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1998/12/07 第144回国会 参議院 参議院会議録情報 第144回国会 国民生活・経済に関する調査会 第1号
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1998/12/07 第144回国会 参議院

参議院会議録情報 第144回国会 国民生活・経済に関する調査会 第1号

#1
第144回国会 国民生活・経済に関する調査会 第1号
平成十年十二月七日(月曜日)
   午後二時二分開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    会 長         久保  亘君
    理 事         長峯  基君
    理 事         成瀬 守重君
    理 事         輿石  東君
    理 事         山本  保君
    理 事         畑野 君枝君
    理 事        日下部禧代子君
    理 事         阿曽田 清君
                石川  弘君
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                国井 正幸君
                斉藤 滋宣君
                田中 直紀君
                中原  爽君
                日出 英輔君
                松村 龍二君
                平田 健二君
                堀  利和君
                円 より子君
                藁科 滿治君
                沢 たまき君
                松 あきら君
                西山登紀子君
                清水 澄子君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     石川  弘君     松岡滿壽男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    会 長         久保  亘君
    理 事
                長峯  基君
                成瀬 守重君
                輿石  東君
                山本  保君
                畑野 君枝君
               日下部禧代子君
                阿曽田 清君
                松岡滿壽男君
    委 員
                金田 勝年君
                岸  宏一君
                斉藤 滋宣君
                田中 直紀君
                中原  爽君
                日出 英輔君
                松村 龍二君
                平田 健二君
                堀  利和君
                円 より子君
                藁科 滿治君
                沢 たまき君
                松 あきら君
                西山登紀子君
   政府委員
       経済企画庁国民
       生活局長     金子 孝文君
       経済企画庁総合
       計画局長     中名生 隆君
       厚生大臣官房総
       務審議官     真野  章君
       厚生省児童家庭
       局長       横田 吉男君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        村岡 輝三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事選任の件
○国民生活・経済に関する調査
 (次世代の育成と生涯能力発揮社会の形成に関
 する件のうち少子化の要因と対応について)
    ―――――――――――――
#2
○会長(久保亘君) ただいまから国民生活・経済に関する調査会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月二十七日、石川弘君が委員を辞任され、その補欠として松岡滿壽男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○会長(久保亘君) 次に、理事の選任についてお諮りいたします。
 今期国会における理事の数が七名から八名にふえておりますので、その一名の理事の選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(久保亘君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に松岡滿壽男君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○会長(久保亘君) 国民生活・経済に関する調査を議題とし、次世代の育成と生涯能力発揮社会の形成に関する件のうち、少子化の要因と対応について調査を行います。
 本日の議事の進め方につきましては、経済企画庁及び厚生省からそれぞれ三十分程度説明を聴取した後、九十分程度各委員から質疑を行っていただくことといたします。
 質疑につきましては、あらかじめ質疑者を定めず、委員には懇談会形式で自由に御質疑をいただきたいと存じます。質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って質疑を行うようお願いいたします。
 また、時間に制約がございますので、質疑の内容は各省庁からの説明に関連するものとし、簡潔に行っていただくようよろしくお願いいたします。
 なお、各省庁からの説明、各委員からの質疑及びこれに対する答弁とも着席のままで結構でございます。
 それでは、まず少子化が経済社会に与える影響及びその対応のあり方について、経済企画庁から説明を聴取いたします。経済企画庁総合計画局長中名生隆君。
#6
○政府委員(中名生隆君) 経済企画庁の総合計画局長の中名生でございます。会長のお許しがございましたので、座って御説明をさせていただきます。
 お手元に配付してございます資料のうちで、右肩に資料1と書いてございます「少子化の経済社会への影響について」というペーパーがございますが、これに沿って御説明を申し上げたいと存じます。
 申し上げるまでもなく、少子化というのは高齢化と相まって経済社会の多方面に影響を与えるということでございますが、このペーパーではその中で三つの点について述べてございます。
 一つは、少子化、それに伴います労働力人口の減少というのが経済成長にどういう影響を与えるかという問題でございます。それから第二点は、社会保障、なかんずく公的年金に与える影響ということでございます。それから第三番目は、少子化それから人口の減少ということになりますと、住宅でありますとか土地でありますとか、そういうスペースについての負荷が減ってくる。そういう三つの点に絞って御説明をさせていただきます。
 また、ここで書いてございますのは、表題の下にございますように、経済審議会、経済企画庁が事務局をいたしておりますが、この経済審議会の中の展望部会というところでことしの六月に報告書をまとめていただきましたが、その中で出ました点を踏まえて書いてございます。
 それでは、内容に入らせていただきます。
 第一に、一ページにございますように、少子化が経済成長にどういう影響を与えるかという点でございます。
 生まれてくる子供の数が少なくなるということになりますと、労働力人口というのもそれにつれて減少してくるということになります。私どもの方で厚生省の人口問題研究所の将来推計をもとに労働力人口がどういう姿になるかというのを推計いたしましたものを二ページのところにグラフの形でお示しをしてございますが、「労働力供給の将来推計」ということで書いてあるところでございます。
 これでごらんをいただきますと、一九九七年の段階では労働力人口というのはグラフの上に書いてございますように、六千七百八十七万人ということでございますが、これが二〇〇五年にピークを迎えるということで六千八百九十四万人ということになりますが、その後は減少に転じまして、二〇一〇年という時点をとりますと六千七百七十一万人ということで、現在とほとんど変わらないところに労働力人口は減少に転じてくる、こういう形でございます。
 それで、労働力人口が減ってまいりますと、当然経済成長を制約する要因になってくるということでございます。こういう問題に対処しますためには、女性の方に働いていただく機会をふやす、あるいは高齢者の方に働いていただく機会をふやす、働きやすい環境整備をするということが重要になってまいります。さらにまた、働いている方々ができるだけ生産の拡大につながるように有効に働いていただけるようにする、あるいは技術革新の成果を利用いたしまして労働節約的な技術を経済の中に組み込んでいく、こういうことが必要になってまいります。
 特に、女性や高齢者の方が働きやすい環境をつくっていくという問題につきましては、後ほど国民生活局長の方から詳しく御説明を申し上げます。
 それで、このペーパーの中では、そういうふうに労働力人口の伸びが鈍化し、さらに減少に転じるという状況を踏まえて、今後の経済成長率というのは、一つの試算でございますけれども、計算をするとどういう姿になるかということを描いております。それが三ページのところに図表2、図表3ということで載せてあるものでございます。
 これはあくまで一つの試算でございますが、特に下の方のグラフでごらんいただくと視覚的にわかりやすいかと存じます。一番左の方から、一九四七年から七四年ということでほぼ第一次オイルショックのころまでのいわば高度成長の時代、それからその次が一九八〇年代、それから九一年から二〇〇〇年、それから先の試算ということで、ケースTという方をごらんいただきたいんですけれども、二〇〇〇年代の二〇〇一年から二〇一〇年の試算、こういう形になってございます。
 これでごらんいただきますと、一番左の方の高い成長を遂げた時代というのは、この期間全体の平均の成長率というのが上に数字を示してございますように年々八・六%の経済成長を遂げたということでございまして、ここを三つの色に分けてございますけれども、一番下の横にしまのかいてありますのは生産設備等の資本がふえてそれが成長を押し上げた部分ということでございます。それから、真ん中の黒くつぶしてございます部分が労働力がふえてそれが成長に寄与した部分ということでございます。それから、一番上の白抜きになってございますのが経済の生産性が上がって成長を押し上げた部分、こういうことでございます。
 そういうことで、ごらんいただきますと、高度成長をした時期には全体で八・六%の年々の経済成長を遂げておりますけれども、その中で設備の拡充あるいは技術進歩というのは大きかったわけでありますけれども、同時に労働力人口の増加というのが年々一・三%経済を拡大させる効果があった、こういうことでございます。これが右の方をごらんいただきますと、八〇年代になりますと労働力人口の寄与というのが〇・七%と小さくなってくる、こういうことでございます。
 将来はどういう姿が考えられるかということで、右から二つ目のケースTというところでございますが、これでごらんいただきますと、冒頭申し上げましたように、労働力人口というのは若干ふえて二〇〇五年にピークになりその後は減少に転じるということですから、この二〇〇一年から二〇一〇年という期間をとりますと、労働力人口というのはほぼ横ばいということになりまして、労働力人口の増加が成長を押し上げるという要因はなくなるという形でございます。
 それから、このグラフでごらんいただきますと、生産設備がふえて成長を押し上げる分が一%弱、〇・九%、それから生産性の伸びが年々一%ということでございます。
 御参考までに申し上げますと、九〇年代に入って経済が停滞をいたしましたので、九〇年代、これまでの実績は生産性の伸びが〇・五%ぐらいでございます。
 それから、もう一つ御参考に申し上げますと、現在のアメリカというのは大体生産性の伸びが年々一%ぐらい、したがってこの二〇〇一年から二〇一〇年の姿というのは、現在のアメリカぐらいの生産性の伸びというのを想定して考えると年々の平均成長率が二%ぐらい、こういう姿が描ける、こういうことでございます。
 さらに、ここのグラフの中ではお示ししてございませんけれども、今の人口推計をもとに考えますと、二〇一〇年から先の時期になりますとさらに人口の減少、それにつれての労働力人口の減少という姿がはっきりしてくるということになりますので、そういうときには人口面からの経済成長への制約要因が大きくなってくるということが考えられます。
 そういう状況で考えますと、これまで我々は経済成長率ということで国内総生産、GDPの伸びというのを中心的に議論をしてまいりましたけれども、国民の生活の豊かさという意味では、一人一人のGDPといいますか、人口あたりのGDPという方がこれから先を考えるときには重要性を持ってくるというふうに考えております。
 なお、アメリカの場合は現在でも人口の伸びというのは年々一%ぐらいでございますから、そこのところでも差が出てくるという要素がございます。
 それから次に、一ページにお戻りをいただきまして、(4)、(5)で書いてございますのは、今全体の経済の成長率ということを申し上げましたけれども、同時に経済の中身というのも、少子化、それから少子化につれて相対的に高齢者の比率が高まってくるという経済社会を考えますと、産業の構造、それからそれにつれて就業の構造というものも変わってくるだろうということを言っております。これまでは子供向けの市場でありますとか若者向けの市場というのが大きなウエートを持っておりましたけれども、だんだん子供の数、若者の数が減ってまいりますと、かわって例えば医療でありますとか福祉でありますとか文化でありますとか、そういう年齢の高い層に向けての需要というのが大きくなってくる、それにつれて就業者の構造の面でもそういう需要を満たすための人々のウエートが大きくなるということを言ってございます。
