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1998/09/10 第143回国会 参議院 参議院会議録情報 第143回国会 国土・環境委員会 第2号
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1998/09/10 第143回国会 参議院

参議院会議録情報 第143回国会 国土・環境委員会 第2号

#1
第143回国会 国土・環境委員会 第2号
平成十年九月十日(木曜日)
   午後零時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月九日
    辞任       補欠選任
     北澤 俊美君     福山 哲郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         陣内 孝雄君
    理 事
                太田 豊秋君
                松谷蒼一郎君
                小川 勝也君
                福本 潤一君
                緒方 靖夫君
    委 員
                市川 一朗君
                坂野 重信君
                田村 公平君
                長谷川道郎君
                山下 善彦君
                脇  雅史君
                岡崎トミ子君
                佐藤 雄平君
                福山 哲郎君
                弘友 和夫君
                岩佐 恵美君
                大渕 絹子君
                泉  信也君
    衆議院議員
       修正案提出者   佐藤謙一郎君
    国務大臣
       建 設 大 臣  関谷 勝嗣君
       国 務 大 臣
       (北海道開発庁
       長官)      井上 吉夫君
       国 務 大 臣
       (環境庁長官)  真鍋 賢二君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官)  柳沢 伯夫君
    政府委員
       阪神・淡路復興
       対策本部事務局
       次長       高橋 健文君
       北海道開発政務
       次官       石崎  岳君
       北海道開発庁総
       務監理官     斎藤 徹郎君
       環境政務次官   栗原 博久君
       環境庁長官官房
       長        太田 義武君
       環境庁企画調整
       局長       岡田 康彦君
       環境庁大気保全
       局長       廣瀬  省君
       環境庁水質保全
       局長       遠藤 保雄君
       国土政務次官   谷川 秀善君
       国土庁長官官房
       長        久保田勇夫君
       国土庁計画・調
       整局長      小林 勇造君
       国土庁土地局長  生田 長人君
       国土庁地方振興
       局長       中川 浩明君
       国土庁防災局長  林  桂一君
       建設政務次官   遠藤 利明君
       建設大臣官房長  小野 邦久君
       建設大臣官房総
       務審議官     小川 忠男君
       建設省建設経済
       局長       木下 博夫君
       建設省都市局長  山本 正堯君
       建設省河川局長  青山 俊樹君
       建設省道路局長  井上 啓一君
    事務局側
       常任委員会専門
       員        八島 秀雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国土整備及び環境保全等に関する調査
  (建設行政の基本施策に関する件)
  (国土行政の基本施策に関する件)
  (北海道開発行政の基本施策に関する件)
  (環境行政の基本施策に関する件)
○地球温暖化対策の推進に関する法律案(第百四
 十二回国会内閣提出、第百四十三回国会衆議院
 送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから国土・環境委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、平成十年八月の豪雨災害により亡くなられた方々に対して、御冥福をお祈りし、黙諾をささげたいと存じます。
 どうぞ御起立を願います。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(陣内孝雄君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(陣内孝雄君) 委員の異動について御報告いたします。
