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1950/12/05 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 内閣委員会 第2号
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1950/12/05 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 内閣委員会 第2号

#1
第009回国会 内閣委員会 第2号
昭和二十五年十二月五日(火曜日)
    午後一時四十八分開議
 出席委員
   委員長 木村 公平君
   理事 江花  靜君 理事 坂田 英一君
   理事 土倉 宗明君 理事 船田 享二君
   理事 鈴木 義男君
      青木  正君    井上 知治君
      大内 一郎君    平澤 長吉君
      松本 善壽君    河田 賢治君
      寺崎  覺君
 出席政府委員
        警察予備隊本部
        長官      増原 恵吉君
        警察予備隊本部
        次長      江口見登留君
        行政管理政務次
        官       城  義臣君
        行政管理庁次長 大野木克彦君
        運輸政務次官  關谷 勝利君
        運輸事務官
        (大臣官房長) 荒木茂久二君
        航空保安庁長官 松尾 静磨君
 委員外の出席者
        警察予備隊本部
        経理局長    窪谷 直光君
        総理府事務官
        (地方財政委員
        会事務局官房総
        務課長)    松島 五郎君
        総理府事務官
        (行政管理庁管
        理部長)    中川  融君
        航空保安庁次長 大庭 哲夫君
        專  門  員 龜卦川 浩君
        專  門  員 小關 紹夫君
    ―――――――――――――
十一月二十八日
 委員森下孝君辞任につき、その補欠として松本
 善壽君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十九日
 委員福田篤泰君辞任につき、その補欠として橋
 本龍伍君が議長の指名で委員に選任された。
十二月四日
 委員山口六郎次君辞任につき、その補欠として
 高間松吉君が議長の指名で委員に選任された。
同月五日
 委員高間松吉君辞任につき、その補欠として山
 口六郎次君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十一月三十日
 運輸省設置法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二〇号)
十二月一日
 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第二三号)
同月二日
 戰傷病者に対する補償金増額の請願外一件(柳
 原三郎君紹介)(第二七二号)
 陸地測量師に対する恩給復活に関する請願(並
 木芳雄君紹介)(第二九一号)
同月三日
 傷病者に対する恩給増額の請願(今澄勇君紹介
 )(第三二三号)
 警察予備隊解雇者に対する保障並びに緊急臨時
 措置に関する請願(青柳一郎君紹介)(第三五
 五号)
の審査を本委員会に付託された。
十一月二十九日
 傷い者恩給増額等に関する陳情書(宮崎県東諸
 県郡戰争傷い者連盟柄本章外五十四名)(第六
 九号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 運輸省設置法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二〇号)
 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第二三号)
 警察予備隊に関する件
    ―――――――――――――
#2
○木村委員長 これより会議を開きます。
 本日は去る十一月三十日及び十二月一日、本委員会に付託されました運輸省設置法等の一部を改正する法律案を議題といたしたいと思います。政府より提案理由の説明を求めます。関谷政務次官。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#3
○關谷政府委員 運輸省設置法等の一部を改正する法律案の提案理由の御説明を申し上げたいと存じます。
 民間国内航空の許可に伴いまして去る十一月一日、ポツダム政令で国内航空運送事業令を制定いたしまして、以内航空運送事業の免許、貨物、旅客、郵便物の運賃の認可、被免許会社の事務監査を運輸大臣が行うことになつたのでございますが、電気通信省の外局に航空保安庁がありますので、これらの事務を暫定的に運輸大臣の指揮監督のもとに航空保安庁に取扱わせることとしたのであります。しかしながら航空行政は、運輸行政と運賃の問題等から見ましても、非常に密接な関係がありますので、これらの行政を一体的に遂行するため、電気通信省の外局である航空保安庁を廃止して運輸省の外局として航空庁を設置し、航空運送行政と航空保安行政とをあわせ所掌させることにしたのであります。従つて従来航空保安庁の主たる事務としておりました保安行政のほかに、新たに運送行政を担当することになりますので、運輸省の外局とするに際しまして、その名称を改めることが適当と考えられますので、これを航空庁とすることにいたしました。
 右に伴いまして運輸省設置法、電気通信省設置法に所要の改正を加えましたが、運輸省設置法につきましては、航空運送事業に関する規定を加えたほか、大体現行通り航空保安庁に関する規定を踏襲したのであります。まだこれに伴いまして、国家行政組織法及び行政機関職員定員法にそれぞれ所要の改正を加えました。なお行政機関職員定員法第二条第四項につきましては、航空標識所の新設に伴い、終戰処理費による増員のため定員の改正をいたすこととし、国内航空運送事業令の改正につきましては、運輸大臣の事務委任及び指揮監督の規定は、航空庁が運輸省の所轄となつたため改正したのであります。さらにこの法律の附則におきましては、航空保安庁の職員及びその家族は、共済組合関係及び逓信病院の利用に関しまして、従来の電気通信省の職員及びその家族としての身分を当分の間保有し得ることといたしました。
 以上が本法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切望いたす次第であります。
#4
○木村委員長 以上をもつて政府の提案理由の説明は終了いたしました。これより質疑に入りたいと思います。
#5
○江花委員 将来の日本の旅客あるいは貨物運送について、航空機による輸送が発達しなければならぬし、また非常に適切なことだと思います。大体航空運送というものには、たとえば遠い将来は別として、とりあえずはどういう貨物をお見込みでありますか。
#6
○松尾政府委員 お答えいたします。国内の航空の場合において貨物は割合に軽量な物、貴重な物、あるいは新聞類、こういうものを、たとえば北海道なり九州なりに東京から持つて行く、こういう物がおもなものであります。それからもう一つは、今国際航空をやつておりますので、たとえば大阪あるいは九州から出すものは国内航空を利用いたしまして、それに連繋して行く、こういうことになるだろうと存じます。
#7
○江花委員 大体郵便物のうちの特に急を要するものとか、新聞紙も全部ではなくて、特に支給に中央の新聞を見る必要があるような部面に輸送される、こういうことだと思いますが、大体これに要する定員はどのくらいか。それから今までの航空保安庁ですか、そういうものを合せてどのくらいの人数ですか。
#8
○松尾政府委員 現在の航空保安庁の定員は千九十六名でございます。それにこのたび航空運送行政政が附加されますので、それに要します増員を補正予算で六千万円、六十五名要求したのであります。しかしこの会社側の事業計画がまだはつきりしませんために、どのくらい必要かということを、はつきりわれわれつかめなかつたので、大蔵省にも強くこの点を押すことができませんでしたが、現在航空保安庁に若干名の下級職員がおりますから、とりあえず一月から三月までその人間でやつて行く、そうしていよいよ航空事業が始まりまして、事業計画がきまりましたならば、またそのときに大蔵省と話をしてきめる、こういう話合いになつております。
#9
○江花委員 輸出する貨物については、今のところは大体局限されているようであります。しかも人員から申しましても千ちよつとの人員でありますが――必ずしも人数の多寡によることではないと思いますが、この航空庁を外局とするという趣旨はどういう趣旨か。
#10
○松尾政府委員 終戰前は航空局といつておりまして、初めずつと逓信省の外局でありました。その後運輸通信省になりました節、今度は運輸通信省に航空局が移されまして、それから運輸通信省に逓信院ができました際、航空局は運輸省に残りまして、逓信院は外局になりました。その後終戰になりまして航空局が廃止になりまして、航空保安部というのをつくりました際、われわれは運輸省の官房に残るつもりでありましたが、関係筋から逓信院に移るようにという話がありまして、逓信院に参つたわけであります。逓信院が逓信省になり、電気通信省と郵政省にわかれまして、現在電気通信省の外局でやつております。
 その外局でやつております事業といたしまして、御存じの通り、航空は非常に迅速な交通機関であります。この航空庁の目標は、迅速安全でしかも確実でなければならない。しかも非常に国際的でありまして、国境はすでにないというような状況でありますので、すべての航空に関する企画が国際的でございます。現在は国際航空条約にわが国は加盟しておりませんけれども、国際航空条約というものがありまして、これに国際航空機関というものがございます。そこですべての国際的な航空保安に関すること、あるいは航空法規の基準をきめております。現在わが国はこの国際航空機関に入つておりませんけれども、航空保安に関するすべての規則はこれ準拠してやつている次第であります。そういう意味におきまして、この航空輸送事業は非常に国際的でありますので、航空行政もどうしても国際規模で、しかも国際的な企画に従つてやらなければならぬという面が非常に多い。
