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1998/12/10 第144回国会 参議院 参議院会議録情報 第144回国会 地方行政・警察委員会 第4号
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1998/12/10 第144回国会 参議院

参議院会議録情報 第144回国会 地方行政・警察委員会 第4号

#1
第144回国会 地方行政・警察委員会 第4号
平成十年十二月十日(木曜日)
   午後五時六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         小山 峰男君
    理 事
                釜本 邦茂君
                松村 龍二君
                輿石  東君
                山下八洲夫君
                富樫 練三君
    委 員
                阿南 一成君
                鎌田 要人君
                木村  仁君
                久世 公堯君
                谷川 秀善君
                保坂 三蔵君
                高嶋 良充君
                藤井 俊男君
                魚住裕一郎君
                白浜 一良君
                八田ひろ子君
                清水 澄子君
                高橋 令則君
                松岡滿壽男君
                岩瀬 良三君
   国務大臣
       自 治 大 臣  西田  司君
   政府委員
       内閣官房内閣内
       政審議室長
       兼内閣総理大臣
       官房内政審議室
       長        竹島 一彦君
       大蔵省主計局次
       長        藤井 秀人君
       大蔵省理財局長  中川 雅治君
       自治大臣官房長  嶋津  昭君
       自治大臣官房総
       務審議官     香山 充弘君
       自治省行政局長  鈴木 正明君
       自治省財政局長  二橋 正弘君
       自治省税務局長  成瀬 宣孝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(小山峰男君) ただいまから地方行政・警察委員会を開会いたします。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○高嶋良充君 私は、民主党・新緑風会の高嶋でございます。
 六十分の質問時間をいただいておりますけれども、こういう時期でもございますのでできるだけ時間短縮に協力をさせていただきたいというふうに思っておりますので、ぜひ大臣、事務当局も答弁については簡単明瞭にお願いをいたしたいというふうに思っております。
 さて、今回の地財危機、戦後三度目というふうになると思うのですけれども、一度目は一九五四年の戦後復興の混乱期でございました。そして、二度目はオイルショックのときの一九七五年であります。二回とも大変な地財危機だったのですが、この前二回の地財危機については、その後に経済成長、高度経済成長があった、あるいはバブル経済でその税収の増によってこの地財危機が解消、克服されたというふうに思っているわけであります。
 しかし、今回の地財危機につきましては、大幅な財源不足が続いている、さらに長期間の不況、そして景気回復がなされたとしても以前のような高度成長が見込めないという、そういう時代に入っているのではないか。そういうことからいうと、前二回の地財危機よりも今回の場合はかなり深刻ではないかなというふうに思っております。
 大臣にお伺いしたいんですが、今回の地財危機の原因と、そして自治大臣の危機意識についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
#4
○国務大臣(西田司君) ただいま御指摘がございました過去二回の大変厳しい状況をかみしめながらお答えをしたいと思うわけでございます。
 現在の地方財政は、一つは地方税の低迷、伸び悩みなど、それから多額の財源不足が続きまして、その上にもっていって数次の景気対策のため、特別減税や公共事業の追加等により借入金残高が平成十年度末には約百六十六兆円に達する見込みであります。個別の地方団体の財政状況についても、公債費の割合が高まるなど極めて厳しく、容易ならざる事態であり、前二回の状況よりも極めて厳しいものであるという認識をいたしておるわけであります。
 いずれにしても、地方財政の運営に支障が生ずることのないよう、最大限の我々は努力をしていかなければいけない、このような決意でおる次第でございます。
#5
○高嶋良充君 今、大臣も答弁をいただきましたように、今回の地財危機の第一の特徴というのは百六十六兆円という莫大な借入金があるということです。
 これは、前二回にはそれほど借金がなかったわけでございます。そういう意味からいうと、以前の地財危機については財政再建債が非常に効果を発揮した、こういうふうに言われているわけでありますけれども、しかし、今回の場合はこれだけの借入金があるわけですから、財政再建債を発行するにしても、それは自治体を借金漬けにするだけでございまして、何の救いにもならないのではないか。
 さらに、地方債の償還につきましても二〇〇四年からは元利償還の一括返済が始まる、こういうことですから、返済について返済額が倍増してくるのではないかというふうにも言われています。そして、この二〇〇四年以降はちょうど団塊の世代の職員が退職をする時期と重なってまいりますから、これまた大量の退職金が必要になってくる。さらに、高齢社会の到来で福祉予算も増大をするという非常に厳しい状況が二十一世紀には想定をされるわけであります。
 このまま放置しておくと、二〇〇〇年以降にさらに地方財政が悪化をして、戦後最大で最悪の地財危機のピークを迎えるのではないかというふうに私は危惧をしているわけでありますけれども、その見通しも含めて自治大臣にお伺いをしたいと思います。
#6
○国務大臣(西田司君) たびたび申し上げるようでございますが、現在の地方財政はまことに厳しい状況にあると考えております。しかも今後、お話がございましたように少子・高齢化社会を迎えるわけでございまして、地域の福祉施策の充実、それからもう一つ見落としてならないことは、生活関連社会資本の整備という問題も見落とすわけにはいかないわけであります。そういう重要政策課題に対処していく必要があり、地方団体が担うべき役割とその財政需要はますます増大をするものと私も考えておるわけでございます。
 こうした中で、仮に景気が現在の状況で推移することとなれば、御指摘のとおり地方財政の厳しい状況が一層強まるわけでございまして、したがって、地方財政の運営に支障がないように配慮しつつ、まずは景気回復ということに全力を尽くしていくということも避けて通れない道だと、このように私は認識をいたしております。
#7
○高嶋良充君 今、景気回復に全力を尽くすという御答弁がございました。
 ただ、私どもは心配をするのは、今回の地財危機の第二の特徴というふうに言われているのが、従来、財政力が強いというふうに言われておりました都市部の自治体を財政危機が直撃をしているということなんですね。これは法人関係税の大幅な減収に起因するというふうに思っておりますが、東京都では税収見込みが四千四百億円、大阪府においては千八百三十億円、神奈川県は千百五十億円落ち込んでいる、こういう状況であります。もうこれは御承知のとおりであります。この際、法人関係税収に依存した都道府県財政を見直して、安定的な税源を確保するという必要があるのではないかなというふうに思っているところであります。
 景気が回復をすれば財源確保がもとに戻るというふうに自治大臣も今若干おっしゃいました。そういう考え方も確かにあるわけですけれども、しかし二十一世紀というのは先ほど申し上げましたけれども高い経済成長というのは到底見込めない、景気が回復をしても今後の経済成長率はせいぜい一%前後ではないかというふうに思うわけであります。ということは、かつてのような大幅な自然増収によって財政再建をしていくということはもう期待できないのではないかというふうに思っているわけであります。
 そこで、大臣にお尋ねいたしたいんですが、そういう低経済成長のもとでの安定的な税源が必要になってきているという状況の中で、地方六団体が要望しております法人事業税の外形標準課税の導入について自治大臣の見解をお伺いしたいというふうに思います。
#8
○国務大臣(西田司君) 外形標準課税の導入につきましてはいろいろな角度から、また最近の経済情勢等からいろいろなところで取り上げられたり議論がなされておることでございます。
 私の立場からすれば、このような地方財政の状況でありますから、何とか新しい地方税源というものを見つけていきたいというのが考え方でございますけれども、しかし、本当に外形基準の導入ということになりますといろいろな問題もありましょう。ありましょうが、私の基本的な考え方は、そういうことにも地方財政は挑戦をしていかなきゃいけないことに直面しておる、このような気持ちを持っておるわけでございます。
#9
○高嶋良充君 前向きな答弁をお伺いいたしました。
 私も、外形標準課税の導入というのは景気に左右されない税源として有効であるというふうに思っています。ただ、このことによって、逆に中小零細企業の経営が多大な影響を受けるということも当然出てくるわけですから、そういう点では、これらを検討されるに当たっては中小企業へ配慮した方策を含めてぜひ検討いただくということについて、これは要望として申し上げておきたいというふうに思います。
 次に、公共投資の関係について若干御質問申し上げます。
 神奈川県では国の景気対策に合わせて公共事業を拡大してきた、そのツケが今回の財政危機を招いた原因だというふうにも言われているわけであります。神奈川県では県債を六年間で一兆九千百十二億円も発行してきた、こういうふうに言われています。これは神奈川だけでなしに、どの自治体も神奈川と同じように今や公共事業の負担に耐え切れなくなっているというふうに申し上げても過言ではないというふうに思っているわけであります。
 そこで、公共事業との関係も含めて自治省にお尋ねをしたいんですが、地方自治体のこのような借金というか公債依存度、それから公債負担率一五%以上の団体数、また経常収支比率も年度ごとに非常に悪化をしてきているというふうに思うんですが、それらについて簡単に数量的に明らかにしていただきたいと思います。
#10
○政府委員(二橋正弘君) 公共事業関係だけに限らず、減税でございますとか全般的な税収の不足ということもございまして、近年、公債費の依存の割合というのは急速に上昇いたしておりまして、今、委員が御指摘になりました地方債への依存度ということで申しますと、平成元年のときは七・五%程度でございましたが、平成九年度ではこれが一四%になる見込みでございます。それから、公債費負担比率一五%以上のいわゆる警戒ラインを超しているという団体数でございますが、平成元年度には全団体の三七・四%に当たります千二百三十団体でございましたが、その後増加をいたしまして、平成九年度には全団体の五七%に当たる千八百五十団体になる見込みでございます。また、経常収支比率でございますが、平成元年度六九・八でございましたが、平成九年度では約八七%になる見込みとなっております。
#11
○高嶋良充君 私は、地方自治体の健康度をはかるバロメーターの一つが公債費負担比率だというふうに思っています。学識的にもそういうふうに言われておるわけです。
 今、局長から御答弁ありましたように、警戒ラインと言われる、これはサッカーに例えればイエローカード、こういうことだろうというふうに思いますが、一五%以上の団体が千八百五十、五七%というふうな報告をされました。これは九年度ですから、ことしはまだまだ悪くなっているということを含めると、十年度ではまだまだ増加をしてきている、既に二千団体を超えているんではないかということも言われているわけであります。これは、全団体の三分の二近い自治体がイエローカードを突きつけられているということは、これはもうまさに異常な事態だというふうに言わなければならないというふうに思っておるわけであります。
 そこで、自治大臣に伺いたいというふうに思いますが、この公債費負担率の上昇が自治体の公共事業の受け入れの大きな障害になっているというふうに思うんですが、その点についてはいかがか。そして、このまま借金政策を続けていけば、自治体の体力というのはますます消耗して、日本の経済の足元を、まさに地域経済から日本経済全体が崩壊をしていくという、そういう危惧もしているところであります。その点についても自治大臣の所見を伺いたいと思います。
#12
○国務大臣(西田司君) 近年の我が国経済の厳しい状況につきましては、たびたび申し上げておるとおりでございます。それに伴って地方財政は、税収の伸び悩み、数次にわたる景気対策に対する特別減税や公共事業の追加等のため借入金が急増をし、極めて厳しい状況にあるわけであります。また一方において、景気対策については基本的に国の責任で対処すべきものであると私は考えております。