 次に、少し飛ばしていただきましてこの資料の六ページでございます。六ページのところで、少子化が経済社会に与える影響の第二点ということで社会保障の問題というのを取り上げてございます。
 社会保障、特に公的な年金の問題につきましては現在国民の間で非常に不安が大きくなっております。だんだんだんだん年金制度を支える若い人たちの数が減ってくる、相対的に高齢者の数がふえてくる、年金を受給する人の数がふえてくる、こういうことになりますと今の制度がこのままではもたないんではないか、将来的には自分が払っただけの年金の受給というのはできないんではないかという不安が出てきております。これが、足元の消費の動向という意味でも、財布のひもがかたいといいますか、なかなか消費に回らないという状況が出てきております。
 この六ページのところで書いておりますのは、こういう少子化の状況というのを踏まえましても、適切な対応をすることによって、今のままということではございません、適切な対応をすることによって公的年金の確保というのは可能ではないかということを仮定計算を使ってお示ししてございます。六ページの(2)のところに仮定を書いております。
 これはことしの六月時点での仮定計算ということで、その後、厚生省、厚生省の審議会、あるいは党でいろいろと御議論がまた進んでおりますが、これは少し古い時点で一定の仮定を置いて計算をしておりますけれども、一つは老齢厚生年金報酬比例部分の支給開始年齢というのを定額部分と同様に段階的に六十五歳まで引き上げる、それから現役世代に対する年金の受給の比率というのも一〇%程度下げる、こういう措置をとった場合にどういう姿になるかというのを計算いたしております。計算をした結果は次の七ページの下の方の図表7というところでお示しをしてございます。
 左から二つ目のところに国民負担率、それからその右側の方に社会保障負担率というのが書いてございますが、これ三つずつグラフが並んでいますけれども、一番左側は現在の数字でありまして、それから一番右側の方の黒い棒というのが制度改革を行わずに行った場合には、大変将来でありますけれども、二〇二五年にどういう姿になるかということでございます。それで、真ん中の白抜きで書いてございますのが先ほど申し上げましたような一定の仮定を置いた場合にどういう姿になるかということでございます。
 これでごらんをいただきますと、一定の改革を行いますと、国民負担率の場合でも、改革をしない場合には五〇%台の半ば、五〇%をかなり超える形になりますけれども、これが四〇%台の半ばということでおさまる。それから、社会保障負担率につきましても、改革を行わない場合には二〇%を超えるという姿になりますが、これが一五、六%ということでおさまるというような形をお示ししてございます。
 それからもう一つは、こういう改革を行った場合に現に支給される年金の給付額というのが減ってしまうんではないか、こういう御心配があるわけでございますけれども、八ページのところに非常に簡単なグラフを書いてございますけれども、年金の場合には既に受給権が発生した人の年金額が引き下げられるということはございませんし、制度の成熟化、それから物価の上昇、それからこれは制度の組み方によるわけでございますが、賃金の上昇などがあれば将来の絶対額が減るという姿ではないということをお示ししてあるということでございます。
 それから、時間の関係で飛ばして最後に九ページのところでございますが、少子化が経済社会に与える影響の第三点ということで、土地でありますとか住宅、社会資本、環境、そういうものに対する人口面からの負荷というのは、人口が急増しているときには年々大きくなるわけでありますけれども、これから少子化によって人口の伸びが鈍化をする、さらに先には人口が少しずつ減少に向かう、こういうことになりますと逆にある意味ではプラスの面といいますか、土地や環境、そういうものに対する負荷というのは軽減をされてくる、こういう姿になるということでございます。
 例えば、土地の問題を考えてみますと、バブルが崩壊した後、いわゆる土地神話というのが崩壊をしたということになっております。土地というのは従来は持っていれば必ず値上がりをするということで、いわば資産動機、値上がりを期待するということで土地の需要が強かったわけでありますけれども、そういう要因が剥落をしてまいりまして、これからは土地を一番有効に使うという資源としての土地の使い方というのが表に出てくる形になってまいります。
 私ども、ことしの前半に、前の大臣であります尾身大臣の研究会ということで、スペース倍増計画というものをつくりまして、ことしの五月に発表いたしましたが、その後、小渕総理が生活空間倍増戦略プランというのを策定するということで、今度の経済対策の中にもそれが盛り込まれております。そういう居住空間あるいは働く空間、それからゆとりを持った空間、そういうものをふやしていくというのもこういう土地に対する負荷が変わってくるという状況のもとで初めて可能になってくるというふうに考えております。
 それから、住宅のあり方というのも、人口の伸びが鈍化し減少するという形になってまいりますとかなり変わってくるのではないかということが考えられます。これまでは土地と同じように家につきましても資産動機といいますか、先に持ち家を持った方が有利であるということで、持ち家の志向というのが我が国の場合強かったわけでありますけれども、そういう状況が変わってまいりますと持ち家とそれから借家というのはバランスを持って活用をされる、こういう形になってくるというふうに考えられます。
 それから、日本の場合には新築の住宅というのが圧倒的に大きいわけでございますけれども、アメリカなんかの場合を見ますと新築よりも中古住宅市場というのが大きい、こういう姿になっております。これから日本の場合でもこういう人口の動向というものが影響いたしまして、借家を組み合わせて中古住宅を活用する、それによってライフステージに応じた住みかえをする、そういう姿が展望し得るのではないかというふうに考えております。
 それから三番目には、社会資本の問題につきましても、人口が急増する場合というのは小学校が足りない、いろんな社会施設が足りないという状況がありますけれども、現在既に例えば小学校なんかは地域によってはかなり施設が余ってくるという状況が出ておりまして、そういうものを市民に開放していく、あるいは高齢者用の施設に変えていく、そういうことも重要になってくるのではないかというふうに考えております。
 そういう意味では、少子化ということ、それからそれにつれて社会全体の人口が先になりますと減ってくるということは大変人々の気持ちに将来に対する不安というのを与えますけれども、制度を適切に組んでいくということによってそれに対する対応が可能ではないか。よくエージフリーということを言われますけれども、日本の場合には、何歳から何歳までは学校に行っている、それから何歳までは職場生活ということで、年齢別の役割分担が非常に強い社会かと思いますけれども、そういうのをもう少し流動化していくということによって対処が可能であるというふうに考えております。
 以上でございます。
#7
○会長(久保亘君) 以上で総合計画局長の説明を終わります。
 次に、経済企画庁国民生活局長の説明をお願いいたします。金子孝文君。
#8
○政府委員(金子孝文君) 生活局長です。よろしくお願いします。
 それでは、お手元の資料2を見ていただきたいと思います。このタイトル「少子化の要因と問題点について」ということでまとめておりますけれども、私どもは毎年国民生活白書というものを出しております。昨年の場合には「働く女性―新しい社会システムを求めて」、ことしの場合、これはつい先日出たわけですけれども、「「中年」―その不安と希望」というタイトルで、二つの白書を去年、ことし出しておりますので、そこの中で分析したことで「少子化の要因と問題点について」ということに関連があるものをまとめてみました。
 まず、「少子化の要因」ですけれども、まず子供を持つ持たない、これは基本的には個人の自由であろうということだと思います。ただ、子供をもっと持ちたいという人々にとってもいろんな制約があるということが問題であって、それが少子化を生んでいるとするならば、その要因はしっかりとらえていかなければいけないのではないかと思われます。
 ページ二に第1図というものがありますのでごらんいただきたいと思います。ここに「理想の数だけお子さんを持たないだろうと思われる理由はなんですか」というものを三つ選んでくださいということに対する答えが載っております。この絵の見方ですけれども、黒く塗りつぶしてあるものはお子さんがいらっしゃって働いている女性、白抜きはお子さんがいらっしゃらないで働いている女性、それから斜めに線が入っているのがお子さんがいて働いていない女性ということであります。
 それを見ますと、まず左から二番目、仕事との両立は困難だという要因がありますけれども、これは当然のことながらお子さんがいらっしゃって働いている方にとっての、本当は子供を持ちたいのだがなかなか持てないという大きな要因になっているということであります。
 それから、その右側、住宅の問題ということで、これは特に働いていらっしゃらないでお子さんがいらっしゃる家庭のあたりが非常に大きくなっている、あるいはお子さんがいらっしゃらなくて働いている女性、その辺が非常に高い理由になっているのかなと。
 あとは、精神的負担、収入が少ないというのはなかなか対応できないわけですけれども、その真ん中に教育費が高いということ、これについては先ほどの三分類のすべての女性が子供を持つための制約要因になっているという答えをしているわけであります。
 したがいまして、一ページにまとめてありますけれども、制約としてはやはり子育ての費用、あるいは学校等の教育費がかかる、住宅の事情が悪い、それから仕事、出産・育児の両立が難しいということが少子化の要因になっているということでありまして、これらの制約を除去していくことが課題であるということだと思います。
 次の三ページを見ていただきたいと思いますけれども、「少子化のマクロ経済等への影響と対応」ということです。それで、四ページに「第2図 減少に転ずる生産年齢人口」というのがございます。これは先ほど計画局長もこういうふうなことについて御説明したわけですけれども、生産年齢人口、これは十五歳から六十四歳までのグループでありますけれども、このグループの年齢は一九九五年をピーク、これが八千七百十七万人ですけれども、そこをピークに既に減少をし始めているわけでありまして、この後どんどん減少していくということであります。
 それで、こういう形で生産年齢人口、そういう人々がすべて働くわけじゃありませんから、生産年齢に対して働く人口をふやしていくということで労働力人口はある程度ふやすことができるわけですけれども、しかしそれもある程度限界がありますから、当然人口が減って生産年齢人口が減っていくということは経済成長率を低下させる可能性があるということであります。
 そういうことから一体どういう対応をしなければいけないのかということですけれども、そのためには、現在政府が進めているわけでありますけれども、規制緩和を中心とする構造改革、それを積極的に進めることによって経済の活性化を図る。その活性化の基本というのは、やはり労働生産性をそれによって上げていくということだと思います。ここには書いてございませんけれども、それから人間の質を高めていくということで、今後教育の問題というのがさらに一層重要になってくるのではないかと思われます。
 それから、先ほど申しましたけれども、生産年齢人口が減るわけですけれども、そのときに労働の参加率を高めていくということが重要なわけであります。その第一は、やはり高齢者、高齢者はまだ働く意欲のある方々が非常に多いという統計が出ています。それについては四ページの第3図を見ていただきたいと思います。
 ここで高齢者の就業継続意欲についての国際比較をしております。これはどういうことかといいますと、六十から六十九歳の就業者で、今後も収入の伴う仕事をしたいと考えている人の割合であります。これを見ますと、日本は男性も女性もほぼ九二%ということでありまして、アメリカよりもやや高く、韓国あるいはドイツなどに比べると非常に高い就業継続意欲がこれから見てとれると思います。
 そういうことで、こういう働く意欲のある高齢者、こういう方々が働ける環境を整備することによって積極的に働いていただくということが今後の生産年齢人口の減少に対する対応策の一つではないかということだと思います。そのためには、高年齢者の再就職のための情報提供、あるいは職業紹介機能の充実、さらには技術がどんどん変化していくわけですけれども、対応して職業訓練機会の充実、最近特に高年齢になってから自分で企業を起こすという例もかなりふえてきておりますので、そういう元気のある高齢者に対して積極的な支援を行っていくということだと思います。
 次が、女性の就業環境の問題になるわけですけれども、これについては五ページの第5図を見ていただきたいと思います。これを見ますと、よくM型カーブと言われるわけですけれども、女性は二十―二十四ぐらいのときには働くわけですけれども、次第に子供ができますと一時的にリタイアして、また上がっていく、こういうM型カーブになっているわけです。
 それで、その下に就業希望率というのがありまして、その就業希望率を見ますとM型と反対の方に山型になっているということで、この三十―三十四歳、ここが一番へこんでいる層なんですが、子育てなんかの条件もあるわけですけれども、この層でも条件さえ合えば就業したいという人がかなり多いということが見てとれると思います。
 したがって、この就業希望率と就業率を足し上げたカーブを見ますと、俗に言われるM型はほぼ消え去って諸外国と同じようなカーブになるということであります。したがって、こういう形で就業希望者の就業を助けるような、そういう仕組みを導入していくことが必要なんじゃないかということです。
 六ページに「女性の就業環境と少子化」というのがありますけれども、これは女性が一たん就業中断、再就職をするとどのくらい金銭的損失があるのかということを示しているわけであります。