 昨九日、北澤俊美君が委員を辞任され、その補欠として福山哲郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(陣内孝雄君) 国土整備及び環境保全等に関する調査を議題といたします。
 建設大臣から建設行政の基本施策について所信を聴取いたします。建設大臣関谷勝嗣君。
#6
○国務大臣(関谷勝嗣君) 第百四十三回国会における御審議に当たり、建設行政に取り組む基本的な考え方につきまして私の所信を述べさせていただき、委員各位の御理解と御指導を賜りたいと思います。
 建設行政の基本的使命は、住宅・社会資本の整備を通じて、限られた国土を適正に管理し、真に豊かな国民生活、活力ある経済社会を実現することにあります。
 このため、少子・高齢化による投資力の減退、都市や地域の構造変化、地球規模での環境問題の深刻化などの変化に対応して、住宅・社会資本の質を重視し、既存ストックの有効活用や良好な環境の保全・創造等も視野に入れた総合的な国土マネジメントを推進していかなければならないと考えております。
 とりわけ、未曾有の被害をもたらした阪神・淡路大震災や、豪雨・台風災害等の経験を踏まえ、国民が安全にかつ安心して生活できる環境の実現に努めていかなければならないと思います。
 今般、東日本を中心に大きな被害をもたらした八月の豪雨により、多くのとうとい人命と莫大な財産が奪われました。ここに、各地で亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者の方々に対しましても心からお見舞いを申し上げます。
 私は、改めて我が国国土の災害に対する脆弱性を深く認識し、被災地の一日も早い復旧・復興の支援に取り組み、自然環境との共生も考えつつ、今後の安全で安心できる国土づくりに全力を傾けてまいりたいと思っております。
 現下の最大の課題は、我が国経済の再生であります。
 このため、建設省においては、平成十年度所管事業の過去最高の前倒し執行や、補正予算による追加事業の早期実施に鋭意取り組んでいるところであります。
 さらに、平成十一年度予算の概算要求において、当面の景気対策に全力を尽くすため、公共事業関係費について二・七兆円の景気対策臨時特別枠が設けられたところであり、建設省は、対前年度四六%増となる九兆二千億円の要求を行ったところであります。内容についても、各種の重点化枠を活用し、都市構造の再編や経済構造改革に資する分野、環境、情報通信、福祉、民間投資誘発分野の支援、真に整備がおくれている分野・地域や短期集中的な災害対策等へ重点化を図ったところであり、景気回復に全力を尽くすとともに、二十一世紀を見据えて真に必要とされる事業を進めてまいります。
 さらに、公共事業予算の効率的・効果的な執行を図る観点から、事業の重点化、効率化、透明化の三点に重点を置き、コスト縮減対策、事業間の連携、費用対効果分析を含む事業評価などの施策を積極的に推進することといたしております。
 また、行政改革につきましては、中央省庁等改革基本法に基づき、国土の適正な整備・管理についての責任官庁である国土交通省が設置される運びとなっております。その具体化に当たっては解決すべきさまざまな問題がございますが、規制緩和、地方分権、地方支分部局への権限の委任なども含めて、行政改革の実を上げるよう全力を尽くして取り組んでまいります。
 以上、建設行政の推進につきまして、基本的な考え方を述べさせていただきました。
 陣内委員長を初め委員各位の格別の御指導と御協力を切にお願い申し上げまして、私の所信とさせていただきます。ありがとうございました。
#7
○委員長(陣内孝雄君) 次に、国土庁長官から国土行政の基本施策について所信を聴取いたします。国土庁長官柳沢伯夫君。
#8
○国務大臣(柳沢伯夫君) 第百四十三回国会における御審議に当たりまして、国土行政に対する私の所信を申し上げます。
 まず最初に、今般の各地で相次いだ集中豪雨により亡くなられた方の御遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。
 国土庁といたしましては、関係機関と連携をとりながら、総力を挙げてその対策に取り組んでいるところであります。
 今後とも、災害対策につきましては、阪神・淡路大震災の教訓等を踏まえ、絶えず迅速かつ的確な行動を心がけ、常に緊張感を持って進めてまいりたいと考えております。
 さて、我が国が直面する最大の問題は、長期化する景気の低迷であります。小渕内閣は経済再生内閣であり、今日の我が国経済の危機的状況を乗り越えることが我々の使命であります。また、二十一世紀に向けて、豊かでゆとりがあり、安心して暮らせる社会を実現する上で、幅広い所管分野を担当する国土行政の役割はますます重要になると考えております。
 このうち、土地政策につきましては、新総合土地政策推進要綱の着実な実施等を通じ、土地の有効利用の促進や土地取引の活性化を強力に推進してまいります。
 とりわけ、当面、金融再生を目指してのトータルプランの取り組みにおいて、国土庁としても実効ある措置の実施に力を尽くす必要があると考えております。
 また、こうした緊急の課題への対応とともに、新しい全国総合開発計画「二十一世紀の国土のグランドデザイン」を今後具体化していくことが重要であり、特に、計画で示された戦略である大都市のリノベーションによる三大都市圏の整備と、多自然居住地域の創造による地方の振興に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 あわせて、首都機能移転の具体化に向けた積極的な検討、健全な水循環を目指した総合的な水資源対策といった課題につきましても引き続き着実に推進してまいります。
