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1950/11/27 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 厚生委員会 第1号
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1950/11/27 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 厚生委員会 第1号

#1
第009回国会 厚生委員会 第1号
昭和二十五年十一月二十七日(月曜日)
    午前十一時十七分開議
 出席委員
   委員長 寺島隆太郎君
   理事 青柳 一郎君 理事 大石 武一君
   理事 岡  良一君
      岡延右エ門君    高橋  等君
      本間 俊一君    丸山 直友君
      亘  四郎君    清藤 唯七君
      堤 ツルヨ君    福田 昌子君
      林  百郎君    松谷天光光君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 黒川 武雄君
 出席政府委員
        厚生政務次官  平澤 長吉君
        厚生事務官
        (保険局長)  安田  巖君
 委員外の出席者
        厚生事務官
        (医務局次長) 久下 勝次君
        專  門  員 川井 章知君
        專  門  員 引地亮太郎君
        專  門  員 山本 正世君
    ―――――――――――――
十月二十六日
 委員堀川恭平君辞任につき、その補欠として大
 西禎夫君が議長の指名で委員に選任された。
十一月九日
 渡邊良夫君が議長の指名で委員に補欠選任され
 た。
同月二十一日
 委員苅田アサノ君辞任につきその補欠として林
 百郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十四日
 委員三木武夫君辞任につき、その補欠として清
 藤唯七君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十七日
 委員大西禎夫君及び田中元君辞任につき、その
 補欠として、本間俊一君及び岡延右エ門君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十一月二十五日
 健康保険法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 健康保険法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第三号)
 看護婦制度に関する説明聴取
    ―――――――――――――
#2
○寺島委員長 これより会議を開きます。
 健康保険法の一部を改正する法律案を議題とし、審査に入ります。まず提案理由の説明を求めます。黒川厚生大臣。
    ―――――――――――――
#3
○黒川国務大臣 ただいま上程いたされました健康保険法の一部を改正する法律案につきまして、簡單に提案の理由を説明申し上げます。
 政府管掌の健康保険におきましては、二十五年度においてすでに三十億円を国庫余裕金から繰かえ使用いたしまして、保険給付の支払いに充てている実情でありますが、本年度の保険財政の見通しといたしましては、保険給付費等、支出の総額は約百七十七億円、保険料等收入の総額は百四十九億円となりまして、約二十八億円の赤字が予想されているところであります。
 そこで改正案の第一点は、右に述べました保険財政の赤字に対処するために、保険料率を現行の千分の五十五から、千分の六十に引き上げようとするものであります。この保険料率の引上げによりまして、本年度約三億円の收入増が見込まれます。
 次に改正の第二点は、被保険者の資格喪失後において、継続して保険給付を受ける者の資格要件といたしまして、継続して六箇月以上被保険者であつたことを必要とする資格期間を設けますとともに、被保険者の資格喪失後における分娩に関して保険給付を受ける者につきましても、同様な資格期間を設けようとするものであります。
 この改正は、保険制度の趣旨から申しますと、あまり好ましい措置とは考えられないのでありますが、本来の給付のみに対する財源すら十分でない現状におきましては、この種付随的な給付に一定の制約を設けることも、やむを得ないと認められるとともに、他面においては、この種の保険給付を受けるために被保険者の資格を得て、不当に給付を受けようとする者を排除しようとするものであります。この改正によりまして、本年度においては約六千万円の支出が節減されることになりまして、前に述べました保険料率の引上げによる收入増を合せますと、三億六千万円の赤字を縮減できることとなります。従いまして、予想されました二十八億円の赤字は約二十五億円となるわけであります。そこで本年度末におきましては、二月分及び三月分の診療費等約二十五億円の支払いを若干遅延させていただき、これを二十六年度で支払うことによりまして保険收入の調整をいたしたいつもりでおります。
 次に、改正の第三点といたしましては、政府管掌健康保険の料率の変更に伴い、健康保険組合の組合員である被保険者の保険料の最高負担限度が、従来標準報酬月額の千分の三十であつたのを、千分の三十五に引上げようとするものであります。
 なお、右に述べました改正は、来年一月一日から施行する予定となつているところであります。
 以上、簡單に改正案の内容について説明申し上げた次第でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御決定あらんことを希望するものであります。
#4
○寺島委員長 次に、本案につきまして質疑の通告がございますので、これを通告順に許可することといたします。福田昌子君。
#5
○福田(昌)委員 私、ただいま提案理由の御説明を聞かせていただいたのですけれども、数字をはつきり記憶いたしておりませんので、この健康保険の收支、それから未收入、そういう会計の内容を詳しく、もう一回御報告願いたいと思います。
#6