 これは、実線はそのままずっと就業を継続した場合ということで、その場合には平均的には二億三千六百万円ぐらいの生涯賃金が得られるということですけれども、このBの地点、ここで一たん育児による就業中断が起こるということを想定します。そうなりますと、また賃金が下がりますから、下がってまた上がっていくということになります。そうしますと、この合計が一億七千三百万円ということで、その引き算として六千三百万円の生涯賃金を失ってしまう。これは全体の二七%ということになっております。この場合、例えば年功賃金体系、これがもっと弱くなれば当然のことながら就業中断による金銭的損失はもう少し小さくなるということであります。
 そういうような形で、やはり就業中断することは働く女性にとっても相当な損失になっているということであります。
 次の七ページですけれども、やはり就業を可能にするためには子育て、そのためには保育所の充実というのが非常に重要だということが言われているわけです。それでは一体保育所の定員と就業率がどういう関係にあるのかということを県別のデータで見てみたのが第7図であります。
 これは、二十五から二十九歳の女性に対して一体保育所の定員がどのくらいあるのかということを見ているわけです。神奈川、東京あたりはその数が非常に少ないということで就業率も低くなっておりますけれども、後ろの方の富山、福井、石川、長野とか、この辺にいきますと保育所の定員数も多いために就業率が高くなっているということで、保育所を充実すれば就業が高まるということになるわけです。ただ、そうすると、就業をどんどんしてしまうと子供を育てるということが難しくなる、つまり子供を産まなくなるのではないかというおそれがあるわけです。
 次のページを見ていただきますと、第8図は保育所の定員数、一人当たり定員数と出生率がどういう関係にあるのかということを示しています。
 これを見ますと、先ほど申しましたように、保育所を充実するということは、一つは出産をふやすという効果がありますけれども、保育所を整備すると就業を加速し、それが出産にマイナスになるだろうと。その一体どっちの効果が大きいのかということを試してみようというのがこのデータであります。
 それを見ますと、保育所の定員数が大きければ出生率が高いということがほぼ見てとれるのではないだろうかという結果になっていると思います。
 八ページの「(参考)」、これは私どもの経済研究所が今言った、つまり保育所を整備すると就業率が高まって出産が少なくなるのじゃないかということと、それから保育所を整備すると出産がふえるのじゃないかということをもう少しデータをしっかり使って計量経済学的に分析をしているわけですけれども、それを見ますと、保育所の在所率、これはゼロから五歳児が保育所にどのくらい入っているのかという比率ですけれども、これが今現在二割程度ですけれども、これが一割上昇するごとに合計特殊出生率が〇・一人前後高まるというシミュレーション結果がありますから、やはり保育所の充実ということは非常に出生率を高める、あるいは働きたい女性が働くという一石二鳥の効果があるのではないかと思われます。
 第9図、これは女性の労働力率と出生率の関係を国際比較したものであります。
 これを見ましても女性の労働力率が高いと出生率が高いという結果になっているわけであります。したがいまして、これらの国々においてはやはり女性がしっかり働けるような環境を整備するということ、それから女性が働けば、子供を持たない一つの要因として収入が少ないという問題があるわけですけれども、二人働けば収入もふえるわけですから、そういう面で国際的に見れば女性の労働力率と出生率の関係は正の関係にあるということが見てとれるのではないかと思います。
 最後の九ページですけれども、今私が申しましたようなことで、そういう形で両立を可能にすることは、今後の高齢社会に働く労働力の確保にもつながって、経済成長率もプラスに働くのではないかということです。
 そのためには、保育所、保育サービスの充実、それから出産・育児を機に退職しても過度に不利になることなく再就職ができるような労働市場を実現していく。企業としては、育児休業制度を充実する、あるいは職場優先の企業風土を見直していく。家庭においては、男性も家事、育児負担をしっかりやっていくということが必要なのではないかと思われます。
 以上です。
#9
○会長(久保亘君) 以上で経済企画庁からの説明は終わりました。
 次に、少子化の要因と社会的影響及び対応のあり方について、厚生省から説明を聴取いたします。最初に、厚生大臣官房総務審議官真野章君。
#10
○政府委員(真野章君) 厚生省の総務審議官でございます。着席して説明をさせていただきます。
 お手元に「「少子化と人口減少社会を考える」 人口問題審議会報告書のポイント」というパンフレットと、資料2といたしまして「平成十年版厚生白書「少子社会を考える」の概要」、資料3といたしまして「「少子化への対応を考える有識者会議」の開催等について」、それから資料4、資料5、それぞれ働き方分科会、家庭に夢を分科会の報告書の概要をお配りさせていただいております。
 これらの資料に沿いまして、私から少子化の要因と対応のあり方及び少子化への対応を考える有識者会議におきます検討状況につきまして御説明をいたしまして、その後、児童家庭局長より厚生省における対応としての保育等の子育て支援について御説明を申し上げたいというふうに思います。
 まず、資料1の「人口問題審議会報告書のポイント」の一ページをお開きをいただきたいと思います。これが平成九年十月に人口問題審議会が報告をいたしました報告書の全体像でございまして、政府の審議会としてはいわば初めて少子化という問題について取り組んだ報告書でございます。
 まず少子化の現状と将来の見通しをお示しいたしまして、その次に少子化が経済や社会に与える影響というものを整理いたしております。続いて少子化をもたらしている要因そしてその背景につきまして、社会慣行や個人の価値観にも関連する分野に踏み込みまして分析を行っております。そして、その上で少子化への影響にどのように対応すべきか、それから、さらに少子化をもたらしている要因やその背景自体につきましてもどう対応するかということにつきまして基本的な考え方をお示しいたしております。そして、この少子化の問題というのは、結局は国民の選択、国民的合意の問題であるということから、国民的な議論を希望するという内容になっております。
 次に、二ページ、三ページをお開きいただきますと、まず一年間に生まれてくる子供の数でございますが、二ページ左下のグラフにございますように、第二次ベビーブームと言われました昭和四十年代後半には二百万人前後子供が生まれておりましたが、最近は一年間の出生数は百二十万人を割り込んでいる。この二ページ下の資料の一番最後、平成八年は百二十一万人ということでございますが、平成七年なり平成九年には百十九万人ということで、百二十万人を割り込んでいる状況でございます。
 また、御案内のとおり、一人の女性が一生の間に産む子供の数の平均という合計特殊出生率も年々低下を続けておりまして、ここでは一・四三ということでございますが、この後の平成九年の数字は一・三九という状況でございます。
 こうした傾向の結果、出生率が現在と比べましてある程度回復したといたしましても、いわゆる人口を維持するのに必要な水準でございます二・〇八というところまで上昇するとはなかなか見込めないということでございまして、総人口は二〇〇七年、平成十九年を境に減少に転ずるというふうに予想をしておりまして、人口減少社会が現実のものになるという状況でございます。三ページ右下のグラフにございますように、我が国の総人口は、その結果二〇五〇年には約一億人、それから二一〇〇年には現在の人口の約半分程度にまで減少するという、現状が続けばそういう見込みをいたしております。
 それから、ちょっと飛んでいただきまして、十ページ、十一ページをお開きいただきますと、現在の少子化をもたらしている原因ということでございますが、これは未婚率の上昇が最も大きく寄与しているということでございます。
 十ページの左下グラフをごらんいただきますと、例えば女子の二十五歳から二十九歳の未婚率、薄いブルーの線ですけれども、昭和六十年には三〇%台、約三〇%でございましたが、平成七年には四八%の方が未婚だということで、いわばこの十年間で二割近く上昇している。後で御説明をいたしますように、我が国の場合、結婚いたしました夫婦の平均の子供の数というのは近年余り変化がございませんので、この未婚率の上昇が少子化の最も大きな要因というふうに考えられます。
 しかし、十一ページをごらんいただきまして、では結婚されていない未婚の男女の方々の結婚の意思という調査につきましては、未婚の方も約九割の方は結婚する意思があるということでございまして、結婚の意思があるにもかかわらず未婚の人が次第にふえているということでございまして、そこにはやはり何らかの原因があるのではないかというふうに考えられます。
 次に、十五ページをごらんいただきたいと思いますが、先ほど国民生活局長からも御説明ありましたが、上のグラフを見ていただきまして、夫婦が子供さんを持つという場合に、実際に持っている子供さんが赤の線でございまして、夫婦が理想としてぜひ持ちたいという子供の数というのが上のブルーの線でございます。理想の子供の数が二・六前後で、実際に持っている子供の数が二・二人前後ということで、理想とする子供を持たない夫婦が多いということが読み取れると思います。
 そして、二十二ページにございますように、個人が結婚したいのに結婚できない、子供を持ちたいのに持てない、こういう事態を生じさせております社会的な要素があるとすれば、その原因を取り除くことが必要なのではないか、個人が望む選択を可能とするための環境整備が必要ではないかというのがこの人口問題審議会報告書の基本的な考え方でございまして、その環境整備の中心といたしましては、二十四ページにございますように、何よりもまず男は仕事、女は家庭という男女の役割分業意識というもの、また職場優先の雇用慣行というものを変えていくことが必要ではないかという呼びかけを行っております。
 なお、二十二ページにお戻りをいただきまして、報告書のポイントの要点の下にございますように、妊娠、出産に関する個人の自己決定権を制約したり、子供を持つ意思のない方々、子供を産みたくても産めない方々を心理的に追い詰めるようなことがあってはならないということも重要な留意点としてこの報告書の中でもはっきり規定をいたしております。
 次に、資料2の平成十年の厚生白書の概要を御説明申し上げたいと思います。
 ことしの六月に出しました厚生白書は、先ほどの人口問題審議会の報告を踏まえまして、少子社会につきましてさらなる問題提起を試みたものでございまして、具体的には、そこにございます家族、地域、職場、学校という私たちの生活に深くかかわりますそれぞれの場を軸に、戦後、特にこの四半世紀の歩みと現状を分析いたしました。最近の新たな動き、変化、そういうものに基づきまして今後の新しい社会を展望したいという内容になっておりまして、国民的な議論のための素材を提供したいという問題提起型の白書ということで取りまとめを行っております。
 若干時間の関係もございますのではしょりさせていただきますが、まず近年の歩みの結果としての今日の現状ということで、一ページにそれぞれ家族、地域、職場、学校というところがございますが、職場のところをごらんいただきますと、職場優先、男性中心といった雇用慣行がございまして、さらには郊外化の進展など職住分離、遠距離通勤がふえてきたというようなこともありまして、男性雇用者の多くは家族や地域のために活動する時間もエネルギーも持てなくなっているのではないかという問題提起をいたしました。その結果として、地域のところにございますように、地域社会が厚みのないものになり、また家族の欄にありますように、子育てが母親の負担に集中している、そういう状況になっているのではないか。
 そういたしまして、この乳幼児期の子育てを何とか乗り切りましても、今度は右端の学校の欄にございますように、過度の受験競争によりまして親も子も心理的負担が大きいということになっているのではないかという問題提起でございまして、男性は仕事、女性は家事という意識、または家庭よりも職場を優先すべきという意識が強い、こういう状況が結婚や子育てについての魅力が減って、その負担感が増してきたというところに近年の少子化の根本原因があるのではないかという問題提起をいたしております。
 二ページをめくっていただきまして、しかし、最近ではそういう固定的な動きに対しまして変化の兆し、多様化、流動化の動きが出てきているのではないか。いわば、そういうそれぞれの分野につきましての変化を受けまして今後の望ましい方向というものを展望いたしておりまして、総括的に申し上げますと、男女がともに暮らしまして、子供を産み育てることに夢を持てる社会をつくる取り組みというものをこれから求めていかなければならないということを申し上げております。
 白書としては大変珍しい形ではございますが、いわば問題提起型の白書ということで報告をいたしております。
 続きまして、資料3でございますが、お手元にございます資料3の有識者会議の開催につきましてでございますが、趣旨といたしましては、そこにございますように、「少子化に対応するため、人と人の絆の大切さを再認識し、子どもを産み育てることに夢を持てる社会を実現する方策について、若い世代の人々の意見も踏まえ幅広い観点から検討する有識者会議を開催する。」ということで、この七月に総理大臣決裁ということで開催を決めております。これは、総理が主宰をいたしておるわけでございますが、やはりこの少子化の問題というのは国民の意識の問題でもあり、国民の選択の問題でもありますので、ぜひ幅広い観点からの議論をお願いしたいと、そういう国民的議論の発信源としての役割を果たすということを期待されております。
 有識者会議は、これまで職場の問題につきましては働き方分科会、それから家族、地域、学校の問題につきましては家庭に夢を分科会を中心に討議を行ってきておりまして、資料4、資料5にございますように、十月末におのおのの分科会報告書が作成されております。
 各分科会ともに、異例の構成でございますが、参加者の半数以上を公募の方にお願いいたしました。年齢は三十歳代、四十歳代中心という構成になっておりますし、またそれぞれの分科会は女性が男性を大幅に上回るという構成になっておりまして、若い世代の方々を中心として幅広い討議が行われてきております。
 この分科会の報告書は、有識者会議、親会議全体における議論の材料という位置づけでございまして、意見の集約ということではなくて、幅広い提言を掲げております。
