なる不幸を見ることのないように、これも先刻申しましたように、努力するということではいかぬと仰せられるかもしれませんけれども、そういうふうにぜひ公益事業委員会等に申し込んでおきたいと思うのであります。
#19
○福田(一)委員 ただいまの大臣の御答弁で一応了承しましたが、あとでつけ加えられましたように、努力するというでけではわれわれは不満なのであります。これは絶対にやらないということをひとつ言い切つていただきたいというのが、われわれの考えであります。しかしこれ以上追究してみても水かけ論になるかもしれませんが、およそ物がわかれ、それについて仕事をしておられる以上は、人員の整理などが行われるはずはない。しかし世の中というものは、あたりまえのことがあたりまえに行われておりますれば何も問題は起きないのでありますが、このあたりまえのことがなかなかあたりまえに行われないところないろいろな問題が起るのであります。この点を大臣は特に考慮していただきたい、これは希望として申し上げておきます。
 次に物の配分というか、分配というか、わけるというか、その問題になるのでありますが、この電力再編成法案の別表の但書によりますと、公益事業委員会は、今後運営上の必要があつて発電所に、送電所にこういう物をわける場合に、必ずしもこの別表に規定されておる通りしなければならないわけでないということは明言されておるのであります。これは電源の帰属の問題が非常に問題になりました折柄のことでもあり、この但書をうまく生かす、いわゆる活用するという面で御努力を願いたいと考えておるのでありますが、これについて大臣のお答えをお願いいたします。
#20
○横尾国務大臣 ただいまのお話は、これもまた努力と言うと御要望を軽視するかのごとくお考えのようでありますが、決して私は軽視した意味において努力するということを申し上げておるのではないので、実際にこれに努力するということで御了承願いたいと思います。
#21
○福田(一)委員 通産省は、御存じのように産業行政一般についての行政事務を持つておられるのでありますが、産業の合理化ということは、通産行政の中でも最も重大な項目の一つであると考えるのであります。大臣はこれについて、どういうお考えでありますか。
#22
○横尾国務大臣 すべての産業について、ぜひ合理化をしなければならぬと思います。御存じの通り、わが国は戰争のあつたために企業の合理化及び整備等が中断しておりまして、また技術の進歩も中断しておりますので、すべてのことを考え合せまして、ただ機械を更新するということのみならず、設備の改善、技術の進歩その他すべてを総合いたしまして、ぜひ合理化を進めて行きたいと思うのであります。
#23
○福田(一)委員 ただいま大臣から設備の改善その他について、合理化えをはからなければならぬという御答弁でありまして、私も同感であります。この点から考えてみますと、日本産業の中で特に電気を必要とし、従来電気をたくさん使用しておる産業が多々あるのであります。しかもその産業は戰争前におきましては、自分で発電をいたしまして、それを使つて物を生産しておる。たとえば肥料のごときものはその例の最たるものでありましようが、そういうものがあります。こういうような産業といたしましては、電気は動力の中でも一番大事である。また生産コストの上でも相当な部分を占めますので、自分のところでつくつて自分のところでそれをうまく合理的に運営して、そうしてロスのないように使つて生産費を切下げるという努力をして来ておるのであります。ところが戰争前から電力の再編成が行われまして、そういうような自家用発電もほとんど全部、日本発送電あるいは配電会社に帰属しておるというような現状であります。私はこういう意味からいいまして、日本の産業を合理化して行くという面から見ましても、電気を最も必要とするような産業におきましては、発電から消費までを、そこの会社に全部持たしてしまう方が、合理的に仕事ができて、従つて生産コストの下ることも考えられると思うのであります。この法案の内容を見ましても、こういう面につきまして何らそういう意図が盛られておらない。どういうわけで拔けておるのかわかりませんが、おそらくそこまでは考えが及ばなかつたのではないかと私は考える。もししかりといたしますならば、通産行政の面から見まして、この法案を活用する意味合いにおいて、これらの点についてもひとつ十分研究して、そうしてこれを実現する方向に持つて行つていただきたいと思うのでありますが、これに対する大臣のお考えはいかがでありますか。
#24
○横尾国務大臣 これに対して……。ちよつと速記をとめてください。
#25
○中村委員長代理 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#26
○中村委員長代理 速記を始めてください。
#27
○福田(一)委員 次に伺いたいのは、従来公共団体が電気事業を営んでおつた場合がしばしばあつたのありますが、日本発送電ができましたために、こういうことをおやめになつた。ところが今後は新しく公共事業体が電気事業を営んでいいという規定がここにあるのでありますが、私はこの法文を活用されまして元電気事業を営んでおつたような公共団体が、電気事業をやりたいというような場合には、できるだけ便宜をはからい、なるべくこれを許可するようにして行くことが、法を生かし、民の意思を反映するゆえんであると考えるのでありますが、大臣はこれに対してどのようなお考えを持つておりますか。
#28
○横尾国務大臣 速記をとめてください。
#29
○中村委員長代理 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#30
○中村委員長代理 速記を始めてください。
#31
○福田(一)委員 今私は、物の配分の問題、事業の復元というか、今後新しく事業を行いたいというものを許してはどうかという意見を申し上げましたが、いま一つ追加してお聞きしたいことは、今度できる九つの新電力会社は、これは前にも増して非常な独占になるのであります。従つて私は非常に独占の弊害が出るおそれがあると思うのでありまして、この独占の弊害を除去するためには、公益事業委員会というものがあつても、われわれはよほど注意しなければならない。こういう意味からいつても、公共事業体が、一般の消費者に何らの支障なくその事業をやれる、あるいはかえつて公衆のためになるというような仕事の内容をもつて事業の認可を申請して来るような場合には、なるべくこれを許していただきたいと思う。これはちやんと法文にあるのでありますから、そういう意味で法を運用されるものと確信いたしておりますが、大臣はどのようなお考えでありますか。
#32
○横尾国務大臣 さように御了承を願つてけつこうであります。
#33
○福田(一)委員 まだいろいろと問題もありますが、大分時間もたちましたので、私の質問はこれで打切ります。
#34
○砂間委員 大臣に御質問したいと思いますが、まず第一に、今度の電気事業再編成の案は、これは集中排除法によつてなされたものと思うのです。しかし集排法の指定を受けた会社は、日発のほかにもたくさんある。そのたくさんある会社が、二百六十数社も指定を解除されているにもかかわらず、特に目発電気産業に対して分断を強行しなければならぬ、それもポ政令までかつぎ出して強行しなければならぬその理由というか、その事情はどこにあるか、それからひとつお伺いしたいと思います。
#35
○横尾国務大臣 集中排除法は、ほかにも解除されたところがあると私は考えますけれども、この電気事業に対しては、解除されなかつたのであります。その理由については、私からお答えすることはでき得ないのでございます。それからもう一つ、なぜこれを出したか、これは向うからの指令でありまするので、私からお答えいたしかねるのであります。
#36
○砂間委員 答弁ができないのではしかたありませんから、これはそのまま残します。今度の再編成令と公益事業令によりますと、再編成令の第一條に、「発電、送電及び配電を一貫して行う各独立の事業体制を確立して、公共の利益のために電気事業の再編成を行うことを目的とする。」公共の利益のためにやるのだということがうたわれております。それから公益事業令の第一條の目的を見ますと、「電気及びガスの料金を適正にし、その供給を豊富且つ円滑にし、」云々、それからその「電気及びガスの使用者の利益を確保すると共に、」こういうふうなことがうたつてあるのであります。
    〔中村委員長代理退席、委員長着席〕
 私は電気のことはしろうとでありますが、国民の代表として端的にお伺いしたいことは、この電気事業を九つにぶつた切ることによつて、電気が豊富になりますか。
#37
○横尾国務大臣 現在においては、現在とかわらないものと思います。
#38
○砂間委員 現在の瞬間においては現在とかわらない、そういたしますと、発電量はそう急にかわるわけはないと思います。これまでは全国日発一社でうまく融通してやつておつたが、今度はずたずたに分断しますと、その間の融通がはたしてうまく行くかどうか、この点はどうですか。
#39
○横尾国務大臣 現在一箇所でいろいろ指令をしておられると同様に、公益事業委員会においてやりますので、現在の方式と大して差はないと思います。それによつて現在より不便になるとは考えないのであります。
#40
