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1950/12/09 第9回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第009回国会 運輸委員会 第6号
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1950/12/09 第9回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第009回国会 運輸委員会 第6号

#1
第009回国会 運輸委員会 第6号
昭和二十五年十二月九日(土曜日)
    午後一時五十分開議
 出席委員
   委員長 前田  郁君
   理事 大澤嘉平治君 理事 岡田 五郎君
   理事 坪内 八郎君 理事 原   彪君
   理事 米窪 滿亮君
      尾崎 末吉君    尾関 義一君
      黒澤富次郎君    玉置 信一君
      前田 正男君    中西伊之助君
      飯田 義茂君    石野 久男君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 山崎  猛君
 出席政府委員
        運輸政務次官  關谷 勝利君
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        長)      足羽 則之君
 委員外の出席者
        專  門  員 岩村  勝君
        專  門  員 堤  正威君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 新線建設に関する件
    ―――――――――――――
#2
○坪内委員長代理 これより会議を開きます。
 暫時休憩いたします。
    午後一時五十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時四十一分開議
#3
○前田委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
 まず新線建設に関する件を議題といたします。質疑の通告があります。これを許します。石野君。
#4
○石野委員 先日の委員会のときに質問を留保いたしたのですが、開発線の問題につきましては、その必要性を大臣は十分認めておられるわけでありますけれども、資金の点で非常に困つておる、資金が決定的に不足しているというのが、この前の大臣の御意見でございました。そこで私はお尋ねいたしますが、それならば資金の調達ができるまでの間、どのように新線建設というものを当局としては考えておるかということについて、一応大臣にお伺いしたいのであります。資金の調達が確実になるまでの間の新線建設に対する計画なりあるいは考え方なり、そういうものについてまず大臣の御所見を伺いたいと思います。
#5
○山崎国務大臣 資金で行き詰つておることは、私が別段御説明申し上げないでも、これは明らかな事実と思います。しかし資金のできるまで拱手傍観して成行きにまかせるというのではありません。資金を造成するために、いろいろくふう努力しなければならない面もあります。それと並行的にいろいろ今後その線に沿う計画等も立てて行きたい、こう考える次第であります。
#6
○石野委員 努力したいということの意味は、先日の委員会においてもその意向をよく承つておりますし、ただいまの御答弁でもその意向はよくわかるのでありますが、現在の実情からいたしますると、運輸省並びに国鉄の事実上の新線に対する手だてというものは、何一つとして行われていないように見受けられるのであります。予算面におきましても、そのように見受けられるのでありまして、従つてただ拱手傍観するということではないと大臣は言われるにしましても、事実上はそういう結果になつて来るのではないかと思います。これではやはり日本の産業開発のために、せつかくきつね、たぬきを運ぶような線路の開発までも考えておられるとしましても、役に立たなくなつて来る。これを私ども非常に憂えておるわけでありましで、とにもかくにもでき得ないところを何とかしなければならない。衝に当つておられる苦衷はよくわかるのでございまするが、しかし新線の必要性にかんがみましてその手だてを具体的に、やはりこういう方向に持つて行くのだということを、一応私ども承知しなければならぬと思いますので、もう少しその点についての御意見を承りたいと思います。
#7
○山崎国務大臣 この前私はここで衷情を披瀝しておきましたが、今日はまだ政治の段階であります。事務には入つておらないのであります。国会において私が政治的の意見を述べで行くのは、政治であります。これから政治を具体的に事務化させて進めて行くところに、今後の政治の具体化があるのであります。そういうふうに御承知を願いたいと思います。
#8
○石野委員 非常に問題が抽象的になつて参りまして、ここでは政治を論ずる、具体的に事務的なことまでなかなか入れないということですが、それは大臣の言われる通りだと思うのでございますが、しかしそれでは、実際に経済的に貢献する新線の意味はなくなつて来るわけであります。私たちはやはり政治が具体的な業務となつて現われて来ることこそ、望んでおるのでございます。今占領下いろいろな面で不自由を来している実情でありますけれども、やはり新線建設については、ひとり私どもだけではなくして、おそらく国会の全議員がその希望を持つている。同時に私どもがそのときどきの国政調査によつて、各地に見る現実の姿としましては、これを切実に要望している声があるのであります。しかもその声を聞き入れることによつて、日本の開発がいかに十分になし遂げられるかということの見通しは、すでに大臣自身がよくわかつているわけでございますから、ただその政治と事務との相違を大臣としてはあげて、事務の方面は別だというようなお考えでは、よくないのではなかろうかと私は思います。そこで何とかその方法を考えなくてはならぬと思いますので、私はお尋ねしたわけであります。しかしこれ以上踏み込めないようでございますから、私は他の面から一応その資金の問題についてお尋ねしたいと思います。
