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1998/12/03 第144回国会 参議院 参議院会議録情報 第144回国会 農林水産委員会 第2号
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1998/12/03 第144回国会 参議院

参議院会議録情報 第144回国会 農林水産委員会 第2号

#1
第144回国会 農林水産委員会 第2号
平成十年十二月三日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     国井 正幸君     岩城 光英君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         野間  赳君
    理 事
                岩永 浩美君
                三浦 一水君
                和田 洋子君
                須藤美也子君
                村沢  牧君
    委 員
                岩城 光英君
                岸  宏一君
                国井 正幸君
                佐藤 昭郎君
                中川 義雄君
                長峯  基君
                森下 博之君
                小川 敏夫君
                久保  亘君
                郡司  彰君
                風間  昶君
                木庭健太郎君
                大沢 辰美君
                谷本  巍君
                阿曽田 清君
                石井 一二君
   国務大臣
       農林水産大臣   中川 昭一君
   政府委員
       外務省アジア局
       長        阿南 惟茂君
       農林水産省経済
       局長       竹中 美晴君
       水産庁長官    中須 勇雄君
       海上保安庁長官  楠木 行雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木 威男君
   説明員
       外務大臣官房審
       議官       安藤 裕康君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○排他的経済水域における漁業等に関する主権的
 権利の行使等に関する法律及び海洋生物資源の
 保存及び管理に関する法律の一部を改正する法
 律案(内閣提出)
○農林水産に関する調査
 (派遣委員の報告)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(野間赳君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律及び海洋生物資源の保存及び管理に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○岩永浩美君 おはようございます。
 当委員会に付託された案件について質疑をさせていただきたいと思います。
 今回の日韓漁業協定の経緯とその内容に関しては、特に漁業関係者から大変不満があったことを無視してはならないと私は思っております。特に、山陰、北陸を中心とする関係漁業者の方々が長年、韓国船等の外国漁船の乱獲に苦しめられてきたことはもう言うに及びません。それだけに、今回の新しい日韓漁業協定の交渉に当たっては、直接取り締まる手の及ばない暫定水域の拡大については大変不満なものがあって、断固反対したいという強い現場の声があったことは大臣も重々御承知だと私は思います。しかし、今回の協定は、その現場並びに漁民の声に反して、金大統領の訪日を控え、政治的判断で、いわゆるトップダウンで急遽、暫定水域の拡大という、その一つの方法をもって決着を図られてきたことに対する不信感は大変まだ根深いものがあると私は思っております。
 こういう解決の仕方になってきたその不信感を大臣はどういうふうに受けとめて、今後関係漁民の皆さん方あるいは水産団体の皆さん方に御説明をなさろうとしているのか、そのことについて大臣の見解、並びに事ここに至ってきたその一つの経緯について外務当局の説明をまず伺いたいと思います。
#4
○国務大臣(中川昭一君) 今の岩永先生のお話は、私も多くの漁業者、そしてまた特に関係の深い地域の皆さん方あるいはまたいろんな立場の方々から強い不満あるいは不安があることは重々承知をしております。
 二年半にわたる新しい協定の交渉が続いていたわけでありますし、一方ではことしの一月に終了通告を日本側からしたという状況の中で、来年の一月二十三日にこのままいくと無協定状態になってしまうということも、これは日韓両方の漁業者にとっても決してプラスではないだろうという中でぎりぎりの交渉をし続けてきたところでございますが、今、先生御指摘のように、十月初旬の金大統領訪日に向けて何とか基本方針を日本側のぎりぎり許容できる範囲でまとめ上げたいという気持ちが、総理そして私初め交渉に当たっていた者も含めまして、あったことは事実でございます。
 そういう中で、九月に基本合意に達したわけでございますけれども、重ねて申し上げますが、我が国漁業関係者の皆さん方の強い不安や不満があったことは十分承知をしております。そのため、その後の協議におきましては、暫定水域における資源管理や取り締まりに関して我が国の立場が十分に反映されますよう努力するとともに、関係漁業者の皆さんの経営の安定のための基金造成を初めとする漁業振興対策を第三次補正予算に盛り込むこととしておるところでございます。
 今後ともいろいろな日韓の話し合いを通じ、また関係漁業者の皆さんのお話も今後もよく聞きながら、漁業者の皆さんの御理解を得られますよう最善の努力をしていきたいというふうに考えておるところでございます。
#5
○政府委員(阿南惟茂君) ただいまの御質問の経緯でございますが、かいつまんで申し上げますと、ただいま農水大臣がおっしゃいましたように、本件交渉、二年半もかかる難交渉でございまして、その主たる原因は、日韓両国間の漁業利益の調整ということが非常に難しかった、そういうこともございますけれども、まずそれに先立って日韓両国の排他的経済水域の境界線を引くことが非常に難しい状況にあったということで、そのことについての一つの合意が得られるまでに相当時間がかかったという経緯がございます。
 これは領有権をめぐる問題とか領海の基線の引き方とかいろいろな理由があったわけでございますが、いずれにいたしましても非常に基本的な問題は両国間の境界線が引けない、その引けない部分をどうするかというところから暫定水域という工夫が出てきたわけでございます。そして、この暫定水域の設定の仕方につきましては、先生も御案内と思いますが、韓国側はできるだけこの暫定水域を広くとりたい、そしてその中は公の海と同じような、韓国から見れば韓国の主権が貫徹されるような地位の水域にしたい、こういう主張からスタートいたしました。我が方は、この水域は暫定的なものであり、できるだけ小さいものであるべきだということで交渉を続けてまいりました。その水域の設定の交渉と同時に、漁獲量、これまでの韓国の漁獲実績をどう考慮するかというような要素も勘案をいたしまして、文字どおり、ぎりぎりの交渉の結果、このような暫定水域の設置になったということでございます。
#6
○岩永浩美君 今回、政治決着を図ることで問題の解決に至ったこと、私自身は正直に言って大変不満であります。しかし、総理と金大統領との間で政治決着したこの問題をいやが上にも長引かせることが両国間にとってプラスになるとは考えない、それなら次善の策を講じなければいけないことは言うまでもありません。ただ、漁民の皆さん方が果たして、今、大臣が話をしていただいた経営安定対策のためにあらゆる施策を講じていただくその一つの背景、今回、第三次補正予算の中でも具体的にいろいろな問題を提起してあります。特に、今回の日韓新協定関連漁業振興基金として基金総額二百五十億、水産資源の培養のための栽培漁業センターの建設費など十四億円、あるいは取り締まり体制の整備で水産庁分で五億円、海上保安庁分の百億などが考えられていることは私は多としたい。
 ただ、これだけで果たして沿岸漁民の皆さん方が十分にそれに、対価として支払われる、あるいは対価として講じられるその一つの施策で十分に今後の漁業の安定につながっていくかということは、甚だまだ疑問点が数多く残されていると私は思います。そういう不安を払拭していかなければいけない。
 そういう視点から、今回この補正で計上されたその金額は三年間の中でどれぐらいの効果が上がるのか、そういうことも含めて、基金で三年間でそれぞれ事業をやっていただくその一つの効果を農林当局はどういうふうに考えておられるのか。あるいは資源の培養センター、栽培漁業センターなどの施設を設置するということですが、それはどういうところにどういう施設、どういう魚、そういうふうなものを今後強化していこうとしておられるのか。また、巡視船の整備で今百億の、海上保安庁の巡視船で整備をしておられますが、今まであるのと比較してどれほどそのことによって拡充をされるのか。現状と比較したその一つの対比を皆さん方にお示しいただければと思います。
#7
○政府委員(中須勇雄君) ただいま御指摘のございました今回の第三次補正予算に計上しております具体的な内容について若干申し上げますと、三年間にわたって使い切るという形で計上した二百五十億円の基金につきましては、基本的には今回の新しい協定によって生ずる漁業者に対する影響をできる限り防止する、漁業者の経営の安定を図るという観点で使っていただきたい、こういう考え方でございます。
 具体的には、漁業者に対する低利の経営資金の融通、あるいは漁獲共済というふうに申しておりますが、過去五年間の漁獲高と魚価、それに基づく漁業収入というものに対する保険の制度がございます。それに対する漁業者負担を軽減するための経費に充てる。あるいはこれまでの間、韓国漁船等によって荒らされた漁場の回復を図るために漁場の清掃だとか自主監視だとか、そういうことを漁業者が自主的に行う、そういう活動に対する助成等を行う。さらに、場合によって、減船というふうなことが生じた場合にそれにも対応できるようにと、こういうような考え方で二百五十億円の基金を予算に計上をお願いしているということでございます。
 また、県営の栽培漁業センターの設備費に関しましては、今回は特に放流種苗のウイルスによる疾病の防止というために特別の殺菌施設等をつくる、あるいはこれから放流魚種を拡大していくに当たっての技術開発をするための資機材の整備、とりあえずそういうことで十四億円の国庫助成を行う、こういうことを予定している、そういうような内容でございます。
 いずれにいたしましても、これらの施策を実際に十分活用していくということと同時に、現在交渉中の来年以降の操業条件等の内容とか協定実施後の外国漁船の操業実態というものを十分把握、勘案しながら、関係漁業者への影響を極力回避する、こういうことで万全を期してまいりたい、こういう考え方でございます。
#8
○政府委員(楠木行雄君) 海上保安庁長官の楠木でございます。
 今、海上保安庁におきましては、平成八年の国連海洋法条約の批准、発効に伴いまして排他的経済水域が設定されること等に対応いたしまして、速さとかあるいは夜間監視能力、こういったことの向上など、高性能化を図りながら巡視船、巡視艇、さらに航空機の整備を進めているところでございます。
 これに加えまして、今般の新日韓漁業協定の発効に伴いまして、排他的経済水域等における韓国漁船に対する許可条件等の遵守状況の確認あるいは無許可漁船の検挙等、監視・取り締まり業務が新たに発生することになるわけでございますが、これに対する当面の体制の整備につきましては、今般の第三次補正予算におきまして、先生御指摘のような金額の中におきまして、同じような高性能化を図りながら、ヘリコプター一機搭載型の巡視船あるいは捕捉機能強化型の巡視船等の代替建造等を予定しているところでございます。
 この船艇をどういうふうに配備するかという点でございますが、海上保安業務の内容と海域の特性の組み合わせによりまして考えますと、ヘリコプター一機搭載型巡視船につきましては日本海の大和堆及び暫定水域付近海域における監視、取り締まりに効果を発揮するものと考えております。それから、捕捉機能強化型巡視船等を初めといたします百八十トン型の巡視船等の高速巡視船艇につきましては、能登半島周辺から九州あるいは対馬、こういったところの陸岸に近い排他的経済水域における監視、取り締まりに効果を発揮するものと考えております。
 新協定発効後にありましては、現在かなりございます現有勢力、これに加えまして、今申し上げましたようなこれらのものを活用いたしまして、韓国漁船が多数操業することが予想される日本海、九州周辺、東シナ海等の主要な海域に配備をいたしまして、昼夜を問わぬ監視、取り締まりに万全を尽くす所存でございます。
 いずれにいたしましても、今後、操業条件等が決まりますれば、さらに詳しい取り締まり方法など細目を検討してまいりたいと考えております。
#9
○国務大臣(中川昭一君) 今、水産庁から二百六十九億円、それから海上保安庁から百億円の予算をこれから三次補正の御審議の中でお認めいただきたいと思っておるわけでありますが、先生御心配のように、今考えられる予算措置としてできるだけのことを盛り込んだつもりでございますが、要は、これからスタートしていく新しい体制のもとで日本の漁業者が本当に安心して操業ができるようにする。逆に言うと、きちっとした資源管理を両国が守っていく、あるいは違反をしないようにしていくというような体制も含めまして、予算だけではなくて、きちっとした漁業ルールを両国、特に韓国側がきちっと守っていかなければいけないということ全体を含めまして最善の努力を我々がすることによって漁業者の皆さんの不安や不満を何としても払拭していただけるような体制づくりをしていきたいということで、最善の努力をさせていただきたいと思っているところでございます。
#10
○岩永浩美君 そこで、今、水産庁長官から基金総額二百五十億のファンドをしていただく、これは交付先はどこになるんでしょうか。水産団体ということは水産団体も数多くありますが、その交付先。そして、漁家の皆さん方に実効性のあるファンドでなければいけないと思いますが、仮に事務費等に非常に経費が余計かかるということになったのでは本来の趣旨が徹底しなくなる心配がありますが、交付先はどこにどういう形で交付をしていかれるのか、お聞かせ願いたい。
#11
○政府委員(中須勇雄君) 具体的な二百五十億円の基金の交付先については現時点ではまだ未定でございますが、基本的な考え方としては、漁業者の中央団体でございます全漁連等が中心になって新しい受け皿をつくっていただく、こういうことを基本的な考え方として現在持っておりまして、その準備作業を進めているということでございます。
 それから、御指摘ございましたように、当然これだけのお金を管理し適正に執行していくということでは事務費がかかるわけでございまして、それについては十分な手当てを行うようにしてまいりたいと思っております。
#12