○砂間委員 私はむしろそれが阻害されるのじやないかと思う。この点については、詳しいことを議論しておりますと、長くなりますから、ごく簡單に申しますが、せんだつての電気事業の審議会の答申を見ましても、本州及び九州における日発及び配電の二十三年度発受電実績を基本として分析すると、各社間の年間融通電力量の総計は四十九億キロワツト・アワーで、本州及び九州地区七社の発電端総需用電力量三百十一億キロワツト・アワーの一六%に当る。これを火力発電によつて補うとすれば、石炭四百九十万トン、百八十億円を消費しなければならない。こういうことになつておるのでありますが、二十三年度の融通電力量四十九億キロワツト・アワーのうち、発電所の運転周波数の切りかえ、すなわちサイクル変更を伴つたものは十億キロワツト・アワーであつた。分割後はサイクル変更を伴う電力融通は不可能となろう。残り三十九億キロワツト・アワーのうち、契約によつて融通し得ると見込まれるのは、十五億キロワツト・アワーにとどまり、結局三十四億キロワツト・アワーが融通不能となり、総需用電力量三百十一億キロワツト・アワーに対し、なお一一%の不足を生ずる。すなわち分断によつて融通が不円滑になつて一一%の不足を生ずる。こういうふうな答申が出ておるのであります。なお不足最大電力について見ましても、二十三年度の実績によつて分析すれば、本州及び九州地区各社間の融通最大電力は、総計九十万キロワツトであつて、総需用の二〇%に相当する。従つて電力融通が阻害された場合、九十万キロワツトの設備が不足することになり、これを補うため水力を開発するとすれば、約六百三十億円の建設費を必要とする。極力融通しても、六十六万キロワツトが融通不能となつて、総需用最大電力に対し一五%の不足となる。こういうことになつておつて、分断ずることによつて融通が非常に阻害される。そのために一〇%ないし一一%が非常に電力不足を来す。こういうことが、さんざん長いことかかつてあの審議会の答申案に出ておるのであります。これらの点を見ますと、分断することによつて電力の融通を円滑にして、豊富低廉なる電力を供給するという趣旨に反すると思うのでありますが、その点どうですか。
#41
○横尾国務大臣 お答えします。現在やつておるのは、現在もやはり九分割配電区でやつております。そうして一つで指令してやつております。今後は公益事業委員会で指令してやつて、現在と同じ機構によつてやりますので、分断したがために、一一%もロスがあるとは私は考えません。現在のものをうまく利用ができなかつたら、あるいはそういうことがあるかもしれませんけれども、そうは考えられませんが、詳細の数字につきましては資源庁長官から御返答いたします。
#42
○始関政府委員 ただいま御指摘のございました点は、再編成の実行の上の一番大きい問題といたしまして、非常に長い間審議をいたしたわけであります。技術的な点から融通が不能になるものがキロワツト・アワーで一一%というお話でありますが、私どもの方の見解といたしましては、この点は五%ないし六%であるというふうに考えておる次第であります。この融通の不円滑になります点を極力少くいたしますために、御承知のように潮流式によりまして、大きい消費地には地域外の電源を、関西で申しますれば百六万キロ・ワツト、関東では六十何万キロワツトをつけておる次第であります。そういうようにいたしまして、少くなりましたあとの相互の融通を極力円滑にするわけでございますが、これは六十サイクルの方は六十サイクル、五十サイクルの方は五十サイクルの各社の契約に基きましての給電操作の委員会のようなものを置きまして、これが公益事業の委員会の監督のもとに、できる限りただいまお話のありましたようなロスを少くするような方向に持つて参りたい、かように存じておる次第であります。
 なおこれは再編成によりまして、程度の見方はありますが、電力が豊富になるかどうかという点については、マイナスの面でございますが、ただいま御承知のように、配電関係、日発関係を合せまして、約三〇%というロスがございます。百万キロワツトの電気も、消費者のところに参りますときには七十万キロワツトになるのであります。しかもそのうちの六%ないし七%が專用でございます。どうして長い間こういう專用というようなことがそのまま放置されているかというような問題につきましては、現在の日発と九つの配電会社とが、形は十の会社でありますけれども、完全なプール計算が行われまして、経理的な独立採算制度、自主的な経営の体制ができていないという点が、何と申しましても根本的な問題であると考えるのでございます。そういうロスの減少というような点、その他の合理化が促進されるという面を考えますと、全体といたしましては電力は豊富になるということが言えると思うのであります。
 なお同時に電力の融通が一一%――私どもの見解では六%でございまして、見解の違いがございますが、これはまつたくロスになるというのではございません。それぞれのその地元におきましての利用はできるわけでございます。このロスも絶対的なロスではないということをつけ加えて申し上げたいと存ずる次第であります。
#43
○砂間委員 ただいま大臣の御答弁によりますと強力な権限を持つた公益事業委員会が調整して行くからいいというお話でありました。しかしそれだつたら何も別に分断する必要はない。それからまた始関資源庁長官の御説明によりますと、ロスについてはこれから大いにうまくやつて行くつもりだから豊富になる予定だというのですが、そういう技術上の操作は何も分断しなくても、今までのままだつてそれはできないことはないと思います。そういう点からすれば、分断を積極的にとなえる理由というものは私は何ら発見することができない。
 次に料金の点についてお伺いいたしますが、ここで休憩しであとで続けてもらいたいと思います。少し長くなりますから……。
#44
○小金委員長 ではしばらく休想いたします。
    午後二時四十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時四十一分開議
#45
○小金委員長 これより休憩前に引続き会議を開きます。砂間一良君。
#46
○砂間委員 大臣がお見えになりませんで、お見えになるまで少しほかのことからお尋ねいたします。
 まずお聞きしたいのは料金の点についてでありますが、豊富かつ低廉な電力を供給するということが公益事業令の中にうたつてありますが、低廉な電力を供給するということは、電気を安くしてくれるということだと思うのでありますが、九分割になりまして料金は安くなりますか。
#47
○首藤政府委員 御承知の通りただいまは安全な独占であります。同時に国家管理になつておりますので、いろいろの面において、事務の取扱いにおきましても、その他におきましても相当複雑な性格を帶びているわけであります。従つてこの過度経済力集中排除という目的は、なるべく競争させよう、そこに創意があり、努力があり、熱意がある、そしてそれを発展させようということが基本的目的になつているのであります。今度の九分割も完全な自由競争の面にマツチはしておりませんけれども、少くとも九つの会社ができます以上は、その間に相当営業成績を向上するとか、あるいは内部を合理化すること等、いろいろな面においていい競争が行われるであろうと想定されるのであります。従つてもしも事務の上におきましても、その他の資材の面におきましても、いろいろくふうが行われまして、今日よりも少い経費によつて経営ができはせぬか、またぜひともそういう面に指導して行かなければ相ならぬ、かように考えているのであります。従つて幸いにそういう面の合理化ができるならば、それだけ料金は低下いたすということになつて参るのであります。
#48
○砂間委員 そんなことは一つのりくつであります。きのうから政務次官も御説明になつておりますように、九つに分割いたしましても、それぞれの地区におきましてはやはり独占であります。地域におきましては供給区域を限定してあつて、そして二つ以上の会社に許さぬということがちやんと政令にうたつてある。その地域的な独占があるということは、せんだつて来政務次官も言うておられる通りであります。そうしてみますと、自由競争にして何とかかんとか言つておりますけれども、そんなことはただ言い訳にすぎない。実際におきましては、九つに分割することによつて地域的な料金のでこぼこというものが非常にはなはだしくなつて来ると思います。ということは、私くどくどしく資料について時間の関係もありますので申し上げませんけれども、あなた方のお調べになつたものに、資料としてはつきり出ておるではありませんか。そういう面からしますと、電力の供給も決して円滑にならない。それからまた料金の点についても一向安くならない。何のために分割をやろか、私どもにはわけがわからないのです。何かそういう点について、ひとつ国民にわかりやすく御説明があつたら伺いたと思います。
#49
○首藤政府委員 安くなるということが一片のりくつだという断定をされておりますけれども、これはお互いに想定だろうと私は考えるのであります。かくのごとき断定をするのは想定だと思います。同時にまたこの分割は御承知の通り独占禁止法によつて実行されているのでありまして、この法律を基礎としてどうしてもこの再編成をしなければならぬという事態になつていることを御了承願いたいと思います。
#50
○砂間委員 集中排除法によつてどうしてもやらなければならなかつたのなら、最初に指定した二百六十何会社をなぜ解除したのか。特に電気産業だけは、いろいろ見返り資金を出すの出さないのと、いやがらせをやつてみたり、あるいは電産の労働者の赤追放をやつたり、首切りをやつたりして、そうして急速にポツダム政令まで出してやらなければならぬという理由が、どうしても私どもには合点が行きません。
#51
○首藤政府委員 二百六十何社が解除されたということでありますが、これらが解除されたにもかかわらず日発だけが解除されないということは、結局日発の独占が最もはなはだしいということに結論がつけられると思います。
#52