 資金の調達が困難であるとしますならば、過日大臣も言つておりましたように、あるいは見返り資金とか、あるいは預金部資金等を流用することによつて、これを考えなければならないということになるだろう、こういうようなお話でございました。そうだろうと私は思います。そこで私ども今ここで考えますことは、公共企業体としての国鉄の仕事と、それからいわゆる一般会計と特別会計との関係でございますが、公共企業体としての国鉄が、新規事業に対しての金の余裕がないというような場合に、新規線につきましては、どうしてもこれは一般会計である程度見てやらなければならないのじやないかという必要を痛感するわけであります。見返り資金あるいは預金部資金を流用することとはまた別途に、一般会計からのそれに対する補給といいますか、何かの考慮を拂うという点について、今どのようにお考えになつておりましようか。御意見を承りたいと思います。
#9
○山崎国務大臣 ただいまお尋ねになつたような線を、やはり私ども同じように、政治的にこれをどう解決して資金を捻出すべきかということを考えることが、いわゆるわれわれの努力なのであります。もちろん資金の出どころは一本道ではございません。内外の情勢の許すところへ持つて行つて、解決をして行かなければなりませんので、今ここで見返り資金によるとか、預金部資金によるとか、あるいは一般会計からの繰入れを要請するとか、あるいは公債によるとかいうようなことは、そのいずれをとるかというところに研究の余地があるのであり、いずれのものが許されるかというところを研究し、具体化させて行かなければならないところに、われわれの政治的の努力がいるわけであります。
#10
○石野委員 政治的な努力がいるということの意味はよくわかるのであります。しかしただいままでの大臣の御答弁によりますと、結局吉田内閣は、現実の問題としましては、新線の問題に対して、政治的な考慮だけしか拂つていない、こういうふうに私ども了解してよろしいのでございますか。
#11
○山崎国務大臣 失礼ですが、どうも話を何でもここではつきりきめてしまえというふうにおつしやるけれども、それら全部を包括して政治的にやつて行こう、こういうのでありますから、これはなかなか出そうもないとか、そういうふうにきざんでお話にならずに、新線を建設するという、国情の必要とすることを私はこの前申したのである。これに対しては、まずもつて政治的にその方向に期待を向けて行かなければならぬのであり、さらに進んで、この間もお話が出ておつたようでありますが、あるいはこれについて特別に何か会のようなものを設けて、そうしてこれを実際的に進める方法も講じなければならないのではないか、こういうふうに考えておるのであります。
#12
○石野委員 大臣の新線建設に対する考え方は、非常に高度な政治性によつて考えておられるようでありまして、私の質問はどうも非常に下の方の地道なことであり、末端のものを考えておるという大臣からのお話でございますが、私は決してそういうつもりではございません。広範な問題について大所、高所からこれを考えて行くということについては、大臣の言われることもよくわかるのです。しかし私たちはその必要性によりまして、今日の困難をいかに打開するかということの目途をつかむことが、特に立法府としても考えなければならぬ問題だというふうに思つておるわけでございますから、そういう点から実はお尋ねしたわけでございます。この点はなまず問答になつてしまうのじやないかと思いますので、一応ここでおきますが、いまひとつ新線建設につきまして、見返り資金によるところの開発の可能性について、この前にちよつと触れておられたと思いますけれども、大臣の見通しをちよつとお聞かせ願いたい。
#13
○山崎国務大臣 見通しを断言することは非常にむずかしいことであり、これは実際できないことであります。しかしわれわれは国際情勢、いろいろ考えて行きまして、いつまでも見返り資金、見返り資金といつてこれをあてにして、具体的の事業計画を立てて行くというようなことは、浮雲を相手にして追つかけて行く計画を立てるような気がするのであります。新聞等にもぼつぼつ現われておりますように、見返り資金の前途に対する見通しも、世上伝えられておるような姿にあるのでありますから、見返り資金をあてにして新線をつくつて行くというようなことは、近いうちは別として、遠い将来まではあてにはならないように考えております。
#14
○石野委員 ただいまのお話は、ドツジさんもやはりそういうふうに言つておつたと記憶しております。さもあらんと私も思います。そこで見返り資金については、事実上私も将来に対して必ずしも一方的にそれを使うことを望んでおるわけではありません。従つてあるいは預金部資金とか、あるいは鉄道建設の公債の問題とかいうようなことなどが、当然ここで考えられなければならぬと思います。私は前に国鉄法の一部改正で四十億のいわゆる増資の問題がありましたときに、非常に神経質だと言われるくらいまでに、見返り資金から来る四十億の金の問題を心配したことがございました。今日においてもやはり同じような憂いを持つておりますので、見返り資金に対する考え方について、いろいろと見解があるわけでございますが、これは一応ここでは抜きにいたしたいと思つております。そこでいまひとつその見返り資金に関連いたします問題ですが、これは仮定の問題だというので、例の吉田さんと同じような御返事になつてしまうかもわかりませんが、見返り資金を新線建設に活用するということによつて来るであろうところの、日本の運輸行政上における外資の圧迫といいますか、そういうようなものがあるであろうかどうかということについて、大臣の見解をひとつお聞かせ願いたい。
#15
○關谷政府委員 ただいま石野委員からのお尋ねは、外資導入をしたために、わが国の鉄道経営に圧迫を加えられることはないかということのようでございますけれども、決してそのような憂いはないと申し上げてさしつかえないと思います。
#16
○石野委員 これは見解の相違ですから、今の次官の御意見は一応承つておきたいと思います。私はただいままでの質問と過日の大臣の答弁などをいろいろと総合いたしまして、ただいまのところ運輸当局、いわゆる吉田内閣におきましては、新線建設については希望するけれども、どうにもならぬという状態におかれておるように見られるのであります。大体そういうふうに理解いたします。しかしそれでは困るので、この際もう一度今度は具体的な問題でお聞きしたいのですが、鉄道敷設法第一條に載つておりますいわゆる百五十四線、この線は当然新線の工事をやらなければならぬものと理解されておるわけだと思います。しかしながらこれらのものをいつときに、しかも金のないのにできるわけでもないのでございますけれども、しかし事実上こういう各線は、その地元々々における経済的な要請、あるいは地元民の要望等によりまして、当然これは徐々にでも建設の方向に持つて行かなければならぬものだと思います。当局はこの百数十にわたるところの新線、建設を予定されておりますところの線に対しては、近い将来においてこれを新線工事にまで、予算的な措置ができ得る可能性を見込んでおられるかどうか。この点についてひとつ御意見を承りたいと思います。