 しかし反面、公共投資の分野において大きな役割を分担する地方財政というものが国の施策に対応していくということも、足元を考えてみると地域経済活性化のための施策を実施していかなければいけない、だから単に国、地方ということだけで考えていくということはいかがなものであろうか、このように考えております。
 したがって、我々は地方財政の運営に支障がないように十分配慮をしつつ、まずは当面景気対策に全力を尽くす必要があると考えておるわけであります。
#13
○高嶋良充君 次に、簡単に事務当局に伺いますが、国の特別減税に伴う地方財政の影響も多大であるというふうに言われているわけでありますけれども、これまでの特別減税の穴埋めとして発行された減税補てん債の総額は幾らになっているのか伺いたいと思います。
#14
○政府委員(二橋正弘君) 平成六年度以降の特別減税によります地方税の減収を補てんするために減税補てん債を出してきておりますが、平成十年度末で総額四兆一千億になる見込みでございます。
#15
○高嶋良充君 四兆一千億というまさに自治体にとっては非常に大きな数字が今示されました。私は、減税による公債負担の急増というのが自治体の財政硬直化、とりわけ今まで不交付団体と言われたところの財政硬直化につながっているのではないかなというふうに思っているわけであります。
 来年度、恒久的減税という部分も含めて実施をされるわけでございますけれども、この間、自治大臣の努力で地方負担については軽減をされるということになってまいりました。その努力は私どもとしては多とするところでございますけれども、しかし今まで申し上げましたように、自治体の財政がまさに非常事態のもとに置かれているわけでございますから、個人所得税の減税については全額所得税で実施をすべきであるというふうに私は思っておりますので、このことについては強く要望しておきたいというふうに思います。この問題は次期通常国会で法案等も出されるというふうに思いますから、そこで議論をさらにさせていただくということで、答弁は結構でございます。
 次に、これらとも関連をして、いずれにしても国の景気対策によって公共事業の財源を賄わなければならない、あるいはこの特別減税の穴埋めのために地方債を発行しなければならないという、まさに自治体の借金地獄というのが国の政策によって起こってきたということは、これはもう明らかに今の議論を聞いていてもそういうことだろうというふうに思うわけであります。そういう意味からいきますと、地方債の残高の増大がこれからますます事後的に大きな影響を及ぼしてくるということはもう目に見えているというふうに思っているところであります。
 そこで、大臣に伺いたいのですが、そういう借金漬けの自治体に対して、最近の報道によりますと、大蔵省は相も変わらず建設地方債の発行や、オイルショックのときにありましたけれども、赤字地方債の増発によって今回の地財危機も乗り切ってはどうかというようなことが検討されているやに聞いておりますけれども、これらの自治体への借金転嫁政策だけで乗り切ろうとしていることについては抜本的な自治体財政の改革にならない、そういうふうに思っておりまして、このような借金政策について、自治大臣の所見を伺いたいというふうに思います。
#16
○国務大臣(西田司君) 余談でございますけれども、私は、約三十六年前に町長になりましたときに、私の町は赤字団体でございました、約三年間かかってこれを解消したわけでございますけれども、そういうささやかな体験からいたしましても、特例的な地方債に限らず、借入金に安易に頼る財政運営というものは私は嫌いであるし、好ましいものではない、このように考えております。
 しかし、昔の人がよく言っておりますように、二兎を追う者は一兎も得ずということがございますが、現状の認識というものを考えてみると、このような地方財政の厳しい状況ではありますが、我が国経済というものにその原因があるわけでございますから、これはまず経済対策を着実に執行するということ、それから今後の経済の見通しというものを間違えないということ、そういうことが私は一番重要なことではないか、先ほども申し上げたように、いろいろやらなければいけないことはたくさんあるけれども、当面は経済対策、景気回復ということに焦点を合わせてやっていくべきではないか、このように考えるわけでございます。したがって、私の嫌いな借入金による財政運営も当面はやむを得ないのではなかろうか、このように考えております。
 ただし、そのことによってふえてくる公債費の増大とか地方財政の運営に支障が生ずることのないようにお互いが適切に対処をしていかなければいけませんが、これは、我々も知恵も出し、あるいは汗もかいていかなければなりません。しかし、地方団体においてもこれから二十一世紀を見通して徹底した地方の行政改革というものに取り組んでやるところによって地方財政の健全化というものが、国の施策、それから地方の自己努力、そういうものによってつくり上げられるのではないか、私はこういう理解をいたしております。
#17
○高嶋良充君 景気対策と、当面は借入金、借金政策でやむを得ないというような考え方も御披瀝をいただいているんですが、後でまた申し上げますけれども、ぜひ抜本的な地方税財政の改革についても努力をいただきたいというふうに思います。
 この借金地獄の原因というのは、先ほどからも申し上げていますように、国の景気対策に自治体の財政が動員をされてきたからというのはもう明らかだというふうに思っています。当然、その解決については国の責任で対処するということが私は必要だというふうに思っているわけであります。
 そこで、大蔵省に伺いたいというふうに思いますが、すべてを国の責任で今すぐにというのは非常に難しい部分もございます。そのことを十分承知の上で申し上げるわけですけれども、当面、せめて地方自治体が今非常に切望しているというか要望しております過去の高金利時代に発行された政府系資金による地方債について繰り上げ償還や借りかえを認めてあげるべきだ、こういうふうに思っているわけですけれども、なぜ政府資金の繰り上げ償還ができないのか、大蔵省にお伺いをしたいと思います。
#18
○政府委員(中川雅治君) 資金運用部は、郵便貯金あるいは年金資金の預託を受けまして、これを地方公共団体や各特殊法人等に貸し付けることによりまして郵便貯金や年金からお預かりした預託金を確実かつ有利に運用しているものでございます。その際、郵便貯金や年金からお預かりする預託金利と地方公共団体等にお貸しする貸付金利とを同一にいたしておりまして、利ざやを全く取らず長期固定の貸し付けを行っておりまして、しかも、国の一般会計からの繰り入れ制度はございませんで、独立採算制で運営することとしているものでございます。
 したがいまして、資金運用部が過去の高金利時に貸し付けた貸付金につきまして、その後市場金利が低下したからといって繰り上げ償還や低利借りかえに応ずることとなりますと、低金利時に貸し付けた貸付金につきましては、その後市場金利が上昇したからといって資金運用部の方から繰り上げ償還や金利引き上げを求めることは行わないこととしているため、資金運用部は市場金利の変動の影響の不利な面だけを片面的に受けることとなりまして、独立採算制である資金運用部としては運営が立ち行かなくなるわけでございます。
 このように、資金運用部は、金利の低下を理由とする繰り上げ償還や低利借りかえを受け入れられない仕組みであることを御理解賜りたいと存じます。
#19
○高嶋良充君 今言われたこと、私が頭が悪いのかどうか知りませんが、十分に理解できないので、基本的なことをちょっと聞かせていただきたいというふうに思うんです。
 今言われたように、資金運用部の原資になっている郵便貯金の資金、これは預託をされているというふうに思いますが、これは平均七年ぐらいで預託をされているというふうに記憶しているんですが、それと、資金運用部から地方自治体へ貸し付けられている部分については基本的には長期の貸し付けになっていると思いますね、二十年から三十年。そういうふうに思っているんですが、それは間違いございませんか。
#20
○政府委員(中川雅治君) おっしゃるとおり、資金運用部が郵便貯金からお預かりをいたしておりますのは七年のものが多いわけでございます。それから年金からも七年が多いかと思いますが、八年、九年といったようなものもございます。
 一方、貸付金利につきましては、地方公共団体は比較的そういった長い、二十年とか三十年というようなものもございます。また、特殊法人等に対する貸付金も比較的長い。つまり、資金運用部の場合には、民間で貸し付けができないような長期固定ということで大変その御要請が多いわけでございまして、そういった貸し付けをいたしておりますので、平均十五年ぐらいになっております。
 ただ、預託の方は満期一括償還でございます。七年でお預かりしますと七年目に満期で一括償還いたします。貸し付けの方は元金均等とか元利均等というそういった仕組みでお貸ししておりますので、大体預託期間と貸付期間が見合っている。ただ、その時々によりまして多少のずれはございます。
#21
○高嶋良充君 今若干説明をいただいたんですが、先ほど、資金運用部が利ざやを稼がない仕組みになっているから、繰り上げ償還ができないということの理由に挙げられました。
 ただ、平均七年ぐらいで預託をしている部分が、地方自治体がもし十五年前に借りた資金運用部資金について、そのときの原資となった郵便貯金は既に、基本的に言えば資金運用部からもう返されているわけですよね。ということは、利ざやは稼いでいないというふうに言われているけれども、現在の高利の地方債を返している、八%、九%という高金利で返している自治体もまだかなりあるというふうに聞いておりますけれども、そういう部分からいうと、預託利子については基本的には低利で返されて、そして地方自治体の地方債から上がる利子というのは高金利で入ってくる、こういうことですから、私の計算でいくと、資金運用部というのは利ざや稼ぎというよりも暴利をむさぼっているんではないかというふうに思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。
#22
○政府委員(中川雅治君) 今申し上げましたように、預託期間は七年、八年というものが多いわけでございますが、これは満期一括償還、そして貸し付けの方は元利均等、元金均等ということでございますので、大体ほぼ見合っているわけですが、確かに年によっては多少ずれはございますので、そういった意味では、年度ごとに見ますと、今までも利益が出てきたこともございますし、逆に損失が発生してきたこともございます。
 現在におきましては積立金が一兆一千億という状態になっておりますけれども、これは、逆にまた金利が、今までの低下傾向、金利が低下してきた中で預託期間と貸付期間の多少のミスマッチでこういったいわば摩擦的な利益といいますか、四百二十兆ございますので、そういう意味では、一兆一千という利益は今後の金利変動に備えるための積み立てといたしましてはこれで、その逆の金利変動が起こったときにはこういったものは必ず必要になるということで、基本的には長期間を見れば利ざやは取らないで利益は生じない、こういう仕組みであるということを御理解いただきたいと思います。
#23
○高嶋良充君 現時点では、利ざやというか、資金運用部はいわば利益を上げている、こういうことでしょう。
 それで、制度上だめだ、こういうふうに言われていましたから、今までもこういう繰り上げ償還等について認められたことはないというふうに思うんですが、それは一度もございませんか。
#24
○政府委員(中川雅治君) 今まで金利の低下を理由とした繰り上げ償還を認めたことはございませんが、地方公共団体側に資金運用部資金の借り入れにより取得した財産の処分等がございまして、貸し付けの継続が適当でないと認められる場合には繰り上げ償還を認める場合がございます。
#25
○高嶋良充君 今までに認められたのかどうか。もし認められたとしたらどういうところで認められたのかお聞きします。
#26
○政府委員(中川雅治君) 今まで繰り上げ償還を認めた例といたしましては、資金運用部資金の借入金によって取得した財産の処分がございまして現金が入っている状態で借り入れをこれ以上継続する必要はない、資金運用部としても貸し付けを継続する必要がない、こういった場合、あるいは先行取得していた公共用地が事業化に伴い売却されたといったような場合、あるいは資金運用部の借り入れまたはその使用に不当、不備があったような場合、こういったような場合におきましては、資金運用部といたしましても貸し付けを継続する必要がないと判断をいたしまして、繰り上げ償還を認めております。
#27
○高嶋良充君 ちょっと具体的に教えてもらえませんかね。今までどこを認められたんですか。どこということと同時に、私は若干聞いているんですが、以前に水俣病で問題になりましたチッソの救済という関係で、熊本県の発行する県債の借りかえを認めたことがあるというように聞きましたが、それは事実ですか。
#28
○政府委員(中川雅治君) チッソの患者県債につきましては繰り上げ償還を認めております。
 これは水俣病対策といたしまして、熊本県がチッソ株式会社に対して患者補償金の支払いに要する資金を融通するための財源を調達する目的で発行される県債、今申しましたいわゆる患者県債でございます。これにつきましては、補償金支払いに直結する県債であることから、資金運用部は水俣病対策に関する閣議決定等に基づき関係金融機関とともにその引き受けを行ってきているところでございます。
 こうした中で、景気後退に伴いチッソ株式会社の経営状況が近年悪化したため、約定どおりの元利払いを求めれば転貸先であるチッソ株式会社の存立を危うくし、結果として患者補償の支援という水俣病対策の遂行が困難となるおそれが生じたことから、患者県債に係る金利負担軽減策及び資金繰り対策が必要とされたわけでございます。
