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1998/12/11 第144回国会 参議院 参議院会議録情報 第144回国会 外交・防衛委員会 第2号
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1998/12/11 第144回国会 参議院

参議院会議録情報 第144回国会 外交・防衛委員会 第2号

#1
第144回国会 外交・防衛委員会 第2号
平成十年十二月十一日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     峰崎 直樹君     齋藤  勁君
     益田 洋介君     続  訓弘君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         河本 英典君
    理 事
                依田 智治君
                吉村剛太郎君
                柳田  稔君
                高野 博師君
                小泉 親司君
    委 員
                岩崎 純三君
                亀谷 博昭君
                佐々木知子君
                鈴木 正孝君
                村上 正邦君
                森山  裕君
                木俣 佳丈君
                齋藤  勁君
                吉田 之久君
                続  訓弘君
                立木  洋君
                田  英夫君
                田村 秀昭君
                山崎  力君
                佐藤 道夫君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  野呂田芳成君
   政府委員
       防衛庁長官官房
       長        守屋 武昌君
       防衛庁防衛局長  佐藤  謙君
       防衛庁運用局長  柳澤 協二君
       防衛庁人事教育
       局長       坂野  興君
       防衛庁装備局長  及川 耕造君
       防衛施設庁長官  大森 敬治君
       防衛施設庁総務
       部長事務取扱   西村 市郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第二局長   諸田 敏朗君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○外交、防衛等に関する調査
 (四社事案関連文書の管理実態に関する報告及
 び防衛調達改革本部の報告に関する件)
○核兵器の廃絶等に関する請願(第三四号外七件
 )
○安全で安定した食料を供給するためのWTO協
 定等の改正提起に関する請願(第一三八号)
○新ガイドラインに基づく周辺事態法等の制定反
 対に関する請願(第一四六号外七件)
○WTO協定の改定に関する請願(第三七〇号)
○WTO協定の改定による米の輸入中止に関する
 請願(第三七一号)
○WTO協定、WTO衛生植物検疫協定の改定に
 関する請願(第三七二号)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(河本英典君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る三日、峰崎直樹君及び益田洋介君が委員を辞任され、その補欠として齋藤勁君及び続訓弘君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(河本英典君) 外交、防衛等に関する調査のうち、四社事案関連文書の管理実態に関する報告及び防衛調達改革本部の報告に関する件を議題とし、これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○吉村剛太郎君 おはようございます。
 先回の当委員会におきまして、野呂田新長官から四社事案関連文書の管理実態に関する報告がなされました。そして、本文の方も私読まさせていただきました。この本文を見てみますと、額賀前長官の思いといいますのが非常に込められておるなという感じがいたします。防衛庁としても本当にみずからを裸にして反省すべきところを反省しているな、これはまさに額賀前長官の思いとその指導がこのような報告になったものと私は個人的には評価をさせていただいておるわけでございます。そしてその後、これを奇貨として新しい調達システム、また再就職の問題等々の報告がなされました。
 野呂田新長官、額賀前長官の意志を引き継ぎまして、これから防衛庁のそういう問題についてどう取り組んでいくのか、また国民の信頼を回復するのにどうこれから行動を起こしていくのか、まずその決意のほどをお聞きしたい、このように思います。
#5
○国務大臣(野呂田芳成君) 私は、就任に際しまして職員にこういうことを申し上げました。国の危機管理をつかさどっている役所が自分の役所の危機管理に不十分だったということはまことにこれは国民に対しても申しわけないことであり、この汚名をそそいで一刻も早く国民の信頼にこたえるようにしなければならないということを申し上げました。今回のこういった一連の問題につきましては、改めて私からも心からおわびを申し上げたいと思っております。
 具体的には、何といっても今もお話しいただいたように額賀前防衛庁長官がまさに心血を注いでまとめていただいた最終報告書ですから、これを目標の四月までに速やかに完全に実施することが私どもに課せられた大変大事な使命である、こういうふうに思って今、日夜作業を急いでいるところでございます。
 具体的には調達制度と調達機構の見直しということになるわけですが、まず調達制度につきましては、装備品の仕様の見直しとか、あるいは民生規格の採用を拡大しまして企業間の競争原理を強化するとか、あるいは調達機構につきましては調達本部を廃止する、そして内局の責任体制を明確にするために経理局と装備局を統合再編化する、また隊員の再就職につきましても再就職規制の見直しや再就職の透明化などを実施していこう、こういうことの作業を今急いでいるところでございます。何とか、こういうことをきちっと実施することによりまして、防衛調達行政に関する透明性や公正性をきちっと実現して国民の負託にこたえてまいりたい、こう思っております。
 同時に、私は、こういう方法や機構を直しただけではだめなんであって、魂を入れるためには職員全体の意識改革が何よりも必要だ、こう思っておりまして、そういう問題につきましてもぜひひとつ真剣に取り組んでまいりたい、こう思っております。
#6
○吉村剛太郎君 野呂田新長官の決意のほどはわかりましたが、就任をされましてこの件について庁内、また制服、背広を問わず、訓令か訓示か、長官のその意思が末端まで行き届くようなことを何かされましたでしょうか。
#7
○国務大臣(野呂田芳成君) 就任に際しまして少し長い訓示をさせていただきましたが、これは末端の自衛隊員全体まで全国放送で伝わるシステムになっておりまして、そういうことで行いました。幹部の諸君につきましては、再三再四会議を開きまして、そこに今この最終案に盛られたことを実行するためのチームをつくっておりますので、その都度私も出席してやっておるところでございます。
#8
○吉村剛太郎君 私も地元では自衛隊のいろいろな会合その他に出席しておりますが、第一線で本当に国防のために働いておる末端の自衛官の方々の士気に影響しないように、また、本当にこれから国防の衝に当たっていただくように、ぜひ強い指導力をお願いしたい、このように思います。
 ところで、本件につきましていろいろと調査をされております途中におきまして、新聞にも載っておりましたが、本年八月下旬から九月ごろにかけて空幕監部の職員が航空機の機種選定等に関連する資料を中央指揮所に隠していたという一部の報道がございました。まず、それについての真偽のほどをお聞かせいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(野呂田芳成君) 先般公表しました、これは十一月十九日に最終報告書を出したわけですが、調本元幹部の背任事件に係る資料隠しの有無を明確にするために、検察当局の強制捜査の主な対象になった調本と内局を調査対象としたものですから、陸海空幕における事実関係の調査は行っておらず、したがってこの報告書には載せることができなかった、これが実態でございます。
 そこで、今、委員御指摘のとおり、十二月四日に一部報道において、空幕の自衛官が中央指揮所などに資料を隠していたのじゃないか、こういう御指摘がなされたわけでありまして、私は、その晩深夜に直ちに次官、官房長以下幹部を集めまして、この事実を深夜から二日間にわたって昼夜を分かたず実は調査をいたしました。
 三千人以上の人にアンケート調査等を、特に大事だと思われる者については面接調査を実施しまして事実関係の調査を行ったわけですが、これまでの調査では、九月三日の強制捜査の前後に執務室外に資料を移転したという事実がやっぱり出てまいりました。まことにざんきにたえないと思っております。
 しかし、その中身はと申しますと、十一年度の概算要求説明資料とか十年度の予算執行資料等の予算関連業務の資料をコピーしたものでございます。慌てふためいて、調査があると全部書類を持っていかれるんじゃないかと思った担当者が、予算編成の最中なものですから、持っていかれると仕事ができなくなるというのでわざわざコピーをとって保存したというようなものであります。それから、退職予定者の再就職についての援護業務関係の資料とか、あるいは企業概要といったようなものであります。
 これまでの調査では、報道されたようなU4とかT7のような機種選定に係る資料は移転された事実は確認されておりません。
 そこで、私としては先般の最終報告で内局と調本をやったところが、陸海空の三幕僚監部からまたこういう事実が出てきたということですから、改めて施設庁や技本も含むあらゆる全庁に対して調査を実施しているところでございます。
#10
○吉村剛太郎君 中央指揮所に運ばれていたということ、これはあったかどうか。これは簡単に、時間もありませんので。
#11
○国務大臣(野呂田芳成君) これは運ばれた事実がございます。
#12
○吉村剛太郎君 ボリュームとしてはどれくらいですか。
#13
○政府委員(守屋武昌君) 今、大臣から御説明がありました……
#14
○吉村剛太郎君 簡単に。
#15
○政府委員(守屋武昌君) 企業概要表とか……
#16
○吉村剛太郎君 内容はいいですから、ボリュームを。
#17
○政府委員(守屋武昌君) 済みません。段ボール一箱でございます。
#18
○吉村剛太郎君 それで、私が問題視しておりますのは中央指揮所というものでございますが、防衛庁の方から資料をいただきました。この中央指揮所といいますのは、防衛出動等の自衛隊の行動に関して「防衛庁長官が情勢を把握し、適時所要の決定を行い、部隊等に対し命令を下達するまでの一連の活動を迅速かつ的確に実施するためのもの。」である、こういう資料をいただいておりますが、これはこのとおりと解釈してよろしゅうございますか。
 これは防衛庁長官に御返答願います、後の質問に関連いたしますので。
#19
○国務大臣(野呂田芳成君) そのとおりでございます。
#20
○吉村剛太郎君 防衛庁長官が就任されましてまだ一カ月たっておりませんが、就任されまして、この中央指揮所には足を運ばれておりますか。
#21
○国務大臣(野呂田芳成君) まだ運んでおりません。
#22
