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1950/12/07 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 経済安定委員会 第6号
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1950/12/07 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 経済安定委員会 第6号

#1
第009回国会 経済安定委員会 第6号
昭和二十五年十二月七日(木曜日)
    午後二時六分開議
 出席委員
   委員長 圖司 安正君
   理事 志田 義信君 理事 多田  勇君
   理事 永井 英修君 理事 竹山祐太郎君
      岩川 與助君   小野瀬忠兵衞君
      金光 義邦君    福井  勇君
      細田 榮藏君    宮原幸三郎君
      有田 喜一君    笹山茂太郎君
      森山 欽司君
 出席政府委員
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        長)      足羽 則之君
 委員外の出席者
        運輸事務官
        (大臣官房企画
        課長)     安井 正己君
        運輸事務官
        (海運局長)  岡田 修一君
        運輸事務官
        (自動車局長) 牛島 辰彌君
        運輸事務官
        (自動車局貨物
        課長)     高橋 末吉君
        経済安定事務官
        (建設交通局交
        通課長)    栃内 一彦君
        日本国有鉄道輸
        送局長     木島 虎藏君
        專  門  員 圓地與四松君
        專  門  員 菅田清治郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 参考人招致に関する件
 物資輸送事情に関する件
    ―――――――――――――
#2
○圖司委員長 ただいまから会議を開きます。
 物資の輸送事情に関する件を議題とし、海運局長岡田修一君より説明を聽取いたします。岡田説明員。
#3
○岡田説明員 それでは現在の海上輸送事情を簡単に説明させていただきます。
 日本の海運は戰爭中及び戦後にかけまして、すべて汽船は船舶運営会で統制運航をしておつたわけであります。それが本年の四月から、船舶運営会は、商船管理委員会というふうに改称いたしますと同時に、実際の船舶運航という仕事は一切やらず、海運事業をすべて民間の手に返す、こういうことになつたのでございます。ただ船舶運営会を解消いたしまして、商船管理委員会では、帰還輸送の船と、アメリカから貸与されております上陸用舟艇等の運用だけをやつておる。あとは日本の船を海外に配船いたします場合に、関係方面、米海軍との間の手続を仲介する、こういうことになつておるのでございます。
 民営還元になりました後の日本の海運状況を見ますと、ちようど四月以降朝鮮事変が始まりまするまで、最も荷動きの少い、一番日本の経済の底にあたつておるときに、民営に還元になつたのでございまして、日本海運としては、一番悪い時期に転換をしたということに相なつたのでございまして、四月、五月、六月当時の輸送状況を見ますと、約百万重量トン、総トン数で七十万総トンあまりのものが繋船になりまして、運賃も運営会当時に定めておりました運賃の、四割あるいは五割減になるというふうな状況でございます。輸送の数量は、大体月百万トン前後、――四月に入ります前に、二十五年度の輸送計画として私どもが予定しておりましたのが、国内航路で大体千八百万トンから千九百万トン、月間百五十万トンの荷動きを予想しておつたのでありまするが、それが現実の荷動きは百万トン前後というふうな状況でございます。それが朝鮮事変を境にいたしまして、相当荷動き量がふえて参り、八月には百二十万トン程度、十月、十一月には、それが百五十万トン程度にふえて参つております。運賃もただいま申しました船舶運營会当時に公定しておりましたところの運賃の、四割もしくは五割減の状況から、十月ころには二割減の程度に返り、現在ではさらにそれよりも多少よくなつておる、かように考えます。
 それから外航配船でございまするが、これも四月に民営還元になりましたときに、外航に出る場合の制限が相当に緩和される、従つて外航に就航する量も相当ふえるであろう、かような期待を持つておつたのでありますが、四、五、六の三箇月間はそれほど緩和を見ない。また一般的に世界船舶が非常に過剰でありまして、運賃も底をついておるというふうな状況でありました。従つて当時外に出ておりましたタンカーを除いた貨物船の量は、毎月二十万重量トン前後の船であつたのでございます。それがやはり朝鮮事変を契機といたしまして、世界的に相当船腹不足の状況になつて来ました。従つて日本船の利用の道も相当開けた。そこに持つて来まして、八月中旬に、いわゆる北米配船が容認せられたというふうなことと、あるいはその他の地域におきましても、相当量日本船の新たなる就航を見るに至りまして、現在では外航に出ております貨物船の量が約七十万重量トンに達しております。この外油を運びますタンカーが、毎月約二十万重量トン程度ペルシヤ湾その他からの油の横取りに従事しております。運賃も朝鮮事変前の四、五、六と現在の運賃を比べて見ます場合に、五割以上の増高を示しておるというふうな状況でございます。私ども四月に民営環元になりました当時、ただいま申しましたように、外航の見通しが非常に惡く、従つてこれが九月十月ごろになつた場合に、外航に適する船が相当大量でき上つた、すなわち二十四年度に着手いたしました新船が、総トン数で三十万、それに約二十万総トン近いA型戰標船の改造、これが八月、九月、十月の候に相当大量でき上つたが、これらの船腹がはたして消化できるかという懸念を持つておつたのでありますが、現在の状況におきましては、非常なる船腹不足で、日本の海運業者が応じ切れないほど多くの輸送引合いがやつて来ており、船腹不足を如実に感じておるという状況になつて来ておるのでございます。四月当時総トン数で七十万トンの繋船がありましたが、これが現在では約二十万総トンあまりに減つて来ております。この繋船につきましては、御承知の通り前の臨時国会で、いわゆる低性能船を国家が買い上げて、これをスクラツプするという法律の制定を見まして、目下その不良船の買上げをいたしておるのであります。この法律では、重量トンで約六十万重量トン、総トン数で四十万総トンほどの船の買上げを国家がやつて、そしてそれをスクラツプするというねらいでございました。これが目的は、その対象とする船は外に出られないで、国内沿岸だけしか就航できない、性能の惡い、職事中につくりました船が、現在の国内の荷動きから見て絶対過剰でありまして、その過剰の量が、私どもの推定では、少くとも六十万総トン程度のものがある。そのうち四十万トン程度つぶしまして、国内海運を堅実にすると同時に、外航進出への足固めにしたい、こういうのがねらいであるわけであります。その法律の通過を見たのでございまするが、ただいま申し上げましたように、朝鮮事変によつて相当船腹の利用がふえて来た。一方において米軍からの日本船の雇い上げ、こういつたものもある程度の量が実現を見まして、その法律で期待しておりまする六十万重量トンの量には、実際の申込みをとりましたところ達することができませんでした。その量は約四十二万重量トン、総トン数で二十六万総トン前後であります。これは目下それぞれ買上げの契約をいたしておるのでありますが、先ほど申しました繋船しております船舶の量、二十万総トンの大部分は、その買上げに応じておるのであります。かようにいたしまして、四月以降民営に還元されました日本海運は、朝鮮事変まで非常に暗澹たる状態をたどつておつたのでございますが、その後やや正常の経営をなし得る状態になり相当明るい将来を持つております。ことに外航配船につきましては、一般的に世界の船腹が不足を見つつあるのと同時に、日本船の配船は、四月当時に比しまして格段の制限緩和をしている。御承知の通り日本船が現在外へ出ます場合は、一々配船する相手国の了解を得なければならないのでございますが、その日本船の入港を認める国の数は、現在ではある特定の地域を除きまして、ほとんど大部分が容認している、こういう状況でございます。それから当時第三国間の輸送につきましても、非常に巌重なる制限が置かれておつたのでございますが、最近におきましてはこれも相当緩和されて、バンコツク、インドなり、あるいはフイリツピン、北米、また北米からインド、こういうような三国間の貿易も認められている。また最近には、海外への定期航路の開設ということも、漸次実現の運びに至つておるのでございます。まだ平常の海運形態からすると、相当の強い制限があるわけでございますけれども、それでも半年前を顧みる場合に、格段の自由なる経営の域に到達している。従つてこの日本船の活用も、ただいま申し上げましたように、すでに非常なる船腹不足――適格船の拡充の必要を感じておるのでございます。私ども海運に関係しているものといたしましては、毎年少くとも三十万総トンから三十五万総トンの建造を続けて行くようにいたしたいと思います。現在経済安定本部で自立経済審議会を設けて、船舶につきましても将来拡充の目途を立てつつあるのでございますが、その作業の状況等からいたしましても、ただいま申しました数量の確保は絶対必要であると考えるのでございます。ちよつと話が前後いたしましたが、現在日本に出入りいたしておりまする貨物の数量のうち、日本船で運んでおりまするものは、数量で約一割から一割五分程度、金額にいたしまするとその七パーセント程度しか運んでいないというような現状であります。これを戰前の日本の貿易の数量の、六割五分から七割を日本船で運んでおりました状況から考えますると、まことに慨歎にたえないものがあります。私どもは、この日本に出入りいたしまする貨物の、少くとも五〇%――これは一般的に国際的に容認せられる横取り数量でございますが、その五〇%は日本船で運ぶように持つて行きたい、かような構想のもとに、船舶拡充計画を立てておるのでございます。ただその計画をいたしました場合に、これは他の産業についても共通の問題でございますが、船舶建造資金をどうするか、この一点が一番難関になつておるのでございます。本年度も、見返り資金の額から申しますると、約二十二万総トンの船舶建造をなし得るのでございますが、それに対する市中からの融資がなかなか困難なために、第一次の申込みでは、十七万総トンの申込みをもつて締め切らざるを得なくなりました、なお残余の五万総トンに相当する金が残つておりますので、これは近くさらに再公募して充足する考えでございますが、今後毎年三十万総トンから三十五万総トンの建造をいたしまする場合に、そこにどうしても三百億近い船舶融資というものが必要になつて来るのであります。見返り資金で半額を見るといたしましても、なお半分は市中から求めなければならない、こういう船舶融資の問題が、今後日本の海運を整備して行く上におきまして一番の問題である。今後経済安定本部その他ご自立経済計画を策定され、船舶についてもその計画の一部をなすと考えられるのでありますが、その際において最も力を置いていただき、御後援を願わなければならないのは、この船舶建造資金をいかにするかという点にかかつておるかと思うのであります。きわめて概括的な説明でございますが、一応これで終らしていただきまして、なおいろいろ問題の点は、御質問に応じてお答え申し上げさしていただきます。
#4
○圖司委員長 海運局長の説明に対し質疑があればこれを許します。志田義信君。
#5
○志田委員 今海運局長の説明をいただきまして、大体のところはわかつたのでありますが、その中で、輸送の引合いに応じ切れないということを言われたのでありますが、その内容を少し伺いたい。
#6
○岡田説明員 輸送の引合いでございまするが、個々のものにつきましては、これは各船会社がそれぞれの荷主と交渉しておりまして、具体的にどれを断わり、どれを引受けたということはちよつと申し上げかねるのでございますが、現在日本船で運んでおりまするのは、フイリツピンから鉄鉱石、木材、インドの方からマンガン、あるいはパキスタンの方からの小麥、それから北米からの小麥。それから最近これは成立しなかつたようでありますが、鉄鉱石を相当カナダから持つて来ております。あるいは北米からの小麥をインドに入れ、また南米からの小麥――それからこれはずつと前からやつておつたのでございますが、ビルマ、タイからの米で、相当量日本船で運ばれ、また運ぶことを要請されておるものが多いわけでございます。それらに対しまして、さらに今回定期航路の開設をいたしますると、その航路に相当量の船腹が固定せざるを得ないというふうな面からいたしまして、海運業者としては早急なる船腹の確保拡充ということを希望いたしておるような次第であります。私どももその線に沿つて、できるだけ早く船腹の確保をしたいと思つております。
#7
○志田委員 御説明の中に、米軍からの雇用船のお話があつたようでありますが、その内容を承りたい。
#8
○岡田説明員 米軍の傭船の量は、ちよつとここで申し上げかねる次第でありますから、あとで適当なときに申し上げます。
#9
○志田委員 今局長のお話の中に、海外定期航路の開始を考えて船舶が固定しないように処置したいということがありましたが、今予定されている海外定期航路はどんなものがありますか、それをひとつお聞きしたい。
#10
○岡田説明員 今業者から申請しておりまするのは、バンコツク航路、それからインドのカルカツタ方面のインド航路、それにパキスタン、ペルシヤ航路、それから北米西海岸、北米東海岸。それからすでに許可になつておりまするのはアルゼンチン航路、そのほかフイリツピン、台湾、インドネシヤ共和国、こういうところが今業者から申請が出ている次第であります。目下アルゼンチン航路はすでに許可になりましたが、それ以外の航路は、外国の船会社を交えて、関係方面でこのところ連日協議が進められておる次第であります。近くそれぞれ実現を見るに至るものと思います。
