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1950/12/04 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 本会議 第8号
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1950/12/04 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 本会議 第8号

#1
第009回国会 本会議 第8号
昭和二十五年十二月四日(月曜日)
 議事日程 第七号
    午後一時開議
 第一 漁業用海岸局を開設運用する漁業協同組合及び漁業協同組合連合会に対する水産業協同組合法の適用の特例に関する法律案(水産委員長提出)
 第二 海外同胞引揚に関する特別委員会における閉会中の調査の報告
 第三 災害地対策特別委員会における閉会中の調査の報告
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第2号)中修正の件
 日程第一 漁業用海岸局を開設運用する漁業協同組合及び漁業協同組合連合会に対する水産業協同組合法の適用の特例に関する法律案(水産委員長提出)
 日程第二 海外同胞引揚に関する特別委員会における閉会中の調査の報告
 日程第三 災害地対策特別委員会における閉会中の調査の報告
 芦屋国際文化住宅都市建設法案(原健三郎君外四名提出)
 松山国際観光温泉文化都市建設法案(川端佳夫君外百二十名提出)
 塩田等災害復旧事業費補助法案(内閣提出)
 議事進行に関する川崎秀二君の発言昭和二十五年度一般会計予算補正(第1号)
 昭和二十五年度特別会計予算補正(特第1号)
 昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第2号)
    午後三時五十七分開議
#2
○副議長(岩本信行君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○副議長(岩本信行君) 内閣から、昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第2号)中修正したいとの申出があります。この申出を承諾するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#4
○副議長(岩本信行君) 起立総員。よつて承諾するに決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
 第一 漁業用海岸局を開設運用する漁業協同組合及び漁業協同組合連合会に対する水産業協同組合法の適用の特例に関する法律案(水産委員長提出)
#5
○副議長(岩本信行君) 日程第一は委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。
 日程第一、漁業用海岸局を開設運用する漁業協同組合及び漁業協同組合連合会に対する水産業協同組合法の適用の特例に関する法律案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。水産委員長冨永格五郎君。
    〔冨永格五郎君登壇〕
#7
○冨永格五郎君 ただいま議題となりました漁業用海岸局を開設運用する漁業協同組合及び漁業協同組合連合会に対する水産業協同組合法の適用の特例に関する法律案について、起草の経過とその趣旨について申し上げます。
 わが国の漁業無線の現状は、船舶局数においても海岸局数においても全日本無線局数の過半数を占め、わが国最大の專用無線通信網を形成しておりますので、これが運営管理の適不適は、水産業にとりましてはまことに重要な次第であります。従来漁業用海岸局は、主として漁業協同組合及び同連合会が開設し運用して、わが国水産業の振興発展に大いに貢献して参つたのでありますが、去る五月電波法が制定され、それに伴う諸規定の実施によりまして、十二月三十一日以降においては従来同様の運営管理ができなくなりますので、本委員会においては、かねてよりこれが対策を種々調査研究して参りました結果、漁業用海岸局の開設運営に関して水産業協同組合法の適用の特例法を設けることにより従来同様の開設運営ができ、あわせて電波法の趣旨にも合致して水産業の理想的発展をはかることができるという結論を得たのであります。よつて水産委員会においては、十二月二日委員会を開き、その成文化について協議いたしました結果、全会一致をもつて、次に申し述ぶるような法律案を起草いたした次第であります。その内容のおもな点を申し上げます。
 第一点は、無線設備を有する漁船を使用して漁業を営む法人、あるいは船舶局を有する漁船を使用して漁業を営む者をもつて主として構成される社団は、その規模に制限を受けることなく漁業協同組合または同連合会の組合員または会員の資格を有するものとみなすことができるようにする点であります。
 第二点は、前述のごとく法人及び社団が無差別に漁業協同組合あるいは同連合会に加入することにより零細漁民への圧迫を排除している点であります。すなわち、これら団体加入はあくまでも漁業無線に関してのみであるということにし、無線事業と他の一般事業とは経理を区分し、財源を制限することとし、あるいは漁業用海岸局を開設しない他の漁業協同組合及び同連合会の行う一般事業の利用を制限するほか、出資口数においても一口を越えることができないように規定している次第であります。
 なお提出方法につきましては、本法案を委員会提出の法律案として議院に提出することに全員の養成を得て決定したわけであります。
 以上、提案理由を申し述べた次第であります。なお詳細につきましては会議録により御了承願います。何とぞ本案に対し御賛成をお願いいたします。(拍手)
#8
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#9
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
 第二 海外同胞引揚に関する特別委員会における閉会中の調査の報告
#10
○副議長(岩本信行君) 日程第二、海外同胞引揚に関する特別委員会における閉会中の調査の報告を求めます。海外同胞引揚に関する特別委員長若林義孝君。
    〔若林義孝君登壇〕
#11
○若林義孝君 さきに第八国会の劈頭、海外同胞の引揚げに関する諸問題を調査し、これを解決するため、海外同胞引揚に関する特別委員会が本院において設置せられ、次いで国会閉会後も引続き継続審査をいたしたのでありまするが、これよりその審議の経過について御報告いたしたいと存じます。
 顧みますれば、海外残留同胞の引揚げを国際連合に提訴せんとする決議が本議場において採択せられましたのは、去る五月二日、第七国会の末期であつたのであります。爾来本問題は、総司令部の好意により、いよいよ国際連合の問題となり、近く議題として諸国間の議に上る予定であると聞いておるのでありまして、その会議に傍聽者として特に招かれた同僚中山マサ君外二名の代表も、目下米国においてそれぞれ活動中である由であります。
 海外同胞引揚に関する特別委員会は、この国際的の雰囲気と、これを反映し、目下国内において展開せられております海外抑留同胞救出国民運動、引揚援護愛の運動等に表明せられる全
 国民の声とをその背景といたし、最も真剣にこの問題と取組んで参つたのでありまして、第八国会において委員会を開催すること五回、継続審査中における委員会七回、この間における委員各位の熱烈なる審議は、特に声を大にして皆様に御報告をいたしたいと存ずるところであります。
 第八国会以来、特別委員会が特に問題といたしました点は、ソ連及び中共地区に残留する同胞の引揚げ促進の問題、引揚者の定着援護に要約されるのであります。ソ連及び中共地区に関する未引揚者は三十数万と称せられておりますことは、すでに御承知の通りであります。このうち相当数の人々が異境の土と化しておりますことは明らかであります。しかしまた、なお引揚げを鶴首しつつある人々が多数あるのであります。これら死歿者の状況を明らかにし、生存者の大量引揚げをすみやかに行うことが焦眉の急務でありますことは、異論のないところでありまして、委員会におきましては、このため早急に関係国の理解をさらに深めるよう方策を進める必要ありとの結論に到達いたし、いろいろとその具体策について論ぜられるところがあつたのであります。
 今、特にようやくその実情が明らかならんとしつつある中共地区について申し述べますれば、その地区から、本年に入つてすでに約三百名の人々が現に外国船等に便乗し、個別的に、あるいはまたひそかに帰国いたしておるのでありまして、この状況は、これらの引揚者を特別委員会に招致いたし、詳細なる障述を得たのであります。またこれらの陳述によりますれば、中共当局も残留邦人の引揚げを考慮しておることは明らかでありますが、朝鮮動乱等、状況の変化並びに引揚げに必要なる経費等が引揚げをはばむ要因となつておる模様であります。これらの要因は、申すまでもなく除き得ざるところのものではないのでありまするので、今後さらに努力を電ね、悲惨なる境遇に泣く同胞を、すみやかに、あたたかき母国に帰国せしむるの策を講ずる要切なるものがあるのでありまして、その具体案に関しましても、委員会と当局との間に熱心に論議せられたのであります。