○吉村剛太郎君 私は、これは有事のときのまさにオペレーションの唯一のセンターだという気がいたします。私がいろいろ考えますときに、ここに資料を段ボール一箱、これを運び込むという行為、ここには勝手に入れないんですよ。一箱、これはかなりのボリュームだと思うんです。皮肉な見方をしますと、これはある意味では最高の隠し場所なんです、だれもなかなか入れないんですから。
 私がひとつ防衛庁長官にお願いしたいのは、これは防衛庁長官としては、有事のときは、いつあるかわからないんですから有事というのは、そこが防衛庁内のどこにあるか、そこで防衛庁長官を中心にしてそれぞれの各幕の幕僚長その他決められたメンバーで会議を行ってここが機能していくんだろう、このように思います。私は、やっぱり防衛庁長官に就任されたらこの場所を、それから例えば今日この時点で何か有事のときは恐らく全員が中央指揮所に集まって情報を集め、分析し、そして各部隊に命令を下していくというようなことになるのではないかな、このように思うんですが、例えば今こうされておるときに中央指揮所との連絡というのはどんなものを持っておられるんですか。
#23
○政府委員(柳澤協二君) 中央指揮所は関係各機関や官邸等と電話、ファクスを持っておりますが、現に移動されている場合にはやはり電話等を通じて御連絡という体制にならざるを得ないところでございます。
#24
○吉村剛太郎君 時間がありませんので、断片的な質問になりますが、つい最近ここの中央指揮所で、中央指揮所は二十四時間運営されているんですね、機能しているんですが、例えば八月三十一日のあのミサイルのときにこの中央指揮所というのは何か機能したでしょうか。
#25
○政府委員(柳澤協二君) 中央指揮所そのものが全体にということではございませんが、中央指揮所が一つの米軍との情報の受け渡し口にもなっておりまして、情報を集約する窓口としては機能しておりました。けれども、大臣以下お集まりいただいて大きな会議をするということはこのときはやっておりません。
#26
○吉村剛太郎君 例えば阪神大震災のときは機能したんですか。
#27
○政府委員(柳澤協二君) 阪神大震災のときは、各内局各幕の要員が集合しまして、情報収集し、適宜会議をお願いする等して使用いたしました。
#28
○吉村剛太郎君 防衛庁長官は、まさに国家防衛並びに災害のかなめでございまして、それを物理的に情報収集し、命令を下すという場所がこの中央指揮所以外にはないわけなんです。常時そこに連絡がとれるとかすぐ迅速に行けるとか、それは防衛庁長官としては気構えという面でも大変必要なことではないかなと。今日こうやって、例えば委員会をやっているときでも何が起こるかわからないというときに、そこに連絡するとか、そこに行かなくても命令は下されるもの、このように思っておりますが、やはりこれは非常に重要な点ではないかな、このように思っておるところでございます。
 そこに、中央指揮所に立ち入るためのカードか何かあるんですか、立ち入れるカード。許可を受けている人だろうと思うんですが、少なくとも段ボール一つといったらこれぐらいあるんですね。これが許可を受けている者であっても安易に入れたということ。それからもう一つ問題は、そういう行為が逆に漏れたということ。今回はたまたまそういう面ではこれが表に出たからこうやって我々今討議しているんですけれども、逆に機密事項がこんなに安易に漏れるということ。
 中央指揮所というのはまさに有事のときの唯一のオペレーションセンターなんです。そこに安易にそれが持ち込まれる、またそういう情報が表にすぐ出る、私はこれは一つ大きな問題ではないかな、このように思っておるわけでございます。これはまさに一つの平和ぼけというような感もするわけなんです。
 この中央指揮所というのは余り聞きなれた名前ではありません。私も中央指揮所という具体的な名前は初めて聞いたような感じがするんですが、しかしよく見てみますとこれは大変重要なポジションなんです。防衛庁長官、就任されましたらそれが防衛庁の中のどこにあるのか、そこでどうやってどうするのかということ、これはもうぜひ御認識いただきたいな、こういう思いがするわけでございます。
 私は、この問題についてはまた今後いろいろと私自身も勉強させていただき、また委員会なりで御質問させていただきたい、このように思います。
 時間が参りましたので、私の質問は終わらせていただきます。
#29
○国務大臣(野呂田芳成君) ちょっと委員長、簡単に。
#30
○委員長(河本英典君) 短くお願いします。
#31
○国務大臣(野呂田芳成君) 実は、入るには厳重な規制がありますし、それ以外の人が入るには特別許可が必要なんですが、この場合は、資料を隠そうと思った人が友人がそこに、中央指揮所に勤務している者があってそれに預けたというのが実態でございます。私も、先生から御指摘いただいたことは大事ですから、この委員会が終われば早速行ってよく勉強したいと思います。
#32
○齋藤勁君 ただいまの質疑を伺ってみても、過日発表されました報告が最終報告なのかと。最終報告なんですか、長官。最終報告だというふうに受けとめられないんではないですか、今の率直な気持ちとして。いかがですか。
#33
○国務大臣(野呂田芳成君) 先ほども申し上げましたとおり、これは四社事案に関連して内局と調達実施本部を調査したものでありまして、それを対象とした最終報告であるというふうに御理解をいただきたいと思うのでございます。
 そこで、それ以外のところについても資料を搬出したという事実がありますので、今最終報告以外の部分について調査を進めているというふうに御理解いただきたいと思います。
#34
○齋藤勁君 長官、私は今そちらの答弁席にいらっしゃる方々、こうしてきょう委員会にお呼びしているわけですけれども、この問題は額賀前長官、そしてその前の久間長官からずっとやりとりさせていただいていますが、メンバー変わった方々には、多分おれたちのいた時代じゃないんだという思いがあるかもわからない。長官もそうかもわからない。額賀さんもそうだったかもわからない。上申書のときを見れば、あの上申書も久間防衛庁長官の当時ですね、大部分。ですから私も、歴代の大臣の流れを見れば、久間さんに来ていただいてやりとりをしたいというのが率直な気持ちでございます。
 例えば、きょう中央指揮所の話が出ましたけれども、これは一部の新聞に出ていましたが、たまたま一面で大きく出たのでコピーをとってきたんですが、「幕僚監部の八十人が資料移動 防衛庁証拠隠し 内部調査で判明」ということで、あの弾道ミサイル、テポドンが発射された当日、陸幕、空幕、海幕で、「捜査情報で深夜、一斉に」、百人前後かかわったということで近々処分をすると、こういう報道があるんですが、これは内部でどうなんですか。防衛庁の内部調査で明らかになり、監督責任が問われる上官を含め、処分は百人前後に上るんだと、「年内に調査結果と処分を公表する。」と、こう書いてありますが、これは全部四社事案の関係じゃないんですか。いかがですか、この点について。
#35
○政府委員(守屋武昌君) 陸上幕僚監部における資料隠し疑惑の事実関係でございますが、これまでの調査によれば、陸上幕僚監部におきまして、九月三日木曜日に以下のような資料の移転事例があったということがわかっております。
 八月三十一日月曜日から九月一日火曜日にかけまして、陸上幕僚監部の装備部各課におきまして保管されております予算関連資料のコピーを防衛庁内三十三号館、それから補給統制本部、十条、及び通信団、市ケ谷に移動させ、九月下旬原課に戻したと、こういう事例でございます。
 これは当時、概算要求の作業中のことでございまして、この資料が地検が入りまして押収された場合は日常の業務に支障があるということで、原本のコピーをとりまして原本はそのまま原課に置きまして、コピーだけをこの三カ所の場所に運んだものでございます。
#36
○齋藤勁君 今の答弁は、この報告書の中身にすべて網羅されていて、かかわったそれぞれの三幕の監部のいわゆる職員等を処分することを年内に行うという、こういう理解でいいんですか。この報告書の中に、それらについては、きょうの新聞報道等についても織り込まれているんだということなんですか。その辺の流れを説明してください。
#37
○国務大臣(野呂田芳成君) 四社事案につきましては、行政処分の対象になった者はきちっと行政処分をしたわけで、あと刑事事件の対象になった人は、これは裁判で確定していくわけですから、私どもから申し上げることじゃございません。
 今、私もこの新聞を見せてもらいましたが、八十人が資料を移転したとか百人前後を処分するなんということは、全くこんなことは決まっておりませんし、八十人というのも全く確定されておるわけではございません。今精査しているところでございまして、この記事につきましては私どもも余り適切じゃないのじゃないかと、こう思っております。
 精査の結果、処分の対象になる者があれば、その時点において検討したいと、こう思っております。
#38
○齋藤勁君 そうすると長官、今ここに報じられている「百人前後を処分」ということについて、防衛庁の内部調査の結果、そういう方針を出したということは事実ではないということですか。
#39
○国務大臣(野呂田芳成君) まだそんな段階には行っておりません。
#40
○齋藤勁君 そうしたらこれは大変な報道ですよ、長官。お読みになっているでしょう、今お手元に持っているのを。大変な報道ですよ、これは、防衛庁に対する。これは誤報ですね、そうすると。新聞社に対して抗議するんですか。
#41
○国務大臣(野呂田芳成君) 少なくとも八十人という人数が確定しているわけじゃありませんし、百人前後の処分を決めたなんということは全くそういう事実はありません。
#42
○齋藤勁君 人数とか数字は多少これはあるかもわからない。だからここに書かれている数字は別にして、年内に調査結果と処分を公表するという、そういった今取り組みをしているわけではないということですか。改めて伺います。
#43
○国務大臣(野呂田芳成君) 私は、今八十人とか百人ということを否定したのであって、年内にできる限り最終的に報告したいと思います。
#44
○齋藤勁君 ここに書いてある、抗議をしなさいとかということを私、別に要求するわけじゃないんですけれども、事実でないんだったら大変なことですよということを言っているわけで、数字がそうじゃなかったら、数字はそうじゃないけれども全体的な流れはそうですと答弁してくださいよ。
#45
○国務大臣(野呂田芳成君) 先ほど御質問が八十人とか百人という御質問でしたからそれにお答えしたわけで、私どもとしては、今全庁的にやっている調査を年内で終結させて、その時点で内容のいかんによっては処分の方針を決めるということを申し上げているわけでございます。
#46
○齋藤勁君 じゃ、大筋はこの新聞に書かれていることと同じことじゃないですか、長官の言われていることは。年内に全部明らかにして、調査結果と処分を明らかにするということなんでしょう。数字は今確定をしないけれども、ということじゃないですか。
#47
○国務大臣(野呂田芳成君) 年内に報告するというのは、再三再四私どもは記者会見で申し上げているわけです。
#48
○齋藤勁君 処分も公表するんですか。
#49
○国務大臣(野呂田芳成君) はい。確定すれば公表したいと思います。
#50
○齋藤勁君 だから、最終報告じゃないということなんですよ、率直に。
 それから、額賀前長官がみずから、案として報告案が出たときにいろいろ手直しをされたということも幾つかの報道でされていますし、記者会見でも言われているというようなことを私も聞いています。この「前言」あるいは「総括」の中で「組織的に証拠隠しを行っていたと受け取られてもやむを得ない事例があったことが明らかとなった。」というこのくだりなんですけれども、「受け取られてもやむを得ない事例があった」というのは大変防衛庁の主体性が、この後を見ても、防衛庁がみずからの手で積極的に真相解明や適切な処理ができなかったことも含めて、大変主体性がない防衛庁の私は記述だというふうに思うんです。組織的にということはこれはもう明確でしょう。「受け取られてもやむを得ない事例があった」というこういった報告というのは、私は国民に対して大変失礼な表現ではないかと思いますけれども、いかがですか。