○岩永浩美君 これは北陸、山陰の漁協を中心とした団体に交付されることになりますか。あるいは、それと同時に栽培漁業センターの強化、施設整備、そのことも日本海沿岸の一つの地域を限定されますか、日本全国を網に入れてお考えになっていますか。
#13
○政府委員(中須勇雄君) 後半部分のまず栽培漁業センターに関しましては、日本海に面している道県というものを対象にして考えていくというふうに思っております。
 それから、二百五十億円の基金につきましては、やっぱりそれぞれ具体的にどういう操業条件が決まり、どういう影響が出てくるか、こういうことによって、必ずしも相手というか助成先は固定されるものではないというふうに思っております。
 例えば、暫定水域の中に一部含まれました大和堆におきましては、我が国のイカ釣り漁船のうちのかなりの部分があそこの水域に出漁している。極端に言えば、太平洋に根拠地を持つ船でもあそこを主漁場にしている漁船もあるわけでございまして、そういった意味で実際に影響を受ける方々が、例えば先ほど申しました低利資金等については利用できるようにと、こういうふうなそれぞれの施策に応じて、受けた影響ができる限り緩和されるようにという観点で実際の事業としては執行していく、こういうふうな基本的な考え方を現在持っております。
#14
○岩永浩美君 そこで、今回の第三次補正の中でいろいろ措置をしていただくこと、これは大変結構なことだと思います。
 ただ、今後の一番の課題は、暫定水域内の水産資源の管理をどうやっていくかということがその地域の水産団体並びに漁民の方々が安心していける一つの条件になると私は思います。韓国を初めとする他国漁船による乱獲をどのように食いとめて我が国の水産資源を保護していくかということが今後の課題であることは言うまでもありません。
 特に、日本漁船は資源確保のために六月から八月については禁漁期間としてその漁を慎んでいます。しかし、私の地元、佐賀玄界灘も含め、その禁漁期間にもかかわらず、その近くまで来て違法操業をしていることは言うまでもありませんし、そのことがたまたま報道されていることは皆さん方御承知のとおりだと私は思います。
 特に、その地域において一番問題になっているのは底刺し網漁法、もう地べたから真っすぐさらうような、すべての水産資源をひっかき集めるような感じで漁をやる底刺し網漁法というのが韓国の主な一つの漁法になっています。そういう形で暫定水域内の資源を乱獲されることによるその被害は、我々が想像する以上に漁家の皆さん方は不安を抱いておられます。そういう問題について皆さん方はどういう見解をお持ちになっておるのか。
 例えば、韓国はそういう漁法を中心にして今までやってきたその方法を新たな漁法として転換してやっていくことが可能なのかどうか。もし今までの手法でやっていくとするならば、今やっている話し合いは韓国と日本の間では平行線をたどって、妥結をしていく一つの方法というのは見出しにくいのではないかという心配をいたしますが、そのことについて農林水産省はどうお考えになっているのか、お聞きをしたい。
 そしてまた、外務省は、今まで韓国との日韓漁業協定の交渉の過程の中で、その漁法や漁獲高等々についてどういうものが今ネックになっているのか、その経過も御説明をいただきたいと思います。
#15
○政府委員(中須勇雄君) ただいま御指摘のありました問題、特に韓国の底刺し網漁業に関して申し上げますと、ただいま御指摘がございましたとおり、そもそも底刺し網漁業はいわば底を根こそぎとってしまうという意味で資源に与える影響が大変大きいというばかりではなくて、漁場を非常に広範な形で占拠してしまう、こういうことで漁場競合の面でも大変大きな問題を有しております。
 そういったことから、我が国の漁業者としては、特にズワイガニを中心とした底刺し網漁業については、我が国の底びき網漁業によるズワイガニの解禁時期である十一月六日前に漁場いっぱい韓国の底刺し網漁船が網を張って資源をとってしまう、そういうことを含めて非常に大きな強い反発があるというのが現状でございます。
 したがいまして、現在、韓国との間で我が国のEZあるいは暫定水域を含めて操業条件等についての協議を行っているところでありますが、その中で、我が国の排他的経済水域における韓国の底刺し網漁業についてはこれを禁止するということで、強い態度で私ども臨んでいるところであります。
 いろいろ御懸念もあろうかと思いますが、韓国も実はこの底刺し網でカニをとり始めたのは最近のことでございます。五、六年という感じでございまして、それ以前は現在我が国がやっているのと同様に沖合底びき網漁業等による駆け回し漁法によってとっていた、こういう経過がございます。したがいまして、そういうことで十分対応が可能なのではないか、こういう主張をしながら底刺し網漁業については禁止を求める、こういう態度で臨んでいるところでございます。
#16
○政府委員(阿南惟茂君) 漁獲量や漁法の問題、漁法につきましては今、水産庁長官からも詳しく御説明がございましたが、漁獲量に関しましては九月の合意の際にスケトウダラ、ズワイガニについては漁獲量の割り当てが決定されたわけでございまして、今後は毎年、漁業共同委員会でそういうことが決められていくと承知しております。
 いずれにいたしましても、漁法の制限等について、我が方の排他的経済水域内はもちろんのことでございますが、暫定水域についても日本側の主張をこれからも韓国側に伝え、この暫定水域の中でもきちんと資源管理、そして違反の場合には取り締まりが行われるように、その点引き続き、漁業共同委員会の設置を待つ前に、その発足の前にも今まだ交渉をやっているという状況でございます。
#17
○岩永浩美君 外務省の方で今交渉をやっておられるそれぞれの問題について、もし日本側の水産団体並びに全漁連、その同意が得られないような形で交渉が妥結をしたとしても、これはまた新たな問題が派生すると私は思います。
 今回、トップダウン方式で決まった経過措置を踏まえて言うならば、今後その漁獲量の問題や漁法の問題を外務当局が具体的に話を進め、具体的な話し合いに乗っていただくために団体の皆さん方は交渉を見守っているんです。その条件がつけてあります。それは今言われた底刺し網漁法とかそういうものについては禁止もしくは規制をする、その禁止もしくは規制について向こうが妥協をしない限りこの問題の本質的な解決にはならない、それについてやっぱり日本側の態度を強硬に主張し得る状況下にありますか、環境下にありますか。
#18
○政府委員(阿南惟茂君) 私どもが漁法や操業の違反等がないようにという交渉、話し合いを韓国側とやっている前提として、今、先生おっしゃいました漁業関係者の御要望、こういう条件であるということはもちろん十分伺った上で、具体的にはこの交渉は水産庁、もちろん場合によっては海上保安庁も御一緒にやっているわけでございまして、現場の声を韓国側に強く伝えるということが趣旨でございます。
 ただ、今、先生のおっしゃいました特定の漁法についての禁止等につきましては、恐らく我が方の排他的経済水域内と暫定水域の中でいささか我が方の主張する立場の強さは違うことになるだろうと思いますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、韓国はこの暫定水域内では公の海と同じような状況にしたいというのが当初の打ち出しの姿勢でございました。しかし、それでは資源管理もきちんとできないということでだんだん中身を濃くしているところでございまして、いずれにいたしましても、まず私どもが何を韓国側に話し主張しているかといえば、これは日本の漁業関係者の皆様の御要望、こういう条件をぜひ貫徹してくれというそういう声を反映する、そういう話し合いをやっているわけでございます。
#19
○岩永浩美君 やっぱり日本の一つのエネルギー源はまさに漁民の皆さん方の努力なくしてそのエネルギー源を確保することはできません。不安のない一つの形でぜひ交渉に当たってほしい。
 時間がなくて、ほかの質問の通告をいたしておりましたが最後に一つだけぜひお願いをしておきたいこと。
 今回の交渉は領土問題を棚上げして漁業水域の問題として取り上げられています。特に、竹島周辺にとどまっていた暫定水域が拡大されたこと、これは将来の韓国並びに日本が領土主権を主張し合っていく大きな問題になるのではないかという心配をするのは、私一人の心配ならいいんですが、そういう問題になっていくのではないだろうかという心配をいたします。領土問題と今回の暫定水域の拡大の件についてリンクはしていない、させていないというお話を承っていますけれども、そういう危惧の念は将来ないのかどうか、その件を最後にお伺いして、私の質問を終わります。
#20
○国務大臣(中川昭一君) 先ほどアジア局長からもお話ありましたように、日本のスタンスというのは暫定水域をできるだけ狭くしたい、韓国側は自分たちの排他的経済水域をできるだけ広くしていきたいという当初の方針が大きく食い違っていたところから交渉が続いたわけでありますが、率直に申し上げまして、竹島の問題をどうするかという議論になっていきますと、このEZ並びに暫定水域の議論がとても前に進まないというのが交渉過程での認識であったわけであります。したがいまして、はっきり申し上げますと、韓国側も日本側もこの問題は棚上げにすることによって、漁業の問題のみに集中することによってこの交渉を進めてきたわけでございます。
 先ほども申し上げましたように、お互いにぎりぎりのところで合意することによって空白期間をなくすことによって、日韓がお互いのEEZに入り、また暫定水域の中で一定のルールで操業することが最低限両国の漁業者にとってプラスになることであろうという前提でのコンセンサスが得られたわけでございまして、そういう意味で、竹島問題を棚上げにしたという先生の御指摘はそのとおりだろうと思います。
 しかし、そのことによって本来の竹島の領有権問題という非常にデリケートな問題にお互いがそれぞれマイナスになったという、向こうには向こうの言い分があるわけでございますけれども、我が国にとってそれによって竹島の領有権問題が後退したとか、これからその問題に仮に入っていくとするときにこの協定の結果によって不利になったということは何としても避けなければならないという基本認識もございましたので、棚上げにすることによってこの交渉を進めたことによって、今後の竹島問題について我が国の立場が損なわれたということのないように努力をしてきたつもりでございます。
#21
○久保亘君 国際間の協定を結びます場合には、当事国の意見が、主張が異なる場合は妥協が必要なことはよくわかるのでありますが、今度の場合、新しい日韓漁業協定について政府はどういう自己評価をされておりますか。また、外務省、もしおわかりでしたら、韓国政府はどういう評価をされているのか、そのことを最初にお聞きしておきたいと思います。
#22
○政府委員(阿南惟茂君) 今回の協定、合意された内容につきましては、日本の国内でも漁業関係者の方々に強い御不満があるということは私どもも伺っております。他方、韓国内にもやはりいろんな面での不満、批判がある、これは私どものカウンターパートの韓国側政府関係者からも聞いているところでございます。
 したがいまして、非常に難しい両国の漁業利益の調整ということ、今回決着をしたわけでございますが、両国の関係者に相当強い御不満があるということは我々も十分承知しているわけでございますが、私どもの評価ということで考えますと、新しい海洋法条約ができた、そういう状況の中で日韓の新しい漁業秩序をこの協定によって構築する、それが必ずや長期的には両国の漁業関係者、特に日本の漁業関係者の利益にもなるものだということを念願し、そういう点で今回の合意を私どもなりにできてよかったというふうに考えているわけでございます。
#23
○久保亘君 評価の仕方はいろいろあると思うんですが、マスコミの報道などによれば、韓国側は成功であったと、こういう評価をされているという報道もあります。日本の場合には、漁業関係者を中心にしてこのことに対しては非常に強い反発と反対の声があります。そういうことからすれば、この協定の内容をもっとしっかり説明ができることと、それから今後の運用について十分な配慮がなければならないと考えております。
 私は、個々の問題について少しお聞きしておきたいのは、一つは、漁業暫定線は日韓大陸棚協定による境界線、いわゆる日韓中間線に沿って引かれておりますけれども、そういう漁業暫定線の引き方をされたのは日本側の主張なのですか。それとも、これが最も公正で妥当なラインだということで双方が一致しているということでしょうか。
#24
○政府委員(阿南惟茂君) この日韓漁業協定の最初の一番難しい問題は、排他的経済水域の境界線が引けないというところでございました。その引けない部分があるわけでございますが、引けている部分、それは今、先生が御指摘になりました。既に昭和五十三年に大陸棚協定で、このときも南部の方は日韓の主張が対立をしたままで、したがって共同開発水域というものをつくったのでございますが、北部の方は一応その時点では日韓で合意した線が引けたわけでございまして、これは中間線でございますけれども、それを今度の漁業協定においても暫定的な線として、日韓間で合意できた線としてそこは一つの限界線として使うと。
 ただ、主として竹島でございますが、それをめぐって両国の主張が対立していて線が引けない部分、そこは暫定水域という形で一つの工夫をしたと、こういうことでございます。
#25
○久保亘君 暫定水域を設定するに至るのは、これは竹島領有権をめぐって両国の立場が一致していないということが理由ですか。
#26
○政府委員(阿南惟茂君) 一般的に、境界線を画定する交渉を今やっております。そのときに問題になっておりますのは、竹島をめぐる領有権の問題、それから領海の線を引く基線のとり方について日韓間で違いがございます。
 また、日韓間に存在しております日本の島の位置づけ、その島を境界線を引くときの基点にとるかどうかというような技術的な問題もございます。しかし、竹島問題が極めて主要な要素であるということは間違いございません。
#27
○久保亘君 それでは、東側の線が韓国側の主張は百三十六度、日本側の主張は百三十五度、それでその間をとってこの協定では百三十五度三十分、こういうことになるわけですが、この間をとった根拠は何ですか。
 それから、沿岸との距離を三十五海里にしたこの根拠は何ですか。
#28
○政府委員(阿南惟茂君) この暫定水域の東限線、百三十六とか百三十五というのが交渉の経過過程で出てまいりましたが、韓国側は当初からこの暫定水域をできるだけ広くとりたいと。その趣旨は、現在の日韓の漁業の体制というのは韓国側に有利だということがございますので、韓国側はなるべく現状に近いものを維持したいということで広くとりたいということでございまして、したがって本来、東限線というのはなくて、ずっと日本の東の方に延びていくという主張をしておりまして、これについて日本側は、そういうことは受け入れられない、東で線を切るべきだと。それが伝統的に漁業者の間で意味を持っておりました百三十五度というのを主張していたわけでございますが、向こうはぎりぎり東限線を引くことには同意をして百三十六を主張して、これが昨年末ぐらいの状況でございましたけれども、全体の交渉の中で、漁獲量をどうするかというようなことも含めての総合判断の中で、この線についても、これは先生おっしゃいましたように、真ん中の百三十五度三十分をとるという、双方が主張すべき点は主張し、譲るところは譲ったという交渉の結果でございます。
#29
