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1998/12/03 第144回国会 参議院 参議院会議録情報 第144回国会 国民福祉委員会 第1号
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1998/12/03 第144回国会 参議院

参議院会議録情報 第144回国会 国民福祉委員会 第1号

#1
第144回国会 国民福祉委員会 第1号
平成十年十二月三日(木曜日)
   午後三時開会
    ―――――――――――――
   委員氏名
    委員長         尾辻 秀久君
    理 事         清水嘉与子君
    理 事         常田 享詳君
    理 事         朝日 俊弘君
    理 事         渡辺 孝男君
    理 事         小池  晃君
                久野 恒一君
                塩崎 恭久君
                武見 敬三君
                中原  爽君
                水島  裕君
                森田 次夫君
                櫻井  充君
                直嶋 正行君
                堀  利和君
                松崎 俊久君
                沢 たまき君
                井上 美代君
                清水 澄子君
                入澤  肇君
                西川きよし君
    ―――――――――――――
   委員の異動
十一月二十七日
    辞任         補欠選任
     森田 次夫君     堂本 暁子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         尾辻 秀久君
    理 事
                清水嘉与子君
                常田 享詳君
                朝日 俊弘君
                渡辺 孝男君
                小池  晃君
    委 員
                久野 恒一君
                塩崎 恭久君
                武見 敬三君
                中原  爽君
                水島  裕君
                櫻井  充君
                直嶋 正行君
                堀  利和君
                松崎 俊久君
                沢 たまき君
                井上 美代君
                清水 澄子君
                入澤  肇君
                堂本 暁子君
                西川きよし君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  宮下 創平君
   政府委員
       警察庁交通局長  玉造 敏夫君
       環境庁企画調整
       局長       岡田 康彦君
       厚生大臣官房総
       務審議官     真野  章君
       厚生省健康政策
       局長       小林 秀資君
       厚生省生活衛生
       局長       小野 昭雄君
       厚生省社会・援
       護局長      炭谷  茂君
       厚生省老人保健
       福祉局長     近藤純五郎君
       厚生省児童家庭
       局長       横田 吉男君
       厚生省保険局長  羽毛田信吾君
       厚生省年金局長  矢野 朝水君
       運輸省運輸政策
       局長       羽生 次郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大貫 延朗君
   説明員
       外務大臣官房審
       議官       赤阪 清隆君
       厚生大臣官房障
       害保健福祉部長  今田 寛睦君
       厚生省保健医療
       局国立病院部長  丸田 和夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○社会保障等に関する調査
 (派遣委員の報告)
 (医療提供者(医師・歯科医師)数の見直しの
 在り方に関する件)
 (精神病院入院患者の処遇の改善に関する件)
 (てんかん患者のノーマライゼーション等に関
 する件)
 (介護保険料の額及び特別徴収の基準額等に関
 する件)
 (基礎年金国庫負担の引上げに関する件)
 (ダイオキシン対策に関する件)
 (リプロダクティヴヘルス・ライツに関する件
 )
 (小児医療の在り方に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(尾辻秀久君) ただいまから国民福祉委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十一月二十七日、森田次夫君が委員を辞任され、その補欠として堂本暁子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(尾辻秀久君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、社会保障等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(尾辻秀久君) 次に、社会保障等に関する調査を議題といたします。
 まず、先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員から報告を聴取いたします。朝日俊弘君。
#6
○朝日俊弘君 先般の委員派遣につきまして御報告申し上げます。
 去る十一月十日から十二日までの三日間、尾辻委員長、清水嘉与子理事、常田理事、渡辺理事、井上委員、清水澄子委員、入澤委員、西川委員及び私、朝日の計九名により、大阪府においてダイオキシン問題に関する実情を、山口県において高齢者介護、子育て支援等に関する実情を調査してまいりました。
 まず、大阪府能勢町におけるダイオキシン問題の実情について御報告いたします。
 本年四月、大阪府の豊能郡美化センター周辺の土壌から高濃度のダイオキシン類が検出されました。豊能郡美化センターは、豊能町と能勢町で構成する豊能郡環境施設組合が設置し、昭和六十三年から供用してきたごみ焼却施設でありますが、本年九月の厚生省の専門委員会の報告によると、冷却水槽付近の土壌から一グラム当たり五万二千ナノグラム、冷却水一リットル当たり十三万ナノグラムという世界でも類を見ない高濃度のダイオキシン類が検出されました。理事懇談会において、ぜひとも当地を視察すべきであるという意見が出され、当初予定していた山口県に加えて、急遽大阪府への視察も行うことになりました。派遣に当たっては、派遣委員全員が事前に厚生省当局からこれまでの経緯と厚生省の調査結果等について説明を聴取したほか、資料収集等を行いました。派遣当日には、大阪府当局から豊能郡美化センターとその周辺の実情を聴取するとともに、現地においては横山大阪府知事及び豊能郡環境施設組合管理者である南殿豊能町長から説明を聴取いたしました。
 横山知事及び南殿町長からは、今回の美化センター周辺におけるダイオキシン類による土壌等の汚染は住民に大きな衝撃を与えていること、大阪府にダイオキシン対策会議を設置し発生源調査や環境調査などの総合的なダイオキシン対策に取り組んできたこと、地元住民の不安解消を第一義に土壌の入れかえ等の環境対策や周辺住民の健康調査、農産物等に対する風評対策などを講じてきたことなどの説明があり、国に対しては技術的、財政的支援の要望がありました。
 その後、焼却施設とその周辺を視察し、大阪府及び環境施設組合の関係者に対する質疑を行いました。
 周辺住民、廃棄物処理施設の従業員等の健康への影響については調査の結果が判明するのを待たねばなりませんが、そのほかにも汚染土壌の処理、廃炉の解体、風評被害等々、解決すべき問題が山積しています。国民福祉委員会といたしましても、今回の視察を踏まえてダイオキシン問題について対応していきたいと考えております。
 次に、山口県における高齢者介護、子育て支援等の実情について御報告いたします。
 山口県の人口は、昭和六十年の百六十万人をピークに近年減少傾向にあり、平成九年現在で約百五十五万人となっております。高齢化率は二〇・四%で、全国平均を四・七ポイント上回っております。中でも、東和町の四八・五%を筆頭に、十二町村が将来人口推計の高齢化のピークとされる三三%を超えております。また、出生数は昭和五十五年の約二万人から平成九年には一万三千人台にまで減少し、全国を上回る減少率を示しております。
 まず、山口県から高齢者介護、子育て支援等に対する取り組みについて概況説明を聴取しましたが、「やまぐち未来デザイン21」に基づき、心の通う健康社会の実現に向けて総合的な施策を展開している等の説明がありました。
 その後、現地視察へと向かいましたが、高齢者介護の関係では、老人保健施設、療養型病床群、ケアハウス等の複合施設である山口あかり園と、シルバーハウジングを中心とする複合型介護施設楽々園を訪れました。
 山口あかり園では、各施設長さんからそれぞれの施設の概要を拝聴するとともに、施設内を見学させていただきましたが、これらの施設に入所する高齢者の方々の笑顔や、てきぱきと働く看護職、福祉職の方々に接することができました。
 楽々園は、萩市における在宅介護を支援するデイサービスとして平成三年に開設された公設民営の施設でありますが、低層集合住宅の中に一般用住宅と高齢者、身障者用住宅とが混在する高齢者世話つき住宅に特徴がありました。福祉の分野においても住宅政策との連携を一層図る必要があると認識を新たにいたしました。
 次に、子育て支援関係では、地域子育て支援センターを併設するおおとり保育園と山田保育園を訪れました。
 おおとり保育園は、多様化する保育需要に対応する多機能型保育所として延長保育、一時保育等の特別保育事業に積極的に取り組むとともに、地域社会に開かれた保育所として育児相談、子育てサークルづくり等の地域子育て支援センター事業を推進しております。温かみのある木材をふんだんに使った明るい日差しが差し込む園内で、障害児保育に取り組んでこられた経験を熱っぽく語られた理事長に感銘を受けた次第です。
 山田保育園は、特別保育事業としての保育所地域活動事業、いわゆる世代間交流事業に力を入れており、年間行事として園児が祖父母と一緒に過ごす機会などが設けられているとのことでありました。アレルギー疾患を持つ園児に注意深く食事療法を施す保母さん方の姿や、園庭を元気に駆け回る大勢の園児に接することができました。
 また、今後の超高齢社会を支えるためには看護の分野においても指導的人材を養成する必要があるとの観点から、山口県立大学看護学部を視察いたしました。
 山口県立大学看護学部は、保健・医療サービスの中で主体的に看護業務を遂行できる人材の育成を目指して平成八年に開設された学部であります。看護に関する大学教育の必要性について認識を深めるとともに、恵まれた施設の状況を拝見し、また先生方の熱意あふれるお話をお伺いし、今後の卒業生の活躍に大いに期待するところであります。
 さらに、公共施設のバリアフリー化のモデル施設として、点字ブロックや身障者用トイレなどの設備が充実しているぱるるプラザ山口と、山口県立萩美術館・浦上記念館を視察いたしました。
 ぱるるプラザ山口は、JR山口駅に隣接し、山口市民の憩いの場として設計された多目的ホールを含む公共施設でありますが、高齢者や身障者の方々も気軽に利用できるバリアフリー施設として随所にきめ細かな配慮がなされておりました。
 山口県立萩美術館・浦上記念館では、すぐれた芸術、文化に接する喜びは障害のあるなしにかかわらず広く万人が享受できるようにすべきであるとの館長の熱弁が強く印象に残りました。高齢者や障害者に優しい町づくりの意義を改めて確認した次第です。
 以上が調査の概要であります。
 今回の調査を通じて、高齢者介護、子育て支援等においては、施設の充実はもちろん不可欠ではありますが、それにも増して、これらの仕事に携わるマンパワーの充実が必要であるということを改めて認識いたしました。
 最後に、今回の調査に当たりまして特段の御配慮をいただきました大阪府、山口県及び訪問先の関係者の方々に心から御礼を申し上げ、私の派遣報告を終わらせていただきます。
 なお、山口県の概況説明に際して、当国民福祉委員会に対し厚生行政全般にわたる要望がありましたので、これを本日の会議録の末尾に掲載していただきますようお願い申し上げます。
 以上でございます。
#7
○委員長(尾辻秀久君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 なお、ただいまの報告の中で要請のございました現地の要望につきましては、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(尾辻秀久君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○中原爽君 自由民主党の中原でございます。限られた時間でございますので、早速始めさせていただきます。