#51
○国務大臣(野呂田芳成君) 組織的な証拠隠しと思われる事例は、この報告書にも書いてありますとおり、石附前副本部長が部下を用いて資料を移転させた事例、それから藤島前官房長や今言った石附前副本部長、田中前副本部長が強制捜査直前に資料の移転、処分をした事例、それから石附前副本部長からの電話連絡を契機にヒアリングファイルが処分された事例、それから課長の了解のもとに地検提出資料の一部を抜き取った事例などがこの念頭に置いて書かれているわけですが、それを組織的な証拠隠しと指摘されてもやむを得ないという表現を用いたものだと思います。
#52
○齋藤勁君 これは、引き継ぎ引き継ぎで大臣も来られるわけですけれども、今の長官の気持ちはやはり最終報告を出したと。そして、私の冒頭の質問の中でいわゆる資料移動にかかわって今再度調査をして処分についても検討をしているということで、これからまだまだ事件の全容解明をしていく、文字どおりここに書いてあるとおり開かれた防衛庁にしていきたいと。それから調本の解体も含めてということですから、その姿勢を明確にしていただきたいというのが、私は国民に対してのやはり厳然たる、毅然たる長官のとるべき態度だというふうに思うんです。
 ですから率直に言えば、最終報告を出してきたけれども、いろいろ自分として調査をしたがこれはどうも最終報告じゃない、さらに最終報告を出さなきゃならないというぐらい徹底的にメスを入れるべきお立場ではないかというふうに私は思います。
 そこで、組織的と受け取られてもやむを得ないということが幾つも出てくるのですが、ここはやはり大臣としてもう一度、これはもうこういう陸海空の資料移動だとか、さまざまな地検の捜査が入る前に資料隠しとかいろいろやっていますけれども、全部ぐるみですよ、これは率直に言って。このことをスタートとして認めなければ本当の開かれた防衛庁にはならないですよ。危機管理が一番必要なときに、先ほどの質疑にもございましたけれども、すべてのものを全部解体しろなんと言っているんじゃないですよ、防衛庁を。国民の財産、生命を守るという大変な仕事をしているわけですから。今度のことは私もたびたび質問していますが、第一線の自衛隊の隊員の方々の士気に著しく影響を与えたら本当に困ると、与えているはずですけれども。そういうやっぱり再スタートしていこうという最終報告であったはずですから、そういうことでの長官としての姿勢を示していただきたい。
 捜査当局への全面的協力、このことはこの報告にも書いてありますが、この姿勢はこれからはどうですか、いかがですか。捜査当局への全面的協力はこれ以降、いつ以降になっていくのかあれですけれども、今どういうようなスタンスですか。
#53
○国務大臣(野呂田芳成君) 私は就任の際の訓示でも、この一連の問題については注意深く厳正に対処していきたいと。ですから記者会見でも、こういう問題が発生したときは捜査当局に十分に協力していくということを再三再四申し上げているところであります。
#54
○齋藤勁君 この報告書の中で「地検の資料提出要請への対応」ということで、「昨年十一月中旬、地検から原価管理課に対し、四社事案関連資料のうち、標準個別経費率ファイルの任意提出を要請してきた。」、以下省略しますが、「全ての資料を提出するよう地検から要請があったにもかかわらず、これを提出する必要はないと判断し、原価管理課長の了解の下、これら資料を抜き取って提出した。」というのがございます。
 これは、本年六月にさらに抜き取りの事実を指摘されて地検からそういう要請があったけれども、提出をしなかった。さらに、この「ファイルから抜き取られたこれら資料の所在は、現在に至るまでなお不明なままである。」と。
 どういうことなんですか、これは。ずさんということじゃないですね、意図的じゃないですか。このことについて、例えば「不明なままである。」ということで済ます、そういうお立場ですか。
#55
○政府委員(守屋武昌君) 昨年十一月中旬、地検から標準個別経費率ファイルの任意提出の要請がございました。これを提出する際に一部の資料の抜き取りが行われたことは事実でございます。
 その抜き取られた資料は、本年六月初旬のコピー提出時に照合作業を行っておりますので、六月初旬までは原価管理課に保管されていたと私どもの調査では考えております。一方、本年六月初旬、ファイルのコピーを地検に提出するに際しまして照合作業を行ったときに、事後抜き取りを行ったか否かについて関係者から事情聴取いたしましたけれども、明確に記憶しているという説明は得られませんでした。
 調査委員会といたしましては、前年抜き取った資料と提出するコピーの照合作業が行われていること等を総合的に考慮して、再度抜き取りが行われたと判断せざるを得なかったものでございます。
 それで、御質問のこれらのファイル及びファイルのコピーから抜き取られた資料がその後どのように処理されたのかについても、担当者を含め我々となし得る限りの聞き取り調査を行いましたけれども、抜き取り後の資料の処理に関し関係者から明確に記憶しているとの説明が得られませんで、現在に至るまでなお不明のままでございます。しかし、少なくとも私どもとして抜き取られた資料の存在を確認するには至っていないのは事実でございます。
 抜き取られた資料の行方でございますけれども、私どもとしましてこれ以上の解明はなかなか難しいと考えておりますけれども、いずれにいたしましても当庁としましては、原価管理課の指導監督の立場にある者が地検から提出要請を受けた資料から一部を抜き取ることを了解しまして、かつ抜き取った資料の所在を把握していないということ自体が著しく不適切であると考えておりまして、本件の責任者たる原価管理課長に対しまして、今回の処分者の中では最も重い処分、停職十日を行ったところでございます。
#56
○齋藤勁君 この報告書の中で、最初のその資料を抜き取って、今その原価管理課長の処分を伺いましたけれども、「原価管理課長の了解の下、」というふうな記述をしてあるんですが、これは原価管理課長の指示のもとではないんですか。
 この報告書ですと、職員が地検から文書なり口頭で、口頭というのはないと思うんですが、文書の提出要請があったと。そして、この職員が「提出する必要はないと判断し、原価管理課長の了解の下、」と、原価管理課長が指示をしたのではないですか。通常、地検から要請が来るときに一職員には来ないんじゃないんですか。どういうふうな流れになっているんですか。
#57
○政府委員(守屋武昌君) 私どもの調査では、原価管理課長が指示を明確に出したということは確認されておりませんが、これを出すことについて了解を求めたところ、これを承諾したということは確認しております。
#58
○齋藤勁君 一番最初から、最終報告ではないのではないかというやりとりをずっとさせてもらっているんですけれども、この報告書もいろいろ練りに練ったんでしょうけれども、どうも地検からの資料提出要請に対する役所の流れ等が不正確ではないかというふうに思います。
 この表現というのは、地検から資料提出要請が職員に来て、そして職員が判断をして管理課長いかがでしょうかという、こういう流れですよ。こういうようなことはあり得ないというふうに私は思います。長官、先ほどこの東京新聞の一面の記述を私は申し上げながら、いわゆる資料移動、内部調査の徹底、そして処分等について、数字はそうではないというやりとりがございましたけれども、このことについての調査が判明した時点で国会にきちんと報告をしていただくと、それは約束できますか。
#59
○国務大臣(野呂田芳成君) そのとおりにしたいと思います。
#60
○齋藤勁君 終わります。
#61
○高野博師君 この最終報告書を私も読みましたが、この報告書の中で、チェック機能が働かなかったとか、随意契約というシステムに問題があるとか、調本の人材不足だとか、調達本部内の問題に矮小化している感じがしまして、もっと本質的、構造的な問題にメスを入れる必要があるのではないか。今回の報告書、それから改革によって何が変わったのか、国民の信頼は回復できたのか、甚だ疑問だと私は言わざるを得ないと思います。
 そこで、前防衛庁長官の額賀氏が新聞のインタビューの中で非常に重要なことを発言しておりますので、この点に関連して幾つかお聞きしたいと思います。
 最終報告書の中で幹部の実名を出しただけで中間報告と何にも変わりがないと、これを書き直させたとか、あるいは防衛行政というのを防衛調達行政だと勝手に書き直したとか、検討という表現を使い過ぎる、検討というのは何もやらないということだと。防衛庁の過剰な組織防衛意識を批判しているということでありますが、防衛庁は今回の事件で意識改革ができたんでしょうか。長官、どうでしょうか。
#62
○国務大臣(野呂田芳成君) 今度の事件で職員が大変な責任を感じ、ざんきをし、何とか立ち直りたいと思っている気概は、私が防衛庁に赴任してひしひしと感じております。
 私も、もう少し倫理教育といったようなものを徹底して、何としても職員の意識改革をまずやらなければいけない、そして国の平和と安全、独立を守るための重要な業務を担当しているんだという誇りと自覚を持ってもらいたいと思って、今一生懸命そういった問題について改革を行っております。
 私は、就任のあいさつでも申し上げたんですが、余りにも前例にこだわり過ぎるんじゃないか、だから前例は破るためにあるんだという意識を持ってやっていこうじゃないかということを提案している次第でございます。
#63
○高野博師君 それから、額賀前長官が北朝鮮のミサイル発射事件に関係して、情報本部とかあるいは防衛局、運用局、陸海空の幕僚監部からの情報がばらばらに上がってきていると情報伝達システムの不備、問題点を指摘しているんですが、そのほかに、防衛庁内部の意思決定の機関として制服組と内部幹部との議論の場がないというようなことも発言されているんです。
 そのほか、ぬるま湯につかっているのではないか、何か起きたときに右往左往するのではないかと。防衛庁のトップにあった人が防衛庁の職員がぬるま湯につかっているのではないかと言うのは重大な発言だと思うんですが、国民の生命と財産を預かるという危機管理の最たるもの、その防衛を担っている防衛庁の最高の長官がこういう発言をしているんですが、新長官は今の防衛庁はぬるま湯につかっているというような認識はあるんでしょうか、ないんでしょうか。
#64
○国務大臣(野呂田芳成君) まだまだ改革をしなければいけない点はあると思うんですが、私は、実は陸海空の三幕僚監部の資料持ち出し事件の問題が耳に入ったとき、深夜でありましたか、十二時半ごろでありましたか、瞬時の間にすべての幹部が深夜庁内に集まりまして、夜を徹して三千人以上の調査を実施してくれたというふうに考えますと、必ずしもぬるま湯につかって天下太平でやっているというようなことは決してないと思っております。
 これからもお互いにそういう意識の改革やその他の改革をしなければいけないわけでございますけれども、部下を信頼してひとつ国民の負託にこたえるような真剣な努力をしてまいりたい、こう思っております。
#65
○高野博師君 長官は就任されたばかりなので、まだぬるま湯につかっているかどうかわからないかもしれませんが。
 防衛庁の再生について前長官は、さまざまな問題が噴出している、うみを出してしまわないといけないと、こういう言い方をしているんですが、前長官はうみを出し切らないで辞任したのではないかなという感じがするんですが、新長官はどのようにこれを認識されていますか。
#66
○国務大臣(野呂田芳成君) 前長官が血を吐く思いでああいう最終報告書を取りまとめて責任の所在を明確にして、これまでにない厳正な行政処分を断行し、あるいはその結果として退職される方も出たということであります。そして、新しい人事をきちっと決めて退職したということであります。
 私どもは、後、あの報告書にも盛られた調達方法とか調達機構の改革というものを文字どおり四月までに完全実施することが当面の問題である。と同時に、そういう問題を早く乗り越えて、防衛庁本来の業務に力を注ぐような体制を早く築きたいなと、日夜それを苦慮しているところでございます。
#67
