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1998/12/09 第144回国会 参議院 参議院会議録情報 第144回国会 経済・産業委員会 第1号
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1998/12/09 第144回国会 参議院

参議院会議録情報 第144回国会 経済・産業委員会 第1号

#1
第144回国会 経済・産業委員会 第1号
平成十年十二月九日(水曜日)
   午後五時四十三分開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         須藤良太郎君
    理 事         成瀬 守重君
    理 事         畑   恵君
    理 事         簗瀬  進君
    理 事         山下 芳生君
    理 事         梶原 敬義君
                上野 公成君
                加納 時男君
                倉田 寛之君
                小山 孝雄君
                中島 眞人君
                中曽根弘文君
                平田 健二君
                福山 哲郎君
                本田 良一君
                前川 忠夫君
                海野 義孝君
                加藤 修一君
                西山登紀子君
                渡辺 秀央君
                水野 誠一君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月九日
    辞任         補欠選任
     海野 義孝君     益田 洋介君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         須藤良太郎君
    理 事
                成瀬 守重君
                畑   恵君
                簗瀬  進君
                山下 芳生君
                梶原 敬義君
    委 員
                上野 公成君
                加納 時男君
                倉田 寛之君
                小山 孝雄君
                中島 眞人君
                中曽根弘文君
                平田 健二君
                福山 哲郎君
                本田 良一君
                前川 忠夫君
                加藤 修一君
                益田 洋介君
                西山登紀子君
                渡辺 秀央君
                水野 誠一君
   衆議院議員
       商工委員長代理  小此木八郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   与謝野 馨君
   政府委員
       通商産業省産業
       政策局長     江崎  格君
       通商産業省環境
       立地局長     太田信一郎君
       通商産業省機械
       情報産業局長   広瀬 勝貞君
       資源エネルギー
       庁長官      稲川 泰弘君
       資源エネルギー
       庁石油部長    今井 康夫君
       中小企業庁長官  鴇田 勝彦君
       中小企業庁次長  殿岡 茂樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○新事業創出促進法案(内閣提出、衆議院送付)
○小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○破綻金融機関等の融資先である中堅事業者に係
 る信用保険の特例に関する臨時措置法案(衆議
 院提出)
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (石油公団問題に関する件)
