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1998/12/04 第144回国会 参議院 参議院会議録情報 第144回国会 本会議 第4号
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1998/12/04 第144回国会 参議院

参議院会議録情報 第144回国会 本会議 第4号

#1
第144回国会 本会議 第4号
平成十年十二月四日(金曜日)
   午後二時五十四分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第四号
  平成十年十二月四日
   午後二時二十分開議
 第一 国務大臣の演説に関する件
 第二 漁業に関する日本国と大韓民国との間の
  協定の締結について承認を求めるの件
 第三 排他的経済水域における漁業等に関する
  主権的権利の行使等に関する法律及び海洋生
  物資源の保存及び管理に関する法律の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(斎藤十朗君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の演説に関する件
 大蔵大臣から財政について発言を求められております。これより発言を許します。宮澤大蔵大臣。
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(宮澤喜一君) 今般、さきに決定されました緊急経済対策を受けて、平成十年度補正予算を提出することとなりました。その御審議をお願いするに当たり、当面の財政金融政策の基本的考え方について所信を申し述べますとともに、補正予算の大要について御説明いたします。
 まず、最近の経済情勢とさきに決定されました緊急経済対策について申し上げます。
 最近の経済情勢を概観いたしますと、公共投資には前倒し執行等の効果がようやくあらわれてきたものの、民間需要は低調な動きとなっており、このため、生産は低い水準にあり、雇用情勢も依然として厳しく、景気は低迷状態が長引き、極めて厳しい状況にございます。
 政府としては、こうした経済の現況を踏まえ、金融システムの再生と景気回復を最優先課題として取り組んでおります。
 こうした中で、先般、現下の厳しい経済情勢から早急に脱却し、内外の信頼を回復するため、総事業規模十七兆円超、恒久的減税を含めれば二十兆円を大きく上回る規模の緊急経済対策を決定いたしました。
 本対策におきましては、経済全体にとっていわば動脈とも言うべき役割を担う金融システムを再生することが日本経済再生のためにはまず必要との認識のもと、金融システムの安定化と信用収縮の防止に取り組むことといたしております。
 具体的には、金融システム安定化策として、先般成立した金融機能再生法及び金融機能早期健全化法を車の両輪とする新しい枠組みに基づく制度の実効ある運用等を図ることといたしております。また、信用収縮を防ぐため、中小・中堅企業等に対する信用供与が確保されるよう、先般閣議決定された中小企業等貸し渋り対策大綱に基づく施策の推進に加えて、日本開発銀行等の融資・保証制度の拡充のほか、信用保証協会等による新たな信用保証制度の導入等を行うこととしております。
 あわせて、二十一世紀型社会の構築に資する景気回復策として、まず、緊急に内需の拡大を図るため、省庁横断的に実施する二十一世紀先導プロジェクト、生活空間倍増戦略プラン及び産業再生計画も踏まえ、二十一世紀を展望した社会資本の重点的な整備を進めることとしております。また、住宅投資の現状にかんがみ、住宅投資促進策を講ずるとともに、早急な雇用の創出及びその安定を目指し、雇用対策を行うこととしております。さらに、個人消費の喚起と地域経済の活性化を図るため、地域振興券を交付することとしております。
 また、世界経済リスクへの対応に際しての我が国の役割の大きさを踏まえ、我が国と密接な相互依存関係にあるアジア諸国の実体経済回復の努力を支援するため、アジア支援策等を実施することといたしております。
 次に、税制について申し上げます。
 個人所得課税については、平成十一年以降、所得税の最高税率を三七%に引き下げること等により、国、地方を合わせた最高税率を五〇%に引き下げ、これに定率減税を組み合わせることにより、四兆円規模の減税を実施することといたしております。
 法人課税については、平成十一年四月以降開始する事業年度から、法人税の基本税率を三〇%に引き下げること等により、国、地方を合わせた実効税率を四〇%程度へ引き下げることとしております。
 その際、地方財政の円滑な運営に十分配慮する観点から、これらの恒久的な減税の実施に伴う当分の間の措置として、国のたばこ税の税率引き下げと同額の地方たばこ税の税率引き上げ、法人税の交付税率の上乗せ、地方特例交付金などの措置を講ずることとしております。
 政策税制につきましては、現下の厳しい経済情勢に対応するため、景気回復に資するよう、住宅建設・民間設備投資等真に有効かつ適切なものについて、早急に具体案を得るよう、精力的に検討を進めます。
 これらの税制改正を具体化する法案は次の通常国会に提出することといたします。
 次に、財政構造改革法の凍結について申し述べます。
 財政構造改革法については、財政構造改革を推進するという基本的考え方は守りつつ、まずは景気回復に向けて全力を尽くすため、これを当分の間凍結することとし、そのための法案を提出したところであります。
 次に、今般提出いたしました平成十年度補正予算の大要について御説明いたします。
 平成十年度一般会計補正予算については、歳出面において、緊急経済対策関連として、信用収縮対策等金融特別対策費二兆千四百二十四億円、二十一世紀を展望した社会資本整備及び災害復旧等事業費三兆九千六百一億円、地域振興券七千六百九十八億円、住宅金融対策費千九百億円、雇用対策費千二百四十六億円並びにアジア対策費五百十億円を計上するとともに、地方交付税交付金四千億円を計上することとしております。
 このほか、義務的経費の追加等特に緊要となったやむを得ない事項について措置するとともに、既定経費の節減及び予備費の減額等を行うこととしております。
 他方、歳入面におきましては、租税及び印紙収入について、最近までの収入実績等を勘案して六兆八千八百四十億円の減収を見込むとともに、その他収入の増加を見込んでもなお不足する歳入について、やむを得ざる措置として十二兆三千二百五十億円の公債の追加発行を行うこととしております。
 なお、追加発行する公債のうち、四兆五千百五十億円が建設公債、七兆八千百億円が特例公債となっております。今回の措置により、平成十年度の公債発行額は三十四兆円となり、公債依存度は三八・六%となります。
 これらの結果、平成十年度一般会計第三次補正後予算の総額は、第二次補正後予算に対し、歳入歳出とも五兆六千七百六十九億円増加し、八十七兆九千九百十五億円となります。
 以上の一般会計補正等に関連して、特別会計予算及び政府関係機関予算についても所要の補正を行うこととしております。
 財政投融資計画につきましては、緊急経済対策を実施するため、この補正予算において、日本開発銀行、日本輸出入銀行等十六機関に対し、総額二兆四千四百二十五億円を追加することとしております。
 以上、平成十年度補正予算の大要について御説明いたしました。
 何とぞ、関係の法律案とともに、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(斎藤十朗君) ただいまの演説に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。直嶋正行君。
   〔直嶋正行君登壇、拍手〕
#6
○直嶋正行君 私は、民主党・新緑風会を代表して、宮澤大蔵大臣の財政演説に関連し、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 さきの臨時国会は、さながら金融国会ともいうべき国会でした。しかし、金融問題が貸し渋り等で景気の足かせとなり、一方で景気低迷が不良債権の傷口を広げ、金融機関の体力を弱めるという意味では、景気と金融はまさに表裏の関係であります。
 総理も不況の環という言葉で同様の関係を表現されています。そうした認識があるならば、会期を延長してでも先国会で、金融対策とあわせて、同時に恒久減税を含む本格的な景気対策に取り組むべきではなかったのですか。しかし、景気対策については今臨時国会を待たねばなりませんでした。その間四十日余、いっときの猶予もない我が国経済にとって決して短い時間とは言えず、事実、経済は深刻さを増しただけであります。
 しかも、最も重要な所得税、法人税減税の具体的姿は今国会では示されておりません。先国会の所信表明演説で、総理御自身が減税の意向を表明され、八月初めに宮澤大蔵大臣が七兆円減税を打ち出すなど、早い段階から大枠は決まっていたはずです。準備期間は十分あったはずです。秋から暮れにかけての税調論議を受けて税制改正という従来どおりのやり方とスケジュールでやっているだけではないのでしょうか。口では緊急とか非常時と言いながら、実際はいつもどおりのペースで、しかも小出しにしか出てこない。こうしたやり方こそが経済不況を深刻なものにしてきた根本的な原因だと思いますが、いかがでしょうか。
 総理、本来はこれらの政策を一体的に実施すべきであったと考えますが、なぜできなかったのか、その間何に時間を費やしてきたのか、御説明ください。
 また、経済認識を誤り、後手後手の対策で不況を加速させた前内閣と同じ過ちを小渕内閣も繰り返そうとしているのではありませんか。総理は前内閣のこうした点をどう反省し、みずからはどのように考えておられるのか、お考えのほどをお聞かせください。
 次に、財政構造改革法についてお尋ねします。
 昨年九月二十九日、政府は財政構造改革法を国会に提出、十一月二十八日に参議院で可決、成立しました。まさにその審議のさなかに、拓銀や山一証券が破綻し、既に大不況の芽は出ていたのであります。国会でも大議論になりました。しかし、政府・与党は野党の反対を押し切って、しゃにむに財政構造改革法を成立させたのであります。それからわずか一年の間に、改正案、凍結法案を提出するとは、結局財政構造改革法とは何だったのでしょうか。あの大議論の二カ月間とその後の一年間は何だったのでしょうか。この日本経済にとって貴重な時間を浪費した責任と、その間に財政構造改革法のもとに執行された緊縮予算が経済を悪化させた責任について、当時、外務大臣として内閣の一員であった小渕総理は、どのようにお考えでしょうか。
 また、たび重なる景気対策の結果、今年度末の公債残高は二百九十八兆円になると見込まれています。財政構造改革で公債残高を減らすはずが、逆にふやしてしまい、ますます財政を悪化させ、そればかりか、大手格付会社が日本の国債の格付を引き下げたことに代表されるように、国家信用を失墜させた責任は極めて重大であります。
 経済を落ち込ませ、財政を悪化させ、国家信用を失墜させた自民党政権の責任をどうとるのか、総理の明快な御答弁を求めます。
 次に、公共投資と地方財政のあり方についてお尋ねします。
 さきの一次補正予算で追加された社会資本整備事業は、十月末で契約率が二五%と、円滑に消化できていません。その上にさらに今回の対策を追加しても、どこまで消化できるかは疑問であり、年度内の実施は相当厳しいと考えられます。
 その最大の原因は、地方財政の危機的状況にあります。今回の経済対策における地方負担分はすべて地方債で負担するとのことですが、公債費負担比率が警戒ラインとされる一五%を超えている地方公共団体が全体の五六%という異常な状況です。さらに、地方債の発行を強いる今回の対策は、自治体を倒産に追い込みかねません。
 こうした地方財政の現状を考えると、政府が期待する二・三%の成長率押し上げ効果は絵にかいたもちに終わるのではないかと懸念します。景気浮揚のためには事業を推進しなければならず、かといって強引に実施すると地方財政を圧迫するという二律背反に地方は苦しんでいるのであります。
 こうした地方のジレンマを抜本的に解消するためには、民主党が主張しているように、大胆に地方に権限と財源を移譲することが不可欠と考えますが、総理並びに自治大臣のお考えをお伺いいたします。
 次に、第三次補正予算が今回の緊急経済対策をどこまで体現しているのかについて伺います。
 総理は、緊急経済対策の柱の第一に二十一世紀先導プロジェクトを挙げておられますが、今回の補正予算は、総理の強調される省庁の枠組みにとらわれることなく編成された未来を先取りする予算と本当に言えるのでしょうか。
 今回の補正予算も、スタートは省庁ごとの予算要望だったと聞いています。こうした手法でできた予算は、従来型の省庁縦割り予算とどこが違うのですか。横断的な調整があったとすればどの部分で、総理はどのようなリーダーシップを発揮されたのか、お伺いいたします。
