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1950/12/05 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第8号
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1950/12/05 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 通商産業委員会 第8号

#1
第009回国会 通商産業委員会 第8号
昭和二十五年十二月五日(火曜日)
    午後三時十三分開議
 出席委員
   委員長 小金 義照君
   理事 阿左美廣治君 理事 多武良哲三君
   理事 中村 幸八君 理事 高橋清治郎君
   理事 今澄  勇君
      今泉 貞雄君    小川 平二君
      永井 要造君    中村 純一君
      福田  一君    南  好雄君
      田代 文久君    小平  忠君
 出席政府委員
        法務政務次官  高木 松吉君
        通商産業政務次
        官       首藤 新八君
        通商産業事務官
        (資源庁炭政局
        長)      中島 征帆君
 委員外の出席者
        議     員 加藤  充君
        専  門  員 谷崎  明君
        専  門  員 大石 主計君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
十二月五日
 委員砂間一良君辞任につき、その補欠として中
 西伊之助君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月五日
 土地調整委員会設置法案(内閣提出第三二号)
同月四日
 糸田町地内の湧水対策に関する請願(平井義一
 君紹介)(第四六〇号)
 大淀川水力発電所返還促進並びに第三・四半期
 以降電力割当に関する請願(竜野喜一郎君紹
 介)(第四六三号)
 神島村に海底電線敷設に関する請願(石原円吉
 君紹介)(第四六九号)
 競輪廃止に関する請願(加藤鐐造君紹介)(第
 四九四号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第二五号)
 土地調整委員会設置法案(内閣提出第三一号)
 自転車競技法を廃止する法律案(河田賢治君外
 二十五名提出、衆法第五号)
    ―――――――――――――
#2
○小金委員長 これより通商産業委員会を開会いたします。
 特別鉱害復旧臨時措置法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。
 これにて暫時休憩いたします。
    午後三時十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時三十九分開議
#3
○小金委員長 これより休憩前に引続いて審査を進めます。
 前回一応質疑を打切つたのでありますが、今澄委員より補充質問の御要求がございます。これを許すに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○小金委員長 御異議なしと認めて質疑を続けます。今澄勇君。
#5
○今澄委員 私はさつきの連合審査でも申したのでありますが、この特別鉱害の復旧臨時措置法が今日に至つた経緯を翻つてみると、これは昨年の暮国会に提出されてから、実に長時間の月日を費して通産委員会としては近来にない慎重審議を重ねた法律であります。その結果、鉱害復旧費の負担は、特別鉱害に関係ある炭鉱のみによるという、およそ原案の相互扶助、連帯責任の観念と全然異なる考え方のもとに、これが本委員会において修正を見たのであります。政府提出の法律案を、こういつたような修正までいたして、この委員会が与野党一致してやつたということは、この鉱害復旧というものが、いろいろ意見の相違はあるが、実にこれは重大な政治問題を含んでおるというところにわれわれが留意したからにほかならないのであります。こういつたような状態のもとにできたこの鉱害復旧の法案が、その後順調に進んでおるかというと、これは当初予定額の五十億と言つておつた、この五十億の数字に公共事業費の補助率が足らないからということで、われわれは平田主税局長を呼んで、本年七月においてこれらの点につき実にこの委員会の努力の結果、これがようやく本日炭政局長が述べたような補助率によつたということは、これらの補助率の問題についても当委員会が非常な努力をしたということをわれわれは思い出さなければならないのであります。