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(須藤良太郎君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、海野義孝君が委員を辞任され、その補欠として益田洋介君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(須藤良太郎君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(須藤良太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(須藤良太郎君) 新事業創出促進法案及び小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。与謝野通商産業大臣。
#6
○国務大臣(与謝野馨君) 新事業創出促進法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 我が国経済につきましては、その新陳代謝の速さを示す開業率が総じて低く、特に近年、廃業率が開業率を上回るなど、事態が深刻化しております。また、国内事業活動の不振による景気の低迷の深刻化が一層進む中で、失業率は戦後最悪を記録するに至っております。
 このような問題は、技術、人材その他の我が国に蓄積された産業資源が必ずしも十分に活用されず、結果として新たな事業の創出に向けた取り組みの活性化につながらないという、我が国経済社会の有する構造的な課題を原因とするものであります。
 こうした課題を克服するためには、我が国の産業資源が新たな事業に向けて有効に活用されるよう、それに必要となる資金、情報等を適時適切に提供するための政策措置や支援体制を整備することで、新たな事業の創出を促していくことが必要であり、そのことがひいては活力ある経済社会を構築していくことへとつながっていくものと期待されるところであります。
 以上のような観点から、個人による創業及び新たに企業を設立して行う事業を直接支援するとともに、中小企業者の新技術を利用した事業活動を促進するための措置を講じ、あわせて地域の産業資源を有効に活用して地域産業の自律的発展を促す事業環境を整備する措置を講ずるため、今般、本法案を提案した次第であります。
 次に、本法案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、新たな事業の創出を促進するため、主務大臣が基本方針を定めることとしております。
 第二に、個人による創業及び新たに企業を設立して行う事業の開始に対する支援であります。具体的には、中小企業事業団からの助成や資金の出資、中小企業信用保険法に基づく債務保証に係る保険の特例、特定事業者の事業革新の円滑化に関する臨時措置法の対象業種の拡大等の特例、新株の引受権の付与の特例及び産業基盤整備基金からの債務保証や資金の出資等の措置を講ずることとしております。
 第三に、中小企業者の新技術を利用した事業活動の支援であります。国は、中小企業者等に対する特定補助金等の支出の機会の増大を図るため、中小企業者等に対する新技術に関する研究開発のための補助金等の交付の方針を作成することにより、中小企業者等の研究開発を支援するとともに、その補助金等を交付された中小企業者等に対して、中小企業投資育成会社の株式の引き受け等の特例等の措置を講ずることにより、その研究開発の成果を利用した事業活動を支援することとしております。
 第四に、技術、人材その他の地域に存在する産業資源を活用した事業環境の整備であります。都道府県等は、みずからが主導的な立場で地域産業資源を有効に活用した新たな事業の創出に関する基本構想を作成するとともに、都道府県等における新事業創出支援体制の中心となる機関を中核的支援機関として認定することができることとしております。また、情報処理振興事業協会は、新事業創出支援体制を構成する新事業支援機関に対し、情報関連人材育成事業に必要な教材の開発、提供等を行うこととしております。さらに、都道府県等は、基本構想に従って高度な産業技術を有する企業が集積の機能の維持及び強化に関する高度技術産業集積活性化計画を作成することができることとし、当該計画を国が同意した場合、地域振興整備公団による工場や事業場の整備や賃貸、新事業支援施設の整備に必要な資金の出資の実施のほか、産業基盤整備基金からの債務保証の措置等を講ずることとしております。
 なお、このような新たな制度が施行されることにあわせて、現行の高度技術工業集積地域開発促進法、地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律及び地域ソフトウェア供給力開発事業推進臨時措置法を廃止することとし、所要の経過措置を講ずるものとしております。
