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1950/12/04 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 地方行政委員会 第8号
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1950/12/04 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 地方行政委員会 第8号

#1
第009回国会 地方行政委員会 第8号
昭和二十五年十二月四日(月曜日)
    午後二時二分開議
 出席委員
   委員長代理理事 野村專太郎君
   理事 河原伊三郎君 理事 龍野喜一郎君
   理事 藤田 義光君 理事 門司  亮君
      生田 和平君    大泉 寛三君
      門脇勝太郎君    川本 末治君
      小西 英雄君    清水 逸平君
      高塩 三郎君    中島 守利君
     橋本登美三郎君    吉田吉太郎君
      鈴木 幹雄君    床次 徳二君
      山手 滿男君    久保田鶴松君
      松澤 兼人君    木村  榮君
      立花 敏男君
 出席政府委員
        地方自治政務次
        官       小野  哲君
        総理府事務官
        (地方自治庁次
        長)      鈴木 俊一君
        総理府事務官
        (地方自治庁公
        務員課長)   藤井 貞夫君
 委員外の出席者
        專  門  員 有松  昇君
        專  門  員 長橋 茂男君
十二月三日
 委員川本末治君及び久野忠治君辞任につき、そ
 の補欠として庄司一郎君及び寺本齋君が議長の
 指名で委員に選任された。
同月四日
 委員庄司一郎君、田中元君、守本齋君、大矢省
 三君及び久野忠治君辞任につきその補欠として
 川本末治君、小玉治行君、久野忠治君、松澤兼
 人君及び高塩三郎君が議長の指名で委員に選任
 された。
同日
 委員小玉治行君辞任につき、その補欠として小
 西英雄君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十二月三日
 地方議会予算の独立執行化に関する請願(中村
 清君紹介)(第三二四号)
 地方公共団体の局部設置に関する請願(中村清
 君紹介)(第三二五号)
 地方議会事務局強化に関する請願(中村清君紹
 介)(第三二七号)
 単純労務者の地方公務員法適用除外に関する請
 願(大矢省三君外一名紹介)(第三三一号)
 地方財政平衡交付金の増額等に関する請願(岡
 西明貞君紹介)(第三三二号)
 国庫補助職員の増員抑制に関する請願(中村清
 君紹介)(第三三三号)
 昭和二十五年度地方財政平衡交付金仮決定額算
 出規則の改正に関する請願(中村清君紹介)(
 第三三四号)
 地方議会議員の選挙公営に関する請願(中村清
 君紹介)(第三三五号)
 地方公務員給與引上げ等の財源に関する請願(
 中村清君紹介)(第三三六号)
 揚操網漁網に対する課税適正化の請願(岡西
 明貞君紹介)(第三三七号)
 同(小松勇次君紹介)(第三七八号)
 危険物取締條例中映写技術者に関する條項改正
 の請願(並木芳雄君紹介)(第三八四号)
 地方財政平衡交付金に関する請願(松澤兼人君
 外一名紹介)(第三六五一号)
 地方税法の一部改正に関する請願(野村專太郎
 君紹介)(第三六六号)
 地方税法の改正並びに地方財政確立等に関する
 請願(岡田春夫君紹介)(第三六七号)
 地方公務員法制定反対に関する請願(受田新吉
 君外一名紹介)(第三六八号)
の審査を本委員会に付託された。
本日の会議に付した事件
 地方公務員法案(内閣提出第一号)
#2
○野村委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が都合によつてまだお見えになりませんので、かわつて私が委員長の職務を代行いたします。御了承いただきます。
 昨日に引続きまして、地方公務員法を議題といたしまして質疑を続行いたします。本案に対しまする逐章の質疑は、第一章総則、第二章人事機関の質疑を行つて参つたのでありまするが、まだ若干残つておりますので、本日はこれを含めて第三章以下各章の質疑を行うことにいたしたいと思います。河原伊三郎君。
#3
○河原委員 第百條第三項第五号の消防団員及び水防団員の点についてお伺いします。この消防団員または水防団員は、普通の平団員をとらえて潜り防団員または水防団員と言います場合と、団の構成員全部、すなわち団長以下各役員及び団員といつたものを総称する意味の団員の場合と、二つあるようであり怪して、いろいろな法規等にも、構成員全体をさす場合には、団長その他団員とか、団長以下団員とかいうふうな字句が使われている場合もあり、また単に団員という二文字だけで全体を総称する場合もあるようであります。この法文の性質なり前後から察しますれば、立法者の意思といたしましては、おそらく団の構成員全体をさす意図から出ておるものであろうと察せられるのでありまするけれども、なお将来にわたつて疑義をさしはさむ余地をなくしまするために、この際この第五号の意義を明確に伺いたいと存じます。
#4
○藤井政府委員 お答えいたします。今のお尋ねの点でございますが、お説の通りに、第五号に申しておりまする消防団員の中には、もちろん消防団長も含むということであります。水防団員につきましても同様でございます。
#5
○野村委員長代理 次に大泉寛三君。
#6
○大泉委員 二日間にわたつて公述人からいろいろ意見を聞きましたが、大体において本案に対しては、公述人に浮いては反対の意思を表示しておられます。その最も重点とされているところは、労働運動を通じての政治活動に対する制限が、その最も反対の声となつて現われております。いわゆる労働組合が公企業に対して結成せられておる現在においては、どうしても労働団体の主張する問題の多くは政治に関係がある。この労働組合を通じて政治行動をするということは、この法案自体から最も制約される一つの立場となつて、そこで各労働団体の関係者が声をそろえて、これに反対しておるのは当然であろうと思います。しかし私は今度の法案に対してはつきりしておきたいことは、他の労働団体に対して、いわゆる一般地方公務員がこれに参加する。これは参加してさしつかえないであろうと思うのですが、そうした場合に、労働団体の決定に基いてみな行動された場合は、結局何ら政治運動に対する制約が効を奏さないと私は思う。こういう場合にどういう対策があるかということをお聞きしたい。
#7
○小野政府委員 お答えいたします。ただいまの御質問の要点は、職員が労働団体等の決定に基きまして、それによつて政治行為を行うという場合において、どういうふうに処理するように、この法律案は考えておるかという趣旨のように伺つたのであります。が……。
#8
○大泉委員 職員組合でなく、他の労働団体です。
#9
○小野政府委員 それにつきましては、御承知のごとく、地方公務員の本質的な建前から申しまして、この法律案では政治目的を持つた政治的行為の制限についての規制をいたしておるわけでありますが、もし他の労働団体等からその決定によりまして、職員がこの法律案に定められておりますような、あるいは條例によりて定められておりますような政治的な行動をやるように求められたりするような場合におきましては、三十六條の第二項の罰則が、これに適用されて来る。言いかえますれば、何人もこの法律案に定められておりますような政治的行為を行うように職員に求めたり、そそのかしたり、もしくはあおつてはならないということに該当することになりまして、この何人もと申しますのは、単に職員のみならず、その他の者も包含することになつておりますので、この條文の運用によりまして、これらの行為につきましては、これを規律して行くということになると私は考えております。
#10
○大泉委員 もう少し詳しくお聞きしたいと思います。公務員が他の労働組合に参加することができるかどうか、これをひとつはつきり聞いておきたい。
#11
○小野政府委員 ただいまの他の労働組合と申しますのは、労働組合法に基きましてできた労働組合、かように伺うのでありますが、さような場合におきましては、この法律案におきまして、職員団体の結成につきましては、当該地方公務員をもつて組織するということになつておりまして、その以外の労働組合の結成を認めておるわけでは、ございませんので、従つて他の労働組合、いわゆる労働組合法による労働組合に加入するという道は、開かれておらないわけでございます。
#12
○大泉委員 それでは他の政治団体の構成員になることができるかどうか。
#13
○小野政府委員 単にある政党に入党するということにつきましては、別に支障がないかと存じます。この法案の第三十六條にも示してありますように、政党その他の政治団体の結成に関與したり、あるいはまた役員になつたりすることは適当でない。言いかえれば、当該政党なりその他の政治団体が、意思を決定いたしまして行動をとる、あるいはそういう政党あるいは政治団体を結成するごとに、準備委員等の資格において関與することは、第三十六條第一項によりて禁止されておるわけであります。
#14
○大泉委員 自分が勤務しているところの、職員団体には参加しなくても、ともかく他の労働団体もしくは政治団体に加入して、その構成員となることができ得るとすれば、それに対してその団体あるいは政党が一定の方針を決議した場合には、その構成員である以上は、どうしてもそれに服従する。いわゆるその決議に基いて行動をとるということになりますので、結局政治活動の制限ということは、とうていそこにできないことになります。それに対してどういうような対策をもつて臨まれるのか、これを聞くわけであります。
#15
○小野政府委員 まず第一の問題といたしましては、職員がある政党もしくは政治団体の構成員となるように、またはならないように勧誘運動をしてはならない、こういうことがこの第三十六條によつて規定されておるわけであります。それと同時に第二点といたしまして、労働組合に加入するということについての御意見でありますが、これは地方公務員法案によりまして、労働三瓶の適用の除外がされております関係上、地声職員が労働組合に加入するということは、これは認められておらないわけであります。後段の場合において、労働組合の意思決定によつて、左右されるという場合におきましては、その労働組合自体が政治的な行為をその職員に求めたりそそのかしたり、あるいはあおつたりするという場合において、この第三十六條第三項が適用されて来ることになるのでありまして、職員自体が労働組合に加入するということは、労働組合法の適用除外によりまして、これは排除されておる、かように考えておるのであります。
#16
○大泉委員 個人から求められた場合にははつきりわかりますけれども、団体から求められた場合には、団体に対する制裁というものは何ら規定にないようであります。たとえば組合とかあるいは政党に対する制裁がないところを見ると、どうにもしようがないじやないでしようか。これに対してはいかに対処されるのですか。
#17
○小野政府委員 私の言い方が少し足りなかつた点があろうかと思いますが、団体自身がこれを慫慂するというのではありません。もちろん当該労働組合には責任者もあるわけでありますので、おそらく労働組合が意思決定をいたしました場合においては、その代表者なり役員を通じまして、おそらく当該職員に働きかけられて来るものであろうと思うのであります。そういう意味合いにおきまして、先ほど団体ということを申し上げましたが、さらに詳細に申し上げますと、ただいま申し上げたような具体的な方法によるであろうと考えております。
#18
○大泉委員 それから公述人の多くは、特に公企業に参画しておるところの労務者全体を通じて、特別職にしてもらいたいというような希望が多々ありましたが、私はどうも特別職と一般職の区分に対する当局の説明がはつきりとわからない。たとえば特別職は住民に選出され、その意思を代表しておるのである。住民即特別職である。ところがそれは多くは政治活動の方を担当しておるのであつて、そのもとに奉職しておる一般職の立場は、ただ單に全体に対する奉仕者であるということだけでははつきりしない。全体に対する奉仕者というのは、特別職であろうと一般職であろうと何らかわりはないのであるけれども、ただ私は一般職の場合は、住民の行政部面の代行者であるという考え方を、はつきりしておく必要があるのではないか。公共企業体もしくは地方公共団体の事業であろうと、あるいは行政であろうと、何ら競争性のない独占的な一つの業体である。この独占的な立場においては、全体に対する一つの代行者であるから、対立者はないわけだ。この対立者のないものに対しては、やはりどこまでも一般のいわゆる営利事業等の私企業とは根本からして考え方を違えて行かなければならない。そこでただ單に全体に対する奉仕者というような不明確な言葉でこれを律してしまうと、どうも理念というか考え方というか不明確になつてしまう。これに対する明確な言葉を当局から言明されてしかるべきだと思う、これに対する考え方はどんなものですか。
#19
○小野政府委員 お答いたします。地方公務員もまた公務員でありますので、ただいま大泉さんが御指摘になりましたように住民全体の奉仕者である、こういう本質を持つておりますことは申すまでもないわけであります。これをもう少し他の見地から考えてみますると、ここに政治と行政との明確なる区分ということが考え得るのではないかと思うので彫ります。ただいまの例としておあげになりました公選によりてその地位につきましたあるいは知事とか、市町村長というふうなものと、それ以外の行政職員というものについての御指摘があつたのでありますが、これも最も顯著なる例の一つであろうと思うのであります。もとより政治と行政は、その間において明確な一線が画さるべきものであるということについては、詳細に申し述べる必要はないかと思うのであります。これをもう少し具体的に申し上げますと、政治を担当するものと、同時にその政治を行う場合においてこれに対して忠実に助言をし、あるいは補助して行くというふうな立場にある、いわゆる行政執行の衝に当る者とは、おのずからその地位において、また職能におきまして異なつたものがなければならぬと思うのであります。行政に携わる者といたしましては、その機能から申しまして、職能から考えまして、政策決定ではなしに、決定された政策を執行するために、いわば技術的專門的な仕事を担当して行く、そういうことによりまして、地方の住民のために信託奉仕の関係においてその職責を遂行する、こういうふうに申してよいかと思うのであります。従いまして技術的專門的な行政執行の衝に当る職員は、さらにこれを具体的に申し上げますならば、地方住民に対する関係におきましても、その行政ができるだけ公正にかつ継続的に行われるこういうことが、結局地方住民に対する大きな奉仕の一つであろうと思うのであります。従つて能率を上げますと同時に、安定してかつ継続して行政執行の衝に当り得るようにし向けて行くことが妥当である、かように考えておる次第でございます。さような点から考えまして、これら行政執行の衝に当つておりまする職員は、つとめて政治的な中立性を確立いたしまして、一両行政が公正に運営されますとともに、また職員それ自体も、安んじてその業務に励み得るようにいたすことが考えられなければなりませんので、さような点から考えまして、政治的行為の制限につきまして配慮をいたして参つておるような次第でございます。
#20
○大泉委員 それから公述人の多くは個々の職業について、これは私企業であろうと公企業であろうと、何らかわるところはないのであるから、特別職に指定すべきであるという意見が多かつたのでありますが、個人々々の場合に対しては、これは人夫であろうと、あるいは清掃人であろうと、あるいはその他の部面であろうと、いわゆる会計なら会計をやつておる者、これは私企業であろうと公企業であろうと、その個人々々においては何らかわらない。けれどもまた、ただいまのを繰返すようでありますが、住民全体に対する奉仕者である、あるいはまた住民の行政の代行者であるというような立場からこれを考えてみたならば、結局は個々の職業を区別すべきじやない、どこまでもこれは企業体においてこれを区別すべきである。こういうふうに私は考えておるのでありますが、当局はこの個々の職業いわゆる職務に対して区別する意思はないと思いますが、いわゆる企業体別にこれを考えなくちやならぬ、こういうふうに私は思うのです。これに対する明確な考え方を公述人に対して当局から聞かせてもらいたかつたのでありますが、この際私からはつきり聞いておきたいと思います。
#21
○小野政府委員 お答えいたします。大泉さんのおつしやいますように、個個の職業について個人々々に区別すべきじやなくて、やはりその主体によつて総括的に考うべきではないか、こういう御意見のように承つたのであります。これも一応ごもつともの点があると思うのでございますが、一面国家公務員制度におきまして、御承知のようにその企業体の正確から考えまして、それに従事する職員の身分取扱いにつきましては、別途の方途を講じておりまするような関係もあり、一面また公益事業の関係から申しますと、その会計経理なり、経営の実態から考えまして、その主体はもちろん地方公共団体ではございまするが、その仕事自体の経営の方式なり、あるいは内容等から考えまして、国の場合において行われておりまする制度と、やはり、あまりに均衡の失しないように、その間の関連をもつて考えて行くことが適当ではないか、かように考えましたがために、御承知のごとく公益事業につきましては、その職員の身分の取扱いなり、あるいは事業の組織なり、あるいは会計経理につきましても、別途の考慮をめぐらしたい。かように考えておるような次第でございます。
#22
○野村委員長代理 次に立花敏男君。
#23
○立花委員 私、質疑に入ります前に、ちよつと委員長にお尋ねしたいことがあります。まだこの法案の逐條審議に、私ども共産党は入つていないわけです。今からやるわけですが、これは、この前に地方財政委員会から意見書が国会に出されて参りました。それがこの委員会において審議されまして、自由党も含めて万場一致の決議ができ上つておるのであります。その際にこの問題が解決されなければ、私どもといたしましては地方公務員法の審議に入れない。何となれば給與の問題の結論を出さずにおいて、取締りの面だけの法案を審議することは一方的な形になるので、ぜひ給與の問題としての財政平衡交付金の結論を出していただきたい。そういうことで一応決議はいただいたのですが、その後これが予算委員会に問題になりましても一向結論が出て来ない。また穗かの委員会においても、あまり問題にならない。あるいは本会議においてもこの問題が問題にならない。どうも私どもの観測いたしますところによりますと、地方行政委員会のせつかくの満場一致の決議が、決議倒れになつてしまう、これでは一地方公務員が越年手当ももらえないし、ベース・アツプもしてもらえない、国家公務員が越年資金をもらい、あるいはベース・アツプの予算措置がされます際に、地方公務員だけが置いてけぼりになり、これでは私どもはどうも進んでこの地方公務員法案の審議をやるわけには行かない。せつかくの決議はいただきましたが、それがどうも実現しそうもない、こういう状態に陷つているわけであります。このことは單に地方公務員だけの問題ではなしに、地方財政委員会があの意見書を国会にお出しになり、ました裏には、やはり全国の一万以上に達します市町村あるいは都道府県、これらの諸団体の熱烈なる要望があつての上のことだろうということは、私ども推測にかたくないわけなのであります。そういうような百数十万の地方公務員の要望と、全国二万幾つの都道府県、市町村の要望とがせつかくこの委員会で、地方財政委員会の意見書を可決するという形で現われておりますのが、一向に実を結ばないわけなのでございます。これは私どもといたしましては、どうしてもより強力に推進しなければいけないという仕事が残つておるわけでございますが、あの際決議するにあたりましても、これは單なる決議に終らしてはいけない、関係の委員会なり、あるいは議長等にもこれの促進方を要望する。あの決議はもちろん政府がこれに努力すべしという決議でございますが、しかしわれわれだけの委員会の決議では非常に力が弱いので、運営委員会、あるいは予算委員会、あるいは議長の方へも報告いたしまして、それを有効に成果あらしめるように努力するということも、あわせて申合せたはずでございます。ところが本国会の会期もあと数日に追つておるわけなのでございます。ところがこれか一向具体化しておらない、この問題に関しまして、その後の推進方につきまして、理事会で御相談があつて、それぞれ処置をとられたと思うのでありますが、この点を委員長から御説明願いたいと思います。