 以下、資料4、働き方分科会の概要をごらんいただきたいと思いますが、この分科会では、なぜ少子化が問題かということで、そこにございますように三つの整理を行っておりまして、少子化が労働力減少や高齢者比率の上昇を通じまして社会経済に深刻な影響を及ぼすと、先ほど経済企画庁の方から御説明のあったとおりでございます。そして、さらにその問題は、現在生じております少子化は必ずしも人々が喜んで希望した結果ではなくて、子育てと両親の就労継続との両立の困難さ、そういう結婚や子供を持つことに伴うさまざまな制約によるものである、そういうところに問題があるんではないかということを指摘いたしまして、政府や社会全体の取り組みとしては、これらの制約要因を除去し、子供を産み育てる喜びや楽しさを多くの人が味わいやすい環境を整備することが必要だという提言を行っております。
 具体的には、一ページの下の方にございますように、「男女の性別役割分業を前提とした職場優先の企業風土の見直し」のところでは、特に日本的雇用慣行を支えている男女の固定的な役割分業の見直しが必要であるという問題でありますとか、二ページに参りまして、「職場における仕事と育児の両立支援への取組」では、仕事の合理化による就業時間の削減というような提言でありますとか、(3)の「出産・育児を機に退職しても過度に不利になることなく再就業できるような労働市場の実現」、先ほど国民生活局からお話がございましたが、そういう分野については中途採用の拡充、雇用の流動化への対応というような提言を行っております。
 また、「職場における取組を支える社会の仕組みづくり」としては、企業の育児支援の取り組み、また企業の取り組みを勧奨、評価監視する仕組みについての提言を行っております。
 それから、資料5、家庭に夢を分科会の報告でございますが、この報告書では、「現在の少子化傾向を緩和するためには、働き方や結婚後の生活・子育てについて、負担を軽減して夢多いものにしていくことが必要。」ということで、具体的には、男女の役割分業の見直し、それから一ページの下の方に参りまして子育てサークルへの活動場所の提供など、また二ページに参りまして都市部での低年齢児保育の拡大や延長保育の実現、それから奨学金の抜本的拡充というような、今御紹介いたしましたのが主な点でございますが、そういう報告をいたしております。
 この報告を受けまして、有識者会議では十一月九日に報告を聴取いたしまして議論を行っております。今後、年内にも有識者会議としての具体的提言を取りまとめる予定になっております。
 なお、最後になりましたが、先ほど来申し上げておりますように、この問題は国民的な議論をお願いする必要があるということで、私ども厚生省では、平成八年八月から厚生省のインターネット上のホームページに少子化につきましての国民の方々の意見を広く募集するコーナーを設けまして、電子メールによる意見を受け付けております。ことしの十一月末までの二年数カ月の間に延べ五百五十件の意見が寄せられております。
 その意見は、先ほどの人口問題審議会の報告書の中に代表的な部分を収録させていただいておりますし、また先ほど御説明をいたしましたパンフレット、また厚生白書にそれぞれはがきをとじ込んでおりまして、御意見があればぜひお寄せをいただきたいということでお願いをいたしておりますし、また先ほどの有識者会議に、分科会の方々、参加をお願いする場合に、二千字の論文を公募いたしまして、その中から分科会に参加する方々を決めさせていただきましたが、そういうものにつきましても有識者会議に要約をお示しいたしまして御議論をいたしております。
 私どもとしては、今後ともぜひそういう形で国民的な議論を広げてまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#11
○会長(久保亘君) 次に、厚生省児童家庭局長横田吉男君。
#12
○政府委員(横田吉男君) 児童家庭局長でございます。
 お手元に「子育て支援対策について」ということで資料をお配りしてございます。事前にお配りいたしました資料につきましては数字で一部訂正がございましたので、お手元の訂正済みの資料の方をごらんいただきたいと存じます。
 この資料におきましては、少子化への対応といたしまして、保育を中心とした子育て支援策ということでまとめております。
 一ページ目をごらんいただきたいと存じます。
 子育て支援対策といたしましては、平成六年十二月に、政府レベルといたしましてはここにございますような「今後の子育て支援のための施策の基本的方向」、いわゆるエンゼルプランというのを策定いたしておりまして、これは文部、厚生、労働、建設の四大臣合意により策定いたしたものでございますが、子供を持ちたい人が持てない状況を解消いたしまして、安心して子供を産み育てられる環境をつくるということで、今後の十年間における子育て支援のための基本的方向と重点施策をまとめたものでございます。
 そこにございますように、子育てと仕事の両立支援、家庭における子育ての支援、子育てのための住宅なり生活環境の整備、ゆとりある教育、子育て費用の軽減等の基本項目にわたりまして、それぞれ右にございますような重点施策を盛り込んでございます。
 2のところをごらんいただきたいと存じますが、厚生省といたしましては、これを受けまして同じく平成六年十二月に大蔵、自治、厚生三大臣の合意によりまして緊急保育対策等五カ年事業を策定いたしております。これは、平成七年度から平成十一年度までの五年間ということで目標を定めまして、当面緊急に整備すべき保育対策等をまとめたものでございます。
 次のページをごらんいただきたいと存じます。
 五カ年事業の内容でございますが、ここにございますように、例えば低年齢児、ゼロ歳児から二歳児の受け入れ枠の拡大ということで、目標値といたしまして六十万人という数値を挙げております。現在、十一年度要求を含めまして五十七万一千人という枠を予定いたしております。
 それから、三つ目の欄で延長保育の促進というのがございますが、これは通常の時間をさらに延長して保育を行うものでございますけれども、最終目標値七千ということでございます。来年度要求七千カ所を目指して要求いたしております。
 その他一時保育、地域子育て支援センター、放課後児童健全育成事業等につきまして、ここに掲げたような目標に沿って現在予算要求をしておるところでございます。
 達成状況につきましては、多機能保育所の整備あるいは延長保育、放課後児童健全育成事業については一〇〇%の予定でございますけれども、一時保育あるいは地域子育て支援センター、乳幼児健康支援一時預り事業等につきましては若干達成率が悪い状況になっております。
 三ページをごらんいただきたいと存じます。
 最近における保育需要の変化に対応いたしまして、昨年におきましては児童福祉法を五十年ぶりに改正いたしております。
 その内容でございますが、保育制度につきましては、従来、入所方式が行政庁の行政処分によるいわゆる措置入所方式という方法をとっていたわけでありますけれども、今回の制度改正によりまして、保育所に関する種々の情報を公開いたしまして、それに基づいて保護者が選択する利用契約方式にいたしております。
 そのほか放課後に保護者のいない小学校低学年、これは保育の対象ではないわけでありますけれども、学校が終わるのが早いということで、保護者が帰ってくるまでの時間遊び場を与えるというようなことで健全育成を図る場所としての放課後児童クラブというのがございますが、これを法定化いたした点であります。
 そのほかの児童対策といたしましては、(イ)のところにありますように、自立支援施策ということでは、従来、児童相談所というのが相談等の中心であったわけでありますけれども、より身近なところでの相談に応じるということで児童家庭支援センターの創設を決めております。
 それから、相談所そのものにつきましても、最近は非常に相談がふえているということで、その機能強化を図っております。
 その他従来の教護院、養護施設等の保護施設におきましても、通所機能を設けるとか自立支援機能を強化するという観点に立ちまして、名称も見直す等の改正を行っております。
 母子家庭対策につきましても、母子寮を母子生活支援施設等に改めております。
 四ページ以降をごらんいただきたいと存じます。
 現在の子育て支援対策の主要な課題でございますが、いろいろ五カ年事業等で進めておりますけれども、一つは、待機児童の解消というのがなかなか図れないということで、これをどうするかというのが大きな課題になっております。
 現在、保育所数は約二万二千カ所全国にございまして、このうち公立が約六割弱、民間が四割強ということでございますが、百六十九万人の児童が入所いたしております。全国的に見ますと、入所定員が百九十二万人ということでございますので、需要に比し供給の方が多いわけでありますけれども、大都市を中心といたしまして、特に低年齢児中心でございますが、待機児童がかなりいるという状況になっております。下の米印のところにございますように、ゼロ歳から二歳児の待機児童が全国で二・六万人ということでございます。東京・大阪近郊をとりましても一・五万人というような規模であります。
 この状況につきまして、ちょっと次の五ページをごらんいただきたいと存じますけれども、これは主要な都市部における待機児童数の状況を見たものでございますが、例えば東京・大阪近郊で見まして、右の計の欄をごらんいただきたいと存じますけれども、待機児童が二万一千八百八十五人ほどいるわけでありますけれども、これらの地域における定員から入所児童を引いたいわゆるあきの状況というのがそのAマイナスHという欄でございますけれども、五万八千八百人ということであきはかなりあるわけでありますけれども、現実にこういった待機児が生じているということであります。
 保育所の場合にはかなり地域ごとに見ていく必要があるわけでありまして、例えば下の欄をごらんいただきたいと存じますが、東京二十三区をごらんいただきますと、待機児童が四千六百人、これに対してあきが八千四百人ほどあります。横浜市をごらんいただきたいと思いますけれども、横浜市は待機児童が千八百四十五人、これに対しましてあきが九百六十八人ということで、明らかに保育所が足りないという状況であります。川崎市についても同様ということでございます。
 例えばこういった状況を考える場合に、大阪市をごらんいただきたいと存じますけれども、ここは待機児童が千人に対してあきが三千七百人ということでありますが、定員の欄をごらんいただきたいと思いますけれども、大阪市は三万五千人ほど定員枠がある、横浜市は全体でも二万一千人ということで、人口規模等から申しますと、大阪市が二百六十万人、横浜が三百三十五万人ということで多いわけでありますけれども、横浜の場合人口が多いにもかかわらず大阪よりもかなり定員の枠が少ない、明らかに保育所の数が不足しているという状況を示しております。川崎市におきましても一万人ということで、ここは人口が百二十万人ぐらいおりますが、例えば京都市は人口が百五十万人ぐらいでございますけれども、二万三千七百ほどの定員枠がございますので、半分ぐらいということで、やはり保育所の数が不足しているというような状況かと思います。
 こういったことで、待機児の解消につきましては地域ごとに見ていく必要があろうかと思っております。
 前のページをちょっとごらんいただきたいと存じますけれども、四ページに対策といたしまして簡単にまとめておりますが、私ども、こうした都市部における待機児の解消対策といたしまして、五カ年事業等におきましても低年齢児受け入れ枠の拡大というのに努めております。
 それからもう一つは、措置方式の場合には申し込みましてあきがありましてもなかなか措置していただけない、入れないという状況があったわけでありますけれども、法律を改正いたしまして、保護者の方が選択利用できる仕組みに変えたということであります。
 それから、従来、乳児保育等につきましては一定の設備も必要ということで、すべての保育所ということでなくて乳児の指定保育所ということで、ある限定した保育所で保育を行うということであったわけでありますけれども、今回すべての保育所で乳児の受け入れが可能なようにいたしまして、保母の配置基準も定めたということであります。
 それから、保育所によって人気のあるところもあるということでありまして、そういったところにつきましては入所定員を弾力化いたしまして、年度当初は一〇%、最大で二〇%まで定員を上回る入所を可能にしたということでございます。
 それから、大都市の場合には新しい保育所を整備するのがなかなか困難というような状況もございます。そういったことで、通例は三十人以上ということでございますが、それ以下でも保育所ができるような分園方式というものを導入したということであります。
 六ページをごらんいただきたいと存じます。
 近年、就業形態というのが非常に多様化しているということで、保育需要の方も多様化してきているわけでありますが、こういった状況に対応いたしましてさまざまな特別の保育事業を展開いたしております。
 六ページの表は九年度の実施状況を見たものでございますが、ここにありますように、例えば乳児指定保育所というのは従来八千五百九十カ所、それから次の欄が延長保育ということでございますけれども三千四百四十一カ所というようなことでございまして、全体の保育所が二万二千の中で、これらの特別な保育事業を実施しているところは、五カ年事業で推進しておりますけれども、まだ十分でないといった状況でございます。公立と民営の内訳もございますが、どちらかというと民間の方が実施率が高いということであります。
 私ども、こういったものをさらに一層推進するために、備考欄にございますように、乳児指定保育所等につきましては一般化を図っていく、あるいは延長保育事業につきましても保育所が独自に市町村の許可なしにできるようにしたということであります。
 それから、開所時間等につきましても、十一時間を原則といたしておりますが、七時から六時というような画一的な規制でございましたのを、保育所の自主的な判断によって、その地域の状況に応じて自由にできるようにしたというような対策をとっております。
 十一年度の予算要求におきましては、休日保育につきましても試行的に補助事業の対象にすることにいたしております。
 七ページをごらんいただきたいと存じます。
