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1998/09/29 第143回国会 参議院 参議院会議録情報 第143回国会 経済・産業委員会 第5号
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1998/09/29 第143回国会 参議院

参議院会議録情報 第143回国会 経済・産業委員会 第5号

#1
第143回国会 経済・産業委員会 第5号
平成十年九月二十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 九月二十五日
    辞任         補欠選任
     谷林 正昭君     前川 忠夫君
     戸田 邦司君     渡辺 秀央君
 九月二十八日
    辞任         補欠選任
     前川 忠夫君     今泉  昭君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   委員長          須藤良太郎君
   理 事
                成瀬 守重君
                畑   恵君
                簗瀬  進君
                山下 芳生君
                梶原 敬義君
   委 員
                上野 公成君
                加納 時男君
                倉田 寛之君
                小山 孝雄君
                中島 眞人君
                中曽根弘文君
                平田 健二君
                福山 哲郎君
                本田 良一君
                海野 義孝君
                加藤 修一君
                西山登紀子君
                渡辺 秀央君
                水野 誠一君
   国務大臣
       通商産業大臣   与謝野 馨君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       堺屋 太一君
   政府委員
       経済企画庁調整
       局長       河出 英治君
       金融監督庁監督
       部長       乾  文男君
       大蔵大臣官房審
       議官       山本  晃君
       大蔵省国際局長  黒田 東彦君
       通商産業政務次
       官        保坂 三蔵君
       通商産業大臣官
       房審議官     岡本  巖君
       通商産業省環境
       立地局長     太田信一郎君
       通商産業省基礎
       産業局長     河野 博文君
       通商産業省機械
       情報産業局長   広瀬 勝貞君
       中小企業庁長官  鴇田 勝彦君
       中小企業庁次長  殿岡 茂樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   説明員
       資源エネルギー
       庁公益事業部長  奥村 裕一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○中小企業信用保険法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(須藤良太郎君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十五日、戸田邦司君及び谷林正昭君が委員を辞任され、その補欠として渡辺秀央君及び前川忠夫君が選任されました。
 また、昨日、前川忠夫君が委員を辞任され、その補欠として今泉昭君が選任されました。
#3
○委員長(須藤良太郎君) 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○加納時男君 自由民主党の加納時男でございます。
 中小企業の金融実態、相変わらず大変でございます。昨年の十二月に政府が中小企業を重点とした貸し渋り対策、金融対策、さまざまなものを実施に入っているわけでありますが、今日までの状況とこれからの課題といったことを中心に質問させていただきます。
 まず初めに、政府系の金融機関の貸出額、この推移はどうなっておりますでしょうか。あわせて、民間金融機関の融資動向についても伺いたいと思います。
#5
○政府委員(鴇田勝彦君) 昨年の秋以来、貸し渋り対策ということで、政府系金融機関につきましては九年度に十二兆円、十年度には十三兆円の融資枠を用意いたしまして、その融資実行に努めてきているところでございます。
 昨年の十二月から本年八月末までの間における政府系の中小企業金融三機関につきましては、申込件数が約五十二万件、前年同期比約二二%増になっておりますが、融資実績につきましても五兆五千億円ということで、対前年同期比で約二〇%増になってございます。
 民間金融機関の融資の動向については、まことに恐縮でありますが、今手元に資料を持っておりませんので答弁をお許しいただきたいと思います。
#6
○政府委員(乾文男君) 民間金融機関の貸出額の動向についてのお尋ねでございますけれども、主要行の最近の貸出額の推移を見ますと、日銀が発表しているものとそれから全銀協が発表しているものとがございまして、ベースが違いますのでやや異なった結果が出ますけれども、日銀が発表しております貸し出し平残ベースでは、主要行で対前年比でマイナスが続いております。全銀協が発表しております貸出末残ベースでは、本年の八月末の主要行の貸出残高は対前年比一・〇%増となっているところでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、これは銀行別、それから業態別等で非常にばらつきがございまして、金融機関から聴取をいたしますと、貸し渋りとは別の債権の流動化というのを金融機関は進めておりますけれども、そういうものによる貸出残高が減少している面もあると聞いております。
 他方、これは通産省が行われました調査でございますけれども、借り手の側の方を調査されたところ、私どもいただいた資料によりますと、中堅・大企業に対する金融機関からの貸し渋りは比較的低い水準に落ちてきたけれども、中小企業に対する貸し渋りは依然高水準であるというふうに借り手の側が受けとめていらっしゃるというデータをいただいております。
#7
○加納時男君 ありがとうございました。政府系のはよくわかりました。
 一方、今金融監督庁からの御報告でありますが、日銀の統計と全銀協の統計が違う、これはわかりますけれども、実は末残、平残と専門語で言っているわけですが、月末残高、これを見ているのが全銀協だと思います。日銀のは、我々平残と言っておりますけれども、平均残高はマイナスになっているけれども、末残、月末になるとプラスになっている。これはちょっと聞くと奇異な感じがするわけです。本当は減っているんだけれども月末にメーキングをしているんじゃないかとか、そういうような誤解も受けるかと思うんです。
 今の御説明で債権流動化の要素等もあるということでございますが、例えば日銀の平残、平均残高はマイナスであるということだったんですが、私もちょっと文学的だとわからないので、マイナス何%でしょうか。
#8
○政府委員(乾文男君) 八月の前年同月比、これは平残ベースでございますけれども、申し上げますと、五業態計で対前年同月比マイナス二・三%でございます。内訳を申し上げますと、都銀がマイナス一・九%、長信銀がマイナス七・六%、信託がマイナス六・四%、地銀は〇・〇%、それから第二地銀はマイナス二・一%ということになっております。
#9
○加納時男君 大体実態がわかってきたと思うんです。つまり、政府系の金融機関はかなり努力をしている、成果も上がっているけれども、民間の方は依然実態が厳しい。貸し出しが希望するのに対して圧縮されている、あるいは選別融資が行われているというようなことを、我々日常のように中小企業の仲間と会っていますのでいろいろ生の声を聞いているわけでございますが、この辺はどのように認識しておられますでしょうか。
#10
○政府委員(乾文男君) 大変恐縮でございますけれども、私ども個別の取引について各金融機関から聞く立場にございませんので、そういう立場から私ども、例えば先ほど申し上げましたような中小企業庁が行われました調査というものをいただきまして、そういうところから引き続き貸し渋りの水準が高いのかなという印象を受けておりますということと、それから、このたび私ども、先般九月十一日に、最近の貸し渋りについて非常に国会を初めとする御意見をいただく中で、金融取引に関します金融機関と利用者との苦情相談の一層の充実を図るためにいろいろな施策を講じることといたしました。
 ちょっと説明させていただきますと、三つほどございまして、一つは金融機関関係団体に設けられております苦情相談窓口につきまして、それをいろんなインターネットとかパンフレットで全国に広報しまして、中小企業者の方々がそうした自分たちの苦情とか不満とか要望とかそういうものを率直に金融機関に伝えやすいようにする。また、金融団体に対しましても、そうした相談の窓口をオープンにしていますよということを積極的に広報しなさいということを要請するということを行っております。
 それから第三番目に、金融関係団体の苦情相談窓口におきまして、どのようなまたどれぐらいの件数の苦情相談があったかにつきまして、今般、定期的に金融監督庁といたしまして結果報告を求める等の措置を講じることといたしまして、そうしたものを通じまして、中小企業者の方々を初めとする借り手の方々の生の声を把握してまいりたいというふうに考えております。
#11
○加納時男君 抽象的かつ制度的なものがお得意だというのはよくわかります。実際に苦しんでいらっしゃる中小企業の仲間の方々の声というのは、実は私ども政治家というのは日常的に接していますので、そんなところで一つ例を挙げさせていただきたいと思います。
 最近驚くことがあったわけであります。それは、民間の金融機関に相談に行かれた中小企業の方なんですが、マル経を紹介されたわけです。マル経というのは皆さん御存じのとおり、小企業等経営改善資金。非常に低利で、無担保無保証で、小口の方にとっては、本当に小企業の方はありがたいと言っている。それを紹介されて行ったところ、マル経は受けられたわけであります。非常に喜ばれた。ここまでならハッピーなんです。ところが、それを見ておられた紹介した金融機関の方が、結構でしたね、じゃ私が貸している分をそれで返してくださいといって召し上げられちゃったと、こういう話があるわけです。
 これは現実の話なんですけれども、こういう生の話はなかなか官庁には届かないと思うんです。我々政治家は、折に触れて生の声をこういう場でもって御紹介し、皆様の政策立案にひとつ参考にしてもらいたいと思いますが、何かお感じになったことがあれば、通産省でも大蔵省でも金融監督庁でもいいんですけれども、どなたか御感想を言いただけたらと思います。
#12
○政府委員(乾文男君) 金融機関が融資態度を必要以上に萎縮させまして、健全な取引先、借り手の方々に対しまして必要な資金供給が円滑に行われないというふうな事態になりましては、これは金融機関、いろいろな使命がございます。私ども金融監督庁といたしましては、金融機関の経営の健全性ということに重点を置いて仕事をしているわけでございますけれども、そうは申しましても、金融機関の持つ公共性という観点から申しますと、そうした健全な借り手に円滑な資金供給が行われない事態が生じてはならないと考えておりまして、そういう観点から、金融機関の融資動向につきましては引き続き注視していきたいと思っております。
 それからまた、私ども、金融機関のトップの方々との意見交換の機会がございますけれども、そうした機会をとらえまして、金融機関の公共性ということを十分認識して、健全な企業に対する資金供給が円滑にいかないというようなことのないように、機会をとらえて要請をしているところでございます。
 今後とも努力してまいりたいと思います。
#13
○加納時男君 私は、今の答弁が必ずしも私が聞きたかったことを全部おっしゃっているとは思わないけれども、時間の制約もあり、また後日いろいろその後の御勉強の結果を聞きたいと思いますので、きょうは深追いをしないと言っては言い過ぎですけれども、この辺にさせていただきまして、ちょっと皆様のお得意の領域に話を変えさせていただきます。
 やや専門的になりますが、貸し渋りとBIS基準についてちょっと伺いたいと思います。
 御案内のとおり、国際的な業務を展開していると八%、国内的な業務に専念していると四%という基準がある。これをクリアするために金融機関は大変苦労しておりまして、分母分の分子ですから、分母を圧縮する、分子をふやすというふうに動くのは当然だと思うのでございます。こういったことに加えて、リスクのある融資については貸し渋りをしたり債権回収をするというようなことも行われているのが実態であるということで認識しております。
 ところで、きょう私が伺いたいのは、保証つき融資の評価の問題なのであります。
 信用保証協会の保証がつきますと、BIS基準の算定に当たってリスクウェートが軽減されるわけです。このリスクウェートが軽減されることによって分母が圧縮されると思うんですけれども、そういう認識でよろしいのか、リスクウェートは現在何%になっているのか、お答えいただきたいと思います。
#14
○政府委員(乾文男君) ただいま御指摘になりましたリスクウェートでございますけれども、バーゼルの銀行監督委員会というのがございますけれども、その銀行監督委員会の自己資本比率に関する合意によって定められました自己資本比率に関する告示、これは銀行法に基づく告示でございますけれども、それによりますと、信用保証協会の保証が付されていない通常の融資の場合にはまさにリスクウェートは一〇〇%でございますけれども、信用保証協会の保証が付されました債権のリスクウェートは一〇%ということでございまして、いわば九〇%リスクウェートは軽減されたということになってございます。
#15
○加納時男君 私の質問は、この一〇%、最初から一〇%じゃなくて最近軽減されたと理解していますけれども、それについて触れてください。
#16
○政府委員(乾文男君) 御指摘のとおりでございまして、平成十年三月期、この問の決算の時期からこれは改正されたわけでございます。それまでは保証協会の保証というものの見方が現在とは少し違った考え方をしておりまして、その場合は、信用保証協会の保証が付されている債権のリスクウェートは、その担保率によるわけでございますけれども、結果的にリスクウェートが三七%、または二八%という結果になっていたわけでございますが、それを平成十年三月期から方式を改めまして、その結果、保証協会の保証があるものはただいまお答えいたしましたように一〇%に軽減したということでございます。
#17
○加納時男君 ありがとうございました。
 再保険なんかを保証協会はかけていますから、当然そのウエートは変わってくるわけでありまして、おっしゃるとおり、例えば一億円のお金を貸したとしましても、それは保証がついて、今まででしたらばそのうち三千七百万とか二千八百万ぐらいが分母に入ってしまうのが、今回は一千万で済むということは自己資本比率にとっては非常に魅力的であるというふうに理解したいと思います。これ自体は私は前進だと思いますし、金融機関にとっても非常にやりやすくなったと思います。
 だとすると、ここから私の質問になりますが、これは貸し渋り対策としては有効な施策であろう。ならば、信用保証協会の最近の保証実績はどのようになっているか、数字を教えていただきたいと思います。
#18
○政府委員(鴇田勝彦君) 信用保証協会におきましては、先ほどの政府系金融機関の融資と同じ期間、昨年十二月から本年の八月末までの間でございますが、申込件数が約百四十五万件、前年同期比で約八%増になっております。実際に保証を引き受けました実績は十二兆三千億円、前年同期比約一一%の増になっております。
#19
○加納時男君 鴇田さん、どうもありがとうございます。非常に焦点がはっきりわかってきたと思います。
 そこで、何かお話を聞いていると、政府としてやってきた対策は、一つには政府系金融機関の増強、それからもう一つは保証協会の保証つき融資の強化、こういうことが非常に明快になってきたと思うんです。
 ここまで聞いていると何か国民として問題解決しているように思うんですが、実はこのシェアを見てみますと信じられないぐらい小さいわけです。ことしの三月末で、私の理解しているところでは、政府系の金融機関、商工中金とか国金だとか中小公庫だとか入れたものはせいぜい中小企業の融資全体の八%弱だと理解しています。それからまた、信用保証協会での保証がついているのは全部かというとそんなことはないので、全部の中小企業金融の中の九%弱、言いかえると九二%ぐらいは一般金融機関であり、そのうちの八三%ぐらいは保証もついていないいわゆる一般融資である。
 こうなると非常に焦点がはっきりしてきたと思います。きょうの冒頭の御質問の答えとあわせてみますと、政府系あるいは保証協会の方は頑張っている、しかしこれからまだ一般金融機関の方にまで施策の実効が及ぶのに時間がかかっている、こんなふうに伺うことができるかと思います。
 私のここからの質問は、政府系金融機関の今後のあり方であります。もともと私は金融というのは政府がやるべきでない、やるとしても補完だというふうに考えておりまして、そういう意味で政府系金融機関のシェアが八%弱だ、小さいというのは過去の経過から見ると私は正しいと思っていますが、これだけ中小企業が空前の苦しみにある、金詰まりにあるときには、そういう遠慮は捨てて、民業の圧迫とかなんとか言わずにもっと前へ出てほしいと思います。先ほど来のお話を伺っているとその方向に動き出したやに思いますが、そういう認識でよろしいでしょうか。
#20
○政府委員(鴇田勝彦君) ただいま委員御指摘のように、対中小企業者向けの金融機関別の融資残の内訳で見ますと、政府系金融機関で約二十七兆円、委員御指摘のとおり八%超でございます。それに民間の融資の円滑化を図るための信用保証協会の保証残、これが三十兆円、これも八%強でございます。合わせて一六、七%のシェアを今までの実績では持っているわけでございますが、このたび、八月二十八日に閣議決定をさせていただきました貸し渋り対策大綱の中におきましては、これら政府系金融機関の融資について約二十兆円、特別な貸し渋り保証制度としてプラス二十兆円ということで、四十兆円の新たな融資及び保証の出動を予定、計画をしたところでございます。
 現在、本委員会でも御審議を賜っております保証限度枠の引き上げ等々とも相まちまして、これらの四十兆円が円滑にかつ有効に中小企業者に利用されることを期待しております。
#21
○加納時男君 状況はわかりました。また、方向性としても妥当なものだと考えております。よろしくお願いいたしたいと思います。
 ちょっと質問の観点を変えてみたいと思うんですが、金融機関というのは一体何をするところなのか。貸し渋りをしたり、貸した金を回収する、不良なところに貸し付ける、これが銀行ではないと私は思うんです。しっかりとした目で審査能力も持ち、そして貸し出しをする、こういうのが銀行の本来的な機能ではないかと思うわけであります。そうなりますと、今貸し出しについてはかなり実績も上がる方向に来ているというお話がありますが、次の問題は審査能力だと思うので、これについて伺いたいと思います。
 融資枠が拡大してくる、また申し込みがどんどん急増してくるということになりますと、当然のことながら審査能力が追いつかない事態も懸念されるかと思います。政府系金融機関においてもこれまでも民間金融機関の人材を活用するという方策を種々講じてこられているとは思いますけれども、これについてはどのようにお考えでしょうか。
#22
○政府委員(鴇田勝彦君) 政府系金融機関におきましても、審査担当者の能力アップについては研修を通じ、あるいはオン・ザ・ジョブのトレーニングを通じてその育成強化を図っているところでございます。
 ただ、民間金融機関の持っておられる独特の審査能力ということを活用する道もやはり開く必要があるということで、中小企業金融三機関におきましては、従来から民間金融機関を代理店として、受付窓口としてその審査能力を活用する道を開いてございます。
 特に、昨年の秋の「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」の中には具体的に以下のような文章も記載されておりまして、「国民金融公庫等の政府系金融機関において、代理店を拡充し、中小企業者への資金供給の円滑化を図る。」ということでございます。これを受けまして、従来どちらかといいますと代理店の活用率の低かった国民金融公庫につきましても、具体的に申し上げますと、民間金融機関の店舗の活用を九百店舗から一万四千店舗にまでこれを契機に広げまして、審査能力の活用を図らせていただいております。
#23
○加納時男君 国民金融公庫においても一万四千店の活用をするといったこと、いわゆる民間活力、民間の能力を生かしていくという方向でぜひやっていただきたいと思います。
