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1950/12/07 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 地方行政委員会 第11号
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1950/12/07 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 地方行政委員会 第11号

#1
第009回国会 地方行政委員会 第11号
昭和二十五年十二月七日(木曜日)
    午後零時十四分開議
 出席委員
   委員長 前尾繁三郎君
   理事 河原伊三郎君 理事 龍野喜一郎君
   理事 藤田 義光君 理事 門司  亮君
      生田 和平君    池見 茂隆君
      大泉 寛三君    門脇勝太郎君
      川本 末治君    佐藤 親弘君
      畠山 鶴吉君    船越  弘君
      山口六郎次君    亘  四郎君
      鈴木 幹雄君    床次 徳二君
      久保田鶴松君    立花 敏男君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 岡野 清豪君
 出席政府委員
        全国選挙管理委
        員会委員    長  世吉君
        総理府事務官
        (全国選挙管理
        委員会事務局長
        事務代理)   石渡猪太郎君
        地方自治政務次
        官       小野  哲君
        総理府事務官
        (地方自治庁次
        長)      鈴木 俊一君
 委員外の出席者
        総理府事務官  皆川 迪夫君
        総理府事務官
        (地方自治庁行
        政課長)    長野 士郎君
        專  門  員 有松  昇君
        專  門  員 長橋 茂男君
十二月七日
 委員門脇勝太郎君、久野忠治君、小玉治行君、
 首藤新八君、野村專太郎君及び橋本登美三郎君
 辞任につき、その補欠として船越弘君、山口六
 郎次君、佐藤親弘君、池見茂隆君、亘四郎君、
 及び畠山鶴吉君が議長の指名で委員に選任され
 た。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 全国選挙管理委員会法の一部を改正する法律案
 (倉石忠雄君外七名提出、衆法第三号)
 地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時
 特例に関する法律案(内閣提出第七号)
    ―――――――――――――
#2
○前尾委員長 これより会議を開きます。
 まず全国選挙管理委員会法の一部を改正する法律案、倉石忠雄君外七名提出、衆議院法第三号を議題として、質疑を続行いたします。別に御質疑はございませんか。
#3
○河原委員 本案に対する質疑は、この程度にて打切り、討論を省略して、ただちに採決されんことを望みます。
#4
○前尾委員長 ただいまの河原伊三郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○前尾委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 それではただちに採決いたします。本案に賛成の諸君の御起立を願います。
    〔総員起立〕
#6
○前尾委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決されました。
 この際お諮りいたしまするが、衆議院規則第八十六條による報告書作成の件は、委員長御一任に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○前尾委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
 それでは暫時休憩いたします。
    午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時十六分開議
#8
○前尾委員長 再開いたします。
 地方公共団体の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律案を議題として、質疑を続行いたします。
#9