#17
○山崎国務大臣 今お尋ねの、一番初めに断定を下された、希望だけあつて何ら具体的な資金計画等ないということの御断定は、それは返上いたします。われわれはそういうふうに声だけ立てておいて、実際の考えを持たないというようなことはございません。着々今進めつつあるので、まだ公表する段階に入つていないというふうに説明を加えておきます。
 さらにまた、次の敷設法についてのお尋ねでありますけれども、これは石野委員におかれてはごむりのないことと考えますけれども、この敷設法に掲げられておるところのあの各線というものは、これはことごとく詳細な測量等を経て、ぜひここになければならないといつてあげられたる全部ではないのであります。そのうちには地図の上で色をつけた程度の線も相当含まれておるのであります。従つてその後戰争を経、国内の情勢、経済の情勢、地方発達の情勢等、経済的に見ても、政治的に見ても、人口移動の点から見ましても、そこに非常な変化があるのでありまして、敷設法に掲げてあるところの線を全部そのまま実行しなければならないということも適当ではないし、それかといつて、また今から十数年前、およそ二十年近くも前にできた敷設法に予定された裸が、今日なお当時の情勢と同じような必要に迫られておる場合もありますので、これらは昨今の現実に徴して、各線ごとに詳細に調べて後、初めてこれを行うべきか行うべからずかを決定することが、時代の推移に即した適当な線の選び方ではなかろうか、こういうふうに考えますから、これは一段の調査と現実に即してやる必要があろう、こういうふうに考えております。
#18
○石野委員 ただいまの御答弁によりまして、敷設法の別表については再調査をするということの意図はよくわかりました。私もそうであろうと思うのであります。しからばこの別表の改正については、当局はいつまでもほつておいてはならないのであります。本日は第九臨時国会が終るのでありますが、しかし第十国会において、その別表の改正というようなことを正式に取上げて、改正なさる御意図がありますかどうか。この際確かめておきます。
#19
○山崎国務大臣 これは一応調査をいたした上でその方向を定め、方針を定めて参るべきことであろうと考えております。必要があればその場合において考慮し、改正の必要も起りましようし、必要がなければ改正しないで行けるということも申し得るのでありまして、まずもつて調査ということが先決問題であるかと考えております。また必要があれば、決してそれを改正することにやぶさかなるものではないつもりであります。最も効果的な方法をとりたいと考えております。
#20
○石野委員 もうあと二つお尋ねしたいのですが、今の別表の問題について、調査の上必要があれば改正するし、そうでなければそのときの事情によつて処置したいというお返事は、どちらにも通ずるお返事でございます。しかし実際は先ほどの大臣の御答弁にもありましたように、もう二十数年間にわたつて、今日の時局には合わない線もあるというようなことも言われておるわけでございまするから、これは当然やはり改正されなければならぬものだろうと私は思うのでございます。従つてそういう処置は当局としてなされるという意思の表示が、しかるべくなされてよいのではないかと私は思うのであります。その点はもう一度お答え願いたい。
 それからいま一つは、先ほど吉田内閣は新線に対しては非常に意見もあり、希望も持つておるし、具体的に施策を持たないということに対しては、それを返上するというような御答弁がありましたが、大臣としては返上されるのかもわかりませんが、ただいま承りました御答弁の中からは、それはどういうものを返上されたのかわからない。やはり残つたものはただ希望であり、考慮中だということになつてしまいます。もし発表する段階に至つていないのだと言われましても、やはり政府としては運輸行政の衝に当つておるわけでございますから、無計画では済まされないわけでございます。もし発表の段階にまで至らないにしても、たとえば年次計画なり何なりはあるはずだ。それのこまかい点でなくてもよろしゆうございます。大臣がおつしやるように、新線に対するそういうものがおありになるならば、外貌だけでもよろしゆうございますから、この際ひとつ計画の一斑を示していただきたい。この二つの点をお伺いいたします。
#21
○山崎国務大臣 計画の一斑をお話できるならば、それは調査の段階でないと思います。それらの調査をし、計画を立てて行く手順をこれからとらなければならないと考えておる次第であります。
 別表改正の必要があるかないかというお話でございますが、それは私は答えたつもりなのです。必要があるところは改正をし、必要のないところは改正しないでよかろうと思う。これは両方に通ずる言葉ではなくして、これ以上今日の段階において申し上げようのないことだと考えております。
#22
○石野委員 別表に関して、必要のあるところはかえろということ、そういう意味ならよくわかりました。先ほど私がお尋ねしました点は、第十国会において、そういう改正点の必要があるところは、当然改正されるような処置をなさるものと理解いたします。
 それからいま一つの計画の問題でございますが、計画の一端でも発表することができるようになつておるならば、それはもう調査の域を脱しておるのだということも当然なことだと思う。しかしながらここで私が大臣に聞きたいことは、新線建設については一般の切実な要望であり、われわれ自身もそれの必要性を痛感しているということなんです。そういう意味合いにおいて、当局がただ資金のやり繰りができないからということで、計画線まで出ないのだということではだめだ。やはり新線建設に対する計画というものは、相当程度確信を持つて示してもらいませんと、われわれとしてもこれに対するいろいろな論議ができないことになりますので、やはりそういうものがあるならば、外貌でも知らしていただきたい。
#23