○砂間委員 日発の独占がはなはだしいことは、私どもにはよくわかつております。たとえば電力の割当にいたしましても、大日電力に対する割当は優先的に非常に豊富にやつている。そうして小口電力、なかんずく電燈をつけている一般の消費者、需用家に対しては非常にきゆうくつにやつていることは、明らかであります。特に今度朝鮮事変が始まりまして以来、軍需産業だとか化学工業だとかいう職事準備の下請になるような工場に対しましては豊富な割当をやつておつて、下の方に対してはごくわずかしか割当てていない。そうしてそれをちよつと超過して使うと、ものすごい越過料金で罰金をとられる。これでは実際にやつて行けない。しかも料金にいたしましても、大口料金に対しましては、二十万キロワツト以上の需用家に対しましては、水力において五十八、九銭という安いもので供給している。これは生産原価を割つているような安い値段で供給しているが、一般の者に対しては非常に高い値段でやつているのです。割当にしましてもそういうふうなえこひいきをやつている。そうして大多数の一般国民、特に勤労階級をしぼり上げて、もうかつた分をあの軍需工業や化学産業という方面に豊富に安くやつている。こういうことはこれまで日発がやつて来たことです。そういう独占のかつて気ままな横暴なやり方を改めて、もつと民主的に電力の供給や料金制度ができるようにするのが民主化の線に沿つた本来の行き方だと思います。それを今度の九分割によつて、あべこべに、さらに独占を強化して行くようなやり方をやつているのが、この割当料金のやり方ではないか。そういう点からすると、今度の九分割という行き方は、民主化の線に逆行する行き方である。独占を強化して行く行き方があると思う。そういう結果になると思うのですが、その点については政府はどういうふうにお考えになつておりますか。
#53
○首藤政府委員 電力の供給面において、さらに料金の面において、各産業の面と個人の面に非常なアンバランスがあるという御指摘であります。その通りであるのであります。しかしながら豊富でありまして、万人の所要するだけの供給力があれば、少くとも供給量の面におきましては、御指摘のようなことはないのでありますけれども、すでに御承知の通り現在におきましては需給面に非常なアンバランスがありまして、供給が非常に不足しておるのであります。従つてどうしても国家目的を遂行する面に重点を置き、個人の目的は従たる立場に置かなければ相ならぬのであります。かくする方が国家経済の発展、端的に言えば自立経済を完成いたし国家の治安を確保するという面の目的を遂行する上において適切な措置だ、かような信念のもとにこういう割当をいたしておるのであります。同時に料金の問題でありまするが、これも大企業体に一気にたくさんの電力を流すのとわずかの電力を各個々に流すのとにおきましては、すでにコストが違うのであります。設備その他におきましても非常にコストが違つて来るのであります。従つて結果においてこういうことになつておりまするが、しかしながら御指摘の通りこういう事態をいつまでも放任するということは遺憾でありまするから、すでに御承知の通りあらゆる努力を払つて電源の開発に邁進いたしておる。さらに積極的に新しいところの調査もいたしまして、できる限りすみやかに需用とマツチするだけの電力を確保いたしたい。この点に精進しておることは御承知の通りであります。これが完成いたしますれば、今御指摘のような事態は完全に払拭ができることに相なつて来るのであります。
#54
○砂間委員 電力の供給が不足しておることは私どもも承知いたしております。しかしこれまで日発は数百億の資金を投じながらサボつておつた。あるいは不正や賄賂をやつたり、いろんな工事をごまかしたりして、サボつておつたという点が非常に大きい。しかしともかく不足しておる点はわかつておりますが、不足しておるについて、少いなら少いなりに何も小口の消費者だけを犠牲にする必要はない。大資本家だけを擁護するというそういう行き方、そういう信念こそが大資本家本位、独占資本本位の考え方だと思うのです。ともかくこの点につきましてはいろいろ問題がありますけれども、時間の関係がありますのでこのくらいにしまして、今大臣がお見えになりましたので、ほかの問題についてお尋ねいたしたい。
 まず第一にお尋ねいたしたいことは、これは再編成令の附則の六以下にも、出ておりますが、なお公益事業令の方にもいろいろな條文が出ております。再編成令の附則の六に「指定会社の財産であつて工場財団に属するものは、電気事業法(昭和六年法律第六十一号)及び電力管理に伴う社債処理に関する法律の廃止又は新会社に対する出資若しくは譲渡の後といえども、なお原財団に属するものとし、原財団は、当該財団上に存する抵当権の消滅の後といえども、なお存続するものとする。」以下これに関連した問題がありますが、これに関連して私がお尋ねしたい点は、外貨債の処理の問題であります。まず最初にお尋ねしたい点は、この電力事業に対する外貨債はどのくらい残つていて、どういうふうになつておるかという事情からひとつ御説明願いたいと思います。
#55
○横尾国務大臣 数字のことでありますから、資源庁次長から御説明いたします。
#56
○岡田説明員 電力事業に対しまする外債は大正十二年に東京電燈が三十万ポンドの外債に成功して以来、逐次各社におきまして外債を募集することに成功いたしたのでありますが、その会社は大体東邦電力、日本電力、大同電力、旧情趣電気、東京電燈等でありますが、昭和十八年に外債処理の法律が出まして、それによつて一応いろいろの手で処理いたしたのでありますが、現在のところ残つておりまするのは、ドルの関係におきやして、二千四百五十三万五千五百ドル、ポンドにおきまして三百万七千六百ポンド程度でありまして、円価に換算いたしますと再十八億六千四百五十一万なにがしであります。
#57
○砂間委員 そんな数字は私の方でも調べて一応わかつております。問題は昭和十八年の一月の議会で、外貨債処理法案が通過しまして、政府がそれを承継したことになつておるわけなのであります。ところがこれは日本の方で一方的に処理したことでありまして、外貨債の約款には、債権債務関係の変更は必ず主務大臣の承諾を得ることになつておるのでありまして、これが今外国の債権者との関係においてどういうことになつておるか。特に日発の工場財団の抵当権等がどういうことになつておるのか、こういう点をお尋ねしたいわけなのです。
#58
○岡田説明員 この十八年の外債処理法によりまして、ます本邦人その他友好国人の持つておりますところの外債は、本邦債に借りかえましたし、発行会社の所持しておりましたものは自己償却いたしました。その他のものは御承知の通り、政府が元利の支払い義務を承継いたしたのであります。そして現在に及んでおるわけなのでありまして、今後外資の導入を促進するためにも、この旧外債の債権者の安心を請う必要がございますので、目下寄り寄りと外債をいかに処理すべきかということについて、関係方面と協議して、最も妥当な案を立案いたしたいと準備中であります。
#59
○砂間委員 先ほど読み上げました外貨債処理法案によつて、政府承継の米英貨債の物上担保その他の原契約の効力は、元利支払い義務を除くほかこれを消滅させたことになつておるのであります。外国の社債権者の原財団に対する担保権というものは消滅して、政府に肩がわりしておるものか、それとも生きておるものかどうかいう点であります。その点ひとつはつきりさせていただきたい。
#60
○始関説明員 担保権だけは現在生きておるのでございまして、それを再編成後においても生かしておこうというのがこの附則の第六項の趣旨であります。
#61
○砂間委員 そういたしますと、日発法ができるときに、全国の電気事業を一社にしまして、そうして外貨債等も一まとめにして政府が肩がわりするということになつたのであります。ところが外国の社債権者の原財団に対する担保権は生きておるということになりますと、今度それを九つに割つたときに、外国の社債権者の債権というものは、分断した個々の会社に対しましてどういうことになるのですか。
#62
○始関説明員 ただいまは政府に肩がわりしておりまして、これは外国の債権者から必ずしも正式な承認を受ける段階に至つておりませんけれども、なおそれにつきまして別段の普情もございません。現在までのところはそういう中途半端な状態で経過をしております。この問題を先ほども申し上げましたような趣旨で、つまり今後の外資導入その他の見地からどういうふうに処置するのが一番妥当であるか、国家に肩がわりのままで行くか、あるいはただいま御指摘のように九つの会社にわけまして、もう一ぺん整理をして参りますと、いろいろめんどうな問題はあろうかと存じますが、そういう跡始末の問題はすべてこれから研究して参る。その問題を講和條約の前にやるがいいかどうかという点もあわせて考究いたしたいというふうに考えておる次第であります。
 それから先ほど担保権だけは生きておると申し上げましたが、これは私の間違いでございまして、国家に肩がわりいたしましたので、担保権は消滅いたしております。ただ原財団だけはそのまま残るということに、この規定がなつておるのであります。もし将来電力会社の方にもう一ぺん逆に肩がわりするということになりますれば、この原財団が担保権として復活して参る、かように存じております。
#63