○高野博師君 それに加えて、防衛庁が安全保障だけじゃなくて、災害など民生部門を含めた情報収集あるいは分析体制を整備して情報官庁を目指すべきだ、それから地域戦略も重視する必要があると、こういう発言をされている。私も全く同感ですが、今回の背任事件、証拠隠滅事件を契機に、単なる防衛調達システムではなくて抜本的な防衛庁の構造的な改革をすべきだと思いますが、長官はどういう認識をされていますか。
#68
○国務大臣(野呂田芳成君) 額賀前長官もそう言っておられますし、今高野委員からもそういう御指摘をいただきましたが、私も全く同感だと思っておりまして、ぜひそういう改革に努力したいと思っております。
#69
○高野博師君 今回の改革の基本的方向についてを読みましたけれども、この改革の基本的な方向だけでは不十分だと私は思いますが、どうでしょうか、その点は。
#70
○国務大臣(野呂田芳成君) この改革だけで役所の改革が全部完成するとは私も思っておりません。しかし、この改革に盛られたことは大変大事で緊急なことでありますから、とにかく四月までにこの改革を完全に実施したいということが当面の問題であります。
 私は、行政改革を含めて、改革というのは常にあるべきものだと思いますから、絶えずそういうことを注意しながらやってまいりたい、こう思っております。
#71
○高野博師君 ぜひ努力をしていただきたいと思います。
 それでは、具体的にこの「四社事案関連文書の管理実態に関する報告」についてお伺いいたします。
 「幹部の対応」の中で、秋山事務次官、これは「国民の間に重大な不信を抱かせる結果となった。」という記述があります。それから藤島前官房長については、書類を「自宅で破棄した。」とか、こういう記述がある。石附前副本部長については、資料を機会を見て副本部長室に運び込もうとしたけれども、別の用件があったと。あるいは「駐屯地内で移し換えると目立つことから、調本に戻る途中の青山墓地において部下の車に移し換えた。」と、こういう犯罪行為を想起させるような記述がたくさんあります。
 そこで、これらの幹部は辞任をされたわけですが、今回の事件の責任をとってやめたと理解してよろしいでしょうか。辞任の理由は何でしょうか。
#72
○政府委員(守屋武昌君) 今回、四社関連事案について一部資料隠しの報道が行われましてから、防衛庁としては資料隠しの実態があったのかどうかということと、その際あわせまして、どうしてこういう事態になったのかということを最終報告でまとめたものでございます。
 それで、最終報告で明らかにいたしておりますように、資料隠しについては、国民的な視点、観点からは組織的な資料隠しをしたと思われてもやむを得ないという調査結果を出したわけでございますし、幹部の責任につきましては、この四社事案が判明してからその問題に対する取り組み姿勢が不十分であったと、国民の透明性、公正性を求める期待に十分こたえなかったという観点から、大変重い懲戒処分を大臣がなされたところでございます。それを、事実を踏まえられまして、三人の方が依願免職をされたものだと承知いたしております。
#73
○国務大臣(野呂田芳成君) 所管大臣としては公表されているとおりの行政処分をしたわけでございますが、秋山前事務次官ら三名から依願退職の願いが出まして、今般の調本等の背任事件に関連した不祥事に対し、このような事態を招いたことについてみずからを厳しく律し、退職して責任をとりたい、こういう旨の願いがあったのでこれを承認したということになっております。
#74
○高野博師君 みずからを律し云々ということでありますが、責任をとってきちんとやめたということでないと国民は納得しないと思います。
 一連のこの事件について、だれもきちんと責任という言葉を明確にしていない、そこに本質的な問題があるんではないかと思うんですが、長官、どうでしょうか。
#75
○国務大臣(野呂田芳成君) 本来は、先生が御指摘されるようなことが私も個人としてはいいのじゃないかと思いますが、この依願の文書は退職して責任をとりたいということでやめたということであります。
#76
○高野博師君 それから、先ほど同僚議員も指摘されましたが、今回の資料の処分とか移転、これが「組織的な行為であると受け取られてもやむを得ないものがある。」とか、「強制捜査直前に資料の移転、処分を行ったこと自体が組織的行為だと指摘されても弁解できるものではない。」というこの記述は大変問題があると思います。
 本当は組織的行為ではないんだけれども、そう見られてもやむを得ないと、こういう言いわけをしているようにとれますが、これは組織的行為であるということをきちんと認めるのか認めないのか、はっきりしてください。
#77
○国務大臣(野呂田芳成君) 私は、組織的なことを認めた上でこういう表現を使ったと思っています。
#78
○高野博師君 今回の一連の事件は組織的な行為だと、こういうことですね。これは重大なことだと思います、この組織的に行ったということについては。
 それでは、組織的に行ったというこの事件と自衛隊員の再就職の問題、この再就職のあり方がこの事件の背景にあったという言い方を一貫して言っているんですが、これは私は事件の焦点の本質をぼやかすという見方をしております。
 今回の事件は、一部の幹部の天下りと関連企業の癒着に問題があるんで、一般の自衛隊員の再就職が難しいからこういう事件が起きたというとらえ方は誤りではないかと思うんですが、長官、どうでしょうか。
#79
○国務大臣(野呂田芳成君) 私も同様に考えております。
 ですから、一部幹部がこういう行為をしたということを改めるために、私どもとして今検討しておりますことは、今まで顧問等のように常勤の役員じゃない場合については長官の承認を受けることなしにやっておりました。したがって、国会にも報告して透明性を守るということもやっていなかったということを反省しまして、今度は顧問だろうと何だろうと、高級幹部のそういう仕事につくことについてはすべて長官の承認にかからせて、国会にもその状況をちゃんと報告したい、こういうふうに改めたいと思って今準備しているところであります。
#80
○高野博師君 国会に報告するというのは非常に重要だと思いますが、これは防衛庁に限らず役所全体としてそういうシステム、体制をとるべきではないかと私は思います。
 今回の事件は、国会に対する背任であります。それから、国民に対する背信でもありまして、前代未聞の不祥事だ、深刻であり非常に重大だと思います。防衛庁は、言葉だけではなくて、あるいはその場しのぎの形だけつくろってこの問題に対応するのではなくて、真剣に正面から改革に取り組んでもらいたい。先ほど言いましたように、単なる調達の体制だけに矮小化することなく、防衛庁全体の問題としてこれに取り組んで大きな改革をしてもらいたいと思いますが、最後に長官の決意を伺って終わります。
#81
○国務大臣(野呂田芳成君) この調達業務に係る問題ではなくて、先ほども答弁したとおりでありますが、庁全体の改革について誠心誠意ひとつ努めてまいりたいと思っております。
#82
○高野博師君 終わります。
#83
○小泉親司君 日本共産党の小泉でございます。
 野呂田新長官に三点について御質問をいたします。
 まず第一は、新たな証拠隠しの問題であります。先ほどからこの問題が取り上げられておりますが、新長官は、十二月三日、当委員会でこういうふうに言われております。みずから「国民の信頼回復を果たすべく、徹底的に調査を実施し、国民的な視点に立ってその結果を取りまとめた」ものと、こう言っておられます。長官はその後、これは額賀前長官が調査をしたことであるとか、それから調本や内局だけを調査したものであるとか、いろいろと理由を言っておられますけれども、当委員会で徹底的にと言っておられたのに、そういうことになりますと、当委員会に報告したあなたの報告というのは実際徹底的じゃなかったということをお認めになるんですね。
#84
○国務大臣(野呂田芳成君) 私どもは、この事件の対象になった内局と調本についてなされた最終報告は、これは最終報告であって、変えるつもりはありません。その余の問題について、私どもは徹底的に調査をして公表すると言ったのであります。
#85
○小泉親司君 ということは、あなたがおっしゃっていることは、結局徹底的と言いながら、実際これに関連していることですから、ただ単にこの問題というのは中央指揮所の問題ばかりではなくて、衆議院の予算委員会で防衛庁が言っていることは、市ケ谷の自衛隊の部隊であるとか、そういうところにも証拠を隠しているわけですね。そういう事実が発覚しているわけですから、これを単にこの最終報告とは全然違うものだ、追加報告だということでは問題は解決しない。私は、やはり当委員会にきちんと最終報告して、あなたが徹底的にと言った割には徹底的ではなかったということですから、その点では当委員会にきちんとすべきだというふうに私は思います。
 もう一つ指摘しておきたいのは、あなた方は処分、処分とおっしゃるけれども、実際にこの問題というのは自衛隊の幕僚監部の問題でありますから、実際に指揮監督権はあなたにあるんですよ、そうでしょう。防衛庁長官に責任があるんです。内局の方々は処分することはできない。これはなぜかといえば、内局には防衛庁長官を補佐する権限はありますが、幕僚監部には指揮監督権はありませんから、あなたの責任も問われるんじゃないかというふうに私は思いますが、二点いかがでございますか。
#86
○国務大臣(野呂田芳成君) 私は、再度申し上げますが、今度の四社事案の対象になった調査は変えるつもりはありません。あれはあれで大変よく調査した結果だと思っております。しかし、四社事案に関連して内局や調達本部があの報告書以外にどこかへ隠していたという事実は一切ありません。
 今問題になっておりますのは、内局や調本がやったのじゃなくて、当時調査の対象にしなかった陸海空の幕僚監部の方からそういう事実が出たということですから、これを含めてさらに私は施設庁とか技本とか防衛医大とか、全庁組織について徹底的に調査を行って、まとまれば国会にも国民にも公表すると申し上げておるわけであります。
 私の責任については、全体の調査を見てからの話でありますが、しかし今の段階でそういうことを申し上げる必要はないと思っております。
#87
○小泉親司君 それだったら、全庁的にやっておるのは何のためにやっておられるんですか。この、いわゆる四社事案に関係してやっておられるんでしょう。だから、そこが不明確だというふうに私は思います。
#88
○国務大臣(野呂田芳成君) 四社事案につきまして内局、調本の者がこの報告書に盛られた以外にどこかへ隠したという新しい事実は全くないということを申し上げておるわけです。しかし、調査しなかった庁全体の問題につきましては出てきましたから、そういう分野については徹底して調査して報告し、公表すると言っておるわけであります。
#89
○小泉親司君 実際、あなたがおっしゃっていることは、最終報告の問題については非常に不備だつたということを内容的にはおっしゃっておるわけです。最終報告、最終報告とあなた方は言うが、それにこだわらないで、私はこの問題というのは真相を徹底的に解明して、当委員会に対しては徹底的にやったとおっしゃったんですから、その意味では改めて、追加報告という形じゃなくてきちんとした本当に防衛庁の真相解明の調査が必要だというふうに思います。
 時間がありませんので、二番目のNECの水増し問題に入ります。
 水増し請求の問題では、今度の四社事案にとどまらないでNECや日本航空電子や日本電気電波機器エンジニアリングなどの水増し問題が発覚しております。水増し請求問題でも十月十四日に防衛庁の中間報告が行われましたが、それ以降新たな事実が明らかになっております。これは、衆議院の委員会で防衛庁が明らかにした点によると、十一月五日にNEC側の幹部が防衛庁を訪れて四点を報告したんだと。これによると、NECの府中事業場と横浜事業場で工数を実績より増加させて原価検査及び実績報告用に虚偽の原価元帳を作成していたと、これは及川装備局長の答弁ですからこのとおりだというふうに思いますが、いわゆる二重帳簿をつくって防衛庁には別の報告をしていたということですね、これ。ですから、実際これはNECが新たに防衛庁をだましていたということなわけでしょう。
