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1950/12/07 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 水産委員会 第8号
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1950/12/07 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 水産委員会 第8号

#1
第009回国会 水産委員会 第8号
昭和二十五年十二月七日(木曜日)
    午前十時五十六分開議
 出席委員
   委員長 冨永格五郎君
   理事 川端 佳夫君 理事 田口長治郎君
   理事 林  好次君 理事 上林與市郎君
      石原 圓吉君    鈴木 善幸君
      田渕 光一君    平井 義一君
      福田 喜東君    松田 鐵藏君
      小松 勇次君    水野彦治郎君
 出席政府委員
        水産庁長官   家坂 孝平君
 委員外の出席者
        大蔵事務官   志場喜徳郎君
        農林事務官
        (水産庁次長) 山本  豐君
        専  門  員 松浦 保吉君
十二月六日
 委員田渕光一君及び松田鐵藏君辞任につき、そ
 の補欠として根本龍太郎君及び渡邊良夫君が議
 長の指名で委員に選任された。
同月七日
 委員根本龍太郎君及び渡邊良夫君辞任につき、
 その補欠として田渕光一君及び松田鐵藏君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
同月五日
 漁業取締船建造費国庫補助の陳情書(鳥取市鳥
 取県知事原夫次郎)(第二八二号)
 北海道漁業に入会許可に関する陳情書(新潟市
 新潟機底曳連盟会長阿部留治外二名)(第二九
 六号)
 酒田港における漁業用小型無線陸上局開設の陳
 情書(酒田市酒田市長本間重三外二名)(第三
 二二号)
 新潟市沖に漁業用無線海岸局設立の陳情書(新
 潟県沖合開発漁業協同組合組合長太古孫藏)(
 第三二三号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 中央卸売市場の手数料等に関する件
    ―――――――――――――
  請願
 一 久滋漁港修築工事継続の請願(鈴木善幸君
   紹介)(第五号)
 二 大槌漁港修築工事促進の請願(鈴木善幸君
   紹介)(第三七号)
 三 恵曇漁港修築費国庫補助の請願(山本利壽
   君紹介)(第六六号)
 四 水産業協同組合育成に関する請願(石原圓
   吉君紹介)(第一四〇号)
 五 乙部漁港修築工事継続の請願(冨永格五郎
   君外二名紹介)(第一四四号)
 六 鹿部漁港修築工事施行の請願(川村善八郎
   君外一名紹介)(第一四五号)
 七 大貫漁港の防波塊修築に関する請願(田中
   豊君紹介)(第一四六号)
 八 飛島漁港修築費国庫補助の請願(池田正之
   輔君紹介)(第一四七号)
 九 吉田漁港修築費国庫補助の請願(五島秀次
   君紹介)(第一四八号)
一〇 漁網染料用タンニン節約対策確立に関する
   請願(小高熹郎君外一名紹介)(第一四九
   号)
一一 白糠村地内船入ま改修費国庫負担の請願(
   冨永格五郎君外二名紹介)(第一五〇号)
一二 三谷漁港修築の請願(福井勇君紹介)(第
   二二八号)
一三 赤羽根村に漁港築設の請願(福井勇君紹
   介)(第二二九号)
一四 捕鯨用必需物資対策確立に関する請願(坂
   本實君紹介)(第二七六号)
一五 漁業制度改革案施費増額の請願(鈴木善幸
   君紹介)(第二七七号)
一六 九十九里沿岸漁業転換融資に関する請願(
   田中豊君外十名紹介)(第二七八号)
一七 小鹿港を漁港に指定並びに修築工事施行の
   請願(田口長治郎君紹介)(第三一一号)
一八 新潟県沖合における機船底びき網漁業の区
   域拡張に関する請願(渡邊良夫君紹介)(
   第三一二号)
一九 連合海区漁業調整委員会の常置並びに経費
   増額の請願(前尾繁三郎君紹介)(第三八
   七号)
二〇 篠島漁港けい船護岸工事施行に関する請願
   (久野忠治君紹介)(第三八八号)
二一 昆布森村に船入ま築設の請願(伊藤郷一君
   紹介)(第三八九号)
二二 雄勝港に漁港施設としての護岸並びに埋立
   工事施行の請願(内海安吉君紹介)(第三
   九〇号)
二三 水産用必需物資確保に関する請願(林好次
   君外二名紹介)(第三九一号)
二四 落石漁港に防波堤及び船付場築設の請願(
   伊藤郷一君紹介)(第三九七号)
二五 水産用必需物資確保に関する請願(冨永格
   五郎君外二名紹介)(第四六一号)
二六 湯江村に漁港築設の請願(田口長治郎君紹
   介)(第四六二号)
  陳情書
 一 水産用燃料増配の陳情書(浜田市長岡本俊
   人)(第三六号)
 二 山川、枕崎、串木野各港を第三種漁港に指
   定の陳情書(鹿児島市鹿児島県議会議長増
   田靜)(第一五二号)
 三 漁業用燃料確保の陳情書(千葉市千葉県議
   会議長林英一郎)(第一七五号)
 四 宮城県の水産関係災害復旧に関する陳情書
   (仙台市宮城県知事佐々木家壽治)(第二
   一四号)
 五 漁業取締船建造費国庫補助の陳情書(鳥取
   市鳥取県知事原夫次郎)(第二八二号)
 六 北海道漁場に入会許可に関する陳情書(新
   潟市新潟機底曳連盟会長阿部留治外二名)
   (第二九六号)
 七 酒田港における漁業用小型無線陸上局開設
   の陳情書(酒田市酒田市長本間重三外二
   名)(第三二二号)
 八 新潟市沖に漁業用無線海岸局設立の陳情書
   (新潟県沖合開発漁業協同組合組合長太古
   孫藏)(第三二三号)
    ―――――――――――――
#2
○冨永委員長 これより水産委員会を開きます。
 真珠の問題について石原委員より発言を求められておりますから、これを許します。石原委員。
#3
○石原(圓)委員 真珠に対する物品税のうち「真珠又ハ」の字句を削除することになりましたので、真珠業者は多年の煩雑な手続の問題が解消されることになりまして、これがために多大なる能率の増進になることと思います。このことは真珠養殖業者多年の懸案であり希望でありまして、それが今回の物品税法の改正によりましてその趣旨をいれられ、ここに是正されることになつたことは、業者の多大なる利便であります。従つて真珠の増産にも非常な長足の発展を見ることと思いまして、まことに欣快とするところであります。つきましてはこの問題が、業者並びに従来の税務関係当局へ早く趣旨が徹底するように、大蔵当局においても御配慮を願いたいと思うのであります。その趣旨とするところは、真珠のばら玉及び穴を明けて糸を通した、俗に通糸連と称しておるものでありまして、これがすなわち物品税法に言うところの真珠を用いたる製品でないということは当然であります。従つてこの加工せるものと加工せざるものとの範囲を、はつきりと明示することを必要とするのでありまして、その点を大蔵当局より十分徹底せしめて欲しいと思うのであります。以上に対して、主税当局の方の御見解を伺つておきたいと思います。
