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1950/12/05 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 経済安定委員会 第4号
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1950/12/05 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 経済安定委員会 第4号

#1
第009回国会 経済安定委員会 第4号
昭和二十五年十二月五日(火曜日)
    午後二時十九分開議
 出席委員
   委員長 圖司 安正君
   理事 志田 義信君 理事 多田  勇君
   理事 永井 英修君 理事 竹山祐太郎君
   理事 勝間田清一君
     小野瀬忠兵衞君    福井  勇君
      細田 榮藏君    宮原幸三郎君
      森   曉君    笹山茂太郎君
      森山 欽司君    松尾トシ子君
 出席政府委員
        経済安定政務次
        官       小峯 柳多君
        経済安定事務官
        (総裁官房經済
        計画室長)   佐々木義武君
        経済安定事務官
        (貿易局長)  湯川 盛夫君
        経済安定事務官
        (外資委員会事
        務局長)    賀屋 正雄君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (通商局長)  黄田多喜夫君
        経済安定事務官
        (貿易局貿易政
        策課長)    鹿子木 昇君
        経済安定事務官
        (外資委員会事
        務局総務課長) 山中 俊夫君
        專  門  員 圓地與四松君
        專  門  員 菅田清治郎君
    ―――――――――――――
十二月二日
 委員寺本齋君辞任につき、その補欠として今村
 長太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員今村長太郎君辞任につき、その補欠として
 寺本齋君が議長の指名で委員に選任された。
同月三日
 委員寺本齋君辞任につき、その補欠として久野
 忠治君が議長の指名で委員に選任された。
同月四日
 委員久野忠治君辞任につき、その補欠として寺
 本齋君が議長の指名で委員に選任された。
同月五日
 委員金光義邦君辞任につき、その補欠として西
 村久之君が議長の指名で委員に選任された。
十二月二日
 土地調査法制定並びに土地調査事業予算に関す
 る陳情書(東京都港区芝海岸通り一丁目全国土
 調査協会会長周東英雄)(第一四一号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 外資に関する件
    ―――――――――――――
#2
○圖司委員長 ただいまより会議を開きます。
 これより外資に関する件を議題とし、外資委員会事務局長、賀屋正雄君より説明を聽取いたします。
#3
○賀屋政府委員 それではただいまからわが国に対する諸外国の民間の外資導入の現況について御説明いたしたいと思います。お手元にお配りしておきました外資導入実績表に基きまして、簡単に御説明いたしたいと考えます。
 御要求によりまして、一応昭和二十四年度と、昭和二十五年度の比較表をまず最初に掲げてございますが、実はこの比較は二十五年度もまだ途中でありますし、この外資導入に関しまする根拠法規が、二十五年度の途中で、御承知のように去る第七国会におきまして、外資に関する法律というものができまして、それ以前のポツダム政令でありますところの、外国人の財産取得に関する政令、政令五十一号と切りかわりがございまして、その辺の関係が多少複雑しておりまして、この二枚目以下に出ております表との関連が多少理解しにくくなつておる点がございますが、おいおいその点も御説明いたしたいと思います。
 ただいま申しましたように、わが国に対する民間の外資導入の道が開けましたのは、昨年の三月、外国人の財産取得に関する政令というものが施行いたされまして、これによりまして、外国人が日本の国内において一定の財産権を取得ができると同時に、事業活動ができることに相なつたのであります。そして財産権を取得いたします場合には、同時にその政令で設立せられました日本政府の一機関たる、外資委員会が認可をいたすことに相なつたのであります。この認可を要する財産権の種類はいろいろございますが、大きくわけまして、そこにありますように、第一は不動産、これは土地、家屋、工場、事業場、そういつたものを含んでおります。それから第二番目のカテゴリーが、これらの不動産に関しまする債権、物権というもので、賃借権、抵当権、担保権、それから予約権といつたようなものでございます。第三番目のカテゴリーは、たとえば特許契約のように、外国の優秀な技術を導入いたしまして、これに対して特許料といつたような技術の対価援助料を支払う、そういう契約であります。それは御承知でもありましようが、外資法が制定されましてからは、技術援助契約という形で、契約の認可ということになつたのでありますが、外資法ができます前には、政令五十一号では、技術の援助料として受取りますところの特許料その他は、その技術を使つて売り上げました販売高から、一定の歩合でもつて受取るわけでありまして、その歩合を受取る権利を、一つの財産権としてみなしまして、この政令五十一号で外資委員会の認可がいつたわけであります。しかしながら、法律の対象として認可の対象となりますものは、外資法では契約、政令五十一号では財産権の取得というものを認可の対象としておりますが、実体的に見ますと、この両方は同じようなものでありますので、便宜上第三のカテゴリーに包含いたしたわけであります。それから第四番目のカテゴリーは、株式または持分、これは外国投資家が日本の商社の株式を取得いたしまして、經営に参加するといつたような例でございます。ここにございますように、認可の件数は、二十四年度は、不動産六十九件、賃借権その他十件、いわゆる技術援助契約その他が十三件、株式、持分が百二十一件ということになつておりまして、金額といたしましては、不動産につきましては、価格が一億六千六百万円となつております。二番目三番目のカテゴリーにつきましては、金額が表示できないわけであります。ことに第三日の技術の導入の場合は、技術の評価ということになるのでありますが、技術の評価をどういう灘準でもつてやるかということは、非常にむずかしい問題でもございますので、ただいま私どもではこの評価をいたしておりませんで、ここでは金額を省いておいたわけでございます。株式、持分につきましては、取得の株数金額がはつきり出て参るわけでありまして、これが二億六百余万円となつております。