 最近大きな話題になったのがGEキャピタルでございます。GEというのはもともとメーカーだったわけですけれども、今GEグループの利益の六割は実はGEキャピタルが生んでいるわけであります。そのGEキャピタルが最近日本にも進出しまして、この三年間でミネベアですとか東邦生命だとか、ごく最近では消費者金融で有名なレイクを傘下におさめるということをやったわけであります。ただ、これは仕事の領域をふやすというだけじゃなくて、そこで見ているのは、非常に現在評判が悪いようだけれども、実は日本の消費者金融にしてもその能力というのは抜群である、業務利益も非常に大きいということに目をつけたからにほかならないと思っております。
 私は、政府系の資金を出す、そして民間の審査能力を的確に生かしていくということによって民間活力をこれからも生かして中小企業対策を進めていただくことを期待したいと思っております。
 審査能力について感ずることなんですけれども、バブル期に物的担保第一主義といいますか、担保にしか目が行かない、人の顔を見ないという、そういう時代があったと思います。こういう点で私は、実はマル経というのは非常にうまく機能しているのかなと思っているんです。
 小企業等経営改善資金、いわゆるマル経でありますけれども、これはさっき申し上げたように低利、無担保無保証というもので非常に使い勝手がいいわけであります。反面、これについては事故率が高いんではないかという危惧をよく聞くわけでありますが、事故率の実態はいかがでしょうか。先々週ですか、この席で私は代位弁済率について伺っておりますので、代位弁済率との比較でお答えいただけたらありがたいと思います。
#24
○政府委員(鴇田勝彦君) マル経制度の事故率でございますが、平成五年度に〇・八一%でございましたが、その後増加傾向にございまして、昨年度、平成九年度は二%になってきております。
 あと、協会の代位弁済率の方ですが、これにつきましては、平成八年度にかけて約一・五%でございましたが、やはり平成九年度には一・七%と増加傾向で推移をしております。
#25
○加納時男君 その後の状況はわからないんですが、平成九年度といったら三月までですね。問題は、ことしの四−六月期、それから七月、八月とかけて大変な状況が起こっていると私は現場では聞いておるわけですけれども、データがなければしょうがないんですが、何かあれば教えてください。
#26
○政府委員(鴇田勝彦君) 先ほど申し上げました信用保証協会の代位弁済率の推移につきましては、平成九年度一・七%と申し上げました。新年度に入りまして事故率が二、三〇%ふえているという報告が我々の方に参っております。これは最終的に年度が終わって分母分子で締めませんと代位弁済率という形では出てまいりませんが、事故率はそういう形で二、三〇%上がってきているということでございますので、推計をいたしますと代位弁済率でもやはりもう二%ぐらいに傾向としてなってきているんではないかという気がいたします。
#27
○加納時男君 いずれにしましても、厳しい状況にはなっているけれども無担保無保証のマル経は決して事故率は高くないと。私、マル経の現場の方にもお会いしたんですけれども、かなり自信を持ってやっておられました。何が大事なのかというと、やっぱり人を見るということなんですね。私は、本当に物しか見えないという審査のやり方には非常に残念な気がするわけでございます。
 大臣にもぜひ伺いたいことは、保証ということ、担保はどういう意味があるのかという哲学の問題をぜひ大臣に伺いたいと思うんですが、それに先立ちまして、いつも何か持ってまいりますが、きょうは日経ビジネスを持ってきたんですが、九月十四日号の日経ビジネスに非常におもしろい記事が載っておりました。
 今、緑茶とかウーロン茶の缶に入った飲料、あれが爆発的に売れているんですが、これで大をなした方が伊藤園という会社、余り会社の宣伝をしちやあれですけれども、伊藤園の本庄正則さんという会長にインタビューをしているんです。この記事の紹介という程度でとどめますけれども。
 この方が、実は学校を出られて車のセールスマンをやって非常に苦労をしておられた。そして、お茶に目をつけてお茶の販売をやろうと思ったんだけれども、だれも金を出してくれない。銀行に相談に行ったら、担保もないものですから断られちゃった。そこで、ある人が、まだ駆け出しの代議士さんが、じっと本人の顔を見てぽんとお金を五百万円出してくれたというわけです。実はそれがもとになって今日千三百億円の売り上げを誇る大市場を開拓したわけです。これはある意味では日本のサクセスストーリーに入ると思うんです。
 つまり、ここで私が言いたいことは、物的担保でない、経営者としての人格、識見、哲学、それからその企業の持っている、考えられる技術力、企画力、こういったものを見抜く力が私は金融の審査能力になければいけない。
 ちなみに、この駆け出しの代議士さん、五百万円を貸したという人は、これは言うとなにかもしれませんけれども、本に書いてあるところによりますと、まだ当時は一年生代議士、無名の代議士だったそうですが、小渕恵三さんという方で、今の総理大臣であるそうであります。小渕さんが銀行の審査能力があるのかどうか私は知りませんけれども、ともかく一つの例として、人を見て金を貸すということはすごく大事だろうと思います。
 こういうことについて、私は、銀行の担保第一主義からの脱却、対人信用ということを強化すべきではないか、あるいはこれに伴う研修等を強化していくべきではないかと思うんですが、こういう保証の哲学といいますか、大臣から一言お言葉をいただけたらと思います。
#28
○国務大臣(与謝野馨君) きのう、実は信用金庫の方何人かとお目にかかって、今、加納先生がおっしゃったことが話題になりました。
 一般の市中銀行が融資をするときの審査というのは、不動産の担保はどうなっているのか、あるいは会社の収益、バランスシートを見て、あるいは損益計算書を見て物事を判断していく。しかし、信用金庫というのは、全般的に、そういうことだけで融資をするかしないかということを決めていいのかどうかということは従来から非常に疑問に思っていると。まず、実際、経営者に会って、その経営者、会社の経営に携わっている人の人格とか識見とかあるいは人柄というものを見る、また、どういう仕事をしているかという業界での評判も聞く、また、その事業が将来発展するものかどうかということも見きわめるということで、むしろ一般の銀行と比べて信用金庫というのは既に中小企業に関してはそういう全体像を把握した上で融資をしている。そういう意味では信用金庫の審査方法の方が現代的な感覚にマッチしているし、実際上リスクを低くとれるということにもつながるんだということを自信を持っておっしゃっておりました。
 これは、確かに先生がおっしゃるように、バブルの時代というのは不動産さえあれば融資をするということでしたが、これからは融資をするについては、その経営者の人格、識見、信頼性、業務の将来性、あるいは業界内でのいろいろな風評、御評判、こういうものを総合的に判断して融資をするということが正しい融資の制度だし、そういうことをすることによってむしろリスクは低くとれるんだということをおっしゃっておりました。日本の金融界全体も、今までのようにバランスシートを見、損益計算書を見、あるいは不動産の担保価値を判断し、というだけの融資態度というのはだんだん改めざるを得ないような社会的状況になってきた、私はそのように認識をしております。
#29
○加納時男君 大臣、大変前向きな御答弁、ありがとうございました。ぜひよろしく御検討いただきたいと思います。
 最後の質問になりますが、今回の法改正は中小企業が対象でありますが、私はかねがね気になっておりますのは、中小企業対策といったときにどうしても一つ気をつけなきゃいけないのは、そのちょっと上を行く規模の企業、いわゆる中堅企業であります。当然のことながら、これは開銀とか北東公庫が対象となる話でございますけれども、こういう機関は設備資金が中心であって、非設備資金と我々は言っていますが、非設備資金についてはかなり限定的な運用がされてきた。これも開銀や何かをつくったときの経緯から見て仕方ないとは思うんですけれども、こういう空前の金融の厳しい時代に入って、非設備資金の拡充策について私は拡充を求めていきたいと思っておりますが、現状を伺いたいと思います。
#30
○政府委員(山本晃君) お答えいたします。
 先般の八月二十八日の閣議決定、中小企業等貸し渋り対策大綱を受けまして、資金調達に支障を来しております、今加納先生からお話がございました中堅企業に対しましても、円滑な資金供給を図るために、日本開発銀行及び北海道東北開発公庫の金融環境変化対応融資制度、この拡充を行うことといたしまして、既にこの九月二十五日から実施をしているところでございます。
 具体的には、日本開発銀行につきましては、設備投資に関連する事業資金ということで、これは非設備資金でございますが、この設備投資に関連する事業資金融資の拡充というものを行うことといたしまして、第一には、非設備資金につきましては、設備投資をした後、今までは三年以内という要件でございましたが、これを五年以内に延長をしたというのが第一点でございます。
 第二点といたしまして、非設備資金の対象を拡大いたしました。現行は、設備の取得等に関連して必要となる人件費、賃借料、保険料、固定資産税、支払い金利、リース料といったものに限定をされていたわけでございますが、こういったものに加えまして、設備の取得等に関連して必要となる在庫、原材料資金等、これも対象とするというふうに拡大をしてございます。
 またさらに、開銀が設備資金を融資していない場合につきましても、今まではそのための非設備資金というのはアウトであったわけでございますが、こういったものにつきましても開銀が融資をできるようにしたということでございます。
 また、北海道東北開発公庫につきましては、金融環境変化対応融資の融資期間の弾力化を図ったところでございます。
 こういったような対策を講じたわけでございますけれども、貸し渋りを受けている中堅企業に対しましては、今後とも円滑な資金供給が図られるよう適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
#31
○加納時男君 時間があと二分になりましたので、感想だけ述べて終わりたいと思います。
 今のお話、大変前向きなものがこの九月二十五日、ごく最近ですけれども実施されたというお話で、かねがね我々が要望してきたことを実現していただいてありがたいと思っております。
 ただし、これで全部開銀は何でもできるのかというと、そうじゃないですね。注意深く伺っておりますと、非設備資金で、在庫でありますとかそれから原材料等にふえたといっても、いわば俗に言う運転資金がすべて入るわけじゃないということは、開銀法の目的から見ても法を改正しない限りこれは無理だろうと私は正直言って思っております。これはきょうは時間がないので、また今後の検討課題とさせていただきまして、きょうはここまでで結構だと思います。
 私は、最後に感想を述べて終わりたいと思いますけれども、今回の法改正を初めとしまして、貸し渋り対策大綱、中小企業の要望をほぼ全面的に取り入れた画期的なものが今制度としては動き出したと思っているんです。しかし、私はこれで万全だと思わないんです。制度としてできたということと、今中小企業の仲間から切実に訴えられているのは、すばらしいことをいよいよやってくれるけれども、これを早く実現してほしい、そして現実のものとなってほしい、紙に書いたものじゃ困るんだと。そのためには、私のお願いは、第一線の金融機関、そして第一線の相談窓口、商工会、商工会議所、さまざまな窓口を通じて中小企業の第一線の方に早くこの趣旨が徹底され、しかも第一線の窓口がこの趣旨に沿って機動的な運営をして実効を上げていただきたい、これをお願いして、ちょうど時間となりましたので、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#32
○平田健二君 おはようございます。民主党・新緑風会の平田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、昨日の新聞を見ますと、こういう、「万全の貸し渋り対策で、」というのが政府広報ということで各紙に掲載をされました。今回の法案で中小企業の貸し渋りに対して政府が手厚く対策を講じますよというPRだと思いますが、実は昨日出ておるんです。金額もきちっと書かれて、まだ参議院の本委員会の審議をする前、しかも本会議もまだやっていない。これはどういうことなのか。もし仮に、三千五百万円の保証を五千万とか、数字が変わったらどうするんでしょうか。本委員会でこれはだめだと言ったらどうなるんだろうか。
 それからもう一つ、きょうここにいただきましたが、対人地雷法律案についても明日やる、しかもこれは二十四日に閣議で決定して今月中に衆参で可決してくれと、こういうことのようでございまして、いかにも国会の審議を軽視しておる。ましてや、この新聞広告については参議院軽視も甚だしい。参議院で審議をしていないのに、数字を入れてこういう広告を出すのはいかがでしょうか。ちょっとこれについて説明してください。
#33
○政府委員(鴇田勝彦君) ただいま先生から御指摘をいただきました全国紙に掲載された今回の貸し渋り保証制度の広告については、今御指摘にあったとおりだと思います。
 ただ、私どもといたしましては、一つには現下の貸し渋りに悩んでおられる中小企業の方々に、十月一日を待たず一刻も早くどういつだ制度がつくられつつあるかという点について広報をさせていただきたいという、そういった思いだけで広告させていただいたわけであります。
 具体的には、ここに私も書き込ませていただいたわけですが、「一中小企業者当たりの保証限度額を引き上げます」、ただ、括弧をつけさせていただきまして、今臨時国会に提出をさせていただいております信用保険法の改正法案の成立後に実施をさせていただきますということで、念のためにこれを入れさせていただきまして、本院を軽視するという心は毛頭ございません。できるだけ早く貸し渋りに悩まれている中小企業者の方に本制度を周知徹底させたいという思いでやらせていただいたわけでございます。
#34
○平田健二君 それはわかるんですよ。確かに早く知らせてやらなきゃいかぬというのは理解できますが、まだ国会を通過していないものを出すというのはやっぱりいかがなものかと思いますよ。国会軽視も甚だしいと言われたって仕方がないじゃないですか。
 じゃ、聞きましょうか。六月だったでしょうか、経済活性化及び中小企業対策特別委員会というのがありました。ここで中小企業の定義を金額面から変えましたね。これを決めておきながら、実際にはこういったPRといいますか広報というのは八月過ぎてからですよ。ちぐはぐじゃないですか。
 大臣、ちょっと答えていただきたいんですが、なぜこういうことをするのか。国会軽視も甚だしい。
#35
○国務大臣(与謝野馨君) まず、中小企業の保証枠を保証協会を通じて広げるということについては、衆議院においては全党すべての会派の御賛成をいただき、御激励を賜ったわけです。それで、各党の幾つかの質問の中に、こういう制度をせっかくつくっても中小企業者がそれを知らない、あるいは利用する方法がわからないということは問題だぞ、であるから周知徹底をして、とにかく十月一日にこういう制度ができたときには速やかに利用できる、そういう事前のこともやっておく必要があるといういろいろな意見がございました。
 私どもとしてはどういうことをしたかと申しますと、一つは自治省と通産省共同名で各県の商工部に対しまして、こういう制度がいよいよ国会ででき上がりそうだからあらかじめ各方面によくPRをしておくようにということも申し上げて、実は文書は各県の商工部に行っております。それから、全国の保証協会の会長にお集まりいただいて、現在審議中の中小企業関連の法案についても御説明申し上げましたし、貸し渋り対策として総額四十兆にわたるこういう施策を行うので保証協会としてもそのPRに取り組んでほしい、そういうことも実は申し上げました。
 それと同時に、やはりこういうものは政府みずからも少しお金を使って、こういう方向になりますということをよく全国の中小企業の皆様方にお知らせする必要があるということで、総理府にございます政府広報予算を三億円使いまして新聞あるいは雑誌あるいはテレビのスポットを通じて周知徹底をするということを計画したわけでございます。
 しかし、国会の日程との関係で、十月一日はどんどん迫ってまいりますし、十月一日から実際利用可能な制度にすることは国会の法案成立と同時にできますが、それを利用する側にとりましては十月一日に既にそういう知識を持っているということは必要だろうという判断をいたしました。
 したがいまして、この広告の中にありますように、参議院を軽視したわけではありませんで、いわば臨時国会に提出した改正法案が成立するということを前提としながら、こういう制度ができそうでございますということを申し上げたわけでございまして、参議院の審議を決して軽視するというようなつもりは毛頭なかったわけでございますので、その点はぜひ御理解をいただきたいと存じます。
#36
○平田健二君 いやいや、今大臣おっしゃられましたように、早く周知徹底するということは大変必要なことですし、私どもこの法案に対して反対しているわけでもないし、早く成立しなきゃいかぬというふうに思っております。ただ、審議と早く知らせるということとはまた別の問題です。こういういい法律だから早く国民の皆さんにお知らせしなきゃいかぬというのはわかりますけれども、しかし、やっぱりきっちり審議をして、決まってから出す。これが一年も二年もかけて審議しておるわけではないんですから、きょう一日で終わるわけですから、ですから、そこらは少し注意していただかないと。
 こういったことが多いんですよ。対人地雷もそうです。二十四日に閣議決定して、今月いっぱいに上げてくれと。無理矢理やるわけでしょう。国会の審議というのを軽視してもらったら困るということだけを申し上げておきたいと思います。
 次に、法案の質問をする前に、中小企業総合事業団の設立についてお尋ねをいたします。
 信用保険公庫、事業団、繊維産業構造改善事業協会を統合して中小企業総合事業団を設立するということですけれども、それぞれ三つの事業団、全く性格の違うものです。これらを統合するのはどういう理由なのか、統合するメリットはどこにあるのか、どういつだ機能強化が図れるのか、ちょっとこの点についてお尋ねをいたします。
#37
○国務大臣(与謝野馨君) 実は、特殊法人の数が多過ぎるという議論が数年前からございまして、これを整理統合するというのが国会全般の私は議論だったろうと思いますし、そういう議論を受けまして、政府としては各省に対して特殊法人の整理合理化をやれという閣議決定もされたわけでございます。
 そこで、一体どういうものとどういうものをくっつける、数を減らすというのを実は非常に各省とも悩んだわけでございます。通産省ももちろんその点については悩んでおりまして、性格の違うものを一緒にしていいのかどうか、業務分野が違うものを一緒にしていいのかとか、いろんな議論が実は各省の中でもあったわけです。しかし、特殊法人の数が多過ぎる、これを整理しなきゃいけないよというのが国会の全般的な空気でございましたし、そういう意味で通産省は三法人の統廃合ということを決断したという経過が実はございます。
 正確に申し上げますと、中小企業事業団及び中小企業信用保険公庫については、平成九年九月二十四日の閣議決定、すなわち「特殊法人等の整理合理化について」という文書の中において、「平成十一年の通常国会において法律改正を行い、中小企業施策の総合的・効率的推進、都道府県との連携の一層の強化を図るため、両機関は統合する。」「新機関においては、中心市街地活性化、小売商業対策、金融ビッグバンに対応するための中小企業の体質強化策等の信用保険業務、高度化融資業務等の充実・強化を図る。」というふうにされております。
 また、繊維産業構造改善事業協会については、同様に、「特殊法人等の整理合理化について」、これは平成九年六月六日の閣議決定でございますが、「繊維産業構造改善臨時措置法が平成十一年六月末に期限切れになるのに合わせて、廃止する。必要な事業は、中小企業事業団へ移管する等、一般中小企業対策と一体的に実施する。」というふうにされております。
 三機関の統廃合については、以上のような特殊法人等の整理合理化に関する累次の閣議決定を踏まえ実施するものでございまして、次期通常国会において所要の法案を御審議いただくべく、統廃合の時期に関する検討を含め、今必要な準備を進めているというところでございます。
#38
○平田健二君 それでは、貸し渋り対策についてお尋ねをいたします。
 八月二十八日の閣議決定、「中小企業等貸し渋り対策大綱」というのがございますが、この中で、「昨年秋以来、」「依然として貸し渋りは解消しておらず、中小企業等を取り巻く資金調達環境は一層厳しいものとなっている。」、こうあります。
 昨年の秋以来、政府はずっと貸し渋り対策をやってきたんですが、政府がやってきた貸し渋り対策は効果がなかった、こういうことなんでしょうか、認識をお伺いします。
#39
○政府委員(鴇田勝彦君) 昨年の秋以来、先ほども申し上げましたが、融資規模ベースで昨年度十二兆円、今年度十三兆円の融資枠を用意いたしました。また同時に、各種の特別貸付制度を設けまして運転資金融資を緊急に行えるようにするとか、あるいは担保徴求の率を半分に軽減するような特別貸付制度等々をつくっております。それなりの各特別貸付制度の実績を上げておるわけでございます。
 融資規模全体の話といたしましては、先ほども御答弁申し上げましたように、政府系金融機関の融資の対前年度比は約二〇%の増になっております。これは、例年のほぼ横ばい、ここ二、三年の流れからしますと大幅に融資額が伸びていると思います。片や、私どもがやっております、毎月四千数百行に向けて中小関係の四機関に調査をさせております中小企業者の貸し渋り困窮度といいますか、これにつきましては、依然三割以上の方が貸し渋りに悩んでおられるし、また、今後貸し渋りがさらに悪くなるんではないかと考えておられる方がやはり五六%程度に達しておりますので、いろいろ我々としては努力をいたし、それなりの成果は上げておりますが、完全に貸し渋り対策全般が中小企業の皆さんに行き渡るところにまだ至っていないということで、今回の貸し渋り対策の追加策を決定させていただいたわけでございます。
