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1998/10/15 第143回国会 参議院 参議院会議録情報 第143回国会 外交・防衛委員会 第9号
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1998/10/15 第143回国会 参議院

参議院会議録情報 第143回国会 外交・防衛委員会 第9号

#1
第143回国会 外交・防衛委員会 第9号
平成十年十月十五日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月九日
    辞任         補欠選任
    浅尾慶一郎君      木俣 佳丈君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         河本 英典君
    理事
                依田 智治君
                吉村剛太郎君
                柳田  稔君
                高野 博師君
                小泉 親司君
    委 員
                岩崎 純三君
                亀谷 博昭君
                佐々木知子君
                鈴木 正孝君
                村上 正邦君
                森山  裕君
                木俣 佳丈君
                齋藤  勁君
                吉田 之久君
                続  訓弘君
                立木  洋君
                田  英夫君
                田村 秀昭君
                佐藤 道夫君
                山崎  力君
    国務大臣
        外 務 大 臣 高村 正彦君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 額賀福志郎君
    政府委員
        防衛庁長官官房
        長代理     伊藤 康成君
        防衛庁防衛局長 佐藤  謙君
        防衛庁運用局長 大越 康弘君
        防衛庁人事教育
        局長      坂野  興君
        防衛庁装備局長 及川 耕造君
        防衛施設庁長官 萩  次郎君
        防衛施設庁施設
        部長      守屋 武昌君
        法務省刑事局長 松尾 邦弘君
        外務省アジア局
        長       阿南 惟茂君
        外務省北米局長 竹内 行夫君
        外務省条約局長 東郷 和彦君
    事務局側
        常任委員会専門
        員       櫻川 明巧君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○外交、防衛等に関する調査
 (四社事案関連文書の管理実態に関する中間報
 告に関する件)
 (米海軍横須賀基地の土壌汚染に関する件)
 (ペルーにおける日本人学生射殺事件の賠償に
 関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(河本英典君) ただいまから外交・防衛委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る九日、浅尾慶一郎君が委員を辞任され、その補欠として木俣佳丈君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(河本英典君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 まず、四社事案関連文書の管理実態に関する中間報告に関する件について、額賀防衛庁長官から説明を聴取いたします。額賀防衛庁長官。
#4
○国務大臣(額賀福志郎君) 四社事案関連文書の管理実態に関する中間報告について、御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、調達実施本部の元幹部ほかの背任事件に関連をいたしまして、先月防衛庁が組織的に東洋通信機関連資料を大量に焼却処分し、証拠隠しを行っているとの報道がなされたことに伴い、防衛庁は、四社事案関連文書の管理実態に関する調査委員会を設置し、調達実施本部等関係部局の職員等から聞き取り調査を行うなど、事実関係の解明のため厳正な調査を実施してまいりましたが、これまでの調査結果を取りまとめましたので、中間報告をさせていただきます。
 九月十二日以来、これまでの間約二百人の職員等から聞き取りを行ってまいりましたが、その結果明らかになった事実関係の中には、強制捜査直前に文書類を自宅に持ち帰るなど、国民の疑惑を招いたものがあり、防衛庁職員はみずからの問題として襟を正し、徹底した綱紀の粛正を図っていかなければならないと考えております。
 こうした事案の再発を防止するため、今後防衛庁は、調達システムのみならず、調本の解体をも視野に入れた組織の抜本的見直しを行うとともに、その実効性を確保するための職員の意識面を含めた出直し的改革を行い、国民の信頼を取り戻すことに全力を注いでいく決意であります。まず、このことを冒頭に申し上げさせていただきたいと思います。
 次に、昨年九月以降の経緯をまず御説明いたします。
 調本は、昨年九月以降いわゆる原価差異事案につきましての事実関係について調査等を行ってまいりましたが、その際、調本職員が地検の事情聴取内容を記したメモ及び当時の会社関係者等からの聞き取り結果などをもとに、事案の一連の処理経過等がわかるように整理した事案処理経過表を作成したほか、そのもととなった東洋通信機に係る聞き取り結果等を本年夏に至り、ヒアリングファイルとしてまとめ、事実関係認識のベースとして国会、報道機関等への対応に使用いたしました。
 また、四社特に東洋通信機の返還額につきましては、各種検討が行われましたが、本年夏にはそれまでの調査を前提に、事案についての防衛庁としての考え方、評価等を取りまとめた「東通事案に対する現時点での評価について」を作成し、地検に提出をいたしました。その後、起訴事実及び当時の一部関係者からの見解の提示により、従来の見解の前提は覆ったものと考えられるため、この見解は撤回したところでございます。
 このような背景のもとで、四社事案関連資料の管理状況等について申し上げますと、まず、平成九年九月から十月の時期については、捜査当局から四社事案関連資料の提出を求められる可能性があったことから、調達実施本部の関係課において、原資料を提出しても支障のないよう、業務遂行上必要な資料を昨年九月から十月の時期に大量にコピーしております。しかし、この時期に四社事案関連資料を大量に焼却した事実は、現在までの調査では確認をされておりません。
 次に、本年五月についてでございますけれども、例年年度がわりの五月連休前後には、保存期限を経過した大量の文書が焼却されており、本年四月から五月も同様でありました。しかし、四社事案関連資料を大量に焼却した事実は、現在までのところ確認をしておりません。
 本年八月から九月の時期についてでございますが、四社事案関連資料を含む各種の資料を自己の執務室外に移転した事例が相当数確認されました。移転された四社事案に関連する主な資料は、ヒアリングファイル、事案処理経過表、地検に提出した評価書、想定問答集等でありました。
 一方、現在までのところ、この時期には一部のヒアリングファイルを除き四社事案関連資料の処分を行ったとの聞き取り結果は得られておりません。また、四社事案関連資料の移転、破棄または焼却に関する組織的な指示が行われたとの聞き取り結果は得られておりません。なお、具体的事例についてはお手元の資料をごらんいただきたいと思います。
 次に、事案発生当時の原価元帳、伝票類、経費率算定資料について申し上げます。四社事案の返還額の算定については、原価元帳や伝票類は基本的に使用しておらず、これらが昨年九月以降調本において処分されたとは考えがたいと存じております。なお、担当課で保有していた経費率算定資料については、昨年十月以降地検に任意提出されたとの聞き取り結果を得ております。
 以上、総括をいたしますと、現時点では四社事案関連資料を組織的かつ大量に焼却した事実及び焼却するよう指示した事実は確認しておりませんが、本年八月から九月の時期にヒアリングファイル等の四社事案関連資料を自己の執務室外に移転した事例等があったことは事実であります。これらの行為自体が背任事件の証拠隠滅に該当するかどうかについては、捜査当局の判断にまつべきところでありますが、不適切あるいは非難されてもやむを得ないものも含まれておりました。関係者のみならず、防衛庁といたしましても深く反省をしているところであります。
 最後に、再発防止策と国民の信頼回復について申し上げますと、昨年九月以降今日までの防衛庁の動きが国民の目にわかりにくくかつ不透明なものと映り、結果として国民の信頼を大きく損なう事態を招いたことは厳粛に受けとめなければなりません。
 私といたしましては、二十一世紀に向け、国民に信頼をされ、魅力ある防衛庁・自衛隊を確立するため、事件の徹底究明に努めるとともに、組織の現状を真摯に反省し、さらに今回の一連の事件の背景にまで踏み込んだ改善策を国民に示していかなければならないと考えております。
 具体的には、防衛装備品の調達制度をめぐる基本的課題についての抜本的な改善、自衛隊員の再就職のあり方に関する検討を鋭意行ってまいりますとともに、調本の組織につきましても、そのあり方の基本に立ち返って、解体をも視野に入れた徹底的な見直しを行う必要があると考えております。これら諸施策の推進に、みずから先頭に立って、職員の意識面を含めた防衛庁の出直し的改革を行い、国民の信頼を取り戻すことに全力を注いでまいりたいと考えております。
 最後に、国民の皆さん方の御理解を賜りますようお願い申し上げますとともに、御審議のほどを何とぞよろしくお願い申し上げます。
 以上で私の中間報告とさせていただきます。
#5
○委員長(河本英典君) それでは、これより外交、防衛等に関する調査について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○森山裕君 自由民主党の森山裕でございます。
 私は、ただいま防衛庁長官から説明のございました四社事案関連文書の管理実態に関する中間報告について、まず質問いたします。
 冒頭から私事にわたって恐縮でございますが、私は昭和二十年四月、太平洋戦争の末期に鹿児島県鹿屋市で生を受けました。
 御承知のとおり、鹿屋は当時特攻隊の基地がありました。お国のためならば、日本を守るためならば一身をなげうってもいいという若者たちが戦闘機で南の空を目指して飛び立っていき、二度と帰ってくることのない鹿屋の町に最後の別れを惜しむかのごとく二回、三回旋回をして機首を南へ向けていったと聞かされています。
 それから半世紀、今、鹿屋市には海上自衛隊の基地があり、市民の皆さんとの交流をしっかりと図りながら、日本の国を守るんだという気概を持った隊員の皆さんが日夜頑張っておられます。
 ところで、今回の一連のこの防衛庁の不祥事を彼らはどんな目で見ているのでしょうか。北朝鮮のミサイルについての対応が改めて我が国の危機管理能力に疑問を投げかけるとともに、危機感の欠如さえ指摘をされている防衛庁、それなのにさらにこの事件であります。背任容疑から証拠隠滅容疑、そして最近の報道によりますと贈収賄容疑へ発展をするのではないかとまで危惧をされています。
 全国各地で日夜防衛任務についている自衛隊員の皆さんにとって士気にかかわるゆゆしき事態であります。自衛隊員であることが大いなる誇りであったはずでありましたのに、現在は大変な後ろめたさを感じることになってしまっている昨今ではないのでしょうか。
 そこでまず初めに、防衛庁長官にお伺いをいたします。
 この一連の不祥事により九月三日、十四日、十月六日と三回にわたって家宅捜査を受け、そのうち十月六日は事務次官室まで捜査を受けるという異常事態を招きました。このことが自衛隊の隊員の士気にどのぐらい影響をしているとお考えでしょうか。また、防衛庁全体の業務運営に支障を来してはいないのか、お伺いをいたします。
 防衛庁への影響と同時に、さらに国民全体への影響が非常に大きいのではないかと思います。日本の防衛をこんな防衛庁に任せて果たしていいのだろうかという疑問は国民の間に生じていないでしょうか。自己防衛だけやっていて危機感の不足している自衛隊で、果たして不測の事態に対応できるのだろうかという不安も国民の中にはあるのではないでしょうか。北朝鮮のミサイルは、二十一世紀の日本の防衛のあり方を改めて問いかける警鐘だったはずであります。それが、今回のこの事件によってガイドラインの論議さえ始めることができないのは憂慮すべきことであります。
 国民への影響について、まず防衛庁長官の考え方をお聞かせいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(額賀福志郎君) 今、森山委員の見識ある御意見の御披露、そしてまた御質問に対しまして、私も重く受けとめながら聞かせていただきました。
 私も昭和十九年の生まれであります。戦後教育を受けて今日まで来ましたけれども、防衛庁長官になって二カ月半、そのうちの一カ月半は防衛庁、今森山委員が御指摘のとおり、背任事件いわゆる証拠隠滅の疑惑あるいはまた三度にわたる強制捜査等々によりまして、まことに激震に見舞われました。
 防衛庁というのは、そもそも国民の生命、財産を守り、国家の安全とそして平和な国民の生活を確保するのが本来の任務であります。背任事件とか証拠隠滅とか、こういうことがあってはならないわけでございます。その意味では国民の期待を裏切ったことになり、私は毎日毎日心を痛め、国民の皆さん方に申しわけないという気持ちでありました。
 背任事件につきましては、今後、東京地検が捜査、公判の中で真実を明らかにしていってくれるものと思いますが、いわゆる証拠隠滅の問題につきましては、防衛庁として自己の責任において自浄能力を示しながら事実関係を明らかにしていくことが国民の信頼をかち取る第一歩であるということで、今日まで一カ月間休日を返上して一生懸命努力をしてきて、今日の中間報告になったわけでございます。
 私は、防衛庁の幹部の何人かが強制捜査が入る直前に四社事案に絡む文書も含めて自宅に持ち帰ったりしましたことは、これは公務員としてあるまじき行為であり、国民の皆さん方に疑惑を招いたことは間違いがないということで、私も含めて防衛庁職員は一同みずからの問題として厳しく受けとめて、綱紀の粛正に努めていかなければならない、そこから我々の行動というのが始まらなければならないというふうに考えておるところでございます。
 私は、こういうことが二度と起こらないために幾つかの点を考えていかなければならないと思っております。
 先ほど申し上げましたように、まず足元をきちっと見詰めて綱紀の粛正を図っていくこと。森山委員がおっしゃるように、第一線の自衛隊員におきましては日夜猛訓練に励み、一方で国際的に、例えばゴラン高原などのようにPKOに参加し、あるいは国内的には大災害が起これば西や東に飛んでいって体を張って汗を流して国民に奉仕している姿を見れば、当然我々はそういう思いに至らなければならないというふうに思っているところであります。
 もう一つは、背任事件の発端となった調本システムに問題はあったのかなかったのか、これを徹底的に洗い出しをしなければならないというふうに思っております。それによって私は組織のあり方、運用の面等々を総点検して、調本の解体をも視野に入れた抜本的な改革を行って調達システムをオープンにしていく、透明なものにしていくことが大事であろうというふうに考えております。
 また、自衛隊員の再就職いわゆる防衛庁と天下り問題についても強い御批判をいただきました。
 自衛隊は、御存じのとおり、もともとその役目柄、体力、気力においてやはり精強さを維持していかなければならないという点で若年の定年制をとっておりまして、一般の公務員とは別の側面もあるということは国民の皆さん方にも御理解を得なければならないと思っておりますが、自衛隊員だから役所の権威を振りかざして再就職を確保するのは当たり前だということを言っていても、これもまた同じように国民の理解を得ることができないものと思っております。
 そういうことを考えると、若いときに国家、国民のために奉仕していく、定年になったら後は自分のことは自分で考えなさいというふうなことでは国を守ろうとする若い人たちが自衛隊に参加するような状況ではなくなってしまう、国家存立の基盤が崩れてしまう、そういうことを考えると、原点に返ってこれは我々が本気になって議論をして新しい自衛隊員の基盤づくりをしていかなければならないのではないか。