 ですから、このNECの問題で、この問題というのは中間報告以降新たに出てきた問題で、今度の水増し四社事案のいわゆる東通とニコー電子とはまた別の問題なわけです。ですから、ニコー電子と東通問題も、当委員会でも詐欺罪で告発すべきじゃないかということを私たちは繰り返し言ってきた案件なんですが、この問題とは別なんですから、NECにこういう問題が発覚した以上、長官、なぜあなたはNECをこういう事実が発覚した時点で詐欺罪で告発しないんですか。これは防衛庁がだまされていたという事件ですよ。どうでしょうか、長官。
#90
○政府委員(及川耕造君) 現在、先生も御承知のとおり、府中の事業場に実地検査に立ち入って実態を調査中でございます。その調査結果を踏まえましてどのような処置をとるかというのは事務的に詰めさせていただきたいというふうに思っております。
#91
○小泉親司君 ということは、詐欺罪を前提にして特別調査をされているということですね。
#92
○政府委員(及川耕造君) 結論等はまだ得ておりません。どのようにするかという点については関係方面とも御相談しなければならないというふうに思っております。
#93
○小泉親司君 長官、今のやりとりでおわかりになったかと思いますが、十一月五日にNECが防衛庁に来て説明した時点、これは二重帳簿をつくっていたという、防衛庁がだまされていた事件なんですよ。これは、公務員がもともとこういう不当な行為をやっていたときには直ちに告発すべき問題なんですね。これは当委員会でも繰り返しやられています。
 さらに、今度は防衛庁長官、つまり防衛庁がだまされていた事件ですから、防衛庁がNECと一緒にやっていたんじゃなければ、防衛庁長官がだまされていた、防衛庁長官がいわゆる被害者なんですよ。これは法律上被害者は告訴することができるんです。そういう意思は防衛庁長官におありにならないんですか。
#94
○国務大臣(野呂田芳成君) 大変膨大な資料の調査でありまして、今事実関係を正確に精査しているところでありまして、それが終わった時点で今御指摘のようなことがあれば対処したいと思っております。
#95
○小泉親司君 長官、NEC側があなたをだましていたよと十一月五日に言ってきたんですよ。いいですか。それは、膨大な資料を精査するまでもなく、言葉は悪いですが、ある犯人が私がやりましたと言ってきたわけです。なぜ防衛庁はその時点で――、それじゃだまされたというふうには長官は認識されていないということになってしまうんですよ。
 この問題というのは、水増しをしていました、しかも二重帳簿をつくっていましたというのをNECみずからが防衛庁に言ってきているんですよ。そうでしょう。及川さんが衆議院予算委員会で淡々としゃべっておられる。これは淡々としゃべる中身じゃないんですよ。そこを私は防衛庁長官に言っているわけです。
 長官は防衛庁を代表する責任者なんですから、防衛庁がだまされていたという時点で詐欺罪できちんとNECを告訴する、ないしは告発すべきだというふうに私は思います。これは、長官の今後のこの問題の本当に真相究明をする上での大変大きな政治姿勢にかかわる問題だというふうに私は思いますが、どうですか。
#96
○国務大臣(野呂田芳成君) 御指摘をいただきましたが、中身を調査しないで、相手がそう言ったから背任罪とか詐欺罪で告発するというようなことはやはり問題があると思います。
 私どもは、今全体像についてきちっと把握をした上で対処したいと思っております。
#97
○小泉親司君 長官、あなた方は今までの問題も同じことを言っておられたんですよ。しかも、今度の四社事案の最大の問題というのは、上申書を出してそれを捜査妨害したと、これはあなたの報告書にも載っていますので、捜査妨害したというのが問われたわけでしょう。それで責任が問われたわけですよ。だから、当委員会でも議論になっているように、詐欺罪で本来は告発できたのにしない、しないばかりか上申書をつくって捜査妨害した、捜査妨害したどころか証拠を隠滅した、これが今度の事件で問われた問題なんです。だから、NECが言った時点でそれを立件するのは、あなたの論理からすると捜査当局がやるべき問題じゃないですか。まずあなたがその時点で詐欺罪だということで告発すれば、捜査当局がやることであって、あなた方は何もしなくてもいいと。後でお話ししますが、富士重工の問題でもあなたは捜査妨害になるから独自調査はしないんだとおっしゃっているんだから、その論理からしたら、あなたがまず、NECからこのようなことがありましたがこれは詐欺罪に当たりますか、と検察庁に告発したらどうなんですか。
#98
○国務大臣(野呂田芳成君) 何回も繰り返しますが、実態をよく把握してから対処したいと思います。
#99
○小泉親司君 私は、そういう姿勢が、防衛庁が兵器産業と大変癒着をしているということになると思うんです。
 防衛庁のインターネットを見ますと処分理由が書いてあるんだけれども、その処分理由はどういう処分理由かというと、秋山さんだとか及川さんもみんな一緒に処分されたのは、国民の信頼を傷つけたというのが理由なんですよ。あなた方はインターネットにそういうふうに書いているんですよ。国民の信頼を傷つけたんだったら、今度の問題だって国民の信頼を傷つけたんだから、そういう重大な問題なんで、この点、私ははっきりさせていただきたいと思います。
 もう一つ、NECは取引停止になっておりますが、来年度の概算要求で新中央指揮所などの問題をNECは概算要求で受けておりますが、これは当然取引停止の対象になっておられますね。
#100
○政府委員(及川耕造君) 日本電気が契約相手方となり得るものにつきましては、他の会社との契約の可能性、いわゆる代替の可能性等について追求しているところでございまして、その取引停止がどのような影響を安全保障等に与えるかといった点も踏まえまして、現在総合的に検討を進めているところでございます。
 御指摘の指揮システム等につきましては、おっしゃるとおりこれまで日本電気と契約を行ってまいりました。平成十年度以降の契約をどのように措置するかという点につきましては、ただいま申し上げましたような観点からなお検討中でございまして、現時点でその取り扱いについて申し上げることは御容赦いただきたいと存じます。
#101
○小泉親司君 NECの場合は、やむを得ない場合には事業を続けるということが取り決められておりますが、この新中央指揮所をやむを得ない場合というふうに認定するということはしないということですね。それを前提としないということですね。
#102
○政府委員(及川耕造君) 済みません、ちょっと御趣旨が今よくわからなかったんですが。
#103
○小泉親司君 NECは取引停止になっておりますが、真にやむを得ない場合は取引停止の対象外になっていますでしょう。新中央指揮所は、そういうふうに真にやむを得ない場合ということでこれをやらせるというようなことがあってはならないと私は思います。非常に膨大な額で、これ自体はNECには大変なうまみがあるわけで、それを防衛庁がまたやるということになったら、実際けじめがつかないというふうに思いますので、その点はきちんとさせていただきたいと思います。
 時間がないので、もう一つやらせていただきます。
 富士重工の問題で、先ほどもお話をいたしましたが、新長官は独自の調査をすると捜査妨害になるとおっしゃっておられます。これは先ほどもお話ししましたが、防衛庁の上申書でも捜査妨害に類することがあったというふうな事実が報告されておりますが、なぜ独自の調査を今度の問題というのはやらないんですか。
 長官は、新聞報道によりますと、確認したところ中島洋次郎元政務次官が関与した形跡はないというふうに述べられておりますが、どういう確認をしてそういうことをおっしゃっておられるのか。それと、今後独自の調査はなぜされないのか、その点もちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#104
○国務大臣(野呂田芳成君) 私は、着任早々でこの問題については実際のところよく把握をしておりませんでした。しかし、その新聞は今申し上げたとおりではございません。
 この富士重工問題について、中島容疑者が請託を受けて防衛庁のだれかにそういうことを命じたり、まただれかがそれを受け取ったというような事実は確認されていないということを申し上げたのであって、中島容疑者が関係なかったとは申しておりません。
 この全体につきましては、やはり今非常に捜査も微妙なところへ来ているわけでございますので、私としては部下職員に対して捜査には全面的に協力するようにということを言っておるわけで、少なくとも四社事案のときにやったようなことは一切やっちゃいかぬということを厳しく申しつけているわけでございます。
#105
○小泉親司君 私は、証拠隠しの問題でも、NECやその他水増しの問題でも、それから富士重工の問題でも、あなた方がおっしゃる国民の信頼を傷つけるという点では大変重大な問題が次々と出ているという点、この問題については真相究明をきちんとすべきだと。そして、やはり国会にもきちんと報告して、防衛庁はみずからこの問題の解明を図るべきだということを申し上げて、時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。
#106
○田英夫君 大変短い時間ですから、私は主として意見を申し上げることになると思います。
 この防衛庁の問題については、先ほどからも出ておりますけれども、四社事案という言葉が使われていること自体に防衛庁の姿勢があらわれているんじゃないか、世間一般では四社事案なんて言っても全然わからないですよ。一般的に言えば防衛庁背任証拠隠滅事件とか、もっと簡単に言えば防衛庁不正事件、防衛庁不祥事、こういう言い方を世間ではするわけですが、まずそのことが気になります。
 私はこの問題、額賀防衛庁長官時代から申し上げたんですけれども、我々お互いに政治に携わる者、防衛庁長官、そしてこの委員の皆さん含めて、その立場からすると一番大切なことは日本の防衛産業と防衛庁との問題、私は軍産複合体になっているんじゃないか、こういうことを以前に指摘いたしましたけれども、この状況をどうするか。
 つまり、調達本部を今回廃止するとかそういう防衛庁内の改編の問題だけで済むことではないんですね。今も出ましたけれども、防衛産業、NECとか富士重工とかそういうところとの関係、これをどうするか。今度の報告の中にも出てきますけれども、本当に武器輸出三原則とかいろんな問題があって、買う側は防衛庁一つ、売る側は種目によって一社しかない、競争、市場原理が働かない。ですから、市場原理がどうしたら働くようにするかということも言われていますけれども、これは実際不可能なものもあるんですね。そういうことにもかかわらず、透明性を確保して正しい価格を出させる、原価計算方式というようなことも言われていますけれども、そういう問題にも触れてくる。
 こういう基本的な防衛庁と防衛産業との関係をどうするかということを政治の立場からお互いに議論し、正しい結論を出していかなくちゃいけない。このことをぜひ野呂田防衛庁長官はお考えいただきたいということをまず申し上げておきたいんです。
 この問題については、私はこれ以上きょうは触れません。というのは、十二分という短い時間の中でこのことをいろいろ申し上げることはかえって中途半端になると思いますので、改めてまた機会を得たいと思います。
 一つ防衛庁長官に伺いたいのは、九日の参議院予算委員会で、地雷の処理について自衛隊を海外に派遣して国際貢献したいという意味のことを言われたという報道が出ておりますが、長官の真意と実際の御答弁、どういう意味で言われたのか聞かせていただきたいと思います。
#107
