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1950/12/07 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 本会議 第11号
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1950/12/07 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 本会議 第11号

#1
第009回国会 本会議 第11号
昭和二十五年十二月七日(木曜日)
 議事日程 第十号
    午後一時開議
 第一 アジア競技大会へ日本代表団派遣に関する決議案(河野謙三君外七十七名提出)(委員会審査省略要求事件)
 第二 健康保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 鉱業法案(第八回国会内閣提出)
 第四 採石法案(第八回国会内閣提出)
 第五 鉱業法施行法案(内閣提出)
 第六 土地調整委員会設置法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
●本日の会議に付した事件
 日程第一 アジア競技大会へ日本代表派遣に関する決議案(河野謙三君外七十七名提出)
 日程第二 健康保険法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 鉱業法案(第八回国会内閣提出)
 日程第四 採石法案(第八回国会内閣提出)
 日程第五 鉱業法施行法案(内閣提出)
 日程第六 土地調整委員会設置法案(内閣提出)
 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法案(内閣提出)
 国有財産法第十三條の規定に基き、国会の議決を求めるの件
 全国選挙管理委員会法の一部を改正する法律案(倉石忠雄君外七名提出)
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
 昭和二十五年度産米価に関する緊急質問(足鹿覺君提出)
 神戸その他の地区における騒じよう事件に関する緊急質問(田嶋好文君提出)
 追放解除審査に関する緊急質問(山本利壽君提出)
 中華人民共和国に対する輸出禁止に関する緊急質問(砂間一良君提出)
 食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 外国為替特別会計の資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提
 出)
 郵政事業特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案(内閣提出)
 米国対日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後一時二十七分開議
#2
○副議長(岩本信行君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○副議長(岩本信行君) 日程第一は提出者より委員会の審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。
 日程第一、アジア競技大会へ日本代表団派遣に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。小西英雄君。
    ―――――――――――――
    〔小西英雄君登壇〕
#5
○小西英雄君 ただいま提案されました決議案を朗読し、趣旨を弁明いたします。
 一九五一年三月三日から八日間、インドの首都ニユー・デリーにおいて開催される第一回アジア競技大会は、第二次世界大戰後初めてアジアの青年が交驩する絶好の機会であります。すなわちインド、タイ、ビルマ、インドネシア、アフガニスタン、フイリピン、イラン、イラク、パキスタン、日本の諸国が参加するものでありまして、アジア十二億の民族の平和的精神の高揚の意味からしても、きわめて重大なる使命を持つことは多言を要せぬところであります。
 アジア競技大会への参加は、国際競技団体へ復帰が許されなければならないものでありますが、幸いにして世界各国の理解と好意により、特に本年に至り、わが国の競技団体は続々各種国際競技連盟へ復帰し、さきには水泳選手の渡米、日米対抗開催、野球、レスリング、体操、バスケツト・ボール等の国際試合が行われるようになり、今や戰前同様、国際競技大会に参加する資格を得るに至つたのであります。このときアジア競技大会の日本参加の招請もあり、さらにわが国のNOCは、来るべき一九五二年のヘルシンキ・オリンピツク大会への参加が認められること確実な情勢にありますので、この前提として、アジア青年の交流するアジア大会に日本代表団を派遣することは、この際最も適当と認められると思料するものであります。過ぐる第七国会においても、吉田内閣総理大臣、池田大蔵大臣は、正式に決定を見れば考慮するにやぶさかでないとの、きわめて理解ある言明がなされたことは、私どもの記憶に新たなるところであります。
 アジア大会に参加する種目は陸上競技、蹴球、バスケツト・ボール、重量挙げ、自転車競技の五種目で、八十名の男女選手を派遣すべく着々と準備を進めておるのであります。かつて米国のロサンゼルスに開かれた第十回のオリンピツク大会にも、またドイツのベルリンのオリンピツクにも、このときの国情にふさわしい選手団を派遣して国民外交の実をあげたことは、十分諸君の御承知のところであります。今回のアジア大会には、かつての極東競技大会に比較しても、規模の内容の大きな点からしても、またその目的にかんがみても、わが選手団を派遣するとともに、さらに派遣費についても、過去の国際オリンピツク大会あるいは極東競技大会に大幅な補助費を支出した前例にかんがみ、政府は進んでこれを補助し、かつこの募集に協力すべきであることを信じます。
 これをもちまして、私のアジア競技大会へ日本代表団派遣に関する決議案の趣旨の弁明といたします。(拍手)
#6
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#7
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。(拍手)
 この際文部大臣から発言を求められております。これを許します。文部大臣天野貞祐君。
    〔国務大臣天野貞祐君登壇〕
#8
○国務大臣(天野貞祐君) この決議をしていただきましたことを、政府としても非常に喜び、非常に仕合せに考えるものでございます。私どもは、この御趣旨に沿いまして、この事業の達成に積極的に御協力をいたす考えでございます。(拍手)
#9
○副議長(岩本信行君) 日程第二、健康保險法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。厚生委員長寺島隆太郎君。
    〔寺島隆太郎君登壇〕
#10
○寺島隆太郎君 ただいま議題となりました健康保險法の一部を改正する法律案につきまして、厚生委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本改正案は、先月二十五日、本委員会に付託せられまして、二十七日、厚生大臣より提案理由の説明を聞いたのでございます。その後連日審査を継続し来つたのでございますが、政府が本改正法律案の目途とするところのものは、おおむね三点存在いたしておるのでございまして、第一に、政府が管掌いたしておりまするところの健康保險につきましては、その経済窮迫の現段階にかんがみ、現行保險料率を千分の五十五から千分の六十にまで引上げることによつて当面の危機を克服しようとするのであります。
 第二点は、資格喪失後の医療給付について、六箇月以上の被保險者であるべき旨の制限を設けようというのであります。
 第三点は、政府管掌以外の健康保險組合の組合員である被保險者の保險料率もまた千分の三十から千分の三十五に引上げようとするものであり、以上三点の改正は、いずれも明年の一月一日から施行しようとするものであります。
 質疑応答の詳細にわたりましては会議録にこれを讓りますが、おもなる点の一、二を申し上げますれば、第一に、本改正は被保險者の負担を軽減すべしとする社会保障制度審議会の勧告に逆行するものならずやとの質問に対しましては、現在巨額の赤字を擁し、まさに崩壞寸前にある健康保險を立て直すためにはやむを得ない措置であり、社会保險審議会、社会保障制度審議会、両審議会の承認を得たものであるとの御答弁でございました。次に、保險財政の赤字補填のための給付費に対して国庫補助の道はないかという御質問に対しましては、今後十分に努力いたしたいとの御答弁でありました。
 第三に赤字対策としまして、この措置以外に別途いかなる方法を研究したるやとの質問に対しましては、給付費一部の負担ないしは医療制限等が考えられておるのであるが、結果的に申せば今回の措置によることが最も影響が少いという旨の御答弁でございました。
 しかして連日審査の結果、本月五日質疑を打切り、昨日の委員会において討論に入りましたところ、自由党を代表いたしまして大石委員より、政府は近い将来において医療給付に対し相当額の国庫補助を行うべしという、きわめて強力な希望を付した賛成意見を開陳せられ、続いて民主党の金子委員、社会党の福田委員、共産党の高田委員、無所属の松谷委員からそれぞれ反対の意見が述べられたのであります。
 次いで採決に入りましたところ、本改正案は多数をもつて政府原案の通り可決すべきものと決定した次第でございます。
 以上、簡單ながら御報告申し上げます。(拍手)
#11
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。金子與重郎君。
    〔余子與重郎君登壇〕
#12
○金子與重郎君 私は、国民民主党を代表いたしまして、ただいま上程になりました健康保險法の一部を改正する法律案に対しまして、次に述べますところの理由によつて反対の意を表明するものであります。(拍手)
 理由の第一点といたしまして、この改正をするにあたつて、政府は社会保障の問題に対して熱意がないということであります。本案の改正の要点は、先ほど委員長の報告にもありました通り、被保險者の料率を〇・五%上げるということであります。これは数字にいたしますと單に千分の五でありますが、現在全国の勤労者、この保險に加入しておる人たちが約三百三十三万といたしまして、この人たちが今年度内において負担増になるのが約三億であります。年間におきまして十五億円の増徴になるのであります。そうして、現在の保險財政の内容といたしますると、四月末において約十億の赤字、それに支拂いを遅延する、いわゆる徴收期のずれから来まして約二十七、八億の支拂い不能ができるのではないかというのが政府の答弁であります。そこで私この際考えまするのに、料率引上げの問題に対して、政府はどれだけ予算的に考慮されたか、努力をされたかということを当局に質問したのでありますが、努力はしたが、どうしても窮余の策としてやむを得ずこれを上げたのであつて、決してこれを上げることは喜ばしいことではないということを、みずからも言われておるのであります。
 現在勤労者たちの生活状態を考えてみますると、朝鮮事変以来全般的に生活費か上り、ことに来年度から米価も相当大幅の値上げをするということになりますと、この最低生活の人たちの生活というものは相当苦しくなつて来ておる。にもかかわらず、ここに政府が一方的に被保險者の料率引上げだけによつてこれを糊塗しようとしているところに問題があるのであります。ことにこの問題につきましては、前年度において、すでに料率を引上げておるのであります。そうして前年度において引上げをするときに、政府は窮余の策として今年だけこれをやるが、来年度からは別な方法を考えるということを言うておる。しかるに、また一年たつて赤字が出たから、今年また〇・五%上げるのだ、こういうことは、まつたく理不盡なのであります。御承知のように、本年度において許された予算三百数十億のうち、この現実を考えてみるならば、たとい五億でも十億でも、幾分でも予算の許される範囲内においてこれに対する熱意が示されていないということは、はなはだ私は遺憾にたえないのであります。
 第二の反対理由は、本法案の審議にあたりまして、この委員会の審議の経過の問題であります。当初本委員会にこの問題が上程されましたときに、私は、現在の提出された案がこうであつたといたしましても、この案というものは、政府が努力したというだけであつて、国会において、この予算に対して何ら熱意ある努力をしておらない、立場で一応この問題に対して掘り下げ、この委員会として、たとい十億でも五億でも誠意を披瀝するために予算を要求しようじやないかということを提議いたしたのでありまするが、その問題も取上げることなく、ただ数回の質問の後、討論採決で終つたのであります。しかも、その委員会の出席たるや、二十五人の委員のうち、おそらくどの会議にも三分の一以上の出席において審議されたことはないのであります。私は決して自由党の方々のみに対して云々するのではありませんが、過半数を占めておる與党の方々からも、この委員会に常に御出席くださる方々は、わずか三人ないし四人の熱心なる一部の人にのみ限られておるのであります。そういう状態で委員会を過ぎて最後に採決ということになりますと、委員会において顔も見たことのないような方々が出て参りまして、そして数においてきめる。こういうような審議は、私は決してまじめな審議であるとは言えないと思うのであります。なるほど多数決によつてものをきめる以外に最後のきめ方はないということはわかりまするけれども、しかしながら、絶対多数を持つているということは、それだけにまた、――正しき意見であるならば、あるいは正しい動議であれば、少数党の意見といえどもこれを取上げることは、決して多数決の本義にもとるわけでもなければ、民主的な会議にもとることでもないと信ずるものであります。ただ政府から案が出ますならば、それを神様の御宣託のように、どうにもならぬものと仮定してものを解決するところに誤りがあるのであります。(拍手)
 会議におきまして、野卑な罵詈雑言によつて、いつも喧々囂々する、これも一つの国政を思う熱意だと解釈すれば、できないこともないでしよう。しかし、会議において罵詈雑言をして、国民に対してみじめな姿を出す、それも熱意のあまりだとすれば、まだ許されるにいたしましても、根本的な問題をきめる委員会におきまして、ほとんど半分の出席もなく、最後に数だけでものをきめればこれが議会政治だというならば、こういうふうな会議をすのことによつて、はたして国会の権威というものはどこにあるか。そういうふうな会議のあり方を国民が知れば知るほど国会の権威を薄くするのであります。そういう点から行きまして、私は、こういうふうな会議の過程においてこの重大な問題がきめられたことに対して賛成はでなきい。これが私の第二点であります。(「脱線するな」と呼ぶ者あり)脱線だと申しまするけれども、決して脱線ではない。毎日繰返していることがこれなのであります。こういう会議の経過において私は反対する。