同様に昭和二十五年につきましても、件数で、不動産四十件、賃借権その他が九件、技術援助契約等が十件、株式、持分が八十九件。金額は、不動産が九千百余万円、株式、持分が六億五千四百万円ということになつておるのであります。但し、外資導入の金額が幾らくらいあるかという質問をよく受けるのでありますが、この数字をもちまして、外資導入の実績ということにいたしますのは、非常に語弊があるわけでございます。それはただいまも申しましたように、第三のカテゴリーに属します技術の導入は、これを評価いたしますれば、かなりの金額になるわけでございますが、評価が困難であるために、一応金額としてはここに掲げてありません。のみならず、たとえば第一のカテゴリーの不動産、第四のカテゴリーの株式の取得金額も、ここで円で表示してございますが、実はこの円を源泉にさかのぼつて見て参りますと、御承知のように外国人がただいま日本にたくさん入つて事業活動を営んでおります。これは合法的にやつておるわけで、いろいろ円取引があるわけであります。従いましてその取引に基いて外国人が円貨でもつて取得なり収益をあげておるわけであります。この外国人が国内で収得いたしました円貨で、不動産、株式を取得いたしますものが、かなりあるのでありまして、これは直接には外資の導入ということにはならないわけであります。ただ考えようによつて、これらの外国人が支配いたしております円は、早晩は海外に持出されるものである、性質的にはそういうものである。ところがこれがこういうものに固定されて、外貨の負担に当分ならないという意味では、外貨を積極的には増さないが、外貨がただちに減らないという意味においては、広い意味の外資導入にはなるかもしれません。直接にはこの投資があつたからといつて、日本の外貨事情がよくなつたということは言えないのであります。ところがそうでなくて、一番目と四番目の不動産、株式取得の中には、特定の不動産なり、株式を取得いたしますために、特に外国からドルなりポンドなりの外貨を送金して参りまして、その外貨を公定の円換算率によつて日本の円貨に換算いたしまして、この円でもつて取得したものも相当含まれておるのであります。この例は、不動産なり、株式に投資したことによつて、ただちに日本の外貨がそれだけふえたわけでありまして、これは外資導入の実績に揚げてしかるべきものであろうと考えるのであります。そこには掲げてございませんが、そういつた不動産なり、株式の取得をいたしますために外貨を送つて来たものと、しからざるものとにわけて数字を申し上げますと、株式投資は、二十四年度と二十五年度を合計いたしますと、そこの数字二つ加えまして、八億六千百三十二万円ということになるのであります。これを何によつて払い込んだかによつて区別いたしますと、外貨を持つて参りまして、これを合法的に円貨に交換いたしまして、これでもつて払い込んだものがそのうち五億八千六十五万七千円という数字になつております。
 それからただいま外貨の例と国内でためました円でもつて払い込む二つの例を申し上げましたが、もう一つ大きな要素は、現物を海外から持つて参りまして、この現物を直接現物出資の形でいたします場合もありますが、多くて、その売却代金でもつて株式を取得する、こういう例が多いのであります。これは後ほども出て参りますが、石油関係の投資にはきわめて多い例でありまして、外国の石油会社が日本の石油会社の經営に参加するために、おおむね多くの場合過半数の株式を取得いたしておりますが、これを取得いたします場合には、たいていの場合におきましては原油を持つて参りまして、この原油を一定の価格で販売いたしまして、その売却いたしまむた円貨でもつて払い込む例が多いのであります。こういつた現物をもつて払込みに充てた金額が、今申しました総額の中で二億三千九百六十万円という数字になつております。その残りの四千百六万三千円、これが外国人が国内でためました円貨でもつて払い込んでいる数字であります。
 それから不動産につきましても先ほど来申し上げておりますように、不動産のうち円で買います場合と、外貨を邊つて来てそれを交換した円で買います場合があります。外貨を送つて参りました金額がその中では八千百四十九万二千円という数字になつております。従いまして直接に外資の導入というか、日本の外貨のバランスにプラスになつている金額は、株式の払込みのために外貨を持つて参りました五億八千万円、それから不動産を取得いたしますために外貨を持つて参りました八千百万円、これを合せました六億六千二百万円ということになつているわけでありまして、これを三百六十円のレートで換算いたしますと百八十四万ドル程度のものになるわけであります。こういうふうに申し上げますと、外資導入の実績は非常にさびしい数字でありまして、きわめて少いのでありますが、実は外資導入の数字を金銭的に申し上げるのは非常に困難でありまして、しいて数字で申し上げれば今申し上げました金額になるわけでありますが、実質的には日本の經済に非常に役に立つております。いろいろな技術の導入が、このほかそこにありますように二十四年度で十三件、二十五年度で十件というように、かなり多くの提携が行われているのであります。
 大体のお話は以上で盡きるわけでありますが、ごく簡単にこの二枚目以下のものについて御説明いたしますと、冒頭に申し上げましたように外資の導入に関する根本の法規は、外資法と政令五十一号と二つにわかれたわけでありまして、外資法はことしの六月から施行になりました関係上、昭和二十五年度分で盡きるわけであります。この数字が技術援助契約につきましては、認可いたしましたものが九件、株式または持分につきましては、取得について認可の申請をいたしたものが四十五件、それから法律で取得につきましては認可がいらないで、ただ事前刷出が必要だというものがございます。たとえば外国人がすでに合法的に持ておる増資新株、これはあらためて認可を要せず届出で足ることになつているのでありますが、これが三十五件、株式全体についてみますと八十件ということになつております。
 それから一枚目の表には出て参りませんが、社債、貸付金というのが、今度外資法によつて新しく外資委員会の認可を受けてやることになつたのであります。これにつきましては、ただいままでのところ一件も出ておりません。従つて一枚目の表にも掲げておりません。こういつたいわゆる金銭的な形態をとります外資の導入というものは、この株式に対する投資以外はきわめて振わない状況でありまして、これは今日のような国際情勢では、ただ金を注ぎ込む、そしてただ債権者の立場に立つというような投資形態は、なかなか行われにくかろうということは、むしろ当然であろうとも考えられるのであります。そこでこの技術援助契約の内容としてどんなものがあるかという説明が、その下にずつと書いてありますが、これはお読み願うとして電気関係で三件、造船関係で三件、その他の機械関係で二件、窯業関係で一件ということになつております。それから株式の取得の中でおもなものがどういうものかということが、その次の表に出ております。