 昨日、有識者を交えまして自衛隊員の再就職についての検討委員会をつくらせていただきました。私もそういう原点に返って自衛隊のあり方を、二十一世紀、少子社会においても安定的な基盤ができるように考えていくのが我々の役目ではないかというふうに考えているところでございます。
 先ほど、いろいろ支障があるのではないかという御指摘もありましたけれども、時々刻々防衛庁をめぐるさまざまな動きは続いているわけでございまして、それぞれの分野におきまして全力投球で任務を遂行して、日本の国の安全の作業をいっときも揺るがすことのないような形で一生懸命頑張っていることを御報告させていただきたいと思っております。
 政策的な意味で、ガイドラインの審議を今国会中に実質的に入らせていただきたいように全力を傾けてまいりましたが、これは各先生方に、できるだけ審議入りをしてもらうように、そして成立、承認をしていただくように、心から改めてお願いを申し上げる次第であります。
#8
○森山裕君 それでは中間報告について伺ってまいりますが、土曜、日曜返上で真摯な努力をしてこられたことにまず敬意を表します。
 昨日、中間報告がなされたところでありますが、改めてその概要をまずお示しいただきたいと思います。
 また、この調査委員会というのは、最終的にどのようなメンバーで構成をされたものなのか、またどのような方法で調査が行われたものなのか、お示しをいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(額賀福志郎君) 先ほど中間報告という形で御説明をさせていただいたわけでありますけれども、かいつまんで申し上げさせていただきますと、調査委員会におけるこれまでの調査では、四社事案関連資料を組織的かつ大量に焼却したとの点や焼却するよう指示したとの点についてはまだ確認できていないわけでございますけれども、本年八、九月の時期に、いわゆるヒアリングファイル、事案処理経過表、評価書、その他日常業務関係資料等を自己の執務室外に移転した事例があったことが判明しているわけであります。
 これらの行為自体が元調本幹部ほかの背任事件の証拠隠滅に当たるかどうかについては検察当局の判断にまつべきところがあるわけでありますが、私どもといたしましては、防衛庁職員としては捜査直前においてやはり文書を自宅等に持ち帰るということは許されないことであり、深くみずからの問題として厳しく受けとめているところであります。
 今後とも、先ほど申し上げましたように、こういうことが二度と起こらないように私どもは諸対策を実施してまいりたいというふうに思っております。
 調査委員会のメンバーは、事務次官を委員長、防衛庁参事官を副委員長とし、その他防衛審議官一名、課長四名の委員からなされておりまして、どういう調査をしてきたかと申しますと、職員約二百名余りの方々から聞き取り調査を行ったほか、職員へのアンケート調査あるいは企業への照会等々を行いながら事実関係の掌握に努めてきたところであります。
#10
○森山裕君 中間報告によりますと「他機関への資料の移転」ということがありますけれども、国民の目から見ますと非常に不自然に思えてならないと思うのであります。「かつて勤務したことのある海上幕僚監部の建物内に移転した例があった。」と報告されておりますけれども、たとえ以前の勤務部署でありましても、勝手に持っていき、それを受け入れてもらえるのかなというふうに思いますが、そこには何らかの事前連絡をとり合っていたのではないかというふうに考えられますし、そのことがあるいはまた防衛庁ぐるみということにもつながっていく事象なのではないかというふうにも思うところでありますが、このことについて、実際はどうだったのか、お示しをいただきたいと思います。
#11
○政府委員(伊藤康成君) ただいま先生御指摘のとおり、海上幕僚監部の事務室に一部の資料を移転した者がおります。これは調達実施本部の課長補佐クラスの職員でございます。
 移転しました資料は日本航空電子関係の資料でございまして、いわゆる四社事案とは直接関係のないもの、そこに一部、いわゆる経過表でございますか、というものも一緒に入れておったようでございますが、そういうものを移転したわけでございます。それは小型の段ボール二箱ぐらいというふうに聞いておりまして、本人が直前まで勤務しておりました海上幕僚監部の課に持っていったというふうに聞いております。
 それでは、事前に何かいろいろやっていたのではないかという御指摘でございますが、もとの部下がいたわけでございまして、そういう意味では本人としては大変気楽な気持ちで持っていったんではないかと思います。必ずしも事前に綿密な打ち合わせをしてやったというような報告は受けておりません。
#12
○森山裕君 次に、「総括」において、ヒアリングファイル、事案処理経過表等々を自己の執務室外に移転した事例があったということでありますが、この行為は「不適切あるいは非難されてもやむを得ない」というふうに報告をなされておりますけれども、どう不適切だったとお考えになっておられるのか、また、やむを得ないとはどういうことを意味するのか、少し詳しく御説明をいただきたいと思います。
#13
○国務大臣(額賀福志郎君) これは、一つは、いろんな状況の中から結果的に強制捜査直前に四社事案の関連文書を含む文書類について自宅に持ち帰ったりあるいは部下の家等に保管をしたりしていたということは、そもそもやはり国民の疑惑を招くもとになったことであり、また、一般常識的に言えば、公務員としては当然そういうことが行われてはいけないことと判断すべきであり、その意味で私といたしましては、いかなる批判、非難は浴びても免れることができないというふうに感じているところであります。
 したがって、このことが証拠隠滅に当たるかどうかについては東京地検の判断を待つよりほかはありませんけれども、私としては、さらに事実関係をきちっとした上で、厳正な処分をしてけじめをつけなければならないというふうに思っているということでございます。
#14
○森山裕君 今回の事件につきましてマスコミ各社はさまざまな角度から論評しています。しかし、共通している点は、民間においてほとんど使われることのない装備品、あるいは市場価格が存在しないとはいえ契約の大部分が随意契約にある点、このことが一連の事件を生み出した原因であると指摘をしています。市場価格がない上に原価計算方式という独特の手法が事件の引き金になったと論じています。
 国民の多くがうなずける指摘ではないかなというふうに考えますが、そもそも調達実施本部は防衛庁創設時に発足した組織であり、職員数は約千名と伺っておりますけれども、今回の調査では職員の五分の一の二百人もの多くの人が調査の対象になっています。このような大がかりな調査にまで発展をした要因は随意契約制度とどのような関係があると考えておられるのか、見解を伺いたいと思います。
 さらに、これに関連をして、日本経済新聞の十月十一日の社説は、「日本の防衛産業に未来はあるか」というテーマでした。結論としては、「官民癒着の核心は、年間一兆三千億円に上る装備品調達の八五%を占める随意契約だ。」と断定をしています。そしてまた、再発防止策としては、「防衛調達を聖域視せず透明性と競争政策を導入すること。」とし、「一つは防衛産業の経費率、利益率の公開。もう一つは随意契約を撤廃し強制的に競争入札する。」としています。
 なるほどとうなずかれる国民も多かったのではないかと思いますが、このことについての長官の見解を伺います。
#15
○国務大臣(額賀福志郎君) 森山委員御指摘のとおり、随意契約は、件数にして半分近く、金額にして八五%に上ると聞いておりますから、森山委員のおっしゃるとおりでございます。
 今までの流れからすれば、航空機製造事業法、武器等製造法の法令の適用を受けるため、製造業者が特定をされていく、あるいはまたライセンス生産をしていくことについては外国企業との技術援助契約を結んでいくためにこれも製造業者が特定をされていくという特殊な要因が絡んでいるものと思っております。
 しかし、御指摘のように、これまでのような流れでいいのかどうかについてやはり私は総点検をしてみる必要があるのではないか。原価計算のあり方、あるいは技術研究の段階からその装備をどういうふうにつくり上げていくのかということを展開していくわけでありますけれども、その手法はどうなのか、原点に返って私は考えてみる必要があると。これは海外ではどうなっているのか、どこの国でも冷戦後の今、言ってみれば予算を削減していく中で調達をどういうシステムにしているのか、あるいはまた装備をどういうふうに改善していっているのか等々について、総体的に研究をしていく必要があるというふうに思っております。そのためにも防衛調達制度調査検討会をつくらせて今いろいろと勉強し、私自身もそれに参画して議論をしてまいり、早急にできるものから結論を出してこの防衛調達システムの透明化を図ってまいりたい、あるいはまた効率化を図ってまいりたいというふうに思っているところであります。
 調達実施本部自体におきましても、先ほども申し上げましたように、組織のあり方、運用のあり方については点検をすべきであるというふうに思っております一その相互チェック性が本当に機能しているのかしていないのか。私は機能していないんじゃないかという感じを持っておりますので、きっちりとこれは点検して直していく必要があるというふうに思っているところでございます。
 それから、日経新聞でいろいろと御指摘をしているということでございますけれども、こういう企業の原価計算のあり方、あるいは経費率の算定の仕方、防衛庁としての予定価格の積算の仕方等々についても、やはり私は原点に返って適正なものが適正に処理されることに資するシステムをつくっていかなければならないというふうに考えているところであります。もちろんその過程で、随意契約以外のものについては仕様書だとかあるいはまた供給総数、競争原理等を導入しながら考えていくのも当然だろうというふうに思っているところであります。
#16
○森山裕君 防衛庁長官、私は一連の不祥事をできるだけ早く解決して、本来の防衛庁長官としての任務であるガイドラインを初めとする日本の防衛問題に専念すべきであるというふうに考えております。
 そのことについて、まず決意をお聞かせいただきたいと思います。特に、この調査委員会の最終報告をいつごろ予定しておられるのか、あわせて伺いまして、私の質問を終わります。
#17
○国務大臣(額賀福志郎君) この内部調査委員会については約一カ月で中間報告をさせていただいたわけでありますけれども、引き続いて調査、確認作業をしなければならないというふうに思っておりまして、できるだけ早く結論を出していきたいと思っておりますけれども、なお時間をかしていただきたいというふうに思っているところであります。
 そして、その上できっちりと厳正な処置をして、国民の皆さん方にまた改革の方向性を示しながら御理解をいただいて、森山委員御指摘のとおり、本来私どもが取り組むべきこれからの日本の安全保障はどうあるべきなのか、二十一世紀の安全保障はどうあるべきなのかを考える政策官庁としての防衛庁本来の仕事に戻っていくことが好ましいというふうに思っているところであります。
#18
○柳田稔君 ほとんど中心的に長官に質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 長官、この委員会で、当時の会期末は七日でした、出すとおっしゃいましたけれども、なぜきのうまでおくれたのか、まずその理由をお聞かせください。
#19
○国務大臣(額賀福志郎君) まず、各先生方からいつ中間報告を出すのかということについて、私といたしましてはできるだけ早くやらせていただきたいと。こういう公の席で言ったわけではありませんけれども、個人的にはできるだけ早くやりたい、その点についてできるならば国会中に中間報告をさせていただいて先生方に御議論をいただくのが適切であろうというふうに思っていたのは事実なのでございます。
 しかしながら、二百人余りの聞き取り調査をし、それをそのまま二百人の方がこう言っているということを羅列するだけでは中間報告にはならないので、それぞれの裏づけをしたり、あるいは連関性のあるものは連関性のあるものとしてきちっと整理をさせていただいたり、また一方で、国会報告でありますからできるだけ正しさも求められるということもありまして、会期延長の中のこの時点になってしまったということでございます。
 ただ、我々は、先ほども言いましたように、職員には休日も返上して作業に当たらせたと。しかも、当時資料を地検に持っていかれたりとか、あるいはまた、地検からいろいろな調査も受けている中でこういう内部調査が行われたということもありますので、ぜひ御理解をいただければありがたいというふうに思っております。
#20
○柳田稔君 できるだけ早くとかそういう非常に抽象的な言葉が多いのでありますけれども、長官、今、日本が置かれた状況というのをどれほど認識されているのか、私は疑わしいと思って聞いていたんです。
 額賀長官になられた後に戦後初めてミサイルが日本の上空を飛んだんですよ。そういう危機的状況にあるという認識は長官にはないんですか。そのために長官はアメリカに行かれて2プラス2、TMDについても言及されました。そういう中で、来年からその研究の予算をつけようとおっしゃるんでしょう。それなのに、できるだけ早くこういうことをやっています、調査をしましておくれましたと。もう既に防衛庁としては内部でそれなりの結論を出しておいて、もう十月の中旬ですよ、そして来年度の予算についても、先ほど森山先生からもありましたけれども、ガイドラインについてもやらなきゃならないときではないんですか。
 個人的にできるだけ早くとか、努力をしますとか、そういう言葉はどれだけ使っても結構ですけれども、日本の置かれた現状とかミサイルが飛んできた事実ということをどう考えていらっしゃるのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
#21
○国務大臣(額賀福志郎君) 今、柳田委員御指摘のとおり、北朝鮮からの弾道ミサイルが我が国の上空を飛び越えて太平洋上に着弾をしたという事態については、戦後最大の危機的状況であったというふうに受けとめております。
 したがって、私どもは、従来弾道ミサイルの拡散あるいは大量殺りく兵器の拡散について、今後我が国の安全をどう確保していくかについて大きな関心を持って防衛政策上の課題として取り組んできたところであります。
 当然、現実にミサイルが飛んでくるような事態に直面したことでありますから、これの対応策として、従来日米間で総体的、総合的な研究を重ねてきたことに、さらに私どもは共国技術研究を進展させていく、そういう作業を政府内で進めていくことをこの前の日米の2プラス2で合意したわけであります。当然、私もその目的意識、危機感を持ってこれに取り組んでいるわけであります。
 一方で、ガイドラインも我が国の安全を確保するために是が非でも日米間で取り組んでいかなければならないというふうに思っておりまして、できるだけ早く国会で御審議をいただきたいという思いを持っておることは何回も言っていることでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
#22
○柳田稔君 御答弁、お言葉を聞いていますと、我々も考えは一緒なんですけれども、ただそれにしても、今防衛庁内部で起きておるこの背任事件についての処理の仕方が余りにも遅過ぎる。最初に聞いていましたら、長官は九月末までに出したいということを記者会見で言われた。そして、当委員会でも、十月七日ですね当時の会期末は、出したい、努力しますとおっしゃった。だから長官は、今言ったいろんな事態を考えながら早急に決着をつけて、今しなきゃならないことをするんだというふうに私はとっておった。
 ところが、七日になっても出てこない、中間報告が。そういうことで、こういう長官のもとでは我々は委員会を開けない、法律の審議もこれではできないじゃないか、お約束もお守りにならない。今の日本の現状もそれほど重要に、関心と先ほどおっしゃいましたけれども、関心じゃなくてやらなきゃならないことなんですからね。
 そういう長官のもとでは審議はできないじゃないかということで、当委員会として強く防衛庁に申し上げたんです、中間報告を出しなさいと。それで初めて出てきたんです。長官がみずからいろんな指示はなされたかと思いますけれども、きのう長官の意思で出したという以上に、この委員会が防衛庁に対して強く言って初めて出てきたわけです。とすると、今、長官はいろいろ述べられましたけれども、どれほど重大なことだと思っていらっしゃるのか僕にはよくわからない。