 以上二点を理由といたしまして私の反対の理由といたします。(拍手)
#13
○副議長(岩本信行君) 大石武一君。
    〔大石武一君登壇〕
#14
○大石武一君 ただいま上程せられております健康保險法の一部を改正する法律案は、ただいま委員長が報告されました通り、政府管掌の国民健康保險の保險料率を千分の五十五より六十まで引上げるというのがその骨子でございまして、私は自由党を代表いたしまして、本法案に賛成の意見を述べるものであります。
 終戰後のわが国民の生活の混乱を防ぎ、これを安定せしめて、さらにゆたかなものにするためには、どうしても社会保障制度が最も重要なる政治の一つであることは、ここに贅言を要しないところであります。ここにおいて、政府は社会保障制度審議会というものをつくりまして、天下の衆知を集めて社会保障制度の確立を来し、国民生活の安定向上に努力せんとしているのが現状であります。この社会保障制度の中において、社会保險が現在においてはその核心をなすものであること、しかもこの社会保險が現在において最も経済的な危機に臨んでおりますことは、やはり皆様が十分御承知のところでございます。従つて、この社会保險の現在の経済的危機を打開し、これを確立するために、厚生省内において社会保險審議会というものをつくりまして、天下の衆知を集めようとしておる。これまた皆様の御承知のところであります。
 現在ここに提案されておりまするこの健康保險法の一部改正法、つまり千分の五を引上げるということ、これは労働者、資本家の両方が折半するのでありますから、つまり一箇月において一万円の月給取りは二十五円の値上げになるものでありまして、これは考えようによつては非常に高い値上げでもあり、またそう大したものでもないとも言えるのであります。このような問題が出て参りましたのも、つまりこの健康保險の危機を打開せんがための一つの手段にすぎないのであります。今申し上げましたように、社会保障制度審議会においても、あるいは社会保險審議会においても、これらの問題が国会に提案される前に十分に討議せられまして、いずれにおいても、現代においてはやむを得ざる処置として承認をせられたのであります。すなわち、事務的にはこれ以上現在方法がないという結論に到達しておる問題であります。しかしながら、われわれは国会議員として考えまする場合に、さらにいわゆる政治的な手段において国会を動かして政府に金を出さしめるという方法が残つておるわけであります。今これを検討してみたいと思うのであります。
 第一は、政府がこの社会保險の医療給付に対してその一部を負担するということがございます。わが自由党は、現在内閣を担当しておりますゆえに、来年度の予算を決定する場合においても、われわれも、この社会保障制度の根本問題である医療給付に対する国庫補助という問題をまず第一に取上げまして、あらゆる努力を拂つて参つたのであります。しかしながら不幸にして、わが国の経済の現状と、政府のこれに対する多少の不理解と、もう一つは客観的情勢によつて、明二十六年度においては、この医療給付に対する国庫補助ということは絶望する以外に方法はなかつたのであります。しかしながら、もちろんこの問題に関しましては、われわれは健康保險においては事務費の全額、その他の健康保險においては八割という増額をせしめ、また結核の一貫する対策におきましても数十億の金額を醵出せしめて、直接的にも間接的にも健康保險に対する補助したのでありますけれども、不幸にして、担当なる国庫補助ということは来年度は望み得ないのであります。
 さらに最後の手段として、いわゆる国庫剰余金をもつてこれに充てるということが考えられるわけであります。政府管掌の健康保險においては、現在三十億円の赤字を出しておるわけであります。つまり国庫剰余金より借りておるわけであります。しかしながら、議会人として、少くとも国民的政党に所属する国会議院として、われわれがまず第一に考えなければならぬことは、われわれが国民の福祉増進を考える場合には国民全体を考えなければならぬということであります。單に一部だけの幸福ということは、われわれは望まないのであります。
 現在この健康保險について考えますると、健康保險の範囲内においては、いわゆる政府管掌の健康保險と国民健康保險とでは、その診療件数において、金額において、国民の負担において天地雲壤の差があります。政府管掌の健康保險が、たとえて申しますならば天であり月であるならば、国民健康保險は地であり、すつぽんであります。同じ健康保險と申すものの中にも、これほどの差があるわけであります。われわれはもちろん、政府管掌の健康保險がこれ以上向上しますことを望みますが、その低下は望みません。しかしながら、これと同時に、今や破綻に瀕しておるところの国民健康保險をもこれと同じようなところまで持ち上げることが、われわれの最大の急務でなければならぬのであります。(拍手)従つてわれわれは、もし政府剰余金を健康保險に借り入れるということができますならば、もちろん政府管掌の健康保險に対しても、あるいは国民健康保險に対しても同じように借り入れるように努力しなければならぬのであります。もしこの法案が否決されまして、このままに健康保險を放置しますならば、政府管掌の健康保險だけにおいても、明年度においては六十億に近いだけの赤字になるわけであります。さらにこれを国民健康保險に適用しますならば、百数十億あるいは二百億に達するところの赤字が出て参るわけであります。この将来に対する何らの計画がなくして国庫の金を二百億円も借金することが、はたしてできるかどうかということは、国会議員たるものは、少くともこのことについては十分な理解があるはずであります。(拍手)
 従つて、以上申し述べましたような理由によりまして、今回はこの法案を通過せしめる以外には絶対に方法がないということは明らかであります。従つてわれわれは、一時涙をのんで、勤労者に対してまことに申訳ない次第ではございますが、この社会保險の危機を救い、将来の発展を期するためには、この法案に賛成せざるを得ないという結論に到達するわけであります。ただいま、前の討論者のお説の中に、この保險料率の値上げは社会保障制度の趣旨に逆行するものではないかという御説がございました。これを近視眼的に見れば、まさにその通りでありましよう。しかしながら、このわが国の経済状態において、われわれが満足するような、国民の生活をゆたかにするところの社会保障制度を確立するためには、二年や三年の時日をもつてすることは不可能であります。小くとも五年、十年の絶えざる努力がいるわけであります。従つて、これだけの長い期間あらゆる努力をする場合には、時によつては一歩後退することもありましよう。われわれは、このたびのこの処置は、跳躍の前の一時の屈伸であると考えてさしつかえないと思うのであります。しかしながらわれわれは、もちろん、このたび法案は一時的な手段であると思つております。来年度もこのようなことが繰返されることは許されません。昨年度も値上げをいたした。本年度も値上げをいたしておる。来年は値上げをすることは許されない。政府はここに思いをいたして、この社会保險の根本的な確立、さらに社会保障制度の飛躍向上への根本的な方策を考えねばならぬ時期に到達しておると思うのであります。
 この社会保障制度、社会保險の確立の根本的條件は何であるかと申しますと、結論から申しまして、医療給付に対する相当の国庫補助と、適正なる診療の行われるという、この二つであります。従つて政府は、ぜひとも新たなる決意をもつて、この社会保障制度確立のために、相当なる国費を医療給付に充てられるように努力せられんことを切望いたしまして、私の賛成の意見を終るわけであります。(拍手)
#15
○副議長(岩本信行君) 岡良一君。
    〔岡良一君登壇〕
#16
○岡良一君 ただいま御提案になりましたる健康保險法の一部改正、すなわち料率を千分の五十から千分の六十に引上げ、その最高限は千分の六十五までを認めることによつて労働者に対して年間少くとも十五億の負担加重をし、また一方においては保險の資格を喪失したる者に対し、病気になつたときの医療給付については嚴重な制限を加えておるこの改正案に対しましては、日本社会党は全面的に反対するものであります。
 なぜ反対するかと申しますると、この保險料率は、現在における日本の労働者の賃金の実情から見てきわめて苛酷なる措置なのであります。現在世界の社会医療保險の統計を見ますと、たかだか千分の五十から六十五でありますが、これらの諸国におきましては、すべてが最低賃金制がしかれ、最低賃金制の前提のもとに、この料率が労働者によつて納得されておるのであります。しかるに、わが国の賃金の実態は、人事院勧告の付録資料によりましても、丙地において五人世帶の勤労者が、カロリー計算に基きましても一万一千九百余円を生計費として必要とするにもかかわらず、比較的民間産業において率の高いといわれている鉱工業者においても、九千円の手取りにはならないのであります。これに対しまして、最低賃金制がしかれておる諸外国の最高千分の六十五のごとき保險料率を適用せんとするごときは、数字の上から見ても明らかに苛酷なる措置であります。(拍手)
 御存じのように、健康保險や国民健康保險は、三千数百万の労働者とその家族、二千七百万の農民とその家族の、いわば生活と生産の源泉であるところのその労働力、その肉体的な労働力を病から守らんとする防波堤であります。この防波堤が財政の赤字によつて危機に瀕するときに、ただ一方的に、労働者の負担においてその危機をしのがんとするがごときは、政府並びに自由党内閣の大衆收奪政策の端的なる現われであるとわれわれは断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 国民健康保險並びに健康保險の危機は、すでに数年来唱えられました。昨年発足いたしました社会保障制度審議会は、八月下旬の第一次の勧告におきまして、この事実に重大なる関心を拂い、八月二十二日には、その第一次勧告において、健康保險の赤字を補填するために、緊急に法律の改正をもつて給付費の一部負担の原則を確立すべきことを明らかに要請をいたしておるのであります。ところが、当時これが政府によつて、まつたくたな上げとなつた。そこで私は、この議場において、吉田内閣総理大臣に、健康保險の赤字補填のための社会保障制度審議会の勧告に対して政府はいかなる対策を用意するかを尋ねましたところが、吉田内閣総理大臣は明らかに、総合的なる社会保障制度審議会の勧告をもつて善処する旨を公約されておるのであります。ところが、社会保障制度審議会の総合的勧告はすでに十月十六日に発せられ、しかもその中には特に医療費の補償に重点を置き、給付費は一般においては二割、結核においては五割を国庫が負担すべきことを強調しておるのであります。にもかかわらず政府は、今次法律改正を通じて何ら給付費の国庫負担を実現するところなく、むしろ財政の赤字を打開するために一方的に労働者の負担を強要する。これは明らかに社会保障制度審議会の勧告に対して、まつこうから弓を引く措置であります。自由党並びに與党の諸君が、社会保障制度そのものの実現に対して、一片の誠意も、何らの責任感もなき、生きた証拠であるといわざるを得ないのであります。(拍手)
 かかる観点に立ちまして、われわれは、去る四月の下旬におきまして、社会保險の危險突破のために、医療給付の国庫負担をその内容といたしまして、国民疾病に関する保險の危機突破のためのすみやかなる積極的措置を各派共同でもつて決議いたしておるのであります。にもかかわらず、今日この決議を無視して、健康保險の改正に名をかつて、赤字克服のために労働者の一方的負担がしいられるということは、明らかに政府が衆議院の院議そのものを無視するやり方ではありませんか。(拍手)いわんや、ただいまの討論者の弁によれば、関係方面等のことによつてその実現が不可能であると申しますが、しかし今日、全国国民健康保險組合の大会あるいは健康保險組合の大会等を通じまして、もはや、ほうはいたる輿論は給付費の国庫負担を要求しておるのであります。かかる、ほうはいたる輿論を無視いたしまして、いたずらに関係方面に名をかるがごときは、これまた明らかに国会の自主権そのものを冒涜するものといわざるを得ないのであります。(拍手)
 かかる観点におきまして、われわれは、給付費の国庫負担のすみやかなる実現を、ひいてはそれを突破口といたしまする社会保障制度への実現及び国会の自主権とその審議権を守る観点において、日本社会党は本改正法案に対して、徹底的に反対することを表明いたしまして討論にかえる次第であります。(拍手)
#17
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#18
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#19
○副議長(岩本信行君) 日程第三、鉱業法案、日程第四、採石法案、日程第五、鉱業法施行法案、日程第六、土地調整委員会設置法案、右四案は同一の委員会に付託せられた議案でありますから、一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。通商産業委員長小金義照君。
    〔小金義照君登壇〕
#20
○小金義照君 ただいま一括議題となりました鉱業法案外三法案の、通商産業委員会における審議の経過並びに結果について要領を御報告申し上げます。
 鉱業法案は、明治三十八年制定以来数十年の久しい間、部分的な姑息な修正を施して来たところの現行法に、今日の時勢に即応するよう根本的に修正を加えんとするものであります。この法律案が現行鉱業法と異なつておる点は、法定鉱物を相当数追加したこと、租鉱権の制度を設定したこと、その他鉱業権の存続期間、鉱業に関する勧告または協議、土地の使用並びに收用、鉱害の賠償、通商産業局長の権限等に関する規定をそれぞれ追加あるいは更改したことなどであります。
 次に採石法案の要旨は、土木建築並びに一般工業用として必要なる岩石の採掘権を確保するということであります。
 次に鉱業法施行法案の要旨は、鉱業法の制定に伴い必要な経過的措置を講ずるとともに、関係法令の改正を行うというものであります。
 最後に土地調整委員会設置法の要旨は、地下資源の開発が、農業、林業その他の産業並びに一般公益に及ぼす影響を調整するための公平な機関を創設しようというのであります。
 鉱業法案並びに採石法案は、本年の七月二十九日、通商産業委員会に付託せられ、ただちに提案理由の説明を聽取いたしまして以来、委員会を開くこと前後七回、この間農林委員会との連合審査会を別に一回開きました。また八月下旬より九州方面、北海道方面にそれぞれ十日間にわたり現地調査を行い、十月二十六日及び二十七日の両日にわたり公聽会を開きまして、各方面多数の公述人の意見を聽取いたしたのであります。
 また鉱業法施行法案は、十一月二十五日、本委員会に付託せられ、提案理由の説明を聽取して、二十七日、二十九日の両日にわたり質疑を行いました。
 土地調整委員会設置法案は、去る五日、本委員会に付託せられまして、即日提案理由の説明を聽取し、昨六日、活発な質疑応答を行つたのであります。これらの詳細につきましては速記録を御参照願いたいと存じます。