 現在、医療制度と医療提供体制の抜本改革を行うということでありますが、先月の時点では医療審議会及び医療関係者審議会等の進捗状況につきましては報告が出ているところでありますけれども、実はこの医療提供体制という形を言われますと、医師、歯科医師の需要と供給、要するに医師が過剰であったり歯科医師が過剰であったりという場面も含めて、今後高齢社会に対応する医療提供体制をどうするかということになるわけでございます。
 この五月に、医師の需給に関する検討会の報告書が五月十五日に出されております。また、歯科医師の需給に関する検討会の報告書が同じく五月二十九日に提出をされているわけであります。しかし、これは厚生省の検討会という形でありますので、いわゆる審議会とは違いまして、この中身をどうするかということについてはどこかで審議をする場というものがないわけであります。きょう、そういうことも含めて、今後の医療提供体制の抜本改革にかかわりまして、この医療担当者の数の問題をお尋ねしようかというふうに思っております。
 まず、数の問題でありますから、現在、医師、歯科医師の総数がどのぐらい、基本的な人数はどういうことになっているかということが問題になります。
 従来は、厚生省令で定めております二年ごとの年度におきまして、その年度の十二月の終わり、三十一日現在の医師あるいは歯科医師の住所あるいは氏名等、そういったものを年が明けました一月十五日の時点で都道府県の知事を介しまして厚生省へ届けるということの調査で歯科医師総数、医師総数が出てくるわけであります。
 しかし、今回の歯科医師の調査のこの報告書の内容は、従来と違いまして、歯科医籍の登録状況、医師、薬剤師の調査の届け出状況、それから平成七年の生命表から逆算等をしまして算出したということであります。従来の方法では平成八年の実数は八万五千でありますけれども、この別建ての検討会としての調査では九万九千という歯科医師数でありまして、実に一万数千名の差があるということになります。
 したがって、医療を提供する側の人数という問題を考えますと、今後こういった医師、歯科医師の実数を把握するということについてはどのような形で推計をしていったらいいのかという問題が起こりますので、この基本的な数値のとらえ方について厚生省のお考えをお聞きしたいと思います。
#10
○政府委員(小林秀資君) 今、先生がおただしになられました推計の生存歯科医師数というものをどうやって求めるのかということであります。
 確かに、従来でございますと、年末に例の医師届け出とか歯科医師の届け出を出します。それを集計すると届け出た数がわかるのでありますけれども、実はその届け出をしなかった人というのはわからないということになります。したがいまして、それを実際に推計でいいから現在生存している歯科医師数がどのぐらいあるかということを把握することが必要になるわけであります。
 そういう意味で、歯科医師の需給に関する検討会の中でこの推計生存歯科医師数をどうにかして求めよということで、平成八年度と九年度に厚生科学研究の中で検討いたしまして、その検討結果で実は推計をしたわけであります。具体的には、先生が今お話しされましたように、歯科の医籍登録状況、それから医師・歯科医師・薬剤師調査の届け出状況及び平成七年の生命表を用いた届け出率を算出し、これをもとに推計の生存歯科医師数を算出いたしております。そして、これを用いてその後の歯科医師の需給の推計をした、こういうことでございます。
#11
○中原爽君 ありがとうございました。
 それで、こういった需給に関する検討会が設置されているということは、要するに医師が過剰であったり歯科医師が過剰であるということでありますので、その削減をどうするか、減らせと、一言で申し上げるとそういう形になるわけであります。
 歯科の場合で申し上げますと、実は昭和六十一年からこの問題がありまして、歯科医師の場合には新規参入歯科医師を二〇%削減しろと、こういうことでありました。新しく歯科医師の免許を取る人について二〇%を減らせと。当時は国公私立の歯科大学、歯学部の入学定員総数が三千四百名でありまして、その二〇%、すなわち六百八十名を減らせと、こういうことでありました。
 その減らし方は三通りありまして、入学者を減らす、入学定員を減らす。それから卒業者数を減らす、要するに卒業させない。それから国家試験の合格者を減らす、要するに国家試験を難しくするという形になるわけであります。その三通りのどれかをとるということでありましたけれども、実質的には、当時、十数年前、入学定員を削減するということで出発をしております。
 このたびの五月の医師の報告書、あるいは歯科医師の報告書につきまして再びこの三点の問題が起こっておりまして、どこの段階でその新規参入者を減らすかということであります。歯科医師国家試験あるいは医師国家試験を難しくするということでありますと、これはいわゆる資格試験ではなくて、入学試験のように定員を決めてその定員以外の者は振り落とす、こういう選抜試験になるわけであります。その問題をこの二つの報告書が取り上げておりまして、資格試験であるべきものに選抜試験を導入するという考えについてはいかがなものかと、こういうことが書かれてあります。
 なお、特に歯科の報告書につきましては歯科医師国家試験の見直しという項目がありまして、要するに入学定員の削減を講じて、さらに新規参入の歯科医師について歯科医師国家試験の見直しを行う、こう書いてあります。すなわち国家試験で振り落とす部分もあるということでありますが、これは今申し上げたように、この国家試験という資格試験の問題上、入学試験と同じような選抜試験を導入するということについて疑問があるというふうに思いますが、この点は厚生省としてのお考えはいかがでございましょうか。
#12
○政府委員(小林秀資君) 平成十年五月に取りまとめられました歯科医師の需給に関する検討会の報告書の中では、歯科医師の資質の向上を図るために今後取り組むべき課題の一つとして歯科医師の国家試験の見直しを行うということが提言をされておるわけでございまして、今、先生がお話しのように、歯科医師数を減らすために国家試験の見直しをしろとまでは書いていないと私どもは読んでおるところでございます。ただ、その報告の中には意味不明なところも若干あるものですからそういうふうに読まれた方もいらっしゃるかもしれませんが、我々の方の考え方といたしましては、歯科医師の国家試験というものは歯科医師として必要な知識並びに技能を評価することを目的として行っておりまして、本来、歯科医師の新規参入抑制を図ることを目的として行うものではない、このように認識をいたしております。
#13
○中原爽君 おっしゃるように、医師法も歯科医師法もそうでありますけれども、第九条に国家試験の目的が書いてあるわけであります。「医師として具有すべき知識及び技能」、歯科医師も同じでありますけれども、同じ文言になります。内容としては、歯科医学あるいは医学、口腔衛生あるいは公衆衛生という多少の違いがありますけれども、九条そのものが国家試験を規定しているということでありますので、国家試験の見直しという文言については、やはり質の向上を図るんだということを基本に置いてこの新規参入についてお考えをいただきたいというふうに思っております。
 それからもう一つでありますが、同じくこの医師、歯科医師の検討会の報告書の中に定年という問題がありまして、医師、歯科医師は自由業でありますから、サラリーマンのような定年という概念は本来ないわけであります。しかし、過剰という問題が起こりますし、それと同時に医師、歯科医師も長寿社会の中で長生きをいたします。そのために長生きをされる医療担当者分だけ総数がふえていくという状況になるわけでありまして、手っ取り早く言えばどこかで引退をしてくれと、こういう話になります。
 したがって、引退の仕方については、昭和六十一年の検討の場合にはどういう形で引退をするかということについては触れておりません。歯科については、七十歳以上の歯科医師が西暦二〇〇〇年に半分ぐらい引退をして、それから二十年ぐらいかけましてゆるゆると引退をしていただいて、西暦二〇二〇年には七十歳以上の歯科医師全員が引退する、こういう理屈でありました。しかし、どういう形で引退をするという形については触れておりません。
 今回の報告書は、ここで初めて保険医の定年という項目が出てまいりまして、保険医を辞退していただきたい、こういう形で実質的な定年とするという意見が述べられております。もちろんこれについてはいろいろな議論があるわけであります。
 現在、保険医という制度がありまして、国の国民健康保険にかかわる医療担当者については保険医ということになります。しかし、この保険医を定年で退職するという場合においてはどういう退職の仕方を今後厚生行政としてはお考えになっているのか、概略で結構でございますけれども、御意見を伺いたいと思います。
#14
○政府委員(羽毛田信吾君) 医療保険の側面で考えましても、医師あるいは歯科医師の方の需給という問題については重大な関心事であることは間違いございません。
 ただ、保険医の定年制の問題につきましては、今仰せの報告書あるいは平成八年の医療保険審議会でも指摘を既に受けたところでございますけれども、やはりなかなか難しい問題をそこははらんでおりまして、一つは、現実問題として言えば、現状で高齢の医師の方々が特に地域医療で非常に大きな役割を果たしていただいているというような場面がございますので、そういった面での医療提供への影響という実際問題がございます。
 また、基本的な議論として、保険医という側面でありましても職業選択の制限というようなことになるのではないかというような御議論、やはりこれは重大なこととしてございますし、さらに高齢社会における就業のあり方という全体問題もございます。こういったなかなか難しい問題がございますので、私どもとして現在具体的にスケジュールを持って検討するというところまではいっておらないのが現状でございます。
 今後、医師の養成数等の動向でありますとか、今申し上げました地域医療に与える影響あるいは国民医療全体の動向といったようなことを踏まえながら、関係者の御意見もよく伺いながら慎重にやはり検討していかなきゃならない、現在のところはそういうところにとどまっておるということでございます。
#15
○中原爽君 申し上げましたように、医師、歯科医師は自由業という職業柄でありますけれども、今、国の年金制度の改革につきまして問題になっております。それで、将来、民間型の個人退職勘定と言われているようなアメリカの制度が導入されるという向きもあるわけであります。したがって、こういうような保険医にかかわる定年の問題については、将来、民間保険によりまして、定年退職になった、いわゆる保険医をやめられた医療担当者については何らかの年金制度を考えていきたいというふうに考えているところでございます。
 また時間がございましたらいずれか御質問させていただこうと思います。きょうはこれで時間になりました。ありがとうございました。
#16
○堀利和君 新潟県の国立療養所犀潟病院で五月十五日に患者さんが亡くなった事故についてお伺いしたいと思います。本件は大変私は重要だと思いまして、これまでにも厚生省の方から説明は受けたんですが、ぜひ当委員会で改めて取り上げさせていただきたいと思います。
 亡くなった患者さんは措置入院として入院されておりまして、五十一歳の女性であります。亡くなった状況は、身体拘束中、つまり看護者によって帯のひもで体を縛られて、監視されている方がいないときに食べ物を吐いて、のどに詰まって窒息死するという事故でございます。
 本件、いろいろお聞きしますと、法律に基づいては、本来、精神保健指定医の指示に基づいて診断をしてぎりぎりのところで拘束する、こういうことが行われるわけなんですね。同時に、それについては診療録に開始時間あるいはその理由が記載されなければならないんですが、どうも医師の診察、診断もなく看護者に判断を任せていたということのようであります。同時に、診療録にも十分記載されておらず、聞くところによるとゴム印で済ませていたというような状況だったように聞いております。
 さらに、犀潟病院の実態をお聞きしますと、電話なり面会の制限についてもきちんと診療録に記載しなければいけないんですが、その辺も十分なされていなかったと。あるいは部屋の構造は、直接見たわけじゃありませんけれども、保護室と廊下でしょうか、一つのドアではなくて二つドアがあって、ドアとドアの間に、本来考えられないんですが、保護室に利用した形で患者さんを隔離しているということも日常的に行われていたというふうに聞きます。
 本来、法の手続からいえばこんなことはあってはならないわけですけれども、犀潟病院の事故をきっかけに全国の国立病院、国立の大学病院等の実態を厚生省で調べられて、その報告を聞きました。やはり同様に、こういった拘束をする際にはきちんとした手続をとらなきゃならないのにもかかわらず、法律に基づいた処置がとられていないという実態が多々報告されたわけであります。
 私は、非常にこれは重要だと思います。つまり国立病院ではこんなことあり得ないだろうと思ったんです。特に犀潟病院は非常に優良で、いわば先進的な治療、医療をやっているところであるわけです。それだけに私はショックを受けたわけであります。
 そこで、この犀潟病院の設備、人員の配置基準がどうなっているのか、また患者さんの主治医の医師としての経歴はどんなものか、まずお伺いしたいと思います。
#17