#24
○野村委員長代理 立花委員の御意見はごもつともでございますが、地方財政に関する財政確保の決議案が、前回の委員会で満場の各位の御賛成によつて決議された。しかしその決議の達成については、あげて満場各位の御了承を得て、前尾委員長に一任ということになつたわけです。今日はお見えになりませんが、多分そういうふうなことについても努力されておることであろうと思つておるのでありますが、後刻委員長が見えましたら、直接さらにお尋ねをいただいたらよろしかろう、かように考えております。委員会の劈頭に御了承をいただきましたように、地方公務員法全体の逐條審議をするというように御了承を得ておるのですが、どうかそういうことに御承知願います。
#25
○河原委員 議事進行に関して、ただいま立花君の発言によりますと、三十五億の平衡交付金では足りない。あれでは地方財政が非常な窮境に陷るというので、それの対策を至急立てられるようとの決議をしたのでありますが、立花君の発言によりますと、その増額というものは、地方公務員の年末半箇月分の手当並びに明年一月以降三箇月分の給與ベースの改訂に充てるものであつて、それができなければ給與ベースの改訂も、年末の手当を支給することもできないという建前のもとに出したものでもなく、またここで公述人でありました神奈川県知事の発言におきましても、あれは全国知事代表ではないという断りがありましたけれども、そのときに悲壮な決意を披瀝して申されましたのには、このままの平衡交付金では、地方自治団体は非常に困る。困るけれども万難を排しても、国家公務員が一月以降の給與ベース改訂 並びに半箇月の年末手当を出される以上、地方自治団体としては出されなければならぬ。それを出さぬというようなことは考えていない旨を、はつきりさせていらつしやるのである。平衡交付金増額の問題と、そして給與ベース並びにこの地方公務員法の制定とに不可分の連繋があるがごときをもつてこの審議に臨まれることは、あの地方財政平衡交付金増額要望の決議に対する趣旨と、はなはだしく反すると思いますので、この点委員長の注意を喚起したいと思います。
#26
○立花委員 委員長のお言葉は私も承知いたしました上で、特に発言を求めたわけなのでございますが、河原委員から御発言がありましたが、誤解があるのではないかと思いますので、ちよつと誤解を解いておきたいと思います。地方財政委員会の意見書には明らかに八十三億を要求する、この内容といたしまして、年末半月分の手当、それから千円のベース・アツプ、それには八十八億円は必要であるということがはるきりと明記されております。その第二項には、地方税法が組まれましたあとのいろいろな政府の措置につきまして、自然的に地方が歳出増になる、十六億円あるいは政府のその後追加予算が組まれまして、それに伴う地方の歳出の増加が十九億円、そういうものを合計して百二十三億円。そのうち四十億は地方で財政の緊縮によつてまかなう。残りの八十三億円が足りないのだということがはるきり明記されております。これが新しい地方の必要財源の額、こういうふうに明記されておるのであります、だからこそ八十三億円という具体的な数字が出て来ておりますし、またこの問題についまして、地方財政委員会の事務局長が、この委員会に臨まれまして、八十三億円の財政平衡交付金はひも付では出せないと言われるが、この場合には八十三億円の問題はどうなるかと言いますと、新しい財源必要財源に充てるためにこれは出すのだということを、はつきり荻田事務局長は言われたわけなのです。従つて私どもの決議も、その線に沿つて地方財政委員会の意見書の中に含まれておる、これらの数字またこれらの新しい地方の必要財源を見越しての決議だということは明らかなのです。従つてこれは決して地方公務員の年末手当あるいはベース・アツプの問題とも離れた問題ではないと思います。そういう意味で、私は地方公務員法の最初の審議にあたりまして、やはりこの問題が解決されない以上は、われわれとしてはどうしても公務員法の審議に入ることはできないという共産党の態度を明らかにしたわけなのです。これは決して必然的に法律の上でつながつておるとか、そういう問題ではございませんで、実際の問題としてはつながつておる、そういうことから私ども日本共産党の態度を明らかにしたのですが、皆さんの御賛同を得まして、全会一致でこういう決議がなされておりますので、その後の推進方をぜひお願いしておきたいと思います。私ども全会一致であの決議をやつたのでございますから、さらにそれを有効ならしめるために、共産党といたしましては、各党の御賛同を得たならば、本会議であの決議と同じものを決議案として提出したい。十一月二十九日に私どもこの委員会でやりました地方財政確保に関する決議の即時実行に関する決議案というものを、本会議で決議するように出したい、こういうふうに思つておるわけであります。できましたならば――できましたならばでは、ございませんが、ぜひともひとつ全会一致で決議いたしました決議案を、本会議の決議とするように委員会として全会一致で本会議に対する決議案をやつてもらいたいと思いますしこの問題はどういうふうにお扱いになるのか……。
#27
○野村委員長代理 ただいまの立花君の御意見はごもつともでありますが、先ほど私が申し上げたことにつきまして御了承をいただきたいと思います。ただいまは地方公務員法の二章の前の未了の分と全体の逐條審議に移つておりますので、この点御了解をいただいて、本案に対する質疑も立花さんは残つておるようでありますから、これに関連して質疑を続行されんことをお願いいたします。
#28
○立花委員 それではこれから質疑に移りたいと思いますが、私今の問題はぜひ理事会でも、あるいは各党の懇談会でも開いていただきまして、委員会として態度をおきめくださるように委員長にお願いしたいと思いますが、この点どうでしようか。
#29
○野村委員長代理 後刻委員長も見えられるとおもいます。委員長はこのことに対しては、決議の趣旨をよく尊重善処されることと思いますので、その際に経過の報告を伺われることが適切なものと思います。どうか御了承願います。
#30
○立花委員 ではそういうふうに、委員長の方に対しましても、あらためて今私が申しましたことを御相談させていただきたいと思います。
 ではひとつ第三章第一條から質問に移りたいと思いますが、大臣がおいでになつておりませんが……。
#31
○野村委員長代理 第一章は済んだのであります。第二章の部分について……。
#32
○立花委員 さつき申しましたように、私ども一回も逐條審議をやつてないので、第一章第一條からひとつやらせていただきたいと思います。
#33
○野村委員長代理 前の未了の部分を含めて全体を議題に供しておるわけです。どうかその点……。
#34
○立花委員 それでは第二早第一條からひとつ。第一章第一條に入ります前に、実はこの法律をおきめになるのはけつこうなのでございますが、今まで各地方公共団体には労働組合がございまして、これが理事者といろいろな協定なり、とりきめなりをやつておるわけなのでございます。これは正当な労働組合法による団体交渉あるいは労働協約によつて獲得した労働者のほんとうの既得権でございまして、この問題はこの法律が施行になりました場合に、一時に消えてなくなるのかどうか。労働者にとりましては非常に重大な問題だと思いますので、この点をまず一條の審議に入ります前に、政府の方の御意見を聞いておきたいと思います。
#35
○小野政府委員 ただいまお話になりましたような態度においての地方公共団体当局との間の交渉に基く結果についての処理の問題でありますが、御承知のごとく政令第二百一号によりまして、対等のさような団体交渉は行われておらないものと私は了解いたしております。
#36
○立花委員 政令二百一号が出るまでは、どうだつたのでございますか。
#37
○小野政府委員 政令三百一号の制定までは、従来の例によつたわけであります。
#38
○立花委員 その問題を実はお開きいたしておりますので、政令が出たあとと限つてお聞きしたわけではございません。この点をひとつ御答弁願いたい。
#39
○小野政府委員 この地方公務員法によりまして、将来の問題につきましての団体交渉につきましては、ここに規定されておるような考え方で進みたいと思うのでありまして、従前の点につきましては、立花さんも十分に御了解のことと考えております。
#40
○立花委員 私が了解しておるかどうかの問題ではなしに、既得権を認めるのかどうかということをお聞きしておるのであります。
#41
○小野政府委員 既得権というものがどういうふうな内容か存じませんか、とにかくすでに政令二百一号が出ておりますので、これは明らかな点であろうと思います。
#42
○立花委員 ちよつと小野さん誤解があるのではないかと思うのですが、政令の問題とはあまり関係かない問題なので、今までの労働組合が政令の出る前は、明らかに労働組合だつたわけであります。それがいろいろなとりきめをし、協約をしておる、具体的なこういうものについてこの法律が出れば無効になるのかどうかということを聞いておるわけなのです。
#43
○小野政府委員 おそらく政令第二百号の趣旨に違反しない限り、存続しておるものと考えております。
#44
○立花委員 この法律が出れば、政令は地方公務員に対しましては、当てはまらないと考えるのでございますが、そうでございますか。
#45
○小野政府委員 一般職に適用される法律でございまするが、これに抵触しない限りはさしつかえないものと考えております。
#46
○立花委員 これに抵触しない限りは二百一号は残ると言われるのですか。
#47
○藤井政府委員 政令二百一号の関係は、本法が施行されますると、一般職に関しましては、その効力を失うことになるわけであります。そこで先刻からお尋ねの点でございますが、政令二百一号が出ました当時、従前においてなされましたいろいろのとりきめなり協約で、政令二百一号の趣旨に相反するものは、その以後失効いたしましたことは御承知の通りであります。政令二百一号の発布後もなお効力を存在しておる事項につきまして、本法が出ましたあかつきにどうなるかという問題だろうと思いますが、その点につきましては、本法の規定に違反しない限りなお効力を存続するというふうに解釈いたします。
#48
○立花委員 政令二百一号が出ます前に、合法的な労働組合としていろいろなとりきめや協定をやつております。それが政令二百一号によりまして、一時ストツプされておるわけでございますが、この法律ができますと、そのストツプは解除されるので、その際にこの政令二百一号が出る前に、やつておりましたいろいろな既得権、これがどうなるのかということを聞いておるわけです。
#49
○藤井政府委員 効力がストツプされておるのではありませんので、結局政令二百一号の一條二項によりまして、この政令において定められておりまする制限に矛盾する、あるいは違反するすべての措置につきましては、失効をいたしておると解釈いたしております。
#50
○立花委員 失効いたしたものの具体的なものを、御例示願わないとわからないと思うのでございますが、たとえば貸金に関するとりきめでどういう内容のものが失効するのか、労働協約に関しまして、それが内容的にも全然失効するのか、労働協約としては効力はないが、一つのとりきめとしては効力があるのかどうか、そういう点をひとつ具体的に御説明願いたいと思います。
#51
○藤井政府委員 政令二百一号の第一にございますように、拘束的性質を帯びた団体交渉権は否定され、またこれに伴う団体協約権は否定されたのでありますから、その意味におきまする団体協約権の規定に基いて結ばれましたすべての措置は、失効いたすものと解釈いたしております。
#52
○立花委員 それはあくまでも団体交渉権とかそういういわば協約の性格の問題でございまして、内容までは立至つてないと思うのでございますが、それが強制力のない申合せ的なものとて残つておるのが建前であろうし、まだ現実に残つているわけなので、あります。そういうものはポツダム政令の適用が除外されまして、この法律が適用されます場合には、どういう形でそれが有効になつて来るのか、この点をひとつ御答弁願いたい。
#53
○藤井政府委員 政令二百一号の第一條の一項但書にございまする、いわゆる拘束的性質を帶びない話合いというこの但書の規定に基いてなされました事項につきましては、政令の精神に反しない限り効力を存続しているものがあると存じますが、個々具体的の公共団体において、それぞれの事項が行われておりまするので、今ここで具体的に、どれが存続しておるか、あるいはどれが失効したかというような資料の持合せがないわけであります。
#54
○立花委員 それでは、ポツダム政令二百一号が出ます前に、拘束的な団体協約としてありましたものの内容が拘束力をなくしまして、話合い的なものとして残つておる場合、あるいは二百一号が出ましたあとで二百一号に認めております話合い的な申合せ、こういうものの内容が、これが出ましても有効であるというふうに解釈してよろしゆうございますか。
#55
○藤井政府委員 いわゆる拘束的性質を帶びた団体交渉権の結果に基いて結ばれました協約の内容は、これは本政令が出ましたと同時にその効力を失つておるのでありますが、その後におきましていわゆる拘束的な性格を帶びたいもので、いわゆる話合いの権限に基いて何らかのとりきめが結ばれておりまするならば、本法の精神に牴触しない限り効力を存続すると思います。
#56
○野村委員長代理 立花さんにお願いしたいのですが、大体においてこの逐條審議の前に、総括的な一般質疑をかなり慎重にいたして、その質疑応答も完了して、この逐條審議に入つておりますので、立花さん外の委員は第二章について大体完了いたしておるのですが、立花さんはその部分に対して残部がある、こういうような観点から今御質疑を願つておるわけでありますから、なるべく一章、二章の残部の具体的の事実について簡潔にお願いいたします。他の委員の人たちの質問通告も相当ございますので、他の委員の方の言論もどうか御理解をいただいて、御質疑を願いたいと思います。
#57
○立花委員 お言葉を返すわけではございませんが、私も、木村君もこの逐條質疑に入つていないのだし、ほかにもまだ逐條質疑をやつておらない方も大分ございます。決して私一人ではありませんので、その点は誤解のないようにお願いしておきます。
 第一章の第一條でございますが、こういう第一條のような條項を法律として国家で制定なさいますにつきましては、これにきめてありますことに関しましては、やはり国家が責任を持たなければいけないと思うのでございますが、この点はどうでございましようか。
#58
○小野政府委員 これは総括質問の際にも御答弁申し上げましたが、地方公務員法案は主としてわくの法律であり、根本基準を定めておるのでございまして、体的な立場をとるものは地方場公共団体でございます。法律は国できめるが、それの保障なり責任なりは、地方公共団体だというのでは、私はどうも納得できない。たとえば第一條にはこの地方公務員の「福祉及び利益の保護」ということをはつきり書いてございます。これを国の法律でこうはつきりとおきめになります以上は、これは地方自活体がかつてにやればいいので、こういう法律は国できめたが、おれたちは責任がないのだというのでは、これはあまりに一方的であるし、そういうことをやられましては、地方自治体も困ると思うのでございますが、その点の責任を政府はどの程度お持ちになる意思があるかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
#59
○小野政府委員 これは政府の責任云云の問題ではなしに、この法律の目的がどこにあるかということを、この第一條では明らかにしておる次第であります。
#60
○立花委員 だからこそお聞きしているのです。この法律の要旨が書いてあるのですから、そういうことを国が法律できめます以上は、国においてその責任を持たなくてはいけないという――もつと具体的に申しますと、たとえば地方の公務員の福祉、利益の保護に関して、国も当然責任を持つべきであると、私ども考えるのでございますが、その点を具体的に政府としては、どういう責任をとつて行くおつもりなのか、單にこれは法律の解釈をきめただけで、こんなことは国は決して責任をとらないのだと言われるのかどうか。
#61
○小野政府委員 おそらく立花さんの言われようとするところは、国の財政措置の問題であるとか、その他の問題であろうと思うのでありますが、もちろんさような場合におきましては、国としては財政措置について処理をしなければならぬ場合も起つて来ようかと思います。また情勢の変化に伴いまして、法律の改正等の立法措置をとるべき場合も起つて来るであろうと思います。
#62
○立花委員 個々の場合につきまして、国が責任をとる場合も起つて来るであろうというふうなことではなしに、こういう法律をおきめになり、しかも第一條でははつきりと地方公務員の「福祉及び利益を保護」するということを、お書きになつておるのでございます。これはこの法律の目的なのです。こういうことをお書きになつている以上は、やはり国としては、個々の場合はともかくといたしまして一般的に申しましてやはりそれに対して責任をとるという覚悟ができてなければいけない。そういう態勢のもとにのみ、こういう法律がつくられると思うのであります。また生きて来るだろうと思うのであります。これをひとつ、個々の場合じやなしに、一般的な国または政府の責任として、どうお考えになりますか、これを伺いたい。
#63
○小野政府委員 先ほどお答えいたしましたのは、一般的に申し上げた次第であります。
#64
○野村委員長代理 立花君、重ねて申して恐縮ですが、質問の通告の人が数多いものですから、どうかなるべく簡潔に、スピードを上げて質疑を進行されませんと、適当なときに他の委員の方の言論も尊重しなければならないので、そういうときにまたむりがあつてはいかぬものですから、なるべく了解をいただいて、要点だけ御質疑を願います。
#65
○立花委員 むりをしないようにやりたいと思いますので、慎重に聞いているわけです。
 それでこの第一條の問題でございます。私どもこの立法は根本的には地方公務員の保護立法というふうに承つておりますが、第一條にはあまり明確にはその問題が出ていない。またこの法案全部を通じまして、やはりこの問題がぼやけておる。第一條でさつき言いましたように、「福祉及び利益の保護」が出ておりますが、具体的には出て来ない。それの最も中心的な問題である人事委員会の問題につきましても非常にぼやけておる、こういう問題があるのでございますが、問題になつておる第一條におきましても、この法律の目的は「地方公共団体の行政の民主的且つ能率的な運営を保障し、もつて地方自治の本旨の実現に資することを目的とする。」とあつて、この法律の目的である点が特に強調されておるわけです。しかも非常にりつぱな目的だと思いますが、こういう目的を実現いたしますためには、どうしてもその目的実現に、至る具体的な手段が、あわせてうたわれなければいけないのではないかと思われるのでございますが、この点非常に私ども欠けておると考えるわけです。目的のみに非常に重点が行つておりまして、これは悪用されますと、目的のためにせつかくうたわれております福祉及び利益の保護が、無視される傾向に行くのじやないか。いわゆる全体の奉仕者としてという非常にうわべは美しい言葉によりまして、福祉及び利益が蹂躙される危險があると思うのでございます。せつかく保護法として立法をなさるのであれば、第一條には少くとも地方公務員の基本的人権を保護確立するということを、強くうたつていただきたいと思うのでございますが、この点につきまして、もう少しこれを第一條の中にお入れになる意思はないのかどうか、これをひとつ承りたい。