#11
○志田委員 日本船で運んでおる数量は、先ほどの御説明では、一割か一割五分程度のものと聞いたのであります。これが金額でいうと、わずかに七%ぐらいであるという話でありますが、積取料を日本船で五〇%程度まで持つて行きたいという希望を実現するために、今一番の困難と思われる点は何でございますか。
#12
○岡田説明員 日本船で運びます場合の困難の点と申しますのは、先ほど申しましたように、船腹が足りない。現在外へ出ておりますのは、ほんとうに外に出得る資格のある――私どもでは船級船といつておりますが、ロイドのクラスあるいはABのクラスを持つた船ではございませんで、職事中につくりました戰標船でも、特別の好意をもつて使用を認められておるのであります。しかしそういう船の入りますところは非常に限定されて、どうしても自由に運航し、荷動きの引合いに応じて輸送をいたしますときには、外航船級を持つた外航適格船を整備しなければならない、こういう点があるのでございます。先ほどから繰返し申し上げましたように、そういう船腹の早急なる出現を希望したい、かように考えております。
#13
○志田委員 適格船も同様でございましようが、そういう場合に港の問題について特に御要望したいことはございませんでしようか。
#14
○岡田説明員 日本船が海外に出まするのは、御承知のように、すべて関係方面の管理下にありまして、出港する場合に一々その許可を得る。それから輸送の引合いにつきましても、その運賃の事前審査を受ける、それから相手方の入港許可書をとる、こういう手続があります、本質的な日本船の外航についての弱点は、先ほど申し上げましたように、船腹の不足ということにありますが、現実的にもう一つ、本格的な活動をいたします場合には、ただいま申し上げましたようないろいろな制限、これが相当の障害になつておることは事実でございます。しかしこれは日本の国が占領下にあり、特に船舶は米軍というか連合軍の直接管理下にある。御承知かと存じまするが、日本船が外へ出ます場合には、日本の国旗は掲げられないのでございます。スカジヤツプと申しておりますが、連合国の日本商船管理局の旗を掲げて外へ出なければならないというふうな一事をもつても知られますように、相当強い直接管理下に置かれております。こういうことが相当影響を与えております。
#15
○志田委員 あなたの方の船舶拡充計画は、現在何年の継続計画として考えでおられるのか、その点についてのお考えをお尋ね申し上げます。
#16
○岡田説明員 私どもの計画は、一応経済安定本部で立てられております経済復興計画は実現を見ませんで、今回さらに自立経済計画が作案されつつあるのございますが、これと歩調を一にして進みたい、かように考えておるのございます。
#17
○志田委員 そうしますと、これは三箇年計画ぐらいで計画を作案されておるのでしようか。
#18
○岡田説明員 さようでございます。一応三箇年計画で、従つて船舶の面から言いますると、二十八年度につくります船が実際に役に立ちますのは二十九年度でございますから、二十九年度あたりの荷動きを対象にして考えたい、かように考えております。
#19
○志田委員 先ほどの御説明では、四月から六月までのきわめて荷動きの少いときに運営になつたということであるが、そういう点から、船舶の拡充について、そういう少いときを考えて、以後におけるところの朝鮮動乱その他国際的軍拡状況というようなものを計画の中には入れないで、このプランが立てられておるのか、それともそれをその後の情勢に応じて修正しつつ立てられておるのか、その点をお尋ねいたします。
#20
○岡田説明員 今経済安定本部で作案されております計画は、朝鮮事変以後の状況を基礎にしての、かつ援助打切りの場合等を予想しての計画であります。従いまして私どもの方もその線に沿つて考えておるわけでございます。
#21
○志田委員 それでは、朝鮮動乱が始まつてから、大分荷動きが活発になつておるようなお話が今あつたように思うのでありますが、それに対して特別の手だてをなさつておるかどうか、現状をお尋ね申し上げたい。
#22
○岡田説明員 輸送の面から申しますると、内航――国内の輸送は、先ほども申しましたように、約百万重量トンからの過剰船舶があつたわけであります。朝鮮事変によつてある量が米軍に傭船せられ、また沿岸の荷動きがある程度増加いたしましたが、なお相当の過剰船腹がある。従つて先ほど言いましたように、政府の繋船の買上げに対しましても、四十万重量トンからの申出があつたわけであります。従つて沿岸並びに朝鮮動乱に直接関係のある輸送力の増強につきましては、特別の手だてを講じなくても十分講じ得たわけであります。それから外航方面につきましては、これはすでに昨年度におきまして約三十万総トンの新船の建造に着手し、それから一トン型の戰標船二十六隻の改造に着手したのでございます。これがちようど八、九月ごろからでき上りつつあるのであります。先ほど申し上げましたように、四月当時はたしてこういう船ができても使い道があるかどうかということを心配いたしておつたのでありますが、ちようどと申しまするか、朝鮮事変以後の海外航路の情勢に、ちようどマツチしたと言うことができるのであります。
#23
○志田委員 最後に一つ……。先ほど船舶建造資金の問題で、約二十二万総トンのことを考えて、見返り資金等によつて十七万総トンだけやられたように承りました。残りまだ五万総トンだけの再交付を交渉しているということでありますが、もしこれが見返り資金から出ない場合の予算措置は、どういうふうに考えておられるか、現局としてのお考えを承りたい。
#24
○岡田説明員 本年度見返り資金で船舶に割当てられましたのは、継続工事のものを含めて約百三十五億、そのうち継続工事に七十億、あとの残りを新しい事業に振り向けるわけでありますが、そのうち漁船の建造あるいはA型戰標船――先ほど申しました一万トン船級の貨物船の改造、こういうものに約八億ほど使われるわけであります。残りのものをすべて新造に振り向けるといたしますると、A度の貸付率を五〇%とした場合に、約二十二万トンの船ができるわけであります。ところが第一次に申込みをとつて締め切りましたところ、市中融資の関係等からして、十七万総トンの申込みがあつた。なお見返り資金の面から見て五万トンの余力がある、こういうことであります。市中融資についても、来年度以降あるいは本年度内においても、いろいろ長期資金等、ある程度の措置が加えられるようでありますが、長期資金の確保についての見通し、その他いろいろのよい條件が出て来るのではないか。私どもとしては十七万総トンでは、現在の造船の能力からいつて過小の数量で、造船所は非常なアイドルを出しておるわけであります。従つてあとの五万トンについては、早急の機会に再募集をする。これについては十分市中の金もつき得るのではないかと考えております。
#25
○志田委員 再募集とか、そういうものに三百億近い船舶投資を今後必要とするのでありまして、船舶拡充計画の中の資金操作の面であろうと思いますが、これについて外資関係で特に考えておるような点があつたならば、お聞かせ願いたいと思います。
#26
○岡田説明員 これについての外資の導入ということは、目下のところ考えておりません。
#27
○岩川委員 今のに関連するのですが、船の建造は、造船所と船主との間だけで自由に契約できるのですか。
#28
○岡田説明員 御説の通りでございます。私どもといたしましては、見返り資金が貸し付けられる関係上、その見返り資金を、現在の日本の海運として最も要望しているところに振り向けたい、かような考え方で、建造する船は、われわれの最も痛感している外航適格船の整備拡充、こういう面に向けなければならぬ。それ以外のものは、船をつくろうとする船主と造船所との間で、自由に契約を願うということであります。
#29
○岩川委員 そうしますと、外国貿易の適格船だけつくつて、内地航路の船は当分やめる、こういうふうなことでありますか。
#30
○岡田説明員 国内航路の船は現在すでに過剰状態にある。これ以上つくる必要はないというふうに考えております。
#31
○岩川委員 その根本理由はよくわかるのですが、貿易外の收入を獲得したいということも入つておるだろうと思いますので、もしそうであれば、今度の第一次十七万トンの船の建造の内容などについても、例のタンカーなどが入つていないのは、特に何か理由があるのですか。
#32
○岡田説明員 このタンカーについて銀行からの融資がつかなかつたと申しますのは、実は私どもも意外に感じておるのでございます。私どもの新船建造についての條件の出し方は、まさかそういうことはあるまいというふうな考え方で、非常にゆるい條件の出し方をしている。今年つくらるべき貨物船は、総トン数六千総トン以上、但し六千総トン未満でも、四千五百総トン以上のものは六ぱい以内はよろしい。それからタンカーについては三ばい以内といたしておる。三ばい以内という條件でございまするから、考えようによつては一ばいもなくともいいのではないか、こういうふうにとつた。従つて銀行の方で船主並びに造船所といろいろ融資の交渉をいたしました場合に、タンカーはトン数が一万二千総トンあまりございまして、一ぱいの価格が九億から九億五千万円、場合によつては十億に近い。これをなくして貨物船に振り向けますと、二はいくらいできるものもあるわけであります。従つてできるだけまんべんなくいい顔をしようということ、また自分の関係の造船所に適当に仕事を持たしたいというような考え方から、私どもの出した條件は非常に彈力性がありましたがために、一ぱいも出なかつた、こういうようなことでございます。しかしただいま申しましたように、なお五万総トンの建造をする見返り資金がございまするので、この次にはある程度のタンカーを必ずつくるというふうにいたしたいと思つております。
#33
○岩川委員 今の御意見は、貿易外收入の計算からいたしますと、どうしても普通の貨物船よりもタンカーの方が有利だという算定はその通りと思いますが、そういうような金融業者あるいは造船所だけの考えに、日本の造船計画を自由にまかしておくということは、国策の上からいつて不利なことが出て来るのではないかと考えられるのでありますが、今後タンカーなどについてもう一回計算して、どちらがいいか――われわれはタンカーをつくつた方が貿易外收入を獲得する意味からもいいと思うのですが、あなたの方ではどういう御意見ですか。
#34
○岡田説明員 日本の海運としてのタンカーの自給でございまするが、先ほど申しましたように、日本に出入りする貨物の申分を日本船で運ぶ。従つて油の輸入につきましても、その半分を日本船で運ぶというふうに考えました場合に、今持つておるタンカーの量からいたしまして――これは戰時中につくつた悪いタンカーも含めてではございますが、かりにそういうものが改造されて、今後何年か使えるというふうなことを計算に入れますと、必ずしももタンカーはそうつくらなくてもいい、こういう計算が出る。しかし戰標船を改造いたしましても、その壽命が短いものでありますから、その代替を考える、あるいは世界的にタンカーが不足でございますし、また世界各国爭つてタンカーをつくつておる。そういう状況から考えると、全然つくらないということはいかにも時代逆行と言いますか、今の経済情勢に合わない、こういう点からいたしまして、三ばい以内というような、弾力性ある條件を設けたのでございます。
 もう一つは、タンカーは仰せのごとく今非常に採算がよろしうございます。朝鮮事変前と今と比べますと、一般のマーケツト・レートでは倍近くなつていると思います。そういうので非常に情勢がいい、従つてそういうような状況から見ましても、金を出す方も非常に有利である、当然そういう弾力ある條件をいつでもつくられるように期待しておつたのが、実際のやり繰りがその期待通りにできなかつた。従つてただいま申しましたように、この次募集する場合には、必ず何ばいかつくれるという方向をとりたいと考えております。
#35
○岩川委員 そのタンカー建造の場合は、ひとつ海運局が計画を立てて――さつきお話では注文の方があやまちがあつたということですが、今お話のように、必要の場合はもう少し積極的に、造船所あるいは金融業者など、そういう中に責任のある方が入られて、国策の面から注文をされることが必要だと思うのですが、そういう態度と行動がとられる状態にあるかどうか。
#36
○岡田説明員 私どもの海運行政に臨む態度でございますが、これはどこの船主が、どこの造船所でつくる、あるいはどこから金を借りる、こういうことはすべて商行為であつて、そこまで政府が介入すべきものにあらずと考えているのでございます。ただ政府が介入する場合は、やむを得ざる措置として、非常に申込みが多くて、どれか選定しなければならないという場合にのみ介入する、そうでなければすべて自由に、それぞれ海運業者なり、造船業者の商業的センスといいますか、今までの知識経驗にまかす方が、よりよい効果が生れて来ると考えてやつておるのであります。従つて今回の造船につきましても、見返り資金では二十二万トンのものが、申込みが二十四万トンなり二十五万トン――二十二万トンを超過いたしまして、私どもの方へ来た場合には、私どもがそれに介入して、そしてやむを得ざる措置として、いろいろ指導するわけでございますが、そうでなしに、それ以内の場合には、私どものまだ出る幕でない、自由なる商取引にまかす、かような態度をとつて臨んでおる次第でございます。従つてあと追加のものについてどういうふうに出て参りますか、これがオーバーして出て参りました場合には、私どもの方で考えて措置しなければならない、かように信ずる次第であります。
#37
○永井(英)委員 私機帆船の問題についてひとつお伺いいたしたいと思います。昨日もらつた表によりますと、この機帆船に対する燃料の割当が、五千キロリツトル余だつたのが十月に六千七百キロリツトルになつております。この約千二百キロリツトルの増加は、石炭輸送のために特別に割当てられた数ですか、それともこれは特別の意味があるのですか。
#38