 また、情報通信や福祉、環境といった分野に予算を重点的に配分されたとのことでありますが、例えば、福祉・医療・教育特別対策費の中に漁港整備事業費があります。これは、漁港内の段差をなくすことで、高齢者や身障者に優しいバリアフリーの環境を整備する事業と聞いています。しかし、事業自体は紛れもなく従来型の事業であり、バリアフリーは漁港整備の中で必要なら当然配慮されるべきことで、わざわざ福祉事業と位置づけるまでもないと言えないでしょうか。このような看板のかけかえが多くあります。総理の御認識をお伺いいたします。
 次に、雇用対策について伺います。
 緊急経済対策のどこにも書いていませんが、最大の雇用対策は、公共事業投資による建設業中心の雇用確保策ではないでしょうか。しかし、これは従来の雇用構造を温存するものであり、この構造を変えない限り、景気対策の切れ目は雇用の切れ目となります。一刻を争う雇用情勢の悪化にもかかわらず、緊急経済対策では、雇用創造を目指す産業再生計画は項目のみで、具体化を明年に先送りしています。公共事業による一時的な雇用創出が計画の先送りに猶予を与えるのなら、構造改革にはむしろマイナスと考えますが、総理の御所見をお聞きいたします。
 また、医療、介護を初めとする社会保障分野は今後ますます拡大していくことが予想され、雇用の受け皿として最も有望な分野の一つであります。
 戦後最悪の雇用情勢を本当に深刻に受けとめるなら、また、介護保険制度導入に向けマンパワーの不足が指摘されていることを考え合わせるなら、本補正でも対策がとられて当然であります。しかし、今回の補正予算でも、施設の建設計画はあってもマンパワーについては何も触れていません。これでは、社会保障の側面からはせっかくのハードが十分機能しないという問題が生じ、雇用の側面からもせっかくの受け皿を生かし切れないこととなり、二重の意味で問題と言えます。社会保障分野を雇用の受け皿として活用するためのソフト対策にもっと目を向けるべきと考えます。この点についてどのように考えておられるのか、厚生大臣にお聞きします。
 次に、税制問題についてお尋ねします。
 大蔵大臣の御説明では、つまるところ個人所得課税は形を変えた特別減税にすぎないと言わざるを得ません。政府の対策からは、減税によって一体何をしようとしているのかが見えてきません。今なぜ税制改革が必要かといえば、国民の負担を軽減し、活力ある経済活動へのインセンティブを与えるためです。そのためには、すべての所得層を対象に、とりわけ中堅所得層に厚く恒久減税を実施する必要があると考えますが、大蔵大臣の見解をお聞かせください。
 また、減税の実施時期について現時点で具体案が提示されていない状況では、特に法人税減税は、政府のこの緊急経済対策でおっしゃる日本経済再生の道筋でいえば、回復軌道に乗せる平成十二年になってしまいます。回復軌道に乗ってからでは遅いのであって、企業はことし、来年をいかに乗り切るかということが迫られているのです。これでは、期待感だけ持たせて結局何もしないのと同じであります。減税の実施時期についてどのように考えておられるのか、あわせて大蔵大臣にお聞きします。
 今回の緊急経済対策の最大の問題点は、将来ビジョンが欠けている点であります。
 現在の個人消費の低迷は、国民が将来に対して明確な見通しを持てないからであります。そのような状態で幾ら減税しても国民の財布のひもは緩みません。少子・高齢社会を前に医療、年金等の将来ビジョンを国民に明確に示し、不安を取り除くことこそ最大の景気対策のはずであるのに、なぜ緊急経済対策には盛り込まれなかったのですか。政府が現在取り組んでいる内容も、年金については抜本対策にはほど遠く、医療改革の検討もおくれています。政府として緊急経済対策の一つとして明確に位置づけ、具体的な社会保障のビジョンを国民に示すべきと考えますが、総理の御所見を伺います。
 最後に、これまで繰り返し強調してきたように、今求められるのは時間との競争であります。我が国の経済は四・四半期連続してマイナス成長、それも年率に換算して二%台後半から四%台というかなり大幅なマイナス成長を続けており、放置しておけばますます悪化の度を深めていきます。何も決めない、何も実行しない、すべてを先送りするといった状況は許されません。
 そうした認識に欠け、さまざまなしがらみで身動きできないような政権であれば、即刻退陣し、総選挙を行うべきであると申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
#7
○国務大臣(小渕恵三君) 直嶋正行議員にお答え申し上げます。
 まず、政府の景気対策への取り組みについての御指摘がございました。
 これまで私は、日本経済を再生させるため、まず総合経済対策の実施に全力を挙げてまいりました。あわせて、金融機能再生法及び金融機能早期健全化法を車の両輪とする法的枠組みを整えてまいりました。さらに、経済戦略会議を発足させ、国民の将来に対する自信と安心を高めるための政策等を検討することといたしました。このように、私は政権発足以来思い切った施策を果断に決定し、実行に移してまいりましたが、さらに今般、緊急経済対策を取りまとめ、平成十年度第三次補正予算を今国会に提出いたしたところでございます。
 減税の具体像がいまだ示されていないという御指摘でございますが、恒久的減税につきましては、個人所得課税につきまして、最高税率五〇%への引き下げ及び定率減税、法人課税につきまして、実効税率の四〇%程度への引き下げを行うことといたしております。
 これら恒久的減税につきましては、これまで国と地方の分担につきまして精力的に検討を行い、先般、その結論を得たところでありますが、現在、その具体化に向け、政府及び党の税制調査会において鋭意検討を行っていただいておるところでございまして、所信表明で申し上げましたように、次期通常国会に必ずこれを提出し、解決をいたしてまいりたい、こう考えております。
 前内閣の経済運営につきましてのお尋ねもございました。
 政府といたしまして、昨年来、二十一世紀を切り開く緊急経済対策、二兆円規模の特別減税に加えまして、金融システム安定化対策の迅速かつ的確な執行にも努めてまいりました。さらに、四月には総合経済対策を策定いたしました。このように、その時々の経済状況に応じて、財政・金融両面にわたり可能な限りの措置は講じてきたところであります。現内閣といたしましては、緊急経済対策を初めとする諸施策を強力に推進することによりまして、不況の環を断ち切り、平成十一年度には我が国経済をはっきりプラス成長に転換をさせ、平成十二年度までに経済再生を図るよう、全力を傾けてまいりたいと考えております。
 財政構造改革法についての責任をどのように考えておるかというお尋ねでありました。
 少子・高齢化が進む我が国におきまして、将来の社会、世代のことを考えますと、財政構造改革の実現は引き続き重要な課題でありますが、現下の極めて厳しい景気状況にかんがみますれば、まずは景気回復に全力を尽くすことが肝要と考えております。
 なお、私自身の橋本内閣の閣員としての責任を問われましたが、私自身といたしましては、この内閣を組閣いたしまして、こうした問題につきまして、その責任を看過しないためにも、政策の大転換を図ってその責任を果たしていきたいというのが私の考え方であります。
 過去の経済対策につきましてお尋ねがございました。
 九〇年代に入りましてからの累次の経済対策による公共投資の増加につきましては、バブル崩壊後の民間部門の設備投資の落ち込みを相殺する形で、景気がスパイラル的に悪化していくのを防ぎ、その下支えに貢献してきたものと考えております。また、減税は可処分所得の増加を通じて個人消費にプラスに働き、民間部門のマインドの好転にも寄与したと考えられ、他の施策と相まって景気に効果的に作用したと考えております。
 地方財政についての御指摘もございました。
 現在の厳しい地方財政の状況は、我が国経済の厳しい状況に主な原因がある以上、地方財政の運営に支障が生じないよう十分配慮しつつ、まずは景気回復に全力を尽くすことが必要であると考えております。
 また、地方に権限と財源を移譲すべきとの御指摘につきましては、地方分権推進計画に沿って、国と地方の役割分担を踏まえ、国庫補助負担金の整理合理化や事務権限の移譲などに応じ、地方税、地方交付税等の必要な地方一般財源の確保に努めてまいりたいと考えております。
 第三次補正予算は従来の縦割り予算とどう違うか、どうリーダーシップを発揮したのかというお尋ねでありますが、政治は、国民が将来にわたり夢と希望を持てるよう我が国社会の将来構想を示すべきであるとの考えのもと、先般、私は、生活空間倍増戦略プランと産業再生計画の基本的な考え方を提示いたしました。これらの両構想につきまして、来年一月中を目途に具体的な姿を取りまとめ、国民の皆様にお示しをいたしたいと考えております。
 今般の景気回復策に、こうした考え方のもと、二十一世紀先導プロジェクトや、ただいま申し上げました両構想の実現に向けた施策を重点的に盛り込みました。省庁の枠を超えて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 補正予算の内容につきましてでありますが、今回の補正予算につきましては、社会資本の整備について、従来の発想にとらわれることなく、二十一世紀を見据えて真に必要な分野、具体的には、情報通信・科学技術、環境、福祉・医療・教育などの分野に大胆に重点化することといたしております。
 漁港整備に係るバリアフリー事業を挙げての御指摘がございました。
 二十一世紀の高齢化社会の到来を控え、公共空間のバリアフリー化を進めることは重要な課題でありまして、看板のかけかえとの御指摘は当たらないものと考えます。
 雇用構造改革についてお尋ねがありました。
 今回の緊急経済対策におきまして、二十一世紀型社会の構築に資する景気回復策をその柱としており、また、雇用面におきましては、百万人規模の雇用創出・安定を目指しております。
 今後、公的需要から民間需要に円滑にバトンタッチが行われるよう配慮した経済運営を行い、あわせて、二十一世紀型社会の構築に向けた構造改革を引き続き強力に推進しつつ、雇用活性化総合プランを初め、同対策に盛り込まれた施策を総動員し、現下の厳しい状況から脱却すべく、雇用の創出・安定化に全力で取り組んでまいります。
 社会保障のビジョンを緊急経済対策に位置づけるべきではないかとの御質問がございました。
 社会保障制度につきましては、国民の不安を解消するため、信頼され、将来にわたって安定的に運営のできる社会保障制度を構築していく必要があります。今後、社会保障に係る給付と負担の増大が見込まれる中で、経済との調和を図りつつ、必要な給付は確保しながら、制度の効率化や合理化を進めるなど、年金制度改革、医療制度の抜本改革などの社会保障構造改革に引き続き取り組んでまいります。
 最後に、総選挙についてのお尋ねがございました。
 我が国は、現在、国家的危機とも言うべき内外ともに困難な状況にあり、まずは我が国の経済再生に向けあらゆる施策を果断に実行していくことこそがこの内閣の最大の使命であります。
 改めてこのことに思いをいたすとき、安定的で確固たる政権運営に全力を傾注すべきであり、総選挙は全く念頭にございません。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(宮澤喜一君) 減税の時期についてお尋ねがあったわけでございますが、ただいまの平成十年所得、個人所得は大きな減税のもとにございますし、また、法人税も先般減税をした低い税率で課されております。
 そこで、来るべき減税は、来年の四月からスタートする会計年度ということに考えておるわけですが、お尋ねの趣旨は、それでは実際に税金が支払われるのは平成十二年になるのではないかと。確かに支払いの時期はそうでございますけれども、明年の四月からは法人の経済活動は、四六%でなく四〇%という軽い税率を背負っておるということは、これはお認めいただけることではないだろうか。したがって、法人の諸活動はそういう計算のもとに行い得るということであるというふうに思うわけであります。
 それから、個人所得課税につきまして、いわゆる中所得層に厚い減税をすべきであるというのはまさにそのとおりでございますが、このたび定額でなく定率の減税を考えまして、どのような頭打ちを置くかによりまして、できるだけその実を上げたいと考えております。
 もともと課税最低限が既にかなり高うございますので、それとあわせまして、御趣旨のような減税をできるだけ実現してまいりたいと考えておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣西田司君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(西田司君) 直嶋議員にお答えいたします。
 景気浮揚のための事業推進と財政圧迫という地方のジレンマの抜本的解消のため、地方に権限と財源を移譲すべきとの御指摘でございますが、現在の極めて厳しい地方財政の状況は、我が国経済の厳しい状況に主な原因がある以上、地方財政の運営に支障が生じないよう十分配慮しつつ、まずは景気回復に全力を尽くすことが必要であると考えております。