 なおこれら法律案の重要性にかんがみまして、特に各党派より代表を出しました小委員会を設けまして、さらに愼重に検討を行いました。結局、前後四回にわたる審査の後、十一月十八日、中村幸八君より小委員長修正案が提出せられまして、関係方面との折衝も終りまして、昨日この委員会において討論を行つたのであります。自由党を代表いたしまして中村幸八君より、きわめて適切なる要望を付して賛成の意見の陳述がありました。次いで国民民主党を代表して高橋清治郎君より、これまたわが国鉱業の開発と他産業との調整についてきわめて剴切な要望を付して賛意を表明せられたのであります。続いて日本社会党を代表して加藤鐐造君より、次のような希望を付して賛成をせられたのであります。第一、試掘権の延長を許可する場合、鉱業権者が誠意をもつて試掘に従事し、探鉱を継続しておる事実を認めた場合にのみ許可し、絶対に例外を認め、情実に流れてはならない。二、政府は鉱害の予防については万全の処置をとり、鉱害の復旧については、あたう限り原状回復を行わしめること。さらに小平忠君より、これまた適切な要望を付して賛意を表明せられたのであります。最後に、日本共産党を代表して田代文久君より反対の意見が表明せられました。そこで採決を行いました結果、日本共産党を除くのほか、全各派をあげて賛成をしたのであります。
 次に修正案の要点にいつて御説明を申し上げたいのでありますが、そのほんの一、二を申し上げますと、鉱区の面積が、今度は單位が非常に大きくなつておりますが、これを現行法通りにするとか、あるいはまた採掘権に三十年の期限が原案には付せられておりましたが、現行法通り無期限にするというふうな修正であります。これらの詳細は、いずれも委員会の速記録に讓ることといたします。
 なおこれらの法律案の可決後、一般鉱害の賠償に関する決議案が全員一致をもつて可決せられたのであります。決議案の要旨は、鉱害地の原状回復に対する被害者の熱望にこたえるとともに、食糧その他重要物資の生産を確保するためにも、原状を回復するか、少くともその効用を復活せしめることが絶対に必要であります。しかしながら、この費用を鉱業権者に負担せしめることは、鉱業の壞滅に導くこととなるのであります。さりとて、この種の経費を多少なりとも被害者に課するとは、適正賠償の観点からも断じて許されないところであります。結局国庫の負担においてこれを遂行するほかないのでありますから、政府はすみやかにこれを実現するため、まずその準備委員会をただちに設置して必要な法律を立案すべきであるという趣旨のものであります。
 以上をもちまして、簡單ながら委員会の経過並びに結果の報告といたします。(拍手)
#21
○副議長(岩本信行君) 討論の通告があります。これを許します。田代文久君。
    〔田代文久君登壇〕
#22
○田代文久君 私は、日本共産党を代表して、ただいま上程されました鉱業法案外三法案並びに修正案に対しまして断固反対の意を表明するものであります。
 鉱業法におきましては、本法によりまして日本の鉱業資源を合理的に開発し、それによつて公共の利益を増すということを目標にいたしておるのでございますけれども、ただいま上程されました鉱業法案におきましては、断じてこの所期の目的を達することは不可能であります。私が申し上げるまでもなく、この地下資源というものは、日本国の地下に眠つておる、われわれ国民全体の共有たるべき資源でありまして、これが現在におきましては、五百数十に余る鉱業権者によつて寸断され、あるいは独占されておるのでありまして、従いまして、その生産機構においてもねだが多いし、ロスばかりであります。坑口をあけるにいたしましても、あるいは坑道を設置するにいたしましても、あるいはその運搬にいたしましても、電力を配分するにいたしましても、実に厖大なるロスが出ておるのであります。技術の導入によつてこの鉱業資源を有効に開発するといいますけれども、これらの問題が解決しない限りにおきましては、これは天井打ちをするのであります。
 従いまして、現在の資本家的の方法によりますこの合理的な採掘方法なるものは、ひたすら労働者大衆に対する圧迫となつて現われておるのであります。すなわち、首切り、労働賃金の切り下げ、長時間労働ということになつております。一例をあげますと、たとえば炭鉱労働のごときは、三井、大牟田あるいは長崎等におきまして、長期の囚人をもつて坑内労働に充てましたことは、皆さん方御承知の通りであります。この伝統は、依然として、とうとうとして続いておるのである。
 現在の炭鉱労働者の生活なるものは、いかに悲惨きわまる状態になつておるか。われわれが現在ここで話をしておりますこの瞬間におきましても、地下数千尺におきまして、労働者大衆は、あるいは落磐の危險にさらされ、多数のけが人を出しておるのであり、炭鉱労働者の住宅は、今もつて納屋という言葉でもつて表現されておるのであります。納屋という言葉は、これは人間の入る住宅にはつけることのできない名前であります。馬小屋とか、牛小屋とかいう、そういう意味においてであり、いかに現在炭鉱労働者が悲惨な状態に追い込まれておるかということが、これ自体によつてはつきりわかつておるのであります。従いまして、われわれがこれらの地下資源を合理的に開発し、あるいは公共の福祉を増進させるという目的を達成させますためには、われわれが絶えず主張しておりますように、これらの重要産業は、国営人民管理の方式のもとに鉱業法なるものを立てなければ解決しないということを主張するのでありますし、これが反対の理由の第一点であります。
 第二点といたしましては災害賠償規定の問題でございますが、現在この災害賠償規定なるものは、あくまでも資本家本位につくられておるのでありまして、被害者大衆は数百万人に達しており、その鉱業被害は、特別鉱害あるいは一般鉱害を含めまして二百数十億という厖大な額に達しておるのであります。これは前々国会から、実に重大なる問題として、地元民諸君からもごうごうたる陳情その他運動が展開されたのでありますけれども、この鉱業法におきましては、それらの輿論を無視し、依然として明治三十八年に制定されました鉱業法の金銭賠償をもつて基本原則としているのであり、原状回復の線はちつともて出ておらない。しかも賠償請求権というようなものは、これは時効によつて消滅させるとか、あるいは賠償打切りというようなひどい規定も出ておるのでありまして、断じてわれわれはこれに反対せざるを得ない。従つて、われわれは依然として、これまた国営人民管理により、そうして災害賠償なるものを国家、社会が保障するという線が出ないことには、きれいさつぱりにならないということを、はつきり主張するのでありまして、これが反対の第二点。
 第三点といたしましては、これはこの鉱業法の生命線とも申すべき最も重要なる規定でございますけれども、すなわち第十七條――現行鉱業法によりますると、これは明治三十八年に制定されたのでありますが、日本帝国の臣民並びに日本帝国法人でなければ鉱業権を所有することができないということになつておつたのであります。もちろん帝国という言葉はよくないのでありまするから、これはとつてもらいたい。けれども、現在提出されております鉱業法案におきましては、但書をつけたのであります。すなわち「但し、條約に別段の定があるときは」この限りにあらずという但書をつけたのでありまして、その内容は、すなわち日本の鉱業権は、今まで断じて外国人並びに外国の資本家に持たしてはならないということになつておりましたのを、今度の鉱業法におきましては、外国人といえども、この日本領土の正味どころである、牛のくら下に当る部分、この鉱業権を外国人が持つてもよろしいという但書をつけたのであります。アメリカの死んだルーズベルトといえども、ブラジルにおきまして、外国の資本がこの国の産業を支配しておるというようなことになるならばアメリカには革命が起るであろうということを言つたのでありますが、こういう日本の全産業というものが外国の大資本家によつて自由自在にされるという状態に置かれております現状におきまして日本においては何で革命が起らないか。革命を起すことは、そつちのけにしまして、現在の吉田内閣並びに資本家階級は、あくまでもこれを外国のために提供するという形態をもつておるのであります。すなわちこの鉱業法案は、明らかに植民地的売春法である。われわれ日本人にとりましては最も屈辱的な法案であると断定せざるを得ないのであります。(拍手)
 これを要するに、これらの全法案並びに修正案は、一方におきまして外国に日本の資本どころを提供し、まさに現在展開されておりますところの朝鮮動乱を転機といたしまして、これらの世界資本主義、帝国主義あげての戰時体制、その準備のために、日本の地下資源というものをこの戰時体制に動員する、そのために最も有効な法律であるということが断定できるのでありまして、かくのごとき意味から、わが共産党は断固反対するものであります。(拍手)
#23
○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。
 四案を一括して採決いたします。四案の委員長の報告はいずれも修正であります。四案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#24
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて四案とも委員長報告の通り決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
#25
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法案、国有財産法第十三條の規定に基き、国会の議決を求めるの件、右両件を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#26
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法案、国有財産法第十三條の規定に基き、国会の議決を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長夏堀源三郎君。
    〔夏堀源三郎君登壇〕
#28
○夏堀源三郎君 ただいま議題となりました旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法案について、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 恩給及び一般の共済組合の年金は、終戰後の給與改訂に伴いまして逐次その額が改訂引上げられて参つたのでありますが、旧陸海軍共済組合、外地共済組合等の年金は従前のまますえ置かれ、これら共済組合の年金受給者の現在の窮状は見るに忍びないものであります。従いましてこの法案は、これら共済組合の年金受給者の年金を改訂して恩給及び一般共済組合の年金との権衡をはかり、もつてこれら年金受給者の生活安定に資せんとするものであります。
 その要点は、第一に、その年金額につきまして、従前の年金算定の基礎となつた俸給を、今回実施予定の一般公務員の新給與の基準に引き直して計算することとし、これに必要な費用は国庫より補助することといたしたことであります。第二に、これら年金支給に関する事務は、共済組合連合会をして特別の会計を設けて統一的に処理させるとともに、これに伴いまして、旧陸海軍共済組合の権利義務は原則として同連合会に承継させることになつたのであります。第三に、日本製鉄八幡共済組合の年金受給者のうち官業共済組合時代の年金受給者の年金額を同じように改訂しまして、それに必要な責任準備金の増額分に相当する金額を一時に同共済組合に交付することといたしたことであります。
 この法案は、十二月四日、本委員会に付託せられ、ただちに政府委員より提案理由の説明を聽取しました後、同日及び翌五日の二日間にわたり質疑を行い、慎重審議を続けたのでありますが、質疑応答の詳細につきましては速記録に讓ることといたします。
 次いで、昨六日質疑を打切り、本七日討論採決に入りましたところ、西村直己委員は自由党を代表しまして、特に日本製鉄八幡共済組合の組合員のうち官業時代、民営時代にわたる年金受給者につきましても、官業時代の年金受給者と同様に取扱うことができるよう近い将来補正の立法措置を要望しまして賛成の旨を述べました。川島委員は社会党、国民民主党及び共産党を代表しまして、同じく日本製鉄八幡共済組合について政府においてすみやかなる措置を講ずることの條作を付し賛成の旨討論せられました。次いで採決いたしましたところ、起立総員をもつて原案の通り可決されました。
 次に国有財産法第十三條の規定に基き、国会の議決を求めるの件につき御報告申し上げます。
 本件は、第八十七代四條天皇の月輪陵外六十八基の陵墓の所在地として皇室用財産に残されていたもののうち、土地二千五十七坪を月輪中学校の敷地として、また九千四百二十五坪を日吉ケ丘高等学校の建築敷地として、その用途を廃止しようとするものであります。これは京都市から開放の申請がなされていたものでありまして、いずれも陵墓の所在地から相当の距離があり、孤立した飛地でありまして、これを用途廃止しても陵墓管理上支障がないと認められ、昭和二十五年八月二十三日、皇室経済法第一條第二項の規定に基き皇室経済会議の議を経たものであります。
 以上が本件の内容並びに提出になりました趣旨でありますが、本件は、昨六日大蔵委員会に付託せられまして、政府委員より提案理由の説明を聽取し、二、三の質疑が行われました後、討論を省略して採決いたしましたところ、全会一致をもつて可決すべきものと議決いたしたのであります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#29
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。両件は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて両件は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#31
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、倉石忠雄君外七名提出、全国選挙管理委員会法の一部を改正する法律案を議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#32
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼び者あり〕
#33
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 全国選挙管理委員会法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事河原伊三郎君。
    〔河原伊三郎君登壇〕
#34
○河原伊三郎君 ただいま議題となりました全国選挙管理委員会法の一部を改正する法律案の、地方行政委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 本改正案は、衆議院議員倉石忠雄君外七名提出にかかるものでありまして、その内容は、昭和二十二年に制定せられました全国選挙管理委員会法のうち、第五條第一項に定められている全国選挙管理委員の定数を九名から七名に減員し、これを昭和二十五年十二月二十二日から施行せんとするものであります。
