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1950/11/25 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 人事委員会 第1号
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1950/11/25 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 人事委員会 第1号

#1
第009回国会 人事委員会 第1号
昭和二十五年十一月二十五日(土曜日)
    午前十一時十五分開議
 出席委員
   委員長 田中伊三次君
   理事 藤枝 泉介君 理事 淵上房太郎君
   理事 平川 篤雄君 理事 松澤 兼人君
      小澤佐重喜君    小淵 光平君
      加藤隆太郎君    中曽根康弘君
      成田 知巳君    八百板 正君
      加藤  充君    岡田 春夫君
 出席政府委員
        内閣官房長官  岡崎 勝男君
        内閣官房副長官 菅野 義丸君
        人事院総裁   淺井  清君
        大蔵政務次官  西川甚五郎君
 委員外の出席者
        人事院事務官
        (人事院給與局
        次長)     慶徳 庄意君
        大蔵事務官
        (主計局給與課
        長)      磯田 好祐君
        專  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
七月三十一日
 委員角田幸吉君、小平久雄君、高橋權六君、玉
 置實君及び天野公義君辞任につき、その補欠と
 して大野伴睦君、田中豊君、小澤佐重喜君、今
 村長太郎君及び田中重彌君が議長の指名で委員
 に選任された。
八月二十五日
 委員田中不破三君辞任につき、その補欠として
 本間俊一君が議長の指名で委員に選任された。
十一月二十日
 委員中曽根康弘君辞任につき、その補欠として
 佐伯宗義君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十二日
 委員岡西明貞君辞任につき、その補欠として井
 上信貴男君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十四日
 委員佐伯宗義君辞任につき、その補欠として中
 曽根康弘君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 連合審査会開会要求に関する件
 給與改訂に関する説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○田中委員長 これより人事委員会を開会いたします。
 まず諸君に御了解を願つておきたい点がございます。この間の二十二日、松澤委員外八委員の諸君の連名で、給與べース改訂に関し委員会をすみやかに開会されたいとの要求書が提出ぜられました。よつて本日開会することにいたしまして、諸君のお集まりを願つた次第であります。御了承をいただきたいと存じます。
 なお閉会中にこの委員会において審査をいたしました会務員の副利厚生施設に関する件、それから勤務地手当支給地域に関する件、寒冷地手当及び石炭手当に関する件の三件について調査するために、各地に委員の派遣をいたしまして、熱心に御調査を願つたのでありますが、閉会中ではいまだ結論を見出すに至らず、なお研究の余地のある問題であると考えられますので、今回は委員長より衆議院規則第九十一條の規定に基きまして、審査未了の報告書を議長に提出をいたしておきました。この点もあわせて御了承を願いたいと存じます。
 次に十一月の二十日に電気通信委員長より電気通信省及び電波臨理総局職員の待遇改善に関する申入書が、私あてに提出されております。皆さんにお配りをいたしますが、この処理につきましては、本委員会としましては、給與改正に関する法律案の審議の際に、あわせて考慮をして慎重審議をいたしたい、こう考えます。
 次にお諮りをいたしますが、先刻の理事会の申合せによりまして、地方公務員法案につきましては、この委員会と密接な関係があると認められますので、地方行政委員会に対して、連合審査をやることを要求いたしたいと存じます。まずこれに異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○田中委員長 異議なしと認めます。よつてそうすることに決定をいたしました。
 なお連合審査会開会の日時は、地方行政委員長と協議をいたしまして、後日公報をもつてお知らせすることにいたします。大体十二月の二日前後となる見込みでございます。