 第二といたしまして、航空の最大の特徴がその速度にありますので、それに対応しまして航空の管理、あるいは航空の保安に関しまする業務も非常に迅速を要するのでございます。なお航空の安全を確保する航空保安業務は、飛行機の事故その他によつて直接に人命に関係いたしますので、この役割は非常に責任が重いのであります。そういう意味におきまして、この責任ある乗務を迅速に、しかも確実に完遂するためには、やはり独立の有限と責任を持つた行政機関の方がいいということになります。現在のわが国の行政組織上からいいますと、外局が一番正当ではなかろうか、こういうぐあいに考えられます。
#11
○江花委員 外局は構成上非常に定員が膨大過ぎるとか、あるいは事務の性質上一般の内部局では、ぐあいが悪いとか、あるいは企画的なことは本省がやる、実施面のことをやるのは庁を設けてやる必要があるとか、いろいろ理由はあるようでありますが、今の速度が速いとか危險があるとかいうことは、船にもあるのでありまして、どうもその点は、千名近くの外局にしてやるということは、これもはつきりした限界があるわけではないのでありまして、多少の意見はありますが、大体それで了承いたしました。
#12
○船田委員 ただいまの御説明によりまして、大体御提案の趣旨はわかつたように考えるのでありますが、電気通信省の外局であつたものを運輸省の外局に持つて来る。また今江花委員からもお話がありましたように、なぜ外局にしなければならないかというようなことを、もう少し根本的に御説明を願わなければならないのではないかと思うのであります。現内閣では行政整理と関連して、根本的に行政機構を改革して行こうということをもくろんでおられるようでありまして非常に大規模な行政機構の改革の案などもわれわれちらほら仄聞するのであります。おそらく続いて開かれるべき通常国会には、少くともその一部分が提案されるのではないかということを、私なども期待しておるのであります。そういう際にあたつてこの臨時国会で、なぜこんなに憩いでこの法案を御提出になつて早くきめなければならないのか。今承りますと、定員などにつきましても、まだはつきりしたところまで御計画がきまつておらないようにも受取れたのでありますが、そういうような点について、ことになぜ急いでこういうことをきめなければならないのかについての御説明を、できますれば政務次官から願いたいと思います。
#13
○關谷政府委員 ちようど年度がわりで予算その他の関係がありますので、本国会にお願いすることにいたしたのであります。
#14
○船田委員 その点は、もし行政機構の根本的な改革が通常百会において出て来るといたしますれば、予算関係などもそのときに審議できるのではないかというような気がいたすのであります。私お聞きしたのは、今しいてそんなに早く審議しなくてもいいのじやないか、これがきわめて常識的な考え方でありますから、お聞きしたのであります。特に改革に先だつてやらなければならないという点を、もしおさしつかえなかつたら、もう少し御説明願いたいと思います。
#15
○關谷政府委員 従来航空保安でやつておりましたのは、航空保安行政だけでありまして、今田これに運輸行政が加わることに相なりましたので、自然機構もかわつて参りますために、非常に法律等も急いで、提案したような次第であります。
#16
○船田委員 大体了承いたしましたが、ちよつとあと一言お伺いいたします。そうしますと、今実はいろいろ本委員会などでも行政機構の改革に関しまして審議を進めておりまして、運輸省あたりからも説明を聽取したこともあるのでありますが、そういう改革とは無関係に、今度できます航空庁というものは続けて行くというような御方針なのでありましようか。その点だけちよつと御質問申し上げます。
#17
○關谷政府委員 大体国内航空会社ができますのが、以前は十一月あるいは十二月というふうに予想せられておりましたのが、現在におきましては、大体おそくても二月ということになつておりますので、通常国会でやつておりましたのでは間に合わぬというような関係で、非常に急いでやつて参つたのでありましてなお監督をいたしまするのに、二大臣の並立は非常にまずいというようなことから、非常に急速に運ぶことに相なつた次第であります。
#18
○鈴木(義)委員 この免許せられる会社の組織、構成というようなものが、おわかりになつておりましようか、一応概要を承りたいと思います。
#19
○松尾政府委員 十一月一日に設立しました日本内国航空株式会社の構成は、終戰の年の九月から本年の一月までにGHQの方の許可を得まして日本に乗り入れていて、しかも事業を継続している外国の会社、それは六つあります。アメリカ系でいいますと。パン・アメリカン・エアライン、ノースウエスト・エアライン、それからカナディアン・パシフイクリ・エアライン、それからイギリスのオーバー・シーズ・エアウェー、フイリピンのフイリピン・エアライン、それからシビル・エア・トランスポートという会社の六つでございます。この六社が出資をして組織することになつております。従いまして会社の組織は、この六社の日本の支社長なりあるいはその代表者が役員になりまして組織しているのでございます。資本金は現在ほんの創立の準備のためで、約五十万円程度でございます。
#20
○鈴木(義)委員 暫定的に運輸大臣の指揮監督のもとに置くというのか、あるいは航空保安については別に構想がおありになるのですか。
#21
○荒木政府委員 暫定的に置きますと申しましたのは、今御審議を願つております法律によつて、電気通信省の外局である航空保安庁をして、運輸大臣の責任に属する航空運送行政を担当させる、こういうことでありまして、この法案が通過いたしますれば、航空保安庁が航空庁となつて、運輸省の外局となり、運輸大臣の責任に属しておるところの仕事を、その系統の役所で扱う、こういうことになるわけであります。
#22
○松本(善)委員 ちよつと二、三の点について質疑を行いたいと思います。現存までに電気通信省の外局で、航空保安庁というのがありましたことは、皆さん御承知の通りでありますが、しかしここに運送行政を合せて行わなければならぬ情勢になつたために、運輸省の外局として保安庁を急に設置するようになつたと、いうことについては、各委員からお尋ねがあつた、ようでありますが、私としてもこの一点についてまずお尋ねしたいと思います。
#23
○關谷政府委員 保安行政を航空保安庁がやり、運輸行政を運輸大臣がやりますことは、国内航空会社を監督する上におきましても非常に複雑でありますので、一つの省にまとめる意味におきまして、運輸省の方にこれを移管することになつたのであります。
#24
○松本(善)委員 航空保安に関しまする全般的な業務運営のあり方をまず考えました場合には、もちろん輸送行政もその一部である。ことにその経営形態の内容において取上げた場合には、かような考え方もあると考えられる筋もあるのでありますが、私はまた次の観点からお尋ねしたいのであります。それは航空保安に関する行政も重大であるという観点に立ちました場合においては、あるいは皆さん御承知であるかもわかりませんが、電波三法が通過いたしました今日におきまして、電波行政のあり方から考え、航空はもちろん、一つのそういつた運送事業をその中に織り込んで行くということもさることながら、これに対して無線という特殊性から考えますと、かつまた運輸省に一つの外局として海上保安庁もありますが、航空を論ずるには必ずそうした電波法、あるいは何らかの運営によつて事を処さなければならないということも、われわれは、なおざりにしがたいと考えるのであります。従いまして従来終戰以前におきましても、航空に関するところの主管事項については、あるいは逓信省の所管に慰し、あるいはまたかつての帝国議会における逓信と鉄道という、その運輸のあり方からいえば共通であるけれども、これはまた別個に考慮さるべき問題であるという考え方から、ひとまず帝国主義時代おける当時と、またさらにその考えを深めまして、今日運輸省と逓信省との二つの限界を明かにして、両者に画然たる差があつたように考えるのでありますが、逓信省もその内容におきまして、郵政または電気逓信という、考えられ得るところの二つに分離して設置したというこのあり方から考えて、再びこの航空保安庁の問題がわれわれの注視の的になつて、しかもその主管をことさらに運輸省に移管しなければならぬということは、私どもは考えないのであります。もしも理由がありといたしますれば、現在におきます電気通信省の問題について、すなわち定員法または運営の問題について申し上げるならば、公共企業体として近く発足しなければならぬ前提に立つておりまする電気通信省が、現在の立場におきましては、なかなかその進捗をきわめないために、心ならずも公共企業体の運びに至つていない。しかしながら電気通信省といたしましても、必ずや公共企業体に移行しなければいかぬ、ことに特別会計というあり方において電気通信省が発足しておる観点に立ちましても、こうした定員法とかあるいは一般の会計法規にのつとつたところの電気通信省のわく内においては、どうしても航空保安庁なるものは健全なる業務をなし得ない。こういうような観点に立たれて急速にこの庁の移管方を今日提案なさつたのかどうか、その点を第二点としてお伺いしたいのでございます。
#25
○荒木政府委員 国内航空事業の行われます中心は、何と申しましても人と物と構成などについて迅速的確に運ぶということが中心になつて来るわけであります。航空保安の問題はきわめて重大で、それは航空事業がいかにうまく行くかというバウンダリー・コンデイシヨンをなすものでありまして、その点から申しまして、たとえば運賃の問題にいたしましても、現在汽車、汽船その他と競争関係にありますので、そういう点も総合的に考えなければならぬきわめて重要な点だろうと考えるのであります。航空保安の問題はきわめて重要でございまして、バウンダリー・コンデイシヨンをなすものでありますから、どうしても一つところにまとめて運営することが最も望ましい。また人の面からいたしましても経済的だ、こういう観点からいたしまして、運輸省が航空輸送事業を扱うということになりました以上、ここで統一的に扱うということが行政能率を効果的に上げるゆえんである。こういうふうに考えて提案したわけであります。
#26
○松本(善)委員 言葉を返しまして、はなはだ恐縮でございますが、人と物とのバランスをとると先ほど申されたようでございますが、しからば運輸行政の根本的なあり方として、いわゆる航空庁というものを設置される御意思であると拝察いたしますが、しからばその観点に立つてお尋ねしたいのでありますが、そういうような考え方をいたしましてこの法案を提案せられたということでありますれば、いかにしてその航空というものに対するバランスをとり得るか、あるいはそれに対するところの航路を御研究の上に、この法案を立てておられるか、いわゆる收入と支出というこの原則に立つたバランス面の御計画もあらかじめ御検討の上にお立てになられたかどうか、もしも御発表がいただけますならば、一応本席においてその点をお教え願いたい。
#27
