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1950/11/25 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 水産委員会 第2号
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1950/11/25 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 水産委員会 第2号

#1
第009回国会 水産委員会 第2号
昭和二十五年十一月二十五日(土曜日)
    午前十時五十六分開議
 出席委員
   委員長 冨永格五郎君
   理事 小高 熹郎君 理事 川端 佳夫君
   理事 田中長治郎君 理事 林  好次君
   理事 上林與市郎君
      石原 圓吉君    川村善八郎君
      久野 忠治君    鈴木 善幸君
      田渕 光一君    永田  節君
      福田 喜東君    松田 鐵藏君
      岡田 勢一君    小松 勇次君
      水野彦治郎君    井之口政雄君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 廣川 弘禪君
 出席政府委員
        水産庁長官   家坂 孝平君
 委員外の出席者
        文部事務官
        (初等中等教育
        局職業教育課
        長)      杉江  清君
        文部事務官
        (大学学術局技
        術教育課長)  腰原  仁君
        專  門  員 杉浦 保吉君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 中央卸売市場の手数料に関する説明聽取
 水産教育に関する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○冨永委員長 これより水産委員会を開きます。
 本日は漁業制度に関し、特に中央卸売市場における手数料の問題について、昨日に引続き政府の説明に対する質疑を行います。昨日の委員会におきまして議題となり、各委員よわ質疑せられました中央卸売市場における水産物卸売人の取扱い手数料問題につきましては、去る第七国会におきまして、四月三日の委員会において手数料引上げ反対の決議をなし、さらに八月二十八日の委員会において再確認をなし、政府に対し善処方要望して参りましたが、東京都並びに大阪府は、遂に政府の再三にわたる勧告を無視し、十一月二十日手数料引上げを決定したので、委員長並びに自由党鈴木水産部長同行して、農林大臣に市場法弟十七條の発動のやむなき理由を述べて善処方を極力要望したので、昨日発動して、農林大臣名をもつて六大都市に対して、いましばらく手数料引上げを延期されたいと通達したので、一応委員会に御報告申し上げます。これに対する質疑を許します。
#3
○石原(圓)委員 緊急動議を提出いたします。
 かつて私が水産委員長冬至に、わが国の協同組合の実態を調査するためアメリカよりハワード・H・ゴルードン氏が来日され、相当の長い期間調査されたのであります。その節私は他の委員ともに、同氏とは数回にわたりしはしば懇談し、大いに得るところがあつたのであります。その後同氏は帰米され、去る八月私に丁重なる書簡をいただき、かつ協同組合の参考資料とししアメリカの協力会、農民協同組合全国協議会及び協力会附則と農民協同組合全国協議会の年次大会の議事録及び年次報告の送付を受けたのであります。なお同氏は、これは農業のことであるが、漁業にそのまま当てはまるし、この法律は改訂しないで十分であるとつけ加えておるのであります。同氏は、アメリカにおける最大の協同組合の当事者として指導されていられる関係上、本貸料は当委員会においても、今後国政並びに水産業協同組合のあり方に至大なる参考資料となるものと思われます。つきましては、わが国においてかつての中央水産業会のような全国連合口会の法的結成を関係者一同熱望するものでありますが、関係筋では現在のところ認められていないのであります。よつてこれを参考資料となし、関係筋の了解を得て、全国的な水産審議会のような機関を法制化することにお互いは研究することが妥当と思われるのであります。よつてこれを翻訳して委員各位に配付の処置を委員長においておとりはからいをお願いする次第であります。
 以上動議夢提出いたします。
#4
○冨永委員長 ただいま石原委員より動議の提出がございました。皆さんの御意見を伺います。――全員御賛成と認めて、決定してさしつかえございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○冨永委員長 それではさよう決定いたします。
    〔委員長退席川端委員長代理着席〕
    ―――――――――――――
#6
○小高委員 水産教育に対して政府への質問をいたしたいのでありますが、文部当局からは、どなたがおいでになつておるか、これをまず伺いたいと思います。
#7
○川端委員長代理 お答えいたします。文部省からは技術教育課長の腰原説明員と職業教育課長が来ております。
#8
○小高委員 今や全国民のひとしく待望する講和條約も着々実施の方向に進みつつありますとき、ひとしお痛切に感ぜられますことは、まず何よりも失墜せるわが国の国際的信用を回復せしむべき方途を講じなければならないということであります。国際的信用を高めるためには国民の品位を保つことが肝要であり、国民の品位を養うためには、どうしでも教育に重点を置かなければならないわけであります。もとよりあらゆる方面において一般教育の必要なことは論をまたないところでありますが、私は実業教育並びに社会教育の重要性を特に強調いたしたいのであります。水産という立場から考えますとき、水産教育の普及徹底をはかることが絶対に必要であると固く信ずるのでありますが、たまたま昨年四月来朝いたしました米国の漁業使簡団が、その報告書中第二章において日本漁業は過去において国際関係を無視したことによつて、遺憾ながら世界の日本漁業に対する見方は、確かに猜疑的であり、同情も薄い、従つて今後における日本漁業は、考え方あるいは行き方というものを根本的に改めない限り、國際漁場に進化することはきわめて困難であろうとわれわれに警告しているのでございます。私どものさような記憶を呼びもどしますとき、まことに日本漁業の第一線として、常に国際漁場において活動を要すべき遠洋漁業についてこれを見まするに、乗組員一人一人の行動はただちに日本漁業に重大なる影響をもたらし、ひいてわが国の国際的信用を左右するものであると思いますとき、これらの乗組員に対する特殊な教育がいかに緊要であるかということを、強く認めざるを得ないのであります。しかして水産教育につきましては、二つの考え方があるのであります。すなわちその一つといたしましては、社会教育としての行き方であり、いま一つは実叢教育としてのあり方であるのであります。まず社会教育としての必要性から考えて見ますとき、幸いにして講和條約の締結を見ましたあかつきには、漁業海域の制限も、おそらく解除あるいは緩和されるであろうことを期待しているわけでありまして、この場合においてただちに諸外国接触し、さらに交際をなし得るものは実に遠洋漁業に従事するところの漁夫であります。もちろん農業にせよ、商業にせよ、あるいはまた工業にせよ、それぞれ異つた立場と環境のもとにおいて、諸外国との交渉あるいは取引が行われるのでありまするが、なかんずく漁業者におきましては、出漁と同時に外国の港に寄港し、あるいは上陸することによつて、親しく外国人と相接する機会がことのほか多くなるわけであります。従つて、輿に国際的儀礼を重んじ、品位を保つべきことが必要でありまして、前述のごとく日本漁業に対する世界の同情と理解を求め得るかいなかの重大なる岐路に置かれていることを思いますとき、そこにおのずから社会教育としての水産指導の重要性が強く認められるわけであります。
    〔川端委員長代理退席、委員長着席〕
漁撈技術はいかに優秀であつても、まだ正規の水産教育を受けておらない青壯年、中には老年に近い者もいるのであるが、これら乗組漁夫に対して、たとえ一箇月なりとも国費をもつて再教育あるいは再訓練をなして再び往年のごとき排日、侮日等を受けることのないように、ある程度の教養を與える必要があると信ずるものでありますが、これに対して水産庁及び文部当局におかれては、いかなる対策と所信を持つておられるか、これをまずお伺いいたしたいのであります。