○門司委員 実は今やつておりまする岐阜県の選挙に対する疑義でありまするが、選挙管理委員会の方に一応お聞きをしておきたいと思います。私の手元に届いておりまする報告書によりますと、知事の辞任の申出が十一月の二十一日であります。そうしてこれが県会が議決をいたしましたのは十一月の三十日になつております。選挙の告示は十一月の二十七日に行われております。公職選挙法の條文から言いますると、知事の選挙はやめてから五十日以内に行えばいいという規定になつております。それから地方自治法の規定からこれを考えて参りますると、長は自分がやめようと思う日の三十日前に、それを提示すれば、三十日後には自然発生的にやめられる。なおその間に早く辞職する必要があるとするならば、当該会議の議決を要するというふうに大体法律には定められております。従つてこの場合は一応二十一日に出しておりまするので、当然十二月の二十日には知事の任期は必然的に消滅いたしまして、欠員になることは明らかである。従つて二十七日に選挙が行われるということもあるいはどうかと考えられまするが、しかし知事の欠格になりますのが、私の聞いておりますることが正しいといたしますると、十二月三十日ということになつて参りますと、欠格しない前に選挙の告示がされておつたということになるわけでございます。これはさつきも申し上げておりまするように、反面の解釈をすれば、当然期限があつてもなくても、十二月の二十日には知事は欠員になるのだから、それを見越して、十二月の二十七日に選挙の行えるような告示をしたと言えば言えないわけでもないのでありますが、その間に一抹の疑問があると思うのだが、こういうことは、選挙管理委員会としては、どういうふうに解釈されておるか。
#10
○石渡政府委員 ただいまの御質問は、知事の退職の効力の生じない前に、退職の申立ての事実のあつたことによつて、ただちに選挙の告示をしていいか、こういう御質問であつたと思うのですが、現在公職選挙法の規定によりますると、退職の申立てがあつた場合におきましては、議長から退職の申立てのあつた日から五日以内に、選挙管理委員会に対して、通知を発するということになつております。その通知を受けますと、選挙管理委員会といたしましては、それを事由として五十日以内に補欠選挙を執行しなければならないという規定になつております。従つて退職の効力が生じませんでも、退職の申立てがあつて議長からその通知を受けますれば、選挙管理委員会といたしましては、その日から五十日以内に選挙を行わなければならないという拘束を受けることになつております。御質問の趣旨は、あるいは五十日の期間を非常に早めて選挙の日をきめた方が適当ではないか、という意味が含まれておるのではないかと推測されるのでございますが、そのことにつきましては、実は岐阜県選挙管理委員会から、全国選挙管理委員会の方に打合せがありまして、五十日のぎりぎり一ぱいの期間になりますと、一月十日ごろが最終の期間になるということであります。ところが一月の十日に選挙をやるということになりますと、これは選挙運動期間の、しかも選挙運動の非常に高潮に達したころが年末、年始にかかるというようなことで、そういう面からして、選挙人の側にとりましても、いろいろな不都合も生ずるのではないかということからして、若干むりはあつても、年内に選挙の期日を定めることが適当ではないか。全国選挙管理委員会としては、そういうような意見を岐阜県の方に申し上げたことがあるのであります。岐阜県の方としましては、そういう意見も参考にして、十二月二十七日に選挙を行うということにされた。これも通常の場合であれば、年末に差迫つて非常にむりではありますし、また選挙管理委員会といたしましても、名簿の調整あるいは期間が早まることは事務的に非常に不便はありますけれども、年末、年始に選挙運動が高潮に達するということは適当でないのではないか、こういう見解のもとにされたのではないかというふうに推測しております。
#11
○門司委員 後段の答弁については、あとでなお聞きたいと思いますが、前段の答弁についての法律上の問題があります。なるほど一応選挙はできるという形にはなつておりますが、少くとも在職中に次の選挙を行うということが、はたして妥当であるかどうかということであります。幸いにしてこれは三十日に県会は承認しておりますが、もし承認しなければ知事の在職は長い間続いておる。一部に知事としての職務権限を執行しながら、一部において選挙を行うということになると、知事は公職の立場にあつて選挙運動をするということが出て来ると思う。これは明らかに選挙法に何らか大きな矛盾があるように私は感ずるわけでありまして、従つて知事はある場合においては県庁の自動車が使えることもございましよう。現職知事である以上は、どこに行つてもさしつかえないでありましようし、また人を集めて訓示をすることも容易にできるでありましよう。