○松尾政府委員 航空保安の仕事と航空運送行政というものは、御存じの通り車の両輪のごときものでありまして、これは航空保安行政が地上の航空保安施設を完全に運営して、飛行機の運航が初めて迅速確実に安全に行くということでございます。先ほども松本委員から仰せのありました通り、航空保安に関しまする電波、たとえば航空無線局とかあるいはラジオ・ビーコン局とか、こういうものは電波庁の法規によりまして、向うの認可を得てやるということになつております。どうして運輸省に持つて行つたかといいますと、先ほども政務次官からもお話いたしました通り、航空保安行政は電気通信省の管轄にありまして、電気通信大臣の指揮下でやる。航空輸送行政は運輸大臣の権限でありまして、航空保安庁が両監督のもとにすべてをやる、こういう両大臣の指揮監督でやるというような現在の状況でございますので、これは事務当局といたしましても、航空保安の分野と航空輸送行政の分野となかなかはつきりせぬ事態も相当ございます。たとえば飛行場の問題にいたしましても、どつちにこれが属するか、大きな意味でいいますと飛行場なんというものは航空保安行政のうちに入る。しかし運輸行政として航空輸送の計画を立てるためには、飛行場その他保安行政の面がはつきりわかつていないと、これは計画が立たない、こういうような非常に輻湊した事情がございますので、これはやはり世界各国でやつております通りに、航空保安行政と航空輸送行政とは一本にして、航空行政は一つの役所でやつた方がいい、こういう観点からこの設置法の改正になつたかと存じます。
#28
○松本(善)委員 もう一点について、これは他の議員からも御質問があつたと思いまするが、私はちよつと納得ができませんので、重ねてお尋ねいたします。暫定的に航空保安庁を運輸省に移すべくこの法案を立てられたのか、それとも永久に立てようという意思なのであるかどうか、この一点についてお尋ねいたします。
#29
○關谷政府委員 この法律が制定せられますると、永久に運輸省に所轄せられることになりますので、航空輸送行政、保安行政等につきましては、運輸省で十一月一日から暫定的に監督をやつておる、そういう意味であります。
#30
○松本(善)委員 しからば定員法との関係が、この法案の提案理由の説明によりましては不十分でありますが、電気通信省にいわゆる航空保安庁なるものがあつた当時におけるものと、その定員という点に立つて一応さらに御説明を願いたいと思います。
#31
○松尾政府委員 航空保安庁の定員は、現在先ほども申しました通りに千九十六名でございます。これは電気通信省の定員の中に入つておりまして、特別会計でない定員でございまして航空輸送行政が始まりますので、われわれとしてはその要員として六十五名ほど大蔵省に要求したのでありますけれども、一応その千九十六名のうちに五十名程度の空定員がございますので、大蔵省としてはその空定員でやつてくれ、そして事態がもう少しはつきりした場合に要求をする、こういうことになつております。
#32
○松本(善)委員 最後にはつきりしない点をお尋ねしたいのでありますが、先ほど運輸行政としていわゆる保安というものを考え、ことに重点的な運輸行政というものを取上げたから、電気通信管から運輸省にその移管がなされたという、この観点に立つてお尋ねしたいのであります。もちろん今までありますところの定員法によりましては、電気通信省というような一般の定員法に該当し、または一般の経営形態によるところの官庁のごとく、わくをはめられておつては、どうしてもできないというこの趣旨はわかるのでありまするが、しからばどういう收支会計のもとにこういうようなバランスをとり得るか、たとえば先ほども申しましたが、あるいは御発表が願えるならば御発表願いたいと思うのでありまするが、その航空関係に対するところの航路、あるいは航空郵便物あるいは旅客そういうもののひとまずの見通しがあるはずだと思いますからして経済的なる見地に立つた場合のお考えは、どういうようなお考えであられるか、この点をお尋ねしたいと思います。
#33
○松尾政府委員 お答えいたします。航空輸送の事業は先ほども申しました通りに、今度設立されました日本内国航空株式会社がやるのでございまして航空庁は航空保安行政と、それから日本内百航空株式会社の航空輸送面におきまする監督をやるわけでございます。この日本内国航空株式会社の航路でございますが、これは事業計画がまだ向うで目下愼重に検討中でございまして正式に政府に提出になつておりません。提出されたあかつきに政府、としていろいろ検討する面があるだろうと思いますが、私の想像するところによりますと、大体日本国内の幹線、札幌から東京、大阪、福岡、こういう線が第一次的に考えられるのではないかと思います。
#34
○松本(善)委員 それ以上はむりだと思いますから、一応これで打切ります。
#35
○木村委員長 青木正君。
#36
○青木(正)委員 私ちよつと一点だけ伺いたいのであります。それは今度できまする航空庁に次長を置くことになつているようでございますが、次長を置きまする理由は、外局として行政内容が非常に多岐にわたるので置くというお考えか、あるいはまたこういう航空行政という特殊な関係がありますので、技術系統の次長か何かを必要とするので置くのか、あるいはまた單純に前の電気通信省の当時に次長がおりましたので、その行き方を踏襲して置くようにしたのかどうか、そういつた点を承りたいと思うのであります。次長を置く問題につきましては、一般的な行政機構の問題につきましては何かと議論もあるのでありますが、電気通信省のときにあつたから、そのまま持つて来るという單純な理由か、あるいはまた航空行政という特殊な仕事の内容から、特にそういう次長を置かなければならないというような理由があるかどうか、その点承りたい。
#37
○松尾政府委員 今御質問になりました後段の理由でございます。航空保安行政だけにいたしましても、その仕事の内容が非常に多種でございましてしかも現在は関係筋との非常な、折衝があります。それから現地におきましてもいろいろ折衝がありますので、全般的にやはり技術面、事務面を知つた人かどうしても必要だ、こういう理由でございます。
#38
○青木(正)委員 なおそのほかに、何と申しますか、技術鑑識なり、そういつた特殊の立場に立つものを置く必要があるかどうか、そういう点をひとつ御説明願いたいと思います。
#39
○松尾政府委員 当初航空保安庁をつくります際、私どもは技術部とそれから管理部をつくりたいという意向を持つておつたのでありますが、簡素化のためにその部を減らしまして、そうして次長を置いたような次第でございまして、現在次長は技術家でございますので、現在のところその必要はないと考えております。
#40
○木村委員長 河田賢治君。
#41
○河田委員 日本内国航空会社が五十万円の準備金で設立されまして、近くこれが事業を発足しますと、十億くらいの会社になると普遍にはいわれておりまして、先ほどの御説明の中にも、六社によつてこれが共同出資されるというお話でありましたが、日本の事業者も、この資本に参加するような、合弁ですか、ああいう形になるのですか。それとも外国資本のみによつて経営される内容でありましようか。この辺をひとつ御説明願いたいと思います。
#42
○松尾政府委員 資本金は仰せの通り現在は五十万円でありますけれども、五十万円ではとうていできませんので、飛行機一台にいたしましてもやはり七、八千万円から、大きいのになると一億二、三千万円、こういう飛行機の値段でございますので、おそらく十億以上十四、五億の資本金がやはり必要じやないかと考えられます。なお日本人が資本に参加することができるかという御質問でありますが、これは終戰後の覚書二百一号で、日本人の航空活動は禁止されております。従いまして日本人が株を持つということは、航空事業に参画するということになりますので、現在では資本の参加はやはりできないのじやないかと考えられます。しかし航空会社といたしましては、できるだけ何らかの方法で、日本の資本をぜひ入れたいという考えを持つておるようであります。その面については、会社側としても何か研究しているようであります。
#43
○河田委員 それではそれとともに航空機の乗員でありますが、地上勤務員は、相当日本人で供給されると思うのです。たとえば新聞ではエア・ガールは日本の娘を使うというようなことがありますが、そうすると航空事業に日本人が参加されぬということになりますと、こういうサービスする女やあるいは操従士とか、これらは、日本にそれだけの資格のある者がありますが、そういう従業員は一切外国人によつて採用されて、日本人はこの航空事業には一人も参加しないかどうか、この点をまず承つておきたいと思います。
#44
○松尾政府委員 飛行機の乗務員と申しますのは、操縦士あるいは航空士、機関士あるいは通信士、こういう乗員は先ほども申しました通りに、終戰後の覚書によりまして禁止されておりますので、これははつきりできないとお答え申し上げることができると思います。しかし地上の勤務員、これはたとえば会社の事務系統の人とか、あるいは整備関係の技術の人、こういうものは日本人を使用したいといつております。これはできると考えております。
#45
○河田委員 先ほど仰せられました会社は一つでありますが、将来においてもこういう航空会社は一種の独占事業としてただ一社だけか、それとも一社なり三社なりの競争会社を許可される御予定がありますか、この点をお伺いしておきます。
#46
○松尾政府委員 お答えします、現在日本は航空事業を日本人がやることは禁止されておりますので、先ほど申しました、今度設立しました日本内国航空株式会社がやるわけでございます。許可申請をする資格があるのは、この一社だけであります。しかしこれには期限をつけて、日本人は許可するということになつておりますので、講和会議後は、これは民間航空に対しまして制限がつくか、あるいは制限がなくなるかわかりませんので、その点についてはちよつとお答えできないと思います。
#47
○河田委員 それではこういう外国人の持ちまする――名前は日本内国航空会社になりますが、これに対してどの程度に、新しくできます航空保安庁なり日本の政府なりが、直接の運営についての監督権を持ちますか。つまり日本政府あるいはこれらの機関が独自に持ちますか。それともGHQなりあるいはその他のいわゆる連合国の許可なりいろいろな問題によりまして、ほとんど日本の政府としては、これが運営上の監督権については、形式だけで持たぬという程度でありますか、その辺をちよつとお伺いしておきます。
#48
○松尾政府委員 この内国航空株式会社に対しまする政府の監督権と申しますのは、旅客、郵便、貨物の運賃を免許すること、それから会社の営業状況を監査する、こういう点でございます。それから飛行場は、これは現在まだ占領軍の管理下にありますので、運輸大臣が飛行場を許可するということにはなつておりますけれども、これは運輸大臣がGHQの許可を得て許可する、こういう形になると思います。
#49