 もう一つここで申し上げておかなければならないのは、株式の取得の例でありますが、これは株の持ち方という点からいいますと、大きくわけて二色あるわけであります。外国人が日本の会社の株を持つという場合に、いわゆる外資導入として掲げ得るような、主として外国の法人が、日本の会社の經営に参加するために株を取得いたします場合と、そうではなくて、日本へ参つております外国人が、たとえばわれわれが銀行預金をいたしますかわりに株を持つというふうに、その資産の保全の一形態としまして、たとえば百株、二百株といつたような小額の株式を持つ場合と、この二つにわかれるわけであります。あとの方の場合は多く日本でためました円でもつて払い込んでいるのでありますが、これはどちらかといえば、外資導入という範疇には入りにくいものではなかろうかと思います。前のいわゆる經営に参加するために、主として外国の法人が持つ場合が、いわゆる外資導入の形態になるわけであります。その中のおもなものを拾つて掲げておきましたのが、この三枚月の表でありまして、何と申しましても石油関係の投資が、この部面では一番金額にして多い数字になつております。その他ではゴム関係、窯業関係、機械工業関係、建設業関係、貿易、観光といつたようなものが例にあがつております。
 それから次は外資法ができます前は、株式の取得は、外国人の財産取得に関する政令によつて認可をいたしておりました。それから不動産につきましては、ただいまもこの政令が残つておりまして依然として引続いてこの政令によつて認可をいたしているのであります。その状況を二十五年度と二十四年度にわかつて掲げましたのが、この四枚目の表でございます。その中のおもなものは、その次に説明が書いてございますが、技術援助関係では、たとえば造船でありますとか、その他機械工業、ゴム関係、それからDDTの特許といつたような化学薬品関係のものが上つております。それから株式ではやはり石油関係、ゴムといつたようなものが上つておりますが、これらはいずれも政令五十一号によつて認可をいたしたものであります。さらにこれに基く配当金なり、特許料の送金については、法律上別段の保障がないわけであります。第七国会で御審議いただきました外資法の主たるねらいは、投下されました外資に伴つて生ずる海外送金を保障するという点にあつたのであります。この法律に基きましたものは初めの方で御説明いたしましたしが、ここにあります分は政令五十一号によりて認可をいたした分でありますので、送金の保障がついておりません。
 それから最後に「外国人の事業活動に関する政令」に基く審議状況となつておりますが、これはいわゆる直接投資と申しますか、外国人がみずから事業を国内で営む場合でございまして、この場合には、これも多少法制的には複雑な関係があるのでありますが、外国人の事業活動に関する政令というのは、やはりメモランダムに基いて出ましたボ政令でありまして、これは一月に出ております。この政令によりますと、大きくわけて二通りになつておるのでありますが、その第一は、たとえば銀行業とか保険業のように、大蔵大臣が外国人であろうと日本人であろうと、とにかく免許の権限を本来持つている例であります。それから運送業でありますれば運輸省、電気ガス業でありますれば通産省というように、それぞれの行政官庁が、固有の権限として免許権を持つておるものでありまして、その固有の業法に基いて免許いたします場合には、主務大臣が処分をいたします前に、外資委員会の意見を聞いて来るのであります。外資委員会では、ほかの外資との総合判断に基きまして、賛成なり不賛成なりの意見を回答いたしまして、それを尊重して主務大臣が免許の処分をいたすわけであります。それが第一のカテゴリーでありまして、それによりまして外資委員会に付議せられまして、外資委員会が賛成なり不賛成の回答を与えましたものが、昭和二十四年度と二十五年度にわけまして、そこに掲げたような表になつております。
 それから第二のカテゴリーは、同じ保険業と申しましても、いわゆる保険代理店の仕事は、別段法律によつて大蔵大臣の許可を要しないことになつておりまして、ただ届出をすればよいということになつておるのであります。それから運送業におきましても、代理店の仕事は運輸大臣の許可を要しないことになつております。しかしながらこういつた金融通信関係の業種につきましては、司令部でも非常に関心を持つておりまして、司令部はそれについて一応スクルーテイニーをする機会が与えられるようにということで、そのために外資委員会の許可がいります。個々の業法では別段許可がいりませんが、外資委員会が許可する場合におきましては、司令部に相談する。そのあとの方は法令上は別段現われておりませんが、実際の取扱いはそうすることになつておるのであります。
 それから弁護士業とか、公認会計士、医師、技術顧問というような、一定の資格を要する事業については、やはり司令部でもスクルーテイニーしたいという関係から、すべて外資委員会の許可がいるということになつております。従つて同じ保険業、運送業と書いてありますが、ここにありますのはおもに代理店であります。こういつた業種につきましては、外資委員会の固有の権限として許可、不許可を決定いたすのであります。その件数はここにありますように、二十五年度と二十四年度にわけて掲げてあります。
 なおつけ加えて申しますと、これ以外の仕事、たとえば貿易業でありますとか、国内の商業、製造業とかいうような一般の仕事につきましては、別段日本人と外国人とは区別がなく、許可がいらない。たとえば病院業のような、警察的な許可がいる場合には、外国人も許可がいるわけでありますが、特に外資委員会は、各主務官庁の許可がいらなくて自由にできるということになつております。
 外資委員会で許可いたしましたもので非常に多いのは、ここにありますように運送業、それから技術顧問というような業種が多いのであります。金融業は保険の代理店というものがかなりたくさん掲げられております。なお銀行業は、上の表にありますようにたつた五件になつておりますが、これは政令第三号が今年の一月に出ました関係でありまして、それ以前におきましては、銀行業につきましては大蔵大臣がみずから免許をいたしておつたのであります。戦前にわが国で銀行業を営んでおりました者がこの免許を復活せられ、あるいは戦後新しく免許を受けて銀行業を営んでいるものは十一行、市店の数にして二十四行ございますが、それはこの表におります銀行業五件のほかになつております。大体財産取得の面を通じて見た外資導入と、外国人の事業活動の状況について以上御説明をいたしたわけでありますが、あとは御質問がありますればお答え申し上げます。
#4
○圖司委員長 ただいまの賀屋政府委員の説明に対して、質疑があればこれを許します。
#5
○永井(英)委員 この不動産取得の問題でありますが、巷聞伝えるところによりますと、日本人名儀でもつて、土地なり家屋というものを相当取得しているという話があります。そういうものはこれに入つていないと思いますけれども、当局においてはそういうものがどのくらいあるというような御想像がついておるのですか。
#6