#40
○平田健二君 先ほども質問にお答えがあったんですが、もう一度お聞かせいただきたいんですけれども、政府として、今中小企業の資金需要がどの程度あるか、それが今次の貸し渋りによってどの程度滞っておるか、わかれば教えていただきたい。
 また、今回の措置で、二年間で総額四十兆を超える対応が可能になると、こう言われておりますけれども、政府としてこの規模で一挙に貸し渋りが解消すると考えているのか、それとも、いや、まだまだ追加措置が必要だとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#41
○政府委員(鴇田勝彦君) 中小企業者全体の資金需要というものについては、見通しなりあるいは現況について統計的に数字をとるわけにまいりませんが、例えば最近時点の、十年の三月末、つまり九年度末の時点での中小企業向けの貸出規模というのは三百四十八兆円ございます。このうち、政府系金融機関が二十七兆円、信用保証協会の公的保証つきの民間の融資というのが三十兆円、合わせまして約六十兆円で、全体の三百五十八兆円のうちの一七%弱を占めているという実態でございます。
 私どもといたしましては、今回取り上げさせていただきます貸し渋り対策の追加策で、申し上げましたように、約四十兆円の規模で中小企業者向けの新規の資金融通の円滑化が図られると考えております。貸し渋りのマグニチュードがどのぐらい日本全体としてあるのかについて数字を持ち合わせておりませんけれども、この四十兆円というのは従来の約六十兆という融資残あるいは保証残の合計から比べますと大変大きな、飛躍的な規模になっておると考えますので、これが活用されますればかなりの効果が期待できるのではないかと思っております。
#42
○平田健二君 それでは、貸し渋り保証制度の内容についてお尋ねいたします。
 今回の保証制度の利用要件としては、いわゆる貸し渋りを受けた中小企業者であること、そうした貸し渋りを受けた業者が地元市町村長の認定を受けること、認定を受けた中小企業者が申請をして、特に財務内容が悪化しているような場合を除いて保証が行われるということだと思うんです。つまり、ある中小企業者がAという銀行から貸し付けを拒否された、それじゃということで市役所へ行って、A銀行に行ったけれどもA銀行は貸し渋りだと、貸し渋りされたと認定してくださいといって認定していただいたら、もう一回A銀行へ行って融資をしてくれといって貸していただけると、こういうことでいいんですか。
#43
○政府委員(鴇田勝彦君) 新しく発足をいたします貸し渋り対応特別保証につきましては、まず入り口要件といたしまして、実際にこの保証申し込みをされる方の資格要件というのがあると思います。これは、信用保険法上では、先生御指摘のように、市町村長等がそういった要件を認定するという簡便なスキームになっておりますが、申込人の資格要件といたしましては、例えば金利が前回の借り入れに比べて引き上げられているとか、あるいは融資額が減額をされるとか、あるいは融資の期間が従来二年で借りられていたのが一年になるとか、あるいは先生がおっしゃるように全く貸し付けを受けられなくなってしまう、そういった状況の場合にはこの認定を受けていただいて、保証協会の保証を、保証基準を満たす場合ですが、受けていただければ、当該金融機関のみならず他の金融機関に回って新たな融資を受けるという道が開けてくると思います。
#44
○平田健二君 そこで、なぜ市町村長の認定が必要なのかということなんです。貸し渋りを受けたあるいは減額されたという立証、中小企業者はそういう立証をしないといかぬわけです。そういった書類をつくって役所へ行って、実は貸し渋りを受けましたと、だから何とか認定してくれという立証をする必要があるわけです。どういう書類をつくるかは別として、大変煩雑になるわけです。なぜ市町村長の認定が要るのか。もう認定なんかなくして特別枠を広げたらいいじゃないですか、従来の枠を、と思うんですが、いかがですか。
#45
○政府委員(鴇田勝彦君) 今回の貸し渋り対応特別保証を含めまして、信用保険法の二条三項各号に書かれております倒産関連特別保証というのは、保険料率、保証料率も大変低くされておりますし、保証限度額も普通保証、無担保保証、特別小口保証について、それぞれ倍額、別枠で活用できる、大変中小企業者にとっては利用しやすい制度になっているわけでございます。
 これにつきまして、実際の各地におきます中小企業者あるいは零細な中小企業者の実態を、地域経済を把握されておられる市町村長等に認定をお任せすることによって、逆に中小企業者から見ますと、金融機関ではない、あるいは信用保証協会ではない、地元の身近な公的機関の認定によってこの制度が動き出すという意味で、我々は今まで制度として倒産関連保証をやっておりますけれども、そういった意味の前向きの評価を受けていると思います。
#46
○平田健二君 前向きかどうかは別として、市町村長が貸し渋りなり減額なり期間を短くされるなり、そういった認定をするという作業、それには必ずそういった立証をしなきゃいかぬわけでしょう。私はこういう貸し渋りを受けました、こういう減額措置を受けましたと、それを市町村へ行ってそういった立証をするわけです。それで初めて、そうだな、おまえは貸し渋りを受けたな、じゃ認定しようと、こういうことになるわけです。なぜそれが必要なのか。確かに、特別枠で倍貸すから、保証するからということでしょうけれども、そこまでする必要があるのかなと思うんですけれども、もう一度そこのところ。
#47
○政府委員(鴇田勝彦君) もちろん、あらゆる制度につきまして、できるだけ審査あるいは許可、そういった手続というのは軽減されるように我々中小企業庁としてもできるだけの努力をしてきておりますし、今後もしたいと考えておりますが、先ほど申し上げましたように、特例的な大変メリットの大きい保証制度でございますので、これについてある意味で公的なオーソライゼーションといいますか、客観的な証明というのをいただくという要請が一つ制度設計上ございます。
 ただ同時に、それにつきましては、先ほども申し上げましたが、地元の地域経済あるいは地元に所在する各企業の実態について精通をされている市町村長あるいは特別区の区長にお願いをすることによって、そういった手続上の弊害も簡便性を加味することによってより軽減できるんではないかという制度上のある種の設計をさせていただいているということであります。
#48
○平田健二君 この制度が円滑な保証に寄与するというふうに言っておられますけれども、もう一つお尋ねいたします。
 いわゆる事故率、二%から一〇%に大幅に緩和することによって貸し渋りが少なくなると、こう言われておりますけれども、新しいこの制度に頼る中小企業事業主は現実に貸し渋りを受けておるわけです。問題があるか業績が悪いのかどうか知りませんが、融資の申し込みをしたけれども、貸し渋りを受けた方なんですよ。そういう方しかこの保証制度を使わないという言い方はおかしいですけれども、利用しない。
 言い方は別としまして、この制度を利用しようというのは貸し渋りを受けていることが前提ですね。この制度を利用しようという人は、民間の金融機関が貸し渋りをしたくなるような中小企業者なんです。そうですね。民間の銀行が、いやこれは危ないぞ、貸し渋りしたいなというような中小企業者なんです。そういった返済に心配な中小企業者の比率がこの制度を利用しますと多くなるわけです。
 条件が一挙に緩和されたと言っておりますけれども、本来であればもう貸し渋りを受けて仕方がないような人たちだけを集めてこれを保証するわけですから、本当に条件がそう一挙に緩和されるということになるでしょうか。
#49
○政府委員(鴇田勝彦君) 新しい貸し渋り保証制度を設計するに当たりまして一番我々として腐心をいたしましたのは、全国に五十二ございます信用保証協会の保証審査を、いかに現下の貸し渋り状況対応ということで緩和、迅速化ができるかということでございます。
 その観点から、先ほども申し上げた、貸し渋り保証の申し込み資格を有される中小企業者につきましては、その保証の審査に当たりまして、できるだけ単純化されたといいますか、円滑な保証がしやすいような窓口基準というのをつくってみてはどうかということで、現在最終的な詰めを行っている段階でございますが、おおよその考え方といたしましては、いわゆる保証あるいは融資に値しない、本当に俗に言う真っ黒なケース、こういったものについて項目を列挙させていただきまして、そういったリストに該当しない限りは積極的に保証していただくということで、保証基準、保証審査についても余り時間がかからず、できるだけ親身になって保証引き受けをしていただきたい、そういう設計にしてございます。
 したがいまして、今先生が申されましたような、例えば税金を滞納しているとか、あるいは実際に粉飾決算を行って企業としてもう今後存続が成り立たないとか、そういった幾つかのネガティブリストというものを我々として用意させていただいて、それに該当する場合にはそれを外す。ただ、逆に言いますと、それに該当しない限りは、新たに私ども予算的な手当ても協会にしておりますので、前向きに保証していただける、そういう仕組みに仕立て上げたいと思っております。
#50
○平田健二君 次に、無担保保険と特別小口保険の改正です。
 これは、貸し渋り対策の一環としてこれをやるわけですけれども、貸し渋りがほぼなくなったなというような状態になった時点で、水準をまたもとに戻すというようなことはございませんか。三千五百万を五千万、七百五十万を一千万、これをとりあえず貸し渋り対策としてやると。貸し渋り対策しなくてもよくなったという状態になったら、これはまたもとに戻しますか。いかがでしょうか。
#51
○政府委員(鴇田勝彦君) 現在、信用保証制度で持っております三つの保険制度につきましては、制度発足以来、累次中小企業者の資金需要に応じまして限度額を右肩上がりで引き上げをさせてきていただいているところであります。
 今回の限度額引き上げにつきましても、一つには貸し渋り対策、無担保無保証で利用できる信用保証ということで貸し渋り対策という側面も中心にございますが、同時に、従来の無担保保険、特別小口保険の利用率、これをチェックいたしますと上限に張りついてきている割合がある程度のところまでまいってきておるものですから、そういった中小企業者の資金需要というのも反映しながら引き上げをさせていただいたわけであります。
 したがいまして、御質問にございましたように、貸し渋り状態というのがなくなったときに自動的にこの限度額を引き下げるということには考えてございません。
#52
○平田健二君 次に、信用保証制度の重要性ということですが、信用保証協会の運営ということについてお尋ねをいたしたいと思います。
 保証協会の健全な経営を考えますと、保証協会としても保証渋りをしないといけないということだと思うんですが、それでは保証協会の意味がありませんので、地域的な事情等でまじめに審査していても赤字経営になってしまうということもあり得るわけです。
 それで、資料にもございますが、平成九年度における信用保証協会の収支状況というのを見ますと、信用保証協会のこの運営そのものがかなりきついところもあるんです。その信用保証協会の経営、運営という観点から、あるいはまた信用保証協会という制度そのものの重要性にかんがみて、どのようにこれを整備していきますか。
#53
○政府委員(鴇田勝彦君) 先ほどから申し上げていますように、信用保証制度というのは中小企業者における資金調達手段としては大変大きなウエートと役割を果たしているわけでございます。それを実際に担っていただいておりますのが、全国に五十二ございます信用保証協会でございます。その中には、約三分の一から四分の一ぐらいですが、赤字で悩んでおられる協会もございます。これらにつきましては、例えば平成十年度当初予算あるいはこの第一次補正予算でそれぞれ百億円、百三十億円の協会に対する補助金を我々としては用意をさせていただきまして、そういった収支状況、財政状況に応じまして、各地域において公平に中小企業者が信用保証という制度の利益に浴することができるように、こういった補助金を県とともに協会の財務対策として補助を出しているというのが実態でございます。
 今回の貸し渋り保証制度をつくるに当たりまして、先ほど申し上げましたように、一つには協会の保証審査に当たる方の保証基準というのを明確にしてできるだけ迅速、円滑に保証してもらうという点が一点と、もう一点、我々配意をいたしましたのは、こういった保証協会が従来のそれぞれの財務基盤、財務状況にかかわらず、本貸し渋り保証については積極的に業務運営をしていただきたいという観点から、今回の貸し渋り保証については我々これから手当てをいたします予算を協会ごとに従来の一般会計とは別に特別会計をつくっていただいて、そこに新しい補助金を流し込ませていただいて、それをバックにして、従来の経営状況、財政状況とは無関係にこの貸し渋り保証については円滑、前向きに保証をしていただくという点を制度設計上配意したわけでございます。
 今申し上げましたように、従前からやっております信用保証制度についての財務対策については当初予算なり補正予算で従来から手当てをさせていただいておりますし、今回の特別貸し渋り対策保証につきましては特別のアカウントといいますか会計をつくって、各協会が同等に同じような意気込みでやれるような制度にさせていただきたいと思っております。
#54
○平田健二君 それはわかりました。今回の制度に対する取り組みはわかりましたけれども、従来の経営難に陥っている信用保証協会が三分の一程度ございますね。これらの支援策についてはどういうふうにお考えですか。
#55
○政府委員(鴇田勝彦君) 各保証協会の財務状況につきまして我々と一緒に運営、監督をしていただいております自治体とも話をしながら、相互に一対一でお金を出し合う形で補助金というのを協会に対して流すということで財務体質の安定化、強化を図らしていただいておりますし、今後ともそういった形で対応することになると思います。
#56
○平田健二君 先ほどもちょっとお話ししたんですが、まじめに審査をしても、ある特定の地域で特定の集積、例えば輸出中心に頼ってきた集積のところが信用保証協会から保証していただいて融資を受けた、全体が地盤沈下で、それは保証協会がまじめに審査しても結局焦げついてしまった、そういったところはたくさんあるんです。そういった支援は個々のそれぞれの信用保証協会によって違うはずですね。画一的に支援策を考えるんじゃなくて、やはりそれぞれの地域に見合ったような支援の仕方というのがあるはずですから、その辺のところを各都道府県とよくお話ししていただいて財政面の支援を考えていただきたいというふうに思います。どうぞひとつよろしくお願いいたします。
 次に、この制度を悪用してということは余り考えなくてもいいと思うんですけれども、民間の金融機関ですから、現行の不良債権を今回の信用保証つきの債権につけかえるというような悪用をされるおそれも今の銀行ですと十分にあるわけです。どういう対策を考えておられますか。
#57
○政府委員(鴇田勝彦君) 今回開設といいますか、新たに始めさせていただく貸し渋り保証制度につきましては、従来から申し上げておりますように、民間金融機関の不良債権処理が進む過程の中で発生する可能性のある中小企業者の方々への信用収縮への対応として円滑な資金供給を確保するためにこういった措置を講ずるものでありますので、今先生御指摘のように、民間金融機関がいやしくも問題債権というのをこういった信用保証協会の公的機関につけかえる、そういったことを目的としたものではないことは当然のことでございます。
 従来から保証協会と金融機関との間では旧債保証の禁止、旧債というのは古い債務という意味ですが、現在金融機関に負っておる中小企業者の債務を途中から保証がえをして保証をつけさせるとか、そういったことは禁止するというような契約に、これは協会と金融機関の間でなっております。
 ただ、これはお金の世界の問題ですから、金融機関がそういった意思を持って、意図を持って中小企業者に働きかけていろいろなケース、先生御指摘のような我々にとっては金融機関のふらちな行いが出てくる可能性は多々あると思います。これにつきましては、我々としては保証制度そのものについては円滑にできるだけ進むという、これは貸し渋り保証特例の大変重要なポイントでございますが、もちろん歯どめがなくて保証がなされないように信用保証協会にはそれなりに指導をさせていただきたいと思っておりますが、最終的には民間金融機関のサイドでそういった行いに走ることのないようにぜひともしていただく必要が実効性の観点からはあると思います。したがいまして、大蔵省とか金融監督庁について既にお願いを申し上げておる点はこういった点でございます。
#58
○平田健二君 最初から悪いことをするなんて性悪説で、銀行はどうもそういう感じがありますが、先日も予算委員会で、どこかの銀行が貸し渋り、それから引き揚げ、そういったマニュアルをつくって、行員の皆さんを集めてそういったことをやったというのをやりました。それは事実だというわけですよ。そんなことを平気でやっておるわけですから、つけかえなんてもう簡単にやりますよ。さっきのお話じゃありませんが、融資を受けたら、それをその場で返せと、こう言われたというわけでしょう。
 これは罰則とか外部監査をきちっとするとかいうのを最初からその法案に盛り込むというようなことをしなければ、銀行は信用できぬとは言いませんが、どうもやっぱり危ないなという感じがしますけれども、いかがでしょうか。罰則規定を設ける一つけかえをしたら、今おっしゃったようなことをやれば罰則、それは銀行ぐるみでやるということはなかなか難しいと思いますけれども、どこかの店の支店長が自分の成績を上げるためにはそういったこともやりかねません。いかがでしょうか。
#59
○政府委員(鴇田勝彦君) 先生のせっかくの御指摘でございますが、この信用保険法の中にそういった法律事項を書き込むのは大変法律的に難しいのではないかと、私個人的に感じております。
 先ほども申し上げましたように、我々としても危惧をいたしておりますので、金融監督庁さんにいろいろそういった点について今お願いをしております。金融監督庁としてのプロの立場でそういったことについての抑止策あるいは指導について万全を期していただけるようにこれからもお願いを続けたいと思います。
#60
○平田健二君 それでは、全国五十二の信用保証協会に補助金総額二千億円を出すわけですね。出捐をするわけですけれども、その二千億円の配分基準、先ほども言いましたように協会の財務状況は全くばらばらでして、通常の経理にも余裕があるところ、先ほどお話がありました余裕がないところ、経営が厳しいところもあるわけですけれども、これも一律に二千億円は出指されるのかどうか。出捐するとするならばいつごろ、いつの時期に出捐するのか、教えていただきたいと思います。
#61
○政府委員(鴇田勝彦君) 質問に対してお答えが先後いたしますが、時期の観点からは、今回の補助金につきましては、今後の予算編成の過程におきまして景気対策臨時緊急特別枠の活用も含めて予算的な措置をとるべく財政当局とこれから協議をしてまいりますので、そういった予算化がされた時点ということになると思います。
 具体的に補助金の配分方法でございますが、先ほど申し上げましたように、従前の五十二協会の財務内容、財政状況ということから離れて、あくまでも貸し渋り保証対策ということで特別会計をつくっていただいて、そこに補助金を送り込みたいと考えております。したがいまして、配分方法について今具体的にお答えするわけにまいりませんが、ただ当然、物の考え方として考えられますのは、今後の貸し渋り保証の実施見込みといいますか、そういったものに応じて配分をさせていただくことになると思いますし、その場合には、昨年秋の経済対策を打って以来のこの十カ月程度の間の貸し渋り対策的な保証についてどういった御実績があるか、そういったものも一つの考慮要因になると思います。
#62
○平田健二君 次に、今回、保証制度の要件が緩和されるわけですけれども、特に保証協会の保証が要らないような健全な中小企業経営者でも、こういった制度ができたということですので、民間の金融機関がすべて融資にこの保証をつけることを要求しましたら、中小企業者は保証料も金利も負担しなきゃならぬということになります。実際には保証協会の保証をつけなくても融資ができるようなものに対してまでも、先ほどじゃありませんが、民間の金融機関は保証協会の特別保証をつけてきなさいと。銀行ならば当然の発想ですね、より安全なわけですから。それは危険なところに保証協会の保証をつけさせて融資するわけですから、本当に保証をつける必要もないような健全なところまで銀行は保証をつけてきなさいと、こういうことになりませんか。こういった点についてどのような対策を講じますか。
#63
○政府委員(鴇田勝彦君) この貸し渋り保証制度を金融機関がどういう形で利用されるかについてはいろいろな見方があると思います。我々として考えられます先ほどのつけかえの話とかいろいろなケースについては、先ほど来申し上げていますように、金融監督庁にお願いをしてしかるべく指導していただくつもりでおります。
 ただ、今先生がおっしゃったように、一つには保証をつけますと当然保証料の負担ということが追加的に中小企業者にかかってくるわけですが、従前の例で申し上げますと、保証つきの債権債務というのは金融機関にとって一〇〇%リスク担保がされておりますので、通常の金利条件よりは幾分か安くなっているのが従前の状況でございます。現下はどういう状況になっているかというのはなかなか難しいところだと思います。