○久保亘君 これは別に根拠はなくて、双方が百三十六度と百三十五度の主張で対立する関係になりましたからその間をとって百三十五度三十分にしたと、これだけのことなのかなと思いますが、地図で見ておりますと三十分ぐらいどっちに寄ろうとという気持ちになるのかもしれませんけれども、実際には経度で三十分の幅というのは四十三キロぐらいあるのじゃないかと思うんです。それがずっと東側の線でずれてくるわけです。だから、かなり広い海になるわけです。もともとこの暫定水域というのは九州の三倍ぐらいあるわけですから。
 そういう状況の中で、ここの東限線を三十分動かすということの意味は非常に大きな意味を持っていたということは、これは農水省もそのようにお考えでしょうか。
#30
○政府委員(中須勇雄君) それは先生御指摘のとおりでございます。
 三十分というと、一度が九十キロちょっとという感じでございますから、半分ですと四十数キロという感じでございまして、地図の上で見ればわずかなすき間ということかもしれませんが、実際の漁業をやる漁場としては大変広い、それぞれに応じた大きな価値がある、そういうものだというふうに私どもも認識しております。
#31
○久保亘君 それだけの認識の上に立ってこれを譲ることになったのはどういうことですか。
#32
○国務大臣(中川昭一君) 今、アジア局長、水産庁長官両方から答弁があったことを踏まえて久保先生の御質問にお答えをいたします。
 日本側はどうしても百三十五度を譲ることができない、また韓国側は百三十六度、ずっと東から来て百三十六度がぎりぎりなんだという状況のまま、九月に向こうの海洋漁業大臣その他が来てぎりぎりの交渉をやったわけでありますが、どうしても双方のというか、我が国の主張が通らない、また向こうの主張もこっちが認めるわけにはいかないということで、最終的に決まったのが百三十五度三十分ということでございまして、これは外交上の最高責任者である小渕総理の御判断によるところでもございます。
#33
○久保亘君 指摘だけしておきます。
 それからもう一つ。北東部にあります大和堆と呼ばれるところを、どうして暫定水域があの部分だけ、地図でいうなら北の方に飛び出して、そして大和堆の四五%を暫定水域の中に含めるというようなことになったのですか。これはちょっとよく説明してください。
#34
○国務大臣(中川昭一君) 実は、北限線というのが一方にございまして、これが三十八度、つまり韓国と北朝鮮との間の国境線が三十八度でございまして、それをずっと東の方に引っ張っていくとその頭が北限線ということになるわけで、東が東限線ということになるわけで、それをぶつけていくと百三十五度三十分からずっと行きます。
 これは大和堆がほとんど入ってしまうという状況になるわけでございまして、それは我が国の国益として絶対に譲ることができないということで、九月の交渉あるいは金大中大統領が来られたときの私とパートナーの向こうの大臣との交渉の中で、真っすぐに上げていくという向こうの主張に対して、こちらは三十八度でもって上に上げていくということについて我が国は絶対主張できない、三十八度でもって頭打ちにしろということと、韓国の方はずっと東限線を上まで上げていって自分の水域とのぶつかるところまでやれということと、我が国はそこでもっておしまいだ、それより上はだめだということとのこれまた両国の譲れない交渉の結果、こういう斜めの線になった。正確には今、水産庁長官から補足させますけれども、両大臣間でのぎりぎりの交渉の結果が、どのぐらい倒していくか、向こうはどのぐらい上げていくかと、交渉の結果がそういう結果になったわけであります。
#35
○政府委員(中須勇雄君) 若干補足して御説明申し上げますと、暫定水域の北の限界をどう区切るかということに関しましては、我が方は一貫して、ただいま大臣からお話し申し上げましたように、三十八度三十七分の線というものを北の限界にして、そういたしますと今設けられております暫定水域の上のピラミッド型のものはないと、こういう姿を私どもは主張していたわけでございます。
 一方、それに対しまして韓国側は、これも先ほど大臣から申し上げましたように、東限線、これは韓国の当時の主張は百三十六度ということでございましたが、百三十六度の線をその三十八度三十七分より上までどんどんどんどん上げていって、具体的にはどこにぶつかるかと申しますと、日本とロシアとの二百海里の中間線、そこにまでぶつかってしまうわけでございますが、そこまで北は暫定水域にすべきであると。こういうような主張の二つが最後のぎりぎりの段階で双方の主張として出てきていた。
 その百三十六度については、東限線は百三十五度と百三十六度の間の百三十五度三十分、こういうことになったわけでありますが、その時点でも、それはまだ上はずっと真っすぐ行くべきだというのと、日本側の倒すべきであるという主張のぎりぎりの結果、先ほど大臣から申しましたように、今のような姿に相なったというのが交渉の経過でございます。
#36
○久保亘君 そこのところで私どもがなかなか理解しにくいのは、最初に言われたように、北東部の飛び出す部分は、これは日本側としては最初は北限線としては外す主張をされていたわけでしょう。それがいつの間にか真っすぐ来た場合と倒した場合とどうかということで、倒すことで妥協するということになるというのは非常にわかりにくいんですね。
 それで、大和堆というのは、私は専門でないからよくわかりませんけれども、海が浅くて大変すぐれた漁場なんだそうですね。それで、漁業関係者の一つの心配といいますか、それはそこのところに非常に重点があるのではないかと思っておりますものですから、最初に申しましたように、合意に至る過程で、外交上の問題ですからいろんなことがあるでしょう。それを私はわかりませんから、政府としてはこれがやむを得ないぎりぎりの妥協点だということでお決めになったのでしょうが、この結果は日本の漁業者に対して非常に大きなマイナスを及ぼす結果となったということについては外務省も農水省も認めておられるのですか。
#37
○政府委員(阿南惟茂君) 先生の御発言の最後の点に関しましては私どもも十分承知をしております。
 この三角の突出した部分についての御説明は農水大臣、長官からもございましたが、交渉の過程で確かにこういうものがない状況があったことは事実でございますが、その段階ではまだ韓国の漁獲実績をどう配慮して漁獲量をどう定めるかということに交渉が及んでおりませんでした。
 したがいまして、いずれにしても暫定水域の設定の仕方と暫定水域に入らない我が方の排他的経済水域における韓国の漁獲の扱いというものはまさにパッケージでございまして、今回、協定が最終的に合意に向かう局面で、漁獲量との兼ね合いでこういう綱領が出てきたということでございます。
 ただ、昨年末段階でこういう水域が入っておりませんでしたので、そのことが大変漁業関係者の方々の御不満のもとになり、私どももそのことについてはよく伺っております。
#38
○国務大臣(中川昭一君) 今の久保先生の漁業者に対しての影響が大きいのではないかということについては、この水域の中で韓国側がやろうとしていることをそのままやるということになれば、日本の漁業に対する影響は極めて大きいものがあるというふうに私は考えます。
 したがいまして、今度の新協定におきまして、暫定水域において取り締まり権その他はそれぞれの旗国が持つわけでございますけれども、この協定上もはっきり明記されているところでありますが、我が国が違反を発見したり、その他事実関係を相手国に通報し、そして相手国のとるべき措置というものをきちっと我が国に報告をする、あるいはまたその中で隻数、漁法等についても我が国がやっていることと同等のことを相手方に通報し、それを相手方は尊重するというような協定も盛り込まれておりますので、その協定をきちっと韓国側が守っていただかなければならないという前提で、これによりまして大和堆の、あるいは暫定水域の日本の漁業者に与える影響をできるだけ少なくするという方向で最大の努力をしていきたいというふうに考えております。
#39
○久保亘君 漁業者に対する影響が非常に大きいということを認めているからこそ、今度の第三次補正予算に、日韓漁業協定関連振興基金二百五十億を中心にして三百六十九億のものが日韓漁業協定締結に伴う三次補正予算として提案されようとしているわけですね。
 そういたしますと、この新しい漁業協定によって受ける影響というのは今後ずっと続いていくものだと思うんですが、このことに関して、この漁業協定関連の振興基金を中心とする予算というものは一回限りのものになっているんですか、今後も継続されるものなんですか。
#40
○政府委員(中須勇雄君) 今回の二百五十億円の基金に関しましては、私ども当面、この新しい協定が発効して以降の三年間、この二百五十億円を使い切る、元金まで手をつけるというか、そういう形で使っていただく性格のものということで予算をお願いしているということでございます。
 なぜ三年というふうに考えたかということに関しましては、この新しい協定は固定の有効期間は三年間ということに相なっております。その三年を過ぎますと、どちらか一方の国が終了通告をするとその後六カ月で失効する、こういう規定になっておりまして、そのことを意識して、結局新しい協定のもとでどのような操業秩序ができ上がるか、これは我々も大いに努力しなければならないわけでございますが、まだ未定の部分がございます。
 そういう意味において、とりあえず固定の期間の三年間、対策を講ずるということにいたしておきまして、その間におきます、どういうふうな資源管理とか取り締まりでどういう実態が起きるか、日本海関係の漁業者の経営がどういう状況にあるか、そういうものを見定めた上で協定の扱いを含めて検討がその時点で行われると、こんなふうに考えているわけでございます。
#41
○久保亘君 二百五十億の基金というから、何か果実を使っていくのかと思っておりました。これは元金とも三年間で使い切るものなんですね。
 先ほども御質問がありましたけれども、運用管理というのは民間にゆだねるんですか、水産庁がおやりになるんですか。
#42
○政府委員(中須勇雄君) 具体的な手続等は民間にゆだねますが、もちろん補助金の交付要綱なりしっかりした形で、どういうものにどういう形で使うかということの枠はしっかりとはめておく、こういうことと同時に、民間で使う場合もできるだけ透明な形で、どういう使途に使ったか、そういうことがわかるような形で処理をしたいというふうに思っております。
#43
○久保亘君 そういたしますと、この運用管理のために新しい機関が設置されることになるのではないかと思うんですが、この機関はどこに置くんですか。
#44
○政府委員(中須勇雄君) 先ほどの御質問でも若干お答えを申し上げましたが、やはり今回の新しい協定によるいろいろな影響というのは漁業者がこうむるわけでございますので、その実情をよく知っております漁業者の全国団体であります全漁連、全国漁業協同組合連合会が中心になって新しい受け皿をつくっていただいて、そこで管理をしていただくというふうに考えております。
#45
○久保亘君 この振興基金と称するものの運用を管理する機関が別にできますね。そうすると、この機関は三年で解散するんですか。それはどうなるんですか。
#46
○政府委員(中須勇雄君) それはまさにこれから三年間、どういう実態が水域で起こるのか、あるいは漁業者の経営ということがどういうことになるのか、それを見定めた上で、三年後どういう体制を組むのか。これは協定の見直しみたいな話もありましょうし、あるいはこういう対策がさらに必要だというような議論もあるかもしれません。それはその辺の状況を把握して議論を行った上で、それから先のことはその時点で考えていく、こういうことだろうというふうに思っております。
#47
○久保亘君 そういうことだろうということですが、そうではなくて、三年後、この協定の影響といいますか、結果がどういうことになってきたかということも、基金の運用等もあわせて考えた上、これをさらに継続し、そこに新たな基金を投入しなければならないという場合も想定されるわけですね。
#48
○国務大臣(中川昭一君) まず、今まだ事務的に細かいところを詰めておりますけれども、これが漁業者の皆さんに大変関心の深い事項があるわけでございまして、そういう中で韓国側としては特に日本のEEZ内での日本の決められたこと、例えばスケソウを一年でゼロにするとか、初年度四分の一にするとか、ズワイは二年で五〇%をゼロにするとか、そういうこと、あるいは三年で等量にするというような決めたこと、あるいは取り締まり、資源管理等につきまして、これからやってみなければわからないという部分があります。
 向こうの担当大臣も、違反についてはそれは自分たちとしても大変大きな問題と考えていますから違反はしないように最善の努力はしますと言っておりますけれども、現につい最近も、先ほどの御質問にもありましたが、禁漁期が明ける直前に韓国船がどっと来て、そして漁網等に被害を与えながら漁獲をやって帰っていく、あるいは底刺しでは大きな漁場を独占するようなことをやるというようなことがございますので、スタートするに当たって日本側も大きな心配が現に存在するわけであります。
 したがいまして、この協定は当初五年で一年の猶予期間というような向こうの主張はございましたけれども、我が国としては、三年は据え置くけれども、三年後は半年の猶予期間を持っていつでも終了通告ができるという、かなり向こう側から見れば厳しい終了条件もつけたところでございます。そういう三年間をとりあえず見る。これは一つには三年間でEEZ内の漁獲数量をお互い等量にするというような長さとも多分関連をした意味があると思いますけれども、そういう三年を一つの期間としてやっていくという方針の中で基金も三年で二百五十億というふうにしたわけでございまして、その三年後について、それでも日本側にとって極めて不安、不満が持続する、あるいは大きくなる、あるいは日本の漁業条件が大分よくなったねということにもなるかもしれませんし、その辺はこれからの二年、三年をかけてみなければわかりません。
 そういう意味で、三年後にどうするかについては、あくまでも日本の漁業者あるいは資源管理というものを前提に今後の対応を考えていくということで、現時点では三年後にどうするかということについては、そういう前提を置きながらも具体的な対策について今の段階で申し上げることができないということで御理解をいただきたいと思います。
#49
○久保亘君 今お話がありましたように、やっぱり暫定水域においては旗国主義がとられるわけですから、今度の場合でいいますと、韓国側の自国の漁船に対する監視体制、取り締まり体制というものがどうなるかということが非常に大きな影響を持つと思うんですが、そのことと関係をして、今度設置が決まりました日韓漁業共同委員会、これは双方から二名ずつ四名の委員会のようですが、この委員会のメンバーは日本側はどういう方がおなりになるんでしょうか。
 それから、この共同委員会が勧告いたします内容、その項目ですね。例えば、底刺し網を禁止するとか、そういうようなことを含めて、勧告の権限の及ぶ範囲というものはどういうところにあるのか、この共同委員会について御説明をいただきたいと思います。
#50
○政府委員(中須勇雄君) まず第一点目の、双方二名ずつの委員から成る共同委員会ということでございますが、まだ具体的に韓国側と話し合っておりませんので、具体的な人選というか、どういうレベルの人を充てるかということの具体案があるわけではございませんが、原則的な考え方としては、私どもは、外務省の職員一名、水産庁の職員一名、しかるべきレベルの二人を日本側代表として任命する、そういうふうな形で、向こうもそういう形をもって任命するというふうなことでいくのではないかというふうに一応腹案としては持っておる、こういうことでございます。