そうしてこのような委員会の重ねての努力によつてでき上つたこの補助率についても、再び復旧公社の問題から、こういつたような改正法律案にならなければならないというこの経過は、どうも私は通産省は場当り的な計画を立てて、この特別鉱害の復旧に誠意あるところの態度をとつておるかどうかということが疑わしい。しかも本日ここにこの特別鉱害の改正法案を出して、しからばそれで完璧かというと、きようの炭政局長の答辯によれば、これまた明らかにこの段階においても、補助率を変更しなければならないところの問題があるということは、先般来通産政務次官のしきりと述べたところの、特別鉱害に関する限りは、断じて私はやりますという話と相反しておる。当委員会がこれほど協力し、これだけの努力を傾けて来た今日、なおこの段階においても補助率の問題で折衝まとまらず、変更を見るかもしれないという状態は、一体どういうことであるかということについて、ひとつ政務次官から御答辯が願いたい。私は連帯責任の精神で、不足の三億数千万の業者寄付金というものに反対をするものではない。しかしながら、そういう業者寄付金という項目を残して、ずさんな政府の計画の齟齬から来るところの一切の矛盾をば解決しようというようなものの考え方は、これは非常に不誠意きわまるものである。それらの点について、ひとつ通産政務次官は、かつて言明されたこの特別鉱害というものに対する政府のとつた態度がまことに遺憾であつたということを認められるかどうか、この際御答辯を煩わしたいと思います。
#6
○首藤政府委員 今澄委員から、今までの経過からかんがみて、施行が遅延した、あるいはまた予算措置において欠陥があるのじやないか、従つて政府に熱意があるかどうかという御心配でありますが、政府といたしましては、この問題につきましては、かねて申し上げました通りに、非常な熱意をもつて一日も早く施行いたしたいという気持のもとに、あらゆる措置を講じて参つたのでありますが、この公社のごとき、われわれのまつたく予知しない問題が突発いたしましたので、あらためてこういう修正法案を出さなければならぬというはめに陥つたのでありますが、その他の問題につきましては、鉱害の認定その他の予算の措置につきましても、あらゆる対策を非常な熱意をもつてやつて参つたのでありますが、御承知のごとく鉱害の範囲が非常に広いこと、あるいはまた認定に相当の日数を要する、これは一般鉱害と特別鉱害のいわゆる認定におきまして、各人の見解が相当違つておつたのであります。これらを帰一いたしまするためにも、相当の時間を要しました関係上、今日に至つたのでありまするが、決してこれは通産当局が怠慢の結果遅れたとは断じてわれわれは考えていないのであります。今日まで資源庁におきましても、非常に熱心にこれを施行して来たということだけは、はつきり申し上げておきたいと思います。
 なお予算措置におきまして、すでに先刻炭政局長から御返答申し上げたと思いまするが、なるほど現在三億八、九千万円、四億円近いところの不足が生じておるのでありまして、なるべくならば、この業者の方から御寄付によつて一応補填いたしたいというふうに考えまして先般業者の方に御依頼申したのでありますが、それらについても、いなおうとの返事もまだないのでございます。御承知の通りこれは経済環境の変化によりまして、現在は四億円の不足になつておりまするけれども、はつきり確実に最終において、四億不足するかどうかということは断定できないのであります。あるいは単価が下りますればこの四億の不足も解消いたすかもしれませんし、また同時に経済の状況が非常に上昇いたしまして、単価が上るということに相なりますれば、この四億はもつと不足することに相なつて来るかとも考えるのであります。また同時にたとえば負担金の支払いの面におきましても、完全に全部が入りますれば、問題にならないのであります。むろんわれわれは完全に入ると考えておりまするけれども、これはまた鉱山の経営いかんによつては、はたして完全に入るかどうかということにも一抹の不安があるのでありまして、結果的に四年目あるいは五年目におきまして、その当時の予算と施工の額とにらみ合せて、そしていずれに決定するかということを慎重に検討いたしまして、もし不足がありまするならば、そのときの状態に応じて、再び国会に御相談申し上げまして、この問題を解決いたしたい。そうして工事の方はあくまでも既定方針通り推進して参りたい、かように考えておるのであります。
#7