 本改正を行う趣旨は、近来行政機構のうちに委員会制度を設ける事例が増大しつつあるのであるが、これら委員会のほとんどすべてが、最大七名程度の委員をもつて構成されている現状にかんがみ、これらとの均衡を考慮するとともに、行政機構の簡素化並びに経費の節減によつて国民負担の軽減に資せんとするものであります。
 本法案は、十一月三十日、本委員会に付託せられましたので、十二月六日、提案理由の説明を聽取し、一、二の質疑応答がありましたが、適切な措置であることに異論なく、本日討論を省略して採決の結果、全会一致をもつて可決せられたのであります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#35
○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#37
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、議院運営委員長提出、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案は委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#38
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。議院運営委員椎熊三郎君。
    〔椎熊三郎君登壇〕
#40
○椎熊三郎君 ただいま議題となりました国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案について、提案の理由を簡單に説明いたします。なおこの際、特にこの提案理由を説明するにあたりまして、今朝来の運営委員会における共産党の不信行為についてもあわせて私は説明いたします。(拍手)
 本案は議院運営委員会において立案したものでありまして、国会議員の歳費は、今回内閣総理大臣を初め国家公務員の給與が改正されるにあたり、これに対応いたしましてこの改正案を提出した次第であります。
 その金額は、議長は内閣総理大臣及び最高裁判所長官と同額の六万円、副議長は国務大臣と同額の四万八千円とし、議員は国会法により一般官吏の最高の者より少いことはできませんから、各省次官の俸給と比較いたしまして、それより上の四万三千円といたしたのでございます。また議員秘書の給料は現在月額九千円でありますが、その職務にかんがみ、今回の給與改善に対応いたしまして、各省秘書官の増率にならつて月額一万二千円ということにいたしました。なお歳費及び秘書の給料の増額は、ともに明年一月一日から実施することとしたのでございます。
 本案は、今国会の劈頭より議院運営委員会の問題となつておりました。先般、本会議におきまして給與ベースの改訂をいたしました。現在までの議員の歳費は、今日までの賃金ベースにはスライドしておりません。今日までの、改正前の賃金ベース、その前のベースにスライドしておつたのであります。しかし、今回は多数の賛成を得まして、賃金ベースが御承知のごとく改訂せられました。国会法の規定によりまして、われわれ議員は一般公務員よりも少い歳費をとつてはならないことになつておるのであります。それは国会法上の決定でございまして、いかんともなしがたい。そこで、このことを審査するにあたりまして、まず議院運営委員会の庶務小委員会がこの原案を作成したのでございまするが、庶務小委員会というのは、各党ことごとく代表者を出しておりまして、その上親切にも二、三人よりおらぬという小会派などからもオブザーバーとしてこの会議列席することを認めております。この会議におきまして、事務当局より懇切なる説明等がございまして、満場一致をもつて本案の原案を確定いたしました。その際、日本共産党からも代表者が出て、異存なくこれに賛成したのでございます。(発言するものあり)庶務小委員会の作成原案を取上げまして、先般議院運営委員会におきまして、これまた満場一致の賛成を得て本案を決定いたしました。(発言する者あり)日本共産党の代表者も出ておつたのであります。
 しかるに本日、この案の提案の取扱いについて協議いたしましたる際、共産党の林君が――そこにおります林君が、議院運営委員会に突如姿を現わしました。林君は、諸君御承知のように、運営委員会ではときどき問題を起す人で、先般も、つい二、三日前も、運営委員会の議事運営に妨害を與うるがごとき行動があつて、その間暴力ざたなどもありまして、どういうしかけであつたか、たちまちにしてこの洋服の袖をはがれたという人だ。
    〔発言する者多し〕
#41
○副議長(岩本信行君) 御靜粛に願います。
#42
○椎熊三郎君(続) これは時間の制限がないのですから、ゆつくり説明いたします。(拍手)林君は、本日突如として運営委員会に出席せられて、これまで運営委員会において原案作成に共産党は賛成しておきながら、突如として本案に反対の意を表明した。聞くところによると、林君は何んでも弁護士をもつて職業としておるというので、多少法律ぐらいはおわかりになるかと思つておりましたが、これはまた意外のことでございまして、衆議院規則百五十六條の、議員は表決をかえることができないという規定を無視して、前回までの運営委員会で賛成しておつた本案に反対をした。なぜ反対をしたのか。ここに私がわざわざ本演壇に立つて趣旨を弁明せざるを得ない理由がある。(拍手)
 そもそも日本共産党は、━━━━━━━━━━━━━━━━━━の指導のもとに、世界赤化浬動の一環として彼らは存在する。(拍手)従つて日本の憲法は、憲法制定当時より彼らは反対であります。従つて、日本の憲法に服従することができないなら、憲法の條章に基くところの議員などになるということがそもそもこつけいだ。(拍手)何のために諸君は議員となつたのか。それは軍に社会を欺瞞し、この国会を通じて革命行動の宣伝をやりたいということじやないか。(拍手)遂に先般は、徳田球一、野坂參三その他の者は追放せられた。日本の国法を軽視し無視する共産党は、これまた卑法千万にも地下にもぐりこんで、もぐらのごとき行動をなしておる。
 今回もまた国会法に矛盾して、本案に突如反対したゆえんのものは、先般来、議員歳費の増額に関して、一、二の新聞に、これに批判的の記事が、わずかばかりでありましたが出ておりました。共産党はこれをのがさない。これをとらえてほかの議員はみんな歳費値上げに賛成するだろうが、共産党だけは、労働者の味方だから、歳費をあまり上げることには反対だ、という態度を見せたい。――しからば諸君に聞く。
    〔発言する者多し〕
#43
○副議長(岩本信行君) 御靜粛に願います。
#44
○椎熊三郎君 (続) われわれは新憲法以来、再々歳費を上げました。そのたびごとに、共産党は文句を言わずに、われわれと同様歳費を受取つておる。今回は、おそらくこれほど堂々反対したのですから、一月からこの法律を実施せられても、諸君は今日の二万八千円でがまんなさる所存と私は想像する。(拍手)
 諸君、常に彼らの欺瞞行動はかくのことし。大道にルンペンのような大衆を集めてアジア演説などをやる場合には、これでも中には拍手する者もあるかもしらぬが、事いやしくも国会の議事堂内において、四百名に余る国家の選良を目前にして欺瞞政策をやらんとしても、それはだめだ。(拍手)しかも、徳田や野坂や神山がいれば、もつと上手な反対をするのだが、今残つている連中は、━━━━━━━━━━━━━。(発言する者多し)こういう者は、まるで共産党でも━━━━━同様なんだ。(拍手)ことに、もし━━━━━━が成功したとならば、そんな場合には、これらは追放される組なんだ。ほんとうの共産党は、こんな者を相手にしておらぬのです。そうして腹の中では金をほしがり、人の前ではいらぬと言う。実に彼らの行動と言論とはかくのことし。
 私は、あらゆる委員会における君らの発言を終始熱心に聞いておるが、言うことが、ことごとく支離滅裂なんだ。ことこどく大衆におもねるがごとく、しからずんば虚偽、欺瞞を連ねて社会を瞞着するがごときこの行動――一体、日本共産党というものを合法政党と認めておくことに私は反対だが、これを非合法にしてしまうと、われわれは彼らの眼前で彼らを批判することの機会を失するから、心ならずも許しておくのです。こういう方が国会に出入りするようになつてから、国会の品位はとみに下落いたしました。国会議員にして、汚物を頭から投げかけられるような議員さえ出て来た。かつて日本の国会議員で、あんな不潔なものを頭からかけられた者は一人もない。この――の団体ができてから、常に国会はかくのごとき不祥事件を見るに至つたのであります。(拍手)われらは、彼らをこの席上に残しておいて、これから先は遠慮せぬ、端から、かれらの欺瞞政策を暴露して、大衆とともに共産党の正体というものをほんとうに把握してかからぬと、これはたいへんなことになります。
 諸君、私に今回の議員歳費の値上げ、旅費手当、秘書の手当の増額に関する共産党の卑劣千万なるこの行動を取上げて、第九国会における当初から今日までの共産党の欺瞞政策の総ざらいとして本日はこの言をなしておるのであります。(拍手)特に法律家をもつて任ずる林君のごときは、この問題の趣旨弁明にこの椎熊が立つということを聞いたら、人の前では大声をあげておるのに、こそこそと私の席上へ来て妥協を申し込んでいる。これが共産党の卑怯なところだ。(拍手)反対なら、なぜ堂々と反対せぬのか。軽くやつてくれるなら、われわれの方も考えます、あまり大きな声でやつてくれるな、と泣きついて来ておるのです。(「うそを言うな」と呼ぶ者あり)実に見下げ果てた心事ではないか。陋劣、━━、━━、下等、━━、言語に絶するの行動であると私は思います。
 特に議員歳費値上げの絶好のチヤンスをとらえて、もつて共産党以外の各議員諸君と、ここにあらためて共産党に対する認識を深め、彼らの欺瞞的行動に対して監視の目を怠つては相ならぬということを強調いたしまして、本案の趣旨にかんがみ、ただいま趣旨弁明いたしましたる本案には、共産党以外全部の御賛成を期待いたしまして降壇する次第であります。(拍手)
#45
○副議長(岩本信行君) ただいまの椎熊君の発言中不穏当の言辞があれば、速記録を取調べの上、適当の処置を講じます。
 ただいま林百郎君から一身上の弁明のため発言を求められておりますが、これは適当の機会に許します。(発言する者多し)
 採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#46
○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
#47
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、足鹿覺君提出、昭和二十五年度産米価に関する緊急質問をこの際許可せられんことを望みます。
#48
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 昭和二十五年度産米価に関する緊急質問、許可いたします。足鹿覺君。
    〔足鹿覺君登壇〕
#50
○足鹿覺君 私は、日本社会党を代表いたしまして昭和二十五年度産米価についてわれわれの米価に対する基本的な態度並びに主張を明確にしつつ、以下五項目につきまして政府の所信をたださんとするものであります。
 まず第一に生産者価格についてであります。およそ再生産を保障する米価とは、生産農民が絶対に讓ることのできない最低限の要求でありまして、今日までこれを要求し続けて参たのでありますが、この農民の生産、生活防衛の最低限の、きわめて謙虚なる要求に対しまして、政府が農民に與えたものは強権供出と低米価政策のみであつたことは、あらためて指摘するまでもない、天下周知の事実であります。しかるに、昭和二十四年よりドツジ安定政策が生み出しましたわが国経済循環の変調と、さらに外国食糧の大量輸入とは、相互にからみ合つて農民経済を窮乏の一遂に追い込み、政府がわが国農業の維持存立を必要とする限り、従来の農産物価格政策は、ここに重大なる転換期に到来したといわなければならないのであります。すなわち、農民経済が單なる価格政策によつてのみ、その所得の安定を得ることの困難であることはもちろんでありますが、価格政策は、またそれ自体の政策目的を農民所得の安定と向上に指向しなければならないのでありまして、農民が主張する最低限の要求もまた重点をここに置いておるのであります。この意味において、去る十一月二十九日より三日間開催せられました米価審議会が、生産費計算方式に基く五千八百円を生産者価格として答申したことは、けだし当然というべきであり、きわめて妥当なるものと確信するものでありますが、政府は、審議会の答申に対し、今日まで一週間を経過いたしましたが、これが予算化についてはきわめて誠意を欠く態度が多く、答申の実現のためにいかなる措置をとつたか、また今後いかに努力するつもりであるか。安本、農林両大臣の所信のほどを承りたいと存ずる次第であります。
 政府は、今回の米価決定にあたつて、供出最盛期に至る今日までその決定を遷延せしめ、総司令部との折衝を終えて、この結果をもつて強引に米価審議会に臨み、会議を一方的に押し切らんとして失敗をしたのでありますが、政府は、米価審議会を昨年九月設置以来、その答申をことごとく無視し来り、今回また、これが答申の実現のために何ほどの努力をも傾注せず、一方、米価決定の最終的責任を審議会に転嫁しつつあるこの意図はあまりも明白でありまして、われわれは、政府の米価審議会を一片の形骸と化せんとする、非民主的な、農民を愚弄する態度に対しまして猛省を促すと同時に、米価審議会設立の経緯を再考し、人事院の勧告にも比すべきこれが答申尊重を強く要求するものであります。
 第二にたださんといたしまする点は、政府は将来米価決定の方式をいかにする考えであるかということであります。すなわち、米価審議会を存続するのかどうか。その存在の意義を政府みずから事実上否認したるがごとき今日の現状において、その性格を決議機関として一新しないならば無意味であると思うが、審議会の性格を変更する意思があるかないか、また財政法によつて、米価は国会に決定権を與え、予算の審議と表裏関係においてこれを審議することが適当とも考られるが、政府の構想について伺いたいのであります。
 第三には、米価の算定方式について、政府はすみやかに生産費計算方式を採用すべきであると思うが、その意思と用意があるかないかということについてお尋ねを申し上げます。本来米価は、それによつて米の生産に要した費用を回收し、次の再生産を確保せしむることを主眼とするものでありまするから、基本的には生産費計算により形成さるべきことは、何人といえども動かし得ない大原則であります。さらに最近における客観情勢の推移は、わが国食糧の自給態勢の急速強化を要請しつつあるにかんがみましても、国民食糧需給上、極力国内産米の増産と、その最大限の集荷をはからなければならぬのでありまするから、供出農家として限界にある農家の再生産の確保をはかることは、單に農民だけの要望ではなくて、国民経済的な要請であると申しましても、あえて過言ではないと存ずるのであります。農林大臣は、旧来の方針に拘泥することなく、米価について生産費方式を断行すべきであると思うが、その準備を進めておられるのでありますか、お伺いをいたしたいと存ずるのであります。