 保育の対象は、普通、就学前ということでございますが、小学校に上がりましても低学年の場合にはやはり親が帰ってくるまでの間非常に心配だという声が強うございまして、そういった小学校低学年の児童を対象にしました放課後児童クラブ、放課後児童健全育成事業というのを法定化し、助成等を行ってきております。
 現在、クラブ数で九千百四十三カ所、このうち補助対象になっているのが七千九百カ所ほどでございます。これは五カ年事業で九千カ所まで目標にいたしております。
 低学年が大体九割ぐらいを占めているということでございまして、実施場所等につきましても、学校の空き教室ですとか児童館、民間のアパートあるいは保育所、幼稚園と、さまざまな場所に分かれて行われております。
 次に、八ページをごらんいただきたいと存じます。
 もう一つ保育所に関連して課題になっておりますのが幼稚園との連携強化ということであります。保育所は、保護者が働いているということによりまして子供を保育する人がいないという場合にゼロ歳児から就学前まで保育を行う福祉施設でございますし、幼稚園の方は、三歳児以降就学前まで教育を行う教育施設ということで、似たような施設でありながら、基本的な性格を異にするということでこれまでそれぞれやってきたということでございます。
 この点につきましては、そこにございますように、平成八年の地方分権推進委員会勧告あるいは九年一月の教育改革プログラムにおきまして、地域におけるさまざまなニーズにこたえるために、実情に応じまして幼稚園と保育所の連携強化なり施設の総合化、共用化等を図る必要があるという御指摘をいただきまして、これを受けて文部省と厚生省で検討委員会をつくりました。これによりまして、本年三月に「幼稚園と保育所の施設の共用化等に関する指針」を策定したところでございます。
 これによりまして、本来の保育室、乳児室でございますとかそういった保育を実際に行う場所あるいは幼稚園児を教育する教室等を除きまして、運動場、事務室、トイレ等建物のほとんどの部分が共有化できるようになったということでございます。
 保母、教諭等の数につきましては、それぞれの基準に従った職員が必要ということでございます。
 今後、さらにこういった両方の保育所、幼稚園の内容、教育なり保育内容のあり方、あるいは幼稚園教諭と保母の養成、研修等のあり方につきまして両省で引き続き検討を進めているところでございます。
 九ページ以降は関連の資料を参考として掲げてございます。説明は省略させていただきたいと思います。
 以上でございます。
#13
○会長(久保亘君) 以上で経済企画庁及び厚生省からの説明聴取は終わりました。
 これより自由質疑に入ります。
 先ほども申し上げましたように、質疑時間は全体で九十分程度とさせていただきます。質疑を希望される方は、挙手の上、会長の指名を待って質疑を行うようお願いいたします。
 それでは、質疑のおありの方は挙手をお願いいたします。
#14
○輿石東君 ただいま経済企画庁並びに厚生省から人口問題審議会、有識者会議、厚生白書等の資料を中心に御説明をいただいたわけですけれども、この中で、少子化の影響、その要因と背景というようなことが共通して話されました。
 その中で、人口問題審議会のお話の中に、出産とか結婚というのは極めて個人的な問題ではあるけれども、子供は私的な存在であると同時に社会的な存在でもあるというようなとらえ方から、今回のこの提起はいろいろな弊害を除くために社会慣行みたいなものも改めていかなければならないというお話もありました。
 その中で、個人の価値観にまで踏み込んで審議会の考え方を提示してこれからの国民的議論の出発点としたい、こういうお話があったわけですけれども、結婚、出産はとりわけ個人の価値観にかかわる問題、この辺が大変問題点だし難しい問題だろう。その辺についてもうちょっと御説明をいただきたいと思うわけであります。
#15
○政府委員(真野章君) 先ほど個人の価値観ということを申し上げました。そしてまた、二十二ページにございましたように、子供をいわば産み育てるというのはまさに個人の生き方そのものだというところでございます。
 そして、価値観という部分は、先ほど来ちょっと御説明をいたしました男は仕事、女は家庭という非常に固定的な男女の役割分担でありますとか、それから終身雇用というように一度就職しますとそこで勤める、したがって途中で職場を離れるということが非常に将来的に不利になる、そういういわば決まり切ったといいますか、非常に固定的、画一的な社会慣行その他、そしてそれに影響されている価値観という部分をぜひもう少し自由にフリーな形に持っていただいて、それが実現できる仕組みを全体で考えていく必要があるということでございます。
 原則として、子供を産み育てるというのは個人のまさに自由な判断、選択によるんだと。そこの部分は、産めよふやせよということではないというのは人口問題審議会でも常に強調されましたし、今回の白書でももうその旨申し上げておりますし、また有識者会議でも何度か、決して戦前のようにそういう産めよふやせよということを政府なりそういうところがその場に介入するのではないということを繰り返し申し上げているわけであります。
#16
○日出英輔君 せっかくでございますから、厚生省の方に御質問させていただきます。
 このパンフレットの中の、例えば合計特殊出生率あるいは未婚率、これは都道府県別の数字があるのではないかと思うんですが、この合計特殊出生率なり未婚率を全国一本だけで議論をしておりますと、どこでもあるような、あるいはどこでもないような、そういう話になってしまいます。後で委員長、ぜひともこの合計特殊出生率と未婚率について、あれば都道府県別の数字について、手に入るようにお手配を願いたいと思います。
 県別にあるいは地域別に見た場合にどういう特徴があるのか、もし手持ちに資料がありましたら御説明をいただきたいと思います。
#17
○政府委員(真野章君) お答え申し上げます。
 合計特殊出生率につきましては、都道府県別のデータがございますので、また後ほど提出をさせていただきたいと思います。ただ、未婚率につきましては、今ちょっと聞きましたら都道府県別のデータというものは整理をしていないという状況でございます。
 せっかくの機会でございますので申し上げますと、現在、合計特殊出生率の一番高いところは沖縄県でございまして一・八一でございます。そして、二番目が島根県の一・六七、三番目が宮崎県の一・六六ということでございます。一番低いのは東京でございまして一・〇五、それから二番目に低いところが京都府の一・二六、三番目に低いのが北海道の一・二七、そういう状況でございます。
#18
○会長(久保亘君) ただいま日出委員から要請のありましたものについては、提出のできるものについてぜひ提出していただくように私の方からお願いしておきます。
#19
○日出英輔君 ありがとうございます。
#20
○日下部禧代子君 厚生省にお尋ねいたします。
 子育て支援対策についてのこちらの表からです。
 まず第一点、二ページに緊急保育対策等五カ年事業の状況という表がございます。ここで、目標値というのが、例えば低年齢児の受け入れ枠の拡大六十万人というふうに目標値が出されております。この目標値を達成するということは、いわゆるニーズのどの程度を満たすということになるのかという算定の基準でございます。
 それから二番目、六ページでございますけれども、保育所における多様な保育サービスの展開、その実施状況、平成九年度の表が出ておりますが、例えば乳児指定保育所、時間延長型保育サービス事業、一時的保育、これらはほとんど今保育を希望する母親の多くがこういった多様な保育サービスを望んでいるわけであります。
 ところが、これを拝見いたしますと、公営と民営と分けてございますけれども、例えば乳児指定保育所の場合でも民営の方が六〇・二%というふうにかなりこれは比率が高いわけですね。ということは、こういう多様な、つまり実際に母親が一番望んでいる多様な保育サービスということは民営に任せようというふうな方針なのでしょうか。この現状をどのように変えていこうとしているのか。これはもう民営でお任せしますというのなら、それでそれなりの厚生省の方針を示してください。
 それから三番目、無認可保育所の現状を把握していると思いますが、その現状を示してください。
 それから、次でございますが、これは三ページにございますけれども、児童福祉法の改正、これは平成十年四月から施行ということになりますけれども、この福祉法の改正によりまして、ここにございますように保護者が保育所を選択する利用契約方式が採択されたわけでございます。
 そのことによってどのように利用者が利益を受けるようになったのか、つまり利用者にとってどのように便利になったのか、そしてその利用者の声というのはどのように厚生省として把握されているのか。この点につきましては以前の国民生活に関する調査会で私は質問をさせていただきました。時間がたっております。いいお答えが出るものと期待しております。
 以上でございます。
#21
○政府委員(横田吉男君) まず、緊急保育対策等五カ年事業の目標の考え方でございますけれども、例えば低年齢児受け入れ枠の拡大ということで六十万人を目標といたしておりますけれども、これは過去の低年齢児の増加の推移等を見まして、六十万人の枠を確保すれば待機児はほぼ解消できるという見通しのもとに目標を立てているというふうなことでございます。
 必ずしも他の項目等につきましてすべて需要調査をやった上で目標を立てているわけではありませんけれども、御指摘の低年齢児につきましては、一応六十万人ぐらいまで枠を確保すれば待機児は解消できるであろうという計画策定時の考え方でございます。
 それから二番目の、六ページの各特別保育事業の実施の方法に関しまして、民間に任すのかということでございますが、この各特別保育事業はなかなか努力を要するということで大変だと思いますけれども、そういった点で民間の方が小回りがきくといいますか、そういったことで実施率が高くなっている面があろうかと思います。
 これを将来どうしていくんだ、全部民間任せにするのかということでございますが、これは一番下にもありますように、二万二千カ所のうちの約六割は公立でございますので、やはり公立の方にもできるだけ頑張っていただきたいというふうに私ども考えておるところでございます。公立の中でも非常に努力しているところにつきましては、二十四時間保育等も始めるところまであるというふうなことでございますので、こういった点につきましては、それぞれの実施主体である市町村の意欲というものに期待をしたいと考えております。
 それから、改正でございますが……
#22
○日下部禧代子君 その前に無認可保育所の現状です。
#23
○政府委員(横田吉男君) 失礼しました。
 無認可保育所につきましては、施設数といたしましては九千三百カ所ございます。ただ、このうちいわゆる事業所内、病院等における事業所内の保育所が三千四百五十五カ所、病院だけで二千百六十五もあるわけでありますが、その他僻地とかそういったところもございまして、これらを除いたいわゆる普通の保育所に近いような形での保育所という数を申しますと、四千四百五十四カ所という状況でございます。
 それから、三ページにございます昨年度の制度改正の効果ということでございますが、この改正につきましては、関連の政省令等予算を踏まえまして四月から施行したわけでありますが、例えば四月からの入所状況を見ますと、昨年に比べまして入所者が四万八千人ほどふえております。これは例年の入所者数に比べますとかなり大幅にふえているということで、私ども、必ずしもまだ十分な定着が図られていない中で、こういった利用、選択の方式になったことによりまして、各市町村あるいは保育所において入所者数をそれだけ入れるようになった効果ではないかというふうに考えているところでございます。
 私ども、今いろんな形で現実に利用者なり実際に保育所を経営しておられる方の御意見を伺っておりまして、ファクス、電子メール等で意見を寄せられる方もおります。そういった意味で、なおこの今回の改正の趣旨というものがより徹底されるように努力してまいりたいと思いますし、そういったさまざまな声を聞きながら、弾力化できるところは思い切って私どもとしても弾力化する等対応してまいりたいと考えております。
#24
○日下部禧代子君 民間保育所の現状については、後でペーパーをいただければと存じます。
#25
○政府委員(横田吉男君) はい。
#26
○円より子君 民主党の円より子です。
 先ほど同僚議員から、地域別の未婚率はどうなっているかというお話がありましたが、ことしの六月に国土庁から「地域の視点から少子化を考える」という報告書が出ておりまして、この中で地域別の未婚率が出ております。そこで、女性の労働力率が高い地域ほど女性の未婚率が低いという結果がきちんと出ているんですね。ですから、それはどういうことかといいますと、女性にとって働き続けやすい地域は女性が結婚しやすい地域と言えるということが結論として出ております。
 先ほどから経済企画庁や厚生省の方からさまざまなお話がありまして、女性が働きやすい、結婚しやすい状況をつくらなければいけないんじゃないか、それはもちろん個人の生活や考え方に関与する形ではなくて、結婚したい、産みたいという人たちを援助していくという、そういった方策がとられなければいけないということが言われております。
 私は、実は二十年間、この少子化の問題に取り組んでまいりました。それも机上のデスクワークではなくて、例えば子供が大好きで小児科の病院の看護婦さんになったような方が、結婚して子供を産んで、あるときその子供の首に手をかけて一緒に死のうと思ったというような御相談や、また子供が欲しいのにどうしてもあきらめざるを得ず三回も四回も中絶したというような、ごく当たり前の、高校、専門学校、大学を出た女性たち、そして夫はサラリーマンなんですが、そういった女性たちの相談をたくさん受けてきて、どこで女性が結婚というものに絶望したり子育てを楽しめなかったりまた子供を産めないのかという、そういうことを考え続けてきたんです。ようやくこのごろこういった少子化に対するさまざまな認識が出てきたと思うんですが、二つ、どうしても御質問をしたいし、また御意見を聞きたいところがございます。
 それは、このエンゼルプランの作成に当たって、文部大臣、厚生大臣、労働大臣、建設大臣の四人の大臣の合意により策定されたということなんです。これは確かに保育所だけの問題でもありませんし、学校や教育費だけの問題でもなく、長時間労働ですとかまた狭い住宅事情とか、そういったことが少子化に大きな関連があることで、この四人の方が入ってくださっていることは大変大事なことだと思うんですが、住宅事情ですね、日本の持ち家率というのは六割です。その六割のうち六十歳以上が八割という持ち家率なんです。つまり、年をとらなければなかなか家が持てない。