ところがそれはお互いに選挙をしておるとなると、大きな矛盾が出て来はしないか、こういうふうに実は考える。でありますから、この矛盾に対して一体当局はどういうふうにお考えになつておるか。現在の法律では、私はその点に疑義があると思うのであつて、この五十日以内ということが、私どもの常識から考えますと、やはり解任されてから五十日以内に選挙を行うということの方が、正しいのではないかとわれわれは考える。ところがそれが今のような形で行える。当然やめるんだから行われるのだという点については、私ども実はまだ釈然とするわけには参らぬのでありまして、この点をもう一度お聞かせ願つて、そういう矛盾はないのだということになればけつこうでありますが、さつき私が申しましたような、現職として依然として地方に出かけて行つて、人を集めて話ができるが、それが必ずしも選挙に影響はないと断じて言えない。知事たるの位置を利用してと言うと語弊がありますが、知事としての立場から訓示しなければならぬことも出て来るでありましようし、あるいはまた町村の催し等かありますれば、知事の資格で出席することもありましようし、これが選挙運動と混同されるという大きなおそれもあると思う。従つて私どもの常識から考えれば、そういう必要があれば、県会に早く通告して、早く自分を解任してもらうという規定が、この自治法にありまするもし必要とする場合ということではないか。公人から私人になるという必要が生じた場合には、当該議会の議決を得ればできるということがあつて、岐阜県の場合も、そういうことが常識的に考えられるとすれば、ただちに議会を開いてもらつて、議会でこれを議決してもらえば、当然ほんとうのまる裸になつて選挙が行えると思う。しかし実際上の問題としては知事の解任の四日前に選挙が行われておる。この点についての矛盾を非常に感ずるのであります。選挙管理委員会の意見としては、法的にはできるという解釈でありますが、私の解釈から行けば、法的に言えばあるいはできるかもしれませんが、地方自治法の精神から行けば、少し違つておるのではないかというように考えますが、公職選挙法とこの地方自治法の條文の矛盾性を、もう少し詳しくお聞かせ願いたい。
#12
○石渡政府委員 ただいま、知事が在職中に選挙が行われることは、非常に弊害があるのではないかという御意見でございますが、これは私どももよく拜聽しておる御意見であります。ただ現在の公職選挙法の規定によりますと、任期の満了による選挙におきましては、議員を初め知事、市町村長も在職のまま立候補できるという規定になつております。ただ任期満了によらない退職による知事の選挙の場合におきましては、その規定が働きませんので、知事の退職が効力を生じなければ立候補ができないという違いがございます。それで確かにそういう御意見につきましては、私どもも弊害がないとは申されませんし、また選挙の公正を確保するために、ことに執行機関が在職中立候補できるというようなことにつきましては、いろいろ御議論もあることと思いますが、本年成立いたしました公職選挙法で初めてそうした制度がとられましたので、私どもといたしましては、その点どちらがいいかということについては、今ただちに結論は申し上げられないのでございますが、ともかくも本年成立した公職選挙法で初めてこの制度が、この国会でいろいろ論議の末に、とられておりますので、その辺のところを御了承いただきたいと思います。
#13
○門司委員 そうしますと、今度出された法案では、地方公共団体の議員と長の選挙の延期の理由が私は成立たないと思う。その理由の一番大きなものは、ちようど知事が予算編成期の最も忙しい時期に入つておる。従つてこれを除かなければならないということは私はちよつと矛盾があると思う。知事に立候補する者が、一応公職をやめて、さらにこれが立候補して鬪う。知事のいない場合等についての、しんしやくが私はこういうように現われて来たと思う。片一方の補欠選挙の場合は、辞任した場合は在職中やれるのだ、片一方はそういう不便があるからそれを延ばすのだ、こういうことになると、今提案されております法律を審議する上に、非常にへんな感情が出て来るわけであります。そこでこの法律を審議する上に、その解釈をはつきりしておかぬと、何かおかしなものが出て来る、そのように感ずるわけであります。しかし今の答弁では、いいか悪いかということはわからぬというお話でありますが、私どもの感じからいたしますと、そこに大きな矛盾性が、この新しく改正される法律の提案の理由の中の最も大きな問題として、ちようどこれが衝突をしておるような感じがするのであります。これはあとでこれの審議の際に申し上げたいと思います。
