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1950/11/28 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 運輸委員会 第1号
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1950/11/28 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 運輸委員会 第1号

#1
第009回国会 運輸委員会 第1号
昭和二十五年十一月二十八日(火曜日)
    午後一時四十八分開議
 出席委員
   委員長 前田  郁君
   理事 岡田 五郎君 理事 坪内 八郎君
   理事 原   彪君 理事 米窪 滿亮君
      尾崎 末吉君    小関 義一君
      黒澤富次郎君    玉置 信一君
      堀川 恭平君    前田 正男君
      滿尾 君亮君    山崎 岩男君
      木下  榮君    河本 敏夫君
      淺沼稻次郎君    中西伊之助君
      飯田 義茂君
 委員外の出席者
        運輸事務官
        (大臣官房長) 荒木茂久二君
        運輸事務官
        (海運局長)  岡田 修一君
        運輸事務官
        (国有鉄道部
        長)      石井 昭正君
        日本国有鉄道総
        裁       加賀山之雄君
        日本国有鉄道輸
        送局長     木島 虎藏君
        專  門  員 岩村  勝君
        專  門  員 堤  正威君
十一月二十四日
 委員岡村利右衞門君及び清藤唯七君辞任につき、
 その補欠として尾関義一君及び河本敏夫君が議
 長の指名で委員に選任された。
同月二十八日
 坪内八郎君が理事に補欠当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 理事の互選
 国政調査承認要求に関する件
 陸運事情説明聽取に関する件
    ―――――――――――――
#2
○前田委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求の件を議題といたします。前国会におきまして運輸交通の実情を調査し、陸運及び海運の合理化及び振興対策を検討して参つたのでありまするが、調査を終了するに至らなかつた点もあり、また国政調査を実施いたしまして行政当局を監視督励いたしますとともに、委員会の意思を行政面に反映せしめ、大いに効果があつたことと存じますので、前国会通り、すなわち陸運及び海運に関する事項、及び観光に関する事項につきまして、議長に対し国政調査の承認を求めたいと思いまするが、これに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○前田委員長 御異議なければさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○前田委員長 この際お諮りいたします。去る九月十九日理事坪内八郎君が委員を辞任しておりますので、理事が欠員となつておりますから、理事の補欠選任を行いたいと思いますが、委員長より補欠理事を指名することに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○前田委員長 御異議なければ坪内八郎君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
#6
○前田委員長 これより国鉄の二十五年度予算補正につき説明を求めます。石井国有鉄道部長。
#7
○石井説明員 日本国有鉄道の昭和二十五年度補正予算について御説明申し上げたいと思いまするが、本予算につきましては、実は一応国会の会期もこれあり、かつ一般会計予算との関係もございまして、一応お手元に差上げてございます予算書の形式をもつて、提出いたしておるのであります。しかしながら目下政府におきましては、人件費の関係につきましていまなお関係方面と折衝中でございまして、その関係によつては、この予算の修正というような形で御審議をお願いするようなことに相なるのではないかと、かように考える次第でございまして、この点あらかじめお含みおき願いたいと思います。
 本年度補正予算につきましては、收入面におきましては、旅客收入の方は当初の交付予算に比較いたしますと、約二十六億円の減收を予想いたしまするが、半面貨物收入におきましては、朝鮮動乱を契機といたしまして、非常に出荷が好調でございます。従いまして今後の見通しを見ましても、交付予算に比較いたしましては、約四十六億程度の増加を期待せられまするので、收入におきましては約二十億増加を見込んだわけでございます。このほか給與の改善、その他必要やむべからざる経費の財源に充てるために、石炭費関係におきまして約二十億円の節約をいたし、また修繕費につきましては、工場の料率の軽減等によりまして、約十七億円の節約をいたしました。またそのほか一般のもろもろの物件費におきまして、約六億円の節約をいたしております。この節約関係の財源が四十三億に上ります。これに増收予定の二十億円と、予備費から十三億円を支出いたしまして、「合計七十五億円の財源をもつて、ただいま申し上げますような必要やむべからざる経費に充てたい、かように考えておる次第であります。
 そこで人件費の増加、給與改善の財源でございまするが、これは一月以降から千円のベース改訂をいたすといたしまして、十四億円必要と相なるのであります。そのほかに裁定の線を尊重いたしますと、約三十五億円程度、もしこれを年末手当として考えますと、約一箇月分の年末手当に相なるかと思うのでありますが、約三十五億の人件費が必要でございます。しかしながら当予算におきましては、これを半分だけ見ておりまして、ラウンド・ナンバーで申しますと十八億円に相なるのでありますが、それを見込んでおります。石炭手当の増加分と合せまして三十三億円だけの人件費の増加と、ただいまの予算書では相なつております。そのほかの経費といたしましては、災害の復旧のために十五億、それから收入の増加に伴いますところの経費増、これが五億円、それから信濃川の発電工事の不足経費約六億円と相なりまするが、そのほかに車両、特に貨車の増備に十四億円、それから京都駅の復興工事に約二億円というものを、最近の情勢に応じて一応見込みまして、この人件費外の支出額が四十二億円、従いまして人件費の三十三億円と合せまして、七十五億円をもつて一応支出と予定しておるのでございます。しかしながらただいま申し上げましたように、この案につきましては仲裁裁定尊重の精神にのつとりまして、京都駅並びに車両の増備という方の財源は、むしろ給與改善の財源に充つべきであるという見解をもつて、目下関係方面と折衝中でございます。その点はお含みおきを願いたいと思います。
 補正予算の概略につきましては、ただいま御説明申し上げた通りでございまして、なお御質問がございましたら、それに応じまして御説明を申し上げたいと考える次第でございます。
#8
○前田委員長 ただいまの説明に対し、質問があればこれを許します。岡田君。
#9
○岡田(五)委員 先ほどの御説明によりますと、大体旅客收入において二十六億減、貨物收入において四十六億増ということで、運輸收入は二十億の増になるということを御説明になりましたが、政府関係機関予算補正(機第2号)によりますと、旅客輸送人員におきまして約二十二万人減つており、貨物輸送トン数において百四十七万トンばかり減少するような御説明があるのでありますが、貨物輸送トン数は、私はむしろ最近の貨車不足、輸送の活発化等から見まして、増加するのではないか、増加するがゆえに、先ほど言われましたように四十六億の増收ということになるのではないかと思うのでありまするが、貨物輸送トン数の増減につきまして、またこれに関連する輸送距離の増加その他につきまして、なお御説明を願いたいと思います。
#10
○石井説明員 貨物輸送トン数についての御質問でございまするが、これはたしか本年度の当初予算の運輸数量は、一億三千二百万トンかと思つております。この一億三千二百万トンという数字は、実は一昨年以来のきわめて好調時を基礎といたしまして、御承知のように二十五年度の交付予算をやはり昨年の半ばごろ策定いたしたのでございまして、その関係で非常に大きな数字になつております。ところがその後二十四年度の実績から見まして、この数字は少し大き目ではないかと考えられておつたのでございますが、最近までの実績に徴しましても、本年度の輸送トン数は、昨年の実積の一億二千七百万トンと比較いたしますれば、はるかに増加になるのでありますが、大体一億三千万トンをちよつと越す程度ではないかという計算をいたしておる次第であります。従いまして率直に申しますれば、交付予算に比しては、トン数といたしましてはやはり減少と相なるのでありますが、しかしながらそれは交付予算の貨物輸送の見方が非常に過大であつたと申しますか、昨年の下半期以降におきますところの経済情勢の見通しにおいて、やや楽観的なところがあつたのではないかと思う次第でございます。従いまして本年の十月までの実績を基礎といたしまして考えますと、やはり補正予算でお願いしてあるような数字に相なるわけであります。
 ところが一方、一トン当りの輸送距離でございますが、この距離は当初の考え方に比較いたしますと、当初予算におきましては二百九・四キロ程度の見通しでありましたが、最近の実績は非常に長くなつております。これは一面には遠距離貨物がトラツク等に転移しておる、また海運貨物が予想通り海運に転移いたしておらないという点もあるかと思うのでありますが、そのほかいわゆる統制経済が逐次解除せられました結果、相当自由な取引となつて、いろいろ遠距離から遠距離に物が動くということもあるかと思いますが、非常に輸送距離が延びておるのでございまして、二百三十六・六キロ程度の予想でございます。この延び方は一三%に相なつております。従いまして延トンキロにおきましての増加は、約三十三億程度のトンキロの増加と相なつておると思います。従つて收入面におきましては、輸送トンキロが多ければ当然増收に相なるわけでございます。言いかえれば、発送トン数そのものは少うございますが、輸送の実態はやはり増加いたしております。さよう御承知願いたいと思います。
#11
○岡田(五)委員 次に承りたいことは、六月の朝鮮動乱勃発以来、相当物資関係の価格が高騰いたしておるのであります。しかも最近におきまする鋼材その他非鉄金属、木材等におきましても、相当の値上りを来しておるのであります。本年度当初予算におきましては、かような値上りは予期できなかつたと考えるのでありますが、今回の補正予算におきましてこういうような物価の騰貴、またそれに基く経費増というものが見込まれておるのかどうか。先ほど承りますと、収入増に基く経費増、こういうものを五億見込んである、こういうことでありますが、在来の收入を上げるためにする諸設備そわ他物件費が、最近の物価騰貴によりまして、相当経費増を来すのではないかと思うのでありますが、その間の事情を御説明願いたいのであります。
#12
○石井説明員 お話のように、動乱以来各種の資材の値上り、ことに非鉄金属などは、相当の値上りをいたしておりまするが、損益勘定面におきましては、石炭費におきましては、すでにほとんどビツドを終了いたしておりますので、ただいま申し上げた数字は、値上げ関係によつて狂うことはないだろうと思うのであります。そのほか諸物件費につきましては――詳しく数字をもつて御説明申し上げる資料をただいま持ちませんが、値上げの分は値上げの分といたしまして、相殺された考え方でもつて予算を立てたのでございます。
#13
○岡田(五)委員 後ほどまた承ろうと思いますが、最近の鉄道輸送の――逼迫といえば言葉が悪いのでありますが、貨車不足、輸送力の不足ということが、経済界においても、また社会的にも、相当問題になつておるのでありますが、幸いにいたしまして補正予算におきまして、貨車の増加といいまするか、貨車下足を補う意味におきまする輸送力の拡充ということによりまして、十四億の予算を見込んであるようでありますが、この内容につきまして御説明を願いたいと思います。
#14
○石井説明員 先ほど申し上げましたように、人件費の給與改善と関連いたしまして、貨車の増備に対します予算については、目下関係方面と折衝中でございまして、私ども運輸省といたしましては、これをまだはつきり決定したものとして御説明申し上げることを、しばらく御猶予を願いたいと思うのでございます。ただ貨物の輸送逼迫に伴う根本的な対策が貨車の増備であることは、お話のありました通りでございますので、かりに本年度の補正予算に計上せられないといたしましても、実質上、予算上、資金上の措置は、来年度の予算において可能であります。従いまして増備の計画に対しましては、十分遺憾のないようにやつて行けるものと考えておる次第でございます。
#15
○岡田(五)委員 今の御説明によりますと、貨車増備のためにする十四億の内容は、向うさんの関係もこれあり、内容の公示説明はできない、こういうお話でありますが、何と申しましても現在の輸送力の不足、貨車の不足、これを補うことの急なることは万人の認めるところであります。一日も早くこの内容を決定し、一日も早く増備するということが、一番大きな問題ではないかと思うのであります。できますれば交渉の経過につきまして、速記録に記入することがさしつかえがあるならば、速記を控えても、御公示願えることがけつこうではないかと、かように考えるのであります。
#16