 また、省庁再編につきましては、国土庁等を母体に設置される国土交通省において、国土行政がこれまで以上に的確に進められるよう積極的に取り組んでまいる所存であります。
 以上、国土行政に関する所信を申し述べました。
 陣内委員長を初め委員各位におかれましても、格別の御指導、御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
#9
○委員長(陣内孝雄君) 次に、北海道開発庁長官から北海道開発行政の基本施策について所信を聴取いたします。北海道開発庁長官井上吉夫君。
#10
○国務大臣(井上吉夫君) 第百四十三回国会に当たりまして、北海道開発行政の基本方針及び当面の諸施策につきまして、私の所信を申し述べます。
 北海道経済は、大手金融機関の破綻、雇用情勢の悪化など極めて厳しい状況にあり、景気の低迷状態が長引いております。また、北海道は、広域分散型社会であることなどから、本州等に比べ高速交通基盤や生活関連整備などの基幹的基盤がいまだ十分とは言えません。
 しかしながら、広大な国土と豊富な資源を有する北海道の豊かな環境は、我が国にとってかけがえのないものであります。
 このため、現下の課題に的確に対処し、あすの日本をつくる北海道を実現するために、本年四月に閣議決定いたしました第六期北海道総合開発計画に基づく諸施策を積極的に推進いたします。
 現在、平成十年度予算及び総合経済対策を受けた補正予算の円滑な執行に努めておりますが、治山治水、道路整備、港湾・空港整備、農業農村整備など、事業の実施に当たりましては地域のニーズや事業効果の早期発現などを踏まえ、重点化、効率化を図ってまいります。さらに、各種事業間の一層の連携により事業効果を高めるとともに、予算の計上に当たりましては、各種公共事業の評価を行い、北海道総合開発計画のより一層効率的、効果的な実施を図ります。
 また、北海道における企業の円滑な資金提供、設備投資の促進等のため、北海道東北開発公庫の出融資機能の積極的活用に努めます。
 なお、苫小牧東部地域におきましては、一団の未利用広大地で陸海空の交通条件にすぐれるなど、将来の開発可能性が高く、北海道にとってもまた我が国にとりましても貴重な地域でありますことから、これまでの反省を踏まえつつ再出発し、今後は新会社を設立し円滑に事業が推進できるよう、現在具体的な検討を進めております。
 このほか、本年七月に承認されました第四期北方領土隣接地域振興計画に沿って、当該地域の安定・振興を図るための施策を推進いたします。また、アイヌ新法に基づき、アイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発等の施策を推進します。
 なお、中央省庁再編につきましては、北海道開発庁の任務及び行政機能は国土交通省に引き継がれ、関係予算も従前のとおり国土交通省に一括して計上されることとなっております。二〇〇一年一月に一府十二省庁体制への移行を開始することを目指し、必要な準備を進めます。
 以上、北海道開発行政に関し所信の一端を申し述べましたが、今後とも北海道総合開発の推進に全力を傾注して取り組んでまいりますので、陣内委員長を初め委員各位の一層の御理解と御協力をお願い申し上げまして、所信の表明とさせていただきます。ありがとうございました。
#11
○委員長(陣内孝雄君) 次に、環境庁長官から環境行政の基本施策について所信を聴取いたします。環境庁長官真鍋賢二君。
#12
○国務大臣(真鍋賢二君) 小渕内閣の発足に際しまして、国務大臣環境庁長官及び地球環境問題担当を拝命いたしました真鍋賢二でございます。
 環境問題が人類の生存基盤を脅かしかねない重大な問題となっている今日、こうした問題を担当させていただくことになり、その責任の重さを痛感している次第でございます。陣内委員長を初め皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
 参議院国土・環境委員会の御審議に先立ち、環境行政に対する私の所信を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願いいたしたいと存じます。
 今日、人類の経済社会活動はますます拡大し、環境に対し回復困難な影響を及ぼしております。例えば、既に地球温暖化の影響が平均気温の上昇や海面の上昇の形であらわれていること、ダイオキシン問題や廃棄物問題など国民生活に大きな影響を及ぼすような問題が顕在化してきていることなど、人類社会の基盤を揺るがしかねない状況が生まれつつあります。
 環境問題の多くは、大量生産、大量消費、大量廃棄という今日の社会のあり方に根差しております。したがって、個別の環境対策に加えて、これまでの生産、消費を見直し、例えば製品の設計、製造等の段階からリサイクルを視野に置いた対応を行うようにしていくことなど、環境に負荷をかけない社会の仕組みづくりにより、根本から問題解決を図ることが求められています。
 現在、二十一世紀に向けてこれまで日本を支えてきたさまざまな制度の見直しが進められていますが、その一つとして持続的発展が可能な社会すなわち環境保全型社会への改革を位置づけ、大胆に取り組むことが必要です。
 私は、以上のような認識のもと、地球環境問題に対応する経済社会への転換、ダイオキシン、環境ホルモン等による環境汚染の防止、都市の大気環境の改善、物質循環の輪の構築と健全な水循環の確保、自然と人間との共生の確保、公害健康被害の補償と予防などの課題への取り組みを中心に環境行政を進めてまいります。