 次に寒冷地手当及び石炭手当支給に関する法律の一部を改正し、石炭手当支給地域を拡張せられたいとの各方面に熱心な御意向もありますので、この点も委員長におきまして皆様のお許しを得て、法制化並びに各種の折衝を行つてみたいと存じます。この点は御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○田中委員長 御異議なしと認めます。よつて委員長においてさつそく草案にとりかかることにいたしたいと存じます。御報告申し上げることは、これだけであります。
 それから諸君御承知のごとく、八月九日に人事院より國会あてに、國家公務員の給與水準に関する勧告が出ております。いわゆる第三次勧告。それから約一箇月を経まして、九月九日付で一般職の職員の給與に関する法律の一部改正に関する意見書が出て来ております。そこで本日はまだこの國会に予想されておる法案は政府より提出にならず、従つて付託がないわけでありますが、今申し上げた八月九日付の第三次勧告と九月九日付の意見書を中心として、諸君に御質疑をしていただくことにしてはどうかと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○田中委員長 それでは質疑を始めることにいたします。岡崎内閣官房長官、菅野内閣官房副長官、それから淺井人事院総裁、人事院の給與局の慶徳次長、政府委員はこれだけ御出席になつております。このうち岡崎官房長官は関係方面その他の御用件があり、かつ参議院の会議の関係がございまして、なるべく早く退出をしたいという御希望でございますから、御質疑は岡崎官房長官に関する分をできるだけ先におやり願う、そういう方針にお願いを申し上げます。それでは成田君。
#6
○成田委員 給與ベース改訂につきまして二、三質問いたしたいと思います。最初に官房長官にお伺いしたい点は、給與改正の法律案は大体いつごろお出しになる御予定ですか。
#7
○岡崎政府委員 今急いでやつておりますので、明後日には遅くとも提出できる見込みでおります。
#8
○成田委員 大体新聞紙上で承知したこと、あるいはきのうの大蔵大臣の財政方針演説で承知した範囲内で、御質問したいと思いますが、昨日の大蔵大臣の財政方針を聞いておりますと、大体補正予算において来年一月から千円のベース・アツプ、それと年末給與として若干の年末給與を見込んでおる、こういう演説があつたのであります。年末給與の若干と言いますと、当初政府の原案によりますと、一箇月ということを私たち聞いておりましたのですが、半箇月に削減されたということを聞きますが、はたしてどれだけを出すつもりでおられるか。
#9
○岡崎政府委員 ただいま法律案がまだ出ておりませんので、はつきり申し上げることははばかるのでありますが、今おつしやつたような程度であります。半箇月分程度ということになると考えております。
#10
○成田委員 千円べース・アツプも大体その程度と了承してよろしゆうございますか。
#11
○岡崎政府委員 さようでございます。
#12
○成田委員 年末給與の問題でございますが、去年の年末は給與べース改訂にすりかえて、大体三千円か四千円程度の手当を出された。今度は建前として一月からベース・アツプする。それ以外に半箇月分ばかりの年末給與を考えておられる。この年末給與の制度というものは、今後も制度化されるのかどうか。二十六年度の予算においてもこの年末給與ということは、一応お考えになつているかどうか。その点についてお伺いしたい。
#13
○岡崎政府委員 二十六年度の予算はまだ発表になつておりませんから、これも申し上げるのをはばかるのでありますが、同様の考慮を拂うつもりでおります。
#14
○成田委員 そういたしますと、大体年末給與は今後一応制度化される、こう考えてよろしゆうございますか。
#15
○岡崎政府委員 まだ制度化されるとかいうところまでは申し上げかねますが、日本の現状においては年越した余分の金がいるというのが、今のところは常態でありますので、少くとも去年、今年、来年は越年資金というか、年末手当というか、そういうものが出ることになろうと考えておりましてその後のことはどうなりますか、まだそのときにならないとわかりせまんが、もし三年続いたら制度化されたとお考えになれば、やはりそれはそうなるでありましよう。しかし私の方から言いますと、実情はそういう必要があろうと考えておるだけでありまして、制度化というはつきりしたところまでは、まだ行つておらないのだろうと思つております。
#16
○成田委員 地方公務員の給與の関係でございますが、補正予算では平衡交付金の増額として三十五億円組んでいらつしやるのですが、この三十五億円のうち、地方公務員の給與改善に充てる費用は、大体どれくらいお見込みになつておりますか。