○賀屋政府委員 お答えいたします。私ども実は外国人が本来この政令五十一号によつて外資委員会の認可を受けて取得しなければならないにもかかわらず、日本人の名儀で認可を受けずに取得した例があるということは、間々耳にいたしておりますが、その方の調査は、ただいまのところではついておりません。
#7
○永井(英)委員 中国人なり、朝鮮人なり、ことに朝鮮人のごときは、日本人であるのか朝鮮人であるか、ほとんどわからないというような人が相当あると私は思います。そういう人たちが、たとえば家を建てる、これは明らかに財産権の取得でありますが、そうした場合に、あいまいなものも相当あるのではないかと思います。私一例を申し上げますと、これは私に頼んで来たから私はつきり知つておるのでありますが、日本人のお嫁さんをもらつて、そうして長く日本におる。ところが家を建てようと思うけれどもし家を建てると税金関係があつて、どこからその金を持つて来たかというようなことになるので、ひとつあなたの名義を貸してくれないか、こういうような相談を受けたことがあります。それでいわゆる外貨を直接持つて来ないで、日本にある円貨でもつて不動産を取得するという場合は、相当多いのではないかと思う。ですからここに四十件の財産取得が掲げられておりますけれども、これは相当件数も多いし、金額も多いのではないか、こういうふうに考えます。ことに銀座方面の家なりあるいは土地は、相当中国、朝鮮の人たちの手に渡つておるという話を聞いておるわけであります。現在日本におる中国、朝鮮の人たちで、やみをしてもうけておる金が数百億に上るという話でありますが、こういう人たちは、おそらくその日本人の名義を使つて不動産を取得しておるという場合が相当に多いのではないか。これは調査しにくいかもしれませんけれども、ある程度日本側としてはこれを調査する必要があるのではないか、これは私の希望意見でありますけれども、そういうことをひとつお願いしたいと思うのであります。
 それから今問題になつております航空会社、これは一体どういうふうになつておるのかお伺いいたします。
#8
○賀屋政府委員 お答えいたします。ただいま御希望としてお述べになりました点について、ちよつと敷衍して申し上げたいと思いますが、朝鮮人なり、中国人が日本人の名義で取得する例が非常に多いのではないかということでありますが、これは十分考えられるところでありまして、実は政令五十一号と外資法におきましてもそうでありますが、終戦後引続き日本に滞在しております朝鮮人は、実は日本人扱いとなつておりまして、外国人の関係から除いてあります。中国人につきましては、国籍はまだ不明でありますが、中国のミツシヨンから証明書をもらつております者は、これは外国人ということになつておりまして、多少その間扱い方が違つておるのでありますが、いわゆる第三国人と申しますか、中国人が日本人の名義で取得いたします場合は、これは政令の中でもはつきり外資委員会の認可がいるということになつておるのでありますから、それをくぐつておる例もなきにしもあらずと考えられます。但し居住の用に供するために家を買いますとか、あるいはそういう居住用の家を建てるために土地を買うというような場合には、政令五十一号でも認可がいらないということになつておるのであります。しかしいずれにいたしましても、そうでない場合で、本来認可がいるにもかかわらず、認可を受けずに取得しておるということもよくうわさに聞きますので、私どももその調査につきましては、万全を期したいと思つて、その具体的な方法につきましては目下考慮中でございます。
 それから航空会社のお尋ねがございましたが、これは実はまだはつきりいたさないのでありまして、ただその母体となります会社が、十月にすでに認可が下つたのですが、これはノース・ウェストの副社長のD・J・キングという人、そのほか六名の日本に参つております有力な航空会社の代表者が、いずれもこれは個人の資格で日本内国航空株式会社という会社をつくりました。これは実は非常にちつぽけな会社でありまして、資本金は五十万四千円、各人が二百ドルずつ出資いたしまして、そしてその母体となる会社をつくつたのであります。そうして具体的な事業計画その他の案をつくりまして、ただいまその具体的な案につきまして運輸省、それから航空保安庁等、関係当局において検討中でございます。いずれにいたしましても、これは実現いたしますまでには、飛行機その他の現物なり、あるいは新しく外貨を送つて参りまして、もつと大きな会社に増資をするというふうに聞いておりますが、はたしてその時期がいつごろになるかは、ただいまのところまだはつきりいたしておりません。
#9
○永井(英)委員 その航空会社には日本の資本も入れるというようなうわさも聞いておりますが、それはどうでありますか。
#10
○賀屋政府委員 日本の資本を航空会社に入れるという点につきましては、各方面でいろいろ関心を持たれておるのでありまして、できればこれに参加するのがよいのではないかというような考え方が強いのでありますが、実は終戦直後に出ました航空事業の禁止に関する政令がありまして、また公に日本人がこういつた航空事業を営むことは、司令部の命令によつて禁止いたされておりますから、極東委員会あたりでこの取扱い方針が変更されるまでは、ちよつと日本人がこれに参加することはむずかしいのではないかと考えられます。ただ地上におきましていわゆるエアー・ポート・サービスをする人間であるとか、そのほか会社の事務を取扱うために日本人が採用せられるということは、大いに考えられるところでございます。經営者として投資をするということは、ただいまのところはむずかしいのではないかと思います。
#11
○永井(英)委員 それからリーダーズ・ダイジェスト会社が、いわゆる配当金を持つて行けないので、日本でビルディングをこしらえるという話を聞いておりましたが、それはどういうぐあいになつておりますか。
#12
○賀屋政府委員 お答えいたします。リーダーズ・ダイジェストは、お話の通り日本で書籍を刊行いたしまして、これを日本人に円貨でもつて販売し、相当の利潤を上げておるのでありまして、適確な数字は今のところ持ち合せておりませんが、何億といつたような数字になつているかと考えられます。これの投資のために日本の不動産を取得するという例は、実は昨年一件ありまして、ここに掲げてあります二十四年度の不動産の一億六千六百万円という数字の中に、リーダース・ダイジェストが元外語のありましたところの土地を、事務所用のビルディングを建てますために取得いたしました例が含まれております。
#13
○永井(英)委員 外資導入の法律ができてから、その後各支店なり外資を導入しておる会社なりから、利子なり配当を、外貨にして自分の国に持つて行つた、そういう金額がどれぐらいありますか。
#14
