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1950/12/01 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 水産委員会 第5号
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1950/12/01 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 水産委員会 第5号

#1
第009回国会 水産委員会 第5号
昭和二十五年十二月一日(金曜日)
    午前十時五十三分開議
 出席委員
   委員長 冨永格五郎君
   理事 田口長治郎君 理事 林  好次君
   理事 上林與市郎君
      石原 圓吉君    鈴木 善幸君
      田渕 光一君    永田  節君
      福田 喜東君    松田 鐵藏君
      小松 勇次君    水野彦治郎君
      井之口政雄君
 出席政府委員
        水産庁長官   家坂 孝平君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (水産庁次官) 山本  豐君
        農 林 技 官
        (水産庁調査研
        究部長)    藤永 元作君
        経済安定事務官
        (物価庁第三部
        動力課長)   藤田  勇君
        経済安定事務官 小貝  谷君
        専  門  員 杉原 保吉君
    ―――――――――――――
十一月三十日
 水産業協同組合育成に関する請願(石原圓吉君
 紹介)(第一四〇号)
 乙部漁港修築工事継続の請願(冨永格五郎君外
 二名紹介)(第一四四号)
 鹿部漁港修築工事施行の請願(川村善八郎君外
 一名紹介)(第一四五号)
 大貫漁港の防波堤修築に関する請願(田中豊君
 紹介)(第一四六号)
 飛島漁港修築費国庫補助の請願(池田正之輔君
 紹介)(第一四七号)
 吉田漁港修築費国庫補助の請願(五島秀次君紹
 介)(第一四八号)
 漁網染料用タンニン節約対策確立に関する請願
 (小高熹郎君外一名紹介)(第四九号)
 白糠村地内船入ま改修費国庫負担の請願(冨永
 格五郎君外二名紹介)(第一五〇号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 水産資源に関する件
 水産資材に関する件
    ―――――――――――――
#2
○冨永委員長 これより水産委員会を開会いたします。
 水産資材に関する件を議題とし、特に漁業用燃油の問題について、昨日に引続いて質疑を行います。
 なおちよつとお知らせ申し上げます。政府側より水産庁長官、説明員水産庁次長山本豐君、調査研究部長藤永元作君、漁政課長戸鳴芳雄君、物価庁動力課長藤田勇君、事務官小貝谷君の出席があります。田口君。
#3
○田口委員 燃油の値上げ問題につきましては、ただいま陳情を受けたのでありますが、われわれから考えますと、昨日から申し上げておりますように、各産業に対する特殊性ということを全然考慮してないように考えるのでありますが、今回の改訂を草案されるにつきまして、水産庁と物価庁との間に、この問題についていかなる打合せをされましたか、まず第一にその点をお伺いいたしたいのであります。
#4
○山本説明員 いずれこの点は物価庁の方からも御答弁があると思いますが、水産庁といたしましてはこの値上げの問題のありそうなことは相当前から話は聞いておつたのでありますが、途中ややそれが延びるような空気になりまして、その後実は安心しておりましたところが、たしか先週の土曜日だと思いますが、突如として――これも正式ではありませんが、ある筋から聞き込みまして、そうして材料をもらつて、それじやたいへんだというふうな事情になつたのであります。ほかの各省はどうでありましたか知りませんが、事務的には、たとえば各重油の比率の相談には全然連絡がなかつたのであります。
#5