#66
○小野政府委員 第一條はこの法律の目的を、できるだけ簡明に表わすようになつておりまして、その内容はそれぞれ各該当條項によつて、この法律を判断かつ適用して行くべきであろうと思います。現状のままで推移いたします場合におきましては、地方公務員制度は適当でないし、かつまた地方公務員の諸君も不安定な状態に置かれておりますので、政府としてはかような目的を持つた法律の制定によりまして、できるだけ地方公務員の身分取扱いにつきまして、確立した制度を持ちたい、かように考えておる次第であります。
#67
○立花委員 この第一條の精神を貫いておりますのは、私どもよく味わつておりますと。どうも地方公共団体と、地方公共団体の職員がつくります労働組合とは、どうも両立しないというのが根本的な考え方だと思うのでございますが、自治庁の方では地方公共団体と労働組合とは両立しないというふうなお考えを持つておられるものか。またそれをお持ちだとすると、今までのどういう具体的な事例によつて、職員組合と地方自治体とが両立しないのか、これをもう少し御説明願いたいと思います。
#68
○小野政府委員 現行国家公務員法の精神なり、あるいはその他の制度から考えまして、かような目的を持つた法律を制定することが妥当であると、かように考えた次第であります。
#69
○立花委員 それからもう一つ第一條について聞いておきたいと思いますのは、御承知のように、新しい憲法では地方自治のため新しい章が設けられまして、地方の自治を認めておるわけなのでございますが、おとといの合同審議におきましては、淺井人事院総裁は、福祉及び利益の保護という問題については、大体地方は中央の人事院にならつてやるのだから、たいした手数はかかるまいということを言つておられるのでございますが、これでは非常に画一的な、中央統制的な、かつての内務省が全国の都道府県市町村を統括しておりましたような形になつて行くのではないか、特に人事、給與、そういう面でそういう形が出て来るのではないか。御承知のように、一方幾つに達します全国のさまざまの市町村に対しまして、画一的に、人事院に上にならえで、人事や給與をやられましては非常に困ると思う。最近の傾向としましては、やはり給與が非常に画一的になされようとする傾向があります。今までせつかく労働者が闘いとつて参りました地域給の問題にいたしましても、あるいは寒冷地給の問題にいたしましても、非常に全国的に平均化されて、むしろそういうものがなくなろうとする傾向にあるわけなのです。この際に、淺井人事院総裁のように、地方にできます人事委員会あるいは公平委員会、すなわち地方公務員の福祉及び利益の保護に任じますものが、單に中央にならつてやられては、この問題は地方公務員にとりましては、重大な間間だと思うのでございますが、このことは最初に申し上げましたように、地方の自治をそこなうことにもなつて参ります。ひいては憲法の精神にも反して来るだろうと思う。こういう問題で、この第一條において書かれております「福祉及び利益の保護」に関しまして、そういうことにならないというお考えがおありでございますか。またそうだとすれば、何をもつてそういうことが保障されるかということを、ひとつ承りたい。
#70
○小野政府委員 第一條をごらんになれば明らかなように、本法の目的が究極におきまして、地方自治の本旨の実現に資することであるということになつておるのであります。もとよりこの法律案の考え方が、各種各様の地方公共団体の自主性を尊重するというところに重点が置かれることは、ここで多言を要しない点であろうと思うのでありますが、国家公務員制度が確立されております現段階におきまして、地方公務員の制度を打立てて行きます場合に、長をとり、短を補うということは、けだし適切な措置であろうと考えます。
#71
○立花委員 しかし從來のいろいろな例で見ますと、地方の自主性を尊重すると言いながら、実は地方の自主性が少しも尊重されていない。たとえばこの間私どもの委員会で決定いたしました地方税の問題につきましても、大体これは地方の議会の決定によつて地方の條例をつくつてその上で地方住民が納得するような形で、地方住民みずからが民主的に決定してやるのだ、だから安心しろというふうなお話だつたのでございますが、実際上はそうは行われておりません。これは私非常にびつくりしたわけなのですが、自治庁から地方税法の準則というものをお流しになる。県庁ではその見かの市町村の部数だけ再プリントいたしまして、それを県庁から市町村へ流しまして、そうしてそれをそのまま地方自治体の議会にかけまして、たつた三分間くらいで通してしまつておる。地方自治を尊重し、地方の議会で決定するのだという建前のもとで、こういうことが行われております。兵庫県では、この間新しく加古川市というものか生まれまして、そこで加古川市の市條例をつくつたわけでございますが、その際には県庁から参りましたそのもの自体を市の議会に持つて参りました。しかもそれには一枚の資料も統計もついていない。こういう状態のままで地方議会に押しつけようとしております。これが今までの自治庁がお考えになつておりました、また地方自治庁が言つておられます地方自治なのです。こういう形がまたやられるおそれがある。しかも公務員が非常に不満を持つております人事院にならつてやられるおそれがある。こうなつて参りますと、この一條はまつたく有名無実になると思うのでありますが、自治庁といたされましては、この福利及び利益の保護につきましては、そういう地方税法のような天くだり的な押しつけ方はやらない。あくまでも経済情勢、社会情勢に応じて、地方公務員の生活を保障する有効な措置を、やるんだということを、お考えになつているのかどうか。またそれがどういう形で保障されるかということを聞いておきたい。
#72
○小野政府委員 地方自治庁はその任務にかんがみまして、よい地方公務員制度が運用されますように、この法律が制定されましたあかつきにおきましては、この法律の規定に基きまして、適切なる協力と助言を惜しまないつもりでございます。
#73
○立花委員 第一條に関連しまして、念のためにもう一度聞いておきたいと思いますが、実は去年でございましたか、地方で定数條例を出せというので、何か全国的にやられました。これで大分地方の公務員は首にされました。私ども神戸の市役所におきましても、数十名の者がこれで首切られたわけです。当委員会でも取上げていただきまして、関東、関西に調査団、派遣したわけでございますが、これも地方の議会の自主性で定数條例をつくつたという形にはなつておりますが、実はまつたく上から押しつけられまして、市長や知事か、いやでもおうでも、やらなければならぬということを押しつけたわけです。私ども神戸市役所の助役に調査団として会いましたが、そのときに、もうこういうことはこりこりだ、二度とこういうことは、たとえ上から持つて来ても、こんなことはやらないということを言つているわけなんです。こういう形で実は地方公務員が百を切られたわけなのでありますが、こういうことをまた地方自治庁でおやりになろうと思つておられるかどうか。これは実際の問題でございまして、しかも当面また二度目の行政整理が出始めております。非常に切実な具体的な問題でございますのでお聞きしておきたいと思う。特に年末を控えまして、社会的な情勢が感化の一途をたどつておりまするさ中に、この首切りの問題が、去年のような形で出て参りましてはたいへんでございますので、この第一條の利益を守るという建前で、そういうことをおやりになるのかならないのかということを、ひとつ確かめておきたいと思います。
#74
○小野政府委員 目下のところさような考えは持つておりません。
#75
○立花委員 それから第一條につきまして、最後の御質問といたしたいのでございますが、さいぜんもお聞きしたのですが、労働組合と地方自治体とが両立しないというお考えでございます。今までの日本の軍国主義的な、中央集権的な行き方をなくしますためには、どうしても日本の民主化をやらなければならない。それにはどうしても働く者の権利を主張し、労働組合あるいは農民の組合等を育成して行かなければいけない。こういう建前だと思う。従つて自治庁がこの第一條の品的に掲げておられます地方自治の本旨の実現、地方自治の民主化、これは日本全体の民主化の基礎である労働組合の育成、助長という問題とは、決して対立しないと思う。これを対立するとお考えになるところに、根本的な考え方の矛盾があるのではないか。自治庁はどういうところから、この日本の民主化の基礎であり、推進力である労働組合の運動と、地方自治とは両立しないとおきめになつたのか。おそらくこれはあなた方がきめたのではないだろうと思います。どこかの勧告か示唆かと思いますが、この考え方を改められる意思はないかどうか、私はこれをお尋ねしたいのです。おそらくこれはお答えできないだろうと思いますが、お答えできなければ、これは日本人としての良心的な再批判をお願いしておきたいと思う。これは全体と個々との関係になりますが、やはり自治体を民主化し、地方の自治を確立しますためには、まずその仕事をやります地方公務員自体が民主化され、あるいに自治的訓練を受けておりませんと、私は決して終局の目的である地方の自治も、地方の民主化も行われないと思う。これは根本的な問題であります。さいぜん申し上げました具体的な問題はともかくといたしまして、最も根本的な問題で、私の言いましたように、地方自治の民主化はやはりその任に当ります地方公務員の民主化と両立するもので、むしろ地方公務員の民主化がなければ、地方自治の実現に阻害があるという考え方をお認めになるかどうか、御返事を承りたい。
#76
○小野政府委員 私は地方公務員の置かれておる地位なり、あるいはその本質から考えましてこの地方公務員法案によつて考えられておりますその線に沿うての民主化が、適当であると考えております。
#77
○立花委員 これは議論になりますからやめたいと思いますが、とにかく公務員の自由を剥奪しておいて、公務員を非民主的な立場に置いて、地方自治の民主化ができるとは、これは木によつて魚を求むる類でございまして、おそらくこの第一條にお書きになつておるこの目的は、実現できないだろうと思うということを明言しておきます。
 それから第二條に移りたいと思いますが、第三條では、この地方公務員法の優先がうたわれております。しかし私はこの條文はいらないじやないかと思う。今までにおきましても法律上の通念といたしまして、新法は旧法を排する、あるいは特別法は一般法に優先するということは、これはもう常識なんです。法律を扱います以上は常識です。どうしてこれを事新しく第二條としてここにお加えになつたか。御承知のように、法律は法三章と申しまして、できるだけ簡潔にする必要があるわけです。今言いましたように、ほとんど常識とも言うべき通念を事新しく第一條にお加えになつた理由が、われわれにはわからない。惡く解釈いたしますと、こういうものを特にお書きになつたのは、鬼面人をおどかすと申しますか、地方公務員法はひどい法律だぞ、お前たちが惡いことすればこれでやつちまうぞというわけで、地方公務員に対しまして精神的な威嚇を加えておるというふうに感ずるわけでありますが、そういう趣旨で第二條をおつくりになつたかどうか、お聞かせ願いたい。
#78
○藤井政府委員 これは立花さんが、言われるように、別に職員を威嚇するような目的で書いておるのでないことは、申すまでもないのであります。ただ御指摘かございましたように、いわゆる後法優位の原則というのは、従来から認められて来た法律適用上の原則たることは、お話の通りであります。その意味におきましては第二條は当然のことを規定しておるにすぎないとも考えられるのでありますが、このような規定を特に設けましたのは、地方公務員法が地方公務員制度に関する根本基準に開しまする基本法律である。かつ地方公務員制度に関する最高の法規であるということの特質にかんがみまして、これを明からに宣言いたしますますし、なお本法が人事行政に関しまする従来のいろいろな旧弊と申しますか、従来の制度を一掃いたしまして、新しい構想のもとにおける制度を打立てて行くという場合百におきまして、いろいろ旧制度に由来する困難、あるいは抵抗というようなものを、排除しなければならないというようなこと予想せられますので、それらの点にかんがみまして、自明の理とも思われますけれども、本法の特質からかんがみまして、明確にいたそうという趣旨にほかならないのであります。なおこの点につきましては、国家公務法についても、この種の規定が置かれておりますることをつけ加えておきたいと思います。
#79
○立花委員 私どもはその国家公務員法自体が気に食わない。それはともかくといたしまして、国家公務員法にあるからこれの第二條が正当づけられるということにはならないのであります。どういたしましても、第二條は私はいらないと思うのであります。御承知のように、新しい資本主義の統治機構におきましては、三権分立になつております。従つて各法律間の優先、あるいはその他の問題、あるいは法律の効力につきましては、裁判所自体が決定することになつておるはずである。これは法律として第二條で特にうたう必要はないのみならず、三権分立の建前から申しまして、たくさんあります法律の効力をきめ、どちらが優先するかということをきめますのは、あくまでも裁判所の仕事でありまして、これを法律の中で特に條文を設けておきめになる必要はないと思いますし、またこういうことをなさいましたことは、三権分立の混淆になるのではないか、こういうふうに考えます。それでそういうことをお知りの上でこの二條をおそらくお出しになつたのだと思いますが、そうだとすれば、さいぜん申し上げましたように、これは地方公務員を精神的に威嚇するものであり、しかもこの法律が彈圧的な法律であるということを、第二條は最も明確にしておりますので、ぜひこの第二條は削除願いたいと思うのでございますが、第二條を削除するご意志がありますかどうか。ひとつお聞かせ願いたいと思うのであります。
#80
○小野政府委員 第二條につきましては、先ほど藤井政府委員から御説明を申し上げた通りでありまして、削除する意思は持つておりません。
#81
○立花委員 それから第三條でございますが、第三條はこの間の委員会あるいは合同審査会におきましても問題のありましたところでございまして、これは一つ慎重に時間をかけてやりたいと考えるのでございますがひとつ一般的なところから聞いて参りたいと思います。
 地方公務員の職務は一般職と特別職にわけてあるのでございますが、何を基準にしてこれをこういうふうにおわけになつたのか、これをまずひとつ明確に詳細にお示し願いたい。
#82
○藤井政府委員 一般職と特別職をわけました理由についてでありますが、まずこの法案におきましては、特別職というものを規定いたしまして、それ以外の地方公務員の職は、これを一般職ということにいたしておるわけであります。ここに申しておりまする一般職と特別職の区別は、別の考え方から参りまするならば、一般職というのは、この法律でそれぞれ実現しようと思つておりまする新しい公務員制度の適用の対象として適当なものであるかどうかということを、基準にしてわけられておるのであります。都道府県の場合におきましては、いわゆる職階制を適用して参ることが、適当であるかないかということが基準になるわけでありますが、それはただ都道府県等において当てはまるわけでございまして、今申し上げましたように、一般的に本法において実現をいたそうと思つておりまする新しい制度というものの対象となすことが、適当であるかどうかということを基準にいたしまして、特別職、一般職の区別を設けたわけであります。
#83
○立花委員 そういたしますと、これは一般職、特別職というような特別の何か違いがあるわけではなしに、地方公務員法をつくるにつきまして、地方公務員法を当てはめたらいいか惡いかということを、基準としておきめになつたというふうに解釈してよろしゆうございますか。
#84
○藤井政府委員 抽象的にはそういうことになるのでありまして、実質的にはいわゆる行政事務――行政事務というのは広い意味の地方公共団体が行う事務の担当ということでありますが、そういう意味におきまする行政事務の專門家、專門の公務員というものを対象といたしまして、これを一般職といたしたわけであります。
#85
○立花委員 これには地方公務員法を当てはめたらいいという基準だとおつしやいますが、その基準は一体何に基いておきめになつたのか、これをひとつお聞かせ願いたい。
#86
○藤井政府委員 基準は本法において打立てようとしておりまする新しい公務員制度の基準であります。
#87
○立花委員 それをもう少しのみ込めるように、ひとつ具体的ににお示しを願いたい。
#88
○小野政府委員 この法律は根本の基準を定めることになつておりまするし、また特別職、一般職の区別の仕方につきましては、藤井君から御説明をいたしましたので、御理解が行けるかと思いまして、この法律案が制定されましたあかつきにおきましては、かような基準によつて処置されるだろう、こういうことになるわけであります。
#89
○立花委員 この地方公員法を当てはめないものを特別職にしてあるわけですね。
#90
○藤井政府委員 原則的にはそうであります。
#91
○立花委員 そういたしますと、これはずつとあとの問題になつて来るのですが、第四章補則特例の五十七條で、地方公務員法を当てはめられない地方公務員が、たくさんおるわけでございますが、これをなぜ特別職にお入れにならなかつたか、これをひとつ聞きたい。
#92
○小野政府委員 それは地方公務員だけれども、その職務と責任の特殊性に基いて特例を設ける、こういうことになつておるわけであります。
#93
○立花委員 しかし特別職も一般職も、これは地方公務員にかわりはないわけでしよう。
#94
○小野政府委員 第五十七條の職員とは一般職であります。
#95
○立花委員 一般職はわかつておるのですが、五十七條は地方公務員法を当てはめないものがあるわけでしよう
#96
○小野政府委員 当てはめられないものは対象にいたしておりません。
#97
○野村委員長代理 立花さん再三恐縮ですが、決して立花さんの発言を軽視するわけではありませんが、今の質疑応答のスピードでありますと、おそらく立花さんだけで第二章まで行くだけで容易ならぬと思うのであります。従つて残余の質問はまたお願いすることにいたしますか、途中でどなたか次の方にお願いすることにならなければならぬと思うので、なるべく御整理いただいて御進行願います。どうです、やりますか。
#98
○立花委員 私あとでやつてもけつこうです。
#99
○野村委員長代理 おさしつかえなかつたら、他の方にやつていただきたい。
#100
○立花委員 では私は保留いたしておきます。
#101
○野村委員長代理 それでは久保田鶴松君。
#102
○久保田委員 私も同じことなんですが、まず先に地方公務員法の根本的な問題であります地方財政の問題から、お伺いしたいと思うのであります。平衡交付金は三十五億に減らされました。ところがそのうち七十億を年内に返させるのだというような話でございますが、この七十億をもどさせますについて、災害を受けた各府県においても、これをもどさせるお気持なのかどうか、伺つておきたいと思います。
#103
○小野政府委員 災害を受けておられます地域につきましては、もちろん歳入欠陷その他の問題が起つて参る場合も予想されますので、これらの考慮を拂うべき必要があろうかと思いますけれど、平衡交付金の返還につきましては、大体その間において特別な差等を設けるということはないと聞き及んでおります。
#104