 あわせて、地方分権推進計画に沿って、国と地方の役割分担を踏まえ、国庫補助負担金の整理合理化や事務権限の移譲などに応じ、地方税、地方交付税等の必要な地方一般財源の確保に努めてまいりたいと考えております。
 また、基本的には、地方の歳出規模と地方税収の乖離をできるだけ縮小していくということが必要でございまして、この観点に立って、地方税の充実確保を図ることにより、地方財政の自主性、自立性を高めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣宮下創平君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(宮下創平君) 直嶋議員にお答え申し上げます。
 社会保障分野におきます雇用の拡大についてのお尋ねでございますが、今般の緊急経済対策におきましては、社会資本整備につきまして、まず景気回復への即効性や民間投資の誘発効果などの観点に立ち、また二十一世紀を見据えて真に必要な分野として、環境、福祉・医療などの分野に大胆に重点化することとされておりますが、これを受けまして、特別養護老人ホーム等の前倒し整備等について第三次補正予算に計上されているところでございます。
 雇用面につきましては、施設整備によって確実な雇用増が図られるほか、平成十一年度予算概算要求で新ゴールドプランの目標を上回る訪問介護員、いわゆるホームヘルパーの増員を盛り込んでおります。
 今後、新ゴールドプランに基づきます介護サービスの基盤整備などを進める上で、施設の職員やホームヘルパーなどの人材を確保することは極めて重要な課題であると認識しており、雇用の確保につながる面にも配慮しつつ、今後ともその推進に取り組んでまいります。(拍手)
    ─────────────
#11
○議長(斎藤十朗君) 鎌田要人君。
   〔鎌田要人君登壇、拍手〕
#12
○鎌田要人君 私は、自由民主党を代表して、宮澤大蔵大臣の財政演説に対しまして質問をいたします。
 今回の補正予算は、平成十一年度の当初予算も視野に入れました総合経済対策、いわゆる十五カ月予算のうち十年度分の予算措置という位置づけで理解をいたしておるところでございます。
 今月の末にまとめられます大蔵原案は、この補正予算と一体のものとして、整合性のある積極的予算を編成され、我が国の経済が力強いものに再生される内容でなくてはならないということを、まずもって申し上げておきたいと思います。
 そこで、経済対策についてお尋ねいたします。
 昨年来、日本経済の不況がドミノ現象で世界に広がるのではないか、そういった懸念から数次にわたり経済対策が講ぜられてまいりました。しかし、三日に経済企画庁が発表しました七月から九月の実質国内総生産が、前期比〇・七%の減になり四期連続してマイナスになっており、なお厳しい状況にあります。
 最近になりまして、公共投資や持ち家の増加の兆しが見えてきておりますものの、底を打ったのかどうかまだ明確でなく不況脱出の出口が見えてまいりませんが、どこにその主たる原因があると思われるのか、当面、本補正予算によってそれをどの程度克服できるのか、この点につきまして、まず総理に見解をお伺いいたします。
 次に、緊急経済対策は即効性、波及性、未来性の三つの観点を重視しておられますが、政府は、日本経済の再生の中長期的な展望を踏まえつつ、この三つの観点から不況の環を断ち切るために、このように対応しているとはっきりと具体的に答えられるべきであります。そのような見地から、今回の補正予算を編成するに当たってどのように対処しておられるのか、さらに、十一年度の予算編成にどのように臨まれようとしておられるのか、大蔵大臣にお尋ねいたします。
 また、経済企画庁長官は新経済計画を策定するお考えのようでございますが、日本経済再建の観点から、その基本的な方針をお伺いいたします。
 すべての不況の始まりは金融危機であると言っても言い過ぎではございません。貸し渋りや資金回収も、中小企業や中堅企業だけでなく優良と言われる大企業にも及んでおります。政府は、各般の制度を駆使し、また所要の改正を加え、また、さきの臨時国会におきまして金融機能再生法、金融機能早期健全化法が成立し、早晩金融システムは安定に向かっていくのではないかと期待しているところであります。
 しかしながら、大量の国債の発行により資金が市場から吸収され、さらに大企業が年末資金を金融機関の貸し渋りに備え必要以上に厚めの資金手当てをしていること等から、中小企業の資金需要にこたえるにも資金がないというようなことも懸念をされております。これが杞憂に終わればいいのでありますが、大蔵大臣に、この点心配がないのか、御見解をお伺いいたしたいと思います。
 次に、景気対策の大きな柱の一つでございます社会資本の整備についてお伺いいたします。
 今回の社会資本整備は、情報通信・科学技術等、まさに二十一世紀を見据え、地域の活性化にも十分配慮した予算内容となっており、大いに評価できるものでございます。社会資本整備は、雇用確保、即効的な景気対策として波及効果が期待できますが、本来は、計画的に継続して事業を行うことが重要であり、懐妊期間の長い事業ではないかと認識しております。今回の考え方を来年度の予算にもぜひ織り込んでいただきたいと思っております。
 それと同時に、これを機会に、省庁別のシェア論からなかなか脱し得ない硬直的な公共事業のあり方を見直し、むだを排し、必要なところに重点的に予算措置を行うべきだと思いますが、この点と、平成十一年度予算編成に当たっての公共事業に対する考え方を大蔵大臣にお伺いいたしたいと思います。
 また、景気対策としての公共事業のあり方、さらにその効果について経済企画庁長官にお尋ねをいたします。
 次に、地方財政問題についてお伺いいたします。
 地方財政は、地方税収の落ち込み、国の景気対策による地方負担の増加等々によりまして財政悪化をもたらしております。地方の債務残高は十年度末には百六十兆円にも達するものと見込まれており、ますます財政の内容が厳しくなっております。各自治体におきましてもいろいろの自助努力が行われておりますが、それにも限界がございます。その解決には地方税財源の充実が喫緊の課題でありますことは、自治大臣が一番肌で感じておられることと思われますが、現状に対する認識と対策をお尋ねいたします。
 終わりに、日本経済を一日も早く民間主導による回復基調に乗せるため、バブル以降、事業費百兆円にも及ぶ財政主導による景気対策を講じてまいりました。今回、財政構造改革法を凍結し、積極財政に転じ、来年度以降プラスの経済成長を目指すことを内外に決意として示されました。世界一の債権国であること等々、日本のファンダメンタルズは確固たるものがあります。日本国民が自信を持って二十一世紀を迎えられますよう、総理のリーダーシップを期待いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(小渕恵三君) 鎌田要人議員にお答え申し上げます。
 まず、過去の経済対策と我が国経済についてお尋ねがございました。
 九〇年代に入りましてから累次の経済対策による公共投資の増加につきましては、バブル崩壊後の民間部門の設備投資の落ち込みを相殺する形で、景気がスパイラル的に悪化していくのを防止いたしまして、その下支えに貢献してきたものと考えております。また、減税は可処分所得の増加を通じて個人消費にプラスに働き、さらに民間部門のマインドの好転にも寄与したと考えられ、他の諸施策と相まって景気に効果的に作用したと考えております。
 しかしながら、現下の日本経済は、金融機関の経営に対する信頼の低下や雇用不安などを背景といたしまして、家計や企業のマインドが冷え込み、消費、設備投資、住宅投資が依然として低迷している状況にありまして、地価や株価の低下と相まちまして、企業や金融機関の経営環境を厳しいものといたしており、さらには、この結果貸し渋りや資金回収を招くという、いわば不況の環とも呼ぶべき厳しい状況の中にあります。
 昨日明らかになりました七―九月期のGDP成長率はマイナス〇・七%でありまして、四期連続のマイナスとなりました。その内容を見ますと、民間設備投資が引き続き大幅な減少となり、住宅投資も大きく低下しておりますが、政府投資が前期比増加に転じたほか、個人消費も、所得課税減税が実施されたこともあり、前期比微減にとどまりました。
 現下の最大の課題は、金融システムが健全に機能する基盤を整え、経済の再生を図ることであり、政府といたしましては、緊急経済対策を初めとする諸施策を強力に推進してまいりたいと考えます。
 第三次補正予算の効果についてのお尋ねがございましたが、緊急経済対策では、まず金融システムの安定化・信用収縮対策によりまして、金融システムが健全に機能する基盤を整えることといたしております。さらに、社会資本整備及び所得課税減税等による今後一年間のGDPへの効果は名目二・五%程度、実質二・三%程度と試算され、このほか住宅投資の促進策、雇用対策、法人課税減税等によりまして、景気回復に大きな効果があるものと期待いたしております。
 本対策を受けて編成いたしました第三次補正予算におきましては、信用収縮対策等金融特別対策費、二十一世紀を展望した社会資本整備のほか、地域振興券、住宅金融対策費、雇用対策費及びアジア対策費を計上するとともに、地方交付税交付金等を計上いたしております。
 本補正予算を含めた諸施策を強力に推進することにより不況の環を断ち切り、平成十一年度には我が国経済をはっきりしたプラス成長に転換させ、十二年度までには経済再生を図るよう、全力を尽くしてまいりたいと思います。
 私の経済運営に関する決意についてであります。
 少子・高齢化が進む我が国におきまして、将来の社会、世代のことを考えましたとき、財政構造改革の実現は引き続き重要な課題でありますが、まずは景気回復に全力を尽くすため財政構造改革法を当分の間凍結することといたしました。私は、緊急経済対策を初めとする諸施策を強力に推進することによりまして不況の環を断ち切り、先ほど申し上げましたように、ぜひ十一年度にははっきりとしたプラス成長に転換させ、十二年度までに経済再生を図るよう、全力を尽くしてまいりたいと思います。
 日本経済は極めて厳しい状況にあることは申すまでもありませんが、私は、我が国は経済的、社会的に強固な基盤を有しており、その再生に向けた政策を果断に実行することにより、力強い成長を再び始めることができるものと確信をいたしております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(宮澤喜一君) 緊急経済対策がどのような形でこのたびの補正予算に具体化されたかというお尋ねが第一でございますけれども、一つの系列といたしまして、我が国の金融システムの再生、経済全体の資金循環あるいは信用収縮対策でございます。第二の系列は、社会資本整備、住宅、雇用等でございます。第三の系列は、世界経済リスク等も考えまして、東南アジア等々への支援策でございまして、これらは、御指摘のように十一年度予算の編成に当たりましても切れ目のないように続けていきたいと考えております。
 それから、その中で公共事業について、硬直的な従来のありさまを見直さなければならないということでございました。このたびは、八月の概算要求のときに四兆円別枠を設けまして、これは十月の概算要求でいいということに実はいたしたわけでございましたが、その中から新しいものを拾いたいという気持ちがございました。各省庁のシェアをもとに配分するのでなく、少し将来を見据えまして、例えば光ファイバーの整備あるいはダイオキシン対策なども取り上げておりまして、これは十一年度予算におきましても続けていきたいと考えております。
 それから、中小企業の金融は、確かに御指摘のように心配でございまして、政府系の金融機関、国民金融公庫あるいは中小公庫、商工中金等々動員をいたしておりますけれども、何といっても、日本はやはり市場経済の国でございますから、民間の金融機関のシェアが大きい。そういう意味では、民間金融機関からの融資をしやすくいたしますような保証、信用補完というものがやはり一番効果があるようでございまして、それに非常に大きな力を今度の補正予算でも注いでおるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(堺屋太一君) 新経済計画についてお尋ねがございました。
 将来の不安感をぬぐって国民に自信を与えるために、経済の将来について指針を与えることは大変重要だと考えております。したがって、今般の緊急経済対策の中でも、今後中期的な展望をつくるというように述べておりまして、年が明けましたら半年ぐらいの期間でこれをつくりたいと考えております。経済審議会にかけてつくろうと思っております。
 現行の計画は、平成七年につくられたものでございますが、「構造改革のための経済社会計画」と題しておりますが、経済の現実と少し合わなくなってきていること、それから計画というのが今の時代に果たしていいのかどうか、これももはや疑問になってきておりますので、今度は全く違った新しい形のものをつくって国民にお示ししたいと思っております。