○藤田説明員 元来価格設定の場合におきましては、物価庁は物価に関するすべてのことをやつております関係上、水産物の関係につきましては第二部というのがございまして、第二部の方と緊密な連絡をとつてやつており、直接の主管庁である水産庁に対しましては、第二部の方から交渉があります。たとえば運賃にいたしますと、第四部の公共事業課長がまつ先に参りまして、運輸省の海運当局とも話し合つて常に連絡をしていたのでありますが、遺憾ながら第二部関係におきましては、そういう連絡がなかつたように記憶しております。但し物価庁がかくのごとき案を提出いたします関係上、この取扱いについてはきわめて慎重を期したのでありまして、一応物価庁の公平な庁議に諮つてこれを出しております。
#6
○田口委員 ただいまの御答弁によりまして、物価庁と水産庁との間におきましては、ほとんど連絡がない、しかも運輸省関係とは密接なる連絡をとつて処置をせられておる、こういうような観点からいたしまして、この案全体を見ますと、どうも運輸省関係のガソリンにおいて非常に有利といいますか、値上げの率が割合に低く、そうして漁業の現状からいたしまして、どうしても重大なる生産資材であるところの、燃油価格というものを引下げてもらわなければならぬという切実な要求のある漁業燃油について、反対の数字が示されておるということは、要するに水産庁と物価庁、物価庁と運輸省の連絡関係がかくのごとき結果をもたらしたのではないか、こういうふうに考える次第でありますが、とかく第三者から見ますと、官庁同士の連絡がことに原案作成者の方でなるべく連絡をとらないというような感じでされておるように考えます。われわれといたしましては、この官庁の不連絡のために、しかも産業の特殊性を全然考慮に入れてないような今回の燃油価格の改訂ということにつきましては、非常に不満を持つものであります。この点から申しましても、連絡のある運輸省関係がガソリンが有利であり、連絡がない漁業用燃油が非常に悪い条件にあるということにつきましては、どうかこれから先もよく連絡をとつていただきたい。少くとも運輸省と同じ程度――現状からいたしますと、まだ運輸省関係のガソリン以下にある漁業用燃油ということを考慮していただかなければならないのでありますけれども、少くとも同等程度にするように、この計数についてさらに御検討を願いたいのであります。
 それから第二に、全体の各価格構成の要素になつておりますところのものについて、一つ一つ検討をしてみますと、先ほど陳情者がお話になりましたように、どうもわれわれからいたしますと、個々に研究した結果、大体におきまして漁業用燃油、ことに重油関係におきましては、値上げをしないでいいのではないかという感じを持つのであります。その第一は、精製の場合の歩どまりの価格表を見ますと、大体原油の一割を消耗することになつておりますが、われわれが調べたところによりますと、どこの精油工場におきましても、かくのごとき大きな消耗率はないと思うのでありますが、その一割の消耗というのは、どういう基礎のもとに、どの工場を基準にしてお考えになつたのか、その点をまず第一にお伺いいたします。
#7
○藤田説明員 精製減耗率が非常に高いという御質問でありますが、精製の減率につきましては、いわゆるロス率と、精製の場合における減耗率とにわけることができるのでありまして、要するに目減りその他の問題というように、ほんとうに化学的にわけることができるかと思います。そのほかに自家消費の燃油というものにわけられて、これが精製の減耗率の内容をなしておるのであります。こういうものにつきましては、私ども必ずしも専門家ではございませんので、これが監督助長に当つております通産省鉱山局の意見を十分に尊重いたしまして、なおその上われわれもできるだけの精査をいたしまして、このように決定いたした次第でございますが、いろいろと工場の中には、工場の設備が同じであつても、輸入される原油の種類、品質等によりまして、多少の差異があるかと思いますが、物価庁といたしましては、大体このくらいは適当だという観点に立ちまして、立案いたした次第であります。
#8