 そして、子育て真っ最中の方たちというのは賃貸住宅にもちろん住んでいらっしゃるんですが、持ち家率が三十代の前半では三一・六%、また三十代後半では五二%という形で、多くの方たちが子育て真っ最中のときに賃貸住宅に住まざるを得ないという状況にあります。ようやく三十代後半になって五二%に上がるんですが、子供さんの小さいころというのは七割が賃貸住宅ということなんです。
 そうしますと、この間、建設省の住宅局長から委員会で御答弁いただいたんですが、日本の賃貸住宅というのは住宅局長の目から見ても大変ミゼラブルですとおっしゃった。日本はずっと持ち家政策をとり続けてきましたので、賃貸住宅に対しては大変政策がお粗末になっておりまして、そのお粗末な住宅と、また生活道路も少ない、運輸省が手がけているのはほとんどが車が通る道路にお金を入れておりまして、子供たちが外へ出て遊べるような道路には余り予算をつぎ込んでいないという状況で、住宅だけでなく、公園、道路、すべて住宅環境、生活環境がお粗末なんです。
 こういう中で子育てをしていくというのは大変だと思うんですが、ライフサイクルに合わせた住宅事情、少子化を支える、援助するための住宅問題ということに対してこのエンゼルプランではどの程度建設省の意見など、また厚生省は建設省に意見を出されたのか、このあたりをお聞きしたいことが一つ。
 それからもう一つは、多様な生き方を援助するということがこの数年ずっと少子化、高齢化について言われておりますけれども、日本では選択肢が少な過ぎるんだと思うんですね。これが女性の晩婚化を進めている私は大きな原因だと思っております。
 例えば、結婚しますと、出産・育児の負担だけじゃなくて、夫が転勤したりして仕事をやめざるを得ない。また、子育てのときは家にいたいという方もいらっしゃると思うんですが、次に再就職をするときにほとんど採用上限年齢というのがありまして試験すら受けさせてもらえないのが現状で、教師をしていた人、保母さんをしていた人でも、公立の保育園、公立の学校に就職しようとすると、保母さんの場合は二十七歳ぐらいが頭打ち、そして教師の場合に年齢制限を取り払っている都道府県は多分まだ全国で二つしかないと思います。
 こういった、柔軟な生き方を認めない、選択肢の少ない社会というものも晩婚化や少子化の大きな原因ではないかと思いますし、またこれは法務省マターですが、非嫡出子に対する、シングルマザーに対する偏見や法的な差別、こういったことも取り払い、また三歳児神話のような、女性だけがだれでも子供を上手に育てて、そしていいお母さん、そして上手に家事ができる、そういった意識がプレッシャーになって女性たちがなかなか結婚しないんじゃないかと思われる節があるんです。
 こういった件についてきちんと、今まで夢を持てる子育て環境をというようなそうした部会の中で話が出たのかどうか、それが今後取り入れられていくような、何かそれに対する政策があるのかどうか、お話しいただければと思います。
#27
○政府委員(横田吉男君) エンゼルプランにおける住宅対策ということでございますが、これは建設省も含めた四大臣の合意ということでございますので、住宅部門につきましては建設省さんの御意見も十分踏まえて策定されているということでございます。
 この中では、良質なファミリー向けの住宅の供給というようなことで、お話のございました優良賃貸住宅なり、あるいは住宅金融公庫による融資をもとにした良質なファミリー向けの賃貸住宅の供給、あるいは持ち家の取得という点についての対策を進めまして、質の高い住宅ストックの形成を促進するというようなことが述べられております。
 それから、子育てと仕事の両立ということで住生活上も、家族の団らんのためのゆとりのある住生活の実現、このための職住接近を目指した都心居住の推進とか、それから多機能のニュータウンの建設等の促進というようなことが触れられております。
#28
○政府委員(真野章君) 第二点目の問題でございますが、先ほど働き方分科会の報告書の概要で御説明をいたしましたように、先生御指摘のようなことがいわば非常に中心的に議論をされておりました。
 中では、やはり企業のトップがそういう意識を変えてもらわないとなかなか現場では変わらないんだというような御意見が出たりいたしまして、現在の固定的、画一的な雇用慣行、企業風土というものを変えていくというところが一番のポイントではないかという御意見でございました。働き方分科会の報告の中身もかなりそういう部分が多うございます。
#29
○畑野君枝君 日本共産党の畑野君枝でございます。
 三点ほど伺わせていただきます。
 一つ目に、厚生省の人口問題審議会の報告書を踏まえて御説明をいただきましたけれども、そのパンフレットの中でも、二〇〇七年を頂点に人口減少社会になる、二〇五〇年には一億人、二一〇〇年には六千七百万人、一千年後には人口はほとんどゼロになるんじゃないかと、こういう衝撃的な資料を見せていただきました。今回、この調査会で少子化の要因と対応について調査するというのは、こういう点からも大変意義が深いものだと私も改めて思っているところです。
 第一点で伺いたいのは、特に今後急激に人口が減る、そうした場合の社会的あるいは経済的影響について、改めて経済企画庁と厚生省から伺いたいと思います。
 それから二点目なんですが、三歳児神話の問題です。厚生白書ではこれを否定されたということですが、その辺をもう少し詳しくお聞きしたいと思います。
 つまり、子供を産みたい人が、子供を産みやすく育てやすい、そして子供を持ちながら働きやすい、そういう社会をつくっていくことが大事だというふうに今経済企画庁や厚生省の御説明からもあったと思いますけれども、例えばかつて少子化になるのは女性が仕事で家をあけるからだという声もあったわけですね。きょうの御説明では、そうではなくて、女性が働いている率が高い県や高い国ほど出生率が高いと、こういうことが話されたわけです。
 これはもう各マスコミが少子化が進んでいるということで書いておりますが、その一つが三歳までは母親が育てるということがあって、なかなかそうした保育園の体制を含めて弱かったのではないかという声が出されておりますので、その点を二点目に伺いたいと思います。
 それから三点目の問題なんですが、私は神奈川県に住んでおります。毎年、経済企画庁の豊かさ指標では「育てる」というのが全国最下位という結果をいただいておりますが、その理由として挙げられているのが教員一人当たりの生徒数ですとか、児童館が足りないとか、教育費の支出割合が高いと、そういうことが言われております。これはまた別の機会に話す機会があると思いますので、その点はおいておきまして、厚生省のエンゼルプランのお話がございましたが、平成十一年以降どういうふうに進めていらっしゃるおつもりかというのを伺いたいと思います。
 関連しまして、保育園、特にゼロ歳から二歳児というのは待機児童が大変多い。私は横浜市に住んでおりまして、子供を今保育園と学童保育に預けておりますけれども、待機児童が多いだけでなくて、潜在的な待機児童、保育園があれば預けて働きたい、こういう若いお母さん、またお父さんも大変多いわけです。ですから、そういう点で、少なくなればいいということではなくて、待機児童をゼロにしながらさらに進めていくということが必要だというふうに思います。これは質問とは違いますが、数をそれだけつくればいいということではなくて、やはり内容、質の問題があると思います。特に、ゼロ歳児を含めて、本当にいい保育をしないと安心して預けられない、働きに出られないということがありますので、その点の公的な責任、この点について厚生省のお考えを伺いたいと思います。
 関連してもう一つ、学童保育、放課後児童クラブですが、横浜市ではほとんど学校が使えません。親たちがお金を出し合って経営しながら、一つの部屋を借りるのに月二十万、高いところでは四十万円というお金を出しております。学校開放というお話がありましたが、今後こうした放課後児童クラブ、つまり親が働いているということで保育が必要な学童期のお子さん、それへの問題についてどのように対策を立てていくのかということを伺いたいと思います。以上です。
#30
○政府委員(中名生隆君) ただいま畑野委員から少子化、人口減少の経済社会に与える影響ということで御質問をいただきましたが、最初に御説明をいたしましたように、若干重なるような形になりますけれども、冒頭に申し上げましたように三つに分けて申し上げました。
 一つは、経済活動全体のパイの大きくなり方、経済成長率について、労働力人口の伸びの鈍化、それからさらに先の段階になりますと、その減少ということを通じて影響があるだろうということを申し上げました。
 これに対応するためには、一つは、とりわけ女性の方々、あるいはこれから数がふえていく高齢者の方々がもっと働く場に参加していただけるような環境をつくるということが重要であろうということを申し上げました。
 それからもう一つは、規制緩和その他の措置によりまして、あるいは新しい技術の導入によりまして、生産性を高めていくということによって労働力人口の減少をカバーしていく必要があるのではないかということを申し上げました。
 それから、今申し上げました経済成長率に影響を与えるということは、それに関連をいたしまして税収でありますとか、あるいは対外的な黒字、赤字の問題、対外バランスの問題等々に大きな影響が出てまいりますし、それからさらに非常に議論の分かれる問題としては、そういう状況の中で外国人労働力の問題をどう考えるかというような問題も出てくるということで、非常に広がりの大きい問題だというふうに認識をいたしております。
 それから二つ目の、直ちに非常に大きな問題が出てくる分野ということで、社会保障の問題、とりわけ公的年金の問題というのが大きな問題だと認識しておりますということを申し上げました。
 これにつきましては、現状のままでは非常に維持が難しくなってまいりますけれども、適切な対応をとることによって対応が可能ではないかということを試算をお示しして申し上げました。
 それから三つ目の問題では、少し逆の方向といいますか、人口が減ってくることによって余裕が出てくるというお話を申し上げまして、例えば土地の問題でありますとか住宅の問題というのは、今まで非常に土地に対する負荷が大きかったものが、それが和らぐということによって状況が変わってくるという三点ほどを申し上げました。
 以上でございます。
#31
○政府委員(真野章君) 今、局長の方から経済的影響の御説明がございましたが、人口審では経済的影響のほかに社会的影響も議論をいたしておりまして、このパンフレットの八ページ、九ページに、家族や地域社会にも大きな変化をもたらす単身者や子供のいない世帯の増加など、家族の形態が大きく変化するとともに多様化する、単身高齢者の増加は介護その他の社会的扶養の必要性を高めるとか、子供の数の減少によって子供同士の交流機会の減少、過保護化というようなことで子供の社会性がはぐくまれにくくなるというようなこと、また地域社会が変容して市町村によっては住民に対する基礎的サービスの提供が困難になると懸念されるというような指摘をしております。
 そこにございますように、現在、高齢化率が三割を超える市町村数はまだ一割弱ということですが、二〇二五年には約六割の市町村が高齢化率が三割を超えるという現状のままいけば、そういう問題提起をいたしておりまして、同じパンフレットの十九ページにそういう面への影響の対応策ということで、基礎的なサービスを維持するために地方行政体制の整備が必要である、それから子供たちがみずから学びみずから考える力を身につけることができるように、子供の社会性を養う機能を社会的に支える仕組みづくりを進める必要があるということで、ずばりこれをやればこうだということはなかなか難しいんですが、方向としてはやはり地域で子供をはぐくんでいこう、そしてその地域が崩壊しないようにしていこうという議論をいたしております。
 それから、第二点目の三歳児神話でございます。人口問題審議会では若干触れておりますが、大きく取り上げておりませんが、今度の厚生白書では明確に、「三歳児神話には、少なくとも合理的な根拠は認められない。」ということで、三歳児神話のいわば呪縛という言葉を使っている表現もございますが、そういうものを取り外そうということで申し上げております。人口問題審議会の意見書を今回の白書で受けて、いろんな方面からの御意見を聞いている最中で、この三歳までは子供と母親が一緒にいた方がいいんだという部分が随分いろんなところで影響をもたらしているというようなことにかんがみまして、こういう明解な記述をいたしております。
 また、今回行っております有識者懇談会でも家庭に夢を分科会、先ほど御説明いたしました資料5の1の「男女の役割分業の見直しと育児をめぐる国民意識について」の最後のところにもございますように、「三歳児神話の払拭、子どもの育ち方は多様であることの認識の普及」ということで、ここでは逆に三歳児神話を積極的に払拭していこうと、そういう議論を今行っておりまして、いわばそういう方向にはっきり出てきているということでございます。
#32
○政府委員(横田吉男君) 緊急保育対策等五カ年事業を十一年以降どうするかという点でありますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、今回の四月から制度改正、施行をいたしまして、四月時点で既に入所者数が前年に比べて四万八千人ぐらいかなり大幅にふえているというような状況もございます。こういった一つの制度改正後の状況というものがどういうふうに推移するのか、まだことしは四月から施行して半年ぐらいなものですから、もう少し推移を見る必要があるのではないかというふうに思っております。
 延長保育等につきましても、かなりふえてはいるんですが、逆に予算では十年度六千カ所ぐらい予定いたしておりますけれども、地方からの手が六千まではなかなか挙がってこない。ある意味では伸び悩んでいるのか、そのあたりの需要動向というのはどうなっているのかというような点も注視していく必要があるかと思っております。
 それから、低年齢児につきましても、十一年度五十七万一千人ということで六十万までは届かなかったんですが、前年に比べて三万六千人ぐらいの増を図っておりまして、これでいけば今の待機者ぐらいは大体ある程度めどがつくということでございますが、今後の女性の就業率がさらに上昇するのかどうか、そういったまだ不明な点がございます。