 次に引揚者の定着援護の問題について申し上げます。この問題は、今期の特別委員会が引揚げ促進の問題と相並ぶ重要問題として特に取上げて来たのでありまして、今日なお不十分の域にありまする引揚者の住宅問題、厚生問題の解決に数歩を進めますることを重要なるねらいといたしたのであります。これらの問題審議の重要なる基礎資料を得まするために、九月初旬、東北、中部、近畿、中国、九州の各地方に委員を派遣し、実地につきつぶさに実情を調査いたしたのであります。この調査から引揚者集団住宅の疎開、補修、それに新築の必要が痛切に認められるに至りまして、逐次審議いたしましたる結果、関係当局に要望し、今次国会に提出せらるべき補正予算にも一応必要なる予算が計上せられるに至つておるのであります。しかし、全国になお約六十万という引揚者が住宅に困窮しておる実態を匡救いたしますためには、もちろんこれで満足すべきものではなく、昭和二十六年度において画期的施策の余地を残しておるのであります。引揚者の更生策としての更生資金の運用、就職あつせん、開拓援助にも各種の問題が残つておるのでありまして、特別委員会においても詳細にわたり審議されたのでありまするが、細部は会議録に譲りたいと存ずる次第であります。
 なお特別委員会におきまする審議の間、たまたま各地方の現地調査の際に各地において口をそろえて要望されました未復員者給與法による給與定額の改正が問題と相なつて参つたのであります。この強き要望にこたえるため、特別小委員会を設けて未復員者給與法の一部改正が立案審議せられ、一応の成案を得るに至つたのでありまして、各方面との折衝も順調に進みまして、今期国会において御審議を願うこととなつたのであります。この法律案は未復員者の俸給、遺骨の引取り経費及びその埋葬料の増額をその内容とし、いささかなりとも未引揚者、その留守宅及び死歿者遺族の辛苦に対し報いんとする念願に発したものであります。
 なお今日多数引揚者の関心の的となつておりまする在外公館借上金の問題も、そのすみやかなる解決につき、委員会において各委員より当局に対し熱烈なる要望をなされ、当局もまたその急速解決に一層の拍車をかけております点をつけ加えて報告いたしておきたいと思います。
 これをもつて、簡単ながら委員会の審議の経過に関する報告を終りたいと存じますが、今日委員長としてみずから顧みて、微力、非才、加うるに各種の理由も重なつて、委員各位の熱心なる審議にもかかわらず、重要なる引揚関係諸問題の数々を未解決のままに残さざるを得なかつた実情は、委員各位も認めておらるるところと信ずるのであります。また仄聞いたすところによりますれば、国際連合においても、日独俘虜引揚問題が議題とせらるるにあたり現地調査団派遣の企図もあるやに伝えられておるのであります。先般委員会におきまして、特に未引揚者調査の究明の現況を実際に見るため委員長及び理事が千葉の復員局留守業務部を観察いたしたのも、この点を顧慮いたしたからにほかならないのであります。かような状況におきまして、この際本院といたしましては、この国際連合の熱意にこたえ、かつは国民の輿望にこたうべく、今後も引続き引揚問題の解決に一層の努力を傾注するの必要ありとする各委員の所見を申し添えまして報告を終る次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 第三 災害地対策特別委員会における閉会中の調査の報告
#12
○副議長(岩本信行君) 日程第三、災害地対策特別委員会における閉会中の調査の報告を求めます。災害地対策特別委員長松井豊吉君。
    〔松井豊吉君登壇〕
#13
○松井豊吉君 災害地対策特別委員会における閉会中の審議の経過について御報告申し上げます。
 本委員会は、御承知の通り、去る七月十三日、災害地対策の樹立のため設置せられ、さらに七月三十一日、院議により閉会中も継続して審議することになつたのであります。
 さて本委員会における調査は、第一に、閉会になりましてから各種の台風及び豪雨に見舞われましたので、その被害状況の調査、第二に災害復旧工事に関する調査、第三に災害復旧に関する法律案起草の件の三つに大別することができるのであります。
 まず第一の台風及び豪雨等による被害状況の調査について御説明申し上げますと、本年当初より六月までにおける期間において、全国的に不連続線による豪雨であり、加うるに北海道、東北、北陸地方の山間部には融雪水害を惹起し、引続き六月上旬から中旬の梅雨期にかけて発生した不連続線が東海、信越、関東の一帯に豪雨をもたらしたのであります。さらにその後、全国各地にわたり台風、豪雨に見舞われたのでありまして、そのおもなるものをあげれば、九州地方を襲つたフロシー及びグレース台風、関東・東北地方の豪雨及び四国近畿地方に戦後最大と目されるジエーン台風及びキジア台風等相次いで来襲し、これがため各地に相当なる降雨量を見、甚大なる被害をこうむつたのでありまして、その被害は、国庫負担分として査定済みが、六月災害までに百五十九億一千八百万円、第二に七、八月災害として二百四十五億九千四百万円、第三にジエーン台風として二百四十九億七千七百万円、第四にキジア台風として二百九十一億九千万円、合計九百四十六億八千万円の巨額に上るのでありまして、そのうち河川関係五百四十三億円、農業関係は百七十億九千万円であります。しかして農作物の被害状況につきましては、これら風水害によるいもち病、旱害等を含めまして、水稻が全国総計で面積百三十二万町歩、減収量が五百十二万石であり、また陸稻につきましては、被害面積は約二万町歩、減収量は四万石であります。
 さて本委員会におきましては、その使命の重要性にかんがみ、災害発生の都度、議長の承認を得て現地調査を行うとともに、その調査の結果に基いて、政府の早急かつ適切なる善処を要望いたしたのであります。しかして、これら水害等の原因は、近時ことに多いと思われる台風や豪雨にもよりまするが、戦時中より治山も治水もまつたく閑却せられたためであります。ここで特に注意すべきごとといたしましては、ジエーン台風による被害を倍加したものとして、過ぐる昭和二十一年の南海地震の影響が考えられるのでありまして、震災当時は、その実態が十分判明しなかつたものか、土木工作物等に至るところでゆるみ、あるいは狂いを生じておりまして、これが対策は焦眉の急と申さねばなりませんが、これらは災害に基くものとの認識もきわめて薄く、単なる一般改良事業のごとき取扱いを受けている現状でありますので、積極的に工事を促進することは今後の災害防止の最善の策と考えられるのであります。これは南九州のシラス地帶対策についても同様であります。しかして、これら台風等による被害の調査状況及び各地の要望等につきましてはここで詳細に述べることはできませんので、これは会議録及び報告書に譲りたいと存じます。
 さて委員会におきましては、これら災害の復旧対策につき、政府当局に対し各委員より、特に昭和二十五年度発生災害復旧事業費、すなわち百億円の予備費に関する問題、災害復旧事業の国庫負担に関する問題及び災害関係補正予算の問題については真剣な質疑を行い、九月七日の委員会におきましては、災害復旧に関し、政府当局に対し、災害は累年増加する傾向にあるので、政府はこれに留意し、災害地に対しては可及的すみやかに適宜なる措置を講ずるとともに、国土の保全に対し万遺憾なきを期すべきである旨要望し、この旨議長に報告いたした次第であります。
 さて、これら被害状況の調査の過程において、毎年災害復旧費に対し莫大な国費あるいは地方費を費消しておるが、前年度の施工部分の相当の数量が再び災害をこうむつており、また復旧工事が予定通り進捗せず、あるいは当初の設計通り工事が遂行されず、完全でないためにその被害額が倍加したのではないかと思われる事例も数多く見受けられましたので、災害復旧工事に関する小委員会を設置し、その進捗状況を調査し、その適正化をはかることといたしたのであります。よつてその具体的事例として十一月上旬、長野県下の千曲川筋及び天龍川筋の復旧工事の進捗状況等について、委員を派遣し調査を行つたのでありますが、ここでは詳細は省略して一般的に申し上げますれば、第一に、予算的措置等の関係により復旧工事が遅延する傾向にあること、第二に、工事関係責任者の監督がやや不十分な点もあること、第三に、事業量と予算等との関係を勘案いたすとき国の直轄工事が多いのではないかとの印象を受けたのでありまして、今後とも復旧工事の促進に一段の調査研究の要を痛感した次第であります。しかしながら、われわれの調査は、終戦以来とかく無責任になりがちな工事に対する警告であり、土木関係者に大なる反省を與えたことと確信し、今後の復旧工事の促進が期待されるのであります。