 この中でも特に、昨年十二月の地球温暖化防止京都会議の議長国である我が国は、地球温暖化問題への取り組みにつきましては、国際的に強いリーダーシップを発揮していくことが求められており、我が国自身が率先して温室効果ガス六%削減という目標の達成を図っていかなければならないと認識しています。
 さきの通常国会には、地球温暖化対策の推進に関する法律案を提出させていただいておりますが、本国会における早期の成立をぜひともお願い申し上げます。
 また、現在多くの国民の皆様に不安を与えているダイオキシンや環境ホルモンなどの化学物質問題につきましては、本年度補正予算においても対策を講じてきているところではありますが、今後とも一刻も早い問題の解決に向けて全力で取り組んでまいります。PRTRすなわち環境汚染物質排出・移動登録制度については、OECD主催の東京国際会議における議論も踏まえつつ、我が国にふさわしい新たな制度の確立に向けて検討を進めてまいります。
 さらに、最近の都市における自動車交通等に起因する大気環境は、従来の各種の措置にかかわらず、依然として厳しい状況にあります。こうしたことを是正するために、低公害車の一層の普及を目指し、税制を初めとする各種の施策の充実に積極的に取り組みます。そして、ディーゼル車を初めとする自動車排出ガスの改善を図るために規制を強化するなど総合的な対策を推進してまいります。
 私は、以上のような諸課題を克服するには、対症療法だけでは不十分であり、環境への負荷の少ない環境保全型社会に転換することが不可欠と考えます。このことにより環境負荷の少ない製品や自然との共生に対応したサービスなど環境保全関連の産業が盛んになり、これまでとは質の異なった新たな活力ある社会となると考えております。このような社会を目指し、環境行政の総合的、計画的な推進に全力を挙げて取り組みたいと考えております。
 以上、環境行政の主要課題と今後の取り組みの基本的方向について述べさせていただきました。本委員会及び委員各位におかれましても、環境行政の一層の推進のため、今後とも御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 以上でございます。ありがとうございました。
#13
○委員長(陣内孝雄君) 以上で所信の聴取は終わりました。
 これらに対する質疑は後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#14
○委員長(陣内孝雄君) この際、遠藤建設政務次官、谷川国土政務次官、石崎北海道開発政務次官及び栗原環境政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。建設政務次官遠藤利明君。
#15
○政府委員(遠藤利明君) このたび建設政務次官を仰せつかりました遠藤利明と申します。
 関谷建設大臣を補佐しながら建設行政の発展のために誠心誠意努力をしてまいりますので、陣内委員長初め委員皆様のますますの御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げまして、ごあいさつとさせていただきます。
 よろしくお願いいたします。
#16
○委員長(陣内孝雄君) 国土政務次官谷川秀善君。
#17
○政府委員(谷川秀善君) このたび国土政務次官を仰せつかりました谷川秀善でございます。
 もとより微力ではございますが、柳沢長官を補佐し国土行政の推進のために全力を挙げるつもりでございます。
 陣内委員長を初め委員各位の御指導、御鞭撻を心よりお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。
 どうぞよろしくお願いいたします。
#18
○委員長(陣内孝雄君) 北海道開発政務次官石崎岳君。
#19
○政府委員(石崎岳君) 去る七月三十一日北海道開発政務次官を拝命いたしました石崎岳でございます。
 北海道経済は大変厳しい状況にございますが、井上大臣のもとで北海道開発行政推進のために全力を尽くす所存であります。
 陣内委員長を初め委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
#20
○委員長(陣内孝雄君) 環境政務次官栗原博久君。
#21
○政府委員(栗原博久君) 去る七月三十一日、環境政務次官を拝命しました栗原博久でございます。よろしくお願いします。
 今日、環境問題は、地球規模を超え、また世代間をも超えまして我々の生活に深刻な影響を及ぼしかねない状況でございます。地球温暖化問題あるいはまたダイオキシン、環境ホルモンなど、化学物質の多くの問題があるわけでございますが、真鍋長官のもとにおきまして、微力ではございますが全力を尽くして、また皆様の御指導を拝しまして努力したいと思っております。
 よろしくお願いします。
    ―――――――――――――
#22
○委員長(陣内孝雄君) 次に、地球温暖化対策の推進に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。環境庁長官真鍋賢二君。
#23