#17
○岡崎政府委員 この点はわれわれよりも地方財政委員会の方で、はつきりするのではないかと思います。政府の方の関係を申しますと、昨年度の年末給與のうちで、地方の教員等に支出いたしました分の半額と申しますか、約七億何がしはこの分に入るというふうに考えております。従つてそれを除きましたものが、本年度の補正の実額ではないかと思つております。そのうちどの程度になりますか――われわれはこのうちの相当程度が、地方公務員の給與の方に向けられるものと期待しておりますが、もし答弁が正確でないといけませんので、ここに大蔵政務次官がおられますので、大蔵政務次官にはつきり答弁していただきます。
#18
○西川政府委員 年末のベース・アツプに対する地方公務員の給與の問題でありますが、今度三十五億補正予算に平衡交付金として組んでおります。これはいろいろの地方財政を勘案しまして、ある一部は給與ベースに充てられるものもありますし、またほかに單独事業とかいろいろな問題がありまして、その方に充てられるものもありますが、大体において地方公務員のベース・アツプの財源ができるように組み立てまして、三十五億増額いたしております。但し年末手当の方はこの三十五億の中に入つておりません。給與ベースのアツプの方は三十五億を大体持つて行けば、地方財政委員会の方で按分せられまして、公務員のベース・アツプに充てられるというかつこうで持つて行つております。
#19
○成田委員 そういたしますと、この三十五億総額を地方公務員のベース・アツプの財源としてお組みになつたのですか。
#20
○西川政府委員 そうじやないのでありまして、一応地方財政委員会と打合せをいたしまして、二十五年度にどれだけいるかということをよく調べまして、節約できるものは節約していただき、地方財政のうまく行けるように按分いたしまして、その中に三十五億を持つて行けば、給與ベースの千円アツプができるように按分をすべく、三十五億を持つて行つておる次第であります。その三十五億の中にはいろいろほかの費用も入つております。
#21
○成田委員 その三十五億円というのは、災害復旧費その他の費用も含んでおりますか。
#22
○西川政府委員 災害復旧費は入つておりません。それは別に入つております。
#23
○成田委員 そうすると、三十五億はすべてベース・アツプの財源になるとは限らないわけですね。
#24
○西川政府委員 入つておりません。
#25
○成田委員 そうしますと、知事会議でベース改訂に要する財源として約四十三億八千万円ばかり要求しております。自治庁の案によりましても約四十三億、三十五億全部持つて行つたといたしましても、千円のベース・アツプは地方公務員においてはできない。それ以外に年末給與の関係一箇月分として約九十二億、これも大体知事会議の要求と自治庁の案と同じであります。そうすると年末給與は全然もらえないで、千円のベース・アツプも地方公務員は上げられない、こういう結果になると思うのですが、そうでございましようか。
#26
○西川政府委員 知事会議のときに申されております金額は、向うの方の査定でありまして、われわれが考えておりまするところと相当違いがあります。たとえば節約におきましても、われわれの考えでは物件費が千八百億、旅費が二百億、合せて二千億、それをごく節約しても百億出るじやないか。また税制收入以外のやつが百七十五億組んでありますが、これを二十三年度から見ますれば三百五十億くらい出るのじやないかというようないろいろな問題がありまして、そういう点を勘案いたしまして、この三十五億が組まれたわけでございます。
#27
○成田委員 今私、知事会議の要求と同時に自治庁案も申し上げたのですが、自治庁案によりましてもベース改訂として四十三億、年末手当一箇月分として九十億になつておるのです。そうしますと、三十五億では自治庁案によりましても年末手当は全然支給できない、千円のベース・アツプも不可能だ、こういうことになると思うのですが、その点はどうお考えですか。
#28
○西川政府委員 ただいま申しましたごとく、平衡交付金の一割、百五億が残つております。これもまた按分をうまくアジヤストする必要もありまするし、大蔵省といたしましては、これで行けるのじやないかというような考えで、按分しておるような次第でございます。
#29
○成田委員 平衡交付金の残つている一割というのは、特別平衡交付金の問題でございましよう。
#30
○西川政府委員 そうでございます。
#31
○成田委員 そうすると、この特別平衡交付金を今度のベース改訂、あるいは年末給與にお使いになる、こう解釈してよろしゆうございますか。
#32
○西川政府委員 それは地方財政委員会で按分せられるのでございますから、私の方からどうこうするということはできないのでございます。