 最後に法案起草の問題でありますが、本委員会としては、災害の復旧及ば予防の対策を講じ、もつて国土の保全をはかるために何らかの立法的措置を講ずるのが適当であるとの観点から、これに関する法律案起草の小委員会を設置いたしたのであります。しかして小委員会においては、前国会において起草半ばの案を元に、災害防止国土保全法案の起草に努力いたしたのであります。特に災害防止国土保全基金の問題について研究いたしたのでありますが、その後、これは第一に国土総合開発法との関係もあり、第二に、災害防止国土保全資金に関して財政法規の関係から難点があり、また第三に現行行政機構との関係等の理由により、災害復旧対策に関する基本的事項を内容とする災害復旧基本法の起草に努力したのでありますが、時間的の関係もありまして要綱にとどまつた次第であります。
 本要綱に規定されている主要な点について申し上げますと、第一、災害の被害額、復旧費等の査定を適正化すること、第二、災害復旧事業の原形復旧主義を緩和して、必要なる改良事業を一同時に施行し得るように改めること、第三、復旧事業は原則として災害発生年度より三箇年以内に復旧するものとすること、第四、災害復旧費の財源として、国は過去五箇年における災害復旧費の平均額を下らざる額を予算に計上すること、第五、予算作成後発生いたしました災害については、すみやかに補正予算を国会に提出すること、この場合は公債の発行、富くじの発売、借入れをなし得るものとしたこと、第六、予算の配分はすみやかに行うこと、災害発生第一年度において事業費の三分の一以上を出すこと、第七、災害復旧費の一部を地方公共団体に負担せしめる場合は、地方公共団体は国の許可なくして起債し得るものとしたこと、第八、安本総裁の諮問機関として災害復旧対策審議会を置くこと、第九、国土総合開発計画と災害復旧対策との調整は、内閣総理大臣が国土総合開発審議会及び災害対策審議会の意見を徴しこれを行うこと等であります。なお本要綱については、一、農林関係災害復旧及び学校その他の公共施設の災害復旧についても規定するものとすること、二、審議会の権限をさらに強化し、でき得るならば独立行政機関とまでする方が適当でないかという意見のあつたことをつけ加えておきたいと思うのであります。
 以上が本委員会における審議の経過の概要でありますが、災害は必ず来るものであり、今後とも災害対策には一段の努力をいたすべきであると考える次第であります。これをもつて報告を終ります。(拍手)
     ――――◇―――――
 芦屋国際文化住宅都市建設法案(原健三郎君外四名提出)
 松山国際観光温泉文化都市建設法案(川端佳夫君外百二十名提出)
#14
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、原健三郎君外四名提出、芦屋国際文化住宅都市建設法案及び川端佳夫君外百二十名提出、松山国際観光温泉文化都市建設法案の両案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みす。
#15
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 芦屋国際文化住宅都市建設法案、松山国際観光温泉文化都市建設法案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員会理事田中角榮君。
    〔田中角榮君登壇〕
#17
○田中角榮君 ただいま議題となりました、川端佳夫君外百二十名提出の松山国際観光温泉文化都市建設法案並びに原健三郎君外四名提出の芦屋国際文化住宅都市建設法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果につき御報告を申し上げます。
 両法案は、その内容において類似のものでありますので、本委員会におきましては一括して審議を行つた次第であります。最初に松山国際観光温泉文化都市建設法案について申し上げます。
 本法案の要旨は、松山国際観光温泉文化都市を建設することを目的とし、これが事業の促進と完成に対して、国及び関係諸機関が国有財産の讓與その他により援助し助成すべしとするものであります。しかして、本建設事業は松山市長が執行し、計画及び事業に関しては、都市計画法を適用するものであります。なお本法案は憲法第九十五條による特別法であるとしてあるのであります。
 次に芦屋国際文化住宅都市建設法案について申し上げます。
 本法案は、芦屋市が国際住宅都市としてすぐれに立地條件を有していることにかんがみて同市を国際文化住宅都市として建設するというものでありまして、その要旨は松山国際観光温泉文化都市建設法案と同様でありますので省略させていただきます。
 本委員会におきましては、十二月四日、両法案について提案者よりそれぞれ提案理由の説明を求め、引続き質疑を行つたのであります。質疑応答の詳細に関しましては速記録に譲ることといたしまして、主要なる二、三の点について申し上げます。
 まず両法案共通の質疑について申し上げますと、現在まで十四の特別法が出たが、これら特別法を一つの一般法にまとめる意思がないかという質問に対しましては、建設省当局より、これらの特別法は宣言的、精神的規定であり、国有財産の讓與の規定以外は、実体的効果を伴わないものであるから、一般法にまとめることは困難である旨答弁があつたのであります。
 次に特に芦屋国際文化住宅整市建設法案に対しましては、第一に、市内に特定の外人專用の租借地のごときものができるおそれはないかという質問があり、これに対しましては、文化的住宅都市の建設に邁進する考えである旨答弁があつたのであります。第二に、住宅都市なる名称よりも、その内容に観光都市と関連する点が多いから、むしろ従来の特別法と同様に、観光文化都市としてはいかんという質問に対しましては、国際観光都市ではあるが、国際文化住宅を主要素としているのでこのような名称を用いた旨の答弁があつたのであります。
 かくて本日質疑を終了し、両法案について一括討論に入りましたところ、共産党を代表いたし池田峯雄君より、特定の外人のための租界をつくることであるとして反対の旨を、自由党を代表し逢澤寛君、国民民主党を代表して村瀬宣親君、日本社会党を代表して前田榮之助君よりそれぞれ養成の旨の討論があつたのであります。
 次いで両法案につき一括採決いたしましたところ、多数をもつて原案の通り可決いたした次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#18
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。池田峯雄君。
    〔池田峯雄君登壇〕
#19
○池田峯雄君 簡単に、日本共産党を代表いたしまして反対の討論をいたします。
 国際観光温泉文化都市であるとか、あるいは国際文化住宅都市であるとか、こういう類似法案は、今までに二十になんなんとするくらいたくさん出ております。別府、熱海から始めまして、日本の著名な都市、著名な温泉都市がすべて国際と銘打つた、日本人のためではない都市計画の法案が、この国会によつて次々とできて来、今後際限もなく次々と生れる可能性があるのであります。従いまして、本日私は反対討論は遠慮いたそうかと思つたのでありますけれども、あまりにもひどい状態でありますために、一言御忠告申し上げようと思つて登壇いたした次第なのであります。
 一体国際都市とは何でございましよう。私どもが国際都市ということで連想いたしますのは、たとえば上海のようなところであります。各国人が租界地を持つておりまして、その租界地に対しては、その国の人たちは入ることができない、こういうような国際都市上海、これを連想せざるを得ないのであります。つまり芦屋におきましては、外国人のために住宅地域を特設し、そうして国費あるいは地方の費用をもつて上水道、下水道あるいは道路を設置いたします。現在東京都などにおきましても、上水道の設備をしようと思つても、あるいは下水道の設備をしようと思つても、金がなくてできないという人たちがたくさんございます。住宅を建てようと思つても金がなくてできない人もたくさんございます、農村などにおいても、道路が悪いために非常に不便をごうむつておる地域がたくさんございます。しかるに、外国人が居住する特定の地域の道路だけをりつぱにする、あるいはその住宅を建てるために国有財産を譲渡する、国費を投ずるというようなことは、これは私どもとして断じて許しがたいと思うのであります。
 この国会は、御存じの通り、これは日本人の大多数の幸福をはかるためにつくられている国会だと私ども承知しております。しかるに何ぞやだ――しかるに何ぞや、この法案は明らかに外国人の利益をはかるためにつくられた法案である。そういう法案が次々とつくられ、日本の著名な都会がどんどんこういうことになつて行くのである。
 バリ島という南方の小さな島があります。このバリ島の住民は、女の人は外国人のためにサービスをして、そうして男の人にみついでいるという国でございます。あるいはモナコという国がある。このモナコは、外国人がばくちをやりに来る。このばくちのてら銭で国を立てて行く国である。日本もまさにこういうような状態になろうとしておるのである。(拍手)それが国際観光都市というような法律の本質である。そういう内容を持つているのである。まことに情ない根性になつたものだと、うたた慨嘆にたえない次第なのであります。(拍手)日本人は何という情ないことになつたのでございましよう。日本の大多数の人民の利益をはかるのではなくて、外国人の住宅を建ててやつたり、外国人の高級自動車が通るための道路を建設するためにその力を盡そうというようなこういう法律、何という情ない法律でございましよう。私どもは、一日も早くこの国会が、日本人の大多数のための利益の向上をはかるような、そういう法律をつくるところになりたいと心からく念願しておるのでございます。(発言する者多し)