 さらに実業教育としての水産教育につきましては、かりにも海国日本に生を受ける者として、海洋思想というものは一つの常識でなければなりません。しかるに事実は一般に関心が薄いのでありまして、今後新制中単の教科課程に、選択科目ではなくして、必修として織込んで行く必要があると思うのでありますが、この点文部当局はいかなる教育理念を持つておられるか、お尋ねいたしたのであります。
 さらに私は、本年四月現在におけるわが国の農業、商業、工業及び水産に関する高等学校の数を調査したのでありますが、水産高等学校のあまりにも少いことに、まつたく遺憾の情を禁じ得ないのであります。すなわち国立、公立、私立を一括して見ますとき、農業を主とする高等学校は六百三十二校、商業関係においては六百三十一校、工業関係においては三百七十八校を数えているのでありますが、これに対し水産関係はわずか五十二校にしかすぎず、実に農業関係の一割にも足らぬ状態であります。しかもこれら五十二の水産高等学校には、予算の都合上とは言え、練習船、あるいは漁撈実習船等はもとより、はなはだしきに至つては、海洋技術練磨の道場たるべき諸施設が十分得られない学校が相当数ありと聞くに至つては、まことに心外にたえないところであつて、文部当局はこれら設備不十分なる水産高等学校に対して、練習船、あるいは漁撈実習船を持たせるための補助金を用意しておられるかどうか、もし用意なしとするならば、すみやかにこれが打開策を要求するものであるが、いかなる所信を持たれるか、お伺いいたしたいのであります。いまや世界経済の一環としてわが国の産業の再建をはかるべき場合、海をたたえて水産日本の実をあげようということは、けだし国策として最も当を得たものと、私はかたく信ずるものであります。しかしながらこの大目的達成のためには、漁撈にせよ、また水産物の製造加工にせよ、従来より一段と前進せるところの科学性を十分に織り込まなければならないことを思うとき、まず中堅教育を強化充実せしむるために、全国各地にわたつて相当数の水産高等学校の増設をはかるべきであると思考いたすのでありますが、この点当局はいに考えておられるか。
 以上水産教育に関する数点にわたりましで質問いたしたのでありますが、関係当局においては、それぞれの立場において明確なる御答弁を賜わりたいのであります。
    ―――――――――――――
#9
○冨永委員長 今の小高委員の質疑に対する答弁の前に申し上げます。先ほど委員長から卸売人手数料引上げ問題に関する御報告を申上げましたが、昨日ちようど折悪しく農林大臣の出席は得られなかつたのです。今日は委員会開会に定刻出席せられましたが、委員各位のお集りが少くて開会ができなかつたのでありまして、委員会としては、重要問題なので今ちようど会議中特に出席を求めた次第であります。この際鈴木委員から発言を求められております。これを許します。
#10
○鈴木(善)委員 廣川農林大臣にお尋ねいたします。中央卸売市場における水産物の卸売人手数料の問題につきましては、去る第七国会におきまして、四月三日本委員会におきまして卸売人の手数料引上げは、現在の漁業経営の危殆に瀕しております実情及び消費者諸君の生活状況を勘案いたしまして、絶対にこれを認めがたいという決議をあげ、政府にその旨を要望いたしておりますし、八月の委員会におきましてもそれを再確認いたし、政府に善処方を要請して参つたのであります。農林大臣におかれましては、このような国会における要請を察知されまして、しばしば六大都市の開設者に対し、適切なる勧告を再三なさつて来られたのでありまするが、東京都、大阪府等におきましては、その政府の勧告を無視して手数料の引上げを決定するに至つたのであります。ここにおきまして全国の生産者諸君は、現在危機に瀕しておる漁業経営の現況からいたしまして、熾烈な反対をなされておるのであります。これらの諾情勢を勘案されて、農林大臣は中央卸売市場法第十七條を発動されて、手数料の引上げをいましばらく延期するよう通達をなさつたのであります。このことは自由党内閣が、また農林大臣が、全国の漁民大衆の生活について漁業の振興について、深き理解を持つておられるところの措置でございまして、私どもこの当局の指示に対して深き敬意を表するものであります。ただこの際お尋ねいたしたいことは、この通達は、十七條に明記いたしておりますところの、監督上における農林大臣の命令と解してよろしいかどうか。これが第一点であります。また第二の点は、いましばらく延期方をとりはからつてもらいたいという御趣旨は、農林大臣が来たる通常国会に提案せらるる御計画をもつて、現在立案を進めておられるところの中央卸売市場法の改正法案が制定せらるるまで、卸売人の手数料問題け現行のままでやつて行くという趣旨に了解してよろしいかどうか。この二点をお伺いいたしたいと思います。
#11
○松田委員 関連してお伺いいたします。
 現在施行されておるこの市場法のうち最も重要なる点は、かつての戦争中に行われておつた統制経済の誤りを是正して平常なる経済に移行して行かなければならない点であるのであります。ゆえにこの市場法によつて仲買い制度を設けて、卸売市場を設けておるのが今日の実態であるのであります。こうした平常の経済の状況に直しておる今日、生産者といえども、消費者といえどもまことに喜ばしい点ではなかろうかとわれわれは考えておるが、まだ戦時中の統制経済の行き一方に迷うていろいろな自己の利益を保護せんとする幾多の誤れる考え方を持つておる人々が世の中にあることをわれわれは是正しなければならないし、またそうしたものがあることを非常に遺憾とするものであります。ところで市場の内容を見るときにおいて、まず卸売会社の内容を見ると、卸売会社は五大会社といえども、その内容は洗つてみたならばほとんどゼロでありましよう。十幾つかの会社があるといえども、そのほとんどの内容は無にひとしいものであるとわれわれには考えられるのであります。また仲買い制度ができておるが、仲買人の内容といえども、それ以上に著しく悪いものと私には考えられるのであります。だがあの市場というものは、要するに昔からの河岸の博統たる一つの気風を持つておるものであつて、人に迷惑をかけまい今非難されておる保守だ、または風建だと言われるあの気風が、河岸全体の考え方である。こうしたことによつてかろうじて道義も経済も維持されておのが今日の姿であると、私は考えておるのであります。そのわずかの利潤において、わずかの手数料においてこの経済が維持されておるのが現在の市場の行き方であると断定することができると、私は思つております。一方において私がただいま述べた中に、もし生産者が値上げ問題に反対するならば、その反対する理由の中で、もつと大きな観点になぜ目をつけないのか、この点に対して私は強く申し上げてみたいと思うのであります。現在日本のあらゆる経済、あらゆる階層の中において、口を開けば金融の行詰まりということを言つておるが、私は生産者であり、また市場の開設者でもあるから、両方の内容をよく知つておる。この面から見て経済人であるから、あらゆる面をよく観察しておるが、金融のつけ方は、一分なり五厘なりを積立てして行つたならば、銀行はその倍なり三倍なりという金融をすることは容易である。こういうときにおいて、金融が円滑になつたならば、ただちにその金融は生産者に返つて行くじやないか、かような面になぜ新しい活路を見出さなないか。またもう一つ、現在市場において販売されておる鮮魚の価格は、どういような価格をしているかということを、反対している人々はよくわかつているはずだ。おそらく生産者がとうてい考え得られない価格で販売されているじやないか。そうした価格によつて販売されているものをも、なぜ大消費地たる東京市場へ送らなければならないかというと、ただちに金融をしなければならないから東京市場へ送らなければならないのである。これを地方へ送つたならば、もつと高く売れることは火を見るよりも明らかである。それを東京市場へ送らなければならない理由は、できるだけ早く金融をしたいからである。要するに金の回収ができるから、こういう安値でも東京市場へ送らなければならないというのが、現在の生産者の考え方である。しかもそういうようにして送られた安い魚が、今日市場の相場はどのようであるかというと、六貫匁のいかがわずかに二百五十円よりしていないじやないか。一匹のいかが二円よりしていないじやないか。それが市販が幾らしているか、一匹十五円から三十円しているじやないか。小売業者をなぜたたかぬか、反対する人々はなぜ小売業者をたたかぬか。