 ただ同時に、保証料につきましても、今回はなるべく負担をかけないように保証料率の引き下げというのを本特別保証についてはいろいろ協会にも御努力をいただいてやることになっておりますので、そういった意味での負担というのは、資金融通の道が開け、かつ保証料を加えた負担というのが中小企業者にとって過重にならないように我々としては努力していきたいと思います。
#64
○平田健二君 次に、不況業種の指定の問題についてちょっとお尋ねいたします。
 特定不況業種が大幅に拡大をされました。わずか一年前には十八業種だったものが、ことしの七月に百七、今回百四十八、急速に拡大をしてきておるんですが、今日の状況からしますとさらに積極的に指定する必要があるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#65
○政府委員(鴇田勝彦君) 先生御指摘のように、昨年の今ごろは十八業種であったわけですが、この十月一日からは百四十八業種の指定がされる予定になっております。この指定がされますと、この業種に属される中小企業者、いわゆる保険限度額が倍額になるという、そういった効果がございますので、大変重要な制度だと我々は認識しております。
 この制度につきましては、三カ月ごとに業種追加の見直しをさせていただいておりますので、次回は一月になるんでしょうか、その時点までにいろんな業種を幅広く関係各省からも御要望を聞かせていただいて、今後とも前向きに業種追加というのをしていきたいと考えております。
#66
○平田健二君 最初の話とは逆になりますが、広報の問題。先日も我が会派の福山議員が質問したんですけれども、周知徹底です。
 この前銀行に行ったら、とんでもない、貸せないと言ったと。今回こういう制度ができて、貸し渋りに遭った人に条件が整えば融資しますよというようなことを幾ら言ったところで、いやこの前銀行に行ってひどい目に遭った、とってもけんもほろろに断られた、今回こういう制度ができて本当に銀行は貸してくれるんだろうかというようなことが現実にはなかなかわかりません。現実には、行ってこの前断られたのに、今度はすぐ貸してくれる、本当だろうか、こう思うはずなんです。
 ですから、私はやっぱりきちっとした周知徹底、中小企業支援策はいろんな制度があります、それがきちっとわかるように、そして今回のこの新しい保証制度が本当に困っている中小企業者の皆さんに理解できるような何か周知徹底の方法というのを特別に考えていただきたいなと思うんですよ、今回こういう手厚い保証をするわけですから。いかがでしょうか。従来のようなやり方じゃなくて、もっと違った、何かアイデアがあれば出したいんですけれども、何かございませんか。
#67
○政府委員(鴇田勝彦君) 中小企業者に対する制度の周知徹底というのは大変重要な問題だと中小企業庁としても認識しております。
 今回も、従来からやっております、例えば通産局、県、商工会、商工会議所等を通じた周知徹底はもちろんでございますし、また信用保証協会あるいは関係政府機関を通じた広報は当然やらせていただきます。それに加えまして、できるだけ幅広い中小企業者の目にとまるような施策のPRをしようということで、総理府の広報予算も大変大幅に活用させていただきまして、テレビ番組で大臣以下、両政務次官にインタビュー番組に出ていただくとか、あるいはテレビのスポットCMというのを十月になりましたら千回以上流させていただきたいと思っております。また、各地の繁華街にございます街頭ビジョンといいますか、ビデオの大画面で時々刻々のニュース等を流しておりますが、そういった画面も三十何地点活用させていただく。あるいは、タクシーの中にあります、今電光掲示式のPR、一つの情報端末がありますが、ああいったものについても活用するということで、従来とは違った手法も交えながら施策のPRをさせていただきたいと思っております。
 また、協会が実際にこの制度を運営されますので、去る九月十日には、与謝野大臣みずから出席をいただきまして、五十二協会のトップあるいは公庫の総裁にもお集まりいただいて、本制度の趣旨と各機関を通じての地元における周知徹底というのもお願いをさせていただいております。
 それ以外にもたくさんいろいろな手だてを打っておりますが、特徴的なことは以上申し上げたような点であります。
#68
○平田健二君 次に、法案とは直接関係ございませんが、前国会で審議されました中小企業信用保険法改正案の附帯決議に対する中小企業庁としての検討状況をお伺いしたいと思います。
 中小企業の活性化のためには、社債発行等の直接金融の促進など、新たな融資促進策を講じていかなきゃならぬと思いますけれども、社債発行の円滑化の検討状況はどうなっておりましょうか。
#69
○政府委員(殿岡茂樹君) いわゆる金融ビッグバンの進展によりまして、これまで間接金融主体であった金融構造が今後大きく変化するんじゃないかというふうに考えております。
 資金調達の大宗を中小企業の場合にほとんど間接金融に頼っているということでございますけれども、そういう意味で、今後の状況の変化に応じて社債の発行などの直接金融の道を開いていくということが一つの大きな検討テーマになるというふうに考えております。
 こうした認識のもとに、中小ベンチャー企業に対するリスクマネーの供給の円滑化という観点から、有限責任組合制度の創設等を内容とする中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律を御審議いただきまして、先通常国会で成立を見たところでございます。
 こうした方向の中で、中小企業の資金源の多様化ということについて検討していく必要があると思いまして、御指摘の附帯決議の方向につきまして、今後具体的な検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#70
○平田健二君 これも前国会で、中小企業基本法の定義の見直しを検討するようにということで附帯決議がついたんですが、四カ月たちました。経過はどうなっておるでしょうか。
#71
○政府委員(鴇田勝彦君) 同じく先国会の信用保険法の一部改正の際に附帯決議として宿題をいただいたわけですが、一つには、金融関係については、卸売業あるいは小売・サービス業について資本金規模を融資に絡めまして引き上げをさせていただいております。
 中小企業の定義一般の話につきましては、大変長い間、結果的には見直しがされておりません。したがいまして、私どもとしては、現在、私の諮問機関といいますか、中小企業政策研究会という、学者の先生にお集まりいただくそういった研究会を七月に発足させていただいておりまして、来春ぐらいをめどに試案といいますか勉強の成果を打ち出したいと思っております。
 ただ、定義の見直しについては、御承知のとおり、関係中小企業者、これは多岐にわたっておりますので、そういう関係の中小企業者の御意見を伺ったり、あるいはタイミングを見てこの審議会で御議論をいただいた上で実際に検討を完成させていくという手順になろうかと思います。
#72
○平田健二君 終わります。どうもありがとうございました。
#73
○加藤修一君 公明の加藤修一でございます。
 今回の法律改正については、無担保保険、特別小口保険の保険限度額の引き上げ部分にとどまっているわけですけれども、政府の貸し渋り対策大綱のもう一つの柱になっております新しい保証制度、いわゆる貸し渋り保証ということですけれども、これは通達とかあるいは保証協会の定款変更、こういった面での運用で創設する仕組みになっているわけです。野党三会派によって出しています貸し渋り対策法案、この中では保証協会への政府補助あるいは保険公庫への出資金等の額の法定化を考えているわけですけれども、この点を比べていきますと、政府案につきましても新保証制度創設においてはやはり法律事項として改正の対象にすべきではないか、そういうふうに考えるわけでありますけれども、この辺について大臣はどのような御見解をお持ちでしょうか。
#74
○政府委員(鴇田勝彦君) 事務的な点について答弁をさせていただきますと、私ども考えております貸し渋り対策保証につきまして、二十兆円の規模で特別に緩められた保証基準に基づいて、予算措置として保証協会に対する全額国庫補助をなすというような制度設計になっております。
 以上の制度設計上、法律事項といいますか法律的な手当てが必要かという検討をいたしましたところ、特に法律的な手当てを必要とする面はございませんので、現在のところ、私どもの案では法律の改正を行うことなく実行したいと考えております。
 ただ、実際に保証料率の引き下げに伴いまして公庫と協会の間の保険料率の引き下げという措置をとらせていただくわけですが、この場合は信用保険法施行令の一部改正が必要になりますので、こういった点については手続を進めさせておりますし、また協会に特別の会計をつくってそこへ新たな補助金というものを流し込むという、そういう仕組みから申し上げますと、やはり保険法に基づきまして通商産業大臣告示の制定というのが必要になりますので、これらの一種の手続については形式的に手当てをするつもりでおります。
#75
○加藤修一君 先ほど来、平田委員からもいろいろと信用保証協会について質問があったわけでありますけれども、今回、相当額の政府のお金が注入されるわけでありますから、やはり信用保証協会の財務状況、こういったものについて国会の方に四半期ごとあるいは半期ごと、そういうタイムスパンで、我々の側としても把握をする必要が当然ございますから、報告をすべきだと私なんかは考えておりますけれども、この辺についてはどのようにお考えですか。
#76
○政府委員(鴇田勝彦君) 信用保証協会の財務状況についての国会報告というお話でございますが、現在、信用保証協会法というのがございまして、この十七条の規定に基づきまして、都道府県とか関係金融機関等のこの協会へ出指をしている出損者につきましては、業務報告書とか財務諸表の閲覧権というのが規定をされております。
 また、一般的に申し上げますと、信用保証協会法第三十四条に基づきまして、主務大臣であります金融監督庁長官及び通産大臣への報告も義務づけられておりますし、両省庁による検査というのも毎年なされているところでございます。
 さらに、信用保証協会については会計検査院が検査を毎年度やっております。この結果については検査院から国会にも報告をされていると我々認識をしておりますので、今後ともこういった各種のスキームというのを万全に活用しながら、先生御指摘のような透明性を高める監督指導ができるようにしたいと思っております。
#77
○加藤修一君 今御答弁がありましたけれども、それは報告というのは年に一回という話になっているわけです。例えば四半期とか半期とか、かなり短期間にわたっての報告ということ、しかもそれを国会というレベルから私は申し上げておりまして、要するに国会に報告という形をとるべきであると。今回は、政府の全額補助とかあるいは中小企業信用保険公庫への政府の出資を含めて一兆円ぐらいが手当てされるというふうに聞いておりますから、これだけのお金が動く話ですから、やはり国会に当然ながら報告すべきだというふうに、別のレベルの話をしているわけですけれども、どうですか。
#78
○政府委員(鴇田勝彦君) 信用保証協会の財務状況についての国会への報告という制度での先生の御指摘でございます。
 ただいまおっしゃられた一兆円の話で申し上げますと、過半に当たります部分については、協会二、公庫八の負担分担になっておりますので、八の部分については信用保険公庫に対する出資という形で、いろいろな形で国会への報告という制度ができていると思います。
 申し上げましたように、信用保証協会について二千億円弱ぐらいのお金が流れてこういった制度が動き出すわけでございますが、他の同種の機関等々の制度との比較、横並び等々も考えた上で検討する必要もあろうかと思いますし、私どもとしては、先ほど申し上げたような閲覧権とか我々の報告・立入権、あるいは会計検査院の検査、その結果は国会にまた報告をされるということで、この制度を十分に活用いたしますれば、先生の御指摘のようなそういった透明性の確保というのはできるのではないかと考えております。
#79
○加藤修一君 先ほど来同じような質問が出てきておりますけれども、新保証制度におけるリスクウェートの関係でございます。
 一〇%に引き上げる、そういうふうに聞いているところでありますけれども、例えば一〇%まで見込んだ場合、保証業務をそういった形で行っていった場合については、財政負担としては総枠一兆円ぐらいまでは考えられると。しかし、実際そのリスクウェートが一〇%で済めばいいわけですけれども、さらに増大する可能性もなくはない。
 そうしますと、将来的に財政に対する圧力、そういったものが当然考えられますけれども、その辺についてはどういうふうに考えておりますか。
#80
○政府委員(鴇田勝彦君) 代位弁済率といいますか事故率につきましては、正直申し上げて、これは実際に保証がされ、その後ある時間がたちませんとどういった数字になるかわかりませんが、我々が一番制度設計上配意しましたのは、従来の二%弱の代位弁済率、事故率というのを、実際その五倍程度の一〇%になったとしてもこの制度が動くような、そういった制度設計をさせていただいたところであります。
 今先生申されたように、実際に今後この貸し渋り保証に応じて将来どの程度の事故率になるか、これはわかりませんけれども、ただ我々、保証引受基準の段階で、一つには中小企業者にとって迅速、円滑な保証が受けられるように、他方、信用保証協会にとってはある種のネガティブリストというものを設定することによって、これはもう保証するに値しない、そういった申込者については保証を受け付けない、拒否されるケースもあるというような基準で具体的にモラルハザードが起きないような、そういった制度をつくりたいと思っております。
#81
○加藤修一君 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 経済のグローバリゼーションによって、対外投資等を含めて増大していく、あるいはさまざまな機会がたくさん生じてきているわけであります。その中で、前回もこの辺について質問を申し上げたんですけれども、信越化学の日系子会社の件でございますけれども、シンテック社、さまざまな環境の問題について抵触するようなことを海外において展開しているふうに私の資料ではなっております。通産省としてはこの辺のことについて事情というのを把握しているんでしょうか。
#82
○政府委員(河野博文君) お尋ねのシンテック社の件でございますけれども、私どもこの件を承知いたしましたのは、シンテック社がルイジアナ州におきまして塩化ビニール樹脂工場の計画を持っているということが我が国でも新聞報道されました。その機会に、信越化学の方から事情説明をしようということで報告に参りましたものですから、それで承知した次第でございます。
 私どもが承知していることを申し上げますと、シンテック社は米国ルイジアナ州におきまして塩化ビニール樹脂の工場を建設する計画を持っておりまして、この計画の概要あるいは米国の環境規制との関係などについて対応状況を聞いているということでございます。
 中身といたしましては、この会社は現在ではルイジアナ州に壇化ビニール樹脂の工場を建設する二つの計画を有しているという状況だと聞いております。
 当初からありました計画につきましては、ルイジアナ州政府から工場建設の許可は得たものの、住民の方などからの異議申し立てがあったということのようで、現在米国の連邦政府の判断を待っているということのようでございます。もちろん、連邦政府の許可が出れば建設を行う意向だというふうに聞いております。
 また、もう一つ、同じルイジアナ州でございますが、別の場所で新たな塩化ビニール樹脂の工場の建設計画を進めているということも聞いておりますが、この工場につきましては、州政府の許可なども今後手続を行う段階というふうに承知をいたしております。
#83
○加藤修一君 前回、大臣は、基本的には民間企業の自由な経営判断があると認識していると、その中でさらに、当該工場についてはアメリカの関連法律が当然適用され、その中で判断されるというふうに言われているわけですけれども、私が調べた範囲では、シンテック社がテキサス州の大気管理委員会から厳重な注意を受けているとか、大気中排出規定違反で施行令を適用されたとか、あるいは排水の適切な監視と報告を怠っていたということでアメリカの環境保護局より十二万五千ドルの罰金を科せられた、そういうふうな企業行動が事実としてあるわけであります。
 こういう行動について、従来から通産省のお話を伺っている範囲では、環境汚染を輸出しない、公害を輸出しない、そういうふうに言ってきているわけです。先ほど申し上げましたように、自由な経営行動というふうに大臣はおっしゃっておりますけれども、この辺から考えると、自由な中にもやはりある一定の制約を持ちながら行動しなければいけないということは当然な話だと思うんですけれども、この辺について大臣はどういうふうにお考えですか。
#84
○国務大臣(与謝野馨君) 日本の企業がいかなる国で投資をして工場をつくろうとも、その国のあらゆる法律に適合したものでなければならないということは当然のことであると私は思っております。しかし、そこに工場をつくるかどうかということは、基本的には経営判断の問題に属していると私は認識をしております。
 ただいま先生が言及されました計画は、米国のルイジアナ州における計画でございまして、環境問題などの観点からの規制についても米国の関係法令が当然適用されるものでございまして、米国の連邦政府、ルイジアナ州政府が判断すべきものだというふうに考えております。
#85
○加藤修一君 大蔵省、来ておりますでしょうか。
 大蔵省にこの間、外為法の関係で質問したわけですけれども、その中で、公の秩序の維持を妨げる、その中には環境汚染に関することについては一切触れていないわけですけれども、私は環境保全項目というのをこういった中で当然考慮すべきだというふうに話をしたわけです。
 今OECDの方で多国間投資協定、MAI、これが議論されていると思うんですけれども、十月までは凍結状態だと。かなりホットな議論になっているようであります。このMAIの中では、要するに海外からの投資を呼び込むに当たって環境基準や労働基準を緩和してはいけない、そういう規定があるように受け取っているわけですけれども、そういうふうに書いてあるという報告がございます。
 この辺との絡みで、要するに将来的に仮にこの協定を日本が受け入れるという立場になったときに、それは国内法の整備の段階でどこにかかわってくる話になりますか。外為法は一切関係ないですか。
#86
○政府委員(黒田東彦君) 先日答弁申し上げましたとおり、直接投資はもちろん受け入れ国の経済にとってプラスでありますけれども、当然海外に進出した日本企業も環境問題を重視すべきことは当たり前でありまして、この点について委員の御指摘のことはそのとおりだと思います。
 ただ、この面でどういう規制をするかということは、基本的に当該進出先国の環境政策あるいは国際的な環境規制によるべきものであるというふうに考えているわけでございます。
 今御指摘のMAIについて、確かにそういった議論がされておることは事実でございますが、現時点ではまだ多数意見にはなっておらないようでございます。もし仮に、これは全く仮にの話でございますが、今先生御指摘のような合意が国際的にできた場合にどうだろうかということになりますと、それはどういう合意ができるかにもよりますけれども、今お触れになったような形でありますと、やはり受け入れ国側が環境規制について直接投資を呼び込むために甘くしないということで、あくまでも受け入れ国側の環境規制の問題であって、対外直接投資、出ていくところのことに関する外為法の規制の問題ではないような感じを持っております。
 ただ、いずれにいたしましても、それはどういう国際的な合意ができるかによるということにかかっていると思いますし、今の時点では、MAIでそういう話は出ておりますけれども、そういう合意に向かっているという状況ではまだないようでございます。
#87
○加藤修一君 この問題についてはまた別の機会に触れたいと思います。
 時間がないので、次の質問に移りたいと思います。
 八月二十日の予算委員会におきまして、通産大臣は、我が党が従来から提案しております商品券の問題についてこのように答弁されております。「地域の商店街に共通の商品券を出すということは、やはり通産省が全国の地方自治体等とも御相談しながら、その発行のための企画あるいは立案、ノウハウの提供、そういうものをするということは、消費を促すという意味では一つの有効な方法ではないかというふうに思っております」と。その後またいろいろと文言がございますけれども、このように大臣はお答えしております。
 さらに小渕総理大臣は、こういう商品券について、「全国的に行うといった場合には、実務上種々の困難な問題もあると考えます」、要は「これから具体的に研究をさせていただきたい、」と。衆議院では「勉強させていただきたい」と。さらにここでは、参議院におきましては「具体的に研究をさせていただきたい、」と。
 その言葉を受けて野中大臣が、「総理がお答えをされましたように、いろいろ御提言を受けて研究をすることを私どもも努めてまいりたい」と、このように答弁されているわけでございます。
 その「具体的に研究をさせていただきたい、」、この内容でございますけれども、八月二十日から約四十日たっている段階でございますけれども、この具体的な研究ということがどこで、恐らく通産省で行っていると思いますけれども、具体的な研究の内容ということについて御答弁をいただきたいと思います。
#88
○国務大臣(与謝野馨君) 一般的に商品券といいますと、例えばデパートの商品券、あるいは書籍を買うための商品券、あるいはビール、酒類の商品券、お店に着目した商品券あるいは共通の品物に着目した商品券、いろいろ商品券の種類がございますが、過去の例、地域に着目した商品券といいますと、京都のある町でやっております商品券、それから東京では特別区であります港区の商品券、こういうのが実は現に存在をしております。これは地域全体をカバーする商品券でございます。