○砂間委員 跡始末の問題だから、これからぼつぼつ研究してなどと言つておられますけれども、跡始末の問題ではない、先始末しなければならぬ問題だと私は思います。大体これが生きるのやら生きないのやらわからない、政府が肩がわりしてやつて行くのやら、新らしくできた個々の会社が負担するのやらわからぬ、そういうことで九つの会社に割つてしまつて、あとの会社が今後やつて行くときに、途中でなくなつて死んだと思つておつたものが、ぱつと生き返つて来て、外国の社債権者が生きたから、さあお前のところを取立てるぞということになつて、社債が株式に乗りかえてやつて来た、そのときに外貨債がたくさんぶつかかつて来たところの会社はまるで外国の社債権者に乗つ取られたような形が出て来ると思う。この問題を先に解決しないでおいて、跡始末の問題だから、これからあとでぼつぼつ研究して行きましようというようなことでこの問題を処理するということは、私はとんでもない政府の怠慢だと思う。この外貨債処理についての見通しをもつとはつきりここで言うてもらいたい、これは大臣に聞きたい、大臣の責任ある答弁を求めます。
#64
○横尾国務大臣 今長官が言われる通りに、今後の外債募集に対して非常に影響がありますから、外債募集に対しましても好影響を與えるような方向にこれを処理して行くことを考究中でございます。
#65
○砂間委員 そんななまぬるい漠然とした人を食つたような、雲をつかむような答弁では、答弁になつておりません。政府は委員会に臨む以上は、もつとはつきりした態度で誠意をもつて国民に納得の行くように説明してもらいたいと思う。これは單に共産党の一議員が質問するだけではなくて、八千万の日本国民がこの処理の成行きについては重大なる関心を持つておるのです。これは單に一般の消費者ばかりではなくて、電気事業をやつておる人でも重大な関心を持つておると私は思う。それについて政府がはつきりとした見通しを立てなくて、またその意見も述べ得ないなんて、そんな情ないでたらめな大臣がありますか。
#66
○首藤政府委員 ただいま大臣からお答えをいたした通りで、今後の外資の導入上になるべく安心を與えるという方針で進んでおるのでありますが、もう少し具体的に申し上げますれば、先ほど申し上げましたごとく、昭和十八年において、それまでの外債は全部一応政府が肩がわりしておるのであります。従つてかりに債権者の立場になりましても、現在のごとく政治の不安のあります場合に、しかも個々の会社が分割されようとする場合において、政府が肩がわりしておるが安心か、各会社の持つておることが安心かということを考えたならば、当然政府の肩がわりしたことに安心感を多分に持つであろうことは想像できるのであります。従つて政府は現在社債の債権者と交渉しておるのでありますが、これは近く完全に政府に肩がわりしておる、政府の債務として了解ができると確信いたしておるのであります。しかしてかように各会社の担保権というものは一応なくなつておりますから、これらの既設の発電所と、さらに新しくできる工作物を担保といたしまして、新たな外債を募集いたしたい、かように考えておるのであります。
#67
○砂間委員 政府の答弁は一向要領を得ませんけれども、どうもいくら聞いてもわけがわからぬようでありますから、これくらいにしておきます。
 なおこれに関連しましてお伺いしたい点は、見返り資金です。見返り資金は相当莫大な金額が日発に出ておるわけです。日発が九つに分断されたとき、その見返り資金の負担区分というものはどういうふうになるか、まずその点をお伺いしたい。
#68
○横尾国務大臣 これは当然見返り資金を借りてつくつた電源の帰属するところに行くものと思いますが、公益事業委員会で資産の評價、分配等についてきめるようになりますので、それも同時にきめるものと思います。
#69
○砂間委員 まあ発電所なんかですと、どこの発電所に幾ら見返り資金をやつたからというので、その発電所が帰属する会社に背負わせるというこもできると思いますが、たとえば送電線みたいなものはどういうふうになりますか。
#70
○横尾国務大臣 送電線もきまりますので、それによつて決定したいと思います。
#71
○砂間委員 そうしますと公益事業委員会に非常に大きな権限が付與されることになるわけでありますが、公益事業委員会で、どうもあすこのところは気に食わぬから余分に背負わせてやれというような形で、非常にその処理が不安になると私は思うのです。それはそれとしましても、大体見返り資金というものの性質は、この間からお聞きしておりますように、これは日本の金ではあるけれども、向う様が管理しておつて、一銭一厘たりともなかなか自由にならぬ、そういう性質の金であります。そういう性質の金を日本の電気事業に投資して、これが個々の会社にどう配分されるかわからぬ。配分された後に、これを返済するときになつて、もし返済できないということになれば、今度見返り資金が生き返つて来て、外債と同じように、九つにぶつた切られた日本の電気会社に対して、非常な支配権というか、発言権を持つことが私は近き将来必ず来ると思う。そういう点に対して政府は日本の電気事業を守るために、日本の民族的利益を擁護するために、どういうふうな保障を考えておられるか。
#72
○横尾国務大臣 私は今のお話のようなことは考えておりませんので、これは先刻申し上げましたように、新しくできます会社が負担し、償却し得るものなりと考えるのでございます。
#73
○砂間委員 そういう点について政府は一つの見通しというか、考えを持つておると私は思うのです。持つておるだろうけれども、それを言わないでみなごまかしておる。こういう行き方は私はほんとうの民主主義ではないと思う。横尾通産大臣だつて私は日本人だと思うから、腹を打ち割つてここで相談して、どうしたら日本の国のためになるか、どうしたら日本の電気事業を守ることができるかということを、もつと日本人の感情と心臓をもつて私は考えてもらいたいと思う。そういうふうな、まるで雲をつかむようないいかげんなことを言つて国会というものをごまかして――きようも本会議で国会審議権尊重ということの決議案が論議されましたけれども、今の政府委員の説明というか、答弁は何か奥歯に物がはさまつたようで、陰で秘密取引をやつておるような感じを国民に抱かせるということは私どもは遺憾にたえない。しかしそれ以上言わないとなれば、それはそれくらいで打切ります。
 次に、公益事業委員会が、この間から論議されておりますように、非常に大きな権限を持つておるということであります。その権限の一つについてめんどうくさいから一々あげませんけれども、非常に大きな権限を持つてこの公益委員会の委員の任命について、政府が第七国会に提案したときには、この委員の任命は総理大臣がするけれども、衆参両院の承認を得るということがありました。ところが、今度の政令によりますと、その承認を得るというのを削つてしまつた。その上特定行為の禁止條項等にしましても、あそこの第何條かにあげてあるあの制限を一年間とか二年間とか停止するということにしておる。大体この電気事業を分断するについて、公益委員会の一番大きな仕事は最初の一年か二年で終つてしまうと私は思う。あとはごく簡單になつてしまうのです。最初の再編成、電源の帰属はどこに行くか、電源の割当にしろ、いろいろの規則をつくるにしろ、こういうような重大なことを決定するその公益事業委員会の委員の任命を、吉田総理大臣が白たびをはいて一人で任命できるようなことにしてしまつて、そうして国民の代表たる国会の承認すらも得ない、こういう專制的、独裁的にしたその理由はどこにあるか。
#74
○横尾国務大臣 これは向うから来ました書簡に付属した書類にそうなつておりますので、この理由について私から御説明はいたしかねます。かつまた申し上げておきます。重大なる委員でありますがゆえに、愼重なる考慮を払いまして、最も公平なる、最もいい方を選ぶつもりでおりますので、不公平があるかその他のことに対しての御懸念はどうかお取去りを願いたいと思うのであります。
#75
○砂間委員 向うから来たのだからしようがない、こういう形でいつでも逃げる。これこそ袞龍の袖にかくれるという行き方だと思う。少くとも日本の通産行政をあづかる横尾通産大臣は、そういう政令で向うから言つて来たかもしれませんが、そういうやり方が民主的でいいかどうか、通産大臣の所信、信念を伺いたい。
#76
○横尾国務大臣 そのことに関しましては私は御答弁いたしかねます。
#77
○砂間委員 答弁しないというのはずいぶん国会をばかにしたものだと思う。自分の意見はいくらでも述べることができると思うのです。政令でこういうようにしてやれと言つたから、それはしかたがないから、占領下だからやる。やるけれどもこれが日本のためになるかならぬか、民主化の線に沿つておるかどうか、その個人の意見を国会で述べられない、そんなことはないよ。しかし述べられないのならしようがない。それだつたら次に行きます。
 今度は小さな問題でありますが、公益事業令の五十三條によりますと、公益事業者は、正当な事由があるのでなければ、何人に対しても、電気又はガスの供給を拒んではならない。」こういうことになつております。そうすると正当な事由があれば電気またはガスの供給を拒んでもいいということになると思いますが、この正当なる事由とはどういうことですか。
#78
○横尾国務大臣 供給する必要がないと認められるものは正当なる理由の一つだと思います。
#79
○砂間委員 先ほども申しましたように、電気の割当と料金が一般の勤労大衆に対しては非常に苛酷であります。これは大口の特定の大資本家の業者をもうけさせるためにずいぶんえこひいきなでたらめをやつておる。一般の人、小品の消費者、需要家なんかは割当が少くて、ちよつと超過すると目の玉の飛び出るような超過料金をかけられるものですから、この料金が払えないでいる。そうしたしときに、最近あちこちでやつておるのですが、日発の会社の方からやつて来て、どんどんぶつた切る。公益事業である以上、私は主食にひとしいこの電氣を切つてしまつてまつ暗やみにするということはとほうもないことだと思いますが、こういうことはここでは是認されておるのですか。