 経済の再生の筋道を明確にすると同時に、現在我が国が直面しております少子化、高齢化、それからグローバル化、産業のソフト化、そういったものの大きな潮流をつかみまして将来の日本の展望を指し示す、そういった日本の姿を見せるようなものにしたいと考えております。
 それから、経済対策に対する公共事業のあり方、その効果いかんについてという御質問がございました。
 経済対策、特に景気対策におきまして、公共事業は大変効果が大きいと考えております。今回の対策におきまして、社会資本整備につきましては、景気回復への即効性、民間投資の誘発効果の大きいこと、さらには従来の発想にとらわれない未来性というようなことを考えまして、小渕総理の指示のもとに二十一世紀先導プロジェクト、生活空間倍増戦略プラン及び産業再生計画等を柱といたしまして、新しい発想で従来の省庁の枠組みにとらわれないプロジェクトを構成しております。
 なお、今回の経済対策の社会資本整備の部分だけを取り上げますと、今後一年間で経済に与える効果は名目GDPで二・一%、実質GDPで一・九%と予想されております。そのほかに、減税等を含めて名目GDPで二・五、実質二・三の効果があると考えられております。(拍手)
   〔国務大臣西田司君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(西田司君) お答えを申し上げます。
 地方税財源の充実についてのお尋ねでございますが、地方財政は、我が国経済の厳しい状況により、多額の財源不足が続いております。借入金が急増するなど、極めて厳しい状況にあると私は認識をいたしております。したがって、まず経済対策を着実に執行することにより、我が国経済を回復軌道に乗せることが必要でありますが、地方自治体の財政基盤を充実強化していくことも極めて大切なことであります。重要であります。
 去る五月に閣議決定された地方分権推進計画において、課税自主権を尊重しつつ、地方税源の充実確保を図るとされております。今後、地方分権推進計画を踏まえ、所得、消費、資産等の間におけるバランスのとれた税体系や、税源の偏在性が少なく税収の安定性を備えた地方税体系の構築などに努めてまいりまして、地方税源の充実確保を図ってまいりたいと考えております。(拍手)
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#17
○議長(斎藤十朗君) 山下栄一君。
   〔山下栄一君登壇、拍手〕
#18
○山下栄一君 私は、公明党を代表し、先ほどの財政演説に対し、質疑を行います。
 本題に入る前に、演説された宮澤大蔵大臣の辞意表明問題について伺います。
 経済再生に内閣の命運をかけるはずの小渕内閣の最重要閣僚が、国会審議を前に辞任を口にすることは、景気対策への責任をみずから放棄するのみならず、国民に対して極めて無責任、不見識と断ぜざるを得ません。宮澤大臣の価値観は、国益よりも派閥益が優先するのか、辞意表明についての大臣の真意をまずお聞かせ願いたい。
 また、任命権者である総理にも、内閣の信頼を損なった大蔵大臣の進退問題について所見を求めます。
 また、昨日、読売新聞が自民党派閥の旧何々派の旧という文字を外すことを決定し、これですべての全国紙が派閥復活を認めたことになりますが、自民党は派閥解消を放棄したのか、党総裁である小渕総理よりお答えいただきたい。
 さて、緊急経済対策について概括的に申し上げれば、残念ながら省益や既得権が優先されており、生活者の視点がどこまで生かされているのか甚だ疑問です。今日の不況の大きな要因である消費マインドの異常な冷え込みは、行政改革や規制緩和など、やるべき構造改革を怠ってきた政府に対する国民の不信がその大きな原因であり、政治家、官僚、特殊法人、企業へと上から順番に既得権を守ろうとすることが改革を阻害し、国民の失望感を増幅しているのであります。今回の補正予算案もまさにその範疇にとどまり、数字と言葉だけがむなしく響いていると危惧するものであります。
 私たちの主張する生活者の視点とは、改革を志向しつつ、国民、民間の自立を支援する政治を意味するのであります。以下、その視点から具体的にお尋ねいたします。
 まず、住宅ローン減税について伺います。
 緊急経済対策でも住宅ローン減税は見送られ、補正予算案に住宅金融公庫の金利引き下げだけが盛り込まれておりますが、結果的に既にローンを払っている人と、これからローンを払う人と差別することにいかなる合理的な理由があるのか、御説明願いたい。もしこの問題で公平性を担保しようとするならば、私は公的住宅ローンに資産価値の低下にも対応した借りかえと、買いかえのための特例制度を創設すべきだと考えますが、総理、いかがでしょうか。
 今、公的住宅ローンを借りている個人は七百七十一万件に及び、うち一万八千件は既に不良債権化しています。民間ローンを合わせればそれに倍する件数となり、極めて深刻な状況です。ローン破産の悲劇を食いとめ、ひいては潜在化する買いかえ需要を顕在化するためにも、返済者の立場に立った住宅ローン減税及び軽減策を打ち出すべきと考えますが、重ねて総理の御所見を求めます。
 次に、社会資本整備費についてお伺いします。
 情報通信、環境対策など、二十一世紀を見据えた重点配分だと前ぶれは多少よかったのですが、中身が見えてくるうちに従来型だとの批判が的中しつつあるのではないでしょうか。どの項目を見ても治山治水対策、道路整備、港湾整備といった同じ内訳が並んでおり、総花的な公共投資では景気回復に効果がないことは既に実証済みであり、ここでも生活者の視点で再点検すべきであります。
 具体的に指摘します。福祉・医療・教育特別対策費の中でバリアフリー化がうたわれておりますが、先日、車いすでの生活を余儀なくされている大阪の肢体不自由の女子高校生から手紙をいただきました。内容は大学進学に関する相談で、進学を希望する大学から障害者受け入れの設備が整っていないことを理由に、事実上受験を拒否されてしまったとのことでした。その高校生が特に強調したことは、階段や歩道の段差は人に助けを求めれば何とかなります、問題は、障害者用のトイレの設置なんですとのことでした。
 今回政府が考えているバリアフリー化は、障害者が通学する学校から順にスロープ、エレベーターなどを設置していくとのことですが、学校という公益性、教育の機会均等から考えれば、すべての障害者がどこでも受験できるように、国公私立の区別なく、まず、すべての学校の障害者用トイレの設置を先行すべきではないでしょうか。障害者が希望する進路へ進み、生き生きと暮らせる社会がどれほど健常者をも勇気づけ、経済効果までも上げるかわかりません。
 人の心を大切にすると言われる総理、まず幼稚園から大学まで、すべての学校における障害者用トイレの整備こそ緊急に行うべき社会資本整備ではないでしょうか。率直な答弁をいただきたい。
 また、次の問題点は、情報通信分野の拡充に関連して、最近発覚したNEC及びその子会社と防衛庁との間で起きた過大請求をめぐる背任事件、また、NECと東芝による郵政省の郵便物区分機をめぐる談合事件に見られる大手電機メーカーと官公庁との癒着問題であります。
 公共投資の質の変化に伴って、利権構造を生み出す業界も大手ゼネコンから大手情報関連企業へとシフトし、政官業の癒着の業の主役が情報ゼネコンに取ってかわっただけではないかと国民は危惧しております。特にソフト開発の分野は、国際的にも中小ベンチャー企業の独壇場であります。したがって、大手企業しか参入できないような仕組みは、一方で新起業の芽を摘むことになり、景気浮揚を妨げる要因にもなりかねないのであります。
 近く公正取引委員会での審判も予定される郵便物区分機談合事件への郵政省の関与をも含め、情報通信を所管する郵政大臣の見解をお伺いします。
 また、我が党が常々主張してまいりましたダイオキシン類の排出抑制のための経費も計上されており、そのことは一定の評価をするものですが、一方で、地方自治体のごみ焼却プラント発注をめぐる長年にわたる業界ぐるみの談合や、ダイオキシン測定分析にかかわる受注独占問題が明らかになっております。ダイオキシン対策の名のもとに、国民の生命、健康より政官業の利権を優先する構造は断じて許されるべきではありません。これらの問題に対し、どのような再発防止策をとられるのか、総理より御説明願います。
 このような社会資本整備そのものに対する国民の不信感を払拭するためには、情報通信分野や環境分野においても、一般競争入札や第三者機関による入札監視制度を導入するなど、徹底した透明性、効率性の確保が必要だと考えますが、あわせて総理の見解を求めます。
 最後に、話題の地域振興券についてお伺いします。
 総理、今全国あちこちの自治体で商品券発行ブームが沸き起こっています。例えば総理のおひざ元群馬県を例にとってみても、前橋市が今月十日から試行開始、来年度からの本格実施がほぼ決定しています。また、太田市では、今月から金券を発行し、お祝い金などとして年間一億五千万円分支給するとのことであります。これに今回、地域振興券が支給されれば、相乗効果も期待され、全国的に見てもかなりの消費拡大が見込まれるのではないでしょうか。地域は生活の現場です。現場の知恵は偉大であり、軽視すべきではありません。
 そこで、この地域振興券で政府はどの程度経済効果を見込んでいるのか、それは同額の減税の場合と比較してどちらが効果があるのか、経済企画庁長官に答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(小渕恵三君) 山下栄一議員にお答え申し上げます。
 まず、宮澤大蔵大臣につきましてのお尋ねがございました。
 私は、大蔵大臣が御指摘のような御意向を表明されたとは承知いたしておりませんし、また、大蔵大臣からそのようなお話を伺ったこともありません。
 私は、宮澤元総理の御経験、御識見、また国内外における信頼感などから、宮澤元総理が最適任と考え、大蔵大臣に御就任いただいた次第でございます。宮澤大蔵大臣におかれましては、まさに全精力を傾けて幾多の課題に取り組んでこられ、多くの実績を上げておられますが、時局まことに重大なとき、引き続きその御活躍を強くお願いいたすところであります。
 いわゆる派閥についてのお尋ねもありました。
 自由民主党におきましては、かねてより派閥の解消を初めとする党改革を進めてきたところでありまして、かつてその弊害が指摘されたような派閥が復活してはならないと考えております。
 一方、政策や国家の将来ビジョンなどを追求する政策グループの存在や活動は、党の活性化につながるものでもあり、これを否定すべきものではありませんが、このことがかつてのようないわゆる派閥の復活と受けとめられることのないよう、党内におきまして十分戒めていきたいと考えております。
 住宅関係につきまして、御主張を交えましてお尋ねもございました。
 まず、住宅金融公庫の金利についてでありますが、公庫融資につきましては、基本的にはその時々の市場の金利水準を踏まえ、住宅取得に必要な長期、固定、低利の融資を行っており、これを実現するために、既に公庫ローンを借りている方々に対しましても、相当の財政資金を投入してきておるところでございます。したがいまして、こうした方に対し、さらなる財政支援を必要とする借りかえ融資などを行うことは甚だ困難と考えます。
 また、住宅減税に関しまして、現在ローン返済中の人の立場に立った措置を講ずべきではないかということでありますが、そうした措置を講ずることにつきましては、所得税制のあり方の根幹にかかわる問題であり、単に住宅税制の観点から処理できるものではなく、慎重な対応が必要と考えます。
 いずれにせよ、住宅ローンに係る政策減税につきましては、中堅所得者のローンによる住宅取得を支援することが肝要であると考えておりまして、来年度税制改正の中でしっかりと検討を行ってまいりたいと考えております。
 住宅ローンの返済負担の軽減策につきましてでありますが、かねてこの問題は重要な課題であると私自身も考えております。この対策として、返済が困難になっている方に対し、住宅金融公庫等におきまして、返済者の事情に応じてきめ細かいローン返済相談を積極的に行うとともに、返済期間の延長や据置期間の設定などによる返済負担の軽減に現在懸命に取り組んでおるところでございます。
 次に、学校のバリアフリー化につきましてお尋ねがございました。
 実情に触れての御指摘でございましたが、学校施設における障害者への配慮は望ましいことと考えております。従来から、国公私立学校の施設のバリアフリー化の推進に努めてまいりましたが、このたびの補正予算案におきまして約四十三億円を計上し、公立学校における障害者用トイレの整備など、バリアフリー化の推進に努めているところでありますが、御指摘のように、各種のプライオリティーにつきましては、さらに勉強してまいりたいと考えております。
 次に、地方自治体のごみ焼却プラント発注をめぐる談合につきましてお尋ねがありました。
 本件につきましては、現在、公正取引委員会が独占禁止法違反の被疑事件として審査を進めているところであり、その結果等も踏まえ、適切な措置を検討してまいります。