○賀屋政府委員 外資法ができましたのは六月でございまして、実はそれから認可を受付けまして、ただいままでに審議が完了いたしました件数は、そこにありますように、技術援助契約で十件となつております。このうち一件は二十五年度ではございますが、政令五十一号によつてやつておりまして、九件になつております、但しこういう技術援助契約が認可になりましても、たとえばその中に、いわゆるイニシアル‥ペイメントとして、そういう特許契約をいたしますために、いわゆる権利金的なものをドルで払う必要がある契約もままございますが、大体の場合には、その特許を現実に使いまして、それによつているくな製品を製造いたしまして、それを販売した中から、四半期ごとに区切つて一定の割合で特許料を払うという契約が多いのであります。従いまして、そういうものにつきましても、まだ認可後日も浅い関係上、また現実に認可になりましても、その製造に着手していない、たとえばこれから工場をつくるというようなものもございますし、現実には非常に乏しい金額になつておるのであります。わずか二件か三件くらいしかないかと思いますが、その金額はただいまのところ、ちよつと調査ができておりませんので、後刻申し上げます。いずれにいたしましても、今年の十月から十二月末までのいわゆる第三・四半期においては、約三十万ドル程度に上るのではないかという推算を立てております。
#15
○永井(英)委員 六月以降朝鮮事変が勃発いたしまして、現存国際情勢は非常に緊迫しております。そういう事態が外資導入に相当響いておると思いますが、その後のいわゆる技術援助なり、その他いわゆる外資導入に関して、どういうような変化を来しておるか、来しておるとするならば、どういうような状態になつておるかお聞きいたします。
#16
○賀屋政府委員 朝鮮の動乱が外資導入にとつては非常に悪い條件と申しますか、材料であることはだれしも考えることであります。しかしながら現実にわれわれが外資導入の仕事にあずかつているところから申し上げますと、実は資金的な形態をとりました外資の導入というものは、先ほど申し上げましたように、株式に対して投資するために、ドルを送金して来るという例は若干ございますが、いわゆる社債に応募したり、あるいは金を貸すといつたようなことは、ほとんどないような状態でございます、これは朝鮮事変が起ります前からそうでありまして、一般的に冷い戰争が云々されました去年の状態から、引続いてそうう現象であつたのでありまして、こういう資金的な投資というものは、ここ当分はおそらく期待できないのではないか、やはりそのためには、講和ができ上つて、日本の經済の水準が高まりまして、国際經済の一員として伍して行けるようなときになり、国際通貨の基金にも加盟したあかつきでなければ、ちよつと望めないのではないかというふうに考えておつたのでありまして、この点は、朝鮮事変が起ります前から、すでに望めなかつたという点におきましては、この事変が起つたためにどうということは言えないのではないかと思うのであります。これに反して、いわゆる技術の導入につきましては、私ども仕事をして参りますところから見ましても、ほとんど影響を受けておらない。ただいまのところまでは、そう申し上げていいのではないかというふうに考えておるのであります。ここにありますように、二十四年度中に十三件認可いたしておりますが、二十五年度は、まるまる一年たたないうちに十件認可をしております。このほかにただいま話合いが行われているものが相当数に上つておりますし、またその話合いが実を結びまして、外資委員会の方へ認可の申請書が参りまして、私どもの方で審議中のものも相当ございまして、この而におきましては、むしろ最近は活発化しつつある傾向にあると申せるのではないかと思います。
#17
○永井(英)委員 終りました。
#18
○志田委員 今の永井委員の質問に対する政府の答弁の中に、ちよつと違う点があるのではないかと思いますので、その点を私ちよつとお聞きいたしたいと思うのであります。
 一体それでは日本の外資導入の阻害の原因というものは、どういうところにあると考えておるか。私たちは今まで、外的な原因としましては、アメリカの景気が非常に後退しておつた、それで外資の導入がうまく行かないという点もあつたのではないか。あるいは、世界不安が非常にあつて、アメリカの日本に対する――日本ばかりではないが、各国に対する外資の投資という点において、いろいろさしさわりが出て来たのではないか、こういうふうに思つておりましたが、その点についてはいかがでありますか。
#19
○賀屋政府委員 外資の導入の阻害原因につきましては、終戰後いろいろあつたわけでありまして、これは企業的にも制度的にも、いろいろの点において阻害原因が考えられたのであります。たとえば、企業の面におきましては、再建整備法その他いわゆる經済の民主化のためにとられました一連の措置のために、企業の将来は非常に不安定な状況になつている。あるいは労働の問題も非常にやかましくなつているというようなことがあつたのであります。それから制度の面におきましても、いろいろ外資導入をはばむような原因があつたのであります。たとえば独禁法もその一つの現われであつたのであります。その独禁法につきましては、昨年の半ばにおきまして相当大幅な改正をやりまして、株式の取得でありますとか、あるいは重役の就任等について制限を緩和し、あるいは特許契約といつたような国際的な契約については、認可制度をとるというように改めるといつたようなこを、いろいろと外資の導入を、やすいような状態に直されたのであります。それから新しい外資を入れますためには、古いものに対する取扱いをどうするかという問題が非常にあつたのであります。御承知のように、いろいろ外国人の財産をひどい月にあわせておつたわけでありますが、これを元の状態に回復するために、いろいろの法的措置を講じまして、その転換に遺憾のないような措置を講じたのであります。それからさらに制度の面におきまして、最も大きな問題として租税の問題が一つあつたのでありますが、この租税につきましては、過般第七国会におきましてシヤウプ勧告に基きまして、たとえば法人税については、特に外国法人であるがゆえに軽減するということはいたしておりませんが、清算所得税だとか、超過所得税を廃止いたしまして、一般的な軽減をはかつて、企業の収益性を高めるというような措置をとつたり、あるいは個人の所得税につきましては、一定の制限はございますが、外国人につきましては所得の半額控除の道を開きまして負担の軽減をはかつたのであります。こういうことは外資の導入には相当いい影響を与えておるのではないかと思います。
 それからいくら投資してもその収益を本国へ持つて帰れないというのでは、投資をする意欲が起つて参らないことはいうまでもないのでありますが、この点につきましては、先ほどから説明しております外資法において、一定の條件にかなつた外資が、日本政府によつて投下を承認された以上は、これに基いて得られた果実の送金なども自由にしてやり、将来の送金についての保障の措置を講じたわけでありまして、これは相当外資導入にいい影響を与えておるのではないかと考えます。