 それから二点目の、共同委員会の仕事というかあれでございますが、これは二点ございまして、一つは、日本の二百海里水域あるいは韓国の二百海里水域にそれぞれ他国の漁船が入っていく、そのときの漁獲割り当て量でございますとか、操業条件とか、そういうものは最終的にはそれぞれの沿岸国が決定するわけでございますが、その決定に先立って、共同委員会で議論し協議し、両政府に対して勧告をする、それで両国政府はその勧告を尊重して決定をする、こういうような仕組みになっております。
 そういう意味におきまして、ただいま先生がおっしゃいましたように、例えば日本の二百海里水域で、あるいは韓国の二百海里水域でこういう漁法は禁止をするとか、こういうような期間は休漁にするとか、漁獲量は何トンにするとか、そういうことを具体的に話し合って、話が調えば勧告が両政府に対して行われる、こういうことが一点ございます。
 それと同時に、もう一つは、今回の協定で設けられました暫定水域、この中における資源管理の方法、これについても漁業共同委員会は協議し、両国政府に対して勧告をするという権限が与えられておりますので、この点についても共同委員会で協議をするということに相なるわけでございます。
#51
○久保亘君 ありがとうございました。終わります。
#52
○風間昶君 公明党の風間です。
 繰り返しになるかもしれません。もう一回ちょっと確認させていただきたいのですが、今回の漁業新協定の基本合意で、本来の排他的経済水域の外側縁、すなわち日韓の中間線を使わないで、これは線は赤色で引いてあるけれども、これは外務省が引いたので、赤線なんて言ってもしようがないので、大陸棚協定の境界線を用いることにしている経緯をもう一回ちょっと簡単に教えてくださいますか。
#53
○政府委員(阿南惟茂君) 今、先生が中間線を使わないでというふうにおっしゃいましたが、日韓の排他的経済水域の境界線というのが諸般の事情でいまだ画定するに至っておりません。その画定できない水域というのは一定の水域でございまして、現在、日韓大陸棚北部境界画定協定で昭和五十三年に日韓両国が合意した線というものがございますので、これを今回の漁業の暫定線として、ある意味では利用するということでございまして、その使える線があるところはその線で両方の境界にしようと。
 ただ、そういう線がなかった。なぜ従来なかったかといえば、やはり先ほど来申し上げておりますような領土をめぐる問題等で当時から引けなかったわけでございまして、そこに暫定水域というものを設けて、両国の主張が通るような工夫をした、こういうことでございます。
 したがいまして、北部大陸棚協定で引いた線、これは日韓間で合意した線でございますので、これを今回の漁業の境界線に利用しようと、こういう趣旨でございます。
#54
○風間昶君 そうしますと、確認ですけれども、今、アジア局長がおっしゃった日韓の間で漁業についてはこの北部大陸棚協定の境界線を用いる、じゃ、その他については日韓の中間線を用いるという合意があったんですか。
#55
○政府委員(阿南惟茂君) 私の申し上げたことがちょっと不明確だったと思いますが、その他という点は、今回の漁業協定でこういう線を使った、暫定的に境界線にしたということは、韓国側もそうでございますが、我が国のその他の国際法上の立場に影響を与えるものではないという規定が第十五条にございまして、これは漁業協定に限っての暫定線というふうになっております。
#56
○風間昶君 ですから、例えば地下資源とか汚染物質の問題については、じゃ、漁業については北部大陸棚協定の境界線を使うけれども、それ以外の分野については日韓の中間線を使うという合意があったのですかというふうに聞いているんですけれども、それはないんですか。
#57
○政府委員(阿南惟茂君) その日韓の中間線というのが、日韓両方とも中間線ということで境界を決めようということにはなっておりますが、中間線をいざ引くということになりますと、日本側の基点のとり方とか領海基線の引き方が、必ずしも韓国側の受け入れるところとなっていないというような問題もございますので、完全な意味での中間線がまだ引けないということがございます。
 ただ、ここの漁業協定で引いた線は、繰り返しになりますが、既に昭和五十三年に日韓間で合意した線がございますので、これを今回の暫定的な境界線にするということで、その線があるところはその線で両方が分かれている。そして、その線がとまっているところ、すなわち昭和五十三年の時点でも線が引けなかった部分については暫定水域という一つの工夫で両国の主張を通す形になっているということでございます。
#58
○風間昶君 いや、僕ちょっと理解度が弱いのかあれなんですけれども、そうすると、漁業分野ではとにかくこの北部大陸棚協定の境界線を使うと。それ以外に、環境問題とか何かが起こって、油の汚染だとか地下資源が出てこの境界線が問題になる場合には、じゃ、今度どこを使うのかということをその都度検討するということになっていくのか、あるいはそのまま北部大陸棚の協定に基づく境界線を使うのか、まだ引かれていないところの中間線を使うのか、そこを聞いているんです。
#59
○政府委員(阿南惟茂君) まさにその都度と申しますか、そういうことになればまたその問題についての協定なり取り決めが必要になってくると思いますが、今の段階でそれを先取りした線があるわけではございません。その都度考えざるを得ないと。
 したがいまして、日韓間できちんとした境界線を引けることが理想でございまして、その線を引くべく境界画定交渉というのは今も続けてやっているわけでございますが、これはなかなか容易に決着のつく交渉ではございませんので、今、先生がおっしゃいましたような他の問題についてどういう線になるかということについては、やはりそのときにその問題に即した解決ということでございまして、今あらかじめそういう線があるというわけではございません。
#60
○風間昶君 問題が起こったらまたその都度協議するということなんですけれども、問題が起こらないように協議していかなきゃならないのではないかと思うんですけれども、どうなんでしょうか、そこは。
#61
○政府委員(阿南惟茂君) まさにそういうことで、日韓間の排他的経済水域ということが重複しているわけでございますから、その境界線をきちっと引かなければ常にこういう問題が起こるわけでございますので、その点は御指摘のとおりでございますが、現状ではなかなかそれが引けません。しかし、引く努力をしております。
 それで、今回、暫定線として日韓大陸棚北部境界というこの線を利用しておりますが、このことは将来、今、先生がおっしゃいましたような海底の鉱物資源というようなことについての取り決めが必要になったときの我が国の立場に影響を与えるものではないという規定が設けられているわけでございます。
#62
○風間昶君 一部分の資料なんですけれども、つまり日韓の中間線、排他的経済水域の外側の線と北部大陸棚協定の境界線というのが水域面積として余り変わりないぐらいの地図なんですけれども、これも正確かどうかわかりませんが、大陸棚協定境界線を用いて合理的に決めたというのは、そうすると五十三年に日韓間で合意したということが最大のベースなんですか。
#63
○政府委員(阿南惟茂君) おっしゃるとおりでございまして、今、中間線を引こうというときに、先ほど申し上げましたが、領海の基線のとり方等についてまだ食い違いがございますので、したがって両国間で既に合意のあった線というものが存在している、暫定的にこれを利用しようという今回合意になったと、そういうことでございます。
#64
○風間昶君 海洋法条約の定めでは、例えば大陸棚協定による境界線というふうにきちっと決めるということになればいいというふうになっていますね。それで、今度また、話をもとに戻しますけれども、海洋資源の問題とか何かで別の定めがつくられたら本来の経済水域という考え方が何か変わっていくような感じがするんですけれども、そこはどうとらえればいいんですか。経済水域という概念の意義そのものが変節していくことになるんじゃないですか、このラインが変わっていくと。
#65
○政府委員(中須勇雄君) ちょっと漁業の立場から補足して御説明申し上げますが、本来、まず海洋法の精神に従えばお互いの排他的経済水域を画定する、ダブっている場合には、それがまず基本的な作業であるわけであります。ところが、今回、日本と韓国の間では水域すべてにわたって排他的経済水域の境界線の画定は今の段階ではできない、これはそれぞれ主張があって一致しないという意味でできないと。そこで、漁業に関して暫定的に一定の線を引いて区域を分けて、それを漁業に関しては排他的経済水域とみなそうというふうな合意をしたというのが今回の協定だというふうに承知をしております。
 したがいまして、先ほどもお話がございましたように、日韓の北部大陸棚協定、五十三年に合意した線、これは今、日本の主張する中間線とかなり似通っている、青い線と赤い線ということでかなり似通っているわけで、我が国の立場は害されませんし、これをとりあえずの漁業暫定線として線を引いて活用して、それより日本側の水域は漁業に関しては日本の排他的経済水域とみなす、こういうふうな扱いをしようということが今回の日韓漁業協定の趣旨というか合意である、こういうふうに私ども理解しております。
#66
○風間昶君 それでは、今回のこの暫定水域は非常に範囲が広過ぎるのではないかと私は思っているんですけれども、それは先ほど久保先生の質問に対して、北東部の方については議論になりましたのでわかりましたけれども、もう一方で、済州島南部の方の暫定水域については当初、境界に関しては余り問題はなかったと思われるんですけれども、このところに暫定水域が設定された経緯について外務省さんにお伺いしたいんです。
#67
○政府委員(阿南惟茂君) 御指摘のように、交渉の経過過程で南の方は後回しになっておりまして、昨年末時点ぐらいでは南の方の暫定水域というのは余り議論の対象になっておらず、むしろ一番メーンのところの議論が最も関心事であったわけでございますが、南の方につきましてもやはり日韓の主張に対立点がございまして、具体的にはやはりここでも境界線を引くための基点のとり方について韓国側との違いがあったわけでございまして、私は先ほど来、工夫工夫という言葉を使っておりますが、一種歩み寄りをしてこういう小さい暫定水域、小さいといっても海の上では非常に広いあれではございますけれども、こういうものをやはり南にもつくったという経緯でございます。
#68
○風間昶君 そのことについて、水産庁ではこの南側の方の済州島南部の暫定水域についてはどのように受けとめていますか。
#69
○政府委員(中須勇雄君) 私どもも、この交渉の最後までやっぱり南の水域についても一本の線にしてほしいというのが基本的な立場でございました。ただ残念ながら、ただいまお話がございましたように、それぞれの法的立場というか主張、どこを一体二百海里、排他的経済水域の基点にするか、どの島ならとれるのかというふうなことをめぐって意見が違うということが生じた以上、幾ら一本の線を引けといいましてもそれがかなわないということでございますので、やむを得ずこういった暫定水域を設けるということもやむを得ないというふうに私どもも判断をした次第でございます。
 ただ同時に、こういう水域を設定したということは北と同様でございますが、やはりこの中では資源管理はしっかりやっていくという前提でやむを得ないというふうに判断をした、こういうことでございます。
#70
○風間昶君 今、長官がおっしゃったように、まさにこの暫定水域に関しては両国の資源管理、要するに協力が極めて大事でありまして、そうやったとしても遅かれ早かれ資源が枯渇していく可能性はないわけではないわけでありますから、そういう意味で実効性の伴った資源管理をどうやってやるかということで、一方では巡視船の共同運航なども当然あるんでしょうけれども、事前協議については外務省の方が音頭をとってやっていると思うんですけれども、どの程度進んでいるのか、教えていただけますか。
#71
○政府委員(阿南惟茂君) 暫定水域内での資源保護、それを確保するための取り締まりということが重要でございまして、この水域内では旗国主義で自国の船を取り締まるという原則になっておりますが、それでは効果的に徹底できないという心配もございますので、現在も引き続き韓国側と話をしておりまして、巡視船の連携巡視というようなことや共同乗船というようなことでも韓国側と話し合いをしておりますし、今後も何とか韓国側の了解を取りつけたいというふうに考えております。
#72
○風間昶君 それは希望であって、どこまで主張が通っていけるのかというところの獲得した部分とか何かは、今この場では明らかにできることがありますか。
#73
○国務大臣(中川昭一君) 暫定水域におきましては、今、アジア局長から話がありましたように、旗国主義ということが原則でございまして、旗国主義ということは我が国の、要するに旗国の漁船に対する取り締まり管轄権並びに第三国に対する取り締まり管轄権がありますが、この協定上の相手方に対してはないということであります。
 しかし、先ほどから御議論いただいておりますように、資源管理、そして違反に対する取り締まりということが最重点でございますから、我が国としては今事務的に詰めております中の大きな問題の一つとして、共同運航あるいは連携巡視について最重点で臨んでおるところでございますが、向こう側は現時点においてはそれは勘弁してくれという状況でございますけれども、我が国としてはこれについては最大の努力をもって実現しなければ実効性が担保できないと思っておりますので、最大の努力をしていきたいと思っております。
#74
○風間昶君 そこが本当に大事、これからもそこが問題になってくるのではないかと思っておりますので、暫定水域の部分でも引くところは引いてきたわけですから、ぜひここはきちっと押していく必要があるのじゃないかというふうに思います。
 次に、TAC法との関係で、今、日本海側における魚種については七魚種について調整を行っていらっしゃるわけですけれども、今後、将来的な資源枯渇を目の前にして管理魚種をふやすということはどうなんでしょうか。水産庁、何かお考えがありますか。
#75
○政府委員(中須勇雄君) 本来、TACの制度は、各魚種ごとにしっかりした資源調査を行った上で、最大持続的生産というか、持続的な生産を可能にするためにはどれだけの漁獲なら大丈夫なのかということを割り出してそれをみんなで守っていく、こういう考え方でございますから、私ども基本的な姿勢としては、できるだけ多くの魚種についてTACの制度を拡大していくというのが基本的な態度だろうというふうに思っているわけでございます。
 ただ現在、御承知のとおり、昨年六魚種で開始をいたしまして、ことしスルメイカを加えて七魚種ということでございます。こういう制度の対象にするためには、まず何よりも資源状況についての科学的な知見の蓄積が必要でございますし、そういう魚に関連している漁業関係者の意見、あるいは現在も実は七魚種をやっているわけでございますが、御承知のとおり強行規定は発動されておりません。そういった実施状況等を踏まえて順次手をつけていくものというふうに考えておりまして、そういう考え方でもう少しいろいろなデータの収集等を進めていきたいというのが現在の私どもの考え方でございます。
#76
○風間昶君 今回の新漁業協定、政治決着が図られたけれども、先ほどからの議論にもあるように、これによって本当に違法操業が減るのか、減らせるのかというのが漁民にとっては大変な関心なんです。お偉いさんが決めたという、それはそれで国と国との交渉だからそうだとしても、現実に生活の場あるいは稼ぐ場における違法な漁業が行われないのかということの担保が、やっぱり漁家にとっては不安に思うわけでありますから。