 次にもう一つ聞いておきたいと思いますことは、選挙期日の問題であります。おおよそ選挙管理委員会が選挙のことを考えられまするには、やはり選挙全体をお考えになることが必要だと考えておる。一方におきましては、知事は二十一日に辞意を表明いたしまして、二十七日に告示をされまして、選挙に入るということになる。ことにまだ知事は現職中であるということになると、これが法律上さしつかえないという規定が、一応解釈ができるといたしましても、選挙を行います場合には、おおよそ相手方があるはずであります。ことに知事の選挙ということになつて参りますと、かなり大きな選挙でありまして、そう簡單に候補者がきめられるものでもない。また候補者がきまつても、準備ができるものでもない。これが本人が出ていなければまだ話がわかりますが、次の選挙に本人自身が打つて出ておるということになると、本人は十分準備の上で自分は立候補する。それと相対抗して鬪おうとする者は、知事が辞職してわずか二、三日のうちに選挙が告示された。これではおそらく正しい選挙の遂行は困難じやないかと思う。選挙の趣旨は、やはり対立の候補者があつて、そこに県民に十分におのおのの所信を訴えて、県民の嚴正なる批判を待つというような選挙の趣旨でなければならない。そうすると一方にはきわめて有利な選挙であり、一方にはきわめて不利な選挙である。こういうことは軽々しく選挙管理委員会で、忙しいであろうからとか、正月にかかるから困るというようなことで、選挙の本質を失うということは、私には了解できないのであります。一体こういうことが選挙管理委員会として趣旨を報告されますときに考えられておつたかどうか。私はこれは選挙の本質の問題だと思う。岐阜県等のこういうことが、しばしば行われますと、これは現職の知事は最も自分の都合のいいときに、すつかり準備を整えておいて、話によりますと、知事は辞表を提出する前に選挙事務所まで借りておつたという話がありますが、これは事実かどうかわかりませんが、そういう準備全体を整えておいて辞表を出した。そうして相手方がまつたく準備せざるうちに告示されて、自分はどんどん準備を進めておる。相手方は候補者をだれにきめるかとか、候補者がきまつても選挙費をどうするかというようなことは、選挙にはつき物である。そうしたことが無視されていいということになつて参りますと、まつたく個人の便宜主義のために選挙が行われることになつてもさしつかえないということになる。これに対して選挙管理委員会がこういうことを考慮しない。そうしてそれでもさしつかえないのだということをやつたということは、私は選挙管理委員会があまりにも選挙というものを知らな過ぎる考え方ではないかというように感ずるのでありますが、選挙管理委員会としての御意見を、一応承つておきたいと思います。
#14
○石渡政府委員 補欠選挙また長の退職になりました場合に、五十日以内に選挙を行わなければならないという選挙管理委員会を拘束する規定が設けられた趣旨は、なるべく早い期間に補充すべきであるというような法律の趣旨ではないかというふうに、私どもは考えております。そこでただいまのお説のように、いろいろ政治的な問題等もこの選挙期日を定めるについては起り得るのでございまして、なるべく選挙管理委員会といたしましては、そうしたいろいろな政治的な問題から離れて、中立的な立場できめるためには、選挙管理委員会としては、なるべくそういう裁量の余地を少くするということが、立法上の問題としてはあろうかと存じますが、現在の法律の建前からいたしますると、なるべく早くに補充すべきであるという趣旨に、私ども了解いたしておりますので、事務的に可能な限りなるべく早く選挙の期日を定めるようなふうに扱われておるのではないか。また実情からいたしますると、そういう趣旨ではございまするけれども、名簿の調整でありまするとか、そのほかいろいろな都合上、現実の問題といたしましては、五十日に近い時期が選ばれておる例が非常に多いように承知いたしておりますが、岐阜県の場合におきましては、そうした以外に年末年始に選挙運動の期間が高潮に達する。そういう際ですと、いろいろ戸別訪問でありますとかいうような問題で、非常に選挙民として迷惑する場合もありましようし、それからまた立会演説会の開催でありますとか、いろいろ選挙公営の問題もございまして、そういう時期を避ける方が適当であろう。そうすれば先に延ばすということは、これは法律に五十日という拘束がございまして、適当でありませんので、その五十日のわくのうちでは年内に行うのが最も適当であろう、私どもとしてはそういう考えをもつて、岐阜県の方に、そうした回答をいたしたような次第でございます。
#15