○石井説明員 私の申し上げましたのは、車両費の内訳が関係方面との折衝で、まだお話申し上げる段階に至つていないという意味ではなくして、車両の増備に要する費用を人件費の方にまわすかどうか、給與の改善の方へまわすかどうかという点について折衝中でございますので、一応本年度の補正予算におきますところの貨車の増備計画というものはない。来年度の予算におきまして計画いたすことに相なるかと思うのであります。そういう意味で、ただいま御説明申し上げるのを御猶予願いたいと申し上げた次第でございます。
#17
○岡田(五)委員 人件費の問題につきまして、多少まだペンディングになつておる点もあるようでありますが、先ほど年末手当一箇月分を出すとすれば三十五億、それの半分十八億、
    〔委員長退席、坪内委員長代理着席〕かように私は聞いたのでありまするが、これは半箇月分十八億であるのでありまするか。もしこれが一箇月分になれば、先ほど言われました車両費の十四億からこつちの方にまわそうというお考えであるのかどうか。その辺デリケートな点もあつて、あるいは御答弁しにくい点もあるかと思うのでありますが、できるだけの範囲で御説明を願いたいと思います。
#18
○石井説明員 年末手当一間月分といたしますと、三十五億円でございます。これは一月以降のベース改訂十四億とは別に、三十五億要するわけであります。従いまして予算書に載つておりますものは、その半分の額でございます。半月分ということに相なるわけであります。これを一箇月出すことにいたしますれば、当然財源といたしましては、いろいろの考え方はできると思うのでありまするが、車両の増備の予算を来年度へまわすなりいたしましてこれに充てるということも、最も実行可能な方法の一つとして考慮せられる問題ではなかろうかと考えるのであります。
#19
○中西委員 御説明の際に少し遅れましたので、御説明を聞いていないのですが、今の岡田委員の御質問の中から申し上げますと、人件費、給與改善費あるいは年末手当、ことに年末手当なのですけれども、これを削減すれば車両費に充てるというが、今輸送を円滑にして、そうして食料品なんかをぐんぐん供給してくれなければ大衆は困るので、ことに食料品等の重要な生活物資の滯貨が至る所である。で政府機関がそれを奇貨として、盛んに物価を上げている、こういうふうな状態で、輸送がますます一部に片寄つている。そうして最も重大な生活物資が滯貨をしている状態でありまするから、どうしても車両をたくさんつくつて、貨車の増発をしてもらわなければ、国民生活は行き詰まるのでありまするが、それをするには従業員の年末手当を半分にしなければならぬとかいうふうな論理は、すこぶる当を得ない。なぜかと申しますると、これは人件費でありまするが、物件費の方にもつと削減する点がたくさんあると思う。これは補正予算ではありませんが、昨年度からの予算なんかを見ますると、大体三十億以上のむだな石炭を買い込んでいる、こういうふうなものは一部の独專資本のふところを肥やすにすぎない。そのためにかえつて電化が遅れているという、実に矛盾きわまることをやつているのであります。最も重要な貨車増発に対して、それをやるとすれば、人件費を削減しなければならぬというふうな予算の組み方は、一体どこに根拠を持つてそういうことを言つていられるか。石炭のむだな買入れ、あるいは物件費で中間ブローカーが不当な利得をむさぼつている、こういうことを節減すれば、一箇月の年末手当など何でもない、いつも今までの国鉄の予算がこういうふうにして、一番弱いところに行く、勤労階級の方にすぐ犠牲をしいるというような予算の編成方をやつている。なるほどこの面から見ると、予算の節減する場所がないような感じを起させるのですが、しかし全体の予算の編成の方針が、いつも勤労大衆に犠牲をしいる。ことに国民大衆の最も必要な輸送力を増発するために、最も気の毒な勤労者の年末手当を半減するというような予算の組み方は、非常に不当だと思う。もつとほかに予算を削減する方法はいくらもある。あなた方はこういうふうには答弁されているが、腹の底ではそういうふうに考えていられるだろう。この点について、もつと勤労大衆の生活を安定し、さらに輸送力を増進するためには、どうしてもこの待遇をよくしなければ、輸送関係というものはよく行かない。いくら車両を増してみたところで、そこに従事する従業員が、年末賞與もろくにもらえないというふうなことでは、円滑な輸送はできないのであります。この点で予算の編成の仕方がまつたく間違つていると思う。だから石炭資本家のふところを肥やすようなむだなものを買い込んだり、あるいはその他の物件費でいろいろな冗費をもつて、中間ブローカーの利得をむさぼらしているのですから、そういう点についてもう少し具体的な御答弁を願いたい。
    〔坪内委員長代理退席、委員長着席〕
#20
○石井説明員 いろいろ御意見があつたのでございますが、私ただいま補正予算の概略について御説明申し上げて、車両をつくらなければならないから、年末手当を半減したのだという御説明を申し上げたつもりではないのでございます。むしろ年末手当というものを一箇月分出すということにおいて、目下折衝中でございますので、この点についてしばらく御説明の猶予をさせていただきたいということを申し上げたのでございます。なお石炭をよけい買つたとか、いろいろの御意見もございましたが、いらない石炭を買つておるというようなことはないのでございまして、むしろ最も石炭の価格の安いときに、大量に買い取る契約をしたというようなことはあるかと思います。不要のものを買い込んでおるというようなことは絶対にない、かように信じております。
#21
○中西委員 前に岡田委員に対しては、車両費の方へまわすことになれば年末手当が少くなる、半月になるということをはつきり言われたと思いますが、聞き違いですか。これは岡田委員のそこに速記もあるでしようし、岡田委員に対してそういうふうに答えられたと思いますが……。
#22
○石井説明員 岡田さんの御質問は、年末手当を一箇月分にしたならば、車両費を減すのかというお話でございまして、私はそれに対しましていろいろのことが考えられるが、車両費をまわすのは最も実行可能でやりよい案の一つではございましよう、そうお答えしたのでございます。
#23
○中西委員 それはあなた方の考え方からすると、年末賞與を減せば、それで車両がふえる。それは非常に簡單だと思いますが、そういうようなあなた方の考え方では、一般勤労大衆が困るということなのであります。そういうむりなところで削減をしないで、そういう例は今までもたくさんある。国鉄は人員を整理をする上においては、非常にむりをしておる。たとえば独占資本の方にはどんどん金をやりながら、勤労大衆の首を切つておる。そういうやり方が国鉄の本来の予算の編成のしかたなのでありまして、こういうところまで持つて来ておるということは、われわれには納得行かない。何かほかに財源があるはずであります。ただ勤労大衆の年末賞與を削つて、そうして車両をふやさなければならぬ、こういう予算の組み方はないと思います。だからもつとほかに方法があるはずだと考えるのでありますが、その点はいかがですか。
#24
○石井説明員 先ほど御説明申し上げたのでございますが、今回の給與改善、並びに災害応急復旧等の必要やむを得ざる経費の財源といたしましては、約二十億の收入の増加が見込まれるほかは、物件費の節約四十三億、予備費の十二億、合せまして七十五億円を充当いたしておるのでございます。御指摘になりましたように、物件費関係等についても、できるだけの節約をいたしておる次第でございます。
#25
○中西委員 これは一例ですが、物件費を節約する節約すると言つておいて、不当に高い物を買い入れている実例は幾らもある。たとえば電話機は二千円で十分買えるものを、四千円で買い込んで、ブローカーにその半分をやつているというような、具体的な事実もある。こういうことを節減した節減したとただ数字の上で言われても、実際はそうしたことが実行されていないということなんです。これはあなた方に迫つてみてもしかたがないと思いますけれども、そういう点を十分考慮してもらいたいと思います。
#26
○淺沼委員 ちよつと伺いますが、運輸大臣はお見えになるでしようか。
#27
○前田委員長 運輸大臣はただいま予算委員会に出ておられまして、あとで来ることになつております。
#28
○淺沼委員 今の質疑応答を伺つておつたのでありますが、これは運輸省所管のことであつて、国有鉄道のことではないのですね。
#29
○石井説明員 ただいま御説明申し上げたのは、日本国有鉄道の昭和二十五年度の補正予算についての御説明でございます。
#30
○淺沼委員 加賀山総裁がおいでになつているから、お答え願いたいのでありますが、日本国有鉄道でも年末手当を半箇月分ときめたわけでしようか。
#31
○石井説明員 その点はこの御説明の最初にお断り申し上げたので、一応予算書その他を印刷して国会へ御提出しなければならないので、予算書におきましては、半月分になつておりますが、この点についてはただいま関係方面と折衝中でございます。この決定的なお返事は御猶予願いたい、かよう申し上げたのであります。
#32
○淺沼委員 そうすると国会でとる予算書というものは、仮の予算書ですか。
#33
○石井説明員 形式的に御質問になれば、仮の予算ではない、これが本物だと申し上げざるを得ないのでございますが、私は実情を申し上げまして、御了承を得たい、かよう申し上げた次第でございます。
#34
○淺沼委員 そうすると、一生懸命努力して、何とかしたいという意味のことが考えられるのですが、この前私この席上で秋山次官にお伺いしたときは、半箇月分でなく、一箇月分かに相当するもの、並びに国鉄裁定を全部のんだ形の予算を組んで、大蔵省の了解を得た、こういうふうな答弁がなされておるのですが、そのときの実情とは違うのでしようか。
#35
○石井説明員 この前次官の御説明がいかがであつたか、私同席しておりませんでしたので、はつきり承知しておりませんが、私の推測いたしますところでは、多分一箇月分の年末手当と、一月以降のベース改訂と合せた四十九億については、日本政府においては予算案としては決定して、それで国会に御審議を仰ぐことができるように、関係方面に提出してあるというお話ではなかつたかと思うのであります。
#36
○淺沼委員 そうすると、四十九億一箇月分を組んで、そのうちから貨車の費用として十六億、それから京都駅の再建のために三億出す、こういうのは、政府の意思ではなく、いろいろの折衝の過程においてこうなつたということでしようか。
#37
○石井説明員 この案を最終的に御審議をお願い申し上げるということになりますれば、もちろん政府の意思でこうなつたというお答えをせざるを得ないと思うのでございますが、この編成の過程はおつしやるように、閣議で一応決定いたしました政府案が、正式に本ぎまりになる過程においてでき上つて参つたものであります。しかしもちろんこれが政府の案であるとして、御審議をお願い申し上げることになりますれば、当然政府の意思と申し上げるほかないと思います。
#38
○淺沼委員 しかつめらしいことを申し上げてもいかがかと申しますから、申し上げませんが、私はやはり国会と政府の関係ということになれば――この委員会だからいいようなものですけれども、話合いや何かでは私はできないと思うのです。親切にお話を願えるのだから、もし望みがあればいいのでありますが、望みがなければ、出したものはそのまま生きてしまうということになる。従つて政府の意思は決定されないのに、決定されたごとく臨んで来る。しかしわれわれは従業員のことを考えなければなりませんから、余裕を持つているということは非常に喜ばしいことであつて、それならば一体可能性はどうかということをひとつお伺いしたいと思います。きのう全官公労といいますか、共産系でない民主的な官公庁における労働組合の方々が、あらゆる方法で合法的実力行使ということをきめたことが、新聞に出ております。従いましてそのことは、国鉄はこの中に入つておらぬと思いますが、官公労の関係でありますから、官庁で働いている方々の中に、そういつた定時退庁だとか、あるいは時間厳守だとかいう傾向が現われて来れば、そのことは必然的に国鉄にも響いて参ろうと思います。従つてそのこと自体が交通に與える影響というものは、全然無視はできないと私は思うのであります。少くとも国鉄の方からいえば、一箇月分出せるという予算が出ているにもかかわらず、途中で少しかえたという形が現われているのでありまして、日本国有鉄道の経理からいえば当然出せるものを、政府の方の都合で出せなくなつたという形が出て来ておつて、非常に反抗的な闘いが出て来ると思いますが、そういう見通しはいかがですか。
#39
○加賀山説明員 ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます前に、お許しを得まして、最近四国における大栃線の事故、並びに京都駅の燒失、さらにさかのぼりまして熊ノ平の事件等、非常にお騒がせするような事故を続発いたしまして、この中にはわれわれ注意をしておつたにもかかわらず、そういうような結果を生じて、まことに申訳ないと、そのことについておわびを申しげたいと存ずるのであります。