 第四に消費者価格決定について、審議会は現状すえ置きを建議しているのでありますが、生産者価格と消費者価格の調整の基本方針について伺いたいのであります。政府は、来年一月の消費者価格改訂を、十キロ五百二十円を予定しておると伝えられておるのであります。現在の十キロ四百四十五円に比し約一七%の値上りとなるのであります。政府は、この程度の値上げは減税や賃金増加によつて吸收すると言われますけれども、賃金の増加による收入増には常に時間的なずれがあるのでありまして、また減税も階層別によつて大きな差異があります。いわんや今回の減税が、エンゲル系数の高い低額所得層に減税率が低く、これら米価の値上り分と相殺することはできません。かりに相殺ができ得たといたしましても、それでは、勤労者にとつては今回の減税は何らの負担軽減にならないところの自由党、與党の欺瞞政策といわれても何ら弁解の余地はないと申し上げてさしつかえないのであります。
 消費者価格と生産者価格との調整は、中間経費の節減も必要であります。適当な二重価格政策によることが絶対必要と思いまするが、政府のこれに対するところの所見はいかがでありましよう。最近、中間経費節減に関する国民の強い要望に抗しかねて、政府の一部には、協同組合の收入の主要なる源泉となつている集荷手数料、農業倉庫保管料、委託加工賃等の引下げによつて本問題の解決を糊塗しようといたしておる動きがあるようでありますが、これら諸料金の引下げによつてもたらされる組合経営の危機は、直接農民の負担の過重する結果とならざるを得ないのでありまして、農協の強化育成が叫ばれている今日、見当違いもはなはだしいものでありまして、われわれの断固反対するところであります。私どもが指摘いたしたい、中間経費中具体的に節減の余地ありと認むるものの二、三を例示申し上げますならば、まず第一に、食管人件費、事務費四十三億円は、行政費として一般会計負担に切りかえることが妥当である。運送費百二十三億は、元請制度の得失の検討、プール計算の適正化、輸送合理化によつて、二十数億の削減は当然予想されておるはずであります。また食糧証券に対する金利日歩一銭三厘、六十一億円は、資金の高率回転等によつてなお節減の余地があると考えるのでありますが、これらに対して安本長官の御見解をただしたいと存ずるのであります。
 かくのごとく相当の中間経費は節減可能と思われますが、しかし、消費者価格の現状すえ置きの財源としてこれのみに期待し得ない現状において、生産者及び消費者間の調整はいかなる方法によつて行い得るか、真劒なる検討を要する問題であろうと存じます。すなわち、農林大臣がしばしば増配朗報として発表したり、また取消しをしたり、国民は迷つておるのでありますが、この配給増加による米食率を引上げ、もつてやみ依存度を低下せしめると同時に、一方生産者価格の値上りによつて生ずる輸入補給金の減少分約四十数億円、農家所得税收入増加の約三十億円等にその他を加えてなお不足する部分は、一般財政負担による二重価格制の実行によつて生産者価格と消費者価格との調整は可能と考えておるものでありますが、安本長官の御見解並びにこの調整に対する方針を承りたいと存ずるのであります。
 最後に、米価の国際価格さや寄せの問題について大蔵大臣に伺いたいのであります。最近におきまして、わが国経済は、貿易の増加、安定帶物資価格差補給金の廃止等によりまして、物価体系がおのみずから国際体系に接近しつつあるので、この際農産物につきましても国際価格を考慮せねばならず、それゆえにこそ……。
#51
○副議長(岩本信行君) 足鹿君、ちよつと申し上げますが、時間も申合せより過ぎておりますし、大蔵大臣もおりませんから、ただいまのその点は、適当の機会に御質問願つたらどうかと思います。
#52
○足鹿覺君(続) 簡單ですから、もう少し――それゆえにこそ、日本農業の近代化とその合理化のために積極的な施策が要望せられつつあるにもかかわらず、政府は、これについてこたえるところきわめて少く、われわれの最も遺憾とするところであります。特に大蔵大臣の、今日南方米が経済外的な要素によつて高められている事実を無視して、一挙に米価のさや寄せを行い、もつて補給金の削減をはからんとする財政的な見解に対しましては、あまりにも日本農業の現段階を無視した独断であり、いかに無謀であるかを私はここに指摘し、その反省を強く要求いたしたいと存ずるものであります。(拍手)
 以上五項目にわたつて、米価政策の根本を政府にただした次第であります。誠意ある御回答を期待いたす次第であります。(拍手)
    〔国務大臣廣川弘禪君登壇〕
#53
○国務大臣(廣川弘禪君) 足鹿君にお答え申し上げます。
 生産者価格についての御所見でありましたが、私たちといたしましては、低米価より高米価にどうしても持つて行かなければならぬと思つて非常に苦心いたしまして、ここまで持つて来たようなわけであります。農民所得を増して再生産に資するようにすることが一番大事なのでありまして、そのために上げておるようなわけであります。この生産者の価格をきめる場合に非常におそかつたということでおしかりを受けたのでありますが、これは率直に私の方であやまつておきます。このおそくなつた理由がすなわち高くなつた由と相関連するのでありまして、私たちといたしましては、何とかいたしまして農民の生活を安定させたいということで、第一に一番基本になる米価を上げまして、そして農家所得を増すためにやつておつたのであります。農林省といたしまてしは、あくまで生産者の基底といたしまして、種々折衝いたしました結果、今回のパリテイ方式の中に一つのアルフアーが加わつたことによつて御了承を願いたいと思う次第であります。
 それから米価審議会を尊重するかしないかという話でありまするが、われわれといたしましては審議会を十分尊重いたすのであります。ただ米価審議会における答申案は、すなわち生産者価格においてはこれを認めて高くして、消費者価格においてすえ置くという、すこぶるむずかしい問題がありまするので、われわれは、これをいかに尊重するかについて、十分ただいま検討中であるのでございます。
 それから今後の決定方式のことでありますが、審議会の問題については、われわれはあくまで諮問機関として尊重することに将来ともいたしたいと思つておる次第であります。
 それから算定方式のことでございまするが、これは前々からの農民の声でありまするので、われわれ農林省といたしましても生産費を基底として算定いたしたのであります。生産費を基礎として算定いたしました結果は五千五百四十円という数字が出て参つたのであります。それからまた、大蔵省の池田君の方で一生懸命やつた、いわゆる国際価格さや寄せの問題も、大体この辺に行つたのであります。この案と、物価庁とわれわれとの間におきまして愼重に検討いたした結果が今度のようになつたのでありまするが、私といたしましては、将来この算定方式を、やはり生産費を基底とした方式にかえて行きたいと思つておるような次第であります。これはあなたの御意向と同じでありまするが、池田君とも、また周東君とも話し合いまして、今後この方面で進もうということを、今まだ決定ではありませんが話し合つているようなわけであります。
 それから国民の食糧自給の度を高めなければならぬときにあたりまして、いわゆる農民の生産意欲を増すために米価をもつと上げなくちやならぬじやないかという話でありますが、これにつきましては、さような意味からいたしまして今度は上げたようなわけであります。
 中間経費につきましては、この答申案を尊重する意味において、私の方では今十分案を練つております。あなたの御指摘のような、いわゆる運賃であるとか、あるいは倉庫費であるとかいうものを十分検討いたしております。ただその中に協同組合の手数料等もありまするので、これまたわれわれは農業協同組合を育成しなければならぬ立場にありますので、この点も十分検討いたしながら中間経費を節約することに努力いたしておるようなわけであります。
 大体私に與えられた質問はこれくらいと思います。(拍手)
    〔国務大臣周東英雄君登壇〕
#54
○国務大臣(周東英雄君) お答えいたします。
 米価審議会を法制化する意思はないか、また財政法第三條の規定によるような形にかえる意思はないかというお尋ねであります。ただいまのところ、さような考えを持つておりません。ただ私がこの際つけ加えておきたいことは、むしろ審議会の形式ではなくて、何とかして米価の算定方式を、各方面の経済学者または経験者を集めて確定いたしたい、こういう形において審議会等を持ちたいと今考究いたしております。
 今年の問題にいたしましても、いろいろとお話がありましたが、それぞれの違つた立場において算定しましたものを審議会で御議論になつているが、これでは根本の意見が合わぬはずであります。しかも、いろいろその方式について今日欠点があります。それは足鹿君も御承知の通りであります。せつかく審議会で御答申になりました生産者価格にいたしましても、これはすでに今日政府が各方面とあらゆる研究をし盡した問題で、その間にかなり不合理な点があるようであります。そこで、むしろ今後の問題としては、基本の方式をいかにするかということをきめて、その方式に当てはめれば大体において満足するような結果が出るように持つて行くことが正しいと思います。
 次に国際価格にさや寄せの問題を大蔵大臣にお尋ねになりましたが、便宜私からお答え申し上げます。足鹿君も御指摘のように、今外国にある米の生産価格というものは、いろいろな條件でもつて、必ずしも生産費という問題でなくて、あるいは專売の方式で行つているものがあつて、それを目当てに国際価格に一気にさや寄せするということは不適当ではないかというお尋ねでありますが、大蔵大臣も決してさようなことを考えているわけではありません。ことに米のごとく国際商品性のないものに向つて、他の一般国際商品性を持つものと同様に国際価格にさや寄せをするという考え方については検討されてしかるべきだと思います。大蔵大臣の申しますのは、戰前における朝鮮、台湾の輸入米がなくなつた今日、小麦が日本の食糧のウエートの大きい部分を占める状態になつて来たときに、その小麦については、かなり国際的の価格が影響する、それを参考として考えるということを言つておるわけでありまして、この点は御承知願いたいと思います。
 第三点は、消費者価格について二重価格制をとる必要があるのではないかという御意見であります。理想論としては、金がたくさんあればけつこうでありますが、社会党の諸君も、でき得る限り税金を軽減しろという御要求であります。片一方には、米はできるだけ高く買つて、消費者には安く売れということであります。この二律背反的な考え方を、現在の日本の財政事情を考えてみて、真劒にお互いに研究してみたい。それができるかできぬかということを、お互いに、まじめに考えてみたい。ほんとうに世間に向つて、消費者には安くする、農民からは高く買うということが、いたして現在の財政事情でできるかできないぬかということであります。それを考えて、私どもは、実現の可能なる問題であつて、しかも算定方式の合理的なものについては十分尊重してやるつもりでありますから、御承知を願います。(拍手)
#55
○副議長(岩本信行君) 大蔵大臣は不在ですから、適当の機会に答弁を請うことにいたします。
     ――――◇―――――
#56
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、田嶋好文君提出、神戸その他の地区における騒じよう事件に関する緊急質問をこの際許可せられんことを望みます。
#57
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 神戸その他の地区における騒じよう事件に関する緊急質問を許可いたします。田嶋好文君。
    〔田嶋好文君登壇〕
#59
○田嶋好文君 最近、神戸、名古屋、大津、京都、神奈川、栃木、岩手その他全国的に、朝鮮人を中心とする日本共産党の組織的な内乱事件ともみなすべき事件が発生いたしております。また今後も同様事件が続発せんといたしておりますので、私は自由党を代表いたしまして、政府当局にその所信をたださんとするものでございます。
 まず神戸、名古屋、大津の事件でございますが、新聞の報道その他の調査資料によりますと、神戸におきましては、十一月二十七日、兵庫県下各地区から約一千名以上の学童、婦女子を含む朝鮮人が合流いたしまして、警戒に当つておつた警官隊と衝突したのでありますが、この事件は、戰後日本各地で起りました朝鮮人事件の中でも、その類のないほど大々的なものであつたのでございます。彼らは、当初から警官隊と衝突する態勢を整えまして、かし棒、鉄の棒、れんが、目つぶし用のとうがらし等を用意しておつたのでございます。特にその組織化された暴動的な点が今回の特徴であり、われわれ国民の見のがすことのできない点になつておるのでございます。
 次に名古屋でございますが、これも非常に組織的に訓練せられたものと思われますところの十四歳未満の朝鮮の兒童二、三百名が、十一月二十七日、二十八日と、神戸に相呼応して愛知県庁に押しかけております。そして窓ガラス等を破壞しておるのであります。
 大津におきましては、十二月一日、大津地方検察庁を、約二百名前後のものが再度にわたつて襲いまして、警官隊と大乱鬪を演じ、わが検察史上類のないところの大事件を引起しておるのであります。
 これらはどれもこれも、表面的にはレツド・パージ反対だとか、住民税撤廃(「レツド・パージをするからだ」と呼ぶ者あり)生活保護法の適用、食よこせ等の運動となつておるのでありますが(「失業者があるからだ」と呼ぶ者あり)今回の事件が旧朝連系の朝鮮人を中心といたしまして、(発言する者あり)背後に日本共産党が動いているかのごとく想像せられる組織的な、計画的な暴動事件である点よりいたしまして、私たちは、現在朝鮮で行われつつありますところの戰争とこれを切り離して考えることができないのであります。
 遺憾ながら現在朝鮮の戰況というものは、マツカーサー元帥その戰局談に言つておりますように、まことに国際連合軍にとつて不利な立場にあります。しかもこの不利な態勢は、なお今後続くものと予想されなければならぬのでありまして、これが続くものといたしますならば、共産国家と一衣帶水を隔てております日本の現在の国民に対して與えますところの不安は大きなものと考えなければならぬのであります。この日本国民に與えているところの不安を共産党がいかに利用しておるかということは、これは想像にかたくない点でありまして、この不安を利用することを知らないようなものは、共産党ではないでありましよう。
 この点から考えまして、私たちは、最近日本共産党は地下組織の編成を終つたと漏れ承つております。また最近における共産党諸君のこの議会における言動、これと照し合せてみますれば(発言する者あり)私たちは何としても今回の騒乱が共産党とつながるものであることを考えざるを得ません。また今回の騒乱は、日本共産党が本格的な反米鬪争、しかも権力鬪争に乘り出したのであつて、しかも今回は、従来のものと違いまして……(発言する者あり)従来のものとは違いまして、暴力革命の……。
    〔発言する者多し〕
#60
○副議長(岩本信行君) 御靜粛に願い
 ます。
#61