 資金運用部としても、仮にこれに応じない場合には民間の金融支援策もまとまらず、国の債権の保全、徴収上不利になると判断されたこと、それから国が約定どおりの金利の支払い償還を求めればチッソの存立を危うくし、結果として患者補償が円滑に進まなくなるという事態を招きかねないこと、それから金融支援策が水俣病対策として特別の閣議決定等の中で位置づけられたこと等の特殊事情を考慮し、例外的な措置として行ったものでございます。
#29
○高嶋良充君 私は、チッソの問題で熊本県の県債の借りかえを認めたことが悪い、こう言っているわけではないんです。だから、余り理由を言ってもらう必要もないんですが、そういう例外措置が今までにあったわけですから、先ほどから自治大臣も答弁されているように、まさに日本の経済の根底を揺るがすであろうこの地域経済が地方財政の危機によってもたらされるという、まさにこの日本の経済全体を左右する、そういう危機的な状況に地方財政があるという状況のもとでは、当然同じように例外的な措置が認められる、あるいはその地方自治体の要望にこたえられていくという、そういうやっぱり姿勢をぜひ大蔵省で示していただきたいというふうに思っているわけであります。
 当然、中小企業の金融公庫や住宅金融公庫については国民からの繰り上げ償還というのは認められています。その間にできたすき間については国から補給金を出しているという制度もあるわけですから、地方自治体の繰り上げ償還について、今はもうかっているけれども低金利になったときにまず損害を受ける、こういうことであればそういうやっぱり補給金的なものを国で考えて資金運用部が損をしないような状況というのはつくれるはずだ、こういうふうに思っておりますから、自治体の財政危機をどう乗り切るか、これは緊急避難的な部分、考え方ということも含めて、ぜひ大蔵省で前向きの御検討をいただきたいというふうに思っています。
 それに関連して、自治大臣にお伺いをいたしたいというふうに思いますが、十二月三日に全国知事会などが主催をいたしました地方税財源の充実確保総決起集会というのがありました。私も御招待を受けて出席いたしましたけれども、そこで田野瀬自治政務次官がこの問題について、非常に厳しいけれども、九%も払っているようなそういう償還している団体もあるので、せめてこうした団体から実現できないか真剣に検討していきたいということを申されておりましたけれども、これは政務次官が言われていることですから大臣の意を受けて申されていることだというふうに思いますので、ぜひ大臣として政務次官以上の決意をここで表明いただきたいと思います。
#30
○国務大臣(西田司君) 現在の極めて厳しい地方財政の状況下で、例えば公債費の負担が非常に重い、そういう団体、また繰り上げ償還の必要性が極めて高い、内容によりますけれども、そういう場合には緊急的な措置として弾力的な対応をとり得ないか、これは今、政務次官のお話がございましたけれども、別に私と打ち合わせしたわけではなかったわけでございます。国庫当局とぜひ協議をしたい、このように思っております。
#31
○高嶋良充君 ぜひこの問題については頑張っていただきたいし、大蔵省の理財局長、ぜひこの地方財政危機の状況をきちっと把握いただいて御配慮をいただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 次に、公共投資の資金調達という観点から、行革との関連で財政投融資が見直される、改革をされる、こういうことになってきておるわけですが、今も出ておりましたけれども、現在の政府の資金運用部、これは当然その時点では廃止をされていくことになるのかなというふうに思うんですが、将来の地方債の引受機関をどうするかというのも、これまた喫緊の課題になってきておるのではないかなというふうに思っております。
 そこで、これは大蔵、自治両省にお伺いしたいと思いますが、資金運用部にかわる地方債引受機関について具体的な検討を開始されているのかどうかお聞きをしたいというふうに思います。
#32
○政府委員(二橋正弘君) 御案内のように、地方団体は財政力にさまざまな大きな差がございまして、全部の地方団体が金融市場から直接に資金を調達するという能力には大きな差があることは事実でございます。一方では、やはり公共投資あるいは公共施設の整備をしていくためには、民間資金のほかに長期かつ低利で安定した資金というのは地方団体にとりましてこれからも引き続き必要でございます。
 そういう観点から、これから財政投融資制度の見直しが行われることになるわけでございますが、地方財政の側といたしましては、そういう財政力の弱い地方団体における社会資本整備のための安定的な資金をこれからも調達していく必要があるというふうな基本的な考え方に立ちましてどういう方策が考えられるかということについて、私どもとしても幅広く検討してまいりたいというように考えております。
#33
○政府委員(中川雅治君) 財政投融資は、現在財政力の弱い市町村を中心とした地方公共団体に対して、民間では提供できない長期、固定、低利の資金運用部資金を安定的かつ効率的に供給し、地域に密着した社会資本の整備等に充てているところでございます。
 今、先生お話しございましたが、財政投融資につきましては、二十一世紀においても適切な機能を果たしていくことができますよう、現在改革を進めているところでございますが、その改革後も新しい資金運用部が、国の信用で一括して市場において最も効率的に調達した資金を用いて、地方公共団体も含めた各財投機関に対し必要な資金を適切かつ効率的に供給していくことといたしております。
 地方公共団体に対しましては、今後とも財政投融資制度がその役割を十分果たすよう、自治省とも協議しながら進めてまいりたいと考えております。
#34
○高嶋良充君 ぜひ前向きに、そして慎重に地方自治体の意見も聞いて進めていただきたいというように思っています。
 新設される郵政公社がこの問題を扱うとか、あるいは政府資金による貸付機関を資金運用部的にまたつくるとか、あるいは公営企業金融公庫を改組して自治体金融公庫を設けてはどうかとか、いろんな案が最近出されてきているわけですけれども、ぜひこれは、やっぱり自治体が使いやすくそして地方債が市場から信認をされるという観点で、ぜひ慎重に前向きの御検討をいただきたいということを要望しておきたいというふうに思います。
 次に、地方交付税の加算措置の関係について質問しようと思っていたんですが、時間の関係がありますから、それはまた後の皆さん方に譲りたいというふうに思います。
 景気対策としての追加的な公共事業やあるいは地方単独事業の地方負担分については、当面地方債によって財源調整をするという今とっておられる方法については、これは当面はやむを得ないというふうに私どもも思っているんですが、しかしその償還に当たっては、交付税財源の追加その他の方法によって、交付税の不交付団体分も含めて全額国で負担をすべきであるというふうに考えているわけですけれども、その点について自治大臣のお考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#35
○政府委員(二橋正弘君) ちょっと具体の財政措置のこともございますので、私の方からお答えをさせていただきます。
 これまで一般的に経済対策に伴いますいわゆる公共事業の地方負担は、補正予算債ということで全額地方債で措置をいたしまして、またそれから景気対策で単独事業を追加要請いたします場合も地方債で対応してまいりました。
 したがいまして、補正予算債なりあるいは単独に関連いたします地方債につきましては、この元利償還について、後年度の交付税によりまして一定の措置をするということになるわけでございますが、まずその前提として、必要な公債費の財源について、毎年度の地方財政計画で所要の額を見込んで全般の一般財源を確保するということをいたしまして、その上で、交付税の算定に当たりまして、今ですと補正予算債の場合には事業費補正と単位費用というやり方で一〇〇%元利償還を算入いたしておるわけでございます。
 算入いたしました結果、これまで不交付団体であったところが交付団体に変わるということは当然あり得るわけでございますが、算定いたしました上でなおやはり財源超過になって不交付団体のままになるというところにつきましては、これは現在の交付税制度のもとではちょっとそれ以上のカバーは難しゅうございまして、そういう個別の団体の財政事情をよくお聞かせいただきながら、その他の地方債の配分等を通じましてその団体の財政運営に支障が生ずることのないように、よくお話を聞きながら対応していくということで御理解いただきたいと思います。
#36
○高嶋良充君 今の答弁とも関連するわけですが、地方分権推進委員会の第五次勧告で、これは補助金の問題について統合補助金化が勧告されたというふうに思っています。この種の公共事業というのは、補助金を総合的に自治体に交付する、政策カテゴリーごとに総合交付金的なものとして交付して、自治体の使い勝手のやりやすいようにしてあげるというのが、私は非常にこれからの地方自治体の改革にとっても重要だというふうに思っています。
 そういう意味で、国の負担で地方自治体がみずから選択する、投資促進を行うための交付金制度を創設されてはいかがかというふうに思っているわけであります。
 民主党は今、未来への投資として約四兆円を全額国が負担して、自治体の人口に応じて交付することを提案しているわけでございまして、ぜひ自治大臣も御検討をいただきたいというふうに思います。これは所見については結構でございます。
 次に、地方六団体が交付税率の引き上げについて強く要望されているわけでありますけれども、私ども、地方交付税の抜本的な改革が必要だという観点も含めて、自治大臣として地方交付税率の引き上げについてどのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#37
○国務大臣(西田司君) お答えをします。
 平成十年度におきましては、平成八年度以来三年続けて地方交付税法第六条の三第二項の規定に該当する状況となったわけであります。このため、地方財政の厳しい状況を踏まえ、平成十年から十二年度までの三年間は財源不足については国と地方が折半して負担をすることなど、この間における地方交付税の中期的な確保を図る観点から、制度改正を行ったところでございます。
 そこで、御質問の交付税率の引き上げ問題でございますけれども、来年度の地方財政対策については、地方税や地方交付税の原資となる国税五税が伸び悩むという状況から考えて、公債費の増加等の状況の中で、当面の最大の課題である経済対策にも取り組む必要があります。十一年度、あるいは十兆円を超える巨額の財源不足が生ずるのではないか、こういうことを今見込んでおるわけでございます。
 このような厳しい地方財政の状況や、地方交付税法第六条三の第二項の規定の趣旨を踏まえつつ、地方の財政の運営に支障がないよう最大限の努力をしていかなければならないと考えております。
 今、交付税というもののあり方についてのいろいろな御指摘があったわけでございますけれども、今この場でこのことについて、私からこういたしますとかいたしませんとかいうことは申し上げにくうございますけれども、前向きで検討していかなければいけない、このように考えております。
#38
○高嶋良充君 じゃ、自治大臣の最後の決意をお伺いして、私の質問を終わりたいというふうに思うんです。この地方六団体の名前をよく出しますけれども、地方六団体、最終的には地方の歳出と地方税収入の乖離、これは歳出が国が一で地方が二、税収の方は国が二で地方が一、この乖離を埋めてほしい、こういうことを言っておられるわけでありますけれども、これら等も含めまして、いずれにしても国のこのような歳入歳出の状況の乖離について、そのアンバランスについては地方交付税と補助金などの国庫負担金で埋めていくというのが現行のシステムなんですけれども、今、自治大臣に幾ら努力をいただいても地方財政が好転をしないということは、もはやこういうシステムについては制度疲労を起こしているんではないかな、こういうふうに思っているわけであります。
 そういう関係で、抜本的な地方税財政の改革についてぜひ次期通常国会におきまして、地方分権とともに改革が行われるように、自治大臣としての決意を最後にお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
#39
○国務大臣(西田司君) 地方分権の進展に応じて地方公共団体がより自主的、自立的な行財政運営が行えるようにしていかなければいけないという御指摘でございますが、私も全く同感でございます。そのためには、財政基盤というものを充実強化していくということがまず当面の課題だと、このように考えております。
 今後、地方分権推進計画を踏まえ、歳出規模と地方税収入との乖離をできるだけ縮小していくという観点に立って、地方税源の充実確保を図ってまいりたいと。その際、御指摘の地方消費税の配分割合の引き上げなどについても総合的に検討をしてみたい、このように考えております。
#40
○高嶋良充君 ありがとうございました。
#41
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 先ほど来、高嶋委員からの大変厳しい地方財政を前提にしての質問がなされておりますけれども、本当に各地域、商店街回っても何か寂れているなというようなそんな印象も受けますし、いろいろ施策をやっておられると思いますけれども、いま一歩かなというふうに思っております。