#80
○横尾国務大臣 私らが物を買いますときに、たくさん買うときと少く買うときでは、やはりそれぞれ値段に多少の差があると思います。同様に大口需用者にはまとまつて賣りますので、わずかのものをたくさん合せますよりも、私は安く供給しても、これは不公平ではないと考えております。またあなたの考え方と私の考え方とは違いましようが、私はそういうふうに考えるのでございます。それから今のお話で、料金を払わなかつたらすぐ切るというようなことをおつしやるけれども、われわれの聞いておりますところでは、やはり何べんも足を運んで、しかる後払わなかつたときには切るということであります。あるいはこれは私の聞き違いかもしれませんが、私も今まで、そのように聞いて、そのように信じておるものです。われわれも現にそのようにやつて来ておるものであります。
#81
○砂間委員 この点は小さな問題ですから大臣でなくてもよろしいが、事実切つておるのです。今電氣は主食と同じように非常に重要なことになつておるのですが、貧乏人の家で、赤ん坊があつておつぱいを夜中にやるにしても、まつ暗やみではやることができない。そういうときに、一燈も残さずに切つてしまつてまつ暗やみにする、こういうことが今の電氣事業規則できまつておるのですか。私どもが聞いておるところによると、保安燈とかなんとかいうのを一燈ぐらい残しておくということが建前になつておると思うのですが、それを全部切つてしまつて、まつ暗やみにしておる、こういうことをどんどんやつておるのです。こういうことも政府は是認されておるのですか。
#82
○首藤政府委員 物を買いますのに、対価を払わないで持つて帰つていいかどうかということと同意見だと思うのであります。なるほど主食と同一な重要性を持つておりますけれども、それだからといつて、代償を払わないで電力をほしいままにするということは断じて許されないと思うのであります。しかもただいま大臣から申し上げましたごとく、何回も催足をして、あらゆる方法を講じて請求しておるにもかかわらず、なおかつ支払わないということは、結局無償で物を持つて帰つたと同一の結果だと考えるのであります。当然そういう者に対しては送電を停止しなければならぬのであります。
#83
○砂間委員 憲法には国民は生きる権利がある。健康にして文化的な生活を営む権利があるということが書いてある。それを、とほうもない料金を独占企業がかつてにきめておいて、それを払わないからといつて、一定の期間がたつたらずたずた切つてしまうというような横暴なことは、私は許されないと思うのであります。資本主義の世の中で金銭売買であるからといつて一箇月や二箇月滯納したからといつて、すぐ切るというような苛酷なやり方は、これは、人間のやるべきことではないと思います。
 なおこの料金の点についてお伺いしたいのですが、あの準駐軍の電氣の料金は日本人の料金と同じように取立てておられるのですか。
#84
○首藤政府委員 同様であります。
#85
○砂間委員 私どもが聞いたところによりますと、これは何でしたら証拠を出してもいいのですけれども、進駐軍の方も割当があるそうでありますが、それを超過していくら使つてもその超過料金は九割までは水力の料金でとつておるということを聞いております。こういうことは違法ではありませんか。またこういうことがあるということを知つていて、監督官庁であるところの通産省は黙過されておるのですか。
#86
○首藤政府委員 先般も申し上げましたが、日本の現在の段階は占領されておるのであります。従つて総司令部の方からかくかくしろという命令が来ますれば、その通り忠実に守らなければならぬということを御承知願います。
#87
○砂間委員 占領下に置かれておるからといつて、電気の供給に対してその代価を払うということは商行為だと思う。そうすると占領下にあるならば、もう法律も何もめちやくちやであつて、何でもやりたいことはかつてにやつていいということを、日本政府は是認されておるのですか。私はたとい占領下であるといつても、あのポツダム宣言を受諾したときには、一定の條件があつた。そういうむちやくちやな、何でもかんでもやつていいということは許されてはおらないと思いますが、その点について今政務次官はそういうふうな答弁をされましたけれども、大臣はどういうふうに考えておられますか。
#88
○横尾国務大臣 政務次官の答弁の通りでございます。
#89
○砂間委員 そういうことになりますと、これは言い過ぎかもしれませんが、切捨て御免であつて、氣に入らなかつたらどういうことをしてもいいということになつたら、日本政府としてどうすることもできない、こういう情ない状態になつておるんですか。大臣のはつきりした答弁を聞きたい。
#90
○首藤政府委員 先ほど申し上げましたごとく、占領されておる国でありますから、占領軍の命令は忠実に守らなければならぬ義務を持つておるのであります。しかしながら占領軍はただいま御指摘のような不法な考えは毫末も持つていない、日本を一日も早く発展させよう、独立させようということを目的としてあらゆる施策をしておるのであります。
#91
○砂間委員 みな神様かなんぞのようにりつぱな人間であつたら、今首藤政務次官の言われたことで私どもは納得できる。しかし進駐軍といえども数多くの人の中には、必ずしもそういう神様ばかりはいない。その中にはいろいろなことを私どもは聞いております。その場合にそういう違法行為があつても、日本政府はこれを看過するのか。大臣の答弁を求める。
#92
○小金委員長 ちよつと御注意申し上げますが、電力事業再編成と公益事業を中心にした質問を願いたい。今あなたのいわれるのは、これに関係のないことを議題にしておられますので、それから枝葉が咲いて行くと困りますから料金のことを中心にやつてもらいたい。
#93
○始関政府委員 進駐軍の需用の電力につきましては、ただいまお話の使用の実績の一割が高い超過料金になつておりまして、これは大体家庭料金の平均超過率とほぼ似たものだと思います。なお日本の行為ではございませんので、電氣の料金制度におきましてそういう特例を設けておる次第でございます。
#94
○砂間委員 そういう特例を認めるのなら、私のうちの電氣にもそういう特例を設けてもらいたい。進駐軍だからといつて、そんな特例を設ける必要はない。これは日本人と同じ商行為だから、これは平等にやつてしかるべきである。
 その次にもう一つお伺いしたいことは、従業員の問題についてであります。これはきのう福田君、今澄君、その他からいろいろ質問されておりますけれども、九つに分割されれば、当然団体協約等も新たに締結をしなければならぬということになります。そういう場合に、たとえば従業員の退職金というようなものは勤続年数に応じて幾らだという規定があると思いますが、新会社ととなつた場合に、その前の団体協約をそのまま実質的に継続して行くような形で労働者の権利というものを保護してくれますか。そういう保障がありますか。
#95
○始関政府委員 公益事業令の規定その他におきましては、ただいまお話のような点につきましての保障はございません。ただ実際上今後の問題といたしましては、新たな電力会社と労働組合との間において御趣旨のような点について協議が行われまして妥当な解決点に到達するだろうと考えております。
#96
○砂間委員 これまでの政府のやり方を見ると、労働者の権利を守るということは何も考慮しておらない。これからぼつぼつ公益事業委員会がやるだろうというようなことでは、労働者の立場からいつてまつたく不安でたまらない。さつき言われておるように、九つに分割して、電気事業の合理化をこれからじりじりやるということになれば当然大量の首切りとかあるいは配置転換とか、労働強化ということが行われて来ると思う。すでに配置転換が行われておる。たとえば九州や、名港の発電所などから配置転換になつておるものがぽつぽつ出て来ております。労働者の反攻をあらかじめ除くために、電産の首切り、レツド・パージをやつて、労働組合を民同のもとに骨拔きにするということが系統的に行われつている。そうして組合を弱めておいて、九つに分断したら徹底的な首切り合理化をやつて、労働條件を下げて行こうというのが九分断の一つのねらいになつておる。そういう労働者に対するいろいろの保護規定を何らあらかじめ考慮されておらないということは、重大な欠陥だと思う。これについて何も考えていないで、これから公益事業委員会にまかせてぼつぼつ考慮してもらうというようなことでは、とても労働者は納得ができないと思う。こういう点について大臣はひとつしつかりした腹をすえて、もう一度はつきりした答弁をここでしてもらいたい。
#97
○横尾国務大臣 ただいま長官から御返答いたしました通り、これは労働者と事業者との団体交渉によることでありますから、ここで私の希望は申し述べられますけれども、これはこうすべきものなりと示唆することは、労働組合の団体交渉権を限定することになりますので、私はここでは申し上げないことにいたします。
#98
○砂間委員 そうであればあるほど、公益事業委員会の構成ということは非常に重要な問題になつて来る。この場合公益事業委員は吉田茂君が任命することになつておりますが、労働組合の代表を一人参加さしてもらいたい。そうでなかつたら、あの日発の総裁とかなんとか、ああいう連中ばかりがやつて来たら、これはいいように労働者は徹底的にしぼられて、首切りだけしかやらぬから、どうかこの公益事業委員会の中に労働者の代表を一名加えてもらうように強く要望しておきます。