○岡田説明員 十月から十二月までの第三、四半期の油の割当につきましては、例の近畿を襲いました風水害によりまして、大阪、神戸港のはしけその他荷役設備が、非常な災害をこうむつて汽船輸送が円滑に行かない。従つてこれにかわるべきものとして機帆船を使いたいというので、特別措置として毎月千二百キロリツトルの割当があつたのでございます。しかしその後におきまして鉄道輸送の方も相当逼迫を告げております。また海上荷動きも増加をして来ておりますので、この第三、四半期に特別の措置として増加されました量は、一月以降においても引続き増加されるようにというので、目下関係方面に申請いたしているような次第でございます。
#39
○圖司委員長 次に鉄道監督局長足羽則之君の説明を聽取いたします。
#40
○足羽政府委員 朝鮮動乱の影響を受けまして、鉄道の滞貨が非常に論議の中心となり、鉄道輸送が非常に注目されておるわけでございますが、後ほど申しますごとく、私鉄と国鉄との関係におきまして、この問題の中心は、国鉄の貨物輸送であると考えますので、国鉄の輸送局長がちようど参つておりますので、国鉄についてはあとで詳しくその現況もしくはそれらの対策につきまして説明を御聽取願いたいと思います。その前に大体国鉄と私鉄の貨物輸送の内容と、それから私鉄の貨物輸送につきまして、きわめて簡單ではございますが御説明を申し上げたいと思います。
 大体貨物輸送につきましては、国鉄は一日に約二十八万五千キロの貨物の列車キロを動かして貨物を輸送いたしております。私鉄はそれに対して一日の列車キロは約一万六千キロ、国鉄に比べまして非常に少い数量でございます。国鉄の持つておりまする貨車の数量は、十万両に少し欠けるのですが、約十万両、私鉄の持つております貨車の数量は、約一万両でございまして、国鉄はこれによつて今年度の貨物の数量を約一億三千万トン余大体運べるであろうと、現在のところ考えられておるようであります。私鉄におきましては、今年度は約二千五百万トン見当くらいの輸送をするであろうと推定いたしている次第であります。以上申し上げましたような数字によつて大体御了解願えると思うのでございますが、現在の滞貨問題につきましては、国鉄の貨物輸送が非常に重要なるウエイトを占める問題でございまして、私鉄につきましては、現在のところ特に問題となる点も、私たちとしては特に承知しておらぬのでございます。
 なおこれらの最近の概要について御説明を申し上げたいと思います。私鉄の貨物輸送につきましては、国鉄の貨物輸送の姿と同様に、夏を過ぎて九月、十月の繁忙期に入つて漸次数量が増加して参つております。その増加して参つております姿は、大体前年と同様の割合くらいに増加しておりまして、本年の十月において、約二百三十六万トンの貨物を輸送いたしております。前年は二百二十八万トンでございます。大体の傾向を見ますと、今年の夏以降については、前年よりは少しずつ増加をいたしている、大体そういう数字でございますが、本年度の上期全体を通計して比較いたしますと、昨年よりは少し減つております。今年の四月から九月までの上期を比較いたしますと、本年は千二百十万トン、昨年は千二百六十七万トンで五十七万トン減少いたしている、大体こういう姿でございます。しかしこの秋になりましてから、昨年よりは運んでいる数量が少し多くなつておる、こういう姿でございます。私鉄についてなぜこういう姿であるかということは、私鉄の貨物輸送は、御承知のように輸送距離が非常に短かいものでございますから、ごく概括的に申しますと、自動車の輸送に転嫁している、こういう影響が国鉄よりは強いのではないかというふうに考えております。
 なおこの際ちよつと御説明申し上げたいことは、私鉄と国鉄とは貨車の直通輸送をやつております。つまり私鉄の中で貨物を発送いたします場合には、国鉄の連絡しております駅を介して、国鉄から国鉄の貨車を私鉄の社線内に注入いたします。要求に応じて回送して、国鉄の貨車を私鉄の中に入れるわけでございます。従いまして、先ほど私鉄の貨車が一万両と申し上げたのでございますが、国鉄の貨車が相当数量私鉄の中に入つて私鉄の貨物を運び、また私鉄の方に貨物を運んでいる。運び入れ、運び出しをいたしておるという状況でございます。
 なお私鉄につきましては、実は滞貨の状況をはつきりする数字を持ち合せておらぬのでございますが、昨年度と今年度の毎月の発送の要求あるいは発送をいたしておりまする実績の数字を対照いたして参ります場合に、この実績の数字は特に格段の相違がなく、先ほどの説明で御了解願えるように、年初はやや少く、最近に至つて微増はいたしておりますが、大体においてあまりかわりはございません。要求の方の数字を見ますと、昨年よりやや上まわつている、こういう数字でございますが、その辺実はこの数字はもう少し検討を要するのではないかという感じがいたします。なおその要求と、それから使いました実績との割合でございますが、これは私鉄の関係では昨年より少し落ちておりまして、大体昨年度におきましては八月が要求の八一%、九月が七七%、十月が少し落ちまして五四%、今年度の数字は八月が六六%、九月が六三%、十月が五二%でございますが、七月以前は七十七、八パーセントから八一%ぐらいの数字を示しております。なお昨年は、この数字よりは約二、三パーセントぐらい上まわつた使用割合の数字になつております。
 以上きわめて概略でございますが、私鉄の輸送の現状なり、輸送状況につきまして御説明を申し上げまして、なお国鉄の状況につきましては、輸送局長から詳しく御聽取願います。
#41
○圖司委員長 次に日本国有鉄道輸送局長木島虎藏君の説明を聽取いたします。
#42
○木島説明員 それでは最近の国鉄の貨物輸送状況を説明させていただきます。
 まず第一に滞貨の推移を申し上げますと、昭和二十三年の初めないし昭和二十三年の四月には、沿線滞貨が約三百万トンでございました。それが二十三年の秋ごろから逐次減少して参りまして、昭和二十三年度の終りには八十万トンになつております。それから二十四年度は八十万トンで引継ぎまして、順次減りまして、大体の見当は年間五十万トン程度の滞貨で推移しております。もつとも秋冬繁忙期には少し上つておりますが、大して問題になるほどのことは御承知の通りなかつたのであります。今年度三十五年度に参りまして、朝鮮事変の始まる前までは、この五十万トンの線を持続して来たのであります。ところが朝鮮事変が始まりましてから、逐次この滞貨の増勢を示しまして、七月はまだそれほど影響がなくて、約五十万トンの線、八月になりましてから上旬が六十一万トン、中旬がちよつと下つて五十一万トン、下旬が六十万トン、九月は上旬が七十一万トン、中旬が八十八万トン、下旬が九十六万トン、十月に入りまして上旬が百二十一万トン、中旬が百四十三万トン、下旬が百四十六万トン、それから十一月に入りまして上旬が百四十八万トン、中旬が同じく百四十八万トン、下旬が百四十二万トン、それから十二月に入りまして、やはり百四十一、二万トン、こういう状態でございます。それでこれは御承知のように特需輸送と特殊輸送がございましてふえて来たのでございますが、私どもの方では十月の初めから全国鉄をあげて、荷主と協力して、この滞貨を解消する運動を開始したのであります。その効果が十月末から十一月にかけてやや現われまして、十月の下旬から十一月の下旬のごろに、最高百五十万トンを少し突破するような滞貨の状態になりまして、これが十一月に参りましてから滯貨が横ばいとなりまして、私どもの運動が奏効したのか逐次下つて参りまして、そうして十一月末では、百三十八万トンという実績を示し、最近に至りまして百四十万トンを一、二万トン越えたというふうな情勢になつたのであります。
 一方輸送の実績はどうかと申しますと、二十三年、二十四年のころは一日三十一、二万トン、こういう状況で推移しておりまして、今年度になりましても朝鮮事変の始まる前までは大体一日三十万トンという状況であります。そうして先ほど申し上げましたように、滞貨の状態は五十万トンを上下しておりますものですから、今年の四月、五月のころは、御承知のように沿線で約四、五千両の貨車が遊んでおつたのであります。そういう状態から朝鮮事変になりまして、輸送のトン数もどんどんふえて参りまして、これは一日でございますが、九月には大体三十二万トン、十月には三十四万五千トン、十一月上旬には三十六万三千トン、中旬には三十六万七千トン、下旬は平均三十七万三千トン、最高三十九万トン、こういうふうな状況でありまして、これを見ますと漸次能率を上げて参りまして、そうして滯貨を切りくずして行つて、今日に至つておるわけであります。それでこの年末の見通しはどうかということでございますが、年末は何と申しましても、大都市に貨車が殺到して参りまして、この大都市の荷おろしが問題であります。現在では汐留の駅が少し荷おろしに困つておりまして、これはいろいろ理由があるのでありますが、それで汐留に到着すべきものを、ほかの駅に振り向けるような措置をとつております。全体といたしましては、それにもかかわらず成績はどちらかというと、従来より増勢の姿を続けておりまして、昨日も三十八万四千九百トン輸送しております。
 それからそういうふうに輸送しておるが、貨車はとれぬではないかというお話があろうと思いますが、これはやはり滯貨の増勢と見合いまして、そういう状況を示して参つておるのであります。朝鮮事変の始まる前は、貨車の要求と使用の比率は、大体九〇%ぐらいでございまして、実際の問題といたしましては、車種を選ばなければすぐ手に入るという状況でございました。それが事変の進行とともに逐次悪化して参りまして、七月には八四%となり、八月には七三%、九月には五六%、十月には四三%、十一月の初めには四二%、中旬も四二%、と逆落しに困るようになつて参りました。それから先ほども申し上げましたように、十一月の下旬から相当上つて参りましたので、下旬には四四%となり、昨日あたりは四五%という成績を示しております。それと特需輸送やいろいろなことが出て参りますから、思うようには参りませんが、今のような滯貨の横ばい程度で、この年末は過ごせるのじやないかと存じております。それで国鉄といたしましては、現在のところは現在持つておる貨車の運用効率を十分考慮いたしまして、輸送難を切り抜けるということを考えておりますが、来年度どういうふうに経済が発展するか存じませんが、ともかく貨車が不足であるということは事実でありますから、来年度の予算の編成にあたりましては、貨車の増車を今研究しております。
#43
○圖司委員長 以上の説明に対し、質疑があればこれを許します。
#44
○志田委員 ただいま私鉄及び国鉄の監督業務に携わつておる方から御説明がありましたが、ちよつとお尋ね申上げたいのであります。先に監督局長にお尋ね申し上げますが、輸送距離が短かくなつておるので、自動車の輸送に大分転換して、私鉄の利用が割合に国鉄に比べて少くなつたというお話がありましたが、その状況についてもう少しお話を願いたい。
#45
○足羽政府委員 実はこの内容を見ますと、御承知のように貨物の扱いには小口扱いと車扱いがございます。小口扱いは昨年に比べまして、本年は約二三%、私鉄の扱いのうちでは減つておるようでございます。これは明らかにトラツクの方に転嫁したのではないか、こういうふうに推定をされるわけでございます。それから全体といたしまして先ほども申しましたように、数量がやや減つておるようにも思われます。本来ならば少しずつ貨物の輸送の量というもりは、従来の経驗から見るとふえると思うのでありますが、これが伸び悩みになつておるという傾向は、もちろんわれわれの見聞いたします私鉄の沿線の輸送距離が短いので、トラツクの方に荷物が転嫁する事例を、しばしば耳にするのでございますが、そういう点が非常に輸送距離の長い国鉄の貨物よりは、影響が大きいのじやないか、こういうふうに推定をしてみるわけでございます。
#46
○志田委員 国有鉄道の輸送局長にお尋ね申し上げますが、最近戰後における貨車操作にあたりまして、貨車の検査というものを何日前からやつておるのか、それをお尋ね申し上げます。
#47
○木島説明員 貨車検査の規定がございまして、毎日やつておるのを見ますと、操車場で列車を仕立てますと、その仕立てた列車が目的地に行くに耐え得るかどうか、その他荷積みの関係がどうかということを兼ねまして、列車検査というものをやつております。それからその前に一箇月を切りまして、一箇月経過した車両は仕立て検査というのをやります。これはある基準がございまして、この基準でやつております。それから今度はそれ以上になりますと、操車場で貨車がぶつかつてこわれたとか、あるいは不時の故障がございまするときには、局部検査と申しまして、その部分だけの検査をして修繕をしております。これは車種によりましていろいろこまかい規定がございますが、工場に入れまして根本的の検査をしております。
#48
○志田委員 一箇月前に仕立て検査をやるというお話を今承りましたが、しかし操車のために列車検査をやるというような場合に、従来はわれわれが間いておる範囲におきましては、三日ぐらい前にやつておるように聞いておつたのであります。最近ではこれをやつておりますかどうか。
#49
○木島説明員 三日前に検査をやつておるということはございませんが、列車検査で、その列車の組成ができておる状態におきましては、大体一箇月間を保証しておる。具体的にきようの列車は操車場で検査をやつたときに、どこかいたんでおるのではないか、その他ブレーキのぐあいが悪くないかというようなことをやつておるのが、列車検査でございます。
#50
○志田委員 これは貨車も同様でございますか。
#51
○木島説明員 同様でございます。
#52
○志田委員 そうするとたとえば東北からきよう入つた上野着の貨車は、明日はただちに仕立てて出せるという状態でございますか。
#53
○木島説明員 そういうことであります。但し特殊輸送の例外があります。
#54
○志田委員 準駐軍関係の貨車の検査は例外だというふうなお話がありましたが、爆弾であるとかいうものは、もちろん例外にお取扱いにならなければならぬと思いますが、その他の物資でも、進駐軍に関する限りは例外に取扱つておるかどうか。
#55
○木島説明員 今おつしやつたものだけでございます。その他のものは一般と同じでございます。
#56
○志田委員 そうしますと貨車の動きが、操作の点で非常に手配に時間がとれておるというような実情はないでしようか。
#57
○木島説明員 ちよつとお尋ねしますが、運用効率がなぜ惡くなつたかということでございますか。
#58
○志田委員 そうでございます。
#59