○田口委員 物価庁の見方では消耗率を一〇%が妥当であると見ておられるようでありますが、われわれが調査したところによりますと、大体におきまして消耗率の非常に少い工場は二・五%程度、多いところで三・五%程度で済んでおる。この消耗率の見方ということは、非常に価格構成に重大なる関係を有しておるのでございます。かりに三・五%程度の消耗率ということになりますと、二百六、七十円程度で消耗価格が済むと思うのでございますが、これを一〇%ということになると、八百七、八十円程度の消耗となる。こういう点から申しまして、私らが調査をして持つておる資料からいたしますと、少くとも物価庁の考える消耗によるものとの価格差が、六百円程度の差が出て来ると思うのでございますが、物価庁でごらんになつておりますところの一〇%の消耗率、これはどこの工場を基準にしておられるのか、具体的に二、三の例を示してもらいたいのであります。
#9
○藤田説明員 お答えいたします。私どもは具体的にどこの工場というのではなく、太平洋岸の工場を主としてやつておりますが、御質問のロス率につきましては、私どもの方は三%しか見ておりません。
#10
○田口委員 ロス率が三%であると、あとの七%はどういう消耗による消耗でございますか。その点重ねてお伺いいたします。
#11
○藤田説明員 それは精製をするためにたきます自家燃料費を指しております。
#12
○田口委員 ただいま太平洋方面の工場というようなお話がありましたが、横浜の工場につきましては、どんなふうにごらんになつておられますか、数字をお示しを願いたいと思います。
#13
○藤田説明員 大体のところ今日いただきました資料に出ております三・三%というのが近いのではないかと考えております。
#14
○田口委員 そういたしますと、横浜の燃料等も一〇%マイナス三・三%というのが自家消費というふうに見ておられるわけでございますか。自家消費の内容について、もう少し詳しくお示しを願いたいのであります。
#15
○藤田説明員 燃料費の関係は何も油をたかなくてもよろしいのでありますが、大体の場合自家消費として油の方をたいているのであります。これは通産省あたりの数字を見ましても、大体この程度であるという数字がありまして、ちよつとここに資料を持つておりませんので、申し上げにくいのでありますが、いずれまた機会がありましたら、この点御説明をいたします。
#16
○田口委員 ただいまの自家消費につきましては、多分に疑問がございます。幸い横浜は非常に東京から近いのでございますから、横浜工場につきまして実際に調査をしてみたいと考えるのでございますが、調査の結果もし一〇%マイナス三・三%という数字と著しく違つております際は、消耗率ということにつきまして、物価庁としてぜひもう一度検討していただきたいと思うのでございますが、その点について御所見を承ります。
#17
○藤田説明員 お答え申し上げます。物価庁といたしましても、数字の計数の上で誤りがある場合には、これを直すのにやぶさかではないと思います。これは私の所管ではございますので、即答はいたしかねるのございますが、なるべくそういう場合は御趣旨に沿いたいと思います。但し横浜工場の一工場をもつてただちに計算の根拠にすることはできないのでありますから、そういう場合は、なおわれわれの方も他の工場を十分に研究いたしまして、加重平均の法則によりまして、あるいはまた他の方法によりまして適当に勘案したい。私自身そう考えております。
#18
○田口委員 ただいまもしさような場合においては横浜以外のところを調べて数字に誤差があつた場合におきましては、訂正するのにやぶさかでないというような御答弁があつたのでありますが、その点は了承いたします。
 次に元売の利潤と小売の利潤、この点は以前から、消費者の立場から見ますと非常に巾が広いというふうに常に考えておつたのでございますが、各地の油屋をじつと見ておりましても、あらゆる仕事のうちで、この油というものが一番もうけが多いように考えるのでございます。これは従来の、いわゆる元売、小売のマージン関係で、どうも非常に利益があるのではないかというような感じを持つておつたのが、この数字を見てみますと如実に――第三者から考えると非常に高い、大きな数字になつておる。価格の三〇%程度がマージンでとられてしまつておる、こういうような事情になつております。いかなる仕事でも、ああいう大量に扱う、そうして扱い方が、初めに販売するものもあとに販売するものも、品物が悪くなつて値を引かなければならぬというような製品でないもので、少くとも価格の三〇%程度をマージンにとるということは非常に穏当を欠くのではないか、たといその間に運賃などの要素が加わつておるにしましても、どうも高過ぎる、こういうような感じをわれわれは持つおつたのでありまするが、今回この改正にあたりまして、元売マージンを少し減らして、小売マージンをうんと上げてある。差引きいたしまして、平素われわれがあまりに高過ぎると思つておつたこのマージンについて、三百四十三円もまた高くなる、こういうようなことになつておるようでございますが、このマージンの算出の基礎について、ひとつ詳細にお示しを願いたいと思うのであります。