○山崎国務大臣 大体私の申し上げておることは、石野委員のお尋ねに総括して答えておる、そういう印象を私自身は持つているのでございます。今外貌でも簡單に知らせてくれというようなお話でありますが、そこまで新線の建設ということをおつしやれば、私どもも申し上げます。金のくめんができても、今度はどれを選ぶかということも、順序を立てなければならぬことであるし、さらにまたそれを受けるところの技術人もなければならないことでもあるし、材料の整備もしなければならないことでもあるし、簡單に図面の上に線を引いて、ここに線をひつぱるつもりだというようなことで、新線計画の案というようなわけには参らないのであります。政治を事務的に移し、そうしてこれを技術的に仕上げて行くという段階を経なければ、日本のレールを敷いて汽車を走らせることはできないのであります。そういうことで、今ここで外貌でもお話をせいとおつしやつても、それは今日の段階ではむりであります。さらにまた、これは石野さんがおつしやつたので、私が申し上げたのではないのでありますが、それならば第十国会にこれを出してそうするつもりかというふうに、そう先々へ断定を下されては、私も答弁ができぬことに相なりますから、この点念のために申し上げておきます。今日は今日の段階においてお答えを申しておるので、先のことまで断定をしてお答えできないということをはつきり申しておきます。
#24
○石野委員 新線問題に関しまして、技術的な問題から政治的な問題にまでいろいろと考えなければならぬという大臣の答弁に対しまして、それならば行政官庁の長として大臣は、今新線に対して特にこの問題を考えるような処置を、どのようにおとりになつておられるかということをこの際お聞かせ願いたい。何か機関にかけるような段取りでも考えておられるのか、それともこの問題はただ單に大臣だけの構想なのかということもひとつ明らかにしていただきたい。
#25
○山崎国務大臣 運輸省におきましては、運輸大臣の構想はすなわち運輸省の構想であります。運輸大臣の腹案としては、まだ発表に至らざる腹案を持つておるのでございますけれども、おのずから時間の経過によつて発表することになろうと私は考えております。
#26
○石野委員 どうも大臣は政治的な生活が長いだけに、私どもが尋ねても矢がすべつて行くようでありまして、この点これ以上お尋ねいたしましても、私の望むところのものが十分に得られないように思います。しかしながら私の痛感することは、どう大臣がおつしやれましても、やはり真劍に考えているという様子はわかりまするが、現実の具体的な問題をどういうふうに処置するかということについての施策が、十分に出ていないように思います。せつかく大臣の構想は運輸省の構想であるということをおつしやられましても、それでは具体的に運輸省の中にどういうふうにそれが動いておるかということがわからない限り、大臣の言葉は言葉としてだけしか受取れないということになるのであります。非常に遺憾でありますが、私はこれ以上ここで大臣にお聞きしようとしてもむりなように思いますので、質問を一応これで打切らせていただきます。しかしながら希望としましては、せつかくそれほどの抱負なり経論を持つておられる大臣でありますから、運輸省の事務の上にそれが具体的に出て行くように、そしてそれが予算の上にはつきりと計上されるようになつて来なければ、私は政治にならないと思う。そうでなければ、大臣自身は一つの政治評論家にすぎないことになつてしまうのではないかと思いますので、そういう点をひとつ早急に展開していただくようにお願いしまして、私は一応質問を終らせていただきたいと思います。
#27
○前田委員長 中西君。
#28
○中西委員 今の新線でありますが、これは全国の要望でありまして、当局は予算がないという一本やりですが、国鉄の運営についてわれわれが今まで知つている範囲でも、たとえば物件費その他を節約すれば十分な経費が出るわけであります。これは山崎さんの時代ではありません。前年度でありますが、たとえば石炭を、不要なものを三十億から買つて、石炭資本家が盛んに暴利をむさぼつているという事実がありますし、その他の物件費でも、倍額以上で買い上げているという事実がある。こういう費用を節減すれば、そつちの方に持つて行けるはずなんですが、これはどういうふうにお考えになつておりますか。
#29
○山崎国務大臣 今中西委員のお尋ねは、山崎運輸大臣前のことだということでありましたけれども、ちよつとそれは常識上判断いたしましても、さようなことがあろうとは私は想像がつかないのであります。それは物件費を節約し、人員をさらに節約することによつて、しぼり出せば出るという一応の御意見はわかりますけれども、この上人員をどうしぼり出すか、この上物件費をどう削り取るかということにつきましては、むろんお尋ねがないまでも、そういう点は絶えず十分な注意をして行かなければならぬ問題でありますが、私の常識的判断においては、そういうように法外なものがむだに現存しておろうとは考えられないのであります。
#30
○中西委員 それではお尋ねしたいと思うのですが、たとえば石炭でありますが、大体一箇年現在どのくらい需要されているのですか。購買はどのくらいになりますか。御存じのはずなんですが、どのくらいの金額になつておりますか。
#31
○足羽政府委員 今ちよつと材料を持ち合せておりませんので、あとで調べてから御返答申し上げます。
#32
○中西委員 大体石炭は従来の経験から一箇年どのくらい必要なんですか。
#33
○足羽政府委員 あとで資料で御報告申し上げます。
#34
○岡田(五)委員 実は私運輸委員でございますが、先々々回でしたか、運輸委員会におきまして、いろいろこういう問題につきまして国鉄の当局から説明を聞きましたので、私の記憶をここに参考に申し上げまして、政府委員の答弁にかえるといつては失礼でありますが、私からお答え申し上げます。大体これは国鉄当局の説明でございまして、私はまた聞きをお話申し上げるので、そういう点間違いがありましても、あしからず御了承を願いたいと思います。
 大体国鉄におきましては、年間六百万トンの石炭を使つておるようでありますが、このカロリーは六千七百カロリー程度でありまして、大体物件費の中の三百億が石炭費になつておるのではないか、かように私は聞き及んでおるのであります。最近の炭価が、トン当り約四千円平均だという話も聞いております。かようなところから、今ちよつと上つておりますが、六百万トン、四十円で約三百億、こういうものが石炭費のように聞き及んでおります。