 ただいまの淺沼委員の御質問に対しましてお答え申し上げます。私どもといたしましては、裁定が出まして以来、当時の国鉄予算におきましては、何らまだ見通しが立つておらないために、たびたび国会の審議を煩わしたのであります。その都度継続審議を煩わす余儀ない状態にあつたわけであります。上半期を終りまして、徐々に收入並びに支出の状態が、見通しが判然といたして参りまして、今回の国会を前にいたしまして、計数を整えました結果、相当の節減と、また増收が見込まれるという段階に達したわけであります。従いまして私どもといたしましては、当然にこれはいわゆる仲裁裁定の趣旨に沿つて支出されてしかるべきものであるという見地のもとに、予算を整えました次第でございますが、先ほどからいろいろ御質疑のようないろいろの状態のもとに、まだその点が明らかにされておらないということは、国鉄当局といたしましては、まことに遺憾この上もないと存じておるのであります。これに対しまして、もちろんこの経過たり見通しにつきましては、労働組合とも連絡をとつて隔意なく話をして参つております。先ほどの御質問のことに対しましては、これは労働組合のことでございますから、私からどうするだろうというような予測は申し上げられませんが、国鉄労働組合としても、最大の関心をこの裁定実施にかけておるということは事実でございますので、この成行きいかんによりましては、楽観をすることができない。国鉄労働組合も、事の趣旨を輿論に訴えて、十分に御理解を得るということに全力を注ぎたい、かように組合の役員諸君は申しておられたのであります。私もそれが一番よかろう、今度の問題は何といたしましても、組合の主張もわれわれの考えもまつたく一致しているのであつて、これはそれほどさように明らかなものであるというふうに私どもは考えておるということを、組合とも話をいたしておつた次第であります。事の成行きは実はまだ判然といたさない今日、はなはだ残念でございますが、私どもといたしましては、全力をあげてこの趣旨を通しますように努力をいたしたい、かように存じておる次第であります。
#40
○淺沼委員 大体総裁の意のあるところはよくわかりますが、総裁がそういうような考え方を持つておつて、予算書を提出されたにもかかわらず、運輸当局においてはいれられない理由はどこにあるのですか。国鉄の方の要求を運輸当局の方でいれられない理由を、部長からひとつ御答弁を願いたい。
#41
○石井説明員 国鉄の考え方に対しまして、運輸省といたしましても、これを拒否いたしておるわけではございません。ただいまこのような予算書のような形と一応なつておりますが、せつかく折衝中でございますので、もう少しの御猶予をお願いいたしたいということを、御了承を得たいのでございます。
#42
○淺沼委員 非常に望みのあるようなことを言われて何ですが、そうすると予算書の通りにならぬということは、予算書の誤植の訂正でやつて来るのですか。一ぺん出したものを直せますか。それを議会にかけて直すことになるのですか。
#43
○石井説明員 国会法の取扱いその他につきましては、私ども專門家でございませんので、研究しておりませんから、はつきりしたお答えはできないのでございますが、実質的にはとにかくそういう修正したと同じような結果をとるような手続をしなければならぬことに相なると思います。
#44
○淺沼委員 どうも私納得行かないのですが、他の予算の中でも、こういうことがあつてはいけないと思います。が、そうすると政府のやつておりますることは、問題はあとに残しておいて、予算は形式に出しておいて、あとで実態をつかむ、そういうようなことで、それではわれわれはどこを審議したらよいか。今のお話の通りに、こうやつておいて、幾らか脈があるからといつてひつぱつて行つて、結局脈がなくなつて、これはだめだということになつてしまつたのでは、自然だめだということになるのですね。従つてわれわれの方から修正をした方がよいというなら修正をして、また関係方面と折衝するという手もあるでしようし、そういうような話合いをすることが私は妥当だろうと思います。もちろんこの委員会においてそういうことはできません。そういうことはできませんけれども、予算委員会においてはそういうような話合いをして、やはりそうやつて押した方がこれが通るのか、もういかんのかということが、はつきりしないといかん。私は初めこれを出して来たのは、不承認の承認を求めたという形になつて、承認を求めて来ておると思うのであります。ところがこのごろ財源ができたから、今度は承認してもらいたい。一体政府の意思が二つあるわけですね。政府の意思というものは、二つあつてはいかぬと私は思う。客観的情勢が違つて、幾らかもうかつて来たからこうなるのだというなら、初めから不承認の承認ということを求めて来ない方がいいのであつて、審議未了という形式をとられながら、実は承認をしてもらいたいというのが意思であつて、表向き不承認の承認を求めて来て、実際は承認を求めたいけれども、今は時期でないから、ずつと継続して今日まで来たということであつて、そうすると、この裁定問題の扱いにおいて、法律の解釈においてすいぶん論議したけれども、結果においてはわれわれの考え方に政府の方が追随した形になつて、承認しなければならぬ。この前のときには不承認の承認で押し切つて来て、今度は内容がこうなつたから承認しろ、この扱いにおいては、納得行かない点があるのです。法律の解釈から行けば、われわれは当然予算を付して出して来るのがあたりまえであつて、付さずに出して来ることに誤りがあるだろうと思います。そこで見通しはどうでしようか。実際は運輸大臣にお聞きしたいと思いますが、見通しがあれば、これ以上議論するよりも、まあお願いをしておいた方がいいのですが、見通しがないのに、だんだん乘せられて行つて、しまいにはだめだということになると、われわれとしても大いに考えざるを得ない点がありますから、もう一ぺん念のために、この貸車に與えた十六億と京都駅の予算の二億というものは、これは出さないで済んで行けることになるかどうか、これをお聞きしたい。それともほかに財源がないからこれはだめだというのか、あるいはほかに財源の望みがあるとすれば、どういうところに望みがあるのか、もう少し具体的にお答え願いたい。
#45
○石井説明員 いつまでも何か未決定のままで御審議を煩わすというようなことを申し上げるわけでもないのでございます。詳しい情勢を、これは運輸大臣にお聞き願わなければ、私どものような下僚は実は何とも申し上げかねるのであります。しかし私どもの承知いたしております範囲においては、きようあす程度待つていただければ、その間の帰着がはつきりするのではないか。いつまでもだらだらにかかつて、どうのこうのという意味でお願いしておるわけではないのであります。
#46
○原(彪)委員 ただいまの御説明について、二、三御質問申し上げたいと思います。ただいま旅客運賃で二十六億減收になるというようなお話がありましたが、旅客運賃はいまさら私が申すまでもなく、おそらく旅客は一番運輸省のドル箱ではないかと私は思うのです。乘る乘客の増減というものは、夏、冬、によつて多少かわりはありましようが、大体において一定しておる。従つて賃率によつて増收というものもはかることができるのですが、先般の旅客運賃改訂の際に、私が当局に承つたところによりますと、旅客は黒字であつて、貨物はむしろ赤字であつた。しかるに現在旅客が二十六億も減少しておる原因がどこにあるのか、はつきりわからないのですが、その点ひとつ御説明いただきたいと思います。
#47
○石井説明員 旅客の人員につきましては、これは鉄道だけで申しますと、当初予算約三十億人という輸送人員の予定をいたしたのであります。これがただいまの予想では、ごくわずかでございますが、二十二万二千人の減少と見ておるのであります。人員そのものにつきましてはさほど増減はない。ただ一人当りの平均乘車キロ、足が非常に短かくなつて参つております。その関係でやはり六%程度減收を見ざるを得ないような状況になつております。旅客が減少いたしました理由は、特にその状況が顯著でございましたのは、昨年の後半期から本年の上半期にかけてでございます。これはいわゆる昭和二十四年度におきまするところの均衡予算、ドツジ・ラインの緊縮政策が、非常にきいて参つたためではないかと思います。従いましてこういう政策が実施されますと、ただちに消費面に強く現われて来ることは、御承知の通りでございます。旅客輸送のごときは、非常に消費的傾向に左右されるのでございます。景気、不景気の波が大きくかぶつて来るわけであります。昨年の後半期から本年の上半期にかけましては、そのかぶり方が実に深刻なものでありました。これはひとり旅客輸送のみならず、各種産業においても同様の影響を受けられておるのではないかと思つておるのでございます。それからいま一つ考えられることは、やはり統制が非常に緩和されまして、物資も相当出まわつて参り、特に食糧事情等が著しく改善せられたということにあるのでございます。終戰当時からこの方、旅客が異常膨脹いたしましたのは、いろいろな原因がございますが、その大きな原因の一つには、食糧関係あるいは疎開関係、というようなことで、旅客が動いたのが非常に多い。同時にやみ商人と申しますか、やみ行為のために人が動いたというようなのが、相当顯著な事実であつたのでございます。ところが経済安定に伴いまして、統制物資も逐次解除せられました関係上、そういう終戰後の異常な旅客の要素が特に減つて参つた。こういうような二つの関係が大きく響きまして、そのほかいろいろな原因もございましようけれども、たとえばバスとかその他の自動車運送が、なかなか活発になつて来たというようなこともあろうかと思います。いずれにいたしましても、そういう影響が特に響きましたのが、本年の上半期の現象でございます。この間に相当大きな輸送に対する減少を招いたのであります。その後本年の下半期に入りましてからは、旅客の方も輸送量も割合に好調になつて参りました。もちろん以前のような旅客の輻輳という程度には相ならないのでございますけれども、どんどん減つて参つたという情勢は、むしろ最近では好転して参つたのではないか、かように考えられるのであります。その間の事情も織り込みまして、本年度の予算編成をいたしたのであります。
#48
○原(彪)委員 総体的に二十二万二万人減つたとおつしやつたのですが、そうすると距離が狹まつたという意味ですか。短距離の乘客が多くて、長距離を乗る人が少い、こういう意味ですか。
#49
○石井説明員 おつしやるように、人キロにおいて減少しております。一人当りの平均乘車キロが、相当減つておるわけであります。しかしそれでただちに遠距離客が減つたと結論づけられるかどうかと思うのでございますが、遠距離客は、国鉄の輸送人員の中で占める割合が少うございます。従つて妙な言い方でございますが、もちろん短距離客が総体的にはふえておるわけでございます。それは短距離客と申すよりも中距離と申しますか、あるいは短距離より少し長目の客と申しますか、百キロとか百五十キロというような旅客が、むしろ総体的に減少しておるのではないかというようなことで、長距離に参る旅客は必ずしも減つてはおらないというような傾向を示しております。
#50
○原(彪)委員 旅客の問題について、いろいろ今後の運輸省の対策や何か聞きたいのですが、それはあとまわしにします。
 次に信濃川の発電所に六億御必要で、来年度完成される御予定のようでありますが、六億の用途についてもう少し御説明いただきたいのです。そしてまた来年度の対策というようなものについてもお聞きしたいと思います。
#51
○石井説明員 ちよつと具体的に何に幾らという数字を持ち合せませんので、これは次の機会に御説明させていただくといたしますが、大体の理由は、鋼材その他の値上りがございますることが一つと、それから工期を繰上げまして、と申しますのは、あそこは冬になりますと工事ができなくなります。従つてある一定のところまで工事が進んで参りますと、冬期間杜絶いたしますことは、かえつて全体の計算上損になります。来年度の分を幾らか繰上げて今年度にやつておけば、むしろ全体の経済上利益になるというような工事工程の関係と両方で、必要になつて来ると御了承願いたいと思いますが、具体的にどれに何ほどということは、次の委員会のときに数字を差上げたい、こう思つております。
#52
○原(彪)委員 信濃川発電所の完成はいつですか。来年できますか。それとあとどれくらいの予算が入用ですか。
#53
○石井説明員 信濃川の第三期工事の竣工期は、最初はたしか来年の十一月ごろから発電いたしたいと思つておりましたが、ただいまのところでは、工期の繰上げ等によりまして、九月あるいは十月ごろに完成するのではないかと考えております。来年度の予算は、これは来年度予算案として次の国会にお願いいたすことに相なると思うのであります。ただいまはつきり記憶いたしませんが、二十億程度で済むのじやないかと思います。
#54
○加賀山説明員 先ほどちよつと申し上げたのでございますが、最近におきまして京都駅の失火なり、大栃線の自動車事故並びに熊ノ平、信濃川における両事故といつたふうに、非常に国民各位をお騒がせする大事故を続発いたしまして、これに対しまして本委員会を通じて深く遺憾の意を表し、おわびを申し上げる次第であります。大体の原因、応急の処置等につきましては、担当の局長をして御説明申し上げた次第でありますが、特に火災事故につきましては、ほとんど全部が建物が木造であります関係で、この火災の防止には並たいていでない注意をいたしておる次第でございますが、たとい鉄道職員の過失でなかつたとは言いながら、長く国民に親しまれて参りまして、相当年月は経ておりますが、また親しみをもつて十分お使い願えると思つておりました京都駅が燒失いたしましたことは、まことに遺憾この上もないことでありまして、われわれといたしましては、とりあえずまつたくの仮のバラツクで仕事をさつそく始めておりますが、これは仮復旧というような手段をとりませんで、できることならば予算を御承認いただきまして、さつそく本復旧にかかりたい、そうして名実ともに新しい日本、また旧都であるところの京都という所にふさわしい設備の駅を設けて、再び国民各位にかわいがつていただきたい、さようにいたしたい、かように存じておる次第であります。
