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1998/12/08 第144回国会 参議院 参議院会議録情報 第144回国会 地方行政・警察委員会 第2号
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1998/12/08 第144回国会 参議院

参議院会議録情報 第144回国会 地方行政・警察委員会 第2号

#1
第144回国会 地方行政・警察委員会 第2号
平成十年十二月八日(火曜日)
   午前十一時四十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月八日
    辞任         補欠選任
     照屋 寛徳君     大渕 絹子君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小山 峰男君
    理 事
                釜本 邦茂君
                松村 龍二君
                輿石  東君
                山下八洲夫君
                富樫 練三君
    委 員
                阿南 一成君
                鎌田 要人君
                木村  仁君
                久世 公堯君
                谷川 秀善君
                保坂 三蔵君
                高嶋 良充君
                藤井 俊男君
                魚住裕一郎君
                白浜 一良君
                八田ひろ子君
                大渕 絹子君
                高橋 令則君
                松岡滿壽男君
                岩瀬 良三君
   衆議院議員
       地方行政委員長
       代理       谷  洋一君
       地方行政委員長
       代理       平林 鴻三君
   国務大臣
       自 治 大 臣  西田  司君
   政府委員
       自治大臣官房長  嶋津  昭君
       自治省行政局長  鈴木 正明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正
する法律案(衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小山峰男君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、照屋寛徳君が委員を辞任され、その補欠として大渕絹子君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(小山峰男君) 市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院地方行政委員長代理平林鴻三君から趣旨説明を聴取いたします。平林鴻三君。
#4
○衆議院議員(平林鴻三君) ただいま議題となりました市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明申し上げます。
 市町村合併に関しましては、従来から多くの議論がなされ、これまでも、交通・通信手段の発達、日常社会生活圏の拡大などの社会経済情勢の変化、広域的な行政需要の増大などの観点から、その推進の必要性が指摘されてまいりました。
 最近では、このような要因に加え、地方分権の進展などの新たな情勢を背景に、市町村の行財政基盤の充実強化や行政の効率化を図るために市町村合併が必要であるとの意見が高まり、昨年七月の地方分権推進委員会の第二次勧告、本年四月の地方制度調査会の市町村の合併に関する答申及び同年五月閣議決定の地方分権推進計画等において、市町村合併の推進に当たりさまざまな方策を講じることの必要性が指摘されたのであります。
 御承知のとおり、町村が市となるための人口要件は地方自治法におきまして「人口五万以上を有すること。」と規定されておりますが、この要件は昭和二十九年の改正により三万以上から五万以上に引き上げられたものであります。
 その後、数次にわたり人口要件を緩和する特例措置が講じられた経緯がありますが、現在では市となるためには人口五万以上の要件が絶対的となっているのであります。
 さて、現在の市の人口規模を見ますと、人口五万以上のもの四百四十九、四万以上五万未満のもの六十九、三万以上四万未満のもの八十三という状況であり、また三万未満の市も六十九存在しております。
 市と町村では、議員や監査委員の定数、社会福祉関係の処理事務、福祉事務所の設置等に関し差異があることから、市となることについての住民の要望は強く、合併を行う際のインセンティブとなるのでありますが、現行の人口要件を満たすことが難しい場合もあると思料されるのであります。
 以上のことから、地方分権の受け皿となる市町村の基盤強化を図り、市町村合併を推進していく一助とするために、合併が行われる場合に限り、市となるべき人口に関する要件を四万以上に緩和する必要があり、本案を提出することとした次第であります。
 以上が本法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 本案は、平成十七年三月三十一日までに市町村の合併が行われる場合に限り、合併後の普通地方公共団体が市となるべき人口に関する要件を四万以上としようとするものであります。
 また、この法律の施行前に市町村の合併について地方自治法第七条第一項の規定による申請がなされ、かつ、この法律の施行の際、当該合併により設置されるべき町または村が設置されていない場合においても、合併後の普通地方公共団体が市となるべき人口に関する要件について、同様に四万以上とすることといたしております。