また澁谷の東横デパートへ行くと、わずかに一割か二割しか利益をかけていなくて、薄利多売でどんどん売つている。ああいう制度を生産者の団体の方々はなぜやらぬか。ああしてやつたならば東京市民はどれだけ幸福になるかわからぬりまた生産者もどれだけ幸福になるかわからぬ。政府も東京都もなぜこういう制度を考えないか。こうしてやつたならばお互いの利益になるのである。しかるに小売業者は、まだ統制当時の考え方を持つておつて、わずかに三貫匁か五貫匁のものを買つて来て、一日の生活を行わんとするがゆえに、安い魚をたたいて、たたいて買つて来て、二円のものを十五円なり二十円に売つているのが今日の姿ではないか。生産者の反対している人々はなぜこれを研究しないか。私はこの点に大きな観点があると思う、こうしたことをよく考えてもらいたい。政治というものは数字ではありません。無から有を生じてお互いが利益になることを政治と言うのだと私は考えております。農林大臣もこのことをよくわきまえていただかなければならぬと、私は考えている。また仲買いというものは、りくつかちいつたならば中間搾取だと言うでしよう。今東京市場への入荷のうちで、多いときは五割、不足なときは三割地方へ再出荷されております。りくつからいつたならば、それが中間搾取だとおつしやいましよう。しかしかりに千葉県でとれた魚を、同じものを一車甲府へ持つて行つても、需要が満たなければ余つてたたかれるのであります。ゆえに生産者も、またその受入れた魚屋も、これではどうにもならぬから、東京市場へ集まつたもののうち、高級品から安いものまで総合して二軍も三軍も持つて行つて販売しているという実情で、要するにこの近郊を集めた大きな消費地ということになつておるのであります。ゆえに多いときは五割、少いときは三割というものが、どうしても仲買い業者によつて販売されておるというのが現在の実情であります。統制経済のときのように、二重、三重のはつきりしたマージンがかかつて行くのと全然異つた行為によつて常業される。これが自由経済のほんとうによいところであつて、ここに競争心理が現われて行くのである。わずか一分か二分の口銭の値上げが前途に明るみを持たしたり、経済の立直しをし、生産者の利益をはかることができるものであり、それがお互いの立場を向上さして行くための口銭としたならば、生産者は喜んでこれを出すべきであると考える。私は北海道の生産者として言うが、喜んで出すべきであると考える。私の生産している数量というものは相当莫大なものである。私は市場を経営しているが、その経営以上の生産を私はしているのでありますが、決して市場の口銭などというもので、自分の生産と対比して、利益になるのだというようなけちな考え方を持つて話しているのではありません。私は経済輿理を申し上げて御参考に供しないと思つているのであります。
#12
○廣川国務大臣 鈴木君からの市場の手数料問題についてのお尋ねでございますが、現在漁業はいわゆる制約されなるためには、講和会議の一つの関門を通らなければ自由にならないのであります。そこで生産者も消費者も、あるいは業者も、その制約された中において、各自が総合関連をもつて、相助けて行くという観点に立たなければならなぬと私は考えております。ただこの六大都市の市場の問題は、前国会からぽつぽつ問題になつておつたのでありますが、ただ中央却売市場法の中に、パーセンテージをきめて地方知事に権限が與えられておりまするので、その権限内において、しかも地方議会の協賛を経て決定いたしたいことでありまするので、政府といたしましては、これを愼重に取扱つておるのでございます。ただしかし国会の御意思もございまするし、なおまた生産者と市場の関係者との間に相歩み寄る点も見受けられますので、私たちといたしましては、この中央却売市場法第十七條を広義に解釈いたしまして、両方納得が行くまで、少しの間待つてもちいたいということの意思を伝達いたしておるのであります。
 松田委員の言われることこれまたごもつともでございます。統制経済から自由経済に移行して参ります間におきましては、統制経済時代の慣習が、おのずとその残津が残るのは当然であります。しかしこの残津をいつまでもつけておきますると、自由経済の妙味が少くなるのであります。その点を御指摘されましたが、これはまつたく私もさように考えております。ここで一番問題になるのは、松田委員指摘された通り、やはりこれは金融が一番大きな問題になつておりまして、農林省の立場からいたしまして、長期金融を大きく取上げておるのはこの点にあるのであります。それと並行いたしまして、特に水産団体において特殊な自立産業銀行を持つてもらいたいということを提唱いたしておるのも、そこにあるのでざいます。さような立場からいたしまして、金融をつけることが一番肝腎でありますが、この一分なり二分なり値上げした幾分をさいて積み立てることによつて、金融面に対して非常なる貢献をするということも、これまた非常な達観でございます。かようにいたしまして積み立てをいたし、金融にひもがついて参りますると、生産地にも潤うことはこれまたまつたく御指摘の通りでございます。しかし現在まだ両方でつつぱつておるところでございますので、政府といたしましては、これを円満に解決いたしましてしかも消費者にも迷惑をかけず、生産者にもあまり迷惑をかけず、また中間に立つておる市場の関係者にも損害をかけないように妥協点を見出してもらうために、一時あの決定の実行を延期してもらいたいということを通告したような次第であります。
 なおまた、先ほど鈴木君からお話になりました市場法の改正の問題でありますが、これをとは関係なく、この市場法の改正は来国会には提出する所存でございます。
#13
○鈴木(善)委員 大臣の御答弁でお気持の存するところは大体わかつたのでありますが、ただ今回の通達の効力につきましていろいろ誤解があつてはなりませんので、本委員会を通じて明確にいたしておきたいと思うのであります。簡單にお尋ねいたしますが、あの通達は、単なる勧告とか要請とかいうものではなく、中央卸売市場法第十七條に基く大臣の行政権限によるところの命令であるかどうか。さらに今しばらくという意味は、大臣も今御答弁のございましたように、通常国会には卸売市場法の一本的改正案をご提出になるというお話でございますが、次の国会まであと二箇月でございます。そういたしますならば、新しい市場法によつて松田委員よりも御指摘になりまして、松田委員よりも御指導になりましたように、集荷から卸売業あるいは末端の小売販売に至るまで根本的な改革をなし、公正明朗な合理的な水産物の販売機構が打立てられるものと私ども期待いたしておるのであります。その際このような手数料の問題につきましても、根本的に解決さるべきものと思うのでありまするから、今しばらくというあの通達の御趣旨は、そのときまで延期されるというように私ども了承してよろしいかどうか。この二点を重ねてお尋ねいたします。
#14
○廣川国務大臣 鈴木君にお答え申し上げます。前段の方は命令とひとつおとりを願いたいと思います。後段の問題に関しましては、そこまで固くおとりにならずに、その間に円満に解決する方法を見出すことが、一番賢明であると私は考えます。
    ―――――――――――――
#15
○冨永委員長 小高委員から質問された問題に対する答弁をいたさせます。
#16
○杉江説明員 水産業を実業教育としていかに振興すべきかという問題についてお答え申し上げます。水産業が非常に重要な意味を持つており、今後ますます発展させられなければならないという御意見についてはまつたく同感でありまして、今度大いに努力して参りたいと考えております。
 次に水産に関する科目を必須科目として課してはどうかという御意見につきましては、今後研究いたしたいとは考えまうが、新しい科目を設けまして、毎週一定単位の必須実習をさせるということは、現在のところ相当困難であろうと思います。ただ現在におきましても必須科目であります社会科、理科の中では、水産に関する事項を取上げて教えることになつておりますし、また選択科目として水産に関する課程を置き得るようになつておるのであります。こういう方法によりまして、その中において水産業を普及徹底させるように今後特に留意して参りたいと考えております。