#33
○成田委員 今次官のお話では、自治庁の案のべース改訂四十三億と年末手当の九十億、これが三十五億では非常に足りない。それに対して一割の平衡交付金があるから何とかなるだろうということを言われた。大蔵省がそういうことをやれということはお言いにならないと思いますが、事実上解決策といたしましては、特別平衡交付金の使用ということ以外にない、こう考えてよろしゆうございますか。
#34
○西川政府委員 それに私が申しました物件費あるいは旅費の節約、あるいは税收入以外の收入、こういうようなものが相当出るのじやないかという点も入つております。
#35
○成田委員 そうしますと、三十五億で政務次官の御判断としては、地方公務員にも國家公務員と同じだけのベース・アツプと年末給與がやれる、こういう御判断だと解釈してよろしゆうございますか。
#36
○西川政府委員 地方財政の方におきまして、ただいま最も問題になつておりますのは、歳入面が相当入りにくい点が多々あるのだと思います。それが予定通り進行してやつていただけば、三十五億を増額して地方の公務員の千円ベース・アツプにその財源が含まれて行くというふうに御解釈願つたらいいと思います。
#37
○成田委員 くどいようですが、千円のベース・アツプと年末給與の関係はどうでありますか。
#38
○西川政府委員 年末手当の方は三十五億の方に入つておりません。
#39
○成田委員 そういたしますと、國家公務員については、千円のベース・アツプと年末給與がもらえる。しかしながら地方公務員については、現在のところ年末給與の見通しはない、こういうお考えでございますか。
#40
○西川政府委員 昨年度におきましても、年末手当は地方の負担でやつております。その点は地方でやつていただくように、私の方は考えておる次第であります。
#41
○成田委員 官房長官に一つお尋ねしたいのですが、今政務次官との質疑応答で、地方公務員について國家公務員のベース・アツプ並びに年末給與というものが、はつきり確保できないのじやないかという心配があるわけですが、そういう場合に官房長官としては、大体どういうお考えを持つておりますか。たとえば今度地方公務員法案を出しまして、國家公務員と同じように規律しようとしておる。給與においても、やはり國家公務員と地方公務員と一応バランスをとるべきだと思います。現在政務次官の御答弁では、その点はつきりした見通しがついていないようですが、これについて官房長官はどうお考えですか。
#42
○岡崎政府委員 私は地方公務員につきましては、地方自治の精神から言いましても、原則としては地方自治体でまかなつて考慮をするのが、筋道であろうと考えております。ただまだ財政的に困難といいますか、まだ地方自治の実体が今完成しつつあるところでありますから、非常に困難な場合には、政府においても考慮する場甘があるのじやないか、またあるべきであろう、こういうふうに考えております。
#43
○成田委員 次にきようの読売新聞に載つておつたのですが、裁判官の給與の問題です。今度一般公務員の給與のベース・アツプに伴いまして、裁判官の給與もベースアツプされる。ところが、現在政府の考えておられるところでは、一般公務員のベース・アツプの率ほど裁判官については行われていないというので、最高裁判所と大蔵当局なり法務総裁との間に対立があり、きのうも結論に達しないでものわかれになつた、こういう話を聞いているのですが、これについてはどういうふうに官房長官はお考えになりますか。
#44
○岡崎政府委員 ただいまのお話は、政府の方では安い方に考えておるが、裁判所は反対である、法務府なども反対であるというふうにちよつと受取れたのですが、そうじやありませんで、いろいろの意見がありまして、政府としてはこれをいかに決定すべきかを今研究中であります。まだその点については結論が出ておらないのであります。
#45
○成田委員 研究中というようなお話でございますが、裁判官の給與に関する法律の十條でありますか、一般職員の例に準ずるとありましてその解釈が問題になつているらしいのですが、例に準ずるといえば、私は一般職のベース・アツプの率だけベース・アツプするのがほんとうだ、そういう解釈になるだろうと思いますが、これについては官房長官はどういうふうにお考えになりますか。
#46
○岡崎政府委員 その点につきましても、ただいま研究中であります。
#47
○成田委員 では次の問題に入りますけれども、國鉄裁定の問題についてお尋ねいたします。これはこの前に労働組合の代表者と社会党の者が、各大臣に面会いたしましたときに、山崎運輸大臣は。國鉄の第二次裁定をのむ用意がある、そういうつもりで努力しておる、こういう回答があつたのでありますが、その後運輸当局と大蔵当局の間に意見の対立があつてまだ結論に達していないという話なんですが、その見通しについて官房長官はどのようにお考えになつておられますか。