 来月、クリントンさんもいらっしゃるんですね、そう新聞に書いてありました。もう年内には臨時国会も開かれないと自民党の幹事長も言っているようです。そうすると、ガイドラインというのは一体いつやるんですか。通常国会が開かれますと予算ですよ、長官。そうすると、ガイドラインの審議が始まるのは、予算明けといったら四月ですか、参議院を通過するのは五月か六月ですか。そんなことで日米関係というのは良好に保たれるんですか。
 ミサイルが飛んできたという事実に対して、日本として、防衛庁として対応ができるんですか。どうですか、長官。
#23
○国務大臣(額賀福志郎君) 私どもといたしましては、今、柳田委員が御指摘のとおり、まず内部的な問題についてもできるだけ早くきちっとしたけじめをつけたい、そのために一生懸命努力をしてきている。と同時に、おっしゃるように、ミサイル対策あるいはまたガイドラインの審議をしていただくということに全力投球で国会の各党の皆さん方にお願いをしてきた経緯があります。
 私といたしましては、これは同時並行的でありますけれども、この事実関係を明らかにし、そして今後の展望を示すと同時に、政策的な課題についても国会できっちりと審議をしていただくように、今後も積極的に働きかけていきたいというふうに思っているところであります。
#24
○柳田稔君 じゃ、具体的に聞きますけれども、このままいきますとガイドラインが国会を通過するのは来年の五月になりますね。それで日米関係というのは保たれるんですか、長官。
#25
○国務大臣(額賀福志郎君) 日本と米国との関係、安全保障条約を中心とする日本のあるいは日本を取り巻く環境の安全を考えていく上にあって、やはり戦後の日米関係というものは最も大事な関係であり、そしてまた信頼関係は揺るぎがないものと思っております。
 我々は、やるべきことをきっちりとやっていくことがこの信頼関係をさらに強固なものにすると思っておりまして、そのためにも柳田委員御指摘のとおり、ガイドラインとかミサイル関係の防護策についてもいろいろと対応策をつくっていかなければならないということについて率直に語り合っていき、また実現に向けて我々も最善の努力をしなければならないというふうに思っております。
#26
○柳田稔君 長官は評論家でもなければ新聞記者でもないんです。やらなきゃならない立場なんです。私が聞いているのは、来年の五月にガイドラインが国会を通過してもいいんですか、そんな状況でと。
 あのミサイルが飛んできたときに、日本に来た情報は大分おくれました。そんな中にあってガイドラインは、アメリカからも大変強く言われていますし、日本としてもやらなきゃならない。このガイドラインというのは、数カ月前にかかったならいいですよ、国会に。もう大分前ですよ。それが来年の五月ですよ、長官。今、長官はできるだけ早くきっちりやらなきゃならないとおっしゃったけれども、きっちりやっていないから困るんじゃないですか、長官。どうですか。
#27
○国務大臣(額賀福志郎君) 先般の2プラス2におきましても、弾道ミサイルについての対応策等々についてお互いに共通の認識を持ち、そしてまた、BMDについても共国技術研究を進める方向で作業をしていくということを表明させていただき、そして日米関係の言ってみればきずなの強さを確認したわけでございます。
 その上に立って、今おっしゃられるようなガイドライン等について政策的にきっちりと実現していかなければならないという使命感は持っているわけでありますが、国会の御審議に負うところもあるわけでございますから、我々は全力を傾けて働きかけていきたいと思いますので、何とぞ先生方の御理解をぜひ得たいと思っております。
#28
○柳田稔君 理解もしていますし、やるつもりでもあるんです。
 ただ、今回の背任事件の一連の防衛庁内部の調査についても、長官がおっしゃったことが三回延びたわけですね、公の場とか記者会見とか全部含めて。九月末、十月七日、そして当委員会が強い意思で防衛庁に出しなさいと言ったから初めてきのう出てきたんです。そういうことを考えたときに、長官が今おっしゃったこととこの事実と、どう考えればいいんですか。防衛庁内部のことは防衛庁内部のことなんです。ガイドラインにしろミサイル問題にしろ、これは国民の生命と財産を守ることなんです、長官。違いませんか、長官。防衛庁も関心事ですよ、背任事件は。でも、国民にとって生命や財産を守ってもらわなくちゃ、それがどんどん後回しになって済むと思いますか、長官。
#29
○国務大臣(額賀福志郎君) 柳田委員、九月末までにというのは私、公の場では言っていないので…
#30
○柳田稔君 記者会見でおっしゃいましたね。
#31
○国務大臣(額賀福志郎君) 記者会見ではなくて、何人かの人がいるときに、個人的には九月中にできるといいねという話をした経緯はあったと思います。
 それはそれとして、私としては、これは柳田委員御指摘のとおり、この背任事件に絡んだ問題についても我々は事実関係を明らかにして信頼関係を取り戻すことも大事であるし、と同時に、おっしゃるようにガイドライン、そしてまた我が国の安全保障の基本をきっちりとしていくということも最も重大なことである、本来の仕事であるというふうに認識しております。同時並行的に進めなければならないというふうに思っているところであります。
#32
○柳田稔君 前回もそうでしたけれども、長官に質問しますといつも平行線なんで、長官、本当に来年の五月か六月のガイドラインの国会通過でいいんですか。
 日米関係から考えて、そしてミサイルが飛んできて、これは戦後初めて飛んできたんですから、何回も飛んできたことではないんですよ。危機的状況ですよ、日本の防衛上は。その予算もつけなきゃならない、TMDですか、それと同時にガイドラインもやらなきゃならない。これは半年もほったらかしていい問題じゃないですよ、正直言って、どう考えても。国民にとって生命や財産を守ってもらうために防衛庁があるわけだし、しかしそれが先延ばしになって内部の不祥事の問題の結論、中間報告ですけれども、これも防衛庁自体として出せなかった。あしたで会期末です、もう延長ないそうですから。
 長官、考えていただきたいんですよ。防衛庁の背任事件は防衛庁内部のことなんです。自浄能力を示すのは当たり前のことなんです。なのに、ミサイルが飛んできた、いつ何が起こるかわからない状況になった、守るべきガイドラインはたなざらしへその事態を長官としてどう考えて、自分としてどれぐらいのことをやったのか、私はちょっと疑問視せざるを得ないなと思うんです。私の認識は間違っていますか、長官。
#33
○国務大臣(額賀福志郎君) 柳田委員の御指摘のとおり、我々の本来の仕事はそういう安全保障に関する政策問題をきっちりと押し上げていくことであるというふうに思っております。
 国会にガイドライン法案が上程されているわけでございますから、この審議方をお願いし、一日も早く成立、承認していただくことが当面の課題であり、また我が国の安全保障にとっても不可欠の問題であるというふうに認識していることは柳田委員と同じであります。その意味におきまして、できるだけ早くこの法案の審議が行われることを強く望むものであり、私どもも与党の皆さんや各党の方々に御理解を得るように努力をしてきたつもりであります。
#34
○柳田稔君 長官、努力をしたということであれば、今日までの結果が出ていないといけませんよね。中間報告をできるだけ早く出して、内部として体制を立て直すということを早くやらなきゃなりませんよね。一部の人が集まって、いや私個人としては九月三十日までですとおっしゃった。長官は個人であると同時に長官なんですから。そして当委員会でも十月七日とおっしゃったんだし。それがきのうでしょう。それも、当委員会が強く要求して提出したということは、何も考えていませんというのは非常に失礼かもしれませんけれども、実績、結果が出ていないということですよ、私が言いたいのは。
 当委員会でも今回の問題について、ずっといろいろ長官の答弁を聞きましたけれども、やってくれればいいのにどんどん先延ばし、やっと出てきた、でもこれも中間報告というよりは中間報告的なものですね。文言を見てみますと、こうであったとかじゃなくて、確認できていないとか、これはもうしょうがないと思いますよ。でも、今の日本の状況を考えたときに、もう最終報告が出て、これぐらいのことはやりますというところまでしておいていただかないといけないのじゃないかなと私は強く思います。
 もう時間ですからやめますけれども、長官、国民の生命や財産を守ってもらうことは憲法に書いてあるんですから、防衛庁の不祥事は防衛庁の内部のことです、関心は引いていますけれども。一番大事なことを忘れないでやってほしい。
 以上です。
#35
○齋藤勁君 たびたび私は調本問題を質疑してまいりまして、中間報告が出たということできようは柳田理事に今日時点での長官の考え方をたださせていただきました。それ以外の問題についてやるつもりでございましたけれども、一点だけ長官にお尋ねします。
 この中間報告が出された時点で、今防衛庁長官みずから自分自身の進退について、みずからけじめをつけていくという考え方には立っていないんですか、お尋ねします。
#36
○国務大臣(額賀福志郎君) 私は、この中間報告を出させていただいておりますけれども、引き続いて調査をし、事実関係を明らかにした上で厳正な処置をしてけじめをつけるというふうに申し上げさせていただきました。
 その場合に、私といたしましては、中間報告においても、国民の皆さん方に疑惑を招くようなことがあったので、私を含めて、これはよそのこと、ほかのこととして受け取るのではなくて、みずからの問題として受けとめて、そして反省をし、綱紀粛正を図っていかなければならない。その上で、再びこういうことが起こることがないようにしていく必要がある、そういうことを国民の前に提示していくことが私の責任であるし、そのために身を捨てて頑張るということを申し上げさせていただいたわけであります。
#37
○齋藤勁君 持ち時間がたっぷりあるときにやりたいんですけれども、ないので、答弁はいいです。
 きょうの報告の中でいろいろ疑義の点がたくさんあるんですけれども、中間報告ですら、五番に「四社事案関連資料の処分を行ったとの聞き取り結果は得られておりません。」と、ここじゃない、失礼しました。七番に「ヒアリング・ファイル等の四社事案関連資料を自己の執務室外に移転した事例等があったことは事実であります。」ということで、これは以下、「捜査当局の判断に待つべきところであります」と、こういうことも事実を認めているわけですから、あとは組織ぐるみかどうか、幹部の指示があったかどうかというのは解明する部分はあるでしょうけれども、現実にこうやって調査をしてはっきりわかったんだったら、その時点で少なくとも私は、厳正な処分とか処置とか言われていますが、防衛庁としてのけじめをつけるべきだというふうに申し上げ、そして長官自身の進退についてもみずから言及すべきだということについて指摘をさせていただきたいと思います。
 さて、私、米軍横須賀基地の十二号バースの周辺の汚染問題について若干の質疑をさせていただきたいと思います。
 さきに、この横須賀基地の十二号バースの周辺汚染問題では、米軍でも独自に調査をされ、今回、ことし日本側でも調査をされまして、汚染が水銀、鉛、あるいは砒素も検出され、大変県民にとってショッキングな情報でございました。
 きょうは施設庁長官お見えでございます。そこで、汚染処理対策の現状、このことについてお伺いしたいのと、この対策工事が終了するまではバースの延伸工事は着工しないということについて、お伺いしたいと思います。
#38
○政府委員(萩次郎君) 今、先生御指摘のように、横須賀米海軍施設十二号バース、これは旧軍時代から極めて長い期間使用されてまいりました。先生がおっしゃいましたように、先般、しばらく前でございますが、米側の調査で土壌汚染されているということが明らかになりまして、そのときは米側の措置によって汚染土壌の封じ込めを行ったわけであります。今般、この十二号バースを改修する必要があるということで、もう一度防衛施設庁側で全域にわたって詳細な環境汚染調査を行いました。その結果、ほとんどすべての地域から有害物質が検出されたということでございます。先般、地元にもその汚染状況調査の結果を公表させていただいております。
 それで、私どもはとにかくこの汚染土壌を処理するということがまず第一だろうということで、当初は本年度から十二号バースの改修を行う予定にしておりましたけれども、その前に汚染土壌処理をしたいということで、ことし、来年、再来年、三カ年をかけてまず汚染土壌処理をさせていただきたいということで、今年度、既にその汚染地域の周りを綱矢板あるいはコンクリート壁で土壌あるいは汚染された水が漏出しないような措置を至急に始めようということで工事の措置を進め始めております。三年ほど汚染処理工事が続きますので、バースの延伸工事はその後という予定にしてございます。
#39
○齋藤勁君 現時点では、汚染防止対策の工事等について、どういう段階ですか。
#40
○政府委員(萩次郎君) 今ちょっと申し述べましたが、まず汚染された地域を全部封じ込めるということで、陸上部分については矢板、これを打ち込んで他の部分と隔離をする、それから水に面した部分についてはコンクリート壁、これを設置して汚染された土壌の流出を防ぐという工事について、既に入札を終わりましたので、近々実際の工事にかかりたいというふうに考えております。
#41
○齋藤勁君 米側の調査でも日本側の調査でもこの原因がはっきりと特定されていません。今後、日本側としては、この原因について徹底的に明らかにしていくという姿勢と、その調査をしていくのかどうか、御答弁いただきたいと思います。
#42
○政府委員(萩次郎君) 私どもも原因がわかればということで種々調査をしたわけであります。米側においても過去に調査をして原因追求できないかということをやったわけでありますが、先ほどもちょっと申しましたように、この施設は旧軍、旧帝国海軍以来、大変長期にわたって使用をしているところでございまして、現在の私どもの考え方では、原因の特定というのはほぼ不可能ではないかというふうに考えております。
#43
○齋藤勁君 汚染物質が検出されて、それがどこから出されたのかというような、物質の対象によって、完全な究明は別にしても、どこから出てきたんだということについては明らかになるのではないかというふうに思います。したがって、徹底的に私は原因の究明を求めたいと思います。
 ここは、確かに旧海軍でございますけれども、長く米側が基地として使用しているわけでありまして、今回アメリカに費用負担を、そうすると、原因がわからないので費用分担についてはアメリカ側と全く話し合いをしてこなかったのか、今もしていないのか、今後もしようとしないのか、それらの考え方について明らかにしていただきたいと思います。
#44
○政府委員(萩次郎君) これは、最初に見つかった時点で米側の方で一たん処理をしたものであります。その後、日米合同委員会で今後どうするかという話し合いをしてきたわけでありますが、その中で、今後同地の施設整備が行われるときに抜本的に処理しようではないかということになってまいりました。
 それで、この十二号バース、大変老朽化をして、長さも足りないということで、今般、施設整備の一環ということで工事をやろう、その工事に先立ってもう一度全般的に汚染調査をやろうということで、その結果、全域的に汚染されているということが確認されたわけであります。
 ということで、私どもとしては、施設整備の一環ということで処理をしていきたいというふうに考えております。
#45
○齋藤勁君 今回の調査の中で、砒素が検出をされています。砒素はこの検出の分析の中では自然界から出てきたものではないかという、そんな指摘もありますが、仮に自然界だとしたら、今後確かにバースの延長工事が三年延びたとしても、海上に約三百本のくいを打ち込む予定があると思います。そうすると、三百本のくいを海中に打ち込むと当然岩盤にも入っていくわけでありまして、自然界にある砒素も海中に飛散をするということになるので、単純に汚染防止策をやってその後延伸工事を行うんだというのではなくて、徹底究明をするということがまず私は大事だというふうに思います。
 そういった県民への不安ということをやはりきちんと解消するということが政府の仕事であろうかというふうに思いますが、最後にそのことをお尋ねして、私の質問を終わりたいと思います。
#46
○政府委員(萩次郎君) 砒素の検出データでございますが、分析資料の含有量は平均して四から六ミリグラム、これは一キログラムに対する量でございますが、環境庁指針の含有量参考値、これは一キログラム当たり五十ミリグラムでございますが、これは超過をしていないということでございます。平均して、比較的一定しているということでございます。
 ここの地域は、専門家に言わせますと、三浦泥岩層というところで、自然界の砒素というものが含まれているということでございます。