 また、お尋ねのダイオキシン測定分析の独占問題につきましては、透明かつ公正に測定分析機関が選定をされ、適正な分析が行われるよう関係者を指導したところであり、国としても手続の公正、透明化に留意しつつ、ダイオキシン対策に万全を期してまいる所存であります。
 次に、情報通信分野及び環境分野における社会資本整備についてのお尋ねがございました。
 国民の信頼を失わないためにも、予算執行手続の透明性、効率性を最大限確保し、適正な行政執行の徹底を図るべきものと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(宮澤喜一君) 私が私的なことにつきまして発言いたしましたことからただいま御質問のような疑義を生みまして、まことに申しわけないことでございます。自分の進退につきまして総理大臣に申し上げたことはございません。
 したがいまして、職責にあります限り、全力を尽くしまして国政に渋滞なきことを期するつもりでございますので、どうぞ御理解をお願い申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣野田聖子君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(野田聖子君) 情報通信分野への民間企業の参入についてのお尋ねですが、ベンチャー企業は、独創的技術や多様なサービスの開発を通じて、情報通信の発展に大きく貢献するものと認識しております。郵政省としても積極的な支援施策を講じているところであります。
 また、情報通信分野における社会資本整備については、中小ベンチャー企業の積極的な参入を期待しております。
 なお、郵便区分機につきましては、郵政省において、調達に際し、業務上の必要性により生産可能性の問い合わせを行ったということであります。(拍手)
   〔国務大臣堺屋太一君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(堺屋太一君) 地域振興券は、一定以下の年齢の児童を持つ家庭と老齢福祉年金等の受給者に交付するものでございますが、有効の地域と期間を限定する極めて今まで前例の乏しいものでございます。
 それで、これが経済にどの程度の影響を与えるか、従来の例がございませんので非常にわかりにくいのでございますが、仮にこれが減税と同じような可処分所得をふやすものだと、こういう前提でモデル計算をしてみますと、大体〇・〇六%GDPを押し上げる効果が出てまいります。ただし、地域を限定していること、それから期間を限定していることで違った効果があります。減税の場合には貯金しておいて来年というのもありますが、これは期間を限定しておりますから、一年に限ればもう少し高いんじゃないか、大ざっぱに言って〇・一%ぐらいじゃないかというように考えております。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(斎藤十朗君) 井上美代君。
   〔井上美代君登壇、拍手〕
#24
○井上美代君 私は、日本共産党を代表して、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 今、日本経済は、消費税の五%への引き上げ、医療費アップなどを契機として消費不況が深刻化し、完全失業率は四・三%、相次ぐ企業倒産など、戦後最悪、一刻の猶予も許されない事態に陥っております。
 ところが、政府の緊急経済対策に基づく補正予算案は、またもやゼネコン奉仕型の大型公共投資中心となっており、深刻な事態に置かれている多くの国民、中小企業には冷たく、不況打開策とはほど遠いものであると私は言わざるを得ないと思っております。
 二十一世紀を人間らしく生きられる豊かな社会と政治にするためには、不況を克服し、国民の不安をなくし、子供、高齢者、そして障害者の社会福祉や、教育、医療、年金、介護の充実、住宅建設や中小企業への予算を思い切って増額するべきです。私は、財政政策を国民本位に転換するよう強く求める立場から、以下質問をいたします。
 その第一は、消費税の減税についてでございます。
 私が会長を務める新日本婦人の会が二十三年間続けてきた家計簿調査でも、今まで家計の中で聖域とされてきた教育費が昨年比でマイナスとなり、消費税が五%になって、年間一世帯で十三万五千百八十円と負担は重く、国民の中からはもうやりくりも限界と悲鳴が上がっております。
 このような状況のもとで、最近の新聞の世論調査でもはっきりとあらわれていますが、今最も負担が重いと感じているのは税金と社会保険料です。その税金の中で最も負担が大きいのは消費税だとの答えは六四・七%にもなっております。消費税を三%に戻すことこそ国民の要求にこたえたものであり、最も緊急に行うべき措置ではないでしょうか。
 消費税減税を求める国民多数の声に背を向け続けるのは、主権在民の民主政治を忘れた無責任政治そのものではありませんか。総理の明確な答弁を求めます。
 第二は、財政構造を国民本位に切りかえることであります。
 政府は、今国会で財政構造改革法を当分の間凍結するとの法案を提出しました。しかし、それは当初予算での公共投資の制限を取り払って、ゼネコン、銀行支援を中心とした従来型の景気対策を進めるためにほかならないのではありませんか。他方、凍結といっても国民生活分野は引き続き圧迫されることになっており、教員定数削減の継続、児童福祉手当の支給対象の削減、難病患者の医療費一部負担や年金、医療制度改悪はそのまま継続実施することになっています。財革法を凍結するというのならば、これらの改悪をやめてもとに戻すのが政治の道理ではありませんか。明確な答弁を求めます。
 さらに、財政構造改革法は凍結ではなく廃止して、福祉・医療・教育分野に手厚い施策を行うことこそ、国民の要求にかなう措置であります。
 そこで、関係大臣に質問いたします。
 一つは、国にとって、親にとって、企業にとっても、子供は未来を担う宝であり、命です。二十一世紀を目指し、子供が健やかに育たずして、どうして国の発展があるでしょうか。
 一人の女性が一生の間に産む子供の数は、昭和二十三年四・四〇人でしたが、平成九年には一・三九人と減少し、少子化現象は今後も続くことになるでしょう。幼児を育てる若い親の多くは経済的基礎が弱いのに、幼児は病気しやすく、特にアレルギー疾患や感染症が多く、病院通いも頻繁となって経費もかさむのが実情です。これらが少子化の一因ともなっていることを厚生大臣は認識されているでしょうか。
 既に乳幼児医療費無料化は、約八割の自治体で実施され、十月末、その制度化を求める意見書は全国二百二の自治体で採択をされております。
 昨年、当時の小泉厚生大臣は、三歳未満の医療費無料化には四百億円、そして六歳未満は七百億円の国庫負担があれば可能と国会答弁しています。この金額は米軍への思いやり予算の四分の一にすぎません。首相の諮問機関、少子化有識者会議の報告でも、乳幼児医療費の無料化を段階的に図ってはどうかと提言をしております。厚生大臣、あすを担う子供たちのために、すぐ実現するための検討に入るべきではないでしょうか。答弁を求めます。
 二つ目。今、いじめ、自殺、ナイフ事件などが頻発しております。また、学校では授業不成立、学級崩壊などの荒れは広範囲にわたっており、中学校から小学校へと低年齢化して広がっております。子供は勉強がわかるようになりたいと願い、教師はわかるまで教えたいと必死です。そのためにも、まずは今すぐ三十人学級にするべきです。
 長野県の小海町で、公共事業は待てても子供の問題は先延ばしできないと教育優先予算を編成し、町費で教員を採用して、十二年前から学級規模縮小に努力し、この四月から三十八人学級を十九人学級にしたとのこと。子供たちは学校に行くのが楽しくて、先生との対話もふえ、町民も歓迎しているということです。
 現在、三十人を超える学級は小学校で五〇%、そして中学校で八〇%になっております。三十人学級実現には、新たに約七万人の教師をふやし、六年間平均で毎年六百八十一億円あれば実現できるのです。銀行支援の六十兆円と比べればわずかな金額ではありませんか。文部大臣、あなたは三十人学級に賛成なのですか、それとも反対なのですか。一クラス三十人学級の実現を早急に行うべきと考えます。答弁を求めます。
 三つ目。国民は今、老後への不安を強くしております。特養老人ホームは、来年の概算要求を入れても合計で三十万人分にしかならず、全国七万人以上の待機者が出るのは避けられないのです。そういう状況で介護保険がスタートすることに対して、深刻な不安が広がっております。
 全国町村会は、介護保険実施に当たって、解決すべき課題が山積、実施時期を延期することも考慮に入れるべきであると言っております。保険あって介護なしとの批判にこたえるためにも、少なくとも概算要求で不足する七万人分のベッドも至急確保すべきではないですか。厚生大臣に、国民が納得できる答弁を願います。
 日本共産党は、十一月十一日に国民の負担軽減十一兆円、事業規模で二十三兆円の緊急対策を発表いたしました。それは六十兆円の大銀行支援の公的資金投入を中止すること、公共事業を巨大開発型から福祉型に重点を移してむだ遣いをなくすことなどです。
 政府が政策転換もしないで補正予算が実施されるならば、国と地方を合わせた長期債務は約五百六十兆円にも膨れ上がるではありませんか。これでは二十一世紀の日本はさらに膨大な債務を抱える上に、不況、福祉の後退、教育の荒廃などが続き、国民的危機打開の展望は全くありません。
 このことを厳しく指摘し、総理並びに大蔵大臣の見解を求め、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(小渕恵三君) 井上美代議員にお答え申し上げます。
 まず、消費税減税についてのお尋ねがございました。
 消費税率の引き上げを含む税制改革は、少子・高齢化の進展という我が国の構造変化に税制面から対応するものであり、我が国の将来にとって極めて重要な改革であったと考えております。
 消費税に限らず、税は常に低い方がいいという面はありますが、税財政のあり方を考えましたとき、消費税率の引き下げは困難であり、ぜひこの点は国民の皆さんにも改めて御理解をいただきたいと思っております。
 次に、教員定数や社会保障についてお尋ねがありました。
 教員定数につきましては、本年八月十二日に閣議了解されました平成十一年度予算の概算要求に当たっての基本方針に基づきまして、現行改善計画の平成十二年度完成に向け、着実に推進してまいります。
 次に、児童扶養手当の所得制限の見直しにつきましては、生別母子家庭の増加など大きな環境変化を踏まえまして、他の児童養育世帯との均衡等の観点から給付の重点化を図ったものであり、もとに戻すことは考えておりません。
 また、難病患者の医療費の一部負担につきましては、制度発足後二十五年間の医学や医療の進歩を踏まえまして導入したものであり、財政構造改革の観点から講じたものではありませんので、その撤回は考えておりません。
 年金制度の改正につきましては、財政構造改革法の凍結のいかんにかかわらず、将来とも安心して年金が受給できる制度を確立するため、給付と負担の均衡を確保し、将来世代の負担を過重にしないよう制度の見直しに取り組むことが必要と考えております。
 また、医療保険制度の改革につきましては、急速な人口の高齢化等により、医療費の伸びと経済成長との間の不均衡が拡大している中で、将来とも安定した医療保険制度を維持する観点から行うものであり、財政構造改革法の凍結のいかんにかかわらず必要であると考えております。
 財政構造改革法を廃止せよという御意見でありました。
 財政構造改革法につきましては、現下の極めて厳しい経済情勢にかんがみまして、財政構造改革を推進するという基本的な考え方は守りつつ、まずは景気回復に全力を尽くすため、これを凍結することといたしたところであります。こうした観点から、法律の効力を一たんは働かないようにしておくものの、将来におきましてその効力が復活し得る法律の停止という形をとることが適当と判断いたしたものでございます。
 なお、第三次補正予算におきましては、特別養護老人ホームの整備、大学教育の高度化に対応する施設整備等に係る経費を計上するなど、福祉・医療・教育の分野に配意したものでございます。
 次に、我が国の財政の将来展望についてのお尋ねもございました。
 今般の緊急経済対策におきましては、社会資本整備につきまして、景気回復への即効性や民間投資の誘発効果、地域の雇用の安定的確保の観点に立ちまして、従来の発想にとらわれることなく、二十一世紀を見据えて真に必要な分野、具体的には情報通信・科学技術や環境、福祉・医療・教育などの分野に大胆に重点化することといたしており、これを受けた補正予算を今次国会に提出させていただいておるところでございます。
 本補正予算を含めた諸施策を強力に推進することによりまして、不況の環を断ち切りまして、平成十一年度には我が国経済をはっきりしたプラス成長に転換させ、平成十二年度までには経済再生を図るよう全力を尽くしてまいる所存でございます。