○久保田委員 それからこの三十五億の平衡交付金の中で、各府県と申しましようか、中にはこの交付金をもらえない府県と申しましようか、さようなところがございますか。
#105
○小野政府委員 今回の補正予算におきまして、五十五億円増額いたしました場合における配分の問題であろうと思いますが、その場合におきましては、財政需要と財政收入を勘案いたしまして、一般の算定基準によつてあるいはこれを交付しなくて済むようなところも生ずるのではないかと考えております。
#106
○久保田委員 あいまいな御答弁でありますが、これは一応地方財政上の問題で重大な問題だと思いますので……。
    〔「大臣はどうした」と呼ぶ者あり〕
#107
○野村委員長代理 岡野国務大臣は、今関係筋の方へ行かれておるので、出席を求めておるのですが……。
#108
○久保田委員 私それではこれは財政上の非常に重大な問題ですから、国務大臣が来られてからお伺いすることにしたいと思います。
#109
○門司委員 財政の問題ですが、実は私大臣がおいでになつたらお聞きしようと思うのですが、きのうの例の予算委員会で、岡野国務大臣の発言は、きわめて重大なものがありまして、この委員会においても、あるいは予算委員会においても、昨日までは財政その他のことについては、自分は軍に財政委員会との間に入つて内閣とその間の調整をするのだ。閣議には出席はするが、しかしそれはどこまでも調整である。ことに予算委員会での答弁の中には、メツセンジヤーボーイみたいなものだというようなことまで、実は言われておるのでありますが、それでは閣議における地方財政の責任の所在は一体どこにあるか、どの大臣がこれを所管するのかと聞かれたときに、それはやはり私だというようなことを育つておられるのであります。こうなつて参りますと、だれがほんとうに地方財政の問題を処理する権限といいますか、機能を持つておるかということが、われわれとしては非常に疑わしいのであります。従つて地方財政の問題はきわめて重要でありますので、ぜひひとつその点は大臣がおいでになつて明確にしていただいて、そして閣議において大臣が、地方財政委員会の要求を、責任をもつて当られておるとすれば、法律上の問題といたしましては、地方財政委員会 岡野国務大臣の所管ではありませんが、しかし所管でないといつても、閣議との関連においては、岡野国務大臣が単なるメツセンジヤーボーイではない、責任をもつてやるということに最後に訂正をされたようになつておりますので、そうなつて参りますと、今までの発言というものはきわめて微妙でありますので、責任のないような、あるような人を相手にして議論をいたしましても、実際の議論というものは効果的ではもちろんないと思う。従つてその間の事情を十分私どもが知り得るというために、財政の問題についてはぜひ岡野大臣にその点は十分ただして、そして責任のある答弁をしてもらう。單なるメツセンジヤーボーイがここで答弁をしておつたのでは、われわれはそれを政府の意見として、ここで議論するというわけに行きません。従つて財政委員会の委員長もここにおいでを願いまして、いずれが一体内閣に対してほんとうの責任を持つておられるのか、この点を明確にしておきませんと、私ども財政に対する質問は責任のない人に答弁をしていただいたところで、いかんともしかたがありませんから、そのつもりで委員長は委員長として岡野国務大臣の出席を、あるいは地方財政委員会の委員長の出席をしていただきまして、そして国政の上に地方財政の意見というものがどのように取入れられ、どこで処理されるかということを、私どもとしては明確にしておきたい。地方財政が非常に今日まで投げやりにされたと言つては言い過ぎかもしれませんが、はなはだウエートが薄かつたことは、こういうところに大きな欠陷があるのではないか。單に大臣の言葉じりをとらえて文句を言うのではなくして、実際本質上の問題を研究して行きたいというように考えておりますので、この点を一応含んで地方財政委員会の委員長にも、ぜひ御出席を願いたい。
#110
○野村委員長代理 ただいまの門司さんの御意見ごもつともでございますので、さつそく連絡をとりまし御報告申し上げることにいたしますから、御了承いただきたい。どうぞ門司さん、御都合もございますようですから、大臣なり財政委員長が出るまで、ひとつ逐條審議の続行を願いたいと思います。
#111
○門司委員 私断つておきますが、十二條まで一応やつておりますが、十三條から先の中にも、当然そういう問題があるのであります。やはり財政の問題に触れるのでありまして、これを逐條審議に入つて参ります前に、私は一応当局の意見を聞いておきたいと考えておるのであります。これは当局も十分お聞きになつたことだと思いますが、過般の公聽会において、神奈川県知事の内山さんがここにおいでになりまして、この法律は、実際はわれわれにとつては、レツド・パージその他に対する法律的根拠を與えるという効果はあるが、その他のことについては、私どもは反対だというような趣旨の御演説があつたのであります。地方長官の内山さんは、十分打合せる時間がなかつたので、あるいは内山個人の意見になるかもしれないという意見でありましたが、少くとも内山知事は、大体都道府県知事という側の代表者として、ここにお呼びになつたと私は解釈をするのであります。そういたしますと、知事会議においてこれが決定的な意見ではなかつたとは申しましても、大体知事会議の意見の総合として考えることが常識的ではないか、というように実は考えるのであります。そうなつて参りますと、この法律案はさつき申しましたようなことだけが効果があつて、その他のものについては、はなはだ迷惑だというような言葉があつたのでありまするが、この点を一体提案者は御了解願えるかどうかということであります。
#112
○小野政府委員 内山知事が、この公聽会で公述いたしました際に、私も開いておつたのでありますが、ただいまの門司さんのお話だけではなかつたように、私は印象を受けておるわけであります。そういうふうな言葉もあつたことは私も聞いております。ただこれは内山知事が理事者という立場からの見解の表明であろうかとも思うのでありまして、内山知事が断つておりますように、おそらく内山知事自体の所見が、相当加味されておるのではないかとも考えておるわけであります。この法律案の考え方から申しますると、ただいまお話になりましたようなことだけをやるために、立案しておるという趣旨ではございません。
#113
○門司委員 その際にさらに内山知事はこういうことを言つております。財政の問題はあとで聞くといたしまして、人事の関係について知事は寄木細工の上に置かれるようなものだ。その理由は自分の使う――というと語弊がありますが、下部組織である職員を選考する、あるいは採用する場合には、他の機関において選考される、あるいは採用試験等が行われる。そうして採用者名簿等が出される。
    〔野村委員長代理退席、河原委員長代理着席〕
 それによつて人を得るということになると、非常にこれはきゆうくつなものになつて、ただちに自分の欲するような人は得られないというようなことを言われておるので、あります。さらにそれにつけ加えて内山知事は同時にまた、自分で使つておる県庁の職員が間違いを起した場合に、それは人事委員会の採用試験に合格した者を採用したのであるから、人事委員会の責任であつて、自分は責任を負わないとは与えない。どうしてもそれは上部にある知事がやはり責任を負わないわけには行かない。責任は負うが、人の採用にあたつては、他の機関が採用の規定をちやんとこしらえて来る、おぜん立てをして来る、こういうことになると、一体知事の権限というものが、責任だけは非常に大きく背負わされるが、採用にあたつては、非常に狭い範囲で人を採用することになる。もしこれを広い範囲で求めようとすれば、他の府県の採用試験に合格した者を調べるとか、あるいは国家の試験に合格した者を調べるとかいうようなことで、非常に長い間その席を空席にしておかなければならない。ことに重要な部長、いわゆる秘密とは申し上げられませんが、機密に属しまする知事の持つております施策の企画に参画いたしまするそれらの重要な人物が、そういうことで決定しなければならぬということになりますと、まつたく人事の運用は困難になる。同じに先ほど申し上げておりまするように、責任だけは背負わされて、そうして選考はほかにまかされるというようなことでは、とうていわれわれの承服しがたいところであるという御意見があつたのでありまするが、これに対する起草者の御意見を承りたいと思います。
#114
○小野政府委員 今回考えておりまする法律案の建前は、人事機関を設けまして、一応人事行政の大わくをきめまして、その大わくを基礎として、任命権者がその権限によつて任命権を行使する、こういうふうな建前をとつておるわけであります。従いまして任命権者が全部の人事行政を行つておる現行の制度とは非常に異なつて来ることは、多言を要しない点であるのでありますが、現行の制度と、今回考えられておるところの新しい地方公務員制度とこれを比較いたしますると、内山知事のような立場からの批判が出て来ることも、必ずしもむりではないと思うのであります、やはり任命権者は任命権者としての権限もあるわけでありますので、この間の連絡をとつて参ります場合におきましては、任命権者のみに責任が過重に負担されるということにはならないのではないか、かように思うのであります。内山知事から、その立場においていろいろの御意見も伺つたのでありまするけれども、今回考えられておりまする地方公務員制度そのものから申しますると、内山知事のような見解も、出て来るであろうと想像するわけであります。
#115
○門司委員 今の御答弁でありますが、実際にこの法を運用するのは起案者ではありません。これは都道府県知事が、あるいは市町村長がこの運用に最も責任があつてそれに当るのであります。従つて知事の意見というものは、私は相当この法案の審議の上には重要視されなければならないと考える。従つてこの法案に対しましては、先ほどから申しますようなことを実はお聞きしたわけであります。当局はそういう点について、これは一番先の振り出しに戻るのでありますが、この法案は各方面といろいろ折衝してこさえたということが説明書の中に書いてするのでありますが、知事あるいは市町村長の御意見が、どれだけこの中にとり入れられてこさえられたかということの経過を、もし御報告願えればけつこうだと思います。
#116
○藤井政府委員 知事、市町村長側の、主として理事者側の意見をどのように参酌したかということでございますが、この点につきましては、過去三箇年ばかりこの法案の立案に着手してから、年月を経過して参つたのでありますが、ある段階ごとに法案ができました際、その都度いろいろの機会をつかまえて、一応この法案の事務当局の考え方、構想というものを絶えず、ずつと話をして参つて来ておるのであります。事務当局案ではございますが、案ができますれば、たとえば知事会議、市長会議、町村長会議等には送付いたしましたし、また都道府の県総務部長会議あるいは人事課長会議、知事会議等はもちろんでございますが、そういう席上にもこれらの大体の構想を話しまして、常にそれに対する意見も求めて参つて来たのであります。理事者側といたしましては、今政務次官から御説明がありましたように、やはり新しい、人事機関と申しますか、こういう人事行政機関ができますことは、現状より比較いたしますれば、一極の任命権に対する制約でありますることは、これはその通りと言わざるを得ないわけであります。しかしながら任命権者の任命権をある程度制限をいたしまして、そこに一定のわくを設けて来る。具体的に申せば、職員の採用をいたしまする際におきまする際におきまして、試験をした者を任用候補者名簿に記載をいたしまして、一名について高点順位の五人の者を提示して、五人の者から選ぶということになつて参るわけでありまするからして、その意味においては制限を受けることになるわけであります。従つてそういう面からいたしまして理事者側が、何か不当な任命権に対する制約が、この公務員法によつてなされるというような考え方をいたすことも、一応考えられることであるとは思うのであります。しかしながら任命権の行使が無制限に放恣にまた恣意的に行われますることを防止いたしまして、そしていわゆるスポイルシステムと申しますか、情実任用のそういうものが入つて参りまする根源を絶つことによりまして、新しい理念に基きまする成績本位と申しますか、能力実証主義に基きまする制度を、取入れて参ろうということが公務員法の精神であるわけであります。しかしながら理事者側の意見につきましては、そういう根本的な事項については、これを取入れることのできなかつたものでございまするけれども、その他の事項につきましては、ある程度において、たとえば人事委員会規則につきましては、人事院の場合は、それぞれ人事院規則で定める事項が非常に多くなつておりまするのに対しまして、條例で定める事項を多くする、そういうような事項等につきまして、理事者側の立場というものも、十分参酌いたしましたつもりでおるのであります。
#117
○門司委員 今の御答弁でありますが、もし知事会議あるいは総務部長会議等に、十分そういうお話がなされておるとすれば、私は内山知事からああした意見は出ないと思うのであります。内山さんは御存じのように、都道府県知事会議では――今会長はどなたがおやりになつているか知りませんが、伊住居の関係も東京に近いというところから、大体知事会議の世話をしておる人であるということは、はつきり申し上げてもさしつかえないと思う。そういう知事会議としては、きわめて重要な地位におりまする内山さんか――もし事前に先ほどの御答弁のような打合せができておつたとするならば、ああいう意見はここでは出ないはずだと考えておるのであります。その経過は、あなた方の方ではあるいは御相談であつたかもしれないが、知事側の方では甲にこれは承つておくというようなつもりではなかつたかと、われわれは考えておりまして、この間の総合的な調整というものは、この法律をこしらえまする場合に、私は誠意を持つてこれを見るわけには参らぬのであります。ことにいろいろ言われておりまするが、地方自治体は御存じのように、ほんとうに自治の運営をやつて行きまする関係から、單に国家の公務員と違いまして、実際上のその地方の状況に明るい人か、最も好ましいものでありまして、人情風俗に最も適した人が、地方の自治体の行政の運営に当るということが、私は最も適期だと考える。いわる地知事が公選になりましたのも、そこに最も大きな原因があると考えておるのであります。こういうことを考えて参りますと、單にこれが試験制度の上だけで得られるということは、そこの自治の運営の上に円満性を欠くのではないか、ことに地方の小さな町村に行きますると、今日日本でも村長以下五人くらいの役場があるのであります。村の総人口が千人に満たないようまな所もある、そういうところにまで、それが画一的の法律できめられて参りして、どうしても試験制度というようなものがとられるということは、非常にきゆうくつなものができるのではないか。これは知事ばかりではないと思う。ことに町村長のごときは、この法律がこのまま適用されて来ると、困難が必ずできて来ると思う。多少の選考という道は開かれておると思いますが、原則がこういうことになつておりますと、地方ではなかなか人を得るに困難ではないかということと、同時に先ほどから申し上げておりまするようの地方に、行政があまりにも機械的に運用されるということは、地方自治行政の上に、円満性を欠く一つの原因をこしらえるものではないか。いわゆる役所が再び管の官僚の役所にもどる危険性をここに持ちはしないかというように、私は考えるのであります。この点を非常に憂えておりますので、先ほどから打合せは十分できているかということを、申し上げたわけでありまするが、ただいまの御答弁で、ただ軍にこれを知事会議そのほかで聞かれたという点だけでは、とても承服はしがたいのでありまして、市長会議あるいは町村長会議というような、最もこの法律の影響をたくさい受ける方面の意見というものが、やはりこの中に十分織り込まれているべきではないかと考えておるのでありますが、こういうことをいつまでも議論しておつても始まりませんので、私は十二條まで一応この前終つておりますから、ただちに十三條の質疑に移りたいと考えます。
 十三條の規定は御存じのように憲法の十四條の規定に十分触れて行く規定ではないかというように私は考えておりまするが、この憲法の十四條の解釈を一体、どういうふうになされておるか。これにも憲法と同じような「人種、信條、性別、社会的身分若しくは門地」という文字は使つてありまするか、最後に「政治的所属関係によつて差別されてはならない。」と書いてある。しかもその中に、日本国憲法施行後における国をくつがえさんとするような団体というふうな、いろいろなことが書いてあるのでありますが、これがここに当てはまると私は考えるのでありますが、この憲法十四條との関係は、どういうふうに当局はお考えになつておりますか。
#118
○藤井政府委員 御指摘のように憲法十四條の第一項には、国民は人種、信條等によつてその政治的、経済的または社会的関係において差別されないというふうに規定されておるのであります。公務員関係におきましても、この憲法の規定中にございまする「政治的、経済的又は社会的関係」その中に解釈論としては当然含まれることに相なるというふうに思うのでありまするけれども、言葉の解釈上、もしもそのいずれにも公務員関係が入らないというような誤解を生ずるおそれが、万が一にもあつてはならないと考えまして、ここに再び明らかにその点を宣言をする必要があると認めましたのと、今日現実の問題といたしましては、政治的意見なり、あるいは政治的な所属関係によつて、差別待遇をしてはならないということが、特に重要な意義を持つことでもございますので、憲法に列記せられました諸條件に次いで、公務員関係を附加することといたした次第であります。なお本法は地方公務員の身分取扱いについての画期的な基本法規であり、公務の平等取扱いという大原則が、一つのねらいと相なつておりますので、その一大眼目をここに明記いたしまして、憲法の大な精神を再確認いたしますとともに、これを強調しておくことを、適当と考えた次第であります。
#119
○門司委員 今の答弁でありますが、一私は憲法の十四條の平等の取扱いも、今の説明では納得しがたいのであります。ことに憲法二十八條の解釈であります。これは次の項で聞けばいいのでありますが、この法律と憲法との関係になりますので、特にこの機会に聞いておきたいと思いますが、御承知のように憲法の三十八條には、労働者の団結権、団交権あるいはその他の心動が保障されておるのであります。従つてこれの関をどういうふうにここでお考えになつておるか。それからさらに、立つたらついででありますから、もう一つ聞いておきますが、十九條の思想及び良心の自由であります。この二十八條と十四條と十九條、この三つの憲法の條章と、本案十三條との関連をお聞かせ願いたいと思います。
#120
○小野政府委員 十三條の説明につきましては、藤井政府委員からお聞き取りの通りであります。また憲法十四條及び二十八條の御質問でございますが、これはこの地方公務員法案を提案いたしまして以来、御質疑の際にも触れて参つたのでありますが、要は地方公務員たる本質から考えまして、もちろん憲法において保障されております集会、結社その他の権利、あるいはまた十四條の差別待遇をしないというような基本的な原則につきましては、ただいま十三條の点で申し上げた通りであります。二十八條における勤労者の団結権あるいは団体交渉、その他の団体行動をとる権利、こういう点につきましては、労働法上の建前によらないで、地方公務員につきましては、この地方公務員法をもつて、その基本的な規律の原則を立てることにいたしたわけであります。この点はこれまた繰返し御説明をいたしておりますが、地方公務員の持つております地位なり、本質なりの点から考えまして、やむを得ない措置であろうと考えるのでございますが、地方公務員法自体が地方公務員の身分取扱い、その他勤務條件等に関する根本基準になつておる点から考えまして、あるいは団体交渉の道も開かれておりますし、あるいはまた職員団体の結成の道も開かれております。従つてその限度におきましては、憲法に指示されております三十八條の諸権利について、制約を加えておるという意味ではないので、地方公務員たる本質にかんがみました制限は、やむを得ないものと考えておる次第であります。