#4
○志場説明員 お求めによりまして、真珠に対する物品税の改正につきまして御説明いたしたいと思います。御承知の通り、真珠と真珠を用いた製品とに対しては、物品税法によりまして第一種甲類に属せしめまして、従来従価百分の七十の税率で課税することにいたしておつたのでありまするが、今回物品税法の改正案といたしまして、税率を百分の五十に引下げまするとともに、真珠を用いた製品のみを課税の対象といたしまして、真珠そのものに対する課税はこれを廃止することといたしたのであります。その趣旨につきましては今御説明もございましたが、結局国内で産出せられますところの真珠のうち、約九割強は輸出に振り向けられておる次第であります。しかも真珠は他の商品と異つた性質を有しまして、その取引形態が非常に複雑かつ国内の業者の間を転々とする性質のものであります。従来真珠そのものが課税の対象でありましたので、たとえば真珠に穴を明けまして国内加工業者の間を転々といたします場合には、一々税法上のいわゆる未納税移出という手続を踏んでおつたのであります。この手続が非常に煩雑であるということから、しかも究極において輸出品が免税でございますので、徴税費用のみを要し、また業者の方々におきましては、非常に煩雑な手数とむだな費用を使う、この不合理を改められたいという要望が非常に強かつたわけであります。私どもといたしましては、真珠そのものが非常に価値の高いものでありまするので、できることならばその真珠そのものも課税対象といたしまして、国内に転々する間の手続をできるだけ簡素化するという方向が最も望ましいと考えて、いろいろ研究いたしたのでありますが、ついに実際と目的とに合致したところの手段方法を見出すことがきわめて困難であるという結論に到達した次第であります。従いまして今回提案いたしました通り、真珠そのものを課税の対象から除外するということによつて、これを解決する以外に方法がないのではないかということを考えた次第であります。その場合に、今御質問がございましたが、真珠を用いた製品の範囲と申しますか、逆に申しますれば真珠そのものの範囲はどの程度かということになるのでありますが、ほかの物品税法によりますところの解釈と同じく、真珠を用いた製品と申しますのは、消費者の段階において、消費するところの対象になつたものを指すのであります。従いまして真珠の玉それ自体、あるいはこれに單に穴を明けておるもの、これだけでは真珠を用いた製品にならないと解釈せられるのであります。
 次に、今お話のございました、いわゆる連と称せられるところの、一応ネツク・レースのようなぐあいに玉をそろえまして、その穴の間を糸だけをもつてつないでおるものはどうだということになりますが、解釈上これまた真珠を用いた製品ではないと考えます。これによりまして従来輸出までの段階におきまして、加工等により転々とする真珠につきましては、まつたく課税の対象から除かれる次第でありますが、ここに私ども徴税の方面から申しまして、問題は、たとえば連のままで売ればかからない。その場合に、連のままでは消費者が消費しないわけでありますが、そこにいわゆるとめ金と申しますか、環を別に添えて、連とともに国内に販売せられるというふうな、いわば一種の脱法行為的な面が起ることをきわめて憂慮しておる次第であります。従つてこの点については、私どもといたしましては、業界の良心的な取扱い、あるいは考え方をさらに期待いたしまするとともに、あらかじめそういうものを未然に防止した方が、お互いに無用のトラブルを起さないで済むのではないかという点を考えまして、解釈といたしましては、ただいま申しますように、一方においてはネツク・レースの形をなした連と、それに環をつければすぐそのまま使えるというような環を添えて取引される。国内においてそういうふうな形態になりましたものは、これを真珠を用いたる製品と解釈いたしたいと思つておる次第であります。従来のところは、そういう取引形態が全然ないわけであります。国内に売られますものについては、ネツク・レースならば必ずそういう環をつけまして取引せられるのが通常でありますが、たまたま税法上真珠を除きましたために、今申しましたような異常、つまり普通でないところの取引形態が起ることはかえつておもしろくない。そういうことによりまして、もしも弊害が出て参りますると、また物品税の課税について、現行法のようなふうにあともどりするという方向を徴税技術上考えざるを得ないと思います。それではせつかくの業界の希望なりも達せられないわけでありますので、私どもといたしましては、そういう異常なる取引形態は、従来もなかつたし、将来もほんとうならばあるべきでないことでありますので、今申しましたような解釈を確立することによりまして、そういう異常なる取引形態を未然に防止する方が、お互いに賢明なる策ではないか。そうして今回の改正法が長くそのままの形で実施されることを一面保障することになるのではないか、こういうふうに考えておりますので、そういう解釈にして参りたいと思う次第であります。
#5
○石原(圓)委員 ただいまの志場説明員の御説明は、たいへん詳細に懇篤丁寧でありまして、よく了解をいたしました。ことに真珠製品と製品でないものの範囲、この点がはつきりいたしたわけであります。すなわち玉に穴を明けて糸を通すという連、通糸連程度のものは課税の対象とはしない。しかしそれに環を添えて売る場合は認められないという点は、しごくごもつともであります。いずれこれは小売課税の形式になるかと思いますが、私はただいまここでお述べくださつたその趣旨を徹底するように、できることならば大蔵省と水産庁とが共同の通牒のようなものを発していただくか、その他とにかく関係者一同に対して、詳細にこのことが周知されるこように、またただいまお説のように、故意に一方に環を用意し、一方に連を用意して脱税をはかるというような者は、絶対にないとは思いますけれども、業界並びに一般的に絶対さようなことのないようにすべきであると思うのでありまして、その点をわれわれも十分努力をいたしたいと思うのであります。せつかくこういうことになりまして、真珠の増産が非常に急速に発展することを予想されるときでありまするから、どうかその趣旨が徹底するような方法を急速におとり願うことを、ここに希望として申し上げておく次第であります。
#6
○鈴木(善)委員 今の石原委員の御意見に関連いたしまして、政府が今回物品税の改正によりまして、「真珠又ハ」を削除いたしました結果、真珠を求めてそれを後に加工する、あるいは連と環とをそれぞれ合意いたしまして脱税はかるというような、法律改正の趣旨に沿わない脱法的行為は、どうしても防止せられなければならぬと思うのでありますが、そういう観点からいたしまして、全国の金属工芸関係の飾り屋さん、飾り店舗、こういうようなものは全国でも二百軒をそう出ないと考えられるのであります。これらの飾り屋、店舗を、登録その他の措置を講じまして、完全に当局において把握され、これを監督される、そういうような措置が必要かと思うのでありますが、これに対しまして、税務当局としてはいかようにお考えになつておりますか、この点をお伺いしたい。