○安田政府委員 お手元に差出してございます「健康保険法の参考資料」でありますが、その第一ページを見ていただきます。左の算用数字のところがこれは月別でございます。その次に「保険料調定額」、その次「保険料及其の他收入済額」、それから「保険料累計收入率」となつております。それからその次の大きい欄が「保険給付費及其の他支出」の支出の欄、「收支の差額」というのがその次にございます。そこで来年の四月、つまり二十五年度の一番終りを見ていただきますと、保険料の收入済額が大體九割入つております。九割入つたといたしますと、百五十一億八千四百万円、これに対しまして、「保険給付費及其の他支出」の累計が百七十六億七千三百万円になつております。そこで三角がございますように、二十四億八千九百万円が赤字になる予定でございます。もちろんこれは九割入つたことを予想しておりますから、二十四億八千九百万円全部が赤字だというわけではないので、年度の終りに赤字になる未收額は翌年に繰越されてまた取立てるわけでございます。そういう意味でその一つ下の欄を見ていただきますと、一〇〇%入るといたしますと、「收支の差額」の下の欄の八億四百万円が赤字になる、こういう関係になるわけであります。そこで今度料率を上げまして、一部支出の減るくふうをいたしまして、大体三億赤字が減るわけでございます。これによりまして、二十四年度の終りには二十四億八千九百万円のマイナスがございますが、これはほんの少しの間支払いが遅れますけれども、二十六年度に入りまして、本年度と同じように国庫余裕金の繰りかえ使用をお願いいたしまして、相当額をまた二十六年度に借り入れる了定でございます。そういたしますと、二十六年度の初めになりますれば、支払いは困らぬのではないか。そこで問題は、二十六年度にそういつた赤字を――約八億の絶対額でありますが、それを繰越しました場合に、二十六年度がそれではうまく行くかどうか、こういうことでございますが、二十六年度は大体支出額が百七十六億九千六百三十一万一千円であります。これは今までの数字をずつと推計いたしまして、こういう支出になるのでございます。それに対しまして七千三百五十円の平均報酬月額が入つて来るので、それに十二箇月かけますと一年分が出ます。それに被保険者の数が三百三十九万五千人でございますから、これで割りますと大体料率が出るわけであります。この料率が〇・〇五九一〇になります。つまり千分の五九・一になりますから、千分の六十となりますならば一応若干余る、こういう計算になつております。従いましてこの臨時国会で料率の引上げの案が幸い通りますならば、二十五年度の赤字を一部六年度に追い送りまして、それを二十六年度にとり返す、こういう計画でございます。
#7
○寺島委員長 福田君御質疑はよろしゆうございますか。
#8
○福田(昌)委員 そうしますと、ただいまの御説明を聞いておりますと、この前健康保険法の一部を改正する法律案というような条項のもとにおきまして、保険料率を千分の五十五に引上げたことがありましたが、そのときの御説明とまつたく同様だといわなければならないと思うのであります。その当時、当局の御説明によりますると、千分の五十五に引上げることによつて、今後の健康保険の経済は円滑に回転する、これによつて保険経済は安定するということを言明なすつたはずであります。そういう言明にもかかわらず、相かわらず同じ方法をもつて、またこの危機の突破を保険料率の、しかも被保険者の料率の値上げによつてカバーして行こうという当局の魂胆というものに対して、私は国民の名においてきわめて残念なものを感ずるのでございます。もしただいまの御説明を了承いたしたといたしましても、とうてい二十五年度の赤字というものは、保険料率を上げることによつても、全部カバーすることはできないというお話でございますが、昨年もその赤字の一部の一時的な補填のために国庫余裕金の繰りかえ使用をしたのであります。そういう措置を相かわらずとろうというのであれば、今日なぜ保険料率の値上げをする前に、そういう措置をとることができないのか、御説明願いたいと思います。
#9
○安田政府委員 一昨年でございましたか、ただいまお話がありましたように、千分の四十五から千分の五十五の中をつくつたわけでありまして、昨年五十から五十五に上げます場合には、社会保険審議会の方の意見を聞きまして、厚生大臣の名において上げたわけであります。もちろんその当時はそれで見通しがつきまして、国会で御説明申し上げた通りの予想で、一応二十四年度は済んだわけであります。しかし、御承知のように保険経済の見通しというものは、二年も三年も先を見通すということはなかなか困難でございまして、今度の場合の赤字の主たる原因は、やはり被保険者及び被保険者の家族、被扶養者と申しておりますが、これらの受診率、つまりお医者さんにかかる率がどんどん上つておるということが主たる原因でございます。従いまして、それまでを見込んでそのときにその料率を考えておくということはむりな話でございますので、時々刻々そういうような情勢の変化に応じまして、最良の措置を構じて行かなければならぬという考えでおるわけであります。今の受診率を申しますと、大体被保険者の一般が二・四三九ぐらいの受診率、歯科が〇・五二九、被扶養者の一般が、いわゆるお医者さんの方ですが、二・三八、歯科が〇・二六、このくらいのものを見込まなければならぬ。これは言葉をかえてみますと、一枚の被保険者証を、大体一つの家族で年に六回近く使うような数字が出ておるわけであります。これは被保険者がそれだけ利益を受けておるわけでありますが、保険の方の考え方から行けば、他に財源がないといたしますならば、料率を引上げられる限度におきまして上げるのが最も常道じやないか、こう思つております。
 それから国庫余裕金の運用でございますが、現在三十億借りております。それを運用いたしておりますので、またこれをふやしましても、先にまたこなせる見込みのないものを借りましてもいかがかと思いますから、この際若干料率を上げていただきますことによつて、二十六年度においてつじつまが合う数字が出ておりますから、二十六年度の会計年度の初めにおきまして、それだけの金を借りて――借りましてもこれは運用上借りるわけでありますので、絶対的にこれを收入の方に入れるわけに参りませんが、二十六年度の初頭において金が入らないという場合に、一時これを使うという建前で行きますならば、一応保険経済としては安定するのではないかというふうな考えであります。
#10
○福田(昌)委員 昨年千分の五十五に保険料率が引上げられましたときにおきましても、先ほども申し上げましたように、この料率の引上げによつて、今後保険経済は安定するということを、当局は言明なすつたのでありまするが、今日はその前言を翻して、二、三年先ではない、ほんの半年か一年先の今日、すでにまた引上げをしなければならないような事態になる見通しが、その当時おつきになつていなかつたと思います。今日また千分の六十に引上げましたところが、おそらく半年先には、当局の同じようなおめがねであれば、見通しがつかない状態でありますから、保険経済は相かわらずの危機を告げると思うのでありますが、そのときには一体どういう態度をおとりになるつもりであるかということが一つ。それから昨年千分の五十五に引上げました当時におきましても、被保険者の大部分は、今日御承知のように六・三ベースの低賃金に縛られておりまして、その低賃金に縛られておるがゆえに、被保険者の保険利用率が非常に高くなつて来ておるといわなければならぬのであります。背に腹はかえられずして、保険を利用する利用者が多くなつている。そのことを切り拔けるために、また被保険者の負担を増加するというようなことは、厚生当局としては、最も愚かな、考えのない措置といわなければならないのであります。そういう点に対して、当局は、今日の被保険者は、幾らでも負担能力があるとお考えになつていらつしやるかどうかということを、第二点としてお聞きしたいと思います。
#11