 先生お尋ねのように、今後、三年後になりますか、海上にくいを打つ場合に飛散するのではないかというお話がございますが、私ども現在この汚染物質の処理を行いつつありますが、今後も定期的にモニタリングをいたしましてよく調べ、もし飛散するおそれがあればその防護策をとってまいりたいというふうに思っております。
 現在までのところ海中の調査、これもいたしましたが、陸上は汚染されておりますが、海中はそのようなデータが出ておりません。
 ただ、今後、作業をするときには、その辺、モニタリングをしながら十分注意をしてやってまいりたい、もし何らかの数値が出るようなことがあった場合には直ちに防護策を行いたい、このように考えております。
#47
○高野博師君 それでは、防衛庁の背任事件についてお伺いいたします。
 中間報告書を一見しまして、予想どおり何ら注目すべきところのない、問題の本質に迫るどころか、矛盾と疑問の多い無意味かつ無責任な中間報告であるというのが私の印象であります。
 具体的に何点かお伺いいたします。組織的に大量に焼却した事実は確認されていないということを中間報告の中で言っているのでありますが、昨年の九月から十月の時期に「ダンボール箱五十箱程度の文書を焼却した。」ということが書いてあるんですが、この五十箱の中には四社事案関係資料は入っていなかったんでしょうか、簡潔に答えてください。
#48
○政府委員(伊藤康成君) 昨年の秋の五十箱ぐらいと申しますのは、調達実施本部の東京支部が現在の六本木地区から十条地区に移転することに伴いまして発生したものでございます。そして、東京支部と申しますのは検査関係が主たるところでございまして、例えばそこで焼却した資料と申しますのは、保存期間の経過いたしました原価監査報告書ですとか検査調書等というふうに承知をしております。
 現在までの中で四社関連資料が含まれていたということは確認はできておらないわけでございますが、引き続きなお聞き取りは続けたいと存じております。
#49
○高野博師君 燃やしちゃったわけですからどうやって確認できるんでしょうか、それが入っていたか入っていなかったかということは。コピーでも持っているんでしょうか。
#50
○政府委員(伊藤康成君) 先生がおっしゃるとおりでございまして、燃やしてしまったものをもう一度見るわけにはまいりませんが、当時の担当者等からの聞き取りをさらに続けてみたいと思っております。現在までのところはそういうふうな報告は受けていないというところでございます。
#51
○高野博師君 非常にいいかげんな話だと思うんですが、この焼却した五十箱の中に公文書は入っていなかったんでしょうか。
#52
○政府委員(伊藤康成君) 公文書というのは定義の問題もあろうと存じますが、先ほど申しましたように、例えば検査調書等で期限切れのものというものは当然入っておるわけでございます。
#53
○高野博師君 防衛庁は通常の保管期限を過ぎた書類の焼却は毎年四月から五月にやっている、こう言っているんですが、これは九月から十月にかけてやっているわけです。これは通常の焼却と違うわけですね。もしこの中に公文書が入っていたとすれば、これは刑法にひっかかるんじゃないでしょうか、公文書毀棄罪に当たるんじゃないでしょうか、どうですか、簡潔に答えてください。
#54
○政府委員(伊藤康成君) 確かにこの時期はふだんとは違う時期でございますが、先ほど申し上げましたように、引っ越しという事情がありまして多くの書類の整理をしたということでございます。
 それから、公文書は当然保存期間のないものであれば問題でございますけれども、それぞれの公文書には保存期間が定められておるわけでございますので、その過ぎたものについては当然処分をするということはあるわけでございます。
#55
○高野博師君 そこが非常に私は疑問が残ると思います。
 それでは、一部の職員が上司の指示を受けて藤倉航装関連の資料を焼却したということもここに書いてありますが、一部の職員、何名か知りませんが、上司の指示を受けて焼却したということはこれは組織的な行為じゃないんでしょうか。
#56
○政府委員(伊藤康成君) ここで御報告申し上げましたのは、上司から書類を整理整とんするよう指示を受けたというふうに書いてございまして、焼却そのものの指示を受けたというわけではございません。ただ、その話を聞きました本人が、いわば全体の整理の中で藤倉航装のそういった報告書等につきまして自分でこれは要らないものだろうと判断して処分をしてしまったということでございます。
#57
○高野博師君 判断したとあります。ここには、前任者から引き継いだ藤倉航装関連の資料を内容を確認しないまま焼却した、そういう聞き取りがあるというんですが、内容を確認しないまま焼却したとすればこれはまた公文書投棄罪にも当たるおそれがあるし、どういう中身だったのか。これは非常に重要な話だと思うんですが、どうでしょうか。
#58
○政府委員(伊藤康成君) まさにその内容を確認しないままで焼却したようでございまして、そこは確かに今どういうものが入っていたかと言われますと非常にわかりにくいところがございます。ただ、引き継いだ前任者がおるわけでございまして、その者から聞いてみますと、それほど、当時の四社事案に関する経費の計算等のものではなかったというふうに聞いております。これは当然
#59
○高野博師君 簡潔に答えてください。
#60
○政府委員(伊藤康成君) 当然その中身が問題でございますので、なおこれから調査を続けたいというふうには思っております。
#61
○高野博師君 焼却しちゃったものをどうやって調査を続けられるのかどうか私はよくわかりません。
 そこで、藤倉航装については上野容疑者がゴルフ会員権の提供を受けたとかあるいは接待を受けたという報道がありますが、そういう事実関係についても調べたんでしょうか。
#62
○政府委員(伊藤康成君) 今回の調査はまさに証拠隠し疑惑ということを中心にいたしておりますので、今先生おっしゃられましたようなことまでについてはまだ調査をしておりません。
#63
○高野博師君 ですから、今回の中間報告のこの調査というのは非常に矮小化した形、四社事案関係だけをやろうと。それが組織的に大量に焼却したんではないというそれだけの結論を得るためにやっているような感じが私はするんですが、これは非常に問題があると思います。
 そこで、書類の件に関しては知人の執務室に持っていったとか、あるいは部下の実家へ移転したとか、あるいは部下の自宅とか、常識で考えれば通常考えられない。勉強するために部下の自宅とか実家に置くなんということは考えられない。これはもう明らかに証拠隠滅の行為ととるのが私は自然だと思うんですが、この報告書の中には、「押収を避けたいとの意識も働いていたものと思われる。」と、こういう非常に甘過ぎる見方をしているのでありますが、長官はどうお考えでしょうか。
#64
○国務大臣(額賀福志郎君) 高野委員御指摘のとおり、これが結果的に強制捜査直前にそういう行為がなされたということは国民の疑惑を招いたことになっておりまして、私どもといたしましては、公務員としてあるまじき行為であるというふうに思っております。
 したがって、この問題については、これがいわゆる証拠隠滅に当たるかどうかについては東京地検の判断がなされるものと思っておりますけれども、私どもといたしましては、さらにきちっと整理をした上で、厳正な処分をしてけじめをつけたいというふうに思っております。
#65
○高野博師君 この移転された書類の中に想定問答集が入っているということでありますが、この想定問答集というのは何を想定してだれが答弁するためのものだったんでしょうか。
#66
○政府委員(伊藤康成君) 私どもで想定問答集というのはいろいろなケースでつくることがございます。当然国会での御質疑に対応するためのものもございますが……
#67
○高野博師君 この場合のことを聞いているんです。
#68
○政府委員(伊藤康成君) この場合、幾人かの者がそれぞれ持っていっておりますので必ずしも同一のものとは承知しておりませんが、通常のそういう国会等あるいはマスコミ等への対応用の想定問答集というふうに聞いております。
#69
○高野博師君 この想定問答集はこの四社事案に関しての想定問答集でしょうか。
#70
○政府委員(伊藤康成君) 実はその辺につきましては、それぞれその資料が地検等に押収されておりますので、あるいは任意提出しておりますので、具体的にどの内容のものであったかということを特定することはできておりません。
#71
○高野博師君 よくわかりません。
 想定問答集をつくった人がいるわけですから調べればすぐわかるはずだと思うんですが、もしこの想定問答集が防衛庁の背任事件についての問題を想定して、そしてだれでも答えられるようにつくってあるとすれば、これは組織的な対応をしているんじゃないかと私は思うんですが、この点についてはいかがでしょうか、長官。
#72
○政府委員(伊藤康成君) 通常、想定問答と申しますものは、防衛庁長官ももちろんでございますが、私ども政府委員を務めます者あるいはマスコミ等の対応をいたします所要の幹部等が持つものでございまして、それはどのような想定問答でも同様の扱いをしております。
#73
○高野博師君 ちょっと聞いてもしようがないのでやめますが、証拠隠滅に該当するかどうかは地検の判断にまつべきだということが書いてありますが、防衛庁自身が判断できなければ調査能力の限界がある、あるいは判断能力がない、そして自浄能力がないということを意味するのではないかと思うんです。不適切とか非難されてもやむを得ないものも含まれていた、深く反省すると、こういう甘い言い方ではなくて、きちんと責任を明確にして処分をしなければ国民は納得できない、我々もまた納得できない。長官、いかがでしょうか、ここは。
#74
○国務大臣(額賀福志郎君) もう高野委員の御指摘のとおりでありまして、今後、言ってみれば幹部クラスの者についてはその意思等も含めてさらにきちっと明らかにした上で、おっしゃるように厳正な処分をしていきたいというふうに思っております。
#75
○高野博師君 この中間報告書の「総括」の中に、「組織全体のモラルの問題がある」とか、「組織としての体質そのものが問われている」という、こういうくだりがあるんですが、そういう認識をしているということでありますが、今回の事件が組織的に行われたという事実がなければこういうことは言えないんじゃないんでしょうか。長官どうでしょうか。
#76
○国務大臣(額賀福志郎君) 先ほども申し上げましたけれども、私どもといたしましては、例えば背任事件の発端となった調本についてそこの組織とか運営の仕方に問題はなかったのか、チェック体制はどうだったのか、そういったことを含めてのことを申し上げているわけでございます。
#77
○高野博師君 調本の解体をも視野に入れた抜本的な見直しを行う必要がある、こう言っているんですが、かわりにどういうシステムをつくるつもりでいるんでしょうか。
#78
○国務大臣(額賀福志郎君) 例えば、私はこれから防衛庁内にその改革を目指す委員会をつくって調本の組織あるいは運営についての実態を明らかにする必要があると思っておりまして、仮に権力が集中し過ぎたりあるいはまたチェックシステムが作用しなかったり等々について点検をしていく必要があると思うし、調本、それから内局の装備局、それから各幕の装備部、そういう連関性はどうなっているのか、あるいは海外の調達システムはどういうふうになっているのかを総合的に考えた上で抜本的な対策をしていきたいということであります。
#79
○高野博師君 調本の解体という非常にドラスチックな立て直しをやるようなことが書いてありますが、本当にできるのかどうか。調本だけの解体ではなくて、防衛庁自体の解体をも考えるぐらいの立て直しが私は必要ではないかと思うんです。
 そこで、今回の調査委員会は秋山事務次官が長になって調査をやったのでありますが、これは調査の限界が、事務レベルのトップが長になってやるということに非常に限界がもう当然ながらあるわけですが、これは例えば政務次官が長になってなぜやらなかったのか。政治が、政治家が中心になってこの調査をやっていればもっと明らかになる部分があったのではないかと私は思うんですが、長官いかがでしょうか。
#80
○国務大臣(額賀福志郎君) 内部調査に当たりまして、当初官房長を中心にお願いをしておったんだけれども、事務レベルの最高責任者としてその内部のことについて全体的に掌握している次官にやらせることが適切ではないかというふうに判断をしたわけであります。
 もちろん、先ほど言いましたように、庁内の関係者のアンケート調査、聞き取り調査、それから企業に対する調査等々もあったわけでありますが、それは任意というか強制権のない調査でありますからおのずと完璧ではないところがあるかもしれませんけれども、我々としては、防衛庁内部できっちりと目的意識を持ってこれを示していくことが信頼関係を回復する第一歩だという認識のもとにやれということでやらせた結果でありますから、一生懸命私はやってくれているというふうに思っております。
#81
○高野博師君 政務次官も内部の人間だと思うんですが、政務次官というのは防衛庁内部の事情については余り知らないんでしょうか、知ることができないんでしょうか。
#82
○国務大臣(額賀福志郎君) 高野委員の御指摘も踏まえて、今後のさまざまな改革をしていく上に当たっては私を補佐してくれている政務次官にも大いに活躍をしてもらわなければならないし、またこの調査委員会は私に報告をしてくれるわけだけれども、そのときは政務次官も私と一緒に報告を聞いて、その上で対応してきたということも御理解をいただきたいと思います。
#83
○高野博師君 今の防衛庁の事務次官それから防衛局長、これは大蔵省出身なんですが、防衛の専門家でもない大蔵省出身の官僚が防衛庁のトップにある、あるいは中枢にあるというのはこれはいかがなものかと思うのですが、防衛庁は大蔵省に支配されているのと違うんでしょうか。どうでしょうか。
#84
○国務大臣(額賀福志郎君) それぞれの役所出身ということは経歴上ぬぐい去ることはできないと思いますけれども、防衛庁に入れば防衛庁の本来の任務に徹して仕事をやってくれていると承知しております。
#85
○高野博師君 この点の出向の問題も含めて、ぜひ防衛庁の改革の中で検討していただきたいと思います。
 それから、この証拠隠滅以外の問題はどのようにして解明するんでしょうか。
 この背任事件がなぜ起きたのかという本質的な問題、これを究明しなくてはいけないと思うんですが、この点について長官の考えを伺います。
#86
○国務大臣(額賀福志郎君) 先ほど来お話をしておりますように、背任事件の発端となった調本の仕組み、例えば六人の副本部長がおりますけれども、その現状の仕組みは、例えば今度問題になった一課ですね、電気通信関係の場合は契約一課、あるいは原価計算の一課、これは電気通信担当であります。そして契約する者と値段を決める者と経費率を決める原価管理課が一人の副本部長のもとにあります。これで果たして正確なチェック体制がしかれていたのかどうか等々の問題点もありますので、これは徹底的に総点検して、そして先ほど言ったように、調本を解体するような気持ちで改革をする。
 調本というのは、もともと仕事が決まったものを、予算が決まったものをきっちりと会計的に処理していくのが基本的な作業でありますから、余り裁量の要らない部署であるべきなのでありまして、そういうことも含めて点検する必要があるというふうに思っております。
#87
○高野博師君 時間が余りありませんので、もう一度確認したいんですが、今回の事件が組織的なものではないとすると、上野容疑者とか諸冨容疑者等の属人的なあるいは個人的な問題だと、そういう認識でしょうか、防衛庁は、長官。
#88
○国務大臣(額賀福志郎君) 役所の組織というものは、だれがその組織になってもきちっと整々と仕事が行われているような仕組みでなければならないというふうに思っております。
#89
○高野博師君 答弁になっておりません。
 要するに、これは個人的な問題だという認識でしょうか、この事件は。
#90
○国務大臣(額賀福志郎君) 私といたしましては、背任事件が起こった調本の中の仕組みはどうなっているのかということを点検して、再びこういうことが起こることがないようにするのが大事であるというふうに思っております。
 背任事件そのものについては、その前の本部長と副本部長等々が責任を、今捜査の対象になって公判で審理をされているというふうに思っております。
#91
○高野博師君 明快な答弁ではありません。
 最後に、今回の事件、調査結果を踏まえて、今回の調査、中間報告では我々は全く納得できない、何にも明らかにされていない、だれも処分されない、だれも責任をとらないということでありますが、防衛庁長官自身は今回の事件を踏まえて早期に辞任すべきだと思うのでありますが、いかがでしょうか。
#92
○国務大臣(額賀福志郎君) 先ほど来申し上げておりますように、これは中間報告でありますけれども、国民の疑惑を招いた事象もあり、さらにできるだけ早く精査をして、そして事実関係を明らかにした上で厳正なる処分を行ってけじめをつけたいというふうに思っているところであります。