 以上が本法案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 次に、小規模企業共済法及び中小企業事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 小規模企業共済制度は、小規模企業の個人事業主や役員が相互扶助の精神に基づいて掛金を積み立て、事業の廃止、役員の退任等の事態に備えるための共済制度であり、中小企業事業団がこれを運営しております。経営基盤が脆弱で経営環境の変化に影響を受けやすい小規模企業者にとって、廃業時、退任時に生活安定資金や事業再建資金を支給する本制度の果たす役割は大きく、昭和四十年の制度創設以来普及も進み、今日では在籍者数は約百五十万人に上っております。
 本制度については、制度創設後約三十年の間に、高齢化の進行、金融自由化の進展等、制度を取り巻く社会経済環境に大きな変化が見られるに至っており、また小規模企業自体においても、経済の構造的な変化による経済の活力の低下などが懸念される中にあって事業所数の減少など深刻な問題に直面している状況にあります。
 このような状況を踏まえまして、小規模企業の経営を支える基盤的制度である本共済制度の安定的運営の確保と充実を図るためにこの法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、分割支給制度の改善であります。共済金の受給方法について、一時金払いと分割払いを併用して、共済金の一部を分割払いにより、残金を一時金により支給を受けることができるものとすることとしております。
 第二に、基本共済金の額の改定であります。金融情勢の変化に対応して制度の安定を図るため、掛金月額及び掛金納付月数に応じて定まる基本共済金の額を改定することとしております。
 第三に、共済契約者向け貸付制度の充実であります。共済契約者については、中小企業事業団法に基づいて貸付制度を実施しており、多くの共済契約者が利用しているところであります。今回、共済契約者の実情や要望を踏まえ、共済契約者の福祉の増進に必要な資金を追加することとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(須藤良太郎君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 両案に対する質疑は後日行うことといたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(須藤良太郎君) 破綻金融機関等の融資先である中堅事業者に係る信用保険の特例に関する臨時措置法案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院商工委員長代理小此木八郎君から趣旨説明を聴取いたします。小此木八郎君。
#9
○衆議院議員(小此木八郎君) ただいま議題となりました破綻金融機関等の融資先である中堅事業者に係る信用保険の特例に関する臨時措置法案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 現下の我が国経済においては、景気低迷の長期化、金融機関の貸し渋り等により、企業の資金調達は難渋をきわめております。とりわけ破綻金融機関と取引していた企業の資金繰りは大変厳しい状況に置かれており、その事業資金の融通の円滑化を図ることが強く求められております。
 こうした事態に対して、衆議院商工委員会では、先国会におきまして、中小企業信用保険法の改正案を提案し、中小企業に対する信用補完制度の拡充を図ったところでありますが、中堅事業者に対してもそうした信用補完制度の活用による資金融通の円滑化を図る観点から、今般、破綻金融機関等の融資先である中堅事業者に係る信用保険の特例に関する臨時措置法案を提案いたした次第であります。
 次に、本案の要旨を御説明申し上げます。
 本案は、破綻金融機関等の融資先である中堅事業者に対する資金融通の円滑化を図るため、破綻金融機関等との金融取引を行っていたことにより銀行その他の金融機関との取引に支障が生じている資本金五億円未満の中堅事業者について、中小企業信用保険公庫がその借入債務に係る公的な信用保証について保険を行うことができるものとしております。そして、その付保限度額は、破綻金融機関等関連特別保険にあっては五億円、破綻金融機関等関連特別無担保保険にあっては一億円とし、いずれの保険についても中小企業信用保険公庫の再保険率を九〇%としております。
 なお、本案に盛り込まれた保険制度につきましては、平成十三年三月三十一日までの間に、その施行状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な見直しを行うものとしております。
 以上が本案の提案の趣旨及び内容であります。
 本案は、去る四日、衆議院商工委員会において全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決したものであります。
 なお、本案について内閣の意見を聴取いたしましたところ、与謝野通商産業大臣から、政府としては異議はないとする旨の意見が述べられました。
 よろしく御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#10