○木島説明員 それはこういうことでございます。戰前は夜間作業をやつておつた。そうして居残りもやりますし、夜間もやりますし、日曜も祭日も仕事をしておつたのが、荷下しする建前でございます。ところが戰後になりましてから、例の労働基準法ができまして、日曜、祭日に仕事をすると割増しを出さなければいかぬ、その他居残りはこうこうということになりまして、その関係で非常に能率を阻害しておるのであります。それで私どもの方としましては荷主さんにお集まりを願つて、その点を排除していただいて、日曜でも祭日でも、夜間の荷おろしもやつていただくように慫慂しております。大荷主の方はやつていただいておる方もあります。また私どもの方といたしましては、大荷主で日曜日に到着するような貨物を、いつもおろしていただけぬようなところは、月曜にまわしていただくとか、そういう話合いをしております。主として荷おろしの関係でございます。
#60
○志田委員 事変前と事変後では、貨車使用の点において非常に変化を来しておる客観状態だという御説明をいただいたのですが、貨車の新造計画に対して、運輸省では二十五年はどういう計画を持つておられたのですか、またさらに二十六年ではどういう計画を特つておられますか。
#61
○木島説明員 私どもの方では、来年度はまだ数字ははつきりきまつておりませんが、私ども輸送の担当といたしましては、数千両の貨車の新造を要求して、まだはつきりきまつておりません。いずれ議会で御審議願うことになると思います。二十六年度以降についても将来の輸送情勢を見まして、やはりそういうふうな手を打たねばならぬかと存じます。
#62
○志田委員 数千両ではちよつと分りません。先ほどのお話では、沿線に事変前四、五千両の貨車が遊んでいた。その後事変後においては非常に惡くなつたのだというお話があつたのですが、それには先ほどさか落しに困つておるような状態だというお話もあつた。そうしますと事変後における貨車の需要が非常に多くなつて運用効率を考慮すると、どうしても新しい貨車の建造計画を立てなければならぬということで、皆さんの方では昨日だつたか会議をなさつておるようであります。その会議の内容において、二十六年度は数千両の貨車をつくるというお話ですが、もう少し具体的なお話は伺えないでしようか。
#63
○木島説明員 貨車の問題になりますと、現在困つておる貨車は、御承知のように有蓋車であります。無蓋車は総体的にいうと余裕があるわけです。先ほど御説明申し上げました事変前に四、五千両遊んでおつたという貨車は無蓋車でございます。無蓋車の特に石炭を輸送するのに使つておつたような車でございます。御承知のように石炭は下半期に出ますから、毎年そういう傾向は多少あるのであります。来年度の問題は今あちこちで審議の最中でございまして、私どもの方では少くとも五千両ぐらいは希望しておるのでありますが、どういうことに相なりますか、今まだ審議の途中でございます。
#64
○志田委員 一つ自動車局長さんにお尋ね申し上げたいと思います。先ほど監督局長も、輸送距離が非常に短いのは、自動車の方に輸送が転換して行つて、その利用率が非常に多いというお話があつたのですが、国鉄が新路線を考えた場合、今後の運輸省としては監督上新路線を許可する意向であるのか、そういうものは許可させない意向であるのか、その点をお伺いしたい。トラックも旅客も両方を含めてです。
#65
○牛島説明員 国鉄あるいは地方鉄道との関係において、自動車の路線事業を免許するかどうか、こういうお尋ねだろうと思いますが、私どもといたしましては、国鉄の並行道路に対しまして、バスあるいは貨物の積合せの路線の免許申請があつた場合においては、特にこれを免許しないという方針はとつておらないのであります。ただ地方鉄道のごとき非常に経営規模の小さい、またそのバス事業あるいは積合せ事業等の免許によりまして、ただちに地方鉄道、軌道の経営そのものに重大な影響を与えると思われるものにつきましては、十分にその点をしんしやくいたしまして、免許をいたします場合に、現在運輸省においてとつております手続方法は、すべて大臣が免許をする、あるいは認可をする法律処分をなす場合におきましては、運輸審議会にこれを諮問いたしまして、その諮問に対する答申を待つて、大臣としてはさらにその答申を十分に尊重してこれを出さなければならないことに、法律上きめられておるわけであります。従いまして、ただ国有鉄道自体になりますと非常に経営規模も大きいという点で、国有鉄道に並行していることゆえにバス事業を免許しない、あるいは積合せ貨物事業を免許しないということは、一概に方針として立て得られないと考えておる次第であります。
#66
○志田委員 そうしますと、もし私鉄関係がそういう自動車の輸送面に需要が多いからそれをやりたいと申し出る場合におきましては、今お説の通りに、運輸大臣の権限においてこれを許可するというお話ですが、国有鉄道から貨物あるいは旅客の輸送にあたつて新路線を申請した場合におきましては、やはり同様な御処置をとられますかどうかお伺いたします。
#67
○牛島説明員 委員長にお願いしますが、速記をとめていただきたい。
#68
○圖司委員長 速記をとめて。
    〔速記中止〕
#69
○圖司委員長 速記を始めて。
#70
○志田委員 CTS関係のことにつきましては、局長が速記をとめてお話しされたことでありますし、それには触れないようにして、とにかくCTSの方針というものは、鉄道の合理化が完成したものとして、最近では非常に考え方が違つて来ておる。そうして今いろいろと局長が説明されたような條件のもとにおいては、国有鉄道の旅客運輸並びに貨物運送に対する新線許可も、審議会を経て考慮される段階にある、かように了承いたしてよろしゆうございますか。
#71
○牛島説明員 私がただいま申し上げた限度において、けつこうであります。
#72
○志田委員 そこでひとつお尋ね申し上げたいのでありますが、先般来いろいろと東北方面において、国有鉄道の旅客運輸業務の開始あるいは貨物運輸業務の開始について、われわれのところに請願が参つております。また皆さんの方にも請願が行つておると思いますが、福島の問題などは、CTSあたりでは相当好意をもつて国営の事業輸送に非常な賛成を表されて、これが近く許可を見るやに聞いておりますが、その点についてはいかがでしようか。
#73
○牛島説明員 福島におきましては、私の記憶いたします範囲におきましては、二路線あると思いますが、どちらの問題でございましようか。
#74
○志田委員 両方です。
#75
○牛島説明員 地名をちよつと忘れたのでありますが、たしか一箇所は常磐の植田に出て来る線、もう一つは平以北の二つの線があると思います。これらの問題につきましては、CTSに、この線を運輸審議会に諮問をする前に一応意見を聞かなければならないことになつております。さらに手続上について申しますと、現在省営自動車に対しましては、鉄道監督局の方におきましてまず書類を受けつけるのであります。鉄道監督局においては、国鉄の監督という立場からこれを自動車局に協議をしていただきます。その協議が参りませんと、私の方ではCTSとの話合いにならないわけでございますので、その辺がどの程度進んでおるかということによつて、話もまた別になることと思います。そうしてCTSの大体の内諾を得ますれば、これを運輸審議会に正式に諮問します、諮問をいたしましてこれを、あの地区でございますと仙台の道路運送審議会の方に調査を委託することになります。調査を委託いたしますと、現地の道路運送審議会は、公聽会を開催いたしまして、それに対して免許をした方がよいか悪いかという意見を運輸審議会に回答して来る。それに基いて運輸審議会は大臣に答申書を出す。こういう順番になるわけでありまして、今の二つの線のあることは、また問題になつておることはよく存じておりますが、二線につきまして国鉄から運輸大臣に――窓口は鉄道監督局になつておりますが、その方から私の方に正式に協議があつたかどうか、ちよつと覚えておらぬのであります。そういう手続になつておりますから、その手続に従つて進むものと思います。
#76
○志田委員 最後に一つお尋ね申し上げます。実は山形県飽海郡日向村大字笛及び同郡大沢村大字北青沢より、観音寺を経由いたしまして、羽越線本楯駅に至る間、延長三十キロにわたる国鉄自動車の運行を実施せられるよう、関係町村長連名のもとに皆さんのところに陳情書を提出中でございます。同時にこの問題は、さきの県議会の議決を経て、村山山形県知事がそれに副申書を出して、これまた運輸省当局並びに国有鉄道に対して、これが実現を陳情いたしておるものでございます。ところが聞くところによりますと、国有鉄道総裁はこれに対して最近決裁を与えておるけれども、運輸省の自動車局におきまして、これに対して何か事情がありますか、この路線の操業について十分な御態度を見せていただけないということを、国有鉄道の関係者より私のもとに陳情が参つております。そこでこの問題について特にお願い申し上げたいと思いますのは、これは山形県の庄内交通との間の問題があるという点から、あるいは運輸当局において二の足を踏まれておるのではないかと思いますが、もしも問題があるとすれば、本楯から北青沢に至る間に、わずかに観音寺における一キロの競合線があるだけでありまして、これは問題にならぬ程度のものである。それからさらに申し上げておきたいことは、こうした地方の私鉄及び自動車関係業者の業務を、十分にその収益を考えてその営業の実績を脅かすような線はなさらないという運輸省側のお考えは妥当だと思いますけれども、むしろそれとは逆に、それらの民間企業が独占化して行くような傾向にある。これはひとりわが山形県のみではございません。全国各地にこの状態が行われています既得権というような考え方から、他の業者の入ることを拒み、国有鉄道がこれを行わんとしても、これを阻止せんとする運動を開始するものが多々あるのであります。そこで道路局長にお尋ねいたしますが、そうした既得権と考えておる独占的な交通会社で、休止線を五十キロも持つておるようなものは、国有鉄道がその地方において従来使用しておりました国鉄職員の配置転換のために必要とする新路線を要望した場合において、自動車局長は、これをどういうふうにおとりはからいになるか、その点をお尋ね申し上げます。
#77
○牛島説明員 主としてバスのことであろうと思いまして、バス事業に対するいわゆる独占という点について、お答え申し上げたいと思います。御承知のように、戰前と申しますか、戰爭中に至るまで、バス事業は小さな企業が非常に濫立いたしまして、そのために各種の弊害も生じておりましたので、当時の鉄道省といたしましては、これらに対しまして統合政策をとりまして、いわゆる一路線一営業主義という方針によりまして、統合を実施して参つたことは事実であります。しかしながら終戰後の状況の変化によりまして、現在におきましては、一路線一営業主義というものは方針といたしておらないのです。しからば各路線をすべて複数制の事業者にするかといいますと、これまた現状におきまして、必ずしもこの方針が適切であるとは考えられないと思うのです。ただ現在の事業者が行つております事業の内容なり、また能力なりが、当該路線におきますところの需要の要請に応じ切れない、あるいはまた応ずるだけの熱意を持つて経営しておられないというような場合におきましては、需要に適応するだけの事業者は認めておるわけであります。ただ問題は、現在の状況によりまして、需要と供給との適応の点につきまして、一般利用者からいたしますれば、交通機関のことでございますから、多ければ多いほど便利であるという考え方から、いろいろ御批判も受けるのでありますが、私どもといたしましては、当該路線の需要供給の関係においてこれを見て行くことを、道路運送法の免許の方針といたしまして、道路運送審議会においてもこの線に沿つて解決しておることと思います。また休止路線が多いというお話でございますが、現在各会社の休止路線も、全国を平均いたしますとまだ二〇%程度の休止路線を持つておる状況になつております。私どもといたしましては、この休止路線のよつて来た原因、理由に従いまして、各事業者はその事業の公益的な性質にかんがみまして、当然営業を開始する責任を有するのであるし、事業の再開につきましては極力勧奬をいたしております。しかしながら道路その他やむを得ない事情によるものはいたしかたないといたしましても、どうしても自分の営利の事情等からいたしまして、営業しないというならば、この際免許権を返上と申してはおかしいのですが、営業を廃止した方がいいというように考えておるのでありまして、最近において営業廃止の許可を申請して参るのも相当あるのであります。私どもとしまして、行政の方針として、道路その他やむを得ない事情によるものは、大体全路線の五%くらいではないかと考えておりますので、その程度にまで休止路線を減らしたいと考えております。
 それから国鉄の職員の配置転換のために、道路運送事業を行うのだというお話でございますが、これは正面切つて申しますと、道路運送法の免許の方から申しまして、どうも御賛成ができないのであります。やはり道路運送法におきましては、免許の基準を運輸大臣が公示いたしておりますので、その基準に適合することが必要ではないか。また正面切つて国有鉄道職員の配置転換、特に最近におきまして貨物自動車の関係を各所において廃止しておる。その職員のやり場がないからバスを開始するのだという要請が、確かに各地にあることはよく存じておりますが、ただそれだけの理由では、私の方としては御賛成できないといわざるを得ないわけであります。
 さらに御指摘がございました観音寺の問題でありますが、私どもよく存じておりませんものでありますから、詳細にお答え申し上げるわけには行きませんので、いずれ調査いたしまして御返答いたしたいと思います。
#78
○志田委員 この休止路線が全国に二〇%もそのままになつておる。これらの休止路線を持つておる営業会社が、自己防衛上、さらに新線の許可を出してその許可をとる。そうしてそこには、他の営業者ないしは国有鉄道が必要に応じてやろうとしてもできない状態になるということは、私は非常に遺憾だと思つておるのであります。先ほど営業廃止の申請をしておる者もあるということをおつしやつておりましたが、この道路とか橋梁が悪いということで、休止路線になつておるというのは、これはもう臨時的な問題だと私は思う。最初許可を与えたときには、道路の方もすつかり吟味いたしまして、橋もそれだけの重量のあるものを通してもさしつかえないような路線に限つて、当局はよくその状況を酌量いたしまして許可を出されておると思うのであります。その後において、天変地異によつて営業路線の道路が惡くなつたり、橋梁が破壊されたりということは、これは考えられます。しかし道路が昔許可されたときとちつともかわらない道路であり、そこには橋が一つもない――どんな天変地異があつても、ない橋がこわれるわけはないのでありますから、橋もないというようなところの休止路線が、営業の収益の問題だけを考慮して休止しているという状態は、全国にたくさんあると私は思つております。こういう点に対しまして自動車局長はどういうお考えを持つておるか、お尋ね申し上げます。