 まだまだいろいろ個々の点についてお聞きしたい点がありますけれども、一人で時間をとつては何でしようから、大体この辺で打切りたいと思うのですが、最後にお尋ねしておきたい点は、きのうから問題になつておるマ元帥の書簡をだれがとりに行つたかということ、これはきのうも今澄君がお尋ねしたのでありますが、首藤政務次官は知らないというお話でありました。しかし少くとも日本の通産行政の責任者であるところの大臣は、だれがあの書簡をもらつて来たかということくらいはお聞きになつておる、そうしてその書簡の内容も見ておられると思うのでありますが、その書簡を吉田総理のところへ持つて来られた人はだれであるか。はたして白洲次郎氏であるか。その書簡の内容について知つておられることを御発表願いたい。
#99
○横尾国務大臣 私は二十二日の午後五時外務省官邸に参りまして、こういう書簡が来ておるということでありますので、だれがとりに行きましたか――まさか白洲さんがおとりにおいでになつたとは信ぜられないのであります。ことにまた書面の内容は、私不幸にして英語があまりうまくないので、長官からこういう書類が来たということを聞いて、それによつて処分したのであります。さように御了承願います。
#100
○砂間委員 とにかく今度の電気事業の分断計画というものは、私どもは電気事業を大いに民主化するという趣旨には賛成でありますが、決して民主化の線に沿つておらない、九つに分断することによつてかえつて惡くなるようなことになる。しかも外貨債や見返り資金が将来どういうふうに落ちつくかということによつては、日本の電気事業に対する外国資本の支配力というものが非常に強化されることは明らかな事実だと思います。すでにそれが電力料金のあのややこしい地域差の面にも現われておる。去年の冬は全国の猛烈な反対によつてその実施が延期されましたが、今年は九月十八日のマーカツト・メモランダムによつて十一月から強行されるということになつておりまして、その割当あるいは料金制度などを通じて、徹底的に外国資本が日本の産業を下請けにし、軍事的に再編成するに都合のよいようにするために支配権を確立する、そういう方向に持ち来されておる。そうしてその一番の大もとであるところの公益事業委員会なるものはまるで国会の関與できないような総理府の外局として、その委員の任命は吉田総理がするという形になつておりますが、そういう形をつくつておいて、どこかの偉い人が有力な発言をして公益事業委員会を指図できる、こういう仕組みになつております。こういう案は私ども日本国民としては徹頭徹尾賛成でき得ないのでありまして、政令が出たからしかたがないと申しておられますが、しかしこれは日本政府として、こういう状態になることが今後の運営によつてはつきりするならば、これは総司令部であろうがどこであろうがひとつ強腰になつて十分ふんどしを締めて、日本国民の利益を代表するために闘つてもらいたいということを強く要望いたして、私の質問を一応終ります。
#101
○小金委員長 次は多武良哲三君。
#102
○多武良委員 一昨日来同僚委員から種々質問が行われましたので、大体の見当はついて来たのでありますが、公益事業委員会につきまして二、三御質問いたしたいと思います。
 電気ガス事業の将来に大きな役割をなすところの公益事業委員会がつかさどる事務あるいは権限、これは国民が大いに関心を持つておるところと存じます。砂間君はめんどうくさいから、これは質問しないと申しましたが、私はこの事業令の第四條並びに第五條の数点につきまして御質問したいと思います。
 まず第一に、第四條に「電気及びガスの料金を適正すること。」ということになつておりますが、電気料金の決定は、先般大臣からも御説明がありましたが、大体純然たる原価主義を採用すべきであるということは了承できるのでありますが、ガスの料金はコークスその他の副産物の価格によりまして署しく影響を受けますから、必ずしも純然たる原価主義を採用することは困難じやないかと思いますが、この二つの異なつた料金を適正にすることは相当めんどうな仕事でありまして、これをどういうふうにして政府は解決して行かれるか、適正な料金とはどんなものであるかということを御説明願いたいと思います。
#103
○首藤政府委員 ただいまの御質問の中に原価主義ということを言われましたが、もちろん原価を基本としなければ適正な価格は出ないのであります。しかしながらガスのごとく、コークスその他の副産物が出る業種につきましては、ただガスだけの原価主義をとるのではないのでありまして、コークスその他の副産物を全部一応取入れまして、そうしてどの点に価格を置くことが適切であるかということの選定が行われると考えておるのであります。
#104
○多武良委員 次に第二項と第三項でありますが、公益事業の経理及び会計を適正にするということと、公益事業の運営を調整することと別々に記載されておりますが、これは同じように解釈されるのでありますが、そこにどういう意味の違いがあるのか、これをひとつお伺いいたします。
#105
○首藤政府委員 これは別に明記する必要はなかつたかもしれませんが、一応経理会計と運営ということを別に考えてこういうふうに別個にして来たと考えるのであります。ほかに特殊な理由はないのであります。
#106
○多武良委員 これには「公益事業の運営を調整し、」というふうに書いてありまして、従来電力局が行つておりましたところのコントロールとは意味を異にしておるし、私は解釈いたしております。そこでこの委員会が当然規則をつくるのでありますが、その規則の調整という意味が、コントロールと間違えられるような規則がつくられると困るのでありますが、そういう点政府はどういうふうに考えておられますか。
#107
○首藤政府委員 この場合の調整ということは、大体合理的に経営させるということを主として考えておると御了解を願いたいと思います。
#108
○多武良委員 そうすると調整するということと、従来コントロールしたいうことと意味が全然違うことになりますか。
#109
○首藤政府委員 そうです。
#110
○多武良委員 それでは第五條の委員会の権限について、いろいろとここに記載されておりますが、第二項に收入金を徴收し、所掌事務の送行に必要な支拂をすること。」というふうになつておりますが、この收入金とはどういうものを予想しておるかお伺いいたしたいと思います。
#111
○始関政府委員 公益事業委員会の收入金といたしましては、特にめぼしいもので予想いたしておるものはないと思うのでありますが、ただ各省その他政府機関の所掌権限事項を規定いたします場合には、明文的に大体こういうものが全部入つておるのであります。たとえば屑紙などがたくさんありますが、そういうものを売り払つた場合、そのほかこまかい事例があると思います。そのように御了承を願います。
#112
○多武良委員 次に第九項に「所掌事務に関する統計及び調査資料を作成し、頒布し、及び刊行すること。」というふうになつておりますが、刊行物とはどんなもので、これは一般に販売する目的でつくられるのか、あるいはまた無料配布を原則として考えておられるのか、お伺いいたしたいと思いましす。
#113
○始関政府委員 公益事業委員会は政府機関でございますので、大体におきまして無料配布が原則になるというふうに存じております。それからこれはどういうものかという点でありますが、主として国内の電源、あるいは電気事業に関する諸般の調査、あるいは国外の電力調査なり、あるいはガスに関する同様の調査が予想されると思います。
#114
○多武良委員 次に第十四項でありますが、所掌事務に係る公益法人その他の団体につき、許可又は認可をすること。」というふうになつておりますが、公益法人その他の団体」とはどういうものであるか。たとえば電気協会とか、ガス協会とかそういうものもやはり「その他の団体」に含まれるかどうか、お伺いいたします。
#115
○始関政府委員 ただいま御指摘の通りでございまして、民法上の団体がこれに入るのでありまして、ガス協会、あるいは電気協会は当然入ります。
#116
○多武良委員 次に第十七項「公益事業の会計についての基準を定め、資産の価額を査定し、」云々とありますが、会計基準とはいかなるものでありますか、また資産の価額を査定する方法はどのようにするのでありますか、ひとつ具体的に御説明を承りたいと思います。
#117
○始関政府委員 会計につきまして、基準を定めるのでございますが、これは料金算定の基礎にいたしますために、九つの電力会社につきまして会計の監査をいたしますが、そういう場合におきまして、一定の基準によりまして、各会社共通の方式で会計ができておりませんと、調査上、あるいは監督上不便でございますので、そういう意味における基準を定めるわけでございます。それから資産の価額につきましては取得価額を基礎にいたしまして、それから減価償却を差引くというようなことに、大づかみに言いますと、相なると思いますが、いずれも詳しくは公益事業委員会の方で具体的に決定するということに相なつております。
#118
○多武良委員 次にガス事業におきまして二、三政府の御見解を承りたいと存じます。すなわちガス事業は電気事業と事業の性格及び事業施設の規模におきまして著しく相違をいたしております。従業員、役職員、十数名というような、小さな規模のものから、数千人という大規模なものまで合せて、全国にガズ会社は約七十社ほどあると承つておりますが、これを電気事業のような大規模のものと同一に取扱うことは、ちよつとむりじやないかと思います。この点につきまして業者も非常に心配しておる節もありまして、公益事業委員会にガス部とか、ガス課というようなものを特別に設けるお考えがあるかどうか、承りたいと思います。
#119