 次に水産高等学校の数が現在非常に少い。そしてしかも設備がきわめて不十分である。これについての考え方といたしましては、私どもの方の職業教育全般につきまして、日本の産業経済の現状とその将来の発展に即応した計画を立てて、これが振興をはかりたいと考えて、現在調査研究を続けて折るのであります。その結果によりまして水産教育の振興をはかるべき点が明瞭になりますれば、そういつた方法を具体的に考えて行きたいと思つておりますが、現在のところにおきましては、現在ある水産高等学校の教育が十分に行われていない現状であるのであります。それは主として設備の不十分に原因すると思つております。ことに練習船の不足これは現在水産教育に大きな支障を生じておるところであります。水産教育つきましては、特にこの実習施設が重要でありまして、これが充実につきましては国として十分めんどうを見て行くべきことであると考えております。しかしながら来年度予算におきましては、この設備充実のための国庫補助をすることは、遺憾ながら認められておらないのであります。しかしながらこれが充実については、国としてぜひ考えて行かなければならないと思いますので、昭和一十七年度におきましては、このための国庫補助の実現されるよう、私どもといたしましても努力いたしたいと考えております。
#17
○冨永委員長 井之口君質問を許します。
#18
○井之口委員 当水産委員会が、どうも與党だけの委員と政府のなれ合いになつておることは非常に遺憾であります。私は昨日からいろいろ全般の問題について質問の申込みをしているのですけれども、やつとこさ今御許可があるという状態で、それもはたからすぐ要求が出てこれを弾圧しようとする。委員長においてはもつと公平なる態度をとられんことを希望いたします。
 さて昨日でしたか、一昨日でしたか、ポツダム政令が出まして、実際今の自由党は国会を軽視し、国会を無視しておることは、あのポツダム政令によつてまつたく明瞭に現われておりますが、この水産問題に対しましても、先ほど小高委員よりもありましたし、それから農林大臣からも、講和問題が近寄つていて非常に微妙であるというようなお話がありました。まつたくその通りでありまして、もしわれわれが今日の水産行政というものを真に考えまするならば、今日のような状態においては、まつたく日本の水産業というものが破滅してしまうという結論を出さざるを得ぬのであります。ただいまは販売の問題というような面にも、自由党の委員の中からおのおの意見が出ました、相当の矛盾もみずから暴露しております。しかも昨日から続いております生産の方面を見ると、将来の日本の水産漁というものは、ますます暗黒の中にとざされていることを痛感するのであります。(「具体的に言つてくれ」と呼ぶ者あり)今から始める。(「君の説は漠然としてわからぬ」と呼ぶ者あり)わかるように教えてあげる。さて講和問題でありますが、将来の日代の水産業にとつて、この講和問題は非常に重要である。もしも今日の講和ソ同明、中国、イギリス、アメリカと全面的な講和をしないで、片方に片寄つたところの講和をやるということになりましたならば、将来の日本はただちに隣国ソ同盟、中国に接するのであります。のみならず南洋方面に対してはヴエトナム、インドネシア、インドシナ、この方面にも関係いたします。こういう重要なるところの日本の位置というものを考えずに、もしも單独的な講和をもつてして、しかも国会なんかはほとんど無視してしまつて、いろいろなポツダム政令や何か出されるような、今日の力をもつて今日の状態を確認するような講和をなされて、その上に日本がいろいろな義務うということになりましたならば……。(「質疑は簡單に要領よくやつてくれ」と呼ぶ者あり)よし今からやるのだ。ということになりましたならば、今度は帝国主義の線に沿つたところのあの轍を、もう一ぺん違つた形でやるだけの話になつて来る。こういうことになつたら国民全体をまた戦争にに追い込むことになつて来る。これは非常に重大である、海上保安隊なんかを強化するということも、一面から見れば、これはいろいろな、取締りを強化して日本の漁業方面の発達のために貢献するように見えるけれども、もしも日本に真の独立がなくして、日本が民主的な世界の平和に貢献するような国でなかつたならば、当然これはある力のために日本が帝国主義の手先になつて使われて来なければならなくなつて来る、これは非常に重大である。そういう方面から考えて、日本の漁業が当然破壊されて来ることは明らかである、われわれは講和問題において、十分日本の将来の独立ということを明確にとり、ポツダム政令などでやるような、まつたく戦時最中のああいう勅令式のことでやらずに、ほんとうの民主主義的な政権を打ち立てることが必要であると考えます。この点についていかがでありますか。
 それから漁業行政が破綻に瀕しておることは、たとえばあなた方が、香川県並びに愛媛県に調査にいらつしやつて何を感じておいでになつたか。調査団の報告は何を見せておるか、漁民の連中の生活の破綻を物語つておるじやないか、あなた方自身がこれを明瞭に調査報告の中に入れておられる。例の紀伊水道の問題にいたしましても、漁民はこれを欲しないということを、ちやんと調査団の報告の中にみずから入れておる。われわれはこういうことを考えます場合に、一つの例を申しますが、せんだつて私が福良に参りますと、今年の漁獲はもうほとんど平年の十分の一くらいしかない、年末をどうして越せるか、これが漁民全体の憂いの中心になつております。そうしてこれはそこだけでなくして、ほとんど瀬戸内海沿岸、あるいは日本海沿岸全体の零細漁民の今日置かれておる運命である。一方から見ますと、底びき漁船が発達しておる、これは漁業のある意味における発達である、しかるにこの漁業の発達は、一切の沿岸零細漁民の生活を破壊するに立ち至つておる、この矛盾を今の漁業行政は解決することができない状態になつておる。こういう点を将来いかにして解決して行くか。水産力を増加すれば漁族は全部破滅してしまうような状態で、実際福良の漁民連中は、今年の年末をどうして越せるかということもわからない。とるところの米代の金もない、あるいは税金も抑えないというので、この間税務署が差押えに来たときに、全漁民が出て行つてとりかかつて自分らはほとんど税金が抑えない、生活ができないのに、一体われわれをどうして差押えするのだ、こう言つて闘つたために五名からの犠牲者を出しておる。こういう点も水産庁においては十分考えられて、漁民の生活をいかにして安定させることができるか、十分なる政策がなければならぬと思います。この零細漁民の方々は年末が越せないのであるから、この年末をどういうふうに越させたらいいか。(「越せるよ」と呼ぶ者あり)ここの委員の方々は、たいがい中どころの漁業資本家の方々がおいでになりますので、そういう人たちはまあどうにかこうにか年越しができるでありましようが、しかし世界を広く見たら、日本のそういう中小漁業ぐらいのところは、こんな鼻くそみたいな問題だ。もつと大きな観点をもつて、十分こうした零細漁民の生活も考えられなければならぬと思いますが、政府においては、年末の年越しについてどういう方法を持つておられるか、お尋ねいたします。
 さらに収獲したところの魚類の販売の面でありますが、ただいま卸売市場の手数料を上げたいという人もおられますし、あるいはこれぐらいのものは出してもいいというような御意見も出て、皆さん方の方で意見の対立もあるようであります。しかし従来の独占的な、戦時最中行われておりましたところのあの統制経済の害悪というものは、先ほど松田委員からも言われておりました通り、これは徹底的なものであつてこの統制経済のためにかえつてやみの魚が出て来る。これは決して統制できるものではない。根本において、資本主義が存在する限り、統制経済と言つても、統制できるものではない。(「ソ連はどうしておるか。」と呼ぶ者あり)ソ連は計画経済であります。人民全体が自分自身であらゆる政権を握つておるから、日本におけるようなそういう不当な営利主義の弊害がない。営利主義の弊害があるところにおいては統制をやつてもだめなんだ。これはわれわれ戦時中まつたく身をもつて痛感しておるところなんです。農産物にいたしましても、悪い品物もどんどん出て来る。やみがどんどん上る。こういうことで、国民は決してこの統制の利益を得ることはできない。ただそこにあるところの統制の上に乗つかつている一部のボスの連中が、わずかに利益を得るというような実情で、今の魚の販売においても松田委員自身が言つておる。松田さん自身が、こういうものは不当である、だからしてわれわれは自由経済をなさなければならぬ、こういつておられますが、さてそれならば自由にしたらどうだろうか、自由にしたところでやはり漁業資本家は仲買い、そういう方面の商業資本と結託しておるのであるからして、彼らはやはり、上げても下げてもほかの方面でもうける。いろいろな方法をとる。現に漁民から買い上げる場合には非常に安く、売る場合、消費者に渡す場合には非常に高い。これはどうすることもできない。このどうすることもできないというのが今の漁業行政における根本的な欠陷であります。この点をひとつ、あくまでも人民自身が、将来こうした販売の方面にも大きな統制をかけるというふうに考えないと、今度出て来るところの市場法なるものは、全然人民の利益を無視するものだとわれわれは考えますから、その点についてどうでありますか、ひとつお伺いいたします。