#79
○牛島説明員 ただいま休止路線のお話がございましたので、御参考までに、昭和十一年以降の休止率を申し上げようと思います。昭和十一年以降、昭和十一年におきましては五%、十二年も同じく五%、十三年は八%、十四年が一四%、十五年が一五%、十六年が一五%、十七年が一八%、十八年が一九%、十九年が四〇%、昭和二十年が六〇%、二十一年が五一%、二十二年が四二%、二十三年が四一%、二十四年が二九%、それから最近が大体二〇%、こういうふうになつておるのでありまして、この点は戰爭中におきまして、バス事業が非常に戰時的な影響を受けたわけであります。従つて当時におきましては、路線に対して非常に強圧を加えまして、ガソリンその他の節約のためにこうなつたのでございまして、終戰後バスも急激に復活して来て、復活の過程にあると、われわれは大体論としては言い得ると思うのであります。それから現在休止しているものの中には、戰爭中からの休止のものもございますし、また確かに経理上の問題等からして休止しておるものもあると思います。ただ事業の方をやつておる人たちに一応のりくつがあると思われるものは、戰爭中に統合をしましたときに一括統合をしております関係で、実際には運行しなくてもいい路線までも、一応免許権として承継をしておるわけであります。従つてそういうものも相当数あるものでございますから、現状においてそれを復活しなくても、さほど交通事業に影響を及ぼさない面も考えられるわけでございまして、この点につきましては、営業を廃止するなり、また再開するなり、計画を定めてやるように、各事業者に対してはいつておりますが、現在のところ、法制上で免許権が一ぺん与えられますと、永久的な効果がきくようになつていますので、営業を廃止するというようなことが、今の世の中には強制的にはできないような状態にありますので、再開を極力勧めて参りたいと思つております。
#80
○志田委員 もし免許権がなく運転しているというような事実があつた場合には、それに対して自動車局長はどういう処置をとられるお考えか、その点を承りたい。
 それからもう一つ、先ほど自動車局長は、人員の配置転換に対して、ま正面からそういう話があつても、道路運送法その他によつてこれはきまることでというようなお話があつた。局長は、日ごろあなたの友人その他から承りますと、非常に友情に厚い、情のこまやかな人であると私は承つておる。ところが事国有鉄道に関する限りは、昔同じ仲間であつて同じ飯を食つた国有鉄道の人員配置の問題は、馘首するか、人員配置するか――昨年私たちは、全国の貨物自動車の廃止線を廃止させないようにしてくれ。できるだけ合理化さして必ずやれるようにするからということを、運輸省その他の各鉄道局から請願、陳情を受けまして、その線に沿うて国会で鬪いまして、その休止廃止をできるだけなくするように私たちは努力いたしたつもりであります。ところが今日になつてみますと、国有鉄道は運輸省から別れて出て行つた子供でありまして――別にこれは家出した子供ではないのであります。その子供が食うに困つておつて、他に競爭路線もない、競合線は一キロ以内にないというような所を探しあぐねて、経営収支の上からいつては多少の採算外になるかもしれぬというようなところも合理化に合理化を重ねて、できるだけ収支をバランスさせて、そうして自分たちの力で立ち上るために配置転換の新路線を要望せられておる。こういうことに対して先ほどのお話はまことにつれないお話のように私たち承る。将来運輸省と国有鉄道とがそういう考えを持つて行かれるということになりますと、これは相当重大な結果を招くおそれがあると思いますが、それに対する局長の御答弁を承りたいと思います。
#81
○牛島説明員 最初に免許権なしに営業したらどうなるかという点でございますが、一般の事業車で免許権を持たない者が道路運送事業を行いますれば、無免許営業でございますから、それに従つた道路運送法の罰則の適用を受けることになります。また国有鉄道の場合におきましては、これは直接的には国有鉄道法による運輸大臣の許可を得ずして事業を開始したという法律的違反になると認められます。先ほどのお話は、私言葉が足りないのであるいは誤解を招いたかもしれないと思いますが、道路運送事業を国鉄が実際に行う場合におきましては、国有鉄道総裁が、運輸大臣の国有鉄道法に基く許可申請と道路運送法の協議を受けることになつております。その場合の理由といたしまして、ただ国有鉄道職員を配置転換するためだけで申請をされては、どうも道路運送法の建前からいたしまして、これはよろしいというわけに行かない。しかしながら、そこには他の業者もなく、かつ需要もあり、そうしてりつぱに道路運送事業としての値打がある運送事業を開始したいということになりますれば、これはもちろん事業として協議にも応じまするし、国有鉄道法の運輸大臣の許可もあることと信じます。
#82
○志田委員 よくわかりました。おそらく局長は言外の意味をくみとつてくれというつもりだろうと、私は私なりに解釈いたしておきます。そこで、免許権がなくて自動車運送業をやつている場合におきまして、今道路運送法による法律違反になるというお話がありましたが、全国で、免許がなくそういう法律違反をあえて犯しておる者があると思つておるか、ないと思つておるか、その点をお尋ね申し上げます。
#83
○牛島説明員 その点はまことに遺憾ながら、貨物の輸送につきましては、相当多数あるわけであります。従いましてそういう具体的の事例が実際問題として上つて参りますれば、現在の道路運送法の規定に従いまして、これに対しての監督をいたしておる次第であります。いわゆる営業用のトラック事業車と自家用車との問題でございまして、これはなかなか重大な問題だと思つております。
#84
○志田委員 そういうふうなことがありといたしますれば、これに対する監督について、今後どういう監督をして行くつもりか、それをお尋ねいたします。
#85
○牛島説明員 終戰後特に著しい現象といたしまして、トラツクの所有者が、いわゆる自家用車が営業用の自動車を上まわつております。現在実際に輸送しておりまする数量からいたしましても、自家用車の方が多いような状態になつておるわけであります。それで、全国に約六万台強の自家用車がございますが、そのうちの一部の者の中に、いわゆる一台持ちの方がおられまして、これが営業権なしに営業類似行為を行つておる。これを取締るということになりましても、自動車は常に動いているものでありますから、実際問題として警察官にお願いをして取締るより手がないわけであります。ところがこれを全部一括して一網打盡にするというようなことは、とうてい不可能でございますので、私どもの方といたしましては、各事業車の団体の代表者の方に集つていただきまして、自家用の組合連合会の方からも、貨物協会の方もみな集つて、輸送秩序の確立の委員会を開いて、各自家用車の組合員の方からも、営業類似行為をいたさないように嚴重な通知をしてもらいます。またその席には国警からも出ていただきまして、その取締りについて十分協力してもらうように懇請もいたしておるのであります。また各地におきましても、輸送秩序の確立という点にお互いに納得して、営業類似行為をなくするように努力いたしておるのでありますが、ただ簡單に警察力だけでこれを押えるということは、なかなか不可能に近い問題であるというふうに考えます。現在自家用車の処罰そのものが対物的な制裁というか、いろいろなふうになつておりますので、これを今後改正いたしまして、対人的な制裁を加え得られるようにいたしたいと、今考えておる次第であります。
#86
○志田委員 輸送秩序の確立のために、営業類似行為をやつておる者に対して、対物的な制裁をやめて、対人的な制裁によつて、できるだけそういうものをなくしようということはよくわかりますが、警察官などを動員しなくてもわかるようなことを、免許権をとつていない者がやつておるのであります。たとえばこれは貨物でなく、旅客輸送のある場合、ある区域からある区域まで、全然無免許でやつているような場合もある。こういう場合には警察権を発動する必要もありませんし――なるほど乗客を乗せている自動車ですから動きますけれども、一日数回往復をやつて、しかも免許権をとらずにやつている者があつた場合には、局長はどういうふうにお考えになるか。そういう者がおると思つておるか、いないと思つておるかその点を伺いたい。
#87
○牛島説明員 私もここ一年ばかりやつておりますが、そういう事態のあるということは、本日初めてお伺いした次第であります。
#88
○志田委員 それでは自動車局長に特にお願いいたします。自動車局長は、新潟鉄道管理局長に依命通牒を発しまして、そういう事実があるかないかを至急調査さして本委員会に報告することをお約束していただければ、私の質問はこれでとどめますが、いかがでございましようか。
#89
○牛島説明員 それは調べまして報告いたします。
#90
○永井(英)委員 まず第一に、ただいまの志田委員の質問と関連いたしましてお伺いしたいと思います。自動車局長は、対物的な処罰から対人的な処罰にかえたいという御意向でありますが、私は、現在の実際の貨物自動車の事情からいえば、免許をする場合に、三十台以上でなければいけないというようなことそれ自身に、多少むりがあるのではないか、現状においては、その台数もいま少し減して免許を与えた方が、ただ單に自動車運送の秩序確立ということの宣伝だけでは、とうていむずかしいのではないか、こういう考えを持つておりますが、これに対して自動車局長の御意見を承ります。
#91
○牛島説明員 実際に貨物自動車の免許を行います場合の基準といたしましては、そういう台数の制限は設けておらぬのであります。ただ実際に自動車運送事業が、近代的な企業として成立つて行くことは、これは経済の上からいいましても喜ばしいことであると考えておるものでありまして、以前のごとく非常に規模の小さくなり過ぎるような運送事業は、どうも全般的に考えまして好ましくない。従つてある程度の規模は持つてもらいたいということは常に考えております。三十台がいいか、五十台がいいか、二十台でもいいかというような点になりますれば、それは地域の経済事情との密接な関係があると思います。従いまして現在三十台でなければどうしてもいなけいのだというような基準は、設けておらないのであります。
#92
○永井(英)委員 では現在全国的に見て、最小台数は一体どれくらいになつておりますか。
#93
○牛島説明員 やはり前から残つておりますものでは、相当小さいものでございますし、現在免許するかしないか、いろいろ問題になつおりますものの中には、十両程度のものもございますし、しつかりした数字は今持つておりませんが、小さいものもございますし、経済地域によりましては、両数の少いものももちろん免許になることと思います。
#94
○永井(英)委員 それから先ほど管理局長から、私鉄の貨物が自動車輸送によつて相当食われておるというお話がありましたが、これは国鉄にも同様に相当影響しておると私は思うのであります。ことに最近は急行貨物というようなものが相当できておりまして、小口には相当自動車に食われておると思うのであります。それと同時に、バスが最近台数も非常にふえましたし、新しい、乗り心地のよいバスが非常にたくさんできましたので、これまた非常にたくさんな旅客を食つていると私は思うのでありますが、この営業の程度はどういうふうな事情になつておりますか、お伺いしたいと思います。
#95
○足羽政府委員 国鉄におきましても、近距離の貨物が、トラツクの影響を食つておるということは、確かにあると考えられます。自動車が最近非常に盛んに活躍をして参つたという事実の反面に、そういうことが相当あると思うのでありますが、これを数量的に換算いたします場合には、国鉄におきましても、今ちよつとここに資料の持合せはございませんが、小口貨物が昨年に比べて非常に減つておる。それは自動車に対する転化の数量が相当あると思いますが、しかしその数字の最も大きなものが、貨物の扱いに変更がございまして、貨物の小口をまとめて貸切の形で運ぶ、こういう新しい方法をとりましたために、小口で従来扱つていたものが貸切に非常に転稼して参つて、その数字が非常に大きく小口扱いの減少の数字に現れております。そこで自動車にどのぐらいの数量が転稼したかという点につきましては、私、ここにはつきりした推定の数字を持ち合しておらぬのでありますが、これは相当あると思います。ただしかし国鉄の貨物の全体の輸送数量を見ます場合に、昨年より全体としてやや上まわるであろう。こういうふうに本年におきましても推定を押えまして、自動車に近距離の貨物、及び小口の貨物が相当影響されるという点はあると思いますが、全体として見ます場合には、新しい輸送事情が起つて、つまり国鉄の貨物が減りつつも、さらに新しい数量が増加をし、また自動車で運ぶ分野の貨物もふえて参つた、大体こういう姿かと考えております。数字的に御納得の行くような御説明を申し上げられないことを遺憾と存じますが、大体の考え方なり傾向はそうであろうかと考えております。
 なお旅客につきましても、大型貸切が近距離の観光客を相当誘致して、非常に今活躍をいたしておるわけでありまして、これの影響は相当あろうかと思います。しかしこれがどの程度に自動車の影響であるかということにつきましては、これまた数字的にはつきり申し上げる材料を持つておりませんので、ここでは御説明をいたしかねます。ただ大体の傾向といたまして、本年度は予想よりは旅客の輸送量は少し下まわるのではなかろうか、大体昨年と同程度の旅客の輸送量くらいであろう、こういうふうに推定を押えております。
#96