○説明員(丸田和夫君) まず初めに、国立療養所犀潟病院におきまして身体的拘束中に患者さんが死亡された事案につきましては、亡くなられた患者さん及び家族の方に対しまして心からお悔やみを申し上げたいと思っております。また、今、委員御指摘のように、去る九月に精神保健福祉法に基づく改善命令を受けたことにつきましては、関係者一同深く反省しているところでございます。現在は、かかる事態の再発防止に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 お尋ねの病院の医師及び看護婦の配置についてでございますが、平成十年九月一日現在で、非常勤医師も換算いたしまして医師は十七・四人でございます。看護婦は百六十八・六人でございます。また、病棟の構成でありますが、全体で十病棟で、精神病棟は五病棟二百五十床でございます。このうち閉鎖病棟が三病棟百五十床、開放病棟が二病棟百床であります。保護室数は全体で四室という状況でございます。御指摘の中にありました病棟でない場所を病棟として使っていた件もございますが、これは現在解消しております。
 次に、死亡された患者さんの主治医の経歴でございますが、昭和四十八年に医学部を卒業されまして、五十九年に国立療養所犀潟病院に勤務いたしました。平成元年に精神保健指定医の承認を受けまして、平成六年七月から平成十年六月末まで新潟県精神医療審査会委員を務めておりました。平成七年には内科医長となり、現在に至っているところでございます。
 以上でございます。
#18
○堀利和君 そこで大臣、これだけの事故が起きた。私は大変なことだと思うんです。法律に基づいてこうした隔離なり身体拘束をする、ぎりぎりのところで認めているわけです。その法律を守らずに、いわばずさんな治療をしていたのかなということで大変残念に思うんです。また、国立病院等の実態の報告を受けても似たり寄ったりの状況なんですが、この点についてどのように受けとめられるでしょうか、お聞かせください。
#19
○国務大臣(宮下創平君) 国立療養所の犀潟病院の事案につきましては、今仰せのとおり、国立病院といえば他の医療機関の模範とならなくちゃならないような医療機関だと私も考えますし、一般にもそう認識されているところでこういう事態が起きたというのはまことに遺憾なことであったと存じます。そういった意味で、私もこの報告を聞きまして、今、堀委員と同じような気持ちで、国立病院でそんなことが起きるのかなという率直な感じを持たさせていただきました。
 それだけにショックを受けまして、今、部長がいろいろ答弁なさったように、再発防止と入院患者の適切な処理の確保を図るために、他の国立病院・療養所、三十六カ所精神病床を有する病院がございますが、それが一体どうなっているのか至急調査してほしいということで調査も命じました。
 調査の結果は、これはまた必要があれば詳細を御報告させていただきますが、まあおおむね適正には実施されているということでございましたが、一部適正を欠く面もあったという報告を受けております。適正を欠く事案につきましては、調査時におきまして早急に改善をとるように指導したところでございまして、また精神病床を有する国立病院・療養所の院長等の会議を至急開催いたしまして、調査結果を踏まえまして今後の対応について強く指導を指示申し上げたところでございます。
 今申しましたように、国立の医療機関である以上、他の医療機関の模範となるべく期待されている国立病院でございますから、精神保健福祉法を遵守して良質な医療を提供していかなければならないことは当然でございます。今後は患者の個人としての尊厳を尊重いたしまして、その人権に配慮しつつ、適切な医療の確保と社会福祉の促進に努めてまいりたい、こう考えております。
#20
○堀利和君 こういう事態が起こる前に院内の環境なり処遇改善に対して、実は処遇改善請求という制度がございます。患者さんなり御家族の方々が都道府県の精神医療審査会に申し入れするわけです。平成八年の数字を見ますと、それが四十八件なんです。私は非常に少ないと思っています。つまり、入院患者が三十四万人程度、千六百を超える病院があるわけです。この患者数の四十八件、率にして〇・〇一四%にすぎないんです。非常に苦情もなく快適な病院なのかなと。今の例でもわかりますように、決してそうではないんだろうと。だとすると、まずこのことをどうお考えなのかお聞きしたいわけです。つまり、四十八件という数字を厚生省としてはどう受けとめるのか、お考えをお聞きしたいと思います。
#21
○説明員(今田寛睦君) 御指摘のように、精神医療審査会に対します処遇改善請求件数四十八件、平成八年の実績でございます。と同時に、同じような請求に退院請求という仕組みもございますが、これは八百六十二件ございました。これが少ないかどうかということを即断するわけにもいきませんが、ただ都道府県別にこれを見てみますと、処遇改善請求がほとんどなされていないところも多くあるということからいたしまして、この仕組みが十分に活用されていないということも考えられるのではないかと思います。
 そういうことも踏まえまして、現在公衆衛生審議会におきまして精神保健福祉法の見直しの議論が行われておるわけでありますが、その中で精神医療審査会の機能の強化が主要な課題ということで今議論されている最中でございます。この審議会の審議を踏まえまして、精神医療審査会が入院患者の人権擁護のためにその機能が一層充実されるべく検討していきたいと考えております。
#22
○堀利和君 この請求制度がやっぱりきちんと働かにゃいかぬと思っております。
 それで、非常に私は人権擁護についてこだわるんですが、昨日、我が党の厚生部会で厚生省の方から第三次補正予算案の厚生省枠をお聞きしたわけです。その中で、障害者施策の推進というところがございまして、障害者の社会参加促進等として実は鉄格子の撤去等精神病院の療養環境整備事業として十二億要求されていました。時間がありませんのでここは省いたものですから、後で私はこのペーパーを読みまして、鉄格子という言葉にまた驚いたんですね。本当に精神病院というのはどんなところだろうかというふうに思っておるわけです。
 それにしましても、改善に向けて来年精神保健法の改正が日程に上っているわけで、去る九月に専門委員会報告というのが出されました。この中では審査会等の独立性や強化あるいは法律に違反した場合には業務停止命令などを含んだ厳しい内容が報告されておりまして、法律を改正する際には少なくともこれだけは盛り込んでいただきたいということをぜひお願いしておきたいと思います。
  ついては、やはり私は八月の予算委員会なり九月の当委員会でも障害者に関しての人権擁護の対策を強化していただきたいということで取り上げさせていただいたわけですが、やはり第三者的な人権擁護にかかわる審査機関といいますか、そういうものが私は精神病院の実態からして必要ではないかと思いますが、大臣、どのようにお考えでしょうか。
#23
○国務大臣(宮下創平君) 堀委員のおっしゃる点はよく理解できます。やはりそうしたことを防ぐためには第三者機関が客観的、公正な立場で、またより医学的な立場に立ってチェックする必要があろうかと思います。
  ただ、今お話しのように、現在は精神保健福祉法におきまして精神医療審査会というのが設けられておりますので、これが十分機能しておるのかどうかという問題と、それから精神的な障害をお持ちで精神病院に入院されておられる方々が、いろいろ不満があってもそのことを率直にそういう審査会につなぐシステムになっているのかどうか、こういった点がよく検討を要することだと思っております。今せっかく公衆衛生審議会におきまして審査中でございますので、そういった点も含めてよく御審議をいただくように、また先生方にもお願いをして万全を期していかなければならないと、こう思っております。
#24
○堀利和君 時間がございませんが、一つだけ。
  最後にまた大臣にお伺いしたいんですが、精神病院以外の、例えば老人病院などでも痴呆性老人に対して身体拘束という事実、実態があります。そういう意味で、この事態を私は放置したままでいいのかどうかと思っているんですが、その点に関しては大臣どのようにお考えでしょうか、御所見を伺いたいと思います。
#25
○国務大臣(宮下創平君) 今、委員の御指摘の点は、例えば痴呆性老人が知能低下のほかに問題行動を起こすような場合等、こういった症状があるような場合にどうすべきかということですが、適切な施設ないし病院でこの治療を受けることが必要だと存じます。
  しかし、精神病院以外の病院とか特別養護老人ホームは、専門的に精神医療を必要としない老人を処遇する施設でございますから、何らかの事情で緊急避難的にその行動制限をせざるを得ない状況になる場合は別といたしましても、それ以外に一般的に身体的な拘束を行うようなことは老人の権利擁護の面から見てもあってはならないことではないかと思います。万が一こうした施設でそのような身体拘束を受けられるような不適切な事例が生じました場合は、都道府県の担当部局、監督部局とも連携して、速やかにその是正が図られるように連携を図ってまいりたいと思っております。
#26
○堀利和君 以上で終わります。
#27
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
  本日は、てんかん患者のノーマライゼーション、医療・福祉施策につきまして質問させていただきます。
 最初に、警察庁の方にお尋ねいたします。
 道路交通法八十八条は、てんかん病者を自動車運転免許の絶対的欠格事由としております。しかし、てんかんに対する治療の進歩により、今日、数十万人とも百万人とも言われるてんかん患者の中で、てんかん発作がコントロールされている人の割合は約八〇%にも達しております。したがって、てんかん患者を自動車運転免許の絶対的欠格事由とすることは現状に合わなくなっているのではないかと、そのように考えます。
 政府は、平成五年、障害者対策に関する新長期計画において「障害者の社会参加を不当に阻む障害要因とならないよう、必要な見直しについて検討を行う。」と明記し、平成七年の障害者プランにおいても、七カ年計画中に「各種資格制度等における精神障害者の欠格条項の見直しを推進する。」というふうにしております。現在、総理府の障害者施策推進本部と各省庁が連携しながら見直しの作業を進めていると聞いております。
 そこでお尋ねしたいんですが、てんかん病者を自動車運転免許の絶対的欠格事由とすることの見直しの検討はどこまで進んでいるのか、そのことについてお聞きしたいと思います。
#28
○政府委員(玉造敏夫君) お答えいたします。
 てんかん病者に係る運転免許の欠格条項につきましては、医学の発達等を踏まえまして見直しの御意見があるということを承知しているところでございます。
 御指摘のとおり、障害者に係る欠格条項につきましては、現在、障害者施策推進本部が策定いたしました障害者対策に関する新長期計画及び障害者プランに基づきまして、推進本部を初めといたしまして、障害を欠格事由とする制度の所管省庁におきまして必要な見直しを行っているところでございますけれども、警察庁におきましても、現在そのような情勢を踏まえまして、てんかん病に関する専門家等の御意見を承りつつ、調査検討を行っているところでございます。
#29
○渡辺孝男君 そこでお聞きしたいんですけれども、交通事故でてんかんが事故原因と推測される頻度というのは実際にどれくらいあるのか、平成九年度のデータを教えていただきたいと思います。
#30
○政府委員(玉造敏夫君) てんかん病者に係る交通事故の件数でございますが、平成九年中の発生件数は六十一件、そのうちの死亡事故件数は二件でございます。
#31
○渡辺孝男君 母集団の数値が入っておりませんので、そこも教えてください。
#32
○政府委員(玉造敏夫君) 全交通事故件数という御趣旨であろうと思いますが、全交通事故件数は七十八万三百九十九件、全死亡事故件数は九千二百二十件でございます。
#33
○渡辺孝男君 大体〇・〇一%か、死亡事故に関しては〇・〇二%ぐらいの頻度ということになりますけれども、てんかんのほかに交通事故等に遭う可能性のある疾患というのはほかにもいろいろあると思います。失神や意識障害を起こす脳卒中や循環器疾患、そのような症状で交通事故を起こした、あるいは死亡事故になったという比較データというのは持っていらっしゃいますか。
#34
○政府委員(玉造敏夫君) 運転免許の欠格事由となっていない疾患を原因とする交通事故につきましては、運転者について言いますと、免許を受けている者がその疾患に係る交通事故の当事者となったということでございまして、本来運転免許の欠格事由となっている、そして免許を取得できない、さらに言いますと免許の取り消しの対象となる、例えばてんかん病者に係る交通事故との比較というのはなかなか困難かというふうに思います。
#35
○渡辺孝男君 もちろんてんかんの患者さんという診断がつけば、発作があるうちは運転免許はないわけですから、単純な比較はできませんが、先ほどの調査ではてんかんの患者さんの事故との関係というのをちゃんと調べているということですので、直接の比較ではありませんが、参考としましてやはり他疾患での死亡事故の事故数、そういうものもきちんと調べておくべきではないか、そういうものがなければ客観的なデータがそろわないので、いつまでたっても欠格事項の見直しにはならないんではないかと、そのように考えるわけです。
 それと関連しまして、諸外国ではこのようなてんかん病患者さんを自動車免許の欠格事由にしていないという国があったら教えていただきたいと思います。
#36
○政府委員(玉造敏夫君) 諸外国におけるてんかん病者に係る運転免許の欠格条項については、現在調査を行っているところでございまして、確定的なことを申し上げる状況にはございません。しっかり調べたいと思っております。
#37
○渡辺孝男君 てんかんの発作がコントロールされていれば絶対的な欠格事由にはならない、何年か、二、三年発作が起きていない、お薬を飲んでいればそういうてんかん発作を起こす危険がない、そういう条件とか、脳波でてんかんの波が出ていないとか、そういうある程度の条件をクリアすれば運転しても安全ではないかというような、そういう国もあるんではないか。