#48
○岡崎政府委員 ただいまおつしやつたような事情でありまして、どうなりますか、私にはまだ見通しをここで申し上げるところまで見当がついておりません。もつとも國鉄裁定の問題につきましては、國鉄出身の官房副長官がここにおりますから、私よりもつと御満足の行くような御答弁ができるかもしれません。
#49
○菅野政府委員 國鉄の第二次裁定につきましては、目下國会の議決を求めるように政府から提案してございまして、國会の御意思によつてきまることでございますが、これに対して政府の方はどういう考えを持つておるかということになると思います。その点につきましてはただいま官房長官から申し上げた通り、目下予算その他財源等見合せまして、せつかく検討中でございまして、ここではつきり申し上げる段階に立ち至つておらないのでございます。
#50
○成田委員 官房長官と淺井人事院総裁と両方にお尋ねしたいと思いますが、政府案によりますと、大体千円べース・アツプいたしますと、現在六千九百七十三円ベースで、大体七千円近くになつておる、それを千円ベース・アツプすれば八千円になり、人事院勧告の八千五十八円に大体近いものになる、こういうような説明が行われておるらしいのであります。私たち六千三百七円ベースというものは、六千三百七円と了承しておつたのですが、七千円に実質はなつておると言われるのですが、その理由、どういう経過で七千円になつておるというのか、お尋ねいたしたい。
#51
○淺井政府委員 最初に申し上げたいと思いまするが、人事院の勧告は八千五十八円、政府の案はまだ提出になつていないのでありますが、大体八千円に近いものだろう、従つてその内容も大体同じものであろうどいうふうに、おとりくださらないようにお願いしたいと思います。それは中身は非常に違つたものであるということを、まず最初に申し上げておきたい。ただいまどこが違うかということは私は差控えたいと思います。それは政府で法案が提出されましたあかつきにおきまして、申し上げたいと思つております。
 それから次に六千三百七円ベースが、現在幾らになつておるかということは、これは政府の方でも御計算になつておりますし、人事院の方でも計算しておりますが、この実態の計算というものは非常に積み上げて参りますので時間を要します。人事院としてはまだ最終の数字が出ておりません。しかしながら相当上つておるものと私どもは思つております。従いまして政府のおつしやることはそんなに、数字的にどうなりましようとも、大体それに近いものになるだろう、そういうふうに考えておりますが、その原因はどこにあるかといいますと、そもそもベースというものの考え方によるもので、ベースは総平均でございますから、極端に申しますれば、一人死にましても絶えず変動いたしておる。いわんやその後六千三百円ベースを採用いたしまして以来、頭打ち等の支障を取除きまして昇給等の道もずいぶん有利に解決されておりますので、自然に全体が上つて来るのじやないか、こういうふうに考えております。
#52
○成田委員 今伝えられております政府原案につきまして、内閣官房当局と大蔵当局とそれから人事院の方からも係官が出席されまして成案を得た、こういう新聞情報があるのでありますが、今淺井さんの御答弁によりますと、政府の案と人事院の考えておる案と違つておるという話なのでありますが、そうしますと、現在政府の主張いたしておるものについては、この前の人事院勧告の趣旨からいつて人事院としては御不満である、こういうように了承してよろしゆうございますか。
#53
○淺井政府委員 その通りでございます。ただどの点についてか、詳細の点は法案が提出されましてから申し上げたいと思つております。
#54
○成田委員 それから、これも法案の提案のない前に申し上げてもどうかと思いますが、新聞紙上で見たところでは、人事院の勧告と政府の考えているところと、相違点の大きなものといたしまして、大体人事院勧告によりますと、係長以下に厚くなつている。ところが政府案によりますと、課長以上に厚くなつて係長以下に薄くなつている、こういうように新聞紙上で了承しているのです。その点人事院総裁はどうお考えでありますか。
#55