○田嶋好文君(続) 暴力革命の実行段階に移つたと、こう喝破して誤りでないと思うのであります。(拍手)こういうような考えに立つて日本の治安を考えますときに、私たちは、どうしても日本国内における警備力の強化という問題を考えてみなければなりません。
 最近マツカーサー司令部の書面によるところの政令によりまして、わが国には警察予備隊が設置されました。そうして、国民は治安問題に対しまして一つの安堵を得たのでございますが、まだこの警察予備隊は設立後日が浅いために、いろいろの欠陷がこれに伴つておるのであります。またいろいろと警察予備隊に対して私たちは非難を聞くのであります。この警察予備隊をもつて、はたして日本にかかる問題が続続と起るでありましようことが想像される現段階に対処することができるかどうか、非常な不安を抱いておるものであります。
 第二は、日本は敗戰以来新しい警察制度が確立いたされたのでありますが、新しい警察制度であるために、新聞紙上でもいろいろと言われておりますように、国家警察と自治体警察の間におきまして、その連絡、その協力関係に、いまだ完全なるものを見出すことができません。これらも国民が警備力に対して不安を抱いておる一つでございましよう。なお小都市の自治警察に至りましては、われわれが調査いたします都度、常に彼らのその不備、その弱体化が見出されるのであります。また海上保安庁、これも最近増員せられたようでありますが、たくさんあると予想せられるところの密航事件に対しまして、密輸入事件に対しまして、実績をあげたところはまことに少い。これらの実績をあげることが少いということは、海上保安の上からいたしまして、警備の上からいたしまして、まだ国民に満足を與えることができない、こういうように想像せられるのであります。
 これに反しまして、現在日本に居住いたしておりますところの朝鮮人は、その登録された人員のみをもつて見ましても五十四万人であります。それに密入国者を加えますれば、おそらく六十万人を突破するでありましよう。この六十万人を突破するところの朝鮮人、しかも旧朝連に入つていることの多い朝鮮人の、この現段階の彼らの生活というものは、まことに……(発言する者あり)まことに無秩序であります。しかも生活は、常にやみ生活を主といたしておりまして、日本に現在起つておるところの犯罪件数の……(発言する者あり)日本に起つておりますところの犯罪件数の約三分の一は朝鮮人が関連を持つておる、こういうように言われておるのでありまして、そうした朝連糸を主体といたしました朝鮮人と常に……(発言する者あり)常に密接な連絡をとりつつ……(発言する者あり)常に密接な連絡をとりつつ日本共産党が動いておるといたしますならば、私たちは大いにこの点に対して関心を持つものであり、国家の前途に対して憂慮せざるを得ません。
 しかも現在の日本共産党は、先ほども申し上げましたように、はつきりと反米鬪争、権力鬪争に乘り出しております。そうして彼らは、この議政壇上、このわれらの議会の中においてすら革命の糸口を見出さんとしておるのであります。彼らの政府転覆の機会を……(発言する者あり)政府転覆の機会をねらつておる現状が、かくまでも明らかであるといたしますならば、私はこの場合、はつきりと政府から、これに対するところの所信と、国民に対するところの意思表示をお願いしてやまないものであります。
 以上の観点に立ちまして、私は三つの点について政府の所信をたださんとするものであります。政府は治安対策を十分にお立てくださつておるとは思うのでありますが、どうも最近頻発いたしましたところの各地の事件――これは当然に予想せられるところの事件でありますが、この当然に予想される事件に対して政府の打ちました手は、まことに手握れのような感があります。常に彼らに先を制せられておる、こういうように考えられますときに、今の治安対策、その内容に盛られるところの警備力の点に欠けている点があるのではないか、私はこの点を十分に政府に明らかにいたしていただきたいと思います。
 第二には、実力によつて━━━の実演段階に入つた日本共産党に対していかなる対策をもつて政府は臨まんとするか。またいかに日本共産党を処理せんとするか。これらの点に対してはつきりと政府の所信をただしてやみません。
 第三は、日本居住の朝鮮人、特に旧朝連系に属するところの朝鮮人、この人たちに対しましては、かつての同胞であつたという一つの敬意の念も起るのでありますが、いろいろの立場から具体的に対処しなければおつつかない段階に来ておるのであります。この旧朝連糸朝鮮人に対するところの具体的な処置、いかに具体的な処置を立ててこれに対処するか、また政府がいかなる考えを持つているか。
 この三点につきまして私は政府に所信をたださんとするものであります。(拍手)
    〔国務大臣大橋武夫君登壇〕
#62
○国務大臣(大橋武夫君) 田嶋君の質問に対してお答えを申し上げます。
 神戸事件等を契機といたしまして国力警備力の問題が深刻と相なつて参つたのでございまするが、政府といたしましては、警備力増強のために一般警察あるいは警察予備隊の増員等につきましては考えておらないのであります。さしあたり警察制度の運用上改善いたすべき一点に留意をいたし、自治警察、国家警察あるいは警察予備隊の相互の組織的な連絡をはかりまして、その全能力を発揮せしめるについての方途を講じまするとともに、他面警察予備隊の訓練を急速に完成いたしまして、治安の確保に遺憾なきを期したいと存ずる次第でございます。
 次に日本共産党に対する態度でございまするが、最近において集団的暴力事犯が頻発いたし、ことにその背後に共産主義者の策動があるやに疑われている点にかんがみまして、日本共産党の動向につきましては最大の注意を拂つておる次第でございます。(拍手)
 第三に、治安撹乱をはかるおそれのありまする一部朝鮮人に対する処置の問題でございまするが、このたびの事件に参加いたしましたる者に対する取締りの態度といたしましては、嚴重に処断いたしたいと思つておるのであります。なお今後これらのおそれある朝鮮人に対していかなる処置を講じて参るかという点になりますると、これは單に国内における問題であるばかりでなく、対外的にも関係ある問題でありまするから、政府といたしましては、その措置につきまして慎重考究中でありまするが、有効適切なる方途について考案がまとまりまするならば、急速に実現するよう努力をいたしたいと考えます。(拍手)
#63
○副議長(岩本信行君) この際一言申し上げておきます。どなたの場合でも同様でございまするが、先ほどの田嶋君の発言中、もし不穏当の言辞があれば、速記録を取調べの上、適当なる処置をとることといたします。
     ――――◇―――――
#64
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、山本利壽君提出、追放解除審査に関する緊急質問をこの際許可せられんことを望みます。
#65
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 追放解除審査に関する緊急質問を許可いたします。山本利壽君。
    〔山本利壽君登壇〕
#67
○山本利壽君 昨年末以来数度にわたり戰争犯罪人の減刑あるいは仮出所の恩典が行われ、さらに本年十月十五日には、公職追放者中一万九十名の者に対し特免の発表がございました。このことは、減刑や解除の恩典を受けた人たち及びその家族に対してはもちろん、われわれ国民全体に対して非常に明るい気持を與えたものであり、マツカーサー元帥及び総司令部の御好意に対しまして、全国民ひとしく感謝いたしているところであります。(拍手)
 公職追放は、ポツダム宣言にいうところの、日本国国民を欺瞞し、世界征服の挙に出ずるの過誤を犯さしめた者の権力及び勢力を永久に除去すべしという條項に基いてなされたものでありまして、今日までに約二十万六千名に及んでいたのであります。しかしこの中に、非常に多くの地方人たちは、国民を欺瞞したのではなくして、戰時中の中央当局者より欺瞞せられて、地方の翼賛会や翼賛壯年団等の支部役員となつて奔走したものであることは、広く世人の知るところでございます。(拍手)このことについては、公職資格訴願審査委員会の委員長であつた谷村氏が、この追放指定の衝に当つた公職適否審査委員会は、多数広範囲にわたる人員を短期間の間に処理しなければならなかつたので、中には單に形式的な基準のみによつて該当者とせられ、あるいは誤つて指定せられた者があつたことはまことにやむを得なかつたところであつた、と言つておられるのであります。さればこそ、多数の追放者は、この過誤が訂正せられるの日を一日千秋の思いで待つていたのであります。
 昭和二十二年三月、第一次訴願委員会が設置されましたが、解除された者はわずかに百四十八名でございました。昭和二十四年二月、第二次訴願委員会が設置せられ、今回の特免が決定発表せられたのでありますが、率直に言えば、もつとく多くの人々が解除の恩典に浴すべきではなかつたかという声が相当にあるのでございます。(拍手)日本週報の座談会において、今回追放解除となりました牧野良三氏は、われわれだけを許して他の人を許さないのは不明朗だと思う、ことに今回解除された人の中には、それを許すならば、当然まだ解除されていない人の大半を許してもよいと考えられる人もいる、だから、許される範囲において追放解除は徹底的にやるべきだと思う、そうすれば、日本のアメリカに寄せる好意も一層深まつて行くであろう、と言つておられるのであります。三輪壽荘氏も、私どもが解除されるのだつたら、まだ解除されなければならぬ人が非常にたくさん残つている、ことに村長さんとか、村の翼壯団長とか、そのとき名ざしされて推されたような人たち、それをいつまでも追放しておく手はない云々、と言つておられるのであります。これでは現政府は、少数の人を喜ばせて多数の不半分子をつくることになると思うのでありますが、いかがなものでありましようか。
 今回の処置は、総司令部の責任ではなくて、吉田総理大臣の責任においてなしたることは、追放解除の発表にあたつて、訴願審査委員会の委員長が、総司令部当局の理解ある裁断によつて委員会審査の結果をほとんど全面的に承認されたことは喜びかつ感謝にたえない、と発表している点でもわかるのでございます。そこでお尋ねいたしたいのは、聞くところによると、委員会で一応通過したものを政府において除去したり入れかえたりしたものがあるということでありますが、その真相はどうでありましようか、御報告を願いたいのであります。(拍手)法的に申しまするなれば、この委員会は、行政機関として内閣総理大臣の所管に属するものでありますが、その業務の性格上、政党政派からまつたく独立したものであることを必要とし、内閣の異なるごとに追放せられたり、あるいは特免せられたりするのでは国民は不安にたえないのでありますが、この点に関する政府の御所見を承りたいと考えるのであります。(拍手)
 第三に、訴願審査委員会また政府は何を基準に今回の追放解除の決定をなされたかを承りたいのであります。先ほど申し述べたように、まだまだ解除されねばならぬ人が多数あるという声が世上にあるということは、今回の処置が不公平であつたと国民に印象づけることになりますから、この際審査の基準を明瞭に発表される必要があると考えるのであります。(拍手)追放解除の発表にあたつて、この委員会は、その設置の趣旨にかんがみ、その審査にあたつては、当初指定の判定が形式的に法規に違反するやいなやについて審査するばかりでなく、諸般の証拠を收集し、これをしさいに検討するとともに、人物、思想傾向、戦戰中の行動等あらゆる角度から精査し、もつて実質的に特免制度の精神に合致するよう総合的な判断を下すことに努めたのであると言つておるが、はたしてそうでありましようか。われわれの想像では、最初から特免申請数の大体二割とか三割とかいうわくをきめて解除者を拾つたために、あとに多数の、当然解除されなければならないと思われる人々が残つたように思われるのでありますが、この間の実情を承りたいのであります。(拍手)
 追放解除にあたつては、追放後の本人の思想傾向とか、追放中の本人の行動とかというものも多分に考慮せられなければならないと私は考えるのであります。私の知つておる人のうちに、追放後も村の文化事業あるいは公共事業に多大の私財と労力を提供して、自己の時間のほとんどすべてを村の再建のために盡し、県当局も表彰すべきものとしてこれを表彰したのがあります。村人も、一日も早くこの人が解除せられて政治面にも貢献することを希望しているので、県庁方面からも強く特免の恩典に浴さしめるように内申したはずでありますが、村長たりし期間が少し長かつたという形式的意味からか、解除から除外されたのではないかと思われるのであります。またある郵便局員は、戰時中は通信事務が輻湊いたしまして、余裕の時間が少しもなかつたのにもかかわらず、名義上だけの翼壯団長を押しつけられていたために追放となり、今日では多数の家族をかかえて就職もできず、体力的に重労働もできず、まことにお気の毒にたえないものがあります。これらの人の中で、資産に恵まれている人は、追放という精神的な苦痛のみで済むかもわかりませんけれども、そうでない者は、家族全部の生活権を脅かされることになるのでありますから、かような人々を見出して解除してこそ、真の恩典となり得ると私は考えるのであります。(拍手)
 今回の追放解除発表を期として訴願審査委員会は廃止となり、あとに取残された十九万数千名の未解除者と、数十万のその家族とは、一応絶望のふちに突き落されたのであります。しかしながら吉田総理大臣は、十一月十三日の本会議席上において、国民民主党河野金昇君の質問に答えて、訴願審査委員会以外の方法によつて今後も追放解除はやると言明せられて、われわれも非常に意を強くしたのでありますが、しからば、いかなる方法によつて追放解除をなされるか、具体的にお話を承りたいのであります。そして、今後も引続き追放解除をしてもよいという指示か了解をすでにその筋から受けておられるかどうかも承りたいのであります。あるいはまた、講和会議締結の際には大部分の追放者が解除される可能性があるかないかについてもお話を承りたいのであります。今後追放解除について何らかの手段がとられる場合には、その人が特免申請の手続をとらないでも、他の適当なる機関の推薦その他の方法によつて、あたたかい考慮が拂われることを私はお願いするものであります。
 今や数十万に上る追放者及びその家族たちは、格子なき牢獄から解放され、日本再建に参加したいという希望に燃えておるのであります。この人たちが解除されたとて、日本が再び侵略国となるとは思われないのであります。いなむしろ、これらの人の解除によつて、その周囲の数多くの同情者を加え、アメリカに対する感謝の念は一層加わり、日本人の憂欝は一掃せられ、思想悪化防止の強き手段とも相なると考えるのであります。
 以上、追放解除審査に関する諸点について、吉田総理大臣その他適当なる責任者より明解なる御答弁をいただきたいと考えるものであります。(拍手)
    〔国務大臣林讓治君登壇〕
#68
○国務大臣(林讓治君) 山本議員にお答えをいたします。
 この追放解除の問題につきましては、政府は訴願審査委員会の決定を尊重して行つたものでありますし、訴願審査は公正に行われたものでありまして、政府の都合によつて追放いたしたり、あるいは特免いたしたりしたようなことは、まつたくございません。