○委員長(須藤良太郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。――別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 破綻金融機関等の融資先である中堅事業者に係る信用保険の特例に関する臨時措置法案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#11
○委員長(須藤良太郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(須藤良太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 与謝野大臣、小此木議員、どうぞ御退席ください。
    ―――――――――――――
#13
○委員長(須藤良太郎君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題といたします。
 石油公団問題に関する件について政府から報告を聴取いたします。稲川資源エネルギー庁長官。
#14
○政府委員(稲川泰弘君) 石油公団再建検討委員会報告書の実施状況について御説明申し上げます。
 通商産業省は、石油公団について徹底的な見直しを行い、先般、石油公団再建検討委員会報告書を取りまとめたところであり、現在、この報告書に盛り込まれた事項を着実に実施するための取り組みを行っております。
 報告書において、出融資先会社の整理については、平成九年度末時点の石油公団の出融資先会社百二十三社のうち、ナショナルプロジェクト三社を含む二十七社を整理することとされております。
 まず、ナショナルプロジェクト三社のうち、サハリン石油開発協力(株)については、同社が保有するサハリン石油ガス開発(株)とエクソン社に対する債権を石油公団が直接管理し、会社を解散する方向で民間株主と調整し、その大部分の合意を取得しております。サハリン石油ガス開発(株)とエクソン社も、サハリン石油開発協力(株)の両者に対する債権を石油公団に移転することについて同意済みです。
 北極石油(株)については、同社の保有するアモコカナダ社に対する債権を石油公団が直接管理し、会社を解散する方向で現在民間株主と調整中です。アモコカナダ社も、北極石油(株)の同社に対する債権を石油公団に移転することについて同意済みです。
 日中石油開発(株)については、現在操業中の二油田のうち一油田の鉱区期限である二〇〇〇年に会社を解散する方向で現在関係者と調整中であり、中国側に対しては解散方針を伝達し、基本的な了解を得ております。現在、事業終結の諸条件について関係者の協議が行われております。
 以上の三社のほか、報告書において整理することとされた十社のうち、ユージーオールンツ(株)、ジャペックスルンツ(株)については、発見された石油、ガスの量が少なかったことなどから権益の売却交渉が成立するに至らなかったため、事業終結を承認し、その旨を公表いたしました。残り八社については、現在、引き続き権益売却のための活動などを実施中です。
 また、平成十年九月末までに石油公団が事業終結を承認していた十四社のうち、一社については会社の清算が終了しており、その他の十三社については現在解散の準備を進めております。
 会計処理基準の改善については、公認会計士の関与を得つつ、投融資損失引当金の新たな計上基準を策定することとされており、現在、公認会計士の知見を活用しつつ、個別の出融資先会社からの資金回収可能性を踏まえて引当金を計上する新たな基準を策定中であり、今後、これに合わせた規程を整備し、平成十年度決算から実施することとしております。
 また、石油公団の財務処理について、必要に応じ、民間企業の会計処理に係る高度な知見を有する公認会計士や監査法人の関与を得ることといたします。
 情報公開の徹底については、平成九年度決算から石油公団及び出融資先・債務保証先会社の事業・財務内容について詳細な情報を公開しましたが、さらに報告書では、石油公団の個々の事業に関する情報について最大限の公開を行うため、プロジェクト採択、終結についての情報を公表することとされており、十一月九日に第一回目として、採択二件、終結八件について公表を行いました。
 また、業務方法書、出融資細則、探鉱投融資採択審査基準など石油公団の出融資事業に関する各種規程、内規を公開し、石油公団の出融資制度の運用の透明性の確保と制度利用者の利便性の一層の向上に努めております。
 プロジェクト審査能力及びリスク管理能力の向上については、採択時の経済性審査の一層の定量化を図るため、従来から活用してきた投資収益率、RORなどによる評価に加え、十月末には欧米有力石油開発会社が近年導入している成功、不成功の確率及びそれぞれの場合の収益、損失を勘案したENPV、期待現在価値による評価を導入いたしました。