○淺井政府委員 その具体的の内容は、まだ法案の提出がありませんから、申し上げかねますが、ただ基本的なことは申し上げてよろしいかと思つております。一体千八百円ベースでありますとか、二千九面円ベースと申しております時分のベースについて、まず給與に振り向けらるべき予算上の金額の総額、従つてその一人当りの額をまずきめまして、その中で俸給表その他の操作がなされておる。しかるところ、人事院のベースといいますものは結果でございまして、ある一つの給與政策に基いて俸給表ができ、その総平均がその結果として、かりにペースと称せられるもので現われて来るのでございましてこれは人事院の勧告をごらんくだされば、ベースと申すものは最初に設いてはございませんで、最後に、以上のような勧告が入れられたならば、大体八千五十八円になるであろうということになつております。従いまして、人事院のベースというものは結果でございまして基礎となつておるものは、人事院が、政府は非常に大きな使用者として模範的な使用者でなければならないという見地からとりました給與政策というものが、基本になつておるのであります。従つてその結果が八千円でも八千五十八円となりましても、その基本的な考えが違つておる、それは申し上げることができるだろうと思います。
#56
○成田委員 その他に地域の問題とか、特別俸給表の問題についてお尋ねしたいと思つておりましたが、やはり法案が出たときに御質問することにいたしましてもう一つお尋ねいたしたいのは、國有林野庁に勤めております非常勤の労務者の問題であります。これは非常勤であるという意味で、いつも年末給與も與えられない。昨年ハンガー・ストライキをやつて、二千円ばかり獲得したというのでありますが、実態は常勤らしいのであります。これにつきまして、今度年末給與なりべース・アツプの適用を受けさせる御意思があるかどうか承りたい。
#57
○慶徳説明員 年末給の法律案も出ておりませんし、年末給自体をどうするかという点につきましては、ただいまはつきりお答え申し上げることが困難かと思いますが、ただ一つの先例といたしましては、寒冷地手当の先例がありまして、寒冷地手当につきましては、大体において実質的に常勤である軒に対しましては、寒冷地手当を交給し得るように、人事院の方では勧告いたしたはずでございます。
#58
○成田委員 これで給與に関する点は一応終りまして人事院総裁と暫房長官が来ておられますので、あと平川さんの御質問があるらしいのでありますが、地方公務員法との関係で、國家公務員法の問題について二、三御質問いたしたい。
 地方公務員法案が提案されまして、それによりますと相当國家公務員法と異なつておる点があるのであります。たとえば政治活動の禁止に関する罰則の問題につきましても、地方公務員法におきましては、それに違反した者に対しては行政処分だけで刑罰の適用はない。ところが國家公務員法は相当苛酷な刑罰の規定がある。また政治活動の禁止の規定の仕方にいたしましても、地方公務員法では法律で大体列挙しておりますが、國家公務員法は包括的に人事院規則に委任されておる。あるいは団体交渉にしても、団体協約の問題につきましても、団体協約権はないということは地方公務員法にも書いてありますが、文書による申合せをすることができるという規定もある。そういうように國家公務員法と地方公務員法案には、相当の差異がありますが、このことは、現在の國家公務員法の規定というものが、労働者の基本的人権なり、政治的活動の自由に対する制限の行き過ぎであるということを、地方公務員法案の形で政府みずから表明しておるのではないかと私は考えております。こういう情勢になりました際に、政府として、人事院として、國家公務員法のこれらの諸点について改正する御意思があるかどうか。そういう段階に来ておるのではないかと私たち考えるのでありますが、人事院総裁のお考えを伺いたい。
#59
○淺井政府委員 ごもつともの御質問でございますが、地方公務員法と國家公務員法との関係に関しましては、人事院といたしましては、まだ結論に到達しておりません。まず第一に地方公務員法と國家公務員法とは当然に食い違いができる部分もあるだろうと思つております。たとえば適用範囲の問題から来る原因にいたしましてもそうだろうと思いますし、また國家公務員法では政治活動の禁止を全部人事院規則に委讓してある、地方公務員法ではある程度法律に書いであるじやないかという仰せでありますが、これは成田さんの御存じの通り、國会の御意思でさように違つて参つておるのでありますし、ことに地方公務員法におきましても、その他條例に定める事項ということがありまして、その條例の運用次第におきましては、國家公務員法よりもきびしくなるやもしれませんし、ただいまのところちよつと見通しがつきかねるように思つております。ただ御質疑の御趣旨はよく尊重いたしまして、善処いたしたいと思います。
#60
○田中委員長 成田君、岡崎長官がちよつと急いでおりますから、岡崎さんの分を先に。
#61
○平川委員 官房長官に一、二点だけお尋ねして終りたいと思います。内閣におきます給與の関係についての審議室というものは、どういうものでありますか。これをちよつとお話願いたい。
#62
○岡崎政府委員 審議室は内閣官房に属する一つの機関でありまして、官制によりましていろいろの事務をいたすことになつております。
#63