 京都の場合ですと、町長が奨励をして、冠婚葬祭等々もろもろの、例えばお祝いを差し上げる等の機会に町の商品券を使ってくださいと。そうしますと実際に町の中の商店街でお金が落ちますし、現金ですと貯蓄に回るかもしれないけれども、商品券であると換物するという実際の消費行動に移ります。こういうことで、ある局部的なところではそういう例は成功をしております。
 港区の例を見ますと、港区の商店街振興組合が共通の商品券を出す、これに対して港区役所が二割の補助をするということで、港区の商店街が三億円の商品券を出すことにいたしましたが、二割の補助ということになりますと、六千万円の区の予算をその中に入れたわけでございます。そうなりますと、実際は六千万円のお金というのはあらゆる区民から出ているお金でございまして、特定の方が消費行動を行うについてそういう六千万円の補助をも出すということが果たして正しいのかどうかということは実は議論をされておりますが、実際は、これは二割の補助ということで大変魅力的な商品券でしたので、あっという間に消化してしまったということでございます。
 ですから、今減税のかわりに商品券という議論もありますし、そういう特定の地域での商品券ということもございます。こういうものはメリットもございますし、それに伴ういろいろなデメリットもあるわけでございますから、軽々には結論はなかなか出しづらい問題でございまして、中小企業庁においても、ただいま私が申し上げた例のほかに全国でどういう例があるかということも今研究を始めたところでございます。
#89
○加藤修一君 今の大臣の御答弁でございますけれども、八月二十日に答弁された内容とほぼ同じなわけでございまして、研究を始めたばかりだということですが、四十日過ぎておるということも含めて、どういう形で省内の方で具体的に検討されていらっしゃるのか、その辺をお聞きしたがったわけですけれども、どうでしょうか。
#90
○国務大臣(与謝野馨君) これは全国すべての市町村からいろんな例があるかどうかということを集めなければならないわけでして、もう少し時間をいただかないと全国の例が集まらないということはぜひ御理解をしていただきたいと思っております。
#91
○加藤修一君 それでは、全国の自治体が導入しているケースを、今そういった面での実態調査を行っている最中だという理解でよろしいでしょうか。
#92
○政府委員(鴇田勝彦君) ただいま大臣が答弁されましたように、各市町村、全国の実態についてこれから調査を行う段取りになっておりますので、それをもとにまたいろいろ勉強させていただきたいと思います。
#93
○加藤修一君 わかりました。よろしくお願いいたします。
 それでは経済企画庁長官にお願いしたいわけでございますけれども、まず最初に、きょうの朝刊に出ていた内容について、経済成長率マイナスの関係でございます。報道によりますと、当初プラス一・九%という政府見通しがございましたけれども、マイナス一・六からマイナス一・八%の範囲内に下方修正する方向で最終的な作業に入ったというふうに報道されているわけでございますけれども、この辺については今どのように。
#94
○国務大臣(堺屋太一君) 現下の経済情勢に合わせまして、年率一・九%成長するというのは不可能だということを私は就任以来申し上げてまいりました。つい十日ほど前に今年度の第一・四半期の実態がわかりましたので、それとさまざまな情報を合わせて目下今年度の見通しがどうなるか検討中でございます。
 そこに、新聞に出ておりますのは推測記事でございまして、私どもの方はなお検討中でございまして、近々結論が出せるかと思いますが、かなり厳しい数字になるやと予想をしております。
#95
○加藤修一君 それと、またきょうの新聞で、これは通産省になると思いますけれども、「景気追加策の必要性を強調」ということで、景気対策を思い切って打つべきであるという話を事務次官がされたというふうに報道されております。さらにという話なんです。要するに第二次補正予算をさらに上積みすることを求めているという意味にもとれるというふうに理解しておりますけれども、この辺についてはどのようにお考えですか。
#96
○国務大臣(与謝野馨君) ただいま経済企画庁長官がお答えになりましたように、本年度の経済見通しについては近々新しい数字、新しい見通しというものが出てまいります。
 そのときに政府としてどういう対応をとるべきかということでございますが、一つは財政出動、規制緩和等々、特に財政出動でございますけれども、小渕内閣としては十兆円規模の経済対策を第二次補正として行うということは既に既定方針として決めておるわけでございます。こういうものが、今後経済企画庁から発表されていく数字を勘案し、また実体経済の状況あるいは経済界の景況判断、中小企業の経営状況、万般に照らして、一つは量的にそういうもので十分かどうかという判断をしなければならない。
 それから、仮に量的なものは十分であっても、投資の方向として一体どういう方向が景気回復に資するかという質的な面も判断をしなければなりませんし、またこういうふうに急速に経済が悪化していく状況の中でどういう速度、どういうスピードで施策を断行していくのかというスピードの問題もあると、そういう一般的なお話を事務次官が記者会見で申し上げたわけでございます。
#97
○加藤修一君 融資の関係に絞って申し上げますと、北海道なんかは六百社から七百社ぐらい融資停止という形になっているというふうに聞いておりますので、ぜひその辺について御尽力いただきたいと思います。
 それでは次に、先ほども取り上げましたけれども、商品券の関係でぜひ経済企画庁長官にお尋ねしたいわけです。
 地方自治体における商品券発行の評価、こういったことと、さらに特別戻し金商品券の経済効果の評価、あるいはその実施に向けての件を言うとちょっと難しいかもしれませんが、かつて長官は四兆円の特別減税については個人消費を喚起するには至らなかったと、このように発言されておりますけれども、これと商品券のかかわり、かかわりというよりは商品券についての経済的な効果、この辺について御見解をお示しいただきたいと思います。
#98
○国務大臣(堺屋太一君) 地域商店街が発行いたします商品券につきましては、その地域の商店の需要を喚起する点では非常にすぐれたアイデアだと思っております。しかしながら、これが全国に広がりましたときに全国の需要を喚起するかどうか、これは非常に難しい問題でございまして、商品券は使うけれども別の現金はそのまま貯金するという可能性も十分あるわけでございまして、これがどの程度の需要喚起になるか非常にわかりにくいところがございます。
 一般的に言いまして、減税が効果を上げるかどうか、これは、ことし、今月減税したのをいつ消費者が使ってくれるかというのはその人々によって違うわけでございまして、すぐ使ってくれるか、あるいは来年、年末に使うか、あるいは次の冠婚葬祭に使うか、いろんな効果があります。したがって、公共事業等に比べますと効果を発揮するのが長い期間にまたがるというのが特徴でございます。今のところ非常にマインドが冷え込んでおりますので財布のひもはかたいのでございますけれども、恒久減税が続いていきますと効果を上げるだろうと思っております。
 その減税の方式として地域別商品券というのがいいかどうか、これが全国にまたがったときにどの程度の効果があるか、これは大変研究すべき課題ではありますが、直ちに判断しにくい問題だと思っております。
#99
○加藤修一君 最後に確認だけさせていただきたいんです。
 地域別の商品券が全国に広がった場合というのは、全国一律の商品券なのか、それとも各自治体での商品券が全国三千二百三十二の自治体にという意味なのか、どちらになりますか。
#100
○国務大臣(堺屋太一君) 後者でございまして、必ずしも市町村別ではなくて、何々通り商店街というのもございますでしょうし、あるいは五つ六つの市町村が固まったものもあるでしょうけれども、やはりこれは地域別というところが一つの特色だと思います。
 全国に商品券が、あらゆるものになりますと通貨類似行為になりますので、効果の点でも制度の点でも問題が大きいと思います。
#101
○加藤修一君 そうしますと、地域別の商品券がそれぞれ全国的に実施されれば、それは当初長官がおっしゃったように地域の中における経済効果はあるという理解でよろしいですか。
#102
○国務大臣(堺屋太一君) それぞれの商店街の需要は喚起いたしますけれども、大きな流通を遮断することになりますから、全国の需要を引き上げるかどうかは必ずしも保証の限りではございません。各地域の商店街の振興にはなると思います。
#103
○加藤修一君 時間がございませんので、別の機会にまたよろしくお願いいたします。
#104
○委員長(須藤良太郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十分開会
#105
○委員長(須藤良太郎君) ただいまから経済・産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#106
○西山登紀子君 日本共産党の西山登紀子でございます。
 私の質問に入る前に、先ほどの貸し渋り対策についての政府広報の件で、大臣の御答弁はお伺いしたんですけれども、なおかつ私、一言意見を、むしろ抗議を申し上げたいと思うんですが、衆議院の審議がどうあれ、参議院ではきょうが初めての審議でございます。それについていろいろ説明を書いた上で法案成立を前提とした広報を出したということについては、やはり国会軽視、とりわけ参議院軽視と言わざるを得ないと思うわけです。対人地雷禁止条約の関連法案の国会審議日程を考えない異常なこの法案の提出日程ということもありますので、この際私は厳しく抗議をしておきたいと思います。今後このようなことがないようにしていただきたいと思います。
 それで、審議に入りたいわけですけれども、この法案は、提案理由の説明にもありましたように、八月二十八日に閣議決定された中小企業等貸し渋り対策大綱の具体化の一つ、先ほど御説明にありましたように、どうしても法案の改正が必要だという部分の提出でございます。この点につきましては、我が党日本共産党も賛成でございます。
 ただ、貸し渋り対策ということにつきましては、私はやはり大きく言って二つの内容、対策があるだろうと考えます。一つは、貸し渋りを現に行っている民間の金融機関にこの姿勢を改めさせるということ、根を断つということ、これが根本対策としては必要でございます。もう一方、その対策あるいは指導監督をやりながら、しかし現実に貸し渋りに遭っている人たちをどう救うのかということで信用保証制度を充実させるなどの必要な改善が求められているというふうに思うわけです。
 政府はこれまで貸し渋り対策について一兆円以上も公的資金を注ぎ込んできましたけれども、この点については予算委員会で我が党の八月二十一日の質問に対しましても大蔵大臣自身がお認めになったように、貸し渋りは依然として改まっておりません。数字で申し上げましても、十日に発表された日銀の八月の貸出・資金吸収動向等(速報)というのが出ているわけですけれども、その速報によりましても、貸し出しの動向というのは前年比連続的にマイナスが続いているわけで、依然として金融機関による貸し渋りがひどく続いているということを示していると思います。
 そこで、大臣にまずお伺いしたいわけですけれども、この民間金融機関の貸し渋りの企業行動を根っこから改めさせていくという問題なんですけれども、この実態が、いわゆる貸し渋りの現状がどのようなものだと認識をしていらっしゃるか、大臣の御認識をお伺いいたします。
#107
○国務大臣(与謝野馨君) 貸し渋り、一般金融機関の話を申し上げますと、やはり日本のマクロ経済全体が低迷しているというのがその底流にはあるんだろうと思います。それからもう一つは、バブル時代の後始末、すなわち不良債権の処理が十分進んでいないという現状がもう一方ではあると思います。それからもう一つは、ことしの四月、BIS規制に対応するために、自己資本比率八%、四%という水準を達成するために資産圧縮をしたというようなこともございました。しかし、全体としてそういう過程の中で、昨年十月、十一月に起きました三洋証券、山一、北拓等の破綻をきっかけにいわば教科書的なクレジットクランチというのが起きたんだろうと私は思っております。
 しかしながら、一般の株式会社とはいえ銀行というものは、一般預金者のお金を広くお預かりする、またそれを必要なところに貸し出しをするという、純粋な民業とは言えない公の性格も持っているということも私は考えております。そういう意味では、私は、銀行が今は余りにも萎縮し、余りにも自己防衛的に走っているというのは、日本経済全体の中では大変嘆かわしい状態だろうというふうに思っておりまして、銀行が本来の使命感に立ち戻れるような環境になり、また銀行経営者もそのような自覚に立って融資業務をやるということは当然のことだろうと思っております。
 困っているときにお金を貸さない、困っているときこそお金が必要だということは当たり前のことでございまして、現在の銀行の余りにも自己防衛的な姿勢というのは好ましくないというのは私は常々思っておるわけでございます。
 そういう中で、やはりそういうことを言っておりましても問題は進まない。一日一日の資金繰りに苦しんでいる中小企業者にとりましては、きょうの資金、あすの資金が必要なわけでございますから、緊急的な措置として今回の貸し渋り対策を皆様方にお願いをして国会で成立させたいと思っておりますし、もちろん法律で手当てするもの、予算で手当てするもの、政省令で手当てするもの、いろいろございますけれども、政府としては総力を挙げて中小企業で資金繰り等に苦しんでおられる方々に少しでもお役に立つということが政府としての使命だろうと、そのように考えて事に当たっているわけでございます。
#108
○西山登紀子君 今、確かに余りにも自己防衛に走っている、それは好ましくないとおっしゃったわけですけれども、数字をお挙げになっていないんです。貸し渋りに遭っている人たちがどの程度いらっしゃるかということについて、大臣、把握していらっしゃいますでしょうか。
#109
○政府委員(岡本巖君) 私ども、中小企業につきましては毎月、それから中堅企業につきましては隔月に貸し渋りの状況についての調査をいたしておりまして、中小企業につきましては、八月時点で民間金融機関の融資態度が厳しくなったという企業の割合が、七月までは三月をピークにやや少し下がってきていたんですが、八月は七月の二九・六%に対比して三二・七%ということで再びはね上がってきているという状況にございます。
 それから中堅・大企業につきましては、ことし一月ごろには貸し渋りを受けているというふうに受けとめている企業の割合が四割ぐらいでございましたが、直近の七月調査では一八・七%という状況でございます。
#110
○西山登紀子君 今数字を挙げられましたけれども、中小企業の場合はやはり貸し渋りは三割以上、非常に異常な事態じゃないでしょうか。
 これは全国商工会連合会の調査を私いただいたんですけれども、全国で調査をやっていらっしゃいます。ことしの一月、三月、七月末というふうに管内の事業者から貸し渋りがあると聞いているかという率は、一月末は三八・七、三月末は四二・一、七月末は五七・六、実にもう六割に手が届くほど、もうほとんどと言っていいぐらい貸し渋りに遭ったという、こういう調査結果です。
 とりわけ私重要だと思いますのは、民間金融機関もそうなんですが、政府系の金融機関にまで貸し渋りがあったというふうな調査も出ているし、私も地元で確かにあったというようなことを聞いているので、これは非常に重要だというふうに思います。
 そこで、この貸し渋りの背景には、やはり日本版金融ビッグバンヘの対応ということでしょうか、自己資本をため込む、ふやす、そして銀行本来の業務よりも投機的な金融取引に走る、こういうふうな異常な金融業界の姿勢があるだろうと思います。
 銀行法の第一条では、銀行の業務というのは公共性に富んでいるんだから国民経済の健全な発展に資することをちゃんとやらなきゃいけないということで、銀行法の「目的」の第一条に書いてあるわけですけれども、そのように今日行われていないというところが非常に問題ではないかと思うわけです。まず、銀行の責任があるだろうと思います。
 さらに、それでは政府の指導監督はどうだったかということでございます。
 これは昨年の三月五日に大蔵省大臣官房金融検査部長から各財務局長、金融証券検査官などにあてて出されておりますいわゆる三月の通達、「早期是正措置制度導入後の金融検査における資産査定について」という通達があると思いますが、私はこの通達そのものが実は貸し渋りを奨励といいますか助長しているというふうに考えるわけです。
 この通達は、もう既に皆さん御存じだと思いますけれども、資産査定の基準を五つの分類に細かく分けているわけです。「正常先」「要注意先」「破線懸念先」「実質破綻先」「破綻先」の五つの分類にして、これからこういうふうな分類によって査定をいたしますという通達なんです。
 その内容を見ますと、「正常先」の定義は何かといいますと、「正常先とは、業況が良好であり、かつ、財務内容にも特段の問題がないと認められる債務者をいう。」と。それでは、「要注意先」というのは何かといいますと、るる述べられていて、「業況が低調ないしは不安定な債務者」というふうな定義がございます。しかし、この今の不況の時期にこういう業況が良好であるというような中小企業というのは非常に限られるんじゃないでしょうか。また、「要注意先」、「業況が低調ないしは不安定な債務者」という定義があるんですけれども、そうなればもうほとんどの中小企業がその対象になってしまう。つまり、この通達の分類によりますと、実際上多くの中小企業が一律に銀行のむしろ貸し渋りのターゲット、対象になるのではないでしょうか。
#111
○政府委員(岡本巖君) 先生御指摘の早期是正措置というのは、金融機関健全性確保法に基づいて昨年の三月に指導が出て、四月から実施しているということで、これは先ほど大臣も御答弁申し上げましたように、国際的な自己資本比率の規制というものをにらみながら国内の金融機関の健全性確保のためにやっているものだと思います。
 ただ、そのことが、先生御指摘のとおり、信用収縮をもたらす一因になっているというその側面は否めないかと思いますが、一方で、基本的には、今日本の金融機関が抱えております多額の不良債権をできるだけ早期に処理することによって国際的な競争に伍していける、そういう体力を持った金融機関を目指す、そういう方向に向けての取り組みが行われているというのが今日の貸し渋りあるいは信用収縮というものをもたらしている根底にある要素ではなかろうかと思います。
 その上で、今先生御指摘の各金融機関が行っておりますいわゆる自己査定の関係でございますが、これはそれぞれTからWまでの分類債権に各銀行が主観的な判断に基づいて振り分けをしているというところがございまして、先ほど先生の御質問の中にもありましたように、今のあるいはその時々の経済情勢によってその分類に大きな差が出てくる、そういう要素を包含した分類ということになっていようかと認識をいたしております。
#112
○西山登紀子君 銀行の側に立ったような御答弁をなさるんじゃなくて、今困っている、実際貸し渋りに遭っている人たちというのは、本当にいつ倒産するか、いつみずからの命を絶たなきゃならないか、いつ従業員をリストラして首切りしなきゃいけないか、そういう背中合わせになって貸し渋りを受けているんですから、そういう中小企業者の皆さんの立場に立って私はきちっと現実をリアルに把握していただきたいというふうに思うわけです。
 これは京都の企業の八月調査でも業況判断は最悪水準と新聞に出ているんですけれども、もうほとんどDI値なんというのは製造企業種でマイナスになっている。ですから、この五つの分類の中でほとんどが「要注意先」になってしまう、ターゲットになってしまうということは否めません。
 私は、地元で銀行だとか地方銀行の第一線で働いている方々のお話も伺ってまいりましたけれども、銀行はそれまでにも自己査定というのはちゃんとやっております、五つの分類じゃなくて、もっと細かく分けてきちっとやっている。ところが、それまではノルマを設けて、むしろ貸し出しを一生懸命やりなさいというふうに上司から言われていたのに、この通達が出たら、朝支店を出るときは貸し付けをふやしてこいと言われていたのに、午後帰ったら、一転して回収してこいというふうに指導が変わったと。
 本当にリアルにこの通達が出て以来、銀行の内部がそんなふうに変わっている。むしろ、貸し渋りというか、うんと収縮しているというふうな事態を聞きまして、改めてこの通達の持っている、一律に中小業者、むしろ今の不況の影響をもろに受けている人たちをターゲットにするということについて私は強い憤りを感じたわけでございます。
 ですから、貸し渋りのもとを断つためには、業者の中ではむしろこの通達は貸し渋りマニュアルだなんという悪評が立っているぐらいなんですから、こういう通達は廃止をしていただいて、中小企業の金融を早く正常化するために私は努力をしていただきたいと思うわけです。
 大臣にお伺いいたしますけれども、最近、民間の金融機関による貸し渋りの中で、保証協会の保証がついたものにまでそれが及んでいるということを聞いたわけです。これは京都だけではありません。東北だとか近畿だとかいろんなところで起こっているわけでございます。保証協会の保証のほかに保証人を別につけろと言われたり、別に担保まで要求された例があるわけです。これでは幾ら保証制度を充実させても追っつかないわけです。
 民間の金融機関のこういった理不尽な姿勢を改めさせるためにきちっとした指導が必要だと思いますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
#113