 我が党も本当に地元から何とか日本の状況をよくしていきたい、そういうことで商品券というものをお訴えをさせていただいて、景気対策として何とかとれないかというようなことで訴えてまいりました。自民党さんも若干それを受け取って、地域振興券という形で今度の補正の中で実現される運びとなったわけでございます。
 地方分権あるいは地域振興という意味では、元締めであります自治省が今度推進室等を設けて担当されているということでございます。期待をするところでございますが、テレビとか見ておりまして、あるいはラジオとか含めて、例えば十五歳までの子供に地域振興券を配って、使い道も例えば風俗にもいいんじゃないのかみたいなことをキャスターが言っているようなことがあります。本来、そういう筋で立てているわけではありませんけれども、周知徹底というかPRが非常に不足しているんではないか。せっかくの施策もこのままじゃちょっとおかしくなっちゃうなともいうふうに思っておりまして、どのようなPR策を自治省としてお考えなのか、ちょっとお教えいただきたいと思います。
#42
○政府委員(香山充弘君) お答えさせていただきます。
 地域振興券事業、市町村が事業主体とされておりますので、その御協力をいただく必要もありますし、また市町村の方からも内容を早く知らせてほしいといったような声もございましたので、自治省におきまして事業の仕組みの骨格を取りまとめた後に、地方団体に対しまして情報提供の形で説明会等を実施させていただきました。
 その際の資料はマスコミ等にも御説明させていただいておりまして、例えばお子さんが券をもらうといったような誤解は解かれたというふうに私ども思っております。その後、市町村から実施に向けて具体的な事務の進め方、取り扱い等につきましてたくさんのお問い合わせをいただいておりまして、今説明をし、また調整等をさせていただいておる状況でございます。
 何分にも予算が成立いたしておりませんので広報等は行っていないわけでございますけれども、予算の御可決がいただければ正式に市町村に対しまして補助要綱等の通知も行いますし、また御指摘にありました事業の趣旨、取り扱い等につきましても広く国民の皆様に向けて広報を行いまして、この事業が円滑に実施され、事業の効果が上がるように万全を尽くしたいと考えておるところでございます。
#43
○魚住裕一郎君 先般もQアンドAというような形で出されていることは承知をしておりますが、万全を期していただきたいというふうに考えます。
 もう一度確認ですが、どのような点に留意して現在作業をされているのか、簡潔にちょっとお教えいただけますか。
#44
○政府委員(香山充弘君) 市町村に御説明をさせていただきまして、いろいろ御質問ございます。その中には例えば統一をしてほしいというものがございまして、例えば引っ越し者の取り扱いをどうするかとか、こういったことにつきましてはできるだけ統一してほしいというような御要請があります。
 それから、一方でいいますと取り扱い店舗の扱い方等につきましては、市町村によって店舗の存在状況がまるで違いますし、また交付対象者の数等も市町村によって全然違ってまいります。
 そういったことにつきましては、可能な限り地域の実情を反映してほしい、こういった御要望もございます。そういったことを踏まえながら、最終的な仕組み等について今詰めておるという状況でございます。
 あわせまして、予算の成立がありますと、そういった仕組みをきちんと固めた後で、国民の皆様方に新聞あるいはテレビ等を通じて十分広報にも努めていきたいということで具体的な計画を詰めておるという状況でございます。
#45
○魚住裕一郎君 次に法案に関連をいたしますが、今回交付税の増額措置という形がなされます。非適債事業もその追加一千三百億ということでございますが、第一次補正もこれ四千億ですか、やりました。公共事業あるいは地方単独事業の円滑化のためという形で臨時異例の措置という形でございました。これはハード事業というふうにとらえていいんだろうと思いますが、今般もまた一千三百億と。これも臨時異例の措置というような説明になるわけでございますが、これは基本的にどういうような考え方によるものなのかお聞かせいただきたいと思います。
 あわせて、この一千三百億の配付の基準といいますか、そういうこともお示しをいただきたいと思います。
#46
○政府委員(二橋正弘君) 従来、年度の途中で経済対策によりまして公共事業とか単独事業の追加を行います場合には、基本的に全額地方債で対応するということをやってまいりましたが、ことしのまず総合経済対策、四月のものでございますが、このときには非常に厳しい地方財政の状況の中で一兆五千億の地方単独事業の追加要請を行うということにいたしまして、その円滑な実施にも資するようにという観点から、地方交付税を四千億増額するということで法案の御審議をいただいたところでございますし、これはこのとき初めて行った措置でございまして、そういう意味で特に異例の措置をとったものでございます。
 今回の緊急経済対策、三次の補正予算をお願いしておるものでございますが、今回の場合には単独事業の追加要請を行っておりませんで、したがってそういう意味ではハードのものに対する交付税の増額を行う必要はないだろうと。これは従来どおり補正予算債で対応すればいいんではないかというふうに考えております。
 一方で、この経済対策のうち、地方債を財源とすることができない事業につきましては、この年の中途で非常に税収の状況が厳しいということがございまして、地方団体の方からも、また所管の各省庁の方からも、何か地方負担についての特別なことを考えてもらえないだろうか、そうでないとなかなか事業の執行が難しいというふうな声が非常にたくさん寄せられてまいりました。そういうことから、今回の補正予算の中におきまして、地方債を財源とすることができない事業が行われるようにということで、これまた全く臨時異例の措置としていわば非公共関係の地方負担額について交付税の増額をするということにいたしたものでございます。
 したがいまして、この千三百億のものにつきましては特別交付税の形で配分をいたしたいというふうに考えておりまして、基本的にはこういうふうに地方債の対象とならないような事業の地方負担額、これは各省庁が予算の内示をいたしますと固まってまいりますので、そういう地方負担額等を勘案しながら配分をいたしたいというふうに考えております。
#47
○魚住裕一郎君 次に、先ほどからも厳しい地方財政という形で出ておりますが、先ほども御紹介ございましたけれども、例えば東京都も四千四百億の税収減というような状況であります。十月に緊急アピールというようなものを出しまして、このまま行っちゃったら起債制限団体になってしまう、あるいは財政再建団体に転落してしまう、そういう危機感、そういう言葉も出してアピールしているというような状況であります。
 当然ながら、いろんなむだをなくすというような形で東京都内でのいろんな作業、改革も含めてやっているわけでございますが、例えば不当に富裕団体だからというような形で、いろんな形で不合理な点もあるのではなかろうかというふうに思っております。
 例えば、不交付団体に対する財源調整措置というような形があるわけであります。例えば、義務教育の教職員の給与等の国庫負担金、これについて一般の県では定員実額方式というような形で算定をしている。ところが、不交付団体では定員定額方式という形で大きくカットしているというようなことがございます。非常にバランスを失するような形でやるわけでございますけれども、こういう点はぜひ即刻廃止をしていただきたいと私どもは思うんですが、大蔵省、御答弁いただけますか。
#48
○政府委員(藤井秀人君) お答え申し上げます。
 今、先生おっしゃいました公立義務教育諸学校の教職員給与等につきましては、義務教育費国庫負担法に基づきまして実支出額の二分の一を負担することが原則となっております。
 ただ、ただし書きにおきまして、特別の事情があるときには各都道府県ごとの国庫負担額の最高限度を政令で定めることということになっているわけでございます。この規定を受けまして、義務教育の妥当な規模と内容を実現する上で十分な財政力を有しているものと認められる都道府県、これにつきましては全体としての財政資金の効率化を図るという観点から国庫負担の抑制が行われているということでございます。
 これにつきましては、従来からの経緯、そして今申し上げましたような本来の趣旨のものがございますので、これを検討していくということは極めて難しい状況にあろうかと思います。
 なお、これは既に先生御存じかと思いますけれども、今回の恒久的減税という中での地方財政対策におきましては、地方特例交付金等、いわば不交付団体についてもそれなりの対応がなし得るというような措置が講ぜられたということが言えようかと思います。
#49
○魚住裕一郎君 今の最後の部分でございますけれども、だからといって一般県と不交付団体との差を撤廃するわけではないんですね。
#50
○政府委員(藤井秀人君) 今、先生のおっしゃったとおりでございます。
 ただ、国も地方もそれぞれ財政事情が非常に厳しいわけでございます。国で申し上げますと、今度御審議をいただきました三次補正、これによりまして十年度末の長期債務残高が四百十二兆円とか、あるいは普通の国債残高が二百九十九兆円ということで、非常に財政事情は厳しいわけでございます。
 そういうことから申し上げまして、全体としての財政資金を限られた中でいかに効率的に図っていくかということから設けられた制度でございますので、先生おっしゃった御指摘は当たるとは思いますけれども、全体の効率的な使用という観点から設けられた措置であるということをぜひ御理解賜りたいと思います。
#51
○魚住裕一郎君 だけれども、もう既に東京都もほとんど富裕とも言えないような状況になってきておりますし、この義務教育のことだけ考えても、二百億足らずではありますけれども、これを埋めるためにどれほどリストラをやっているかということを考えますと、これは不当な差別ではないかなと私は思うんですけれども、もう一度御答弁いただけますか。
#52
○政府委員(藤井秀人君) お答え申し上げます。
 答弁を繰り返して恐縮でございますけれども、国の財政事情あるいは地方も確かに最近の経済状況を反映いたしまして財政事情は非常に悪化しているということは我々承知しているわけでございますけれども、そういう中で、全体として財政資金の一番いい効率的な使用という観点からの措置であるということを重ねて御理解賜りたいと思います。
#53
○魚住裕一郎君 では次に行きますけれども、先ほど高嶋委員からも御質問がございましたが、繰り上げ償還あるいは借り替えの件でございます。先ほどの御答弁の中で、重複してもあれですので、一兆一千億の積立金があるというお話でございましたね。これはどういう形なんですか、要するに何か運用されているんですか。
#54
○政府委員(中川雅治君) もちろん一兆一千億円の積立金が現金であるわけではございませんで、このお金は全体の資金運用部の原資となって各財投機関への貸し付けに回されているところでございます。
#55
○魚住裕一郎君 そうすると、その部分は丸もうけなんと言ったら失礼かもしれませんけれども、そういうふうに感じるんですね。
 それから、先ほどチッソの例がございましたけれども、さきの臨時国会のときに国鉄、林野の長期債務処理の関連で、これは宮澤さんにもお聞きしたんですけれども、二千五百億ですか、繰り上げ償還分、これがありますよというような話がありました。やはり一定の形で認めているなと思うんですけれども、そのほかにもございますか。
#56
○政府委員(中川雅治君) まず、一兆一千億円の積立金でございますけれども、これは今、金利低下局面で預託期間と貸付期間の多少のずれによって生じたものでございますが、金利がまた上昇局面に入ればこれは当然逆の現象が起きるわけでございます。
 資金運用部は、金融的手法をとっての政策手段でございまして、一般会計からの繰り入れというものは予定せず独立採算性で運用しておりまして、郵便貯金、年金の預託者に定められた金利をお払いし元本を返済する、こういったことで運用がされているものでございますので、ある程度の積立金は金利変動リスクに備えて必要である、これがなければ長期的に利ざやのない仕組みで運営される財政投融資制度は成り立たないということを御理解いただきたいと思います。
 それから、繰り上げ償還でございますけれども、先生おっしゃいましたように、国鉄清算事業団また国有林野特別会計への繰り上げ償還をいたしたわけでございますが、いずれも、国鉄清算事業団につきましては国鉄清算事業団が消滅をする、債務が一般会計に引き継がれる、したがいまして資金運用部といたしましては、その貸付対象が消滅をするわけでございますのでいわば貸し付けの目的、意義を失うということで繰り上げ償還をいたしたわけでございます。国有林野特別会計におきましても同じことでございます。
 いずれにしましても、これは法律でそういった措置がとられたわけでございます。
 そのほか、繰り上げ償還を行いました例といたしましては、先ほども申し上げましたように、貸し付けによって地方公共団体が取得した財産が売却された、先行取得によって取得されました土地等が事業に供されて貸し付けの目的を失ったということで繰り上げ償還をした事例がございます。
#57
○魚住裕一郎君 その償還との関係で思ったんですけれども、国鉄、林野のときに繰り上げ償還だけじゃなくて郵便貯金から二千億持ってくるというスキームがありましたね、五年間で一兆という。資金運用部で本当に稼いでもらって郵便貯金の方に戻してもらうと年間二千億ずつ出てもびくともしないよと、そういう状況にあるわけですね。