#121
○門司委員 さつき申し上げました憲法の十九條の思想及び良心の自由でありますが、これは後ほどこの法案の三十一條に宣誓のことがありますので、そのところでまたお聞きすることにいたしたいと思います。
 その次に問いおきたいのは十四條でありますが、この十四條の問題は、ここで法律の文章をそのまま読んでみますと、「地方公共団体は、この法律に基いて定められた給與、勤務時間その他の勤務條件が社会一般の情勢に適応するように、随時、適当な措置を講じなければならない。」こう書いてあるのでありますが、この適応の原則というものになつて参りますと、これは実際は地方公共団体の理事者が行うものではなくして、これに対する処置は当然人事委員会がなすべきではないかと考えるのであります。そこで国家公務員法においては二十八條に、適応の原則については人事院がこれを勧告して、そうして理事者はその勧告に基いてこれを実行するというようなことが、一つの條文の中に非常にわかりよく書いてある。ところが今度のこの地方公務員法の中には、この国家公務員法の二十八條が二つの條章にわけられて、しかもその次の條章はずつと終りの方にこれが書かれておりまして、二十六條にこの国家公務員法の実際規定が織り込まれている。この二十六條と十四條を三つ合せなければ、ここの表題に書いてありまする「情勢適応の原則」というものが成り立たない、こう考えますが、この十四條を單にこれだけにとどめられた理由を、ひとつお聞きかせ願いたい。
#122
○藤井政府委員 第十三條と十四條は、職員に適用される基準の根本基準といたしまして、最も重要な事項として「平等取扱の原則」と「情勢適応の原則」をここに掲げた次第であります。従いましてこの二つの原則は、第三章全体を通じまする通則ということに相なるわけであります。言葉は抽象的ではございまするが、きわめて重大な事項を含んでいるというふうに考える次第でございます。国家公務員法の建前と若干その組み方がかわつておりますことは、御指摘の通りでありますが、その点は地方公務員法自体におきましては、章別の編成その他につきまして若干の創意くふうをこらしました結果、国家公務員法そのままの体裁ではないものもあるわけであります。従いまして十三條、十四條は通則でございまして、その他の必要な規定は、それぞれの節において、これを明確に規定いたすことにいたしたわけであります。今門司さんから御指摘のございました国家公務員法の二十八條の三項に該当いたしまするものは、これは給與自体の問題に関連する事項でございますので、第四節に「給與、勤務時間その他の勤務條件」という節を設けて、ここにこの勤務條件関係の必要事項を列挙いたすことにいたしました関係上、第三十六條にもこれに関する規定を設けまして、人事委員会の勧告権というものを、ここに規定する体裁をとつたわけでございまして、全体として、その根本精神において国家公務員法の場合と異なるものではないというふうに考えておるのであります。
#123
○門司委員 私の聞いておりまするのは、この基本法で――基本といいまするか、今のお話のように原則的の問題であるというように考えられておりまするところに、法の條文の体裁からいいますると、このままこれを読んで参りますると、先ほど申し上げましたように当然人事委員会が担当すべき仕事を、何らの勧告も受けないで、そうして原則的にこれを認めるということは、私は法の建前から言つてどうかと思うのであります。当然これはやはり人事委員会が勧告した場合に、理事者はこれに適応する処理をとるべきだという、ここに責任と義務の関係か当然生れて来なければならない。しかるに章を離してわざわざ書いたというところに、私はこの人事委員会の責任と、それに対しまする地方団体の負うべき処置というものが、非常にぼやかされて来ておるというように考えておる。ことにこの法律は体裁が單に違つておるというだけでなくて、国家公務員法よも、この点だけはぼやかされて書かれておるだけに、私はこの法律は惡くなつておると考えております。もしほんとうにこの法律の方が、国家公務員法より進んでおるとするならば、なぜ一体ここに人事委員会の勧告に基いてという字句が使われなかつたかということである。この條文だけを読んで参りますと、どんなに地方公共団体がこれをしようとしても、人事委員会の給與その他に関する勧告がなければできないことになる。それは二十六條に書いてあるからよろしいということになりますと、これは原則からはずされたということになる。私はこの規定はぜひこの原則の中に入れられて、そうして人事委員の勧告は当然これが行われて、勧告に基いてその時期に応じた処置を、地方の公共団体がとらなければならないというように、やはりこれは義務づけた方が非常に体裁としてはいいのじやないか、同時に筋の通る話ではないかと、実は考えておるのでありますが、この点をこれだけの條文で、一体二十六條の中に規定しておりまするものが、ただちに義務づけられるといいまするか、十分実行のでき得るような解釈になるかどうかということであります。心の点はきわめて重要でありまして、地方の自治体に勧告をする場合に、原則の中からはずれておりますると、なかなか地方の公共団体も勧告しても思うようにやりません。従つてどうしてもこれを原則の中に入れる必要がある、従つて国家公務員法と同じような体裁にすべきではないかということであります。ことさらにこれをわけられたということについて、先ほどの御説明だけでは実は承服しがたいのでありますが、この点について当局はこれを訂正するというようなことがさしつかえないものかどうかということを聞きたい。
#124
○小野政府委員 門司さんの御意見は、国家公務員法との関係から見まして、さような御意見も立つかとも思うのでありますが、この地方公務員法案のつくり方が、先ほど藤井政府委員から説明いたしましたような考え方でやつておるのでありまして、実質的には大してかわりがないと私も思つておるのであります。特に地方公共団体が給與その他の勤務條件に関しまして、いろいろ変更の措置を講ずるというような場合におきましては、軍に人事委員会のみの所掌事項ばかりじやなしに、やはり條例に基いてこれをきめなければならぬということに相なりますと、その間国家公務員とは違いまして、幅広くこの点についての規定を設けることも必要ではないかと思うのであります。人事委員会の勧告によりまして、給與の扱いをいたします場合においては、当該地方議会の議決を経た條例によつてやらなければならぬ、こういうことになりますと、やはり地方公共団体という幅の広い考え方のもとに、これを包攝して、まず原則を立てて行くということの方が、地方公共団体の職員を律する法律といたしましては、適当ではなかろうか、かように私は思うのであります。
#125
○門司委員 そういたしますると、第十四條は二十六條と関連しないで、地方の公共団体はこの法律に基いて定められた給與、勤務時間、その他の勤務條件が、社会一般の情勢に適合するように、随時適当な処置を講じなければならない。従つて二十六條と関係なくこの條文通りにやらなければならない、これは別の処置がとれるのだというように、解釈してさしつかえございませんか。
#126
○藤井政府委員 お説の通りでありまして、この根本原則に従うべき一つの措置として、二十六條が出て参つたというふうに御解釈願えば、けつこうだと思います。
#127
○門司委員 そうすると私は非常にけつこうだと思います。もしその通りの解釈なら、人事委員会の勧告がなくても、地方公共団体で適切に給與その他はやれることになりますが、そのかわり人事委員の権限、人事委員の権能というものが勧告がなくても適応してやるということになつて参りますと、その間に非常に薄れるような形が出て来る。従つて今の御答弁なら、それでよろしいと思いまするが、その次に聞いておきたいと思いますことは、十五條の規定であります。ここに「受験成績、勤務成績その他の能力の実証に基いて行わなければならない。」とありますいわゆる職員の採用であります。この「その他の能力」というのは、きわめて抽象的でありまするが、この「その他の能力」というものを、ひとつお聞かせ願いたいと考えておるのであります。これは私の考え方では、「受験成績、勤務成績」の次に書いてありまするので、たとえば他の官職にいた者、あるいは他の職業にいた者の職歴等が、その中に含まれるのかと思いますが、その点をお聞かせを願いたいと思います。
#128
○藤井政府委員 ここで「その他の能力」と申しておりますのは、具体的に申しますれば、たとえば運転手が免許状を持つておりますとか、あるいはタイピストがタイピスト学校を卒業しておるとか、そういうような点も、能力の実証の中に入るものと思います。
#129
○門司委員 むろんそれも入ると思います。たとえばタイピストを募集する場合に、学歴がどんなにありましても、タイピストの経験のないものは入れるわけにはいかないと思う。運転手を募集する場合には、大学をどんなに出ておるからといつても、運転手の採用にあたつてこれを入れるわけにはいかないと思う。ここの「その他の能力」というのは、むろんそういうものは含んで参りますが、試験の科目の中に、あるいは採用の場合に、他の職についておつた者の職歴等は、相当選考の場合には問題になると思う。そこで私の聞いておるのはそういうものが、採用試験の中には含まれておるかどうかということ、そういう技術的なものでなくして――あるいは技術と言えば言えるかもしれないが、実際的な能力を持つておるということが、この中に加味されておるんじやないかというように栄えておりまするか、その点一体どうなんですか。
#130
○藤井政府委員 これは門司さんが今御説明になりました通りでございまして、その点は二十條に競争試験の目的、方法について規定をいたしておりまする條項がございますが、ここでもその点を明らかならしめておるわけです。すなわち競争試験の方法といたしましては、先刻来お話のありましたような点も、われわれといたしましては加味いたしまして、きゆうくつなものにはしておりません、筆記試験その他の、いわゆる口頭試問とか、身体検査、人物性行、その他経歴、適性というようなもの、あるいはさらにこれらのものを総合判定する方法というような三つの方法を、適宜に組合せることによつて、これを行う道をつけるというのも、その考慮を拂つたからにほかならないわけであります。
#131
○門司委員 次に十六條の五号でありますが、これはさつき十三條で申し上げましたところに、十六條の五号に規定すそ場合を除く。と書いてある。従つて昨日も一昨日も問題になつたと思いまするが、これの具体的の説明は、私は非常にむずかしいと思います。しかし一応こういうものがあるかどうかということでありまして私は事実上の問題として、新しく布かれた「日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者」、こうなつておりますが、おそらくこれらの者は、もしこういう事実があるとすれば、当然結社禁止になると考えております。これが許される道理が実はないと思います。従つてかつて結社禁止を受けるような団体に加入した者は採用しないというのであるか一体どうであるか。結社禁止を受けるような、政府を暴力でくつがえすような団体か認められるとは、われわれ考えておりません。従つてそこは非常にむずかしい問題になつて参りますので、これはそういう団体に加入した者として、その団体が存続しても、あつてもなくても、かつてはそういうものに一ぺんでも加入したことがあるというような者は、採用しないという一つの追放の原則になると私は思いますが、そういうふうに考えていいかどうかということをお尋ねいたします。
#132
○藤井政府委員 門司さんが御指摘になりましたように、この條項に触れました政党その他の団体がございまする場合は、普通の場合におきましては結社禁止の措置がとられますることが、通例の事態であると思われるのでございます。従いまして、ここで適用を受けることに相なりまするのは、昨日も次長から御説明をいたしましたように、団体等規正令の規定に基きまして、暴力主義的な団体で解散措置を受けましたものが、二つばかりあるということを申し上げたのでありますが、そういう団体の結成にあずかつたり、あるいは加入したことのある者は、これは公職にはつけないということになるわけでございます。
#133
○門司委員 これは非常に私は重要な問題だと思いますが、そうすると現にこういう者があるということでなくして、それからもう一つは加入すると言つておりまするが、この団体が結社禁止を受けたという場合に、そこに加入しておる者は、たとえば党員とかあるいは組合員とか、すべての者にこれが適用されるのであるか、あるいはその幹部といいますか、それらの、多少この中には取捨選択するというと、少し言葉が過ぎるかもしれませんが、手心が加えられるようなことをお考えになつておるかどうか、一ぺん組合員であり、あるいは党員であつた者は全部いけないというようにお考えになつておるかどうか
#134
○藤井政府委員 ここに加入した者とございますので、これは幹部のみならず、およそ加入した者はすべて含まれる趣旨でございます。
#135
○門司委員 その次に聞いておきたいと思いますることは、十七條でありまするが、十七條の三項にはこういうことが言いあります。「但し、人事委員会の定める職について人事委員会の承認があつた場合は、選考によることを妨げない。」こういうふうに書いてあります。そこでこの人事委員会の定める職業というのは、一体どういう職業をさすかということであります。
#136
○藤井政府委員 そこの但書で予定いたしておりまするものは、大体考えられるものといたしましては、相当高級と申しまするか、高度の技術性と申しまするか、專門的な知識を要しまするような職と、それから下級と申しては語弊がございますが、下の方のごく簡單な仕事をやりまするものと、この二つをさす場合が多かろうと考えておるのであります。ここでは一般的に部課長に当る者は全部選考というようなことを前提とはいたしておりません。そういうものが適当であるかどうかということは、若干疑問がございまするけれども、相当高度の技術的な知識がいる、あるいは專門的な知識がいるので、それについて競争試験をやるということによつては、とうていその適任者が得られないというような場合におきましては、選考の方法によることか、むしろ適当であるというふうに考えられるわけであります。
#137
○門司委員 これは法律の用語になりますが、この場合ただ単なる定める職というのは、人事委員会の規則に織り込まるべきであるかどうかということであります。
#138
○藤井政府委員 規則で設けられるべきものであると存じます。
#139
○門司委員 そうだとすれば、この法律にどうして規則で定めるということを、はつきり明示しておかないかということであります。これは規則できめておきませんと、人事委員会は随時開かれて参りまして、そのときどきにこういうものがきめられるということになりますと、これに対する弊害が起きると思う。ある人に対しては、人事委員会できめたから、これをひとつ選考でとり上げ、ある場合には同じような職業であつても、これを選考にまたなかつたというような弊害が起ると思いますので、これらの基準というものは、当然人事委員会の規則で定める職というふうにここは書いておかないと、実際の運営にあたつて、いろいろな支障を来すのではないかというように考えますが、その点のお考えは一体どうであるか。
#140
○藤井政府委員 その点はごもつともでございますが、第八條の第四項に、人事委員会に人事委員会規則を制定することができる権限を與えております。今御指摘の点はやはりこの法律に基いて、その権限に属せしめられた事項ということになりますので、この條項に従いまして、人事委員会規則を制定して参ることになろうと思います。
#141
○門司委員 それではこれは人事委員会が定める規則によつてというようなことに、解釈してさしつかえございませんか。
#142
○藤井政府委員 形式的には、この人事委員会の定める職と申しますのは、人事委員会規則で定める職ということになると思います。
#143
○門司委員 それではその次の十九條でありますが、十九條に書いてありまする受験の必要な資格としての客観的、画一的な要件を定めるということがありますが、これらの問題については一体具体的にどういうものが、この中に含まれるかということであります。條文を読んでみますと、「人事委員会は、受験者に必要な資格として職務の遂行上必要な最少且つ適当の限度の客観的且つ画一的要件を定めるものとする。」ということが書いてありますが、この画一的な要件というものは、一体、どういうふうに考えられておるか。
#144
○藤井政府委員 具体的に申し上げますと、たとえば警察職員につきまして身長が五尺三寸以上なければならないとか、あるいは体重十五貫なら十五貫以上なければならないというような、一つの肉体的な條件でございます。これもやはり一つの客観的、画一的な要件にあてはまると考えます。また自動車の運転手につきましては、免許証の所持者であるということを要件といたしますこともございましようし、あるいは相当高度の技術を必要といたします試験研究の機関、農事試験場でおるとか、あるいは染色試験所というような場合の研究機関の職員におきましては、大学において当該專門学科を專攻した者に限るというようなことを、要件としたりするような場合を申すわけであります。
#145
○門司委員 次に聞いておきたいと思いますことは二十二條の規定であります。三十一條の規定であります。二十二條の規定には、六箇月間の更新を一応認めております。そして、ここにはこういうことが書いてある。「臨時的任用又は非常勤職員の任用の場合を、除き、職員の採用又は昇任は、すべて條件附のものとし、その職員が、その齢において六月勤務し、」こういうふうに書いてあるのでございますが、この「條件附」ということと、さらに六箇月の勤務期間を私どもは試験期間であるというふうに実は解釈するのでありますが、この試験期間をさらに一年に至るまで延長することができる、こういうふうに書いてあるのであります。従つて「條件附」いうのを、いわゆる試験期間であるというように解釈していいかどうかということであります。
#146
○藤井政府委員 見習い期間と申しますか、試験期間と申しますか、そういうふうに解釈していただいてけつこうであります。ただ職員の身分につきましては、その間はいわゆる身分保障の規定の適用を受けないだけでありまして、その他の点につきましては、職員としての完全な身分を取得をしているのであります。
#147
○門司委員 この規定は非常に使われる者にとりましては重要な規定でありまして、六箇月並びに一年間試験期間として使われるというようなことになつて参りますと、一切の保護規定が実は受けられない形になつて参ります。ことに六箇月あるいは一年という期間は、私は実際の試験期間としては長過ぎるのではないか。少くともこれは選考でなくして、一応の試験に対しましては基準を設けておりましてそうしてこれによつて試験をし、さらに一名の補充に対して五名の候補者を出して、これが選考されて行くというふうに、かなり厳密に調査をいたしております場合に、なお一面大箇月以上一年までの試験期間がここに残されるということについては、勤務いたします者から考えますと、かなり苛酷な取扱いだと考えておりますが、この点に対して当局は、これは苛酷ではないとお考えになつておるかどうか。
#148