 なお先ほど、三十億なり四十億の石炭を持つておるのじやないか、こういうようなお話もあるようでありますが、御承知のように、機関区におきまして石炭をあのテンダーに乘せて走るのでありまして、機関区のあるごとに相当の貯炭を持つていなければならぬ。また石炭が直ぐ近くにある所もあり、ない所もあり、あるいは港頭に貯炭を持ち、あるいは貯炭場に貯炭を持つておる、そこから配炭する、こういうことで、一箇月分くらい石炭を持たなければならぬということであります。私はかような説明を聞きまして、決して国鉄はむだに石炭を持つていないと推定をいたしておるのであります。説明を聞いたまた説明でありますから、あるいは間違いのある点は御容赦願いたいと思います。
#35
○尾崎(末)委員 鉄道建設に関する意見が前から引続いて行われたようでありますが、私はここに鉄道建設促進に関する決議案を提出いたしたいのであります。その前に、ごく簡單に要約いたしまして数点だけ、この決議案提出の前提として御質問申し上げますから、簡明率直に御答弁か希望いたします。
 第一に、去る第七、第八両国会において決議案を上程いたし、これが衆議院において議決せられたことについては、前回の委員会において岡田委員から御質問があり、この趣意に対して政府はこれを尊重するのだ、しかし経費あるいは資材その他の事情等によつて、今日まで積極的に建設に着手するに至つていないが、あらゆる政治的の考慮を拂つて、これが具体化に努力しつつある。御答弁を総合しますとこういう御答弁になるようでありますが、これは運輸大臣を初め当局は、あらゆる政治的の考慮を加えて、これを事務的、技術的に移して行くための具体化に非常な努力を拂つておられる、こういうことに了承いたしましてよろしゆうございますか。
#36
○山崎国務大臣 ただいまお尋ねの通りに御了解くださつて間違いないと、はつきり申し上げます。
#37
○尾崎(末)委員 第二点の質問でありますが、そういうふうに具体化に努力を願つておるその途中におきまして、一部の人からこういう疑問の声を、私どもは耳にいたしておるのであります。ということは、鉄道の新しい建設も必要ではあるが、わが国にさらに新しく道路の開発をいたしまして、道路による輸送をやることが、相当に産業の開発に必要なのだ、こういうような意見も一部にあるようでありますが、私どもの見るところ、研究いたしたところによりまするならば、わが国の山岳その他、いわゆる立地條件と申しますか、道路交通、道路輸送による産業の開発よりは、鉄道の建設による産業経済の開発の方が、はるかに大きい結果をもたらすものである、こういうふうに私どもは調査研究の結果によつて確信をいたしておるのでありまするか、要約して申しますならば、道路交通、道路輸送による産業経済の開発ももとより必要ではあるが、さらにそれ以上に鉄道の建設による開発の方が重大なのである、こういうふうに私ども了承いたしておるのでありますが、政府におかれましてもその通りお考えになつておりますかどうか、これもごく簡單な御答弁でけつこうであります。
#38
○山崎国務大臣 ただいまのお尋ねは、道路と鉄道との優劣、あるいはその効力等は、日本の地勢の立地條件に照して、むしろ鉄道かより効果的であり、より能率的であるという意味のお尋ねのようでありましたが、お尋ねはもちろん道路の効果を否認された言葉ではないように私は了承いたしますので、山岳地帶においては御説の通りであり、同時にまた平野地帶においては、鉄道と道路と両々二本建で行つてしかるべきところもあろうかと考えるのでありまして、一方的に断定を下すわけには参りませんけれども、道路は道路のそれぞれ所管において全力を盡すことでありましようけれども、運輸省の関する限りにおいては、鉄道に力を集めて御意見のごとき方向に進めたい、かように考えておる次第であります。
#39
○尾崎(末)委員 ただいまの御答弁けつこうであります。御答弁願いましたように、道路が無用であるというのでなくして、道路もまことに必要ではあるが、それ以上はるかに鉄道の建設の方が重要性を持つておるという質問でありまして、御答弁もその趣意にはつきり了承をします。
 第三点におきましては、やはり世間の一部に、今申しましたように新しい鉄道の建設は非常に必要なのではあるが、今のような経済の安定と自立とをはからなければいかない、こういう時代において新しく鉄道を建設するならば、その建設の影響によつて、インフレを相当高騰せしめるおそれがある、こういう意見も世間の一部にあるように耳にするのでありまするが、私ども過去の実績に徴してみまするならば、鉄道の建設は、先に申しますように経済の開発にただちに効力を発生するものでありますので、鉄道の建設の影響によつて物価高を招来いたしたという結果は、過去において一度も見なかつた、いわゆる鉄道の建設によつてインフレを激成、またはインフレに影響するようなことはなかつた、こういうふうに私どもははつきり見ておるのでありまするが、政府におかれましても同様な御所感でありましようか、その点を簡單に伺つておきたいと思うのであります。
#40
○山崎国務大臣 ただいまお述べに相なつた通りに、鉄道が敷かれて有無相通ずる輸送機関の活動ができて来れば、それが物価高になるのではなくして、物価をして並行的に置くように導くという効果の多いものであろうということは、御説までもないことと思いますが、しかしその過程におきまして、一地方に多額の賃金が拂い出され、あるいは資材が需要されるというような動きによる多少のインフレヘの刺激等は、あるいはあるかもしれませんけれども、これは全国一時に行われるのではないのでありますから、これによつて全国的の物価高を刺激するということはなかろうかと、かように考えます。
#41