○門司委員 私の質問とちよつと離れておるのですが、私はそういうことが、さつき申し上げましたように、現職の知事には非常に有利であるが、これと争う者には非常に不利益である。この選挙の不公平を一体どうお考えになつたかということであります。選挙には絶対不公平があつてはならないと思う。ただ事務的にというお話でありましたが、事務的に申しましても、補充名簿その他をこしらえるのには、相当時間がかかる。わずか一週間ぐらいの間にそういうことができるかどうかということです。私も市町村に長くおりましたので、そういう点をよく存じておりますが、実際上の問題として、そういうことはなかなか困難である。できれば事務当局は、すつかり準備を整えるためには、選挙を向うへ送りたいというのが実情であります。そういう意味からいつても、これは常識を欠いた選挙の行き方ではないか。かりに神奈川県の場合といたしましては、四日の日に成瀬村の村長の重田君がやめました。そうして六日の日に速急に村会を開いて、辞任を認めてもらつて、選挙は来月の二十五日に行うということにいたしまして、期限一ぱいであります。そういう点でお互いに準備のできる期間――お互いにいうことは事務当局も選挙を行う者も、両方の準備である。選挙に遺漏のないようにいろいろなうわさとかおかしなことのないようにすることが、私は選挙を行う者の正しい行き方ではないかと考えておる。それが年末、年始にかかるからということで行われることが、一体いいかどうかということである。私はこの点あまりにも選挙管理委員会が、言い過ぎかもしれませんが、一方の候補者にのみ便宜的に考えはしなかつたか。私はその間に何らのやましいことはないとは思うが、結果から見てただいま申し上げましたように、うわさでありますから正しいとは信じておりませんが、すでに知事は十六、十七日には選挙事務所をあらかじめ決定しておつたというようなうわさも聞いておりますが、片方ではそういう準備ができておる。片方では準備ができない。これはまつたく選挙に対する不公平であると思う。こういうことが一体選挙管理委員会として、正しいやり方であるとお考えになつていらつしやるかどうか。この点をもう少しはつきりしておいてもらいたい。
#16
○長政府委員 ただいまの御指摘の点でありますが、それだけの問題を考えますと、私ども何かかげにおもしろくないことがあるのだというような想像もできないことはないのであります。しかしながら私どもの方の委員会といたしまして、立法府は別でありますが、法を適用いたします場合に、選挙期日の決定ということは、地方選挙管理委員会が決定する。そこで地方の選挙管理委員会が、こういう理由でもつて、こういうときに決定したいと申して来ましたときに、法規上何か誤りがあつては非常に困ると思いますが、そうでないときに、ただいろいろの想像だけでもつてこれを変更するということは、むしろいかがかと思います。そういう気持をもちまして、今回の場合は地方の決定を、これならば適当であろう、こういうようにわれわれは信じて認めたわけであります。
#17
○門司委員 もとより地元の意見を尊重することは異論はないと思いますが、しかし地元がそういうことを一応問合せをした、一応意見を聞きたいという話をして来たということ自体は、やはり何らか示唆がさるべきではなかろうかと考えておる。その場合に先ほど申しましたように、地元のそういう疑いの起るような事件の起りやすい方法が、法的にさしつかえないからといつて、選挙管理委員会がそのままでよかろうというような指図があつたことについては、これは選挙管理委員会としては、実はいかがかと考えておるのであります。地元におきましては、いろいろの問題があるかもしれません。しかし全国選挙管理委員会というような嚴正な側にある立場から、これを御判断を願つて、そうしてこれに指図されることが地元の変なうわさも打消すことができるのであつて、選挙が正しく公平に行われるゆえんだと考えております。私はさつき申しましたように、繰返して申し上げませんが、この選挙の期日の告示というものから来る選挙自体への影響というものが、特定の候補者に非常に有利であつて、その他の候補者は非常に不利益だというのは、まずこの選挙を通じて第一段階に考えられる。公平でなかつた、また公平であり得なかつたと思う。そして五十日と定められておりますが、五十日の範囲でやればいいということであつて、さつき成瀬村の場合を言いましたが、成瀬村にいたしましても、わざわざこのことにために村会を早く開いて、そうして辞職して、それから五十日になります来月の二十五日に選挙を行う。十二月四日に提出いたしておりますので、一月二十五日に、五十日になりますから、五十日目に選挙を行うというような段取りをいたしておるのであります。そういたしますと、告示が大体今月の末になるか、あるいは来年の一月二日ごろになるかということになつて参りますと、その間に各々の選挙の準備というものはでき上つて来る。これは役場の事務的な準備もできましようし、また選挙を行う者の準備もできる。そして初めて選挙というものは円満に行われるのである。岐阜県の場合は円満性を欠いておる。この点に関する御意見を――これは措置したとかしないとかいうことでなく、私は円満性を欠いておると思うが、一体選挙管理委員会は円満性を欠いていないというふうにお考えになるかどうか。