 そこで、北海道でも、もちろん大臣も御案内のように、襟裳岬ではもう根こそぎ持っていかれているという事実もありますのであれなんですが、この新協定では暫定水域以外では沿岸国主義が採用されているので、拿捕とか抑留だとか漁獲物の没収などが可能になりましたけれども、そのほかの制裁というのはどんなものがあるのか。これは罰をどうこうするという意味ではなくて。そしてまた、新協定の六条の一項には「必要な措置」というものをとると書いてありますけれども、どんなものを想定しているのか、外務省にお伺いしたいんです。
#77
○政府委員(阿南惟茂君) 違反取り締まりということが極めて重要でございまして、現在でも韓国漁船が韓国国内法違反というようなこともやっておりますので、この点、私ども最大限の注意を払っております。
 そして、今お尋ねの新協定の六条一項に言う「必要な措置」ということにつきましては、これは国連海洋法条約にもそういう関連規定があるのでございますが、「必要な措置」というのは、典型的な場合は乗船、検査、拿捕及び司法上の手続が含まれるということになっておりまして、自国の排他的経済水域内において自国の法令等に違反した相手方の船に対しては、今申し上げたような措置が具体的にとれるというふうに規定されております。
#78
○風間昶君 終わります。
#79
○大沢辰美君 日本共産党の大沢でございます。
 今、質問が続いていますように、この日韓漁業協定は国連海洋法条約の趣旨を踏まえて日韓両国間の漁業秩序の確立を目指したものでありますから、私は今日の事態を前進させるための契機としていかなければならないと思っております。しかし、資源管理や操業上の問題も非常に多く、漁業関係者からは本当に不安の声が上がっていますので、幾つかの点について質問をしたいと思います。
 水産資源の減少、枯渇をこれ以上進めてはならないという点で、特に排他的経済水域内では我が国が責任を持って資源管理を行う体制を強めることが重要だと考えます。私も、この問題が出て直ちに兵庫県の山陰の漁業関係者と話し合いをしてまいりましたけれども、やはり韓国漁船の操業形態について強い懸念を持っています。そして、先ほどもずっと質問が出ていますけれども、特に底刺し網の問題なんですね。これは御存じのように、一連四千メーターぐらいですか、それだけの網を十数連も一カ所で張るわけですから、本当に広い海を占拠するようになるわけですね。ですから、魚礁を設置していても本当に小さな魚も根こそぎ持っていかれてしまうという訴えを強く聞いてまいりました。
 水産庁はこのような漁法が本当に行われることについて、資源保護上どのように考えていますか。まずお尋ねしたいと思います。
#80
○政府委員(中須勇雄君) 先ほども若干御説明申し上げましたが、特にこの底刺し網漁業というのは、資源保護というか資源管理という面で見ますと、底に刺し網を沈めまして一定期間ほっておくということで、底質を移動する魚類あるいはカニ、甲殻類等をすべて根こそぎとってしまう、こういう面で資源に与える影響の大変大きい漁法であるというふうに我々は思っておりまして、したがいまして、例えば我が国のズワイガニをとる漁業者に対してこういう漁業をやることは禁止をしている、こういうことでございます。
 また同時に、ただいま御指摘がございましたように、単に資源に与える影響だけではなくて、長期にわたって漁場を大幅に占有するということもございます。そういった点で、我が国漁民は我が国のEEZ内における底刺し網漁業について極めて強い反発を感じている、御指摘のとおりでございます。
#81
○大沢辰美君 ぜひ、その点については強く禁止を求める態度を貫いて頑張っていただきたいと思います。
 次は大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、特に排他的経済水域内での日本の主権についてお尋ねしたいと思います。
 協定は、排他的経済水域の操業条件を日韓漁業共同委員会の協議の結果を尊重して決定するとしています。日本が幾ら資源保護上心配だとしても、この共同委員会の中でまとまらず、結局、規制できないことが非常に危惧されるわけですけれども、本来、排他的経済水域内は海洋法六十一条、六十二条になるわけですけれども、それにあるように、自国の判断で規制できるものとなっていますね。ですから、本当に資源保護上問題があるものだと日本側が科学的に明確にしたものについては、日本の主権で規制を決定して通告して頑張るべきと考えるが、大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。
#82
○国務大臣(中川昭一君) 国連海洋法条約上もありますし、今御審議いただいている本協定の附属書Tの2の(5)でも……
#83
○大沢辰美君 三条です。
#84
○国務大臣(中川昭一君) 失礼しました。
 今のは暫定水域の話でございまして、三条で、我が国において魚種割り当て量、区域その他具体的な条件を毎年決定し、相手国に書面により通知するという構図でございまして、その中で我が国としては、今、水産庁長官からもお話がありましたように、底刺し網漁業についてはいろいろ大きな問題点があって、漁業者あるいは資源管理その他に大きな影響を与える問題でございますから、我が国としてはこれは全面的に禁止すべきであるというふうに考えておるところでございます。
 したがいまして、現在も続いております実務者会談におきましても具体的な詰めを行っている中で、この底刺し網漁法の全面禁止、我が国のEEZ内での全面禁止については強く主張しておるところでございます。また、協定上は、それは当然の決められたルールにのっとって主張しておるところでございますから、我々としては、ぎりぎり申し上げるのならば、相手がうんと言うか言わないかということにかかわらずできる問題であろうというふうに考えておるところでございますが、交渉でございますので、向こう側の意見も言っておりますし、それはそれとして聞きますけれども、我が国としてはその方針はいささかなりとも変更することはございません。方針というのは、そういう方向で今主張をしているということについてはいささかなりとも変更することはございません。
#85
○大沢辰美君 経済水域内については本当に主権を行使していただきたいということを特に強調しておきたいと思います。
 暫定水域内についてですが、これも質問があったわけですけれども、韓国の底刺し網は、先ほども述べましたように、漁業者の操業上からも問題があるわけですね。特に、兵庫県の山陰の方のお話を聞いて、漁協の、漁民の人の話では、今度の協定で暫定水域の中に入る隠岐北方で多くが操業をしておられるんですね、山陰の方は。韓国の底刺し網の船が五そう操業したら日本の漁船五十そうが操業できなくなる、こういうふうに極端に言われております。そういう状況なんですね。
 ですから、本当にこの人たちは隠岐北方への依存率を五〇%で仕事をしておりますから、その漁協の人たちは操業も困難になるし、経営も困難になるし、そして地域経済へも非常に影響があると危機感を持っているわけです。この暫定水域内でも、共同委員会で話し合って資源の保護、管理が適切に行われるように今進んでいるんだと思いますけれども、やはり今、漁民の皆さんの心配は、漁船の総数や漁期の制限、それから漁業者が求める、今言いました底刺し網の禁止も踏まえた漁法の規制、それから双方の漁場の調整、それから日韓の漁船が本当に共存できる条件をどう確立していくのかというルールづくりを今、大臣は言ったわけですけれども、本当にこの暫定水域内では確立が求められると思うんです。その決意をもう一度お聞きしたいと思うんです。
#86
○国務大臣(中川昭一君) 暫定水域内につきましては、先ほどちょっと言い間違いました附属書の中で書かれておるわけでありますが、我が国がとっておる措置を尊重してもらいたいということを通報できるシステムになっておるわけであります。それから一方、この協定に違反するようなことを発見した場合には、相手国に通報し、相手国はその取り締まり状況等を我が国に対して通報するということになっておるわけでございます。
 直接的に何もできないということでございまして、これは相手国との信頼ということになるわけでございますけれども、何としても資源管理あるいは違反、それから我が国がやっていない、資源に大きく影響を与えるような問題について相手国も尊重すべきであるという立場に立つならば、今さらにそれを担保する措置といたしまして、先ほども申し上げたような共同乗船あるいは連携巡視等の措置も現時点で相手国に対して認めるように要求する交渉を続けておるところでございます。
 いずれにしても、実効性が担保できるように最大限の努力を現在しておるところでございます。
#87
○大沢辰美君 大きな心配を抱いている中でのルールづくりが求められると思いますので、その点についても全力を挙げていただきたいとお願いしておきたいと思います。
 最後に、魚価の安定についてですけれども、今、魚の値は、本当に価格は下がっているんですよ。経営難は深刻になっています。これも兵庫県の山陰の意見なんですけれども、借金を抱えてやめるにやめられない、こういう人たちが組合員の三分の一おられるという話です。だから、今度の新協定の関連漁業振興対策という予算が組まれたんですけれども、直接、魚価対策、いわゆる魚価安定のための対策に充てられる予算が入っているのですかというのが一点。
 また、魚価の問題では、秩序ある輸入規制を今までとっていなかったために起きた現象だと私は思うんです。ですから、APECでは先送りされた水産物の輸入自由化、関税撤廃があるわけですけれども、この点についても今後ともやはりWTOの場でもはっきりと拒否すべきだと考えますが、大臣の決意をお聞きしたいと思います。
#88
○国務大臣(中川昭一君) 魚価安定対策につきましては、今回の日韓新協定あるいはまた国内対策、振興対策において直接的に対策をとっておるわけではございませんけれども、個々の魚価というよりももっと広い意味の漁業の経営の安定化のためにできるだけの措置をとったところでございまして、この基金等でも安定資金の供給等、関係漁業者の経営安定のためにお役に立つような事業を行っております。
 水産物は海の状態や時期によって漁獲の集中が起こりやすいことから、水揚げの集中による価格の著しい下落を防止するため、従来から水産者団体等が行う主要水産物の買い上げ、調整保管に対して助成する水産物調整保管事業を実施しているところでございます。
 なお、APECで先送りになったというお話でございますが、そもそもAPECはそういう交渉の場ではないという門前払い的な主張を我が国はしたわけでございますし、それと同時に、水産物に関しては日本は大変な輸入国であり、そして国内漁業者が大変苦しんでおるんだという実態論も我が国は主張したところでございまして、そういう意味で今回我が国の主張が通ったものというふうに理解をしております。
 今後、仮に水産物に対して同じような要望が他国から出てきた場合にも、実態論としても我が国はこれ以上の関税引き下げをすることはできないという主張を申し述べていくことを考えておるところでございます。
#89
○大沢辰美君 本当に適正な価格で漁業者の経営が成り立つような国の対策が私は不可欠だと思うんです。ぜひこの機会に、魚価の抜本対策などについても検討していただきたいことをお願いしておきたいと思います。
 一点、最後に、監視・取り締まり体制について要望しておきたいと思うんです。
 先月も、二十二日だったんですけれども、兵庫県の浜坂の漁船が相手国の韓国の十四連の底刺し網でトラブルがあったそうですね。だけれども、無線で連絡したけれども、水産庁の取り締まりは、来たのが二十三日だったと言っています。こういう状況がある中で、これからの新たな紛争の火種となる暫定水域など問題がありますから、取り締まり・監視体制を強化していただきたいことを要望して、私の方の質問は終わります。
#90
○須藤美也子君 私は、日韓漁業協定の問題でなくて、全く別の問題について質問をいたします。
 今、いろいろな新聞で報道されております米の関税化問題について、全国各地で混乱が起きております。そこで、一昨日、日本共産党国会議員団が大臣に申し入れを行いました。これは食料自給率の引き上げ可能な貿易ルールが必要であって、米の関税化問題、これは将来にわたって国民全体にかかわる重大な問題であると。国民の合意、国会審議のないままに関税化を進めないように申し入れを行いました。
 そこで大臣はこう答えました。これに対してはいろいろな選択肢があると、現在は白紙、何も考えておりませんと、こうおっしゃいました。さらに、国会で議論していただいて、こうやれ、ああやれと言われなければ私は動きません、動けませんと、こういうふうにおっしゃいました。つまり、国会の論議を重視すると、こういうふうにおっしゃったものだと私は受けとめました。
 ここで、この委員会でこれから重要な問題になりますので、この米の関税化の問題とWTOに向けた再交渉の問題等についていろいろ出てきますので、大臣のこの国会に対する態度、これを明確にしていただきたい、このように思います。
#91
○国務大臣(中川昭一君) 現時点で農林水産省並びに私の考えはどうかということに関しては白紙であるというふうには申し上げました。こうやれ、ああやれということを踏まえて動くということではなくて、いろんな御議論を各党あるいはまた団体の皆さんが今真剣に本格的にやられておる最中でございますから、要は、国論といいましょうか、外に向かって交渉をするということになりますならば、国内がまとまらなければこれは交渉にならないというふうに考えておるところでございます。そういう意味で、交渉に当たるのは政府でございますから、その交渉に当たるに当たりまして現時点でそれぞれ各党の皆さんが真剣に御議論をいただく、また直接の生産者団体が真剣に御議論をいただいていることを我々は注意深く見守り、そしてその意見の集約をしていただくことをもって我々は日本の立場として世界の交渉に当たっていくということの趣旨を申し上げたところでございます。
 そういう中で、国会の議論というものはもちろん大事だろうと思いますが、国会で御議論をいただく時期というものもこれからあるのかもしれませんが、現時点におきまして、各党そしてまた関係団体の真剣な御議論を、我々も真剣にその状況を逐一情報をとらせていただきまして、我々の今後の参考にさせていただきたいというふうに思っておるところでございます。
#92
○須藤美也子君 国会の審議については国会で決めるわけでございますけれども、国会のいろいろな論議もしないままに農水省がいろいろな通達を出している、そういう問題もありますので、非常に極めて重大な問題が現場では起きております。
 ですから、この問題については、きょうは時間がありませんからいろいろ申し上げませんので、改めてこの農水委員会で、米の関税化問題を初め時期、とりわけ我が国の食料主権を守るためにどうするのか、この審議を十分にこの委員会でするように委員長に強く申し上げまして、私の質問を終わります。
#93
○委員長(野間赳君) 午後二時十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時四十六分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時十五分開会
#94
○委員長(野間赳君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、国井正幸君が委員を辞任され、その補欠として岩城光英君が選任されました。
    ―――――――――――――
#95