 私としては、今後こういうことが二度と起こらないようにしていくことも私の責任であるというふうに思っております。
#93
○高野博師君 終わります。
#94
○佐藤道夫君 最初に、防衛庁長官に一言だけお尋ねいたします。
 先般、大蔵省の接待汚職というのがありまして、監督下にある銀行から大蔵省の担当官あるいは局長相当級の人たちがさんざん接待にあずかったと。これは汚職であるということで、検察が摘発をした。大蔵省に対してもごうごうたる非難が起きました。そのさなかに三塚大蔵大臣が、淡々とかきっぱりとか渋々かわかりませんけれども、責任をとられまして、検挙のさなかに、摘発のさなかにおやめになりました。なお、当時の大蔵事務次官も辞表を出したように私は記憶しております。
 事件の全貌が明らかになってから関係した者たちにまた処分も行われましたが、それは新しい大臣の手で行われたわけでありまして、あれは一つの役人の出処進退の決め方として評価してもいいのではないか、こう思っておりますが、結局ふたをあけてみますると、キャリアの課長補佐が一人と何人かのノンキャリの古手の職員が処罰され、起訴されたというだけのことで、あれほど大騒ぎするような事件だったのかと、こういう感じもしないわけじゃない。
 今回の防衛庁の事件、これは全然質が違う、事件の重さが違うと私は思うのであります。現に、検挙されているのは調達実施本部の元本部長とか元副本部長とか、全然役人の格が違いますし、やったことも何かといえば、片やちょっとごちそうになったと、言っては何ですけれどもノーパンしゃぶしゃぶで接待をされたとかそんなことなのであります。こっちの方は、膨大な水増し請求を見逃しておいて、それが発覚するや返還額を言うなればまけてやったと。全然罪の重さ、国家に与えた損害も違うんだろうと。少なくとも大蔵省の方の事件がこれよりも重いということはないように私は思うのであります。向こうの方では、担当大臣が非難に対しましてきっぱりと責任をとりますということで、摘発の最中に辞表を出された。こっちの方はどうもいま一つはっきりしない。先ほどの高野委員の質問にもありましたけれども、最後になってどういうことになるのかよくわからない。
 先ほどの説明によると、みずから先頭に立って出直し改革を行う、全力を注いでいくと。担当大臣の責任が一体どういうことになるのか。そういうことを言いますと、三塚大臣だって、あれは彼の在任中の事件じゃないんですね、前の大臣、その前の大臣の事件。それをきっぱりと責任をとられた。今回だって同じことなんですけれども、こういうことについては責任をとるのかとらないのか、後世の政治家あるいは大臣がどちらを参考にしていいのか、これはよくわからぬと思うんですよ。
 三塚さんの責任のとり方、あれに従って自分はやめると。いや、防衛庁長官はあのときやめなかった、粘っていた、おれはこっちの方でいくとか、それは政治家の一人一人の考えることではあるけれども、ある程度の基準がないと国民はわからないと思うんですよ。何であっちで責任をとって途中といえどもやめたのか、こっちはなお居座っているのか、これはわからないと思う。やっぱり、きっぱりしたことを国民に示してほしいと思うんですよ。こういう事件が起きたらもうこういうことで我々は責任をとる、前の大臣の時代の事件であったとかそんなことは一切言わないと。
 それから、きっぱりと再発防止のためにいろんな徹底した摘発も行う、処分も行う、対案も考える。それは別に今の大臣の手じゃなくてもいいわけですからね。それはもう後の人に譲るんだということだってあるわけです。
 どうもその辺がよくわからないので、防衛庁長官のきっぱりとしたかあるいは淡々としたかあるいは渋々か、何でもいいんですけれども、所懐を披瀝していただければと思います。
#95
○国務大臣(額賀福志郎君) 昨日お示しをいたしましたのは、防衛庁が組織ぐるみで大量に文書等を焼却して証拠隠滅を図ったという報道による疑惑について、内部調査を行ってきた中間報告をさせていただいたわけであります。
 このことは、前から申し上げておりますように、防衛庁として、みずからの自浄能力を示す上でもこのことをやり遂げなければならないということがまずもって大事であるということから、この調査を推し進めてきたことであり、私は引き続いてこの中間報告の上に精査をして、その上で厳正なる処分をしてけじめをつけていきたいというふうに思っております。
#96
○佐藤道夫君 私は、三塚さんの例を引き合いに出しまして現在の防衛庁長官の身の処し方についてお伺いしているわけでありまして、けじめをつけて必要な処分を行うと、それは下の者の責任を追及するという意味でありましょう。あなた自身の責任についてどう考えておるのか。自分の時代の事件じゃないよと言い出せば、三塚さんだって同じことを言えたわけなんですけれども、彼はそういうことは一切おっしゃらなかった。一体国民はどちらを参考にすればいいのか、あるいは後世の政治家たちはどちらの例を参考とすべきなのか、そういうことをお尋ねしているわけであります。
 あなた自身の出処進退、今現在の身のとり方、身の処し方と言ってもいいと思います。いかがですか。
#97
○国務大臣(額賀福志郎君) そういう事実関係を明らかにした上で、そして厳正な処分をし、しかもなおかつ今後こういうことが二度と起こることがないようにきちっとしていくのが私の当面の最大の責任であるというふうに思っております。
#98
○佐藤道夫君 くどいようですけれども、その厳正な処分の対象には御自分は入っていないんですね。要するに、引き続き防衛庁長官として今後も頑張るということをおっしゃりたいわけですか。それはそれでもいいと思うんですよ、一つの先例になるんでしょうからね。三塚氏はあれはちょっと早過ぎた、早まり過ぎたんだ、あんな責任のとり方というのは私は評価しないと、それはそれでもいいと思うんです。どうぞ忌憚なく。
#99
○国務大臣(額賀福志郎君) それぞれの経緯とかお立場があると思いますけれども、私自身といたしましては、防衛庁の、言ってみれば長官としてこの問題についてけじめをつけて、しかもなおかつ今後こういうことが起こらないようにしていくことが私の最大の責務であるというふうに考えております。
#100
○佐藤道夫君 防衛庁長官、結構です。どうぞ御退席なさってください。もうよろしいです。
 次は、外務大臣にお伺いいたします。
 昨年ペルー国内で日本の学生二名が殺害されるという事件が発生しました。二人は早稲田大学の探検部所属の学生。それから、殺害した犯人というのは驚くべきことにペルー国の国軍に属する軍人、下士官を長とする何人かの現職の軍人たちでありまして、旅行中の日本の学生を呼びとめて詰所に連行して、その場で何の理由もなしに射殺してしまったと。死体はその辺に捨てて、所持品を奪ったと。
 全く考えられないことだろう、こういうふうに思うわけであります。これはもうある意味では政府対政府、国対国の問題でしょうと。行きずりの強盗犯人に殺害されたとか酔っぱらってけんかして殺されたとか、そういう事件じゃ全くないわけで、一国の軍隊に所属する者がその国を旅行中の外国人を殺害したということですから、帝国主義華やかなるころにはこういうことで戦争が始まったことだってあるわけでありまして、決して放置してはおけないことなんですよ。
 それで、その後どうなったかというと、犯人が検挙されて、刑事裁判にかけられて、しかるべき刑を受けたと。それはそれで結構なのでありますけれども、もう一つ被害者の遺族に対する慰謝の関係がどうなっておるのかと。
 これはまずペルー国政府として重々遺族に謝って、かつ相応の賠償金を支払う、これは当たり前のことだろうと思うんです。日本国政府としても、あなたの国の軍人のやったことですから慰謝の方法については万遺漏ないようにということを厳重に申し入れていいわけであります。ペルー国政府もそれを受けて、じゃいかほどお支払いすればよろしいのか、日本と我が国とは金銭の価値も違うからなかなか見当がつかない、そういう場合にはきちっとまたお教えをしてやる。要するに国対国の折衝の問題だろう、こういうふうに私は思うのであります。
 向こうの政府がどうしても言うことを聞かない、我が国はそういうような賠償を払う制度にはなっていないということをあるいは言うかもしれませんが、その場合には、ODAでペルー国に対して過分な金銭の支出もしているわけでありまするから、それから賠償金を差し引くことだって理屈とすれば可能なんじゃないかなという気もいたしますので、いずれにしてもほっておいていいというわけではない。遺族の方、大変気の毒な立場にあるんだろうと思います。
 そして、この春ごろに御遺族の方が何回か外務省に相談に行った。それで、外務省のお答えというのがこれまたちょっといかがかと思われるんですけれども、弁護士を頼むならペルー国在住の弁護士を紹介しますよということぐらいでありまして、これは弁護士を頼んで個人がペルー国を訴える、そういう前に政府対政府の問題として対応すべきではないのかと。当たり前のことだろうと私は思うわけであります。
 それがなされていないのは一体どうしてなのか。もう少し積極的に、親身になって御遺族の立場、気持ちというものを考えて、日本国政府としてペルー国政府に申し入れをして、両者協議をして、そういうことについてもまた解決策を見つけていく、これは当たり前のことだと私は思うんです。日本人の海外旅行者の身体、生命の安全、これを守るのは外務省の責任であります。
 この問題について、橋本さんが、本人の不注意だということを言いまして、大変非難されたことは記憶に新しい。それから、早稲田大学の学生なんですけれども、早稲田大学出身の有力政治家というとたくさんおるわけです。総理大臣、現職の総理大臣がそうですし、かつては海部さんもそう、竹下さんもそう。あの方々が一切動いていないのも、私はこれ全然理解できない。自分の後輩の学生があんな目に遭った、しかも必要な慰謝もなされていないということになれば、いろんなルートを通じてペルー国政府に働きかける、それもまた早稲田のOBの政治家としての一つの責務ではないかという気もするのでありますけれども、そういうことも一切なされていないようでして、ひとりお気の毒なのは御遺族、こういうことになるわけであります。今、日本人が一人殺されてもしましたら、もう賠償金は、大臣は大体見当がつかれると思いますけれども、数千万から一億。これは前途有為な学生諸君でありまするから、多分日本国内でこういう事件が起これば一億ぐらいの賠償金になると。
 もちろん、ペルーは貨幣価値が違いますからそうも言えないのですけれども、いずれにしろ、国として、ペルー国として御遺族に対して遺憾の意をあらわして、金銭賠償の面でも誠意をあらわす、これは近代国家として私は当たり前のことだと思っていますけれども、こういう私の考えが合っているのか合っていないのか。
 法律家でもあられる外務大臣としてどうお考えなのか、その辺の御見解を承れればと、こう思います。
#101
○国務大臣(高村正彦君) 佐藤先生の今の御質問にお答えする前に、ちょっと時間をいただきたいんですが、七日に発生した米軍人によるひき逃げ事件の被害者の上間悠希さんは、昨夜十時過ぎ、入院先の病院でお亡くなりになりました。被害者の御冥福を衷心よりお祈り申し上げますとともに、御遺族に対し、心よりお海やみを申し上げます。
 私は、この問題は日本国政府としていろいろお手伝いをしなければいけない点はあると思いますが、基本的には賠償の問題は当事者間の問題である、こういうふうに考えております。
 ペルーの法律は、日本の法律とかなり違うようでありまして、刑事裁判が行われた場合に、これは相手が政府じゃありませんけれども、犯人たちに対する民事賠償金も一緒に認定するというような制度になっているようでありまして、その判決はおりたというふうに聞いているわけであります。
 そして、御遺族の中の一名の方から、さらに民事訴訟を行うという意図の連絡を受けているわけでありますが、これは政府に対してだか犯人に対してだかよくわからないんですが、現時点で政府に対して具体的な協力要請はないわけであります。先生のお立場からすれば、そんな具体的要請がなくてももっと積極的に政府がやれということかもしれませんが、現時点で日本政府とすれば、本事件発生当初から御遺族へいろいろな情報提供に努めるとともに、御遺族の方々のペルー渡航に際し支援を行っているわけでありますが、また何か民事訴訟を行うようなときには、具体的なお手伝いができれば何かをやりますが、我が方からペルー政府に対して、政府が賠償金を払えというようなことでは基本的にはないのではないか、こういうふうに思っております。
#102
○佐藤道夫君 私の意見を申し述べますけれども、日本国の場合には国家賠償法がありまして、公務員が職務を行うに当たって故意または過失で他人の生命、身体、財産等を侵した場合には国が賠償責任を負う、これは当たり前のことなのであります。国家対国家でも、犯人というのは文字どおり向こうの公務員なわけでありまして、しかも遊んでいたのではなくて公務執行中、それを利用して殺害した、こういうケースであります。これは全般的にペルー国の責任だと、こう言っても私はいいと思うんです。日本国内でこういうことが行われる、日本の自衛隊員が職務執行に名をかりて外国の旅行者をどこかに連れていって殺して物を奪う、こういうことになりましたらやっぱり日本国自体の問題でありましょう。それを、損害賠償をどうしてくれる、そんなことは勝手に訴えなさい、日本国の関知するところじゃありませんよなんてこと、そんなことはもう通らないでしょう。これは常識の話だと言ってもいいんですね。そして後で、犯人に対してペルー国が日本国に払った賠償金を取り立てることだって、これは法律的には可能なわけですから。
 いずれにしろ、この問題をどういうふうに解決するかは、ペルー国政府の問題でもあり、かつ日本国政府の問題でもあるというのは、法律論として当たり前のことで、むしろ法律論以前の常識だと言ってもいい。日本国政府というのはそれぐらい海外を旅行する人たちの生命や身体の安全について責任を負っているわけでもありまして、それが、先ほども言いましたけれども、単に行きずりの強盗に殺されたという問題じゃないんです、これは。いわばペルー国が殺したと言ってもいいような問題だと私は思うんです、ペルー国が。それに対して、日本国側からそういう法理を説いて、常識を説いて、国としての責任を果たしてくださいというのは一向におかしくないと思います。
#103
○国務大臣(高村正彦君) 日本国政府も、いろいろ大変御遺族の方お気の毒だと、こういうふうに思っておりますし、現地大使館で大使館に顧問弁護士というのがおりますから、そういう方の御意見も聞いたと。そういう中で、ペルーには国家賠償法というようなものがないので、この場合具体的に訴訟を起こしてもなかなか難しいのではないかという意見を、政府に対して顧問弁護士の方は言っておられたというような報告も受けております。
 そういう中で、もしそういう法律がなくて、同じような目に遭ったペルー人が保護を受けないようなことであっても、日本国民がペルーに行ってそういう目に遭ったらペルーに対してそういうことを要求できるのかどうかというのは、非常に難しい問題もあるのだろうと思うんです。ですから、私は、先生がおっしゃるのは一つの見識だとは思いますが、それが国際社会における常識とまではとても思えません。
#104
○佐藤道夫君 時間がなくなりましたので、最後に一言だけ。
 先ほどの私の一つの考えなんだけれども、ODAから差し引く考えだってあってもいいだろうし、それから、ペルー国内で国家賠償法がないからペルー人が殺されても国を訴えることができない、そんなことはあなたが考える必要はないんですよ。要するに、日本人があなたの国の公務員、軍人に殺された、こういう責任を国としてどう考えるんだと、高い次元の話なのであります。
 民事訴訟を起こしてもこれはだめだと、こうおっしゃるわけでしょう、ペルー国にそういう法律がない以上は。ですから、なおのこと日本国政府としても本腰を入れて、常識の話だと私は言っているわけなんであって、法律を適用してどうしろこうしろというんじゃなくて、外交交渉の話です、これは明らかに。その辺をどう考えるのかという提案を、考えをしているわけであります。
#105
○国務大臣(高村正彦君) それが常識の話とおっしゃるのは、それは日本の国民感情に極めて合っていると思いますが、本当に国際常識かどうか私なりに調べてみたいと思います。
#106
○佐藤道夫君 終わります。
#107
○委員長(河本英典君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十五分開会
#108
○委員長(河本英典君) ただいまから外交・防衛委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#109
○小泉親司君 防衛庁背任事件のいわゆる証拠隠滅に係る中間報告について質問いたします。