#19
○藤田説明員 御説明申し上げます。マージンの問題は、御質問のように、元売マージンと小売マージンの二つにわかれておるのであります。元売マージンにつきましては、昨日私の方の部長が申し上げました通り、大体元売の販売総数量の七〇%ないし七五%程度を外国商社が扱つておる、そういう関係もございまして、この金額の査定が非常に困難をきわめたのでありますが、前回の改訂の場合におきましても、大臣が二回ほど足を運んだのでございますが、結局関係方面におきましてはこれをいれることがなかつたので言い事。今回も、一応われわれといたしましては値下げについて交渉いたしたのでありますが、遺憾ながらわずかにマージンを引下げるというだけのことにとどまつたような次第でございます。それから小売マージンにつきましては、ここに書いてある数字は相当違いますが、とにかく幾らかの口銭を上げたのでございます。これはここに書いてある数字の場合には、一応一定の基準をつくりまして、いわゆる販売の標準量を決定いたしまして、販売標準点における原価計算はどうなるかというようなことをいたしまして、その結果出た数字が大体ここに出ておる数字と匹敵いたしております。しかしこれはそういう理論的なことだけでも困るだろう、それよりもむしろわれわれとしましては、今回の原油価格の値上りと、それから運賃の値上り、こういつた値上りに対して一定の金利を見込んで、その分だけは、小売の方としても値上げ要素として妥当ではないかというふうに考えまして織り込んだのであります。三百七十二円と書いてございますが、これに匹敵する場合の計算根拠はどうかというようなことがございますれば、ここに資料がございますから詳細に申し上げますが、そういつたこともやつております。なお小売マージンにつきましては、通産省の鉱山局方面からもどうしてこれを原案通りぐらいの数字で持つて行つてくれないのかということが、政調会あたりでしばしば詰問的にやられたところでございますし、なおまたその他の小売販売業者の方々からも、あるいは議員の方からわれわれは相当ひどくこの数字を切下げたことについて質問を受けたのでございます。そういつたいろいろな事情がございまして、結局小売マージンを現行よりも幾らか引上げたということに相なつております。
#20
○田口委員 ただいまの説明だけでは、小売マージンをこれほどまでに引上げなければならない理由の説明にはならないと思うのであります。主として原油が値上りした分だけの金利関係、こういうふうに解釈されるのでございますが、そういたしますと、この金額というものははなはだ高きに失しておる。もし原油の輸入価格の上り分だけの金利であるというようなことに理由がなりますと、この金額はうんと下げてもらわなければならないと思うのであります。従来の油の小売関係、消費者としての代金の支払い、こういう点から考えますと、ただいま物価庁から申されました原油の値上り分だけのマージン、金利、こういうこともさらに考慮する必要はないと思いますけれども、一応ただいまの御説明を了承いたしまして、原油の値上りの分だけの金利を小売のマージンに加えるといたしましても、はなはだ穏当でない数字のように考えるのであります。私は実際は消費者がものを受取つて、そうして金を支払うこの関係をよく承知しておりますから、ただいま理由とされましたこの金利関係も、考慮する必要はないではないか、こういうことを考えます。またわれわれが油を買います際に、一つのタンクから油をざあつと流して受取る場合に、二十キロというものが実は十九キロ――油としてはそこにいわゆる出目が相当出る、こういうような数字も相当大きいのでありますから、いずれにいたしましても、小売マージンをこの際値上げをしなければならないというりくつは、どうしても考えられません。しかしただいま御説明になりましたこの値上げの分だけの金利、こういうりくつを一応認めまして、この数字につきましては、その程度の金利を含んだ金額に訂正を願いたいと思うのでございますが、その点、重ねてお伺いいたします。