○委員長(野間赳君) 休憩前に引き続き、排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律及び海洋生物資源の保存及び管理に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#96
○谷本巍君 余りにも広過ぎる暫定水域がとられまして、そういうもとで新しい漁業秩序が発足をいたします。でありますから、漁業振興について新たな局面を迎えてどういう対策をしていくかということが迫られております。ことしの補正予算を見てみますというと、日韓新協定関連漁業振興基金を中心といたしまして、若干のものが計上をされております。
 そこで、初めに私伺いたいと思いますのは、新協定の具体的な展開というのはこれからであります。しかも相手があります。でありますから、三年間ということで、今度の補正に盛られた新しい対策にいたしましても、これからの事態の進展を見ながら随時見直し等々を行いながら進めていく必要があるだろうと思います。その点、水産庁長官、どうお考えになっておるでしょうか。
#97
○政府委員(中須勇雄君) 先生まさに御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましては、まず何よりも関係水域における資源管理の徹底であるとか、あるいは適切な取り締まりの実施ということについて関係省庁連携のもとに推進をする、やはり我が国の立場が貫かれるように努力をする、そういうこととあわせて、今、先生から御指摘のございました第三次補正予算に計上をしていただいております対策の適切な実施等によって経営の安定を図っていく、万全を期していく、こういうことでございます。
 いずれにしても、冒頭申しました、どのような規制措置が講じられるのか、あるいは取り締まりの実態、これから決まる部分も多いわけでございまして、そういった状況あるいは今後の実際の操業の推移というものを十分見ながら適切に対応していかなければならない、こういうふうに思っております。
#98
○谷本巍君 この新しく発足する基金のことでありますが、基金の拠出者は政府と水産関係団体というふうに伺っております。そうしますと、自治体との関係をどうするかということが問題になります。中には、自治体にも基金を出してもらったらどうなのかといったような声も少なくありません。それからまた、この基金制度を運用していく上で自治体にいろいろ協力をしてもらうというそういう判断もあります。
 その辺、長官、どんなふうにお考えになっておるでしょうか。
#99
○政府委員(中須勇雄君) 今回の振興基金につきましては、既に御説明申し上げているとおりでございますが、経営安定資金に対する利子補給あるいは漁獲共済に対する掛金の助成あるいは漁場機能回復等の諸活動への支援、そういったいろいろなメニューを対象にしているわけでございますが、やはり基本的に、締結される新しい日韓の漁業協定に関連して、主に韓国漁船との競合が起きる、そういうことから影響が起きる漁業者、こういうものを対象にして対策を講ずる、こういう事柄上、私どもは、国の責任というか国の基金によってその対策を講ずるということを基本にしているわけでございます。
 確かに、実際に各種の事業をやっていく上で都道府県の御協力を得なければならない部分も当然あるわけでございますが、現在の段階では、都道府県に対して一定の部分を義務負担せよと、こういうふうなことはとらずに、そこは各都道府県の御判断にお任せをする、もちろん事業の実施に当たっては十分な御協力、御支援をお願いする、こういうような立場で臨みたいと思っております。
#100
○谷本巍君 次に、暫定水域における資源保全対策について伺いたいと存じます。
 午前中、この農水委員会で、漁法の問題、漁獲量の問題等々の議論がありました。漁法の問題で、底刺し網の場合は資源絶滅型の漁法であるという点では皆さんの意見が一致しておったと思います。
 もう一つ問題があるわけでありまして、トロール漁法はどうなのか。とりわけ、大型トロール船でやられてしまうというと、これはやっぱり同じような資源絶滅型漁法だという問題指摘がこれまで多くありました。したがいまして、こうしたトロール漁法も俎上にのせて日韓漁業共同委員会で話し合いをすべきではないかというふうに考えますが、その点いかがでしょうか。
 それからもう一つ、午前中余り議論がなかったのは取り締まり体制の問題であります。この取り締まり体制の問題については、日韓両国の連携巡視という方法でいったらどうなんだという意見がかなり多くあります。実際、実効が伴うものということになってまいりますというと、日韓両国の担当者が一緒に乗る、つまり共同乗船方式ですね、これが一番実効が上がるというふうにされておるのだが、韓国側がいろいろな理由から難色を示している状況がございます。しかし、私はこの共同乗船方式、これをぜひ実現するようにしてほしいと思うのだが、いかがでしょうか。
#101
○政府委員(中須勇雄君) 第一点目の、漁法としてのトロールの問題でございますが、現在、韓国のトロール漁船ということになりますと、北海道沖において千トン未満の十一隻のトロールというのが操業をしております。これにつきましては、基本合意の中でも触れられましたように、これを来年からは半減をいたしまして、数量的には約六万トンの実績があったわけでございますが、一万五千トンに縮小し、次の年にはゼロにするということで、北海道沖からのトロール漁業のフェーズアウトということが実現するわけでございます。
 一方、日本海の暫定水域等、山陰あるいは北陸沖の水域では韓国のトロール漁業、これは主として小さい漁業でございますけれども、これは韓国の国内法でも操業を認められていない、そういうものがかなり実際には出てきて資源を荒らし回っているのではないか、そういう実態があるわけでございます。
 そのため、今回新しく協定のもとで管轄権、我が国の水域については我が国が取り締まりを行う、また暫定水域についても旗国主義のもとで効果的な取り締まりを行うという体制ができたわけでございますから、当然こういった違法な小型のトロールにつきましても、引き続きというか、韓国国内法で違反だという状況はお互いに確認した上でこれを有効に取り締まっていく。こういう形で、北海道については一年、日本海の暫定水域等におきましては来年からこういったトロール漁業は一掃していく、こういう気持ちで臨みたい、そういうふうに韓国にお話を申し上げているという状況でございます。
 それからもう一点の、暫定水域の中の取り締まりに関してお話のございました連携巡視、共同乗船という手法がございます。御承知のとおりでございますが、連携巡視と通常言っておりますのは、日韓両国の監視船が一緒になって連携をとりながら漁場の監視をして、それぞれの旗国主義のもとで自国の違反船を見つけた場合にそれを取り締まる、こういうやり方でございます。共同乗船の場合には、どちらかの監視船に両国の監督官が乗って、それぞれの監督官が自国の漁船に対して監督権を行使する、こういう形でございます。
 ただいま先生の御指摘のとおり、今回、予備協議という性格でございますが、韓国と話し合っている中で、我が国としてはぜひこの二つを実現したい、暫定水域において十分効果的にこういうやり方で取り締まりをやっていきたいということで韓国側に要請をし、協議を続けておりますが、御指摘のとおり、現時点では共同乗船に関しては韓国側は消極的と、こういうことでございまして、なお引き続き実現に向けて努力をしていきたい、こういうふうに考えております。
#102
○谷本巍君 共同乗船の件はぜひひとつ強力に交渉方をお願いいたします。
 それから、念のために伺っておきたいのでありますが、日韓協定ででき上がる管理内容はたしか期間が三年間というふうに記憶をしております。これは、その実効性を見ながら必要によっては見直しというのを随時やっていく必要が私はあるような気がするんです。その点いかがでしょうか。
#103
○政府委員(中須勇雄君) 今回の日韓漁業協定そのものは三年間固定、その後はどちらか一方の国が終了通告をした場合、六カ月後に効力を失う、こういう規定でございます。
 この協定の枠組みのもとで毎年の操業等に関してどうするかということについては、毎年、日韓漁業共同委員会を開催いたしまして、翌年どういうような規制を実施していくかということを話し合うというのが基本的なやり方、こういうことでございます。そういった意味からは、一年目に実施した規制なり取り締まりの実施というのがどのように効果を上げ、どのような点が不足であったのか、またどういうふうに改善を図ればいいかというのは毎年の日韓漁業共同委員会の中で当然のことながら議論をされる、そういう部分がございます。その点に関しては、私どもも十分レビューをして、より内容が効果的なものになるように毎年努力を続けていく、韓国との話し合いの中で改善努力を続ける、そういう点があろうかと思います。
 それから、枠組みを決めている日韓漁業協定そのものに関しては固定期間が三年でございますから、その時点で三年間の成果がどういうことであったのか、その上でこれから先どうするか、そういう議論が行い得るという状況になりますので、その辺は実施状況を十分見守りながら、また関係漁業者の意見等も聞きながら対応をしていきたいというふうに思います。
#104
○谷本巍君 それから、これは暫定水域だけの問題じゃありませんで、全般にかかわることですが、日本側の監視体制の問題ですね。
 これは大臣にもちょっと聞いておいていただきたいのでありますけれども、水産庁が三十二そう、都道府県が九十八そうという話を伺ったことがあります。これを聞いて私は背筋が寒くなるような思いがいたしました。これで果たしてやれるのかどうなのか。水産庁の皆さんに伺いますというと、例えばチャーターで飛行機なんかも借りて上空からもやっておりますという話も伺っていますけれども、あっちからも借りる、こっちからも借りるということも大事でしょう。しかし、やっぱり独自の監視体制をきちっとこの際整備をしていくことが大事になってきているのではないか。
 今度の予算でもその点若干の配慮が出ておるようでありますけれども、これからの推移を見ながら、その辺のところを特に重視してひとつ拡充に努めていただきたいと思うのだが、いかがでしょうか。
#105
○政府委員(中須勇雄君) 我が国の二百海里水域及び暫定水域における我が方の取り締まりの体制というのは、私どもとしては基本的に海上保安庁の巡視船艇と水産庁の監視船、これらが連携によって行っていくということを基本的な考え方にしております。
 私ども水産庁の監視船については、ただいま先生御指摘ございましたように、官船、用船含めて三十二隻という勢力でございますが、これは実は国連海洋法条約を批准した段階から逐次拡充をしてそういう状況になっておりますが、さらに今後もふやしていきたいということで、毎年一隻なり二隻ずつ着実に増加をして監視の充実が図られるように努力をしていく。同時に、御指摘のとおり大変広い海域でございますので、航空機等による上空からの観察と、それと連携して、地上というか海上で監視船が摘発をする、こういうものの組み合わせをやっていきたいということで、航空機による監視についても、今回、来年度の予算におきまして、従来は小型のセスナでございましたけれども、より大型の機動力のある航空機をチャーターするということもぜひ実現したいというふうに思っている次第でございます。
 そして、監視活動の一番中心になる海上保安庁につきましては、午前中の御審議でもお話ございましたが、今回の補正予算で約百億という金を投じまして、ヘリコプター搭載型の大型巡視船をつくるということを含めまして、二十数隻の新しい監視船をつくるというような体制を組んでおりますので、海上保安庁と十分連携しながら十分な取り締まりが行われるよう、私どもとしてもできる限りの努力をしていきたいと思っております。
#106
○国務大臣(中川昭一君) 今、先生御指摘のように、新しい体制のもとで資源管理、あるいは私が韓国の海洋水産部長と何回か協議をする上で、お互いに信頼関係を持たなければいけないということでは合意しているわけでありますけれども、現時点におきましても違反あるいは大量の操業、さらには禁漁期直前にわっと来てわっとやるというような、あるいは漁網、漁具等の被害、こういうものが現に行われておるということに私自身強い抗議を申し上げ、向こうの担当大臣も違反等については我々も本当に恥ずかしいことなので厳正に対処したいと言っておりますけれども、これは現にスタートをしてそういうことがなくならない限りは、我々はそれに向けて万全の対策をとっていき続けなければいけないと思います。
 そういう意味で、今、長官からもいろいろ説明がありましたけれども、日韓共同して重点海域への取り締まり船の集中配備でありますとか、あるいは船名簿の交換、船名表示の明確化、あるいは日本から韓国違反漁船に関する証拠書類を提出して的確に処分をするようにさせるとか、あるいは今お話のありました連携巡視、共同乗船等をきちっとやっていく。それをするために、今、先生御指摘の三十二隻プラス、今後水産庁においても何とか代替建造等で性能アップをしていく、あるいは警察権のある海上保安庁の取り締まりの強化、ヘリコプター搭載型を含めた二十六隻の造船の計画等々を総合的にやることによって、信頼関係が実際に確立されるということは、ルールをきちっと守り、違反がなくなり、そして適切な資源管理ができるという我が国の主張に韓国がきちっと応ずるということをもって、先生を初め、きょう御質問されている先生方の御心配が払拭できると思いますので、それに向かって最大限の努力をしていきたいと思っております。
#107
○谷本巍君 質問通告いろいろありましたけれども、時間がありませんので省略をしまして、最後に大臣に基本法づくりについて見解を伺いたいと存じます。
 水産基本法をつくろうという話は古くからあるが、いまだに実現しておりません。
 通常、食料自給率といいますと、普通の家庭の皆さんというのはやっぱり農産物なんです。どういうわけか水産物は入ってこない。ところが、最近、日本型食生活というと米と野菜と海藻と魚だと、こう来るんですね。ですから、水産物というのは非常に重視されながら、一般の家庭の中でも、あるいは農政の分野でもどうもどちらかというと忘れられる場合が少なくなかったという状況があります。
 そんな状況の中で、世界全体として見てみましても漁獲量が大幅に伸びるという期待はもう無理でしょう。そして、国内の方はどうかというと悲観材料の方が多い。それだけに、二百海里体制ができ上がったこの機会にひとつ基本法づくりについて思い切って踏み込んでやっていただけないかというふうに考えるんだが、大臣、いかがでしょうか。
#108
○国務大臣(中川昭一君) 先生御指摘のように、日本は海に囲まれた水産国家でございますし、日本人の動物資源の四割は海からのたんぱく資源ということでもございますから、そういう中で日本の漁業というものも大きく変化をしてきておるわけでありまして、そういう中で、つくり育てる漁業とか新しい要請もありますし、今また先生のおっしゃっているように、経営体が非常に厳しいとか高齢化だとか新規参入者が少ないという問題、さらには御議論いただいております海洋法あるいは資源管理、また環境の問題もあると思います。そういう中で、新しい時代、そしてまた厳しい、しかし大事な水産業を守り、発展をさせていくために、昨年九月から水産基本政策検討会というところで、この基本法の制定も念頭に置きつつ今後のあるべき水産についての基本的な御議論をいただいておるところであるわけであります。
 そういう意味で、御検討を待って次のステップに行かなければいけないと思っておりますけれども、こういう水産をめぐる状況である以上、水産基本法の必要性というものは我々も十分認識をしながらこの検討会での御議論を待ち、またこの場を含めた国会での御議論もいろいろと御参考にさせていただきたいと思っておる次第でございます。