 たいへんやじが飛んでおりますけれども、この法案に対しましては、自由党の中にも反対、異論が大分あつたのであります。少くとも日本の都市計画は戦災都市の復興を眼目にしなければならないという強い意見があつたのでありますけれども、これがいつの間にか、うやむやになりまして、ここに上程されているような次第であります。これは全国民がひとしく念願しておるところでございまして、私どもは、これら全国民の意見を代表して、この種法案に対しては一貫して反対して参りました。これからも反対して行くでございましよう。
 最後に一言しておかなければならないことは社会党の諸君の態度でございます。たとえば広島平和都市建設法においては、二千戸の住宅が立ちのかされ、それらの住民が、グラウンドをつくるために立ちのかされておるという結果が起つておる。おそらく今度の法案が出た場合におきましても、わら屋根は立ちのかされる、道路にかかつた家も立ちのかされる、こういう結果になつて、貧民に対しておびただしい犠牲をしいるというような結果になつて来るのでありますから、社会党――勤労階級の意思を代表する社会党としては、反対すべきであります。反対しなかつたということに対しては、はなはだ遺憾に考えておる次第であります。このことを簡単に申し上げまして、私の反対討論を終りたいと思います。(拍手)
#20
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 両案を一括して採決いたします。両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#21
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 塩田等災害復旧事業費補助法案
 (内閣提出)
#22
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、塩田等災害復旧事業費補助法案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんごとを望みます。
#23
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 塩田等災害復旧事業費補助法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長夏堀源三郎君。
    〔夏堀源三郎君登壇〕
#25
○夏堀源三郎君 ただいま議題となりました塩田等災害復旧事業費補助法案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法案提出の趣旨は、塩の生産用施設のうち塩田濃縮施設または塩田防災施設の災害復旧事業に対しましては、従来は予算措置によつてこれが事業費補助を行つていたのでありますが、今回これを法制化し、塩田及び濃縮施設にかかる災害復旧事業につきましてはその事業費の十分の五、塩田防災施設にかかる災害復旧事業につきましてはその事業費の六・五の比率によつて算出しました金額の範囲内で日本專売公社に補助を行わさせるために所要の規定を設けようとするものであります。
 この法案は、十一月三十日、本委員会に付託せられ、同日政府委員より提案理由の説明を聽取し、十二月一日質疑を行い、復旧事業費補助の法制化を必要とする理由、補助の対象、補助率、塩の需給状況及び価格、内地塩対策等について熱心に質疑が重ねられたのでありますが、その詳細につきましては速記録に譲ることといたします。
 次いで質疑を打切り、本日討論採決に入りましたところ、三宅則義委員は自由党を代表して賛成の旨、宮腰委員は国民民主党を代表して、また川島委員は社会党を代表してそれぞれ希望條件を付して賛成の旨、米原委員は共産党を代表して反対の旨討論せられました。
 次いで採決いたしましたところ、起立多数をもつて原案の通り可決されました。
 以上御報告申し上げます。
#26
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#27
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
#28
○福永健司君 この際暫時休憩せられんことを望みます。
#29
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。
 この際暫時休憩いたします。
    午後四時四十八分休憩
     ―――――・―――――
    午後八時五十七分開議
#31
○議長(幣原喜重郎君) 休憩前に引続き会議を開きます。手
#32
○議長(幣原喜重郎君) 川崎秀二君より予算審議に関して議事進行に関する発言を求められております。この際これを許します。川崎秀二君。
    〔川崎秀二君登壇〕
#33
○川崎秀二君 目下今国会の中心題目として上程されております補正予算案は、日本を初め全世界の視聽を集めて、国民関心のもとにその審議が続行されておるのでございます。しかるに本委員会の最初から、與党側は数を頼んで暴力的なるところの運営を行つて参りました。しかして本日その最終的段階にあたつては、驚くなかれ、各党の党議決定を待つことなく、あまつさえ、占領下当然のこととして各政党が折衝を開始いたしておるところの修正案の成否をも見ずして突如として討論採決に至るなどというがごとき暴挙は、いまだかつてなき暴力的政治の出現でございます。
 二、三日前から最も大きな政治問題となつて参りました地方財政に対する平衡交付金の問題に関連をいたしまして、予算委員会は愼重なる審議を開始して参りました。今回の補正予算の中におきまして最も重大な点はこの問題であります。この地方財政の問題につきましては、地方の知事も大挙上京いたしまして、でき得る限り平衡交付金を増額してもらいたい、現在の政府案はまつたく地方財政の窮乏を無視しておるところの暴案である、(拍手)かかる陳情は、ひとり地方の知事ばかりではなく、全国の市町村長あげての強い要望でございました。しかして、平衡交付金の内容について知事会議でいろいろ協議がありました後に、地方知事があげて要求をいたしておるものは、八十三億の増額は絶対に必要である、こういうことでございます。
 それにつきまして、先般地方行政委員会の委員長は、予算委員会に対して一つの申入れを行つた。何かと申しますると、その要求はむりではない、これはぜひとも予算委員会において取上げてほしいと政府に申し入れるとともに、予算委員会に通告して来た。地方行政委員会の委員の中には、もちろん與党側も加わつているのです。前尾君はその先頭に立つて、予算委員会に、八十三億の平衡交付金がなければ困るといつて出して来た。そこで、われわれはこれを審議しなければならないというので、何としても地方行政委員会の委員長の報告を聞こうではないか、その前に一つ問題がありましたのは、ひとりこの地方行政委員会の委員長の報告を聞くだけではなしに、でき得るならばこの地方行政委員会との連合審査会も開こう、こういう決議を野党側では要求いたしましたのに対しまして、それをも多数をもつて封殺した。(拍手)予算委員と地方行政委員と、こうも同じ党において意見が食い違つておるのです。
 そこでわれわれは、このこと聞くと同時に、予算委員会の締め括りの意味での総括質問、これらをも了して、そうして今日円満に質疑を終了いたして、委員会の運営を終ろうと思つておつた。しかるに、この地方行政委員会の委員長の報告をも聞かない。(「議長議長」と呼び、その他発言する者多し)ましてや、野党が真剣に交渉をいたしておりまするところの……。
    〔発言する者多し〕
#34
○議長(幣原喜重郎君) 静粛に願います。
#35
○川崎秀二君(続) 交渉をいたしておりますところの修正案、その修正案は、民主党も出しておれば社会党も出しておる。その修正案に対して、本日関係方面は、本日は会えないけれども、明日から予算案の折衝に入ろうということを、口頭をもつて、渉外課を通じ通達して来ておる。(拍手)
 今まで予算委員会の正常なる運営の行われた時代におきましては――帝国議会時代からの慣例も、もとより終戦以来の国会においても、りつぱな慣例があります。この壇上から見渡すと、一番奥におられるところの植原前予算要員長のごときは、非常に予算委員会運営のために御苦労になつて、ひとり與党側だけの発言でなしに、野党側も十分発言させようといつて非常な努力を重ねられた人であります。しかるに、今回予算委員会の運営において、小坂委員長は、委員会の最初から野党側の意見を封鎖しがちであつた。しかして、たまたま政府側に落度があつても、これに対して抑えようとしたことはない。野党側の落度を攻撃ばかりいたしまして、政府の閣僚が出て来るときには、はい御苦労さまでございました、というような形容詞を使つている。吉田総理大臣が出て来たときに、一方委員の集まりが遅いと、総理大臣に向つて、委員の出席がなくてまことに恐縮です。面目次第もございません、などという驚くべきあいさつをやつておる。(拍手)これが予算委員会の委員長である。そういう予算委員会の委員長でありまするから、本日この当然認めらるべきところの修正案の交渉の最中において、これを否定いたすような態度をとつたということは、私は、今や日本の二大政党がGHQに向つて自主的な折衝を開始しようとしておる段階にあたつてのことだけに、まさに前代未聞の審議権蹂躪と申さなければならぬのでございます。