○尾崎(末)委員 あと二問でありますが、第四番目に伺つておきますことは、ただいまの御答弁の通りに私どもも了承かつ確信をいたしておるのでありますが、全然新しい鉄道の建設によりましても、ただいま御答弁のような結果になつて参るのでありまするが、他面を考えてみまして、戰時中にすでにレールまで敷かれてあつた所のレールを撤去いたした、そういう場所であるとか、あるいはすでに路盤が完成をいたした路線であるとか、あるいは九〇%以上も路盤が完成をいたした所が三十数本、五〇%以上にわたるものが五十数本あるように調査いたしておるのでありまするが、そういうような所や、さらに経済上、産業上の実情を眺めてみまして、全然新しい所に新しい鉄道の建設をいたしましても、たちどころに採算が成り立つということは、衆目ことごとく見得る場所や、さらに鉄道を建設することによつて、直接その区間だけの採算といたしましては当局は成立たないが、大局的にこれ友総合して見ますならば、いわゆる総合した採算の上から申しますならば、経済の開発になるのであつて、いわゆる大きな目で見る採算は成立つもの、こういうのが大体今日鉄道の新しい建設を必要とする大きな――他にもありますか、大きな條件のようでありますが、こういうように、要約して申しますならば、レールができておる所のものを撤去いたしたものや、路盤のでき上つておる所のものや、採算がはつきり成立つとわかつておる所のものや、直接採算は当面その区間においては成立たないようには思うが、総合してこれを計算をするならば、経済の開発に大いに利益がある、こういうことで今日新しい鉄道の建設が要望せられておるのでありまするから、従いましてこれらのものの建設によつて影響する結果が、インフレに影響するどころでなくして、かえつて先ほど御答弁になりましたように、いわゆる物価を安くし、生産を増強するという結果になる、その條件が非常にたくさん含まれておる、こういうふうの結論になると思うのでありますが、政府は同様の御所信でありますかどうか、伺いたいのであります。
#42
○山崎国務大臣 ただいまお述べになりました御趣旨に対しましては、同感の意を表します。
#43
○尾崎(末)委員 第五点であります。そういうことでありますから、今まで多くの御希望や意見が出たようでありましたが、将来長くこれを期待することはできないといたしましても、当面見返り資金を利用いたしますとか、あるいは預金部の資金を貸し付けるとか――ここに一言つけ加えまするが、預金部資金の利用につきましては、私は予算委員会におきましても、過去二回の国会におきまして、大蔵当局にも、今日の預金部の資金を地方の金融を円滑にするために、地方に多く還流すべしという議論並びに質問をいたしまして、大蔵大臣からも同様の所見であるという旨の明答をしばしばとつておつたのでありますが、さらに第九国会におきましても、先日予算委員会においてこの質問をいたしましたところ、單に地方に金融の建前から預金部の資金を還流するだけでなく、事業の面から考えても、従来と考えを異にして、地方に起るところの事業にも投資をいたしたい計画を持つておるということを、大蔵当局も言明をされておるのでありますから、従つてこれらの預金部の金等をこの鉄道の建設に使いますことは、今申しますような地方の金融並びに生産を円滑にするという上から考えましても、たいへんにきき目があることはもとよりでありますから、当面見返り資金の利用や、あるいは預金部資金の貸出しや、あるいは債劵その他の方法等によつて、なおこの上とも積極的にすみやかにこの新しい建設に向つて事務的、技術的に具体化していただくよう、強い要望をいたしたいのでありますが、こういうような点につきまして、政府はどの程度の強いお考えをお持ちになつておりますかを、最後に伺つておきたいのであります。
#44
○山崎国務大臣 預金部資金の活用ということにつきましては、今から十数年前に農村疲弊の際に、預金部資金の農村還元という意見が強く主張せられた時代があります。零細なる三等郵便局を通じてなされたる地方大多数の資金を、農村に還元すべしという意見でありまして、もつともな次第でありますが、今日の場合も、その農村還元と同じような趣意において、ただいまお話の御趣意と合致すると考えるのでありまして、見返り資金の前途がだんだん細々となつて来るような現状におきましては、当然預金部資金を地方に還元して活動をなさしめるということは、きわめて適切な財政処理ではなかろうかと考えております。この点に向つては、幸いひとり日本の政府ばかりでなしに、いろいろ示唆を與えられる関係方面等においても、その方向に向いつつあるようでありますから、この際一段の努力をいたしたいと考えております。
#45
○尾崎(末)委員 ただいまの御答弁で非常に力強く感じます。従いまして冒頭において申し述べました鉄道建設促進に関する決議案を提出いたします。案文を読み上げます。
   鉄道建設促進に関する決議
 一、衆議院は第七国会並に第八国会に於て鉄道建設促進に関する決議を行つて一国民の代表であり国民の最高機関としての強い意志を表明した。
  一、それは我国の経済的復興と人口問題対策としては国土の有効利用と国内資源開発が絶対に必要であり、その為には更に道路交通を盛ならしめることも必要であるが、それよりも我国の立地條件の実状は鉄道建設が遙かに緊要であるからである。
 一、然るに此目的を達成する必要も感じ、既に路盤も完成した幾多の路線や、戰時中レールの撤去をなしたもの、及び衆目の見る処悉く鉄道建設を必要とする所が多いにも係はらず、積極的に之に着手せられないのは遺憾の極みである。
 一、世間の一部には鉄道の新建設は緊要であることを承知しておるが、斯の建設の影響によりインフレを惹起することを怖れる者もあるやに聞くが、長い実例に徴しても経済開発に即効こそあれ、これによつて物価高を来したと云うことは絶対にないのである。
 一、政府は見返資金の利用又は預金部資金の貸與等其他適切な方法をもつて第七、第八両国会に於ける決議の趣意に基き速かに積極的に建設に着手せしむべきである。
 一、尚此問題の推進力たらしめる為に鉄道建設審議会を速かに設置することを要望する。
 右決議する。
以上の決議案を提案いたします。
#46
○原(彪)委員 ただいまの決議案の御趣旨は、たいへんけつこうだと思うのでありますが、過日岡田委員からも、運輸大臣の新線建設に対する法的根拠ということについて、御質疑があつたのであります。私もこの点について非常に疑義を持つております。もしこの決議案が可決されました場合には、国民を背景とする国会の決議でありますから、大臣はこれを実行せなければならないように義務づけられると私は思うのでありますが、そういつた場合に法的問題で、たとえば国有鉄道法の五十二條には、新線の建設及び運輸事業の讓受けについては、運輸大臣の許可または認可を受けなければならないとあることは、御承知の通りであります。それから第五十四條に、公共の福祉を増進するために云々とあります。これは監督上必要な命令をするのであつて、新線建設について命令を出すことは、この五十四條では解釈上少し幅が広過ぎて、外へ出るのではないかと私は思うのであります。従いまして第五十三條の規定によると、国有鉄道が新線を建設する場合には、運輸大臣の許可を受けなければならぬ。従つて国有鉄道が主体になつて審議会をつくるというのが、法的解釈ではほんとうではないかと思うのであります。ただいまの決議がもしなされた場合に、こういうような法的解釈の上に立つて、運輸省はどういう御方針をおとりになるか。国有鉄道法を改正されるのか、あるいは国有鉄道を主体とした審議会をおつくりになるのか、こういう点について御説明願いたいと思います。