○国務大臣(野呂田芳成君) 田先生が地雷の問題について終始御熱心に取り組んでおられることに感謝申し上げますが、おとといの速記録がここへ届いておりますので、ちょっと読ませていただきますが、「自衛隊員の有する知見、能力というものを国際的な対人地雷の除去のために活用することは大変意義の深いものがあると認識しております。防衛庁としては、対人地雷の除去のための活動に求められる人的貢献のニーズやあるいは自衛隊の能力などを考慮しまして、国際的な対人地雷の除去のための活動に対していかなる協力ができるかについて真剣に検討しているところでございます。」と、こう言ったのでございまして、新聞のように具体的にどこかに自衛隊が要請されて派遣されるというような問題には一切言及しておりません。
#108
○田英夫君 確かに、長官が言われた意味は今のお話でよくわかります。
 自衛隊が対人地雷処理について高度の技術を持っているということも承知しております。ただ、これは長官、これからひとつ、専門家がおられますからぜひ勉強していただきたいと思うのは、実は自衛隊を含めて、軍事的な場面、つまり一般的に言えば外国の場合は軍隊ですね。これが地雷を処理するというときは、いわば地雷のないベルト地帯をつくって、帯状のところをつくって、そこには地雷がない、そこを通って部隊が進行するということが原則になりますから、その地帯全体の地雷をゼロにするという必要はないわけです。それがこの大前提になります。
 ところが、一般的にカンボジアとかアフガニスタンとか、あるいはアフリカ、旧ユーゴというようなところで億単位の地雷が今世界にばらまかれている、残っている。対人地雷禁止条約ができたことはまことに喜ばしいことですが、これから先つくらないとか、現在持っているものを処理するということより以前に、現在ばらまかれている億単位の地雷をどう処理するかというのが緊急の人類の問題だと、こういうことであると思います。
 そういう意味からしますと、例えば平和になったカンボジアで地雷を処理するというときには、軍隊的なやり方ではだめなんです。そこをゼロにしなくちゃいけない。そこを、カンボジアの場合は農業国ですから、農地に転用できる状態にしなくちゃいかぬ。一個でもあったらいけない。たとえ三十センチ、四十センチ下に潜り込んじゃって残っていて、畑ぐらいなら大丈夫だろうというのでもそれは実際いけないんです。全部ゼロにしなくちゃいけない。ということは、現在ある自衛隊を含め世界の軍隊がやっている技術は、実は不十分なんですよ。
 カンボジアの場合は、CMACという国連の組織があって、そこのスタッフはほとんど軍人です、世界の各国の軍人です。そこに問題が今生じています。
 そこで、日本の、私の承知している人ですが、道路工事のシャベルカーのようなものを改造したわけですが、全面的にゼロにすることが可能な技術を今開発しつつある。これは、やがてODAにしたら非常に世界的に大きな貢献ができるだろうなと関係者みんなで話しているわけです。この地雷の問題について関心を言われたことは大変ありがたいことですが、今後、佐藤防衛局長もおられるし、専門家がおられますから、ぜひひとつそういうことを勉強していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#109
○国務大臣(野呂田芳成君) 大変貴重な御教示を賜りまして、御礼申し上げます。私も一生懸命勉強したいと思います。
 今、先生が申されたCMACでは、私の聞いているところでは、自衛隊のOBの協力の可能性を検討しているという面もあるようでございますから、いずれにしましても外務省等の関係省庁とよく相談しながら、慎重に対処したいと思っております。
#110
○田英夫君 既にカンボジアでは自衛隊OBの地雷の専門家であった方が現地へ行って、もう民間人ですが、協力をしておられるという事実もあります。
 もう一つ伺いたいことがあります。
 それは、これも新聞報道なんですけれども、東京都と埼玉県にまたがる陸上自衛隊の朝霞駐屯地、ここで来年一月に日米共同訓練があると。これは基地の中の訓練ですからそんなに大きなものではないでしょうが、そういう訓練があると。それ以後、その基地の一部、どうやら部屋のようですが、それを米軍に提供するということに対して、東京都と練馬区が防衛庁に、米軍に供与するようなことはしないでくれという申し入れをしたと言われていますが、これは事実でしょうか。
#111
○政府委員(柳澤協二君) 今、先生御指摘のように、来年東部方面隊と米陸軍との間で朝霞駐屯地を使いまして、指揮所演習でございますが、これを計画してございます。
 そのことは、基本的に関係の地元の御了解はいただいていると私ども思っておりますが、二つ目の、今御指摘のありました、もう一つ計画したいと思っておりますのは、そういうことで東部方面と米陸軍とのいろんな交流が進んでまいりまして、実は連絡要員は相互に適宜派遣しておるのでありますけれども、できれば常駐に近い形で、フェイス・ツー・フェイスの調整を頻繁にやりたいということで、オフィスを一部屋提供できないかと、こういうことも今あわせて考えております。
 それに対して地元の方から、米軍の常駐というようなことになるのではないかという御指摘はいただいておりますけれども、今申し上げたような趣旨でありますので、私どもは、さらに地元にも御理解いただくように、御相談をさせていただきたいと思っております。
#112
○田英夫君 私は実は東京の出身ですから、練馬区の地元の人から、この新聞記事を読んで心配をして指摘がありましたので、私もぜひ、それはたとえ一部屋であっても米軍に部屋を提供する、一種の基地化には違いありませんから、そういうことをやっていただきたくないということを申し上げておきますが、長官いかがですか。
#113
○国務大臣(野呂田芳成君) 今、局長から答弁したとおりでありますが、連絡調整業務を行うための事務室を提供すると。この連絡将校は、在日米軍座間に勤務しておりまして、演習をやるときその都度そこへ来るというだけの話でありまして、御懸念のように新たな米軍基地化をするというものとは全く性質が違うと思うんです。ほんの短い期間、訓練をするとき連絡将校としてそこに来ているというだけの話でございまして、基地化とは違うと思います。
 もう一つは、この演習は基地内でやるんですから、射撃等の実行動を伴うものでは全くないというふうに御理解いただきたい、こう思っております。
#114
○田英夫君 指揮所の訓練ということはわかりますが、この点は指摘をすることにとどめておきます。
 終わります。
#115
○田村秀昭君 時間がありませんので、三点だけ質問させていただきます。
 まず第一点は、防衛庁の背任事件、不正事件について、私は新聞報道しかわかりませんが、なぜこういう問題を長官に報告していなかったのか。長官の指示を受けて処置をしないのか。久間防衛庁長官も前長官も聞いてなかったようなことを新聞報道で言ってますし、上申書についても知らないみたいなことを言っているし、それでは政治が軍事をコントロールしていることにならないんじゃないか。
 この一番の問題は、長官に報告しないで、問題が起きちゃってから、どうにもならない状況になってから長官に報告している。これは、戦闘集団としての嫌なことを報告しない、そういう体質が積み重なってきているんじゃないか。どういう戦闘部隊でも嫌なことを上官に報告しない部隊は必ず負けるということになっておりますので、そこのところの御見解を長官にお聞きしたいと思います。長官が聞かれたときにはもうどうにもならないような、ただ謝るような話だけになっている。そういうところ、本当に今の防衛庁・自衛隊、政治が軍事をコントロールしてないと私は思うんです。そういう体質を大改革しないとだめだというのが私の第一点の質問であります。長官の御見解をお聞きしたい。
#116
○国務大臣(野呂田芳成君) 委員から御指摘のとおり、こういう大事なことが長官に報告されないということは、まことにこれはけしからぬ話だと私も思っております。
 ですから、そのことは額賀前長官からも伝達されておりましたから、就任後、早速幹部を集めまして、以後そういうことは許さない、きちっと事実を隠すことのないように対処するようにというふうに命令したところでございます。
#117
○田村秀昭君 私も自衛隊に長くおりましたけれども、その当時は冷戦時代でしたのでソ連が敵なんです、仮想敵国はソ連。なのに、内局が敵みたいに思っている人もいるんです、ユニホームの中に。とんでもないと。同じ防衛をやるのになぜちゃんと、考えるときから、こういうのは問題なんじゃないかというときから内局に御説明をして、それで一緒になって考えていくという体質をつくらないと、しょう方も全くこれは一緒だと思うんです。それは、支担官か何か知らないけれども、こういう詐欺事件でしょう。さっきもどなたか言っていたけれども、なぜ刑事告訴しないのかという問題も含めて、政治が軍事をコントロールしていないというところに問題があるというふうに私は思っています。これは答弁要りません。
 こういうのが、今から申し上げることと非常に関係があるんです。なぜ防衛庁を国防省にしないのか。今まで何の支障もなかったしと、こういうような御答弁なんです。これは防衛庁長官の御答弁じゃなくて内閣総理大臣の予算委員会や参議院の本会議の私の質問に対する答えなんですが、なぜ私はそういうことを言っているかというと、危機管理体制が成り立たないんです、国防省にしないと。
 どうしてかというと、防衛庁設置法の三条によって国務大臣、防衛庁は主任の大臣を置くということになっていますね。だけど、所管の法律案の制定とか廃案について閣議の開催を求める閣議請求権を持っておられない、が一点。
 それから、内閣総理大臣はペルーの大統領のように突撃なんていう指揮をとれないんです。なぜとれないかというと、内閣総理大臣はその職権を行う場合には閣議にかけなきゃいけない、それで自衛隊の指揮監督をする場合の方針事項の決定は閣議によらなきゃならない、こうなっているんです。だから、そのほかのいろんなものを、そういう体質があるからなるべく官邸に上げない。上げても閣議なんてそんなことをやっていたら、それこそ緊急のときに間に合わないんです。
 それで、今まではそういうことがなかったから支障がないと、こう言っているわけです。これからあるかもしれない。だから、幾ら官邸に危機管理監なんて置いても、危機管理は全然不十分だと私は思っています。
 それはなぜかというと、総理大臣が、閣議を経なくても、報告を受けてすぐ指示ができないといけないんです。だから、テロだとか災害の危機に対して対応できない。だから、何回どういうことが起きても、これからも危機管理体制は整わない。
 長官は、防衛庁を国防省に昇格させることについてどういうふうにお考えなんですか。これができないと今のような問題もどんどんふえていくと私は思っているんです。
#118
○国務大臣(野呂田芳成君) 田村委員の御高見は、私個人としてはよく理解できるんですが、これは大変高度な政治判断を要するものでありますから、今ここで私がしますとかしないとかと言うことはちょっと差し控えておきたいと思います。お話の意味はよくわかります。
#119
○田村秀昭君 長官はそうおっしゃいますけれども、危機管理体制が整わなくてもいいんですか。危機管理体制を充実できない国家で、安全保障がはっきりしない国家で、ケインズが言っているような確信の状態にない国は経済なんか発展しませんよ。それだけ申し上げておきたいと思います。
 最後ですが、ホンジュラスから自衛隊員が八十名帰ってまいりました。国会でもこの問題で、大変御苦労さまでしたと言っている人は余りいないんですが、日本よありがとうといってホンジュラスの政府が非常に感激をしている。
 それで、十一月十七日から診療を開始して四千三十一人の患者を診療し、三万三千二百平方メートルにわたる地域の消毒活動を行った。それは非常にすばらしいことで、敬意を表することでありますが、初めに行った人たちは民間航空で行っています。だから、一日で着いているんですが、四日間かかっているんですね。そんなの緊急援助隊って言わないんですよ。緊急というのはすぐ行けないと緊急じゃないんです。
 これは、防衛庁長官にぜひお願いしたいんですが、自衛隊は軍隊じゃない、国際法上は軍隊だなんていいかげんなことを言っているから、国際社会から日本は変な国だと思われているんです。だって、F15があり、九〇式戦車を持ち、イージス艦を持った国で軍隊じゃないなんて言っている国なんてどこにもないんです。