○安田政府委員 はなはだごもつともな御質問でございますが、来年度におきましたならばこの程度で何とかやつて行けるのではないか、なおまた支出の面におきましても、たとえば医師に対しますところの診療報酬の支払いその他に関しましても、十分注意をいたしまして、むだのないように、支出をもつと合理化するような方法をさらに強化して行かなければならぬと思つております。
 それから收入の面におきましても、今仰せになりましたように、六千三百円ベースということでございますが、もし政府職員の千円の給与ベースの引上げがあり、その他経済界の情勢等から考えまして、来年度におきましては若干は平均標準報酬がよくなるのではないか、こういうふうな希望的な見解も持つておるわけであります。かれこれ合せまして、何とかして二十六年度はやつて行きたいと思つております。
#12
○福田(昌)委員 健康保険の一部改正というような、こういうその場しのぎの彌縫策ばかりとつて来ておられるのでありますが、私は厚生省のその態度に対しまして、きわめて遺憾であります。この際猛反省をお願い申し上げたいところでありまして、われわれとしては、今回の改正案に対しては、納得が行かない点だらけであります。ことに被保険者の資格喪失後の保険給付を受けますところの制限規定が設けられるということは、社会保障制度が声を大きくして叫ばれております今日、この健康保険法のまるで改悪に対しまして、国民の名において何をかいわんやという気がするのであります。厚生当局は一体こういう保険料率の改正をなさる前に、大蔵当局とどの程度の交渉をなすつたかということを聞かせていただきたい。
#13
○安田政府委員 継続給付の一部の打切りにつきまして触れられたようでありますから、この機会に説明させていただきますが、この資料の先ほど御説明申し上げましたページの裏のページでございます。二ページに「2、資格喪失後継続受給者の資格期間設定による費用節減の見込額」というものがございます。従来でありますと、一日勤めてすぐやめましても、そのときに病気にかかつておれば二箇年間も継続給付をやるというような規定になつておるのでありますが、ここでこの資料をごらんになつていただきますと、一番左の欄の資格喪失までの資格期間六箇月未満のものと、六箇月以上のものを、今度の改正案に従つて一応かりにわけてみました。こういたしますと、六箇月未満のものが年間で二億四千万円ぐらい、六箇月以上のものが十億幾らになつております。これで見ますと、四分の一ぐらいが六箇月未満だと、こういうことになつております。普通常識で考えましたならば、こう六箇月未満が多くなるということはないはずであります。ここらにこの問題の今度の改正案の一つのねらいもあるわけであります。こういう場合に、これを放置しておきますのも、一つの方法かと思いますけれども、今お話いたしましたように、非常に保険経済が苦しくなつているときでありますから、こういう点に多少のむだがありますならば、そのむだも是正しなければならぬ、また被保険者の公平の観念から行きましても、こういうようなものを一般の給付が危うくなつているときに出していただくのも、しかたがないのじやないか、こういうような意味で、今度の案を出したわけであります。
 大蔵省に対する折衝でございますが、これは私どもといたしましては、若干の給付についての国庫負担がありますならば、給付は非常に楽になるわけでございます。二十五年度は、御承知のようにそういう費用もございませんので、今回とりましたような措置によつたわけであります。
#14
○福田(昌)委員 では大蔵当局とは大した交渉もせずして、料率の引上げをしたと了承してよろしゆうございますか。
#15
○安田政府委員 二十五年度の予算をとります場合には、やはり一応要求はいたしております。
#16
○福田(昌)委員 こういう保険経済の危機打開に対して、大蔵当局と十分話合わなければ、根本的な危機突破の打開策が得られないということは、申し上げるまでもなく厚生当局において十分御了解済みのことと思うのであります。それにもかかわらず、大蔵当局との強い交渉がなされていないということは、きわめて遺憾でありまして、私はこの危機突破のために、保険料率の引上げをきめる前に、もう一回大蔵当局との強い交渉をお願い申し上げたいと思うのであります。
 それからこの改正案を出す前に、その筋に対してどういう交渉をなされたか、どの程度今日の保険経済の御説明をなさつたかということを伺いたいのであります。
#17
○安田政府委員 ただいまここで申し上げましたような御説明をいたしまして、了解を得たのであります。
#18
○福田(昌)委員 そういたしますると、被保険者というものは、料率を上げてしぼれば、幾らでもまだ余裕があるということを御説明なさつたと了承してよろしゆうございますか。
#19
○安田政府委員 しぼれば幾らでも出るということは申し上げません。まあまあこの程度は何とかひとつやつてもらいたいということを申しました。
#20
○福田(昌)委員 社会保障制度が叫ばれております今日、国民は保障制度の実現に対して、多大の期待を寄せておるのであります。そのやさきにこういう制度の改悪をいたしまして、それでも保険当局といたしましては、良心の呵責がないかどうかということを伺いたいのであります。
#21
○安田政府委員 たいへんお手きびしいお言葉でございますが、この二十六年度におきましても、予算の要求の際に、ちようど残念なことにまだ社会保障制度審議会の勧告が出ておらなかつたことは、福田委員も御承知の通りであります。そういうようなことでございまして、結局二十六年度の予算に国庫負担というものが載つていない。二十六年度に何かそういうものがありますれば、二十五年度の赤字というものは、いろいろやりくりする方法があるのでありますが、二十六年度の予算にそれがない限りは、こういうような方法が、事務当局としては精一ぱいの考えでございます。
#22
○福田(昌)委員 保険局長の御答弁としては、はなはだ遺憾に存ずるのであります。大衆でさえも、社会保障制度の勧告が近くなされるということは、知つておりますし、政府当月としても、そういう勧告案が目前にあるということは、御存じでないはずはないと思うのであります。そういうことを御承知でありながら、しかも二十六年度の予算におきましても、そういつた面について何ら考えを及ぼさなかつたということは、これまた国民の名において遺憾といわざるを得ないのであります。こういう意味からいたしまして、今回の健康保険法の一部改正の改悪法案に対しては、私はどうしても納得できないのであります。いろいろまだ質問させていただきたいと思いますが、委員長から、あまり長くしないで切り上げろという御命令でございますから、私はこの次に健康保険法に関する質問は続けさせていただくことにいたしまして、今日はこの程度にして切り上げさせていただきたいと思うのであります。
 今日はこれから看護婦さんのことについて質問させていただきたいと思いますか……。
#23
○寺島委員長 ちよつとお待ちください。本案に関する質疑につきましては、通告順に平等に許したいと思います。本案の通告は、福田委員が第一に通告されましたので、福田委員の質疑を許したのでありまして、討論にわたる事項は、討論の際にお願いいたしたいというお話を申し上げたのであつて、質疑を簡略にという意味ではございません。さように御了承願います。よつて質疑の第二の通告者丸山直友君、次の発言を許します。