#21
○藤田説明員 大体金利のみではございませんが、原価計算的には三百七十何円という数字になりておりますので、そういつたものを勘案いたしまして、結局金利相当額程度というような言葉にいたしておりますが、実際織り込みました金額は、大体これの三分の一程度ではなかつたかと考えております。
#22
○田口委員 いずれにいたしましても、この小売のマージンをこの際値上げしなければならない理由がどうもはつきりいたしませんし、むしろわれわれとしましては、従来でも高過ぎるのでないか、全国の油の小売商の実情から考えましても、現状においては確かに高いと考えておるのでありますから、計数的に検討される場合におきましては、この項目につきましても、十分再検討を煩わしたいと考えるのであります。
 さらにガソリンと重油価格の関係でございますが、先ほどから陳情者が申されましたように、このガソリン税というものが、従来全体的の油にかかつておつた。従つて重油も軽油もガソリン税を負担しておつたものを、今回三〇%税金が低下した。低下した場合におきましては、これはほかのものは何にも考慮しないで、ガソリンだけを考慮する。こういうようなことは、一貫性という点から言つて矛省があると思うのであります。今まで各種の油がガソリン税を負担しておつたとすれば、今度軽くなつた場合におきましては、全部の油について軽くするのがあたりまえと思うのでございますが、今回ガソリン分のみについて税金を安くされた、この理由についてお伺いいたしたいのであります。
#23
○藤田説明員 御説明申し上げます。結局御質問の要旨は、ガソリン税の転嫁の問題のようでございますが、現行のガソリンは、御承知の通りガソリン税が一〇〇%織込んでございます。しかしながら、それが来年の一月一日から一万一千円という金額制にかわります。従来は率でありました。従いまして一万六千八百九十円の税金が、来年一月からは一万一千円にかわることになります。現行の一万六千八百九十円に対しまして、重油の比率は大体一六%程度に価格差がなつております。今度の改訂案におきましても、やはりその程度の価格差ではないかと考えております。その税抜きの価格差はそういうぐあいでございまして、税を込めるとずつとまた違つて参りますが、そういう価格差を今回も一応踏襲した。その結果ガソリンの値上りは重油に比しまして大体五、六%価格の上で上るという結果に相なつております。これをガソリンの消費者の方面から申しますと、税金は別だ、結局ネットで平等に上げてもらいたい、平均の値上りが一五%と申しましても、御承知の通り価格差の開きによりまして、アスフアルトその他が今非常に暴落いたしております。こういつたものに対して大体価格がノーマルなときであつた価格差を今回は立てようという趣旨もございまして、これを大体現行の三割ぐらいの値引きにいたしますので、結局値上るものの平均は二〇%ないし二一%に相なつております。その場合における重油の値上りは、その平均値上り率よりも上には行つていないということが申し上げられます。
#24
○田口委員 ただいまのお話だけでは、従来全般的の油で税金を負担しておつたのが、今回の改訂ではガソリンだけが税金の低下になつておる、この事実の説明にはならないと思うのでありますが、この点について重ねてお伺いいたします。
#25
○藤田説明員 税込みの場合の価格と申しますと、先ほど御質問されました要旨と同じような結論に相なるかと思います。いわゆるガソリンは税が非常に高いから、結局末端消費者の税込み価格において、そうガソリンだけ上げてはいかぬ、そういうことになれば結局ガソリンを値上げしなかつたものが、軽油その他の油に転嫁されているのではないか、こういう相互関係があることは大体了承できますが、しかし物価庁の考えといたしましては、税抜きの場合における価格差を中心にいたしまして現行の価格ができておるのでございます。それから今回の価格決定におきましても、現行の価格差を著しく変更する場合におきましては、その変更によつて産業界に相当影響を与えるであろうというようなことで、漸進主義的な考えから、今回の価格差をつくつたのであります。そうしてそれにガソリンの税を加えました場合の価格差というものは、現行のガソリンの消費者価格に比べまして大体少しあまくなつております。それからもう一つ、ここで税金の関係もございますが、ガソリンは究極するところ、現行の価格よりも安くなつておるという点、それからそれに反して他の油は現行価格よりも現案的に上つておるということは、御指摘の通りでございますが、私どもといたしましては、いわゆる税込み外のネットの場合における価格差をそう変更しては、価格政策上非常に打撃を受ける面もあるのではないかということを考慮いたしまして、かように決定した次第であります。