#7
○志場説明員 お答え申し上げます。真珠を用いた製品が課税物品になりましたために、真珠に対して製品とするための加工行為、たとえば真珠を耳飾りにしますために金具をつけるという行為は、課税物品の製造になるわけであります。これは税法上、製造しようとするときはその製造申告を所轄税務署にしなければならないことになつております。もしも未申告で製造いたしました場合は、逋脱犯と同じく五十万円以下の罰金、五年以下の懲役あるいはその逋脱しました脱額の十倍以下の罰金に処せられることになつております。登録ということは税法上考えておりませんが、申告によつて十分に取締りあるいは監督がつくのではないかと考えております。
 もう一つ補足して申し上げますが、たとえば個人が玉だけを買いまして、これを委託加工いたします。玉を持つて行きまして耳飾りにするという委託加工をしました場合に、消費者が払います金は委託加工料だけでありますが、物品全体の課税標準は、その加工された後の耳飾りであるわけでございます。従いまして時価一万円の真珠の玉を持つて参りまして、委託加工料を二千円払つたといたします。そういたしますると、取引上は加工業者に対して委託者が二千円を払うわけでありまするが、税法上課税の対象になる価額は一万二千円が対象となります。これは單に真珠の場合のみならず、ほかの課税物品の委託――消費者から材料を提供して委託した場合の標準の解釈と同一でございます。この点を念のために補足して申し上げます。
#8
○鈴木(善)委員 水産庁長官にお尋ねしたいのであります。中央卸売市場におきまする水産物の卸売人の手数料につきまして、先般農林大臣のお考えを当委員会において承つたのでありますが、その後におきまして、水産庁長官のあつせんによつて、六分に手数料がきまつたやに仄聞いたしておるのであります。私どもその間の経過を十分承知していないわけでありますが、この機会に長官より、その後における経過を詳細に御説明を煩したいと思います。
#9
○家坂政府委員 市場の卸売機関の委託手数料につきましては、この春以来値上げを要請しまして、いろいろ問題となつておつたのでありまするが、四月に統制の撤廃を見てから、ことに卸売業者としましても、相当の経費の増嵩を見て参つたために、またまた八月に至りまして東京都をはじめ六大都市の開設者側からも、ぜひ七分に値上げをしてほしいというような話が出て参つたのであります。それで水産庁といたしましては、現下の水産業界の経済状態としてはまことに窮迫の状態でありまするので、これが値上げにつきましては、十分生産者側ともよく相談して、そうして慎重に取扱つてほしいという通牒も、数字にわたつて発したのであります。それでその後生産者並びに卸売業者の間におきましても、いろいろの会合が開かれまして相談を続けて参つたのでありまするが、なかなか妥結に至らなかつたのであります。それで東京都――開設者といたしましては、先月の九日に七分に値上げをするという認可を与えまして告示したのであります。それで水産庁といたしましては、なお十分生産者側と打合せをいたしまして、これが妥結の点を見出すべく、この実施の延期方を開設者に申し出まして、なお十分相談をしてもらいたい、かように通牒をしたのであります。それで生産者並びに開設者側、それから卸売機関側となお数次にわたつて懇談をし、なるべく妥結の線を見出すべく非常に熱心にやつたのでありまするが、なかなかその線を発見することもできないような状態に陥つて参つたのであります。ところが荷受け機関側といたしましては、年末のことでもあり、都民の食糧緩和ということもはからなければならぬというような状態も現われておりまするので、これをなるべく早く妥結の線に持つて参りたいということで、種々話合いを熱心に進めたのでありますが、なかなかその線の発見も見出すことが困難になつたのであります。そこで去る二日に大臣が生産者並びに荷受け機関の代表者を招致しまして、直接その声も聞き、とにかく今まで十数回にわたつて相談したのだから、何とかこの際早くその線を見出して妥結してくれないかと頼まれたのでありますが、その席でもなかなか話がまとまりませんので、大臣としましては、それではあと二日のうちにぜひ妥結の線を見出してもらいたいと言われたのであります。却売機関側の代表といたしましては、どうしても七分を要求するが、なかなかこの状態ではまとまりがつかぬように考えられるので、その際は大臣の御裁定にまかせましようということになり、また生産者側といたしましても、この値上げについてはなかなか承服できないので、もしこの二日の間にいろいろ自分たちの内部において相談いたしまして、結論がなかなか出ないかもしれぬけれども、何とか結論を出してやつてみたい。その結論に対しては、さつそく大臣にもお知らせを申し上げますが、なかなか妥結の線は見出せないと思う。もしそういうことになれば、あとは大臣のお考えによつて私どもも善処するよりほかなかろう、こういうような意味合いの代表の発言もありましたが、それではぜひ二日の間に何とか相談してまとめてもらいたい、かようなことになつたのであります。それから二日たちまして四日の日であります。四日にいろいろ生産者側でも熱心に討議されたようでありますが、やはり妥結の線が見出せなくて、値上げをしてもらいたくないという話合いを大臣の方にも通知して参つたのであります。それで大臣としましては、四日の日までに話合いができるものと想像しておりましたけれども、なかなか妥結の線が見出せないということでありますので、裁定をせねばならぬ立場になりましたので、次のような裁定の線を出されたのであります。それは当分の間手数料は最高六分とする、なおこの六分の最高額は今後生産者側と卸売業者側と今まで通り懇談を続けて行つて、その結果を待つてお互いに了解点に達したものがあるならば、その線をあらためて最高額として決定する、だから十分相談してもらい。大体かような裁定の線を出したのであります。それでこの線を開設者の方にも通知いたしまして、開設者側も、ではそれでやつて参りましよう、こういうことに相なつたのであります。この裁定の線だけは決して問題が解決したとは考えられませんので、なお私どもとしましては、都側にもいろいろの条件を申し出て、また政府としましてはとるべき措置をとりたいと考えておるのであります。それで政府といたしましては、中央卸売市場法の改正によつて、抜本的に市場問題を処理するために必要な措置を講ずるとともに、魚価安定のため、適切な方途をはかり、また市場に対する金融措置その他、施設の改善については最善の努力をしよう。それから一方市場開設者においては、この際早急に卸売人の整理、その業務の充実、産地に対する未払い分の返済、売掛金等の回收、仕切金の早期決済等の市場の明朗化をはかつて、生産者の利益増進に努めることにするというような方策を、今後迅速に政府並びに開設者も案施して参りたい、かように考えておるわけであります。