 したがいまして、私ども今後の制度改正の施行状況なり需要動向等も見ながら、十一年以降についてはまだ今後検討しなくてはいけないのではないかというふうに思っております。
 それから、ゼロ歳児から二歳児の待機者が特に多いということで横浜市の例を挙げられました。先ほども資料の説明のときにちょっと御説明申し上げましたけれども、横浜市等の場合、地域によってかなり違いがあるわけですけれども、大阪市よりも人口が多いわけです。それにもかかわらず六割ぐらいですか、入所定員の方は非常に少ない。ある意味では、保育所の絶対数が不足しているんではないか。こういった点私ども、実施者である政令市、大きなところですから力もございますし、できるだけ努力してほしいというお願いを機会あるごとにしておりますけれども、そういった市の努力を私どももできるだけ応援するようなことをやっていきたいというふうに思っております。
 それから、学童クラブでございますけれども、これは保育所と違いまして規制もほとんどありませんし、個人のそういうアパートから学校の空き教室、それから児童館、さまざまなところで行われております。それについて、いずれについても一応公的助成を行う対象にいたしております。
 私ども、九千カ所までこれを伸ばす計画にしておりますが、これについては割かし順調に伸びてきているという状況でございまして、今後ともさらに、今申し上げていますのは保育所等でもちょっと実施率が低いものですから、六歳までやっているわけですから、さらに小学校低学年ぐらいは対象としたこういった事業もやったらどうかというようなことで進めてまいりたいと思っております。
#33
○松あきら君 先ほど来さまざまな御質問が出ているわけでございますけれども、二一〇〇年の総人口はただいま現在と比べまして四〇%の水準まで落ち込むという本当に少子化は深刻でございます。やはり、私は、住宅問題、保育問題、教育問題、もちろん経済問題含めてさまざまな問題を抱えているわけでございますが、ようやく九四年に文部省、厚生省、労働、建設の四省庁合意の形でいわゆるエンゼルプランというものが取りまとめられたわけでございますけれども、そのエンゼルプランも力不足であると。
 なぜならば、やはりエンゼルプランを具体化する政策は厚生省が単独で推薦する緊急保育対策等五カ年事業にとどまるなど、基本的に省ごとの対応にゆだねられている、この辺に問題があるんじゃないかなというふうに思います。やはり政府が一体となって少子化に取り組む姿勢になかった、今現在もないという、これは本当に重大な問題であるというふうに思うわけでございます。
 今、少子化というものを考えますと、さまざまな問題の基本には、今お話が少し出ましたけれども、晩婚化あるいは非婚化、男女ともの非婚化という問題もすごく大きいのではないかなというふうに思うわけです。そして、今厚生省からのお話の中で結婚や子供を持つことに伴うさまざまな制約を除去するという、そういう子供を産み育てる喜びや楽しさを多くの人が味わいやすい環境を整備することが必要であるというお話も伺いましたけれども、私はちょっと皆様とは違う観点の質問を厚生省にさせていただきたいんです。
 それは、今お話ししましたように、晩婚化あるいは非婚化ということを考えますと、とにかく子供を持っていただかないと、あるいは子供が少ないと本当に大変なことになるということで、実は子供を持ちたくてもできない、それは経済的な理由云々とは別に、不妊の問題なんです。これは実は今ここで話す問題ではないというお考えかもしれないんですけれども、私の場合は今不妊治療ということに関しまして、ぜひ私は少子化という問題の中でもこれを取り上げていただきたいという思いなんです。
 というのは、実は個人的な話ですけれども、私自身も五年半ほど不妊治療に通いまして、もちろんいろんな経済的にもあるいは自分の体の面から言っても精神的な面から言っても不妊治療というのは非常に大変なんです。そして、この不妊治療の大半は健康保険の範囲外なわけです。そして、もちろん生命が危険にさらされるというわけではないんですけれども、不妊というのは一つの病気であるというふうにみなさなければいけないという意見が本当に出ているわけでございます。やはり費用の公的な負担はあってしかるべき。保険診療になりますと、経済的な負担の軽減と同時に不必要な過剰な診療などをチェックできるという点もあるわけです。初診で二十万円も請求されちゃったとか、あるいは調べるだけで数十万かかりますよなんて言われるような法外なこともあるわけで、実は体外受精あるいは顕微授精だけで約三万人の子供が生まれているわけなんです。
 それで、この是非はともかくとして、また別の機会に議論することにいたしましても、実は不妊治療を受けている人がこの三万人の数の十倍、二十倍の人がいると言われています。しかし、今現在不妊治療を受けている数が何人というと、いろんなところで調べたんですけれども、実はそれが出てこないんです。どこにもないんです。これがそもそもおかしい。どこを調べても何万人あるいは何十万人の人が不妊治療を受けているか出てこない。
 これを、保険の診療でどこまでということはあるにしても、ある程度受けられるということになれば、かなり子供がふえてくる原因の一つになってくるんじゃないか、その点でぜひ厚生省のお考えを伺いたいと思います。
#34
○政府委員(横田吉男君) 不妊治療の問題でございますけれども、現在、保険診療の方ではホルモンの異常ですとか子宮とか卵管の機能障害というようなことで、母体の異常に起因する不妊につきましては給付の対象にしているところでございます。
 ただ、今御指摘がございましたような人工授精あるいは体外受精、最近はいろんな形での技術が出てきておりますけれども、現在のところこういった人工的な処置については保険の対象にしていないということであります。諸外国でも、アメリカで一部適用になっているというふうにも聞いておりますけれども、その他の諸国でもちょっと適用になっているかどうか不明でございます。
 私ども、こういった問題、成功率が今のところ低いとか、倫理上の問題をどうするかと、出生、この少子化対策以外にもいろんな問題がございますので、今後慎重に検討すべき課題ではないかというふうに考えております。
#35
○松あきら君 今のお答えに対しまして非常に私は遺憾に思います。申し上げていることと全然違うことをお答えになっていらっしゃるというふうに思います。
 なぜならば、私はいわゆる今の体外受精とか顕微授精に対してお金を出せとかそういうことを言っているんじゃなくて、ホルモン云々とおっしゃっていましたけれども、ほとんどが適用されないんです。されていないんです現実に、不妊治療。そのことに関して、ある程度、今適用されているのはほんの数%、一〇〇%の中の数%なわけで、もっときちんとしたことにお金を出しなさいということを申し上げている、保険の適用を認めたらどうですかということを申し上げているだけで、少し私の申し上げていることとお答えが違っていて非常に残念に思います。
#36
○中原爽君 自民党の中原でございます。
 経済企画庁の国民生活局から御説明をいただきました資料2、「少子化の要因と問題点について」の八ページであります。
 八ページ上の段が第8図になっておりまして、既婚就業女性の出生率と保育所の定員数のデータが出ております。これによりますと、保育所の定員数が増加すれば出生率、既婚就業女性の出生率もふえる、こういう意味だとは思いますが、この下の段に「(参考)」というところがありまして、ここに保育所の在所率のことが書いてあります。これによりますと、このシミュレーションの分析で、合計特殊出生率が〇・一、二人高まる、こう説明されております。
 現在、この第8図においては保育所の定員数ということのデータになっているわけですが、これは入所率と関係があるということでありましょうし、定員数をふやすということは、保育所全体の絶対数をふやすということになりますと、それは分布上ふえていく、地域にふえていく、保育所がふえるということでありますので、この在所率ということのかかわりが恐らくあるのではないか。
 要するに、保育所の定員数と保育所の在所率、これが今後どの程度絶対数という意味でふやすのかということの考えがあればもう少し合計特殊出生率と既婚女性のかかわりというものが出てくるような気がいたしますけれども、この辺のところのお考えはいかがでございましょうか。
#37
○政府委員(金子孝文君) 御説明いたします。
 まず、第8図の二十五―二十九歳女性一人当たりの保育所定員数でありますけれども、これは二十五歳から二十九歳の女性を各県別にとりまして、まずそういう数を分母にしまして、それで分子の方に保育所の定員がどれだけかということですから、仮にこういう人々が、二十五から二十九歳の女性たちが子供を産んだりした場合に保育所に入れる余地がどのくらいあるのかということを示すということであります。
 それから、次の保育所在所率ですけれども、これは同じようなものなんですが、やや考え方が違っています。保育所在所率というのは、その県のゼロ歳から五歳まで、つまり保育所に預けられる対象となる子供たち、その合計分の保育所にどれだけ行っているかということであります。やや考え方が違うわけですけれども、両方とも基本的には保育所がどのくらい充実しているのかということをあらわしております。
 それで、委員お尋ねのどのくらいまでいいのかということなんですけれども、私どもはここは分析にとどまっていまして、保育所が充実すれば出生率が高くなるという傾向が明らかに見られるのではないか、それから計量的に分析しますと、保育所の在所率、つまり保育所が充実すれば合計特殊出生率がふえますということでありまして、ちょっとその目標がどこまでだということは私どもやっておりません。
#38
○山本保君 中原先生いいところをおつかれになったので、ちょうど私聞こうと思っておったところです。まだほかにも質問ありますが、それだけちょっと一つだけ。
 数字ですけれども、局長、これは県内の保育所の数というか、定員数を足しただけですか。年齢構成は見ておりますか。
#39
○政府委員(金子孝文君) 年齢構成はやっていません。トータルです。
#40
○山本保君 ちょっとおっしゃった意味が、そういう結論をこれから引いて来るのはむちゃくちゃだと思うんです。つまり、高知県というのは、私ちょっと調べましたら、昔から有名でして、幼稚園が、例えば去年の学校基本調査では六十九園で五千七百人ほどしか入っていないんです。それで、保育園は、ちょっと古いですけれども、三百二十四ありまして、二万一千人近くが入っているんです。よろしいですか。
 つまり、これで出てくるのは、幼稚園、保育園という制度、二つの制度を一緒にしてまず考えて、子育て支援にどういう公的サービスが、もっと言えばそれに加えて育児休業とかそのほかのサービスというものも入れて、そしてそのサービスがあれば、多分僕はそうなると思いますけれども、出生率もふえるんだ、こういうふうにおっしゃるのであればわかりますが、つまり、各県ごとにおいて保育園と幼稚園の差が物すごくあるわけでして、これでいうと高知県が一番保育園を設置している。では、高知県が一番働く女性にとって入れる施設がたくさんあるなんということは言えないんです、全然。これは私は今の先生おっしゃったそのことだけちょっとまず指摘したいんですが、どうですか、この辺は。
#41
○政府委員(金子孝文君) お答えいたします。
 確かにおっしゃるように、この図自体は、ほかにいろんな要因がありますから、これだけでどうかというお考えもあるかと私も思います。
 ただ、大変恐縮なんですけれども、経済企画庁の経済研究所がやりました高齢化の経済分析、これにつきましては、要するに保育所の数だけではなくて他の要因も含めて分析をしているわけでありまして、大変恐縮なんですけれども、ちょっとその資料が今手元にありませんので、またその資料をチェックしまして御説明に上がりたいと思います。
#42
○山本保君 今のに関連してお願いがあります。今おっしゃいましたので、ゼロ歳、一歳それから例えば育児休業を利用している方の数、こういうものについても同じようなデータを出していただきたいと思います。そうしないと、どういうサービスが子育てに、もしくは出生率を上げるのによろしいかという話をしなければならないわけですから、保育所の数だけを出したデータだけ出して、保育所が多ければ出生率がふえるというような結論を持ってくるのはもうむちゃくちゃじゃないかと私はちょっと思うんですけれども、お願いします、それ。
#43
○政府委員(金子孝文君) ですから、私どもができますことは、この経済研究所がどういう変数を用いてこの分析をしているのかということを御説明したいと思います。ただ、非常に細かい作業をこれからといっても、ちょっとそれはなかなか難しいということだと思います。
 それから、データにつきましては、そういうようなデータが厚生省にあるかどうかなんですけれども、いかがなものでしょうか。
#44
○政府委員(横田吉男君) ここで分析しているような定量的な分析というものはございません。
#45
○松岡滿壽男君 参議院の会の松岡です。
 私自身は、昭和四十六年に光で市長をやりましたときにちょうど第二次のベビーブームで、幼稚園、保育園問題で随分悩みまして、縦割り行政の壁があって苦労したのもあるけれども、そのときに全国で初めて自治体では幼保問題プロジェクトチームというのをつくりまして対応したことがあるんです。それから見ると、今回の少子化対策で四省庁がそういう縦割りの壁を除きながら一緒に協議をされたというのは隔世の感があり、そういう点では随分変わってきたなという思いがあります。
 まず第一に、この人口推計ですが、二一〇〇年に五千万と六千万と九千万の数字が出ていますね。
 それで、これの見方なんですけれども、ブレジンスキーですか、あるいはタイムズでしたか、二〇三〇年には日本が六千四百万人口になるという数字が出ているんですね。それで、アメリカが二億四千万。そうすると、アメリカから見ると日本は我が国の四分の一の太平洋の島国にすぎぬという刺激的な発言があったんですが、この人口推計についていろんな見方があるようですが、ほかにもいろんな諸外国の日本に対する見方とか、そういう数字があったらちょっと教えていただきたいというのが一点です。
 そうした場合に、これはもう日本の経済ももちません。いずれにしても、急激な人口減少が出てくると、先々、隣には巨大な人口を抱えている中国とかあるわけですから、二千万とか三千万という数字がどおんと日本に入ってくる可能性もある。そういうことについての議論がなされたことがあるのかというのが一つです。