○平川委員 給與の関係と限定をいたしたのでありますが、それをもう少し詳しくお話を願いたいと思います。
#64
○岡崎政府委員 元来御承知のように政府には各省がありましておのおの担当の事務をやつておりますが、給與のような各省にまたがる事務になりますと、どの省でやるということもできませんので、政府側としましては官房でやることにいたしております。
#65
○平川委員 各省における給與の差異というような問題ならば、われわれも納得が行くのでありますが、大体給與に関する根本方針というものは、科学的な資料をもつて人事院が行うことになつております。その勧告というものを政府はある程度取上げてやらなければならないということになつておりますが、最近の國会におけるその勧告の扱い方というものは、われわれとしてはすこぶる法律に規定しであるものと違うのではないかというような気がいたすのであります。審議室におかれて、一つの例をあげて申せば、今回の問題になつております地域給の問題なんか、五分ずつ三段階を引いたというようなことは、これは人事院の見解とはやはり違う。さような根本的な問題を審議室というものは扱うことができるのかどうか。そこらについてちよつと官房長官の御意見を聞きたい。
#66
○岡崎政府委員 今おつしやつた通り人事院で出されることは、法律でもう規定してあります。われわれとしてはあとう限りこれを尊重するのが当然であります。ただ内閣としては、たとえば人事院で勧告がありましても、財源その他の関係上全面的にはできない場合もありまするが、できるだけその勧告を尊重して、財源の許す範囲でこれを実現したいと思う場合には、財源の許す範囲で内閣において勧告を尊重していろいろの点を考究する必要が出て参ります。それを官房でやつておるというわけでございます。
#67
○平川委員 私どもとしては、そうした科学的な根拠というものは、人事院の資料以外にはあるべきはずはないと考える。大蔵省にも給與課という小さなささやかな課がございまして、そこからいろいろな資料を審議室に提出しておるかに聞くのでありますが、一体どこの資料に基いて審議室は最も科学的な判断をされるのであるかということであります。
#68
○岡崎政府委員 政府と言いますか、内閣におきましては、財源に制約を受けるのであります。もし財源が自由でありますれば、人事院の勧告そのものをとるのが一番簡單であり、一番いいことなのでありますが、財源の制約がありますので、この制約の範囲内で、できるだけ人事院の勧告に滑つて給與を引上げたい、こういうつもりであります。従つて資料につきましては、われわれの方で持つておるものもありまするが、人事院の提出される資料も、これは十分尊重していろいろ考慮を加えている次第であります。
#69
○平川委員 審議室を訪れてみますと、ほとんどそうしたようなスタツフがおりそうなには見えないのでありまして、いわゆる閣議によつて、数人の大臣か、あるいは大蔵大臣の発言が強いのかもしれませんが、非常に政治的にさような問題が取扱われておるというふうにしか見られないのでありますが、官房長官その点はどうでございますか。
#70
○岡崎政府委員 そのようなことは私の知る限りではないのでありまして、審議室は冗費節約の関係上人数は少いのでありまするが、各省にも給與の点については、いろいろエキスパートがありますので、これらの人々の応援を得ましてまたここにいる菅野副長官などは給與の問題については非常な専門家であります。こういう連中が集まりまして、人事院の資料を参照しましてできるだけ科学的な合理的なものをつくりたい、こう考えております。
#71
○平川委員 ちよつと簡單ですが人事院総裁に一言だけ。地域給の問題で例をとつてお話を願いたいと思う。私が内閣の審議室並びに人事院へ参りまして聞きましたところでは、八〇五八円ベースによつてこの給與を改訂しない以上は、地域給に対する資料は提出していないということを人事院も、また審議室の方からも聞いたのでありますが、もちろんこれは責任のある人ではありません。人事院総裁はその点について資料をお出しになつておりますか。
#72
○淺井政府委員 出したことはございません。
#73
○平川委員 非常にはつきりいたしておりますが、さすればただいま官房長官がおつしやつたことは誤りでありまして人事院の資料に基いておやりになつておるというのは、新聞などに漏れ聞いておりますものを材料にしておやりになつておるのか、あるいは全然人事院の資料をお取上げになつていないのでありますか。どちらでしようか。
#74