 なお基準につきましては、追放者の指定にあたつて著しい不公正のあつた者を救済する建前で、極力多数の公正なる審査をいたした次第なのであります。
 なお解除者の数をあらかじめ定めておいたのではないかというようなお話でございますが、こういうようなことは決してございません。なお今回の審査は、全部追放者に対して平等に特免申請の機会を與え、その結果申請をした者に対して行つたのでありまして、申請をいたさなかつた方々に対しましては審査の対象になつておりませんことを、私もはなはだ遺憾に思うわけであります。なお今後もこの種の追放解除につきましては努力いたしたいと考えておりますが、その方法であるとか時期につきましては、遺憾ながらいまだ申し上げる段階になつておりませんと申し上げざるを得ないのでありますが、なお政府といたしましては最善の努力をいたしたいと思つております。(拍手)
     ――――◇―――――
#69
○副議長(岩本信行君) 先刻林百郎君から一身上の弁明のため発言を求められましたが、この要求は取消す旨の申出がありましたので、自然消滅となつたわなけであります。
     ――――◇―――――
#70
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、砂間一良君提出、中華人民共和国に対する輸出禁止に関する緊急質問をこの際許可せられんことを望みます。
#71
○副議長(岩本信行君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 中華人民共和国に対する輸出禁止に関する緊急質問を許可いたします。砂間一良君。
    〔砂間一良君登壇〕
#73
○砂間一良君 私は、日本共産党を代表いたしまして、中国向けの輸出禁止に関する緊急質問を、吉田総理以下関係大臣にいたしたいと思うのであります。
 通産省は、昨日省令をもつて中国向けの輸出を禁止するということを即日実施したようであります。
    〔副議長退席、議長着席〕
 すなわち、繊維及び雑貨以外のすべての物資に対し、十二月六日から明年一月五日まで中国本土、満州、北鮮、香港、厦門向けの船積みをさしとめるものでありまして、この措置は、すでに輸出許可を受けておるものについても適用するそうであります。
 中国向けの輸出は、十一月の統計によりますと総額六百余万ドルでありまして、そのうち鉄鋼関係が五百万ドルで、大部分を占めておるのでありますが、これらの輸出を見返りに、日本は中国より粘結炭、鉄鉱石等原材料の輸入を得ておつたのであります。粘結炭について申し上げますと、通産省は本年度百万トンの開演炭の輸入計画を立てておつたのでありますが、今までに入つたものは四十万トン程度にすぎず、また来年度百万トンの輸入予定は不可能となりまして、満州炭海南島の鉄鉱石の輸入もだめになりますので、通産省の二十六年度の四百万トンの鉄鋼生産計画は根本からくずれ去ることになるばかりでなく、中国向けの輸出禁止によつて、ただちにこれらの原材料の輸入杜絶を来すならば、日本の産業界は、ただに鉄鋼業界のみならず、全般的に破壞されることは明白であります。
 そこで、私がまず第一に質問いたしたいことは、通産省は何の必要があつて日本の産業貿易の自殺行為であるところの輸出禁止を特に中国向けに限つて実施したのか、その理由と根拠を国民の前に明らかにしていただきたいと思うのであります。(拍手)
 第二に、この輸出禁止命令は、日本政府の独自の判断と権限によつて行つたものであるか、それとも進駐軍の命令として押しつけられたものであるかどうか、もし進駐軍の命令として押しつけられたものであるとするならば、その詳細を明らかにしていただきたいと思うのであります。最近朝鮮におけるアメリカ軍の支離滅裂な敗退と、それに関連いたしまして、中共に対する報復措置の一つとして、中国を海と空より封鎖し、戰略物資の中国向け輸出を禁止し、中国を経済的に圧殺せんとする企図が報ぜられております。今回の中国向け輸出禁止措置は、このアメリカの対中共政策に日本が協力するために実施したものであると解せざるを得ないのであります。(拍手)
 さらに政府は、労働階級や人民大衆の大反対しておるところの朝鮮内戰への干渉、国連への協力を、彈圧と威嚇によつて、しやにむに強行して参つたのでありますが、その結果遂にこの事実を生んだのであります。国民の反対が正しかつたか、政府のやり方が正しかつたかは、この一事が明らかに証明しておるのであります。(拍手)わが党が朝鮮内戰に対する干渉に反対し、国連協力に反対して来た理由はここにおつたのであります。政府は、かかる事実に直面して、人民に対しいかなる責任をとるつもりであるか。吉田総理は、昨日の外務委員会におきまして、次のようなことを申しておる。私の眼中にアメリカだけあるのは、共産党の眼中にはソ同盟だけあるのと同じことである、こういう意味の発言をしておるのでありますが、この発言の内容こそ、ここに現われた事実、すなわち日本産業の改壞となつて現われておるのであります。(拍手)
 私は最後に吉田総理にお聞きしたいと思うのでありますが、総理はここに猛反省いたしまして、これまでの向米一辺倒の政策を改めて中共との友好関係を結ぶつもりはないかどうか、明白な答弁を求めるものであります。このことは、全日本の労働階級はもちろん、経済同友会初め資本家団体さえも熱望しておるところであります。
    〔国務大臣横尾龍君登壇〕
#74
○国務大臣(横尾龍君) 砂間君にお答えいたします。朝鮮事変の情勢が複雑となつて参りましたので、政府は中共、香港区、澳門地区等向けの輸出については、輸出貿易管理令の輸出要許可品目と、苛性ソーダ等の船積みをさしとめる、省令の船積み禁止品目は、たといすでに許可になりましたものでも、十二月六日より向う一箇月間船積みをさしとめることにいたしました。しかし全面的に中共貿易を禁止するものではなく、右の要許可品目だけについてすでに輸出を許可したものでも、いま一度チエツクしたいと考えておるのであります。通産大臣の許可があれば船積みは可能でありますから、さように倒了承願います。
#75
○議長(幣原喜重郎君) 総理大臣の答弁は適当の機会にお願いすることにいたします。
     ――――◇―――――
#76
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律一部を改正する法律案、外国為替特別会計の資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、郵政事業特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関すれ法律案、米国対日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案、農業共済再保險特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、右六案を一括議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#77
○議長(幣原喜重郎君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、外国為替特別会計の資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、郵政事業特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、米国対日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案、農業共済再保險特別会計の歳入不足の補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、右六案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。大蔵委員長夏堀源三郎君。
    〔夏堀源三郎君登壇〕
#79
○夏堀源三郎君 ただいま議題となりました食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案につき、大蔵委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 この法案は、食糧管理特別会計の昭和二十五年度における歳入不足を補填するために一般会計からする繰入金の限度額を二十六億九千二百一万一千円より二十七億二百七十六万一千円に引上げようとするものであります。すなわち、農業災害補償法第十二條の規定によりまして農業共済組合の組合員の支拂うべき農作物共済にかかる共済掛金の一部はこの会計において負担し、さらにこの負担金は食糧消費者が負担するよう食糧の売渡し価格に織り込むことになつておりますが、食糧消費者価格の値上りが家計上に及ぼす影響を考慮いたしまして、昭和二十二年度から引続き、この負担金を食糧消費者に転嫁させないこととができる臨時的措置が講ぜられ、このために生ずる本会計の歳入不足を補填するため一般会計から繰入れを行つて来たのであります。昭和二十四年度予算におきましては、昭和二十五年度の収量別反当り共済金額を平均二千円と予想して算定したのでありますが、現実に引受けの時期におきましては、ハリテイ指数の上昇によりまして収量別反当り共済金額が平均二千百円と定められましたので、一般会計から繰入れるべき消費者負担分に相当する金額が一千七十五万円増加いたしましたため、繰入金の限度額を引上げようとするものであります。
 以上がこの法案の内容並びに提出になりました趣旨でありますが、本法案は、十二月六日、本委員会に付託されまして同日、政府委員より提案理由の説明を聴取し、引続を者委員より質疑を行い、本七日討論に入りましたところ、自由党を代表して田中委員、国民民主党を代表して天野委員はそれぞれ賛成の意を述べられ、川島委員は社会党を代表して希望意見を述べて賛成され、竹村委員は共産党を代表して反対の意見を述べられました。次いで採決の結果、起立多数をもつて可決されました。
 次に外国為替特別会計の資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案について申し上げます。
 この法案は、外国為替特別会計におきまして、円資金の不足を補填するために一般会計より百億円の繰入れを行おうとするものであります。すなわち、昭和二十四年度以降輸出の増加に伴いまして外貨手持ちの激増を来し、これがため円資金は予算に比し著しく不足を生ずる実情にあつたのであります。昭和二十四年度は右の不足を借入金によつてまかなつて参つたのでありまして、今年度におきましては、日本銀行の外貨貸付制度の運用により右の困難は著しく緩和されることと相なりましたが、なお相当の不足を生じますので、貿易特別会計より二百六十億円繰入れるほか、一般会計より百億円の繰入れを行おうとするのであります。
 以上がごの法案の内容並びに提案の趣旨でありますが、本案は、去る六日、本委員会に付託され、同日、政府委員より提案理由の説明を聴取し、各委員より質疑を行つた後、本七日討論に入りましたところ、苫米地委員は自由党を代表して賛成の意見を述べられ、川島委員は社会党を代表し、米原委員は共産党を代表し、また天野委員は民主党を代表してそれぞれ反対の意見を述べられました。次いで採決の結果、起立多数をもつて本案は原案の通り可決いたしました。
 次いで郵政事業特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案について申し上げます。
 この法案は、郵政事業特別会計におきまして給與ぺースの改訂、臨時年末手当の支給等を昭和二十五年度特別会計予算補正に計上した結果生じた十二億八千三百八十六万八千円の歳入不足につきまして、総合均衡予算の建前から、その不足額を一般会計からの繰入金をもつて補填しようとするものであります。すなわち、給與ペースの改訂、臨時年末手当の支給等に必要な経費といたしまして四十八億四千一百六十万八千円を要するのでありますが、その財源として既定経費の節約による歳出減及び今後の増収対策による收入増を見込みましてもなお十二億八千三百八十六万八千円の歳入不足を生ずるのでありまして、この繰入金につきましては、本会計が独立採算制の建前であり、かつその経費の性質にかんがみまして、後日この会計の財政状況が健全な状態となつたあかつきには、繰入金に相当する金額は、予算の定めるところにより一般会計に繰りもどすこととなつております。
 以上がこの法案の内容並びに提出になりました趣旨でありますが、本法案は、十二月六日大蔵委員会に付託されまして、同日提案理由の説明を聴取し、引続き各委員より質疑を行いましたが、本七日討論に入りましたところ、竹村委員は共産党を代表して反対の意見を述べられ、川島委員は社会党を代表して希望意見を述べて賛成され、三宅委員は自由党を代表して養成せられ、天野委員は国民民主党を代表して賛成されました。
 次いで採決に入りましたところ、起立多数をもつて可決されました。
 次に米国対日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案につき申し上げます。
 この改正案の要点は、米国政府から直接に物資の交付を受ける従来の対日援助の方式のほか、今回民間業者が民間貿易により海外から買いつけた物資を対日援助物資に振りかえる方式による対日援助の方法が、連合国最高司令官の覚書に基き近く実施されることになりましたので、米国対日援助物資等処理特別会計においてその取扱いをするについて必要な同特別会計法の改正をしようとするものであります。なお従来本特別会計で取扱つておりました軍拂下げ物資につきましては、今回これを條文中に明定しようとするものであります。
 以上が本法案の内容並びに提案の趣旨でありますが、本法案は、昨十二月六日大蔵委員会に付託せられ、同日政府委員より提案理由の説明を聴取し、質疑を行つた後、本七日討論に入りました。苫米地委員は自由党を代表し、天野委員は民主党を代表してそれぞれ賛成の意見を述べられ、川島委員は社会党を代表して、強い希望を付して賛成の意を述べられました。また米原委員は共産党を代表して反対の意見を述べられました。次いで採決の結果、起立多数をもつて原案の通り可決いたしました。
 次に農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法案は、農業共済再保険特別会計農業勘定の昭和二十五年度における歳入不足を補填するため一般会計から繰入金の限度額を、九億一千五百二十万六千円より十八億二百八十一万三千円に引上げようとするものであります。すなわちこの会計の農業勘定におきましては、気象上の悪條件に基く異常災害の発生に伴い昭和二十五年度産麦の再保険金支拂いが増加し、これが支拂い財源につき八億八千七百六十万七千円の不足を生ずる見込みであります。この不足財源を借入金をもつて補填することは、現下の財政方針に顧みて適当でないので、これを一般会計からする繰入金をもつて補填し、将来この会計の経理状態が健全となりましたときは、この繰入金に相当する金額は、予算の定めるところにより一般会計へ繰りもどすこととなつております。