 繰り上げ償還とあるいは借りかえとはちょっと意味が違うのかもしれませんけれども、自治省におかれても郵政省にお願いして、そこからお金を持ってこられないのかというふうに思ったわけですね、あのスキームを考えながら。こういう点はいかがですか。どなたでも結構です。
#58
○政府委員(二橋正弘君) 突然のお話でございまして、郵貯の方がそういうやり方ができるような仕組み、そういう余地があるかどうかというのはちょっと私の方ではにわかにわかりかねるわけでございまして、基本的には郵便貯金を地方財政の側で活用する場合には資金運用部を通じて活用するというのが現在のやり方でございますから、やっぱり引き続き今の、先ほど来問題提起されておりますような政府資金の高金利のものの問題につきましては、先ほど大臣からお答えがございましたようなことで、私どもも引き続き国庫当局の方と相談をしてまいりたいというふうに考えております。
#59
○魚住裕一郎君 その心意気でぜひよろしくお願いしたいと思います。
 時間がだんだんなくなってきましたけれども、今度は恒久的な減税に伴って補てんというような形、スキームがとられているようでございますけれども、特に不交付団体の場合、減税をやる、補てんなしというのであれば、東京都に対しては財政攻撃とも言うべき状況になるんだろうと私は思うんですね。財政措置をとったということでございますけれども、基本的な考えというものは一体どういうものなのか、大蔵大臣との議論の内容も踏まえてお答えをいただきたいなというふうに考えます。
#60
○国務大臣(西田司君) 今回の減税は恒久的でかつ巨額なものであるものでございますから、非常に厳しい地方財政の状況が先ほどからもいろいろと議論の対象になっておるところでございまして、このことによって生ずる減収というもの、これが地方財政の運営に支障がないようにしていかなければいけない、国としての責任を全うしなければいけないという基本的な考え方で臨みました。
 実は、御承知のように大蔵大臣と私はお話し合いをいたしました。私、こういう言葉が適切かどうかわかりませんけれども、大蔵大臣は非常に地方財政が厳しいということをよく理解、認識をしていただいておりまして、私も大変感謝をしたわけでございますけれども、そういうことの中で地方も応分のやはり負担をしていただけないか、こういう考え方を示されたものでございます。
 そのような状況の中で、関係方面に理解と御尽力をいただきながら、恒久的な減税に伴う地方税の減収分について、説明もあったように、たばこ税の一部を地方へ移譲するとか交付税率の引き上げとか特例交付金の創設など、こういうことによって補てんをする見通しが立つたわけでございます。
 これらのもろもろのことで我々は地方財政の運営に支障がないように取り組んでいく決意でございます。
#61
○魚住裕一郎君 その特例交付金でございますけれども、一歩前進かなとは思うんですけれども、本来であれば税源をきっちり移譲していくというのが本筋だと思うんです。次善の策かなと思います。
 この特例交付金でございますけれども、具体的な内容、それからその配分の方針、基準というものをお示しいただいて、終わりたいと思います。
#62
○政府委員(二橋正弘君) 今回の地方特例交付金は、恒久的な減税に伴います減収を補てんするために、地方税の代替的な性格を持つものということで創設をされたわけでございまして、先ほど大蔵省の方からもお話がございましたように、今回この減税の財源をいろいろ検討する際に、不交付団体に対してどういう対応をするかということも非常に我々と大蔵省との間での相談のポイントの一つでございまして、そういうことを踏まえてこういう制度ができたわけでございます。
 この具体的な内容につきましてはこれから法律で定めていくことになるわけでございますが、今我々なりに検討いたしておりますけれども、基本的には、この減税によります減収の影響額、これを指標にいたしまして客観的な算定を行うということにしていきたいと考えております。
#63
○八田ひろ子君 日本共産党の八田ひろ子でございます。
 私も、今御論議がありました地方債の借りかえについて質問をしたいというふうに思いますが、今までの御論議を伺っていまして、どういう条件ならそれぞれの自治体が手を挙げることができるのかというのをお伺いしたいと思うんです。
 さっき大蔵省の担当からは、今までは地方債の借りかえというのが、特別な場合ですか、こういう特例は実際にあるんだ、金利を理由にするということはだめなんだと。こういうのは、これは今までも言われている中身なんですけれども、またここで一兆一千億円の積立金もあるということで、大変可能性があるのではないかなというふうに伺っていたんですけれども、先ほど政務次官の地方六団体の総決起大会でのお話も出まして、大臣もそのとき次官がおっしゃった中身のことをさっきお答えになったんですけれども、そういうことで大蔵と交渉をされているのかどうか、そこを教えていただきたいと思います。
#64
○政府委員(二橋正弘君) 先ほど来大蔵省の方からもいろいろ説明がありましたけれども、この問題は基本的に、要するに郵便貯金とか公的年金を原資とした資金を活用して地方団体に長期で安定した、金利として固定した金利の資金を供給するということでございますので、一般的に繰り上げ償還ということを認めますと資金運用部とか財投というのは成り立たなくなるわけでございます。そういう意味で、先ほど金利を理由にした繰り上げ償還ということは財投の立場から難しいという話がるるあったわけでございます。
 私どもは、そういう基本的な考え方はもちろん否定してかかるわけにいかない話でございまして、そういうことも前提にした上で、ただ、非常に地方団体からの方の要望が強くまた多いという問題でございまして、非常に厳しい地方財政の状況のもとで、先ほど大臣からもお話もございましたように、何らかの緊急的措置として弾力的な措置がとれないかと。その場合に、例えば公債費の負担が非常に重い団体など、繰り上げ償還の必要性が極めて高い事情があるような場合、そういうものについて、今言いましたような弾力的な何か措置がとれないかといったような角度から国庫当局の方と相談をいたしておるわけでございます。
#65
○八田ひろ子君 項目としてはそういう交渉をしているというんですが、ここに官庁速報、十二月九日付でありますけれども、ここで今御説明があったような自治省は主張をしている。
 ところが、ここには大蔵省は断固拒否の姿勢を崩していないというふうに報道をされているわけなんですけれども、先ほどもお話がありましたが、今の地方の自治体のこれだけの財政悪化というのは、国の政策の失敗というんですか、そういうのが大変大きいと私は思いまして、大臣自身も地方の財政は容易ならない事態である、極めて厳しい、こういうふうにおっしゃっていますが、だけれどもまず景気対策だというようなこともおっしゃっているんです。しかし、このような地方自治体、先ほど、かつての首長をなさっているときに、借金はしたくない、借金、赤字をもう解消したというお話も伺って、本当に私がお伺いする自治体の長の皆さんも皆同じ思いだというふうに思うんです。
 しかし、なぜこんなに借金がふえてきたかといいますと、九二年から始まる国の景気対策の中での公共事業の積み増し、とりわけ地方単独事業の大幅な押しつけ、これは中途の地方単独事業というのは九二年度から全額借金でやっても構わないという形でどんどんと進めてきたわけです。こういう国の責任、政策を推進してきた結果責任というのは自治省にもあるのではないかというふうに思うんですけれども、その点ではどうなんでしょうか。
#66
○政府委員(二橋正弘君) 地方債の増発ということにつきましては、今、委員がおっしゃいましたように、特に九二年度以降の景気対策による地方債の増発という要素は当然ございます。そういう要素はございますが、同時に、地方財政の場合にはそういう要素を別にいたしましても、例えば学校を建てるというケースをお考えいただきますと、その年の住民が全部税金で学校を建ててしまうということにするよりも、やはり地方債という形で借り入れをして、その学校をずっと三十年とか五十年使うわけでございますから、その間の住民が分担をしていくということの方が財政の論理としては公平だろうということもございます。
 国の場合と違って、やっぱり地方財政は規模も限られているということもございますし、そういう大きな例えば学校のようなものは毎年建てるようなものじゃございませんので、そういうものはやっぱり地方債を活用していかなくちゃいけないという、いわば常時の状態として一定の地方債ということは当然あるわけでございます。
 したがって、今確かに近年では非常にふえて残高も非常に多くなってきたことは大変今回の地方財政危機の一番大きな現象でありますけれども、基本的にまだその根っこに地方債というのは地方財政の中では一定量といいますか、それは常の状態としてあるものだという面もやはり考えておく必要があるだろうというふうに思っておりまして、それだからといって、今の増発された現状を私どもとしては非常に重大な問題であるということを受けとめていることはもちろん変わりはございませんけれども、そういう両面があるということもまた片方で御理解をいただきたいというふうに思います。
#67
○八田ひろ子君 私は地方債全般がけしからぬから全部借金はやめろというふうに、そういうふうに申し上げているわけではなくて、さっき大臣が赤字団体だったんだけれどもそれを解消してきたというふうにおっしゃったので、皆さん本当にそういうふうに御努力を地方ではされているという例として挙げさせていただいたわけです。
 実際にこのように非常に大変になってきた。私もこの前、地方都市の大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望というのをいただきまして、こもごもと御説明もいただいたわけです。また我が党としても、とりわけ今の、今まで非常に豊かだと言われた東京だとかまた大阪、神奈川、愛知、こういうところにも党独自で調査もさせていただいていますけれども、こういう地方債の発行条件等の改善ということで、繰り上げ償還や借りかえについてお願いしますというふうに文書で出てきたのは初めてで、こういう事態なんだというのが今あるというふうに思うんです。
 地方自治体でいろいろ伺っていますと、もう国に協力して借金がこんなに多くなったんだというのは異口同音にどこの自治体でも文書に書いてあります。それは、やっぱり国の政策誘導だというふうに思うんです。十二月三日にも大蔵大臣は、地方にいろいろと御苦労をおかけして反省しているというふうにもお答えになっている。大臣も同席はされていましたけれども、そういうふうにおっしゃっているわけですよ。こういうふうに本当にゆゆしき事態、大変な中で、自治体というのは縁故債の繰り上げ償還をもう一生懸命できるところはやっている。だけれども、利率の高い部分、政府保証の地方債があるわけです。ここにもこれは表にされていますけれども、利率が七%を超えるとか、利率が五%から七%とか、こういうのを何とかしてほしいという、こういう事態なわけなんです。
 ですから、負担を少しでも軽くするために借りかえをというのは本当に仕方ないからというので引くような中身じゃないんです。国の責任があり、自治省の責任を果たす、そういう決意でこの交渉に臨んでいただきたいと思うんですけれども、大臣の御所見を伺いたいんです。
#68
○国務大臣(西田司君) 私は、先ほどのお答えの中で、ごく簡単に国庫当局と前向きで話をしてまいりたい、このように申し上げたんですが、重ねての御質問でもございますし、私はこの問題は確かに国庫当局としては長期間の貸し付けをしておるものですから、いろいろ事情はあると思うんですが、それ以上に地方自治体あるいは地方財政の状況から考えると、簡単に事務的なやりとりだけで片はつけられないなと。だから、自治省といたしましても、ひとつ当局と真剣にこの問題を話を進めてみたい、このように思っております。
#69
○八田ひろ子君 おっしゃるとおりで、新しい制度の導入なものですから、政治的な判断が要ると思いますので、大臣に強く要望をして次の問題に移りたいと思います。
 次に、地方交付税法の改正案についてであります。
 この間、なれない法律をいろいろと読ませていただいたんですけれども、その年の交付税というのは総額が地方財政計画にも明記をされています。交付税法の趣旨からしても、政府や自治省の作成する地方財政計画にも明記されているわけですから、その額を確保することは政府、国の責任なんだと、単純にそういうふうに読み取れるんですが、そうではないんでしょうか。
#70
○政府委員(二橋正弘君) ちょっと御質問の趣旨をはかりかねるところがございますが、交付税が足りなくなった場合に、要するに全部国の責任でその補てんをすべきじゃないかという仮に御趣旨であるといたしますと、今、交付税法で法律で五つの税目の一定率を掛けて総額を定めるということになっております。なっておりますが、今のような状況で、毎年度の地方財政計画を立てる際に、所要財源と入ってくる税金あるいは五税による交付税を見込んでいきますと、どうしても足りない部分が相当額発生してまいります。
 そこで、非常にやりくり算段のような形になりますが、地方債の増発でありますとか交付税特別会計の借り入れという形で今対応をしておるのが実情でございまして、その際に、今、十年度からスタートいたしました交付税法に設けられた制度によりまして、その交付税の足りない分については、国と地方で折半をして足りない分を補てんしようという仕組みが法律で設けられておるわけでございまして、その基本的な仕組みで交付税の足りない分を今確保しているという状況でございます。