○河田委員 外資委員会がこの会社を許可しまして、それと同時に六月二十六日のメモランダムで関係筋から、「国内航空許可免許の条件として、終戰当時から甘五年一月一日まで許可運営された会社のうち数社が共同する一社に対して許可する。」第二に、「国内航空会社はGHQおよび極東空軍の命令に従い、かつ日本政府の法令に従う。」第三に、「運営についてはGHQの許可が必要である」という条件が出されたというようなことが通信に報道されておりますが、この事実はあつたのですか。
#50
○木村委員長 ちよつと政府委員に御注意申し上げますが、この問題はすこぶる重要な問題でもありますし、一つは河田君の資料と想像されるものは、ある特殊国の通信ではないかとも思われますので、これは後日また機会を得て、傍聽者の傍聽を禁ずるようなことで御答弁願うことにして、御留保を願いたいと思います。
 次に何か御質疑ありますか。
#51
○河田委員 今のをはつきりしておきますが、連合通信であります。十一月一日の発表になつております。
#52
○木村委員長 他に御質疑ありますか。
#53
○河田委員 それでは今の話では、飛行場に対しては占領軍が使用しておりますから、日本の政府としてはいかんともしがたい。しかしながら今後この会社が設立されて、運航事業ができました場合には、地上のいろいろな設備、それから飛行場、格納庫等々たくさんあるのでありますが、一人の旅客を運ぶためには、数十人の地上の勤務者が航空事業には必要といわれております。従つてこれが経費も相当膨大になりまして、大部分が今度の航空保安庁の職員によつてなされると思うのでありますが、この航空会社が認可されました場合には、一切独立した、そういう飛行場を持つたり、あるいは航空の気象であるとか、あるいは航空上のいろいろの設備を別個に持つものであるか、それともその会社は運航事業だけをやつて、いろいろな負担なり設備は、日本政府の直接の機関である航空保安庁が持つてやるのか、それを最後にお聞きしておきます。
#54
○松尾政府委員 航空会社というものは、事業としては補助金も何もありませんので、非常に合理的な運営をやらなければ、なかなか経営が順当に行かないと考えられますので、できるだけ現在ある施設を使いたい。こういう意向でございます。
#55
○河田委員 まだはつきりその航空会社ができてどのくらいの料金ということがわかりませんので、こまかな御返事はいただけないと思いますが、特に鉄道の方といたしましては、こういう航空会社が設立されてきわめて短時間で郵便物なり、旅客なりを運びますと、現在の一等旅客車などが相当影響を受けるのではないかと思います。料金なんかにおいても、ほとんどかわらぬようにここでは書いてありますが、その場合に運輸省としては、これの影響について旅客、特に一等運賃などの收入に対して、大して減ることはないというふうにお考えでありますか、その辺をお聞きしたい。
#56
○荒木政府委員 運賃をいかにきめるかということは、旅客の各運輸機関に対するロードの問題といたしまして、非常に重要な問題でございます。従つて会社が運賃を幾らにするかということは、認可を申請して来るわけでございますから、運輸省としては、その認可申請を設置法に基きまして、運輸審議会にかけまして公聽会を開いて、公正妥当な運賃を決定されることと存じます。
#57
○木村委員長 他に御質疑はありませんか。
    ―――――――――――――
#58
○木村委員長 それでは次に警察予備隊に関する件を議題といたします。政府より説明を求めます。増原警察予備隊本部長官。
#59
○増原政府委員 警察予備隊は、御承知のように七月八日のマッカーサー元帥の書簡に基きまして、設置されるように相なりました内閣所属の機関でございます。現在におきましては国家地方警察及び自治体警察、これが日本の警察機構でありますが、現在の警察力をもつてしては負い切れない事態の起つた場合に、現在の警察力を補うために、七万五千の警察予備隊を設置する措置を、日本政府がマッカーサー書簡によつて許可されたわけであります。従いまして警察予備隊の目的とするところは、予備隊令にうたつてありまするように、国家地方警察及び自治隊警察の力を補うことを目的といたしておるわけであります。その員数は、書簡に示された通り七万五千でありまするが、これはいわゆる制服を着用いたしました警察官の数が七万五千でありまして、予備隊の全職員の数は、政令にうたいましたように七万五千百であります。この百名は制服を着用しない、いわゆる私服の職員でありまして長官以下、次長、局長、課長、部員等百名は、警察予備隊本部を構成する職員であります。この本部は、警察予備隊全体を統轄をいたす本部でありまして、内閣総理大臣の指揮を受けまして、予備隊全体を統轄するものであります。長官のもとに次長があり、そのもとに官房と五局を履きまして、それぞれ課を設けておるわけでありますが、この百名のいわゆる私服の本部というのは、警察予備隊全体の政策的な問題の決定、基本的な計画の策定をすることが、その任務になつておるわけであります。この百名の本部の下に、七万五千の制服警察官の部隊ができるわけであります。
 この部隊の編成につきましては、現在まだ案を練りつつある段階でありますが、大体の構想は、七万五千の制服隊の長として総隊総監を置くことになつております。この総体総監のもとに、七万五千の部隊の本部たるべき総隊総監部を置くことに相なつておりましてこの内部編成はまだ決定に至つておりません。この制服本部の統轄のもとに、大体四つの管区を設けたいと思つております。この管区はおおむね札幌、東京、大阪、福岡というところへ管区本部を置きまして管区総監その他を配置する予定であります。この管区は但し現在国家地方警察が持つております管区とは幾分趣が違うわけでありまして、いわゆる管轄区域という観念は持たないことにいたしたいと思うのであります。管轄区域ということをしいて言いますならば、それぞれの管区が全国を管轄する便宜上、事務的な区分として四つの管区を設けるにすぎないという考え方に相なつているわけであります。この四つの管区とほぼ比肩いたします重さを持つものとして、管理補給隊というものを設ける構想になつております。これは総隊総監に直属をしておりますが、管理補給のことをつかさどる隊であります。管理補給と申しましても、單に物資の調達調便ということのほかに、医務の関係、通信の関係――予備隊は現在カーバインを持つておりますが、そうした武器の関係等の所掌をも管理補給隊が扱う。しかし管理補給隊は東京に一箇所あるわけではなく、その分派がそれぞれ必要な全国の地区に分散して参るというふうな構想にいたしたいと考えているわけであります。
 管区本部の下に、一応連隊、大隊というふうな部隊を設けることに案を練りつつあるわけであります。警察予備隊は、発足の当初から軍隊ではないかという批判をよく受けるわけでありますが、御承知のように、日本再憲法において、わが国は国際紛争を処理する手段として武力を使用しない、武力を保有しないということに相なつておりまして、予備隊は軍隊でないことはきわめて明瞭であります。予備隊分によりましても、現在の国家地方警察、自治体警察を補う意味の警察力ということに相なつているわけであります。ただ一般の警察とも一線を画し得る相違があるわけでありまして、警察予備隊は平素警察権を原則として執行いたさないのであります。予備隊は部隊編成を建前とし、訓練、行動等は部隊をもつて行うことを原則といたすわけであります。従いまして平素警察の執行に手が足りないからといいましても、予備隊が国家地方警察、自治体警察を、普遍の警察の執行において援助するということは、建前としていないわけでございます。相当の騒擾、暴動というふうな事態が一応出動の予想される場合でありまして、そういう際、現在国家地方警察、自治体警察の手を、もつてしては負い切れないというときには、内閣総理大臣の命によつて予備隊が出動するということに相なつているわけであります。一面旧特高、旧警察の復活ではないかという非難を受ける場合があります。予備隊は新しく発足しました国家地方警察、自治体警察と並んで参る補充警察力でありまして、旧特高が批判を受け、非難を受けました、情報をもととして、広汎な司法警察権を背景にして、ややもすれば軌を逸するというそしりは、予備隊におきましては司法権を執行するということは、平素においては行わない。特に事件がありまして、内閣総理大臣が出動を命ぜられた際、その事件に関連して司法権を、これも極限された範囲において行使するということでありまして、いわゆる旧特高の復活ということは、制度の上においてあり得ないように配慮をいたしてあるわけであります。
 さようにいたしまして警察予備隊は、百名の私服本部の下に七万五千の部隊があり、これは総隊総監のおりまする総隊総監やと、大体において四つの管区隊というものにわかれ、またその下に連隊、大隊というふうな部隊が各地に分散をするということに相なつております。この編成は、七月八日書簡か出まして以来、政府の方でも関係方面の意向もあり、その設置を取急ぎまして、募集条件を八月八日に定めまして一般募集をいたしたわけでありますが、志ある青年が多数応募されまして約四十万に及びました。そのうちから選拔の結果、現在七万四千余りの者を一般募集のうちから採用をいたしているわけであります。あとの千名は幹部に属するものであります。幹部と申しましても、比較的上級の幹部に屈するものでありますが、このうち八百名は、やはり一般募集として幹部募集をいたしたのであります。一万名を多少越える優秀な応募者がありまして、そのうちより選拔した者のうちから、現在逐次任命を行いつつあるわけであります。残りの二百名は、最も上級な幹部にこれは特別に任命をするという措置をとりました。これによりまして総隊総監、管区総監、その他の主要人員以下を、目下逐次任命をいたしつつあるわけであります。幹部の任命は関係方面の了承を得る必要もあり、関係方面でも幹部任用の方針についていろいろ意見のあることもありまして、予期したよりはだんだんと遅れて参つたことを遺憾といたしますが、ただいまのところ、主要なる人選を終り、なおあと逐次人選を進めまして、関係方面の了承を得つつあるわけでありまして、近く基本的な編成及び幹部の任命を終る見通しがつくに至つたわけであります。現在三十箇所足らずのところに部隊がつくられているわけでありますが、ただいままでのところは、幹部が任命できなかつたので、連合軍将校が顧問としてめんどうを見るという形になつておりました。一応最初の訓練は、十三週間訓練を行いました。現在おおむね各部隊ともこれを大体終つたという時期になつているのであります。この訓練は、関係方面の案に基きまして、部隊の仮部隊長である隊員が、当初は前日の夜顧問の関係将校から教えを受けて、翌日この仮幹部が一般隊員に教授するというふうな、非常にむりな形のものでありましたが、訓練を続けて来たわけであります。最近北海道方面に参りまして、かの地にありまするキャンプの状況を見て参りましたが、そうした比較的むりな形における訓練をいたしているわけでありますが、一般隊員の健康状態、士気等もおおむねよろしく、訓練の成果もほぼ満足すべき状態でありましたのを、非常に幸いと存じている次第であります。