 それからもう一つは、確かに教育費の問題とか保育所の問題とか出産後の職場復帰とか、そういう環境の問題はいろいろありますけれども、一番今回びっくりしましたのは未婚率です。この十年間に倍になっちゃっているわけです、未婚率が。結婚しなければ確かに子供が生まれてくる可能性はもうゼロですね。それは、さっき円さんが言われたように、シングルマザーの問題とか、北欧の方はああいうものは社会的に認知されているわけですから別ですけれども、日本の場合はそういう議論があったのかどうか。あったなら教えていただきたいんですけれども、それは無理だろうと。
 そうすると、どうしたら結婚するだろうかということが一番の問題です。それで、私自身も五十組ぐらい座り仲人ばかりしておったものですから、四、五回実は自分で試みてみた、実際のお見合いを。ところが、ほとんど全部女性が断るんです、それは。だから、その辺が結婚しないことには、これは幾らここで議論しておっても少子化は免れることができないわけです。ただ、それが非常に地域的にアンバランスになっている。例えば、山口県の場合は、萩では未婚の女性が就職の場がないですからわんさかいるわけですよ。周南地区はまだあれでも結婚したいという、結婚したい男女が九割ですから、多少これできょうは救われたとは思っておるんですけれども、聞いておって。
 ただ、意外に今の人たちは、例えば萩の人たちと周南地区の人たちの見合いのチャンスというのがやっぱりないわけですよ。だから、お互いに今の若い男女というのは知り合う機会というのが非常にないんじゃないかと思うんです。これをどうするかということが一つ大きな課題じゃないかと実は思っているんです。
 私は、たまたま十年ぐらい前に光にニッテツ電子というのができて、その子供たちが大体二十八とか三十ぐらいになってきて、それで三十ぐらいの未婚の女性が萩にたくさんいるということで、何とか縁結びをしてみようと思って今データを集めておるところですけれども、この未婚率に対する分析と、先ほど自民党さんの方から各地区のデータを出すようにということでしたからデータが出てくるんでしょうけれども、これはどうしてこうなっているのか、そういうことについての分析とかがどういう形で行われているのか、この未婚率を下げるための対策を具体的にどういうふうに考えておられるのか、その辺をちょっとお聞かせいただきたいというように思います。
 以上です。
#46
○政府委員(真野章君) 幾つかございましたが、まず人口がこんなに減少して、外国からの人口流入というような問題について議論したのかということでございますが、人口問題審議会では少子化の要因への対応と外国人の受け入れの関係ということで議論をいたしております。
 労働力人口の減少と少子化の影響への対応としての外国人の受け入れの是非という方針を明確にすべきではないかという意見もありましたけれども、出生率の低下を補完できるほどの急速かつ大規模な外国人の受け入れは現実的ではない、また、人口が減るという我が国の一方的な事情によって外国人の受け入れを所与の前提として政策を論じることは適当でないというような御意見がございまして、いわばその問題とは別に我が国の現在の少子化の要因への対応を図るべきだという議論になっております。そういう意味では、そこの部分について明確な方針といいますか、それを整理はいたしておりません。
 それからまた、シングルマザーのお話がございましたが、これは日本は外国に比べまして非常に特徴的でございまして、婚外子の比率が非常に低い。スウェーデンその他五〇%とかいうレベルでありますが、日本の場合には一%というようなレベルで、しかし、じゃ先生御指摘のように、婚外子を社会的に認知するのかと。これはまたなかなか、しかも少子化のためにやるのかというのもまた議論もございまして、そこの部分もいわば我が国のそういう結婚をして子供をつくるんだという状況の中でどう考えるのだという議論でございます。
 それから、未婚率が上昇しているのに何か打つ手はあるのかというか、何か考えているのかということでありますが、ずばり申し上げまして、私どもなかなか結婚をしていただくということのための具体的な政策の用意はございません。
 ただ、先生もおっしゃられましたように、一九六〇年代後半でございますので、昭和四十年代からいわば恋愛結婚が見合い結婚を上回ったと。それまでは見合い結婚の方が多いと。戦後すぐ、一九四五年から四九年ごろでありますと、見合いが六割で恋愛結婚が二割という状況が、一九六五年ぐらいで逆転をして、現在は八割以上が恋愛結婚、見合いの場合は二割を切っているという状況であります。
 そういう意味で、なかなかおっしゃられるように出会いの場がない。また、私どもの反省としても、職場の状況を見ておりますと、大変職場に長く拘束されて自由な時間がないというようなこともありまして、そういう意味では職場優先主義の企業風土みたいなのをどうやって変えていけるかということも一つ議論すべき課題ではないかというふうに思っております。
#47
○松岡滿壽男君 今の人口推計ですね、五、六十年早いんじゃないかという外国の見方もあるということについてはどうなんですか。
#48
○政府委員(真野章君) ちょっと今手元にございませんが、お話をお伺いさせていただいて、また私ども調べる限り調べさせていただきたいと思います。
#49
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 いろいろな皆さんの御意見を聞かせていただきまして、それで発言をさせていただくわけですけれども、私も九二年から参議院に参りましてずっと厚生委員をやっておりまして、この少子化の問題にずっとかかわってまいりました。
 その点で、先ほどもお話がありましたが、エンゼルプランだとか、その前はエンゼルプランプレリュードというような形で何らかの政策をやっているんだ、やるんだというような決意がございましたけれども、このエンゼルプランにつきましては閣議決定はされておりません。また、ゴールドプランのように数値目標というのは出ていないんですね。保育所の問題についてだけ厚生省が平成十一年度までの緊急五カ年計画というものをつくりましたけれども、エンゼルプラン全体としては数値目標を持っておりません。というふうなことで、私は、少子化少子化と言われる割にはその対策が非常にテンポが遅いし、位置づけも弱いのじゃないかというふうに思いまして、この調査会でこういうテーマをお取り上げになって大変私もうれしく思っているのですけれども、政府の弱腰というんでしょうか、そういう点を後押しできるような何らかの役割をこの調査会が提言を出すとかなんとかいろんな形を使ってぜひそういう力になりたいなというふうに思っております。
 それで、先ほど来、結婚とか出産は最後は個人の決断だというお話がありましたけれども、これは私自身の体験から申し上げましても、そのことだけを結論的に言われますとちょっと私は異論があるぞと言いたくなるわけです。最後に決断を出すのはもちろん個人なんですけれども、決断を出すときにはいろんな条件を考えます。見通しがないのに危ないことはできません。
 そういう点で、私は働きながら、公務員をしておりましたけれども、子供を三人産休明けから保育所だとかあるいは個人だとかいろいろ預けながら、文字どおり四苦八苦して育ててまいりました。一人妊娠したときに、これは産み続けられるだろうか、本当に産んで大丈夫だろうか、つまり仕事が続けられなくなるんじゃないか、預けられるかどうか、こういう不安が募りまして、まず子供を妊娠した場合には中絶しなければいけないんじゃないかという思い、それからまた保育所探し、つまりこれは女性の場合は出産そのものが命がけです。年間百人近い女性が出産で亡くなっているわけですから。それと同時に、仕事を持ちながら子供を産み育てるということにつきましては、まさに職場を失うかどうかという二者選択を迫られる問題です。
 ですから、結婚、出産は個人の責任だよというふうに言われましても、社会的存在として望む出産が本当にできるのかどうかというのは、これはやっぱり政治の責任の負うところ私は大きいというふうに思うわけで、何も産めということを政治の力でやれという意味ではなくて、個人が産んでもいいんだなという決断をできるような環境を整えるという意味で政治の力は非常に私は絶大なものがあるなと思います。
 三人の子供を育てるのに私は保育所を六カ所変えましたし、それから、保育所が終わったら今度は学童保育しかないものですから、自宅を開放して共同学童保育所を自分たちで仲間と一緒にやらなきゃいけないという、こういう状況が、私が子供を産みましたのが七〇年代ですから、今九〇年代、そういう苦闘というものが日本の女性なり働く男女の間にないかと言えば、これは残念ながらまだまだあります。こういう点はやっぱり解消しなければならないのじゃないかというふうに思うわけです。
 それで、私が九四年の三月二十九日の厚生委員会で質問させていただいたときのことなんですが、例えば合計特殊出生率というのがありますけれども、厚生省の統計、ハンドブックがあるんですが、これは六十年のデータなんですけれども、実は働いている人と、それから働いていない女性の出生率が違うんです。働いていらっしゃらない無業者の出生率は三・〇五でございます。ところが、就業者の出生率はと言われれば〇・七五です。つまり、働いている女性は一人も産めないというような状況もこれはあるのです。
 ですから、平均すると出生率が、その当時昭和六十年のデータで一・五〇なんですが、一・四三、今もっと下がっているというふうな話がありましたけれども、この点でデータも厳密に調査をしてこちらに出してほしいなと思うのは、有業、無業で出生率はどうなのかというようなデータをぜひ私はこの場に、後でも結構ですけれども、出していただく必要があるのじゃないかなというふうに思うわけです。
 また、先ほど学童保育所の問題がありましたけれども、厚生省は九千百四十三カ所という把握をしていらっしゃるのですが、全国学童保育連絡協議会という運動団体が調べている学童保育所の数は九千六百二十七カ所でございます。どうしてこんな差ができるのかということなんですが、これは恐らく二十人以下の学童保育所あるいは共同学童保育所は厚生省は把握していらっしゃらないというために数が少なくなっているんじゃないかなというふうに思うわけです。
 問題点いろいろ指摘することはたくさんありますけれども、先ほど補助を出しているとおっしゃったのですけれども、年間わずか百五十七万円なんです、一カ所当たり学童保育所に対する補助金が。全く少ない。本当にこれではというふうな思いがいたしますし、私も前に質問させていただいた過疎の地域では、二十人以下でも共同で学童保育所をやっているのだけれども厚生省の補助対象にならないので困っている、こういうふうなお話もあるんです。やはり少子化の問題を重要視するのであればもっと早く手を打っていいのじゃないか、あるいは手厚い対策をとっていいのじゃないかという思いがいたします。
 さらに、問題点の指摘の点で欠けておりますのは労働時間の問題なんです。私が働きながら子供を育てていたころには、労働基準法の中に女性には残業二時間以上させちゃいけないよとか、休日労働させてはいけないよという労働基準法がちゃんとありました。不十分とはいえ、私たちはそれに守られていたという面がありました。ところが、今違ってまいりまして、深夜業も解禁していいんだ、こんな動きになっている。ですから、女性の出産・育児を考える場合に、この最近の労働時間の変動なり女性の働きのあり方、ありようとの違い、出生のかかわりというのでしょうか、その点ももっと分析的に見ていく必要があるのじゃないかと思います。
 先ほど松先生の方から、御自身の御経験から不妊の問題が出されました。私も大変お気持ちよくわかります。私も結婚してなかなか子供ができないという問題があって、ぜひそういう点では、保険の適用などやっぱり考える問題は多いし、また、それは待ったなしの問題じゃないかというふうに思いますので、この調査会でも精力的にそういう点もぜひ問題として取り上げていただきたいと思います。
#50
○政府委員(真野章君) 専業主婦といいますか、就職しているか就職していないかによる出生率の差の御指摘がございましたが、資料を整理いたしまして提出をさせていただきます。
#51
○政府委員(横田吉男君) 放課後児童クラブの件でございますが、この九千百四十三カ所というのは私どもの統計情報部が九年十月にやった数値でございまして、これは統計のとり方もあるかと思います。
 ちなみに、十年五月に私どもの課の方で市町村を通じて調べたものがございますが、これによりますと九千七百二十九カ所ということで、このあたり、一年違うということと、それから統計のとり方の差異によるものかと思っております。
#52
○会長(久保亘君) 予定の時間が参っておりますが……。
#53
○山本保君 先ほどはどうも基本的な資料で済みませんでしたが、ちょっと一つだけ。
 きょうここで別に結論を出すような問題でもありませんし、やっと始まって、これからみんなで懇談的に話していこうという最初の会長のお話もありましたので今お答えは結構でございますが、ちょっと問題提起だけはしておきませんといけませんので。
 きょう、厚生省とそれから経済企画庁から大きな報告を受けまして、先ほど先生もおっしゃったんですが、私は両方の役所の考え方に非常に違いがあるのに興味があるんです。というのは、厚生省の方は、実は私が大体基本的にやりましたのでよくわかっておるんですが、こんなに子供が減ることは大変だよということばかり言っておりまして、明るい未来は出てこないような情報がずらっと並んで、相変わらずだなと思ったんですが、経済企画庁の方は、これはまさに政策的または経済社会的な課題なんだ、このためにいかに社会制度を変えていくのか、こういう視点を出されているというふうに思いました。
 これは今後の検討の中でぜひその立場をもう少しきちんとお聞きしたいなと思っておりますので、今後よろしくお願いいたします。
#54
○会長(久保亘君) まだ質疑の御希望もございますが、時間が参っておりますので、本日は以上で経済企画庁及び厚生省に対する質疑を終了いたしたいと思います。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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