#71
○八田ひろ子君 今提案されております法律案の御説明のときに折半だというお話は伺っているわけなんですけれども、しかし、足りなくなったから、年度途中でそういうふうに決めているから折半だということ自体が私は本来の姿じゃないというふうに思うんですね。
 これは、じゃ、なぜ国税がこういうふうに減収してきたかということで見るならば、とりわけ今回の場合は、消費税の増税だとか医療費の負担増など九兆円もの国民負担増を初めとする国の政治の失敗というのが非常な不況を呼び起こし、税収を少なくしているということですね。国の政策的失敗から生まれているのに、それなのに、こういうふうに途中で足りなくなったから、折半としているんだから折半だと、そういう考え方自体が私はどうしても納得できないわけなんですよ。
 それはそうなんですけれども、じゃ、仮にそういうふうに決まっているから折半だというふうにいったとしても、この御説明を伺うんですけれども、折半だというふうにどうしても思えないんですよね。それはなぜかといいますと、国が負担する九千八百億円のうち二千七百億円は来年度の法定加算分の一部を前倒ししたと、こういうふうに御説明があったんですけれども、これは平成十一年度の四千八百億のうちの前倒しですね。しかし、こういう法定加算分というのは地方自治体に入る財源というふうに考えるんじゃないんでしょうか。
#72
○政府委員(二橋正弘君) 今、委員が御指摘になりました二千七百億円、国の一般会計から加算をするわけでございますが、これは交付税法で定められましたいわゆる法定加算ということで、これまでの地方財政対策の中で後年度、各年度にこれだけの額を加算するということをそれぞれ法律で年度と金額を定めたものがこの法定加算でございます。
 今回、全体を折半するということをいたします際に、国の方が責任を持つ折半の部分につきましては、交付税特会で借り入れるものと同時に、その一部についてこの法定加算分、十一年度分の前倒しでありますけれども、そういうことでもって国の負担分を賄うということにいたしておるわけでございまして、これにつきましては、国はもちろん一般会計におきまして赤字国債を発行してそれを実行していく必要があるわけでございまして、これはそういう意味では実質的にも国の負担で国の責任を果たしているというふうに御理解をいただきたいと思います。
#73
○八田ひろ子君 一般会計からの加算措置というのは、赤字国債で歳出予算化するから国の負担だというふうにおっしゃるんですけれども、赤字国債じゃなくても借入金で補てんするということもあるわけですよね。だから、赤字国債で補てんするのも借入金で補てんするのも、交付税の特別会計に入れば変わりはないわけですよね。
 それぞれの加算額というのは、表もいろいろ説明をしていただいたわけなんですけれども、表の説明のときには、本来地方団体が受けるべきお金だ、地方財源と、こういうふうに御説明をいただいているんですが、地方の財源というふうに考えるのはおかしいんですか。
#74
○政府委員(二橋正弘君) 先ほども申しましたように、過去の地方財政対策におきまして、国の方が後年度、年度と金額を定めて交付税に加算をするというふうに定めたものが法定加算でございますので、どういうふうにとらえるかということは、地方の側からいたしますと、将来に確かに権利のあるお金というふうに考えられるべきものでございますが、実際にこれを実行していく場合には、毎年度、実行する年度におきまして国の一般会計において歳出予算化をして初めて実行できるわけでございます。
 その際には国の方で、財源調達の手段として、今のような時期でございますと、赤字国債を発行して、これを実行せざるを得ないというのが国の財政状況でございまして、そういう意味では国の方が国債を発行して国の負担を果たしているということで御理解をいただきたいと思います。
#75
○八田ひろ子君 国債を発行して国の責任を果たしているとおっしゃいますけれども、今おっしゃったみたいに、表をつくった、将来国の財源として加算をしますよということで、要するに、地方の財源ということなんですよね、今御説明いただくと。ですから、地方に将来渡すべきお金、この二千七百億円を、だったら、地方二分の一と書いてあります地方の方の九千八百億円を減額するということに充てればいいと思うんですけれども、そういうのはなぜできないんですか。
#76
○政府委員(二橋正弘君) ちょっと繰り返しになって恐縮でございますが、まず国と地方とで今回の国税の減に伴います交付税の減、これについて十年度当初で法律で制度化されております折半ルールでいこうということの前提のもとに減収額の半分を定めるわけでございます、それぞれの責任を持つ分について。
   〔委員長退席、理事山下八洲夫君着席〕
 それを実行する際に、国の方で特会に借り入れるもののほかに一部そういう先の法定加算を前倒しして持ってきて、合わせて二分の一、折半の責任を果たすということで今回のような措置をとっておるわけでございます。
#77
○八田ひろ子君 どうも今の御説明で私は理解ができないんです。将来国に渡しましょうという地方の財源、それがなぜ地方の借入金の方に充当しないのか、国の負担分の方を減らすのか、こういうやり方で年度途中でも法定加算分というのが前倒しされてどんどんふえているわけですよね。
 そこで、お伺いしたいんですけれども、そういう前倒しされた額というのは、最近十年でいうとどれぐらいになってきているんでしょうか。
#78
○政府委員(二橋正弘君) 最近十年間でというお話でございますが、後年度の法定加算分を前倒しして加算をいたしましたものは、総額で約一兆七千億でございます。
#79
○八田ひろ子君 一兆七千億というのは、本当に大変な金額で、重大だというふうに思うわけですけれども、こういうふうにやっていってずっとうまくいくんですかね。それが数字合わせでどんどんとやっていって財政がうまくいくのかどうか非常に心配なんですけれども、それはもう大丈夫ということなんですか。
#80
○国務大臣(西田司君) なかなか混乱しておるようですから、私の方から。
 今回の二千七百億円の加算問題ですけれども、簡単に言えば、平成十年度において国税の減収によって多額な交付税分の減収が発生をした、それをどう処理するかということは大きな問題でございまして、それに対して国と地方で当面折半してやりましょう、こういうことにいたしました。それで、そのことは基本的には交付税特別会計で借り入れをいたしますと。国負担分のうち二千七百億円については平成十一年度からこれを前倒しして、法定加算分を前倒して行いますよと。ですから、結論として、委員が御心配になっておる、それが地方に全部かぶってくるのじゃないの、こういう御懸念だろうと思いますけれども、そのことは国と地方が折半して負担する考え方を転換していこうという考え方は全く持っておりませんから、そういう御理解をしていただきたいと、このように思っております。
#81
○八田ひろ子君 私の、大丈夫かという質問にはお答えいただいていないんですが、今、大臣はこの折半はやめないというふうにおっしゃるんですけれども、来年度は十兆円を超す地方財政の財源不足と。これはとてもこういうやり方ではもう無理だというふうに思うわけです。
   〔理事山下八洲夫君退席、委員長着席〕
 今、三年間国と地方で財源不足の補てんは折半という御説明があって、これは財政構造改革を受けたものなんですけれども、もとになる法律が凍結ということ、しかもその法律の目的として、財源不足を減らすこと、こういうふうに書いてあるんですけれども、来年は十兆円もの財源不足が生じる事態、こういう点からいってもこの折半というのは当然改めて、根本的な財源補てん策が必要だということを申し添え、私の時間が終わりですので、質問を終わります。
#82
○清水澄子君 社民党の清水澄子です。
 今の議論と重なるところはできるだけ省きたいと思いますが、私もやはり、今回の補正予算に伴う地方交付税へのはね返り分の補てん一兆九千六百億円についての国と地方のいわゆる折半ルールについて、非常に疑問を持っている一人でございます。
 今いろいろやりとりを聞いていましても、やっぱり納得できないところがあるんですが、仮に折半がやむを得ないとしても、今回の措置は本当の意味での折半ではないと思います。本来、この加算される額を確実に加算するというのがなぜ国の負担というふうに言えるのか、非常に疑問なんです。また、折半というのであれば、普通折半というときは半々というのが大体折半だろうと思うんですけれども、この折半という中身を見れば、国の負担のうち二千七百億円はもともと地方の財源に当たるわけですから、国は三五%分しか負担していない。そういうのを、折半と言うんだったら五〇%やっぱり負担をするという、普通ならばそういう認識になると思いますが、この点でのもう一度、はっきり国民にわかるような御答弁を明確にお答えください。
#83
○政府委員(二橋正弘君) 繰り返しで大変恐縮でございますが、国税の年度途中におきます減収に伴いまして交付税に減が出てくる、その減が出てきたときに、既に交付税は配分済みでございますから、その額を確保しなくてはいけないということがスタートでございまして、その場合にどういうふうにしていわば穴のあく分を補てんするかということでございます。
 今は、十年度から交付税が不足した場合の補てん策として、制度的に三年間の制度として、国と地方が折半をしてその補てんをするというふうな仕組みがスタートいたしておりまして、年度の途中でこういう事態が生じましたけれども、仮に年度の当初にそれだけの額が不足するということになれば、当然折半でいくということになるわけでございます。
 そういう意味合いで、まずこれを折半しようということを話のスタート台といたしまして、折半するに当たって国が分担をする半分のものにつきましては交付税特別会計で借り入れると同時に、その一部につきましては後年度加算をすることにいたしておりました法定加算を前倒しして、これは国の方が今回の補正予算でその分赤字国債を増発して歳出予算化して実行するわけでございまして、そういうことをあわせて国の方の半分の責任を果たす、地方の方の特会の借り入れ分は地方の方で責任を果たすということにしたというのが今回の措置でございます。
#84
○清水澄子君 私の質問十五分しかありませんので、お答えの方が長いというのは困りますので、ひとつ簡潔にお願いいたします。
 今おっしゃったように、今年度の地方財政対策を決定した際に、自治大臣と大蔵大臣の覚書で三年間は折半ルールでいくということを確認されているわけですね。しかし、この三年間というのは財政改革法による集中改革期間ということで設けられたはずでありまして、財政構造改革法を凍結するというのであれば、その凍結の間の折半ルールというのはどのようになさるのでしょうか。
#85
○国務大臣(西田司君) 短くお答えをいたします。
 来年度の地方財政対策については、この制度改正の趣旨、それから極めて厳しい地方財政の状況を考えながら、地方財政の運営に支障がないように最大限の努力をしていく考えであります。
#86
○清水澄子君 全然お答えになっていないと思うんですけれども。私どもとしましては、この際やはり財源不足については交付税法第六条の三第二項に基づいてきちんとした制度の改正が必要だと考えております。また、やはり財政構造改革法が凍結されている間は交付税特別会計の借入金にかかわる元利償還も凍結すべきであると、このように考えますけれども、どのようなお考えでしょうか。
#87
○政府委員(二橋正弘君) 財革法との関係でのお尋ねでございますが、確かに平成十年度に三年間のこのルールをつくりましたときには、そういう財政構造改革の特に集中改革期間ということは念頭にありましたのは事実でございますが、この制度を設けます場合には、あくまでも地方交付税法の六条の三第二項の規定に基づく制度というふうにつくっておりますので、形の上では一応それと切り離して考えられることができるだろうというふうに私どもは考えております。
 それから、その間の交付税特会の借り入れにつきましては、この三年間はいわば借り入れの償還を繰り延べるというふうな措置をあわせてとっておりまして、十三年度以降に繰り延べるという措置をもう現在の法律でとっております。したがいまして、今、委員の御指摘になりましたようなことは、十三年度以降どうするかというその時点で再度また考える必要があろうかというふうに思っております。
#88
○清水澄子君 では凍結をしないということなんですね。
 そこで、この法案のもう一つの改正内容で、今回、特別養護老人ホームの建設費とか、都道府県からの社会福祉法人等の補助金など、緊急経済対策ということに伴って非適債事業にも交付税が措置されることになっております。各自治体もこの措置を歓迎しているということは私も承知をしているわけですけれども、しかしなぜ普通交付税ではなくて特別交付税で行うかについてお伺いしたいと思います。
#89
○政府委員(二橋正弘君) 今回のこの措置は、かなりの部分は今おっしゃいましたような社会福祉施設の関係を念頭に置いて、制度といいますか加算をすることにいたしたわけでございますが、普通交付税で算定をいたしますと、どうしてもやはり、社会福祉施設関係のいわば客観的な指標をできるだけ入れて計算するというのは筋でございまして、そういたしますと、こういう施設整備を行うところと行わないところとの区別なしに、なるべく公平に算入しようということになります。しかし、今回の補正予算で行います場合には、具体にその施設整備を行うところの地方負担が問題でございますので、実際に箇所づけが行われて具体に整備を行うところ、そういうところの地方負担にこの交付税を充てていく上で特別交付税の方がやりやすいということでそういうふうに考えたものでございます。