 自動車事故につきましては、私どもの方で特に注意をもつて調べたのでございますが、酒気を帶びていたためにしくじつたということは、その後の調査によりまして、それは特にとがむべきほどのことではなかつた、勧められてわずか――これは飲まない方がほんとうによかつたと存じますが、わずかの酒を口にした、この事実はあるようでございます。これすら私どもは非常に遺憾に存じまして、たとい休憩中といえども、そういつた重要な職務にある者は、行動を愼むということは、特に注意を喚起いたしたのでございますが、この事故を起しました運転手は、平常の勤務状態もまたよくございまして、またお客にも親しまれておつたということの調査の報告を得ておるのであります。いかにも残念な事故であつたと存ずるのでありますが、何しろ国鉄線はかなり險峻なところ、道路の幅員の十分でないところを引受けてやつておりますので、私どもその点平常からも心配でたまらないのでありますが、従来無事故でありました本路線に、遂にかかる大事故を起しましたことは、返す返すも遺憾のきわまりでございまして、私どもといたしましては善後措置、特に弔慰につきましては万全の措置を講ずるつもりでございます。
 なお熊ノ平並びに信濃川の土砂崩壊並びに落盤事故は、科学者等にも行つてもらいまして、嚴密に地質等にわたりまして調査をした次第でございますが、当時といたしましてはまつたく不可拡力であつたと申すよりほかないのであります。しかしながら多数の貴重の人命を損じたことでありますので、なおわれわれといたしましても今後の事態に備えまして、十分なる調査を遂げ、特に地質構造の研究がわが国におきましてはまだ非常に足らないようでございますので、その点特に專門家を要請して、特に險峻な所に架設した鉄道、その鉄道における地質構造の問題を大きな対象といたしたい、かように存ずるのであります。まことに遅ればせのようでありまするが、これは根本的に重要なことであると考えております。なおこの研究とともに、もちろんこの構造を改良して行きます場合には、非常に莫大な金を要するのでありますが、年々工事費として取上げられた中から、防災といたしまして十数億の金は年々使つておるのでありますが、なかなかもつてその程度の金では水害等の場合に事故を全然防ぐというところまで行かないので、その点はまことに遺憾に存じておる次第であります。
 以上三つの大きな事項につきまして、私から御報告申し上げたような次第でございます。
#55
○中西委員 今総裁の話を承りましたが、また総裁が非常に遺憾とされていることも了といたしますが、事故の原因について、どこに一体そうした事故が引続き起るのか。特に京都の火災のごときは、私新聞でしか見ないのでありまするが、従業員がそういう防火に対してはすこぶる無関心であつた。あれだけ大きなりつぱなものをなくした原因については、いろいろ御調査になつていると思うのでありますが、しかしながらまた不可抗力だ、自然の現象だと、こういうように言われております。しかしこれを深く研究して行くと、決して不可抗力ではない。京都駅のごときは、漏電とか何とかということでありますが、新聞紙上でしか知らないのでありますが、一体こういうふうな事故を頻発させるということは、どこに原因があるかということを総裁にお尋ねしたい。これは私の考えなのですが、従業員が労働強化をされたりいたしますると、こういう場合に仕事を投げるというふうな感情が非常に強い。私は国政調査にまわつていても、非常に不平を聞くのである。今の国鉄のやり方に対して、食つて行けない、やつて行けないという不平が至るところにあるのであつて、たびたびむりをして人員を減らし、あるいは労働強化をし、あらゆることをやつて来たので、人心が離反していると思う。人心が離反して来ると、こういう事故を起して来る。すべき仕事を投げている。これはけしからぬことではあるが、少くともこうした方面の責任のある仕事をする人は、十分にこの点を考慮してもらいたい。たとえば前に私申しました年末賞與を半分にして車両をふやすというような、こういうやり口を従業員が見れば、これは非常に不愉快である。ばかばかしい。だから仕事を投げやりにするというような感情がますますわいて来る。こういう点を一体こうしたことの衝に当つている人が考えているかどうかということを、総裁にお聞きしたいと思います。
#56
○加賀山説明員 京都駅の事故を例に引いて言われたのでございますが、原因はまだ明確ではございませんが、ほぼ食堂関係従業員の過失にあるようであります。その場合、防火その他についての意欲が足りなかつたのではないかという仰せでございますが、これはちようどその部分については、かぎをそのところに預けて貨してある、防火の責任もそこにゆだねてあつたということなのでございまして、これは私どもとして遺憾に思うので、これからの体制といたしましては、すべて鉄道の手で管理をする、そして少しも心配ないような使い方をするというようなことにいたしたい、かように存じております。従つて鉄道のかぎがございませんので、職員の手の届かなかつたところから起きたのであります。いざ火事になつた場合の職員の動き方は遺憾なく、徹夜勤務の職員その他近所に勤めておる職員も全部手伝つて、非常な努力をしておることを私ははつきり報告を受けておるのでありまして、その点少しも御非難を受けるようなことはなかつたと存するのであります。ただ遺憾ながら素手では消せない、水が足りなかつたという、非常に大きなことに災いされたことは事実でございます。全般的に申しまして離反し、あるいは国鉄に対して非常に再建を危うくするという分子は、今日までに大体鉄道から出てもらつておりますので、ただいま鉄道に残つております限りは、非常に国鉄の再建に熱意を持つておることと、また国鉄労働組合といたしましてもきわめて民主的でわれわれ管理者との間におきましても、信頼関係をもとにいたしまして種々の交渉をいたし、話合いを進めておるというのが、偽らない現状でございます。はつきりと御報告申し上げます。
#57
○坪内委員 この際総裁にお尋ねしておきたいと思いますが、最近の国鉄におけるいろいろな事故につきましては、ただいま総裁からもお話がありましたが、大体国鉄の事故というものは、結果において考えてみると、いろいろな関係において事故が生ずるのだけれども、何かわれわれ国民に與える印象は、従業員の勤務ぶりの弛緩というようなこともうかがわれるのであります。京都駅の場合におきましても、わずか十五、六才の給仕のアイロンの不始末だというようなことを聞いておりますが、総裁は国鉄の総合的なそういつた事故が、一体どこにあるのかということの点について十分お考えになつて、そうしてそれを将来どういうふうな計画のもとに指導して行こうとするのかというようなことについて、総裁の国鉄運営ぶりといいますか、そういう点について私はお尋ねいたしたいと思うのであります。さらにまた京都駅の火災による復旧工事費の二億円というものは、これは恒久的な建物であるかどうか、この点の内容をもう少し詳しく御説明願いたいと思います。
 それから第二点に大栃線の事故につきましては、先般津田局長から御説明がありましたが、総裁の今の御説明も、大体において津田局長と同じような説明でありました。ところがその後われわれが耳にするところによりますと、この前の委員会におきましても、われわれはこの点を非常に憂慮いたしまして、つつ込んだ質問をいたしたのであります。それは運転手が酒気を帶びて運転したのではないかというようなことを御質問申し上げたのでございますが、そういうようなことは絶対ないというような話でありますし、またただいまの総裁のお話でも、そのようなお話でありました。もちろん国鉄のそういつた事故の原因の調査というものは多角的に十分調査がされたのであろうと思いますけれども、われわれの耳にするところによりますと、出発前にからのバスの中でコツプ酒をあおつて、そうして東京音頭を歌つたというようなことも聞いておるし、さらにまたこの事故の生ずる前に、二回も崖から落ちかかつたので、驚いた乗客がそのバスから降りまして、そうして事故の生じたバスにたくさん入り込んで行つたというようなことも聞くのでありますが、その後われわれの委員会に津田局長が報告した内容は、あくまでも当時の真相であるということになつておるのか、あるいはその後そういつた面の事情が新たに判明したということはないのかどうかということについて、この際もう一度お尋ねいたしたい、かように思うのであります。
#58
○加賀山説明員 最初の問題に関しましては、何と申しましても国鉄は戰争中の酷使と終戰後の非常な混乱、従つて非常な赤字ばかりを計上されておりまして、それを借入れあるいは繰入れを受けて、設備改善をいたして行こうといたしましても、そこにおのずからなる制約を受けて参つたということは事実でございまして、その点が非常に遅れておつた、従いましてまず第一に戰後建物、車両のような、結局国民各位に御利用願う方を先にしなければならなかつたというようなことでございまして、その方に主として金をつぎ込んで来ざるを得なかつた。従いまして私ども従事員の給與に対しましては、もちろん十分とは考えなかつたのでありますが、遺憾ながら両方を満足するほどの財源を得ることができなかつた。もちろんただいまにおきましても、本年初めてこの收入の中から二百億のいわゆる減価償却的経費を繰入れまして、自己資金によつてそういつた取替並びに改善をやつて行くということができることに相なりましたけれども、もちろんまだ私どもといたしましては金さえあるならば、たとい借入れてもいろいろな、特に新しい建設――電化とか新しい線の建設であるとか、そういうこともやつて行かなければならぬ。また車両も年々古い車がたくさん出ますし、さらに最近の輸送状況は、先ごろ木島局長から御説明申し上げたように、現在は貨車不足をむしろかこつておるというような状況でございますので、できるだけ貨車も新造いたしたい、そういつた面にも金がいるわけであります。従いましてどこを見てものいることだらけでありますが、まず何を大切にしなければならぬかと申しますと、まず第一段といたしましては、どうにか戰後のあのひどい状況からは、やや立ち直つたということができると思うのでありまして、今日まで従事員に努力を煩わし、また引続いて従事員が非常な勤労意欲を持つて復興に邁進しておるのでありまして、その点からまず私どもはやらなければならぬことは、せつかく今年の三月に出ました裁定の線を尊重してべース・アツプするということが、私は現在としても先決であろう、かように考えておるのであります。これによつて懸案となつておりましたいわゆる給與の水準が、仲裁委員会の裁定通り上るという結果を生ずるのでありまして、これによつて従事員は、これでももちろんあるいは十分でないかもしれませんが、これをできるだけ従事員に均霑して、従事員の勤労意欲をそがないように持つて行きたいというのが、私の念願でございます。なお工事方面におきましては、できるだけ防災工事等々盛んにいたしまして、なお働くための安全衞生施設等にも金をつぎ込む、そういうことによりまして事故を少からしめて行くのが、私どもの最も重要な任務であるというふうに考えております。
 京都駅の予算でございますが、これは実はせつかく新しくつくるということでありますならば、だれが見てもいいものにしなければならないのでありまして、幸いに運転施設その他燒失を免れましたけれども、できるだけ構内の配線等も考えて、総合的に京都駅が最も働きいい、またお客様が御利用になりやすい、また見て感じがいいというようにいたしたいと、ただいま鋭意設計中でございます。ごく第一段のプランはすでに得ておりますけれども、まだ精密に検討して、どこもすきがないというところまで行つていないのでございます。われわれの目算した見当によりますと、二億ないし三億という金がかかりはしないか、これはやりようでございますが、従つてただちにかかるとするならば、本年度のうち少しでもその中の予算を使つてやるということに相なるわけでありますが、全貌がはつきりいたしませんので、従つて全体計画から見た全体の予算は、まだ計上していないというのが現状でございます。
 大栃線の事故につきましては、先ほども私が申し上げましたように、当時そういう話がございまして、これは一大事であるということで、私らも特に愼重にその点を追究いたしたのでありますが、そういう事実はまつたくないという報告を受けておるのでありまして、繰返しその点について御報告を申し上げてお答えといたしたいと思います。
#59
○坪内委員 総裁としての国鉄運営の方針についての大体のお話がありましたが、その点は非常に大きな問題でありますので、次に壤ることにいたしまするが、京都駅の復興工事は、またこれは暫定的な一時的な予算であつて、将来まだ完成するのには相当予算がかかると思うのでありますが、その総予算はどういうところに目標を置いているのか、二億、三億、あるいは五億かかるのか、とにかくこれは完成予算ではないというお話でありましたが、その目標をお尋ねいたしたいと思います。
 さらに大栃線の問題につきましては、大体われわれ委員会に報告した内容が間違いがないというようなことでございますので、一応そのように了承はいたすことにいたしますけれども、われわれが聞くところによると、相当本委員会に報告した内容と、事実が違うようにも考えるわけであります。そこでさらにその点はひとつ十分愼重に調査して、そうしてもし何か間違いがあつたならば、さらに報告していただきたい、かように考える次第であります。
 なおこの際つらつら考えてみると、どうも国鉄の現在の総裁の運営ということについて、何かむりがあるのではないかということをわれわれは考えるわけでありますが、第七国会において当委員会といたしましては、現在の加賀山総裁一人では、どうしてもこの厖大なる国鉄を運営するにつきましてはむりである。この際何とかして副総裁をすみやかに選任するように、われわれは決議をしたのでありますが、そのことについてわれわれが受ける感じといたしましても、何か総裁が事務的折衝の面のみに追われて、真の文字通りが総裁としての仕事ができないでおるのではないか。すみやかに副総裁を置いて、国鉄の円満な、合理的な運営をはからなければならないということを考えておるのでございまして、われわれは総裁がいつそういう副総裁の点につきましても、考慮を拂うものであるかということを、今日まで見守つておるわけでありますけれども、何ら具体的にそういつた面が具現されないのでありますが、この点について総裁は最近どんな心境であるのか、お尋ねいたしたいと思います。