 それから企業の面につきましてもだんだんと再建整備を完了し、過度經済力集中排除の措置もほとんど完了いたしまして、企業もだんだんと安定して来たのではなかろうか。それから經済安定に伴いまして、いろいろやかましかつた統制も、物価あるいは配給の面において解けて参りましたことは、将来の企業の活動を自由にするという意味で、外資が入つて来るのに、入りやすい受入れ態勢ができつつあるのではなかろうか、こういうふうに考えております。ただそれ以外の最も根本的な原因と申しますか、国際情勢の不安ということは確かにあると思いますが、この点につきましては今日本は積極的にみずからどうするという立場には置かれておりません。しかしながら日本政府の手できますことは、だんだんと受入れ態勢が制度的にもあるいは企業の面におきましても、ほぼ整備を完了して参つて来ているのではないかと思います。
#20
○志田委員 あなたの今のお話は、法的な障害ではないかと私は思う。これはもちろん重大な問題でありますが、独占禁止法は御承知の通り、あなたのおつしやるように、前の国会で一部の改正がありましたので、その点では一応の解決はついておると思う。しかしそれだけでなく、たとえば技術の導入等にあたりまして、外国特許の実施権というかあるいは販売権というか、そういうものや、技術等にやはり大きな制約があるという点をお考えになつておるかどうか、これは独占禁止法との調整の上におきましても非常に大きい問題があると思う。あなたは今法的障害の点を出したから、その点をひとつお伺い申し上げておきたいと思います。
#21
○賀屋政府委員 先ほど申し上げましたように、独禁法が去年の国会で相当大幅に改正せられましたことは、外資導入にいい影響を与えたというふうに考えておりますが、私ども自身もまだ独禁法の中には、多少外資の導入を妨げるような点がありはしないか、あるいは独禁法以外で申し上げますれば、いわゆる事業者団体法というのがございますが、この法律も非常に厳格な法律でございまして、たとえば同じような仕事をやつております外国の数社が共同して、日本である一つの事業を起すということも、これに触れますし、また日本側で同じような仕事をやつております数社が、共同して外資を受入れたり、あるいは技術の援助を仰ぐというようなことも、この事業者団体法上問題になる。それから独禁法につきましてはちよつと御指摘がございましたが、この特許契約の中には、たとうぱ原材料の供給とか、機械の使用、こういつたものについて、その特許権を実施をさせる方の会社から、独占的に供給するというような條項だとか、あるいはその特許を実施してつくりました製品の販路につきまして、制限を設けるようなこともままあるのであります。それからその特許と類似の方式を採用いたしまして製品をつくりました場合にも、いわゆるスリービング・チャージと申しまして、その特許自体の製品と違つておつた場合でも、やはり所定の特許料を支払わなければならないというような契約が、これは特許を与える方の利益を保全する意味から、よくこういつた條項が入つておりますが、これも独禁法上いろいろ問題になる点ではなかろうかと思われておるのであります。こういう点についてまだ多少未解決の点が残つておることは、私ども自身で認めておるような次第であります。
#22
○志田委員 そういう諸点が未解決のままになつておる独占禁止法との調整の問題を、今後どんなふうに調整するかということをお尋ね申し上げたのであります。具体的にどういうふうに調整したいというお考えがあれば承りたいと思います。
#23
○賀屋政府委員 ただいまのところでは、独禁法なり事業者団体法につきましては、どの点をどういうふうに修正するというような案は実は考えておりませんが、先ほど申し上げましたようないわゆる国際契約、特許契約の中でいろいろ問題になる点は、実は法律の建前は、契約は事後の届出でいいということになつております。その届出をあとで公正取引委員会が審査いたしまして、そうしてその独禁法の精神に触れる場合には、審判をいたしまして無劾にする。そうするとその條項だけが無効になるというような取扱いになつております。これは法令の改正の必要な点も多々あるかとも考えますが、ある程度取扱いで行けるのではなかろうかというふうに考えております。要するにこの法令をどういうふうに改正するかという点につきましては、ただいまのところでは考えを持つておりません。
#24
○小峯政府委員 ただいまの答弁は、事務当局からはしにくいだろうと思いますが、御指摘のようなことで不便がありますることも、承知いたしておりますので、至急に事務当局に研究させまして、と申しますのは御承知のように、自立經済、自立經済と私ども盛んに言つておるのでありますから、これに支障のないように、前の国会でも二、三そういう質問がありまして、大臣からも研究させるということになつております。その後心がけてはおりますが、今日あらためて御指摘を受けましたので、至急に研究いたしまして、御趣旨に沿うように努力したいと考えております。
#25
○志田委員 幸い政務次官が今お見えになりましたから、政務次官にお答え願つた方がいいと思いますので、重ねてお尋ね申し上げたいと思います。
 さつき政府委員から事務的な御答弁で、最近朝鮮動乱が始まつたりなんかしまして、外資の導入に一つの悪い影響があるということを言つておりましたが、軽々にそういう言葉を吐いてもらつては私は困ると思う。むしろ私は、アメリカの景気がこのごろ非常によくなつたことによつてかえつて外資導入に好影響があるというふうにいわなけれどならぬのではないかと思います。こういう外的な條件によつてアメリカの景気が一応向上しておるということは、外資導入に対して明るい見通しを持つていいのではないか、むしろ事務当局のおつしやつておることは違うのではないかと私は思います。その点についての政務次官のお答えをお伺いしますが、同時に民間外資の導入につきまして、今經済安定本部の中の委員会におきましても、自立經済の新政策が練られておりまするが、この自立經済の立場からする外資導入についての、何らかの具体的な用意があるのかないのか、その点をお尋ねいたします。
#26
○小峯政府委員 御指摘のように、自立經済の審議にあたりまして、外資の問題は非常に大きな一つの問題になるだろうと思います。私どもは一応三年間を予定して作業を続けておりますが、率直に申し上げますと、三年ではなかなか私どもの自立経済が完成するわけには参りません。結局生活水準と計画の期間の問題、それから外部からの資本金の導入の問題の三つの兼ね合いで、自立經済の内容というものはさまつて来るだろうと思います。そういう意味で率直にいつて、七十年かかつて蓄積した資本というものを、一朝にして失つておるのでありますから、短期間でやろうとするとむりが出て来る。その救い道として、実は外資に大いに期待しなければならぬわけであります。そこで朝鮮動乱との関係でありますが、私は日本の政府の意図としましても、またアメリカ經済自体の條件からいたしましても、また日本の講和の問題が実質的ににいろいろな角度から進められておることからいたしましても、外資導入の問題は、大勢的には今までよりもよほど伸びる状態にあると思います。ただ事務的に考えますと、この動乱の問題で一進一退はありましようが、大勢としましては、外資導入の問題は今までに比べると、希望の多い見通しができると確信いたします。