○始関政府委員 御指摘の点はごもつともでございまして、これは公益事業委員会がきめるわけでございますけれども、ガス部、あるいはガス課というような特別な担当部課ができますように事務の引継ぎのときに、さようにはからいたいと思います。
#120
○多武良委員 次にこの政令はどうもガスの方が電気の方と比較しまして軽視されがちでありますが、事業者にとりましては非常に心配な点がたくさんありますので、二、三その心配の点を申し上げまして、政府から善処していただくように希望を申し上げます。さらにまたガス事業は乾溜工業でありますから、当然種々の関連事業がございます。従つて公益事業以外の事業を営むことについて十分な御理解をとつていただきたいと思います。さらにまたガス事業は公益事業でありますから、導管の敷設等のための道路使用料について妥当な決定がされるように、公益事業委員会におきまして御配慮をしていただきたいと思います。また従来公共団体との間に締結された報償契約は、必ずしも合理的な條項のみではなかつたと思いますが、将来はこの種の報償契約締結の際、公益事業委員会が合理化に努力していただきたいと希望するのでありますが、これらにつきまして政府はどのように現在考えておられるか、また多少具体的な御所見がありましたら、お伺いいたしたいと思います。
#121
○始関政府委員 ガス事業につきまして、当然に関連事業としてコークス等があるわけでありまして、ガス事業会社が関連事業といたしましてコークスを同時にやるということは、これはもちろんのことであると思います。なおコークス事業につきましての行政上の所管というものは公益事業委員会の方には移りませんで、通産省の方に今後残ると思いますが、ただいま御指摘のございました点につきましては、十分注意いたして運用して参りたいと思います。それから従前のガス事業法におきましては、市町村との間に締結いたしまする報償契約につきまして、主務大臣は裁定ができるという規定がございました。今後の公益事業法ではその点が落ちておりますけれども、道路の使用料の問題でありますとか、報償契約の内容等につきましては、公益事業の運営上至大な関係がございますので、従前特別にめんどうな問題もなく、まず穏当に行つておつたと思われますので、一応法律上の規定はございませんが、公益事業委員会の今後の実際上の指導面におきまして、ただいまお話のございましたようにはからつていただきますように、これまた通産省といたしまして公益事業委員会が発足いたしまして、事務の引継ぎをいたします際に、よくその点をお願いして参りたいと思います。
#122
○多武良委員 最後に同僚福田委員から大臣に先ほど質問をしたのでありますが、電気ガスに関する研究機関を存置していただきたい。これに対しまして大臣からはコンサルテイング・エンジニーア云々というような御答弁があつたようでありますが、特にこの公益事業委員会につきましては重要でありますから、電気ガスに関する研究機関というものは大きな目的で、大きな予算で存置していただきたい。かようにお願いするものであります。
#123
○首藤政府委員 先ほども大臣から福田委員に答弁されておりましたが、ごもつともな御発言でありますし、できるだけ御趣旨に沿うように努力いたしたいと考えます。
#124
○多武良委員 終ります。
#125
○小金委員長 次に田代文久君。
#126
○田代委員 簡單に二、三質問をいたします。まず第一に公益事業委員会の関係ですが、公益事業委員会は日本経済にとりまして未だかつてない機関でありますし、絶大な力を持つた機関でありますが、これが発足し、活動を開始した後におきましても、なおその上にこれがいろいろな計画を立て、あるいは実施するという場合に、依然として外国、あるいは司令部などの許可を得なければ動けないかどうかという点をまず質問をいたします。
#127
○首藤政府委員 今日からこれらの問題について想定いたしますことは困難でありますけれども、重要な産業でありますと同時に、電気事業に対しましては強力な監督権を持つておる点から考えましても、ある場合には司令部の方からいろいろの命令が来ることがあるかとも考えております。しかしながらこれはまつたく仮定の問題でありますから、具体的に申し上げることは困難であります。
#128
○田代委員 これは講和会議が成立した後におきましても、そういう懸念を同時に予想されるのですか。
#129
○首藤政府委員 講和ができましたら、当然独立国になりますから、さような命令はないと考えます。
#130
○田代委員 私はその点に関しまして依然として懸念をいたすのでありますが、これは見解の相違ということになるでしようから、打切りますが、次に今度の分断問題と特需向けの電力の配分の問題なんですが、朝鮮事変が起る前から――また起りましては特にそのような傾向を持つていると思うのでありますが、電力が特需向けに、特によけいに配分されているというような傾向になつているが、実際どの程度になつておるか、ごくあらましでも御説明願いたい。
#131
○首藤政府委員 特需産業なるがゆえに特に電力を豊富に供給するということはいたしていないのであります。特に料金におきましても、従来生産量が非常に少なかつた場合の基準がやはりそのまま引き継がれて、特需によつて非常に消費がふえた場合におきましてもこのふえた分は超過料を徴收しているというような措置をいたしておるのでありまして、この面に特別な措置は今日までいたしていないのであります。
#132
○田代委員 次官は事実を曲げて説明されたと思うのでありますが、これはもう今度の朝鮮事変が起る前から、私たちが調査したのによりましても、群馬県の澁川町にあります関東電機、関東電化あるいは関東製鋼、こういう三つの会社の関係から見ましても、関東電機に御承知のように火薬をつくつている工場でありますが、この火薬工場に対しましては、昨年末あるいは今年一月からたくさんの割当が出ておるのであります。具体的な数字を申し上げますと、昨年の十二月には百三十三万キロワツト・アワーであつたのが、一月には五百というふうに割当がふえている。しかも実際におきましては、この工場においては消費しきれない、あり余つてしようがない、つまり割当量に達しないくらいしか使いきれない、それほどこの産業に対しては多量に割り当てられているのであります。この一つの事実を見ましても、今次官が言われましたこととまつたく違つているのであります。その点私ははなはだ答弁が欺備に満ち、遺憾であると思う。そして、それと同時に、平和産業が非常に圧迫され、戰争に巻き込まれますところの、戰争経済の方向へ政府自体が積極的に働いておられるということがはつきり言えるのでありますが、この具体的な事実に対しまして、次官はどのようにお考えになりますか。
#133
○首藤政府委員 先ほど申し上げましたごとく、基本的には特需なるがゆえに特に低廉な料金でたくさん供給するということはやつていないのであります。しかしながら、五百キロ未満の消費量に対しましては、地方通産局において割当いたしておつたのであります。同時に三箇月ごとにこれを更新いたしておりますので、その前々期の消費量が非常に多いとか、あるいは昨年同期のものを対象といたしまして、新しい配給量をきめる。さらにまた現実にその工場の生産の状況、これらも申請によりまして、配給上に相当考慮されるという措置はとつておりますから、あるいはその当時の生産量が非常に増加したということになりますれば、電力の割当量も若干の増加を見ておるかと存ずるのでありますが、これはひとり特需なるがゆえにそういう措置をとつておるのではないのでありまして、あらゆる産業にそれと同じ措置をとつて来ておるのであります。
#134
○田代委員 特需なるがゆえにそういう措置をとつておるのではないと言われますが、現実の具体的な事実はそのようになつております。
 次に質問いたしますが、昨日来の次官の御答弁によりますと、今度の電気事業の再編成問題、あるいは公益事業委員会をつくるという問題、九分断という問題は、自由党が常に主張されますところのほんとうの自由経済に行く過渡的な形態としてこれをとつておるのである。これは十分自由方式がとれておらない、従つてまだ統制の面あるいは独占の面が多少残つているけれども、行く行くは十分経済を自由方式の方向へ持つて行くつもりであるというふうに説明されましたが、依然としてそのようにお考えになつておるかどうかいうことをあらためてお尋ねいたします。
#135
○首藤政府委員 まつたくその通りであります。同時に、先ほど申し上げましたごとく、この九分割は独占禁止法という確固とした根拠によつてどうしてもやらなければならぬ運命にあることもあわせて御了解を願いたいと思う次第であります。
#136
○田代委員 私は、首藤次官の認識が非常に時代遅れであるか、さもなければ非常にでたらめな答弁をされておるというふうに解釈せざるを得ないのであります。と申しますのは、しばしば問題になりましたように、分割しましても、その地域における独占は、電力料金の問題におきましても、配分の問題におきましても、より強化される。そして一般の消費者あるいは農民というような人、あるいはまた水力電源の少い地域が非常に不利な地位に立つ。先ほど九分割することによつて、そこに自由競争が行われ、その結果電燈料金も安くなろうし、また電力も豊富にできるようになるだろうというような見通しでありますけれども、決してそのようになるとは考えられません。たとえば九州なら九州と、関東なら関東地方とを比べまして、関東が非常に安いから九州も安くなるというふうには行かぬのであります。それは関東における電源の実情と九州における電源の実情とは違う。だから電燈料金の開きが出て来るのは当然じやないかと言われますれば、これはどうにもしようがないのであります。従つて依然として独占形態、またそういう料金の独占価格は強化されるということがはつきり言えるのであります。世界の大勢から申しましても、また現在の日本の情実から申しましても、自由経済に行くというようなことが、いかに時代認識を誤まつた夢であり、またこれがでたらめであるかということがはつきり言えるのであります。現在アメリカのごとき、経済自身、予算自身が、あの自由経済を典型的に主張します国におきまして、戰時体制、統制の強化いうことがもうはつきり出ております。これは当然日本にも響いて来ますし、今後これはますます強化されるでしよう。自由経済を考えるということ自体が、もう現在の経済的な感覚では了解できないということがはつきり言えるのでありまして、ここに私は自由党なり政府なりの考え方が根本的に破綻を来しておるということがはつきり言えると思うのであります。そういう点からなおはつきりした次官の御答弁をお願いします。