○国務大臣(与謝野馨君) 保証協会と一般の銀行との関係でございますけれども、一つは今回、二十兆の保証枠を拡大したんですが、これが一般の銀行の融資逃れというようなことに使われてもいけないと思いますし、また、保証行為というのはいわば公的に代位弁済を保証するわけでございますから、保証としては一般的な第三者保証あるいは土地を抵当に入れるということよりははるかに強力な保証行為であるわけでございます。それに対して追加の担保を請求するというようなことは実は理不尽であり、なおかつ必要のないことだろうと私は思っておりまして、かりそめにもそういう例があったとしたら、それは銀行側のやり過ぎであって、なおかつ不必要なことを中小企業に強要しているという例だろうと私は思っております。
#114
○西山登紀子君 至極当たり前のことなんですが、今貸し渋りが非常に横行している中で、そういう理不尽な姿勢が及んでいるということを非常に聞くわけです。ですから、ぜひこの点は大臣もよろしく御指導をしていただきたいと思うわけです。
 さらに、次の質問に移りますけれども、中小企業等貸し渋り対策大綱によりますと、「民間金融機関から貸し渋りを受けた中小企業者に対し積極的な保証を実行すべく、保証要件を緩和し、かつ、保証料率が引き下げられた特別の保証制度を十月一日を目途に創設する。」というふうになっているわけです。この新しいそして特別の信用保証制度をつくるということなんですが、この貸し渋りの要件というのはどういう内容になるのか、貸し渋りを受けた中小企業者にとなっているので、貸し渋りの定義というか要件はどうなりますか。
#115
○政府委員(鴇田勝彦君) 新たに十月一日から開始をいたします貸し渋り特例保証につきましては、実際の保証申し込みできる中小企業者の資格を規定することにしております。私どもといたしましては、現下の貸し渋りの内容が多岐にわたっておりますので、できるだけ広く、資金供給、資金融通に大変不便を感じておられる中小企業者が拾われるような、そういった基準にしたいと思っております。
 一つの考え方といたしましては、昨年の秋以来、中小企業金融公庫等の政府系金融機関におきまして金融環境変化対応特別貸し付けという、まさに貸し渋り対応貸し付け制度というのを設けております。この際の要件を参考にして、現在最終的に案をまとめつつありますが、例えば具体的に申し上げますと、従来の取引金融機関との取引状況につきまして、実効金利、実際に課せられる金利が前期に比しまして悪化している、これは市中の金利変動に比べて悪化している金利の面も一つございますし、最近の借入残高あるいは割引手形残高の合計額に対する担保を求める率が従来よりも高くなってきている、担保を余分に出せというような要求を受けているようなケースとか、あるいは今まで借りられておった金額に比して新たな借り入れが金額が減少するあるいは期間が短縮される等々のケースについて幅広く対象にしたいと思っております。
#116
○西山登紀子君 その際に、そういういろんな要件というのは、その中で一つあればいいですか。
#117
○政府委員(鴇田勝彦君) 当然のことながら、今三つばかり例を申し上げましたが、そのいずれかの一つに該当しておれば貸し渋りを受けておる中小企業者という認定になると思います。
#118
○西山登紀子君 それで、特別の保証制度ができるということですけれども、その場合の限度額だとか保証料率、それから返済期間、据え置きの期間、担保や保証人、それはどうなるのかということをお聞きしたいのと、保険料率を引き下げるということですけれども、どのくらいの数字にするのか教えてください。
#119
○政府委員(鴇田勝彦君) 今回の貸し渋り対応特別保証制度というのは、現在信用保証協会が持っております三種の保証制度、いわゆる普通保証、無担保保証、無担保・無保証人保証、それぞれ限度額が現在では二億円、三千五百万、七百五十万以内となっておりますが、この金額の別枠として倍額保証が受けられるという制度でございます。限度額についてはそういった内容になっております。
 また、保証期間につきましては、運転資金、設備資金、それぞれについて五年、七年程度を現在考えてございます。
 それから、保証料の点ですが、これはできるだけ保証料率を下げたいということで、信用保険の保険料率の方を今下げるべく手続を進めておりまして、これを受けまして、信用保証料の方、つまり中小企業者がお払いになる保証料についても、現行の〇・九五、これは普通保証の場合ですが、これを格段に落としたいということで今制度設計をいたしております。
#120
○西山登紀子君 今、数字が具体的にここにお示しされない理由は何でしょうか。
#121
○政府委員(鴇田勝彦君) 保証料につきましては、先生も御承知のように、保証協会五十二ございますが、各自が決める保証料率ということになっております。我々といたしましては、もうあしたまでしか時間ございませんが、各保証協会一律にある数字で頑張っていただきたいと思っておりますので、その経過途中であるということで御理解いただきたいと思います。
#122
○西山登紀子君 保険料率も今数字おっしゃいませんでしたね。それはどうですか。
#123
○政府委員(鴇田勝彦君) 保険料率については、現在、政府内部で次官会議、閣議等を経て、あす以降公布される予定になっております。
#124
○西山登紀子君 案の段階でも言えませんか。
#125
○政府委員(鴇田勝彦君) 例えば普通保険の保険料率、これは信用保証協会が保険公庫に払う保険料でございますが、〇・四〇ぐらいの数字になると考えております。
#126
○西山登紀子君 無担保それから特別小口、それぞれ、案の段階で結構ですし、言っていただけませんか。
#127
○政府委員(鴇田勝彦君) 普通保証については今申し上げましたように保険料率〇・四ということで、無担保保証につきましては〇・二八、特別小口保証関連につきましては〇・一八%を予定しております。
#128
○西山登紀子君 どうもありがとうございました。
 それでは次に、先ほど同僚議員の方からもありましたけれども、二十五日の告示で保険限度額が倍額になるいわゆる不況業種、特定業種が百四十八業種になったということでしたけれども、この業種指定の基準はどうなっているんですか。
#129
○政府委員(鴇田勝彦君) 信用保険法の第二条第三項第五号に規定がございますが、平たく申し上げますと、需要の減少等によってその業種自身が非常に景気がよろしくないということを受けまして、当該中小企業者、その業種に、業種指定に関して申し上げますと、今申し上げたように、過去、例えば最近三カ月間の月平均販売数量が前年同月の月平均販売数量に比して落ちてきているとか、そういった基準で不況要件を定めております。
#130
○西山登紀子君 最近いただいた資料によりますと、一〇%程度減少という規定が七%に減少していますね。その点もう少し詳しく説明してください。
#131
○政府委員(鴇田勝彦君) 今、先生がおっしゃいましたのは、最近月、この例えば一カ月問での減少率が従来一〇%程度減少しているということについて、平成九年の秋から一〇%減少を例えば七%減少ということで運用をしたいということでやっております。
#132
○西山登紀子君 この特定業種、不況業種、中にはそういうふうに呼んでほしくないという業種の方もいらっしゃるようなんですけれども、平成九年十月一日には十八業種であったものがだんだんふえてきて、ことしの四月一日には五十六、七月一日には百七、そして十月一日、二十五日の官報で出されたのは百四十八ということで、四十一業種ふえているわけです。これは非常に広範囲に不況の影響が広がっているということの一つの指標ではないかと思うわけです。この見直しは三カ月ごとに行われているというお話がございましたけれども、とりわけ例えば、確認しておきたいんですけれども、こういう要件を満たしておれば業界が要請したら一〇〇%指定が受けられるというふうに理解をしていいでしょうか。
#133
○政府委員(鴇田勝彦君) 業種指定は、今御指摘のように三カ月に一度、洗いがえをいたしております。中小企業庁といたしましては、関係各省等々から御要望をお聞きして、先ほど申し上げたような不況要件に該当している場合には積極的に業種指定をしていきたいというように運用いたしております。
#134
○西山登紀子君 例えば私の地元の京都ですけれども、料飲業種の皆さんが指定をしてほしいなというような御要望もいろいろ持っているわけです。その場合、業界から要請をするということになると、全日本といいますか日本全体の業種団体が要求しないとなかなか難しいというようなことがあるようなんですけれども、今の非常にひどい不況、史上最悪の不況、こういうもとですから、地域の実情、特殊性、そういったものを加味していただくとか、今七%まで下げられたわけですが、これが六・九だったらだめだよとかそういうことをおっしゃらないで、申請があれば弾力的にぜひ前向きに業種指定を御検討いただきたいということをお願いしたいんですが、どうですか。
#135
○政府委員(鴇田勝彦君) 先ほど申し上げました信用保険法の第二条第三項第五号の規定によりますと、一応全国の業種の状況について基準を定めてこういった特例制度が行われているわけでありまして、ある特定の地域である特定の業種について大変問題があるという場合には現行法上はなかなか取り上げにくいと思います。
#136
○西山登紀子君 非常にせっぱ詰まっているので、こういった点もぜひ研究をしていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 この不況のもとで、他人の保証人になるというのは大変なことなんですけれども、本年二月の通達で普通保険とか無担保保険について第三者保証人の要件が緩和されたと聞いているんです。しかし、私の地元でいろいろお話を聞いていますと、どうもそれが徹底をされていないように思うんですけれども、この点ぜひ周知徹底をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#137
○政府委員(鴇田勝彦君) 委員御指摘のように、この二月から特に無担保保険、つまり保証に当たって物的担保を要求しない保険につきまして、本来第三者保証人が必要になってくるわけですが、これにつきまして限度額三千五百万の半分に当たります千七百五十万まではあえて第三者保証人を要求しないという制度を進めたところでございます。
 今回我々が考えております貸し渋り保証制度につきましては、例えばその対象になります無担保保証につきまして、この担保徴求について従来の枠を超えた、担保不徴求といいますか免除をする制度を導入したいと考えております。
#138
○西山登紀子君 ぜひ周知徹底をお願いしたいと思います。
 時間が参りましたので、大臣にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
 今、貸し渋りだけでなくて不況全体の影響を受けて中小業者の実態は大変深刻です。東京の足立区では警察の調査だけでもこの一年で、貸し渋り、資金のやりくりがつかずに自殺したという例が十件、全国商工団体連合会という組織が調査をいたしましたのでは、一年間に経営難、資金繰り、病苦を原因として約百人近い方々が自殺をされています。中でも経営難というのが二五%を占めているということで、これは非常に緊急を要する対策が求められていると思います。とりわけ、住民と密着しております地方自治体は、本当に目の前で自殺をされるという方がいらっしゃるわけですから、何とかしなくてはということで不況対策本部をつくったりいろいろなことをやっていらっしゃるわけです。
 例えば、足立区は十一月一日から受け付けをされるそうですけれども、借りかえの特別融資制度、こういうものを創設するという新聞報道もございましたし、また、東京の墨田区が国への要望書を出しているのを拝見いたしますと、中小企業信用保険法による保険てん補率を七〇から八〇に上げてほしいだとか、八〇から九〇に上げてほしいだとかという要望も出ているわけでございます。
 中小企業への地方自治体のこういう不況対策、それから貸し渋り対策について、全国的にいろいろな努力をなさっているので、地方自治体のそういう努力、施策、あるいは対策本部をつくって努力されていることについてやはりよく把握をしていただきまして、御支援をお願いしたいと思います。
#139
○国務大臣(与謝野馨君) 個別の政策の問題以前に、日本の経済には埋めなければならない需給ギャップというものがありまして、マクロ経済的には日本全体が景気を回復し、日本経済を成長軌道に乗せるためにはその需給ギャップを解消するということが強く求められているわけでございます。その需給ギャップを解消するために、やはりこういう時期でございますから、財政出動をしてその需給ギャップを埋めるということをやるわけでございます。
 従来ですと、景気対策は金利を下げていくという一連の政策選択ができましたけれども、現在は日銀の公定歩合にしましても〇・二五という、もうほとんどゼロに近い金利なわけでございまして、金利が政策手段として使えない、こういう状況になっております。したがいまして、今後、一次補正の後に参ります二次補正をどう考え、これをどう有効に景気対策に使っていくかということが非常に大事なこととなってきているわけでございます。ただ、財政出動をいたすとしても、やはり景気対策に資するような方向で財政出動をするということが私はこれから大変求められていることだろうと思っております。
 それから、ただいま足立区の例、墨田区の例をお話しくださいましたけれども、東京都も中小企業金融をやっておりますし、また各区においても中小企業、零細企業、商店街対策等も予算を立ててやっております。ただ、これも地方の財政難の中で精いっぱいやっておられると思いますけれども、まだまだ足りないところはあるんだろうと思います。
 中小企業庁また通産省としては、今回お願いしております貸し渋り対策はいわば今後の経済対策の一つの皮切りだろうと思っておりまして、今後、あらゆる手段、あらゆる考え方を精査いたしまして中小企業対策に万全を期していきたい、また零細企業の皆様方にも十分な政策的な配慮ができるように努力をしてまいりたい、そのように決意をしております。
#140
○西山登紀子君 終わります。
#141
○梶原敬義君 私もきのうの新聞広告について一言申し上げたいと思います。
 長いこと商工委員会、経済・産業委員会に私は所属してきましたが、こういうように法律ができる前に、できたことを想定して広告が載るということは初めてでありまして、通産省は、国会を軽視、あるいは衆議院が通ったからもう参議院は大丈夫だという参議院軽視、この二つの面については十分反省をしてもらいたいと思います。答弁は要りません。
 次に、本法案につきましては、これは全く賛成であります。したがって、この法案が通った後はできるだけ効果を上げるように強く期待をしております。
 そこで、質問の前に、きょう、私は準備のために電話等で若干状況を聞いてみました。これは地元のことですが、私の地元の信用保証協会の理事長と電話をして、こういう法案についてどう思うかと、よく知っておりましたが、ぜひ早くやって役に立たせてほしいと、こういうことでございます。
 それから、第一地銀と第二地銀があるんですが、地元の地銀の頭取と話をしました。これは第二地銀ですが、要するに、大変景気が悪い、したがって金融も大変で、こういういいと思われることは何でもやってほしい、そういう強い要望でした。
 それから、信用組合というのがあるんですが、ここもほとんどトップ、あるいはその次ぐらいの人と話をしたんですが、要するに、それはいいことだと。しかし、信用保証協会の事務局員は、決算書類やあるいはそこの企業の申告額とか、こういうものを非常に厳しいと。上じゃなくて、信用保証協会の理事長とかあるいは専務とかいう段階じゃなくて、事務局で非常に厳しい。また、ある時期、うちの信用保証協会は全国で内容は二番だとかなんとかいうあいさつを上の方がしたことがあるというんだが、そういうような感覚で仕事をしている状況というのをある人が語ってくれました。むしろ、中身がいいということは、裏返せばどういうことかということが想定できるわけであります。
 それからまた、電気製品の部品とかあるいは、これは社長は私の友達ですが、今省エネの開発に努力をして、本当に悪戦苦闘をしている企業があるんです。それはいいけれども、うちらなんかには全く貸してくれないと。要するに、過去、これは円高の時代から大変大きな打撃を受けておりますから、企業の内容も非常に厳しいんです。もう家財産全部抵当へ入れて、非常に厳しい状況で頑張っておりますが、入り口からもう問題だ、こういうことでございます。
 それから、信用金庫の理事長さんの話では、これは確かにいい改正法案だが、今の信用保証協会の融資スタンスが従来と変わらなければ恐らく効果はそう出ないんじゃないかと。例えば、赤字企業に対して、その理事長が言うのは、リスクは協会が半分、我々が半分出すから一緒に保証してくれ、こういうことを言っても、赤字の、分類上厳しいところの企業に対してはなかなか貸さない、そこで運転資金がショートして倒産するケースが多いと。だから、言っているのは、保証協会の審査基準にメスを入れてほしいと。入れないと、これは法律はつくったがそう簡単に問題の解決にはなりにくいんじゃないかということを心配しております。
 そこで、私は質問をいたしますが、そういう本当に困っている企業というのは、今赤字法人率というのは六五%を超えていると思うんですよ。そういう厳しいところがこの不況の中で非常に高くなっておりますから、こういう厳しいところに対して一定の基準をもう少しやわらかくして、そして実際に使い道があるような形にすべきだ、こう思うんですが、その点はいかがでしょうか。
#142
○国務大臣(与謝野馨君) 今般、確かに保証の枠はふやしましたけれども、実際に保証協会が第一線でそれだけの保証をしてくれるのかどうかということでございますが、今のままほっておきますと、先生御指摘のように、なかなかそうはまいらぬという点がございます。それは保証協会の第一線、窓口で働いている方々も大変まじめに審査をされるわけでございますから、従来の審査方針だけでは今回の特別枠を消化していくという作業はなかなか難しいわけでございます。したがいまして、保証協会の窓口で親切、親身にお客様に対応するということもさることながら、今までの保証と違うんだという認識を第一線の審査の方に持っていただかなければならない。
 これは、先般、保証協会の全国の会長の方々が東京にお集まりのときに、私からも、また中小企業庁長官からもよくお願いをして、中小企業全般にこういう保証枠の制度ができたということも知らせるということ、また実際の保証を供与する第一線の現場の人たちにもいろいろ教育指導をして、この保証枠の有効な活用を図ってもらう必要があるということをお願いしたわけでございます。
 これは従来と全く考え方が違うところが幾つかありますけれども、それは保証協会の中で特別会計を、別建てで会計をやりまして、そういう中でリスクの管理等を行っていくわけでございます。従来ですと、実績ですと代位弁済の率は二%を割っておりまして、おととしですと一・五%前後、昨年ですと代位弁済は一・七%前後、こういうことで二%程度というふうにことしは考えておりますけれども、代位弁済の率を大体一〇%程度を想定して保証をやっていただいても結構だということに考え方を転換していくわけでございます。
 ただ、この一〇%というのは、十人に一人と言っていいのか、十という融資に対して一代位弁済が発生するというふうに考えていいのか。量の面で十のうち一つと。一〇%というのはリスクをとる率としては大変高いわけでございます。しかしながら、リスクをどんどんとれと言うだけではそれは保証を審査する方々には十分な指導とは言えないわけでございまして、やはり、リスクはとるけれどもこういう場合は保証はしてはならない、それは理不尽だから保証はしてはならないという、いわばネガティブリストというものをつくってお渡しをしております。
 それは実に常識的なものでございまして、例えば、破産、和議、会社更生、会社整理等の法的整理の手続の最中の企業にはこれは保証をしてはいけないというのは極めて常識的な話でございまして、また保証協会に対し求償権債務が残っているもの及び代位弁済が見込まれる場合等ということで、既に保証協会に代位弁済をしてもらっている最中のものにさらに追い貸しするといいますか、追い保証をするというようなことはネガティブリストの中に入っておりますし、また粉飾決算とか、融通手形操作を行っているというような場合とか、税金を滞納しているとか、どんどん法人の名前とか本社とかそういうものを頻繁に変更している場合とか、債務超過の状態に陥っているとかという極端な場合は、これは保証はできないというふうにしなければならないわけでございまして、もともと赤字に陥っているということはこういうネガティブリストには入っていないことでございまして、ネガティブリストも今回は極めて限定的に作成したと。
 ただ、先生御心配のように、第一線の保証協会の実務担当者がどれだけ親切親身に、そして頭が切りかえられるかということにも大変かかわりのあることでありまして、全国の保証協会を通じてそれが徹底するように今までもやってきておりますし、今後ともそういうことに留意しながら保証協会との連絡をしっかりやってまいりたい、そのように考えております。
#143
○梶原敬義君 きめの行き届いた指導をしなきゃ、こんなに時間をかけて審議した意味がありませんから、ぜひやっていただきたい。
 それで、赤字法人率というんですか、欠損法人割合というのを大蔵省から出してもらいましたが、景気が悪くなるとこの率が非常に高くなるんです。平成二年の状況というのは大体四八・四%、それが平成八年は六四・七%、非常にふえております。今年の分は、九年の分はまだ出ておりませんが、またこれ以上だと思います。