#90
○清水澄子君 しかし、特別交付税といっても交付税でございますし一般財源であるはずです。ですから、今回の措置は特別交付税を実質的に補助金化しているようなやり方に見えるわけですが、むしろ特例的に起債を認めて、そして後年度に元利償還を交付税で措置するというやり方もあると思うわけです。
 今回は臨時、特例の措置としてわからなくもないのですけれども、やはりこれは、大臣、特別交付税の補助金化ではないということをここで、補助金化ではないんだという、そういう性格ではないということを明確にお答えいただきたいと思います。
#91
○政府委員(二橋正弘君) 特別交付税といいましてももちろん交付税でございますから、今申しましたような算定をいたしますのはあくまでも交付税の計算の算定の基礎でございまして、その交付税をどうやって使うかということは交付税法で使途制限というのが当然ございますから、そのことでこれは補助金化するものでないということは当然でございます。私どももそこのところは十分心得ておるつもりでございます。
#92
○清水澄子君 私は、今各議員がそれぞれ今日の地方自治体財政の危機についてみんな非常に心配をしていますし、それらの責任というものもやはり議会にあると思っております。
 そこで、大臣、今一番大事なことは、国と地方自治体の財源の再配分というものをもっと徹底的に議論をして、そして国と地方の税財政のあり方を抜本的に改めていくことではないかと思います。
 今日の地方自治体の財政危機はまさに構造的な問題を浮き彫りにしていると思われます。こうした危機を打開するには、やはり抜本的な税の再配分問題に手をつけなければこれは解決できない問題だと思うわけです。ですから、交付税制度のあり方も含めて、根本から見直すということが私は重要になってきていると思うわけでございます。そして同時に、財政構造改革法の凍結についてもこうした基本的な論議を十分行った上で、地方分権型の税財政システムをどのように展望していくのか、そういう新たな設計図を描いていく今まさにその機会ではないかと考えるわけです。
 このことにつきまして、大臣の地方財政についての責任と、それから今私が御質問申し上げました見解にぜひ明確にお答えいただいて、そしてそれを実行するという大臣の御決意を伺って私の質問を終わりたいと思います。
#93
○国務大臣(西田司君) 地方の財源不足を補てんして、交付税総額をどのように確保するかについては、そのときの国と地方の役割分担とか財政状況等を踏まえて判断し、対処していかなければいけない、基本的には私はそう思っております。
 しかし、地方財政の現状を見据えますと、極めて厳しい財政状況にありまして、毎年度の地方財政対策において、地方財政の運営に支障が出るおそれがありますので、これは適切に対処していかなければいけない、このように思っております。
 同時に、今も御指摘がございましたが、地方分権推進計画に沿って国庫補助負担金の積極的な整理合理化、また地方税、地方交付税等の必要な地方一般財源の確保に努めていかなければいけない。基本的には地方の歳出規模、それから地方の税収、こういうもののできるだけ乖離を縮小していかなければなりません。そういう観点に立って取り組んでいかなければいけない、このように思っております。
 とにもかくにも、地方税の充実確保を図っていかないと地方財政の自主性、自立性というものは成り立たぬわけでございますから、そういうことに私どもは全力を挙げて取り組んでいかなければいけない、このように思っております。
#94
○清水澄子君 終わります。
#95
○高橋令則君 もろもろな事情もございますので、一点だけ大臣にお聞かせをいただきたいと思います。と申しますか、私の意見のようなつもりで申し上げるわけですが、所見をいただきたいわけでございます。
 各委員の御質問や御意見をいただき、また特に先ほど清水委員がおっしゃったことについて私同感でございます。地方の窮乏というのは非常に厳しい、生なかの方向ではもう出てこないだろうというふうに私は思っております。よほど大胆な改革をしなければできないだろう、それは税だけでは多分できないだろうというふうに私は思います。
 我が党も提案をしておりますけれども、社会保障システムを、これも保険料の問題にあるわけですけれども、それを含めて、国、地方を通ずる税制、これを抜本的にやらなければできないのではないかというふうに思っております。これは、結局、全体的には負担の問題でありますけれども、需要の問題、需要というか給付の問題とも絡んでまいります。したがって、それを含んで取り組んでいく必要があるのではないかと思います。
 これは自治省だけではできません。当然ながら大臣は閣僚でいらっしゃいますので、したがって厚生省の問題、そして大蔵省の問題、そういう大きな立場からこの問題に取り組んでいただきたい、そういうふうに思います。御所見をいただきたいと思います。
#96
○国務大臣(西田司君) 地方税源の充実確保は、お話にもございましたように今後進めていかなければいけない地方分権の中で極めて重要な課題だと私も同感でございます。
 今後とも、国民負担のあり方などにも十分な配慮をしながら、地方税源の充実確保について積極的に検討をしてまいりたい、このように考えております。
#97
○高橋令則君 終わります。
#98
○松岡滿壽男君 参議院の会の松岡でございます。
 もう先行議員の質問に尽きるわけでありますけれども、先ほど大臣のお話を伺っていますと、現在の地方自治体の百六十六兆円の赤字という未曾有の状態の中で、二兎追う者は一兎をも得ずだと、まず景気対策、経済の立ち直りにすべてをかけられるというようなお話でございますけれども、それではやはり今の地方の問題は解決しないわけでありまして、今高橋さんが言われたようにいろんな税体系の問題とか年金の問題、あるいは行政改革の問題、今の状況ですとやっぱり二兎を追う者は一兎をも得ずじゃなくて、二兎を追う者は三兎を得るぐらいの気持ちで、多面的なやはり対応とかそういうものが迫られているときだと私は思うんです。
 私自身は地方がどんどん元気がなくなってくる、それを何とかするためにはやはり地方分権が一つ必要だ、地方が元気が出る仕組みをつくらなきゃいかぬ。
 もう一つは、やはり官の方があれをするなとかこれをするなと言う時代じゃない。民間が元気になる仕組みをつくろうということで二兎を追ってまいったわけでありますけれども、そういう中におきまして、せんだって衆参両院の国会議員七十名で構成します鉄鋼政策フォーラム、この代表を私お引き受けをいたしたんですけれども、昭和四十六年に私も新日鉄をやめまして地元の市長になったんですが、そのときに鉄鋼がちょうど九千二百万トン、粗鋼ベースで。ずっと一億トンになって二十八年かかってもとに戻っちゃっているんですよ。そのぐらい経済は今厳しい状況でして、ことしになってからも政府の対応というのは最初の十六兆に始まって金融対策で六十兆、そして今回の二十四兆、百兆円からの財政出動というものを一応見込んでいるわけです。
 しかし、国民世論をいろいろ聞いてみましても、七〇%に近い国民が今回の二十四兆円で景気回復するとだれも思っておりません。私自身もこれは数年間続くだろう、その間一体どうするのか。大臣のように二兎を追う者は一兎をも得ずで景気対策にひたすらすがっておっても何の解決にもならない。先ほど来の議論がこうありますね。
 そういう中で、やはり今回第五次の地方分権推進委員会の答申等の中でいろいろな提案がなされている。統合補助金の問題もそれは確かに私は一つの考え方だと思います。
 しかしそういう中で、例えばかつては県道を国道に上げていくというのが中央政治家、国会議員の一つの仕事であった、二級河川を一級河川にやっていく。それが今度逆に国道を地方に持っていくということに対して非常に地域は困惑しているんです。結局どういう分権をしていくのかという視点が見えない。だから私がお伺いしたいのは、今の景気対策、一兎を追っていこうというお気持ちはわかりますが、現在の状況については非常に見通しが暗い。そうすると、地方の財源については一体どう対応されるのか。
 それからもう一つ、第五次の数次にわたる地方分権推進委員会からいろんな形での意見が出ていますが、当面今のような国道移管の問題、そういうものも含めて地方分権というものを自治省として、やはり地方から見れば父親であり母親であるそういう自治省として、こういう問題についてどういうふうに考えておられるのか、御意見を伺いたいと思います。
#99
○国務大臣(西田司君) 地方分権とこれからの地方のあり方についての御質問でございました。私が日ごろ考えておりますことを率直にお答えしたいと思います。
 よく言われておるように、長らく続いてきた中央集権というものがもう限界を通り越しました。そうすると、地方分権ということにこれは好むと好まざるとにかかわらず取り組んでいかなければいけないのです。そこで、地方分権地方分権という言葉がもう数年前から歩いておりますけれども、私はこのように考えております。
 まず、国と地方のあり方というものはどうあるべきか、よく国と地方と言われるんですけれども、私の考え方は国と都道府県と市町村と、こういうものが対等に役割分担、それからもう一つ重要なことは税財源、それからもう一つ最後に、私は最近はどうも暗い話が多くていかぬ、だから将来に地域の住民の人が夢や希望やそういうものを持ってやっていけるような、そのために必要ならば地方行革や市町村合併も必要でしょう、そういうことをやっていく、これがまさに時代の大きな転換期を迎えた一番我々にとって大事なことではなかろうか、こういうことを考えております。
 それから、別に松岡委員の言葉をとるわけではないんですけれども、二兎を追う者は一兎をも得ず、それで何にもとらなんだらどうするのと、こういうことも多少含まれておったような感じがするんですけれども、私はやはり人間は神様でない限り余り間口を広くしてあちらもこちらも手を出しよったら本当に一兎も得ずということになってくる。だから、そのときその時代、もちろん国民の考え方というもの、そういうものも、ニーズも大切です。しかし、政治のあり方というものはきちっと焦点を絞ってそのことに集中して、そしてものをつくり上げていくということが私の七十年の人生経験の中で非常に勉強になっておりますので、御理解をいただきたい、このように思います。
#100
○岩瀬良三君 じゃ、もう少ししばらくの御辛抱をお願いしたいと思います。
 順序を変えまして、内閣の内政審議室の方、お見えになっていますか。――見えていないかな。それではまた見えたときにあれいたします。
 今それぞれの委員から言われたことと同じなんですが、一つ初めに事実関係、ちょっとお知らせいただければと思うわけですが、九八年度の地方の財源不足、これはいろいろ言われておりますけれども、その財源不足とその対策、それはどんなものでしょうか。
#101
○政府委員(二橋正弘君) 平成十年度は、当初の段階でございました財源不足は、既に御審議いただきました地方交付税法におきまして地方債と交付税特別会計の借り入れを主といたしまして財源対策を行いましたが、十年度に入りまして地方税収入が地方財政計画で見込みました額三十八兆四千億でございますが、それを三兆円程度下回ってくるというふうな見込みになってまいりました。そのほかにもう一つ、先ほど来御議論のございます国税の減収に伴います地方交付税の減というのがあるわけでございまして、両方合わせますと年度に入りましてから約五兆円の財源不足が見込まれておるわけでございます。
 そのうちの交付税につきましては、今回御審議をお願いしているような形で穴埋めをいたしたいと考えておりまして、地方税につきましては、これはこれからそれぞれの個別の団体ごとの減収額がございましょう、それから団体ごとの財政状況がございますので、よくそこのところはお話を伺いながら、必要があります場合に今年度の減収補てん債の発行により対応していく、それから来年度交付税の精算でいけるところはそのやり方でいくということで対応していきたいと思っております。
#102
○岩瀬良三君 それから次に、九九年度のこれはまだ未確定なところがあるかと思いますけれども、財源不足とその対策はどう自治省の方は見ておられましょうか。
#103
○国務大臣(西田司君) 来年度の地方財政対策につきましては、地方税や地方交付税の原資となる国税五税の伸びが見込まれません。そういうことから、またもう一つ、もう一面は、先ほども御議論があった公債費の増加等の中で当面の最大の課題である経済対策にも取り組んでいかなきゃいかぬ、こういうことが起こってくるわけでございます。
 先ほどもお答えしたように、約十兆円ぐらいの巨額の財源不足が起こってくるのではないか、こういう見方をしておりまして、かつてない極めて厳しいものとなることが予想されるところでございます。
 そこで、私といたしましては、地方団体の方々が安心して行財政の運営ができるようにしていくことが最も大切なことだと考えております。地方団体関係の方々の御意見も十分踏まえながら、承りながら、地方交付税の、地方一般財源の確保に全力を挙げて取り組んでいきたい、このように思っております。特に、当面適切な地方財政対策を講ずるよう最大限の努力を払うことが我々の使命である、このように考えております。
#104
○岩瀬良三君 今、ことしそして来年度の財源不足が非常に巨額になるというふうなお話を承りまして、大臣もこの間の経済対策についての地方財源対策に非常なお骨折りいただいて、一応の結果を見たようでございます。