 われわれは、今度の予算案に対し、まずこのような考え方を持つております。すなわち今度の予算案は、第一に、インベントリー・フアイナンスを財政資金をもつてまかなうなどという、ばかばかしいとことをやつておる。これはドツジ氏が先般政府との予算折衝の最終段階にあたつて要求をいたしたことでありまして、池田大蔵大臣は、インベントリー・フアイナンスは財政資金をもつてまかなうべきものではない、こういうことを主張いたしたにもかかわらず、まずこの点において重大なる過失を犯しております。(拍手)第二は、この予算案の最も大きな欠点は、何と申しましても救農経費が盛られていないことであります。今度の国会は救農国会でございます。われわれは野党連合の形をもつて、七月末以来、農村の窮状を救わなければならない、この農村の状況をそのままに黙視しておつて跛行経済を許すならば、それは国民経済の破滅である、経済の復興はできないという考え方を持つて対処いたしております。
 諸君、しかして失業対策費の計上の少いことといい、今一番問題になつておる地方財政資金の問題といい、ことごとく誤つたる措置を持つておるところの補正予算であるから、でき得れば、これを日本国民の名において自主的に修正いたしたいという見地から、野党は熱意あふるる交渉を行つておる最中であります(拍手)しかるに、この交渉の結果を待たずして委員会の討論を行つた。また、この地方財政問題に関連して、地方行政委員会の委員長を招請するということは、実は予算委員会の速記録をお読みになつたならば明瞭でありまするが、(拍手)小坂委員長はこう申しておる。昨日予算委員会の最終の段階におきまして、小坂君のいわくには、この委員会を終了する前には、まず地方行政委員会の委員長の意見を聞くことと、しかして明日国鉄第二次裁定についての修正案を上程することになつたならば大蔵大臣が説明する、それに対する質疑を一時間継続することと、しかして総理大臣に対する総括質問が終つた後に質疑を打切るということが、速記録に載つておるのですよ。
    〔「時間々々」と呼び、その他発言する者多し〕
#36
○議長(幣原喜重郎君) 川崎君……。
    〔発言する者多し〕
#37
○川崎秀二君(続) これはまさに議事規則の侵犯であると申さなければなりません。、
    〔発言する者多し〕
#38
○議長(幣原喜重郎君) 川崎君、お約束の時間が参りました。
    〔発言する者多し〕
#39
○川崎秀二君(続) そういう状況において審議を打切ることは断じて許されません。またわれわれとしては、予算の修正をするためには次のような具体的な案を持つている。このような予算が実行されるならば、最も迷惑を受ける者は勤労階級、特に農村労働者、しかして中小企業者であるということを、はつきりとしなければならぬのでございます。(拍手)わが民主党はもとより、社会党も同様な修正案を持つておるといわれますが、まず歳入の点では、二十四年度剰余金の百九十六億の半額九十八億は補正予算に使つてもよいと考え、これを計上いたしました。第二に、外国為替特別会計の繰入れ中止を百億いたさなければならない。第三に、本年度の債務償還費の未済額二百二十億をあげております。さらに給與増額による自然増收八億を組みまして、合計四百二十六億となります。歳出におきましては、第一に、救農経費百億、内訳は土地改良に五十億、農業協同組合の育成費に三十億、農業技術改善に二十億であります。第二に、公務員の賃金ペースを八千五十八円ベースに改訂し、年末賞與一箇月分を加えて、その経費六十二億八千万円、第三に平衡交付金の増百三十二億八千万円、第四に輸出振興費二十五億、これで輸出入銀行を創設します。第五に中小企業の振興費二十五億、これは国民金融公庫の出資金増が二十億と、中小企業信用保険制度特別会計への繰入れが五億、第六に災害復旧費が三十億、第七に六・三制経費の増額を十八億と組みまして……。
#40
○議長(幣原喜重郎君) 川崎君、時間が過ぎました……。
#41
○川崎秀二君(続) 第八、失業対策費の増を十億、社会保障費二十二億、これは国民健康保険の医療給付費の国庫補助であります。以上を合計いたしまして、歳出は四百二十五億六千万円といたしたのでございます。かかる修正案が認められれば、正しい経済復興がはかれるのであります。この修正案の折衝の結果を待たずして討論採決に入るがごとき暴挙は、断じてこれを見のがすことはできません。正しい民意を抑圧するものであります……。
#42
○議長(幣原喜重郎君) 川崎君、重ねて注意します。――川崎君、重ねて注思します……。
#43
○川崎秀二君(続) われわれは、国会審議権の擁護のために最後まで鬪わなければならぬと感ずる次第でございます。
#44
○議長(幣原喜重郎君) 川崎君に発言中止を命じます。
    〔川崎秀二君発言を継続〕
    〔発言する者多く、議場騒然〕
#45
○議長(幣原喜重郎君) ……執行を命じます。
    〔発言する者多く、議場騒然〕
#46
○議長(幣原喜重郎君) 川崎君にお答えいたします。予算委員長より正式に、本日補正予算案は委員会において可決した旨の報告がありましたので、議長は予算案取扱いについて議院運営委員会に諮り、本日緊急上程の取運びになつた次第であります。
 右お答えいたします。
     ――――◇―――――
 昭和二十五年度一般会計予算補正
 (第1号)
 昭和二十五年度特別会計予算補正
 (特第1号)
 昭和二十五年度政府関係機関予算
 補正(機第2号)
#47
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、昭和二十五年度一般会計予算補正(第1号)、昭和二十五年度特別会計予算補正(特第一号)及び昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第2号)を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#48
○議長(幣原喜重郎君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
#49
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 昭和二十五年度一般会計予算補正(第1号)、昭和二十五年度特別会計予算補正(特第1号)、昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第2号)、右三件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。予算委員長小坂善太郎君。
    〔小坂善太郎君登壇〕
#50
○小坂善太郎君 ただいま議題となりました昭和二十五年度一般会計予算補正(第1号)、昭和二十五年度特別会計予算補正(特第1号)及び昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第2号)につきまして、その内容及び委員会における審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 このたびの補正予算に関しましては、過日本会議におきまして政府側より説明があり、さらに政府提出の予算説明資料によりましてまたその編成方針等が明らかであります。しかしながら本補正予算は、朝鮮動乱勃発後の世界経済の変化に対処いたしまして、また経済の安定と自立のための措置を講ずる必要から編成せられたものでありまして、かつまた明年一月以降十五箇月間にわたる見通しにつきまして、これを基礎として編成いたしたものでありまするので、ここにその概要を申し述べたいと存じます。
 まず一般会計予算補正額を見まするに、歳入歳出ともに三十一億余万円の増加でありまして、補正後の昭和二十五年度予算額は六千六百四十五億余万円と相なります。これを昭和二十四年度の七千四百億余万円に比較いたしますれば、予算の規模はなお著しく圧縮せられているものと言えます。かかる予算額の圧縮とともに経済の安定と健全化を期せんとする努力は、まず価格調整費二百六十億円の削減に現われておるのであります。この価格調整費の減少は、輸入食糧、鉄鋼、肥料及びソーダ等の補給金の削減によるものでありますが、これによりまして昭和二十三年度以前のインフレーシヨン予算の特色でありましたいわゆる竹馬の足は、来年度におきましては、わずかに輸入食糧にのみその形骸をとどめるにすぎなくなつたのであります。歳出の減少は、單にこの価格調整費の削減みのでなく、さらにまた国債費の減少十三億余万円、同胞引揚費の減少二十一億余万円、物件費及び旅費等の五%節約、その他によりますところの既定経費の節約三十億余万円、そ他歳出不用額二十四億余万円等であります。