○今澄委員 政務次官の答辯で、いつもながら政府は熱心であつたというお話でございましたが、私はもう一つ今のあなたの答辯の中には、先ほど炭政局長から御答辯願つた、補助率の現在変更すべきものが一、二あるが、しかもこんなに遷延した問題を、法案を改正してここに出しておる今日においても、なおそれが変更しなければならないという状態にあることについて、政務次官としての見通しの至らなかつたその見解は、どこが原因であつたかということについて御答辯を煩わしたい。それから過ぐる第七国会において、一般鉱害の決議案というものを、われわれは当委員会において採択して、本会議を通過しておるが、これらの一般鉱害についてのその後の処置は一体どうか。政府はこれらの一般鉱害審議会等のことをやるなどというような抽象的な答辯を参議院ではいたしておるが、政務次官からこれらの一般鉱害に対する政府の考え方並びに具体的な方策はその後約半年にも近い今日において、一体どういうことをやられたかということについても、その熱意あるところを敷衍して承りたい。
#8
○首藤政府委員 ただいま不足額につきましては最終において、そのときの情勢とにらみ合せて、あらためて国会と御相談申し上げたいというふうに申し上げましたが、なおできるならば可能な範囲内において、現在においても不足額を少くいたしたいという考え方から、先ほど炭政局長から申し上げましたごとく、補助率の変更を大蔵省の方に強硬に交渉いたしておるのが現在の姿でありますので、さよう御了承願いたいと思います。
 さて一般鉱害の問題でありまするが、御承知のごとく一般鉱害の総額は、昨年の十月の調査でありまするが、それによりますると、総額が二百三十億円であります。しかるに今回の特別鉱害について約七十五億減少いたしまするので、総額は百六、七十億で足りると考えておるのであります。そこで前国会におきまする当委員会の決議もありましたので、至急に対策を立てたいというふうに考えまして、安本、建設、大蔵、農林、各省に連絡をとりまして、今日まで数回事務的な協議を遂げて参つたのでありますが、御承知のごとく、特別鉱害法がまだ施行にも達しないのに、さらにまた一般鉱害を並行してやるということになりますと、いろいろな面におきまして摩擦を生じましたり、また事務の遂行に困難を来しますので、一 特別鉱害の問題をはつきり解決いたして、その次に一般鉱害の解決をはかりたい、実はかように考えておるのであります。本委員会におましても、さらにまた参議院の委員会におきましても、この一般鉱害の解決を強く要望されて参りましたので、実は本日の閣議におきまして、先ほど申し上げました五省の関係事業として審議会を設立するところの御了解を得たのでありまするが、閣議了解だけではまだ不十分だと考えますので、一両日の間に正式に閣議決定をとる段階にいたしたい、かように考えまして現在各省と連絡をとつておるのであります。幸いに農林、大蔵、建設は全部同意していただきました。ただ大蔵大臣がいろいろの事情でまだ面接は不可能でありますが、これも主計局長と交渉いたしました結果、主計局長も全面的に賛意を表してくれた。ただ公共事業費の負担金が、特別鉱害は御承知の通り非常に高く――これは実は大蔵省が譲歩してくれておりまするが、このままの高い率を一般鉱害にも適用するという点に若干大蔵省の方では難色を示しておりまするけれども、しかしながら、この鉱害地を至急に復興いたして、そうして農産物その他の生産に寄与いたさなければならぬという国家の現状から考えますると、多分大蔵省の方も同意してくれるものであると実は楽観的な見解を持つておるのであります。従つて五省を中心といたしまして、さらに鉱業権者、それから被害者の代表、あるいは学識経験者等と臨時鉱害に対しましてつくりました審議会と大体似た形の審議会を至急つくりまして、そうして具体的にどういうふうな方法でするか、またこれらの隘路をどういうふうにして、解決するかという点について審議を進めたい、かように考えておるのでありますから、近くはつきりできるということだけをこの機会に申し上げておきたいと思います。
#9
○今澄委員 時間がございませんので――私は特別鉱害の工事を進行するかたわら、一般鉱害の方もこれを処理し、あわせて鉱業法が今度新たに制定されるが、その中においても、これらの鉱害に関する限り原状回復は政府の責任であるという一つの決議案を出し、しかもこれが具体的な方向へ行かない限りにおいては、われわれは今度の新しい鉱業法は断じて国会を通さないという決意を持つておるのであります。だから、通産政務次官が非常に閣内においてこの問題に努力せられつつあることは多といたしまするが、われわれは、少くとも鉱業法の改正をめぐり、鉱害に対する根本的な認識の上に立つてこれらの問題を処理したい。問題が山積しておるので一般鉱害は処理できない、次の段階でというようなことでは、われわれは承服できません。私はどうか今後一段とこれらの問題の上に、あなたが当初の公約通りぜひひとつ奔走されて、これらの鉱害復旧が一日も早く実現されることをこの際希望いたしておきます。