#19
○冨永委員長 井之口委員の発言中、速記録を取調べまして、不穏当の字句があれば、これを削除することを御了解願います。
#20
○家坂政府委員 ただいま井之口委員から高邁なる御意見を拝聽いたしました。漁民生活が非常に困窮しておる。これをいかに救つて行くかということについてのお尋ねがありましたが、水産庁といたしましては、従来の漁民というものは、個々の力だけしか発揮し得ざる状態に置かれておりましたので、金融にいたしましても、あるいは販売方面にいたしましても非常な弱力であつたわけであります。これができるだけ力を合して、すべての点に大きな力となつて動いたならば、今までの弊害も除去されるのではなかろうかというので、協同組合組織というものを助長いたしましてこれをもつてまず零細漁民の力を大きくいたしまして、すべての点に何事においてもかち取るように進めて参りたい、かような指導方針をとつております。
 それから年越しをどうさせるかということでありますが、これは結局そうした力によりましてただいまも協同組合あたりにも相当助長政策をとつておりまするのでその面を通じまして新しい年を迎えられるように、私どもとしては、こまかい点にまで注意いたしましてやつておるような状態であります。
 それから統制経済の弊害、それが魚価の公定価格撤廃によりまして自由な状態に相なつた今日といたしましては、自由奔放に放つたらかしておいては、やはりこれは一つの弊害になりまするので、常にある程度の制限を加えまして、たとえばただいまの魚市場手数料のごときも、一割までの限度は地方開設者に大体認可することのできるような状態に置かしておくということもその一つでありまするが、やはり自由奔放ということは許すべきことでもありませんので、私どもの立場としましては、ある程度の制圧を加えるような形ですべてを処理して参るのであります。
#21
○小高委員 先ほど文部省の杉江説明員から、私が講和條約後におけるわが国の品位を高める意味の、水産教育及び現在乗組み漁夫であるところの従業員に対する再教育、再訓練の質問をしたのでございまするが、高等学校あるいは新制中学校に水産教育理念を強く織り込み、またこれを強化することについては、熱意ある御答弁がありましたので一応了承いたします。しかしながら大問題は相当大きい事柄でございますので、ただ単に杉江説明員の御答弁にとどまらず、即刻文部大臣及び局長の方々と御相談の上、すみやかに答えの出ることを強く要望いたしておきます。その際に関連的に質問いたしました現在の乗組員の再教育、再訓練に関しましては国費をもつて、少くとも一箇月くらいの講習のようなかつこうにおける教育を施したらどうか。そして遠洋漁船の乗組員として国際場裡に活躍せしめたらどうか。今からやつておきませんと、講和條約が締結されてからでは間に合いませんので、この点わが国の品位のために非常に憂えて質問いたしておるのでございますが、この点に対しては御答弁がございません。これは水産庁当局の御所管であるか、あるいはまた文部省当局の所管に属するのか、その点を伺いたいのであります。
 関連してさらに文部当局に伺いますが、聞くところによりますと、中等学校あるいは高等学校には、実業に関するところの先生が少い。ことに水産の先生は非常に少くて困難であるということを聞くのでありまするが、これに対する実情を伺いたい。また措置がどうなつておるかという点も伺いたい。
 次に水産教育をなすためには教員を養成しなくちやいかぬのであります。これは教育大学を経て来なければいけないのでありまするが、この教育大学の水産学科には、学生がただいま何人くらいおるか、それは農工商に比べてどんな割合で入学志願者があるかという、割合比率を伺いたいのであります。
 最後に一点につけ加えておきたいことは、久里浜における水産大学が、警察予備隊等の希望によりまして大分教室が狭められておる。そのためにいずこへ行こうかといつて非常に苦慮しておるというのでありますが、いやしくも海国日本の最高学府であるところの水産大学が右往左往するようなことでは、私どもははなはだ遺憾にたえないのでございまして、この水産大学がどこへおちつくであろうかという見当と、見通しを伺いたいのであります。
#22
○腰原説明員 お答えいたします。御質問いろいろにわたつておりますが、まず第一に、水産関係の従業者に対する一般的な教育、まあ社会教育と申しますか、そういうことについてお話がございましたが、現在社会教育としましてそういう方面は行つておるのでございますが、御承知の通り昨年から新制大学ができまして、この大学が單に学生の教育のみにとどまらず、その地域の一般成人教育の役割も果す、すなわち大学のエキステンシヨンとして、その地域の教育に一般的に広くサービスするというような使命も一つ持つておりますので、今後水産関係の大学としまして――これはあとで数を申しますが、現在大学としましては少いのでございますが、そういつた方面の教育にも、大学のエキステンシヨンとして行うようにいたしたいと考えておるのでございます。
 次に、水産関係の教員の問題の御質問があつたのでございますが、現在高等学校、中学校等の教員になりますには、必ず大学を出るということになつておりまして、それには教員としての專門的な知識と申しまする、いわゆる教職課程をとらなければならないような状態になつておるのであります。そのために従来の方法とかわりまして、水産関係の教員には、水産の專門教育を受くると同時に、教職の方の教育を受けなければならないというような状態になつておりまして、現在水産関係の大学には、別に教職課程の方の学部もございます。そういうようなところでとるように指導いたしておりますが、なお教員の不足の実情等につきましては、別の説明員の方からお話があると思いますので省略させていただきます。
 次に、農、工、商等の学部の学生に比較して、大学ではどんな状況になつておるか、こういうようなお話もありましたが、これはただいま農業、工業、商業全体のものがちよつと手元にございませんので、一応水産関係の分だけ御説明いたしたいと思います。現在国立の大学としましては、單科大学あるいは総合大学の学部として九つございまして、その一年の定員の全体が七百四十名になつております。そのほか公立に一校、私立に一校、公立の分は九十名、私立の分は百五十名ということになつております。
 最後に東京水産大学のことにつきまして御質問がございましたが、東京水産大学は、御承知の通り、農林省において水産講習所として多年歴史を持つておつたのでございます。この水産講習所が、学制改革にあたりまして新制大学の設置せられるにあたり、大学に昇格いたしまして、本年から文部省の所管としての大学に移つて参つたのであります。この水産講習所は、従来深川の越中島において校舎の施設を持つておつたのでありますが、終戦後その校舎が久里浜に移りまして、久里浜で教育を続けるべくいろいろ手を加えて、大学としての設備を充実するように計画しておつたのでありますが、先ほどお話のありましたように、警察予備隊に突如使用されることになりまして、文部省としましては、非常にこの点について実は困つたことになつたのであります。何とかしてこの問題の解決を得たいと思つておりますが、なお現在の越中島の宿舎に帰れるように努力もいたしておりますし、また別な、あいておる施設等もひとつ見つけまして、それにどうかということも調査しております。また予算的には一応、突然のことでありましたので、来年度の土地の購入費にある程度計上しておりますが、現在のところは、来年の四月になりますと学生もふえまして、專門教育も始まりまして、そこではできませんので、何とかしてもつと適当な所をと考えておりますが、何分にも突然の問題でありまして、また施設、敷地等も、大学として適当かどうかということも、十分調査いたさなければなりませんので、この問題については、文部省としまして、すみやかに何らかの措置を講じたいと考えておる次第でございます。
#23
○冨永委員長 なお委員長からもつけ加えて申し上げておきます。この問題は、衆参両院関係委員長とも協議いたしまして、ごく近い機会に文部委員会、であるから、そういうような、国の財水産委員会の合同審議会をいたしまして善後策を講じたい、かように申合せをいたしておることをつけ加えて申し上げておきます。