#60
○加賀山説明員 法律の上からせつかく設けられた副総裁でございますし、私就任以来その問題については常に頭に置いて参つておるわけでありますが、問題は、要するに人の組合せの問題でございまして、たとえば外から物色するといたしましても、せつかくこちらがいいと思いましても、なつていただけなければそれまででありますし、また適当でなければ、かえつてそこに繁文縟礼も起きるというようなことにも相なりますので、きわめて愼重ではありますが、しかし全部そういつた御趣旨も体しまして、広く目を開き、門戸を開いて、適当な最もいい人と、それから時期とをにらんでおるというのが現状でございます。決して絶対に副総裁を置かないという趣旨ではございません。かように御報告申し上げたいと存するのであります。
 それから京都駅のことは、先ほど申しましたように、これは單なる見積りにすぎないものに相なろうかと存ずるのでありまして、真の予算は、最後的に幾らかかるということに相なりますと、建物の設計が全部緻密にでき上り、また構内の配線の変更等、あるいは未燒失の部分に手を加えるということが、全部はつきりいたしませんと申し上げかねるのでございますが、先ほどの見積りということに相なりますと、やはり三億程度の金額がいるのではないか。もちろんその中に含まれました内容は、建物といたしましては、鉄筋コンクリートの二階建を予想いたしておる次第であります。従いましてこの予算面に現われております一億六千万円、この金額は仕上りの場合の全額ではないというように、私どもは考えておる次第であります。
#61
○山崎(岩)委員 国鉄のたび重なる災害につきまして、総裁がたいへん御憂慮されておりますことは、まことに御同情にたえません。えんえん二万キロにわたる営業キロを持つておるのであり、さらにまたバス、トラツクとかいう営業線から言いますと、日本国土の全体にわたつておりますところの営業線でありますから、いろいろな事故が生じて来るのは、これまたやむを得ないかと思うのであります。しかしながらそういうようないろいろな事態ができることにつきましても、何と申しましても加賀山総裁のお言葉にもありましたように、人の和が必要なのでありまして、人の和がなければ、こういうような大世帶の運営は困難でありますことは言うまでもありません。先ほど中西委員の質問の中には、どうも裁定のいろいろの問題がひつかかつておる。賞與の点が、一箇月分と見積つたのに半月より行かないというような、いろいろな問題に対するところの不平等が勃発して、こういうような問題が作意的に生じて来るのではないかというような御質問もあつたのでありまするが、私はさようには考えません。またそういうふうでないとも思うのでありす。このごろの国鉄の輸送というものは、終戰直後の状態とはがらつとかわりまして、まことによく勤労意欲を持つてやつているのが、私ども旅行するたびに目につくのでありまして、この点につきましては、何と申しましても、日本国民の祖国再建のために努力されているという姿を、まざまざ目の前に見ることができるのであつて、御同慶にたえないと思つておるのであります。しかしながらそれはまた一方におきましては総裁としても、私どももまた運輸委員といたしましても、いろいろな面についてこまかい点までも目を見張つて、そうして惡いところを直し、よいところを助長して行くという点のことにも、なおざりにしてはならないことは申すまでもありますまい。そこで今度はこういうような事態が起きて来まして、加賀山総裁がただいま委員会に対しまして陳謝された。このことは委員会に対する陳謝ではなくして、国民全体に対するところの陳謝である。しかも私ども国会議員というものを、国民の代表者として認められた結果の御陳謝である、私はさように了承いたしまして、うれしく考えるのであります。ややともしますると、国鉄は今度の公共企業体になりましてから、国会と遊離して、われわれはコーポレーシヨンになつたのであるがゆえに、国会と離れておつても大したさしさわりがないといつたような考え方が、随所に現われておりますることは、今日までいろいろ私は遺憾に考えたのでありましたが、時あたかも本日の委員会におきまして、加賀山総裁がこの国鉄のいろいろな不祥事件に対しまして陳謝されましたことは、私は当を得た処置であると考えまして、国民の一人として、また国会議員の立場におきましても、総裁のその陳謝は了とすべきものであると私は考えるのでございます。さて加賀山総裁に私どもはいろいろな面において今日まで折衝を遂げて参りました。国鉄機構の改革の問題に伴いまして、本委員会は九月の十九日に決議をしておるのでございます。その後におきして、総裁は青森県の方を御調査くださいまして、青森県のいろいろな管理局の問題、あるいはまたいろいろな国鉄の運営上の問題等につきましても、詳細に御調査あそばされました。その際総裁は国鉄の労働組合の幹部の諸君に面会をされまして、いろいろお話合いがあつたのであります。私の手元にその際におけるこまかいいろいろな質疑応答に関する速記録が参つておるのでありますが、総裁は今日までいろいろな点におきまして、管理局の増置の問題につきましては、外に向いましてはいろいろ強い、だが内におきましては、いわゆる労働組合との関係につきましては、親子の関係といつたようなものでありましようか、ある程度の総裁御自身の御意図を漏らされておる。私はこの速記録を見まして、まことに腹の中のしこりがとれたような気がしたのであります。つまり言えば、外剛内柔とでもいいましようか、外に対しましては総裁は毅然たる態度を持つておられますけれども、内に向いましては、いろいろな点においてまだやわらか味を持つておられるという点を、この点において発見した。そこでこのお考えが今日なお加賀山総裁のお考えであるかどうかを、お尋ね申し上げたいのであります。管理局の問題について、労働組合の幹部品諸君と御折衝なさいました際における質疑応答を読み上げます。組合側としまして、管理局問題については、外部的に相当政治的にも発展しておるように聞いており、組合としては現在の状態からいつて、現状における困難性があると思う。これに対していかに考えているか。総裁、現在の不便の問題は、機構改革による過渡的なものと思う。過渡的なものを根本的なものと関係せしめることは誤りである。組合、過日国会の運輸常任委員会で四局設置の決議をしたが、これとの関係はどうか。総裁、運輸常任委員会は公社の監督機関でもなく、国鉄運営がそれによつて左右されるとは思つていない。但し何らかの形で響いて来るのではないかと思つている。組合、何らかの形で響いて来るとのことであるが、大臣命令、国鉄法第五十四條のことも考えられるが、もしこれが正式、具体的なものとなつた場合は。総裁、正式なものとなつた場合はこれに従わなければならないと思つている。私としてはそのようになつても、あえて固執しようとは思つていない。このように総裁との質疑応答が終つているのでございますが、これが総裁が新聞等に発表するところによりますと、これとはがらつと違つた態度をもつて、まことに強硬な様子が見えるのであります。しかるところこの国鉄労組との関係におきましては、ある程度の御意向を漏らされている。これは親子の関係で、ほんとうの考えを漏らされたものと考えるのでございますが、この点について総裁はいかに考えておられますか、承りたいと思います。
#62
○加賀山説明員 国有鉄道法を御審議願いましたとき以来、私どもの考えとしては、あくまでも公共企業体として、いわゆる独立した人格を與えられたという意味は、そこに総裁並びにそれを直接指導統制する監理委員、この体制によつて運営の責任を引受けてやる。この累を政府や国会に直接持つて行かないということにある、これは私は当然のことであるというように考えて参つているのであります。従いまして運営上の問題につきましては、まことにふつつかながら私がそれの付託を受けて行うように定められている、かように考えているのであります。従いまして、運営の結果がどういうふうにまずく現われるかということにつきましては、第一次的には監理委員会がもちろん指導統制をしておりますので、総裁が監理委員会に対して責任を負わなければなりません。また全体的に国民に対して責任を負うものである、かように考えているのであります。それとまた一方におきまして運輸省の監督、これは国有鉄道法が審議されますときも、監理委員会の監督と運輸大臣の監督との関係というようなことが、委員会においても御論議いただいたということを記憶いたしておりまするが、また一方において、今運輸大臣の監督を受けている――もちろん運輸大臣の監督は、大綱と申しますか、條項に限定をされているわけでありますけども、しかしながらいわゆる行政の責任者としての政府としても、これは国有鉄道を監督していただいておる、そういう見地から、つまり国鉄の運営のみでなく、他に累を及ぼす関係のある事柄でもつて、行政面から国鉄に対してかかることがぜひとも必要であるということが命令されるならば、これは私どもとしてこれを無視するわけには行かない。これはまた私は当然のことであると考えておる次第であります。機構問題につきましても、さような私の見地が両方に入れるわけでありまして、私自身といたしましては、これでりつぱにやつて行けるというように考えておる。そうして今いろいろの支障が出ておるということが指摘されております。けれども、これは過渡的なもの、あるいはその当時のぎこちなさが出ておるのであつて、根本は別に支障はない、その過渡的な設備上の欠点があればこれを直し、また人事上人の和の上に欠点があればこれを直して行く、その方がはつきりと直して行くということができるものであるというふうに信じておるのであります。これにはしかし二、三箇月というような短時日でもつては、この功罪を論ずるのは早計であるというふうに考えておるのでありまして、できるだけ日をかけて、そうしてそういう点をじつくりと見て直して行く。そうしてそれが根本的に機構のせいであつて、そういつたいろいろのことを直しても絶対にいけないというような場合には、私の考えは間違つておつたということで、みずから反省をし、考えを直して行くということは考えられる。そうでない場合に、今度はいわゆる監督上の立場からそういつた指令が発せられる。その場合私といたしましては、法律上からいたしましても、自説を主張して讓らないというわけには参らない。もちろん主張はいたしましても、最後的にはその監督の言に従わなければならぬという見解をはつきりと抱いておるのでありまして、その点を両方に申しても、別に私が考えに二途あつて申しているのではなくて、両方とも私の申していることは、私の考え方を表現してしているということに相なろうかと存ずるのであります。
#63
○山崎(岩)委員 総裁にお尋ね申し上げますが、そうすれば国鉄法第五十四條に基きまして大臣命令が出たという場合には、その大臣命令に承服するということは、御存じのことなんでございますか、お尋ね申し上げます。
#64
○加賀山説明員 りつぱな理由があつて発せられた命令には、法律上からいいましても、国鉄総裁としてこれに反するということは、できない道理であると私は考えております。
#65
○山崎(岩)委員 そこで、りつぱな條理の盡された点と、條件をつけられて御答弁があつたのでありますが、私ども運輸委員会は九月十九日に決議をもつて、四局の増置という点につきまして、運輸大臣に勧告をしておるのであります。その運輸大臣に対するところの私どもの勧告というものは、これはただ單に私どもが、たとえば自分の選挙区の問題であるとか、たとえばまた自分の一党一派の党利党略のためであるとかいうような、けちくさい考えをもつて決議したのではないのであります。しかも本委員会におきましては、超党派的に、満場一致をもつて決議をしております。この一点から見ましても、この問題がいかに重大な問題であつて、しかも論議を盡した上に決議されたものであるかという点は、御了解をいただかなければならないと思うのでございます。私は先般も総裁にお話申し上げたのでありますが、総裁のこのたびとられましたところのこの機構改革というものは、日本の運輸行政上に重大な影響を與えるほどの大きな改革であつたということは、これは国民全部が認めておるのであります。しかも私どもはその重大なる改革というものに対しましては、ある程度協賛を與えておるのであります。私どもただいまここに四局を増置するという点は、総裁の考えられましたいわゆる縦割制度に対しまして、横車を押しておるのではございません。これをまた横割制度の、昔のようなやり方にしてほしいということを言つておるのではないのでありまして、縦割制度の上にさらにこの四局を増置することが、どれだけ国鉄運営の上に重大なるさしさわりがあるかどうかという点を考えてくださいましたならば、私は了解がつくことと思う。当局の考えられました縦割制度に、私どもはさらに、ただ百尺竿頭一歩を進めた程度のものであつて、決してあなたの考えておるところの改革を、横車でもつて横の面に押してしまうという考えでないことは、御了解がいただけると思う。さればこそ私どもは北海道から始めまして、九州のすみずみに至るまで調査の上、いろいろな点の報告を持ち寄りまして、本委員会が討議を加えて決議をしたのである。その決議に対しましては、これは運輸大臣は従わなければならぬと私は考えます。運輸大臣が従わなければならぬということは当然のことで、国会は国権の最高機関なりと憲法が明記しておるのであります。その国権の最高機関たるところの国会が、いろいろな面から研究をして決議をしたことを、運輸大臣が取入れないということがあつたとするならば、その結果はどういうことになろうかということも、これは国会においてあえて論議する必要のないことである。