#10
○鈴木(善)委員 長官の御説明で経過の概要がわかつたのでありますが、これを要約いたしまするに、生産者と卸売業者は、実質的には遂に妥結に至らなかつた。そこで大臣が当分の間最高六分とするという裁定を下されたということでありますが、この大臣の裁定は、中央卸売市場法に基く法的裏打ちを持つた裁定でありますかどうか、單なる政治的に大臣が仲をとつて勧告されたのであるか、一方的な大臣の権限に基いて裁定されたものであるか。
 それからなお手数料の値上げをされることになつたわけでありますが、この点につきましては、先般の委員会におきまして松田委員からも強調されましたように、末端の販売その他の面において、真に市場において現われた魚価が適正に消費者の面に反映されていない。極言いたしますならば、市場において高かろうが安かろうが、それにかかわりなしに、末端においてはいつも同じような価格で販売されておる。こういうような集出荷から末端の消費者の販売価格に至るまで、合理的な販売の組織が確立されて、生産者も消費者も真に適正な魚価をもつて売買が行われるという流通機構の改革が並行して行われなければ、單に生産者の一方的犠牲になる結果に相なるわけであります。そこで水産庁長官は、これらの措置を並行的に講ぜずして、手数料だけをまずもつて引上げをしたということは、現在の窮迫しておる漁業生産の事情にますます困難に拍車をかけるものであるとわれわれは考えるものであります。今回燃油の値上り等が一部に報道されて、業界は非常にこれに対して憂慮いたしておる。これが不足するのではないかという悲痛な叫びがあげられておる際に、それらの市場機構の改革をあとに見送つて、手数料だけを引上げることは、現下の情勢から見て妥当ではないとわれわれは考える。先般農林大臣から、第十通常国会において市場法の改正を行い、根本的な市場機構の改革をなされるという言明がありましたから、その際に市場機構の改革とにらみ合せて、手数料の問題を決定してさしつかえないじやないか、そのときまで見送るべきじやないかという私の質問に対して、御趣旨はよくわかるが、その前であつても生産者と卸売業者が円満に妥結したならば、その妥協点を採用してさしつかえないじやないかという意味であつたと思うのでありますが、今の長官の御説明では、生産者と卸売業者は決して妥協点に達していない。それを当局が裁定したわけであります。私どもはこの点につきまして非常に遺憾の意を表しますと同時に、今の裁定は法的根拠をもつた裁定であるかどうか、この点をお伺いしたい。
#11
○家坂政府委員 この裁定は窮極のところ市場法によりまして、法に基いて大臣から発せられたものであります。それからなお市場の機構整備、また販売流通面の改革というお話もありましたが、この点につきましては、開設者側とも十分相談をしておりまして、市場機構内の整備も早急に取進める案も今開設者においてとつております。なお開設者側の考え方としましては、末端の小売販売機構の整備につきましては、模範店というようなものを開設いたしまして、末端機構の是正をやつて参りたい、かようにいろいろの案を考えておるわけであります。
#12
○松田委員 まず私は大臣が六分に裁定したという今の長官の内容の御説明には、いささかあきれてものが言えないという、遺憾の意を表明するものであります。なぜならば、ただ反対するものがあり、これも七分にしようというものがあり、そうしたものに対する反対があつたからということで、何の論拠もなく、大臣の裁定という法律を根拠として、どつちの言分も立てるがごとき行為をもつてこの裁定をされたなどということは、まつたく私は遺憾のはなはだしいものでなかろうかと思うのであります。また御説明のうちに、その意を汲んでみると、将来金融の措置をしなければならない、それから施設の改善もしなければならない、かような御説明もありましたが、その内容を検討されておるかどうか。わずかにモデル小売販売店をつくるというような、單なるそのときのお話合いだけでは、この裁定の論拠は成立たぬと私は考えるのであります。私は生産者が、数字において五分より六分の方が高い、まことに不都合であるという数字においての反対であると考えておる。また鈴木委員からただいま発言されておるように、あらゆる物価が高くなつて来ておるのであるから、生産者の漁業経営上非常に支障があるというお言葉である。こういう点からいつて、生産者の理論は一応成立つと思うのであるが、それこそ大臣が裁定をするときにおいては、数字のみにおいての裁定などということはまつぴらごめんである。なぜもつと政治的に現在の情勢を勘案して、最もいい方法を行わぬかということである。私は六分に対しては反対である。なぜ七分にせぬか。しかも六分であろうが七分であろうが五分であろうが、どのような方法をもつて、現在の五分の手数料とかわつた方法を指示してあるかということである。今やあらゆる階級において金融難に陥つておる。私は経済の原則は、逆もまた真なりという言葉を昔から使つておる。ただ数字からいつたのみの議論で経済の原則がどこにあるかということと、現在の客観情勢を見て、そのほんとうの行為を行つて行くのが政治であると思う。ただ反対する者がある、これに賛成してくれという者がある、その中間をとつて六分に裁定するなどということは、はなはだ政治性の欠けておることであると思う。また現在の経済機構を無視しておることだと思うのであります。私はこの前の委員会でも申し上げておる。今日は先ほども申し上げたように、金融の切迫によつて業者はどのような苦しみをしておるか、卸売業者も苦しんでおる、生産者も苦しんでおる今日である。七分にしてもなぜこのうちの一分は金融の対象として貯蓄する、また赤字整理のための基本に対する、こういう手を打つてもらえなかつたか。われわれは生産者である。生産者の立場から行つても、七分に私は反対をするものではありません。世界の例を見ても一割をとつておるものが約五〇%はある。嗜好品であるタバコにおいても五分の口銭をとつておる。しかしそれとこれとを同一視するものではありません。ただ現在の経済の一番の行き詰まりが金融の問題である。自由党においてこの金融の行き詰まりを生じておる。これを打開するにはわれわれは自主的な、また他力本願でなく、自力更生によつてこの金融の問題を打開しなければならぬ。その方法は大臣もよく知つておるはずである。われわれ委員の中で反対ばかりしていたところで、何にもならないと私は考えておる。この金融措置の対象にするために、なぜもう少し政治性を帯びたやり方をしていただけなかつたか、幸いにしてこれが暫定的な裁定であると聞くので、私も一応は了とするが、委員各位も現在の経済の状況をよく御判断になつて、公正な策を立てていただかなければならないのではなかろうかと考えるのであります。この点に対する御意見がありましたならば、お伺いしたいと考えます。
#13