 それは多とするところでございますけれども、各委員からも先ほど来お話があるように、毎年こういういろいろな対策、財源不足または税収不足に伴う財源対策、また年度当初におきましてはことしも五兆四千億からのいろいろな財源対策がとられたわけでございます。これは今年度単年度だけじゃなくて、近年そういうことがずっと続いておるわけでございまして、その結果、今いろいろなお話がありましたように交付税会計でも多額の借入金を持ってきているというようなことであります。
 また、地方債も非常な現債残高になってきているということで、地方財政も非常な危機に陥っているということはもう皆さん今のお話のとおりであろうと思いますけれども、そういう対策が、今までは大体地方交付税の総額の確保または起債でこれを処理してきたということであるわけですけれども、もうこれもそろそろ限度に来ているんじゃないかというふうに思うわけでございます。
 いろいろな御苦労をいただきながらこういう対策をとっておるわけでございますけれども、先ほど来話がありました地方六団体の総決起大会でも、地方交付税の安定的総額の確保というのと、もう一点は先ほど大臣も言われました税源、これの移譲という問題、こういう問題も言われておるわけでございます。各団体が税源の移譲というのは、ことしが、地方分権のいろいろな法律が今後出てくるという時期もあるのかもしれませんけれども、これほど移譲の問題が言われてきているときは私はないように思うわけでございまして、そういう意味で交付税総額の確保、起債の確保ということだけでいいのかどうか。そういう点ではもう転回していかなきゃならないときになってきているんだろうと思うわけでございます。
 また、毎年いろいろ御苦労いただいております地方財政計画でも、これもなかなか当初見込みどおりいかないというのが実態でございまして、これらにつきましても、また減収の点におきましては地方財政対策としていろいろ御苦労されている、こういうことでございますので、そういう点についての所感をお願いしたいと思います。
#105
○国務大臣(西田司君) 地方行政委員会ですから、地方関係の委員会ですから、話題というのは地方に重点を置いた、目を向けた話題が中心になってくると思います。
 しかし、私は、今の国の状況をじっと冷静に見た場合に、国と地方は当面する問題を一体的にどう解決をつけていくかということでないと、国は国、地方は地方、そういうことでは私はこの難局というものは地方にとっても乗り切っていくことができない、このように思っております。
 それからもう一つ、いろいろ財政構造の問題とか地方税の問題とかが議論になるわけでございます。私も全く同感でございます。このままほうっておくわけにはいかないと思っております。
 しかし、そのことをやるためには当面をどう乗り切っていくかということもお互いが忘れないように取り組んでいかないと、究極の地方財政構造の問題にしても、国の問題もそうでありますけれども、私はできないんじゃないか、こういう感じがしておるものですから、若干意見は違うでしょう、意見は違いましょうけれども、私どもは三千三百の地方自治体と一緒になって、あすの新地方の自治というものをどうつくり上げていくかということに焦点を絞ってやっていかなきゃいけない。交付税の問題しかり、あるいはその他の問題がたくさんあるわけでございますけれども、そういうことにひとつ皆さんの御理解もいただきながら取り組んでまいりたい、このように考えております。
#106
○岩瀬良三君 ありがとうございます。お骨折りをいただきたいと存じておる次第です。
 それでは時間の関係で、あと内政審議室の方にお願いしておりますので、ひとつお聞きしたいと思います。
 地方分権委員会で第五次勧告がなされました。今までの四次勧告では推進計画をつくりというような経過があったわけでございますけれども、この第五次勧告は、今までと内容がちょっと違ったような形の勧告でございますけれども、その取り扱いはどういうことになりましょうか。
#107
○政府委員(竹島一彦君) 十一月十九日でございますが、地方分権推進委員会から第五次の勧告をいただきました。その主な内容は、公共事業のあり方の見直し、非公共事業等のあり方の見直し、それから三つ目に国が策定または関与する各種の開発・整備計画の見直しという大きく三つの柱から成った第五次勧告をいただきました。
 これを受けまして、政府は十二月一日の閣議決定をもちまして、この第五次勧告を最大限に尊重し、平成十年度内を目途、すなわち来年の三月末までにこれに対応いたします新たな地方分権推進計画を作成するという閣議決定をしております。そういう日程に基づいて今鋭意作業をしているところでございます。
#108
○岩瀬良三君 もう一問だけ質問させていただきます。
 今回の勧告ではいろいろ難しいことがあり、お骨折りがあったわけでございますけれども、そういう公共事業の中でのいろいろ区分範囲というものが基本原則だけここで書かれていて、あとは政府の方、また各省にゆだねられている点があろうかと思いますが、そういう点での折衝、やりとりというのは内政審議室の方でやられるんでしょうか、それともその判断は各省での検討ということになるんでしょうか。
#109
○政府委員(竹島一彦君) 今お尋ねが公共事業に関してございました。
 公共事業につきましては直轄事業と補助事業があるわけでございますが、直轄事業につきましては、直轄事業として行う事業の基準の見直しということが言われておりまして、その基本的な考え方が第五次勧告でうたわれております。
 具体的には各事業官庁におきまして、当該審議会におきましてこの基準の見直し、例えば道路なら道路、河川なら河川ということで今行われておりまして、それは中間的な取りまとめが行われておりますけれども、最終的な結論はまだ得られておりません。
 それから、補助事業につきましても統合補助金というのが言ってみると今度の第五次勧告の中の大変大事な点だと思っております。これは事業をやる場合の箇所づけを国はしないというものが統合補助金の大事な点だということになって、それが勧告に入っているわけでございますが、こういった統合補助金をいつからやるのかという問題が残っております。
 このことにつきましては、直轄事業の基準の見直しにしても統合補助金にしましても、いつからやるか、どういう内容でやるかということの細目につきましては政府部内でタイムスケジュールを含めて決定をして、三月末までにつくる推進計画の中において明らかにさせていただきたい。その作業はそれぞれの事業官庁において当然検討しておりますけれども、推進計画自体は内政審議室が取りまとめるということになりますので、そういう立場におきまして、この第五次勧告を最大限尊重するという閣議決定の趣旨に反しないような内容にするべく必要な調整はさせていただきたいというふうに思っております。
#110
○岩瀬良三君 ありがとうございました。終わります。
#111
○委員長(小山峰男君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#112
○藤井俊男君 民主党・新緑風会の藤井俊男でございます。
 私は、民主党・新緑風会を代表して、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対し反対の立場から討論を行います。
 討論に先立ち我が会派は、地方交付税の総額を早急に確保し、自治体の運営に支障を来さないようにすべきであると考えていることを強調しておきたいと思います。
 反対する理由の第一は、本案のもとになっている平成十年度第三次補正予算そのものに賛成できないことであります。現在の経済情勢を考えれば、一刻も早く減税を実施すべきですが、政府はこれを通常国会に先送りしております。これでは景気刺激策として十分な効果は期待できないものであります。
 公共事業も従来のように国が事業の種類や箇所づけを決めて行うものであり、地方の自主性は全く尊重されておりません。
 民主党は、緊急対策であっても、構造改革につながる景気・雇用対策でなければならないと考え、抜本的な税制改革の方法に沿った個人所得税や法人税の減税、地方主体の新社会資本整備などを提起していますが、政府の対策はそうした方向性とはほど遠いものであります。
 第二は、地方財政危機をさらに悪化させる内容であることです。
 今回の経済対策における一般公共事業の地方負担分は、すべて地方債で負担することとされていますが、既に公債費負担比率が警戒ラインである一五%を超えている団体が全体の六割近いことを考えれば、これ以上地方に地方債の発行を強いるのは、政府が自治体を倒産に追い込むに等しいものであります。
 また、国税減収分の補てんを国と地方が折半で負担するということですが、国の一般会計の加算措置は、将来国が地方に返すべきものを前倒ししただけであり、実質的な国の負担は半分にはなっていません。そもそも基準財政需要額を賄うために財源を確保するのは国の責務であり、税収が不足したからといって地方に負担させるのは法の趣旨に反していると言わざるを得ません。
 地方分権の推進に伴い、税財源の移譲が急務になっており、こうした緊急措置においても、地方税財政制度の抜本的改革に端緒を開く方法をとるべきと考えます。
 以上、地方財政を一層の危機に追いやる第三次補正予算及び本案に反対であることを重ねて申し述べまして、私の討論を終わります。
#113
○阿南一成君 自由民主党の阿南一成であります。
 私は、自由民主党を代表いたしまして、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の討論を行うものであります。
 今回提出されました法律案は、今年度の国税の減収に伴う地方交付税の影響額を補てんするため、交付税特別会計の借入金を増額するなど必要な措置を講ずるとともに、緊急経済対策により追加される事業の円滑な実施のため、所要の交付税総額を増額することを内容としております。
 これらの措置は、現在の経済情勢の動向、地方の財政状況等から見まして、地方財政の円滑な運営にとりまして極めて適切なものと考え、本案に賛成の意を表するものであります。
 政府におかれましては、緊急経済対策を強力に推進し、一日も早く景気回復を実現されるとともに、地方団体に対する財源措置の一層の充実に努めるよう強く希望するものであります。
 以上をもちまして、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する私の賛成討論を終わります。
#114
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
 私は、日本共産党を代表して、地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。
 反対の第一の理由は、財源補てんに責任を持つ国の責任が果たされていないからであります。
 地方交付税は、国税三税の三二%、消費税の二九・五%、たばこ税の二五%などを財源とする自治体の共有の財源であります。地方自治の本旨を実現するために交付税の総額を確保することは国の責任であります。今回の交付税減収見込みの原因は、消費税増税や医療費負担の値上げ、自治省通達に基づく自治体リストラの強要による住民の福祉、教育、暮らしの切り捨てなどにより個人消費を冷え込ませ、景気を悪化させた政府の失政の結果であります。年度途中の交付税の減額については、法の趣旨からして全額国が責任を負うべきものでありますが、とりわけ今回の減額についてはその感を強くします。
 ところが、今回の交付税減額分一兆九千六百五十六億円のうち、国は七千百二十八億円負担するだけで、残り一兆三千億円を地方負担にさせており、これでは到底認めるわけにいきません。
 第二の理由は、今回、政府の景気対策の中の非公共・非適債事業に係る自治体の補助金支出分について、一千三百億円の交付税を加算することについてであります。
 これは、国が景気対策事業として年度途中に自治体にその執行を求める以上、その財源を措置することは当然でありますが、その配分を特別交付税という形でその事業の執行いかんによって配分することにしており、これは近年顕著に見られます交付税の政策誘導化であり、こういうやり方は容認できません。
 九二年八月の景気対策以降、相次ぐ政府の公共投資追加により自治体財政が動員され、自治体財政の破綻が広がり、地方財政赤字は九八年度末には百六十六兆円もの額に膨らみ、同時に、政府の要求する自治体リストラが無慈悲にも敬老金廃止や高校入学金の八倍化など、住民の福祉、教育、暮らしのサービス切り捨てを推進することとなり、この影響を受けて、社会的セーフティーネットの崩壊への不安感を高め、そして家計消費を冷え込ませ、景気悪化をもたらしています。
 私ども日本共産党は、自治体財政の拡充と景気回復の両立のために、国からの税源移譲による自主財源の拡大、交付税率の引き上げ、政府系資金の地方債借りかえなどとともに、政府による自治体リストラの押しつけの撤回、公共事業の抜本的見直しなどを要求し、私の反対討論を終わります。
 以上であります。
#115
○委員長(小山峰男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 地方交付税法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#116
○委員長(小山峰男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(小山峰男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時四十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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