そこで運輸大臣は、早晩この問題に対しまして、何らかの解決策をとつて行かなければならぬ。すなわち国鉄法第五十四條に基いて、大臣命令でも発しなければならぬ立場にあるかと私は考える。その際における加賀山総裁のお考えをただいま承つたのでありまするが、ところがその総裁のお言葉のうちには、私が今までやつておることは、いいと考えてやつたことなんで、それに対しまして、上から圧迫的に大臣命令が出て来るということになれば、私どもとしては承服しかねることなんだけれども、法律に根拠を置いていることであるならばやむを得ない、こういうことでございます。そこで私は総裁に、先ほどあなたが本委員会において、国鉄の不詳事件に対して、何のために私ども委員会において陳謝の意を表されたのか、われわれはやはり国民の代表であるからだと考える。先ほどあなたの御答弁のうちにも、国民に対しましてと言われました。その国民に対するところの一つの段階は、われわれ国会議員という一つの代表機関がある。その代表機関の手を経て、初めて国民全体に対するあなたの考え方が浸透して行くと見なければならぬ。それが民主主義の今日の日本の機構なんです。しかるにその私ども国民の代表者であります者が、ただいまここでもつていろいろ論じて、そうして大臣とあなたと私どもとの間に融和をはかる。その融和があなたにとりまして、ふためなことがあるでありましようか。国鉄運営の上において、国鉄の労組の方々とあなたとは親子の関係があるのでありますならば、私どもとあなたとの関係はどういう関係でありましようか。たとえば公共企業体となりましても、私ども国民は一つの大きな株主であります。その株主総代といたしまして、私どもが国鉄の機構等に対しましても、いろいろ意見を述べることは、あくまでも当然のことだと私は考える。決して横車ではございません。さればこそあなた方の鉄道の運営につきまして、最も重大である給與ベースの引上げ等の問題につきましても、私どもとしましては真劍に実は考えておる。昨日も本委員会の委員長である前田委員長、並びに参議院の委員長である植竹委員長に私も扈従いたしまして、国会対策課長であるウイリアム先生に会つて、そうしてこの給與の問題についても、私どもは国会側としての意見を述べて、善処方を要望して来ておるのであります。これは一体何のためか。国会としましても捨て置くことのできない問題である。なぜならばわれわれは株主総代であり、そうしてその従業員に対しまして、最もよい処置をとるということは、私どもの與えられた義務であるからであります。そこで総裁、こいねがわくは、私は決して贅言を用いません。大臣の命今に対しましても、あなたが承服される点につきましては、心から欣然これに参加するのお心構えがいただきたいのであります。私ども委員会といたしましても、あなたのそのお心構えができさえするならば、いかなることにつきましても、あなたのやられることにつきましては善意なる解釈を下して、善処するだけの用意がある。その点をはつきりしてこそ、初めて二万キロにわたるところの、このえんえん長い営業を持つておるところの国鉄のことである。いついかなる事態が発生しないともわからない。そういう場合につきましても、私どもはあなたの考え方を国民全般に浸透せしめて、初めてスムースに運営することができるものと考えるのであります。国鉄の運営の根本は人の和でありまして、その人の和が国会と国鉄とまた当局との間にできてこそ、初めて私はいかなることでも円満に達成することができる、かように確信しておるのであります。総裁、何とぞひとつ大臣命令の点につきましても、あなたは権力ずくめの問題であるとお考えなさることなく、どうぞあなたのやられた縦割制度に対して、百尺竿頭さらに一歩を進めたものだという点に、ひとつ御同情をたまわれて、円満なる御解決をお願い申し上げたいのでございまするが、この点についてお考えはいかがでございましようか。
#66
○加賀山説明員 たびたび申し上げておりますように、私どもといたしましては、せつかく国民から付託を受けましたこの国有鉄道を、最も経済的に運営をして行くという責任を持つております。ただ金をかけて、高い運賃をとつてよければ、それはまだまだ設備も急によくできますし、従事員の給與も上げられる。まあいろいろよい点も出て来ると思いますが、その中で非常に大事なことは、産業の基幹として、あるいは国民の社会生活の中に入つておる鉄道の運営でございますがゆえに、最も経済的に運営して、国民各位にできるだけ安く使つていただく、これが私は非常に重要な使命であろうと考えるのであります。従いまして、今日までやつて参りましたことは、いかにして経費を切り下げて行くかということに、私ども非常に重要なポイントを置いて参つておるのであります。今回の機構改正について、運輸行政の非常な変化が行われたのでありますが、これは私どもの考えでは、運輸行政――これは言葉じりをつかまえたようなことになるかもしれませんが、そうではないので、まつたくこれは運営そのものである、運営を経済的にいたすための措置であつた、かように考えておるのであります。その運営を経済的に合理的、能率的にやるのに最も適当な方法として、私どもが判断をしてとつた措置であるわけでございます。先ほども申しましたように、それがその日からきれいにスムーズに行くかと申しますと、それはどうしてもそこに過渡的な多少の不便、あるいはぎこちなさというものが出て参ります。しかしこれは遠からずして克服される、そうしてわれわれがねらつたいい点が、日を追つて大きく出て参るというふうに私どもは考えて、またそのように努力をいたしておるのが現段階でございます。従いましていろいろの支障、たとえば貨車の不足するのもそのせいではないかというような、いろいろの御指摘を受けておりますが、これらにつきましては、一々私どもの方で検討いたしておりまして、そういうことのないように、特に過渡的に変化の多かつた地帶に対しましては、特にそれがマイナスにならぬように、監督、責任の立場にある従事員を鞭撻いたしまして、仕事をやつて参つたのであります。しかしながら国鉄の運営の中だけを見て、経済的にやる、能率的にやるということだけでは、国鉄というような大きなものでは足りないのである。さらにそれ以外にもつと大きな国策的見地から、あるいは行政政治の見地、あるいは産業、経済、あらゆる見地から、よりいい方法があり、これはぜひとも国有鉄道として採用しなければならないという御意見が強くなり、これがあるいは政府からの指令として発せられた場合には、十分に私どもとしてそれを考え、そしてそれがほんとうにりつぱにやれる場合にのみ、それが発せられると信ずるのでありますから、それが発せられた場合には、国鉄としては当然これに従わなければならぬものであるという見解を抱いておる、かように私はお答え申し上げる次第であります。
#67
○山崎(岩)委員 了承いたしました。
#68
○滿尾委員 先ほど来いろいろ論議せられました国鉄従業員に対する年度末賞與の件でございまするが、大体今日の段階においては、事態は明確になつたのでありまするけれども、当委員会といたしまして、この問題について、この段階において、明確な意思表示をすることが非常に適当ではないかと私は考えますので、動議を提出いたしたいと考える次第であります。
 由来国鉄の給與につきましては、国鉄法に定められてある通りでありまするが、とかく一般公務員との標準の権衡といいますか、その面に牽連されるきらいがある。理念的にははつきりいたしておるのでありまするけれども、実際政治の動きとして相当牽連されている。今回もそのきらいが相当あるのではないか。この点はせつかく公共企業体になりました国鉄の運営に照しまして、当委員会としては最も明確にこれを堅持して行かなければならない。さらにまた先般来非常な政治問題化しましたところの裁定の実施もございますので、これを十分尊重いたしまする心持を持ちまして、当委員会として、この年末一月の賞與を給與することに全員賛成するという意思を表示し、かつその目的達成のために、委員長において善処、努力せられんことを望むという決議をいたしたらどうかと考える次第であります。
#69
○前田委員長 ただいまの滿尾君の動議に御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○前田委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。
#71
○滿尾委員 私は加賀山総裁に二、三の御質問をいたしたいと思うのであります。今回の京都駅の燒失事故でございまするが、鉄道の従業員の働きにおいて遺憾はなかつたというお話でございまするけれども、まさしくかくあらねばならぬと思う。しかしながら、京都駅のようなところは、徹夜の従業員が非常にたくさんおる。ちようど夜間の急行列車がたくさん通るところでありまするから、京都駅の従業員はほとんど起きておるのではないかと思う。どうしてもつと早期にこれに気がつかなかつたかという点について、いささか疑念を持つておる。その点事情がおわかりでしたら、一言御説明いただきたい。それからああいう木造の大きな建物につきましては、やはり夜警制度か何かをして、全部管理する責任をとられることが必要だと考える。さらにまた火災保險をつけておられたかどうか。おそらくは従来の官庁建物として、保險をつけておいでにならなかつただろうと思いますが、今日並びに将来に対する国鉄の態度としては、やはり木造家屋、可燃性の建造物に関しては、ある程度保險をつける必要があると考える。それは外部の保險会社につけられるものもよろしいし、あるいは内部的に自己保險というような制度を立てられても、国鉄ほど大きければ、これが成立つのではないかと考えるが、この保險制度について国鉄の総裁はどういうふうにお考えになつておるか、お伺いしたい。
#72
○加賀山説明員 もう少し早く気がつくはずではなかつたかということは、だれしもまず第一に疑念を持つのでございます。もちろん徹夜勤務者が相当おるのでございますが、時間的に申しますと最も惡い時間でございまして、最近の労働基準法からいいまして、継続四時間の休息時間というものがある。その休憩時間を最も多くとつていた時間に相当しておるように私どもは考えるのであります。ことにその場所が二階であつて、しかも配膳室からボーイ室、それから食堂といつたふうに、その一角は全部が――都ホテルだつたと思いますが、その食堂に貸し與えておる部分である。そういうことからいたしまして、その部分に入るかぎは、食堂にその責任を持たせておる。従つて警戒も食堂に責任を持たしておる。こちらの夜警は、もちろん一時間くらい前にまわつておるのでありますが、そのときは全然気がついていない。かような状態でありまして、その知らない部分がかなり広い部分でございますので、そこで起きたことを気がつかないうちに広がつてしまつた。いざといつて騒いだときには、消防ポンプも三十数台かけつけたそうでございますが、水圧が足りないために十分な活動ができなかつたので、全部を燒失してしまつた。またあれほどの建物に防火設備がなかつたということも、木造建築としてはあとから考えて非常に遺憾に考えることであります。従いまして、これらの重要な木造建築につきましては、今後の建築について十分な検討を加えますと同時に、より根本的なことは、できるだけ鉄筋コンクリートの不燃燒建造物を採用する、これはスタートは金はより多くかかると思いますが、私はそれが道だろう、かように考えておるのでございます。
 保險についても、あるいは自動車といつたような特別のものもございまして、いろいろ研究をいたしたのであります。しかし駅の建築物は御承知のようにほとんど大部分が木造建築物でございまして、これを外部保險にかけるということになりますと、とても保險でやつて行けない。従つて自家保險的な考え方にならざるを得ない、かような考え方と、それから特にその中で目ぼしいと申しますか、ピツク・アツプをした建造物というものを保險をかけるという考え方も、あるいは成立とうかどうかと考えるのでありますが、いずれの場合にいたしましても、非常に全国的に散在し、またほとんどが木造建築物であります関係上、これを外部の保險にかけるということは、およそ困難ではなかろうかと考えておるのであります。従いまして保險とは言われない、自家保險と申しますか、つまりいわゆる取替費用が保險のような役割をするというかつこうに現在相なつております。しかしながら今御指摘になりました点につきまして、さらにこの木造建築並びに自動車等の保險につきましては、十分さらに調査研究を進めたい、かように考えておる次第であります。
#73
○滿尾委員 ただいま保險をつける考えはないというお話でございますが、これは私はいささか残念に思う。民間の企業体で、およそ木造建造物に対して保險をつけていない経営者はないと思う。もしさような経営者があれば、経営者としては落第点をつけざるを得ないのではないか。なるほど国鉄にはいなかの駅まで勘定しますと、べらぼうな木造建築物を持つておるのでありますが、それだけにやはり公共企業体としてスタートいたしました場合には、従来の官庁的な考え方を捨てて、私はやはり保險をおつけになることは非常に必要だと思う。その保險はあながち外部につけると、あるいは自家保險の制度を御研究になるのはよろしい。現在やつておられるような工事でとりかえておるというのは、これは減価償却に該当するものであつて、いわゆる火災の危險に対する保險には私は該当しないと思いますから、改良費その他の工事費を持つ保險の代用をさせるというお考えは、お考え直しをいただかなければ、私が御質問申し上げる精神には触れて来ないように考えます。