○家坂政府委員 ただいまの松田委員の御質問にお答えいたします。松田委員はただ單に中間をとつて六分にしたのがうなずけない、かように言われます。しかしこの六分はただ中間をとつたという意味ではないのでありまして、私どもいろいろ開設者側から経理の資料をとりまして、その点に十分なる検討を加えた結果の六分なのであります。それで今年の三月までの各社の決算報告なども入手しまして、これに基いていろいろ検討をした結果、五分ではなかなかやりきれなかろうということに結論が到達したのであります。なおこれから先の予想をいたしますのにも、四月以降の統制撤廃後の経理がどうなつておるかということが重要な課題になりますので、なお四月以降の経理の内容を、いろいろ資料を集めまして、その資料に基いて、五つの会社を取上げ検討したのでありますが、七分の線が出て来るのであります。しかしこれは会社側の整理資金といつたようなものもかなり加味してありますので、この点は政府におきまして金融の措置をつけまして、この整理資金の円滑なる融資をはかつて、負担の重くならないように持つて参りたいというような観点から、七分でなくとも、大体経営の合理化もつけ加えてやるならば六分の線でやれるのじやなかろうかというような点に至りまして、六分という線が出たのであります。
#14
○松田委員 大体水産庁長官の説明が足らぬ。金融の裏づけを考慮しておるようなお話でありますが、どのように御考慮研究されておるか、そのことを承りたい。
#15
○家坂政府委員 その点卸売機関の整理ということにつきましては、大臣も重大なる関心を持つておられますので、日銀裁総とも会われまして、ぜひこの整理に一はだ脱いでもらいたいというような話が出たのであります。それで大体市場側で、東京都の例を引きますと、三億や三億五千万くらいの資金が必要になるのじやないかというような見方もありますので、とにかくそういう目標を持つて、ひとつ融資をしてもらいたいのだという話合いに相なつておるのであります。
#16
○松田委員 私は五分に反対をする議論の中で、これに共鳴されておる委員の方もあるので、一応この問題を申し上げてみたいと思うのでありますが、陳情されたその当時において、市場開設業者は何らの整理もしていない。十七人ある市場卸売業者の中には、統制当時からのずいぶん多くの人員をかかえておる者もある。その人員をまかなうために、七分でなければならぬということは、生産者の大きな負担であるという議論をされた方があつたが、これは考え方が誤つておるのではないかと私は考えておるのであります。なぜならば市場の開設業者は五分ではとうていやつて行けない。現在の段階においては一人の職員でもこれを整理したい考えを持つておる。これは市場の開設業者のみならず、あらゆる会社、企業家はそういう考え方を持つておられるでしよう。しかし現在の世の中においては、たとい自由党としても完全雇用を考えておることだろうと思う。今会社の内容がかりに赤字になろうとも、会社を経営しておる以上、何も悪いことをせずにまじめに働いておる者を整理することができ得ない情勢にあることを、反対しておる人たちは知らないのか、ぼくは非常に遺憾だと考えておる。こうした労働問題を一つの議論として闘わすこと自体非常に誤りではなかろうかと考えるのであります。幸いにして三億五千万円なり、三億の市場に対する金融の措置ができたとしたならば、まことにけつこうなことであるが、しかしこの金を償還するのにどういう方法をとられるのか、これはもちろん業者みずからが業務を発展させて、その償還の方法を講じなければならぬであろう。水産庁においては、五分ではやつて行けないが、六分なら成立つということによつて六分という線が生れたという先ほどの御意見であるが、それならばその償還の方法はどのように持つて行くかということを、これから詳細に検討されなければならぬと思う。この三億ないし三億五千万という金はもらつた金ではないのである。ゆえにこれを市場を通じて、生産者にこれだけの仕切金とか、または今までの未払いを整理することができたならば、一分や二分の値上げより以上の幸福でなければならない。またこれに対する措置を一分か二分の値上げによつて講ぜられることだろうと私は考える。これが政治であり、経済の原則であると考えておる。かような点から反対論者の意見というものはただ五より七が多いという数字によつてのみの反対ではなかろうかと考えるのであります。私も五より七は多いということは承知しております。だが先ほども申したように、逆また真なり、こうした経済の根本をよく理解してかかつて行かなかつたならば、とうてい経済の立て直しはでき得ない。ただ單なる官公労務者の代表のごとき立場において反対をするなどということは、もつてのほかである。経済を蹂躙するものである。かような点をよく御理解あつて、農林大臣は信念をもつてあらゆる施設とあらゆる経済の立て直しを検討して、将来のこの問題解決を望むものであります。
#17
○鈴木(善)委員 松田委員よりもいろいろ御意見がございましたが、私どもがこの手数料の問題を考えますときに、單なる一分、二分の手数料の問題でなしに、政府は漁業に対する金融の打開策を考え、また魚価維持対策に十分な手を打ち、また流通機構の根本的な改革を行う、あるいは漁業経営の経費の軽減を行うという一連の措置を講じて、現在危殆に瀕しておるところの漁業経営を安定しながら、市場業者も、成立つような適正な手数料をここに考える目的であるならば、私は納得するわけであります。しかるに政府が今までとつて参りました対策は、資材の補給金を打切つてしまい、資材は非常に値上りしておる。最近また燃油も値上りしようと伝えられておる。市場機構については何らの改革も行われていない。魚価維持対策についても二億四千万円の系統団体に対する沿岸漁業の維持対策すらも一蹴されておる。金融対策についてはほとんどこれが軽視されておるような現状であります。このような漁業経営安定に対する諸施策をまず行つて、漁業経営を安定せしめた上に、市場手数料の引上げが必要であれば、私どもは納得するのであります。しかるにこれらの措置を口実にして手数料を値上げするということは、三百万生産者はいかにするかという問題がここに残るのであります。そういう意味合いで、手数料問題を切離して引上げをするという当局の政策に対してわれわれは反対せざるを得ない。この点につきましては、松田君といえどもおそらく同感であろうと考えるのであります。
#18
○冨永委員長 鈴木委員も、松田委員も暫定的とは言いながら、いずれも何らの措置がなくしての裁定ということに反対をして意見を述べられているのでありますが、本委員会は手数料引上げに反対決議をしているのに対して、裁定をする前に裁定の内容を委員会において説明せられなかつたことに対して、水産庁長官に遺憾の意を表明する次第であります。今後慎重に措置せられんことを望みます。
#19