 僕も調べてないんでちょっとわかりませんが、そういう国がありましたら、そこでそういう患者さんが運転していての事故の発生頻度、あとほかの疾患での事故の発生頻度、そういうものを調べていただければ、コントロールされているてんかん患者を特別差別する必要はないというような客観的なデータも得られるんではないか。推測ですけれども、そういう国がありましたらそういうデータをとっていただいて、参考にして見直しの検討をしていただきたいと、そのように考えております。
 現代でも、日本では車社会でありまして、そういうてんかんの患者さんもコントロールされている人は自分で自動車を運転できるということになれば、日常生活でも非常に便利でありますし、就職の面でも非常に有利ではないかと、そのように考えております。やはりノーマライゼーションの精神からもきちんとそこの見直しに真剣に取り組んでいただきたい、そのように考えております。
 次に、運輸省の方にお尋ねいたしますけれども、てんかん患者に関しましてはこのような自動車免許の欠格事由がありまして免許を持てないということでありまして、自分で車を運転することができないので遠距離の移動には電車やバスなどの公共交通機関を利用する機会が当然多くなると思います。しかし、身体障害者手帳を持っていらっしゃる方や療育手帳を持っていらっしゃる方には運賃の割引制度がありますけれども、てんかん患者などが持つ精神障害者保健福祉手帳を持っている人にはこの割引制度がないということで、非常に不都合あるいは格差というべきものがあるんではないかと私は考えておりますけれども、ここの是正に関しましては運輸省はどのように考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
#38
○政府委員(羽生次郎君) お答えいたします。
 先生御存じのように、公共交通機関におきましては確かに身体障害者、知的障害者の方の運賃割引という制度がございますが、これはいずれも運輸事業者の自主的な判断に基づいてなされておりまして、割引による減収分は他の利用者の負担になっております。仮に精神障害者についても行うとすれば同様なものになると思うわけでございます。
 私どもといたしましては、従来より機会あるごとにこの関係の運輸事業者の方々にこれを対象にしてはいかがかというようなお話をしておりますが、現在のところまだ運輸事業者の方々の多くのところでは自主的にこの割引を行うということに至っておりません。
 以上でございます。
#39
○渡辺孝男君 事業者は事業者で経営があるでしょうから、やはり国として何らかの支援をしてそういう方にも運賃割引、免許が持てないわけですから、そういう割引に対して補助、支援があってもいいんじゃないか、そのように考えますので、さらにそういうことを検討していただきたい、そのように考えます。
 次に、厚生省の方にお尋ねしたいと思います。
 近年、てんかんの診断や治療に関しても随分進んできておりますが、診療報酬上の評価が低くて、てんかんの治療に対するインセンティブが働きにくいというような状況にあるんではないかと考えております。
 例を挙げますと、てんかんの診断には脳波の検査や脳波のモニターあるいは発作の観察が必要になってきます。特に難治性てんかんの患者さんの場合や、あるいはてんかんに対する手術を行うその手術の前後のときなどは、症状が起こるかどうかのビデオを撮りながら脳波の記録も同時に観察するというようなことが診断上非常に有用だというようなお話を聞いております。しかし、こういうものを行っても診療報酬上は低くしか評価されていないということでありまして、やはりこういうところは改善していかなければならないんではないか、そのように考えるわけであります。
 また、難治性てんかんに対して、近年、脳神経外科的な手術としましては、軟膜下皮質多切術あるいは海馬硬化症などの病巣を取り除く側頭葉切除術等の新しい観点からの外科的治療も開拓されてきております。しかし、こういう先端的な治療というものは診療報酬上適切な評価を受けていないんではないか、そのような現場の声もあります。こういう診断やあるいは治療に対する診療報酬上の評価はやはりきちんとしていくべきではないかというふうに考えるわけでありますが、厚生省のお考えをお聞きしたいと思います。
#40
○政府委員(羽毛田信吾君) 診療報酬におきますてんかんの診断、あるいは新しい手術方法等を含めましたそういったものについての評価の問題でございます。
 先生最初にお挙げをいただいたビデオ脳波を同時記録しながら診断をするという、いわゆるてんかんの診断に用います終夜睡眠ポリグラフィーと申すそうでございますけれども、この評価でございますが、これは平成二年に例えば千五百点で保険適用されまして、その後逐次点数改定をしまして、平成十年度の、本年の診療報酬改定におきまして、従来の千八百点を二千二百点まで引き上げをするというような形で逐次改定を行ってきております。
 こういった改善をしていく、あるいは御指摘のようにてんかんに対しましては幾つかの新しい手術方法といったようなものもできてきております。こういったものにつきまして、私どもも必要に応じまして専門家の御意見等も踏まえながら、最終的には中医協で御論議をいただいて適切に対応していきたいというふうに考えております。
#41
○渡辺孝男君 最後に、厚生大臣の方にお伺いしたい点があります。
 難治性のてんかんの患者さんですと、てんかんの症状のほかに知的障害を合併したり身体障害を重複して合併されている方もあります。しかし、そういう方が要介護状態等になりまして施設に入ろうということになりますと、普通の身体障害者が入るような施設ですと、てんかん発作が起きると困るということでなかなか受け入れられない。あるいはまた精神疾患の患者さんが入るというようなところですと、どうも周りの人と症状が違うということで、あるいは発作が起きないときはある程度正常に、普通に生活できるというようなことで、どうも違うということで入所しにくいというようなこともあるというふうに聞いております。
 そういう意味で、そういう難治性のてんかん、特に重複している障害のあるような患者さんが入るような施設というのがやはり必要なんではないか、そのような訴えが多くあります。
 また、自分の子供さんがだんだん大きくなって成人していく、介護するお父さん、お母さんがお年寄りになって介護が大変になってくると、やはりそういう施設がないと心配でならないというようなお話も聞いております。
 今、障害者プランとしましてそういう方々に対する施設、通所あるいは入所施設を整えているわけでありますけれども、そういう難治性のてんかんの患者さんなんかも適切に利用できるような施設というのがやはり必要ではないか、そのように考えておりますが、そういう施設の充実に関しまして厚生省の考え方を大臣の方からお聞きしたいと思います。
#42
○国務大臣(宮下創平君) 委員の御指摘のように、知的障害とか身体障害の重複しておられるようなてんかん患者の方々を含めまして、社会復帰を促進するあるいは自立できるようにする、社会経済活動へ参加できるようにするというために、障害者プランに基づいて御指摘のように精神障害者社会復帰施設あるいは知的障害者援護施設等の計画的な整備は図っておるところでございます。
 一方、てんかん患者の方々につきましては、てんかんの特色が予測しにくい発作等の症状のために、社会福祉施設が逆に受け入れがたいという実態があるようにもお聞きいたしております。しかし、こうした予測し得ない発作等でありましても、医療機関との連携の確保が十分適切に行われればそれは十分可能であると存じますので、何にしても医療機関と社会福祉施設との連携確保が極めて重要だと思っております。
 それと同時に、社会福祉施設におけるてんかん患者の方々の受け入れ促進のために、てんかん患者の方々に対する関係者の理解とかあるいは協力が不可欠でございますから、そうした面におきまして普及活動等を徹底して万全を期して受け入れていただかなくちゃいけないと、こう思っておりますので、その方向でこれからも対処してまいります。
#43
○渡辺孝男君 ありがとうございました。
#44
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
 今、深刻な不況のもとで家計消費は大変冷え込んでいます。そして、それに加えて将来不安で消費はますます冷え込んでいる。中でも介護保険制度に対する不安というのは非常に大きいんじゃないかと思うんです。
 厚生省は、十一月二十六日に、医療保険福祉審議会の老人保健福祉部会に介護保険法施行令を諮問しましたが、その問題点について質問をしたいと思います。
 最初に、保険料の特別徴収の問題であります。
 六十五歳以上の一号被保険者の年金額が十八万円以上の場合は年金から保険料を特別徴収、つまり天引きするということが出されております。本年十月二十九日の全国介護保険担当課長会議、ここでも特別徴収の対象となる年金の基準額は年額三十六万円となっていたんです。その根拠として「老後の所得保障としての年金制度の趣旨に鑑みると、低額の年金しか受給していない者についてまで特別徴収の対象とすることは適当ではない」と報告をされております。
 それなのに、今回突然、基準額が三十六万から十八万に引き下げられた。見坊和雄委員は、二十六日の部会で、どうせ払うなら年金から取ればいいという安易な発想なら年金とは一体何なのか、承諾を得た場合に限定するならともかく、強制するのはどうかと発言されております。
 月一万五千円、一日五百円であります。こうした年金から天引きする。このような、言ってみれば超低額年金からの特別徴収というのは、厚生省の先月までの見解に照らしても、すなわち所得保障としての年金制度の趣旨に反すると言えるのではないか。なぜ引き下げたのか。また、これは生存権を保障した日本国憲法第二十五条にも抵触するのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#45
○国務大臣(宮下創平君) この介護保険料の天引きの対象となる年金の額につきましては、医療保険福祉審議会の審議の過程で、特に保険者である市町村関係者を中心といたしまして、効率的な保険料徴収を確保するためにもっと額を下げるべきであるとの意見が非常に強く出されておりました。こうしたことを受けまして、天引きの対象となる年金の額を十八万円以上として審議会に諮問したものでございます。
 これによりまして、年金からの天引きの対象となる者の割合は、従来の三十六万円以上の場合には七割程度を年金から徴収できました。しかし、これによって八割程度まで引き上げられるということが推定されております。年金でも遺族年金、老齢福祉年金、障害年金からは天引きしないことは、これは当然になっております。
 それから、介護保険料の天引きにつきましては老齢退職年金を対象として行うわけでございますが、これらの年金から天引きを行うことにつきましては年金保険上法的な制約は別にございませんし、年金の受給権保護の観点からしても格段の支障はないものと私どもは考えておりまして、あくまで年金からの天引きは介護保険料の徴収方法の問題であるというように思っております。その対象とならない、つまり年金からの天引きをしない場合でも必要な保険料だけは納めていただくという建前は変わるものではございません。
 したがって、年金からの天引きによりまして老後の所得保障としての年金制度の趣旨を没却するものであるとか、あるいは憲法二十五条に抵触するといったような御指摘は当たらないのではないかと考えておるところでございます。
#46
○小池晃君 先月までは年金制度の趣旨から見て三十六万円が限界だと、そういう見解だったわけです。ところが、今変わったということについて全く説明されていないんではないかと思うんです。私は、やはり月一万五千円という低額年金からの保険料の天引きというのは決して許されるものではない、こういうやり方は明らかに憲法違反であるということを指摘しておきたいというふうに思います。
 そしてさらに、こうなると年額十八万円以下からの方は普通徴収ということになる。さらに厳しい状態の方から徴収をする、個別に。これは果たして事実上可能なのか、大変困難ではないかというふうに考えるんですが、収納率はどの程度というふうに考えていらっしゃるのか。
#47
○政府委員(近藤純五郎君) 年金から天引きするわけでございますけれども、残る人につきましては市町村が直接に徴収するわけでございます。これにつきましては審議会で今御議論願っておりますけれども、低所得世帯につきましては保険料を低くする、こういうふうなことでお願いをしているわけでございます。
 徴収の方法につきましては、これは市町村の方で御努力、御工夫をしていただく必要があると思っておりますけれども、基本的には介護保険に対します理解と申しますか、保険料を納めることについての御理解をいただくというのが一番大事だというふうに考えております。
 徴収率がどうなるかについては今のところ私どもわかりませんけれども、できるだけ一〇〇%に近い徴収をしたい、こういうふうにお願いいたしているわけでございます。そういう努力をいたしましてもどうしても徴収ができない、こういう場合には、都道府県に設置されることになります財政安定化基金を通じまして収納率低下に伴います赤字分を、二分の一でございますけれども補てんする、こういうふうな措置を講じまして介護保険財政の運営の安定化に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
#48
○小池晃君 全く市町村任せだと。非常に無責任だと思いますよ。これは大変ですよ、市町村が。