○藤井政府委員 御指摘の点はごもつともでありますが、相当厳重な試験によつて選ばれた者でございますけれども、その試験によつて立証せられます能力というものには、やはりおのずから限度があるわけであろうと思います。すなわち実際に採用いたしまして、その仕事をやらせて見た上でなければわからない面も残つております。たとえば職場の秩序を維持する能力というものがあるか、また部下の統率力というものを実際に持つておるか、同僚との協調性はどうかというような問題、あるいは実際仕事をやつてみて、それをちやんとさばいて行けるかどうかということにつきましては、実は試験だけでは十分の立証ができがたい面もあると思うのであります。大体におきましては、試験をパスして参りまして、しかも厳重な審査を受ける者は、この條件附任用期間を無事通過いたしまして、正式任用になる者が、もちろん大部分であろうと思うのでありますけれども、この期間に今申し上げました点について、なお適格性を欠く者が出て参りますならば、これをむしろ排除いたしますことが、全体の公務の執行という面から、また能率的な運営の面からいたしまして、適当な制度ではないかと考える次第でありまして、そういう点がはつきりわかります期間といたしましては、やはり六箇月程度が適当ではあるまいかというふうに考える次第であります。
#149
○門司委員 それから次の臨時的採用の問題でありますが、ここには臨時的な採用は、人事委員会の規則によつて、大体六箇月使うことができる、さらにそれを更新することができる。しかしその次の再度の更新はできないというようになつておりまして、臨時の雇い人というものは、大体六箇月ないし一年しか、ここでは使われないように注文に書いてある。ところが、ここで問題を起しますのは、第五項に書いてありますものと、さらに第三項に書いてあります字句の解釈でありますが、たとえば五項を読んでみますと、「人事委員会を置かない地方公共団体においては、任命権者は、緊急の場合又は臨時の職に関する場合においては、六月をこえない期間で臨時的任用を行うことができる。」こう書いてある。二項には「人事委員会を置く地方公共団体においては、任命権者は、人事委員会規則で定めるところにより、緊急の場合、臨場時の職に関、する場合又は任用候補者名簿がない場合においては、」こういう字句を使つ十二人事委員会の承認を得て六箇月を越えない期間はこれを使うことができる。こういうふうに書いてあるので、あります。そこで問題になつて参りますのは、臨時的という言葉でありますが、これは一体どういうものを意味するかということであります。地方の自治体では、たとえば恒久的の行政の中には含まれない。しかし事業の性質上これは臨時という文字は使うが、実際は三年ないし四年かからなければ事業の完成を見ない事業がたくさんあるはずであります。たとえば河川の改修であるとか、あるいは埋立ての工事であるとかいうようなものは、これは当然経営予算として、あるいは経営の仕事としては考えられない。もちろんこれは臨時の仕事であることには間違いないのでありますが、実態は三年ないし四年かかる場合が多いのであります。それらの臨時の事業に雇います場合にも、この條項が適用されて、そして緊急であり臨時の仕事であるから六箇月で、あるいは一年しか使えない、それ以上再度の更新をしてはならないということになつて参りますと、事業の運用の面から参りましても、使われる本人はもとより非常に大きな支障を来すのではないかと私は考えるのでありますが、この場合の緊急あるいは臨時という事業の性質についての御解釈をお示し願いたい。
#150
○藤井政府委員 今御指摘のような場合について、この臨時的な任用期間を六月あるいはこれを再度更新はできるけれども、その後についてさらに更新を、なすことを許さない。そういうことになつては困るのではないかというふうな御質問でございまして、その点ごもつともな点もあると思うのであります。ここで臨時的任用というふうに申しておりますのは、あくまで普通の正式採用の例外でございます。正式採用で参るべきものを、あまりきゆうくつにやつておつては、全体の行政執行にもさしつかえることがあるかもしれないということで、臨時的任用の場合を特に認めようという趣旨でありまして、これはあくまで正式任用制度に関する例外でありまして、新しい人事行政の面から申しますならば、なるべくはその規定によりたくないのであります。と申しますのは、臨時的任用というのは、普通の試験制度というものか行われません事実上の選考と申します正式の人事委員会の行う試験あるいは選考によつて採用しないわけであります。従つて全体の能力実証主義というような面から申しますと、実は新しい制度にはそぐわないことでありますので、できるだけこれを縮めて参ると申しますか、その範囲は限定されることが望ましいわけであります。そういう意味において、ここでは緊急の場合とそれから臨時的の職に関する場合というふうにわけた次第でございます。その期間につきましてもやはりなるべく短いことが好ましいというような点から、一応は六月、あるいはそれでもつてだめである場合においては六月を延、長ずることができる。一年まではやられるという規定を設けておる次第であります、ただ今門司さんが御指摘になりましたような場合、職員の身分の点、あるいは事業の執行の面から申しまして、不都合な点ができるではないか、継続事業等のときには困るではないかということがございましたが、これはやはり人事行政の建前からいつて、やむを得ないところでありますとともに、もし今のようなことがありますならば、もう一度臨時的の任用をし直して行くというようなことも許されることであると考える次第であります。
#151
○門司委員 実はこの法律の適用は、実際的にはいろいろな問題が残されていると考えておりますが、今のような当局の御答弁では、私ども実ははなはだ迷惑するのであります。もう一つ私突つ込んで聞いておきますが、臨時的の仕事、あるいは火急の仕事というようなものは、行政の予算の面から見まして、いわゆる経営予算として上げられるもの以外のもの、臨時予算として上げられて執行する事業に従事するものは、この中に含まれるかどうかということであります。これはおそらく定員外になると私は思いますが、定員外の者を採用する場合には、この規定が適用されるのかどうかということを伺いたいのであります。
#152
○藤井政府委員 臨時の職と申しましても、これは定員の中に入るべきが建前でございまして、やはり臨時でありましても、それか正式の身分を持ちます限り、たとえば府県における吏員とか、その他の公務員の地位を持ちます限りにおきましては、臨時でありまして、やはりその分につきましては定数條例の規定の必要かあると考えております。
#153
○門司委員 ここが非常に問題でありまして、さつき申しましたように、定数の問題とこの問題は非常にからんでおります。そこでこうした行き方が、さつき私が申し上げておりますように、臨時の仕事の見解について、どうしても定数の問題とこれとは密接に関係を持つておりまして、定数以上はどうしてもこの法文の適用以外に方法はないのではないかというように、われわれは考える。そこでこういう問題が出て来るのではないかと私は考えておりますが、この点については、今当局の御答弁のようなことになりますと、われわれは実は臨時的任用ということについての問題が、雇われる者の方から見ましても、あるいは採用する者の方から見ましても、事業が継続していれば、また元と同じような手続をとればいいのだというようなことでは、この法律がまつたく死ぬわけであります。そうして再度更新することができない、こういうふうになつておりますので、私はそういうことは全然とれないと思います。それと同時に次に書いてありますが、六項には、「臨時的任用は、正式任用に際して、いかなる優先権をも與えるものではない。」というふうに、はつきり制限を受けているということであります。こうなつて参りますと、先ほど私が申し上げましたように、事業はどうしても臨時的ではあるが、これは継続しなければならない。しかしその場合に、今まで使つております者が臨時であることのために、これをさらに雇い直そうとしても、それは優先権を與えるものではないというようなことになつて参りますと、またここで新しい試験を受けて選考し直すような機会が、ここに與えられるのであるかどうか。もう一つ話しておきます。おわかりにくかつたと思いますが、一年間使われておりますものをこれで一応切られる。それで再採用はできない。しかしそれは次の六項に示してありますようなことによつて、新たに試験制度によつて試験を受けて入れば、これは入り得るというように解釈していいかどうか。
#154
○藤井政府委員 普通の場合は、新しく正式再任用に関する試験を受ければ、ここで一般の候補者と同様の條件に基いて、競争試験によつて採用されるかどうかということが決定せられるわけになると思います。
#155
○門司委員 それでは二十三條をお聞きしたいと思いますが、二十三條の規定は、御承知のように職階制の問題であります。この職階制の問題は、いろいろな問題が生れて来ると思いますが、しかし地方の制度というものは、この国家公務員と違いまして、その性格がかなりかわつておりますのと、それから非常に総合性を必要といたしておるわけであります。大きな地方の自治体では、割合に国家公務員と同じような職階制のようなことでも、あるいは運用はできるからと考えておりますが、小さな自治体に参りますと、必ずしも職階制のみで運用はできないので、どうしてもここにはおのおのの職務の総合性というものが必然的に考えられて来る。その場合に、こういう画一的の職階制の実施ということは、事実上困難であつて、もしこれを実際に運用するということになつて参りますと、この職階制がじやまになつて、能率の低下を来すことになりはしないかというように考えておりますが、この点に対する当局の御見解をお伺いしたい。
#156
○鈴木(俊)政府委員 職階制をあまり画一的に、小さい団体まで適用して来るということになりますと、御心配のような自体が起つて来ると、私どもも考えておるのでございます。従いまして職階制を実施いたします地方公共団体といたしましては、人事委員会を置く地方公共団体に限定をいたしておりますし、さらにただいま御心配のような点も私どもも心配をいたしておりますので、これが実施につきましては、十分に慎重なる研究を加えた上で行こうということで、施行の時期等につきましても、その点の用意をいたしている次第であります。
#157
○門司委員 なるほど施行の時期は一年六箇月後ということになつているわけでございます。しかし一年六箇月の時間で、一体これらの現在行つておりますものの整理が、十分にできるかどうかということであります。これはよくお聞き願つておきたいと思いますか、たとえば大都市におきましても、日本の大都市というものは、御存じのように、必ずしも農村を含んでいないとは言えない。その出張所、あるいは臨時的に取扱つております事務所というか、地区事務所、これらのものはかなりこまかい地区にわかれておつてしかもそこで市長の代理とは申し上げませんが、あるいは区長の代理行為にひとしいような職務権限まで與えられて、実はごく少数の、しかも女の事務員等が、これを取扱つている事例は、たくさんあるのであります。そうなつで参りますと、ここの條章が画一的の條章でありますために、ここに書いてあります第五項でありますか、同一の資格がなければこれはできたいというようなことになつて参りますと、非常に大きな支障を来すので、この点に対する何らかの緩和の方法というか、そういう條項が、この際ここに必要じやないか。画一的の職階制については、地方の公共団体はいたずらに事務の煩雑と能率の低下を来すだけであつて、ほとんど効果はないのではないかというように考えるわけであります。もう一度その点の所見をお伺いしておきたいと思います。
#158
○鈴木(俊)政府委員 御心配の点は一一ともつともでございまして、私どもといたしましても、法律をもつて画一的に職階制を定めようということは適当でないと考え、それぞれの地方団体の條例において、その実情に即しますように考えてもらう、こういう建前にいたしておるのであります。ことに人事委員会をおきまする地方公共団体といたしましては、法の建前としては市を全部を含んでおりますけれども、大体この前に申し上げましたように、公務員千人、人日一十万以上の市くらいを、第一次的に考えておりまして、小さい地方公共団体において、職階制をもつて行くのは、必ずしも適当でない、かように考えております。
#159
○門司委員 これは法律に書いてありますから、大体その通りだと思いますが、さつき申し上げましたように、日本の地方公共団体は、あるいは東京のような大都市にいたしましても、大阪のように三百万の人口を持つておりましても、その中には非常に人口の稀薄な地域を必ず含んでお力士して、そしてそれはおそらく鈴木さん御存じないかと思いますが、区役所の事務を取扱つております地区事務所というものがあるはずであります。ここでは大体徴税というところまではやつておりません。戸籍事務というものはとつておりませんが、大体区役所で行いますところの、すべての事務関係というものは、一応ここに委嘱されておるのです。これが職階制によつて定められて来るということになつて参りますと、そこに今までの職員ではこれは当然遂行のできない状態に陥ると私は思う。従つて人間をふやすかどうかということでありますが、人間をふやすということになつて参りますと、職務権限によつて、一日に一件あるいは一日に二件しかないような事件に対しても、そこに必要な人間を置くということになると、非常に人件費が厖大になると同時に、それをしなければこの職階制に抵触するということを実は心配するのでありまして、この点は何らかの方法でやはり緩和することが、実際の自治運営のためには必要ではないかというように考えております。そこで問題になつておりますのは、この九項であります。九項にやや今の鈴木さんのような言葉が書いてあります。「職階制に関する計画を定め、及び実施するに当つては、国及び他の地方公共団体の職階制に照応するように適当な考慮が拂われなければならない。」という意味でありますが、この法律をここのまま読んで参りますと、これは職階制に適応するような適当な考慮ということになつておりますので、職階制を守れ、はつきり嚴重にこれを実施せよとは書いておりませんが、逆にわれわれにはそう考えられるので、この点を心配するのでありますが、この場合の考慮を拂うということは、そういう意味で私はおそらく地方公共団体の職階制に適合するということでなくて、もう一面の解釈は、実務に適用するにしてもいいというような解釈ができるかどうかということであります。
#160
○鈴木(俊)政府委員 今小さい地区事務所のような場合のことを御指摘でございますが、そういうところに厳密に細分化せられた職階制を適用するということは、もちろん私どもは適当でないと思います。一般行政職といいますか、そうかうような一つの分類を適用するということになれば、適用することになると思いますが、第九項の点は、これはいわばそういう風なり他の地方公共団体の職階制に対する照応ということも考慮しなければならぬという意味でございまして、その実情に応ずる職階制でなければならぬということは、これはむしろ二十三條の二項、三項、あるいは四項、五項というような基本的なところから、当然に出て来るわけであります。
#161
○河原委員長代理 それではこの際暫時休憩いたしまして、午後六時より再開するごとにいたします。それまで休憩いたします。
    午後四時五十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時五十三分休憩
    午後七時四十二分開議
#162
○野村委員長代理 これより再開いたします。
 委員長の都合正によりまして、私が委員長の職務を行いますから御了承を願います。
 休憩前に引続き、地方公務員法案を議題といたしまして質疑を続けます。通観によりまして床次徳二君。
#163
○床次委員 私ときどきやむを得ない用事で中座いたしましたので、あるいは質問がだぶるかもしれませんが、その点は簡潔なお答えをいただきますれば、けつこうであります。
 まず昨日連合審査会で配付いただきましたところの地方公務員法施行に関する経費の所要額の調べの説明を見て参りますと、大部分の職員は、やはり新しく任命されるように見えます。委員の任命は、これは当然新しくなるのはやむを得ないと思いますが、事務局の職員に関しましては、むしろ現在までの各地方にありまする人事課あるいは職員局、あるいは秘書課等の者が、大部分当り得るのではないかと思うのであります。この説明を見ますると、実際相当の新任職員がある。これはとりもなおさず地方の経費負担になることと考えられるのであります。なお同時に考えられまするのは、この経費が将来地方自治団体の負担になりまするが、これに対しまして国においてある程度まで考えておるかどうか、平衡交付金の対象となるかどうかということに対しまして、御説明を承つておきたいと思うのであります。
#164
○小野政府委員 お答えいたします。資料として提出いたしました所要額、特に人事委員会の事務局の職員の関係でございますが、一応大体二十人程度というふうに考えておりまして、ただいま床次さんからお話がございましたように、あまりに事務に習熟しないような者を充当するということも、能率上いかがかと思いますので、相なるべくは配置転換等の方法によりまして、これに充当するようなぐあいに持つて参りたい、かように考えておるのであります。これは地方公共団体の規模が大小まちまちになつておりますので、都道府県及び五大都市は申すに及ぼず、その間においてこの通りに参らないところもあろうかと思うのでありますが、一応の見込みといたしまして、かような数字を提出いたしたような次第でございます。なお人事委員会を設置することによつて、地方団体の負担がふえる、歳出増を来すということも御説の通りだと思いますので、この点につきましては、新たに財政需要が生じたという点にかんがみまして、財政調整上の措置は講じて参りたい。言いかえれば、平衡交付金等の算定をする場合の基礎といたしまして、財政需要としてこれを取扱つて行くように考えて参りたい、かように存じておる次第であります。
#165
○床次委員 簡單に申し上げます。この表には公平委員会の方は出ておりませんが、公平委員会の方は補助金でありますから、わずかな手当で済むというかもしれませんが、何分にも数が多いのでありまして、それぞれ地方団体といたしましては、相当の経費になることが予想せられるのであります。なお設置の方法いかんによりまして、できるだけ集中的に共同いたしまして、数を少くいたしますればよろしいのでありますが、もしもこれがまちまちに、地方の自主性ということを尊重するのあまり、個々になりましたならば非常な数になると思います。この点におきまして、その経費の負担はいたずらに地方の負担にならぬように考えていただきたい。ただいま御説によりますと、平衡交付金の財政需要の対象とするということをお考えになつておりますが、これは計算方法いかんによりましては、やはり地方の実質的負担になるおそれがある。今日まで中央でもつて取扱われるところの実情を見て参りますと、非常に地方の負担として残されておる。今年の財源問題につきましては、すでにしばしば当委員会において議論になつたところでありますので、この新しい公務員法の施行に伴うものにつきましては、地方に対して絶対によけいな負担のかからないように御考慮をいただきたい。そういう前提のもとに私どもは考えたいと思います。
 次に第三章以下の問題につきましては、二、三ひろいまして承りたいと思うのでありますが、問題となりました政治行為の制限の第三十六條であります。地方公務員の政治活動につきまして、ここに制限が加えられたということに対しましては、いろいろ御意見もあつたと思うのでありますが、少くとも公務員たる地位が選挙運動、あるいはその他の政治運動に影響を及ぼす範囲内において、とどめましてもよろしいのではないかと考えられるのであります。すでに国家公務員法等も実施せられておりますが、職員の身分が選挙に影響しないという限界を置きまして、あとは政治活動を自由にする余地かあるのではないかと思うのであります。この点に対しましてはしばしばお答えがあつたようにも思いますが、あとの事項をお尋ねします前提上、もう一回お尋ねいたしたいと思います。
#166