○岡崎政府委員 ただいまの問題につきましては、もし私の答弁が間違つておるかもしれませんから、その点そういう場合にはあとから副長官に訂正してもらいますが、私の了解するところでは、給與は給與で行きまして、それからそれに対する地域給と言いますか、これがつくのだろうと思います。それで人事院の勧告によりますと、二割五分でございますか、それが五つにわかれて来ておる。そこで給與が八千五十八円になりましようとも、あるいは八千円になりましようとも、この地域差というものは大体同じようなものだろう、こう考えました。この地域差は人事院の勧告のようにやろうという考えでありまして、ただそれについては人事院からさらに詳細な勧告が出ると思いますので、出るまではこの二割五分を筆頭にいたしまして、上と下をとりまして現状の三段階で行こう、こういうことになつておるので、やはり人事院の勧告を尊重しているものと、私は了解しております。
#75
○平川委員 さようにおつしやいますが、私どもさように了解できないのであります。やはり各省におけるエキスパートを信用なさつておりまして、人事院というものは内閣の審議室においてはほとんど無視せられておる。従つて内閣は人事院というものを無視しておると、私は考えざるを得ないのであります。そこで官房長官に結論的にお伺いしたいのでありますが、ああいう厖大な人事院の機構というものをこの際おやめになつてあつさり各省の今のエキスパートをもつて運用せられる方が、よほどこれはすつきりしていると思いますが、その点について官房長官のお考えはどうでありますか。
#76
○岡崎政府委員 平川さんはそうおつしやいますが、私の方は人事院の勧告、人事院の御意見は十分尊重しておるつもりでございます。まだ発表になつておりませんが、この数日中に提出される法案でありますから、一部申し上げてもいいかと思いますが、その中にも人事院の勧告を尊重しという文句も入れております。そういう事情でありますから、淺井総裁以下非常な專門的な知識を持ち、また非常に熱心にやつておられます人事院を、この際どうするというような考えは、政府においては毛頭ないのであります。
#77
○平川委員 お急ぎのようでありますから、また機会を改めることにいたしますが、ただ一つ、ただいまいろいろお聞きしたことによりまして、これは財源の問題に関係あると率直に言われましたように、結局科学的な給與というものを考慮するというよりも、むしろその方を先に考えておられる。場合によりますれば、今回のような例をとれば、大蔵大臣はどうも減税ということばかり力を入れられて、給與の問題が一部減税の犠牲に供せられておるような気もするのであります。ところで私どもはかようなことは、やはり官房長官などにおいては十分御考慮願わなければいかぬのではないかと思うのでありますが、本年の東京大学の卒業生の志願状況を見ますと、いわゆる公務員志願のものがわずかに百三十名くらいしかない。われわれが卒業いたしました当時を考えますと、まことに雲泥の相違なのでありますが、この問題は、もちろん公務員が次官まで上ることしかできないということにもよるかと思いますが、しかし最も大きな問題は、この給與問題であると考えざるを得ないのであります。かような大切な國家公務員というような仕事について、ほんとうに有能な人間を集め、それが大事な仕事をしているということがわかりますれば、國民は決して税金を拂うことについていやがるものじやないと私は考える。しかしながら政府みずからが、ただいまのような状態で、人事院の些細な数字でありますけれども、いわゆる科学的と称するものさえも下まわるようなものをやるからこそ、かような状態になるであろうと思う。これはゆゆしい将来の問題でありますので、一体その点についてどういうふうにお考えになつているか、この根本のお考えをひとつ聞かしていただきたい。それできようは打切りたいと考えております。
#78
○岡崎政府委員 お話は、まことに、ごもつともでありまして、公務員の待遇をよくして、りつぱな人をたくさんとらなければならぬということについては、私もまことに同感でございます。ただ御承知のように、政府の資金というか財源と申しまするものは、全部とは申しませんが、ほとんど大部分が税金でございまして、國民のふところから、苦しい中をとつているのでございますから、そうむやみに税金をとるわけにも行きませんし、従いまして財源の制約を受ける、また減税のお話もありましたが、これは余分のことでありますが、私も自由党に属しておりまして、全國民に対する減税という点も、これはどうしても考慮しなければならないというようなわけで、いろいろやりたい点がたくさんありまするが、今のところは財源に制約されている。それで許す範囲で、なるべく人事院の勧告に近いところまで持つて行きたいというところが今の状況でありますので、御了承願いたいと思います。
#79
○田中委員長 それでは次会は明後二十七日十時半より開会することにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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