 そして、さらにつけ加えれば、先ほどから市町村からの要請があって特別徴収の額を徴収の効率化のために引き下げたというふうにおっしゃいましたが、要するに徴収が困難だということじゃないですか。徴収困難だからできるだけ引き下げて、そしてそこまで特別徴収してほしいという要求だつた。それを厚生省が受け入れたということは、低所得層からの、年金額の少ない方からの徴収は極めて困難であるということをまさに厚生省自身が認めたということにほかならないと思うんですが、いかがですか。
#49
○政府委員(近藤純五郎君) 実際問題といたしまして、低所得者の方から保険料を徴収するというのは非常に難しいだろうと一般論としても思いますし、そのためもありまして、制度的にもそういう方については低い保険料額を設定する、こういうふうな形になっているわけでございます。先ほども申し上げましたけれども、それでも難しいという者につきましては財政安定化基金を通じた措置を講じていくということでございます。
 それで、市町村長さんからの要請では、これはもう一万円でも、もっと低くても取れる限りにおいては取ってほしいという非常に強い要請があったわけでございますけれども、そういうわけにもまいりませんので一定額にとどめた、こういうことでございます。
#50
○小池晃君 払えなければ安定化基金でとおっしゃるということは、それは市町村はいいですよ、介護保険の財政はいいですよ。受ける方、被保険者は、払えない人は排除されるじゃないですか。そういったことを最初からもう前提として、年金額が極めて少なくて保険料が払えない人は排除されるということを前提にしたやり方と言わざるを得ないんですよ。
 そもそも、お年寄り約二千万人のうち千二百万人が国民年金の受給者で、その平均額は四万五千八百五十一円、年額五十五万円程度です。これだけではほとんどが住民税非課税であります。我が党は、以前から住民税非課税の世帯の高齢者、低所得者からは保険料徴収すべきではない、そして老人福祉法等で措置すべきだというふうに主張をしてまいりました。今まで言われたような第一号保険料の徴収の極めて困難な問題、それから矛盾、これを解決するためにはやはりこの方法しかないんだ、減免制度あるいは保険料を払えない方には、保険料徴収を強制するのではなくて、従来どおり措置すべきであるということでしか解決できないんだということを改めて主張しておきたい、強調しておきたいと思います。
 その上で、十一月に発表された全国市長会のアンケートを見ましても、これは保険料が幾らになるのかということに関して大変な不安が表明されています。国が見込んだ第一号被保険者の保険料二千五百円程度の運営は可能かという問いに対して、「できると思う。」が〇・三%、「ある程度できると思う。」が六・三%、合わせて一割にも満たない。それに対して、「現時点では判らない。」五八・八%、「できないと思う。」というのが三四・六%です。三分の一以上の市がはっきりできないと答えております。そして、幾らなら運営できるかという問いに対しては、四千円から五千円が二九・六%、五千円以上と答えている市も一二・七%ある。
 第一号保険料が二千五百円、あるいは三月の予算委員会の御答弁によれば二千六百円、これにおさまるとは考えられないということは常識になりつつあります。そして、昨日、老人保健福祉部会で保険料試算のための平均利用額引き上げが報告をされております。こういったことを踏まえれば、もう保険料引き上げや、当初言っていた二千五百円あるいは二千六百円ということでは運営が不可能であるということは火を見るよりも明らかではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#51
○政府委員(近藤純五郎君) 二千五百円あるいは二千六百円という数字でございますけれども、この数字は法案審議の段階におきまして制度設計上のイメージ、こういうことで七年度価格という形でお示ししたわけでございます。当然この額は市町村のサービス水準によっても変わってまいりますし、実際に施行されますと、先ほど来お話がございますように所得段階別に異なる、こういうことになるわけでございまして、七年度の価格でございますから、当然その後における、きのうお示ししました限度額といいますか、特別養護老人ホームとか老健施設あるいは在宅サービス、こういったものの額は十年度という形でお示ししておりますので、当然それに伴いまして二千五百円なり二千六百円というのは上がってくるもの、こういうふうに考えております。
#52
○小池晃君 今はっきり認められました。二千六百円はイメージだと言いますけれども、国民は二千五百円、二千六百円が保険料と頭に入っていますよ。そういう宣伝がされていますからね。
 実際、今、上乗せ横出しとおっしゃいましたけれども、それ以前の問題として二千六百円という数字自体が上がることはもうはっきりしているんです。これは責任を持ってやっぱり示すべきだと思うんです、国民に対して早急に。というのは、やはりこれだけの深刻な不景気で、医療費の自己負担引き上げや消費税の引き上げをやる。消費がこれだけ落ち込んでいるわけですから、そして二〇〇〇年の四月からさらに数千円という単位での保険料が上乗せされる、そのことを、はっきり幾らぐらいの額になるのか、厚生省は一刻も早く責任を持って示すべきだというふうに主張したいと思います。
 その上で、最後になりますが、保険料滞納者に対する制裁措置の問題であります。今回の諮問では制裁措置の除外規定として風水害あるいは要介護者の生計を主として維持している者が死亡した場合、長期入院したりした場合というふうに記されておりますが、これに加えてやはり少なくとも事業などの休廃止や失業あるいは干ばつ、冷害などによる収入の減少、こういった項目を入れるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
#53
○政府委員(近藤純五郎君) 先生が御指摘のように、保険料の滞納者に対します制裁を行わない特別事情といたしましては、災害の関係あるいは被保険者世帯の中心者の死亡等の事例を諮問いたしているわけでございまして、これに準ずる事由、こういうことで一般的な条項を入れているわけでございます。この中には、御指摘の事業の休廃止でございますとか失業、農作物の干ばつとか冷害、こういったようなものは当然入ってくると思いますが、これによりまして被保険者または主たる生計維持者の収入が著しく減少というふうに認められた場合には対象になる、こういうふうに考えております。
#54
○委員長(尾辻秀久君) 時間が来ておりますので、手短にお願いします。
#55
○小池晃君 今適用されることが確認されました。政令に書き込むべきだというふうに主張しておきたいと思いますが、その上でやはり多々問題点はありますので、今後ともこの問題を大いに取り上げていきたいと思います。
 以上で終わります。
#56
○清水澄子君 私は、基礎年金の国庫負担についてお伺いしたいと思います。
 今日の消費不況、国民の将来不安をどう取り除くかというのはもうずっとこの国会においても論議をされているわけでございますが、とりわけ年金の安定というのは、年金生活者のみならず、これは社会全体あるいは経済全体を安定させることにおいて非常に重要な私は政策であると思っております。
 そこでお尋ねいたしますが、去る百三十一臨時国会のとき、この国民年金法の一部改正の審議がございました。そのときに法律の附則を修正して、一九九九年の改正期には基礎年金の国庫負担の割合を引き上げることについて検討するということが明記をされたわけですし、そして附帯決議においても「二分の一を目途に引き上げることを検討すること。」ということを決定しております。
 しかし、厚生省は莫大な財源を必要として困難だという態度に終始しておられるわけですけれども、私は基礎年金制度を安定させるということがこの未納問題また無年金者の問題、低年金者の問題や第三号被保険者の問題等を解決していく道を開く唯一の政策だと考えております。
 最近、自民党においても二〇〇四年までに国庫負担を二分の一に引き上げるということを決定されているわけでございますが、私は厚生省はこの二分の一引き上げにもっと積極的に臨むべきだと考えます。大臣の前向きの御決意を伺いたいと存じます。
#57
○国務大臣(宮下創平君) この基礎年金の国庫負担の引き上げは、御指摘のように前回の法律改正のときに抽象的に法文の中に書かれており、附帯決議でもこの率を二分の一にするというようなことが明記されております。そのことは承知しておりますが、今回の年金改正、財政再計算期における検討におきましても、私どもとしてはこの点は非常に注目をしておりまして、検討の対象にはいたしております。
 しかし、三分の一を二分の一にするだけで二兆二千億かかる。毎年それが増大していくわけですね。少子・高齢化社会で受給者がふえていきますし、増大してまいりますので、この莫大な負担をどうするかという問題を同時に私どもとしては考えざるを得ないということで、代表質問を通じましてしばしばこの問題についての御質問がございまして、総理大臣も答弁を申されておるのは、現下の財政事情にかんがみて莫大な財源を必要とするから困難であるということをお答え申し上げております。私どももそのとおりだと思います。
 この問題は、厚生省としては、全額税方式というのは私は好ましくないと思いますが、将来課題としてはやはり二分の一ぐらいにした方が各種の問題を解決するのに非常にいいし、それから保険料の引き上げをある程度抑制できるという効果を持つことはこれは当然でございますから、そういうことを考えておるわけであります。しかし、新たな財源確保のための具体的な方法と一体として考えていきませんとなかなかこの解決は困難でございまして、したがって私としては将来の検討課題として、国の財政状況あるいは国民の負担全体のあり方、社会保険料と税との国民負担率をどう考えるとかというような視点で総合的に考えていかなければならないと思っております。
 なお、総理は答弁の中で将来の直間比率の見直しの流れというような言葉も使っておられます。そういうことを考えたときに、将来課題として私どもは解決すべきだと考えますが、十一年の改正で直ちにこれを取り上げることはできない、これは申さざるを得ないというように思います。
#58
○清水澄子君 でも、この問題はきっと今後も、今この問題について取り組むことの方が今後の年金の財政をも安定させられると私は考えますが、きょうは年金はここで終えます。
 次に、先ほど小池さんからもありましたが、この全国介護保険担当課長会議資料で、今度の政令事項となる年金受給者から、幾らの人から介護保険料を天引きするか。それが三十六万円というふうになっていた。私どもも大体三十六万円ということで皆さんに説明してきましたが、一カ月もたたないうちに年間十八万円の年金受給者から天引きするというふうに決まっているということは、政令をつくるというときは従来の説明が突然覆されるということが今後もずっと続くというふうに受け取ってよろしいでしょうか。
#59
○政府委員(近藤純五郎君) 確かに、私どもは三十六万円ということで審議会には御説明し、お願いをしてきたわけでございますけれども、そういうことでは徴収というのは非常に難しい、保険者である市町村の立場もぜひ考えてほしい、これで絶対額が徴収されなかったらほかからまたいただくということにもなるわけでございますので徴収の問題であるからぜひとも一万円の年金からでもいただきたい、こういう強い要請があったわけでございます。
 政令事項あるいは省令事項につきましては医療保険福祉審議会のいろいろな御審議を経て決める、こういうことでございますので、大勢の委員の先生方からそういう意見が出たというからには私どもとしてはできるだけの配慮をせざるを得なかった、こういうふうに考えております。
#60
○清水澄子君 これは、先ほども答弁でおっしゃいましたけれども、徴収方法を効率的にするんだという、その徴収する側だけの配慮を選択していると思います。
 生活している人を考えたときに、年額十八万円の年金受給者というのは月額一万五千円なんです。この人たちから例えば二千五百円を、二千五百円よりもっと高くなるかもしれませんがそれを引く。そして、さらに介護サービスを受けるというときはその一割を負担しなきゃならない。これだけで生活していることはあるまいなんとおっしゃるけれども、そうばかりではないんです、この世代の人たちは非常に年金が不十分でしたから。
 ですから、この人たちの生活を考えたときに、逆に介護保険制度をつくったことによって保険料は払うけれども受けられないという人が出てくる可能性は非常に強いと思いますし、それからそのために高齢者を貧困層に追いやってしまうというのは非常に私は矛盾のある政策だと思います。ですから、やはりこういう低所得者への施策というのは十分な配慮をしなきゃいけない、そういう意味でも私は先ほど国庫負担を引き上げて基礎年金を厚くした方がいいんじゃないかということを提案したわけですが、これらについては時間がありませんので次にまたいろいろお聞きしたいと思います。
 次に、介護保険料はやはり一律二千五百円、最初は二千五百円と思っている人の方が圧倒的に多いですよ。さっきは、あれはただイメージとして七年の価格で出したんだとおっしゃるけれども、そんなことを思っている人は非常に少ないです。
 そこで、厚生省は、今度は所得段階別の保険料を五段階に分けて設定されました。ですから、その五段階というのはどんな段階で、その割合は何%か、そして一番高い人はどの程度を見ていますか、保険料。
#61