 予算の関係は御承知のように、書簡において、本年度に限つては債務償還費からこれを移用することを承認されたという措置に基きまして、二百億の本年度予算を組んでいるわけでありますが、内容は四半期ごとに区切りましてその使途を明確にする。その都度大蔵省方面と協議をし、また関係方面の了承を得て経費を支出するというような措置をとりつつある次第であります。一応概略を申し上げまして、あと御質問にお答えをいたしたいと思います。
#60
○木村委員長 以上をもつて説明聽取は終了いたしましたが、これに関連して御質疑はありませんか。
#61
○河田委員 ただいま概略のお話がありまして士気、訓練等もおおむねよろしく、という御報告でありましたが、これまで徴募された中からどのくらい不適当としてやめさしたものがあるか、あるいは脱走したものがあるか等についてまずお答えを願いたいと思うのであります。
#62
○増原政府委員 現在のところ十二月一日の資料を最近の資料としておりますが、入隊後現在までに隊を離れましたものは約千百名でございます。そのうちで自発的な退職が六百名を多少越えます。そのほかは病気その他の医学的な理由、そのうちには結核のものもあるわけでありますが、その他不適当として退職せしめたものもある。大体半数足らずが自発的退職であり、半数に満たないものがその他の理由で退職せしめたものという内訳になつております。
#63
○河田委員 警察予備隊は本委員会の所管になつておりますから、少しこまかいことも聞きたいと思います。
 この退職者あるいはまた特に病気によつて解雇されましたものに対して、政府はどういうような措置をとられておりますか。
#64
○増原政府委員 この予備隊はいわゆる特別職になつておりますが、退職についての取扱いは他の一般公務員と大体同様に扱うようにして特別の措置をいたしておりません。ただ開放性結核と診断されましたものにつきまして――これは現在の診断に基きますと、医学的には入隊後感染発病したものとは認められないという医者の診断になつておるわけであります。しかし入隊後のことでもありますので、これに相当期間の療養をさせることを適当と認めまして、大体八箇月間、俸給と、共済組合法に準ずる医療費を支給しまして、專心療養をさせるという措置をとつておる次第であります。
#65
○河田委員 その措置はいつからとられたのですか。
#66
○増原政府委員 とることにいたしております。
#67
○河田委員 いつからとるようにされておりますか。
#68
○増原政府委員 現在まだ結核の診断は進行中でありまして、全部が結了を見ておりません。結了をしたものについてこの措置をとるようにいたしておるわけであります。
#69
○河田委員 この警察予備隊は、御承知の通りポツダム政令によつて政府が設置したものであります。そして大体においてこれは国家公務員法で一般公務員とみなしておるのでありますが、国会にもかけずに予算もとり、また政令によつてこういうものを設置しておりながら、今日に至るまで、ただ公務員としての基準を与えるというだけで、具体的にこれに対する措置を何もなされていない。現に解雇された本人は、肺病であるという自党がなくて、完全に普通の人と同様に仕事もし、隊の勤務もしておる。ただ、厳重な検査の結果、結核の徴候があるというので出されておる。しかも旅費ももらえない、給料なんかも、どうにか怪しげな給料をちよつと清算しただけで、一文ももらわずに追い出されておる。政令でもつてあなた方がこの警察予備隊を設置しておるので、国会に一々かけないのだから、それならばどんな政令でも出して、一般公務員として支給してやる、あるいはそれ以上の待遇をしてやるということが、すぐできるはずですが、今日に至るまでこれをやられていない。輿論か大きくなつたからこれからしますと言うが、いつになるかわかりません。現に肺結核の徴候のあるものが千人あると言われ、あるいは五百人あると言われて、各委員会ごとに違つております。大臣の答弁あるいは長官の答弁にしても違つている。これまでのこういうふうなやり方で、一体あなた方は十分職責を尽しておるとお考えになるかどうか、この点をまず聞いておきたい。
#70
○木村委員長 ちよつと河田君に御注意申し上げますが、あなたの質疑中に、怪しげな給料であるとか、あるいは旅費をやらぬとかいうお言葉があつたようでありますが、それについで責任をお持ちになりますかどうか、ちよつと伺つておきます。
#71
○河田委員 現にこの前自由党の方のところにも三人の解雇者が来て、本人がやかましく言つて、どうにか旅費だけ清算してもらつたということがある。言わなければだめなのです。しかも、隊から命令されて首を切られているのでないのです。そういう事実がある。現に私は本月三日、舞鶴へ選挙の応援に帰りまして、その夜帰りますときに、ここの中隊長が、自分の部下から優秀な人間を三名解雇された、しかもこれは小隊長クラスの者だと言つているのです。ところがこれが首になるについては、大阪から医科大学の先生が来て何か診断したとか言つているのですが、自分の部下がこんな健康なからだをしているのに首切られるのは上長としてたえられない、だから自分はえなところにおめおめと職を持つことはできぬといつて、辞表をたたきらけた。そして外出すると言つたが実は出たんだといつて、同じ汽車で大阪まで帰つた人があります。こういう実情があるわけであります。こういうふうに隊員の中には、いろいろ今日おやりになつているやり方の中に非常な不平や不満をかもすような事態が起きて来ている。政府はこういう政令を発布したのでありますから、一々議会に諮らぬでも政令でできるはずです。
#72
○木村委員長 河田君、あなたはさつきの言葉の中の、旅費を出さなかつたということはお取消しになりますか、どうですか。
#73
○河田委員 だから、私は……。
#74
○木村委員長 旅費を出さなかつたという点をお認めになりますか、お取消しになりますか、どちらですか。
#75
○河田委員 旅費だけ出したということは認めます。
#76
○木村委員長 出さなかつたということは否定されますか。
#77
○河田委員 否定いたします。
#78
○木村委員長 増原本部長官、御答弁ありますか。
#79
○増原政府委員 予備隊の設置はいわゆるポツダム政令によつてやつておりますが、関係法令等はそれぞれ成規の手続によつて行つておるわけでありまして、私どものかつてに規則をつくるという建前のものではございません。法令に準拠して、それぞれの扱いをいたすことにいたしたいと考えております。なお予備隊は発足をとり急ぎ、また幹部の任命がだんだんと遅れて参りましたこと等のために、隊の紀律の保持等については、万全を期したとは言えない事情もあることを私どもは認めておるのでありまするが、これは早急に多くの人を集め、大きい部隊をつくりましたために起りましたことであります。早急にそうした弊害をなくするように努力をしたいと考えております。
#80
○河田委員 なるほど長官だけではすぐそれができぬのではありましようが、こういう一般公務員としての待遇、これが共済組合の規定とか、あるいは病気になつた場合の観応とか、こういうようなものはおそらくできると思うのです。もしもできるならば臨時国会にもこれは出されるのが至当だと思うのです。法令として出すべきものをポツダム政令で出したのであるから、予算にしろその他の問題にしろ、国会にかける必要がないというならば、これは確かに政令でもできるはずなんです。それをおやりになつていないということを私は聞いているのです。発足したのはことしの八月からでありまして、急を要して七万五千の人間を集められたかもしれませんけれども、しかし中には職をやめてそこへ集まつている人もある。会社や学校の職員をやめて入つている人もある。少くとも三箇年の間はたいていここで働けると思つて来ているのですが、それが少し病気になつたとか、あるいは自分では自覚しないような症状で解雇される場合に、もうよそへ行つても結核病患者として取扱われると、なかなか就職の機会がない。こういう人に対する法令が今まで出されていないということ、これについての責任を聞いているのでありまして労働基準法でも、御承知の通り、人を使えば三十日の予告手当を出さなければならぬということ、病気をすれば傷病手当、あるいは健康保險法などによつて費用を除いた治療費を負担しなければならぬということはわかつておる。公務員の規定もあるはずなんです。そういう規定や規則なんかはあなた方がおつくりになるのであるが、――また入つて来る隊員に対して宣誓をとつておられるのです。憲法を守るとか、法律を守るとか、あるいはその他いろいろの事柄を自分はここで守るというような宣誓をとつておられる、一方にそういう宣誓をさせるならば、あなた方もそれに対する責任をとらなければならぬと思う。それに対して何もできていない。これから検診が終つたらこれをやるということでは、いつ終るのか私たちはわかりませんが、この責任とそういうことについての詳しい――、警察官並なら並でよろしいのですが、そういう規定を大体いつごろお出しになるか、このことを私はもう一度はつきり確かめておきたいと思うのです。
#81
○増原政府委員 この問題は現在あります規定に基いて、実行をする分についてはその通り行うわけであります。結核の自覚なき人々が結核と言われたということはその通りであります。これは結核の状態としてその点が非常に大切な点であります。私どものところへ直接話しに参りました諸君も、いずれも自覚症状なき人々でありますが、これは予備隊として結核にあらざる者を結核にしてやめさせようというようなことは毛頭考えておりません。責任ある医者二人以上のレントゲン写真その他の診断によつて決定した者を処置したわけであります。しかしもとより人間のことでありますから、あるいは初期の開放性結核等については、なかなか診断も医学的にいつてむずかしいそうであります。そういうものはさらに他の信用ある医師二人の診断によつて、自分は開放性結核でないという証明をもらつて来るならば、もとより勤務を続行させるということにいたしておるわけであります。しかし通常結核の初期というものは、当人に自覚症状なく、しかもその時期に発見をし、措置をすることが結核対策としても大切である。当人の長き一生にとりまして、非常に幸福をもたらす素因に相なるわけであります。そういう意味で、現在まで発見されている者は十二月一日現在では百七十七名であります。その後まだ検診を続行中でありますので、多く見て大体五百名限度であろうかということをお答えいたしておつたわけでありまして、まだ五百名出たということではないのであります。しかし早期に発見をして療養に專念せしめるならば――專門医の意見を聞きまして、大体八箇月程度の俸給を与え、共済組合法に基く医療費を支給して療養に專念せしめるならば、おおむね回復をし得るのではないかということで、約八箇月間の治療費を支給するという措置を講ずるように手続をとりつつあるわけであります。