#24
○丸山委員 手続上のことをちよつとお伺いしたいと思うのでございます。健康保険法の第七十一条の四が改正案として提案されておるわけであります。それの第一項は千分の五十を千分の六十にしたい、こういうことであります。この千分の五十を千分の六十に直すということは、これは社会保険審議会の意見を聞かなくても、国会に御提出になればよいのではないかと考えます。その第二項で今までございますと、千分の四十五から五十五の範囲内で過不足のあつた場合には直す、そのときには社会保険審議会の意見を聞かなければならぬということになつておると思うのであります。そういうふうに了解してよろしゆうございますか。千分の五十を千分の六十に直す場合には、社会保険審議会の意見を聞かずに、直接ここへ御提案になつてもけつこうだと思うのでございますが、そうでございますか。
#25
○安田政府委員 お答えいたします。今御指摘の場合には必ずかけることになつているのであります。別に社会保険審議会の規定によりますと、運用によつて重要な事項につきましては、かけるような規定もございますので、その辺のところに、今度のような場合には、運用におきまして事前にかけるのであります。
#26
○丸山委員 事前におかけになる場合、この法文から解釈しますと、五十を六十に直すということに関しまして、何らかの意見の開陳がありましても社会保険審議会の意見というものは、どれだけの拘束力を持つているものであるか、それをひとつお伺いしたい。
#27
○安田政府委員 諮問機関でございますから、法律上の意味の拘束力はないと思います。
#28
○丸山委員 しからば先般の社会保険審議会で審議なさいましたそうですが、その結果をちよつと御報告願いたいと思います。
#29
○安田政府委員 十一月の初めにこの問題につきまして、社会保険審議会の意見を求めたわけでございますが、いろいろ今福田委員の御議論になりましたような点が問題になつたわけでございます。最初に開きましたときに、やはり料率の引上げがあまり好ましくないというようなことで、一応それが否決になつたような状況でございます。しかしいろいろお話をいたしまして、否決になりましても、それでは二十五年度なり二十六年度が、うまくやつて行ける見込みがあればよいけれども、見込みがないということでありますと、これは健康保険制度そのものが根本的にとまるようなことになるので、審議会としていろいろ御審議を願つて、自主的によい案を出していただきたいというようなことで、二回目をその四日ぐらいあとに開いたわけであります。そこでいろいろ他の案を十ぐらい並べまして、御審議を願つたわけでありますが、どれもこれもかえつて被保険者の利益を害するのじやないかというようなことで、まあまあこの千分の五十を五十五に上げる、五十五を六十に上げるというのが一番いい案だろうということに最後になつておちついたわけであります。
#30
○丸山委員 もう少し詳しく承りたいのは、その際被保険者代表が出席しておられたと思いますが、被保険者代表もそのことに賛成をしたのでございますか。
#31
○安田政府委員 被保険者の方が、たしか四人おられましたが、この方はいろいろ御相談申し上げましたけれども、最後はやはり反対の立場でございまして、多数決できまりました。
#32
○丸山委員 手続上のことはたいていわかりました。
 それから先ほどもちよつとお話がございましたが、せんだつての本会議における大蔵大臣の財政演説の際にも言われましたが、大体賃金ベースは千円程度上るということを言明しておるわけであります、八千四百円というような言葉も出ておつたはずでありますが、その結果当然賃金ベースは上るという見通しは、確然とついたといつていいわけであります。予算面に現われておらないからとおつしやれば、それだけの話でございますが、しかしそれだけの確然たる見透しが立つた場合には、当然保険料の増收はどのくらいあるという計算がつくはずだと思いますが、それはどのくらいになるか、計算なさいましたでしようか。
#33
○安田政府委員 来年の一月から官吏の方は千円ばかり上りますが、民間の方の事業が千円上るとは限りません。そこで最近やはり賃金ベースの改訂ということは別にいたしましても、少しずつ平均標準報酬が上つております。それらのことも考えまして、三月までで五百円上る、半分上る。しかも一月が百二十五円、二月が百二十五円、三月が百二十五円ずつぐらい上つて行くというような推算でございますけれども、その数字は一応見込んでございます。控え目に見込んであるわけです。
#34
○丸山委員 未收率でございますが、大体ここに数字が示してございますが、未收の原因は徴收技術がまずいとか、あるいは人が足らぬとかいうことのために起るもので、ございましようか、あるいは経済状態が悪くて負担に耐えないようなことがおもなる原因であるとお見通しになつておられますか。
#35
○安田政府委員 私は両方あると思うのでございますが、一々徴收いたしまして、さらに強制執行をやるというような手続きになりますと、なかなか人手も足りませんし、費用もないというような点も確かにございます。同時にまた、一般の他の国税、地方税、あるいは失業保険料が、やはり滞納になつておると同じような経済上の原因も含まれております。
#36
○丸山委員 経済状態の窮迫が未收率をふやす一つの原因であるということになりますと、保険料を上げるということは、ますます未收率を増加をさせる危険があると思うのでありますが、その点については何らかのお見通しがついておりますかどうか。
#37
○安田政府委員 そういうことも考えられますけれども、大体千分の五ぐらいでありますと、現在の状況から見て、それほど未收率がふえ、滞納額がふえるとも考えておらないのでございますが、その辺のところは、御意見がありましたら伺いたいと思います。
#38
○丸山委員 まだいろいろ質問したいことはありますが、今日だけにも限りませんので、いずれ後日したいと思います。これは言葉じりらしく見えますけれども、厚生大臣の提案理由の説明の中に印刷したものの二番目にある、現行の千分の五十五から、千分の六十に上げるという言葉は、少しおかしいじやございませんか。現行は千分の五十五かもしれませんけれども、千分の五十を千分の六十に上げるのであつて、現行の五十五というものは審議会が特別にきめたものであるから、法文としては千分の五十を千分の六十に上げるというふうに御説明がある方が当然であるにもかかわらず、五十五から六十に上げると、引上率を非常に少く感じさせようとするような意図があるように感ずるのであります。これはほんのつまらないことでございますけれども……。いろいろ実はまだ質問したいことがありますが、実はこの改正の条文を本日急に見ましただけで、まとまつておりませんから、本日はこれをもつて打切りまして、後日質疑したいと思います。
    ―――――――――――――
#39
○寺島委員長 本案は重大な改正案でありますので、本日における質疑はこの程度にいたし、次回に譲ることといたしまして、次回に看護婦制度に関しての発言を求められておりますので、これを許し、あわせて当局の御意見も聴取いたしたいと存じます。
#40