○政府委員(近藤純五郎君) 現在、審議会の方に御諮問を申し上げておりますのは、五段階に分けて保険料を徴収してほしい、こういうことでございまして、具体的に申し上げますと、本人が市町村民税の非課税である被保険者、全国平均で約四六%の人が該当いたしますが、こういう方々を基準となる保険料の水準といたしまして、まずこれを一といたしまして、これよりも低所得の被保険者につきましては、生活保護の受給者でございますとか世帯全員が市町村民税の非課税でございます老齢福祉年金受給者等、これは全国平均で約二%の方でございますが、こういう方々の保険料は基準となります額の二分の一にする。それから二番目といたしまして、世帯全員が市町村民税の非課税である被保険者、これは全国平均の約二八%の方が該当いたしますが、こういう方の保険料は基準となります額の四分の三、こういうことでございます。
 一方、標準より高所得の被保険者につきましては、市町村民税が課税されます被保険者であって本人の合計所得額が二百五十万未満の方、これは全国平均で約一四%の方が該当いたしますが、こういう方々の保険料は基準額の一・二五倍。それから、市町村民税が課税される被保険者であって本人の合計所得金額が二百五十万円以上の方、これは全国平均で約九%の方が該当いたしますが、こういう方の保険料は基準の一・五倍の額にするというのを原則に考えておるわけでございます。実際の保険料の水準につきましては、サービスの充実の違いによりまして各市町村間で異なるわけでございますし、さらに制度的にもこの五段階に必ずしもこだわらなくて、しかも一、〇・五、〇・七五、最高が一・五倍というのにこだわらないでもう少し傾斜をつけてもいいし、なだらかにしてもいい、もう少し段階もふやす、こういうことも弾力的に市町村が考えられるように、こういうふうな形で御諮問を申し上げておりまして、今審議中でございます。
#62
○清水澄子君 だから、一番高い人は幾らか、今ちょっとわからないですね。随分納めなきゃいけなくなりますね。前の方はさっき幾らぐらいとおっしゃったんだけれども、一番高いのはどのくらいになりますか。所得がある程度高い人、この第五段階で一番所得の高い人。
#63
○政府委員(近藤純五郎君) 一番高い方は、この五段階では標準の基準となります額の一・五倍でございます。
#64
○清水澄子君 だから、幾らぐらいになりますか。
#65
○政府委員(近藤純五郎君) それはまさにわからないわけでございまして、これは市町村ごとに決まる、こういうことで、さらに傾斜をつけられるか、場合によっては一・七倍とか一・八倍にする、そのかわり低所得者の方は〇・三とか〇・四にするとか、こういうことも考えられるということでございます。
#66
○清水澄子君 ほとんどの方は保険料が幾らになるか心配していますけれども、こういう五段階のことは余り知らないです。ですから、本当に早くこういうことも知らせるべきだと思います。
 最後の質問ですけれども、一方でお金を徴収する方は非常に細かく具体的にやっていらっしゃるんですけれども、この厚生省試算では、介護保険制度がスタートする段階では介護基盤の整備は、二〇〇〇年の四月一日では四〇%という数字を出していらっしゃいますね。つまり、介護保険制度がスタートするときには整備は五割に満たない。ですから、この基盤整備のおくれをどう早く実行に移していくか。それをしないと、またその面でも保険あって介護なしという状況を避けることができないと思うんです。
 ですから、来年で新ゴールドプランは終わるわけですが、引き続いてスーパーゴールドプランを設定して二〇〇五年にやっと基盤を六〇%というような数字ではなくて、それをもっと前倒しして介護基盤の整備を急ぐと。そういうことで、この介護保険制度をつくったことの意味が、皆さんたちに本当にこれが福祉として受け入れられるような、そういうことを厚生省は積極的に進めていただきたい。このことこそ景気対策であり、内需拡大であると考えます。
 大臣の決意をお伺いして終わりたいと思います。
#67
○国務大臣(宮下創平君) 私どもも大体委員と同様な考え方でございまして、今度の第三次補正におきましても新ゴールドプランの前倒し実施をいたしております。そして、家庭介護、在宅介護ということで保険制度をつくっておりますが、施設の必要性というのはますます高まると私は思いますので、それらをより整備していこうということで、これは前向きにひとつ整備を図ってまいりたいと思っております。
#68
○清水澄子君 終わります。
#69
○入澤肇君 先ほど朝日委員から出張の報告がございましたけれども、現地で保育園を視察いたしました。私は幼稚園で育ったものですから、四歳児、五歳児の保育につきまして、幼稚園と保育園は大差ないんじゃないかと思いまして、保育園と幼稚園の違いについて現地でお聞きしましたところ、よくわからないような説明がありました。
 現役のときにいろんな文部省と厚生省のいわゆる権限争いですか、これに関しての情報は持っていましたけれども、実はけさ文部省から来年度の税制改正要求の説明を受けました。その中に当然厚生省が要求すべきことが入っていまして、厚生省に相談しているのかと申しましたら全然していないと言うので、ここでちょっと確認したいんです。
 文部省では、私学教育費の減税ということで、幼稚園につきましても、私学の幼稚園に通う子供たちを持っている保護者に対して私学教育費の控除をする制度を創設するということを言っております。これは、私立学校の平均授業料と国立学校の平均授業料の差額を、例えば幼稚園であれば年間十四万円所得控除をする。それから住民税の控除も行うということを要求しておりますし、さらにびっくりしましたのは、特定扶養親族控除というのを拡充しまして、七歳未満の子供を特定扶養親族に加えて子育て減税を、これは文部省で要求するということを言っております。それからさらに、私立学校に寄附金を出した場合には、その寄附の行為の対象者に所得税の控除を行うということも言っております。
 これらは当然のことながら幼稚園、保育園横並びで議論していいんじゃないかと私は思うんですけれども、事前に文部省と十分な相談があったのかどうか。実はここら辺が、相談がないとすれば問題でして、行政改革を進めると言っていながらいつまでたっても縦割りで、縄張り根性でやっているわけですね。これは非常に全体として問題だと思うんです。
 先ほど厚生大臣が基礎年金の国庫負担を二分の一に上げるという場合に財源問題を言われました。私ども自由党は、行革減税ということで、縦割りでお互い縄張り争いをやってむだなことをやっている、それを一緒にして、ビッグバンで減税をする財源を捻出しようじゃないかということを主張していますけれども、今のこの文部省の要求につきまして厚生省はどう考えているか、お聞かせ願いたいと思います。
#70
○政府委員(横田吉男君) 来年度の税制改正要望に関連いたしまして、文部省では、先生今お話しになりましたように、国公立の学校と私立学校の授業料の格差に着目いたしまして、その差額分を所得上控除するような税制改正の要望をいたしております。
 これに対しまして、現在、公立の保育所が六割ぐらい、私立が四割ぐらいの状況でございますけれども、保育料は公私同一ということでございまして、私立学校と国公立学校のような違いが出てこないわけであります。したがいまして、この税制改正要望につきましては、私ども特段行っていないということであります。
 ただ、子供を育てる家庭の経済的負担の軽減を図るという点につきましては、私ども、文部省とも協議いたしまして、子育て減税についてともに要望を出させていただいているところでございます。
#71
○入澤肇君 十分に相談をしてやっておられるわけですね。きょう文部省に聞きましたら、厚生省に対しては相談をしていないという回答があったものですから、私はあえてここで縦割り行政の弊という一つの事例として御質問をしたわけでございます。
#72
○政府委員(横田吉男君) 先の方の私学教育費の減税に関する税制改正要望につきましては、特段相談はいたしておりません。子育て減税の方につきましては、相談をしながらやっているということでございます。
#73
○入澤肇君 寄附金はどうですか。
#74
○政府委員(横田吉男君) 寄附金についても、私ども特段税制改正要望を出しておりませんので、そういった点では協議はしておりません。
#75
○入澤肇君 子供の教育、文部省と厚生省がそれぞれ分担するのはいいんですけれども、同じようなベースのことは同じように共同で要求するということの方が迫力もありますし、また実現の可能性が高いんじゃないかと思いますので、ぜひこれから共同戦線を張っていただいたらいいんじゃないかと思います。
 それから第二番目に、補正予算の問題で、ちょっと質問する機会がないかと思いますので若干お聞きしたいんですけれども、百万人の雇用計画というのを今度出すと言っていますね、まだ閣議決定されていませんけれども。あした閣議決定ですか。
 私は、公共事業の有効需要創出効果あるいは公共事業の雇用効果は非常に高いんですけれども、それにも増して社会福祉事業、これの有効需要創出効果ないし雇用効果というのは高いと思っております。百万人の雇用計画の中で、社会福祉関係についてどの程度経済企画庁と話し合って厚生省は注文を出しているのか、あるいは厚生省として注文を出していないとしてもどの程度お考えになっているかにつきまして、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#76
○政府委員(炭谷茂君) ただいま先生お尋ねの雇用プランの関係でございますけれども、これを取りまとめております経済企画庁では、個別の内訳というものは示しておりません。例えば雇用活性化総合プランの活用とか、また今回の緊急経済対策の効果というものを総合して百万人というものを見込んでいるわけでございます。
 しかしながら、先生御指摘のように、私ども福祉の関係の雇用というのは大変大きいものがあるだろうというふうに思っております。事実、雇用活性化総合プランの中には新規雇用の優先分野として医療とともに福祉が真っ先に掲げてあります。ということで、私ども、今回、補正予算において社会福祉施設整備費を投入することによって、直接的な社会福祉施設の従事者の雇用増、また建設に伴う建設業への波及というようなものが期待できるんではないかというふうに思っております。
#77
○入澤肇君 それでは、補正予算で社会福祉施設の整備をやるということになっているようですが、どのくらいの規模で、また補正予算に伴って緊急にどのくらいの雇用が見込まれるか、その計算があったら教えてください。
#78
○政府委員(炭谷茂君) 今回の補正予算案におきましては、社会福祉施設の整備費の必要予算として合計千百十八億円計上いたしております。この施設整備費を使いまして施設を新設する、それに伴いまして社会福祉施設の従事者が雇用されるわけでございますけれども、直接的な雇用だけで約八千人程度を見込んでおります。
#79
○入澤肇君 私は、経済企画庁がマクロの数字を発表するときに、各省それぞれの積み上げが十分なされないまま発表して、いつも失敗しているというふうに見ていますので、ここら辺は私は、特に厚生省は社会福祉施設の充実につきまして責任を持っているわけでございますから、いろんな意味で経済企画庁に事前に注文をつけていいんじゃないかと思っておりますので、今後よろしくお願いしたいと思います。
 第三番目に、この間、大阪でダイオキシンの現場を見てまいりました。見てきたんですけれども、よくわからない。土なんかも袋に入れて倉庫みたいなところに積んでいるわけです。
 ダイオキシンにつきましては、いろんな論文もありますし、それからいろんな報道もなされていますけれども、厚生省として、人体への影響についてどの程度までダイオキシンの問題が解明されているのか、それに対して行政上どのような手を今打っているのか、それから今はこれだけの限界があるんだけれども将来こういうことを研究すればここまで行政の手が打てるというふうなことを考えていたら、それを教えていただきたいと思います。
#80
○政府委員(小野昭雄君) ダイオキシン類の人体への影響につきましては、事故といったような急性の大量暴露があった場合、あるいは動物実験のデータ等から、発がん性あるいは内分泌攪乱作用等が言われているところでございます。
 急性の大量暴露の場合につきましては、イタリアのセベソというところにあります化学工場の事故例が有名でございまして、暴露された方の中には塩素ざ瘡の発生が報告をされております。それから、発がん率の上昇につきましては現在長期にわたって追跡調査が行われていると聞いておりまして、結果の発表が注目されているところでございます。
 ただし、私どもの日常生活におきましては、こういう大量暴露ではなくて、長期間にわたって非常に微量な暴露を受け続けるということによる人体への健康影響を評価する必要があるわけでございますが、これに関しましてはまだ国際的にも定見はございません。
 私どもといたしましては、食品中のダイオキシン類の濃度、母乳あるいは血液中のダイオキシン類の濃度の調査を行っているところでございまして、現在まで得られたデータによりますと、母乳及び血液とも欧米先進諸国と比べまして有意に高いという結果は得られておりません。しかしながら、何度も申し上げますが、長期の微量暴露による影響を解明していかなければいけませんので、被験者の長期にわたります追跡調査などが必要でございます。
 今後とも、こういった調査研究の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
#81
○入澤肇君 感染症予防法が制定されて、事後対応型の行政から事前対応型の行政へと政策転換、姿勢を変えるんだというふうに言われたわけです。これをダイオキシン問題に当てはめてみますと、例えば疑わしいところを積極的に調査してみる。調査をした結果、何かしなかったらすぐ政府の責任だなんということではなくて、解明された部分については現在の技術水準でこれだけの対応をする、あるいは未解明の部分についてはさらに一層の予算をとって調査する、研究するというふうなことで、そういう事前対応型への政策転換ということをきちんと打ち出して積極的にやってもらいたいと思うんです。