#24
○小高委員 水産教育については、まだ種々意見があるのでございまするが、それはこの次の機会にまた文部当局からおいでを願いまして、さらに突き進んだ質疑応答をしたいと思いますので、きようは時間の都合上、以上をもつて私の質問を打切つておきます。
#25
○松田委員 その水産大学については、実は永田代議士と私と法務総裁に電話をかけて、大体水産大学は終戦後あそこが進駐軍に占領されたから、やむを得なくて久里浜へやられたのではないか、しかし今日久里浜に警察予備隊が侵入して来て、水産大学へまた侵略して来たのじやないか、そうして水産大学の授業にさしつかえるようなことを法務総裁はまたあえてしているのじやないか、かようなことで日本の法務総裁としてどういうことであるか、かようなことをやつちやいけないじやないかということを話したのであります。しかも現在、元の講習所は、進駐軍があそこから撤退して予備隊が入つているじやないか、現在日本の予備隊が入つている以上は、この機会を利用して、君の手によつてでき得ることがあつたら、ただちにあれを水産大学へ返すのが常道でないか、そういうことをやれないようなものであつたら、法務総裁はやめてしまつたらどうかということを、永田代議士とぼくとで強く交渉した。(「ヒヤヒヤ」)さもなかつたならば、四億何千万円という国費を使わなければ水産大学はできていないのであるから、そういうような、国の財政の詰つているとき、しかも共産党なんかに何だかんだと言われるとき、新たなる学校を建てるよりも、あすこをただちに返すべしということを、永田代議士とぼくとで交渉をした。そこでその通りにすべく善処をするということだつた。しかも党三役に対しても、ぼくらはこれを申し入れた。そこでそれをやろうということになつておる。文部省としても、水産庁長官も、このことを委員会で、しかも速記をとつて、ぼくらが言つておるのだから、よく法務総裁と協議をして、一日も早く水産大学をあすこにやるように善処されんことを希望する。これが今までの経緯だ。
#26
○冨永委員長 委員各位に申し上げます。ただいま松田委員からの報告もありましたが、本大学の後援会長である鍋島氏より、ただいま警察予備隊は校舎をそのまま水産大学にお返しすることに決定したという通知がありましたことを御報告申し上げます。
 なお水産大学の拡充につきましては、皆様より一段の御協力を願いたいと思います。
#27
○永田委員 先ほど小高委員の政府に対する質問の中で、講和條約の前に漁業船乗組員に教育を施して、しかるのち国際信用を増すという意味において当局の教育に対する基本方針というものを質問された。それに対して文部当局から応答があつたのだが、その質疑応答が終りまして、小高委員は一応了承したというふうなことに承つて、私は中座いたしましてちよつと廊下に出たのでありますが、私はなかなかさような程度の文部当局のお答えでは了承はできない。そもそも水産に関する学校施設というものは、今日やきのうに始まつたことではない。歴史は古いのだ。これに対して文部当局が、その内容の拡充という面については、あるいは予算的の処置であるとか人的の処置であるとかいうようなことにつきまして、どういうような努力をされて来たか、あるいは水産庁がこれを努力したのであるか。かような面について、予算猛得あるいは人的配置についてかよつなことであるというような努力のあとを、一応御説明を願いたい。
#28
○家坂政府委員 小高委員並びに永田委員からお話のありましたうち、水産庁に関連している点につきましてお答えしたいと思います。
 水産庁で今主管しております学校というのは、山口県にあります第二水産講習所、これ一校であります。これは專門学校でありますが、これが教育方針としましはて、もちろん社会教育ということにも考えておりますが、最も力を入れておりますのは職業的な教育方面でありまして、この学校を出れば、自分の專門で、ボートも漕げる、船の運転もできる、カン詰もつくれるというような点に重点を置きまして指導しております。それから先ほど、今後は漁夫の教養をいま少し高めて行かなくてはならぬじやないかという御意向はまつたくでもつともでありまして、私ども、いろいろ海岸方面にあります学校などにも、そうした教育が施されることを要望しておるのでありますが、特に、今まで二十トン以下の船は、いわゆる海技免状というようなものがなくても済んだのでありますが、今問題になつておりますのは、五トン以上は必ず何かの技術の方の免状がなくてはいかぬというような議が出ておりますので、それに対処いたすためにも、漁民の海洋に関する技術また教養というものも、非常に重大になつて来るのであります。この点につきましては、私どもはできるだけ、いろいろの養成所などを経まして、この教養と技術の高揚をはかつて参りたい、かように考えております。
#29
○永田委員 そこで、ただいまの長官の御意見によりますと、二十トン未満ないしは五トン以上の船は、それぞれ機関長あるいは船長という資格を與えなければならないというような御議論に承りましたが、もしさような案がありとしたならば、当然国家の予算的処置というものを考えなければならぬと思う。そこで、その予算もなく、その裏づけもなく、さような資格をつけなければならないというような問題が起つて来ますと、たまたま問題が輻湊して来る、さように考えますので、予算的の処置について何らかの処置が講ぜられておりますかどうか。
#30
○家坂政府委員 ただいまの点につきましては、まだこの案は考究中でありまして成立していないのであります。もし成立しますれば、もちろん予算的処置を講じなければならぬと思います。
#31
○川村委員 本日の委員会に農林大臣が出席されまして、本年の四月以前から問題となつて、しかも本月に入りましてから、もうすでに大火事となつて現れたのを、農林大臣の中央市場法の第十七條の適用をもつて、一応解決を見たというようなことには考えられますけれども、先ほど鈴木委員の質問に対しまして、大臣は後段の問題でこう答えております。実は農林大臣がおいでならば面接承りたかつたのでありますが、退席されましたので、水産長官にお伺いいたすのでありますが、農林大臣はこう答えております。生産者にも不利にならないように、消費者にも不利にならないように、市場経営者にも不利にならないように、最善の方法をもつて解決をつける考えである、こうお答えになつたようであります。そこでその具体的の方法を承りたかつたのでありますけれども、遺憾ながらおりません。水産長官は大臣と、具体的の問題について打合せがあつたかどうかということをまずお伺いします。
#32
○家坂政府委員 まだ具体的に打合してはおりません。
#33
○川村委員 そこで大臣がかような答弁をされた以上は、具体案というものを長官において必ず立案しなければならぬ、これは事務的に考えるのであります。そこで大臣に相談がなくとも、水産長官はそれに対する具体的の案をお持ちであるかどうか、この点をお伺いします。
#34
○家坂政府委員 まだ最後的に確定したものは持ち合しておりません。
#35
○川村委員 最後的に立案はできておらないとしても、お考えぐらいは持つていなければならぬはずと思います。なぜかならば、劈頭に申し上げましたように、四月からの問題であります。今日あることはすでにわれわれはわかつておつた。しかるに水産庁当局はすべてがなまぬるくて、右から押されば左へ行き、左から押されれば右へ行くということで、今日まで延ばしておるということであります。過般生産者団体のお話を聞いておりますと、相当に熱意があります。この解決はすでに本月になつてからでもああいう問題になつたのであるから、もうあの問題は水産庁で対策を立てておかなければなりません。もちろん長官は水産庁の最高の責任者であるけれども、水野課長もその責任なしと言えません。この解決はいずれかにつけなければなりません。一応大臣の決意によつて解決づいたとはいえ、その跡始末は必ず考えなければなりません。もちろん法的に考えることも必要でありましよう。しかし大臣の御答弁から行きますと、法的に解法するというよりも、むしろ話合いで解決かけたいという所存が多いようであります。従つて話合いで解決をつけるとすれば、もうすでにその腹案ができておらなければなりません。私らは、生産者にも不利にならないように、消費者にも不利にならないように、あるいは市場経営者にも不利にならないようにという言葉を聞いて、もうすでにどうすればいいかくらいの案は持つております。私の腹案を端的に申し上げますれば、生産者にも不利にならないということは、安く売らない、高く売るということなんです。