 一方歳入におきましては、国民負担の軽減をはかり、民生の安定を期しまするために、所得税、酒税、物品税、揮発油税及び砂糖消費税等の税率の引下げその他の措置により約六十四億の減税が実行せられております。なかんずく所得税に中心を置きまして、基礎控除及び扶養控除額の引上げと税率の大幅の引下げが行われ、源泉所得者につきまして、特に明年一月よりこれを実施する予定となつております。酒税の軽減は密造酒の追放となり、かえつて一億二千九百余万円の増收が期待せられるのであります。右のごとき減税措置によりまして、食糧補給金の削減に伴う米価の値上りが消費者の家計に與える影響もこれを相殺することができるように配慮せられておるのであります。なお最近の徴税実績にかんがみまして、申告所得税が当初予算に比しまして三百三十二億余万円の減額を見ておりますが、これに反しまして法人税が百八十六億余万円の自然増收となつておりまするのは、朝鮮動乱以後におきますところの経済界の活況に伴う民間企業の業績好転から考えまして、きわめて当然な措置と思われるのであります。
 これを要しまするに、租税及び印紙收入の自然増加は、これを六十三億余万円の減税と相殺いたしますれば、当初予算よりわずかに四億六千余万円を増加しておるにすぎないのであります。結局におきまして、歳入全体といたしましては、高級タバコの売行き不振による七十九億余万円を、終戦処理費收入の増加九十二億余万円及びその他の收入増加から差引きましても、三十一億余万円の増加と相なります。これをすでに述べました歳出減少額三百三十一億余万円と合計いたしました三百六十三億余万円が、経済の安定と自立に必要な経費の増加に充当せられておるのであります。
 歳出面におきまして、経済安定の最も重要な経費は、外国為替特別会計に繰入れまする百億円であります。これは明二十六年度におきまして五百余億円の繰入れが予定されておるとのことであります。この繰入額は、同特別会計の外貨の獲得に伴う国内円資金の増加を相殺してインフレ的傾向を抑制せんと意図せられておるものであります。しかしながら、もし輸入の増加が予定以上に進展いたしますれば、もちろんその繰入額も減少いたし、民間産業資金への圧迫も軽減するものと信ぜられるのであります。
 次に経済自立への道を切り開く経費といたしましては、国民金融公庫出資金十億円、中小企業援助のための中小企業信用保険特別会計への繰入金五億円、輸出振興のための日本輸出銀行への出資金二十五億円等、合計四十億円を政府出資いたしまする予定になつておりまするが、これはわが国の資本蓄積を促進いたしまする意味において注目いたすべきものと思われるのであります。
 さらに国土復興をはかりますために災害関係経費といたしまして四十七億余万円が計上せられ、そのうち四十一億円は、もつぱら公共事業費に充当せられております。
 また社会政策的経費といたしましては、失業関係経費の二十七億余万円、生活保護費十億余万円、学校、病院運営費の一億五千余万円がありまして、農業及び水産復興の経費には、農業共済再保険特別会計への繰入れ八億八千余万円、供出用報奨物資の損失補填に必要な経費といたしまして五億六千余万円、麦の増産対策費一億四千余万円、水産資源対策費一億六千余万円等が、限られた財源から優先的に支出せられているのであります。
 次に、地方財政の経費の増加に充当いたしまするために、地方財政平衡交付金三十五億円が計上せられております。もとよりわが国の、地方財政の現状より見まして、相当額の交付金を支出いたしますことは、きわめて必要であると考えられるのでありますが、国家財政全般の立場より見まして、本補正予算におきまして、この程度の金額の計上を見たものと考えらるるのであります。
 最後に本補正予算の主たる目的の一つでありますところの公務員給與の引上げ及び年末手当の支給のためには、三十二億余万円の支出が計上せられておりまするが、これは單に公務員の家計の窮状を緩和いたすのみならず、デフレ的傾向の阻止に役立つものと考えらるるのであります。
 特別会計に関しましては、歳入増加額は三千四百三十五億余万円、歳出増加額は三千四百三十七億余万円となつておりまするが、新たに特別鉱害復旧及び中小企業信用保険の二特別会計を設置いたしまして、特に外国為替特別会計は歳入歳出ともに二千三百五十六億余万円の補正増加となりまして、食糧管理特別会計は歳入歳出ともに百三十九億余万円の増加を見ております。外国為替特別会計の予算増加は、朝鮮動乱以後におきまする世界経済の変化に影響を受けた外貨の受拂い増加が主因となつておりまして、食糧管理特別会計の予算増加は、予算編成の主要問題でありました価格調整費の削減に伴うところの米価の生産者価格を引上げた結果によることが多いのであります。
 次に政府関係機関におきましては、收入予算の補正減少額九十四億余万円、支出予算の補正減少額十四億余万円と、それぞれ予算の規模を縮小いたしておるのであります。日本輸出銀行が新たに政府機関として設置せられ、輸出金融の円滑化とその促進をはかることになりましたのは、経済復興を強力に推進いたしまするための一方策であることは申すまでもありません。
 なお日本国有鉄道の補正予算に関しましては、国鉄第二次裁定の一部を実行することとなりまして、新たに十七億余万円の補正増額が必要となりました。その結果、政府関係機関予算補正(機第2号)修正書が、十二月四日、本院に提出せられましたので、本委員会におきまして政府からその説明がありましたことをつけ加えておきます。
 これを要しまするに、今次の補正予算におきましては、昭和二十四年度予算及び昭和二十五年度当初予算の実行によりまして安定した経済の軌道の上に、経済自立を達成するための各般の措置が織り込まれておるやに見受けられるのであります。しかも政府の公約した諸政策、すなわち第一に予算規模の縮小、第二に減税、第三に公務員給與の引上げ、第四に価格調整費の徹底的な削減等、ここにその実現を見たように思われるのであります。これによりまして、わが国現下の重要問題たる資本の蓄積も著しく促進せられ、もつて経済の自主的回復及び復興への道が開かれることを期待せられるのであります。
 以上が補正予算の内容でありまするが、次に委員会の審議の経過について御報告を申し上げます。
 本補正予算は、去る十一月二十四日予算委員会に付託せられ、二十七日政府より説明があり、以後十二月四日まで連日審議を行い、慎重に審議をいたしたのであります。質疑は、講和問題を初め経済自立と財政金融諸政策の基本的な諸問題、あるいはまた貿易、農業、社会保障、給與、地方財政、警察予備隊その他国政全般にわたりまして活発に展開せられたのであります。この審議の経過にあたりまして、当予算委員長の措置について、先ほど川崎議員より何か発言があつたように聞いたのでありまするが、委員長といたしましてはきわめて公平な態度でもつて、ことに二百八十六名の絶対多数を有するところの與党議員の質問を、委員長といたしましてはまことに残念な気持を押えながらも、與党の各議員には御発言をでき得る限り圧縮していただき、野党議員に心行くまで審議を願つた、その時間を提供いたしたつもりであります。(拍手)本日に至るまで、あるいは自分の私用を口実に、あるいはまた自分の作為的な不出席の理由を口実に、委員会のあらゆる私の努力に、ことさらに妨害的態度をもつて終始せられましたことに、隠忍に隠忍を重ねておつたのでありますが、本委員長といたしましては、少数党の意見を十分に聞くこの態度に限界があることを感ぜざるを得ない。(拍手)委員会は、全体の委員のための委員会であります。委員長といたしましては、公平な立場より委員会の多数の意思を尊重しなければならないと考えるのであります。(拍手)本委員長の委員会におきましてとりました処置には、私は一点も不公平のなかつたことを、ここに断言してはばからないのであります。(拍手)ことに、首相に対して何事か私が卑屈なる態度をとつた、ごとき発言がありました。これは言語道断、思わざるもはなはだしいものであります。委員会の冒頭におきまして、当委員長は出席時間についてはお互いにこれを励行しようということを申し述べたのであります。首相は定刻に出席せられました。ところが首相の出席を要望した某議員が、自分が定刻を予定して首相の出席を要求しながら、その席に姿を現わさない。私は、こういう態度について、首相に対して遺憾の意を表したのであります。これは当然のことであると考えておるのであります。(拍手)
 なお本補正予算の重要性にかんがみまして、審議の慎重を期しまするため、十二月一日に学識経験者七名の参考人の意見を聽取いたしました。質疑及び参考人の公述の詳細につきましては、速記録についてごらんをいただくことにして、ここにはこれを省略いたします。
 委員会における質疑は本四日をもつて終了いたしまして、本三案を一括討論に付し、自由党を代表いたしまして井手光治君より賛成意見を述べられました。続いて本三案について採決の結果、原案の通り可決確定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#51