 しかし、どうもダイオキシンの報道を見ますと、おっかなびっくり、調査したら何か膨大な金がかかるんじゃないかという心配があるように見受けられるんですけれども、これは環境庁も同じでございますが、厚生省としてはぜひ積極的にやっていただきたい。ずっとこれを隠したりなんかして後手後手に回りますと、私は直感的に言って第二の水俣病みたいになっちゃったら大変なことになると思うんです。だから、少々の危険を冒しても行政として前面に出るという姿勢でぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 それから最後の質問でございますけれども、医療保険制度につきまして、この間も審議会の答申等が出ていますけれども、今後の改正のスケジュール、制度改革のスケジュールについてお聞かせ願いたいと思います。
#82
○政府委員(羽毛田信吾君) 医療保険制度の抜本改革につきましては、昨年の十一月から関係審議会におきまして、診療報酬体系の見直しの問題、薬価制度の問題、そして高齢者医療制度の見直しの問題につきまして精力的に御審議をいただいておりまして、目下その意味では審議中でございます。さらに、昨年九月からは医療提供体制の改革につきまして、これまた関係審議会において審議をしていただいております。
 今後の作業をどういうふうに持っていくかということでございますけれども、平成十二年度をめどに実施をするということが私どもの目標になっておりますが、正直申し上げまして抜本改正についてはさまざまな意見が確かに今日ただいまもございます。しかし、精力的な御審議をお願いして次期通常国会への法案提出ということを目指しまして、そこを作業目標にして関係者の御意見の集約が図れるようにということで目下努力中という段階でございます。
#83
○堂本暁子君 初めて国民福祉委員会で質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。大臣の御所見もいろいろ伺いたいと思っておりますので、余り細かいことに入らずに伺えたらと思っております。
 まず少子・高齢化、これは日本としてもう避けられない現実として認めなければならないことなのですが、その結果として、経済成長はもちろんのこと、国として社会的にも文化的にも勢いと申しますか活性、活力が衰える、あるいは弱まる原因になるのではないか。ある意味では大変国の将来にとって危機的な状況を私たちは迎えているというふうに言えると思います。
 ただ、この間、厚生行政、ずっとこの問題で私もいろいろなかかわりを持たせていただいてきましたけれども、実効ある少子化対策がとられていないというのが正直な感想です。抜本的な対策あるいはもっとダイナミックな対策、少子化の方向を転換するような対策がとられるべきであるのに、目下のところ、比較的細かい対策、応急処置的な対策の積み重ねに終始してきているような印象を受けております。これではなかなか解決しないのではないかというふうに思っております。
 大臣は厚生大臣に就任なさって少子化の対策をいろいろ役所の方からお聞きになっていると思うんですけれども、本当に女性あるいはカップル、夫婦が子供を産みたいと考え育てたいと考えるような対策がとられているとお考えでしょうか。
#84
○国務大臣(宮下創平君) 二十一世紀の我々の社会を考える場合、特に社会保障の面における中心的な状況の変化というのは少子・高齢化です。一言で少子・高齢化と言いますけれども、少子化と高齢化は非常に関係がございますが、少子化の問題も高齢化に劣らず私は重要だと考えているんです。
 いろいろの政策が今まで講じられておりますが、少子化問題というのはいろいろの要因が重なってきておりまして、したがってその対策もいろいろな面の対策が必要であろうと思われます。
 例えば、端的に言いますと、職場に保育所をつくればいいじゃないか、女性の方が職場に進出する機会が多いから、男女共同参画型社会になるからそういうことをやればいいじゃないかというように、ちょっとそれだけが重点みたいに考えられますが、そうではなしにあらゆるいろいろな条件が必要になってまいります。特に住宅の問題まで広げていけば非常に広範な領域で、子供を産み育てることに喜びを感ずることができるような条件というものは単に厚生省だけではございません。もっと広範な領域の施策が必要だと存じます。
 今、総理の諮問機関として有識者会議が置かれておることは御存じだと存じますが、この間、私は二時間ばかりその質疑に参画させていただきまして熱心な討議を見てまいりましたが、本当に問題は広範だなということをつくづく感じさせていただいております。
 しかし、さはさりながらも、できることからどんどんやっていかなくちゃいけませんので、とりあえず厚生省としては保育所の整備をやったり、保育所の機能の多角化、多面化とか、いろいろそういうことも直ちにできることは予算要求してやっていこうという姿勢で現在臨ませていただいております。
#85
○堂本暁子君 保育所の問題も大事ではありますけれども、これは子供が生まれた後の問題です。
 少子化の対策というのは、数だけの問題ではなくて、本当に望まれる子供が生まれてくるということが大事で、十年度の厚生白書「少子社会を考える」、この厚生白書はこの種のものとしては非常に評価されましたし、非常に鋭い分析と、それから結論もすべて私はよく書かれていると思っています。結論もここに書かれているんですね。ただ問題は、この白書に書かれていることが政策化されていない、例えば予算の面でもそれから行政機構の問題でも政策化されていないということです。
 この厚生白書の一ページ目なんですが、その一番下のところに「二十一世紀の日本に、「男女が共に暮らし、子どもを産み育てることに夢を持てる社会」をどのようにつくっていくか、」、「安心して老いることのできる社会」が基本的な条件だろうと。これは当たり前のようなことですけれども、その当たり前のようなことが政策化される段階になるとずれてきてしまっているのが残念ながら我が国だろうと思っています。
 保育所も大事かもしれない。しかし、やはり子供を産むということは、私たちはリプロダクティブヘルス・ライツと言っておりますけれども、性と生殖に関する健康と権利、これは九四年に国際人口・開発会議において提唱されたものであるということもこの白書の中にはっきり書いてあります。
 これは二つの面から言えることです。一つは、国内政策としてぜひ対応しなければならないことであると同時に、もう五年前に、正確に言えば四年半前ですが、日本国としてはそういった国際的な約束事の中でそういう政策をとりますということを約束しているわけですね。それじゃ、この五年間の間に日本国がその国際的に約束したような内容の政策をとってきたかどうかということになると、非常に大きな疑問を持たざるを得ない。
 それで、きのう「わが国の母子保健」、平成十年度のものですが、いただきました。これを見ますと、リプロダクティブヘルスというのは、生涯にわたって、生まれたときから死ぬときまでの子供を産む女性の性に関して健康であることを大事にしている物の言い方ですけれども、厚生省の政策、まさに今保育所の問題を大臣はおっしゃいました。しかし、この母子保健の予算を見ますと、例えば未熟児の対策については十五億使われている、それから小児性特定疾患の治療、研究、これにも一億近いお金がついている。
 しかし、子供が生まれてからのそういう未熟児の対策も大事ですけれども、健康に子供が生まれるような状況をつくるための政策を果たしてとっていらっしゃるかどうか。それはもうカイロで日本は約束したことなんですが、国内的にも国際的にもその約束は私は果たされていないというふうに思っているんです。
 例えば思春期の問題なんかも、ここにカイロ文書がございますけれども、その中にたくさん書いてあります。しかし、今援助交際というようなこともはやっている。そういう中で、望まない妊娠をしてしまって、そのために健康に子供が産めない体になることもある。あるいは、きのうでしたかの朝日新聞は、三十キロの体重にするために小学校からダイエットをしていると。こういうようなことでは、本当に子供を産むというような状況が社会的にできない。それは、女性の本当の意味でのありようをきちっと支えるようなそういった対策が少ない。
 そうすると、厚生省は、いや、やっておりますというふうに多分おっしゃると思いますが、これはあくまでも母子保健の中ですから、妊娠して母子手帳をいただいたようなときだけしか残念ながら日本の厚生行政は対応していない。子供を産む、男でも女でもいいんですけれども、その前の時期があるわけですね。そういった時期に対しての健康に関しての対策がない。そして、妊娠しないときでも女性が健康であるということが大変大事なんですが、それに対しての対策も非常に少ないというふうに思っています。
 リプロダクティブヘルスを厚生省は生涯を通じた女性の健康支援事業というふうに呼んでいらっしゃいますが、それは四千九百万。これは、母子保健全体の中で見ますとどれだけかといえば〇・二四%です。ほとんどないに等しいと言っていいわけです。ですから、そこのところが大きくずれている。本当に今やるべきことは大手術であり、体質改善なんです。ところが、そうじゃなくて応急処置を積み重ねている。これじゃどうにもならない。これでは国際的にも約束事が果たせないというふうに思っています。
 大手術として申し上げたいのは、母子だけではなくて、きちっと生涯にわたって、男性も女性もですが、そういった妊娠、出産にかかわる健康というのをとらえていけるような行政体制をとることが大事なのに母子保健課しかない。これではできません。いわゆる担当するところがないんですから、厚生省の中に。
 それから、体質改善と申し上げたときには、やはり五十年前の社会と今の社会、中学生のときからテレクラだ何だといって望まない妊娠をしてしまう。望まない妊娠をするということは虐待にもつながり、妊娠できない体になっていくというようなことにもつながっていく。そういったことに対して行政が転換していない。行政を変えていないわけです。これでは本当に日本は少子化から脱却できないんです。これではもう国が滅びていくということに近いことだと思います。
 そういう意味では、大臣は今大変な責任のあるところにいらっしゃると思うので、そのことに気づいていただきたいというのがきょうのお願いでございます。
 きょうは赤阪審議官にもおいでいただいたので同時に伺いたいのですけれども、来年はハーグでICPDの国際フォーラムが開かれます。三月にはニューヨークで国連人口・開発委員会が開かれますし、六月には国連の特別総会でこの問題が出ます。日本は今までナショナルレポートも出してきませんでしたし、インクワイアリーにも答えていないという状況の中で、大臣もおられることなので、大臣、きちんと聞いておいていただきたいんですが、日本はこの問題についてまだ責任を果たしていないと思います。よそのアジアの国はこの間バンコクでも結構ナショナルレポートを出した。だけれども日本は出していないんです。参加もしなかった、その会議にですよ。ですから、こういった問題について国際的にも非常に無責任。
 そのことについて、厚生大臣にもお願いしたいし、外務省としてもきちっとこのことに対応して、レポートの問題、それから政府代表の中にも例えば有馬真喜子さんのような方が婦人の地位委員会に出ていらっしゃいますが、そういった女性がきちんと入ること、そして女性のNGOの代表も入れるということを確約していただきたい。さもないと、日本は国内的に少子化が進むだけではなくて、国際的にもこの面では非常に信用を失うということになります。よろしくお願いいたします。
#86
○国務大臣(宮下創平君) 先ほどちょっと保育所の例を例示として申し上げたわけで、それだけが少子化対策であると私も毛頭考えていないことは申し上げたとおりでございますが、従来母子保健医療体制というようなことが中心になってきたのは事実でございます。
 今、堂本委員のおっしゃられるように、女性を全体として、私もリプロダクティブヘルスという概念がどういうものなのか、これは本当に確信を持ってイメージがまだつかめないところがございますので申しわけございませんけれども、堂本先生のおっしゃられる点はかなり理解はできるつもりです。国際的な社会の申し合わせでもございますし、宣言に日本も参画しておりますから、それはやっぱり国際的な一種の約束でもあると思うんです。
 話はちょっと別になりますが、この間、国連の人口基金の事務局長さんが、これはパキスタンの方でしたね、おいでになられまして、そういう話をしておられました。私も非常に興味深くいろいろ御質問申し上げたんですが、ちょっとわからない点があるんです。日本は非常に少子化に悩んでいるけれども、向こうは子供が生まれ過ぎる世界の話もされるし、一体どう考えたらいいかというような点もございましたが、このヘルスの権利の問題は、これは先生おっしゃるように、非常に広範な領域を女性全体として健全ないろいろな面でやらなくちゃいけないということを申し上げているように思われます。単に母子の保健衛生だけとか生まれてからの子供の病気の治療とか、そういうことだけじゃないということはわかりますから、ひとつ勉強させていただいて、これからひとつ国際的にも恥じることのないようにしていかなきゃいかぬと思っています。
#87
○説明員(赤阪清隆君) 先生の方から御指摘ございました来年六月の国連人口・開発特別総会に向けての準備過程の中で、目下国連人口基金の方から質問状が参っております。カイロ会議の行動計画の各国における実施状況ということで、我が国もこの質問状に答えるべく目下政府部内で準備中でございます。若干おくれておりますが、本年中に回答を必ずするように作業しておるところでございます。