#47
○關谷政府委員 ただいま国有鉄道が主体になるかというお尋ねでありますが、新線の建設に対しましては運輸省が主体になる、こういうふうに考えておりますので、それに伴いまして国有鉄道法の一部を改正する必要があると存じております。
#48
○前田委員長 ただいま尾崎委員より御提案になりました鉄道建設促進に関する議案を、本委員会の決議といたすことに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○前田委員長 それではさよう決定いたします。
#50
○原(彪)委員 いろいろ御質問申し上げたいことは山積いたしておりますが、時間の関係であまり申し上げるのも何でありますか、国会で決議をされた場合に、当然これは大臣としては御尊重になることと思うのでありますが、先般例の国有鉄道の機構改革の問題について決議がなされましたのは、九月の十九日であります。この決議文の内容をもう一ぺんここで申し上げたいのでありまするが、要点だけ申し上げますと、「国有鉄道新機構の現状につき視察の結果、東北、北関東、近畿、中国においては運営上幾多の支障欠陥ありと認める。よつて、わが国経済文化の動脈たる国有鉄道運営の円滑を期し、公共の福祉を増進するため、政府は速かに青森、宇都宮、姫路、下関に鉄道管理局を設置する様措置すべきである。」という決議文を、九月十九日にこの委員会で満場一致で可決しておるのであります。その後三月も経過いたしておるのでありまして、大臣はこの決議に対していかような御処置をおとりになつているか、いまだこの委員会には御報告がないのでありまして、どういう法的な根拠で、また国有鉄道に必要な命令を出されておるか、そういう点もあわせてひとつ御答弁いただきたいと思います。
#51
○山崎国務大臣 お答え申し上げます。政府といたしましては国会におけるそれらの御決議に対しては、十分これを尊重して行くことは申し上げるまでもありません。その後におきまして、運輸大臣といたしましては国鉄に対して、はたしてその機構改革の補充をなす必要ありやいなやの点について調査を命じ、報告をいたさせておる次第であります。
#52
○原(彪)委員 大分日にちかたちますので、大臣の御答弁はただ運輸省に調査を命じて報告品を求めておられる、これは法的根拠においてはけつこうでありますが、国有鉄道の方からまだ何らそれに対して報告がない。また大臣がこの委員会の決議を尊重して、その報告がないからほつておくというというような態度は、どうも三月もたつておりますし、時間的に少しとうかと思いますので、どういう御処置をされたかを私はお伺いしておるのでありまして、それを承りたいと思います。
#53
○足羽政府委員 この管理局の国鉄機構の改正の問題につきましては、いろいろ両院の運輸委員会の委員の全国の御視察の結果も承つておりまして、御要望の点もございます。私たちといたしましては、今回の改正が国鉄にとりましては未曽有の改正であり、従つてこれの影響するところは非常に広く、かつ深いものがある、こういうふうに考えておる次第でありまして、その改正の結果がその善惡、あるいは欠点、良否というような点につきましては、早急に判断を下すということは、なかなか結論か簡單に出がたいもの、こういうふうに考えておるわけであります。改正のねらいが業務の縦割り組織にいたす点、及び従来の四段階の機構改正等を三段階にいたしまして、現場を直接把握し、そして能率の向上を期する、こういう責任体制の確立と業務能率の合理化をはかるという点がねらいでありますので、そうしたねらいが今度の改正によつてはたして達成せられたかという点については十分に検討をいたして、その結果によつて判定をしなければならぬ、こういうふうに考えておる次第でありますが、改正せられた時期以後まだ日も浅うございまして、わずかに数箇月しかたつておらぬ。そこで国鉄に命じて、国鉄側においてもそれに対する具体的ないろいろな点の調査を進めており、またわれわれとしても検討いたしておる次第でありますが、まだ御報告を申し上げるような結論を見るに至つておりませんので、その点あわせてこの機会に御報告申し上げたい、こういうふうに考えます。
#54
○原(彪)委員 私は自分の選挙区に関係も何もないことでありますし、国家的な問題でありますので、自分個人の直接の利害関係ではありませんけれども、結果において国会の決議を尊重するという意味において、どうしても国会で一旦決議したものは実行していただかなければ――きたない言葉でいえば、国有鉄道にこの委員会がなめられてしまう。決議は必ず実行してもらわなければならぬ。だから決議したら必ず実行するような決議をわれわれ委員会もしなければならぬ、こういうことです。私ははなはだ僭越ですけれども、先ほどの決議案について、法的根拠をお尋ねしたのもその意味なのです。それでございますから、この前決議したのは管理局の問題でありますが、むしろこれは大臣としては国会の決議を尊重する意味において、国有鉄道に対して命令をお出しになるぐらいな御勇気があるかどうか、ひとつその点も承りたい。
#55
○山崎国務大臣 お答えいたします。冒頭にお答え申し上げました通りに、政府としては国会の決議はそのいかんにかかわらず、これを尊重するものであることは申し上げるまでもないのであります。その尊重する線に沿うて調査をし、研究をし、最善を盡さなければならぬ。その過程にあるということを、ただいま鉄道監督局長よりお答えを申し上げたような次第でありますから、そのしばらくの間の時間がかかるということは、断じて国会の決議を軽視するのではない、愼重に愼重を重ねるのであるというふうに、御了解をいただきたいのであります。以上お答えいたします。
#56
○原(彪)委員 大臣の御答弁はまことに誠意のある御答弁でありますので、これ以上私は申し上げません。大臣を御信頼申し上げて、もう少しその経過を見守りたいと思います。
 それからこの機会にもう一点質問してよろしゆうございますか。
        ―――――