○松谷委員 議事進行について委員長に申し上げたいと思います。今委員長は本法案は非常に重大な問題であるから、質疑は次回に延ばして一応これで打切るというお話でございましたが、この法案は確かに委員長が仰せられるまでもなく非常に重大な法案でございます。おそらくきようの質疑の通告は、丸山先生で終つておられることはないと思います。私も通告をいたしました、またほかの先生方もおありと思います。次回に引継ぐにいたしましても、今日の局長さんの説明内容について、簡單に質疑ができる問題もあると思います。これを次回に延ばすと、次回はまたあらためて重大な問題をおのおのが持ち寄りまして審議を続行しなければならないと思いますので、今日の局長の発言について簡單な問題は今日のうちに片づけていただきたいと思います。私はそういう質問を実は持つております。ほかの委員も持つておられれば、簡單な質問は今日中に許していただいた方が、次回の審議をより早く進めて行く運びだと私は思います。
#41
○寺島委員長 ちよつと速記をやめてください。
    〔速記中止〕
#42
○寺島委員長 速記を始めて。福田昌子君。
#43
○福田(昌)委員 最近看護婦さんの国家試験の問題、甲、乙二本建の問題をめぐりまして、委員の手元に毎日陳情が参つておりますが、これに関して御質問申し上げたいと思います。一昨年保健婦助産婦看護婦法が国会に提案されました当時、その審議の内容におきましては、既得権者は、看護婦さんにおきましても、これは甲種看護婦と同等にみなすというお話であつたと記憶しておるのでございますが、今日になりますと、それが既得権者であろうとも、甲種看護婦の国家試験を受けなければ、甲種看護婦とみなすことができないというような通達が各看護婦さんの手元に参つておるというように聞いておるわけでございます。当局は既得権者に対して、今日どういう態度をもつて臨まれておるかということをまずお聞きしたいと思います。
#44
○久下説明員 先般御審議御決定いただきました現行の法律によりまして、既得権者は甲種看護婦であるというようなお話でございましたが法律の規定をただいま手元に持つて来ておりませんが、法律の規定は明白に既得権者は既得権者でありまして、甲種看護婦ではないということになつておるのであります。ただ甲種看護婦と同様に業務の上においては何らの制限を受けていないということだけでございます。既得権者が甲種看護婦の資格を得ますためには、法律の規定に基きまして、国家試験を受けなければならないことになつておるのでございます。
#45
○福田(昌)委員 今年十月に国家試験がございましたが、その国家試験の現状と、受験なさつた方のうち、既得権者と新しい学校を出られて初めて国家試験を受けられた方との振合いをお知らせ願いたい。
#46
○久下説明員 本年度秋の第一回の国家試験を受けました総数は一万百名ほどございます。もつとも試験の当日欠席しました者も相当おりまして、ただいま申し上げた数字は、受験申請をいたしました数でございます。そのうち新しい制度に基きます甲種看護婦養成所を卒業しました者は三百名ほどございます。ほとんど大部分が既得権者でございます。
#47
○福田(昌)委員 今看護婦さんが非常に少いということは、各国立病院に参りましても、また民間の医療機関におきましても、ひとしく耳にする言葉でございます。ことに全国的に調査いたしますと、大体必要看護婦さんの三分の一が今日不足しておるということが言えると思います。そういうような事態でありますとき、従つて看護婦さんは今日この際大勢養成されなければならないと思われる状態にありすが、そういう時期に一体看護婦さんの養成機関におきましては、どの程度新しい看護婦さんが生れつつあるかということを統計でお示し願いたい。
#48
○久下説明員 お話の通り今日看護婦さんの数は、絶対数におきましては若干不足でございます。今日の養成施設の状況でございますと、将来はなはだ寒心にたえない実情にありますことは仰せの通りでございます。いずれこまかい数字につきましては、後ほどお届けを申し上げたいと思いますが、そういう看護婦さんが少いであろうという考え方のもとに、新しい現行の制度におきましては、乙種看護婦という制度を設けてあるのでございます。看護婦の質の向上から申しますと、甲種看護婦の方がいいということは、一般に言われておるのでありますけれども、日本の実情から甲種看護婦一本だけでは、とうてい看護婦の需要が満たせないであろうというような意味におきまして、乙種看護婦制度をつくつてあるのであります。後ほど数字は詳しく持つて参ることにいたしたいと思いますが、ただいままでに甲種看護婦養成所として指定を受けましたものが、約百ございます。乙種看護婦養成所の指定を受けましたものは、ちよつと正確に記憶しておりませんけれども、近く指定されますものを合せて、たしか六、七十程度にとどまるかと思います。これは乙種看護婦の養成所の規格が、従来少しく厳格に過ぎておりましたきらいがありましたので、最近養成所の基準を若干緩和いたしまして、その数をふやすことを主といたしました結果、これから申請も相当出て来る見込みでございますので、今までのようなことでなく、急速に養成所の数も増加して来るのではないかと考えております。それにいたしましても、ただいままでの状況から推測いたします将来の見通しは、決して楽観を許しませんので、私どもといたしましては、何かもう少し根本的に考えなければならないのではないかと思いまして、ただいまほかのことに関連をいたしまして、看護婦制度審議会というものを一応設けまして、いろいろと各方面からこの制度につきまして審議、研究を願つておるところであります。
#49
○福田(昌)委員 看護婦さんが非常に少くて、将来も増加する率がそう急速に上昇しないだろうというようなお考でございますが、それに対します対策として当局はどのようにお考えになつておられますか。それと現行の保健婦助産婦看護婦法をそのまま存置しておいて、それで相当看護婦さんになる方が増加し得る可能性があるかどうか、どのような見通しを持つておられますか。
#50
○久下説明員 これにちよつと簡單にお答えいたしかねると思うのでございます。見通しを立てます前に、ひとつとくと考えなければならぬのでありますが、申し上げるまでもなく、数を多くいたしますことを要求いたしますと、自然資質の点におきましては、若干低下したものでがまんをしなければならないというようなことがつきまとつて参りますので、質も上げたいし、しかしながら数もふやしたい。この問題は多くの場合におきまして、非常に相矛盾をしておる問題でございますので、その辺をいかに調整して考えて行くかということが、看護婦制度の将来の見通しを立てる根本の問題でございます。先ほどちよつと申し上げましたのは、今までの考え方が若干質の点にのみ重きを置きまして、わが国の実情から申しますと、それだけでは看護婦の所要数を将来とも十分満たして行くことができないのではないかという悲観的な見通しでありますので、それらの質の点と量の点をいかに調整して行くかということで、今研究をいたしておるところであります。
#51
○福田(昌)委員 来年の九月からは保健婦さん、助産婦さんなんかも、看護婦と同じように国家試験を受けなければならぬのでございますか。そういう場合におきましても、既得権者に対して看護婦さんと同じような国家試験をおやりになるつもりかどうか。