 それで、軍隊が移動するのに民間航空を使って行くなんというのは、本当に私は恥ずかしい話だと。だから、大型輸送機の導入とかを考えるべきなんじゃないか。普通、どこの軍隊でも軍隊が動くときは軍隊の飛行機で行く。それで、総理大臣が行くときも政府の専用機で行くというのがやっとでき上がったんですが、これから国際貢献をするに当たってそういう人たちを緊急に移動させることのできる大型輸送機の導入はことしの予算では入っていますか、入っていませんか。
#120
○政府委員(佐藤謙君) 現在、航空自衛隊といたしましては、輸送部隊としてC1飛行機あるいはC130H、こういうものを持っております。これを国際緊急援助活動や国際平和協力活動等にも活用する、こういう体制になっているわけでございます。
 今、先生お尋ねの大型輸送機の導入経費といいましょうか、これが予算に入っているかということになりますと、現在、私どもはそういった要求をしておりません。
#121
○田村秀昭君 長官、日本は世界の経済大国ですので、私は日本の自衛隊を軍隊にすべきだと思っていますが、自衛隊が海外に出るときに民間航空を使って行くというのはちょっと国家の体をなしていないと思いますので、ぜひ御検討いただくように強く要望して、質問を終わります。
#122
○山崎力君 最初に、会計検査院の方にお伺いしたいと思います。
 これは田委員が先ほど発言された、いわゆる市場原理に基づかない物品の価格算定をどうするかということで、今回の問題について、一応水増し請求したというところで返還額をきちっと決めて返させるような方向にするということなんですが、その返還額というものは本来の物品の価格ということが前提であるわけですけれども、その辺に関して会計検査院はどのようにかかわったのか、これからかかわるのか、それが適当な価格であったのかということをどうするのかということについて、まずお伺いしたいと思います。
#123
○説明員(諸田敏朗君) お答え申し上げます。
 今回の水増し請求の問題につきましては、現在防衛当局において東洋通信機あるいはニコー電子との間で返還額について最終的な調整をやっていると思っております。
 私どもといたしましては、その結果が出ました段階におきまして、各資料等を検討いたしましてその妥当性について判断したいというふうに考えております。
 また、一般的な話で恐縮なんですけれども、国産の防衛装備品につきましては、今、先生御指摘のように、非常に市場性がないというところから、または同一品を複数の業者が製造することもほとんどないということで、同種同品質のものの価格比較というものが大変難しいという状況でございます。
 しかしながら、調達実施本部等が原価計算方式によりまして決定しました予定価格の内訳につきましては、製造現場であります製造会社等に赴いたりいたしましてできるだけ実際に発生した費用の確認に努めているところでございます。また、ライセンス契約により製造する装備品につきましては、ロイヤルティー等の支払いを必要とするものでありますので、その支払いの根拠となる契約書等を確認し、また算定方法の妥当性や支払いの必要性の有無についても調査しているところでございます。
 また、輸入品につきましては、例えば護衛艦搭載用のイージスシステムがFMS、有償援助により調達されているわけでございますが、製造業者が海外にありまして、価格の妥当性を調査するためには現地に赴きまして原価の内容を確認する必要がありますが、これまでは現地で調査したことはなく、価格の妥当性の確認は今後の課題となっているところでございます。
 なお、ソフトウエアにつきましては、やはり防衛機密上の問題等もあることから、従来は価格算定の検査はしていない、こういう状況でございます。
#124
○山崎力君 詳しく御答弁いただいたわけですけれども、防衛庁の方で額がまだ決まっていないということですが、これはある程度すぐ出てくる話だろうと思います。算定が済んでいるというのは、どういう感じでしょうか、今。
#125
○政府委員(及川耕造君) 既に立件をされております東洋通信機、ニコー電子等については鋭意作業を進めておりまして、極力返還額の確定をいたしたいと思っております。先ほども御質問ございましたNEC等につきましては、現在事業所に立ち入っている最中でございます。
#126
○山崎力君 この問題、本当に一番難しい、いつまでたっても正解というのは出ないと思うんです。
 これから問題になるか、一部報道されているところですけれども、今の自衛隊のT7練習機、スイスのメーカーとの入札問題がありまして、今話題の富士重工が落札する際に、最初の同類機種よりもかなり下のあれを入れてとった、それがスイス側から抗議を受けた、こういう事案があるわけです。逆に、日本がアメリカから輸入していたAMM、空対空ミサイルを日本側が類似品を開発して安い価格で買えるぞというふうなところまでいったら、向こうがそれよりも極めて安い値段をつけてきて買わざるを得なかった。こういう事案もあるので、そういう点、兵器の類の値段というものは非常に難しい。
 これは国防上の産業維持という国家的見地の問題もありますので、その辺のところで、これからの国際社会の兵器市場の中で日本がどういうふうな価格で兵器あるいは装備品を調達していくかというのは極めて難しい背景のある問題だと思うんです。赤字になっても、工場、予定のもの、工員の確保、機材の確保をする意味では受注しなきゃいかぬよという場合もあるでしょうし、それを何とか別のところで面倒見てよという話もあるかもしれないし、コストダウンしたらその分安くなるんじゃかなわないから、コストダウンをわざとしないで高いままでつくっているよということもあるかもしれない。
 その辺のところを、長官、どのように考えていくか、これがこの問題のベースになっていると思うんですが、いかがでしょうか。
#127
○国務大臣(野呂田芳成君) 先ほどから委員の皆様から再三御指摘を受けているわけですが、私はこの問題は、防衛上の必要性から大変高度な技術と技能を必要とする、それから秘密を守らなければいけない、そして多額の生産設備を必要とする、こういうことでありながら、一方においてはお客さんは防衛庁だけということになりますから、なかなかいろいろな企業がその需要にこたえられるようなことにはなっていないわけで、そこが、企業と防衛庁の癒着というか依存関係が長期にわたって醸成されてきたということの背景に厳としてあると思うんです。
 だから、今そうするというんじゃなくて、国産にこだわらないで外国のものを使うというふうに踏み切るということも一つの解決策かもしれませんが、今のところはそういうことはやっていない。武器輸出三原則はきちっと守らなきゃいかぬということですから、なかなか体質を変えて、言うことは簡単です、随意契約だめだから競争契約をやれと言っても、買うのは一つでつくるのは何社もいないということですから、こういうことでなかなか問題があるなと実は思っております。
 私どもとしては、何とかひとつ企業がもっとコスト低減に努力してもらうとかあるいは防衛庁としては価格ソースの多様化を図っていくとか、そういうことをやってまいりたいと思います。
 私、防衛庁に赴任してきまして大変不満なのは、NECでも何でも立ち入り調査しているんですけれども、四、五十人動員するということがもう至難のわざなんです。ということは、原価計算をできる人が四、五十人しか実はいないんです。これだけの膨大な事案が出ながら、四、五十人しか原価計算できる人がいない。工数の計算にも大変時間がかかる。こういうことで実はアメリカに浜田政務次官らを派遣して勉強してもらったんですが、アメリカは五万四千人もいて、その中に一千人以上の公認会計士らが入ってやっているわけです。五万四千人です。
 日本は、本庁の方に千人ぐらい、地方調達の方に千人ぐらいで、しかも原価計算できるのはせいぜい四、五十人、地方入れると百人になるそうですが、百人ぐらいしかいないというところに非常に問題がありますから、私は総務庁長官には、何とか税理士とか公認会計士を導入して独立行政法人でこういうことをやらせられないかということを今一生懸命交渉しているところでございます。
#128
○山崎力君 これは長期的に重大な問題ですので御努力願いたいと思います。その際、秘密保持の点からいけば公認会計士よりも会計検査院との共同ということもあり得るということでございますので、その辺のところの御検討も願いたいと思います。
 時間がありませんので、一、二点。
 今、北朝鮮のミサイル発射準備が進んでいるんではないかということで、予算委員会ですか、答弁されていると思うんですが、今の段階はこの間の発射時点ほどの態勢はとっていない、今の時点はそれほど差し迫っていないということで理解してよろしいかということだけ、簡単に御答弁願えればと思います。
#129
○国務大臣(野呂田芳成君) 弾道ミサイルを運ぶような車両が引き出されたりしたというような断片的な情報はあるんですが、何のためにそういうことをやっているのか全く意図はわかりません。そういう確実な情報は確認されていません。
 きのうもペリーさんが、アメリカの前の国防長官が来ましてその話をしましたけれども、アメリカも確認できていないということであります。
#130
○山崎力君 最後の質問です。
 今回の一連の問題で、これはちょっと誤解を招く発言になるかもしれませんが、前の額賀長官もちょっとわかっていなかったんじゃないかなと思っていたのは、今回の問題、制服の人たちの再就職の問題で非常に気にしていられたんですが、私が見るところ今までのところは、今後はどうか知りませんけれども、今度の不祥事に関して制服の人は直接関係していないんですよ。
 だから、先ほど田村さんも言われたんだけれども、ユニホームの人たちから見れば、内局の、背広組は何やっているんだと。逆に、きつい言葉で言えば、我々が一朝あるときには生死をかける装備で、それをある意味でピンはねしている連中が内局にいたんじゃないか、そういう発想を持ってもいたし方ない部分があるわけです。そうすると、ユニホームを含めた防衛庁全体から見るとこれは重大な問題ですので、その辺のところをもう少しはっきりした形で理解を得るようにしないといけないなと。再就職の問題は、背広の人の再就職の問題で、制服の人の再就職の問題じゃなかったわけですから、その辺のところをもう少し明確にしていただいて、これからの庁内の士気の維持というものに努めていただきたいと思うんですが、長官のお考えを伺って、質問を終わりたいと思います。
#131
○国務大臣(野呂田芳成君) 御指摘のとおりだと私も実感しております。
 ですから、内局の幹部等に対しては今まで顧問のようなのは全く承認の対象にしておりませんでしたが、今度は全部を長官の承認事項にして、しかも行った先についてはすべて国会に報告するというふうに措置したいと思います。
 全く御指摘のとおりですが、自衛隊の隊員の皆さん方については、やっぱり精強な部隊を維持するということで早期退職をやったり任期制があるものですから、そういう人たちは大変老後に不安を感じますから、逆にそういう人たちの再就職の問題に対してはもう少しきめ細かく厚いものをやりたい、こう思って今検討しているところです。
#132
○佐藤道夫君 今回の防衛庁の不祥事につきまして、関連いたしまして三点ほど基本的なことをお尋ねしたいと思います。
 今回の不祥事の発端は、平成五年六月に日本工機の水増し請求があってこれをどうするか、そこから話が始まっているようであります。この問題を一番重く受けとめたのは当時の畠山という事務次官であったようでありまして、彼は水増し請求は明らかに詐欺である、断固告発すべしということを言ったようでありますけれども、それがどういうわけか実現せずにうやむやのうちに終わってしまったと。
 これは言うまでもなく水増し請求、請求できる権限がない、権利がないのにうそ偽りを言って金を引き出すわけですから、だれが考えても詐欺以外の何物でもない。しかも、相手は個人ではなくて防衛庁、国というわけでありますから、よく税金泥棒という言葉がありますけれども、これまさしく税金泥棒そのものなんですよ。とてもじゃないけれども放置しておくような問題ではない。断固司直の手にゆだねる、当たり前のことではないかと。金額的に言いましても何十億、何百億という問題でございましょう。それを一防衛庁の判断で、あるいは内局の判断で済ませてしまうようなことでは絶対ないと私は思うんですけれども、どういうわけかそのときは告発までには至らなかったようであります。