 また、少子・高齢化が進む我が国におきましては、将来の社会、世代のことを考えますと、財政構造改革の実現は引き続き重要な課題であることに変わりはなく、経済を回復軌道に乗せた段階におきまして、もう一度二十一世紀初頭における財政、税制の課題につきまして検討を行い、将来に向かって明るい展望を切り開いてまいりたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(宮澤喜一君) 井上議員の御主張は、六十兆円の大銀行支援の公的資金投入を中止せよ、また軍事費を大幅に削減せよ、ゼネコン奉仕の公共事業の浪費を続けることはならないという、こういう御主張でございます。
 銀行に対する公的資本の導入は、私どもは国民経済にとって必要な大動脈である血液、資金を流すことが大事だと考えておるからでございますし、また、ある程度の防衛費の支出は我が国の安全のために大切なことと存じます。
 ゼネコン奉仕の公共事業、公共事業はやはり今日並びに将来に向かっての国民生活の安定のため、向上のために必要なことと考えておりまして、ゼネコン奉仕というために支出をしておるのではないと考えております。
 したがいまして、この補正予算につきましても、そのような意味で有意義なことと考えておりまして、御指摘のようなふうに私どもは考えておりません。(拍手)
   〔国務大臣宮下創平君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(宮下創平君) 井上議員にお答え申し上げます。
 三点質問がございましたので、逐次申し上げたいと思います。
 まず第一は、乳幼児の医療費負担の実情についてどう認識しておるかというお尋ねでございますが、乳幼児期におきましては、御指摘のとおりアレルギー疾患や感染症は多く見られますが、年齢別の一人当たりの医療費を比較いたしますと、乳幼児は三十歳代と同程度でありまして、全年齢層を通ずる平均医療費の半分程度となっております。
 また、夫婦と子供二人の標準世帯で見た場合に、可処分所得に占める保健医療サービス支出の割合は一・四%でありますが、乳幼児を持つことが多いと考えられる三十歳前後の世帯主については一・六%でございまして、ほぼ同程度となっております。
 次に、乳幼児医療費の無料化についてのお尋ねでございますが、医療費につきましては、医療を受ける者と受けない者との均衡という観点などから、受診者に一定の御負担をいただくというのが原則でございます。
 国といたしましては、難病の子供、未熟児、障害児といった手厚い援護が必要な児童の疾病につきましては、既に医療費の公費負担を実施しているところであります。したがって、乳幼児医療費一般について、国として新たな特別の対策を講じることは現在のところ考えておりません。
 次に、特別養護老人ホームの整備についてのお尋ねでございますが、特別養護老人ホームは、介護保険制度の重要な柱となる介護サービスの一つとして私ども重視しております。このため、今般の第三次補正予算案におきましても、景気対策臨時緊急特別枠の活用によりまして、一万人分の増床を盛り込んだところでございます。これにより、平成十一年度末までには新高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆる新ゴールドプランの目標値二十九万人分を上回る三十万人分を整備することとなります。
 一方、介護保険制度におきましては、各地方自治体が介護保険事業計画を作成することとされております。現在、各地方自治体におきましては、この計画の作成に向けて、いわゆる待機者の精査を含めて、要介護者等の実態調査を実施しているところでございます。新ゴールドプラン終了後の特別養護老人ホームの整備につきましては、今後これらの状況を踏まえながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣有馬朗人君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(有馬朗人君) 井上美代議員にお答え申し上げます。
 まず、三十人学級をどう考えるかというお尋ねでありますが、学級編制の問題を考えるに当たりましては、どのような学級規模及び学習集団のあり方が望ましいかなどにつきまして、今後の教職員配置のあり方とあわせて検討する必要があり、このたび専門家や教育関係者等から成る会議を設置いたしまして、その検討を開始したところでございます。
 また、三十人学級の実現についてのお尋ねでございますが、文部省といたしましては、極めて厳しい財政状況の中で、まず当面、現行改善計画の平成十二年度完成に向けて最大限努力いたしたいと考えております。
 なお、その後の教職員配置のあり方並びに学級規模及び学習集団のあり方などにつきましては、ただいま申し上げました会議において検討しているところでございます。
 以上、お答え申し上げました。(拍手)
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#29
○議長(斎藤十朗君) 谷本巍君。
   〔谷本巍君登壇、拍手〕
#30
○谷本巍君 社会民主党・護憲連合を代表し、小渕総理並びに関係大臣に質問いたします。
 初めに、第三次補正のうち、経済対策の中心である社会資本整備に関してお尋ねいたします。
 今回の事業規模は八・一兆円でありますが、実はことしの四月、本年度予算成立直後にも社会資本整備七・七兆円の第一次補正が行われております。しかし、その追加措置があったということが忘れられてしまいそうなほど投資効果がいま一つでありまして、一向に景気浮揚効果が感じられないのであります。政府は、この四月の景気対策が実効性を示さなかったことについて、どのように評価されているのか、総理、大蔵大臣にお伺いいたします。
 また、これら社会資本整備の省庁別事業費構成は相変わらずでありまして、事業の中身にしても、いつもながらのものが薄まきに網羅されております。これもあるあれもあるというのは、何もやらないことに通ずるのであります。今必要なのは、政策効果が実際に確認できるよう集中的に行うことであります。例えば、今回二十一世紀に向け省庁横断的に実施する二十一世紀先導プロジェクトという事業がありますが、今回本当に力を入れ、従来とは全く異なる事業があるというのであれば、総理から御説明をいただきたいのであります。
 こうした状況を踏まえ、幾つかの事業に関して提案したいと存じます。
 その一つは、防災事業に関してであります。
 ことしの夏、東北、関東などが集中豪雨に襲われました。各地とも共通的だったのは、昔の集中豪雨と比べ河川の増水はあっという間であったことと、豪雨が去った後の水の引きが異常に早かったこと、そして川底が異常に上がったこともかつてない現象でありました。山が荒れ、保水力を失ったことや、自然のダムである水田の三分の一以上が減反状態にあるためであります。
 こうして見るなら、防災事業は、これまでのように川下の対策だけではなく、森林の整備など川上も含む農山村と都市を結ぶ発想で体系的に行われるべきときに来たと言わなければなりません。それはまた、夏場の都市の渇水期を乗り切る用水確保とともに、沿岸漁業資源確保への道でもあります。総理の御所見をお伺いいたします。
 二つ目は、ソフトを重点にした投資を伸ばすことであります。
 箱物で言うなら、例えば立派な音楽ホールなど文化施設はつくったが、ソフト面が伴わず地域の文化向上には結びつかなかったという事例等を見ることが少なくありません。福祉にしてもしかりであります。
 福祉部門への投資効果は、建設部門への投資が自己完結的で継続性、波及性に乏しいのに対して、安定した雇用の創出とともに、地域経済への波及効果も高く、福祉こそ次の時代の経済を開くと言われております。しかし、この場合も、対人サービスの質を重視したソフト面中心の福祉基盤整備がなされてこそ、雇用や経済波及効果も伴った市民福祉充実となり得るのであります。ソフト重視につき大蔵大臣の見解を求めます。
 三つ目は、雇用の確保についてであります。
 これまで、中小企業の雇用情勢の悪化は、大企業のリストラのツケ回しの結果によるものだとも言われてきましたが、最近は本家本元の人員整理が始まりつつあり、そこへ金融ビッグバンに突入する金融業界や、巨大な不良債権を抱える建設業界などが膨大な余剰人員を吐き出そうとしております。実効性の伴う景気対策とともに、思い切った雇用確保対策が求められております。
 ことしの五月、フランスでは二〇〇一年から週三十九時間の法定労働時間を三十五時間とする時間短縮法を制定しました。これによって五十万人以上の新規雇用の確保が可能になると言われています。オランダでは、賃金の上昇を抑えることと引きかえにパート労働者などをふやし、一〇%を超える失業率を五%に引き下げることに成功しました。
 政府は、今こそ雇用対策について全力を挙げるべきであります。雇用調整助成金制度や失業給付の拡充、倒産による未払い賃金の立てかえ制度の充実、失業者を採用する企業に対する優遇税制等々やれるところから着手しつつ、こうしたフランスやオランダ等の事例等にも学んだ思い切った対策を講ずべきです。総理並びに労働大臣の所見をお伺いいたします。
 最後に、最近突如提起された米関税化移行問題について伺います。
 ウルグアイ・ラウンドで受け入れたいわゆる部分自由化は、最悪の関税化を避けるためと説明されてきました。そして次期WTO交渉では、ルールのあり方自体を改定しようというのが官民の合意でありました。
 政府は、ルール改定の検討や外交交渉もせず、突如関税化移行への幾つかの案を示し、国会も無視しながらその選択を団体等に迫り、年内にもWTOへの通告をしようとしているとも言われています。これが農家と消費者に対する責任ある政治と言えるのでありましょうか。米作農家は関税化急浮上で大きな不安に襲われております。
 景気対策で何よりも大事なのは、雇用不安等に見るような生活不安を起こさないようにすることであります。その意味でも、関税化問題は二重の問題を持っております。これからの国会論議も含め、総理並びに農林水産大臣のお考えをお伺いし、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(小渕恵三君) 谷本巍議員にお答え申し上げます。
 まず、四月の総合経済対策の社会資本整備の効果についてのお尋ねがございました。
 昨日公表されました七―九月期のQE、四半期別国民所得統計速報におきまして、公的資本形成が前期比増加、前期比三・六%に転じているなど、十年度第一次補正予算の効果等が徐々にあらわれてきており、今後も景気の下支えをするものと考えられます。
 社会資本整備についてのお尋ねでありましたが、第三次補正予算におきまして、景気回復への即効性や民間投資の誘発効果、地域の雇用の安定的確保の観点に立ちまして、従来の発想にとらわれることなく、二十一世紀を見据えて真に必要な分野、具体的には情報通信・科学技術、環境、福祉・医療・教育などの分野に大胆に重点化いたしておるところでございます。
 河川に係る防災事業についてのお尋ねがございました。
 川上から川下に至る水系一貫の観点に立ちまして、河川の改修、調節池、ダム等の河川施設の整備の推進とあわせまして、谷本議員もただいま御指摘がございましたが、森林や農地等の保全、整備等流域における浸透、貯留を含めた総合的施策によりまして、水害、渇水に強い地域づくりを推進いたしていくことは、極めて重要であると認識いたし、対処いたしてまいります。
 雇用確保対策についてのお尋ねでございますが、緊急経済対策を迅速かつ効果的に実施するとともに、雇用活性化総合プランに基づきまして、御指摘の雇用調整助成金制度の拡充も含め、新規雇用創出、労働者の就職支援、ミスマッチの解消に全力で取り組むことによりまして、雇用の確保を図ることといたしており、これらの対策によりまして、国民の雇用に対する不安を払拭し、再び希望と活力にあふれた経済社会をつくり出してまいりたいと考えます。
 最後に、米の問題についてのお尋ねでございましたが、西暦二〇〇〇年のWTO次期農業交渉の開始に向けまして、我が国におきましても、どのような方向で臨むかについて論議を行わなければならない時期に差しかかってきております。私といたしましては、各界の御議論を注意深く見守って、その上で適切に対応したいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#32
○国務大臣(宮澤喜一君) 一次補正予算で計上されました公共事業が十分に徹底をしておらないという御指摘がございまして、これは私どもも御指摘のようなことに気がつきました。
 この補正分につきまして、裏打ちとなる地方の措置が九月県会になったということから生じたことでございましたようで、十月になりまして公共工事の請負金額は前年同月比で二二%増となりましたので、ここで出てきたと思いますが、間々こういうことがございまして、よく今後も気をつけなければならないと思っております。