○小野政府委員 お答えいたします、この第三十六條の職長の政治的行為の制限でございますが、床次さんの御意見では、大体職員の政治行為の制限の範囲を考えたらどうか、その影響力との関係から考える余地があるのではないか、こういうふうな御意見のように承つたのであります。地方公務員の政治的な行為につきましては、御承知のごとく、現状におきましても政党政治が追い追いと広まつて来ます関係から申しまして、市町村吏員の任命権者が同じような政党に属しておるというふうな場合におきましては、それがやはり選挙の上におきまして、密接な関連を生ずることにもなると思います。従いまして、やはり職員の政治的な行為につきましては、その勤務しておる地方のいかんにかかわりませず、その内外を問わず、これが制限をしておくことが公正な運営、また人事行政の上から申しましても妥当ではないか、かような意味合いにおいてこの三十六條の考え方が出て来たわけでございます。
#167
○床次委員 次に関連してお尋ねいたしますが、ただいまの條文の第五号でありますが、五号におきまして、「條例で定める政治的行為」と書いてありますが、これらの具体的事例、一応ただいま御想像になつておられるものを二、三御例示をいただきたいと思います。
#168
○小野政府委員 この第三十六條第二項第五号におきましては、政治的な行為をやはり條例でもこれを書くことになるわけでありますか、何分多数の都道府県市町村に関係しておりますために、一々具体的な例を申し上げかねるのでありますが、大体においてこの基本的な、ここに列挙されております第一号ないし第四号以外において、当該地方公共団体の実情に応じて定めなければならないというように限定されて来るのではないか、かように思うのであります。具体的にどういうふうなものがあるかは、人事院規則等とにらみ合せまして、当該地方公共団体が自主的に定めてさしつかえない、かように考えておるのであります。
#169
○床次委員 次にお尋ねいたしたいのは、第三項に関するものであります。これにつきましては、昨日以来しばしば議論があつたのでありますが、「何人も前三項に規定する政治的行為を行うよう職員に求め、」というように書いておるのでありますが、この「職員に求め、」ということが職員たる個人か、あるいは純然たる個人か、いずれに解釈するものか。たとえば学校長何がしというものと、あるいは個人の何がしに対して一つの呼びかけをするということについて、いかなる差をつけておられるか。職員という肩書をつけた場合におきまして三項の適用があるので、個人に対して呼びかけましたときには、この三項の適用はないというふうに解釈すべきでありますが、この解釈はいかようになつておるか伺いたいと思います。
#170
○鈴木(俊)政府委員 この職員と申しますのは、職員の身分を持つておるその人、こういうのであります。
#171
○床次委員 職員たる身分を持つておる人と申しますと、たとえば学校長たる職務を持つておる者はどこ会行つてもできない。あるいは学校長と話をする、あるいは学校長あてに手紙を出したというものは、これはやはり三項の違反になるというふうに解釈すべきものでありますか。
#172
○鈴木(俊)政府委員 その通りでございます。
#173
○床次委員 ただいまの問題につきましては、私どもいささか疑義を持つているのでありまして、今日までいろいろ各方面の意見を聞いて参りますと、公務員の政治活動は、個人としては認められる部分があるという解釈が通つておるようにうかがえたのであります。個人としてならば、私的会合に出まして話をする、あるいは個人と個人との間において政治活動をすることはさしつかえないのである。職員という立場においてやることがいけないのだということを聞いておるのでありますが、その点に対するお考えはいかようでありましようか。元来本法におきまして、公務員の政治活動を禁止するということが、個人の立場においてはさしつかえないのだ、公務員としてやるからいけないのであるというふうに聞いておるのであります。外国の例等におきましても、かかる公務員のごときものの政治活動は、個人としては当然認められておる。しかもそれだけの政治活動をもつて十二分に政治波動に対して貢献し得るのだ。特に公務員のごとき、いわゆる社会における指導者、いわゆる知識階級の人が職責を通じてやることは、これはもとより職務の中立性を害するからいけないのであるが、その人が個人として行動いたしますことは、これは社会の政治活動に貢献するのである。従つて個人としての政治活動に対しましては、相当と申しますか、これは他の個人と同じ意味において、個人的の部分は残されておるのだというふうな慣例が、外国においてはあるように承つておるのでありますが、しかし日本ではそういう部面は全然禁止するお考えかどうか、伺いたいのであります。
#174
○鈴木(俊)政府委員 個人が特定の政党に所属し、また特定の政治的意見を持つているということは、何らさしつかえないわけでございますが、公務員たる地位を占めております者が政治活動をいたしますことの結果としては、かりにそれが職務と関連いたしませんものでございましても、やはりその者の身分に影響をいたしまして、任命権者等が、そういうような具体的な政治活動をいたしたということを理由といたしまして、任免権の行使の上におきまして、何らかの考慮が加わつて来ざるを得ないと思います。そういうような見地から考えまして、やはり政治的行為は職務の内外を問わず、また勤務時間の内外を問わず、ここに書いて、ありますような程度の積極性を帯びた政治行動を、職員が行いますことは適当でない、かように考えております。
#175
○床次委員 ただいまの御答弁は実は私は多少疑問が残つておると存じます。この第三項に対しましては六十一條の第四号におきまして罰則がついておるのであります。すなわち「三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」というようになつております。この三項は、ただいまおつしやつたのは公務員としての身分にある者が運動した場合のことを、お考えになつておるようでありますが、第五項は「何人も」と書いてあるのでありまして、純然たる個人が、公務員たる校上長さんに、校長さんと知らずにそり人に会つたという場合を考えますと、その場合は個人対個人の問題でありますが、しかし罰則に触れて来るのじやないか。はつきりと相手か校長さんだということを分つて呼びかけました場合は、これは違反になる。しかし知らずに個人に対しました場合におきましても、違反になるというふうに読めるのでありますが、その点はどういうふうに解釈されますか。
#176
○鈴木(俊)政府委員 全然職員の地位にない普通の市民が、校長である職員に対して、ここに書いてありますような政治的行為を行うように、要求いたしたという場合におきましては、今御指摘のような六十一條の第四月の罰則かかかるわけであります。それから御質問の趣旨がちよつと……。
#177
○床次委員 例があるいは、はつきりしなかつたかと思いますが、個人が校長さんのところに前三項に掲げる政治行動と申しますか、あるいは勧誘の文書を出した場合、相手方が校長だということを知つて出しました場合は三項の違反であり、同時に罰則の適用があると思うのです。ところが、相手方が校長だということを知らずに、單に選挙人名簿から持つて来たとか、あるいは昔知つておつた友人だからといつて、その校長さんに、校長さんと知らずに話をしたという場合に、やはりこの三項によつて違反になるように解せられるのでありますが、その点、はたしていかように個人たる資格と職員たる質格をおわけになるか、伺いたいのであります。
#178
○鈴木(俊)政府委員 御質問を取違えておりまして恐縮でございました。ただいま御指摘のような場合におきましては、要するに罪を犯す意なき行為でございまして、刑法の一般原則をもつて当然これは処罰されないことに相なるのであります。
#179
○床次委員 ただいまの御答弁によりまして、一応そういう解釈ができると思います。ところが実際の選挙運動にありましては往々にして、これはやはり個人に対する問題も、職員に対した運動と同じように、取扱われまして、一般人が非常な束縛を受ける。これか裁判に参りました場合を、ただいまお答がありましたように、罪を犯す意思がなかつたのだから、無罪だということになるのでありますが、選挙運動の最小におきまして、なかなかそこまではつきりしてもらえない。とにかく一応容疑がかかつてこれが問題になるということが予想されるというのが、今日の日本の実情だと思う。これかある程度まで社会常識が発達して参りまして、外国の例をもうしあげますと、外国なんかそういうようなばかげたことはないのだという前提のもとに今日行われておる。それぐらいにまで個人の一自由というもおなり、あるいは個人の基本権と言いますか、それが確保されておるのでありますが、わが国におきましては、遺憾ながらそこまで行かない。まつたく個人が個人を相手に話したつもりでありましても、取締り官憲におきまして、これは職員に対してやつたのだという容疑でもつて取扱われますと、ただちにこの者が容疑者としての立場に陥るという重大な関係があると思うのであります。この点につきましては第三項の取扱いは、いささか不合理ではないかという感じがいたすのでございます。これは今後本案がかりに適用されるとなりますと、非常に大きな問題になるのでありまして、單に一項、二項の職員に対する政治活動の禁止、制限という問題よりも、これは本人以外の第三者が全部この第三項によつて影響を受けるという点におきまして、重大な問題があるのではないかと思うのでありますが、御当局はこれに対しまして、個人の自由あるいは基本権というような自由を、お認めになる御自信があるか。あらためてこれを伺いたいのであります。
#180
○鈴木(俊)政府委員 ただいま御指摘がありましたように、運用の上におきましては、そういうような犯意のない行為を罰するというとはもちろん適当ではございませんし、十分注意をいたさなければならぬと思つておりまするが、しかしながら当該の者が公職にある者がどうかということは、それぞれの地位によつておのずから違うと思います。上の方の比較的上級の地位にありますものは、何人といえどもこれは一日そういう公職にあるということがわかりますが、一般的な公務員でありますと、その辺がまつたくの第三者から申しますれば、そういう意思があるということの認定が、非常に困難であろうと存じますが、これはやはり実際の運用の問題になつて来るだろうと思うのであります。
#181
○床次委員 ただいまの問題は、法文上におきましては穴とは感じませんが、実際上の適用における大きな穴となるおそれがあるのではないか、この点私は、将来本法の運用上いささか重大な問題があると思いまして、この際私の意見を述べる次第であります。今後この問題につきましては、十分慎重なる取扱いが必要だということを申し上げます。なおこの点を救済するには、ある程度まで政治活動の制限ということを緩和しておくということによつて、相当救い得るのではないかということが、私ども考えられるのであります。しかしさらにこの点につきましては研究いたしたいのでありますが、一応きようはこの程度にしまして、次の問題に移らしていただきます。
 次にお尋ねいたしたいのは、第四十七條の「審査及び審査の結果執るべき措置」ということになりまするが、第二行に「審査を行い、その結果に基いて、その権限に属する事項については、自らこれを実行し、その他の事項については、」云々という言葉がありますが、審査をしてその結果だというふうになつたかということは、人事委員会が実際に活動してみなければ、これが当事者にはわからないというふうに認めるのでありまして、審査いたしましたならば、その結果がどうなつたということを、一応意思決定をしなければならないと思うのでありますが、あるいは審査ということには当然その意思決定と申しまするか、判決と申しまするか言葉の問題でありまするが、一つの行為が、委員会ではかくかくに考える、こういうようにするのが適当であるという一つの結論が出まして、その結論を出しました上に権限に属することについてはこれを実行し、あるいはその他のことにつきましては、必要な勧告をするというふうにした方がいいのではないか。あるいは審査ということには当然そういうことを含んでおるかおらぬかということで、お尋ねしたいのであります。
#182
○鈴木(俊)政府委員 審査をいたしまして当然そこに一つの結論を見出すわけでございまして、その結果と申しまするのは、そのような結果に基いてという意味であります。
#183
○床次委員 次に第五十五條についてお尋ねいたしたいと思いますが、五十五條は、いわゆる団体交渉権ではないのでありますが、やはり一種の団体交渉を当局との間に認めているわけであります。ここに法文上におきましては明らかに「これらの交渉は、当該地方公共団体の当局と団体協約を締結する権利を含まないものとする。」ということを明らかにしておられまして、いわゆる団体交渉とは違うということを明らかにしておられますが、しかしながら交渉しました結果が「当局と書面による申し合わせを結ぶことができる。」というように書いてありますが、「書面による申合せ」というものは、その効力がきわめて薄弱なような気がするのでありまして、申合せました結果に対して、いかようなる履行の責任を持つかどうかということについてお尋ねをいたしたいと思います。
#184
○鈴木(俊)政府委員 当局と職員団体との間に交渉が行われまして、その結果意思の合致いたしました場合におきましては、これを口頭の意思の合致のままにいたしておくということも一つの方法でございまするし、それをさらに書面にしたためまして意思の合致を明確にいたし、両者の関係をはつきりしておく、こういうこともこれを認めるべきが当然であろうと考えまして、ここに書面による申合せをすることができる、かようにいたしたいのでございます。この内容に関しましては過般も申し上げたと存じまするが、それぞれの書面の申合せの内容によりまして、その責任と申しますか義務と申しますか、そういうものに違いが出て来ると存じます。たとえば給與に関する條項に関しまして、将来これを上げるように努力してもらいたい、努力しよう、こういうような書面の上の申合せがございました場合におきましては、それを一つの道義的な責任において、長としてはこれの実現をしていくというような地位に立つことに相なると思うのであります。
#185
○床次委員 ただいまのお答えによりますると、ここに申合せとありまするが、しかし普通に使つておりまする協定とが決定とかいうものは、ほとんど効力は同じものではないかという感じがいたすのであります。特に新しく申合せこいう字を使つておられますが、やはり一つの約束であることは明らかであると思うのであります。従つて約束である以上は、当事者がその実態に対して責任を負うということは、ただいまのお言葉の通りでありますが、初めから法規に抵触して不可能なことを協定いたしまするというようなことはあり得ないわけでありまして、そうでない限りは当然これは実施する責任と両方とも持つているのものであります。当然この尊重を誠意を持つてこれに当るということにつきましては、私ども予想してさしつかえないように御答弁がありましたが、私どもそう解釈してよろしゆうございますね。
#186
○鈴木(俊)政府委員 ここに書いてあります趣旨は、職員団体と当局との間に意思が合致いたしましたならば、それを書面によつて申合せという形で進むことができるという意味でありまして、大体の考え方としては御説のごとく解してもいいと思います。
#187
○床次委員 次に第五十七條についてお尋ねいたしたいと思います。五十七條は「職員のうちその職務と責任の特殊性に基いてこの法律に対する特例を必要とするものについては、別に法律で定める。」ということになつておりまして、御説明になりました中には、これは教育職員等を考えておるのだということを、御指摘になつておられますが、教育職員のほかに一般公務員の中において、その職務と責任の特殊性を持つておるものがあると思うのでありますが、いわゆる一般の従業員のごときはこれに類するものと思うのでありまするが、特に教育職員だけを取上げ、一般従業員をこれから除外せられた理由をお聞きしたいと思います。
#188
○鈴木(俊)政府委員 ここで職員のうちその職務と責任の特殊性があるものとういふうに考えておりまするものが、ただいま御指摘の教育公務員ももちろんそうでありますが、そのほかに出たとえば警察の職員でございますとか、消防の職員でございますとかいうようなものかございまするし、今お話のいわゆる一般の現業職員に関しましても、もしこの法律に対する特例を必要とするということになりまするならば、やはりその中に入ることに相なると思います。
#189
○床次委員 ただいまの御答弁によりますると、教育職員のほかに警察、消防その他のものを考えておられるようでありますが、現業員を加えるということに対しまして、どのような見解を持つておられますか。どうも今までの御説明によりますと、現業員は特にこの中に加えないかのように伺うのであります。もしもこの中に加えるのでありまするならばむしろ明瞭にそういう職員に対しては別に取扱うということを、明らかに規定せられる方がいいのではないかと思うのであります。なお教育職員等につきましても、この適用を受けるのだということになつておりながら、実はここに明文がありません。これでははたして一般職員と特別扱いがされるものかどうかということが、法律では明らかになつておらないのでありまして、いずれ将来において予定せられておりまするならば、予定せられた職員の名をここにあげた方が、特別扱いを受けまする職員の立場上、またその身分の保護と申しますか、そのものの公務員法上の地位から申しましても適切である、法律の趣旨からいつても、その方が明瞭であると思うのですが、それに対する御意見を伺いたいと思います。
#190
○鈴木(俊)政府委員 現業職員につきまして、あるいは教育公務員につきままして、ここに一々列挙したらどうかということであります。それも一つの方法かとも存じますが、政府といたしましては現業職員に関しましては、今後国家公務員である現業職員との関連におきまして、さらに考究を加えて参りたいと考えておる次第でございまして、もし結論として何らかの法律上の措置を必要といたすということになりまするならば、この五十七條は法律をもつて特例をつくるということになつておるわけでございますから、国会において御審議を願うことになるわけでございます。結局職務と責任の特殊性による何らかの措置を必要とするかしないかということは、今後国会が最終的に御決定になることでありますので、特にここに規定をいたしませんでもさしつかえないのではないかと考えた次第であります。
#191
○床次委員 ただいまの御答弁によりますると、現業職員に対しましては、国家公務員法との関係上考慮いたしたいということでありますが、この点はすなわち国家公務員法上におきましても、その職務と責任の特殊性ということを意識しておられる関係上、場合によりましたならば、特別立法が必要ではないかということを予想せられておるのではないかと思います。そういう見地から申しますと、当然税業従来員なるものは、五十七條の中に入る。但し将来においし、あるいは家公務員法における現業職員と同様に取扱いを別にするかもしれないとお考えになる方が順当であります。五十七條の中から全然これを排除しておいて、別に考えるということは、少し五十七條の精神から申しますと、はずれるのではないかと思いますが、この点はいかがお考えになりますか。
#192
○鈴木(俊)政府委員 これは国の場合におきましても、同様な規定があるのでございますが、国の場合におきましては法律または人事院規則で特例が設けられるという形になつております。従つてそういうことから申しますれば、あるいは法律の上に明らかにどういうものがこれに該当するかということを書いておくことが、むしろ必要ではないかとも考えられるのでございますが、その場合におきましては、そういう條例なり、地方の人事委員会規則に特例を設けることを認めておりませんので、すべて法律によつてのみ特例を設ける建前でありますから、特に書いてございませんでも、今後政府が提案し、あるいは国会で直接御立法になりまする際に、国会によつて審査いただきます機会があるわけでありますから、特にここに明記いたさなくてもいいのではないかと考えております。なお国の場合は現在、船員中央労働委員会とか中央労働委員会とかの職員について特例を設けておるような次第でありまして、これはまだ先ほど申しましたような一般的な特例は、これによつて設けていない状態であります。