 今回の中間報告は、午前中に同僚議員からもお話がありましたように、決して防衛庁が自主的に自浄作用を発揮して出されたものではなくて、当委員会の理事懇等での各党の強い要求によって出されたものであります。私は、この中間報告の具体的内容について質問をしていきたいというふうに思います。
 まずお伺いしたいのは、中間報告の具体的内容に入る前にお聞きしたいのは、今回の証拠隠滅に係る中間報告というのは、いわゆる今度の事件の全容からするとほんの一部の問題であります。今回の事件というのは、御承知のとおり、防衛庁と日本電気、NECグループの子会社が結託して国民の税金を食い物にしていたという大変重大な事件だというふうに思います。
 中間報告の「前言」の中でも、防衛庁長官は「できるだけ早く事実関係の全体を解明してまいる所存」だというふうにお話しになりました。この事件の全容を国会に報告をする、この点についてはお約束できますね。時間がありませんから、詳細は結構でございますから、その点お約束いただけるかどうかだけ、まずお答えいただきたいというふうに思います。
#110
○国務大臣(額賀福志郎君) この問題、我々の内部調査につきましては、御案内のとおり、四社事案に関連して大量に組織的に証拠隠滅を図ったという報道があった後に我々がつくったものであり、その点については小泉議員御指摘のとおり、できるだけ早く全容を明らかにして報告をさせていただきたいというふうに思っております。
#111
○小泉親司君 全容の国会報告は出すということを約束できるわけですね。
#112
○国務大臣(額賀福志郎君) 今の証拠隠滅に関連をして我々が調査していることについては報告をさせていただきたいと思っております。
#113
○小泉親司君 そういうことを言っているんじゃないんです。今度の中間報告でも防衛庁長官が何と言っているかと言ったら、昨年九月以降今日までの防衛庁の動きが、国民の目に分かりにくく不透明なものと映っていると、だから今までの一連の事件の背景にまで踏み込んだ改善策を国民に示さなければ防衛庁の信頼が回復できないと言っているわけでしょう。
 以下、中間報告の問題については後で具体的に質問いたしますが、事件の全容を国民に示す、つまり国会に明確に示さない限り、事件の本当の解明というのはあり得ないというふうに私は思いますが、証拠隠滅は防衛庁、その他は地検、こんなことはあり得ないんですよ。
 まず、防衛庁自身がこの問題の全容解明に関する報告を作成する、このことを明確にお約束していただきたいというふうに思います。
#114
○国務大臣(額賀福志郎君) この背任事件につきましては、東京地検の捜査及び公判で真実が明らかになっていくと思いますけれども、我々もそれに伴って、さまざまな証拠隠滅等の疑惑があったものですから、内部調査をしておりまして、それについてはきちっと、これは中間報告ですから、最終的な報告をさせていただくと同時に、こういうことがなぜ起こったかということの背景については徹底的に解明して、二度と起こらないようにどういう制度、ルールをつくるかということについて考えさせていただきたいというふうに思っているわけであります。
#115
○小泉親司君 いや、ですから問題は証拠隠滅だけじゃないんです。いいですか。防衛庁が組織的にいかにNECグループと協力して今度の水増し事件を起こしたか、この問題が解明されない限りそういう意味では、証拠隠滅が組織的であったかどうかというのは後で具体的に質問いたしますけれども、まずそこの問題が、つまり水増し請求がなぜ起きて、どういうふうな構造があったから起きたんだということを解明しない限り、実際に今度の問題の解明にはならないじゃないですか。だから、その点の報告書を国会に提出してくださいということを言っているんです。
#116
○国務大臣(額賀福志郎君) こういう一連の背任事件を生んだ背景につきましては、徹底的に調本の組織とか運用について解明して、問題点がどこにあるかということをさらけ出さない限り対策が立てられないという認識は同じであります。したがって、そういうことも含めて、私どもは私を中心にして解明をして、そして外部で調達検討会等々の識者の意見も聞きながら対策を考えていきたいというふうに思っているわけであります。
#117
○小泉親司君 国会へ報告されるわけですね。
#118
○国務大臣(額賀福志郎君) 当然、国会の皆さん方と御議論をし、御理解を得ながら対策を立てていくことになるわけであります。
#119
○小泉親司君 それでは、具体的に中間報告の問題に移ります。
 私は、今回の中間報告を読みまして、やはり一番大きな問題というのは、昨年十月からつまり約
 一年間にわたって防衛庁が今度の事件に関してさまざまないわゆる東京地検に対する対策をとっていた、このことを中間報告は大変鮮明にしているというふうに思います。そこで、私は幾つかの事実関係についてお聞きします。
 まず二ページで、この中間報告は、事案処理経過表それからヒアリングファイル、続いて強制捜査が行われた場合の対応要領、これを作成したということを書いてありますが、これはどこがどのくらいの部数を、このようなものをそれぞれ作成したのか、まずお答えいただきたいと思います。
#120
○政府委員(伊藤康成君) 報告書の二ページにお示しいたしましたように、事案処理経過表あるいはヒアリングファイルと私ども名づけて呼んでおりますが、そういうものが調達実施本部の内部で作成されたということでございます。
 そして、それぞれの部数でございますが、必ずしもその全体が明らかというわけではございませんが、このヒアリングファイルというようなものにつきましては少なくとも十一部程度はあったというふうに承知をしております。それから、事案処理経過表につきましてはかなりの数ではなかったかと思います。それから、強制捜査が行われた場合の対応要領というふうに書いてございますが、これは例えば逮捕者が出た場合にはどういうコメントをするかとかそういったような内容でございまして、これも調本の中でつくられたというふうに承知をしております。
#121
○小泉親司君 強制捜査が行われた場合の対応要領というのは、この間新しく出てきた問題でありますけれども、具体的にはどういう内容が書いてあるんですか、これ。そんなにあいまいな問題じゃだめなんですよ。初めに言われていますように、昨年十月から東京地検に対して任意提出が行われて、いいですか、さらにさまざまな職員が事情聴取されたと、その上で作成されたのが強制捜査に関する場合の対応要領なんですから、そんな官房長のたった一言で済む問題じゃないと私は思うんですよ。この強制捜査が行われた場合の対応要領が調本でどのように作成されたのか、もう少し具体的に言ってください。
#122
○政府委員(伊藤康成君) この経緯の中でも述べているところでございますが、いわゆる強制捜査のうわさなるものはかなり何回かあったわけでございます。したがいまして、その対応要領なるものも必ずしも一冊の決まったもの等を指しているわけではございませんで、その都度いろいろとつくられたというふうに聞いております。
 その中身でございますが、例えば強制捜査が入った場合にいろいろな、調達実施本部と申しますのは契約の機関でございますから外部の方も大変多い、そういったところのトラブルをどう防止するかとか、あるいはまた捜査を受けた場合の立ち会いをするとか、要領と言ったら言葉はおかしゅうございますが、そういったこと、あるいは現実に今回、九月三日あるいは十四日等の強制捜査の場合に防衛庁としてコメントを発表させていただいたわけですが、そういったものを一体どうしたらいいのだろうというような検討資料でございます。
#123
○小泉親司君 だってあなた、対応要領と言っているんですよ、書いてあるんですから。私は書いてあることを言っているんで、あなたが対応要領と言えるかどうかと言ったって、対応要領なんですから、これを国会に提出してください。
 中間報告にこういうことが書いてあって、いいですか、あなた方は、結論は組織的かどうかわからないと言っておきながら調本が強制捜査が行われた場合の対応要領をつくっていたと、その中身が全然わからないというんじゃ中間報告と言えないじゃないですか。これがもしあれでしたら、ここの中でそれじゃ果たして組織的なことが書いてないのかどうなのか、調本が作成しているんですからね。調本の方々がみんなそれを読んでいるわけですから、それを読んで対応しているというのであれば明確に組織的じゃないですか。だから出してください、これ資料として。
#124
○政府委員(伊藤康成君) これらにつきましては、例えば前副本部長等が持っておったわけでございますが、現在、任意提出または地検に押収ということで、手元にはございません。
 それから、先生あたかも何か地検にどう答えるかとかそういったことが書いてあるんではないかという御趣旨かと存じますが、そういうものとは聞いておりません。あくまで何らかの捜査が入った場合にどういうふうに我々はそれに応じていったらいいのかというようなことでございまして、事情聴取にどうするかとかそういった資料とは聞いておりません。
#125
○小泉親司君 前回、私の想定問答集に関する質問に対して官房長は、地検に対してそのような強制捜査が云々かんぬんが行われた場合の資料は作成しておりませんとおっしゃっているんですよ。いいですか。そう言っておきながら、今度はこの中間報告では「強制捜査が行われた場合の対応要領なども、逐次作成された。」と書いているわけですから、何回も何回もこれつくっているんですよ、対応要領というのを。それが出せないなんて言って、いやこれは組織的じゃないんだ、調本がそういうことをつくっておきながら、それは私は言いわけにすぎないというふうに思いますが、もう一度委員会に提出してください。だって、あなた方コピーとるのが上手なんだから、たくさんコピーとっているじゃないですか、現実問題として。
#126
○政府委員(伊藤康成君) たしか私が先日申し上げましたのは、いわゆる想定問答ということについてお答えをしたと記憶しております用地検からの問い合わせなりにどう答えるかといったような想定問答はございませんというふうにお答えしたと思います。
 それから、ただいまの対応要領とここに書いたものでございますが、先ほども申し上げましたように、現在手元にはございませんのでお出しできないということでございます。
#127
○小泉親司君 いや、私そこは大変おかしいと思います。中間報告でこう言っておきながら、私は中間報告はこの点で第一の大きな欠陥があると思います。
 第二の問題は、この文章の中で大変たくさんの言葉が出てくる。一つの言葉は、大量にという言葉なんです。大量に大量に、じゃ大量に焼却しなかったらいいのかという問題があるんですよ。いいですか。あなた方いろんなことを書いているけれども、四社事案資料を大量に焼却した事実は現在まで確認されていない、四社事案資料が大量に焼却されたということはこれまでの聞き取り調査結果からは得られていない。いいですか、大量か大量じゃないかが問題じゃないんですよ。いわゆる四社事案のいわゆる圧縮された資料、この明確な資料が本当に焼却されたのかしないのか、ここが最も重要な問題なんで、この点では明確に中間報告の中には全く書いていないんですよ、これ。どっちなんですか、長官。これは焼却されたんですか。大量かどうかは別にして、四社事案のいわゆる圧縮されたさまざまな資料とか見積もりだとかそういうものを出したものが焼却はされていたんですか、されていなかったんですか。
#128
○政府委員(伊藤康成君) 報告書の中で、例えばヒアリングファイルにつきまして一部破棄されたものがあるということを申し上げております。それから、藤倉航装の関連のもので一部焼却されたものがあるということも申し上げております。ただ、それら以外に具体的に四社関連のもので焼却されたものは私どもは現段階でまだ確認していないということでございます。
 それから、大量に大量にということでございますが、そもそもこの問題の発端が、組織的に東洋通信機関連の資料を大量に焼却したのではないかといういわば疑いを私どもはかけられたわけでございますので、そういう意味で大量にということを言っておるわけでございます。
 それから、いわゆる東洋通信機関係の資料といたしましても、オリジナルなもの、あるいはそのコピーであるものいろいろあったはずでございます。それらの中で、先生御指摘のいわゆる返還額の算定書に不可欠な資料というものが仮にあったとしますと、それは恐らく先生御指摘のとおり量の問題ではないんだろうと思います。しかし、私どもは現段階ではそのようなものが焼却されたという確認はできておらないというところでございます。
#129
○小泉親司君 組織的かつ大量と言っておられますが、私は大量というのはそういう量の問題じゃないということを指摘しておきたいというふうに思います。
 時間がありませんので次に行きます。いわゆる額賀防衛庁長官の任期中の問題、つまり八月から九月の問題で、「部下職員宅への資料の移転」という六ページ、そこの中では今度は文章が非常に変わってきまして、どういうふうに変わっているかというと、「用済後焼却待ち資料等相当量の資料を部下をして、部下の自宅に移転させ、」いわゆる受け身であります。どなたが命令をして、部下をして、部下の自宅に移転させたのですか。
#130
○政府委員(伊藤康成君) 六ページの(ウ)のところでお示しいたしましたのは、石附前副本部長でございます。そして、石附前副本部長は八月三十一日の夜、ここに書きましたように、執務室内のいろいろな資料を整理いたしまして段ボール等に詰めたようでございます。それを身近の、係長級以下の部下でございますが、その者たちに持っていってもらったということでございます。
#131
○小泉親司君 当時は現でございましたから、それは業務命令でございますか、業務外命令でございますか。
#132
○政府委員(伊藤康成君) 私どもの聞き取りによりますと、当初前副本部長は自宅に持って帰るつもりであったようでございますが、量が多かったというようなこともありまして、身近にいた者たちがそれではお手伝いしましょうと言ったというふうに聞いております。
#133
○小泉親司君 だんだん笑い話的になってくると私は思いますが、実際にあなた方、それだったらそういうふうに書いてくださいよ。あなたの文章は「部下をして、」移転させたんですよ。だから、だれが命令されたんですか。石附副本部長が業務命令でやったということなんじゃないんですか。それだったらあなた、「部下をして、」じゃないじゃないですか。部下が自主的にじゃないですか。何で「部下をして、」移転させたんですか。それだったら明確に業務命令じゃないですか。その点、はっきりさせてください。そんな何か笑い話みたいな話にしないで、そこを明確にしてください。
#134
○政府委員(伊藤康成君) これが先生おっしゃるような意味での業務命令だったかどうかということは必ずしも私はっきり申し上げられないのでございますが、事実といたしましては、部屋の資料をそういうことで整理をいたしましたと、そして一たんは自宅に持って帰ろうといたしました。ただ、当然のことながらその量が多いわけでございますから一人でやるわけにはまいりませんで、それは部下に手伝わせたということでございます。
 その段階で、ではどこへ持っていくかというときになって、先ほど申しましたように、部下の方から私のうちがあいているよというような話があったことは事実でございますが、ここに書きましたのはあくまで自分が、石附前副本部長が責任を持って保管している文書をいわば部下を使って他の場所に移したということを明確にしたものでございます。
#135
○小泉親司君 ですから、これは組織的じゃないなんということは絶対に言えないんですよ。実際、部下をしてやらせているんですからね。これを業務外命令だというようなことなんて絶対言えないじゃないですか。しかも、いろんなヒアリングもしているわけですから。それは時間内にしているわけでしょう。時間外でやっているわけじゃありませんでしょう、ヒアリングなどの聞き取りを。そういう点で、私はこの問題というのは非常に組織的だというふうに思います。
 時間がありませんから少ししか聞けませんけれども、今の二、三点だけをとってみましても、これは明確に組織ぐるみの証拠隠滅であるということは私は疑いないものだというふうに思います。その点で中間報告は非常にずさんなものだというふうに思います。
 特に私が重大だと思うのは、この中間報告、八月三十一日、これ何があったかあなた方御存じでしょう。いわゆる北朝鮮のミサイルが飛んできた日ですよ。その日に調本がやみ夜に紛れてじゃなくてミサイルに紛れてこの証拠隠滅をしたんです、この事実は。防衛庁長官、その問題、どういうふうに考えられるんですか。さっきも御指摘ありましたが、一方でミサイルが飛んできて大変な問題になっているのに、そのミサイルに紛れて、やみ夜に紛れて証拠隠滅をするなんというのは、どだい防衛庁としてはこういう問題というのは組織的云々かんぬん以前の問題だというふうに私は思います。