 また、石油公団において出融資先会社ごとにキャッシュフロー分析を行い、今後の資金回収見通しの策定を行うとともに、経済性審査を専門的に評価する専任スタッフを十月末に置きました。
 以上のほか、一層効果的、効率的な事業運営を実施するため、報告書で指摘されている事業運営方針の策定、石油公団経営諮問会議(仮称)の設置についても準備を進めております。
 外国人コンサルタントの活用についても、分野ごとの専門家のリストアップを行い、積極的に活用することとしております。
 さらに、本委員会等で、報告書において産油国や共同事業者との関係で非公開とした情報を含め、中立的な立場から検討を行うべきとの御指摘を受けたことから、十一月二十七日に石油審議会開発部会を開催し、石油公団開発事業委員会を設置することを決定いたしました。同委員会は、法律、国際経済、資源工学分野の学者、弁護士、公認会計士のみで構成されるものであり、報告書で取り上げた事項に関し、非公開とした情報も守秘義務のもとに開示の上、中立的、専門的立場からの御意見の提示をいただき、来年一月を目途に意見集約をお願いすることとしております。
 石油審議会は、同委員会の意見集約をも踏まえ、今後の石油開発政策のあり方について、六月を目途に報告書を取りまとめることとしております。
 以上のように、通商産業省といたしましては、石油公団再建検討委員会報告書の提案を踏まえた取り組みが、石油公団開発事業委員会の議論も踏まえつつ今後着実に進展し、石油公団のより一層の効率的、効果的な業務運営が確保されますよう、引き続き全力を挙げて取り組んでまいる所存ですので、何とぞよろしく御指導をお願いいたします。
 以上でございます。
#15
○委員長(須藤良太郎君) 以上で政府の報告は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#16
○委員長(須藤良太郎君) 次に、本委員会が先般行いました委員派遣について、派遣委員から報告を聴取いたします。畑恵さん。
#17
○畑恵君 新潟県における地域経済及び産業活動等の実情に関する調査のため、去る十月二十七日及び二十八日の二日間にわたって行われた委員派遣について御報告申し上げます。
 派遣は、須藤委員長、簗瀬理事、山下理事、梶原理事、前川委員、海野委員、西山委員、渡辺委員及び私、畑の九名により行われました。
 まず最初の視察先であります財団法人信濃川テクノポリス開発機構は、昭和五十八年に長岡市を中核都市とする高度技術工業集積都市づくりを推進する目的で設立されております。同財団は、合成繊維、金型、機械部品等の地域産業、長岡技術科学大学を中心とする大学、レーザー応用工学研究所、新潟県工業研究所等の公的研究機関、これら三者の産学官の連携に重点を置き、広域的産・学・官交流会や異業種交流会を開催するなど交流の推進に努めております。また、起業化を支援しており、同機構に入居しているソフトウエア開発を手がけているサンライズ工業株式会社、計測・検査装置の開発を行っている株式会社日本システムスクエアの両社とも小事業所ながら、産学官の交流による情報収集や研究開発の促進と優秀な人材の確保により、事業が軌道に乗っているとのことでした。
 次に、同財団において、新潟県、長岡市、三条市及び燕市より概況説明を受けるとともに、国政に対する要望を承ったところであります。新潟県内の景気は全般に悪化傾向で、とりわけ有効求人倍率が三十数年ぶりの〇・五六倍になるなど雇用が厳しい状況で、県税収入も減少しているとのことです。今後、県としては、この夏の豪雨災害の復旧に全力を傾けるとともに、政府の経済対策に期待をする旨の発言がありました。長岡市、三条市及び燕市は、機械製造業、金属加工、金属洋食器等の集積地でありますが、経済の国際化と内需不振から生産は大幅に落ち込んでおります。また、有効求人倍率も最悪の水準となっており、雇用環境は深刻であるとのことです。企業の資金調達についても、貸し渋りが解消するには至らず、各市二千万円を限度とする市独自の特別融資制度を設けたところ、予定を上回る申し込みがあったとのことです。国に対しまして、信用保証協会の財務体質の強化、税制の抜本改革による地方財源の確保、市独自の融資制度に対する特別地方交付税での対応等の要望がございました。
 次に、株式会社レーザー応用工学センターを視察しました。同センターは、通産省所管の新エネルギー産業技術総合開発機構等が出資して平成二年に設立された第三セクター方式の株式会社となっております。レーザー装置等を設置し、内外の研究者の共用に供して、レーザー応用技術の発展と関連産業の振興を図っております。
 次に、システム精工株式会社を視察しました。同社は、昭和五十三年に設立され、六十二年に長岡市に工場を新設、同地を本社として磁気ヘッドコイル巻線機を開発、以来ハードディスク自動化装置の開発、製造、販売を行ってきており、圧倒的な国内シェアを誇っております。大企業の持つ基本技術に対抗して、その周辺技術によって、研究開発にかける規模の不利を乗り越え、公的機関の支援を得ながら技術開発に邁進する中小企業であり、健闘している企業の典型でありました。