 それから、公共事業につきまして、ソフトを重視して文化面、福祉面に配慮すべきだということにつきまして、私どももなかなか思うようにはまいりませんけれども、このたび、情報通信・科学技術の分野では、学校における複合アクセス網活用型のインターネットあるいは生活空間の情報化、福祉・医療・教育の分野では、介護保険の施行円滑化のために特別養護老人ホームをつくる、あるいは子育て支援のための保育所等々、できるだけそういう努力をいたすように心がけております。
 なかなか思うようにもまいりませんけれども、今後ますますこれが重要になってくると思いますので、十分留意して施策をいたしたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣甘利明君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(甘利明君) 雇用確保対策についてのお尋ねであります。
 既に総理から御答弁がありましたとおり、まず緊急経済対策によりまして景気の回復を図る、そしてその中の大きな柱の一つといたしまして雇用活性化総合プランというものを策定いたしました。
 その中で、御指摘の雇用調整助成金の拡充、あるいは訓練延長給付の拡充、さらには中小企業労働力確保法の改正等によります新規雇用の創出、労働者の就職支援、ミスマッチの解消など、迅速かつ効果的に取り組んでまいります。
 諸外国の雇用対策も参考にしながら、全力を尽くしてまいります。(拍手)
   〔国務大臣中川昭一君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(中川昭一君) 米の問題についてのお尋ねでございますが、この問題につきましては、総理よりお答えがあったように、私といたしましても、各方面の御議論を注意深く見守り、その上で我が国の国益にとって何が最善の選択なのかに最大のポイントを置いて、適切に対応してまいりたいと考えています。
 なお、国内法等の整備が必要となる場合には、当然、国会での御審議、御承認をいただいた上で実施することになります。(拍手)
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#35
○議長(斎藤十朗君) 星野朋市君。
   〔星野朋市君登壇、拍手〕
#36
○星野朋市君 私は、自由党を代表して、大蔵大臣の演説に対し、総理及び大蔵大臣に質疑をいたします。
 現在、我が国経済は二年連続のマイナス成長が確定的という、戦後初めての異常な状態にあります。かじ取りを誤れば三年連続のマイナス成長にもなりかねません。
 このような日本経済を民需主導、実力相応の自立的安定成長軌道に復帰させるためには、思い切った対策が必要となります。つまり、旧来の手法にとらわれない大胆な発想こそが必要なのであり、今ほど政治の役割が期待されているときはありません。
 今行わなければならない政策は、日本経済が避けて通れない構造改革を促すとともに、数々の先行き不安を解消するために大胆な構造改革のビジョンと具体的な政策を一体として提示してスタートさせ、今世紀中に改革を軌道に乗せることであります。
 ただ、そうした中にあって、内閣や経済界の一部から最悪期を脱したかのごとき発言があり、アメリカのマーケットも、底を打ったとの予測も伝わってきておりますが、小渕総理は現状をどう認識しておられるのか、お伺いをいたします。
 以下、二点に絞ってお尋ねをいたします。
 まず第一は、直接税の減税についてであります。
 十一月二十六日、大蔵大臣と自治大臣は、恒久的な減税の国と地方の負担割合について、基本的な考え方において合意されました。この合意では、所得税、住民税について最高税率の引き下げ、減税額、国と地方の負担割合について触れてあるものの、それ以外の課税所得階層については減税の方法が明らかになっておりません。
 また、減税額については、小渕総理は十一月十九日に我々自由党の小沢党首と、今直ちに実行する政策として、減税規模十兆円を目途とすることで合意されております。
 また、自由党は、平成十年度分の特別減税四兆円が定額控除方式により行われたことが恒久減税の妨げになるのではないかと以前より指摘してまいりました。課税最低限が上昇してしまったためであります。事実、最高税率を引き下げる一方、課税最低限がもとに戻れば、金持ち優遇との指摘は免れ得ず、懸念が現実のものとなっております。
 我々自由党は、新進党のころより常に恒久減税を主張してまいりました。恒久減税の財源は、短期的にはつなぎのために赤字公債に頼らざるを得ませんが、中長期的にはその財源を明示しなければなりません。恒久減税のための恒久財源として行政改革による経費節減を行うべきであります。我々自由党は、行革による歳出削減を財源とする恒久減税、すなわち行革減税を主張しております。これこそ真の恒久減税であります。また、経済が立ち直れば、税の自然増収も当然期待できます。以上について、大蔵大臣の御所見を伺います。
 次に、財政の健全化と財政構造改革法について伺います。
 我々自由党は、以前から、経済再建なくして財政健全化なしと一貫して主張をし、財政構造改革法の凍結を主張してまいりました。デフレ予算により経済を失速させていては、財政の健全化など望むべくもありません。財政健全化は増税によって行うのではなく、行財政一体不可分の見直しによる歳出削減と、たくましく再建された経済から得られる税収増によって達成しなければなりません。財政健全化のためには経済再建最優先策をとらなければならないのであります。
 我々は、さきの百四十二国会において、そもそも財政構造改革法は目先の財政の帳じり合わせのみを主眼に置き、構造改革という視点は一切なく、歳出の一律削減を定めただけのものであり、その執行を停止した上で真の財政構造改革、財政再建を断行すべきであると主張してまいりました。
 このたびの財政構造改革法停止法案には、「別に法律で定める日まで」財政構造改革法を停止するとありますが、これは日本経済が本格的に回復するまでという意味でありますか。大蔵大臣の御所見を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
#37
○国務大臣(小渕恵三君) 星野朋市議員にお答え申し上げます。
 最近、内閣や経済界の一部に最悪期を脱したかのごとき発言があるが、私として、日本経済をどのように認識するかというお尋ねでございました。
 私といたしましては、現下の日本経済は、金融機関の経営に対する信頼の低下や雇用不安などを背景といたしまして、家計や企業のマインドが依然冷え込み、消費、設備投資、住宅投資が低迷しておる現況にありまして、地価や株価の下落と相まちまして、企業や金融機関の経営状況を厳しいものとしており、さらには貸し渋り、資金回収を招くという、いわば不況の環とも呼ぶべき厳しい状況にあると認識をいたしております。ただ、今、星野議員も御指摘のような声もあることから、さらに景気の動向等につきましても一層の注視をいたしていかなければならない、このように考えておる次第でございます。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたさせます。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#38
○国務大臣(宮澤喜一君) 所得税の最高税率を六五%から下げたということにつきましては、これはいかにも国際的に高い水準であるということからいたしまして、金持ち優遇という意識でやったわけではございません。
 なお、御指摘のように、過去において定額減税をいたしましたために、課税最低限が非常に上がってしまって困るだろうとおっしゃいました。それは実はそのとおりでございまして、大変に弱っております。が、このたびは、したがって定率減税方式でいきたいと考えております。
 それから、本当は減税財源というのは行財政改革で出るべきものであるとおっしゃることは、そのとおりでございます。大蔵大臣としては殊にさように思いますが、このたび、やむを得ず、当面、赤字国債によってこれを賄っておるような次第でございますが、将来はやはり行財政の改革から財源を生まなければならないと考えております。
 最後に、財政構造改革法を「別に法律で定める日まで」停止するとあるが、これは日本経済が本格的に回復するまでということかとお尋ねでございました。
 私はそのように考えております。(拍手)
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#39
○議長(斎藤十朗君) 菅川健二君。
   〔菅川健二君登壇、拍手〕
#40
○菅川健二君 私は、参議院の会を代表して、宮澤大蔵大臣の財政演説に関し、総理並びに大蔵大臣に質問いたします。
 現下の日本経済は、依然として不況の連鎖が広がり、極めて深刻な状況にあり、本年度の経済成長率は政府改定見通しのマイナス一・八%をさらに下回ることが見込まれます。
 総理は、所信表明演説において、このたびの二十三兆円規模の緊急経済対策を強力に推進することにより、平成十一年度には我が国経済をはっきりプラス成長に転換すると表明されました。しかしながら、世界銀行や日経NEEDSを初め多くのエコノミストは、これらの対策は個人消費や企業の設備投資を刺激する効果が低く、むしろ三年連続のマイナス成長になるのではないかと予測しております。総理、本当に平成十一年度はプラス成長に転換すると考えておられますか、本音をお聞かせください。
 今回の補正予算案を見ますと、歳出五兆七千億円の財源は、そのほとんどが赤字国債でございます。この結果、歳入の約四割が借金によって賄われることになります。長期債務残高も国、地方を通じて五百六十兆円となり、GDPを一三%も上回り、先進国中イタリアと並んで最悪となります。緊急経済対策を至上命題とする観点からはやむを得ない面があるとしても、この数字は余りにも異常な高さでございます。
 アメリカの格付会社ムーディーズは、日本の財政赤字拡大を理由に、国債の格付を最上級のトリプルA相当から一ランク下げ、ダブルAプラス相当にすると発表しました。格下げは日本の信用力の低下につながり、邦銀の外貨調達や企業の海外における資金調達コスト上昇などの影響が出る可能性があります。
 このところの長期金利の急上昇も、緊急経済対策に伴う赤字国債の増加により、債券市場が供給過剰となる懸念があるためとの見方も広がっております。これらの財政赤字拡大について全く心配は要らないのでしょうか、大蔵大臣の率直な御所見をお聞かせください。
 景気対策で大盤振る舞いをするにしても、野放しのばらまきであってはなりません。総理の所信表明演説には気前のよさばかりが目立ち、経費の効率的な執行とむだな経費を省く姿勢が欠けております。特に行政改革に対する熱意は感ぜられず、各省庁はそれを察知してか、行政コストの削減に取り組もうとする機運が見られません。総理がさきの臨時国会での所信表明に掲げた、十年間で国家公務員の二〇%削減と三〇%のコスト削減の目標の具体化及び進捗状況はどのようになっているのでしょうか、総理にお聞きいたします。
 中でも、地方分権に対する総理の姿勢は全く伝わらず、地方分権推進委員会の第五次勧告をめぐって、委員会がみずから公共事業の分権について提示した試案は、総理のバックアップもなく、孤立無援となり、その権限を守ろうとする官僚や族議員の抵抗に屈し、骨抜きの勧告になりました。取りまとめに当たった委員は、非常に不満で、最低限の思いすら貫くことができなかったと座長の辞表を提出しております。
 総理の地方分権に対する熱意をみずからの言葉で語っていただき、最低限地方分権推進委員会の勧告は必ず実行するとの決意を示していただきたいと思います。
 社会資本整備については、六兆二千億円が計上されておりますが、従来型事業においても、また未来型を問わず、むだな投資は許されません。事業ごとの費用効果分析をきちんとして、事業の厳格な採択を行うべきであり、事業の中途においても時のアセスメントを行い、思い切った見直しをすべきものと考えます。効果的な公共投資のあり方について、総理の御所見をお伺いいたします。
 次に、財政構造改革法の凍結についてお尋ねします。
 今からちょうど一年前、山一証券、北拓など大型企業の倒産が相次ぎ、我が国経済が深刻な不況に突入した最悪の時期に、法案の凍結を主張した野党各党の強い意見があったにもかかわらず、政府・与党は一顧だにせず、財政改革法の強行成立を図りました。この期に及んで、ビジョンも見通しもなく凍結しようとしているのは、まさに遅きに失しているばかりでなく、無節操な政策転換であり、内閣の責任は重大であります。
 仮に、現下の経済不況下において凍結はやむを得ないにしても、ここ数年間、所得税や法人税の減税、公共投資の上積みなどが続き、国債の増発による財政悪化は避けられません。年金などの社会保障も縮小される懸念があり、こうした国民の将来への不安がある限り、消費は回復しません。
 今こそ、効率的な小さな政府への改革プランや安心と生きがいのある国民生活の将来像を描き、現在でも五〇%に達していると思われる国民負担率の上昇をどう抑えていくかという、具体的なプログラムを示すことが必要ではないでしょうか。総理の御所見を伺います。