#82
○河田委員 そうすると今申された、特に療養を要する者については適切な処置をとるということは、大体今年中にできそうな見込みでありますか。
#83
○増原政府委員 現在結核と診断されました者については、もう数日中にもそういう措置を通達することにいたしております。すでに電話通達をもつてそうした扱いをする旨を知らしておるのでありまして、これから発見をされる者につきましては、その都度その措置を続行して行くつもりであります。
#84
○河田委員 そうするとこれまで、隊ができましてから、こういう病気で結局退職ないしは休養を余儀なくされた者には、同様な資格を与えられるわけでありますか。現在までの者だけでなく、入隊後そういう結核の診断のあつた者については、すべてそういう一律の待遇を与えられますか。
#85
○増原政府委員 結核の診断を受けました者につきましては、一律の待遇を与えます。
#86
○河田委員 それではこの病気以外に、自発的に六百名を越えて隊から出ておると言われますが、その多くの原因は、大体どういうところにありましようか、それがおわかりになりましたら、お聞かせ願いたいと思います。
#87
○増原政府委員 実はわれわれの方で、責任ある隊長をまだ任命をしておらぬ次第でありますので、この内容を理由別にすることが困難でありまして、内容をまだ精細には調査をいたしておりません。
#88
○河田委員 辞職した者は、正式に辞職願を出すとか、退職願を出して出た者が大部分でありますか、それともそれ以外に黙つて脱走してしまう――昔の言葉でいえば脱走ですが、そういうような傾向の者も、この中には含まれておりますか、おりましたらそれがどのくらいおるか、わかつたらお知らせ願いたい。
#89
○増原政府委員 黙つて隊を出て行つたというふうな人たちには、隊に帰つて来るようにという通知を出しまするが、それでもなお帰つて来ない者は、大体において退職というよりは、免職という措置をとつております。免職の措置は百名を多少越える程度であります。
#90
○河田委員 これらの免職の措置をとつた者の原因が、先ほどもよく幸しくはおわかりにならぬとおつしやいましたが、しかし長官として、やはり各地の訓練の模様なり、あるいはまた各地の生活の模様なりは、大体においておわかりになるとは思うのです。そういう観点から、こういうような免職の措置をとらなければならないような事態が、どこに原因しているかというようなことについてまた一般の新聞でもいろいろ待遇問題ついては、警察予備隊の生活というようなことで始終書いておりますから、常識でも大体わかりますが、しかし責任者としてのあなた方がどういうところに主たる原因があるかということについて、おわかりでしたらそれを御発表願いたい。
#91
○増原政府委員 先ほど申し上げたように、まだ内容の調査をいたしておりませんので、私どもとしても一応の推測をするにとどまりますので、推測を申し上げることは避けたいと思います。
#92
○河田委員 最初に募集をされましたときには、大体六万円でしたか、退職手当を出すということがいわれておりましたが、最近の新聞では、十二月十五日までに就職した者には、この六万円の退職金を出すというふうなことがいわれております。この六万円の退職金をお出しになることは、大体において確定したのか、また確定しつつあるのか、それからまた十二月十五日でこれを打切られ、その以後に入つた者にはどういう退職手当の制度をおとりになるか、この点をお聞きしたい。
#93
○増原政府委員 退職金のただいま申された六万円の問題は、政令をもつて過日公布をいたして決定をいたしております。二年間りつぱに勤務をいたした場合には、これは一等警察士補以下二等、三等警察士補、警査長、一等、二等警査とありますが、この人たちには、二年間りつばに勤めました場合には、六万円の特別退職金を与えることになつております。そうして十二月十五日までに入隊をする人々についてこの措置をする、それ以後入隊の人々については、普通の退職金、一般公務員と同じ退職金を与えるという措置にしておるわけであります。これは最初七万五千という数を早急に確保するという関係方面の慫慂もあり、とり急ぎこの多くの数を集めるということの一つの条件として考え合せたものでございまして、現在多少ずつ欠員を生じておるところもありますが、十二月十五日までに、七万四千を完全に補充をいたしまして、別の一千はいわゆる幹部でありまして、別の方で、これは特別退職金はないわけであります。七万四千につきましては、それまでに完全に補充を終つて、隊の編成、組織、訓練の遺憾なきを期そう、こういうつもりであります。
#94
○河田委員 待遇問題は非常に遺憾な点があるのですが、これらに対しては、政府は政令を出したという責任においても、早急にこれらのすべての措置を、一般公務員、特に警察官以上の待遇を与える十分な措置をとられんことを希望しておきます。
 さらに訓練の問題でありますが、現在訓練におきましては、伝えられるところによりますと、大体アメリカの占領軍の士官なり将校なりが訓練の中枢的な仕事をしておられる。これは日本の警察予備隊でございますから、武器の使い方がわからなければ、武器の使い方くらい習うことはあり得ると思うのです。しかしそうむずかしい武器もないと思うのですが、そういう外国の軍人の指揮あるいは監督を受けなければならぬほど、この警察予備隊の仕事というものがむずかしいものであるか。そうしてまたそれほどむずかしい、いろいろな兵器を使わなければならぬのか、この点も少しお話を伺いたいと思います。
#95
○増原政府委員 予備隊の訓練につきましても、私どもの方で幹部を任命することが、まだ整つていなかつたということのために、先ほども申し上げたように、訓練については、顧問として参つておられる関係将校が、全般にいろいろ翌日の教程について、仮隊長に話をして教える。これに基いて仮隊長である隊員が、一般隊員に教えて行くという措置をとつたわけでありまして特別にむずかしいからどうこうという問題はないわけであります。一方現在大体においてカービン銃の訓練を終つたという段階でありますが、これはアメリカの機銃でもありますし、その操作の基礎は関係将校から隊員が伝授を受けて、隊員たる仮隊長が、また一般にこれの訓練をして行くという措置をとつておるわけであります。
#96
○河田委員 今は小銃くらいでしようが、将来この訓練が終つた後においては、徐々にでもやはり戰車とか装甲率とか、あるいはヘリコプターとか重機とかというような、やや今日よりもさらに重火器の方向へ、これらの兵器をお使いになる見込みでありますか。その辺を伺つておきたいと思います。
#97
○増原政府委員 警察予備隊の目的が、国内における治安維持であり、国家地方警察あるいは自治体警察の手で負い切れないというときに出るという目的にふさわしい、それに必要な限度の力を持つということが、抽象的にいえば、予備隊の装備になるわけであります。現在のところ機銃のみの訓練を受けておるわけでありますが、さらにどういう兵器を持つか、その必要があるかということについては、ただいま研究中でありまして、早急に他の武器を持とうというふうのことは考えておりません。
#98
○河田委員 これらの警察予備隊の訓練におきましては、大体アメリカの歩兵操典か、あるいはいろいろなる軍隊で使う教典が、きわめて直訳的に書かれて命令なんかも非常に直訳を使つて訓練がしにくいということを中隊長なんかは申しております。たとえば今の小学校の子供はどういう号令をかけられておるか知りませんが、われわれの子供のときには、まわれ右前へで右うしろへ行くわけなのですが、現在この直訳の号令では、うしろ向き前へという号令がかかるそうです。しかもこれを短かく二言くらいで号令をかけなければならぬということを、絶えずアメリカの教官が言うそうであります。うしろ向き前へと言うと三語になつてしまう。だからやむを得ないので、真中を削つてうしろ前へと言つて号令をかけるそうであります。こういう直訳的な教練が大体どこにおいても行われる。幹部が上と下との間にはさまつて非常に困つておる。アメリカの直訳を持つて来なければならぬ。命令したり号令したりするときには、できるだけ従来の日本語の慣用に合うようにしなければならぬ。この間の苦労が一方ならぬものであるということを申しております。この警察予備隊を置くことが、日本の国内の治安を維持するためというあなた方のお考えであるならば、何もわざわざアメリカの教典を持つて来ぬでも、従来の日本の警察官の訓練や教育なんかを骨子にして、その上で訓練をお立てになれば、日本でもこれはできるはずなのです。今兵器は向うから参つておりましようが、これの取扱い方については、分解したり何かしたり、やはり教わらなければわからぬでしようけれども、そういう訓練や動作については、日本の警察の今までの基礎においてできると思うのであります。従つて政府はこういう訓練などにおきまして、現在主としてアメリカの直訳的な訓練が行われ、またその指揮下にほとんどものるようでありまするが、これをあなた方の責任において、近いうちにすべてをあなた方自身の手でおつくりになる勇気があるかどうか。またそういう御計画があるかどうか、この点を私はお聞きしておきたいと思うのであります。
#99
○増原政府委員 警察予備隊は、御承知のようにマッカーサー書簡に基いてつくられたものであります。司令部としても占領政策の一環としてこれを考えております。予備隊が日本の国内治安のために、りつぱに働けるかどうかということについては、司令部としてもすこぶる関心を持つておるわけであります。従いまして、始まりました元が書簡であり、その後いろいろ顧問として援助をするとか、めんどうを見るとかいうことをしておるわけであります。早急に七万五千を募集し、一応の形を整え、訓練を始める、幹部がおらないというふうな、何と申しますか、そういう事情のもとに、関係方面の教案による訓練を授けることになつておるわけであります。これがいわゆる直訳であるとかいうふうなことは、あるようであります。われわれとしては、予備隊のできました根本の沿革その他に基いて、そうしてこれはもとより日本の予備隊でありますので、われわれの手において早く幹部を任命し、われわれの手においてその組織なり訓練なり教養なりをやつて行くという段取りを、すみやかにつけるということで努力をしております。
#100
○河田委員 ポ政令で出されましたので、今度の予算措置についても、補正予算の中にもMら組み入れられておりませんが、これは長官にお聞きしては、あるいはむりかと思いますが、一応関係者として、このポ政令によつて出された予算上の措置は、今後国会には全然出す必要がないとお考えになりますか。またこのポ政令によつて出された問題については、二十六年度以降においても、これは国会の審議を得る必要かないというふうにお考えになりますかどうか。この点をちよつとお聞きしておきたいと思います。