○議長(幣原喜重郎君) これより討論に入ります。尾崎末吉君。
    〔尾崎末吉君登壇〕
#52
○尾崎末吉君 私は、ここに自由党を代表いたしまして、ただいま上程せられました昭和二十五年度一般会計予算補正(第1号)並びに特別会計予算補正(特第1号)及び政府関係機関予算補正(機第2号)に対しまして賛成をいたすものであります。(拍手)
 今、この昭和二十五年度予算補正を総括してみますとき、第一に、終戰以来国民が苦しんで来た租税負担の実情にかんがみ、かつわが自由党の責任ある公約による大幅減税を忠実に盛り込んであるのを見られるのであります。第二に去る六日はからずも勃発いたしました朝鮮動乱を機といたしまして、世界的に軍需資材等の需要が急速に高まつた影響及びその他によりまして、わが国の経済が活況を呈し、輸出と、いわゆる特需の増加を見つつあることを考慮して、財政の安全性を十分に確保するためインベントリー・フアイナンスを設けた措置が見られるのであります。第三に、強い国民の要望にこたえて、当面緊要なる産業資金の疏通をはかるために必要な経費をあとう限り計上した点が明らかであります。第四に、災害復旧費、失業対策費、地方財政平衡交付金等の増額等、この際必要やむを得ない使途に充てるための所要経費を計上いたしてあるのであります。第五に、国家公務員及び公共企業体関係の給與改善の経費の捻出に努力のあとがうかがわれるのであります。
 今これを歳出の面について申しまするならば、大きな特異性あるものとして、価格差補給金は、昭和二十四年度予算においては当初二千二十二億円であつたものを、政府の努力により、予算補正において一千七百九十二億円に減じたのでありましたが、昭和二十五年度におきましては、当初予算九百億円に減じてこれを計上いたしたものを、今回これを六百四十億円に補正し、産業を正しい自立の姿に帰らせることと、国際信用の回復をはかつておるのであります。来年度におきましては、さらにこれを三百億円以下に減ずる計画とのことでありますが、なおおもな点について簡単に申しますならば、
 一、外国為替特別会計は、本来から申しますれば、一時借入金でこれを処理するのが適当なのでありますが、インフレの防止と、今後の財政に安全弁を持つことを必要として、一般会計から百億円を繰入れたことは、まことに妥当なことであると申すべきであります。
 二、現在及び現在以後最も必要とせられる産業資金供給の円滑化を期するため、とりあえず二十五億円をもつて日本輸出銀行を設立し、また中小企業信用保險制度の創設と、中小企業に対する見返り資金の一、四半期における貸付高三億円を九億円に引上げたこと、国民金融公庫への出資を十億円増加いたしたこと等重要な施策が盛り込まれておるほか、さらに現在瀕死に悩む農業協同組合に対する予算としまして報奨物資の損失補填金が計上されておるのみでなく、さらにこの農協に対する更生方策等が立てられ、他面農林中金を通じて農漁業に対し低利にして長期と短期との資金供給の道が開かれることが明らかとなつておることは、特筆すべきことであると思うのであります。
 三、災害復旧費の今回の増額は、必ずしもこれをもつて十分とは申されないといたしましても、国家財政の都合上可能なる最大限の処置であり、なお政府は新たに災害起債のわくを拡充してその遺憾なきを期する計画であるということは適当と申さねばなりません。
 四、国家公務員並びに公共企業体勤務員の給與ペース引上げが、人事院勧告の線に近く、平均一人一千円程度増額の実現ができますことは、まことに喜ぶべきことであり、なお不十分ながらも年末手当の支給の道が開かれたことも、一両年前までの年末における公務員を初めとしお互いの苦しい経験と思い合せますとき無量の感があり、御同慶と申さねばなりません。(拍手)
 五、地方財政平衡交付金三十五億円の増額につきましては、これを不十分なりとして、なお増加すべしとのことにつき論議が多いのでありますが、愼重にこれを考えましたならば、今年度の地方財政は、全体的に見て税源の増加、国庫交付金の増加等によりまして、前年度に比し財政規模が著しく増大いたしておるのであります。従つて、そのやり方により相当に伸縮性があるのでありますから、ここに善処の道が見出され得ることもあるべきことを思わねばなりません。なお第七回国会における野党各派の地方税法通過引延ばしの作戦によつて、これが決定を第八国会に持ち越されましたので、新地方税法実施が遅れたため、年度内の徴税期間が短かくなり、納税額が一時に重なつた結果といたしまして、納税者に納税困難の度合いを加えたこと等も原因いたしまして、いまだ真の実績をあげるに至らず、従つて地方財政收支の実態が明確になる段階ではないのでありますが、国税の自然増収の実情から見ますれば、今後地方税收の増加も期待しがたきにあらざることは申すまでもありません。また地方財政は、歳入面においても歳出面においても合理化の余地が認められることは、既定の平衡交付金の配分についても、地方の実態に即してなお検討を要する点があることに思いをいたさねばなりません。以上のような事情を考慮するとき、今日において三十五億円増加がはたして不足かいなかの結論を出すべき時期ではなく、今回の補正予算においてはこの程度の増額をもつて一応妥当なりとし、今後さらに地方財政の実態を的確に把握して平衡交付金制度の運用に最善を期すべきであると思うのであります。
 農業関係予算におきましても、野党の諸君によつて種々の批判が行われたのでありますが、この予算は、二十五年度補正予算のみでなく、二十六年度予算並びにその計画を通じて見るべきものであると思うのであります。そこには農業施策経費のほか、融資の計画、米価引上げの計画、供出制度の是正、課税軽減等の問題もあわせて見るべきものであり、單に一般会計の予算面だけをもつて批判することの当らないことは申すまでもありません。この補正予算におきましては、八億八千七百万円を繰入れての農業共済再保険の拡充、麦の増産対策費一億四千万円の繰入れ等によつても、いわゆる興農政策の一端はうかがわれるのであります。またパリテイ計算のほかに、報奨金に該当するものとしてパリテイ計算額の約一割五分ほどを算入をいたした五千五百二十九円という新米価の計画は、実に農業経営の安定が意図せられておることを見ることができるのであります。(拍手)そのほか、さらに二十六年度の予算においては、農業施策の見るべきものが行われると信ずるのであります。
 歳入の面について申しますならば、源泉所得税の大幅軽減を初めとし、物品税、砂糖消費税、揮発油税が大幅に減ぜられたほか、国民もこれを喜び、共産党員でさえも喜ぶ酒税の大幅減少をいたしておるのであります。(拍手)野党の一部諸君によりまして、政府及び與党の言う減税は税法上の減税であつて、自然増收をやるのであるから実際の減税ではないなどと言われるのも耳にするのでありますが、政府は申告所得税のごとき自然減収をそのまま予算面に計上いたしておるのを見ましても、事実は額面通り大幅な減税と相なつておるのであります。(拍手)なお二十六年度予算におきましては、七百億円の大幅減税を行う政府の計画が明らかとなり、国民の期待と喜びとは、けだし大なるものがあるのであります。(拍手)他面において租税の自然増收が六十九億円近く見込まれておることは、歳出面におきまして百億円の外国為替特別会計繰入れを行いながらも多くの緊急施策の実現を可能ならしめておるものとして、局部的のことながらも、安定から復興への前進として喜ぶべきことであります。
 なお一言ここに電力再編成の問題に関して真相を明らかにしておきたいと思うのであります。御承知のごとく電力再編成は、マ元帥の書簡により、去る十一月二十四日、ポツダム政令によりこれを決定いたしたのであります。その内容は、第七国会に政府が提案いたしまして野党諸君の協力を得るに至らず、審議未了となつたものとほぼ同様のものであります。しかるに野党諸君は、電力再編成をこのポツダム政令によつたことに対しまして、あるいは国会審議権の無視であり、政府の謀略であるかのごとき強い非難をいたしておるのでありますが、その所説は当らざるもはなはだしいものであります。前に民主党所属の参議院議員稻垣平太郎氏が通商産業大臣であつた去る第七国会当時、日本発送電会社はポ政令により集中排除を命ぜられておることと、その事業の性格にかんがみポ政令により電力の再編成をなすべきものである旨の空気が伝わつたのでありますが、政府は極力国会の審議にまつことを希望し、この空気をとらずして、法律案としてこれを国会に提出いたしたのでありますが、野党諸君のことさらの反対と、謀略による審議の引延ばしにより遂に審議未了となり、第八国会は、その期間が短かいためにこれを提出するに至らず、今日に及んでおるのであります。政府は諸般の深刻なる事情にかんがみまして、今国会にその法律案の提出を計画中でありましたが、この間民主党は、去る第七国会に提出せられました電力九分割案と著しく異なるところの五分創案を、社会党は三分創案を公表いたしまして、重ねて本案の決定を著しく妨害するがごとき態度を明らかにいたし、本問題の混乱をはかつたので、政府はこれに対し善処を苦慮いたしております際、マ元帥から吉田総理あて、本件はポ政令によるべしとの意味の書簡を受けましたので、事態の急なると、マ元帥の書簡への忠実なる態度とによつて、去る十一月二十四日、ポ政令によりこれを決定いたした次第であります。