 次に炭政局長にお尋ねいたします。私は鉱害査定額は、当初田口政府委員が、速記録に載つておるところの鉱害復旧費の総額は五十億ぐらいだと思うと言つた答辯から判断しても、この金額については、現行法第三条の規定に基くところの認定からして、一体どういうような基準で今度の案ができたのか。非常に額がふえたということについては法律を無視したような節がありはしないか。あるいは現行法による認定総額は、一体概括的には何を根拠としてこういつた数字が出たかということについて、簡単でけつこうですから御説明願いたいと思います。
#10
○中島政府委員 五十億という数字は、戦時鉱害は全体で百二十六億ある。そのうちでいわゆる特別鉱害に属するものは九十八億あるというふうに当時称せられておりましたが、この九十八億のいわゆる特別鉱害の中で、法律第三条に基く基準からのものは五十億であろうという見積りが一応調査の結果出たわけであります。この五十倍は今回の七十億と比べましてきわめて少いという絶対的な違いはございますが、その辺の関係は、今回認定をいたしましたときに、法律第三条に基きます特別鉱害の認定基準を厳格にいたしまして、それによつて査定をいたしました数字は七十五億のうちで五十九億になつております。五十九億と五十億との差額九億というものが出ておりますが、これは全体の財源等によつて左右せられないように、厳密な基準に基きまして客観的にいたしました数字が五十九億出たわけでありまして、むしろこの差は比較的少いのではないか、こういうふうにわれわれは考えておるのであります。残りの十六億はどういう性質のものかと申しますと、これはいわゆる認定基準から申しますと若干点数の落ちるもの。――ところが実際問題といたしまして、すでに配炭公団当時から工事を継続いたしておりまして、その工事を特別鉱害でないからといつてこの際認定から落すということは、工事を中断する意味におきまして、またその地区の民生安定ということにかんがみましても、非常に大きな影響を及ぼす、また同じ継続工事でない場合におきましても、たとえば同一の地区におきまして、道路の一部分だけが特別鉱害にかかりまして、残りの部分が特別鉱害でない。そうすると、たとえば道路の盛上げの場合に段ができるないうようなことがあります。同じ農地でありましても、一区画の農地の一部だけが復旧されまして、あとの部分が残るということになりますと、全体の農地の復旧が円滑に行われない、効用の度というものが非常にそこで削減されて来ることになりますので、そういうふうな性質のもの、つまり継続事業の分と関連する工事というものは、この際特別鉱害としてやはり一括して取上げるべきだ。こういうふうな考えをもちまして、それだけにつきましては第二回の認定の作業の場合に調整いたしまして追加したわけであります。但し十六億の分につきましては、これは本来の厳密な認定条件によりますというと、特別鉱害として第二順位に落ちるわけでありますので、被害者ないしは鉱業権者といたしましては、これを特別鉱害に認定されることによつて、国庫の補助があるということで、それだけ工事そのものについて相当な利益を受けますので、その利益の部分だけはこれは特別会計に対する受益者負担金として納付してもらう、そういうことをすることによつて特別会計としては追加的な支出をしない。大体そこでまかなえるということになりますので、ほかの第一順位の特別鉱害に対しまして影響を与えないで復旧できるということになります。従つてそういうふうな処置をいたしまして、これを取上げたわけであります。この十六億がそれでは特別鉱害ではないかということになりますと、これは要するに第三条の要件というものをどの程度厳密にするかということにかかるわけでありますが、もともとこの法律そのものが、今のような関連事業でありますとか、あるいは継続事業というようなものを予定いたしまして、特別鉱害という観念のほかに、特別の鉱害というふうな言葉を使つて、それ以外のものも含めた特別の鉱害の復旧のために、この法律ないしは特別鉱害の復旧公社というものを運営するというふうに制度をつくつてみましたので、その本来の法律の趣旨から申しましても、今のような部類のものをいわゆる特別鉱害として認定するということは、法律の趣旨にも反しない、こういうふうに考えて新たに十六億というものを追加いたしたのであります。これにつきましては受益者負担金を出すということを一つの条件としてやつておりますので、その点につきまして地元との了解も十分つけてあるわけであります。
#11
○今澄委員 この法律ができて以来、国会において定められたそれらの法律の示しているところによつて政府が運営をしたにしては、あまりにかけ離れた点があるということを遺憾に思います。
 次に、私は特別鉱害の中で特に緊急を要するというものがあるだろうと思う。今ただちにやらなければだめだというものに対して、政府はどういう措置と方法を持つておるか。それからもう一つは自己復旧になつたところは、従来の補助率によつて算出されるその者の負担額を、従来通り納付せしめることとなつておるが、この理由はどうか。私はこのような面において、政府は特別鉱害に対する勉強不足という点を暴露しておるというふうに思うがどうか、炭政局長の御見解を承りたい。