 それと同時に、私、大変いぶかしく思うのは、こういう問題が起きましたら、役所である以上は、これはほかの会社もやっているはずだ、少なくとも疑いはあるといって、総点検するのがこれは当たり前なんですけれども、それを一切やっていない。何なんだろうか、防衛庁という役所はと。これ役所の体をなしているんだろうかと思わざるを得ない。
 案の定、翌年は東洋通信機、その翌々年はニコー電子あるいはまた藤倉航装、それから最近はNECと次々にわかってきている。こんなものは最初の段階で、平成五年の段階で総点検して、それでもってクロかシロかはっきりさせて締めくくりをする。どこの役所だって、どこの組織だってそういうことをやっているはずですけれども、ひとり防衛庁だけがこういうことをやらない。なぜなんですか。やらなかったその理由をちょっと説明してください。
#133
○政府委員(及川耕造君) 幾つかのお尋ねがございました。まず……
#134
○佐藤道夫君 後段の方だけで結構です。
#135
○政府委員(及川耕造君) はい。
 日本工機の事案につきましては、当時、他の同種の事案というのが存在しないかという点で検討した気配はございません。確かにそれは、初め事実上大分前に類似案件はあったようでございますけれども、ほとんどは初めてという当時の人たちの認識だったものでございますから、これが防衛産業全般にわたってこういったものがあるというふうに思ってはいなかったというふうに認識していたのではないかと思います。したがいまして、全社にわたって調査をするというようなことは行わなかった。
 ただ、まさに先生、今御指摘ございましたように平成六年、七年と次々と類似案件が生ずることになりました。その反省を踏まえまして、平成八年度から一般確定契約を主体といたします企業を中心に防衛産業全般にわたって制度調査を実施するということで、今後五年間にわたって二百八十社調査することにいたしたわけでございます。
#136
○佐藤道夫君 そんなもう初歩的なことも気がつかなかったという、弁解にも何にもなっていないと思うんですよ。こういう水増し請求が、税金泥棒だという言葉を私は使いましたけれども、その税金泥棒に加担していたと言われても仕方がないようなことだろうと思うんですよ。本当にしんから反省して再発防止のために頑張っていただかないと困るのでありまして、私も納税者の一人ですから、このことを強く要望しておきます。
 それから、先ほど田村議員からも質問がありましたけれども、これを大臣に報告していない。私はこれをこの前も取り上げましてお尋ねしたんですけれども、平成五年の日本工機からことし七月に検察のメスが入るまで、どの大臣も一切わしは聞いていないとさも自慢げに話をしているんです、おかしいことですけれどもね。あなた方、そんなにばかにされて相手にもされなかったんですよと、怒り心頭に発するかと思いきや、おれは何も聞いていなかった、仕方がないんだとさも自慢げにそういうことを話す。だから、責任がないんだと言わんばかりのことなので、本当にいぶかしいと思うんです。
 そこで、前回、十月一日の当委員会で私はその問題を取り上げまして、額賀大臣に対しまして、なぜ大臣に報告しなかったのか、防衛庁の体質、これを一掃するためにも徹底してその問題を調査してほしいということを申し上げたわけであります。額賀長官のお答えは、「当時のことについて改めてよく調査をします。」と、こういうことになっております。これは国会での御答弁であります。当然、調査されたと思います。そのことは今の大臣も引き継がれておるであろうと思います。将来にわたってなるべく話してくれよと、そんな生易しいことを私は言っておるわけじゃないんであって、なぜこの問題を歴代の大臣に報告しなかったのか、その理由いかんということをこの席上、はっきり大臣の口から申し述べていただければありがたいと思います。
#137
○国務大臣(野呂田芳成君) 佐藤先生御指摘のとおり、こういう事案が大臣に報告されないというのは言語道断のことだと、私はこう思っております。ですから、大臣就任後、早速事務方から報告を受けまして、同様の事案については事実を欠かさないできちっとやれということを申し上げているわけでございます。
 今、御指摘いただいたように、調査して国会へ報告しろと先生から前長官が御指摘を受けたということでありますが、この点について調べたところによりますと、例えば日本工機の事案については予定価格訓令等に基づき返還額の算定を行った、そして国庫歳入に一括繰り入れという方法で返納させて争いがない、問題がないという、そういうふうに当時の事務次官が事務的に処理をしてしまった、それで大臣に上げても選択の余地のない問題でありましたから、当時の中山防衛庁長官には報告しないで処理したということでございます。
 そこで、なおその詳細について調べたいのでありますが、本人が亡くなられまして、御本人から聞くということが不可能でございますので、今のところ大臣まで報告しなかった理由は、事務次官のところで適正に訓令によって処理したので、しかも大臣に上げてもほかの方法という余地もない事案であったから報告しなかったということでございます。
#138
○佐藤道夫君 大変いぶかしいことを平気でおっしゃっていますね。亡くなったのは畠山という次官お一人じゃないんですか。その後の次官、官房長、関係者はいっぱいいるわけです。大臣の方にいたしましても中西啓介、愛知和男、神田厚、お歴々がいっぱいいるわけです。たった一人亡くなってその調査は行き詰まった、そんなばかなことはないでしょう。
 ことしの七月、検察のメスが入るまで全然大臣の耳には一言も入っていなかったんですから、なぜあなた方はこういう大問題を、詐欺になるかどうか、これは明らかに税金泥棒の話ですよ。こんなことを事務的に処理してオーケーだ、大臣に話す必要もないやと。
 いいですか、シビリアンコントロールという言葉がありますけれども、国民は国会を通じて――ちょっと聞いていてくださいよ。国会は内閣を通じて、内閣は総理大臣、これが三軍の長と言われておりますけれども、総理大臣は防衛庁長官を通じて自衛隊という防衛庁を統括しているわけでありまして、これが大臣の耳に入らないということは、言うならば国会、国民に対する重大な私は背信行為、侮べつだと思うんですよ。なぜこんなことをきちっと総理大臣に報告しないんでしょうか。本当に不思議でしようがない。一事務次官が亡くなった、それでおしまい、そんな問題じゃないでしょう。
 これからもあることだから私はこれを強調するわけでありまして、答えはよろしいですよ、この次もう一回お尋ねいたしますから、新長官が新しい目で歴代の事務次官、官房長を呼び出しまして、野に下っている人もいるでしょうけれども、大抵天下りしているからなお統制下にはあると思いますので、呼び出して、なぜ報告しなかったのか、これだけの重大事件を。何十億という税金泥棒ですよ、これは。なぜ放置したのかということをきちっと直接事情聴取していただいて、この席で報告していただければと思います。
#139
○政府委員(及川耕造君) ちょっと済みません。日本工機以外の事案は、調達実施本部から内局の方に連絡がなかったわけでございます。したがいまして、内局の方から大臣に上げるということができなかったわけでございます。その点で事実関係だけ。
#140
○佐藤道夫君 あなた、さも自慢げに報告がなかったからわしは知らぬと言っている。それならあなたは、実施本部になぜこんなことを報告しなかったのか、それはうそですよ。実施本部の官僚がこんなことを内庁に無断でやることは絶対あり得ません、私も役人ですからよくわかりますけれども。あなた、そんないい加減なうそに乗せられてそれを国会で報告しているんですか。ちょっと恥ずかしいと思いなさい。こんなことは当たり前のことですよ。
#141
○国務大臣(野呂田芳成君) 今、佐藤先生から御指摘を受けたことにつきまして大至急調査をしまして、とりあえず先生の方に御報告に上がりたいと思います。
#142
○佐藤道夫君 いえ、委員会で結構です。
 最後になりましたけれども、防衛産業から自民党に対する政治献金についてちょっとお尋ねいたしたいと思います。
 今、銀行業界から自民党に対する政治献金が大変非難されておりますけれども、この問題も私は全く同じではないかと思います。NECや富士重工ですか、こういう防衛産業から自民党に対して政治献金が行われている。額は大したことはありませんけれども、姿勢の問題だ、政治倫理、モラルの問題だ、私はこう思うわけであります。
 こういう不祥事が起きまして税金泥棒だと言われているその泥棒のピンはねをしているのが自民党じゃないか、こう言われても仕方がないんです。やっぱりシロ、クロがはっきりして、裁判でぴしっとなるまで献金は見合わせようということぐらい、自民党内で相当な地位にあられる長官がいろんな党の集まりでこのことをきちっと発言していただきたいと思うんです。
 銀行業界からの政治献金、これを私は予算委員会で小渕総理にお尋ねしたわけですけれども、小渕総理は大変苦しそうな顔をして自粛する方向で検討いたします、させますと、絶対やめるとは言わないんですね、不思議なことに。やっぱりすきがあらばもらおうかとでも思っているんでしょうかね。しかし、これはいずれにしろ泥棒の上前をはねると言われても仕方のないようなことでありまするから、防衛産業からの献金はもう当分の間やめたということをはっきり自民党としても打ち出すようにひとつ御努力願いたいと思います。
 そのことにつきましても、また次回の委員会等で御意見を承ればと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
#143
○委員長(河本英典君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめたいと存じます。
    ―――――――――――――
#144
○委員長(河本英典君) 次に、請願の審査を行います。
 第三四号核兵器の廃絶等に関する請願外十九件を議題といたします。
 まず、専門員から説明を聴取いたします。櫻川専門員。
#145
○専門員(櫻川明巧君) 御説明いたします。
 今国会中、当委員会に付託されました請願は、核廃絶、WTO協定、新ガイドラインに関する三種類、総計二十件でございます。
 まず、三四号外七件は、核兵器完全禁止・廃絶条約の締結に向けて政府は先頭に立つこと、非核三原則を法制化することを求めるものでございます。
 次に、一三八号、三七〇号、三七一号及び三七二号は、食糧安全保障、輸入食品の安全基準等の観点から、WTO農業協定、WTO衛生植物検疫協定の改定を提起するよう求めるものでございます。
 最後に、一四六号外七件は、周辺事態法等の新ガイドラインに基づく一切の法律、協定を制定しないよう求めるものでございます。
 以上でございます。
#146
○委員長(河本英典君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、第三四号核兵器の廃絶等に関する請願外十九件は保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#147
○委員長(河本英典君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#148
○委員長(河本英典君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#149
○委員長(河本英典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#150
○委員長(河本英典君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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