 次に、雇用対策についてお伺いします。
 このところ、雇用失業情勢は一段と深刻の度を増しております。政府は、緊急経済対策において一兆円の事業規模を実施することとしておりますが、このたびの補正予算に計上されているのは三千億円にすぎません。目玉とも言うべき緊急雇用創出特別基金六百億円の創設も、失業率が三カ月続けて五・二%を上回った場合の臨時的措置であり、当面実行されることのない見せかけの予算であります。百万人の雇用創出についても、どの分野で何人の雇用がふえるのか、その数字の根拠もあいまいです。極論すれば、見せかけの金額は膨大であるが、失業にあえいでいる者にとっては、まさに危機感、具体性、スピードに欠けていると言わざるを得ません。
 緊急の対策として、安心してじっくり職探しをするため、失業給付期間を現在の最長日数の倍の六百日程度に延長するとか、新たな成長分野の労働市場にマッチするためのホワイトカラーを含む能力開発訓練を思い切って拡充するなど、現実に適応した即効性のある雇用対策を実施すべきではないでしょうか。総理にお聞きいたします。
 最後に、宮澤大蔵大臣には、かねがね我が郷土の偉大な政治家として敬意を表しておりますが、このたびの大蔵大臣としての任務は、意図せざることも多く、御苦労も多かったと思います。この本会議で御答弁いただくのも残り少ないかと推察いたしますが、これからの税制改正や来年度の予算編成に当たっては、将来を見据えた財政構造の改革のために確固たる布石を打っていただきたいと期待いたしております。御所見をお聞きして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣小渕恵三君登壇、拍手〕
#41
○国務大臣(小渕恵三君) 菅川健二議員にお答え申し上げます。
 平成十一年度はプラス成長に転換すると考えているかというお尋ねでございました。
 本音で語れと、こう申されましたけれども、私といたしましては、今回の経済対策で、まず金融システムの安定・信用収縮対策、あわせて社会資本整備、所得課税減税、住宅投資促進策、雇用対策等、これらを実行することによりまして、短期的に十分な需要を喚起するとともに、供給サイドの体質強化を図るための構造改革を進めることから、景気回復に大きな効果をもたらし、我が国経済を厳しい状況から脱却させるものと実は考えております。
 こうした対策を初めといたしまして、さらに諸施策を強力に推進いたしてまいりますれば、必ずやこの不況の環を断ち切りまして、御指摘のように平成十一年にはプラス成長と、はっきりそうした姿が生ずることのできるよう、ぜひこの点につきましては、内閣の命運をかけてこれからも全力を尽くしてまいりたいと思っております。
 国家公務員の二〇%削減についてであります。
 前臨時国会の所信表明でも申し述べましたとおり、中央省庁等改革にあわせ、十年間で一〇%以上の計画的削減と独立行政法人化により、十年間で二〇%の削減の実現に向けて努力をいたしておるところであります。
 また、コスト三〇%削減についても、具体的には、行政コスト削減と密接な関連を有する中央省庁等改革に係る作業も見きわめつつ、各省庁がそれぞれ所掌しております行政分野ごとに行政コストの削減目標を設定することとしたいと考えておりまして、現在、政府部内で真剣に検討いたしておるところでございます。
 地方分権についてのお尋ねでありますが、最重要課題であります行政改革を推進し、簡素で効率的な行政システムを確立するためにも、地方分権を強力に推進していくことが必要であると考えております。
 このため、地方分権推進委員会の四次にわたる勧告を最大限に尊重した地方分権推進計画を去る五月に決定したところであり、その内容を踏まえた関連法案を次の通常国会に提出するなど、まずは同計画を着実かつ速やかに実施してまいらなければならないと考えております。
 また、先般いただきました第五次勧告に対応する計画を本年度内を目途に作成し、さきの計画とあわせて、今後とも地方分権を総合的かつ計画的に推進してまいります。
 次に、いわゆる時のアセスメントについてのお尋ねがございました。
 公共事業の評価につきましては、本年度から公共事業六省庁におきまして再評価システムを導入し、事業採択後一定期間を経過した事業等につきまして再評価を行うほか、新規採択時におきましても、費用対効果分析を含む総合的な評価を実施することといたしておるところでございます。
 財政改革法の凍結問題につきましてもございましたが、現下の厳しい経済情勢にかんがみまして、財政構造改革を推進するという基本的考え方は守りつつ、まず景気回復に全力を尽くしてまいりたい。このため、これを凍結することといたしたところでございまして、こうした観点から、法律の効力を一たんは働かないようにしておくものの、将来におきましては、その効力が復活し得る法律の停止という形をとることが適当と判断したものでございます。
 国民負担率についてお尋ねがありましたが、今後、少子・高齢化の進展に伴い、国民負担率が長期的にはある程度上昇していくことは避けられないと見込まれますが、経済の発展、社会の活力を損なわないよう、極力その上昇を抑制する必要があると考えております。このため、将来に向けてさらに簡素、効率的で信頼のできる行政の確立、安心で豊かな福祉社会及び健全で活力のある経済の実現に向けて、各般の改革を進めることにより、国民負担率の上昇の抑制に努めてまいりたいと考えております。
 雇用対策につきましては、緊急経済対策におきまして、失業給付期間の訓練中の延長措置の拡充や職業能力開発対策の拡充等を含む雇用活性化総合プランが盛り込まれております。このプランのうち可能なものにつきましては、来年一月からの実施を予定しており、できるだけ早くその効果があらわれますよう、全力で取り組んでまいりたいと思います。
 先ほど来、行政改革に対する熱意につきまして御疑念をいただいておりますけれども、申し上げましたように、私といたしましても、この問題は最大の課題であり、政治優先でこの問題に取り組んでまいりたいと、こう考えております。
 菅川議員は、長く地方自治行政にも携わられた御経験、御見識に基づいた貴重な御指摘をいただきましたので、ひとつこれを謙虚に受けとめまして、さらにこうした問題に全力で努力をいたしてまいりたいと思いますので、よろしく御理解と御支援のほどをお願い申し上げまして、答弁といたします。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#42
○国務大臣(宮澤喜一君) 財政赤字の拡大につきまして御懸念を承りました。
 我が国財政の現状は、十年度の国及び地方の財政赤字の対GDP比がこの補正をもちまして九・八%になるかと存じます。長期債務残高は、GDPを超えまして、五百六十兆円に達すると思われます。
 現在のこのような経済情勢にかんがみますと、まずは景気回復に全力を尽くさなければならないと考えておりまして、そのためには財政構造改革法を当分の間凍結することもやむを得ないという決心をいたしました。
 しかし、少子・高齢化が進むということは必然でございますから、将来の社会、世代のことを考えますと、財政構造改革をほっておいていいということにはなりません。いつの日にか経済が回復軌道に乗りましたときには、もう一度二十一世紀初頭におきまして、財政と税制の課題について幅広く根本的に検討いたしまして、必要な措置をとらなければならないと考えております。
 大蔵大臣の立場につきまして御理解をいただきまして感謝をいたします。(拍手)
#43
○議長(斎藤十朗君) これにて質疑は終了いたしました。
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#44
○議長(斎藤十朗君) 日程第二 漁業に関する日本国と大韓民国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交・防衛委員長河本英典君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔河本英典君登壇、拍手〕
#45
○河本英典君 ただいま議題となりました日韓漁業協定につきまして、外交・防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 これまで日韓両国の漁業関係は、昭和四十年に締結された現行の日韓漁業協定のもとで維持されてまいりました。今般のこの協定は、日韓両国について平成八年に発効した国連海洋法条約の趣旨を踏まえ、原則として沿岸国が自国の排他的経済水域において、海洋生物資源の管理を行うことを基本とする新たな漁業秩序を確立するためのものでありまして、自国の排他的経済水域においては、当該国が資源状況等を考慮して相手国漁船に対する漁獲割り当て量等を決定し、漁獲の許可及び取り締まりを行ういわゆる相互入会の措置を行うこと、日本海の一部水域に漁業暫定線を設け、その自国側水域をそれぞれの排他的経済水域とみなすこと、日本海及び東シナ海において、相互入会の措置をとらないいわゆる暫定水域を設け、同水域においては、日韓漁業共同委員会の協議を通じ、漁業種類別の漁船の最高操業隻数を含む適切な資源管理を行うこと等について定めております。
 委員会におきましては、暫定水域の設定経緯と同水域の資源管理、違反操業の取り締まり体制、日韓漁業共同委員会の役割、竹島問題等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#46
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#47
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#48
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数           二百十  
  賛成             二百十  
  反対               〇  
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#49
○議長(斎藤十朗君) 日程第三 排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律及び海洋生物資源の保存及び管理に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長野間赳君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
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   〔野間赳君登壇、拍手〕
#50
○野間赳君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、漁業に関する日本国と大韓民国との間の協定の実施に伴い、漁業に関する主権的権利の行使並びに海洋生物資源の保存及び管理を的確に行うために対象水域の範囲について所要の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、日韓漁業交渉の経過、暫定水域等における水産資源の管理対策、操業秩序を確保するための取り締まり体制のあり方、漁業振興対策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、六項目にわたる附帯決議を行いました。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
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#51
○議長(斎藤十朗君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#52
○議長(斎藤十朗君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#53
○議長(斎藤十朗君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百十一  
  賛成            二百十一  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
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   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#54
○議長(斎藤十朗君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十一分散会
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ソース: 国立国会図書館
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