 以上がこの法案の内容並びに提出になりました趣旨でありますが、本法案は、十二月六日、本委員会に付託され、同日、政府委員より提案理由の諮明を聽取し、質疑を重ねた後、本七品討論に入りましたが、共産党を代表して竹村委員、社会党を代表して川島委員は、それぞれ希望を述べて賛成の意を表され、また自由党を代表して田中委員、民主党を代表して天野委員はそれぞれ賛成の意見を述べられました。続いて採決の結果、全会一致をもつて本案は原案の通り可決いたしました。
 次に食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法案は、食糧管理特別会計において、輸入食糧の買入れ価格と売渡し価格との価格差を調整するために一般会計から繰入金をすることができることとしようとするものであります。すなわち、従来輸入食糧につきましては、価格差補給金による価格調整はすべて貿易特別会計において行われて来たのでありますが、昭和二十五年度におきましては、米国対日援助物資として輸入される分については米国対日援助物資等処理特別会計において価格調整をし、貿易特別会計及び新たに開始された民間貿易により輸入される分については、いずれも食糧管理特別会計が輸入原価によつて買い入れ、この会計において一般会計から価格差補給金の繰入れを受けて価格調整をすることとなつたのに伴いまして必要な改正を行おうとするのであります。
 以上がこの法案の内容でありますが、本法案は、本七日当委員会に付託され、政府委員より説明を聽取し、質疑の後討論に入りましたが、田中委員は自由党を代表し、天野委員は民主党を代表して賛成の意見を述べられ、川島委員は社会党を代表して、強い希望意見を述べて賛成され、また竹村委員は共産党を代表して反対の意見を述べられました。続いて採決の結果、起立多数をもつて原案の通り可決いたしました。
 右御報告申し上げます。
#80
○議長(幣原喜重郎君) 討論の通告があります。これを許します。米原胆君。
    〔米原瀦君登壇〕
#81
○米原昶君 ただいま上程されました六法案のうち、外国為替特別会計の資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案について、私は日本共産党を代表して反対の意見を述べるものであります。
 本国会の施政演説におきまして、池田大蔵大臣は、朝鮮事変以来、特需景気によつて日本の経済が安定から復興に向いつつあるかのごとき言辞を弄し、戰争政策を謳歌したのであります。その欺瞞的な財政政策のその欺瞞が、この法案にはつきりと正体を現わしておる。(拍手)朝鮮事変以来、帝国主義諸国、ことにアメリカにおきましては、軍備拡張政策が着々と行われまして、わが国からも大量の戦略物資、軍需品を買い付けておる。これが特需景気であり、その結果、わが国の平和産業を発展させるための基礎物資、基礎資材は驚くべき欠乏状態になるに至つております。しかも、かかる飢餓輸出に対して、アメリカ方面からの輸入は、その軍備拡張政策のために、ほとんど不可能の状態になつておる。その結果が外国為替特別会計の赤字となつておるのであります。この外国為替特別会計に、百億の、国民の血税をつぎ込む。軍需景気で輸出が増大したから結局税金が重くなるという奇現象を呈するに至つておるのであります。ここにこそ、はつきりと、吉田内閣のとつて来た戦争政策の正体、国民大衆から犠牲を求め、血税百億を求めるという正体が、この法案にはつきりと現われておるのであります。(拍手)
 しかも、先ほどわが党の代表から質問しましたことく、昨日政府は、中共貿易をほとんど全面的に禁止するに至つたのであります。先月の二十一日、機械工業連盟では、安定本部と通産省に対して重大な要望書を出しておる。中共貿易に対する重大な要望書を出しております。すなわち、二十六年度、ミシン四十万台・自動車一万二千台、自転車一千万ドル、ディーゼル・エンジン十二億円、鉄道車両約五十億円という注文が中共地域からありまして、この貿易の許可を要望するところの要望書が出ておるのであります。(拍手)すなわち、中華人民共和国政権のもとにおいては、農地改革がすばらしい成功を収めまして、日本の農地改革のごとく農業の零細化を来すものではなくて、逆に農業の近代化と機械化を促進し、同時に農村における過剰人口を産業の建設方面に向ける政策がすばらしい成功を収めまして、このたびの注文となつて現われておるのであります。かかる中華人民共和国の政策に、もしも日本の賢明なる当事者がごたえまして、中共貿易を基礎として日本の貿易政策を進めるという平和の政策をとるならば、かくのごとき外国為替特別会計の赤字は生じないはずであります。かかる物資を中共方面に輸出するならば、海南島の鉄鉱石、開墾炭を勢として、われわれの必要とする物資を大量に、しかも安価に輸入することができます。その政策によつてのみ初めて日本の産業、平和的産業を無制限に拡大することができるのである、かかる平和政策を拒否し、この中華人民共和国を中心とするアジアにおける民主的勢力、これに対する戰争政策、戦争の基地を日本に固めて行くための政策をとつているがゆえに、日本国民にとつては新しく百億円の税金がここに収奪ざれようとしておるのである。
 このたびのこの百億円のインベントリー・フアイナンスにしましても、ドツジ氏が日本に来朝するまでは、池田大蔵大臣はこのことを考えていなかつたそうでありますが、ドツジ氏が参りますと急に変更になりまして、年末手当三十二億円の予定のものが半額の十六億円に削られ、現在参議院において問題となつております地方平衡交付金の八十八億円が三十五億円に削られ、災害復旧費五十二億円が四十六億円に削られたことを新聞紙は伝えておるのてあります。この政策が、だれのために、何のために行われておるか明らかである。こういう帝国主義者の戰争政策、特需景気の犠牲が今や国民大衆の上に血税としておおいかぶさつておるのであります。われわれは、かかる政策に絶対に反対します。
 今や朝鮮におきましては、事態が急激にかわりまして、吉田内閣が最もきらつておりましたところの四大国協和に基く全面講和の時期が、その條件が、むしろ新しく生れつつあります。朝鮮事変解決のため、英仏の方面においては、四大国会議の要請が大きく取上げられる状態になつておるのであります。(拍手)四大国協和に基く全面講和を実現すべき條件が今目前に迫つておるにもかかわらず、かかる戦争政策のための、帝国主義政策のためのインベントリー・フアイナンスに対して、われわれは絶対に反対するものであります。(拍手)
#82
○議長(幣原喜重郎君) 勝間田清一君。
    〔勝間田清一君登壇〕
#83
○勝間田清一君 ただいま上程になりました外国為替特別会計の資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案に対して、日本社会党を代表して反対の意を表明いたしたいと存ずるのであります。
 従来の予算の最大の課題は、皆さんも御存じの通りに、いわゆる超均衡予算をとつて、インフレの収束をさらに続行して行くべきかいかんの問題であつたと考えるのであります。われわれは、この問題に対しましては、従来、超均衡予算の形式でなく、いわゆる均衡予算のらち内においてインフレを収束し、あわせて経済の復興をはかつて行くというのが本来の精神でなければならぬと主張して参つたのであります。この精神は、幸いにして昭和二十五年度補正予算に採用されるかに見えたのでありまするけれども、現吉田内閣が、いわゆるインフレ政策に対して失敗をし、ここに再びかかる超均衡財政を続行せざるを得ないというところに重大なる不満を持つものであります。もし現在依然として超均衡予算をとり、インフレ収束の政策をとらんといたしまするならば、それはいかなる手段において行うべきか、これがおそらく論議の中心でなければならぬと存ずるのであります。
 また、いわゆる朝鮮事変による特需、あるいは諸外国における再軍備計画の進捗によつて再び日本にインフレの危機がありといたしまするならば、そのインフレの危機というものは、とりもなおさず従来の赤字財政に上つて生ずるいわゆるインフレ発生の懸念ではなくして、貿易収支の不釣合いから来るところの、すなわち輸出貿易の進展に対して輸入が梗塞せられる点に生ずるところの外国為替特別会計における資金の過剰、これが借入れに対する政策というものが、当然インフレ懸念の重大な課題と考えるのであります。従つてこの面を、もしわれわれが單なる財政資金政策によて解決して行こうといたしまするならば、これは日本経済を圧迫し、同時に資金を圧迫し、同時にまた課税を強化せしめて結局インフレ収束の大きな成果というものを期しがたいのであります。どうしてもごこに生じて来なければならないのは、かかる貿易不均衡から生じて来るインフレの懸念でありますので、そごに当然輸出貿易なり輸入貿易に関する強力なる政策、特需に対する強力なる政策、あるいは最近行われておるところの諸外国の輸出禁止、あるいは輸出統制等に現われておるところの諸政策に対するわが国内財政の強化の問題、かかる重要な、諸方面における強力なる政策が実行されて初めて現に日本に生じておるインフレの懸念が解消せられるのでありまして單に借入れ資金を一般会計から負担せしめるという政策によつて解決されるものでは断じてないと考えるものであります。
 われわれは委員会において種々論議して参つたのでありますけれども、いわゆる対外情勢の変化に対する貿易政策は、依然としてこれほ不徹底きわまるものであります。政府は、輸出十三億に対して、輸入はわずかに十億であると発表せられております。もしも輸入価格が一、二割上つておるといたしまするならば、輸入の物量は、おそらく従来の価格において九億ドル前後ではないかと考えるのであります。しかすると、二十四年度において行われた貿易額とほぼ匹敵する程度のものでありましてそこに、貿易には何らの進展も行われていないことがはつきりわかるのであります。しかも政府は、最近において中共貿易を禁止せんとする態度をとつておりまするがゆえに、いよいよもつて輸入貿易政策というものは、ここでまつたくその信頼を失いつつあるということを、はつきりと見受けることができるのであります。かかる政策をとるごとなく、ここに財政的な処置のみをもつて現在のインフレ懸念に対応して行かうとする政策は、イージー・ゴーイングの政策であつて、従来のマンネリズムに陷つた政策の単なる踏誓にすぎないということを、われわれは看破せざるを得ないのであります。(拍手)
 従つて今日におきましては、私どもがさらに不満に考えますのは、かかる財政政策を実行することによつて、御存じの通りに、一つにおきましては年末手当の一箇月支給を半箇月に繰下げるといつた政策をとらざるを得ない結果に陷り、しかもあわせて重大なることは、これがために財政収入に欠陷を生じ、六十数億円のいわゆる自然増収を財源として見積らざるを得なくなつていたこ書ざらにわれわれは指摘せざるを得ないのであります。もしインフレを収束せんとする吉田内閣の政策が真実であるといたしますならば、ここに六十数億円の自然増牧を見積らざるを得ないというところに論理的にも矛盾が生じて参るのであります。従つて、今日のこのインベントリー・フアイナンスとしての百億円の計上の問題はこれは撤回し、この資金によつて産業の開発なり、あるいは減税なり、あるいは給與ペースの改訂なり、いずれかの手段にこれを使い、同時に六十数億円の自然増収をやめてしかして輸出貿易に見合う、特需に見合う輸入政策を確固として樹立して行くところに真の意味におけるインフレ懸念に対する対策があり得るとわれわれは確信いたすものであります。従つて私どもは、以上の理由によりまして、かかる百億円をこの際外国為替特別会計に一般会計から繰入れることは最も愚なる政策であると考えまするがゆえに、ここに反対の意を表する次第であります。(拍手)
#84
○議長(幣原喜重郎君) これにて討論ほ終局いたしました。
 まず食糧管理特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案、郵政事業特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律案、米国対日援助物資等処理特別会計法の一部を改正する法律案、食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案、右四案を一括して採決いたします。四案の委員長の報告はいずれも可決であります。四案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#85
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて四案とも委員長報告の通り可決いたしました。
 次に外国為替特別会計の資本の増加に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長の報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#86
○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
 次に農業共済再保険特別会計の歳入不足を補てんするための一般会計からする繰入金に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
#88
○福永健司君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題となし、この際委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#89
○議長(幣原喜重郎君) 福永君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。法務委員長安部俊吾君。国家公務員の例にならいその給與を改善する必要がありますので、この両法律案を提出されたのであります。この両法律案は、右の趣旨に従いそれぞれ各法律の別表を改正するとともに、裁判官の報酬等に関する法律第十五條及び検察官の俸給等に関する法律第九條に定める報酬または俸給の月額を改正しようとするものでありまして、この両案による改正後の別表及び右各條に定める報酬または俸給の各月額を、現行の別表及び右各條に定める報酬または俸給の各月額と比較いたしますと、その増加比率は、おおむね一般の国家公務員のこれに対応する俸給月額の増加比率と同様となるというのであります。
 かくて十二月七日質疑を終了いたしまして、討論を省略し、全会一致で政府原案の通り可決された次第であります。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#91
○議長(幣原喜重郎君) 採決いたします。両案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて両案は委員長報告の通り可決いたしました。拍手)
 明八日は会期終了の日でありますが、定刻より本会議を開きます。本日はこれにて散会いたします。
    午後四時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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