#12
○中島政府委員 緊急工事に関しましては、公共事業の関係におきましては、先ほども御説明申し上げました通りに、年度の当初からもすでに特別鉱害に認定されることが明瞭であるというものに対しましては、すでに作業を開始させまして、工事を続行いたしております。今後のものにつきましては、どの工事を緊急工事と認めて先にやらせるかということは、現地の事情によりまして選択をしなければならないので、主として関係の市町村ないしは県の意見を尊重いたしまして、それに順位をつけさせまして、こちらで逐次工事の開始をいたしたい、こういうふうに考えております。
 なお自己復旧に関しまする補助率そのものは、やはり全般の特別鉱害といたしまして、平均二割、八割という数字がかわるわけではございませんが、この際納付金が前の補助率によつて、結果において四割だけを特別会計に納付しなければならぬという点が御指摘の点だろうと思いますが、この辺はいわゆる公平の観念に基いて、こういう仕組みにいたしたわけでありまして、国庫の補助が八割あるから二割だけを納めればいいのではないかという議論ももちろん一応成り立ち得ると思います。ただこの国庫補助率を引上げたということは、特別鉱害復旧のために、国としてもさらに一つの援助をするという趣旨をはつきりしたわけでありまして、従つて鉱業権者としてもできるだけのことは協力してもらつてもさしつかえないのではないか。たとえば自己復旧のできない炭鉱は、鉱害の程度が、たとえばトン当り二十円を相当下まわつておりましても、それだけはどうしても納めなければならぬ、こういうことになつておりますので、自己復旧をする炭鉱につきましても、自己復旧の費用以上に納めるという結果にはなりません。結局それ以下で済むわけでありますから、当初予定されておりました古い補助率によつて納付金を出していただきまして、差額だけは全体のプールに貢献するというようなことにしていただいても、これは全体の共同の負担において行うという趣旨から申しましても、決して不公平だというふうにならないのではないかと考えております。
#13
○今澄委員 それでは時間も参りましたから私はこの程度で打切りますが、少くともこの法群案を見て感じられる点は、業者のそれらの負担金が集まらなかつた場合における措置あるいは補助率の引上げられた場合におけるこれが流用の措置、特別鉱害の認定の問題、その他一般的な問題について、今日まで遷延して来たその基礎の上には、この特別鉱害を実施して早く復旧しなければならぬという熱意に欠け、あるいは関係官庁との連絡に欠け、特に今日大蔵委員会との連合審査をしたが、席上大蔵省の担当官のごときは、ほとんど私は何もわからないというような答辯で、これらの問題がいかに等閑に付されておるかということを私は知るのである。どうかこれらの一連の問題について、政府は国会のわれわれをごまかすことなく、われわれの定めた法律の線に沿うて一日も早くこれが実現できるという誠実な態度を持たれんことを要望して質問を終ります。
#14
○田代委員 ちよつと一言だけ――先ほど次官は審議会の問題を説明になりましたが、この審議会というのは、大体一般鉱害に対する答申書をつくつてこれを出すとか、そういうようなことをやるのか、それともこれ自体が非常に大きな権限を持つて予算措置まで講じて一般鉱害をどんどん解決するものであるか、これについて伺いたい。
#15
○首藤政府委員 審議会はすでに特別鉱害の場合にもつくつたのでありますが、この一般鉱害の復旧に対しまして具体的な案をつくる、これが主たる使命であります。従つてそれによつてどのくらいの予算を必要とするかというところまでは、関連いたしまして計上いたすと思いまするが、この予算措置は、あげて政府がいたすのであります。従つて端的に言いますならば、鉱害を復旧いたしまする上におきまして、いろいろな面に支障があるのでありますが、これらをどういう方法をもつて解決して行くかという点等を主として審議することになつたのであります。
#16
○小金委員長 これにて質問は全部終了いたしました。これより本案を討論に付します。順次発言を許します。多武良哲三君。
#17
○多武良委員 私は自由党を代表いたしまして本法案に賛成の意を表するものであります。
 本法案は第一には特別鉱害復旧工事に関する納付金の徴収並びに工事費の支払いを担当する機関である特別鉱害復旧公社を廃止しまして、通商産業省にその業務を引渡すために立案されたものであり、また第二には、公共事業に対する補助率を増加しまして、復旧工事費の不足を補填するについて、いわゆる脱落者すなわち現行法の第二十五条によつて指定された者が、みずからの負担において復旧工事を施行する場合の規定を改正するために立案せられたものであります。