#18
○長政府委員 私どもがこの期日について相談を受けて、大体地方の選挙管理委員会の決定でよかろうということをきめます気持といいますか、その点はあなたの仰せになることと全然違つておりません。まつたく同じ気持を持つております。ただそれがたまたま結果において――この事実を私はほんとうにその通りであるかどうか存じませんが、とにかくそういううわさが生じたということは、非常に遺憾なことであります。結果においてそういうことが起つて来たということがありましたならば、非常に遺憾だと思います。しかし決定しますときの気持というものは、これはまつたくあなたのお話の通りの気持をもつて決定したわけであります。将来におきましても、そういう気持はかわらず、正しい気持をもつて公正にやつて行きたい。万一そういうような事態がほかに起るというようなことがあればむろん注意しなければならぬと思います。今回の決定についての気持というものは、まつたくあなたのおつしやるところと同じ気持を持つております。
#19
○大泉委員 ちよつと関連して……。ただいま門司さんから、きわめて関心の深い御意見が申されましたので、この際伺つておいた方がよかろうと思うのであります。候補者の地位によつてきわめて公正に行われるべき選挙が、不公正な立場に立つということは事実でありまして、門司さんのおつしやるようないわゆる公選による首長が、再び現職のまま立候補する場合には、私は不公正とは思わない。それは何ゆえであるかというと、その府県民の代表であり、また府県民と同体である立場にあるから、再びその位置というものが否認されるか、あるいは確認されるかという問題になるわけでありますけれども、いわゆる知事、市町村長の位置からむしろ離れて――離れておるのではない、その側近にある助役とか、あるいは副知事とか、府県においては部長級の者が立候補する場合において、きわめてこれは妥当性を欠いておる。むしろ府県民あるいはその住民と何らの代表的つながりもない者が、権力のみによつて接近しておる場合には制約しなければいけないのじやないかと考えておつたのでありますが、たまたまその意見が出ましたから、こういう特権的な立場にある公職者に対しては、制約する考えがあるかどうか。またただいま問題になつておる首長の選挙に対しては、再三問題にされておる下部組織の市町村長というような、きわめて密接なつながりがある者を、自分のかつてに選挙運動の前哨戰として駆使されるおそれがある。いわゆる選挙運動に対しては一定の方式によつて一定の制限がありますけれども、とにかく結果において選挙運動となりやすいものに対しては、制約するお考えがあるかどうか。この二つをお伺いしたい。
#20
○長政府委員 ただいままでの公職選挙法におきましては、現職のまま選挙運動ができるということになつております。これは国会議員についてもそうでありますし、なお地方議会の議員及び長の選挙の場合においても、同一の規定ができております。これはその当時の事情をいろいろ研究の結果できたのであります。そのために多少立候補の場合の選挙の公平を欠くというようなことがないとも、言えないのではないかという心配もあるわけであります。この点はもう少し公職選挙法を根本的に研究してみる必要があるのではないか、こういうふうに考えております。
#21
○門司委員 最後に聞いておきたいと思いますが、選挙管理委員会の今までの御意見を伺つておりますと、今度の告示については、必ずしも私は万全ではなかつたというような感じを、実は受けるわけであります。それは法的には何らのさしつかえはないというような御解釈ではありますが、私どもの申し上げておりますのは、実際において選挙の不公平がここに出て来るということ、これは否定することはできない事実だと私は考えるのでありますが、従つて岐阜県の今回の選挙につきましては、そういう点で遺憾な点はなかつたか、あつたかということであります。岐阜県の選挙は、御存じのように現職の知事が出ておりますので、もう少し言葉を平たく申し上げますならば、自分の最も都合のいいときに選挙を行う、そうしてその意味は、逆に申しますと、他の候補者に対しましては、最も不利益な時期だということになるのであります。そういう時期にこういう選挙が行われておる。そのおもなものは、たとえば告示の時期、選挙期日の問題であります。これは私は非常に問題だと思います。たとい十三日でありましても、選挙期日の十三日というのはかなり大きな問題でありまして、事務的にも実際的にもこれはかなり遺憾な点があつたと私は考えておりますが、この点に関する委員会の意思表示を、これは非常にむずかしいと思いますが、この際一応お聞かせを願いたいと思います。