 なおそれに対して先ほど御指摘がありましたように、支障になつておる問題は取除くように努力いたしますし、また外資法の改正の問題も、実は間に合えばと思つて私どもの方でやらしております。関係筋との手続もあつて多少遅れておりますが、通常国会には出せるように、少くとも日本側の態勢を整備して、できるだけのことは積極的に考えてやつて参りたいと考えております。
#27
○志田委員 民間外資は、戦前は、私の承知しておるところによりますと、單純な利子収得を目的とした外国債権に対して投資をするという行き方であつたろうと思いますが、戦後における日本の外資というものは、今資料として出された点を見ましても、日本における支店とか支社というものの設置、あるいは株式所有を通じての企業参加、つまり直接投資が多いと思うのであります。米国の石油資本のわが国への投資等を考えまして、その点が多いのではないかと考えまするが、その点についてはいかがでございましようか。
#28
○小峯政府委員 私は単純なる利子配当目当の投資というものは、經済の状態が非常に平静になつた場合には、大体あり得るのではないかと思います。今日の日本の經済は、まだ敗戰經済によるつくろいも十分にできておりませんので、特殊な関連を持つとか、特殊な興味を持つとか、特殊なつながりがあるものに対する導入が多い。従つて特殊な形における結びつきで、一般的なところまで発展しておるのではなかろうかと思います。見通しとしては日本經済の国際的信用の増加に伴つて、戦前のような状態も、よほど濃化されて来るのではないかと思います。
#29
○志田委員 そういうことで、今は石油の問題で直接投資が来ておるのでありますが、吉田総理大臣は他の委員会におきまして、タバコの民営の問題を考えておるということを言つておるのであります。アメリカのタバコの日本に関する限りの直接投資に対して、安本ではその状況を聞いておるかどうか、その点をお尋ねいたします。
#30
○小峯政府委員 昨年その線に沿つた話が、一時非公式にあつたように聞いておりますが、その後立ち消えになつておりますし、最近はしつかりした材料があつての話は聞いておりません。
#31
○志田委員 吉田総理大臣は、あまり日本のタバコは吸はないのでありまして、漫画その他によりますと、もつぱら洋モクを吸つておるようであります。それで安本として日本のタバコの将来を考えまして、タバコは外資を入れて民営にするというような考え方が少しでもあるのかどうか、その点をお尋ねいたします。
#32
○小峯政府委員 安本というよりも吉田内閣としましては、志田委員御承知の通り、自由企業形式を原則的に考えておりまして、ことに今のタバコの質などの問題で、もしこれが民営により、あるいは外国と競争をするようになると、もつと伸びる可能性もあるという見方もありますので、原則としてその方向のことは考えております。しかしそのために要する資金の問題、あるいは企業形態の問題等いろいろそりますから、早急にどうこうというのではありませんが、私どもは吉田内閣の方針に従つて、要すればそのように作業を進めて行きたいと思つております。
#33
○志田委員 日本の現段階において外資の導入を考える場合には、外貨の収益性の多い産業を考えなければいかぬと存じます。たとえば輸出産業であるとか、観光事業であるとか、こういう産業部門の外資導入については、今日私の手元にも来ている資料によりますと、何も出てないようでありますが、その点についての見通しはいかがでございますか。
#34
○小峯政府委員 御指摘のような傾向は私も同感でありますが、先ほど申し上げましたように、まだ日本の經済というものに、外資をフリーに導入するだけの国際的信用はできていまいと思うのであります。ことにそういう態勢は、講和の問題等がありまして、經済の自主的な活動ができるというふうなことで違つて来るのだろうと思いますから、そういう時期を待てば、当然御指摘のような線に沿う外資の導入もふえて来るのではないかと考えておりますが、現在は先ほど来事務当局から説明申し上げましたように、特殊なつながりを持つもの、特殊な歴史を持つもの等に限られておるように思います。
#35
○志田委員 私は日本の国土開発の観点から考えまして、日本としては、安本が今やつておられる国土計画の実施のためには、電源開発の外資導入が一番重要性を持つておるものと考えるのであります。そこでたとえば只見川に対するウェステイング・ハウスの視察等もありましたし、また最近も同社からそういう人が来るようにも聞いておるのでありますが、電源開発に対する外資導入について、どういうことを考えておるか、またそういう外資導入の打合せ等があつたかどうか、この点をお尋ねいたします。
#36
○小峯政府委員 電気に対する外資は戦前も非常に多かつたものでありますが、ことに私どもは産業の自立經済を考えまして、やはり一番問題になりますものの一つは電源の問題だろうと思います。しかしこの電源開発が、また非常に厖大な資金を必要といたしますので、自立經済の資金面の審議をするにあたりまして実は頭痛の種であります。そういう意味で外資がこれに加わつて参りますれば、これに越したことはないのでありまして、御指摘の只見川の問題、最近はまた四國の四萬十川――渡川の河川切りかえに伴う大発電計画に関しましても、只見川と同じ筋からの興味があるように伺つております。多分もう関係筋の技師の四國の方の調査も済んだのじやないかと思います。しかしもちろん正式のものではありませんで、ウエステイング・ハウス関係の技師が、個人の資格で調査をしておるのだろうと思います。総理もしばしば言明いたしておりますし、私どもも資金の面で非常に苦慮しておりますから、そういうことで電源開発で外資が入りますれば、自立經済がそれだけ早まるということで期待いたしております。
#37
○志田委員 この外資導入の面で日本が技術的に非常に立ち遅れておるような化学工業であるとか、機械工業であるとか、そういうものに対する将来の投資の見通し、またこれを受入れる国内の態勢の整備というようなものができておるかどうか、それをお伺いいたします。
#38
○小峯政府委員 御指摘のように外資と言いますのは資本だけでなくて、むしろ日本の設備の近代化に伴う総合的な技術の問題が非常に期待されなければならぬと思います。化学の面でも、あるいは機械工業の面でも、実はかなり遅れておるのでありまして、機械工業などに関していいましても、日本の代表的な工場で、二十年前くらいの工作機を使つておりますものが相当部分を占めておるのでありまして、何としてももう少し近代化したい。しかも近代化の技術に関しましては、パテントだけでなしに、いわゆるノウ・ハウの問題も取入れてしなければならぬと思いますので、その点は私どもの期待するところであります。先ほども御指摘のありましたように事業者団体法であるとか、独占禁止法等の関係で疑問を持たれるような点、従つて消極的ではありますが、外資の導入にさしさわりのある点もあると考えておりますので、そういう問題は先ほど御答弁申し上げましたように、通常国会を期して積極的に研究し、今の問題の解決の一助にしたいと考えております。