 今の第一の点は、第七国会においてわれわれが成立せしめた現行特別鉱害復旧臨時措置法のうちに、つとに明示したものであり、第二の点もまた脱落しない者との均衡上、いささか考慮の余地なきにしもあらずでありますが、復旧工事に必要なる資金を確保するためには、事情やむを得ざるものとして一応了承せざるを得ないかと存ぜられます。今般政府の提出にかかる特別鉱害復旧事業費所要額表を見ますと、工事費の総額五十七億三千二百万円に対しまして、三億九千万円の収入不足があり、しかもこの不足額は、寄付金その他によつて充当する予定のように承りましたが、その獲得については目下のところ確たる成算がないように思われます。かようなことは本法施行上、本復旧工事の前途に対して大いに不安を感ぜざるを得ないところであります。その他法案の内容についてもまた考慮を要する点なしとは言いがたいのでありますが、しかしながら特別鉱害の複雑なる性格、これが復旧に関する立法の困難、この間に処する政府当局の苦衷等についても大いに了察すべきものが多々あります。特に昨年十一月政府原案が提出せられ、第七国会の末期におきましてようやくその成立を見たが、なお今日まで全面的実施を見るに至らず、復旧工事は中絶のまま全然施行せられていないのでありまして、これがため関係被害者、なかんずく日夜住宅倒壊の危険に脅かされつつある人たちの不安焦慮は、けだし言語に絶するものがあると思うのであります。よつて私は特別鉱害の復旧工事を促進し、関係被害者たちの不安を一日も早く除去せんがためにも、この際大局的見地より本法案に賛成の意を表するとともに、政府当局もまた私どもの意のあるところを了とせられ、本法成立のあかつきには、予算を有効適切に、しかも合理的に活用し、万難を排してすみやかに復旧工事の促進完成に一路邁進せられんことを切望するものであります。
 以上をもつて私の討論を終ります。
#18
○小金委員長 次は高橋清治郎君。
#19
○高橋(清)委員 私は国民民主党を代表して、本法律案に賛成するものであります。きわめて簡単にその理由を申し上げます。
 特別鉱害の復旧は、国土の保全、民生の安定の点より見て真に緊急を要するものでありますことは、いまさら贅言を要しません。被害者の人々は一日も早くその施行を鶴首して待つておると存じます。ゆえに政府は、今日まで委員会におきまして各党各委員より幾多の強い要望と、注意された諸点を十分にくみとつて履行してもらいたいのであります。
 さらに私は、石炭の採掘により発生したこれら特別鉱害復旧の実施にあたり、このような処置を他の面、特に金属鉱山の面にも及ぼされんことを強く要望して、私の賛成討論を終ることといたします。
#20
○小金委員長 次は今澄勇君。
#21
○今澄委員 本法律案は、現下の特別鉱害の急速なる復旧のために、私どもは条件を付しまして賛成の意を表するものであります。
 そもそもこの臨時特別鉱害復旧の法案は、過ぐる国会において、当通産委員会が、政府提出の原案を小委員会を設けて慎重審議の後決定したことは、経過に見る通りであります。よつて私は本法律案の施行の状態、並びにこの遅滞な姿というものの責任は、一に政府当局のみでなく、当通産委員会もその責任の一半を負わなければならぬものであると思う。事務を引継いだ通産委員長においては、この通産委員会が修正し、責任を負うたところのこの立法のもとにおいて、今後起るべき鉱害についても、強力なる支援を寄せられんことを私は切望する。
 さらに政府はこの特別鉱害に対する態度がきわめて場当り的であり、一貫したものがなかつた。すなわち当初五十億円と言つておつたこの復旧額が簡単に訂正されて、その根拠もはつきりしない。復旧公社の性格についても、政府の態度はあまりにも事なかれ主義である。これらの復旧公社についても厳然たる態度をもつて政府が臨んだならば、今日まで遷延なさずとも、何らか解決方法はできたものであると思わなければならない。この改正法律案を見ても、政府の修正態度が非常に便宜主義であるということは、これに計上された四億に近い業者の寄付金の制度そのものも、これが達成されない場合の一切の財源問題を考えるときに、まことにわれわれは被害を受けた被害民のために考えざるを得ない問題が幾多ございます。
 以上の諸点について、政府は真剣に、しかも厳然たる態度をもつて、これらの特別鉱害の復旧が一日も早く行われるよう希望条件を付して本案に賛成するものであります。
#22
○小金委員長 次は田代文久君。
#23
○田代委員 私は日本共産党を代表いたしまして、本法案に対し、強い条件をつけまして賛成の意を表するものであります。