#22
○長政府委員 今回の岐阜県の問題を具体的にどうこうということは、まだ材料を私は持つておりません。ただあの場合ちよつと聞きましたところでは、電話か何かで事務的に打合せを聞いて来て、非公式に内部的に答えたという程度でありまして、文書でもつてそれが正しいというようなことを言つたところまでは、行つていなかつたのであります。従つて今あの岐阜県の場合がはたして非常に間違つておつたのであるかどうかということを、私がここで断言することはちよつといかがかと思います。法的には私は先ほど来申し上げたように、事務当局がそういう結果によつて、将来の問題として、あるいは候補者にまで考えるべき問題であるかどうかということは、これは委員会としては十分考えなければならぬ、こういうふうに考えております。
#23
○門司委員 私の質問が悪かつたのか、はつきりいたさなかつたと思いますから、もう少し碎いて、はつきり申し上げておきますが、岐阜県の今度の選挙は、辞任を表明してから選挙の告示の間が、非常に短かかつたということです。これは一体妥当性が十分に認められるかどうか、私どもから言いますと、さつき申しましたように、実際の選挙については、非常に不公平のように考えておりますが、選挙管理委員会は不公平ではない、これでいいのだというようにお考えになつておるかどうか。
#24
○長政府委員 告示の期間が非常に短かいというようなことが、はたして妥当性を欠くかどうかということになりますと、これは一概には言えないと思います。ごく抽象的に考えまして、非常に短かいというようなときには、何らかの欠点があるのではないかということが、まず一応疑われるところではないか、従つてこれは適当な時期を選ぶべきではないかということは、私も十分に認めます。
#25
○門司委員 それ以上お聞きしてもと思いますが、選挙の期日というものが、告示が非常に短かかつたということは、ある意味では一方に非常に有利であつて、一方に不利である。しかもそれが全然現職でない知事が立候補しておるのなら、これは公平ということがある意味では言えるかもしれない。しかし一方は自分のことでありますから、十分承知しておつて、すつかり用意もしておいて、そうしてわずか六日間で選挙の告示がされた、こういうことになると、これはまつたく作為的に、悪く気をまわしますと、あるいは当該選挙管理委員会と打合せて、こんなことをやつたのではないかというようなことまで、われわれは疑わざるを得ないような気もするのであります。従つてこういう行き方は、ぜひ避けなければならないことではないか、少くとも公明正大に行わなければならない選挙に、一抹の暗影があるということは、私は候補者自身にとつても非常に不幸だと思うのであります。もしそれを承知して現職の知事がおやりになつたとすると、それは非常に不道徳であつて、法律的にさしつかえがなかつたところで、道徳的にはきわめて擯斥すべきものではないかと考えます。実はこの点は私の一応の意見として、さらに答弁をあなたの方に要求することについては、あるいはむりかと思いますので、もしそういう点について御答弁が得られますならば、御答弁を願いたいと思います。
 それからもう一つこの場合に申し上げておきますが、実は岐阜県のそうした事情を十分知りたいということで、岐阜県の関係者の諸君に、この委員会に御出席願うように、委員長におとりはからいを願つたのでありますが、先ほど電報で選挙が忙しくて出て来られないという返事があつたという情報は聞いておりますが、一応委員会で正式に取上げたことでありますから、これもやはり速記録に残しておく必要があると思いますので、委員長からその旨を一応御報告願つていただければ幸いだと思います。
#26
○前尾委員長 昨日決定いたしました岐阜県の選挙管理委員長と、地方課長の両方に来てもらいたいということで、関係者に出頭するようにという電報を打つたのですが、本日選挙事務多忙のため出席できかねるから、御了承を請うという岐阜県知事代理よりの電報が入つておりますから、どうぞその点御了承願います。
 それでは暫時休憩いたします。
    午後零時五十八分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕

ソース: 国立国会図書館
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