 なお、本案は公布の日から施行することといたしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及び概要であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#5
○委員長(小山峰男君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○藤井俊男君 民主党の藤井俊男でございます。
 今回のこの法律、議員立法ということで提案をされているところでございます。臨時国会も年の瀬になりまして非常に慌ただしい日程になっております。議員立法ということで質疑抜きということもあろうと思いますが、私は、自主的な市町村合併を推進することは、今地方の時代、地方分権が叫ばれている中で最も重要な課題だろうと思います。私は基本的に賛成の立場でありますが、市町村合併についてはこれを機にもう一度確認していく必要があると思います。
 そこで、提案者に質問をさせていただきますが、今回の議員立法を提出された趣旨、背景をお尋ねしたいと思います。特に人口要件、基本は五万人でありますが、今回は合併したときに限り人口要件を四万人以上にするものと聞いておりますが、その考え方を提案者からお聞かせ賜りたいと思います。
#7
○衆議院議員(平林鴻三君) 藤井議員も地方自治の知識、経験まことに豊富な方でありますから従来のいきさつ等についてはよく御承知のことと存じますので、若干はしょって御説明をさせていただきたいと思います。
 市町村合併に関しましては、今提案理由で申し上げましたように、地方分権の進展などを背景といたしまして、その分権の受け皿となる市町村の行財政基盤の充実強化、さらには行政の効率化を図るために積極的に推進すべきだという意見が今日世論としても高まっておるところだと承知をいたしております。そこで、そのためにこの法律案は、合併の必要性を踏まえて、インセンティブを与えるといいますか、インセンティブの一つとするために、合併が行われる場合に限って市となるための人口要件を緩和する、こういうために立案をいたしました。
 そこで、これも先ほど申し上げましたように、現在、町村が市となるべき要件というのは地方自治法で五万以上と人口が定められております。今回の特例措置は、合併を促進するという趣旨から、合併が行われるときに限って人口要件を緩和するものでありますが、しかし、市でございますから、従来から考えとしてとっております都市的な形態を有する地方公共団体、都市的な形態を有するということは変更すべきではない、そういう考え方も十分に考慮をいたしまして、いわばインセンティブとなる人口要件の緩和と都市的形態を持つということとの調和を図るのがまあ四万程度であろう、かような考え方で立案をいたしました。
 調和を図ると言えばちょっと言葉がかとうございますけれども、いわばそういう二つの要請の折り合いをつけたということで考えたわけでございますので、どうかひとつ御了解をいただきたいと存じます。
#8
○藤井俊男君 よくわかりました。
 政府は、次期通常国会に合併特例法の改正案を提出する予定と伺っておりますが、さらにこれを機に弾みになればと期待をしているところも正直言ってございます。
 しかし、今の地方の状況はまさに財政危機そのものでございます。十年度当初においては五兆四千億円もの財源不足になっており、多額の借金は地方一般歳出の二倍を上回る百六十六兆円に達しております。地方財政は破綻と言わざるを得ない状況になっております。そういう中で、全国に三千二百余あります市町村の合併促進はいろいろ課題を抱え、難しい面もあろうと思いますが、私自身もぜひ手を打つところは大胆に手を打ってほしい、対処してほしいと思っております。
 そこで、自治大臣に伺いたいと思うんですが、今回の法改正に当たって将来の政府提案の方向性、内容をきちんと確認しておくことが極めて重要であると考えております。政府が次期通常国会において予定しておる合併特例法の改正案の概要、今回の議員立法との整合性を自治大臣から御説明いただければ幸いです。よろしくお願いします。
#9
○国務大臣(西田司君) 実質的な実行の段階に入った地方分権の成果を十分に生かすためには、まず行財政基盤を強化していくということが不可欠であります。そして市町村が自立をしていく、このことが極めて重要だと考えております。地方分権時代にふさわしい行財政体制を整備することが要請されておりまして、市町村合併を推進することは避けて通れない課題である、私はこのような考えを持っております。
 今回の改正法案が成立した場合には、今もお話がございましたが、町村が合併をする場合のインセンティブとなり、市町村合併の推進に資することは大である、このように思っております。
 政府としては、今回の改正法案と相まって市町村合併がさらに一層推進されるよう、特に住民発議制度の拡充や合併算定がえの期間の延長など必要な法律案を次期通常国会に提出の予定としております。これら適切な行財政措置を講じ、自主的な市町村合併を積極的に政府としても支援をしてまいりたい、このように考えております。
 以上でございます。
#10
○藤井俊男君 ありがとうございました。
 このたびの改正案は町村合併促進の案件ですが、我がふるさと埼玉県においても大宮、与野、浦和市、それに上尾市、伊奈町の合併、政令都市への移行で大きな問題になっているところでございます。国としてもこれを機に地方分権を推進する立場で積極的に御指導いただければ幸いと思っております。
 以上、要望いたしまして、質問を終わります。
#11
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 大変質問時間が短いので、質問も端的に行いますので、答弁についても結論について端的にお願いしたいと思います。
 最初に自治省に伺いますけれども、今度のこの法改正によって人口四万人以上ならば市になることができますけれども、市になれば生活保護法を初め新たな仕事もふえます。それに伴って財政需要も当然のことながらふえるわけです。この特例で市にはなったけれども行政サービスにお金がかかる、こういう事態も生まれるかと思います。