○永井委員 国有鉄道の本年度の補正予算を見ますと、旅客数において二十二万人くらい減と書いてありますが、昨日もらつた四月から九月までの六箇月間の資料によりますと、約六千万人旅客数が減つておる。ところがこれをあと半年で、六千万人の旅客数がふえるかということは、私ははなはだ疑問じやないかと思うのであります。
 もう一点は、二十五年度の計画と実績がここに書いてあります。これで七月以降特需関係で非常に貨物がふえておるということがわかるのでありますが、実際特需関係を除いたならば、この計画と実績というものは、非常に大きな食い違いがあるのではないかと考えられます。従つてそういう点からいえば、やはり自動車業というものが、よほど大きな影響を与えておるのではないかと私は思いますが、その点はいかがお考えですか。
#97
○足羽政府委員 実は数字的御説明は今申し上げましたような事情で、はつきり調べた資料を持つておりませんので、申し上げかねるのでございますが、自動車の影響は、貨物なんかにいたしましても、確かに相当あると思うのでございます。しかし特需関係の輸送ももちろん貨物の増送の一部の原因にもなつており、あるいは貨物がふえた原因といたしましては、海運からの転稼という現象が見られるのではないか。こういう点をただいまいろいろ検討いたしておるのでございます。それが件別に、どういうものがどういうふうに、どの原因でどれだけふえ、どの原因でどれだけ減つたかということは、実はなかなか困難な問題でございまして、ちよつとただいま私から御即答申し上げかねる次第であります。
#98
○永井委員 それはまあ議論にわたるから申し上げられませんが、朝鮮動乱のために相当貨物輸送に圧迫を加えておるということは想像されるのであります。私は国連軍の輸送基地の附近の者でありますが、進駐軍の貨物が相当、その輸送基地よりもずつと手前の方まで停滯しておる。もちろんこれは軍事輸送でありますから、手は触れられないかもしれませんけれども、聞くところによると、日曜日の輸送は、荷おろしはやらないということでありますけれども、そういつた点は、ある程度、もしそういうことがあれば、荷おろしは何とか話がつくのではないかと考えますが、いかがでございましようか。
#99
○足羽政府委員 幸いそのことにつきましては、国鉄の輸送局長がおりますので、その方へ御質問願いたいと思います。
#100
○木島説明員 ちよつと速記を止めていただきたいと思います。
#101
○圖司委員長 速記をやめて。
    〔速記中止〕
#102
○圖司委員長 速記を始めて。
#103
○小野瀬委員 大体ただいまの永井委員の御質問に対する答弁でわかつたのでございますが、その他の点について二、三点お伺いしたいと思います。最近貨車まわりの非常に悪くなつた原因といたしまして、單に特需関係ばかりでなく、貨車を朝鮮の方に持つて行かれたのではないだろうかというようなことを、よく聞かれるのでありますが、そういう事実はありませんか。
#104
○木島説明員 朝鮮の方はゲージが違いますから、持つて行つておりません。
#105
○小野瀬委員 私もそう思うのですが、戰時中、朝鮮が日本に属しておつたころには、日本の軌道の幅は狹軌でございますが、あれをすぐ拡げられるようにして、よく朝鮮あるいは満州に使つたというようなことを聞いているので、そういうことがいわれるのではないかと思いますが、現在はお使いになつておらないのですね。
#106
○木島説明員 それは、貨車の軸の長いのと短いのとありますが、それは通常長軸といいまして、工場に入れまして工事をやりまして、その上持つて行けることにはなつておりますが、そういうことはやつておりません。
#107
○小野瀬委員 よく聞きとれなかつたのでございますが、事変以来急激に貨車まわりが惡くなつている。現在では貨車の要求量に対して、配車は何パーセントまで行つておるのですか。
#108
○木島説明員 昨日で四五%でございまして、十一月の下旬は四四%であります。
#109
○小野瀬委員 現在で四四%くらいといたしますと、来年度になりましても、朝鮮事変が片づかないという場合には、ますます貨車まわりは今よりもひどくなるのじやないかと考えておりますが、お見込みいかがでございますか。
#110
○木島説明員 もし滯貨が現在のような状態で、出荷の情勢が旺盛でございますれば、そのように考えられると思いますので、私どもといたしましては、先ほど御説明申し上げましたが、貨車の数量をふやすということを計画いたしております。
#111
○小野瀬委員 今年の秋の肥料の輸送等につきましては、非常に悪くて、類時配給ができなかつた、こういうような状況にあるのに、来年は、春肥になりますと数量もずつと多くなるのでございますが、こういう輸送につきましては、特に、便宜をはかつていただけるようなお考えはあるのですか。
#112
○木島説明員 先ほどちよつと御説明を漏らしたかと存じますが、事変以来急激に貨車が引詰つて来た原因は、特殊輸送のほかに、もう一つあつたのであります。それは今の肥料で思い出しましたが、肥料公団がなくなりまして、肥料を肥料会社の方がじかにお送りになる。そうすると、従来は先送りを願つておつたわけですが、その先送りがなくて、いろいろの関係で需要期に殺到する。それから石炭その他いもであるとか、いろいろの物資の統制がとれまして、自由市場になりまして、一時はいもが大阪の市場に殺到いたしまして、いもを積んだ貨車ばかり吹田に二百輛も集まり、そして市場の方ではそれがどうにもならぬというような、それに似た混乱があちらこちらにあつたのであります。それで、先ほどの肥料のお話でございますが、肥料は秋肥に間に合わなければ意味をなさぬので、私どもの方では優先輸送の手配をいたしまして、大いに馬力をかけて解消したつもりでございます。ですから、春肥につきましても、毎年――戰前のずつと前から、春肥輸送という特別な全国的な会議をやりまして、荷主の方々から、どこからどこに、どれくらい出るという資料をいただきまして、それを計画に乗せてやつたものであります。ぜひ来年の春は、そういうふうにお願いしたいものだと私ども思つておりまして、農林省の当局とかその他と交渉したいと思つております。今年の秋肥も農林省の農務局長にそれをお願いいたしまして、ただ肥料が困るでは私どもの方でもほんとうに困るので、どこからどのくらい肥料が行くのだという、そのデータをください、そうすればそのような処置をとるからというお話をしたのでありましたが、とうとう今年は出ませんでした。ぜひ来年はそういうように軌道に乗せたいと思つております。
#113
○小野瀬委員 よくお話はわかつたのでありますが、この逼迫した輸送状況を打開するために、貨車の数量を数千両ふやされる、数千両というのは五千両くらいだというお話でありましたが、それだけの数量はちようど現在の貨車の数から見ますと、十万輛というお話でございましたから、二十分の一しかふえないわけでございます。これで、ただ貨車の台数をふやしただけで、輸送難が緩和できるかどうか、お見込みを伺いたい。
#114
○木島説明員 貨車の数量をふやしただけでは不満足でございまして、そのほかに私どもの方で、先ほどお答えいたしましたように、荷役を敏速にやつていただく。その他私どもの專門でございます輸送技術をあれやこれやとやりまして、十分な能率を上げようと思つております。
#115
○小野瀬委員 その輸送技術が必要だと私ども考えるのでございますが、輸送技術につきまして、私は申し上げるのですが、たとえば長距離の貨物にだけ貨車を使つて、きわめて短距離のものは自動車によるというのも一つの技術面だと思うのですが、その反対に、長距離を輸送すると、一つの貨車が非常に時間を要して、帰つて来るまでに幾日かを要する。近い所へその貨車をまわせば、何回にも使えるから、非常に輸送の能率が上つて行く。さようにも考えられるのですが、こういう点はお考えないですか。
#116
○木島説明員 今の輸送の順序でございますが、これは鉄道営業法にも歴として上つておりますように、先着順にいたしております。特別な輸送上の理由、公益上の理由のない限り、前のやつをうしろにするということはやらぬ建前になつております。従いまして近距離だからやらぬ。あるいは長距離だからいやだということは、できない建前になつております。そこで今あれやこれやと言つてお笑いをいただきましたが、私ども実は今やつておりますのは、最近大型の三十トンの貨車をつくつたのであります。これはスピードが客車のスピードの出るのをつくつたのであります。それでもつて北陸の米を大阪に、新潟の米を東東へという輸送をやる。その米を集結いたしまして、夜中に客車のスピードで北陸地帶から大阪へ、大阪で晝間荷役して、今度夜中に空車が帰る。私どもはこれをピストン輸送と名づけておりますが、そういうことをやつております。その他大量にまとまる荷物は、現在では東北方面で硫化鉱をそういうふうにやつておりますが、この間試運転をやりまして、客車のスピードでやつておる。それから北海道の石炭の輸送、九州はまだそこまで行つておりませんが、これは着発に大量の荷物のある所に限るのであります。肥料の問題につきましても、実はこの間皆さんが見えましたときに、私の方ではそういうことをやりたいから、一体どこの港から、どこからどこに、どういうふうに行くのだということを教えてくだされば、それをやる。それでなければ個々の貨車が各駅から出て来まして、それを操車場というたまりに持つて行きまして、そこで仕わけをして、そうしてまた次の操車場に行つて、そこでまた仕わけをしてやる、こういうふうにするということになつておる。そういうふうに輸送をやらなければうまく行かぬわけです。操車場に入れますと能率のよいところでも八時間ぐらいかかるわけであります。ところが今言つたようなことにいたしますと、その操車場を通過して、旅客列車のように飛んで行くわけであります。そういたしますとこの間の東北の例で申しましても、毎日一車すつ貨車を使うには、行つて帰つてと、こうなりますから、六輛いる勘定になるわけであります。それが半分の三輛で済む、従つてその貨車がほかにまわる、そういう荷物をできるだけつまみ出して、そういう輸送に乗せて行けば、全体として能率が上る、それには荷役をする方に相当の努力をしていただかなければならぬ。それからかける方も相当の努力がいる。それが先ほど申しましたあれやこれやの一つの手であります。
#117
○小野瀬委員 近距離輸送に対しましては、自動車輸送ということを相当に御考慮なさる必要があると思いますが、その自動車輸送の問題で、先ほど永井先生からお尋ねになつたように、営業としての許可は、大体三十台を限度として許可しておる、標準としておるというようなことを言われておるのでありますが、あなたの御答弁によりますと、何台でなければいけないということは言わない。そういうふうなお話でありましたが、実際におきましては三十台以下ではほとんど許可にならないような状況にあるようです。もしそれが許可にならないとすれば、現在の自家用車といわれておる自動車の所有主も、もとは二台、三台をもつて営業を営んでおつたのを、戰時中に統合されまして、現在は自家用というようなことに相なつておるのですが、これに対しましては何らか救済の方法をお考えになる御意思はありませんか。
#118
○牛島説明員 自動車の運送事業の免許基準というものは、先ほど申し上げましたように、台数の制限というものは設けておらぬのであります。ただ公益的な事業でございますので、その経営の基礎というものはしつかりしておらねばならぬ。またことに貨物輸送事業のような場合におきましては、またバス事業のような場合におきましては、一ぺん事故でもございますと、相当多額の賠償ということもしなければならぬ、従つてその会社というものは、相当経営基礎もしつかりし、また資力、信用という点もしつかりしておらなければいかぬというのが、根本の観念になつておるのであります。従来いろいろと免許の出願がありましたが、その場合に、非常に経営が小さいという点だけで、免許不適格になるという場合はまずないのであります。ただ資力信用の面であるとか、あるいは一応は二十輛、三十輛の会社でありましても、実際は一輛持ちの自家用の運転手さんが、ただ集まつて会社の形体をとつておるというような、いわゆるどんぶり勘定のような会社形体であるというような場合は、資力信用の面からも相当強く検討を加えられて、その結果免許不適格となつたものもあるかと思います。それで、その点で道路運送委員の方で、実際に公聽会等を開きまして、その心証に基いてつくつてくれるのですが、資力信用のない方に免許をするにいうことは、私どもとしては困る。そういうふうに資力信用であるとか、公益増進であるとか、あるいは輸送力の需要供給の均衡を保つというような点、あるいは緊急性であるとか、いろいろの免許基準であるのでございまして、台数だけではないということだけは御了承を願いたいと思います。
#119
○小野瀬委員 免許基準が台数によるものでないということを言われましたが、もし信用とか、資力とか、そういう点が重点的に考えられ、あるいは公益増進とか、そういう問題が考慮に入れられるということはごもつともでありますが、もし信用資力の点で認可にならないということであれば、企業組合のようなものをつくつて、これで事業を営むようにいたしましたらいかがなものでありましようか、
#120
○牛島説明員 企業組合による出願も、タクシー等では東京附近に出ております。私どもといたしましては、企業組合のものをまだ免許いたしたことはございませんが、企業組合というものは、定款のつくりようが非常に問題になるのであります。組合員がかつてに脱退もできれば加入もできるというような点で、その会社の基礎とか、その団体の基礎とか、あるいは資力信用を組合自体として守つて行けるかというような点も、十分考慮しなければならぬと思います。すべての運送事業、乗合自動車であるとか、あるいはトラツク積合せのごとき、相当の資本を要するものであるとか、あるいはいわゆるトラツク事業であるというようなものに、企業組合が適応しておるかどうかという点になると、非常に疑問がございますが、私どもとしては、いわゆるタクシー業程度のものであれば、定款の内容いかんによりましては、企業組合でもけつこうではないか、公益性の程度と申してはちよつと語弊がありますけれども、そういう観点で一応のものを考えております。
#121