#52
○久下説明員 ただいまの法律によりますと、助産婦も保健婦も、看護婦同様に国家試験を受けなければならないことになります。
#53
○福田(昌)委員 そういたしますと、来年からは保健婦さんも助産婦さんも国家試験を受けなければならない。そうしなければ新しい制度の保健婦さん、助産婦さんとして認められないということに了解してよろしゆうございますか。
#54
○久下説明員 おつしやる通りでございます。
#55
○福田(昌)委員 終戰後いろいろ教育機関の制度が改まりまして、私たち医者に対しましても医療機関の制度が改まつたのでありますが、同じような衛生方面の仕事をしております医者の場合は、既得権者には国家試験というものの義務がない。にもかかわらず、保健婦さん、助産婦さん看護婦さんだけに対しては、既得権者に対しましても、新しく国家試験を受けなければならないというようなことにいたしますると、非常な不公平を感ずるのでございまするが、厚生当局においては、それを不公平だとはお感じにならないのでございましようか。
#56
○久下説明員 法律は私どもの方で提案をいたしましたのでございますが、同時にまた、国会におきましても御承認をいただきました方針であります。とにかく私どもといたしましては、あの原案を政府提案としてお出しいたしましたときの考え方は、既得権者をできるだけ尊重をして行くという考え方におきましては、十分考えたつもりでありますけれども、さりながら、従来の看護婦の大部分は、義務教育を終つて二年間の養成所卒業者、あるいはまた全然組織立つた教育を受けないで検定試験に合格した者、そういうような者によつて占められておりまして、あまりにも新しい制度による甲種看護婦の程度との差がひど過ぎまするので、これをそのまま甲種看護婦として認めるということは、質の点からいかがであろうかという考え方のもとに、ああいう案を御提案申し上げ、御賛同を得ました次第であります。しかし、ただいまのところはその点についても、なおいろいろな事情から考え直さなければならないのではないかという声が、各方面から起つて参りまして、私の方としても、決して当初の気持にこだわつておるつもりはございません。そういう意味合いにおきまして、この問題も先ほど申し上げました看護婦制度審議会におきまして、同時に重要な問題として取上げて、目下審議の最中でございます。まだ結論が出ておりませんので、申し上げるまでに至つておりませんけれども、私どもといたしましては、この審議会で出ました御意見を尊重いたしまして、善処いたしたいと思つております。
#57
○福田(昌)委員 看護婦さんの資質の向上ということのために、既得権者も国家試験を受ける制度をおとりになつたというのでありまするならば、既得権者の資質の向上であれば、あえて試験をするには及ばないと思うのであります。厚生当局がもつと親心を持ちまして、簡易に更けられるところの講習機関を、もつとたくさんお持ちいただきまして、十分なる講習をすれば、資質の向上ははかれるのであります。教員におきまするところの認定講習、あるいはまた弁護士さんにおけるところの講習も、同じ観点からなされておるのでありまして、あえて看護婦だけに、こういう苛酷な、既得権者も国家試験を受けるような措置をおとりになるということは、厚生当局として、非常に不公平な措置だと思われるのであります。そういう意味で、既得権者が国家試験を受けなければならないという目的が、資質の向上にあるというだけでありまするならば、講習程度にとどめまして、試験を受けないでもいい、既得権者は試験を受けないでも、ある單位の講習を受ければ、甲種看護婦の免状を渡すという制度にお改めを願いたいと思うのであります。それが他の職業に対しまして振合いのつくところの平等な措置であろうと考えますので、即刻看護婦の既得権者に対する御処置について、お改めを願いたいと思います。それから看護婦制度審議会におきましては、大体今日ではどの程度、どういう方向に審議が進められておるか、その内容と方向を少上聞かせていただきたいと思います。
#58
○久下説明員 看護婦制度審議会におきましては、最近各方面の問題になつております、ちようど今お話のございました、既得権者に対して国家試験を課することの可否という問題と、それから看護婦の中に甲種、乙種という二つの制度と併存することがいいかどうかというような問題、この二つの問題を主たる議題といたしまして、先般来数回の会合を開いておるのでありますが、まだいずれの問題につきましても、方向ということを申し上げるまでに固まつておりませんので、審議の最中であると申し上げる以外にないのであります。大体の状況を話せというお話でございますから、ちようと簡單に申し上げますが、まず甲種、乙種の二つの制度をどういうふうに考えて行くかにつきましては、ただいまのところ、甲種看護婦一本で行つて、看護婦としては甲種看護婦だけにして、そうして看護助手というような制度をつくつたらどうかというような意見が出ております。しかしながら、この点につきましては、一体甲種看護婦というものは、将来のわが国の実情からどの程度確保されるものであろうか。そのことは同時に、裏から申しますれば、看護助手というものがどの程度の数が必要であるかということに関係をして参りまするし、また看護助手というものをつくるといたしました場合にも、一体その資格はどの程度のものにすべきであるか、現在の乙種看護婦というものとどういうふうにこれを区別して考えて行くべきであるかというようなことにつきまして、まだいろいろ数字に当たつたりいたして、資料を集めておりまする状況であります。その辺のところで、意見としては出ておりますけれども、結論としてはまだ見通しのあるところまで至つておりません状況であります。
 それから既得権者に国家試験を課するかどうかという問題につきましては、ちようどただいま甲種、乙種の問題の資料集めをいたしております期間、審議が進んでおるのであります。ただいまのところ、まだ見通しを申し上げるまでに至つておりませんけれども、私がこの前の会合に出ましたときの空気では、国家試験というものは必要であるというような意見を言つている人もございました。しかしながら、これは決して委員会の結論ではございませんので、経過を話せということでありまするから申し上げるのであります。その程度のことでございまして、もう少しお待ちをいただきませんと、資料その他の関係から、結論が出ない状況であります。
#59
○福田(昌)委員 いつごろまでに、この審議会では結論をお出しになる予定でしようか。
#60
○久下説明員 別段期限をきめてやつてはおらないのであります。私どもとしては、相当世間の問題になつていることでもありますので、できるだけ早く結論を得たいと思います。そうかといつて、あまり抽象論だけでやつてもいかがかと思いますので、できるだけ確実な資料をつかんでというようなことから、少し手間どつておりますが、極力やつているということで御了承いただきたいと思います。
#61
○福田(昌)委員 近いうちに現行法を改正なさつて、看護婦の要望にこたえておやりになろうという御意見はございましようか。
#62