#109
○石井一二君 石井でございます。
 今、我々は日本の法案を審議いたしておりますが、もしこの法案が国会で否決されて通らなかった場合、日韓新漁業協定というのは当然白紙に戻すことができると思いますが、大臣、いかがですか。
#110
○国務大臣(中川昭一君) まさに、否決されたらば、これから署名が終わって、そして一月二十三日までのできるだけ早い時期に批准、発効させたいと思っておるところでございますけれども、憲法上の規定に基づいてこれはだめだということになれば、協定自体が韓国との間で効力が与えられないということになるわけでございますが、厳しい交渉、そして厳しい協定内容ではございますけれども、最悪を避けるためにも、日本の漁業を守っていくためにもぜひこの協定を御承認いただいて、そしてその上で細かいところ、今事務的にまだ詰めるべきところがありますけれども、我が国の漁業を守る、資源を守っていくという観点から、この協定、そして現在御審議いただいておる国内法の審議をしていただきまして、そしてその中で日本の漁業を守っていきたいと思っておりますので、何とぞひとつ御審議を尽くして、そして御承認をいただければというふうに伏して思う次第でございます。
#111
○石井一二君 大臣の切なる願望を願いと受け取っておきたいと思います。
 先般、私はある方を非常に激しくしかりつけたわけであります。その理由は、なぜ国会を無視するんだと、政府をばかにしておるのかと言って私は怒ったわけですが、彼らが言ったことは、漁連の関係者ですが、この交渉に当たった日本チームはへっぴり腰の腰抜けと低能者の集まりだと、こう言ったわけです。それで、彼らの言うこともちょっと聞かねばいけないので、怒りつけた後、じゃ、具体的にどういうところがあなた方がそう言う原因なのかと言うと、次の十項目についての指摘があったわけです。長々と答弁されると私言えませんので、まずその十項目を述べますので、後でコメントをもらいましょう。
 一つは、現行協定、すなわち大陸棚北部の境界画定による境界画定線が引かれているんだからそれを排他的経済水域に置きかえればよかったものを、二つも暫定水域を設置したということに対する不満と非難です。
 第二番目は、大和堆の四〇%を韓国の主張のまま秩序なき暫定水域に組み込んだと。これはけさ同僚からも指摘がありましたが、とんでもない話だということです。
 それから三番目は、現行協定では存在しなかった、結局、南の暫定水域を設けさせられたと。しかも、その論議の過程で、沖ノ鳥島というものが、韓国サイドは日本の領土ではないというような感じの発言をそのまま受けた格好の決め方になっておるのではないかという指摘であります。
 それから四番目は、排他的経済水域に対する相互入会について、日本は韓国に認める漁獲割り当て量を示しておりますが、これは紙を出しただけで、韓国はそれを了承していないんですよ。了承しておるというのであれば、水産庁長官、後で、了承しております、もしそれが変わってくれば私の首にかけて守りますと言ってください。一方、韓国が日本に対してこれだけオーケーよという数字というものをいただいていない、そういうことであります。
 それから、九九年以降のスケトウダラとかズワイガニは等量という、同じ数量という表現を使っていますが、幾らが等量かということを示していないということであります。
 それから六番目が、現在二十万トン対十万ということになっておりますが、実際、韓国はこちらサイドで二十万とっている、等量だと。日本が向こうの漁場で二十万トンもとれないというんですよ。そうなると、おのずから十万トンに減った場合、韓国が日本サイドで十万トンで辛抱させられるか、それはしないだろうと。そういうことに対する懸念と不満、政府に対するそれだけの信用がない、そういうことの発言、指摘がございます。
 それから、その次ですが、ズワイガニについては九九年及び翌年は既存実績の五〇%となっておりますが、既存実績とは何か。違法操業による漁獲量を入れているのか入れていないのかということがはっきりしていないということです。
 それから、さらにその次に、日韓漁業共同委員会に期待するなんて言っておりますが、これは二対二でしょう。アメリカさんでも呼んできて、審判長が置いていないこういうところで平行線の論議になった場合、今までの前例から見て、日本はずるずるずるずる妥協をして韓国の言うとおりになる、そういうことは見え透いておるではないかという指摘であります。
 それから、漁業の種類別の漁船の最高隻数とか操業方法。先ほどからトロールとか底刺し云々とか出ておりますが、最高隻数とか、こういうことがはっきりした数値に、条約後署名するというような中で、協定に署名するというような前提として示されていないことは片手落ちだと、こういう指摘もございます。
 最後に、旗国主義から沿岸国主義に変える予定じゃなかったのか、何だ、だらしがない、そういうこともようし切らないのか、こういう指摘があるわけであります。
 私が今申し上げた約十カ所の指摘に対して、いや、それはこうですよ、あなたは間違っていますよということがあればお聞かせをいただきたいと思います。
 ただ、その前に大臣に伺っておきたいと思いますが、我々一番頭が痛いのは韓国の違法操業だと。そこで、細川・金泳三会談というものが行われて、この問題に特に集中して話をした結果、九三年に千二百四十三件通報があった違法操業というものが、九四年には二百十三件になった、九五年には百三十八件に減ったという実績があるわけです。だから、トップ同士の話というのは通用するんだということで、大臣がイニシアチブをとって金大中・小渕会談というものをセットしていただきたい、そうすべきであろう、そのように思うわけでございます。
 ちなみに、漁業だけ交渉しているからうまくいかないので、日韓経済協力とこれを一緒にやってほしいんです、トップで。このデータを見てみますと、例えば我が国の対韓支援というものはIMF等の国際金融関係の融資で百億ドルという、我が方が一番大きな貸し手になっておるというのが一つ。昨年の十二月には、日銀からのつなぎ融資として千六百五十億円韓国に行っておる。ことしの一月三十日には、いわゆるLCのない貿易取引についても輸出保険を運用するということを認めてやっておる。五月二十七日には、一千三百億円のステップローンというものを認めておる。それから、十月八日には、三十億ドル相当の輸銀による対韓融資覚書に署名をしてやっておる。こんなものやめたらいいんですよ。そうでしょう。だから、フェアでグローバルなまとめた交渉をするだけの努力というものをやっていただいたら、私は、今回決めかかっておるこの中身というものも先方が遵守して、日本の漁場も守られ、漁民の皆さん方もよりハッピーではないかと。
 けさ、そこのダイヤモンドホテルで漁連の方々の大会があって、私ものぞいてまいりましたが、非常に険悪な悲しいムードに包まれておりました。
 以上、いろいろ申し上げましたが、私の持ち時間は四十六分までということで、今四十五分ですが、あとはあなたの時間です。ひとつよろしく御答弁を願いたいと思います。
#112
○国務大臣(中川昭一君) 今の石井先生の十点の項目についてはそれぞれ長官から申し上げますが、率直に言って心配、また事実関係としてそういう結論になったということもありますが、若干誤解の部分も数点あるような気がします。
 例えば、第三国、紛争になったときに言いっ放しになるじゃないかという御指摘でございますが、これははっきり紛争になったときには第三国の判断を仰ぐというふうなことも協定上書いてありますし、またスケトウ、ズワイについても協定上はっきり書いてありますし……
#113
○石井一二君 どう書いてあるんですか。
#114
○国務大臣(中川昭一君) 協定上、スケトウについては一年間一万五千トン限りとか、ズワイガニについては……
#115
○石井一二君 向こうはオーケーを言っていないというんです、私の指摘したのは。数字を出しただけですよ。
#116
○国務大臣(中川昭一君) いやいや、署名したんです。先週の二十八日に鹿児島で署名した協定の附属書の中に、そういうふうに一万五千トン一年限りとか、あるいは五〇%二年でおしまいとかいうことははっきり協定の附属書、協定と一緒であります大韓民国の国民及び漁船に対する漁獲割当量に関する日本側書簡ということで、一体のものとして両外務大臣が署名をしておりますので、これは合意事項として確認をされているというふうにその方には御理解をいただきたいと思うわけであります。
 また、等量のことについてもはっきりと約束をしておりますが、一々は今、水産庁長官から答えさせますけれども、確かに向こう側も、例えば破棄通告をした後にわっと向こう側が怒りましたけれども、いよいよこれじゃまずいということで一時期、自主出漁みたいなことをやめた時期もありますし、その後、協定が署名間近になるとまた大挙して出てくるとか、非常に変幻自在な部分があって、我々も非常に困っておるところでございます。
 そういうことで、全体会議あるいはトップ同士の会議をやることがどうだという御提案でありますが、先週の二十八日、鹿児島で日韓閣僚懇談会というものがございまして、私と相手方とでバイで交渉もいたしましたが、全体会合の中で金鍾泌国務総理からも、日韓協定が間もなく署名されるけれども、お互いに秩序を持ってきちっとこの漁業協定が署名され、そして運用されることが大変望ましいことであるというようなことも公式の場で言われておるところでございますから、私は、韓国政府については違反、資源管理についてはきちっとした対応をとってもらえるものという前提で細かいことを今協議しておるところでございます。
 先生の御指摘は非常により効果的な御提案だと思います。そういう意味で承らせていただきたいと思いますが、今の十の疑問については長官の方からひとつ説明をお願いしたいと思います。
#117
○委員長(野間赳君) 時間が経過をいたしておりますので、お尋ねの十項目は直接連絡をとって御返事をしてください。
#118
○阿曽田清君 阿曽田でございます。
 もうほぼ意見は出尽くしておる感がいたしますが、重ねてお尋ねをいたしたいと思います。
 暫定水域がどうやって決まったのかといろいろ御質疑あっておりましたが、報道によりますれば、当初百三十四度以西、北緯三十八度以南、こういうような報道がされておったように私は耳にしておるんですが、今までの協定からしますと百三十五度というところであったのが、最終的には百三十五度三十分に落ちついたと。先ほどの説明によると、韓国側が百三十六度を主張し日本側が百三十五度、その真ん中をとってと、こういうような説明であったわけであります。
 私からすれば、日本側の報道として百三十四度というところが最初に頭にありまして、従来は百三十五度というところで決まっておったのが、日本が百三十五度からスタートして韓国が百三十六度からスタートして真ん中をとったということですけれども、本当ならば落ちつくところは百三十五度ではなかったかなというふうに単純に思うわけであります。それは大和堆を中心としての漁場、いわゆる宝庫をどちらがつかむかということにかかって、最終的に韓国側もその漁場に手を出すことができたという結論になったようにしか思えないんですが、その点、本音としてはそこにあったんじゃないか、奪い取り合いじゃなかったかなというふうに思うんですが、いかがですか。
#119
○国務大臣(中川昭一君) 二年半にわたる今回の新協定の議論の中で、特にことしの一月の終了通告以降の議論では、あくまでも韓国側は、先ほども長官から答弁いたしましたが、ずっと東はもうほとんど境界線というのはないんだという前提から百三十六度に、向こう側の言葉でいえばぎりぎりの線だということで言ってきたと、日本側は一貫して百三十五度を一歩も譲ることができないんだということでぎりぎりまで交渉したわけであります。ぎりぎりというのは、九月二十四日の私と向こうの大臣等との会談であります。
 それから、北限につきましては、三十八度というのが韓国の現時点における国境線であるわけでございますから、それがずっと東に延びていくわけでありますから、三十八度三十七分が北限であるということでありますが、韓国は自分のいわゆる漁業専管水域といいましょうか、二百海里を引いていきますとずっと先の方まで延びまして、しかも北の方は日本とソ連との中間線のラインがありまして、そこまでが自分たちの北限線だと言い張ってきたわけであります。
 これは交渉でございますから、新聞でどういう報道がなされたか途中経過について私はコメントを申し上げませんけれども、そういう韓国側の主張と我が国の主張とがぎりぎりまでぶつかり合いまして、そして九月二十四日の深夜だったと思いますけれども、先ほどお話がありましたように、外交の最高責任者であります小渕総理の御決断によって百三十五度三十分、そして北限についてはしかるべく交渉を続けなさいというようなことがございました。
 そのときに、ほかにもいろいろ決めたことがあるんですけれども、そこでおおむねの基本合意ができ上がったということでございまして、お互いのぎりぎりの結果がそういう結果になったということでございます。
#120
○阿曽田清君 大臣としては本音のことは言えなかったんじゃないかと思いますが、本音の部分は韓国もいわば漁場の宝庫である大和堆を手中におさめてくるかどうかというところにねらいがあったと思うんです。私は、それが漁業者の方々にとっては負けたという感じを持たれたと思うんですよ。
 ですから、私自身思いますのは、この暫定水域の見直しは何年後にやる予定ですか。
#121
○政府委員(中須勇雄君) 暫定水域の範囲はこの新しい日韓漁業協定の中で定められておりますので、見直しということになりますれば、この条約を改定するか、あるいは終了して新しいものをつくる、こういうことが必要になるわけでございます。したがいまして、それが実行可能な時期は、先ほど来申し上げておりますように、この協定は固定の有効期間三年間、その後は終了通告をして六カ月後失効するということでございますので、それから後というふうなことに相なろうかと思います。
#122
○阿曽田清君 余計悪くならないようなことはもちろんでありますが、やっぱり漁業者の方々のそれは漁場を獲得する戦いであったというふうに私は思うんです。そういう意味で、今度の見直しのときには本当の、努力をいただいたと思いますけれども、やはりもっと日本の漁業者の立場に立っての交渉を、今回は韓国の漁業者の立場に若干負けたんじゃなかろうかなというそういう気持ちがいたします。
 まして、済州島南部のいわゆる暫定水域があれだけ大きく設けられた理由、ここはまさにいろんなサバやアジやイカやタイがたくさんとれるところであります。韓国と日本との関係だけじゃなくて中国も当然入ってくるエリアになろうかと思うんですが、あの暫定水域があれだけ大きく設けられた理由を教えてください。
#123
○説明員(安藤裕康君) お答え申し上げます。
 済州島南部にございます暫定水域につきましては、北の日本海の暫定水域と同じように日韓両国の間で境界線に関して双方の主張が異なっておりました。具体的には、境界線を引くための基点のとり方について日本側と韓国側で相違があったわけでございます。したがいまして、上の日本海側の暫定水域と同じような考え方で、両方の主張に相違があるので、暫定水域を設定して上と同じような扱いをしましょうということで日韓が合意したというのが経緯でございます。
#124
○阿曽田清君 その件につきましても私は異論があるんですけれども、もう時間がありませんので、二つだけ要望させていただきます。