高く売ると消費者が損をする。しかし現在の市場価格と小売価格を見ますとこうなつております。いかが一貫目最低二十円になつておる。行つてみると小売が一ぱい二十円、そうすると十倍以上になつておる。結局今の姿では生産者が不利になつて消費者が不利になつておる。そこでだれがもうけておるかというと、おそらく卸売市場以下の者が中間搾取をしておるということは明らかであります。そこで生産者に不利にならないようにするならば、一挙に鮮魚が出て来るから安くたたかれる。これは常道であります。もちろん鮮度の関係もありますけれども、一挙に出て来た場合には、保存施設があるならば、ある一定の時間保存する。方法は荷をあんばいするということになります。数量のあんばいであります。それによつてもやはり一挙に下落するということはありません。もちろん冷凍施設等も考えなければなりません。こういうことを考えて行つたならば生産者に不利になりません。またもう一つの方法といたしまして、あの却売市場の経営者の方々は、必ずそれだけではなく、ほかに機関を持つておるはずであります。そうしてその機関からの利益があつたとするならば、その利益の幾分を生産者に還元すべきである。この二つで生産者の不利なところをカバーしてやる。もちろん輸送の面とか、あるいは経営の面とかいうような面もありますけれども、この二つはもう早急にその政策をとらなければなぬ。それから小売が高く売つておるいうことは、市場価格というものを、消費者が知らない。もちろん知らせるにはラジオで放送する方法もありましよう。しかしそれよりも各消費地の地区別に模範販売店、また標準価格店といいましようか、そういうものを市場の関係者が店舗を出すとか、あるいはマーケット式の市場を出すとかして今中央市場の価格はいかは幾ら、さばは幾ら、まぐろは幾ら、ぶりは幾らというふうに掲示して、小売価格はこれだけに売ると小売業者も困らないのだ。消費者はこれだけの利益があるのだということを知らしめることも一つの方法でありましよう。そうしたようなことをして、いわゆる生産者の利益のためにも、消費者の利益のためにも、また市場経営者が成り立つようにその方法を講ずべきでなかろうかという試案を持つております。もちろんそれ以上のいろいろな方法もありましようけれども、まずもつて 一日も早くその方法をとることが妥当でなかろうかと考えております。決して法をもつて縛るということばかりでなく、大臣の言われるように、話合いによつて解決がつくものであるならば解決つける。そうしてしかる後に、手数料を引上げなければいかんとも市場の経営ができないということになりますと、おそらく生産者も納得し、消費者も納得するでありましよう。私の申し上げた以上のことがあるならば、一日も早くそういう方法をとつて解決づけられんことを、まずもつて希望いたします。
 第二の問題といたしまして、実は昨日委員長から、今度資源調査をしなければならないので、私にぜひ小委員長を引受けてくれということでありましたが、両三私は辞退したのであります。ところで第一着に手を染めなければならぬことは、瀬戸内海の資源調査ということであります。この瀬戸内海の問題については、過般本委員会ではもちろんでありますけれども、衆議院の本会議、さらに参議院で問題になりまして、今では握りつぶしになつておる。こうしたようなことを見ておりますので、それでは私が引受けてその資源調査に当りましようということをお約束申し上げたのであります。そこで私はまず瀬戸内海の資源の調査に先立ちまして、あの紀伊水道の問題でなぐり込み問題まで起しました原代議士と川西代議士に会つて、実はかような状態になつて、私は瀬戸内海の資源調査に行くんだ、従つて結論は出ると私は考える、しかし今日でもまだ紀伊水道の問題はくすぶつておる。この解決のかぎを私はきつと握るだろうと考えるが、しかし私は見なくても、結論的に申し上げると、資源が不足であることは明らかだ、それに反比例して底びき類似のもの、あるいは底びきは非常に多いことも聞いておる、事実かどうか知らぬけれども、許可船よりも密漁船の方が多いということでありますが、その実情をお話申し上げて、しからばこれをどうするか、行政措置において解決をつけるか、法律をもつて解決つけるか、どちらがいいんだ、でき得れば私は、諸君があの紀伊水道問題では反対して騒ぎ立てたのであるから、君たちの力によつて行政措置をとつていただいて、密漁船を一隻もなくするように、しかもその密漁船といえども、今ただちにこれをやめさせると生活に困るのであるから、この転換策等も諸君の方で考えていただけば、円満に解決つくのではないか。こう申し上げたところ、それはとうていできない、断固として取締れ、私は取締るということに協力する。二人ともこういう一点張りであります。地元代議士が取締れ、この一点張りであります。水産庁はこれに対して、一体どういう所見を持つて臨むか、この点をまずお伺やします。
#36
○家坂政府委員 瀬戸内海の問題でありますが、資源的に見まして、確かに減つておる偉いうことは衆目の合致しておるところであります。私も常識的にはさように考えております。それでこの中に非常にひしめき合つておりまする許可船あるいは無許可船、またあるいは類似船のあるという状態は、非常に嘆かわしい状態であるのでありますが、これをいかに整理して行くかという点につきましては、ただいま川村さんのお話の中にもありましたように、できるだけ急速にやりたいのでありますが、なかなか整理というものは、そう簡單には参らぬと私は考えております。けれども狭い瀬戸内に、約二十万と称せられておりまする漁民の生活を考え合せまして、できるだけ生活のかてを断たないように、結局法によらないでやつているようなものは転換さして、別の方法で糧道を保たして行きたい、大体かような考え方で進んでおります。
#37
○川村委員 私の考えと水産長官の考えと同じであります。私もぜひそういうふうなことを望んでおるのであります。実は御承知の通り、北海道にも小型手繰網というのがあつて、約八百隻の小型船と七百隻以上――大体許可船と同じくらいの密漁船がありまして、このことは戦時中ににも増産、二にも増産、食糧を増産しろといつて奨励した関係上、一応私はやむを得ないということで考えておりましたけれども、終戦後にれはこのままにとておくことはできない。しかも食糧がこうして緩和された以上は、行政措置において一日も早くこれを解決すべきであるということで、長官も御承知の通り、約三分の一ぐらいのものは残したけれども、その他のものは全部転換してしまいました。残る三分の一ぐらいのものは、昭和二十七年の三月三十一日限りに転換をすると約束づけられて、円満に解決ついた例があります。瀬戸内海がいかにめんどうだといつても、私は決意さえあればできるという確保を持つております。やらないかちできない。地元代議士は全面的に取締りの強化をしろ、しかも私にかように言いました。今までは海上保安庁が充実して、なかつたからやむを得ないけれども、今度数隻の船もでき上る、海上保安庁の内容も充実した。あわせて水産庁もそれに同調してやるならば、これが完全に取締りできるのだ。少し漁民を圧迫しなければこれは言うことを聞かないというような考え方であつたのでありますけれども、私はさように考えません。でき得るだけ行政措置ですべきにである。従つて北海適の例にならつて転換せしめるならば、さほど困難ではない。その決意が水産庁並びにいわゆる地元県にないからであります。地元県なり水産庁なり、ひいては本委員会でもその決意を披瀝し、その措置を講じて、やめざる者はやむを得ずこれは法律の制裁によつてやるという方法をとるならば、私は一年でできるとは考えないけれども、あと二、三年でできるという確信を持つておるのでありますが、この方法でやる意思があるかどうか。意見は一致しておりますけれども、意思がなければ、ただ意見の一致だけでは何もなりません。絵に描いたぼたもちになります。結局食えるぼたもちでなければならぬのであるから、やる意思があるかどうかということを、私はまずもつて承りたいのであります。この御答弁を願いたいのは、私が調査に行くか行かないか、小委員長をやめるかやめないかという岐路でありますので、特にお願いいたします。
#38
○家坂政府委員 過日私瀬戸内海連合海区漁業調整委員会の第一回の発会式に参りまして、委員各位といろいろ懇談して参つたのでありますが、今後あの委員会、あるいはこの下にありまする海区の委員会も、この問題については非常な関心を持つておると考えておるのであります。それで、その席でも大体私どもの考えておりますることを開陳しまして、説明だけはして参つたのでありますが、討議する時間がありませんので、御意見は十分私は聞いて参らなかつたのでありますが、今後いろいろ海区の委員会でも論議されることと思つております。そういつた意見がまた逐次重なりまして、私どもの方にもまとまつて参るかと思つておりまするが、大体先ほど申し上げました考え方に基きまして実行して参りたい、私はかように考えております。