○久下説明員 先ほど来申し上げておりますように、公式な立場といたしましては、看護婦制度審議会の結論に基いて、これを尊重して善処するという以外には申し上げられないのでございます。ただいまのところ、その辺で御了承いただきたいと思います。
#63
○寺島委員長 次に看護制度に関する問題の一環といたしまして、松谷天光光君より緊急発言を求められておりますので、これを許します。簡單にお願いいたします。
#64
○松谷委員 ただいますでに福田委員から御質問がございましたので、特に委員長から簡單にという言葉がなくても簡單になりますから、質問をさせていただきます。
 先ほどお話に出ておりました看護婦制度審議会、これにつきましてお尋ねしたいと思います。看護婦制度審議会は、いつごろから構成され発足を見たのでありましようか。
#65
○久下説明員 正確に記憶いたしておりませんが、先月の初めからこの会合を開いておるはずであります。九月の下旬であつたかもしれませんが、その辺ちよつとはつきりいたしません。
#66
○松谷委員 それではただいま御記憶だけで承りますこともいかがと思いますので、次回までに、審議会の発足いたしました月日、それから構成メンバー、それからその後引続いて行われておりますその審議の内容もひとつ伺いたいと思います。先ほど久下次長のお話で、大器問題とされております諸点、あるいはその方向だけは了といたしましたけれども、できますならば速記録でも公開できないということならば、委員会だけで秘密に拝見するというようなお約束をしてでもけつこうだと思いますが、その審議内容をひとつお聞かせいただきたいと思います。それは書類にして出していただきたいと思いますが、いかがでございましようか。
#67
○久下説明員 審議会の発足の日でありますか、あるいは構成メンバーにつきましては、さつそくお届けいたします。議事の内容につきましては、いろいろ委員の間にもさしさわりがあろうと思います。こういう問題にしたというような抽象的なことなら申し上げることもできますが、こういう委員からこういう意見が出たというものを差上げることにつきましては、私一存ではお答えしかねるのであります。会に諮りまして、もし出せるようでしたら差上げることといたしますが、いろいろさしさわりがありますので、むずかしいのではないかと思います。
#68
○松谷委員 ただいま久下次長のお話では、厚生省としては、この審議会の意見を尊重して事を決定するということでございましたが、私どもとしてはその委員の方々の顔ぶれ、あるいはまた委員の方々の発言内容は、非常に重大な問題だと思います。これは委員の方々個人にどうこうというのではございませんが、ただどういう立場から出ておられる代表者の方々が、いかなる意見を持つておられるか――場合によりましては個人の名前を伏せていただいて、何々代表ということでもけつこうでございますが、私どもは、いかなる立場の方がいかなる意見をお持ちになり、審議会がどう運ばれて行つたかということを重要視しなければなりません。そういう点から私どもの考え方を検討して行かなければならないと思います。過去においても、私ども社会保障制度審議会の速記録に近いものを委員会にお出しいただいたように記憶しておりますので、看護婦制度審議会の内容も出していただけないことはないと思うのでありますが、その点はいかがでございましようか。
#69
○久下説明員 審議会の構成メンバーを後にお送りいたしますれば御承知いただけますように、役所の方からは、私どもこの委員の一人として出ておりまして、それに関係方面の係官も毎回列席しております。その辺の事情もありますので、今御要求がありましたけれども、私どもとしてお答えできますことは、一応近く審議会もあることだと思いますので、その審議会にかけまして相談をいたしまして、その上でないと、私一委員の立場からお答えできないことを御了承願いたいと思います。
#70
○松谷委員 ただいまの久下次長のお話で、久下次長としてのお立場も了承いたしましたので、あらためて私はただいまのお願いを委員長にお願いいたします。これは委員長として看護婦制度審議会の方へひとつ御依頼をしていただきたいと考えます。審議会のお話で、公開はできないということでございましても、少くとも厚生委員だけは、拝見できるのではないかと思います。その点は委員長から特にお願いをしていただきたいと思います。口外しないということを私どもかたくお約束した上でも、その審議内容を拝見いたしたいと思いますので、委員長からひとつお諮りいただきたいと思います。なおできますならば、次の機会に、審議会の会長なり審議会のメンバー、そういう審議会の問題についてお答えできる方の御出席を求めて、なお審議させていただきたいと思います。委員長、いかがでございましようか。
#71
○寺島委員長 本件につきましては、資料の要求権の問題とも関連いたしますので、衆議院規則等を検討いたしまして、御期待に沿うように善処いたしたいと思います。
#72
○松谷委員 久下次長にもう一点お伺いしたいことがあります。先ほど久下次長から、この問題は看護婦制度審議会の意見に従つて、大體事を決定する、こういうお話がございましたが、ほかにも例がございますように、看護婦制度審議会というものは、大體政府に対しての勧告程度の権限を持つものでございます。これは先ほど、社会保険審議会についての丸山委員の御質問においても、はつきりと述べられておることでございますし、今あらためて申し上げるまでもないと思うのでありますが、ただいまの久下次長のお話では、この看護婦制度の問題につきましては、看護婦制度審議会の意見を厚生省は待ち受けて、そのままでやるのだ、厚生省側としての意見はまつたくないというよな響きを持たせておいでになつたでございますが、それでははなはだ心もとないと思うのであります。審議会の勧告に対しては、もちろん愼重に扱うといたしましても、厚生省の腹として、看護婦さん方の意見を取上げるか取上げないかという、厚生省としての意見は当然おありになると思つておりますが一この点について重ねてお尋ねしてみたいと思います。
#73
○久下説明員 私は、従つてという言葉を申し上げたつもりはございません。尊重して善処するという申し方をしたつもりであります。確かに審議会というものは、私どもも一つの諮問機関と考えております。ただ私どもも委員として常々出席して、当局としての意見なり資料なりを提出しております。さような観点から、また今日の世の中の情勢から考えましても、いろいろな状況から、それを尊重して行くということは、当然のことだと思つております。しかしながら、それに盲従するつもりはありません。
#74
○松谷委員 久下次長のお話はよくわかりました。決して盲従なさるのでないということで安心いたしましたが、厚生省側としての御意見というものをまだちつとも承れないのでございます。そういう厚生省單独としての御意見がおありになるのかないのか。おありになるならば、その点の厚生省側としての御意見を承りたいと思います。
#75
○久下説明員 どうも一つの問題を両極端からお取上げになつておるようでありますが、私どもは委員の一人として出席して意見を述べております。従いまして、結論におきましてはへその意見を十分尊重して考えるということであります。従つて今私どもだけの考えをここで申し述べますことは、意味がないことになるのではないかと思います。