#137
○首藤政府委員 一国の経済を発展せしめる方途といたしまして、統制経済がいいか、自由経済がいいか、これは過去何百年の事実によりまして、自由経済がいいということは議論の余地がないのであります。ただ統制経済はやむを得ない場合にのみ限つてこれをやる、それは要するに需給のバランスがアンバランスになりまして、供給が不足する場合に、これを重要な場所、あるいは公平に配給するという建前から、やむを得ない結果の対策でありまして、供給が豊富になりますれば、一刻も早くかような措置は中止いたしまして、自由経済に移行するのがほんとうだという考えを持つておるのであります。最近各国の軍備拡張から、個々の商品につきましては、御指摘のような供給不足のものができる、従つてその国におきましては、これらの消費に対して統制あるいは間接統制の措置を講じておりますが、これらは根本的に申し上げますれば変則的な行為なのであります。しかしながら現実の問題につきましては、かような事態が起りますれば、その個々の消費につきましては適当な対策をとつて行く、これがやはり現実のその国の経済安定を目的とした方途としては適当な措置だと考えておるのであります。
#138
○田代委員 驚くべき独断なお説を伺いましたが、過去何百年来自由経済がよろしい、現在なおよろしいということが結論になつて出て来ておるということを強力に主張されますけれども、少くとも経済の実態、世界の実情、また経済学というものを一ページおひもときになれば、こういうでたらめは私は言えないと思います。自由経済の発展しましたイギリスにおきましても、あるいは先ほど申しましたようにアメリカの実情から申しましても、現在自由経済でにつちもさつちも行かなくなつておる。現在の世界の大勢として進みつつある統制経済というものは、ある独占資本家間の利益、個人的な利潤のために、がむしやらにこれを統制するというのではなくして、全体の社会大衆、国民全体の利益の立場から統制される経済でありまして、そういう経済が優秀であり、卓越しておるということは世界の実情がはつきりこれを示しております。私はソ連の実情を申すまでもなく、ソ連がおきらいでありますならば、英国の方に目をお向けになればはつきりわかります。あの英国の産業形態というものは、電気産業にいたしましても、あるいは製鉄産業にいたしましても、鉄鋼産業、あらゆる重要な基幹産業に対しましては、統制の方に向いつつありますことは私が申し上げるまでもないのであります。いかに現在の政府、また自由党というものは時代に逆行しているか。個人的な独占資本家の利益のために、こういう時代の流れに反する政策を強行しておるか。そしてこの方式というものはすでにスタートにおいてはつきり破綻しておるということが結論として言えるのであります。
 次に先日来私が一番危惧を感じておるのは、九分断問題と、労働者の低賃金、あるいは労働強化、あるいは首切り問題であります。これは自由党の同僚議員諸君も、この分断によつて整理があるというようなことはしてくれるなということを言われ、また大臣も次官もそのようにはいたさないようにいたします、なた、したいのでありますということを言葉の上ではおつしやいましたけれども、私は單なる、そういう抽象的な言葉では安心ができないのであります。事実そういう資本家というものは自分の利益のためには、労働者がこの年の瀬が越せようが越せまいが、どうなつてもいい。労働者にとりましては首切りということはまつたく生命に関する問題、年の瀬を控えて今後失業するということは、もう将来いかに就職し得るかという決定的な生命に関する問題であります。利潤のためには、資本家というものは冷酷きわまる形で首を切り、あるいは低賃金を押しつけるのであります。すでにレツド・パージというような観念によつて、多量の電気産業に従事いたします兄弟諸君が首切られたことは御承知の通りである。またそういうふうに断定せざるを得ないのでありますが、ところでこの九分断によりまして、おそらくもうすでに準備されておるでありましよう首切りを、政府は、そして次官は、はつきりそういうことをなさせないようにするということを、われわれの前に断言されるかどうかお尋ねいたします。
#139
○首藤政府委員 自由経済が時代逆行であるという御指摘でありますが、現政府、並びに自由党は民主政治を確立することに邁進いたしておるのであります。自由経済がいいか、統制経済がいいか国民大多数に質問した場合に、われわれは共産党、あるいはその他少数の方を除く以外の者は、全部自由経済を信頼しておる、希望しておることを確信しておるものであります。従つて依然として今日の政策を遂行いたしたい、かような考えを持つておるのであります。
 さてただいまの労務者の問題でありますが、これは御承知のごとく新しき会社はまつたくの私企業であります。従つてその私企業ができた場合、この個々の会社が労働者との間に、先ほども大臣が述べられましたように、個々の契約が締結され、同時に労働者に対しましては、特に日発の労働者であるがゆえにということで、特別な保護は加える法規はないのであります。いわゆる労働基準法、その他労働法規一環の法律によつて保護されておるのでありまして、それ以上の特別な保護の法案は現在のところないのであります。しかしながらかような再編成によつて、多くの犠牲者を出すということは、かりに共産党から要望がなくしても国家的観点からなるべく少くいたしたい。できるならば一つも整理しなくて済ませたいというのは、政府の強く要望するところであるのであります。従つて今の御要請は新しい会社、あるいは新しくできます公益事業委員会には連絡はいたします。しかしながらこれに対して強制するところの権限はないのでありますから、この点はあらかじめ御了承願つておきたいと思います。
#140
○田代委員 ぜひともそれをやつていただきたい。連絡はどういう形でしていただきますか。文書によつてはつきりそれをやつていただくかどうか、あらためて質問いたします。
#141
○首藤政府委員 文書によるか、口頭によるか、その場合にならないと、今日の場合具体的にお約束はできないと思います。
#142
○田代委員 これは私が申しますように、勤労大衆の生命に関する問題なんですから、はつきりした文書によつて通達してもらうことを私は要望いたします。
 それからこれは與党と自由党内部におきましても、この法案が審議されます場合に大問題になり、このように大混乱を起し、そしてポツダム政令という形になりまして、それは国家的な観点から申しましても不満であるということを言わざるを得ないのでありますが、講和会議が成立しました後におきまして、かくのごとき国民の大多数の不満に対して、このまま遂行される意思をお持ちであるか。あるいはまたこれを急速に変更される御意思であるか。
#143
○首藤政府委員 ポツダム政令でありますからこのままあくまでも命ずるところに従つて実行して行きたい、かように考えておるのであります。
#144
○田代委員 はなはだ問題になりません。先日来承りますというと、電源の調査、その他に関しまして米国から何とか何がし、それがし某が来て、調査にまわつておるとか、まつたく外国人が自分の領土内における資源の開発のためにかけめぐつておるような印象を受け、はなはだわれわれとしまては屈辱を感ずる次第でありますが、これは一体どういう意味ですか。
#145
○首藤政府委員 政府は少しでも効率的な方法を選びたい。それが外国人であろうとも、日本人よりも一層いい経驗と知識を持つておるならば、そういう方にお願いして、よりいい調査の結果を得たい、かような見解を持つておるのでありまして、少しもこれによつて屈辱を感ずるというようなことは考えていないわけであります。
#146
○田代委員 でありますならばこういう質問が出た場合に、アメリカの何の何がしが言つている、何の何がしさんがおいでなにつておりますというような、そういう表現だけではなくして、日本の最高技術者もやつているということを一言くらい言うべきであると思います。はなはだ簡單なことでありますが、私たち国民といたしましては、国を愛し領土を愛するために、はつきりそういう点にまで神経が届くのであります。注意していただきたいことをはつきり要望いたしまして、私の質問を終ります。
#147
○小金委員長 電気事業再編成並びに公益事業に関するポツダム政令についての調査に関し、発言者全部の発言を終了いたしましたから、これをもつて一応この問題については打切ります。次会は月曜日といたします。部屋並びに時刻は公報をもつてお知らせいたします。
 本日はこの程度にて散会いたします。
    午後五時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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