 それからもう一言伺いたいのでありますが、昨年東京駅の八重州口がやはり燒けてしまつた。このときには、私は詳しいことは存じませんが、やはり何か国有鉄道の従業員、プロパーの人ではなくて、食堂か何かの関係の人の失火だつたと思います。こういうことが実はくびすを接して起つておるわけなのです。この場合に一体これらの失火の責任というものは、国鉄に対してどういうことになつておりますか。損害賠償するという契約になつておるのか、国鉄が契約によつて貸しておられた設備だと思いますが、その向う側の食堂の従業員の過失によつて、自己の上にこれだけの重大な損害を受けたときに、それはしかたがなかつた、燒かれ損だということでひつ込まれるのか、あるいは求償の立場に立つておられるのか、一言伺つておきたいと思います。
#74
○加賀山説明員 自家保險の問題に関しましては、先ほども申し上げましたように特に今後調査研究を進めたい、かように申し上げる次第であります。
 御指摘のように東京駅八重州口の場合も、やはり同じように外部の使用人のそこつから起きたのである。しかしながらこれはまだ完成して貸しておつたところというのではなくて、その横に工事場がございまして、その工事場で火を扱つた。それが燃え移つたということでありまして、多少京都駅の場合とは違うのでありますが、今後としては先ほども申し上げましたように、外部に貸す場合はあくまでもこちらで責任を十分持つ態勢をとるか、あるいは向うに責任を預けておくか、この点をもう少しはつきりいたさなければいかんじやないか。かぎを預けつぱなしにしたということが、どういうことから起きているか。もし失火の場合は損害賠償なり、そちらに責任を持たせるぞというところまで契約が行つておるかどうかというのでありますが、おそらく私はそこまで行つていなかつたと、かように考えるのでありまして、なお過失の点もまだ法律的にはつきりいたされておりませんが、これがはつきりいたしますと、法律的の問題といたしましても全然それを無視して、こちらが泣寝入りだけしていいということにはならぬのではないかと考えますが、これらの法律的問題につきましては十分検討いたしたいと存ずるのであります。
#75
○山崎(岩)委員 先ほどの滿尾委員の動議が決議されたわけでありますが、滿尾委員の動議の中に、国鉄の年末賞與に関する言葉があつたのでありますが、事務上のいろいろの手続の関係がありまして、これを国鉄給與の裁定尊重という言葉にかえていただいた方が、委員長がこれから折衝するにつきましても、たいへん事務的に便利であるかと考えますので、裁定尊重という言葉におとりかえを願うように、委員長からおとりはからいが願えないものでありましようか。
#76
○前田委員長 ただいまの山崎君の字句の訂正の動議でございますか、これはいろいろ外部との折衝の都合上、さように改めた方がけつこうかと思いますが、皆さん御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#77
○前田委員長 それではさよう訂正いたします。
    ―――――――――――――
#78
○前田委員長 次に、北海道開発のためにする港湾工事に関する法律案の起草につきまして、玉置委員より発言を求められておりますので、これを許します。
#79
○玉置(信)委員 私は委員各位のお許しを得まして、北海道開発のためにする港湾工事に関する法律案を、今期国会に議員提出の形式をもつて提案していただきたいことをお願い申し上げて、かつ御了解を得たいと思うのでございます。
    〔委員長退席、坪内委員長代理着席〕このことは第八国会の当時委員各位におかれて非常に御心配をいただき、当時国会末期でありますので、手続上時間的に間に合わない点がありまして、遂にこれを残すのやむなきに至つたのでありますが、当時実は個人的な立場において当委員会の岡田委員、それから米窪委員、木村委員、飯田委員、その他の各党各派の委員各位におそろい願つて、関係方面にその趣旨の説明に行つていただくまでに、いろいろと御配慮願つたのは前段申し上げました実情で、実は今日に至つておる次第でございます。当時いろいろと申し上げましたように、この特例法とも申すべき事情は、戰後日本経済の復興における北海道の役割、それから北海道港湾の重要性とその特殊性、北海道民の工事費負担能力、港湾法との関連法規、その他数項にわたりましての科学的基礎の上に、この法案の必要性をいろいろと申し上げまして、御了解を得た次第でありますが、本日は時間がありませんので、そうした各項にわたります内容につきまして、詳しく御説明申し上げることは省略いたしますし、すでに各委員のいろいろと御理解を得、御同情を願つておりますので、この程度にとどめますが、今期国会におきまして、議員提出にしていただくまでのいろいろの手続の点におきまして、前国会よりもさらに一歩を進めまして、こいねがわくは委員会の名において、関係方面に折衝をしていただくことの御同意を得、かつ重ねて御盡力を願いたいと思うので、ここにお願いかたがた御了承を得る次第であります。
#80
○前田(正)委員 ただいまの提案のことにつきまして、玉置さんに質問させていただきたいことがあるのです。それは、実は私どもは前に北海道開発のために北海道にも視察にも参りましたし、また開発法案もつくつたのであります。これも超党派的にわれわれは努力してやつたと思うのでありますが、どうも北海道当局のお話では、そういうふうに解しないような宣伝をしておるようにわれわれは聞いておるのでありまして、はたして今回の問題についても、北海道当局としてはどういう意思を持つておられるか、できるならば北海道の当局者にもおいでを願つて、そういう問題について超党派的に一致してやろうという意思を持つておられるかどうか、そういつた点もひとつ御説明を願いたい。議員の方たちはそういう気持でおられると思いますけれども、北海道開発法については、いろいろとかくの批評を聞きまして、われわれ非常に心外に思つておるのでありまして、こういつた問題について北海道当局は、現在この法案についてもどのように考えておられるか、ひとつその点をもしあなたが知つておられるならば、お聞かせ願いたいと思います。
#81
○玉置(信)委員 ちよつと速記をとめてください。
#82
○坪内委員長代理 速記をとめて……。
    〔速記中止〕
    〔坪内委員長代理退席、岡田委員長代理着席〕
#83
○岡田委員長代理 速記を始めて。
#84
○前田(正)委員 北海道開発法についても、当局はもちろん超党派的に賛成し、また努力しておられるものと期待しておるのでありますが、いろいろの話も聞いておるのですが、今の御説明でそういうことはないように了解できるのであります。今回の法案につきましても、できましたならば北海道当局の方からも、当委員会に請願なりしていただきまして、今後こういう問題はぜひ超党派的に協力してやつて行くという行き方に、話を進めていただきたいと思います。従来の開発法につきましても、今のお話で皆さん超党派的に努力しておられるように聞きまして、非常に喜びに思いますが、そういううわさも私の耳に入つたのでありまして、今後こういつた問題についてはぜひ議員の方たちとともに、当局の方からもわれわれの委員会にもおいでを願つて、御説明をしていただきたいと思うのであります。
    〔岡田委員長代理退席、委員長着席〕
#85
○坪内委員 北海道開発の件が出ましたが、この際簡單にお尋ねしたいと思いますが、今日は港湾局長がいないので、はつきりしたお答えをいただけないのは残念であります。幸い岡田海運局長がお見えでございますから、関連いたしておりますから、岡田局長から御説明を願いたいと思うのであります。
 先般わが党の廣川農林大臣が北海道を視察なさつたときに、北海道開発の重要性を認められて、何でも二十六年度の予算の中から、特に港湾関係の中から八千万円程度北海道に振り向けるというようなことを、われわれ地元におつて聞いておつたのでありますが、そうなりますと、大体これは港湾関係が主でありますけれども、八千万円も港湾関係から北海道に振り向けるということになると、関係各府県で計画を立てて新規の事業をやろうというやさきに、そういつたことになるので、それぞれの割当で削られるということになると、新規の事業もできなくなるのではないか。そこで新規の事業に対するそういう削り方をしないで、頭から少しずつ削つてもらつて、あくまでも当初の計画通り予算が振り向けられるようにしてもらいたいというような要望が、全国的に強いのでありますが、この点は港湾局長からお話を承りたいのですけれども、海運局長も多少関連があるかと思いますので、そういつた場合に新規の事業にも予算を振り向けるというような方法をとられるのであるかどうかということを、この際私はお尋ねいたしたいと思うのであります。
#86
○岡田説明員 具体的なことにつきましては、私所管外でありまするので、お答え申し上げることはできないのであります。北海道の港湾につきまして廣川農林大臣がどういうふうなお考えを持ち、またどういうふうな具体的な構想でそういうことを申されたのか、その点も今はつきりいたしません。たといそういうふうな御言明があり、また実行されるにいたしましても、私どもといたしましては、他に影響をさせないで、その言葉通りのことが実行できるようにというふうに考えておるのであります。そのために他の港湾が影響をこうむるということは、私ども事務当局の常識といたしましては、好ましくないやり方である、かように考えております。
#87
○坪内委員 大体の模様は了承できるのでありますが、まことに恐縮でありますけれども、そういう要望が非常に眠いようでありますので、北海道に八千万円近くの予算を振り向けるということにつきましては、われわれはさほど異議を持たないわけでありますけれども、それによつて各府県の予算的な措置に、非常に重大な支障を来して来るというようなことになりますと、これは大いに険討を要しますので、どうぞひとつ省にお帰りになりましたならば、港湾局長とも連絡をおとりくださいまして、こういつた点について愼重に見守つていただくように要望いたしておきたいと思います。
    ―――――――――――――
#88
○前田委員長 次に貨車の出まわり状況につき説明を求めます。木島国鉄輸送局長。
#89
○木島説明員 それでは最近の貨物輸送の状況について御説明申し上げます。御承知のように今年の六月末に朝鮮事変が起る以前は、私どもの方では毎日約五千両ばかりの貨車を留置しておつたのであります。これは要求がなくて使えない貨車を留置しておつたのであります。ところがあの事変が起りましてからは、特需輸送その他経済活動が活発になりまして、どんどん輸送要請がふえて参りまして、特にこの秋の貨物の出まわり期に至りまして、御承知のような逼迫状態を告げておる次第であります。これを在貨トン数の面から申しますと、今二十五年度の六月ごろまでは、大体一日五十万トンくらいの在貨があつたのであります。それから事変が起りまして、六、七はやはり在貨といたしましては同じように五十万程度であつたのであります。ところが八月になりましてから、八月上旬で六十一万トン、中旬は五十一万トン、下旬は六十万トンと、あまり動いておりませんが、九月になりましてから上旬が七十一万トン、中旬で八十八万トン、下旬で九十六万トン、十月になりまして、上旬で百二十一万トン、中旬で百四十三万トン、下旬で百四十六万トン、十一月の上旬になりまして百四十八万トン、中旬が百四十八万トン、昨日現在で百四十二万トン、こういう状況になつておるのであります。これでおわかりのように、九月から急ピツチにふえて参つたのであります。私どもの方といたしましては、短年十月以降の出荷の繁忙期になりますと、それぞれ手当をいたしたのでありますが、今年も同じように、十月から全国的に貨物の輸送能率を向上する運動をやりまして、全従事員一丸となつて努力したのであります。もちろん今年度は例年度とかわりまして、先ほどの事変の影響がありまして、これで相当様相を異にしております。しかしながら私ども国鉄従事員の努力と、それから荷主関係者の御協力を得まして、輸送トン数におきましても、六月、七月までは国鉄だけの一日の発送トン数が大体三十万トン、八月も三十万トン程度、それから九月が三十二万トン、十月は三十四万五千トン、これは平均であります。それから十一月の上旬が三十六万三千トン、中旬が三十六万七千トン、最近のレコードといたしまして、この二十二日でございましたが、三十九万トンという非常なレコードを出しました。こういうふうに成績が上りましたので、最近の情勢は、先ほど申しましたように十月の下旬ごろを最高といたしまして、十一月になりましてから滯貨は横ばいの形となりまして、最近の情勢では、昨日は百四十三万トン、その前は百四十一万トン、その前が百四十三万トン、こういうふうに下つて来ております。ただ多少問題になつておりますのは、この輸送トン数なり布貨トン数なりは、国鉄に全部かかる貨物の量でありますが、この中に先ほど申しました特需輸送がありますから、従つて一般の民需といたしましては、昨年あたりより相当影響をこうむつておる、こういうことが言えると思います。ともあれ、関係方面も私どもの言い分を相当いれてくれまして、それぞれ協力してくれたことと、それから先ほど申しました鉄道の利用者、鉄道の職員その他の一致した努力により、最近に至りましては明るい価向をたどつて来た。それで私どもとしましては、これからの年末輸送にあたりまして、なお一段の努力をいたしまして、鉄道を利用する国民の皆さんにできるだけ満足をしていただけるように努力しようと考えております。
#90