#76
○松谷委員 両極端から物を考えるとおつしやいますけれども、私決して極端から極端を考えておらないつもりでございます。最も調和したものをつくり出したいと考える一人であります。久下次長のおつしやつたように、審議会の委員としての立場でおつしやる、それはもちろんその地位にある久下次長の立場も十分わかりますが、しかし各議会の委員のお一人であると同時に、やはり久下次長は厚生省医務局の久下次長としての立場を持つておられると思います。審議会の委員としての立場を離れて――それを混同していらつしやるから、どうも私の質問にお答えいただけないのではないかと思いますが、そうでなくして、審議会の委員であろうがなかろうが、少くとも久下次長という厚生省のその次長のお立場において、厚生省医務当局が今までどういうふうにこれを考えておいでになつたか。何も私はきようお答えいただきますその御答弁を、最後的なものである、あるいはこれで厚生省の意見は動かないものであるように、断定的なものとして承るのではございません。ただ一つの参考意見として、厚生省は今看護婦制度についてこのように考えておられるのだということを、私どもの参考として承りたいのでありますから、久下次長は決して何も発言なさるのを躊躇なさることはないと私は思うのでございます。決してそれをとりまして、私どもはとやかく言うのではございません。
#77
○大石(武)委員 ただいま松谷委員のお話でございますが、私は衆議院の厚生委員会としての立場からこれに反対いたしたいと思うのでございます。と申しますのは、今厚生省で看護婦制度審議会というものがありまして、そこでいろいろ審議しておりますのを、厚生省が前もつてその意見を発表することは、これは審議会を恫喝するものといつても過言でないと思うのであります。審議会の意向を厚生省が先に発表して、それに盲従させるというようなフアツシヨ的な行き方には、私は賛成しないのでありまして、かような態度をしいるような厚生委員の発言には、賛成いたしたくないと思うのです。あなたがむしろ久下政府委員に、政府委員としてでなく審議会の委員としての、個人としての発言を要求されるのでしたらよいが、厚生省の意見を発生せよ、現在審議会が審議中にもかかわらず、あえて厚生省の意見を発表して、これに審議会の意見を持つて行かせるような態度を厚生委員会がとるということは、はなはだ当を得ないと思うのであります。
#78
○林(百)委員 もう皆さんも御迷惑になつておりますので、私は簡單に申しますが、あまり四角ばらないでもらいたい。これは同僚の大石君にも話したのでありますが、これは看護婦さんの方から陳情が来るのです。熱心に国会にも押しかけて来るのです。私もどうもしろうとでよくからないのですが、この制度はもう一度厚生省として考えて、日本の実情に沿つたような形に考え直していただく必要があると思う。これは私が言うまでもありませんが、大体学歴を中心にして甲乙の区別を設けて、甲の看護婦さんが非常にわずかで、乙の看護婦さんが非常に多い。既成の看護婦さんがほとんど甲の部類に入ることが困難だということになりますと、非常に職階制が出て来まして、ことに神経のこまかい婦人の職場の中でいろいろな問題が出て来る。それに待遇の問題がからんで来る。甲乙の制度を設けるのでしたら、過去の経験を中心にしてやるようにする。大学まで行くような余裕のある人で看護婦になる人は、日本の現在の実情としては、そうないのです。アメリカあたりの世界で生活の一番ゆたかなところの制度を、一番貧乏な日本の国に持つて来ても、むりがあると思う。その点厚生省も十分考えていただいて、この次にはやはり審議会の人と厚生省も十分打合せしまして、厚生省の意見をざつくばらんに聞かせてもらいたいと思うのです。国会は国権の最高機関でありますが、審議会のことを聞いても、厚生省は審議会に気がねして話されたい。国会はどうしたらいいか。そこのところは久下さんもよく打合せして来まして、次回には厚生省の立場も聞かせていただきたい委員長にお願いしたいのですが、審議会の責任者の人と両方来ていただいて、胸襟を開いてこの制度を討議して行きたいと思います。委員長も御協力願いたいと思う。久下次長と委員長と両方にお願いいたします。そう固くなつてこだわる必要はないじやないですか。
#79
○久下説明員 決してこだわつてもおりませんし、固くなつておるつもりではありません。一応私がとりました立場について、私の考えておりますことを申し上げて、御了承いただけますかどうか、とにかくお聞取りいただきたい。先ほど来申し上げておりますように、私どもとしては、この問題がきわめて重大であると考えまして――もともと現在の看護婦制度ができますときに、総司令部の中に看護婦制度審議会というものが設けられまして、そこで約一年目にわたる審議の結果、今日の制度が生れたわけであります。そういう意味合いにおきまして、今日この制度が根本的に検討しなければならないという空気になつて参りましたときに、同じような審議会を設けて、各方面の権威の人々の意見を伺うということは同じように必要なことであると考えておるのであります。ただ先ほど来申し上げておりますこの審議会は、あくまでも法律的には諮問機関でございまして、私どもといたしても、その意見を尊重はいたしますが、場合によつては、厚生大臣の判断によつて、審議会の意見と違うような措置をとるようなこともあり得ると考えておるのであります。そういう立場にあります厚生省の一人といたしまして、私どもがこうして国会の席上で意見を申し述べるということは、せつかく審議会で今審議をしておりまするこの審議のやり方を、無視しはしないかという心配をしましたために、申し上げたのであります。同時にまた、私どもは国会で御決定になつた法律を執行しております者であります。現行の法律を執行する背任を負わされております者として、この法律をそう簡單にいろいろ批判することもいかがかというようなことも、実は若干考えましたりいたしまして、私として今ここで申し上げれば、結局個人的な意見になると思いますし、こういうところで申し上げるのはいかがかと思つて差控えさせていただきました。
#80
○堤委員 次回の会議が三十日に開かれるということでございますが、わが党といたしましては、政府側の出席を要求いたしておきたいと思います。林国務大臣、これは社会保障制度に関する閣僚懇談会の責任者という意味で出ていただくのでございます。次に厚生大臣、それから答申されました大内会長、それから大蔵省の預金部資金運用の責者。さらに厚生省の局長にお願いしておきたいのは、資料の要求でございますが、諸外国におけるところの医療保険の料率について資料がございましたならば整えていただきたい。以上わが党の要求として正式に申しておきますので、どうぞおとりはからい願います。
#81
○寺島委員長 本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
    午後零時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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