#26
○田口委員 先ほどからのお話のようにどうも運輸省関係の燃油がほかの関係のものに比べて特別の考慮を払われている、こう考えるのでございます。ガソリンだけにつきましても、国際価格をだんだん調べてみますと、ほかの油は国際価格で相当高いにかかわらず、ガソリンだけが、国際価格にしても日本は非常に低い価格でおちつかせておられるわけでございますが、特にガソリンだけを国際価格にまで安くしておられる、このことについては特別の理由があるのでございますかどうか、重ねてお伺いいたします。
#27
○藤田説明員 お答え申し上げます。これは私どもの方では、将来は国際価格にさや寄せしなければならないだろうというような判定もございましたけれども、現実の要請の方を一応強く見まして、かくのごとく決定いたしたのでございますが、これが決定につきまして、特に重油の価格を引上げる、あるいはガソリンの価格を引下げる、こういつた考慮は持つておりません。ただ計算的に、先ほど申しました税を引いたネットの価格差のバランスにおきまして、原価から著しく逸脱しないように、漸進的に価格差を改めて行きたい、こういうことでやつたのであります。御指摘のように、国際価格に持つて行くという方法をとります場合におきましては、重油がかりに一万五、六百円といたしますならば、大体その三倍くらいが末端価格としてよろしいのではないか、かように考えております。
#28
○田口委員 ガソリン関係と漁業用燃油のB重油との関係をいろいろ考えてみましても、何としても価格のアンバランスがはなはだしいように考えるのでありますが、この点は水産庁とさらに計数を御研究になりますときに、ガソリンと重油とアンバランスがないように、特に深く研究していただくことを付言しておきます。
 さらに運賃の問題でございますが、物価庁でお考えになつている運賃が、常識的に考えて、どうも少し高過ぎるのじやないかというふうにも考えるのでございます。アメリカの運賃と比べて特に高くしておられる理由はどこにあるのでございますか、その点をお伺いいたします。
#29
○藤田説明員 今の運賃と申されますのはタンカー運賃のことと存じますがタンカー運賃は御承知の通り、今回現行の大体七割アップ見込んだのであります。従来は、ガリオア関係で入つておりました例のUSLCレートの三割引きでありましたが、今回はその平均の二割アップになつておりますので、大体七割くらい上つております。最近の国際的な動きを見ますと、大体五割程度アップいたしております。それから運賃関係をやつておりますところの司令部の方の関係では、どうしても五割アップくらいの線をとれ、特に海運局長に対しましては、日本船はダンピングをするのかという強硬な意思表示もありました。なおまた向うの海運関係の方からも、どうしてもその程度の、二割アップというようなことでは困る、こういうことが電報で参つたそうでございます。しかしながら、物価庁といたしましては、運輸省と十分に連絡いたしまして、この程度が適当ではないかということで、二割アップにいたしたのでありますが、現実に輸入して入つて来ている数量を調べてみますと、日本船の場合は大体四割程度入つております。それから外国船は六割程度入つておりますが、外国船利用のものは、やはり四、五割アップの高いタンカー運賃を払つているようでございます。そういうことで、このタンカー運賃の見込みもむしろ過少ではないかとわれわれは考えております。
#30