○岡田(五)委員 時間もありませんから、簡單に二、三御質問を申し上げたいと思います。私から申し上げるまでもなく、本年初め営業倉庫に非常な滯貨がありまして、日本の経済上の非常に大きな問題になつたのでありますが、今回はかような営業倉庫における一般滯貨は、幸いにして一掃したにもかかわらず、不幸にいたしまして駅頭に非常な滯貨を見たのであります。世間では金詰まりと貨車詰まり、かような流行語が出、また千円札の原料輸送か四国のみかんかというようなへんな流行語が流布されるというほどに、国有鉄道の貨車不足が日本の生産工場、また日本の経済政策の大きながんになつておると私は思うのであります。先ほどいろいろと国鉄内部の御努力によりまして、滯貨も多少減りつつある、また発送トン数もずんずんふえて来ておるというお話を承りまして、まつたく同慶にたえないのであります。ただ要は、この根本原因は私は貨車下足にある、かように考えるのでありますが、この貨車下足に対しまして、国鉄がいかなる緊急対策を講じておるのか。單なる貨車修繕工事の向上によつて、ごく消極的な貨車の数の増加のみをはかつて、当面を糊塗せんとしておるのであるか。その辺のところを承りたいと思うのでありますが、先ほど補正予算の説明を承りましたときの車両費十四億は、人件費と両天びんにかかつておるのでありまして、われわれの希望といたしますれば、年末手当は一箇月分やりたいが、こういう希望を達すれば、さしあたつての経済上のがんである貨車下足、輸送難を打開する車両費はゼロになる。こういうような状態になつておるのでありますが、かような当面の大きな経済上の問題、大きな貨車不足の緩和、輸送力の拡充につきまして、国鉄としてどういう対策を持つておらるるか、承りたいのであります。
#91
○木島説明員 ただいま岡田さんからお話がございましたように、根本的な解決は何といつても貨車の両数をふやすということであります。さりながら私どもといたしまして、先ほど説明いたしましたように焦眉の急を救うのは、どうしても現在の手持の能率を上げるということに盡きると存じまして、努力しておるのでありますが、実は貨車の増備につきましても、私どもといたしましては関係者に十分の要求をいたしまして、国鉄全体としても今ではその空気になりまして、来年度は相当数の増備をするように進んでおります。ただ先ほどの人件費とのやりくりというようなことにつきましては、これは決定の過程のように聞いておりますので、よく存じませんが、根本方針といたしましては、車両は来年度つくつて行くということにはかわりありません。ただそれにいたしましても、きようあすの間に合わぬので、先ほど申しましたようなことを御説明いたした次第であります。
#92
○岡田(五)委員 私が非常に心配いたしますることは、もう私から申し上げるまでもなく、貨物輸送におきましては、毎年この下半期は輻輳を示すのが例年の形になつておるのであります。現在においてすら百四十三万トン、貨物によりましては一週間分なり十日分が、駅頭に滯貨いたしておると考えるのであります。ことにこれから米の出盛り、あるいはその他の時期物、あるいは年末輸送というものを控えまして、はたして私はこの滯貨を少く持つて年越しができるかどうか、私が非常に懸念いたしますることは、ますます多くの滯貨を持つて、本年度は年越しをしなければならぬ、滯貨を持つことは、それだけ経済の流通を阻害しておる。生産者はとにかく貨車まわりが惡いために、生産を手控えしなければならない。必要な原料が入つて来ないから、需要者の満足を満たさない。かようなことからいたしまして、生産の上に、また物価の上に、私は年末へかけて相当な影響を與えると考えるのであります。また急速に貨車の増加という話がありますが、現に私の承つておるところによりますと、特需関係の貨車も、一箇月かそこそこの期間をもつて、貨車も整備できるというような生産状況にもあると考えるのでありまして、かような車両の生産工程、車両の増備の急というようなことを勘案せられまして、私は極力早急にこの輸送力の拡充をはかられることを希望する次第であります。
 次に、ついでに承りたいと思うのでありますが、現在いわゆる特殊輸送というようなものがどの程度あるのか。またこれらの輸送と一般輸送の輸送順位につきまして、差等をつけておられるのかどうか。また主食その他のような必需品につきまして、要求に対しまして優先的に順位をつけておられるのかどうか、その辺のところを承りたいのであります。また特にどういう車種のものが、非常に貨車下足になつておるのか。一例を言いますと、無蓋車が不足しておるのか、有蓋市が不足しておるのか、そういような点を御説明願いたいと思うのであります。
#93
○前田委員長 ちよつと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#94
○前田委員長 速記を始めて。
#95
○玉置(信)委員 ただいまの岡田君の御質問に関連いたしまして、輸送局長にお尋ねいたしますが、この滯貨の点につきましては、配車計画の点に私は遺漏があるのではないかと思うのであります。それは一局部の例をとつて申し上げますと、昨日北海道から来ました業者の話でございますが、北海道の最北端稚内市の鮮魚冷凍魚は、これは御承知のように年々今ごろから冬期に面して滯貨をしておるのでありますが、ことに今回のお話を聞くと、各冷蔵庫とも満庫しておる。これに対して配車を要求したが、来なかつた。ついこの最近において一度に四十車も来た。こういう事実があるわけであります。私はこれを実際に見たわけでないのでございますから、真偽を明確に申し上げることはできませんが、しかしかりに半分の二十車といたしまして、二十車一度に配車されて、それを積んで中央市場へ持つて来ることによつて、荷物がどつと来て、冷凍品の値下りをされるということは、これは明らかな事実でございます。その損得は別といたしましても、輸送を円滑にするという点から見まして、常時必要な場合に、要求の全部を満たすことはできないまでも、ある程度のものを逐次配車するということになれば、こうした滯貨を見ることもなく、しかも輸送の面において積込み、積出しの混乱もないだろう、かように思うのですが、こういう点について当局においては、一体どういような配車の仕方をしておられるか、これをお伺いしておきたいと思います。
#96
○木島説明員 この問題につきましては、私どもの方では、特に今お話のございました魚のようなものは、これを今のお話のように一度に出せば値下りするというようなことは、再度経験しておりますので、積込みの荷役の能力とかいうことを考慮いたしまして、要求に応じて逐次貨車を配給することを原則として努めております。ところが、ときどき今おつしやつたようなことが、現実の問題として起ることがあるのであります。そういうことがありましたらはなはだ申訳がないと思いまして、私どもの方でもそういうことのないように注意しておりますが、実は北海道に関しましては、御承知のように北海道で使用する貨車は、空車で東京方面から注入するのであります。ところが道中が長いものですから、ときどき詰まつたりたくさん行つたりして、こちらで計画的に出しておるのが途中で、手風琴が伸びたり縮んだりするように詰まることがありまして、現地の担当者があまりふだんから貨車が来ない来ないといつて叱られているものですから、そういう場合にそういうことをしたことがあるかもしれませんが、それははなはだ遺憾なことだと存じております。私どもの方ではそういうことのないように指導しております。
#97
○玉置(信)委員 今局長のお話によると、今後善処するという意味の御答弁でありますが、出先の担当国鉄としましては、こういう場合にあまり文句をつけると、それではその次にはもう要求したつてかつてには行きませんぞというようなことを公言している者さえある。これははなはだ暴言であり、穏やかでない。しかも国鉄の経営――先ほど来総裁のああした御答弁の内容からいたしましても、これは肯定しがたい問題であるので、将来十分ひとつ気をつけてもらいたいという希望を申し上げて、私の質問を打切ります。
#98
○黒澤委員 ただいま岡田委員から説明を求められて、お答えをしないようでしたが、貨車の有蓋貨車か、無蓋貨車かが不足しているということである。たとえば大型車の方が不足しているが、チキとかトキというようなもの、あるいは小さいトというようなもの、そういうものについてお聞きしたい。
 いま一点、昭和二十五年八月三日に、簡易線に運転を中止する貨車ということで、総裁達第四二〇号かで、ローカル線へ入らない貨車をきめたようですが、それはどんな種類のものか、ちよつとそれをお聞きしたいと思います。
#99
○木島説明員 さきほどお答えを漏らしまして、失礼をいたしましたが、貨車の種類の足らないのは有蓋車でございます。無蓋車の方はどちらかというと、比較的には余つておると申しますか、それで無蓋車にシートをかけて、有蓋車の代用として使つております。それから大型の問題でありますが、大型の問題は、輸送要請の少いときは、小型の有蓋車が逼迫した現象が起きて参ります。ただいまのようなときには、何でもいいから貨車さえあればいいというようなことで、案外大型、例の三十トン積みが相当使用されております。ことに米の輸送なんかは三十トン貨車だけを集めまして、旅客列車と同じような速度で輸送いたしまして、たいへんことしは能率をあげたのであります。現在鉱石なんかも大型の三十トンの貨車だけ集めて、これもスピードを出して輸送するというようなことをやつております。
 その次の簡易線に入らぬ貨車でありますが、これは線路の強度との関連でありまして、大体においてチキとか、今の大型のワキとか、その他要するに大物車でございます。詳しい表は今持つておりませんが、大体において軸重の重くなります貨車であります。
#100
○黒澤委員 それで今まではそれを入れておつたのですか。最近入れなくなつたのはどういうわけですか。また将来も絶対に入れないというわけですか。ちよつとお聞きしたい。
#101
○木島説明員 この問題は昭和六、七年の不景気なころ、当時の議会方面ですか、国鉄内部ですか忘れましたが、鉄道建設の原則をきめまして、簡易線建設法という法律ができたと思います。その当時金がかかりますから、山の方には簡易な軌條をもちまして、早く鉄道網を普及しよう、こういうことから出発して来たのであります。昔のことを文句言つてはいけませんが、私ども今思いますと、これは全然どうかした考え方でありまして、そういうところはむしろ木材とか重いものが出るのであります。それで私どもとしては非常に困つておるのであります。一応この線路の強度などで危險が感ぜられるものですから、そういう規格の小さいところは、橋の規格などの関係で、重量のある車両に耐えないところがたくさんありますから、それを一応ああいうふうにとめまして、鉄道管理部長が現実のものを見て、これは実は規定はそうなつておるが、実際はあそこははりまが短いし、強度に耐える。あるいは速度を落せば何でもないというようなところを申し出させまして、その條件の可能なところは逐次解いております。それ以外解くには相当金がかかるところは、金を入れるまでしかたがない、こういうことでありまして、基本的には山の重い荷物の出るところに、それに必要な貨車を入れないということはいけないと考えております。
#102
○岡田(五)委員 もう一つだけ承りたいのでありますが、私非常に寡聞でございますから、あるいは間違つておるかもしれませんが、諸外国の鉄道会社または鉄道の事情を承りますと、貨物輸送力につきましては相当余裕を持つておるようであります。また私は交通機関の使命から行きまして、貨車不足によつて駅頭に滯貨を置くということは、まつたく交通機関の使命を沒却しておるものだと考えるのであります。しかるに日本の国有鉄道は、一時は十一万両の貨車を持つておつたのが、最近は漸減に漸減を重ねまして、あるいは間違つておるかもしれませんが、十万両を切つておる、こういうような状態で、まつたく輸送力に彈力性を欠いておつたのであります。しかも国有鉄道の車両政策といいますか、二十四年度におきましても、二十五年度におきましても、旅客輸送車はどんどんおこしらえになるが、貨車の方はさつぱりおこしらえにならぬ、どんどん廃車を続けて行く、こういうような状態で、しかし現在国有鉄道まれに見る大きな滯貨を駅頭にかかえて、経済の流通を非常に阻害しておる、こういうことに国有鉄道の運営の面において相当錯誤があつたのじやないか、私はかように考えるのでありまして、好むらくは国有鉄道におきまして、もつと貨車輸送力に余裕を持つて、いつ何時でも駅頭に出れば貨車に積み込める、これがほんとうの輸送機関の使命ではないかと思うのであります。かような意味におきまして、今後とも国有鉄道におきまする貨車輸送力の拡充につきまして、何箇年計画でもけつこうでありますが、重点的に貨車輸送力の拡大を強化せられ、ほんとうのサービス輸送機関として、ほんとうの輸送機関としての使命の完璧を期していただきたい、かように考えるのであります。この点につきましては先ほどもお尋ねしたのでありまして、回答は私の満足する回答を得ませんでしたが、どうか早急に貨車補給対策を構ぜられまして、輸送機関の使命を達成せられんことを特に希望する次第であります。今後の貨車補充対策、またそういう問題につきまして、国有鉄道に何か腹案でもありますれば、この機会にお示し願えれば非常にけつこうだと存ずる次第であります。
#103
○木島説明員 まつたくお説の通りでございまして、実は弁明に当るかもしれませんが、御承知のように昭和二十三年の初めに三百万トンの滯貨があつたのであります。それが昭和二十三年夏の職場離脱のあの事件のあつた直後から、逐次輸送力が増しまして、滯貨が減つて参りまして、二十四年度、昨年は年間を通して大体五十万トンの滯貨、そうして請求対使用の割合は九〇%、と申しますのは、いつでも貨車はとれるということになつておつたのでありまして、この点で多少ゆだんしたうらみがあつたかもしれません。これから仰せのようにその方針にのつとりまして、私どもは努力したいと考えております。
#104
○前田委員長 本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。
    午後四時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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