#39
○川村委員 ただいまの長官の御答弁の中に、連合海区調整委員会ができて、そういう話もあつたし、私もその話をして来た、であるから多分取上げるのであろうというような予想の御答弁であります。私は予想でなく、やる意思があるかどうか、一言で言えば、答えは簡單だ、意思があるかないか。だからやる意思があるならばどうするんだということを、私は伺いたい。やる意思があるならば、まずどういうふうな具体的の方法でやるかというこを承つた方が、時間が節約できますので、これを承りたいのであります。
#40
○家坂政府委員 ただいまの点につきまして簡単に申し上げます。やる意思を持つております。なおこれの具体的の考え方を現わしました小型機船底びき網漁業についての要綱が大体まとまりましたので、この点についていろいろ御説明申し上げますれば、内容はよくわかると思います。
#41
○川端委員 ただいまの川村委員のお話、それに御答弁の水産庁長官のお話、これに関連いたしまして私も一言意見を述べたいのであります。というのは、ただいまの瀬戸内海における底びき類似船の整理の問題、これは今資源を保護するというような観点から大きな意味を持つということと、もうつは、過般の国会において問題になりました紀伊水道の問題にも大きな関連を持つて来る問題なのであります。御承知のように、紀伊水道の改正法案というのは、あの地域におきまして、無動力船を使うということを條件にいたして押し進められた。ところが一方瀬戸内海の取締規則をかえまして、この底びき類似船を整理するという問題が起りまするや、紀伊水道関係地区というのは、これについての基準になるトン数の問題について、大いに関心を持つて来ておるのであります。従つてもしこの整理の問題を押し進めまして、そうして内海側と紀伊水道側とのトン数の比率等がきまりましたあかつきにおいては、紀伊水道問題のあの改正法を押し進める根拠がなくなつて来て、大きな政治問題として騒擾をかもしました問題の根拠は薄弱になつて来るのであります。こういう政治問題を解決する一つの方便にもなり、かつ瀬戸内海のあの枯渇されました資源を保護するということにも役に立つのであります。よつて水産庁の事務当局におかれましても、この観点から、もうすでに用意を進めおられたことをわれわれは聞いておつたのでありましたが、いまだそれを具体的に進めて結論を得られておらないという点を、非常に遺憾に考えておるものであります。従つて私は、この二つの面から大きな意味を持つているのでありますから、一刻も早く進めてもらいたいということ、また一方においては、地元においては資源が非常に枯渇をいたしておる、これを何かの形で補つて行くことを考えなければならぬ。それは現在の自然に生れて参りまする資源を保護するという道と、積極的に孵化事業をやる道はないのものであろうか。瀬戸内海に、どういう形でもようございまするが、孵化設備をつくる道を考えてもらいたいというようなことが、関係各県の大きな要望に現在なつて、大きな輿論として中央に持ち込まれんとしておる段階であるのであります。従つてこういう点もよくお含み置きを願いたいと思うのであります。
 それから時間の関係がありますから簡單に申し上げます。先ほどの中央卸売市場法の改正の問題について、ちよつと触れますが、私は先ほど農林大臣が話合いでもつて、あの停止をいたした善後措置を講ずるつもりであるというようなお話がございましたが、私の考え方は、この停止ということを中央卸売市場法の改正と関連せしめて考えてもらいたい。要するに先ほど鈴木委員からもお話がございましたが、中央卸売市場法を改正して、そして再びこういう矛盾といいますか、問題をかもし出し得ないような法的措置を考えるまで、この停止をする形の取扱いをせられてはどうかというのであります。要するに広川農林大臣のように大きな政治力を持ち、そして手腕があればともかく、世間におきましては、法をさへも守らない不逞の輩がおるのであります。これは皆さん御承知の通り。それは井之口先生あたりは多少耳が痛いのかもしれませんけれども、あるいは左翼におきましては、せつかくの遵奉されなければならない、社会の生活を規正する法律さへも踏み越えて、秩序を乱さんとする不逞の者がおります。従つて今後のために、中央卸売市場法をはつきりと根拠法として改正されまして、それに準拠いたしまして進められるという形にされることがいいじやないか、こういう意見を持つておるのであります。以上申し上げまして御意見があれば承つておきます。
#42
○林(好)委員 ごく簡單に水産長官に伺いたいと思います。
 二十五年度の見返り資金の問題でございますが、二十五年度の追加の見返り資金の問題は、農林関係では農地の改良及び水力の小型の発電、造林、それから水産の高度加工と四つになつておるはずでありますが、そのうちの農地の改良であるとか、あるいは電力開発の方は若干認めまして、あとは関係方面で認めないということを聞いております。造林関係におきましては一切認めないというようなことも聞いております。すなわち農林関係におきましては、相当の見返り資金のわくが余るということであります。このわくは水産の高度加工であれば、関係方面では相当額を認めてもよいというような意見があるように承つておりますが、これらの問題につきまして、水産庁はいかなるお考えを持つているのか。
 さらに北海道のことを申し上げてはまことに恐縮でありますが、北海道の鮮魚保持に今日まで使つておりました氷というものは、大半が湖水とかあるいは河川におきまして天氷を採氷して充当をいたしておつたのでございますが、最近この湖水とか、あるいは河川が廃液関係で非常荒廃をいたしまして、食品衛生法によりまして、函館の大沼以外は、天氷は一切採氷してはまかりならぬというような現況に相なつて参つたわけであります。従いまして北海道といたしましては、今まで天氷に依存していましたものを、人造氷に急速にかえなければならぬ結果に相なつたわけであります。しかしながらそれらの設備をいたしますのには、今日の行詰つた状態では、自己資金によつてまかなうということはおそらく困難であろうと思うのであります。従いまして、どうしても北海道に最も重点を置いて、見返り資金の水産の高度加工の割当をしてもらわなければならぬということであります。最近見返り資金のわくも相当増大されるということを承つておりまので、それらの見通し、また北海道の氷に対しまする特殊事情を十分に水産庁が認めて、そうして北海道に相当の割当をする御意思があるかどうかということを、伺いたいと思います。
#43
○家坂政府委員 ただいまのお尋ねの追加の見返り資金の問題でありますが、まだ金額ははつきりわからないのであります。大体五、六億円くらいのものじやないかと思つております。こことになつております。まだそれがどういう形で、どのくらいのものが水産関係に行くのかということにつきましては、具体的にはまだきまつておりませんので、その金額の高を申し上げる段階に至つておらないのであります。
 それからただいま北海道方面の施設の増強問題をお話になつたのでありますが、北海道もまた氷という面につきまして非常に不足を告げているということも、私どもも認識しておりますのので、そういう見返り資金の割当の場合には、十分に考えるつもりでおります。
#44
○林(好)委員 長官の御意志は大体わかりましたが、ただいま申し上げましたように、北海道といたしましては、まつたく非常時であります。すなわち氷がなければ水産物を処理することができないことは、水産長官も十分に御承知のところでありまして、ほんとうに今度は食品衛生法によつて、ただいま申し上げましたように、大沼以外は絶対に天氷をとつてはまかりならぬ。こういう指令がはつきり出ているわけでありますから、ぜひひとつ北海道に重点を置いて、そうして製氷設備がすみやかにできますように御配慮をいただきたいと思います。
#45
○冨永委員長 本日はこの程度で終わたいと思います。なお次会は二十八日火曜日午前十時より開会することにいたします。
 これにて散会いたします。
    午後零時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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