 だから、企業をやっている人は最初からつぶそうなんということは思っていない、ほとんど善意。大多数の人は、何とか企業を続けて生きていこうと必死になって頑張っておるんです。今、赤字法人率が非常に高くなって非常に厳しい。厳しくないときは、傘を持っていて晴れているのに傘を貸してやって、厳しい状況になったら、雨が降り出して傘を取り上げるようなことを今銀行がやっている。特に大手の都市銀行というのはバブルで踊りましたから、財務体質が非常に悪くなってここが非常にやっておる。あるいは地銀でもバブルに影響されて踊ったようなところというのはそういう出方をしております。
 言いたいのは、大蔵省も来ておりますが、大体銀行というのは企業をつぶすのが専門じゃなくて、企業を育成してそしてその上の成果を銀行が享受していく、昔はそういう銀行家というのが多かったんですけれども、今は天気がいいときに傘を貸して、雨が降り出して傘を取り上げるような銀行経営で、これは非常にけしからぬと思うんです。
 それで、大蔵省や金融監督庁がおいでですが、早期是正措置や自己資本比率だけを中心に言って、貸し渋りについてはやってもらわにゃ困るというような姿勢が非常に見えて、今通産省とおるけれども、全く違ったことを進めているわけです。背反しているような気がしてならない。だから、貸し渋りに対して大蔵省や金融監督庁というのは、やっぱりこれはよくない、企業を育てようと、こういう指導をどこまで一体やる気か、できるのか、お聞きします。
#144
○政府委員(乾文男君) 金融監督庁からお答えいたします。
 今、御質問のありました貸し渋りにつきましては、今もお話しありましたけれども、早期是正措置というのがございますけれども、それの運用を弾力化するとか、それから保有株式の評価方法の変更、これを低価法から原価法を選択することもできるとか、それから三月のいわゆる公的資金注入によります自己資本比率の向上でございますとか、それから、先ほど来御議論になっておられます信用保証協会の信用補完制度の拡充等の措置が講じられてきたところでございます。
 私ども、金融監督庁といたしまして金融機関の監督に当たっておるわけでございますけれども、金融機関が融資態度を必要以上に萎縮させまして、健全な借り手の方々に対しまして必要な資金の供給が滞るということでは、これは金融機関の公共性にもとるというふうに私どもも考えておりまして、金融機関の融資動向につきましては十分注意を払っているところでございます。また、金融機関のトップとの意見交換の場がございますけれども、そうした場におきましても、金融機関の方々に金融機関の公共性を十分自覚をしまして貸し渋りといった批判を招くことのないよう必要な要請を行っているところでございます。
 今後ともそうした努力を払ってまいりたいと思います。
#145
○梶原敬義君 通産大臣もおられますから、大蔵省、金融監督庁にも要望したいんですが、早期是正措置をことしからやっておりますが、今の日本の経済の実態からいったら、もう三年ぐらい延ばしていくぐらいの決断がないと、日本リースがまたああいう形になり、年末にかけてこれは大変じゃないでしょうか。
 だから、ちょっと、結論だけ申し上げますが、早期是正措置をもう三年ぐらい延ばすというような検討を強く要望したいのですが、いかがですか。
#146
○政府委員(山本晃君) お答えを申し上げます。
 早期是正措置は、バブル経済の発生、崩壊という金融環境の激動期におきまして、監督・検査による事前のチェック機能が十分に果たされたとは言いがたい面があった、こういう教訓を踏まえまして、金融機関の経営の健全性というものを確保するための監督手法として本年四月一日から導入をしたものでございます。
 いずれにいたしましても、早期是正措置というのは、客観的なルールに基づいて是正措置命令を適時適切に発動していくことによりまして、金融機関の経営の早期是正というものを促していこう、こういうものであるわけでございます。
 委員から御指摘がございましたけれども、本年四月から導入されましたこの早期是正措置におきましては、いわゆる国内基準行につきましては一年間この早期是正措置命令の発出を猶予する弾力的な運用を行っているわけでございます。
 今、三年ぐらい延期すべきではないかという御指摘がございましたけれども、いずれにいたしましても、この早期是正措置いわゆるBIS基準というものはグローバルスタンダードという側面もございます。また、金融監督庁、これが本年六月二十二日にできまして、この金融監督庁によります制度の実施状況、こういったものも踏まえていく必要があるものというふうに私ども今現在考えているところでございます。
#147
○梶原敬義君 理屈を言い出すと、経過から言い出すと、私も大蔵省に対して言いたいことはいっぱいあるけれども、時間がありませんから言いませんが、今の経済状況に対してあるいは貸し渋りの状況に対して大蔵省は責任が持てるのかどうなのか、そのことを聞きます。
#148
○政府委員(山本晃君) 貸し渋りに対する大蔵省の対応でございますけれども、現在私ども大蔵省は、六月二十二日以降、金融監督庁というものができまして、金融監督庁の方でそういう具体的な監督の行政をしているところでございます。
 私ども大蔵省としましては、いずれにいたしましても、この金融というものはこれはいわば経済の動脈でございますので、これが円滑に流れるようにいわばその制度面の企画立案というものを担当しているわけでございます。このいわゆる貸し渋り対策というものにつきましては政府一丸となりまして、特に通商産業省とも一丸となりまして、現在信用補完制度の拡充であるとかあるいは政府系金融機関の融資制度の拡充、こういった貸し渋り対策大綱というものを閣議決定されたところでございますが、こういった大綱の施策をできる限り早期に具体化していくということが今私どもに課せられた仕事であろうということで、そういう意味での貸し渋りの解消に向けて、政府としてはまた大蔵省としては、通産省ともども積極的に取り組んでまいる所存でございます。
#149
○梶原敬義君 大蔵省はちょっと頭がかたいんですよ。今動いていますよ、経済は、あるいは金融も。だから、金融が動脈とか血液だとこう言っておる。金融の血液を汚したのは、銀行がどんどん不動産や何かに金を貸す、大蔵省や日銀がこれを放置したからバブルがどんどん膨れ上がってどうにもならなくなったんではないですか。
 だから、そこはもう言い出すと切りがないから言いませんが、日本リースが倒産し、今動いているこういう状況の中で、今の早期是正措置でそのまま突っ走ったら貸し渋りが年末に起きてどういうことが起きるかわからぬ。だから、早期是正措置の問題についてはそうかたいことを言わぬで、少し真剣になって現状を見て考えてほしい、こういう要望であります。
 それから、第一、金融派生商品や何かというのは、こういうのがどんどん踊り回ったら日本の資本主義、世界の資本主義は僕は破滅すると思う。生産に結びつかないそういうものが回り出して。だから、何もかもわかった上で言っているわけですから、ぜひ検討していただきたいし、大臣も検討していただきたいと思います。
 それから、本法案については賛成でありますが、なお要望を通産省にしたいのは、三千五百万円を五千万円ではなく倍にする、七百五十万円を一千万円ではなく一千五百万円ぐらいにする、規模拡大を早急に次の補正予算あたりでもう一回検討し直してほしいということを申し上げて、時間が来ましたから、大臣何かあれば。
#150
○国務大臣(与謝野馨君) 今後は、中小企業が年末にかけ、また平成十一年、どういうふうになっていくかということをよく見きわめながら、そういう点についても今後検討をしてまいりたいと思っております。
#151
○梶原敬義君 終わります。
#152
○渡辺秀央君 大変どうも御苦労さまでございます。
 与謝野大臣、先般の一般質問で私がいろいろ御意見を承る機会がなかったものですから、そういう意味で就任をして初めてのごあいさつで、どうぞひとつ御健闘、そしてまたこの大不況、しかもまた国民の資産が日増しに減っている、これはもう株、土地、おのずとそうですが、いわゆるデフレ、大デフレと言っていいほどの状況に入ったこのときに、精通している通産行政に大いにひとつ敏腕を振るっていただくように。
 先ほど同僚議員がいろいろ御指摘もされ御注意もされましたが、今般のようにこういう各党一致して大臣が提案する法律は非常に結構ですと、こう言っているときこそ油断なく、特に事務当局がしっかりしないといかぬ。これは、大臣がそんな新聞に広告を出すなんか知っているわけがない。しかし、それは政府広報紙だろうと私は思うんですが、そういう意味では事務当局はしっかりこういう大事なときに大臣を補佐してもらいたい。そういうことを私は心からお願いをしながら、ぜひ与謝野通産行政を大胆に進めてこの大不況を克服する、新しい角度からの、ある意味における今までの通産行政の惰性、マンネリ、これをぜひひとつ排してもらうように御期待を申し上げます。
 まず冒頭に、この後、審議が終わりますと附帯決議のことが明日持ち出されると思うんですが、そういうことを前提とした私の提案でもありますので、それをまず先に、若干それに沿って質問というか意見を申し上げておきたいというふうに思います。
 信用保証協会、中小企業保険公庫に中小企業等貸し渋り対策大綱に基づいて財源手当てが行われるということは、これは変な宣伝を申し上げるわけでもないが、まさにこれは二十五年前になると思うんですが、二十六年前になりますか、無担保無保証制度という、中曽根通産大臣のときにこれが初めて実行され、そして当時は親戚から判こをもらわないで無担保無保証で金を借りられるということで始めたことが、今日こういう大きな規模になってきた。しかし、それでさえもなかなか周知徹底しないというようなことの中で、ああいった広告みたいなことまでやらざるを得ないということだろうと思うんです。
 いずれにしても、これだけ拡大されたということは、同時に、私ども衆議院において野田幹事長が提案をしたことを、まさに即座に喫緊の問題として大臣がこれをまずとりあえずやれる手段として貸し渋り対策としておやりになったということに敬意を表したいというふうに思います。
 一刻も早い景気の回復が望まれるのでありますけれども、この四十兆円の枠に不足が生じそうなときには可及的速やかに手当てをするということをぜひひとつ、余りいいことじゃありませんけれども、確認をしておきたい。
 さらに、現在、さっきも同僚議員が幾らか触れられましたが、もう一つ具体的に突っ込んで言うと、三千五百万円、その半額、先ほど長官が答弁された千七百五十万については第三者保証を求めないということになっているわけですが、これが五千万円になったときには二千五百万円というのが第三者保証を求めないということになるんですけれども、実質はそこにはたった七百五十万しかないと、こうなりますね。ですから、このことについてはこの際、五千万というものを、先ほどから大臣がおっしゃっているように、窓口その他のこともいろいろあると思うんですが、思い切った措置を講じられるようにひとつ期待を申し上げたい。でなければ、仏つくって魂入れずということになる嫌いがあるように思います。
 無担保・無保証人、これは一千万になるわけですが、これも実際にやるとなると、窓口のところでいろいろな制限あるいはまた指導と称していい顔をしないで、あるいは前の貸した金がまだ戻っていないというような話にも若干なるようなことを危惧いたします。どうぞひとつ、実際面、効果が上がるようにしていただく。
 さらにもう一つ懸念されることは、これは個人が一千万を借りて一、二年後に非常にうまくいった、これはさっきのいい例ですけれども、第三者の信認が得られるようになったときに、その後、無担保無保証で五千万を借りたいという今度気持ちになりますな。そういうときには、現行では二またかけられないということになっている。そういうところも、この際、これは私もまことにもって今日まで地域の中から、政府の進めてきた経済政策、あるいはまたそれに対応していこうとしている産業政策等も見ながら、今回このようになったのは全くこれは政府のミスリードだと。
 そういう意味においては、そういうことの反省の中から今回のこの措置を与謝野大臣が喫緊に取り上げておやりになったというのはわかりますが、それをさらに一歩進めて、今言ったようなことに留意しながら、企業の発展のときにはそういうかたくなな考えでなくて、融資制度というものを、弾力的と言うとうまくないのかもわかりませんが、国民の金を活用している面もあるわけですから、元本に国からの融資が入っているわけですから、それは言えないかもわかりませんが、しかし、そういう企業を育てる、あるいは企業家を育てる、そういう観点でこそ中小企業政策は大事だというふうに思いますので、その辺のおもんばかりについて、同時にまた、今若干申し上げたことについて御意見を簡単に申し述べていただければありがたいというふうに思います。どうぞ、長官で結構です、簡単に。
#153
○政府委員(鴇田勝彦君) いろいろと御指摘を賜りましてありがとうございました。
 幾つか論点があったと思いますが、第一点といたしましては、今回発足をさせていただきます貸し渋り特別保証制度について、二十兆円の規模を予定しておりますが、これが実質的に大変進捗、ディスバースをされまして、それに不足を生ずる場合どうするのかというお話でございますが、当面、私どもは、懇切丁寧な保証窓口での中小企業者に対する対応を通じてこの二十兆円ができるだけ有効に使われるということに最もエネルギーを注入してまいりたいと考えております。この二十兆円について、一年後あるいはそれを過ぎる時期においてどういう状態になっているかは予測はできませんが、その時点その時点で現在と同じような政策対応で考えていきたいと思っております。
 それから、無担保保険についての第三者保証人の徴求でございますが、ことしの二月から限度額三千五百万のうちの半分の千七百五十万について第三者保証人の徴求を停止しております。今回の貸し渋り保証制度につきましては、無担保保険枠、現行三千五百万でございますが、それにつきましては一〇〇%第三者保証人を徴求しないような極めて特例的な制度に今設計をしたいと考えております。
 それから、特別小口保険と他の普通保険あるいは無担保保険との併用のお話でございますが、これはもう先生の方がよく御存じだと思いますが、特別小口保険というのは後追いでできた制度でございます。ここらは、それまでの担保を求めたりあるいは担保と保証を求めたりという制度にかえて、小規模零細の中小企業者からこの程度の金額でいいから、たしか当初は二百五十万ぐらいだったと思いますが、無担保無保証で借りられる、そういった特例的な制度をつくるべきだという声が強くございまして、それを立ち上げ、現在は七百五十万になっているわけでございます。
 そういったことで、入り口のところである程度、無担保無保証、特別小口保険に見合った、そういった小規模零細事業者の資金需要に見合うものとしてこの制度は完結してございますので、これに加えてまた無担保保険とか普通保険を使うというような資金需要がおありになる中小企業者は一応入り口のところで整理をされているという頭の整理になってございます。
 あと幾つが御指摘をいただいたのではないかと思いますが、私はとりあえずこれだけお答えをさせていただきます。
#154
○渡辺秀央君 幾つか用意をしたんですけれども、残念なるかな時間がなさ過ぎます。
 一つちょっと申し上げてみたいと思うんですが、この間もどなたか同僚議員が一般質問の前半のところで述べておられましたが、余りにも中小企業関係法律が多過ぎる。中小企業のためにいろんな施策を非常にたくさんやってきたということはよくわかるんですが、しかしこれが余りにも多過ぎる。もうそろそろこれを整理して、そして一つの経営基盤の強化のための施策としての大事な柱をしっかり骨太にして、こういった法律を見直したらどうか、もうそういう時期ではないかなというふうに思うんです。これまた質問するともう答弁で時間がなくなつちゃいますから、私の考えをまず一つ申し上げておきます。そういう意味でぜひお考えをいただきたい。
 それからもう一つは、中小企業政策の根幹をなしている基本法、これはあらゆる業種にまで至っているわけです。言うならば、昔から川上から川下までを一体に支援する法律だと。だから産業政策をやって、そして川下の中小企業政策だと、こう言われてきました。しかし、今日の経済情勢や産業構造は、中小企業基本法が制定された経済成長期とは随分と変わってきていると私は思うんです。
 そういう意味で、中小企業基本法を言うならば見直しするぐらい、かつまた先ほど申し上げたように骨太のものに抜本的に改革をする、産業別の実態を考えていくような、例えばそういうことを考えられないか。これは現にアメリカなんかでもそういうことがあります、そういう政策をやっている。研究の余地はあると私は思うんです。画一的な法体系、施策の見直しを私はこの際ぜひ、中小企業関係の法律だけで大体三十三本ぐらいある。これではとても中小企業者はついていけないという状態であるということをぜひ中小企業庁は本格的に、経済の構造改革の時点であるだけに、それに見合う法律体系をつくられたらどうかということを申し上げておきたい。
 もう一つは、時間がありませんので結論から言いますと、特定産業集積の活性化に関する臨時措置法というのをおつくりになった。昨年の三月に成立したことは私も承知しております。この法律など一つの代表的なものですが、地方に対する地域産業振興のために、中小企業庁あるいは通産省ともどもそうですけれども、中小企業庁だけではないんですが、これはちょっと大臣、もし感じがあったらぜひお聞かせをいただきたいと思うんです。これは新産法から工特法から低工法から農工法から工配法からテクノポリス法から頭脳立地法から地方拠点法、まるで九法律もあるわけです。これらが全部各市町村に網をかぶせている。これを延べにしますと五千七百二十六市町村になる、実際には日本には三千二百三十二市町村しかないのに。
 これらの地域指定というのは、私も一生懸命やって当時はありがたく思っていたんですよ。最後のところは拠点法、私は参画してやらせていただいた。しかし、もうこれも同じような法律が、しかも眠っているのがある。あるいはまた市町村の自治体でも、一生懸命やっているところもあればやっていないところもある。こういうところはこの際、経済の構造改革のときにやっぱりきちんと、通産省は戦後の日本の産業を発展させてきた省なんだから、役所なんだから、もうこれは改めてやり直すつもりで思い切った一元的な分厚い政策を考えてみていただけないかということを申し上げておきたいというふうに思います。
 最後にもう一点、そう言いながらも地域産業というのは大事です。大事ですから、特に電源立地に関して、この電源立地の地域は電力料金が安くなるようにして仕組んであるわけですが、しかしそれでもこの不況。通産省は電源立地市町村に向けて工場誘致をしたんですね。通産省はその電源立地に向けてどんどん工場誘致をしたわけです。これが今物すごい不況にあえいでいる。
 であるとするならば、この電源立地交付金を、これは民間の設備投資を促進させるために交付金を出していることもわかるが、どうも電源立地交付金は黒字の方向にあるようですから、これらを思い切って原子力発電等の促進のためにも役立てるように活用する。この際の景気対策あるいはまた設備投資というのが日本はここ十年ぐらいアメリカにおくれている、もう陳腐化してきた、そういう意味でも経済問題と同時に大変な問題だと思うんです。
 これはもちろん中小企業設備投資促進税制がなされていることも知っているんですが、そんなものではなくて、大蔵省となあなあでひそひそ話し合って、それじゃ何%だなんというような、我々が昔やってきたようなそんな話じゃなくて、もっと思い切ったことをやったらどうか。そうしなかったらこの経済は立ち直りませんなという感じを申し述べて、もう時間がいっぱいになつちゃいました。答弁を短くやってもらえばさらにもう一問ぐらいしたいんですが、若干一言ずつ、大臣も御意見がありましたら。
#155
○国務大臣(与謝野馨君) 立地の問題でございますけれども、これは電源立地交付金を活用するということはずっと前からやっておりますが、さらにこの交付金のあり方については骨太にやるということは、先生御指摘のとおり、必要なことだろうと私は思っております。
 それから、たくさん法律があり過ぎるという御指摘が前段にありましたが、私も若干そういうように考えておりますが、それぞれの法律はそれぞれの時代に必要であったということだけはぜひ御理解をしていただきたいと思っております。
#156
○政府委員(太田信一郎君) 渡辺先生から、新産、工特から始まって、テクノ、頭脳、それから特定産業集積の法律についてコメントがございました。私ども、今大臣からお答えしましたように、それぞれ目的を持って産業の競争力の強化あるいは国土の均衡ある発展のためにこういう法律を制定させていただきまして施行しているわけでございますが、それぞれ、一〇〇%とは言いませんが、相当な成果を上げていると思います。今後我々がまさに新規事業、新産業を創造していくための苗床的な要素も持つようになったと思っております。
 そういう中で、私どもとしては、こういう集積をさらに発展させるために地域プラットフォームの政策等を進めていきたいと思いますが、同時に都道府県の立場からすると、この計画があってえらいややこしいとか非常に迷惑だとか、迷惑とまでは言いませんが、なかなか手続的にいろいろと複雑だということもございます。こういうときには、同時にヒアリングするとかいろんな工夫をして、それぞれの計画が一足す一が二にならずに、さらに三、四になるように、相乗効果を上げるように努力していきたいと思っております。
#157
○説明員(奥村裕一君) 電源立地関係のことについて御答弁申し上げます。
 先生御案内のとおり、電源立地関係の促進事業につきましては、電源開発促進税という形で目的税で税をいただきまして、それを電源立地の関係自治体にお願いをしているところでございます。先生御案内のとおり、この電源立地対策につきましても、従来どちらかといいますといわゆる箱物といいますか、そういうものを主体にやっておりましたけれども、近年は地元の御要望その他を踏まえまして、地域の産業振興、中小企業振興ということにも力を入れていこうということで施策の充実を図っているところでございます。