 特別鉱害におきましても、一般鉱害におきましても、政府並びに与党の考え方というものは、ちつとも本質的な問題には触れてないのでありまして、従つてこういうような解決方法では実際に数百万人の被害者大衆に対する不満を十分解決することは不可能でありまして、事実問題といたしましても、一般鉱害に対しましても、一般の被害者諸君は原状回復を強く要望されておるのであり、また今までの実績から申しましても、被害者と鉱業権者との間に商取引をなして、それによつて紛争が絶えないという一大社会問題になつておるのでありまして、各同僚議員が先ほど来申し述べましたように、また審議過程におきまして私どもがはつきり承知いたしましたように、特別鉱害なるものは、百億に近いような額が、政府自体の厳密なる調査によつてもあつたのでありますけれども、それを政府原案は五十億にし、また現在七十五億にふくらましたといつておりますけれども、その内容はなお不安な点が多多あるのでありまして、そういう点から、私たちはこれによつて特別鉱害なり、一般鉱害なりが解決するとは楽観できないのであります。ただわれわれが賛成しますゆえんのものは、前法案に比べまして、特別会計ができてこの復旧が軌道に乗つたということと、政府の補助率が若干増したという点におきまして、幾らかましになつたということで、現状といたしましては、被害者諸君の、一刻も早くこれを解決してもらいたいという熱意熱望がありますがゆえに、私たちは賛成するのであります。しかしその熱意熱望というものを根本的に解決し、またこれを妥結しますためには、こういうものでは決して解決し得ない。従いまして、先ほど一般鉱害に対しましても審議会をつくるというような説でございますけれども、これは何らかごまかし的な印象を受けるのでありまして、早急に断固としてこれを解決してもらうということを要望いたしまして、賛成の意を表する次第であります。
#24
○小金委員長 次は小平忠君。
#25
○小平(忠)委員 私は農民協同党を代表いたしまして、本安に強い希望意見を付しまして賛成をするものであります。その趣旨を簡単に申し上げます。
 鉱害復旧の重要性は、いまさら申し上げるまでもありません。特に現地の希望といたしましては、単に本法なり、あるいは本法を改正する趣旨に関しましては、すみやかに原状回復を希望いたしておるのであります。その意味から、政府が法的措置、あるいは予算的措置を講じて、すみやかにこの鉱害復旧に邁進するということを強く希望しまして本案に賛成するものであります。
#26
○小金委員長 以上をもつて討論は終局いたしました。
 これより採決いたします。本案に御賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#27
○小金委員長 起立総員。よつて本案は可決いたしました。
 この際、委員会報告書作成の件についてお諮りいたします。これは、先例によりまして委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○小金委員長 御異議ないものと認めます。よつて委員長において適当にこれを処置いたします。
    ―――――――――――――
#29
○小金委員長 次に、本日午後、土地調整委員会設置法案が当委員会に付託せられました。この際当局より提案理由の説明を聴取いたします。法務政務次官高木松吉君。
#30
○高木政府委員 ただいま議題となりました土地調整委員会設置法案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。
 この法律案は、別に提出されております鉱業法案並びに採石法案と密接不可分の関連を有し、これと表裏一体をなすものであります。鉱業または採石業は、国の経済力を増進する上におきましてきわめて重要な産業でありますから、一方において大いにその開発を奨励しなければならないことは申し上げるまでもありませんが、他方において、これが農業、林業その他の産業及び一般公益に及ぼす影響、ことに開発の対象となる土地に対します影響がきわめて重大なものであることは、鉱業または採石業の規模の点から見ましても、当然予想されるところであります。ここにおきまして、土地に関して、鉱業または採石業と農業、林業その他の産業及び一般公益との間の調整をはかるための公正な機関として土地調整委員会を設ける必要がありますので、この法律案を提案いたした次第であります。以下この法律案の要点を申し上げます。
 土地調整委員会は、総理府の外局とし、委員長及び委員四人をもつて組織し、委員長及び委員は、識見の高い学識経験者のうちから、内閣総理大臣が両議院の同意を得て任命することになつております。なお、委員会の事務処理させるために、事務局を設けることにいたしております。
 委員会の権限といたしましては、鉱区禁止地域の指定及びその解除を行うこと、鉱業権または採石権の設定または取消し、鉱区の増減に関する異議及び鉱業のための土地の使用または収用に関する異議に対する裁定を行うこと等がその重要なものでありますが、この鉱業禁止地域の指定またはその解除を行い、あるいは異議に対する裁定を行います場合には、聴聞会を開いて一般の意見を求める等慎重な手続を経ることといたしております。