○林(好)委員 私は松田委員に反駁するものでもございませんし、また議論するものでもございませんが、市場の手数料値上げ問題につきましては、松田委員とはいささか見解を異にいたしておるのであります。松田委員の御説から参りますと、市場の赤字の補填及び金融対策に対する裏づけとして、すべて生産者の犠牲において行わなければならぬという意見のように承つたのであります。しかしながら市場側がどうしても値上げをしなければならぬという理由は、戦時中から戦後におきまして、いろいろ統制経済の変化によつて生産地に焦げつきができ、あるいは消費地に焦げつきができて、非常に金融が行き詰まつておるということを言つておるのでありますが、これは政府の施策に協力した結果、荷受機関が非常に赤字を出したのでありまして、当然これが公団であれば国家が負担するわけでありますが、少くとも営利会社として経営をしておる以上は、国家がこれを負担するということには参りませんけれども、少くとも政府としては、行き詰まつた荷受機関の金融措置を講ずるだけの義務は十分に負わなければならぬと思うのであります。それをすべて赤字の補填も、今後の金融対策に対する裏づけも、行き詰まつた生産者の現況におきまして、生産者の犠牲において負担しなければならないという考え方は、生産者の松田君といえども大きな考え違いであると考えるものでございます。またただいまの市場法というものは、大正十二年にできましたまことに古くさい法律でありまして、一方的にできた法律であります。すなわち市場開設者の独断的な考え方によつて、一割以内の手数料はいつでもとれるということに相なつておるわけでありまして、少くとも水産庁においてはこの古くさい法案は一日も早く改正すべきものであると考えます。先ほどからの長官の御説明によりまして、もちろんその心構えは水産庁においてできておるとは存じますけれども、このような古くさい一方的な法律によつてすべての措置を講ずるということは、誤りであると考えておるものであります。
#20
○石原(圓)委員長 私も單純なる手数料の値上げは絶対反対である。ただいま長官の御説明を聞きますと、六分にするがために生産者に対してどういう措置をとるかということは、何もお話がないのであります。これは重大な問題であると思うのであります。ちようど一分上げれば、一億円ならば百万円に当ると思うのであります。生産者が負担する百万円は荷受機関、市場開設者が何らの条件なくしてそれを消費するということであつてみれば、上げたということは單に市場開設者の利益を擁護していることにとどまるのでありまして、その引上げによつて生産者がどういう好影響を受けるかということは何にもないのであります。そういう場合に、單に負担だけを生産者にかけて顧みないことは、いわゆる助長行政としての官庁のやり方であろうかどうか。いわゆる水産庁なるものは、生産者のための助長行政機関である。この助長行政機関が負担を多くさせられる場合には、それにかわるところの対策は当然なければならぬと思うのであります。金融の面で便宜を与えるというか、さしあたり年末に対して仕込み資金をどうしてやるというか、そこに生産者に対しての理解ある何らかの交換的措置が設けられなければならぬと思うのであります。それに何らの考慮が払われていないということは、いかにも私は水産庁のやり方が遺憾であります。この点に対して、いまだ生産者と市場開設者との間が全員意見の一致がないようでありますが、長官においては、六分なら六分と値上げをする場合には、その一部の値上げの、一億円に対する百万円は特別に積み立てて、そうしてそれが生産者に対する購買力の増強になるとか、またはさしあたり仕込み資金をどうしてやるとかということについての、何らかの考慮がありそうなものだと思うのでありますが、それに対するお考えを承つておきたいのであります。
 同時にまた市場の手数料の問題でありますが、かつお、まぐろ等は、一隻魚河岸へ来ると、多い船は四百万円くらい、少くとも百万円くらいの水揚げをいたします。そうするとかりに四百万円の場合六分とすれば、一航海一そで二十四万円の手数料を払います。その二十四万円を払う場合に、荷揚げをすることは漁船の船員が全部荷揚げをする。荷揚げのために特別の経費はいらない。こういう大口の生産者も六分、それからほかに一梱か二梱持つて来るものも六分という、この点に対しては、数のいかんにかかわらず一律な手数料をとるということを是正することに考慮がいると思うのでありますが、その点に対してはどう考えておるか。たとえば四百万円の場合にも仕切りは一枚であります。一梱の荷物でも仕切りは一枚であります。手数の点に対しては、そこに大きな操作はないのであります。こういう点を考慮することが私は妥当でないかと思うのでありますが、この点もどういう考えを持つておるか、承つておきたいのであります。
#21
○家坂政府委員 林委員並びに石原委員から、いろいろお尋ねがありました点についてお答えいたします。市場が統制以来、また自由に相なりまして、その間におきましていろいろの焦げつき資金を出したということにつきましては、先ほど私が経過を説明申し上げましたように、特別に日銀総裁のあつせんによつて融資を得て、これらの焦げついたものに対する整理あるいはいま一つは現在の卸売機関の整理統合というようなものにこの資金を充当して参りたい、こういうことでありまして、今の手数料からそれを負担させるということは避けたいという考えから、その融資をあつせんして参りたいと考えておるわけであります。この点御了承願いたいと思います。
 それからなお生産者のために何ら考えておらないのではないかというようなお話もありましたが、これは先ほどの説明の中にもあるのでありますが、魚価安定のためには適切な方途を講じたい、ということは、具体的に申し上げますると、安定させるために保蔵機関、冷蔵庫というようなものをつくるということにつきましては、十分意を用いて参りたい。たとえば見返り資金などの出る場合になりましても、その点に重点を置いて今後も善処して行きたい、かような考え方を持つておるのであります。
 それからなおただいま積立基金をつくつて、仕切金の支払いの完璧を期したらどうかというようなお話もありましたが、これは開設者側にも十分に話をいたしまして、大体そういう仕組みができることになるのではないかと思つております。
 なお大口の荷物とこまかい荷物との市場まで運送して参りまする諸経費が違うのに、同じ六分をとるのはおかしいではないかというようなお話もありまするが、この点につきましては、個個の取引を卸売業者、荷主とやりまするので、やはり実費主義的な考えも加えて行くのではなかろうかと思つておりますし、私どももその点開設者に、そうした方法で行くことが適当ではないかということをよく話したいと思つているわけであります。大体そういつた点についてお答え申し上げます。
#22
○鈴木(善)委員 大臣が手数料を六分に裁定されたということでありますから、これは一応認めざるを得ないと思いますが、その裏打ちとしての漁業生産に対する金融対策、あるいは魚価維持の対策、融通機構の根本的な改革、漁業資材等の価格の逓減を含んだところの漁業経営費の節減、これらの問題は、生産増強と漁業経営の安定のために一連の施策が行われなければ、手数料だけの値上げを行いますれば、漁業者は圧殺される以外にないわけであります。当委員会におきましては、松田君一人意見が違うように考えられるのであるけれども、決してそうでないと思う。そこで本委員会の意見をまとめまして、政府が六分の手数料を実施されるのであれば、その裏打ちとしての漁業経営安定の諸施策を、政府において責任をもつて遂行するように、当委員会から強く政府に要望すべきだと思うのであります。また委員長においては、その一つの方法として、次回の委員会に農林大臣の出席を求めまして、これらの点について、大臣は責任を持つて今後着々手を打たれる決意でおられるかどうか、責任ある言明を披瀝さるべきであると思うのであります。この点について委員長において適当なる措置を講ぜられんことを要望いたします。