○田口委員 いろいろ各項目について御意見を承つたのでございますが、何としてもまだ合点の行かないような数字ばかりのように考えるのございます。最初御答弁になりましたように水産庁との連絡がほとんどついていない。またほかの方面の折衝でも、数字的に事務的に再検討する、こう言いのがれのようにも考えますから、いずれこの問題につきましては、もう一回水産庁とよく御相談をいただきまして、漁業の特殊性も相当織り込んでいただいてそして消費者の立場から見たむりのない数字をぜひ出していただきたいのであります。われわれの考えといたしましては、いろいろ数字を検討してみますと、大体値上げをせぬでも今の価格で十分に供給ができる、元売にしましても小売にしましてもさようにむりがない、こういうように考えますから、どうか水産庁と物価庁とひざを交えて、各項目についての計数をもう一度研究していただいて、そして今関頭に立つているこの漁業に、多少でも国家的に貢献のできるような数字に折合いをつけていただきたい。このことを付言いたしまして、時間の関係もありますから、私の質問を終りたいと思います。
#31
○松田委員 燃油の値上り問題に対して、私どもはまことに合点の行かない点があります。要するに、物価庁はどのような手続をもつてこの値上げを発表されたか。農林大臣が今ここに出席されてないので、非常に私どもとすれば困るのでありますが、この問題は、漁業の進展に対して非常に大きな意味が含まれるのであるから、相当の期間検討することを建前として、今しばらく延して検討しようということを再三再四言明されておるのであります。ところが二十七日に、次官会議においてこの問題が取上げられ、これはあまりにも重大な問題であるから、閣議によつて決定する以外に方法はないのである、かような結論によつて、その日は流会になつてこの問題を保留した。ところが二十九日の閣議においてこの問題が取上げられ、農林大臣は病気のために出席不能であつた。それをもちまわり閣議においてすらすらときめてしまつた。きのう実は農林大臣と大臣室において会つたとき、まだ大臣はこれを知らなかつた。これは最初水産委員会の要望もあるので、十分検討の上善処しなければならないということをぼくらに言明されておつた。その矢先に新聞記者が、それは決定したということをそこで話された。一体物価庁は、ただいま田口委員からいろいろと指摘されておることも考慮されてやつたかどうか。漁業の現在の実態というものをどのように見ておられるか。こういう点が一つも考慮されずに、ただあなた方の関係官庁だけがその案をつくつて、水産委員会にも、また水産庁にも一つも御相談がなかつた。その決定を見て今日の値上げの発表となつた。私はこの点に対して、あまりにも行き過ぎではなかろうか、ないしはまた自分の職というものに忠実なるがために、他の意見というものを一つも総合する気持ちを持つていないのではなかろうか。かように考えられる点がたくさんあるのであります。私ども水産委員会は、その一番主体として政治力を発揮させて、われわれの意見を閣議なり、また政府なり、どこなりとも発表していただくのは農林大臣であると固く信じておる。その農林大臣の意見一つをも参考にせずして、この値の上り発表を見たということは水産委員会というものを全然無視した物価庁のやり方でなかろうかと私は考える。かようなことで水産業界がどのような立場に立つか。この点に対する物価庁の長官の意見を聞きたいのであります。あなたによつて個々の大綱が説明されるのならばいざ知らず、さもなかつたならば、物価庁長官の政治責任を私は聞いたいと思う。あなたに大臣にかわつての御意見があつたならば御発表願いたい。こうしてどんどん物価を引上げて行くことになつたならば、日本の政治というものはむちやくちやになる。この点に対するあなた方の御意見を承りたい。
#32
○藤田説明員 お答えいたします。ただいまの御質問に対しましては、私長官ではございませんので、長官の方にはそのことをこちらの方から正式に手続をしていただきたい、かように存じますが、私の考えでは、今の御質問の点は少し実際と違うのではないかと考えております。まだ価格は決定いたしておりません。それからもう一つ、価格政策につきましての問題でございますが、御承知の通り、ほとんどの統制価格は公益価格を除きましては撤廃されるという時代になつておりますので、今の論旨のような政策的な価格を織り込むということは、おそらく困難ではないかと考えております。自由価格になりました場合に、その価格を用いていた事業がどういう影響を受けるかということを考えますならば、むしろ自由価格的なほんとうの姿に価格を持つて行くということが正しいのではないか。われわれ事務当局としてはそう考えております。以上二つの点をお答え申し上げます。
#33
○松田委員 もはやあなたに質問する必要はないと私は考えるのでありますが、今あなたの御答弁の中に、まことに奇怪なる点を見出すのであります。どうか私のこれから申し上げることを御記憶願いたいと存じます。