○小野瀬委員 加入脱退などの点は御説の通りでございますが、性格的にも、同じ法人でもたいへんな違いがありますから、お話はごもつともでありますが、現在の事業を許可されている事業者について、その中にも台数も十分持つており、車籍は三十台分持つておつても、実際にあるものは五台か八台しかない。しかも信用、資力の点においても、認可を受けた当時から非常に内容がかわつているというようなものがあるならば、むしろあとからできた威勢のいい企業組合の方が、資力信用の点においても信用があるのではないかというように考えられるのでありますが、御意見はいかがでありますか。
#122
○牛島説明員 トラツク事業者の育成ということにつきましては、戰時中にトラツク事業の統合を行いまして以来、相当考慮したことは事実でありますし、今後においても考えて行かなければならぬと思います。ただ現状のごときこういう経済情勢、こういう社会情勢になつて参りますと、昔の小さなトラツク事業者がおのおの集まつて、お互いに社長になり、あるいは重役になりしてうまくなりますと、割合に荷動きが不活発であつた昨年度、本年度の初頭におきましても、相当小さく分裂したいという希望もございました。そしてある程度分裂したところもございます。これに対して、あるいは通運事業の免許の場合においても、相当数のトラツク事業者が免許を受けた事例がございます。また先ほど来いろいろ問題になつておりますいわゆる積合せ事業、小口の路線事業についても、相当数のキロを認めて、トラツク事業育成の一端に資しておるわけでございます。私どもといたしましては、積合せ事業のごときは、現状におきましては、何といいましてもトラツク事業をするものにとりましては、相当現状有利な事業になると思つておりますが、こういうものになりますと、やはり性能のよい車輛を持つとか、施設その他で相当の資本もいると思います。そういう面にかえつてトラツク事業者としては進出して行くべきであつて、小さく小さくわかれて行くということは、結局トラツク事業者が近代事業の列から落ちて行き、また昔のいわゆる運送屋さんにもどつてしまうのではないか、それよりは進むべき道は、やはりもう少し積極的な考えに立つて、通運事業なり、あるいは積合せ事業をも兼営してでも、しつかりした事業にして行くことの方が、日本の経済の上からいつても望ましいのではないかというふうに考えているわけです。現実はまことに遺憾ながら、地方によつてはトラツク事業者がみずから分裂して行くような傾向にあることはお話の通りであります。
#123
○小野瀬委員 あまり長くなつてお気の毒ですが、あと数点聞きたいと思います。
 運転事業法でございますが、先般の議会で改正されまして、ある区域において運送事業を許可された者は、トラツクは当然許可なしに並行して許可されたものとなるというような意味の法律でございますが、今のようなお話であれば、もしそういう事業を営む場合には、小運送店の許可をとることが考えられるのであります。その点はいかがでありましようか。
#124
○牛島説明員 ただいまの御質問の御趣旨は、おそらく通運事業、小口運送業のいわゆる日通と同じような仕事だろうと考えます。確かに通運事業法を制定いたしまして、通運事業の免許を受けた者は、同時にトラツク事業の免許を受けた者と見なされることになつておりますが、しかしその事業というものは通運事業を行うために付随して起るところのトラツク事業でありまして、どこからどこまで駅から離れてしまつた荷物をトラツク事業でやる、同時に事業ができるという意味合いではないのでございまして、法律上の精神は、やはり通運事業のめに国鉄の鉄道荷物を集荷し、あるいは配達するために必要なトラツク事業である、こういうふうに御了解願いたいと思います。
#125
○小野瀬委員 運送困難を緩和するために、技術の面でいろいろお考えになつておられるというお話でございますが、その技術の中に荷役の点も指摘されておりましてまことにその通りでございます。各駅に行きましても相当量の荷物があるが、一駅において一店であるために荷おろしができなかつた。これを二店にすればたいへん迅速に荷おろしができるというような駅が所々にあるわけでございます。もちろん一駅一店主義という制度は新しく法律によつて廃止せられまして、今は荷物の分量に応じて、二店あるいは三店も許可になるということでございますが、数量がどれだけあれば二店になるというような限度がございませんか。
#126
○牛島説明員 お答え申し上げます。通運事業法を、さきの国会で御審議願いましてその後実施しておりますが、現在実際にやつております状況は、鉄道の駅を中心にして一つの経済地帶に向つて、そこの取扱い数量の大小に基きまして、便宜たくさんの数量のところから回収をいたしまして、現状において第五次の指定までやりまして、すでに約百九十店くらいを免許しております。現在は大体取扱い数量を十万トン程度のところまで免許の審議の対象にしております。今後はさらに全面的に申請を受付けるということになつております。実際には現在戰時中から日本通運だけがこれを取扱つておりましたので、今後新たに免許になつたものが、どの程度の荷物が取扱い得るかどうかという問題にかかります。その駅自体の数量が幾らというよりは、その駅なり、その経済圏の中においての数量が幾らあるか、それを日本通運が現在幾らやつているが、そのうち実際に免許を申請したものが、どの程度やり得るかという事業計画によることだと思います。また事業計画によつて、たとえば十万トンのうち、自分は新たに事業計画三万トンをやる。そうするとその三万トンを基礎にしてすべての資金の計画も、車両の計画も立つべきものでありまして、その計画が妥当であるかどうかという検討になると思います。大体見通しとしましては、年間三万トン程度でないと、まず商売にならないのじやないか、こう考えられるわけであります。従つて取扱い数量の大きいところならば、相当数量のものが新たに免許になつた人にたくさん出ますから、それがたとい一店であろうが、二店であろうか、経営は成立つて行くだろうということは想像がつきます。ただ小さな駅とか取扱い数量の少い駅になつて参りますと、そこに新たに二店なり、一店以上のものを免許いたしますと、経営がなかなか困難になりはしないかと考えられます。すでに営業開始をしたものについては順次成績はよくなつておりますが、何分通運事業というものは各地に取引がございますので、全国四千からあります各駅に、新たに免許になるものが全部出そろいませんと、一つの網状組織ができない。日通に対抗できないというような関係もございまして、ただいまのところでは大きな都市にありましては、自然消費地帶に新しく免許業者ができておりまして、生産地帶にはまださほど普及していないというような、過渡的な状態でありますが、漸次成績がよくなつて来ている会社も相当ございます。しかし全般的に申し上げますと、日通が取扱つておりましたものの、約一割ないし一割五分程度を新たな免許業者がやつている、こういうような程度ではないかと考えられます。
#127
○小野瀬委員 新たに免許する場合に、数店一緒に、つまり数駅に関連して申請があつた場合には、一緒に許可になる場合もありますか、簡單にお答え願います。
#128
○牛島説明員 大体方針といたしまして、中心になる駅を指定しておりますから。その左右にある小駅を入れてというならば、それで承認を与える場合もあります。
#129
○小野瀬委員 新たな運送店の場合には、網状組織が完備していないので、日通に対抗できないというお話でございますが、運賃の交互計算というものについて、当局はどうお考えになつておられますか。
#130
○牛島説明員 現在の通運事業法によりまして、交互計算事業は、やはり分荷事業にしてございますので、新たな方が交互計算を申請されれば、これはやはり運輸審議会の諮問によりまして認可することになる、現状におきましては日本通運が負担してやつておりまする交互計算だけでおります。それではもう一つの新たに免許したものだけが、利用することができるかどうかという問題でございますが、これは私どもといたしましてはできることを望んでおります。しかし実際問題となりますと、現状において今すぐにこれをやりますと、交互計算の費用が相当かかる点もありますし、法律をつくるときのいきさつもございまして、事業者団体法の適用除外をしてないということが、がんになるのでありまして、この点は公正取引委員会の方においても、その実情をよく知つているものでございますから、早晩解決したいと考えております。
#131
○小野瀬委員 むしろ現在のような網状組織が完備していない現在の交互計算の方式は、事業者団体法の適用の除外を特別受けて、一つの現在の交互計算組織をもつて、何ら区別なしに交互計算を行うような方式を、当局においておとりになることが、私は賢明で、適当である考えておりますが、お考えいかがでございますか。
#132
○牛島説明員 新たな計算事業の申請がございますれば、その案に従いまして審査し、認可しなければならぬと思いますが、現状においては先ほど申し上げたように、事業者団体法の適用除外になつていないものですから、まずこれをやりたいと思います。これにはちよつとその筋の関係もございまして、できなかつたわけでございますので、これは公正取引委員会においても、よく事情を知つておりますから解決すると思います。また現状においてただちに新たな計算事業ができるかどうかという問題になります。交互計算の費用を負担いたしておりますのは――現在日通に入つているものは、実際に費用が安いわけでございます。ところが新たにつくりますと費用が高くなるというところに難色があるので、なかなかできないのじやないかと思います。できることを望んでいるのであります。
#133
○小野瀬委員 私の言うのは、あなたのお答えと違つて、一つのしつかりした交互計算機関が現在あるが、それもみな加入させて二元的にやらずに、丸通で一元的な交互計算方式、しかもその加入者につきましては何ら区別なく、たとば停車場の施設なども区別なしに使う、新たに許可になつた運送店も、その交互計算に入つて、新たなものをつくらずにやつて行つた方がいいのじやないかと私は考えております。
#134
○牛島説明員 現状は日通に全部入つて平等の取扱いを法律に従つて受けているわけでありますが、東京附近の新免業者の話を聞きますとまた新免許業者のみで一つの協会をつくつておりますが、そういうところの動きを見ておりますと、やはり商売取引の秘密の関係がいろいろあるそうで、新たなものをつくりたいといつていることを私は申し上げているのであります。
#135
○小野瀬委員 貨物輸送の方はそれで打切りますが、旅客輸送の点についてお尋ねいたしたい。旅客の輸送につきましては、もちろん幹線に重点を置かれることが至当だと思いますけれども、常盤線とか、高崎線とか、ああいう短い距離の旅客輸送については、非常に虐待されているように思います。これを改良されるお考えがございますか。
#136
○木島説明員 旅客輸送にあたりまして列車回数をいかにきめるか、こういう問題でございますが、支線の方は大体今一番少いところで、北海道で三往復ぐらいのところがございます。これは非常に交通量の少いところで、内地ではそういうところはございませんが、貨車と一緒にやつて五往復までやつております。こういうところは交通量も少いので、それに四千円もする石炭をたきましては合わないのです。合わないからといつてやめるわけにはいかぬというので、将来の方策といたしまして、ジーゼル動車をつくりまして、これでもつてやろうということで進んでおります。
#137
○小野瀬委員 まだ伺いたいことはたくさんありますがこの程度で打切ります。
#138
○岩川委員 木島局長にお尋ねしたいと思います。さつき数字を伺いますと約百万トンで事変前より大きい滯貨である。それに三十八万トンくらいの輸送量だというお話でございます。そうするとこの百万トンはまだ当分続くと見られるわけでありますが、これは財界、金融、つまり経済安定方面からいうと、たいへん大きな問題になつている。ところが貨車が来年になると五千両注文する、注文がいつできるかわかりませんけれども、それが解決せなければ、さつきからお話のようないろいろな点で、輸送力を増すより方法がないという御説明でございますが、その中で私どもができるのではないかと考えられるのは、一体荷役というものは人の力で大体やるのですが、もつと労力を増すという方面に鉄道が力を入れられるならば、たとえば夜通しでも仕事をやらせるという点がまだ残つているのではないか、そういう点はどうお考えになりますか。
#139
○木島説明員 第一点のお話の、滯貨が百万トンまでくらいこれがずつと続くのではないかというお話でございますが、実は例年の傾向を見ましても、秋冬繁忙期の十月、十一月、十二月になりますと、これは毎年ふくれるのでございます。昨年のごとく、先ほど説明いたしましたように、年間およそ五十万トンの滯貨量をしたときにも、十月、十一月ごろは百万トンになつている。これは先のことはわかりませんが、私どもの経験で申しますと、貨物輸送は十二月二十日ごろが山でございまして、それから落ちて来まして、一月になれば相当落ちるのではないかと存じております。それから一面考えますと、どこの事業でも輸送の滯貨というものは、事業で申しますと原料のようなものでございまして、少くとも二日分くらいの原料がないとうまくいかぬようなもので、五十万トンのようなときは、あつちの貨物列車が休み、こつちのが休みという状態になつております。そういうわけで先のことはわかりませんが、十二月二十日ごろから少し出荷の情勢も、毎年のことを考えますと落ちまして、一月には相当落ちて来るのではないか、それからまた年度末になりまして少し上つて来る、こういう情勢になるのではないかと思います。
 それから第二点の夜の荷役をしたらどうかというお話でございますが、鉄道自体といたしましては、夜晝休みなしにやつているわけですから夜貨物列車の到着もございます。ところが荷おろしの方は、小運送業者がやつているわけでございます。あるいは荷主さん直接でやつているわけであります。この小運送業者あるいは荷主さんに、どうぞ夜間も休日も、繁忙期だけはひとつやつてくださいとお話して、それに応じてくださつて、相当能率を上げていただいております。
 それから機械化の問題ですが、これは私どもの方で逐次やつております。今駅に行つてごらんになるとわかりますが、いろいろ道具を入れて、十分とは申しませんが、できるだけ努力いたしております。
#140