#193
○床次委員 終りにもう一つお尋ねいたしたいのでありますが、国家公務員法におきましては、人事院規則におきまして、相当法律事項と思われることも人事院規則に書いてある。本法で申しますれば本法におきまして法律で書いてあることも、人事院規則にあがつておるというのか、今日の国家公務員法の建前であると思います。もしもこの例にならいますと、三十六條その他の規定におきましてもあるいはこれを條例に讓つてもいいのではないかという議論も成立つと思うのであります。国家公務員におきましては、一部を人事院規則によつて規定せられておる関係上、本法におきましてもそういう問題は、あるいは條例に讓つてもいいのではないかという議論もあるのですが、これに対していかようにお考えになりますか。
#194
○鈴木(俊)政府委員 一般的に御指摘のように條例事項をできるだけ多くいたすことは、地方公共団体の自主性から考えまして、私ども同感でございまするが、ただ基本的な事項といたしまして、全体の地方団体を通じて統一を保つた方がよろしいと思うものは、この法案に書くようなことにいたした次第でありまして、政治的行為以外のことにつきましては、條例で定あることを認めておる次第でございます。
#195
○大泉委員 ただいま鈴木さんから五十七條の特例について御説明がありましたけれど、特例を必要、とするものは、大体現業員の職員のように言われますが、現業員の職員というのは、労働者を除いた以外の職員ですか、労働者を含めたところのものをみんな総括して言うのですか。
#196
○鈴木(俊)政府委員 現業の範囲につきまして、要するに実際肉体的な労働に勤務いたしておりまするいわゆる單純な労務者と、その單純な労務者をその直属の上の系統において監督をし、あるいは技術的に指導するような地位にあるものも現業に含めるか含めないかということでございますか。
#197
○大泉委員 そうです。
#198
○鈴木(俊)政府委員 私どもそういう上の方の地位にありまする者は、やはり行政的な職務を持つておるわけでございまするから、これを別に考えるということも、ひとつ考えられるわけでございますが、これはやはりこの系統全体の職員を別個に扱うというようなことにでもなりますれば、やはりその系統全体として考えることに相なると思いますが、これらのことに関しましては、今後私どもまた研究を重ねて参りたいというふうに考えております。
#199
○大泉委員 さつき私が質問したときのお答えと、ちよつと違うようでありますからお伺いしたい。私はどうもこれは職責において個々に区分すべきものでない、いわゆる一つの公営企業体において総括してこれを適用すべきであるということを、さつき質問した。ちようど小野さんからもそういうふうに答えられたと思うのでありますが、そういうふうに肉体労働者と指揮監督をするような職員を別個にするというと、これはなかなかその上区分に対してこの法律の適用が、非常にやつかいになるのじやないかと思います。これはたとい独立採算制の公営企業体にしても、総括してやるべきだと私は思う。この考え方に対していかがですか。
#200
○小野政府委員 先ほど私がお答えいたしましたのは、ただいまの御質問の趣旨と大体同じような考え方で、御答弁を申し上げたのであります。御指摘の公営企業のような場合におきましては、公営企業という一つの企業全体として、その職員の関係を規律して行く、こういうふうに取扱うべきだと考えております。
#201
○久保田委員 先ほど申しましたように、この法案を審議いたします前に、地方財政の問題を先に伺つて、それからこの法案の逐條審議に入りたいと、私考えておつたのでございますが、大臣もお見えになりませんので、財政問題とあわせてこの法案の逐條的な審議はあとからいたすことにいたしまして、その前に二、三伺つておきたい事項があるのであります。この案の中にあります四十四條の点でございますが、ここに「退職年金及び退職一時金の制度」とございますが、これは私は退職年金及び一時金等の制度あるいは年末手離、生活一時金等というようなことにしなければ、そういう方面に使えないようなことになるのではないかと考えますが、この点いかがでございますか
#202
○鈴木(俊)政府委員 ここの退職年金あるいは退職一時金と申しますのは、いわゆる通常恩給と申しておりますもののことを考えているのでございまして、お話のように年末給あるいは年末手当というような式のものは、これは給與の方の一つの問題として考えたい、かように考えているのでございます。
#203
○久保田委員 それから次に五十七條でございますが、五十七條の「職員のうちその職務と責任の特殊性」ということがございますが、この職務と責任の特殊性ということは、具体的にこれを申せばどういうふうに解釈していいのでしようか。
#204
○藤井政府委員 五十七條にございます職務と責任の特殊性ということの具体的な問題でございますが、これは個個の場合について、本法の適用をそのままやつて行くか、あるいは本法の適用について除外例を認めることが、適当であるかという抽象的な判定で、個個の具体的な問題を処理して参らなければなりませんので、ここで具体的に御説明を申し上げることは、少々むずかしいわけでございますか、二つ具体的な問題として申し上げてみますと、たとえば教育公務員につきましては、職階制というような制度がはたしてどのように適用されて参るであろうかというような問題があるわけであります。この点につきましては御承知のように、国家公務員の場合につきましても、国立学校の先生等は一応全部一般職たる国家公務員に入つておりますために、もちろん職階法の適用を受けて参るわけであります。しかしながら、その職階制というものが、はたして一般の官庁に勤めております職員と同じような意味合いにおいて、いわゆる職種、職級というものをきめられるかどうかということは、教員たるいわゆる教壇において講義をし、生徒児童を教育して参る、そういう仕事の同質性に基きまして、その間に職種とか、あるいは職級等の区別を設けますことは、はなはだ困難な事態も生じて来るかもはかり知れないわけでございます。従つてこの点は今後職階法が具体的に適用されて参る際に、漸次解決されて参ると思いますが、側々具体的に職階制を確立して参りましたその過程におきましてもし教育公務員については一般職と同じような原理に基く職階制を樹立することか、困難であるということがはつきりわかつて参りました際におきましては、何らかの特例を認めて参らなければならぬというようなことに相なるわけであります。
#205
○久保田委員 どなたかの質問に対しましたのお答えは、やはり今申されたような答弁をされている。教職員と単純労務あるいは現業云々というようなことに対しての、今のような答弁でございました。私たちはさようなことじやない、もつと具体的にこの問題について示してもらいたい。これを聞いている。その点をお答えしてもらいたい。
#206
○藤井政府委員 この点につきましては、先刻鈴木次長からも御答弁を申し上げておりますように、教育公務員というものが、このいわゆる職務と責任の特殊性に基いて特例を要するであろうと思われる職員の中に、一つ入ると思いますし、その他警察職員あるいは消防職員も、この條項に該当して参るものもあるのではないかというように考えられます。さらに先刻から申し上げておりますように、いわゆる公企業職員以外の現業職員、なかんずく單純労務者というようなものにつきましては、これはあるいは一般の職員とは違つた内容の職務内容を持つているということにも考えられますので、はたしてこれについて特例を設ける必要があるかどうかというような点については、今後国家公務員の場合と並行して考えて参りまして、もし特例を設ける必要があるということになりました場合におきましては、いかなる事項について特例を設けるかとい、ことにつきましても決定をいたしました上で、本條項に基いて特別の法律を立案いたしまして、国会の御審議を願うことに相なるというふうに考えておる次第であります。
#207
○久保田委員 どうもわかりませんね。私の尋ねておりますのはそういうことじやなしに、たとえば教職員と、それから現業と、また従業員とはいかなるものかということと合せて、職務とその責任の特殊性というものを、もつとこの法律をつくる上において明らかにしておかなければならない、それを具体的に私はいつてくれ、あなた方の方はすぐ活版刷りの答弁をなさるか、そんなことではわれわれはこの法律を審議してこれを承認することはできない、それをもつと具体的に言つてくれというのです。それを答えてもらいたい。
#208
○鈴木(俊)政府委員 具体的にというお話でございますが、たとえば教育公務員につきまして申し上げまするならば、教員の任用に関しましてはこの免許状を持つておる者でなければならないという一つの原則は、これはどうしても容認して行かなければならぬと思いまするが、そういうようなことは、要するに教員としての職務と責任との特殊性に基く、こういうことでございます。そういうように一つ一つの職員の問題を拾い上げて行かなければならぬと思います。
#209
○久保田委員 それではこの法律に対する特例というようなことは、どう解釈していいのですか。
#210
○鈴木(俊)政府委員 ただいま申し上げました教員の任用につきましては、一応そういうような教員としての免許状を持つていなければならぬということを、一つの單なる任用上の特例と考えておるわけであります。
#211
○久保田委員 特例を必要とするのは、各識別において身分上の取扱いと、それから労働法上の取扱いと二通りあると思うのであります。その身分上の取扱いと、それから労働法上の取扱いということに対する解釈は、現業、あなたの方で答えられると、單純労務あるいは教壇に立たれる教職員というように申されまするが、この教職員以外の単純労務ということに対するこの問題等についても、私は先ほどからお伺いしておるのでございまするが、これはどうなんですか。
#212
○鈴木(俊)政府委員 久保田委員の仰せになりますることは、たとえば現業職員に関しまして政治的行為の制限の規定をはずしますとか、あるいは五十五條の交渉の権限につきましてもつと強い地位を認めるとかいうような意味の特殊性を認められるかどうかというようなお含みではないかと存じまするが、そういうような考え方も一つの考え方と存じまするけれども、私どもは、これらの問題は、国の現業職員に関しましての一つの問題といたしまして、今後考究して参りたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#213
○久保田委員 それではこの問題を具体的に私はお聞きしたい思うのでありますが、現業の問題、また単純労務というようなことに対しまして、これも同じような答弁しかございません。この特例を要するとするものに対しまして、これを別の法律で定めるというようなことが、この中にあるのでございまして、こうした点につきまして、この單純労務といいますか――この單純労務も前に他の委員からも話がされておりますが、おざなりの答弁をされております。ところがこの單純労務に対するその職業の立場といいますか、仕事の立場といいますか、糞尿の汲取りもあれば、あるいは火葬場で死んだ人の処理をしておる人もある。またその他いろいろの仕事についておられる方々がおられます。こういつた人たちに対するこの問題をわれわれが考えまする場合に、この法律で縛つてしまうことはどうか、これは各委員からしばしば述べられておる問題なのでございます。こうした問題に対して具体的に先ほどから何回も申しておりますことなのでございまするが、これを答弁をしてもらつてわれわれが納得ができるようにしたいと考えてお尋ねしておるわけでありますが、この点をひとつわかりますならば答てもらいたいと思うのです。
#214
○小野政府委員 先ほどから次長並びに課長からもたびたびお答えをいたししましたように、ただいまお話になりました主として單純労務に従事しておる職員の身分取扱い、その他の関係をどういうふうに取扱つて行くへきであるかということにつきましては、今お話になりましたようなお気持は私も十分に了承できるかと思うのであります。ただこの問題は、一面国家公務員法の取扱いとも並行して考えなければならない問題もございまするし、また地方公務員法案自体といたしましても、地方公務員であるという身分の上に立つて、どういうふうに特例を設けるべきであるか、また具体的にどういう点の特例措置を講ずべきであるかという点につきましては、なお研究をいたさなければならぬ点もございますので、従いましてあるいは抽象的な答弁として御不満であろうかとは存じまするけれども、現在の段階におきましては、その程度以上のことはお答えいたしかねるような事情にございまするので、御意見のほどは十分に拝承いたしまして、政府におきましてもせつかく研究いたしまして、何らかの結論を出すようにいたしたいと考えておる次第でございます。
#215
○松澤委員 ただいま久保田君と政府委員との間に、いろいろ質疑応答があつたのでありますが、久保田君が確めようとしておりますことは、結局その職務と責任の特殊性のある地方公務員は、どういうものであるかという点が第一点であろうと思います。この点につきましては、先ほど来から警察、消防職員、それから教育職員、その他單純労務、あるいは現場職員というものが、その対象になるということはほぼ明瞭になつたのであります。第二の点は、それじやこの特例をつくる場合に、その特例の内容はどういうものであろうかという質問であると思うのです。これにつきましては、先ほど鈴木次長でありましたかお答えになりました。たとえば教育職員に対しては免許状が必要であるというようなことが、この特例であるというふうなお答えがあつたと思うのであります。もしそうであるとするならば、たとえば現業職員に対しては、こういう現業の特殊性があるのだ、これに対してはどういう特別の取扱いをしなければならぬか、その特別の取扱いというのは、つまり労働三法を適用するのか、あるいはまたこの地方公務員法の経済活動というものを規制するのか、あるいはそれを緩和するのか、政治活動の点については、この程度のものは認めるが、この程度のものは認められない、あるいは消防、警察職員に対しては、おそらく組合を結成する、職員団体を結成することはできないけれども、あるいはこういう点は考慮せられる。これはおそらく單に身分上の問題でなくて、いろいろと経済的な、あるいは政治的な活動に関する規定も、やはりその中に含まれるのではないか、こういう点が質問の要点であつたと思うのであります。一応ただいま小野政務次官から包括的、結論的な御答弁があつたのでありますが、さらに私もやはりその辺のところは詳細に――もちろんこれは将来の問題でありますから、具体的にお話願うというわけにも行きませんけれども、その点を現在考えていらつしやること、及び少なくともこの五十七條というものをもつて関係方面と折衝せられた場合には、この五十七條の規定というものは、こういうものであるということはお話になつたでありましようし、御腹案があつたことと思いますので、その範囲なり、あるいは対象なり、あるいはまたその規定の内容というものがどういうものであるかということを、具体的に詳細にお示し願えればけつこうだと思います。
#216
○鈴木(俊)政府委員 五十七條の具体的の考え方を示せというお話でございますが、ただいま御指摘のごとく警察とか、消防職員に関しましては、すでにこの法律で職員団体の結成等に関しまして特例を設けておりますし、また現業職員に関しましては、労働基準監督機関に関しましては、すでに特例を設けておりますが、それ以外におきまして、教員につきましては、すでに教育公務員特例法があるわけでございまして、この関係で特例が出ておるわけでございます。なお警察につきましては、警察法におきまして、現在たとえば国家公務員法の精神に準じて、條例でいろいろ服務規律、任用その他の制度を定めるというように相なつておりますが、そういうようなものも特例の一つでありますし、また消防組織におきましても警察と同様な趣旨の規定があるわけでございまして、そういうようなものはいずれもこの地方公務員法という一般法に対する特例というふうに考えております。
#217
○松澤委員 必要あるものはここに別に定めるというふうに書いてあるのでありますが、すでに教育公務員特例法というものは存在している。それから警察あるいは消防職員については、すでにそういう特例がきめられてある。そうすると、別に定めるということは将来のことであるように読めるのであります。従つてすでに存在しておるものはこの特例をつくるということの対象にならないのではないか。あらためてここに書いてある点を考えてみると、新しくつくる特例法というものは、何を指すのであるかという問題が起つて来ると思う。先ほどの話では教育職員というものは免許状がいるというようなことから、特例を設けなければならないというお話のように、私は拜聽いたしたのであります。しかし私がそのときに考え付いたのは、教育公務員については特例法というものがあるのだから、別段定める必要がないのじやないか。それでもこの提案理由の説明の中に、教育職員というものは第五十七條の基定の対象になるというふうなことが書いてあつたのでありまして、教育公務員の特例法以外にあらためてまた教育職員に対して、特例をおつくりになることはどういうことであろうかと、私は不思議に思つていたのであります。ただいまの鈴木次長のお話ではすでに存在しているということであります。すでに存在しているものならば、特にまた特例を設ける必要がないようにも考えられるし、あるいは提案理由の説明では、この五十七條の特例の対象となるものは、教育公務員であるというふうにお話があつたことをみると、新たにつくるようでもある。この辺について非常に疑義があるのでありますが、もう少し具体的に親切に御説明願えれば、幸いだと思うのです。
#218
○鈴木(俊)政府委員 ただいま御指摘の教育公務員法でございますが、現在ございます教育公務員の特例法は、一面五十七條を基礎にして、今後は存在するということにも相なると存じますが、この地方公務員法案の規定をいたしております趣旨と、矛盾をいたします部分につきましては、この第二條の規定によりまして、その部分は放つておきますと、この法律の方が優先するということになるのでありますが、その條文として今考えておりますものは、たとえば教育委員会によりまして、教員が不利益処分を受けた。その不利益処分の審査をいたしますのは、現在教育委員会自身ということに相なつておりますが、この法律が出ました後におきましては、こういうようなのはやはり人事委員会が、これを審査する。要するに県の教育委員会が懲戒処分を教員に対して行いました場合に、その不利益処分の審査の場合は、現在の教育公務員特例法のように、また教育委員会にかけることは意味がありませんので、これは一般原則に従つて人事院が審査するというふうにいたしたいと考えておりますが、そういう意味の教育公務員特例法の改正案は、この地方公務員法案の御審議を了していただきましたならば、その原則に従つてすみやかにこれを改正する案を、国会に提案したい、かように考えております。事務的にはこれらに関する改正案を、目下関係方面に提出中でありまして、その審議を一面進めつつある次第であります。
#219
○野村委員長代理 本日はこの程度にいたしまして明五日午前十時より本案に対する質疑を継続することにいたします。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後八時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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