#101
○増原政府委員 本年度は御承知の通り、マ書簡の最後に掲げられたところに基きまして債務償還費から二百億を移用いたしました。移用してその範囲で予算を組むということについては、国会の審議を受けなかつたわけでありまするが、明年度の予算は、もとより通常の手続により予算を組みまして、国会の審議を受けるわけであります。予備隊の予算について、国会の審議を受けないような措置をいつまでもとろうというのではございません。
#102
○河田委員 では武器をお使いになると、大体日本では武器をつくつておりませんから、すべて外国製のものでありまして、従つて外国からこれらの補給を受けなければならぬというような状態になるわけでありますが、大体政府の方では、これの人件費と、こういう武器などを購入する物件費と、どのような比率になつておりますか。それを一応概算だけでもけつこうでありますから、お聞かせ願いたいと思います。
#103
○窪谷説明員 数字のことにわたりますので、私からお答えいたします。本年度の二百億円の使用の最後的な計画は、まだ確定いたしておりません。大体四半期ごとに区切りまして使用外画を立てることになつております。二百億円の使用の計画は確定いたしておりませんが、一応予想を申し上げますれば、人件費として三十二億円程度、これは俸給及び俸給に類する諸手当でございます。それから物件費として百五億円、この中にはもちろん隊員に給与いたします食糧費も含んでおります。それから被服費も含んでおりまするし、さらに車両でありますとか、あるいは通信の施設等も含みまして百五億円、それから施設費として六十一億円、営舎の補修改造並びに新築の経費でありますが、この施設費と物件費との間には、今後相当の出入りが出て参るかと存じております。大体そういう状況です。
#104
○増原政府委員 人件費、物件費の内訳は、ただいま申した通りでありますが、現在のところ、訓練をしておりまする機銃については、関係軍から貸与を受けておりまして、これに対しては経費の支出をいたしておりません。
#105
○河田委員 もちろんそういうことはあり得ると思うのですが、しかし将来におきまして、武器を使つて訓練すれば、やはり機銃なら機銃、小銃なら小銃、ピストルならピストル、こういうものの訓練をして、それを持たさぬということになると、何のために訓練したかわからぬことになります。今は借りておるけれども、おそらく将来は、そういう武器を持たす限りは、その武器を買うのじやないかと思います。これは相当の額になるのじやないかと思いますが、万一最低限のそうした武器を持たせるといたしましたならば、明年度予算でも相当購入費に入つているのではないかと思いますか、二十六年度予算にそういう購入費がありますかどうですか。なければないと、その点ごく大ざつぱでもけつこうですから、お聞かせ願いたいと思います。
#106
○増原政府委員 現在のところ、兵器は関係方面から借りることにいたしたいと思いまして、来年度予算にもその経費は計上をいたさない予定にいたしております。
#107
○河田委員 それでは最後に、これは長官ではちよつと何ですが、一応聞いておきます。先日自由党の星島二郎氏が、この国会の始まります前に、三党立会演説会で、警察予備隊は国連のもとに置いたらいい、それがまた講和の問題にも非常によく響いて来るというような内容の演説があつたやに新聞では報じております。政府当局としましては、この警察予備隊は日本の国内秩序を維持するものであるというふうに考えておつくりになつておるが、また日建に現在日本は参加しておりませんけれども、万一そういうような道が開けた場合は、この警察予備隊を国連の指揮下に置いてもいいというふうにお考えになるかどうか。この点をひとつお聞きいたしておきたいと思うのです。
#108
○増原政府委員 警察予備隊は、国内の治安維持のために、国家地方警察及び自治体警察を補完するものとして設置されましたものでありまして、あくまで国内治安維持に專念をいたすつもりであります。国外に出るというようなことはいたさないつもりでありまして、将来の問題は、ただいまお答えする適当なときでないと考えます。
#109
○河田委員 それでは、この国内の治安につきましては、現在の定員七万五千名をもつて大体足れりとしておられますか、それともこれがまだ二、三倍にも増加しなければならない、あるいは幾万にも増加しなければならないというお考えを持ち、そのような計画をお持ちでありますか、この点を伺いたいと思います。
#110
○増原政府委員 七万五千の予備隊をもちまして国内治安を十分に維持するよう、隊員の訓練なり教養なりに全力をあげるつもりであります。
#111
○河田委員 最後にお尋ねしますが、もちろん警察予備隊は、国内の治安を維持するということでありますが、終戰以来五箇年有余、この間警察予備隊なくしても治安が大体維持されておる。自治体警察、国家警察、こういうものによつて維持されておつたのでありますが、こういう警察予備隊をもつて、暴動なりその他が起きた場合に鎮圧しなければならないという政府のお考えでありますが、しかし国民は、自分たちの生活を守るためには、いろいろ大衆的な示威運動とか、ストライキとかいうものが合法的にもやれるのであります。そういうものが一方においてふさがれて、そうして警察予備隊がつくられる。そういう政治的な面から警察予備隊などをあなた方としてはつくられたのだが、こういうものを何らかの場合には、ただちに出動させるということが必要でもあり、好ましいとお考えになつておるのでありますか。また国内の治安を維持するためにこれができたにしましても、かかる治安が守れないような国民生活が一方にあるからこそ、こういうものもできるのでありまして、そういう問題について、特に警察予備隊の命令者、指揮者としてのあなたが、この警察予備隊を使用する場合についてのお心構えというようなものを、この際最後にお聞かせ願いたいと思います。
#112
○増原政府委員 政府としては、国内の諸般の情勢、国際的の強制等の動きにもかんがみまして、予備隊を設置することを適当と認めたわけであります。しかし予備隊が出動するような事態の起らないことは、国民のひとしく念願するところであります。私も予備隊長としては、予備隊の訓練は十分に行い、教養を高めまして、隊員は一般的な日本人としての水準においても、高い教養と広い見識を持つようにいたしたいと念願いたすわけであります。出動については、われわれは出動する機会がないことを衷心より念願しておるものであります。
    〔委員長退席、土倉委員長代理着席〕
#113
○江花委員 この警察予備隊の設置の仕方についてまた警察予備隊の現在あるいは将来予想される性格等については本国会においていろいろ論議を耳にしたのであります。私はそれらの問題につきまして、増原長官に御質問申し上げるというよりも、自由党の代議士としまして、私の考えを簡單に申し上げまして、そうして予備隊の一番はつきりした責任者として、そのことに專念しておられる増原長官の御意見を拝聽したい、こういう意味で申し上げます。
 予備隊の設置あるいは組織その他運営のこと、あるいは予算をポ政令で出したことについての関係でありますが、これは多くの論議を用いずして、けつこうだと考えておるのであります。もちろん日本人は独立自主ということを非常に渇望しておるのでありましてこの見地からいえば、こういう問題も国会にかけてやつた方が望ましいことは論のないところでありますが、ポ政令というものがはつきりした根拠を持つており、また日本が占領下に置かれている以上は、はつきり申しますと、ポ政令でやるか、国会にかけるか、また国会にかけるにしてもどういう要求を国会に対してなすかということは、一に連合国最高司令官の権限内にあることでありまして、これは他の占領の場合を見ましても、特別に不合理とかどうとかいうことはないと思うのであります。国際法規はもちろんのこと、人道その他に照して、決して恥しくないものであることは言うまでもないのであります。従つて今日警察予備隊がポ政令で設置され、予算措置もポ政令でやることは、格別不当というに当らぬと理解しておるのであります。
 次に予備隊が国際紛争解決の実力的なものとしてあるのではないかという疑い、つまり單に国内治安だけでなく、そういうふうに使用されやせぬか、現在もそういうおそれがあるが、将来特にそういうおそれがあるのではないかという疑いでありますが、そういうことを考えるのは、少くとも現在の私どもの常識では考えられないのであります。国内治安は考えようによつては自分たちの生活の問題であり、社会の直接の問題ですから、これははつきりした目標がありますが、今申したように戰争に日本人をかり立てるということになりますと、戰争の目的がはつきりしておらなければならぬのであります。日本人が何がゆえに戰争しなければならないかということがはつきりしておらなければ、どうしても兵隊というものは使用できるものではないのであります。これはりくつではない。部隊というものをつくつて、そうして一丸となつて敵に対して身命を賭して当らせるには、各人の間に精神的な何ものかがなければならぬ。ところが今日の日本の現状では、戰争目的というものを今ただちにはつきり予想することは困難であります。それからまた今までのような尽忠報国とか、そういう精神が、強くいえば今日では御破算というところまで行つておる実情であります。今日の青壮年の大衆を率いて、いくさをするという要素が欠けているということが、大体実情であります。かつまた装備にいたしましてもカービン銃とか、いろいろありますが、カービン銃を持とうが、速射砲を持とうが、重砲を持とうが、精神的に、早くいえばうつろであります。そこへ持つて来て今の日本の生産状態において日本の七万五千や二十万、三十万の軍隊が行つたところで、大敵に当るというようなことは私は当分予想できない。兵備や装備の点からいつてもまず不可能なことである。ことに今日の現状から見まして、予備隊の最高幹部の人たちは官吏あがりであります。それが最高幹部の大部分を占めておられる。この人たちが部隊を引連れて戰争するということは予想もつかぬことであります。これは言うまでもないことであります。官吏はいくさのために訓練されて来たものでもなければ何でもない。そういう経歴を持つておらぬのであります。アメリカ人が使いやせぬか。アメリカの軍隊にしやせぬか。なるほど強制的に銃剣でおどすというようなことに使うことがあると考えられるかもしれないが、私はそういうことは絶対にないと考える。先ほど申しました通り、そういう強制的な方法によつていくさをやつても、結果がうまく行くものではないのであります。アメリカの方ではもちろんそんなことは考えておらぬと思いますけれども、思つたとしてもそういうことが不可能であることは、大体常識論として言えるのであります。やはりそれには相当の精神と装備というものがそろい、そして隊の編成には、戰争のために特に訓練された強固な団結がなければ、戰争というものはできないのであります。百年も五百年もたつたあとのことならば存じませんが、目下のところ、大体の様子ではそういうことを考えることは杞憂にひとしい、ほとんどあり得ないことであると私どもは考えるわけであります。