 なお、土地調整委員会の組織及び機能にかんがみまして、その裁定または裁定の申請を却下する決定に対する訴えの第一審の受訴裁判所は、東京高等裁判所といたしたのであります。以上がこの法律案の大綱であります。何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
#31
○小金委員長 次に、十二月一日当委員会に付託せられました、河田賢治君外二十五名提出の、自転車競技法を廃止する法律案を議題といたします。提出者に提案理由の説明を求めます。加藤充君。
#32
○加藤充君 ただいま議題になりました自転車競技法を廃止する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 自転車競技法は、これを制定を希望する輿論に基き、自転車業界の窮状を克服し、窮迫している地方財政の増収に寄与する等の目的をもつて制定され、今日に至つているものであります。
 さてわれわれの提案理由の第一は、地方財政の問題であります。地方財政の窮迫は、本国会において、衆院地方行政委員会が満場一致の決議をもつて、平衡交付金の増額を要求したごとく、窮乏はその極に達しております。この原因は、平衡交付金が従来の地方配付税、国庫補助金の半額程度しか交付されず、この交付金さえ返還せねはならぬ事態になつているのであります。加うるに、地方住民の生活の破綻、地方産業の衰退、多額の国税等により、地方税の徴収率は、現在全国平均二割ないし三割という状態なのであります。この状態を回復する道は、自転車競技法の存続というがごとき手段をもつてしては、一時の糊塗すら可能ではなく、まさに上述のごとき原因を根本的に除去する以外にはないのであります。しかも現実には、累次にわたる不祥事件のために、その都度多数の警官を動員するための自治体警察費を初め、直接、間接の経費は、地方財政にとつてかえつて負担となつております。このたびの中止措置により、地方財政にあげられた赤字の影響は深刻であります。このような何どき再び中止事件を惹起するか予測できぬような、不安定な財源に地方財政が依拠するがごときは、きわめて不健全財政といわねばなりません。
 第二に、われわれのあげる理由は、不正と腐敗であります。競輪場開設経営をめぐつて暴露された官公吏、地方財界、業界、地方ボスから、中央政府にまで及ぶ不正腐敗事件、またレースのやおちようをめぐる不逞ボス、これらに結びついた極右暴力団の跳梁暗躍、選手の腐敗等、今や競輪は不正腐敗の温床となつているのであります。
 第三に、宇都宮、鳴尾競輪等に見られる放火、殺傷事件、これに対する警察官の発砲騒ぎ、多数の検束騒ぎ等が引起された社会不安の問題であります。さらに付言すれば、これらの被検挙者中に、およそ被疑事実とは無関係の多数の人たちでむやみに検挙されている事実であり、これは人道人権の立場から看過できないことなのであります。
 第四に、道義の頽廃の問題であります。最近、頽廃的な映画の輸入や、これに刺激された淫猥な映画演劇、小説の氾濫、ビンゴと称する賭博類似遊戯の輸入流行と相まつて、これが国民の健全なる文化生活に与える恐るべき悪影響は、単に家庭生活の破壊にとどまらず、民主独立日本の将来に重大な害悪となるであろうことは公知の事実なのであり、この実情はまつたく植民地様相を呈しているのであります。
 以上われわれは、競輪法実施後の実情と、これに対する輿論の現状にかんがみ、ただちに国家的大局的見地に立つて本法案を提案するものでありますが、最後にこの法案廃止後の問題につき特に次の点について適切な考慮を政府において払われたいと考えるものであります。
 すなわち第一は、すでに設置された競輪場その他の付属施設については、低賃金のためにその肉体すら消耗し、肺病亡国が重大な問題化している今日、勤労国民のリクリエーシヨンのための活用、あるいは青少年のための健全なスポーツヘの転用、遊び場を奪われた子供たちのための公園への転用等を急速にはかること。第二は、この廃止に伴い生ずる競輪関係従業員の失業対策。第三は、これに依拠していた地方財政の赤字に対する政府の処置であります。
 法律案の内容は簡単でありますので、説明を省かしていただきます。
 以上が提案理由の要旨でありますが、事態の重要性にかんがみ、何とぞすみやかに御審議の上可決されますようお願いいたします。
#33
○小金委員長 本日はこの程度にて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
    午後四時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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