#23
○冨永委員長 了承いたしました。
#24
○冨永委員長 次に、本日の公報に掲載されました請願日程全部を議題といたします。
 審査に入る前に、審査方法についてお諮りいたします。紹介議員のお見えになりました請願につきましては、紹介議員より趣旨の御説明を願いました後、政府当局の御意見があれば承ることにいたしまして、他の紹介議員のお見えにならない請願につきましては、文書表によつて御承知願うことにいたしまして、政府の御意見のみ承ることにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○冨永委員長 御異議なしと認めましてさよう取扱います。請願日程第一、第二、第十五、紹介議員より趣旨の御説明を願います。鈴木善幸君。
#26
○鈴木(善)委員 岩手県久慈漁港修築工事継続の請願、第五号、請願者は岩手県九戸郡久慈町長山内堯文外二名。この請願につきまして請願の趣旨を簡單に御説明申し上げます。
 本請願の要旨は、岩手県久慈漁港は、大正十一年内務省港湾に編入されて以来、昭和七年から三期にわたつて改築事業を行つて来たが、昭和二十二年物価高のため、十四年の年月と総工費百二十二万九千円を投じながら中止のやむなきに至つたのであります。終戦後、同港の利用率も高まつて来たが、カザリーン台風によつて多大の被害をこうむるに至り、窮乏せる地方財政ではいかんともすることができない現状であります。ついては、臨時追加予算中に計上される災害対策費によつて、久慈漁港を修築し、物揚場の拡張、階段式岩壁の築設等、急速に実現されたいというのであります。
 次に、大槌漁港修築工事促進の請願、第三七号、請願者岩手県上閉伊郡大槌町安渡大槌港船主連盟会長倉沢繁雄外三百名。この請願の要旨を簡單に御説明申し上げます。
 本請願の要旨は、昭和二十二年度より起工の運びとなり、目下進捗中の岩手県大槌漁港修築工事を岩手県計画通り実現するとともに、護岸並びに岩壁の築造を促進されたいというのであります。
 次に、漁業制度改革実施費増額の請願、第二七七号、請願者岩手県九戸郡久慈町山内堯文外四名、この請願の要旨を簡單に御説明申し上げます。
 本請願の要旨は、岩手県各海区漁業調整委員会は九月二十一日に発足し、その任務は、漁業法第十一条に基く免許につき必要な事項すなわち漁場計画を答申することであるが、これら漁業権漁業の漁場と漁部落の関係、ことに本県リアス式海岸線においては共同漁業権の関係地区の決定は本制度改革のうち最も困難が予想されており、従つてこの改革を真に民主化した漁場計画を立案するためには、各海区とも全委員が海区内の漁部落を実地調査して、各漁場と漁部落の関係を確実に認識把握するのが最も重要なことであるにもかかわらず、漁業制度改革の費用はきわめて少いため、完全なる実地調査は望めない実情であり、漁業制度改革の目的達成は不可能である。ついては、漁業制度改革の目的達成のため本委員会に対し、相当額の経費を増加されたいというのであります。
 右御説明申し上げます
#27
○冨永委員長 山本次長。
#28
○山本説明員 ただいま鈴木委員御紹介の請願三件の御説明がございました。これに対しまして、政府側の考えておりますことを簡單にお答え申し上げたいと思います。
 第一の久慈漁港の修築工事継続の件でありますが、この久慈漁港は、災害復旧工事といたしまして、運輸省所管をもつて工事が実施されたのであります。これが二十五年度に完成される予定でありますが、その間たまたま漁港法に基いて漁港の修築の願いを出したい、こういうことだと思うのであります。御承知のように漁港の修築の問題につきましては、現在審議会におきまして、漁港の指定、さらにそれに基きましての整備計画を樹立いたしまして、予算の許す範囲において考慮をいたすことに相なつておるわけでありますが、現在漁港の総予算におきまして、十三億三千万円が一応仮決定になつておりますが、公共事業費のドツジ氏との交渉等の関係もありまして、その線がやや下まわるのではないかというふうな状況にあるわけであります。しかし漁港に指定されました以上は、整備計画に基きまして、できるだけ請願の趣旨に沿いたいと考えております。
 それから次に大槌漁港でありますが、この方は昭和二十二年度以降、国庫補助のもとに継続事業として工事を実施中であります。二十六年度におきましても、引続いて実施の予定であります。ただこの場合、その補助の金額ができるだけ多くという要望であろうと思うのであります。これも先はど申しましたような予算の事情とにらみ合せまして、できるだけ努力したいと考えておるのであります。
 さらに漁業制度改革の実施費増額の請願でありますが、この点につきましては、ひとり岩手県のみならず、全国各県から最近るる陳情のある件であります。特に漁業制度改革はすでに実施期に入りまして、いよいよ来年度中には漁業権証券の交付までも入るわけでありまして、これらの基本をなします漁業計画の樹立立案につきまして、この調整委員会の費用が不足をするということは、われわれも十分承知しておるのであります。何とかいたしましてこの費用を追加予算等によりまして、さらに増額方をわれわれも懇請したいと考えております。これらの各府県の要望を十分に調査調整いたしまして、大蔵省等とも折衝し、来年度の追加予算におきましても相当額の増加方を折衝いたしたいと考えておるわけであります。
#29
○冨永委員長 ただいまの政府の御意見に対して御質疑はありませんか――なければ次に移ります。
    ―――――――――――――
#30
○冨永委員長 次に、日程第四の請願につきまして、紹介議員より御説明を願います。石原委員。
#31
○石原(圓)委員 水産業協同組合育成に関する請願、請願者三重県津市桜橋通り一丁目三重県漁業協同組合連合会専務理事里中政吉。
 本請願の要旨は、新しい水産業協同組合は、民主的組織として漁民の要望のもとにつくられて来ましたが、その活動の基礎をなす経営内容は、非常に逼迫しておりまして、ほとんど開店休業の状態であります。この原因の最も大きな理由は、過去の水産業団体が、種々の法的処置によつて事業が制限されたため、大なる損失を生じ、他方滯貨資産の増加を来しております。かつ長期資金の融資がないために、この協同組合は経営に大なる困難を来しておるのであります。ついては水産業協同組合の育成のために、経済事業その他活発な活動がなし得るよう、長期低利資金の導入処置等を講ぜられたいというのが趣旨であります。
#32
○冨永委員長 ただいまの御説明に対して政府の御意見があれば承ります。
#33