 次に、すずらん通り商店街を視察しました。
 同商店街は、平成六年度から平成九年度にかけて国、県の助成をもとにアーケードと地下駐車場の建設に約百億円の投資をし、ハード面の充実が図られたこと、お買い物バス券の発行などのアイデアにより、従前より顧客が少し戻りつつあり、さらに郊外店との差別化を図るため、御用聞き、ケーブルテレビとのドッキング、無料配達制度の導入などを検討中であるとのことであります。
 次に、商工団体関係者との懇談においては、新潟県商工会議所連合会、同商工会連合会、同中小企業団体中央会、長岡、三条、燕の各商工会議所の商工関係団体、北越銀行、大光銀行、三条信用金庫及び協栄信用組合の地域金融機関、国民金融公庫、商工組合中央金庫及び中小企業金融公庫の政府系金融機関、システム精工、小林工業、コロナ等の企業のそれぞれの関係代表者にお集まりいただきました。
 まず企業関係者からは、景気の早期回復、住宅建設の回復が強く要望されました。各商工団体からは、業績の悪化が訴えられるとともに消費の拡大策が要望されました。政府系金融機関からは、融資の申し込みが増加している一方、設備資金への需要がほとんどないなどの懸念が披露されました。地域金融機関からは、融資申し込みが減少しているが、地域金融機関として地元中小企業に積極的に対応しているとのことであります。今後、第U分類債権につき大手都市銀行と同様の厳しい引き当て基準などの適用を求められると地域金融機関として厳しいので、区別してほしい旨の要望がありました。
 翌二十八日は、まず燕市にある日本金属洋食器工業組合にて概況説明を受けました。組合員は百五社、年間生産額は二百三十億円で、うち輸出が百六十億円で、米国向けがその約半数を占めているとのことでありますが、消費の低迷により受注が減少、生産・販売額は四〇%も減少しているとのことであります。組合としても海外進出や新分野開拓などを指導しておりますが、国に対し、無担保保証の拡大、外国援助物資としての政府買い上げ、信用保証料率の引き下げ、信用保険法の業種指定の期間の長期化等の要望がありました。
 次に、小林工業株式会社を視察しました。同社はラッキーウッドのブランドで知られる高級金属洋食器メーカーであり、百貨店や高級レストランなどに納入しておりますが、同社の製品はギフト用が多いこともあり、ギフト商品の売り上げ減少がそのまま受注減、出荷減につながっているとのことです。消費需要の拡大策をお願いしたいとの要望がありました。
 次に、株式会社遠藤製作所を視察しました。昭和二十五年にミシンの部品製造から出発、キッチン用品やハウスウエア用品に進出、さらに昭和四十三年にはゴルフ用品に進出、自社製ドライバーヘッド等を中心に売り上げを伸ばしております。また、タイに進出するなどの海外展開もしておりますが、売り上げは二〇%減少しており、経営は厳しいとのことであります。一―二年の時限措置による土地税制の改革など土地の流動化策、新規住宅着工促進策の要望がございました。
 次に、三条市にあります中小企業大学校三条校におきまして、施設の見学と講義風景の視察の後、概況説明を聴取いたしました。同校は、平成四年に八番目の中小企業大学校として開講し、信越地区の中小企業関係者の指導育成に努めており、これまで延べ千八百七十社から六千四百人を受け入れてきたとのことです。平成九年度は、定員七百六十人に対し千四百二十七名が応募、一部コースでは断るケースもあるほど人気があるとのことです。講義風景を拝見しましたが、参加者は皆熱心に取り組んでおり、また異業種交流ができ、効果があったとの声も聞かれました。
 次に、株式会社コロナを視察しました。同社は昭和六年に加圧式石油ストーブの研究からスタートし、昭和十二年に先々代が創業、石油ストーブを中心にルームエアコン、給湯器関連、住宅システム等の分野で活躍する売上高七百億円の中堅企業であります。他の家電製品とは異なり、火を扱う危険な製品で、完全な安全性が求められることから、日本の技術が優位で海外の競合する国が少ないので、国際的な競争にさらされることはないとのことでありました。しかし、消費不況と天候の影響から売り上げが減少しているとのことで、早期の景気回復のための施策の実行をお願いしたいとの要望がございました。
 私どもとしましても、今回の派遣を通じ、景気の回復と適切な経済産業政策の推進のための施策を早急に構築する必要性を痛感いたしました。
 最後に、今回の派遣に御協力をいただいた関係者の皆様には大変お世話になりました。この機会をおかりいたしまして御協力に感謝する次第であります。
 以上、御報告を終わります。(拍手)
#18
○委員長(須藤良太郎君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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