 既存の日韓北部大陸棚協定に基づいて中間線が決められました。ここが私は漁場では非常に魅力のあるところであると思います。したがいまして、そこに両方から相当の出入りが行われるだろうと。そういう場合に、やはりトラブル等が生じないように万般のいわゆる管理体制をしいていただきたいということと、今回そのような協定が結ばれたことに対して漁業者の方々はまだ全然御存じでない、現場の方は。各組合長とかレベルの高い人は御存じかもしれませんが、私の友人に聞いたところ全く知らなかったようでございます。まだ知らしめられていないというところがありますから、やはりこういうのはちゃんと国会を通過した時点でもきちんと漁業者の方々に周知徹底をしていただきたい。かようにお願いをいたしまして、質問を終わります。
#125
○委員長(野間赳君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律及び海洋生物資源の保存及び管理に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#126
○委員長(野間赳君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、和田洋子君から発言を求められておりますので、これを許します。和田洋子君。
#127
○和田洋子君 私は、ただいま可決されました排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律及び海洋生物資源の保存及び管理に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、社会民主党・護憲連合、自由党及び二院クラブ・自由連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    排他的経済水域における漁業等に関する
    主権的権利の行使等に関する法律及び海
    洋生物資源の保存及び管理に関する法律
    の一部を改正する法律案に対する附帯決
    議(案)
  我が国漁業は、国民が健康的で豊かな食生活
 を実現する上で不可欠な魚介類等の供給産業と
 して極めて重要な役割を担っている。
  一方、世界の食料需給の安定を確保すること
 が二十一世紀の大きな課題となっている状況の
 下で、食料供給における漁業の役割は、従来に
 も増して重要なものとなってきている。
  しかしながら、近年における我が国の漁業を
 取り巻く情勢は、資源状況の悪化、外国漁船の
 無秩序な操業、輸入水産物の増加による魚価の
 低迷、担い手の高齢化や後継者の不足等極めて
 厳しい状況に直面している。
  このような状況の下で我が国は、国連海洋法
 条約に基づく新たな漁業秩序の下で、漁業資源
 の適切な管理と有効利用に積極的に取り組み、
 持続可能な漁業の構築を図ることとしている。
  政府は、このような背景と現行日韓漁業協定
 の下で生起している諸問題を踏まえ、新日韓漁
 業協定とこれに基づく関係国内法の施行に当た
 っては、水産資源の保護管理と漁業秩序の確立
 を求める我が国漁業者の切実な要請にこたえる
 ため、次の事項の実現に万全を期すべきであ
 る。
 一、現行日韓漁業協定の運用経過にかんがみ、
  暫定水域における水産資源の管理に徹底を期
  するとともに、無秩序な操業が行われること
  のないよう、操業隻数、漁法の規制を設ける
  等、実効ある取締りの実現に向け韓国との協
  議に努めること。
 二、我が国の排他的経済水域においては、国連
  海洋法条約に基づく沿岸国主義の下で、外国
  漁船に対する徹底した取締りを行うこと。特
  に、日本海から東シナ海に至る海域の漁業秩
  序を確保するため、水産庁取締船・海上保安
  庁巡視船の配備を充実する等により、迅速か
  つ的確な対応が可能となるよう努めること。
 三、我が国の排他的経済水域内における韓国へ
  の漁獲割当数量については、それが厳に遵守
  されるよう適切な管理を行うこと。また、資
  源保護等の観点から問題の多い漁法を禁止な
  いし規制するとともに、我が国が設けている
  禁漁期間等が遵守される操業条件の確保に努
  めること。
 四、「日韓漁業共同委員会」は、新日韓漁業協定
  に基づき、操業に関する具体的な条件、操業
  の秩序維持等に関する重要な事項を協議し、
  その結果を両締約国に勧告するという重要な
  役割を担っていることを踏まえ、専門家で構
  成される下部機構を速やかに整備する等、委
  員会がその機能を十分に発揮できるよう努め
  ること。
 五、新日韓漁業協定の発効に伴い、我が国漁業
  者の操業や資源・漁場への影響が生ずるおそ
  れがあることにかんがみ、新協定下における
  我が国漁業の振興を図るため、積極的な施策
  を講ずること。
 六、豊かな水産資源を次世代に引き継ぐことは
  日韓両国の責任であることを深く認識し、水
  産資源の積極的な培養による早急な資源回復
  を図るための事業を緊急に実施すること。
   右決議する。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#128
○委員長(野間赳君) ただいま和田洋子君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#129
○委員長(野間赳君) 全会一致と認めます。よって、和田洋子君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、中川農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中川農林水産大臣。
#130
○国務大臣(中川昭一君) ただいまは御可決いただき、ありがとうございました。
 御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後、最善の努力をしてまいりたいと存じます。
#131
○委員長(野間赳君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(野間赳君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#133
○委員長(野間赳君) 次に、農林水産に関する調査を議題とし、派遣委員の報告を聴取いたします。岩永浩美君。
#134
○岩永浩美君 委員派遣の御報告を申し上げます。
 去る十月二十六日から二十八日までの三日間にわたり、愛媛、香川両県におきまして、農林水産業の実情を調査してまいりました。派遣委員は、野間委員長、和田理事、森下委員、木庭委員、大沢委員、谷本委員、阿曽田委員と私、岩永の八名でございました。
 以下、その概要について御説明申し上げます。
 まず、愛媛県についてであります。
 本県の農業は、果樹、畜産、米を基幹に多彩な生産活動が展開されており、その粗生産額は、中国・四国地域で首位の座を占めるなど、我が国有数の食料供給基地となっており、特にかんきつ類は、生産規模、品質ともに全国一を誇っています。しかし、かんきつ類は、商品性の強い作物のため年次変動の影響を受けやすく、農業粗生産額の変動幅が他県に比べて大きいという特徴を持っています。
 また、本県の農業は、県土の七割を中山間地域が占め、担い手の減少、急激な高齢化の進行等の深刻な問題を抱えており、このような状況を踏まえて、長期的展望に立った農業ビジョンの策定が進められているところであります。
 林業につきましては、極めて急峻な自然条件にもかかわらず、戦後の拡大造林により人工林の割合が六二%を超え、全国でも有数の林業県となっております。
 本県では、平成元年度に新総合林政計画を策定し、緑づくり、山づくり、人づくりなどを基本理念に据えた各種の施策が推進されてまいりましたが、森林・林業を取り巻く環境の変化に対応した施策の見直しが行われているところであります。
 水産業につきましては、恵まれた漁場とその特性を生かした漁業が展開されており、その生産額は、全国第三位の地位を占めております。しかし、全国生産額の約一六%を占める養殖業において、近年、経営環境の悪化が見られる一方、平成八年、九年と二年連続してアコヤガイの大量へい死事故が発生しており、早急な対策の樹立が求められているところであります。
 続いて、視察先の概要を申し上げます。
 最初に、松山市におきまして、県農えひめジュース工場を視察いたしました。本県は全国有数のかんきつ類生産県でありますが、その加工部門で大きな役割を担っているのが県農えひめ松山工場であります。POMブランドは我が国有数のメジャーなブランドでありますが、厳しい競争に勝ち抜くため、主力商品のジュースに加えて、若年層の女性等をターゲットにアルコール入り飲料の製造も開始しております。また、この工場では、さきの第百四十二回国会で成立いたしましたいわゆるHACCP法に基づく諸条件をクリアするため、製造施設の大々的な改修が進行中であり、食品の安全性の向上を図るため積極的な取り組みが行われています。
 次に、今治市におきまして、西瀬戸自動車道架橋現場を視察いたしました。西瀬戸自動車道は、大小九つの島々を経由して広島県の尾道市と今治市を結ぶ総延長約六十キロメートルの夢のかけ橋であります。中でも、来島海峡大橋は、世界初の三連吊橋として注目されており、交通・輸送条件の改善、関連地域の産業の活性化、また島嶼部地域の生活環境の向上にも寄与するものとして、来年五月一日の開通が期待されております。
 次に、玉川町におきまして、森林整備状況を視察いたしました。この地域は、今治市・玉川町及び朝倉村共有山組合が管理しており、公益的機能を重視した長伐期方式による林業経営を目的として、治山治水や利水機能を回復、増進させるとともに、住民参加による森林整備の推進と森林機能の維持増進を図るための事業を行っております。同組合は、皆伐が一般的であった時代の先駆的な試みとして複層林化に取り組み、平成二年に「朝日森林文化賞」を受賞しております。また、平成七年には、「水源の森百選」の一つに選ばれた地域でもあります。
 なお、共有山組合の現在までの森林整備率は二〇%でありますが、公益的な機能を一層高めるため、これを五〇%に引き上げるべく、平成三年度に引き続き、水源地域森林総合整備事業を採択願いたい旨の強い意向が示されたところであります。
 次は、香川県についてであります。
 本県の農業は、全国の耕地面積に占める割合が〇・七%、一戸当たり耕地面積が〇・七ヘクタールというように経営規模の零細性は否めませんが、温暖小雨という恵まれた気候条件と地理的優位性を生かし、土地生産性の高い農業が展開されているのが特徴であります。
 また、本県は、ハウスミカン栽培の発祥地として知られるように、農業者の創意と工夫を生かした経営が行われており、金時ニンジン、マーガレット、松盆栽、オリーブ等については全国第一位、ニンニクは全国第二位、レタスは全国第三位の地位を占めており、京浜、京阪神などの大消費地においても高い評価を得ているのであります。
 このような香川県農業も、担い手の減少と高齢化が進んでおり、農業基盤の整備につきましては、昭和五十年に香川用水の通水開始に伴い歴史的な課題でありました潜在的な水不足は解消されたものの、近年の厳しい農業情勢のもとで圃場整備の立ちおくれが目立ってきており、老朽ため池の整備も大きな課題となっているのであります。
 林業につきましては、森林面積が県土面積の約四八%を占めるものの、国全体の森林面積の約〇・三%にすぎず、木材生産機能よりも、むしろ水資源の涵養、県土の保全、レクリエーションの場の提供など公益的機能を通じて重要な役割を担っております。
 また、水産業につきましては、海面漁業・養殖業を中心に、水産物の安定供給はもとより、海域環境の保全、海洋性レクリエーションの場の提供など、地域社会において中心的な役割を果たしております。中でも、ハマチの養殖につきましては昭和の初期に全国に先駆けて開始され、現在では県魚に指定されております。なお、本県では、県産水産物のイメージアップとブランド化を図るとともに、新しい流通システムの構築などによって「つくり育てて売る漁業」が推進されており、新マリノベーション構想の推進による「自立と創造による香川型漁業」の確立に向けて施策が推進されているところであります。
 続いて、視察先の概要を申し上げます。
 最初に、大川町におきまして、県営圃場整備事業の推進状況を視察いたしました。この地区では、圃場整備の実施とあわせて複雑な水利慣行を四つの用水系統に統合する一方、香川用水からの補給水を最大限に活用するため、用水路のパイプライン化により水管理上の損失量を最小限にとどめるとともに、用水管理の労力節減を図る事業が実施されております。
 さらに、地区内の排水を最下流部に調整池を設けて取水し、上流のため池までポンプ揚水することにより用水の有効利用を図ることとされています。これは、今後全国各地で工業用水や生活用水需要が高まる中で水資源を有効に活用する先駆的な事例として注目されるところであります。
 次に、大内町におきましては、全国五位の生産を誇るパセリ産地を視察いたしました。大内町のパセリ生産は、昭和四十一年からの採種栽培を契機として始まり、その後西南暖地での栽培を可能とする独自の栽培技術を確立し、昭和五十六年以降周年生産・販売体制の確立を図るため、夏どり栽培に取り組んでいるということでありました。また、採種技術を生かして地域独自の品種「おおち」を開発し、京浜市場などの大消費地にも出荷され、高い評価を得ております。近年は、出荷規格外の有効利用と付加価値化を図るため、パセリうどんやパセリジュースなどの製品を開発し、地元の産直施設などで販売を行っています。
 最後に、引田町において、引田漁港の整備事業とハマチを中心にした魚類養殖の現状を視察いたしました。引田漁港は、現在、東讃地域新マリノベーション地域基本計画に基づいて海と漁業に親しむことのできる施設づくりが進められております。また、都市住民、地域住民と漁業者の交流を促進することによって地区の活性化を図るため、引田漁港ふれあい整備が進められており、平成六年度より係留施設、機能施設等の整備が順次進められているところであります。
 引田町における魚類養殖の歴史は古く、昭和三年に世界で初めてハマチ養殖に成功したことに始まり、以後、昭和四十年代に入り、高度経済成長を背景に中高級魚に対する需要の増大もあって、急速に拡大いたしました。現在では、ブリ類及びマダイの養殖が中心であり、ブリ類の生産量は県下の二四%、マダイの生産量は県下の三八%を占めております。一方、養殖漁業の経営体数は近年減少傾向にありますが、コンピューター管理による給餌の合理化、赤潮被害を防止するための生けす構造の改善などによって必死の生き残り戦略を展開しているのが現状であります。
 以上が愛媛、香川両県における調査の概要でありますが、両県及び農林水産関係団体からいただきました御要請につきましては、限られた時間の中で御紹介できませんので、本日の会議録の末尾に掲載していただきますよう委員長のお取り計らいをお願い申し上げます。
 最後に、今回の調査に当たりましてお世話になりました方々に厚く御礼を申し上げまして、報告を終わらせていただきます。
#135
○委員長(野間赳君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、ただいまの報告の中で要請のありました現地の要望につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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