 それから、政府代表団の構成につきましては、女性の参加を考慮すべしという先生の御指摘を踏まえまして、またこれらの準備会合がたくさんございますが、その性格も十分勘案しつつ、先生の御意見をできるだけ前向きに検討させていただきたいと考えております。
#88
○西川きよし君 よろしくお願い申し上げます。
 私の方からは、今回のこの補正予算案に盛り込まれております小児医療の充実に関連してお伺いをしたいと思います。
 こちらの委員会に参加をさせていただきまして、いろいろとせんだってもお伺いいたしました。小児救急医療あるいは小児慢性特定疾患治療研究事業、いろいろとお伺いをいたしました。そしてまた、来年度の予算要求あるいは今回の補正予算案にはそうした施策が盛り込まれていることを拝見いたしまして、大変うれしく、また心強く思います。改めて小児医療の現状を、きょうは大臣の方からまずお伺いしたいと思います。
#89
○国務大臣(宮下創平君) 我が国の小児医療の問題でございますが、乳幼児の健康診査などの母子保健対策との連携のもとに乳幼児死亡率が非常に減少しておるという大きな事実がございます。ちなみに申しますと、我が国の乳児死亡率は、出生千人につきまして昭和二十五年には六十・一人というものでございましたが、平成九年には三・七人となって世界で最も低い水準に到達しているということですから、これは誇るべきことだと思います。
 しかしながら、未熟児などの高度な医療が必要な新生児への早期対応が求められているといったような課題につきましてはまだいろいろ課題がございまして、安心して子供を産み育てられるようにするためには、今後とも特に周産期の医療体制とかあるいは小児医療体制の充実等、小児医療の質の充実に努力することが必要だと認識しております。
#90
○西川きよし君 前国会の予算委員会でございますけれども、小児慢性特定疾患の子供たちの予算のカットがされないようにということを大臣にお願い申し上げました。そして、病気の子供たちの予算をカットするということはありませんというお答えをいただきまして、お父さん方、お母さん方はほっとされたと思います。その一方で、これからは、その後は一体どうなるのかなという不安もあると思います。
 というのも、財革法の奨励補助金一割カットという規定がある以上はその翌年以降についてはどうなるかわからないということだと思うわけですけれども、今回財革法が凍結されることになりますと、少なくとも期間中は親御さんは皆心配だということになるわけですけれども、ないというふうに理解をさせていただいてもよろしゅうございましょうか。
#91
○国務大臣(宮下創平君) 西川委員からたしか八月に御質問がございまして、私が一割の削減はこの小児慢性特定疾患の治療研究事業には適用しませんよということを申し上げました。これは、実は低身長症の基準の是正の問題は医学的見地からやりましたから十年度予算では若干減っておりますが、これは一割削減ではなかったということであります。
 したがって、全体として十疾患くらいございます。五百種類くらいの病気があるようですが、それらの負担問題につきましては、これは私、個人的に申しますと、こういうものを行政経費と同じように一割カットにするということが本来おかしいと思っているんです。でも、それは形式的に基準で割り切られておりますからそうならざるを得ない。したがって、こういう医療の、しかも子供たちの医療の問題ですから、西川委員のおっしゃるように大変重要な課題ですから、これは満額確保して、よしんばそういうことをどうしても守れといった場合は、大きな枠の中ですからほかで対応してこれは守りますということを西川委員の質問にお答えしたと思います。今でもそのことは変わっておりません。
 それから、要求も、また来年も一割削減は閣議で了解された方針でございまして、財革法の凍結はいたしますけれどもそれ自体は生きている、こういう状況なんです。ですから、私としてはこれは継続できる限りしていく、特段の事情の変化がなければというように考えております。
 これは、私もよくわからないままでありましたが、委員の言っていることがよく理解できそうだし、そうしなきゃいかぬと思ったから即決的に相談もなしに御答弁申し上げたわけですが、今考えてみるとそれは正しかったなというように思います。
#92
○西川きよし君 ありがとうございます。
 私ごとでございますが、先日「生きる――小児がんの子どもたちとともに」というイベントが兵庫県の神戸市でございまして、毎日新聞と俳優の渡哲也さん等々皆さん方が中心となって病気と闘っている子供たちを励ましたわけですけれども、少しでも多くの方々に理解を深めていただくというイベントでございましたので私も参加をさせていただきました。その中でお話もお伺いいたしました。医療技術の高さに比べて病気の子供、そしてその家族を取り巻く環境の整備が大変おくれているということも感じました。そしてまた、子供たちの心のケア、特に子供の場合は遊びというものが治療の中におきましても大変大切だということもいろいろと勉強させていただきました。
 そういう中で、現実に入院中の子供たちはなかなかそうした環境に恵まれておりません。しかし、そうした中でも多くの方々がボランティア活動をして取り組まれているわけですけれども、何分にも感染の危険性やプライバシーの問題等々いろいろございます。例えば、国立国際医療センターなどではそうした取り組みが行われているとお伺いをいたしております。また、今回の補正予算案では小児病棟の療養環境の整備費が盛り込まれているわけですけれども、こうした現状について今後厚生省はどういうふうにお取り組みになるのか、お伺いしたいと思います。
#93
○説明員(丸田和夫君) このたびの平成十年度第三次補正予算案では、小児病棟の療養環境整備といたしまして、国立病院・療養所の老朽化した小児病棟の改修等にあわせまして面談室とか学習室等を整備いたしまして、療養環境の改善を図ることといたしております。
 委員御指摘のとおり、小児医療におきましては、こうしたハード面の整備だけでなくて、特に心のケアも重要であると認識しております。これまでも、御指摘のありましたように、国立国際医療センターや国立がんセンターなどの小児病棟にボランティアの方々の受け入れも進めているところでございます。
 また、現在建設中でありますが、平成十三年度に開院を予定しております国立成育医療センター、これはナショナルセンターとして整備する予定でございます。ここにおきましては、発達・発育期の子供という生活環境面での配慮が最も重要である患者の方を対象としておりますので、ボランティアの方々の受け入れとか、あるいは院内教育の実施など、心のケアといった面での療養環境の充実を図ることとしております。
#94
○西川きよし君 ありがとうございました。
 次に、今回のこの補正予算案でございますけれども、慢性疾患の子供の家族の宿泊施設についてお伺いをしたいと思います。
 子供が長期でしかも遠く離れたところから医療機関に入院をする場合には、子供の病気に対する精神的な負担に加えまして、交通費とか滞在費、経済的にも大変負担です。そうした中で、これまでも医療関係者や今もおっしゃいましたボランティアなどの協力で支えられてきた支援活動に国としても取り組むことは大変に意義があることだと思うわけです。
 平成三年の八月でございますが、先輩議員のコロムビアトップさんが予算委員会で質問をされておりました。当時の厚生大臣は下条大臣でございまして、そのときの答弁では、これからの母子医療に関する検討会で今後の検討課題とされているので、さらに時間をかけて検討をしていくということでございました。
 それから約七年間の月日が経過をしておるわけですけれども、これまでに例えばどのような調査、検討が行われてきたのか、そしてまた現在における実情をお伺いしたいと思います。
#95
○政府委員(横田吉男君) 御指摘がありましたように、小児がんなど慢性疾患の子供を持つ親御さんの御苦労というのは大変なものがございます。この点につきましては、平成四年五月のこれからの母子医療に関する検討会の報告の中におきましても、民間団体の自主的な活動として行われている慢性疾患を持つ子供や家族のための宿泊施設の提供に対する支援方策について検討する必要があるという提言をいただいているところでございます。
 その後、がんの子供を守る会等の団体を通じましてこういった宿泊施設の実情等についていろいろお伺いしてきたわけでありますけれども、箱物の補助金等についての新設は難しいということもありまして、なかなか実現ができなかったということでございます。
 幸い、今回の緊急経済対策におきまして、こういった慢性疾患の子供を持つ家族のための宿泊施設ということで、第三次補正予算案に整備費を計上させていただいたところでございます。
#96
○西川きよし君 ありがとうございます。
 トップ先生が当時質問をされて間もなく、東京の清瀬市にあります都立清瀬小児病院の近くで、自分のところの敷地内に宿泊施設をお建てになって長期入院患者の家族に提供された方からもこうしておはがきもいただきました。鴨下さんとおっしゃるんですけれども、五歳のときから闘病生活を、そして二十一歳でお子さんがお亡くなりになっています。そういう親子でお話をされて提供するということになったそうでございます。
 今回は十九億円が計上されております。今後の整備計画の具体的な内容と将来の整備目標、また任意団体あるいは個人で活動されている方々に対する支援についてもあわせてお伺いいたしたいと思います。
 時間の関係上、少しテンポアップさせていただきます。
 最後に大臣に子供の末期医療についてお伺いしたいんですけれども、今週の月曜日でしたか、大阪の病院の倫理委員会におきまして回復の見込みがない末期の新生児に対して過剰な治療の中止を承認したという新聞報道がございました。小さな命の終わりと直面しなくてはならない親御さんの気持ちを思いますと、子を持つ親の一人として私も本当に想像にたえない思いでございますけれども、最後は親の手で抱き締めてみとりたい、それも親心として理解ができます。
 そしてまた、その記事の最後に、小児科部長さんのコメントとしてこういう記事がございます。「緩和的医療を行うことを生命の切り捨てととらえるのでなく、より人間らしい医療と考えることができるのではないか。自分が子供の立場だったらどうしてほしいか、自分の子供だったらどうしてあげたいかを多くの人で議論すべき時期にきている。」という部長さんのお話です。本当にそのとおりではないかなというふうに私も思います。
 今後、小児の末期医療をどのように考えていくかは大変大きな課題だと思います。少子・高齢化もあわせてだと思いますが、最後に大臣のお考えをお聞かせいただいて、質問を終わりたいと思います。
#97
○政府委員(横田吉男君) この慢性疾患児の家族宿泊施設につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、今回の緊急経済対策の一環として全国で四十カ所の整備を行うことで要求いたしているものでございまして、これから全国どの程度の需要があるか、そういった状況も調べる必要があるかと思います。現時点で将来どの程度までこれを整備していくかという整備目標までは持っていないというのが実態でございます。
 それから、慢性疾患児を支援する任意団体等に対する支援でございますが、これは平成十年度におきまして、子育て支援基金というのがございますが、その運用益等を活用いたしまして、その相談事業等に対して支援を行っているものがございます。今後ともこういったものの活用を検討してまいりたいというふうに考えております。
#98
○国務大臣(宮下創平君) 末期医療全体の中で、小児の末期医療についてどのように考えるかという御質問でございますが、医学が進歩したとはいえ、有効な治療方法がない難治性の疾患がまだ相当残されておるということも現実の問題でございまして、この末期医療のあり方というのは大きな国民的な関心事項であり、またなっていくと存じます。
 厚生省の方のお話を聞きますと、末期医療に関するケアの在り方の検討会の報告書を取りまとめたりいろいろしておられますし、また平成九年から十年にかけまして末期医療に関する意識調査とか検討を実施しております。これは国民、医師、看護婦等を対象にしておりますが、その結果、末期医療につきましては、単なる延命医療はやめて、患者の状況や希望を踏まえ、患者の残された人生が個々人にふさわしい人生となるよう支援していく医療を国民の多くが望んでいるんだということも一方確認をされております。
 小児の末期医療につきましては、また療養所の特性からして成人と異なるという点も考えられますから、療養上の問題点と対策について引き続き検討はいたしておりますが、この問題につきましては、今御指摘の大阪の病院のガイドラインとそれから同病院の小児科部長の話を引用されておられましたが、私も委員の御指摘によってこれを拝見いたしました。
 この問題は、国民各人が残された人生をどのように送っていけばいいのかということで、これはもう自分自身の問題としてとらえる必要があると考えるわけでありまして、特に小児の末期医療につきましてはその特性からしてどのようなあり方が望ましいか。最終的に治る見込みはないと親が子を抱き締めて、そしてこの末期医療の終末を迎えたいというその気持ちもよくわかります。
 今後、これは非常に大きな検討課題ではないかというように感じて、大変参考にさせていただきました。
#99
○委員長(尾辻秀久君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時二十一分散会
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ソース: 国立国会図書館
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