 具体的に問題になっております兵庫県の多紀郡篠山町の場合ですけれども、人口が四万を超える、四月に市になろうとしているわけですけれども、ここの町の場合に、人口が五万未満でありますけれども、面積は神戸市と同じぐらいの面積になる。広いところに人口が少ないわけですから、それだけお金もかかるという効率の問題もあります。そこで、道路や下水道、福祉施設、こういうことを考えた場合に大丈夫なのか、結果としてサービスが低下することはないか、この点についていかがでしょうか。
#12
○政府委員(鈴木正明君) 市になりますと、今お話のございましたように生活保護あるいは児童福祉などの社会福祉関係の仕事が町村とは異なってふえてくるということでございます。
 このように、市となることに伴いまして新たに処理することとなる仕事につきまして、その標準的な経費につきましては交付税上で財源保障がされるということでございます。生活保護の関係あるいは社会福祉事務所の設置の関係、その他の福祉関係の事務については交付税措置がなされまして、一般的には当該地方公共団体の財政運営に支障が特段生ずるものではないと考えております。
#13
○富樫練三君 提案者に伺いたいんですけれども、三日に衆議院の委員会でこの問題が審議されまして、この兵庫県の篠山町の場合ですけれども、今当面問題というか、そういう市になろうというところはここのようであります。それ以外には余り考えられないようでありますけれども、今回の法改正で当面すぐ対象となる町村、ほかにどこがあるかというのは御存じか、あるいはお考えでしょうか。
#14
○衆議院議員(平林鴻三君) 私が承知しておりますのは、現在のところは兵庫県の多紀郡四町、私の隣に谷洋一先生がいらっしゃいますが、谷洋一先生の地元でございますが、この四町合併が差し当たり該当するということでございまして、ほかには具体的なことは承知いたしておりませんが、私は実は次々と出てくることを大いに期待いたしております。
 例えば、これは新聞記事で、実態をよく承知しておりませんが、私の出身の鳥取県でも、人口四万以上になったら市になるのかということで、ある青年会議所のグループが行動を起こそうとしておるというような新聞記事を見ておりますし、全国的に合併を推進しようとする機運の中で、それならということで気分が盛り上がるということは大いにあるだろうと思って期待をいたしております。
 同時に、政府の方でも合併の一層の推進に関して次の通常国会なり近い機会に法案を提出するというような準備を進めておりますので、それらと相まって進行していくんではないか、さように思っております。
#15
○富樫練三君 時間があと三、四分しかなくなりましたので、自治大臣に伺いたいと思います。
 私は関東に住んでいるんですけれども、関東地方の一都六県を調べてみましたら、人口四万人以上の町村が十四カ所、その中で前々回から前回の国勢調査までの間で人口が一〇%以上、二けた以上ふえているというところが七町村あるわけなんですね。ここは合併じゃなくて自然増も含めて四万以上になっている。こういうことになるわけですけれども、今度の特例法の改正によりますと、市になる場合、合併したときに限り四万以上になった場合には市になる、こういうことになるわけなんですね。そうしますと、同じ市であっても普通の場合は五万ということになっているわけですから、人口の要件に差ができる。法律上こういう差ができるという矛盾について自治大臣はどのように考えておられるのか、この点について一言お答えいただきたいと思います。
#16
○政府委員(鈴木正明君) 現在、市の要件につきましては、本改正案において人口要件について引き下げの内容でございますが、そのほかに地方自治法の規定で、いわゆる都市的形態の要素といたしまして就業構造あるいは市街地の連檐戸数その他都市的な施設の集積の状況、こういったことの要件が定められているところでございます。
 都市的形態の要件につきましては、先ほど……
#17
○富樫練三君 詳しい点は結構です。
#18
○政府委員(鈴木正明君) 提案者の方からございましたように、その要素も重視すると……
#19
○富樫練三君 人口の差についてどう考えているかということです。
#20
○政府委員(鈴木正明君) それで、合併促進という観点から人口要件は緩和し、かつ都市的要件については法定どおりということで今回の改正案では調整を図られた、このように理解をいたしております。
#21
○富樫練三君 最後に、私は、町村の合併というのはそもそもは基本は住民の意思によるものというふうに思うんです。国や県の都合によって町村合併を促進したり上から推進をしたりということは本来の地方自治法の観点から言うと正しい方向ではないと、私はそういうふうに考えております。当然のことながら、合併を押しつけるということは、これはあってはならないことだというふうに考えるわけなんです。これが憲法で規定した本来の地方自治の基本であったはずであります。
 ですから、今、市町村の合併を促進しようとか推進しようとか、こういう動きが一方にありますけれども、これはあくまでもその地域に住んでいる人たち、住民の自発的な考え方、そういうものを基本にしなければならない、こういうふうに考えるわけです。
 したがって、今回の法改正を拡大解釈して、住民の声を無視して上から町村合併を促進してはならない、こういうことを特に主張しまして、私の質問を終わります。
 以上でございます。
#22
○委員長(小山峰男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。――別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 市町村の合併の特例に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#23
○委員長(小山峰男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○委員長(小山峰男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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