 その点で私は、防衛庁長官、そこの点での自覚をあなたに持っていただかない限り、この問題というのは片づかないというふうに思うんですが、長官どうですか、その点。
#136
○国務大臣(額賀福志郎君) 御指摘の点についてでありますが、事実関係から申し上げますと、あのとき、三十一日昼過ぎにミサイルが発射されたということは公になっていくわけでありますけれども、その後、日本海におっこちたのではないか、いや太平洋上におっこちたというのが夕刻ごろまでいろいろと情勢の分析がされていたわけでありますが、太平洋上におっこちたということについては本当に防衛庁内の一部の者しか知らされていない段階でありましたので、調本内部ではそういうことの実態が知らされてはいなかったと思っております。
#137
○小泉親司君 時間が来ましたので、最後にいたします。
 長官、そういう問題じゃないんですよ。九月三日にだってもう一回やっているんですから、調本は。つまり、もう既に事実関係がわかっている間にも、ミサイルが飛んできた間に証拠隠滅をやっているわけですよ。
 ですから私は、こういうやはり具体的な事実を公表しない中間報告というのはありませんし、こういう報告しか出せない防衛庁長官の責任というのは非常に重大だというふうに思います。
 我が党は長官の罷免を要求してまいりましたが、長官みずからがきちんと辞任して責任ある姿勢を国民に示すべきだということを申し上げて、私の質問を終わります。
#138
○田英夫君 今回のこの防衛庁の問題は、根源はいわゆる背任の問題、同時にその背任の事件を隠ぺいするために証拠隠滅を図ったという、官庁の公務員がやったという意味でまことに重大であることは言うまでもないわけであります。
 しかし私は、証拠隠滅の問題については同僚委員も朝から取り上げておられますから、私はこの前のこの委員会でもいわゆる軍産複合体になってきているんじゃないかという言い方をして調達のあり方ということを取り上げました。
 きょうもそういう立場で質問をしたいと思うんですけれども、そういう意味でこの中間報告、昨日発表されたものを拝見いたしますと、一ページは文字どおり前文なんですけれども、二ページからの「昨年九月以降の経緯」というところから見ますと、(1)のところだけが実は調達のあり方という根源の問題についての部分であって、(2)からはずっと証拠隠滅の問題を中心にして構成されているという意味で、私の立場からすると不満なんですよ。
 防衛庁の幹部の皆さんが長官以下一番根本的にお考えいただかなければならないのは、平和憲法を持ち、また武器輸出三原則というものをみんなの総意で守ってきたこの日本の中で、しかし自衛隊というものが存在をする、その自衛隊に供給する武器を初めとする膨大な物資というものをどうやって調達するのが最も日本らしいやり方かというそこのところの決め手が今回の中間報告では全く触れられていない。このことこそ今根源的に問われているんじゃないかという気がいたします。
 二ページ、わずか(1)のところだけで取り上げておられると言いましたが、そこでも去年の九月、新聞報道直後に原価差異事案対策特別委員会をつくったという、そういうことで触れられておりますけれども、このときから実はもっと真剣に根源的にこの調達のあり方を考えるべきだったと思います。
 今度初めて、一ページの終わりの方で「調本の解体をも視野に入れた組織の抜本的見直しを行う」ということが出てまいりました。それはもう去年の九月以降、全力を挙げて防衛庁が考えなければならない問題だったんじゃないかと思うんです。
 そこで伺いたいのは、今回調達制度を根本的に考えるという意味で、防衛調達制度調査検討会というのをつくられたということはこの中にも報告されている、これはどういう性格のもので、メンバーはどういう方になっているのか、まずお答えいただきたいと思います。
#139
○国務大臣(額賀福志郎君) 私は、今、田委員の御指摘の問題意識は全く同じでございまして、現象的なことだけをカバーしていたのでは必ずまた繰り返しされる、したがって原点に返って考えることが必要であるということから、私どもは今回の一連の事件とか疑惑につきまして、防衛庁のあるいは自衛隊のあり方が問われているという認識のもとに、防衛調達制度をめぐる基本的な課題について討議をして、そして透明性を持った形をつくっていく必要があるということを考えたわけであります。
 したがって、先般、防衛調達制度調査検討会というものをつくらせていただきまして、検討会のメンバーは、座長として川井健先生、元一橋大学の学長で現在帝京大学の教授、委員に東海幹夫先生、青山学院大学の先生、西口敏宏先生、一橋大学の教授、堀田力弁護士、前田一郎NHK解説委員、吉野賢治公認会計士をもってこの勉強会をスタートしたところでございます。
#140
○田英夫君 これは遅きに失したと思いますけれども、しかしこういうものを、今のメンバーをお聞きしてもそれぞれの必要な分野の方は加わっておられると思うので、ぜひこれはアクティブに活動できるものであってほしいと思うんです。
 一つ疑問は、大変これは素人的な質問ですが、調達本部というのがある一方で、及川さんがおられるけれども、装備局がある。これはもちろん装備局は内局で調達は現場だというその程度のことはわかりますけれども、この役割分担というのはどういうことになっているんですか。
#141
○政府委員(及川耕造君) 田先生がおっしゃいましたように、調本は、「自衛隊の任務遂行に必要な装備品等及び役務で長官の定めるものの調達を行う機関」というふうに設置法で定められておりまして、言ってみれば装備品と役務の調達という具体的な現業を行う実施機関でございます。
 他方、装備局は御指摘のとおり内局でございまして、私どもは組織令におきまして、装備品等の「調達等並びに役務の調達の基本に関すること。」というふうに所掌事務を規定されているところでございます。
 したがいまして、調本との関係で申し上げますと、装備局は、調本が行います装備品等あるいは役務の調達に関しまして方針的あるいは政策的な事項について例えば訓令を定めるとか、そういった点を所掌しているところでございます。
 なお、装備局の任務の中に「調達実施本部に関すること。」という規定もございまして、調本がまさにこの私どもの調達の基本に関する事務を遂行するために行いますさまざまな事業につきまして、私ども内局と調達実施本部との連絡調整といった、いわば庶務的役割を担っているのかなというふうに思っております。
#142
○田英夫君 先ほどから申し上げているこの調達の制度といいますか機構といいますか、こういうものを根本的に変えなくちゃいかぬということになると、調本は今度廃止することも視野に入れてということになっているわけですか。専らそういうことは、基本的な問題は及川さんのところで原案を考えるということになるわけですか。
#143
○国務大臣(額賀福志郎君) これは今、防衛調達制度の検討会で外部でいろいろの検討をさせていただいております。と同時に、我々内部で、私が本部長になって、政務次官それから各局の局長レベルで具体的にどこに問題点があるのかということについて点検をして、そして調達本部それから装備局、各幕の装備部、その役割分担はどうなっているのか、一番合理的な手法は何なのか、海外等の状況も見ながら考えさせていただきたいというふうに思っております。
#144
○田英夫君 今回、ここにはっきり「調達システムのみならず調本の解体をも視野に入れた」ということを書いてありますが、ということになると、今までの調本という形じゃなくて、しかし、にもかかわらず自衛隊にやはり武器や物資を調達するというシステムはどうしても必要なわけですから、まだこれから検討してやるんだとおっしゃるかもしらぬけれども、どういうふうにしたらいいと思っているんですか。それは長官、今の御心境からすると。
#145
○国務大臣(額賀福志郎君) まず、背任事件が起こったのは、調本の元本部長、副本部長であります。そうすると、そこの組織あるいは運営方法の何が問題だったのかということを洗い出す必要があります。私が見た限りにおいても、契約をする部門と、それから値段を決める部門と、それから経費を決める部門と一緒に一人の副本部長のもとに置かれたりしております。そうすると、認証制とか監察制はどういうふうになっているのか、そういうことを一つ一つ事実の上から検討していくだけでも問題点がいろいろと出てくるというふうに思っております。
 今、装備局長がおっしゃるように、調本は現業で、言ってみれば会計的な仕事をするわけであります、契約をしたり。そうすると、そういう仕事だけをきっちりとさせていくシステムをつくればいいんではないかというふうに思います。
#146
○田英夫君 個人の名前は挙げませんけれども、逮捕された調本の元本部長を私も人間的にはよく知っています。だから、個人の責任ということはもちろんありますけれども、同時にシステムの問題というのを、今長官が言われたようなことを含めて根本的に変えていかないといけない、そこにメスを入れる。二度とこういうことが起きないようなそういう制度をつくらない限り、この問題というのはまた起こってくる。そして、その衝に当たる人が非常に気の毒な立場と、人間にもよりますけれども。時間がありませんから、その程度のことしか申し上げられませんけれども、ぜひここにメスを入れる、国民の目の前に透明度のあるやり方でやっていただきたい。
 今回の中間報告は、そういう意味でいうと、この一番大事な部分について触れられていないということを重ねて残念に思うということを申し上げておきます。
 あと、制度の問題として、防衛庁の内局の皆さんは他の官庁の官僚と同じことで、いわゆる再就職の問題は、天下りと新聞なんかは書くわけですが、そういうことは同じだと思います、他の官庁と。ただ、自衛隊員の場合はこれは全く別の要素が、年齢的にもあるいはやってきた仕事の性格というようなものも含めて、今度は社会で新しい仕事をしようというときの条件が内局の皆さんとは全く違うということは言えるのじゃないか。
 この自衛隊員の再就職の問題というのも、自衛隊というものが存在する以上はやはりあるべきシステムというものをきちんと考えて確立していかないといけないんじゃないか。それができていないから天下りというようなことが起こって、きょうは触れませんけれども、調達の対象になる金額からして多額な上位二十社に二百数十人が天下っているというふうなことも報道されておりますけれども、こういうことにつながってくるという原因はそこにあるんじゃないか、こう思いますから、ぜひこの問題も検討の重要な柱にしていただきたいということを申し上げて、終わります。
#147
○田村秀昭君 八月三十一日、北朝鮮のミサイルが我が国上空を通過して太平洋上に着弾し、我が国の国民は非常に不安な状況にあったにもかかわらず、この問題について的確な防衛庁としての対策も打たないまま、装備品の調達をめぐる背任事件で機能不全に陥っているのが現状であって、先ほど森山議員も言われましたように、鹿屋の部隊の人たちは、もう非常にこの問題で肩身の狭い思いをしておる。こういうことは我が国の防衛を考えた場合、国民の生命、財産を守るという立場から見ると、全く機能不全に陥っている状況だと私は思っています。これは戦後五十年、ひたすら経済的繁栄だけを追求して、国家存立の基本である国防、安全保障をないがしろにしてきた、理念なき国家のたどり着いた姿だろうと私は思っております。
 それで、防衛庁長官にお尋ねいたしますけれども、この報告書の中に、「防衛庁に対する国民の信頼を失墜させる事態にまで至らせた原因には、」「組織全体のモラルの問題がある」と書かれております。私は、まさにそのとおりだと思うんです。今も申し上げましたように、五十年の長きにわたって軍隊として認知しないで、軍隊であるようなないような中途半端な状態を放置してきた政治の責任は非常に大きいと私は思っています。
 口では崇高な任務を持つ自衛隊と言いながら、生かさず殺さずで、予算さえつけておけばそれでいいという姿勢がある限り、どうして高いモラルが維持できるんですか。自分たちの任務に対して国家が何らの誇りも地位も与えないような、そういう状況でどうして組織全体のモラルが維持できるのか、お聞かせください。
#148
○国務大臣(額賀福志郎君) 今回の中間報告における私どもの考え方につきましては、言ってみれば背任事件あるいは証拠隠滅の疑惑等で自衛隊が大揺れに揺れたことは間違いがないわけでございます。防衛庁あるいは自衛隊は、本来ならばこうしたことが起こってはならないことであり、その意味では国民の期待を裏切っていることになるわけでありまして、私も大変悲痛な思いをするわけであります。
 したがって、私たち一人一人が、防衛庁職員全員がみずからの問題として受けとめて、綱紀粛正を図っていく必要がある。自衛隊員の現場では日夜猛訓練に励み、PKOだとかあるいは災害活動だとか、自衛隊の国民に対する信頼を地道に構築してきただけに、我々は一層考えなければならないという思いを持っているわけであります。
 このために、今後こういうことが二度と起こらないようにしていく必要があると。先ほど来言っているように調達本部のシステム、それから自衛隊員の再就職に関する課題をきちっと制度化して透明化を図っていく等々の問題があるし、防衛庁は現在、将来についての日本の安全保障をどう考えるかという問題について検討する、考える、政策をつくる政策官庁として脱皮していく、そういう形が不可欠であろうというふうに思っております。
 当然、自衛隊のあり方についても国民の皆さん方に十分理解を得ることができるように、我々も全力を尽くしてまいりたいと思っております。
#149
○田村秀昭君 長官は大改革をしてきちっとするんだとおっしゃっておりますが、それは非常に結構なことだと私は思います。大改革をやっていただきたい。
 それで、自衛隊・防衛庁の位置づけというのを明確にされるおつもりがあるんですか。ちゃんと軍隊として認知するような、そういう大改革をおやりになろうとしているんですか。長官の言っておられる大改革とはどういうことですか。
#150
○国務大臣(額賀福志郎君) 今回の一連の事件で問われておりますことは、こういう背任事件を起こすような背景についてきっちりと問題点を洗い出して、こういうことが起こらないようなシステムをつくっていくことであるつまず、そういうことを明らかにすることによって信頼回復をしなければならないということ。もう一つは、防衛庁がやはり安全保障を考える政策官庁として問題意識を持って、そして日本の安全を守るための戦略について国民の皆さんの間で議論がなされていく、そして共通の認識を持っていく、そういう形をつくっていくことであろうというふうに思っております。
#151
○田村秀昭君 長官はそういうふうにおっしゃっていますが、なかなかそんなことできないと私は思います。
 そうしたら、具体的に聞きますけれども、防衛調達制度にかかわる委員会というのが防衛調達制度調査検討会、先ほど田先生がお聞きになった、有識者の方々がお入りになってやるのは非常に結構だと思いますが、なぜユーザーである自衛官を入れないんですか。統幕議長経験者とか幕僚長経験者という、ユーザーに対してどうなのかという検討が非常に欠如しているんです。使う人の意見も聞かないでどうしてそんなことができるんですか。だから、そういうことをやろうとすると今の体制ではできないんですよ。だって、国会答弁だってできないでしょう、今ユニホームは。そういう状況をつくり出しているところに問題があるんです。なぜユーザーの自衛官の意見を聞かないんですか。
 時間がありませんから、そこだけ二、三お聞きします。あと五分ぐらいしかありませんから、簡単にぱっぱっとお答えいただきたいと思います。
#152
○国務大臣(額賀福志郎君) 防衛調達制度調査検討会でも当然各幕の意見は聞くことになってくるわけであります。
#153
○田村秀昭君 いや、メンバーの中に入っていないじゃないですか。
#154
○国務大臣(額賀福志郎君) それから、内部的な改革としては、私自身が各統幕議長、各幕の参加を得てこの防衛調達制度の問題点についていろいろと協議をしていきたい、ぞして外部につくられた検討会と相呼応する形で一つの考え方をまとめていきたいというふうに思っております。
#155
○田村秀昭君 この報告書の中で、非常にピントのずれたことが書かれているんです。これはどういうことかというと、戦車や戦闘機が多くの企業で製造できるというふうに思っているんですよ。だから、何か市場原理を導入したようなことを、いわゆる供給ソースの多元化を追求すべきだと書いてあるんです。供給ソースの多元化を追求できるんですか。戦闘機というのはどこの会社でもできるんですか。国が自分でつくるのならできますよ、防衛庁で。それをやらないで、旧軍の陸海軍がお互いにつくっているのは非常に不合理だから、それで民間の基盤を育成するということで国の方針が決まったわけですね。
 デュアルソースをつくる、二社にするのも大変なのに、どうしてそういうピントのずれたことを検討しているんですか。できるんですか、戦闘機というのは。
#156