#39
○志田委員 外資導入については、先ほど私が外的な原因としての問題を出しましたが、やはり国際的な條件に左右されるものが非常に多いと思うのであります。そうして先ほど講和会議の問題を言つておりましたが、講和会議の問題などは、外資導入に面接どうということよりも、むしろ国際的な條件が、そろうておるかどうかということが、国内の受入れ態勢の整備とともに私は重要だと思います。そういう点から考えて、外資導入の阻害原因を解決するには、きわめて具体的な方途を必要とするのでありますが、そういう解決方法を、安本は何らかの機関において検討しておるかどうか、検討しておるとすればその内容を伺いたいと思います。
#40
○小峯政府委員 私どもの役所は、実はそういう懸案の問題を解決することが、役所全体の一つの任務でもありますから、かねがね協議し、宿題として非常に気をつけておるつもりであります。外資の問題も先ほどもちよつと申し上げましたが、たとえば外資法の改正案を、間に合えば今度の臨時国会に出したいと考え、その一つの中に、あるいは事務当局からお話があつたかもしれませんが、政令による外資導入と、外資法による外資導入と配当金、利子の送金に対する扱いが違つておるのであります。外資法によつて許可を受けましたものに対しては、自動的に利子や配当の唐金が確保されるのでありますが、政令による外資導入に関しましては、その利子、配当を送金いたします場合には、あらためて外資委員会に諮るというふうな、違つた扱いを受けておるのであります。政令による、あるいは外資法によるとの違いだけで、そういう差別の待遇になつておりますので、これを直して一本にしたいというふうなことも考えております。もちろん小さな努力ではありますが、今御指摘のように、外資を少しでも積極的に入れたいという念願からやつておる努力の一環だと、御承知願いたいと思います。
#41
○志田委員 最後にお尋ね申し上げますが、いろいろと努力しておられる安本の誠意ある御検討に対しましては敬意を表します。それで安本としては今までの外資導入の実績を見て、ただいまその比較表を手元にいただいておりますが、二十六年度はこれをどのくらい上まわるものを予定しておられるのか、それをひとつお尋ねいたします。
#42
○小峯政府委員 実は自立經済審議会の資金面で取上げておるのでありますが、まだ結論を申し上げるまでに至つておりません。おそらく年内くらいには、希望的な見方も入りましようが、見当をつけるつもりでありますから、機会がありましたら、あらためて御答弁申し上げたいと存じます。
#43
○森山委員 ただいまの志田委員の質疑に対しまして、小峯政府委員からのお話によりますと、タバコの民営は吉田内閣の方針であるから、そういう方向に向つて行く、こういうお話でありました。先日の予算総会においてわが党の中曽根君から総理に対して質問をしたのでありますが、その際明確に、タバコは民営に移行するというお話をされたが、これはわが国の財政問題の立場から、また外資導入という見地からも、また葉タバコ耕作者の立場からも、これはゆゆしき大問題であるわけであります。この問題につきましては、昨年あるいは一昨年、吉田総理が当初この口火を切られ、タバコ製造審瀞会というものを設けて、昨年から今年にかけてもみにもんで一応さたやみになつたのでありますが、今国会においてこれが明瞭な形をとつて、総理の発言となり、また進歩的なお考えを持つておられる小峯政務次官にしてそういうお話があつた。お話を伺いますと非常にイデオロギー的であるわけであります。なぜならば自由經済的な考え方から、現在のタバコ事業の実態というものについて、どの程度御検討をお加えの上、そのような明確な発言をされておるのかということは、われわれ野党の立場にある者として疑惧の念を抱かざるを得ないのであります。その意味において私が今志田委員の質疑に関連して申し上げておりますゆえんは、安本の政務次官からこれに対する御返事をお聞きするよりも、むしろ本委員会において、かかるイデオロギー的なお立場から取上げられた問題、従つて經済政策の基本的な動向にも関連すると思いますので、次回の委員会におきましても、タバコ民営問題というものについて、政府並びに事務当局から詳細なる意見の聽取を行い、われわれもまた必要な質疑を行いたいと存じますので、委員長においておとりはからい願いたいと思います。
#44
○小峯政府委員 質問ではないようでありますが、なお念のため私から補足して申し上げておきます。イデオロギー的に云々というお話がありましたが、私どもは企業の能率的な運営のために、自由企業形式がいいということを、実はかねがね信じてもおりますし、主張もいたしておりますが、そういう形がいいということと、現在あるままの状態をその形に移して行つていいということとは、おのずから別個だと思います。私が自由經済がいいと言いましても、それを実施しますのには、私どものように総合的な經済の調節をしておる役所としては、よほどその準備なり、あるいは体制なりについての準備がなければならないと思います。総理は一国の大方針をお語りになつたのだと思いますが、私どもは総理の御発言がありましたけれども、御指摘のように、葉タバコの栽培者にどういう影響を与えるとか、今度の形に移るのにどういうフリクシヨンがあるかとか、総合的に研究いたしまして、事務的に納得のできる線でやるつもりであります、しかるがゆえに早急にやるというのではなくて、その線に沿つて必要があれば準備をして行くのだということを申し上げたのであります。安定本部といたしましては、そういう考えでおりますから、また御質問があれば御答弁をいたしますが、今のところ私が申し上げたくらいのことしかないと思います。これだけ申し上げておきます。
#45
○森山委員 小峯政務次官のお話はわかります。委員長に申し上げますが、先ほど私が申し上げたように、次会の議題として取上げていただきたい。特にタバコ民営問題は、昨年来政治的な問題になつておるにもかかわらず、衆議院のどの委員会においても、これを深く検討して掘下げた事例がないのであります。その意味におきましてぜひお願いいたします。
#46
○圖司委員長 次会の問題はきまつておりますから、いずれ理事会を開きまして、そこで検討して結論を出したいと思います。
#47
○森山委員 それでは私これでやめますが、国会においても国会たばこの会というのがありますけれども、こういう問題について前々からかねていろいろ論議しておるわけであります。また昨年来これが政治上の重要な問題になり、地方の、特に農民諸君は、深い関心を持つておる問題でありますので、できるだけ早くお取上げ願いたいと思います。
#48
○圖司委員長 他に御質疑がなければ、本日はこれにて散会いたします。
 次会は明六日午後一時より開会いたします。
    午後三時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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