 以上申し述べました事情により判断いたしますならば、何人といえども、第七国会における野党の態度は国会審議権の無視であり、今日ポ政令決定後における野党諸君の論難は、ことさらに事実を歪曲いたし、事を構えるものであり、その責任は野党にあると断定することも当然であると信ずるものであります。(拍手)いずれにいたしましても、ポ政令による電力再編成によつても事態を正常化し、所期の目的を達することを確信するのであります。
 結論として申しますならば、本予算補正は、今まで申し述べましたように相当に苦心と努力の存するところがうかがわれ、大幅の減税を実現しながら、産業金融の改善充実、災害復旧対策と失業対策の充実、公務員等の給與改善及び年末手当の支給、生活保護の充実、農業経営の安定と増産対策、地方財政の充実等、当面緊要の施策は、おおむね盛り込まれておるのであります。この中で、特に低米価、低賃金、価格差補給金制度等、これらの政策で、不自然な、そして国際的にも不信用なやり方から脱却をいたしまして、米価と賃金と物価とを正常な経済ベースに乗せて国際的な信用の回復をはかり、インフレを極力防止いたしながら産業と貿易との振興を期するという、正しくしかも根強いやり方は、一言にして申しますならば、間近に控えた国民待望の講和に備えた妥当なる予算なりというべきであります。これわが自由党が、平和国家、民主国家の理念をもととして祖国のたくましき再建を強く念頭に置き、移り行く客観情勢を正しく把握しながら不断のくふうと努力を拂い、米国を初め連合国の援助のもとに現内閣をして確信ある政策を行わしめる一面の現われであるということを断定することができるのであります。
 最後に一言希望を申し添えますならば、特に財政と金融との調和については、見返り資金の運用と、久しく私どもが要望し来つた預金部資金その他政府余裕金の運用につき一段の努力とくふうを拂われたいことと、地方財政につきましては、前に述べましたように、すみやかにその実態を把握されて、二十六年度予算においてはなお適切な措置を講ぜられたいことと、徴税については、自然増收を追求するのあまり誤りのないよう留意すべきことと、税務行政の適正を一段とはかられたいことであります。
 野党の諸君も、党略に基く反対せんがための反対や、不要なる論難をやめて深く反省いたし、正しく国民の信頼にこたえるために、国家全体の客観的情勢と財政の現状とを正視せられ、進んで本予算補正に賛成せられるものと確信をいたしておるのであります。以上、賛成の意をここに表明いたす次第であります。(拍手)
#53
○議長(幣原喜重郎君) ほかに発言の通告を申し出られた方は一人もありません。よつてこれにて討論は終局いたしました。(拍手)
 これより採決に入ります。昭和二十五年度一般会計予算補正(第1号)、昭和二十五年度特別会計予算補正(特第1号)、昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第2号)、右三案を一括して採決いたします。この採決は記名投票をもつて行います。昭和二十五年度一般会計予算補正(第1号)外二件を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#54
○議長(幣原喜重郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。開鎖。
 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#55
○議長(幣原喜重郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長朗読〕
 投票総数二百十二
  可とする者(白票) 二百十二
    〔拍手〕
#56
○議長(幣原喜重郎君) 右の結果、昭和二十五年度一般会計予算補正(第1号)、昭和二十五年度特別会計予算補正(特第1号)及び昭和二十五年度政府関係機関予算補正(機第2号)は委員長の報告の通り可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
    〔参照〕
 昭和二十五年度一般会計予算補正
 (第1号)外二件を委員長の報告通り
 決するを可とする議員の氏名
   逢澤  寛君  安部 俊吾君
   青木  正君  青柳 一郎君
   淺利 三朗君  天野 公義君
   有田 二郎君  井手 光治君
   伊藤 郷一君  飯塚 定輔君
   生田 和平君  池田正之輔君
   池田 勇人君  池見 茂隆君
   石田 博英君  石原 圓吉君
   石原  登君  稻田 直道君
   岩本 信行君  岩川 與助君
   宇野秀次郎君  植原悦二郎君
   内海 安吉君  江崎 真澄君
   江花  靜君  遠藤 三郎君
  小笠原八十美君  小川 平二君
   小川原政信君  小澤佐重喜君
  小野瀬忠兵衞君  小淵 光平君
   尾崎 末吉君  尾関 義一君
   越智  茂君  大泉 寛三君
   大内 一郎君  大上  司君
   大澤嘉平治君  大西 禎夫君
   大野 伴睦君  大橋 武夫君
   大村 清一君  岡延右エ門君
   岡崎 勝男君  岡田 五郎君
   岡西 明貞君  岡野 清豪君
   奧村又十郎君  加藤隆太郎君
   鹿野 彦吉君  鍛冶 良作君
   角田 幸吉君  風間 啓吉君
   甲木  保君  門脇勝太郎君
   金光 義邦君  川端 佳夫君
   川本 末治君  河原伊三郎君
   菅家 喜六君  木村 公平君
   菊池 義郎君  北川 定務君
   北澤 直吉君  金原 舜二君
   久野 忠治君  倉石 忠雄君
   小金 義照君  小坂善太郎君
   小平 久雄君  小西 寅松君
   小西 英雄君  小峯 柳多君
   小山 長規君  河野 謙三君
   近藤 鶴代君  佐久間 徹君
   佐々木秀世君  佐藤 榮作君
   佐藤 重遠君  佐藤 親弘君
   坂田 英一君  坂田 道太君
   坂本  實君  志田 義信君
   清水 逸平君  塩田賀四郎君
   篠田 弘作君  島田 末信君
   島村 一郎君  首藤 新八君
   白井 佐吉君  庄司 一郎君
   周東 英雄君  鈴木 仙八君
   鈴木 善幸君  鈴木 正文君
   關内 正一君  關谷 勝利君
   千賀 康治君  田口長治郎君
   田嶋 好文君  田中 角榮君
   田中  元君  田中不破三君
   田中 萬逸君  田渕 光一君
   多武良哲三君  高木  章君
   高木 松吉君  高塩 三郎君
   高田 弥市君  高橋 英吉君
   高橋 權六君  橘  直治君
   玉置 信一君  玉置  實君
   中馬 辰猪君  圖司 安正君
   塚原 俊郎君  土倉 宗明君
   辻  寛一君  圓谷 光衞君
   坪内 八郎君  坪川 信三君
   寺島隆太郎君  寺本  齋君
   苫米地英俊君  冨永格五郎君
   奈良 治二君  内藤  隆君
   中川 俊思君  中野 武雄君
   中村  清君  中村 幸八君
   中村 純一君  永井 英修君
   永井 要造君  永田  節君
   長野 長廣君  夏堀源三郎君
   西村 英一君  西村 直己君
   西村 久之君  野村專太郎君
  橋本登美三郎君  橋本 龍伍君
   畠山 鶴吉君  花村 四郎君
   林  讓治君  原田 雪松君
   平井 義一君  平澤 長吉君
   廣川 弘禪君  福井  勇君
   福田 篤泰君  福田  一君
   福田 喜東君  福永 一臣君
   福永 健司君  藤井 平治君
   藤枝 泉介君  淵上房太郎君
   船越  弘君  降旗 徳弥君
   保利  茂君  星島 二郎君
   細田 榮藏君  堀川 恭平君
   本多 市郎君  本間 俊一君
   眞鍋  勝君  前尾繁三郎君
   前田  郁君  前田 正男君
   牧野 寛索君  増田甲子七君
   益谷 秀次君  松井 豊吉君
   松浦 東介君  松木  弘君
   松田 鐵藏君  松永 佛骨君
   松野 頼三君  松本 一郎君
   松本 善壽君  丸山 直友君
   三浦寅之助君  三宅 則義君
   水田三喜男君  水谷  昇君
   滿尾 君亮君  南  好雄君
   宮原幸三郎君  守島 伍郎君
   森幸 太郎君  柳澤 義男君
  山口喜久一郎君  山口 好一君
   山口六郎次君  山崎 岩男君
   山崎  猛君  山本 猛夫君
   吉田  茂君  吉田 省三君
   吉田吉太郎君  吉武 惠市君
   龍野喜一郎君  若林 義孝君
   渡邊 良夫君  亘  四郎君
    ―――――――――――――
#57
○議長(幣原喜重郎君) 明五日は定刻より本会議を開きます。本日はこれにて散会いたします。
    午後十時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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