 次に進駐軍の方々が来ていろいろ訓練しておられるという御説明が、先ほど河田委員からもありましたが、その中で兵器使用についてであります。これは先ほど申し述べたこととも関連しておりますが、国内治安だけに、ある団体を使用しようとする場合、訓練ということをいたしますが、これはただ毎日、学校のようにダンスをやり、体操をやつたからといつて、訓練というものはできるものではない。治安維持でもやはり実力を行使するのであります。その点はやや相互に違つた点がありまして、片方は外敵に対するものであり、片方はわれわれ同胞に付するものであり、いろいろ観点が違いますが、実力を行使する場合の訓練は、どうしても何か兵器というものがなければ、できがたいというのか、やはりその方面の少し知識のある人ならば常識であります。昔ならやりを使うとか刀を使うとかいうように、それをしなければ実力行使をするような団体としての訓練はできないのであります。カービン銃を使おうが、機関銃を使おうが、ただちにそれだからといつて、それが治安維持に必要ないとか、あるとかいう論議にはなりませんし、またさらに外敵に当る戰争のための軍隊を養成するのだというようなことには当らぬのであります。どこの国でも、実力を行使する団体として個人を訓練する場合には、必ず武器を持たせるのが大体通例でありまして、そう武器というものを狭く考えることはない。ちようど、やや個人的でありますけれども、剣道をやつたからといつて、必ずしも人殺しをするものでもないという考え方とも、一脈通ずるところがあると私は感じておるわけであります。また言葉の点がありましたが、これは従来、最初に日本の陸軍あたりがフランス式をとつたときは、フランスの将校が来て指導しました。また途中からプロシヤの兵制をとつたときには、やはりプロシヤの教官が来たのであります。従つてまた言葉もそういうふうになつております。最初は熟しない、なれない、だから変に聞えることもあります。また本来日本人に適しない言葉もあります。今の「うしろ向き前へ」という言葉、これはどういう場合じや知りませんが、やはり号令は予令と動令の二つにわかれておることと思います。三つにわかれるというお話でありましたが、必ずしもそうではない。「うしろ向き前へ」「進め」と言えばそれでいい。「うしろ向き」「前へ」「進め」と言えば、ごたごたと鶏のまわれ右みたいになつてしまう。やはりこれはなれようであります。「うしろ向き」「前へ」と言必要はない。「うしろ向き前へ」「進め」と言えばいいのであります。
 なおアメリカの進駐軍の方がいろいろな干渉をするというのでありますが、これはそう神経質になることでもないと思うのであります。普通の教官として單に雇われて来たものだそうであります。今日国会におきましても他の各方面におきましても、アメリカの占領政策の一環として、いろいろな方面で日本の民主化をはかるために努力してくれておるのでありまして、その中には日本のわれわれの気分や制度にアダプトしないものもあることはもちろんであります。しかしそういうふうにやつておるのでありますから、ただそういう單なる指導訓練に携わるというだけでなく、そこに一つの一般的なことが加わつて来るために、何かそういう特異の感情を持つのかもしれませんが、これはそう神経質になる必要はない。こういうふうに考えておるものであります。
 いずれにしましても、軍国主義的な、侵略主義的な、そういう意味の攻撃的な軍隊を持つということは別問題でありますが、少くとも実力的な一つのバツクを持たなければならぬということは、これは大体において独立国である以上は、今まで通例であります。世界のいつの時代、どこの例をとりましても、国家をなしました、ほんとうの独立した国が、そういう実力的な団体を持たないという例はないのであります。ところが日本の憲法の第九条に、何か一切の武力を日本から抹殺するという言葉がありますために、それを文字通り、とことんまで貫くとすれば、世の中に実例のない、画期的な憲法の規定でありますから、そこに何と申しますか、いろいろな矛盾といいますか、そういうものを生ずることもあり得るかと思うのであります。要するに平和国家建設のために、文化国家建設のために、それらの憲法に高く掲げた目標に向つて、しかも現実との調和をはかつて行くことが、われわれ日本民族の苦労のあるところであり、またわれわれの世界に向つて将来鼻高々と誇り得る一つの期待であるわけであります。私はこういうふうに考えておるのであります。時間もたちますので、この程度で終りますが、私のこの考えについて予備隊本部長官の御所見を簡單に伺いたいと思います。
#114
○増原政府委員 ただいま江花委員から、いろいろと予備隊についての御批判なり御所信なりを伺つたわけでありますが、私どもおおむね、ただいまの御発言に御質問申し上げるものでありまして、予備隊設置は現下の国内情勢、国際情勢に即しましてこれを急速に設置する必要を政府としても感じまして、それに応ずるためにいわゆるポ政令の道をとるという措置に出たわけであります。爾後の編成なり訓練なり、これは現在の占領下にありまするわれわれとしては、関係方面の占領策遂行という形に沿うて参りますことは、私どもとしては当然のことと考えておるのであります。しかしまた一面私どもとしましては、予備隊という具体的な問題について、すみやかにその編成、幹部の人選等を終りましてわれわれとしてはもとより必要な援助は受けつつ、できるだけ自主的に本来の治安維持の目的に沿うようにその成果を結んで参りたい、かように念願をしておるわけであります。そうした意味においてよろしく御指示を願いたいと思うわけであります。
#115
○土倉委員長代理 他に御発議ありませんければこれにて終ります。
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#116
○土倉委員長代理 次に行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたし、政府よりの提案理由の説明を求めます。城行政管理政務次官。
    ―――――――――――――
#117
○城政府委員 ただいま議題となりました行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。
 今回提案いたしました行政機関職員定員法の一部を改正する案は、地方税法による固定資産税の賦課に関する事務の処理に関して、地方財政委員会の職員の定員を増加し、首都建設委員会及び文化財保護委員会の設置に伴う職員の定員に関して計数を整理するために、行政機関職員定員法に所要の改正を加えんとするものであります。
 第一に市町村の中心財源である勘定資産税の賦課に関する事務については、地方財政委員会においても鋭意その事務処理に力を注いでおりますが、移動性資産、二以上の市町村にわたつて所在する固定資産及び大規模工場等の評価と配分に関する事務の処理については、現在の職員の定員をもつてしては十分ではなく、この点は先般第二次シヤウプ勧告にも指摘されているところでありまして、地方財政確立のために、この事務の処理に万全を期して明年一月一日から地方財政委員会に所要の職員の定員十名を増加することにいたしました。
 第二に、第七回国会で成立しました首都建設法により、総理府の外局として設置された首都建設委員会の職員の定員は、同法の附則によつて行政機関職員定員法を、改正して二十五名となりましたが、その際行政機関職責定員法第二条第一項の表中、総理府の項の計の数と合計の項の数とにこの三十五名の増加に応ずる加算が行われなかつたので、今回この数を加算することにいたしました。また同じく第七回国会で成立いたしました文化財保護法により文部省の外局として設置されました文化財保護委員会については、その設置にあたり、文部本省から移管されました定員に三十五人を加えたものをもつて、定員と定められたのでありますが、同法では行政機関職員定員法第二条第一項の表中合計の項の数字を改めなかつたため、この際この三十五人をも合計の数に加算することにいたしたのであります。
 なお今回の改正案におきまして改正されるべきこととなつている合計の項の数が、現行の行政機関職員定員法の第二条第一項の表中の合計の項の数より六十七多い数になつておりますのは、別途今国会に提出いたしております裁判所職員の定員に関する法律等の一部を改正する法律案において、連合国人に対する刑事裁判権の拡張に伴い検察庁及び矯正機関等の職員の定員の増加を行うこととなつているのに照応させたためであります。
 最後に、行政機関職員定員法の第二条に、「各行政機関の職員の定員」という見出しをつけ加えることにいたしました。
 以上が本改正法案の提案理由及び内容の概要でありますが、何とぞ愼重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いたします。
#118
○土倉委員長代理 御質議はありませんか。
#119
○河田委員 行管の方でなく地方財政の方にお伺いしますが、先ほど兵庫県の事例について聞いたのでありますが、人をふやすことが今ここでは問題になつておりますのでお伺いしますが、固定資産税について、兵庫県の明延、ここは鉱山のあるところでありますが、ここで査定した価格と、地方財政委員会が指定した価格に非常な相違があつて大分大きな悶着が起つておるように聞いておりますが、この事例についてわかつておりましようか。
#120
○松島説明員 地方財政委員会が評価をいたしました価格と、市町村が調査をいたしました価格の間に非常な相違があるというふうに承つたのでありますが、ただいま地方財政委員会といたしましては、評価の作業を続行中でございましていまだ地方財政委員会の指定にかかるものについて、幾ばくの評価をしたかということを市町村に対して発表しておる段階には参つておりませんので、ただいまの御質問のような事例が、どういう程度でそういう事例があつたかというようなことは、ちよつとわかりかねるのでございます。
#121
○河田委員 わからなければやむを得ないです。
#122
○土倉委員長代理 他に御発議はありませんか。
    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○土倉委員長代理 しからば本日はこれにて散会いたします。
 明日は午後一時から委員会を開きます。
    午後四時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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