○国務大臣(額賀福志郎君) 田村先生御指摘のとおり、こういう戦車とか飛行機については確かに技術とか設備等で製造会社が特定されていくわけでございます。しかし、随意契約八五%の中にはやはり仕様書等の改革によってそういう競争原理を導入する分野も出てくる、検討する用意、必要はあるのではないかというふうに思っております。
#157
○田村秀昭君 ですから、そういうところの意思決定にユーザーである自衛官が入っていないんですよ。だからそういう一般的な市場原理を追求するような考え方が出てくるんです。非常に制約された中で今防衛産業というのは育成しなきゃいけないというのが中曽根長官のときに通達が出ているんです。
 それで、もう一つその件についてお聞きします。まず、この報告の中で「防衛産業との癒着構造等の問題点を指摘されていることに鑑み、」と防衛庁がみずから防衛産業と癒着があるというふうに認めているんです。癒着というのはどういうつもりで書いているのか知らないけれども、この辺の考え方、癒着しているんですか、まず。
#158
○国務大臣(額賀福志郎君) そういう御指摘もあるということを踏まえて、私どもが信頼関係をつくっていき、また防衛産業の健全な育成をしていかなければならないということであります。
#159
○田村秀昭君 時間がありませんので、最後の質問です。この問題が起きて防衛庁の内局も含めまして何も仕事ができないような状況にあるんじゃないかと私は思うんですが、長官がぜひおやりにならなきゃいけないのは、日米関係の2プラス2で信頼関係を失わないようにやっておられると思うんですが、沖縄の普天間基地の問題も何にも解決しないし、周辺事態関連法案も政府の成立させようとする意図も全然感じられない、この国会もあしたで終わろうとしているんですが、そういう政府の怠慢というのはどういうふうにお考えになっているのか、それをお聞きして私の質問を終わります。
#160
○国務大臣(額賀福志郎君) それぞれ沖縄問題については、私もこの前現地を見させていただきましたが、SACOの最終報告について全面的にこれを前進させていこうということで日米の2プラス2でも合意をしたところであります。
 普天間については、私もテーブルに着くことが大事である、オール・オア・ナッシングでは現状固定である、だからそういう形をつくるのがよいのではないかというふうな考え方を示しております。
 ガイドラインについては、先ほど来お話がありますように、政府、我々としてはぜひ国会で審議をしていただくように努力をしてきたところであり、これは我が国の安全、北東アジアの安全にとっても不可欠の問題であるというふうに認識をしておりまして、ぜひ国会の皆さん方にも御理解を得て審議ができるようにお計らいをいただきたいというふうに思っているところであります。
 また、日米関係につきましては、我が国の安全保障は日米安保条約に基づいた形で推進をされており、今後とも引き続いて堅固な信頼関係を構築していくことに努力をしていきたいというふうに思っております。
#161
○山崎力君 今回のは証拠隠滅に関する内部調査の中間報告でありますから、主に事実関係を明らかにするという点を中心にお伺いしたいと思います。時間が限られておりますので、簡潔にお答え願えればと思います。
 まず、私が報告書を読んでいって一番最初に感じた文章というのは、要するにこれは東通、東洋通信機の問題でいろいろ調べたんだけれども、結論として「過去に決裁を経た返還額に誤りがあったと判断するには至らなかった。」という文章があります。ということは、要するに過去に決裁をしたものが適当であったあるいは正当であったという判断もできなかったという言いかえの言葉だと思うんですが、そういうものなんですか。これはもう一回振り返ってみて、このやったことは正しかったと、あるいはここが間違っていたと言うようなことができない状況に防衛庁の事後調査というのはあったということと判断してよろしいんでしょうか。
#162
○政府委員(伊藤康成君) 御指摘のところは三ページの上段に書いてあるところでございます。四社特に東洋通信機の返還額につきましては、先ほど来申し上げておりますように、調本の対策委員会を中心に各種の検討が行われました。しかしながら、結局まさにここに適切になされなかったと結論づけることはできなかったということが事実でございます。
 今に至ってみますと、当時の調本長とかの人とか、あるいはまたその当時の関係者の一部からの見解ということで当時のやり方が間違っていたということはわかったわけでございますが、内部の段階ではなかなかそこまでははっきりしなかったということを率直に記述したものでございます。
#163
○山崎力君 ということは、これは微妙なんですよね。法務省というか司直の手が入っていろいろ調べられた結果不適当だったというごとは今になって言えるんだけれども、自分たちで当時調べたらそこまでいかなかったんだという内部調査の限界をみずから認められたわけでございます。
 そうするとへ今回のこともそんなところかなというふうな印象を最初から我々としては受けざるを得ないスタートのあれでございまして、その辺のところが、いわゆる内部規律的な面での内部調査の限界があるんだということを認めた上でのことだろうと思うんです。そうすると、やっぱりそこの観点でどうしても見ざるを得ないということを御承知おき願いたいと思います。
 それで、今回の場合、まさに証拠隠滅ということなんですが、その証拠はいろいろあります。ただ、別の観点からいきますと、その証拠というのは言葉を置きかえれば保存資料、残されたいろいろな資料だということだと思うんです。これは役所によっていろいろ内規その他あると思うんですが、いろんな格付があると。永久保存しなきゃいかぬものから、覚書程度で担当者がかわればそこで破棄されてもいいものがある。あるいは一年間とかあるいは案件が処理される、一言でいえば法案が成立されるまではというようなものもあるでしょう。そういったことについての内規というのは防衛庁に当然あると思うんですけれども、その辺について、今回破棄されたものについて、保存を、永久保存はもちろん、当然今の時点において残されていなければならない資料というもののチェックはされたんでしょうか。
#164
○政府委員(伊藤康成君) 四社関連事案、特に東洋通信機等の文書につきまして私どもは中心に調査をしておるわけでございますが、当然のことながら破棄されたあるいは焼却された文書というのは期限切れのものというふうに私どもは聞いておるわけでございます。ただ、その中で全く期限内のものがゼロであったかということまでは今正直申し上げまして言い切る自信はございません。なお調査はしたいと思っております。
 なお申し上げれば、この事案に関連した非常に重要な文書というものは、私どもの認識では大部分が昨年秋以降、東京地検の方に任意提出されておるというふうには認識しておりますけれども、全くゼロだというところまではまだ調査が終わっていない次第でございます。
#165
○山崎力君 法務省の方においで願っておるので、後でお聞きする部分があるんですけれども、要するに今の段階では残されているべき資料の中で破棄された、隠滅されたというものは把握していないと。ただ、そこのところに関しては、法務省へのその他の提出部分、その他があるので、全部、今防衛庁にあるわけでないから確認はできない、このような答弁だろうというふうに理解しております。
 そういった意味で、三ページの下に、五十箱程度の文書を檜町駐屯地から十条駐屯地に移転した際に焼却したということがありますが、その中には保存すべき文書が含まれていなかったというようなことは調べられているんでしょうか。
#166
○政府委員(伊藤康成君) これは、まさに移転のためでございますが、当然のことながらそこで焼却するか、あるいは十条に持っていくかという仕分けの中で、期限の切れたもの、先ほど先生おっしゃいましたように、あるいはそれほど保存を必要としないものも当然あるわけでございまして、そういったものだというふうには聞いております。
 ただ、その中で全く四社関連の資料が含まれていなかったかと申しますと、もう少しこれもまた検討しなければならないと思います。
 ただ、四社の中でも東洋通信機あるいはニコー電子といったようなところにつきましては、実は東京支部の管轄ではございませんので、恐らくその関連の資料はなかったであろうということは申せると思います。
#167
○山崎力君 続いて、いろいろなことがあって、具体的事例についてあるんですが、動機がなかなか見えてこない部分がございます。「押収を避けたいとの意識も働いていたものと思われる。」と中ごろに書いてあります。これはどういう意味なんでしょうか。本人は押収を避けたいという意識を持っていたということを否定しているんだけれども、その対応を客観的に見た場合、どうもそうは思われない、やはりそういう意識が働いていたんではないだろうかというふうに受けとれるんですが、要するにどういうことなんでしょうか。
#168
○政府委員(伊藤康成君) 本人が否定していたと申しますといささか強過ぎるのではないかと私は存じます。聞き取りの段階におきまして、いや、実は押収が嫌だったからというようなことを申した者は多分いなかったと思います。
 ただしかしながら、実際にその資料の移転の対応を見てみますと、もちろんここに書きましたように、勉強を要すとか業務に必要だとか、いろいろ理由は述べているわけでございますが、しかしながら、その移転が捜査の直前であったというような事実を考えますと、やはりこのように判断せざるを得ないのではないかということで記述したものでございます。
#169
○山崎力君 この点非常に重要でございまして、本人の刑事訴追の関係を考えれば無理はない部分もあるんですけれども、内部調査で、おまえ本当にどうしたんだということに対して、少なくとも国防の任に当たる機密保持の重要なところで、そこのところを追及できなかった、客観的な状況から見て明らかにおかしいということも断定し得なかったということは、これは非常に難しい問題は承知の上ですけれども、そういった人たちの集団にこれだけ重要な国防の任に当たる中枢にいてもらっては困るんではないかという気持ちを国民に抱かせる内容でございます。
 その点について、長官、本当にこれはしっかりしていただかないと、機密に関することがあり得るわけでございますから、御留意願いたい。できれば最終報告のときにその辺のところの対応策をきちっとさせていただきたいと要望申し上げます。
 それからもう一つ、細かい点でちょっと確認させていただきます。
 七ページのところで気になったのは、上段で「藤倉航装(株)については、会社自身原価元帳は作成していない。」と、こう一行ぽんと入っているんですが、こういった原価元帳を作成していないというようなことが、そちらとの契約上許されるものなんでしょうか。
#170
○政府委員(及川耕造君) 防衛庁の装備品の調達は、いわゆる予定価格の算定基準に関する訓令に基づいて予定価格を算定し契約を締結しているわけでございますが、その算定方法につきまして、訓令では、先生おっしゃったいわゆる原価元帳のような標準資料のない場合におきましては、相手方から提出されました見積資料を審査いたしまして予定価格を定めることができるというふうにいたしております。
#171
○山崎力君 それから、これも確認なんですが、八ページやいろいろなところで、昨年十月以降、地検に任意提出されたいろんな資料が出ている、こういうことなんですが、これは原本が出ているんですか、それともコピーが出ているんですか、任意提出は。
#172
○政府委員(伊藤康成君) 原本を提出したものもございます。また、原本のほかにさらにコピーも提出したものもございます。
#173
○山崎力君 そうすると、原則として任意提出するのは、向こう側というか法務省側からすれば原本を要請してきた、こういうふうに認識すればよろしいわけですか。
#174
○政府委員(伊藤康成君) ケースによって当然違いはあったと思いますが、基本的には原本で提出していると思います。ただし、その際、そのコピーをとったというケースはございますが、そのコピーについてもさらに後に提出をしているというケースはあったと承知しております。
#175
○山崎力君 そこで、法務省にお伺いしたいんですが、今回は証拠隠滅という疑惑で言われているわけですけれども、これは捜査中でいろいろ問題あるのかもしれないんですが、まず事実関係として三回防衛庁に家宅捜索が入っているわけですが、その理由、容疑事実ですね、これはすべて共通ですか、それともその都度変わっておりますか。
#176
○政府委員(松尾邦弘君) これまでの間、防衛庁に三回捜索を行っておりますが、そのうち二回は東洋通信機の背任の事案、もう一回はニコー電子関係の現在捜査中の事案でございます。
#177
○山崎力君 ニコー電子の場合は、容疑は何でございますか。
#178
○政府委員(松尾邦弘君) 東洋通信機の背任事案と形態は同じでございます。被疑事実としては罪名は背任でございます。
#179
○山崎力君 そういった中で背任の、これは形としてはあれなんですが、事務次官室まで対象になったということは、これは極めて証拠隠滅ではないということで、等がついていれば、背任等であればこれはまた別かもしれませんけれども、そういった点で法務省の方にお伺いしたいんですが、現時点までの証拠物件、今捜査中、点検中だろうと思いますけれども、証拠隠滅といいますか、そこまで言うと言い過ぎになるので言葉をかえれば、当然防衛庁にあるべき資料で押収物の中にない、改めてこの文書、資料の提出を、あれば求める、なければ捜索するというような予定というものは現在そちらの方で把握されていますでしょうか。
#180
○政府委員(松尾邦弘君) 東洋通信機の事案については既に起訴しまして、今公判の準備中でございます。
 ニコー電子については、現在被疑事件として鋭意捜査中ということでございまして、その証拠関係の収集あるいは供述等の収集といいますか、そういったものがいかなる状況にあるか、あるいは困った状況にあるのか、あるいは十分なのか不十分なのか、お尋ねでございますが、いずれにしても今捜査進行中の事案にかかわる御質問でございますので、お答えいたしかねることになろうかと思います。
#181
○山崎力君 これは念のためですが、一応起訴はされているわけですから、そこのところで、ニコーの方は残っているということなんですけれども、証拠隠滅という言葉と別に、これは先ほどそういったことはまず今のところ防衛庁では把握されていないということなんですが、保存すべき文書が隠されていたとすれば、これはある意味では公文書の投棄の別の罪名になる部分もあろうかと思います。
 私は、何回も背任の前に詐欺があるんじゃないかというふうに申してきましたけれども、その辺の法律的な運用の問題点というのも、こういう役所、行政と絡んだときにゆがめられているんではないだろうかという感じを私自身持っておりますので、その辺は法務省としても御留意願いたいと御要望を申し上げます。
 最後に、防衛庁長官にお伺いします。
 先ほど同僚の田村委員からもいろいろな点で、特に基本的な部分で指摘がございました。確かにそういった点でのお気持ちはわかるんですが、専門家を経験された田村委員からの指摘という部分。本当に実態を見たら、要するに、知らない人から見れば当たり前のことなんだけれども、内情を知っている者からすれば、何をやるつもりなんだ、本当に石川島播磨以外にジェットエンジンをつくらせる気か、こういうことになるわけでございまして、それは金額が膨大になるところです。
 そういった意味で、役所として今回の事案を本当に考えるならば、もう少し御自身の今回に対する気持ちを政治家としてはっきりさせた方が、将来の日本の防衛あるいは行政に対する国民の信頼感を回復させるのではないかと私は思っております。
 そういった意味で、最後の質問者として、現時点における言い得る限りの防衛庁長官としての出処進退についてのお考えを御披露願うことをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
#182
○国務大臣(額賀福志郎君) 今回の中間報告につきましては、一連の背任事件等をめぐる信頼失墜をどうやって回復するかということから防衛庁内部で調査をしてきて、今の時点の中間報告をさせていただいたわけであります。
 引き続いて調査をし、そしてしかるべき厳正な処置をとっていくと同時に、今後乙ういうことが起こることがないようにしていくことが大切であるというふうに思っております。
 今後、私といたしましては、身を捨てて、冷静に物事を見ながら、今言ったようなことをきちっと対策を立ててまいりたいというふうに思っております。
#183
○委員長(河本英典君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時三十二分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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