○岩川委員 そうすると鉄道の方では夜間も十分やつておる。ただ相手の荷受人の方で、もつと努力してくれれば、こういうものは滯貨にはならぬという結論になるのですか。もしそうであるならば、私はこれは簡單にさばける問題じやないかと思います。受入れ人の方の働きだけで、今の輸送が緩和するというのは事実でございますか。
#141
○木島説明員 それは荷役の問題を取上げた場合でございまして、今度の輸送難というものは、荷役だけの原因ではございません。先ほどちよつと説明漏れがありましたかと存じますが、貨車の輸送距離が、戰前は一車当り平均して百六、七十キロでございました。それが最近は二百三、四十キロになつております。従つて貨車に荷物を積んでいる間が長くなるというようなこともございますし、いろいろの原因が錯綜しております。荷役の点を申し上げますと、夜間作業なり何なりをやつて、少し強化すればよくなる、こういうことでございます。
#142
○岩川委員 そうするとやはり鉄道に関連を持つておるのであつて、相手の荷受人の問題だけではなくなるわけですね。私ども毎日見ておつて考えられるのは、さつきお話のありましたように、労働基準法などがあつて、夜間勤務させることができぬから、荷役ができないということがありますが、そういう方面に何か特別の方法でも講ぜられるのではないか。
#143
○木島説明員 労働基準法があつて夜間荷役ができないというのではございませんので、あの規定で割増しがどうとか、交代がどうとか、勤務時間がどうとか、いろいろ規定がございまして人をかえなければならない。そうすると人手がつまるとか、あるのは経費が増すということを御説明しただけでございます。要するに戰前と戰後と、いろいろ荷役状態の基本的な問題がかわつて来たので、戰前のようになかなか参らぬので困つております。こういう説明でございます。
#144
○岩川委員 現に時間外勤務というのがございますが、時間外勤務をやつてもらえば今より一層荷役が増し得るので、そうなれば今のように賃金の問題だけで解決するのではないか。こういうように考えられるのですが、賃金問題だけとすれば、鉄道だけの問題でなくて、荷受人とも相談してさばくことができるのじやないか。私はそこまでやることが必要な事態になつておると思う。現に荷物の運搬ができませんために金融がつまる、賃金も払えぬという会社、個人商店がたくさんできておると思うのです。こういう事情も御考慮になつて、もつと積極的な手でその辺に打てるものが残つていないか、お伺いします。
#145
○木島説明員 仰せの通りであります。私どもの方では国鉄、大荷主が寄りまして貨物輸送協議会というものをつくりまして、それで寄り合つて、今の問題を協議しております。先般その会合がありましたときに私の方からそういう事情を申し述べまして、ぜひ少くとも繁忙期だけは、今お話のございましたような態勢に立てていただくようにそこでお話合いをしまして、御依頼状の通知をいたした次第でございます。
#146
○岩川委員 なお一段の御努力を希望して質問を終ります。
#147
○福井委員 本日私は運輸省の鉄道技術研究所の方の招待があつたので、そちらに行つていろいろ解決しようと思つておりましたところが、そういうわけに行かなくてこちらに出て参りましたので、簡單にお尋ねいたします。一口で御返事できることであります。輸送能力の増強その他のことについて、私たちの分野では、技術上の問題が大分各委員から出ました。この点について、私はかねて思つておつたのでありますが、いろいろ日本の国情で簡單には参らぬかもしれませんが、輸送能力の増強について、三フイート六インチを、四フイート八インチ半にするという考慮が将来あるかないか。第二は、欧州方面において、バスその他の輸送が非常に発達して来ておる。日本の交通問題と関連して、早急には簡單に解決できないかもしれませんが、そういう方面について鉄道輸送だけに重点を置くか、バスの方に重点を置くかということについて、お考えがあればしさいに承りたい。簡單に、前のはあるのかないのか、次のはどちらであるか、一口でよろしゆうございます。
#148
○木島説明員 今の狹軌を広軌に直すかどうかという問題でございます。これは戰前にはそういう考えがございまして、御承知のように彈丸列車というものを計画しておりましたが、今日となりましては、まだその議は上つておりませんし、財政的に非常に困難ではないかと思います。
#149
○足羽政府委員 汽車とバスとの輸送分野の策定という意味の御質問かと思うのですが、かつて東海道の広軌の列車計画が戰前に考えれました場合に、もしこれをトラツクでやるとすれば、鉄道を敷く場合との経営比較がどうなるかということを想定して、研究したことがあるのです。そうしてたしか四つ平行の自動車道路をつくりまして、そういうふうに仮定して列車との比較をいたしますと、やはり列車の方が、経済的にも有利であるという結論が出たように私、記憶しております。旅客にいたしましても、あるいは貨物にいたしましても、汽車で運ぶ場合とトラツクあるいはバスで運ぶ場合と、それぞれの交通機関として特殊性がございますので、あるいは短距離の貨物、あるいは長距離の貨物、あるいは非常に大きな数量の輸送、あるいは少量の輸送について、それぞれそこにおのずからの分野というものが当然考えられる。それを将来どういうふうに考えて指導して参るかということは、運輸行政を担当するわれわれとして、愼重に今後検討すべき問題である、こういうふうに考えております。
#150
○多田委員 先ほどの交互計算ですが、それが団体法でできないというお話ですが、現在運輸関係で団体法のことに特に関係のあることであります。すなわち先ほど来お話がありましたように、自家用車の営業的な活動に対して、それぞれの団体に対して自粛させるような委員会なり、あるいは具体的な方法を指示されておるようなお話でありましたが、これらがどうしても鉄道として必要なことであつて、これらの団体に対する団体法からの適用除外というようなことを一応考えられておるかどうか。もう一つ、これは九州方面でずつと問題があつたようですが、バスの新しい路線の免許について、既存の業者あるいはバスの協会等の意見を徴されたようなことを聞いております。今後も新規の路線の免許に対して、こういう既存業者の意見を徴されるような考え方を持つておられるか、この点についてお伺いいたします。
#151
○牛島説明員 先にバスの方からお答えいたしたいと思います。どういう事案かよく存じませんが、バス事業の申請がありましたときに、既存業者の意見を聞くということはないわけです。ただ既存業者として公聽会その他において、利害関係人としましての意見の開陳は当然あるべきことだと思います。ただ実情を申し上げますと、新たに免許を出願いたしますと、既存業者が反対するということは、これはどこにおいても、まず十中の八、九反対をするわけでございます。その場合に、実際に免許権によつて解決せず、運輸協定によつて実際の運行を確保しておる場合が非常に多いのであります。九州等におきまして、現在福岡を中心といたしましてあるいは大分に、佐世保に、態本に多数長距離のバスが動いておりますが、これらのうちには、運輸協定によつて成立しておるのが非常に多いわけであります。新たに免許出願したもの、あるいは既存業者が相互に協定を行いまして、運輸大臣の認可を受けますと、独禁法の適用の除外になるわけですから、免許権を得ずして、両者の協定によつて運行を開始しておる事例が多いわけでございます。こういう場合には、よく陸運局長におきまして仲介の労をとつてやる場合がございます。そういう点で意見を聞いたと言われるのではないかと考えますが、いかがでございましよう。
 それから最初の方は……。
#152
○多田委員 最初にお伺いしましたのは、自家用の自動車が、営業貨物を扱うというような場合に、そういつたことのないように、それぞれの団体に自粛させるような委員会なり、あるいは具体的な方法を指示されるというようなお話でございましたが、これらの委員会なり、あるいは団体が必要であるという考え方のもとに、そういつた措置をとられておるかどうかということ。
 それからその次にお伺いしたい点は、自家用の自動車による一般貨物輸送を全然認めないという点と、営業自動車の認可の基準が三十台あるいは先ほど企業組合ではいかぬというお話があつたが、こういつた制限を設けること自体が、輸送をさらに困難ならしめるというようなことになると思いますし、自家用自動車につきましても、たとえば帰り道等に空車で帰るという場合には、特別に営業貨物の扱いをさせるというような、適宜な処置をとることが至急だと考えておりますが、これに対する見解を伺いたい。
 さらにいま一つ、これはきようおいでの方の関係かどうかわかりませんが、新駅を設置します場合に、その設置に要するところの費用の負担を、地元負担に仰いでおるのが現状のように聞いておりますが、中には必ずしも全部を地元負担に仰がずに、一部は国鉄が負担しておるというような場合があるやにうわさを聞いております。これは大体全部を地元負担ということが原則であるかどうか、あるいはその場合に適宜な方法ができるのかどうか。
 その次に、朝鮮事変に関係して、相当海運輸送の関係でチヤージが上つておる、あるいは船のチヤーター料が高くなつておるというような関係で、一般海運貨物の取扱いについての国内的な影響が非常に多いというようなことを聞いておりますが、それらの影響がどの程度あるか、あるいは今後の見通し、この点について、簡單でけつこうですからお伺いした。
#153
○牛島説明員 現在輸送秩序を確立して行くために、輸送秩序確立委員会というものをつくつております。これは自動車事業関係の団体が種々あるわけでございまして、乗用車関係のもの、タクシー関係のもの、あるいは乗合自動車関係のもの、農業協同組合関係のもの、日本通運であるとか、通運事業関係のもの、いろいろございますが、これらの団体はみな親睦を目的としまして、全国の事業者が集まつておる団体でしかもこれが地方に各組織を持つておるわけでございます。従いましてこういう各団体の方に集まつていただき、しかも運輸審議会であるとか、道路運送審議会であるとか、私どもであるとか、国有鉄道の自動車の関係であるとかいうものが相集まりまして、お互いに懇談し会つて輸送秩序を確立して行こうじやないか、そうして角突き合せてお互いにけんかしないで、納得の上で事業をやつて行こうという意味合いでやつておるのでありまして、そういう団体を集めるためにやつておるのでございますから御了承を願います。
 それから自家用の空車で帰る場合の利用方法につきましては、乗用車輸送方策というものがございまして、帰りにはその荷物を持つて来ていいということに一応相なつておるわけでございます。
#154
○足羽政府委員 鉄道の駅は鉄道で建てないで、町の寄付が原則だというお話でありますが、私たちの考え方では、鉄道の費用でやるのが原則だと考えております。ただ非常に駅の新築、改築の御希望が強うございまして、そういう場合に、まだ全体の順位から見る場合には、その駅はあとだというような場合に、その地元の方で、ぜひ町の方で費用を持つから、あるいは資材を持つから建ててもらいたいというような御希望が強いところには、ある程度それを鉄道の方でお受けするという事例がままあるのでありますが、それはむしろ例外であると私は考えております。
#155
○森山委員 本日御出席の政府関係の方に御答弁できるかどうか知らぬのでありますが、国鉄は独立採算制を建前としておるそうであります。そうして各路線によつて収益の多いところもあり、少いところもあるのであります。その独立採算制というのは、国鉄全般についてお考えになつておられるのであるか、あるいは個別的に各支線等についてお考えになつておられるのか、伺いたい。
#156
○足羽政府委員 鉄道全体としてそういうふうに考えておるわけであります。
#157
○森山委員 そうしますと収益の非常に少い路線、たとえば足尾線というようなものについて――これは国民経済の立場から、御承知の通り銅の大鉱山であります。それからまたそこに生活しておる数万の沿線の住民の便から考えますと、現在の採算は収益が少いどころか、赤字状態になつておる。にもかかわらず国鉄としては、あくまでこの路線の維持に全力を盡されるのであるかどうか、一例をあげてお聞きしたい。実は足尾線については、国鉄当局から、どういう関係か知りませんが、廃止論というものが出ておると聞いておりますので、あらためてこの席で独立採算制の大きな旗じるしの具体的適用がどうなつておるか、お聞きしたい。
#158
○足羽政府委員 足尾線の具体的な事例について、何かあつたのかどうですか存じませんが、もちろん不採算線といたしましても、その地方の交通事情にかんがみて、その線の必要に応じて、最善の努力をもつて維持して行く、こういうことにはかわりはないと考えております。
#159
○森山委員 そこで足尾線の場合には、非常に災害があつたわけです。その災害の復旧費ともからまつて、存廃論が鉄道当局で問題にされたことは事実だろうと思うのですが、お調べになつていただけばいいと思います。そういうことで、国鉄の独立採算制というものが全般的なものなりや、個別的なものなりや、そういう原則についてお伺いしたい。
#160
○足羽政府委員 その話でございましたら、そういうふうにうわさされることのあつた事実は承知いたしておりますが、鉄道としてあれの存廃を考えたことはない、こう申し上げてよろしかろうと思います。
    ―――――――――――――
#161
○圖司委員長 なおこの際お諮りいたします。明八日午後一時より開会を予定いたしておりました外資とタバコ民営問題の説明聽取の際、葉タバコ耕作者代表を、参考人として本委員会に出席願い、耕作者の立場より本問題につき意見を聽取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#162
○圖司委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。なお人選については委員長に御一任願いたいと存じます。
  本日はこれにて散会いたします。
    午後五時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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