○国務大臣(真鍋賢二君) ただいま議題となりました地球温暖化対策の推進に関する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 地球温暖化は、地球全体の環境に深刻な影響を及ぼし、その防止は人類共通の課題であることから、平成四年五月、気候変動に関する国際連合枠組条約が、さらに本条約に基づいて、昨年十二月、二酸化炭素等の温室効果ガスの削減についての法的拘束力ある数値目標等を定めた京都議定書が採択されたところであります。この京都議定書において、我が国は、平成二年を基準として、平成二十年から二十四年までの温室効果ガスの排出量の年平均値を六%削減するとの法的拘束力のある削減目標が採択されています。
 一方、我が国の現状を見ますと、二酸化炭素排出量はここ数年増加基調にあり、実施可能な対策を現段階から講じていかなければなりません。
 このような状況の中で、地球温暖化対策の推進を図るため、今般この法律案を提案した次第であります。
 次に、法律案の主要事項について、その概略を御説明申し上げます。
 第一に、国、地方公共団体、事業者及び国民それぞれが地球温暖化防止のために取り組みを行う責務を定めることとしております。
 第二に、地球温暖化対策に関する基本方針を閣議決定をもって策定することとしております。
 基本方針においては、地球温暖化対策の推進に関する基本的方向、国、地方公共団体、事業者及び国民のそれぞれが講ずべき温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する基本的事項、政府がその事務及び事業に関し温室効果ガスの排出の抑制等のため実行すべき措置について定める計画に関する事項、温室効果ガスの総排出量が相当程度多い事業者について、温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関し策定及び公表に努めるべき計画に関する基本的事項について定めることとしております。
 第三に、地方公共団体は、みずからの事務及び事業に関し、温室効果ガスの排出の抑制等のため実行すべき措置について定める計画を定め、それを公表し、また措置の実施の状況について公表することとしております。
 第四に、温室効果ガスの総排出量が相当程度多い事業者は、単独にまたは共同して温室効果ガスの排出の抑制等のための措置に関する計画を策定し、これを公表するよう努めるとともに、講じた措置の実施の状況の公表に努めなければならないこととしております。
 第五に、国民の日常生活において発生する温室効果ガスの排出の抑制等を促進するため、都道府県知事は地球温暖化防止活動推進員を委嘱すること、国及び都道府県は地球温暖化防止活動推進センターを指定することができることとしております。
 このほか、政府による我が国の毎年の温室効果ガスの総排出量の公表、温室効果ガスの排出の抑制等に資する施策の実施に関して関係行政機関の長に対する環境庁長官による協力要請、必要な罰則等に関し所要の規定を設けることとしております。
 以上が本法律案の提案の理由及びその内容の概要でありますが、本法律案につきましては衆議院において修正が行われたところであります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#24
○委員長(陣内孝雄君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員佐藤謙一郎君から説明を聴取いたします。佐藤謙一郎君。
#25
○衆議院議員(佐藤謙一郎君) ただいま議題となりました内閣提出の地球温暖化対策の推進に関する法律案に対する衆議院における修正の趣旨につきまして、御説明申し上げます。
 地球温暖化は、我々人類を初めとするすべての生物の生存基盤である地球に対し、さまざまな悪影響を及ぼすおそれのある問題であります。そのため、温室効果ガスの濃度を安定化し、地球温暖化の防止を図ることが我々人類に課された責務であると考えます。
 また、我々の消費活動等日常生活における温室効果ガスの排出は増加傾向にあることから、現在の大量消費、大量廃棄型のライフスタイルを環境への負荷の少ない環境に優しいものへ切りかえていくことが重要な課題となっており、この課題に本格的に取り組むに当たっては、すべての国民の主体的な参加が不可欠であります。
 さらに、国や地方公共団体の行う消費活動等が我が国の経済活動のうちの相当部分を占めることから、その活動による温室効果ガスの排出が抑制されるよう計画を策定し、確実に実行する仕組みをつくり、国民に対し率先実行の姿勢を示すことが必要であり、特に住民に最も身近な団体である市町村の果たす役割も重要であると考えます。
 これらの考え方に基づき、衆議院において数点の修正を行いましたので、御説明申し上げます。
 修正内容の第一は、法案の目的規定に「気候変動に関する国際連合枠組条約及び気候変動に関する国際連合枠組条約第三回締約国会議の経過を踏まえ、気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させ地球温暖化を防止すること」及び「すべての者が自主的かつ積極的にこの課題に取り組むことが重要であること」を追加するものとすること、第二は、市町村に対しても都道府県と同じくその事務及び事業に関し実行計画の策定を義務づけるものとすること、以上の二点であります。
 何とぞ、御審議の上、御賛同くださるようお願い申し上げます。
#26
○委員長(陣内孝雄君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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