 まずあらゆる物資に対する価格は、自由な姿によつてその価格の物資を購入して、それを原料として事業をやつて行くのが正常な考え方であるというような御趣旨でありますが、現在日本の国のあらゆるもの、まず第一には食糧、次には鉄鉱石、またあらゆる重要産業に対して、国はどのような援助と、また価格補給金を出しておるか。こういうものはあなたの御答弁を伺つたところでしようがない。現在日本の国では、そういう重要な物資がたくさんあることだと存ずるのであります。こうした点からいつて、日本の漁業の重要性がどのような程度になつておるかということも、よくおわかりのことと存ずるのであります。そこに政策的な加味がなかつたならば、政治というものは成り得ないと考えるのであります。しかしこれは政府に問うのであつて、内閣総理大臣がこれに答えるべきことであつて、あなたに質問することは誤りと存ずるものでありますから、私はこの程度にしておきますが、あらゆる物資に対して、政策というものがなければならないということを御記憶を願いたいと存じます。
#34
○冨永委員長 燃油の問題につきまして他に御質疑はございませんか。水産用燃油輸入の増加については、農林大臣も水産庁長官も極力努力していただいたことは承知いたしております。もちろん本委員会も、関係方面にこれが実現について懇請して来ましたが、値上げによつてこうむる生産者の困難は加重することになるが、輸入量は少いし、値は高いという場合、生産者の二重の困難を打開する方途について、水産庁長官の所見を伺いたいと思います。
#35
○家坂政府委員 現在の漁業全般にわたりまして、経営の困難であるということは、だれしも自明の理としてうなづけるのであります。そのうちでも、資材の問題はその数量の点において、また価格の点において、非常に緊迫した感を私どもに抱かせるのであります。このたび燃油が値上げになるということが提起されたのでありますが、これは私どもとしましては、極力この値上げの措置を抑えまして、漁業界全般に現在のままの姿で活動をさせて参りたい、かように考えまして、いろいろこのために努力を続けて行きたいと思つております。実は今日は水産部長をして、物価庁の方に担当部長を尋ねさせまして、なおこの点につきましていろいろ具体的に折衝を続けさせているような次第であります。
#36
○松田委員 長官にお尋ねしますが、まことにただいまの御答弁では、私は不満足であります。長官はよくこの種の状況を御存じのことと存じまするが、ただいま物価庁の御説明にも、政策というものを加味しないのが現在の日本のあらゆる物資に対するいい方法であるかのごとき御答弁があつたが、あなたはどういうお考えを持つておられるか。また大臣とこの点に対する御折衝があつたかどうか。また大臣がどのような御意見をあなたに吐かれておつたか。この点を承りたいと思います。
#37
○家坂政府委員 もちろんこの物価というものにつきましては、いろいろの社会情勢も加味して吟味しなければ九らぬものと考えますので、重要なる政策を加味させることは当然のことだと考えているのであります。そこでこの点につきましては、この問題が惹起しましてから、三回にわたりまして大臣ともいろいろ話合いを続けておりますが、大臣からも、その点については、極力その線を堅持してやつて行くというような返事があるわけであります。
#38
○冨永委員長 次に昨日の水産資源に関する石原委員の質疑に対する答弁が保留になつておりますので、政府よりこの答弁をしていただきます。山本次長。
#39
○山本説明員 昨日北海道の入会関係の資源調査の船の問題に関しまして、いろいろと御意見を承つたのでありますが、お話によりまして相当にこれは運営の上で考慮を要する点があると思いますので、とりあえずこの実施の中止方を命じまして、その間の事情を精査いたしまして、今後の運用の問題を公正に運びたいと考えております。
#40
○冨永委員長 本日の委員会はこの程度で散会いたします。次会は公報をもつて御通知申し上げます。
    午前十一時五十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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