 例えば、具体的には電源立地地域に企業が立地をされます場合に、その設備投資に対しまして一定の金額の補助金を制度として設けているというようなことでございます。こうした制度がさらに効果的に地元の地域振興に役立っていくように、私どもとしてもさらに努力を続けてまいりたいというふうに思います。
#158
○渡辺秀央君 大体おっしゃっていることは承知しているんです。だから、そういうことの今までの必要性の中で生まれていることも当然なんです。だけれども、しかしそこは今この時期に来て工夫をすべきときではないのかということを申し上げているんで、今までやったことは間違っているということを一言も言っているわけじゃない。そこはしっかりと、新しい通産行政というのをもうこの時期に、日本の経済の構造を変えていこうという時期なんですから、今までの時代で役割を果たしてきた法律が、そのまま今日これから今後未来永劫に適用されていって適正であるとは私は思えないんです。だから、柔軟に見直し、あるいは整理、そういうことをやっていくことが必要だろうという意味で申し上げてきているんです。
 時間がちょっとあるようですから、私はもう十五年ぐらい言ってきていることをちょっとこの機会に申し上げたい。中小企業庁の歴代長官に申し上げてきたんだけれども、中小企業政策というのは、この中小企業基本法ができてから今日までこれだけの時間がたっている、日本の経済の構造も変わってきている、それから今言ったように産業がいわゆる地域にまでいろいろ分担されてきている面もある。そういういろんな意味で、中小企業政策というのを一貫して中小企業基本法で、一々細かいことは言いませんが、ひっくくっている。そこを根本的に見直して、中企業と小企業、あるいは小規模事業者、この三つの段階、昔は川上から川下に行って経済が立て直ってくるんだと、こう言ったんだけれども、もうそんな時代じゃない。
 金融の問題一つとらえてみても、中企業と小規模事業者とそれぞれに手当てをしなかったら、産業あるいは全体としての発展、あるいはその産業に従事する人たちの雇用を守っていくわけにはいかないという状態に入っているわけでしょう。そういう意味で、中小企業庁として、先ほど言った法律を見直しながら、中小企業政策そのものをきめ細かく、中企業対策、小企業対策、小規模事業者対策というふうにわかりやすくやっていくことが私は非常に大事だと。特にこういう時期はなお一層そうではないかという感じを長い間新潟におりまして感じました。
 そういう意味で、どうぞひとつ中小企業庁長官、その問題に対して本当に区別、峻別した政策をやろうとする意欲があるかどうか、ちょっと一言お聞きをしておきたい。
#159
○政府委員(鴇田勝彦君) 去る七月から私の私的勉強会ということで、中小企業関係の学者さんにも入っていただいて、中小企業の基本施策の見直し、基本法の改正について勉強を進めさせていただいております。
 とりあえず私的勉強会ということで、できるだけ広範な意見あるいは議論の広がりを持たせたいと思っておりまして、来年春ごろにはある程度公式に審議会等に諮れるような次元まで持っていきたいと思っております。
 その場合、幾つか柱がございまして、答弁が長くなるといけませんので、先生の言われた意味での対象中小企業者のサイズごとにどういつだ施策の展開が効率的であるか、あるいは合理的であるか、こういった点も一つ大きな課題になっております。これは中小企業者の定義そのものを上方に変更するというようなものも含めて、いろんな議論がこれから可能だと思いますので、ただいまの先生の御指摘も視野に入れながら勉強させていただきたいと思います。
#160
○渡辺秀央君 どうぞ頑張ってください。ありがとうございました。
#161
○水野誠一君 さきがけの水野でございます。
 先ほどから話題になっております新聞広告ですが、実は私もきのうちらっと目にして、しかし内容は気づかずに見過ごしておりました。これは一つに、表現が余り効果的ではなくて、私は何かどこかの保険会社の広告か何かかと思って見逃していたんですが、先ほど話題になって改めて拝見をしました。そして、昼休みに何人かの中小企業経営者であります友人に気がついたかといって聞きましたら、だれも気づいていないんです、やはりあの広告には。
 ただ、だれもが今回の貸し渋り保証制度の強化ということについては熟知をしておりました。そしてまた期待も大きい。ただ、実効性といいますか、本当に良質な企業に対しての貸し渋り対策ということに正しく使われるのかということについての大変危惧も持っておりました。
 私は、政府広報ということについて言えば、常々思っているんですが、何よりもやはり大臣がきちっと記事で内容の濃い発言をしていただくということが、こういった政策を実現していく上で、周知徹底させていく上で一番重要な広報になる。
 広告というのは、実は、通産省だから御存じだと思うんですが、政府の広告掲載単価というのは公共事業単価と同じで民間企業の広告掲載単価よりもはるかに高いんです。こういう問題もありますので、こういう財政の大変厳しい折から、広告出稿よりもむしろ広報重視の周知徹底にしていただきたいなと、こんなふうにも思っております。
 そこで、一つお尋ねをしたいんですが、今回の保証枠、これは保証倒れリスクを従来の五倍へ設定するということでありますが、それだけ厳しい経済状態を反映させている政策だと思いますが、逆に言うと、投入する公的資金に比べて発生する保証枠は以前の五分の一になるという言い方もできると思うんです。つまり、目いっぱい保証がされ、保証協会の収支を超える保証倒れが生じた場合、特に保証枠というか、リスクを拡大するということによってこういうことは考えられるわけですが、投入される補助金というのは政府の損失になってくる、その財源は何なのかということであります。恐らく特例国債になるのかなというふうに思うんですが、財政再建、これは今多少凍結はするんだというお話はありますが、大きな道筋としての財政再建という問題と、こういった特例国債による保証といいますか、損失補てんといいますか、こういう問題との関係についてちょっとお答えをいただければと思います。
#162
○国務大臣(与謝野馨君) 昨年、先生もさきがけの政策責任者として財政構造改革法の作成に携わり、私もその作業の事務局的なこともやっておりました。そのときはやはり二%前後の経済成長は続くだろうということで財政構造改革法をつくったと、そういう経過でございます。
 しかし、財政構造改革法の論議が終わったころから景気はだんだん悪化してまいりまして、果たしてこういう危機的な状況で財政構造改革法というものが有効に働くのかどうか、また、国民生活にとってこういう危機的な状況の中でいわば緊縮財政路線をとるということが経済全体の運営として正しいのかどうかという疑問は去年の秋ごろから生まれてまいりまして、ことしになりましてから、やはりこういうものは現在のような経済の危機的な状況の中では動く法律ではないということで凍結を小渕総理も宣言されたわけでございます。
 しかしながら、税収全体は落ち込んでおりますし、また法人税減税あるいは所得税減税も来年にかけてやりますから、国の財政というものは今後とも非常に厳しい状況が続きます。建設国債であれ赤字国債であれ、国の借金を通じて財政を運営していくわけですから、いずれは財政の節度と申しますか、財政の健全化ということを国会議員が考えなければならない時期は私は来ると思います。
 そして、財政構造改革法の中に入っております幾つかの考え方はやはり今でも大切な考え方でございまして、いずれは財政の健全化を目指してやっていく、その時期は、日本の経済が民間の経済によって自律的な回復軌道に乗る、そういう時期からは財政の立て直しということもあわせて考えていかなければならないわけでございます。
 今回の保証協会に要します費用というのは約二千億でございますが、実際は、保証協会に二千億出しますと、理屈の上では中小企業保険公庫が八千億のお金が将来代位弁済のために必要になるということです。今議論をしておりますのは、中小企業予算二千億プラス将来発生するであろう費用八千億のことを実は論じているわけでございます。
 なぜ一兆円が二十兆というふうに勘定できるのかといえば、仮に二十兆保証いたしましたとして、代位弁済の額が一〇%としますと二兆円代位弁済をしなければならない。しかし過去の経緯を見ましても、代位弁済をした後もお金を借りた方が一生懸命返してくださいまして、回収は、大体五〇%を超えるところまで代位弁済したものに対してもお金が返ってくるということで、過去の回収率の五〇%をとりますと大体一兆円が必要な額になると、そういう計算になっております。この財政をどう裏打ちしていくかというのは、これは二次補正でやるかあるいは来年度の当初でやるかは別にいたしましても、実際に間に合うように手当てをする、こういうことでございます。
 ただ、今回の予算の仕組みで全く特徴的なことというのは、ふだんですと保証協会にお金を出す場合には、国と地方のある一定の割合の割り勘があったわけでございます。今回も財政当局と交渉している途中経過は、七五%を国が持って二五%は県が持つという案に落ちつきそうになりましたが、やはり二五%の分を県に持っていただくということになりますと、県議会を開いて予算を御承認していただかなければならないという時間的なこともありますし、地方の財政難もございますから、地方も余りいい顔をしないだろうということで、思い切って国が一〇〇%出すということにいたしたわけです。
 かてて加えまして、今回は保証協会の内部でこれは区分経理をいたしまして、この分はこの分で別建てで経理をしていくと、そういうことにしたというのが今回の特徴でございます。
 これは当然国債の発行をしなければ、税収の中でこれだけのことが見られるかといえば、これは財政当局に聞かなければ本当のことはわかりませんが、国債に依存せざるを得ないだろうと私は考えております。
#163
○水野誠一君 今の御答弁にもありましたように、いずれにしても大変厳しい情勢の中で、さらに国債に頼って保証していかなければいけないということであればあるほど、先ほど平田委員からも質問がありましたけれども、不良債権のつけかえとかそういう使われ方をしない、モラルハザードを起こさないというところへのしっかりとした指導というものが必要になってくるんじゃないかなと思います。その辺の具体的な対応、対策は、金融監督庁に任せるということだけではなくて、ぜひ通産省としてもしっかりとお考えをいただきたいと思っております。
 そこで次に、貸し渋りの保証制度を十月一日から導入するということで決まっているわけでありますが、実際の補助金は予算措置を経てから後に各保証協会に配賦されるということになると思うんです。もし、その間に保証の要請が殺到した場合、保証の選別というのはどうするのか。特に、審査基準を単純かつ厳格なものにするということが言われておりますが、そうなると資金の手当てが確定していない状態のもとで、要件を満たす保証請求を拒絶することはできなくなる、こういう問題も出てくると思います。この問題について運用をどうされるのか、お尋ねしたいと思います。
#164
○政府委員(鴇田勝彦君) 本貸し渋り特例保証制度については、十月一日に発足を予定して現在準備を進めている段階でございます。
 委員御指摘のように、実際の約二千億円という補助金が各保証協会の特別会計に振り込まれるのは、今後財政当局といろいろ協議をして、実際に予算化を経まして、そのお金をもって補助金という形で出すことになりますが、私どもといたしましては、実際に保証自身は即日資金的な手当てを必要とするものでもございませんし、既に保証協会自身は今までのいわゆる一般会計的な意味での通常の保証のための基金というものもお持ちになっておられます。
 したがいまして、十月一日を目指してまず第一にすべきは、実際に窓口に来られた中小企業の方々に、これは保証を受けられる、これは保証を受けられないといった仕分けをする保証条件というのを明確にする必要があるんだろうということで、私ども従来から申し上げておりますが、保証審査を迅速、なるべく円滑にするという観点から、ある種のネガティブリスト的なものをつくらせていただいて、そのネガティブリストに載った特定のケース、例えばもう破産の手続中であるだとか、税金も滞納しているだとか、既に信用保証協会との関係で代位弁済という経緯があってそれに関する求償債務をまだ未済であられるとか、そういう明らかに保証協会として新たな保証を付すのにふさわしくない、そういったケースをできるだけ具体的に列挙いたしまして、そこに該当しないケースについては特別会計の基金というものを当てにしながら積極的な保証をしてほしいということで考えております。
 もとより、この予算の手当て、あるいは特別会計への補助金の投入というのはできるだけ速やかにやるべきだと考えておりますので、その点についてはできるだけ早期にやれるように財政当局とも詰めていきたいと思っております。
#165
○水野誠一君 今、全国に信用保証協会というのは五十二あるということでありますが、この中でも例えば中小企業の多い大阪府の信用保証協会というのは赤字決算に追い込まれていると、こんな状況もあるようであります。
 今回の新規枠の二千億円の補助金というのは、こういった各信用保証協会の実情に合わせた重点配分を行っていくのかなと、こういうふうに思うのでありますが、その場合、これがいわゆる既得権益化するということがないのか、またずさんな経営が税金で穴埋めされるようなことにならないのか、そんなことも含めてその分配基準というのがどうなっているのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
#166
○政府委員(鴇田勝彦君) 先ほども申し上げましたように、補助金については今後予算化を進めながら具体的に配分をしてまいりたいと思います。
 具体的な基準については、今確定版はございませんけれども、本保証制度の趣旨から見まして、貸し渋り対策用の保証の需要の見通しを前提に五十二の協会に配分するのが筋だと考えております。
 従来、今委員御指摘もございましたように、五十二協会のうちには十七法人ほど経営状況のよくないところがございます。これはこれとして、従来の一般会計の財政対策ということで考えるべきであって、今回の貸し渋り特例保証としてはあくまでも中小企業者の需要をベースにこの五十二協会への配分を今後詰めていきたいと思います。
#167
○水野誠一君 先ほど渡辺委員から、中小企業基本法の見直し、あるいは中小企業関連法律が余りにも多過ぎるんじゃないかと、こういう御指摘がありまして、私も全くその点については同感でございます。
 昨今の各種経済対策において中小企業の融資基準の緩和措置、これがとられてきているわけでありますが、資本金要件の引き上げ等も含めていろいろこれは中小企業の規定といいますか概念、これがいつも問題になるところであります。従来、資本金一億円あるいは従業員数三百人といった中小企業の定義がまだそこには存在するわけでありますが、そろそろこの点についても見直しの時期に来ているのではないかなという気がしているところでございます。
 この問題と、そしてまた国家としてのセーフティーネットをどこまで広げるべきなのか、こういう視点から通産省内部でどんな検討がされているのか、あるいは大臣の御見解としてはいかがなものなのか、お答えをいただければと思います。
#168
○政府委員(鴇田勝彦君) 中小企業の定義につきましては、基本法が制定されまして、昭和四十八年に一度見直しがされております。それから相当な時間も経過しておりますので、現在、勉強会、研究会を開かせていただいて、来春までにこの定義の改正問題、引き上げの問題も含めて中小企業施策全般について見直しを図りたいと思っております。
 いろいろなテーマ、課題がありますけれども、その一番大きなものとしては、例えば中小企業施策の政策的な理念、よって立つところは何であるのかという点等があろうかと思います。
 具体的には、中小企業庁はことしで発足五十周年を迎えますが、基本法ができましたのも三十年代でございます。したがいまして、当時の経済成長時代、製造業中心時代、スケールメリットというのが最もとうとばれた時代に対しまして、現在はサービス産業、情報産業等が大変ウエートが高まっておりますし、スケールメリットというのもいろんな異なった意味合いを持ってきているんじゃないかというようなこともございまして、施策の理念及び施策の具体的な手法についても今鋭意勉強しているところでございます。
#169
○国務大臣(与謝野馨君) 中小企業に対する政策というのは、やはり日本の経済を支える大きな力でございますから、今後とも政策として十二分に力を入れてまいらなければならないことは当然でございます。ただいま中小企業庁長官から御答弁させていただきましたけれども、中小企業の定義自体も時代のニーズに合ったものにしていくという不断の努力が必要だということは先生の御指摘のとおりだと私は思っております。
 しかし、産業政策全体の中で中小企業をどう定義していくかということは、それはそう簡単な話ではございませんので、中小企業庁長官のもとでいろいろな有識者の御意見をお伺いしながら、来春には皆様方にもお話しできるような状況になっているというふうに私は期待をしております。
#170
○水野誠一君 有識者の御意見というのも大変結構なんですが、それ以上にやはり私は、アメリカなんかの中小企業、とりわけ情報通信産業がアメリカの経済を支えてきた、盛り上げてきたというような現状を大いにもう一度ひもといていただいて、これからの新しい中小企業のあり方、あるいは日本のベンチャーのあり方というようなことを、ぜひ前向きな政策を出していただきたい、ビジョンを持っていただきたい、こう思います。
 そして、この貸し渋り保証制度の拡充ということについては、私は大変結構な政策だと基本的に思っておりますし、一日も早くその対応が実現できることを祈っているわけでありますが、十月一日という差し迫った時間でのこの審議ということでございます。それだけに、冒頭話題になりました新聞広告での参議院軽視の問題というようなことで採決があすになるというようなことも伺っておりますが、これも広報的に言えば大変残念なことなんで、ひとつこれから大いにその辺には慎重に対応をしていただきたいと思います。そしていい政策をどんどん打ち出していただきたい、かように思っております。
 終わります。
#171
○委員長(須藤良太郎君) この際、与謝野通産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。与謝野通産大臣。
#172
○国務大臣(与謝野馨君) 今般、新たに創設される特別保証制度などに関し、新聞において、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案が参議院で審議される前に、その改正内容、すなわち保険限度額の引き上げを広報したことについて深くおわび申し上げますとともに、今後このような事態が再び生じることがないよう、十分注意してまいる所存でございます。
#173
○委員長(須藤良太郎君) 以上で通産大臣の発言は終わりました。
 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
#174
○委員長(須藤良太郎君) 次に、対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。与謝野通産大臣。
#175
○国務大臣(与謝野馨君) 対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 紛争地域に無差別に敷設された対人地雷が、紛争終結後も一般市民に重大な被害を与えるとともに、その地域の復興、開発の障害となっている中、対人地雷の全面的禁止に関する国際的な認識の高まりにより、平成九年九月に、対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約が採択されたところであります。我が国といたしましても、世界的な枠組みで対人地雷による被害をなくしていくことが国際的責務であることから、平成九年十二月にこの条約への署名を済ませております。
 この条約につきましては、御承認をいただくために今国会に提出されているところでありますが、我が国としては、この条約の適確な実施を確保するために、対人地雷の製造を禁止するとともに、対人地雷の所持を規制する等の国内法整備を行うことが必要であります。
 このような要請に対応するため、今般、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、対人地雷の製造を禁止することとしております。
 第二に、条約で認められた目的のために所持する場合を除き、対人地雷の所持を禁止し、対人地雷を所持しようとする者に通商産業大臣の許可を受ける義務を課すとともに、対人地雷の廃棄または引き渡しをする者に必要事項の届け出をする義務を課すこととしております。
 第三に、所持の許可を受けた者等に国際連合事務総長が指定する者が行う検査の受け入れを義務づけることとしております。
 第四に、報告徴収、立入検査、罰則等について所要の規定を設けることとしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#176
○委員長(須藤良太郎君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は明三十日に行うこととし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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