○山本説明員 水産業協同組合の経営に支障を来しまして、その発達を阻害しておりまする原因の一つはただいまの請願にもありましたように、旧団体の財産の継承に伴います不動資本とその負債の重圧にあると思うのであります。この両面でありまするから、一方には自主的対策といたしまして、自己資金の充実と、長期による資金の蓄積ということが、根本の仕事でありますがこれがぜひ必要であると思うのであります。また他方に長期低利の資金を融通する必要があろうと思うのであります。前者の自己資本の充実につきましては、通常国会で提案予定の水産業協同組合法の一部改正に伴いまして、財務処理基準令というふうなものをぜひ設定いたしまして、これによつて自己資本の基準についての法的措置を講じまして、善処したいと考えておるわけであります。また長期低利資金の導入につきましては、自己資本が充実するまで、とにかくつなぎ融資としての引継ぎ資金がいるわけでありますが、これにつきましても、前にありました農業協同組合の場合と同様に、法的措置を講じたいと考えまして、目下いろいろ研究をいたしておる次第であります。
#34
○石原(圓)委員 この問題はひとり三重県の漁連のみではないのでございまして、両国の漁連が同一状態にある、むしろ三重県漁連以上に他の漁連は窮迫しているところが多いように見受けるのであります。地方にできておる連絡機関である漁業経済協会のごときも、非常な苦しみをなめておるようであります。政府はこれに対する施策をいろいろやつておられるようでありますけれども、その実現が遅れることは、やがて全国の各都道府県の水産業協同組合が破滅に瀕すると思うのでありまして、とうていこれをのんきにやつておる時期ではないと思うのであります。ぜひともこれが対策は来るべき通常国会で最も適切妥当なる方策を立てることを、強く全国水産業協同組合のために要望いたしておきます。
    ―――――――――――――
#35
○冨永委員長 次に、日程第二三の請願につきまして、紹介議員より御説明願います。林委員。
#36
○林(好)委員 本請願は水産用必需物資確保に関する請願でありまして、請願者は水産庁水産課気付、水産物団体懇話会世話人、柴信一ほか十六名であります。
 本請願の要旨は、水産物の統制が撤廃され、魚価が自由となつたが、石油、漁網等がまだ統制されている一方、生産資材が比較的割高な上に、魚価が自由競争でたたかれ、生産費に対する魚価の均衡を失い、漁業経営は危機に瀕している、従つて、石油漁網はもちろんとして、魚価に直接影響を与える水産用塩価について特別の考慮を払われたい。北海道の塩蔵品が塩の地域差価格のために、不利を受けているので、この地域差を撤廃し、末端の公定価格を全国同一とし、塩専売法を改正して、魚肉保存用に使用する塩に対して特別価格を設定して、原料生産費を切下げることができるように考慮されたいというのであります。水産庁におかれましては、この塩の専売法の改正に対しまして、熱意を持つて改正されんことを要望するものであります。
#37
○冨永委員長 ただいまの御説明に対しまして政府の御意見があれば承ります。
#38
○山本説明員 現在魚価対策の関係におきまして、冷蔵その他の共同施設の確保充実をはかることは、経済に喫緊な仕事であります。政府としても、見返り資金の許す限りいろいろと苦労しておるのでありますが、それに関連いたしまして、魚価対策の一つの現われといたしまして、塩の価格をできるだけ下げて行くことは、非常に大切な事項であると考えるのであります。先般来水産庁におきましても、専売公社その他といろいろ折衝をいたしておるのであります。塩の問題につきましては、かつては南氷洋の捕鯨用でありますとか、北海道におきまするさけ、ます等の塩蔵用の塩等につきましても、例外を設けた時代があつたのであります。現在大蔵省の手を離れまして、専売公社に塩の関係が移つておりますので、大蔵省並びに専売公社といたしましては、独立採算制という点も関係がありまして、好意は持つておるようでありますが、それを割つてまではやりにくいというような事情もあります。しかしながらわれわれといたしましては、法律の改正、あるいはまた法律改正によらざる限りにおいては、できるだけ値下げをするような、二段構えの交渉を目下続けておるのでありますが、皆様の御協力等を得まして、何らかの形でこの問題を至急に解決したいと考えているわけであります。
#39
○冨永委員長 政府の御意見に対して御質疑はありますか。――なければ了承いたします。
 他の請願につきましては、紹介議員がお見えになつておりませんから政府の御意見のみ承ります。
#40
○山本説明員 問題はいろいろあるようでありまするが、主として漁港に関する陳情が最も多いと思うのであります。漁港につきましては、先ほども申しましたように、ただいま漁港審議会を通じまして、漁港の指定、並びにこれに附随します漁港整備計画を至急に樹立いたしたいと考えておりますが、これがおそらく年内には大体の見当はつくと考えますので、これとこのうち確定いたしまする予算とにらみ合せまして、最も公正なる観点から、できるだけ請願の要旨に沿うように努力したいと考えておるのであります。その他の問題につきましては、文書をもちまして御回答申し上げたいと思います。
#41
○冨永委員長 ただいまの政府の御意見に対して御質疑はございますか。――なければ次に移ります。
 それではこれよりただいま審査いたしました請願日程全部について採否を決定いたします。請願日程第一、第四、第十七及び第十九ないし二十六の各請願は採択すべきものと決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○冨永委員長 御異議なしと認めまして、ただいまの各請願は採択すべきものと決しました。
 なお採択の上はこれを内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#43
○冨永委員長 御異議なしと認めまして採択の上、内閣に送付すべきものと決しました。
 なお各請願の報告書の作成等に関しましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○冨永委員長 御異議なしと認めましてさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#45
○冨永委員長 次に陳情書、日程全部を議題といたします。この際お諮りいたしますが、陳情書は全部で八件でございますが、ただいま審査いたしました請願のうちに、大体同様の趣旨のものがあるように思いますので、陳情書全部はこれを了承することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○冨永委員長 御異議なしと認めまして、陳情書、日程全部はこれを了承することにいたします。
 明日は午前十時より開会いたすことといたしまして、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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