これはひとつほかの委員の方にもお許しいただきたいのでありますが、大臣と私は党派こそ違え、同郷でありまして、日ごろより御懇意いただいておりますが、常磐線の電化の問題については、大臣は常磐線の大臣ではない、日本国家の大臣だとおぼしめしになつておられるのでありましよう。しかしやはり郷土を愛するというお気持はお持ちになつていると私は思うのであります。きのう私がここで電化の問題について、国有鉄道の小柳電化設備課長さんに御質問申し上げましたところ、非常に冷淡な御答弁で、私は非常に落胆したのでありますが、大体常磐線は昭和二十七年度にもむずかしいようなお話、二十八年度にもむずかしいような、非常に悲観的なお話でありました。と申しますることは、信濃川の発電所の五万キロワットのほかに、さらに三万五千キロワットの発電貯水池をつくらなければだめだ。しかもその貯水池ができるのにはあと二、三年かかる。こういうような悲観的な話だつたのでありまするが、大臣は郷土の幹線であるところの常磐線の電化に対して、ぜひとも私は御盡力いただきたいのですが、大臣のお気持を承りたいと思う。
#57
○山崎国務大臣 原君こそ郷土愛に燃えるお尋ねでありまして、まことに敬意を表する次第であります。本来私は、できるだけ多くの日本の鉄道を電化さすべきであるという主張者の一人であります。どこを先にどこを後にということよりも、科学的に合理的に考えて、当然電化さるべきように方針を立て、そして財政、資材その他の許す範囲に、これを可能な限度において促進して行く方向でなければならないと、まず総論的に考えておる一人であります。もちろん常磐線は私の郷土であります。しかし郷土でなくても、東京という大きな都会地を間近に控えて、放射線状態で、東京との交通が最も頻繁な所であり、朝夕乘つても、最も混雑な線の一つであるということは、現実の事実でありますから、郷土であるとないとにかかわらず、かようなものは当然合理的に考えて、科学的に考えて、さようなければならぬものと私ども存じておる次第であります昨日お尋ねに対して、国有鉄道の当局者よりお答えがあつたそうでありますが、御承知の通り私は技術屋にあらず、專門家でないために、今ここで御列挙になつたような数字的な技術的なお尋ねに対しては、はつきり申し上げる力を持たないのでありますけれども、先刻来話題になりました通り、これも政治的なやり繰りをできるだけ促進しまして、電源、財源、資材等の許す限りにおいて、電化を促進いたして参りたいと思うのであります。
 もう一つつけ加えて申し上げて参りますることは、従来の国有鉄面を今日の国有鉄道公社に組織がえをして、昨年六月一日以来発足して、経営わずかにまだ一年半なのでありますが、この新たなる組織に移るのに際しましても、今日の日本の微妙なる国家的なあり方のために、関係方面より貴重なる助言を得つつ、ここに参つておるような次第でありますので、公社経営以来わずかに一年中でありまして、いろいろ向うの助言等にも耳を傾けつつ、経営を進めて行かなければならない現状にあるような次第で、それらをも包括して、電化の促進という一つの事実が進む次第でありますので、こういう点については賢明なる原君の万々御承知のことと考えまするので、この意味をも包括したふくらみのある御判断によつて、この電化に努力しつつあるということを、御了承を願つておきたいのであります。そしてこれが来年になるか、再来年になるかというようなことは、すべての請情勢が許す範囲において、できるだけ早く文字通りの促進の方法をとりたい、こう考えておる次第であります。
#58
○石野委員 大臣は非常に急いでおられるようでありますが、一、二点伺つておきたいと思います。
 ただいま問題になりました電化の問題については、ひとり常磐線だけではなくして、全体としての国鉄の電化についても、御意向をもつと具体的に進められるように御配慮いただきたいということを、冒頭にお願いしておきたいと思うのであります。
 ここで大臣にお尋ねしたいのでございますが、実は第九臨時国会に、運輸委員会に上程されておる法案の中に、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案がございます。ところがこの法律案は、この委員会で非常にまま子扱いされておるような状態であります。もう本日は時間もあと六時間しかございませんが、実は委員会でもなかなか取上げられないような状態になつておるようであります。それにはいろいろな含みがあるだろうと私は思いますけれども、ひとつここで提案されました政府にお尋ねいたしたいのでありますが、政府はこの法案を提出するにあたりましては、その必要とする理由をるると述べておりまして、私どもこの法案の内容が、特に公共企業体である国鉄の従業員にとつて、国鉄の従業員の諸君が経理の面に対して、地方公共団体との密接なる関係を一層促進する意味においても、非常にいい法律案だというように思つておるわけでございます。特に大臣がこの法案の説明をするにあたりましては、福岡県の志免町というのでございますか、この町の実情などもお話の中に例証されまして、なお最後の方には、国鉄職員に対して地方公共団体の議会の議員の兼職の制限を解くことによつて、職員の勤務に支障を来すかどうかということを、十分愼重に考えた結果、かかる懸念はないものと認められましたので、この際地方の自治の本旨にのつとり、上記制限を解くことにいたしたい、こういうふうに申されておつたわけであります。私はやはりこのようなりつぱな法律案は、少くとも一日でも早く委員会としても上程しなくてはならぬと思いますし、もとよりこれを提案されました政府当局も、この法案の推進方について、万万の御配慮をなされておることと思うのであります。なおこの法律案につきましては、参議院の運輸委員会においても、予備審査をいたしておりまして、この法案が衆議院から上つて来ることを、今か今かと待ち受けておる実態にあるわけであります。衆議院がこの法案をどういう事情であるかわかりませんが、審議を滯らせるという実情に対して、私は非常に不満を持つておりますが、それ以上に、この法案を提案されました当局である政府が、もつと一層の憤激を国会に対して感じておられることだろうと私は思うのであります。せつかくこの法案を提案されました政府の御所見を、この際はつきりお聞かせ願いたい、こういうように思うわけであります。どうかひとつ懇切なる御答弁をお願いいたします。
#59
○山崎国務大臣 政府は善と信ずればこそ、必要ありと信ずればこそ、提案いたしたのでありますから、いまさらそれを重ねて申し上げる必要はないかと考えます。しかし一たび成案となつて国会に付議された以上は、御質問があればお答えをし、説明をするのがわれわれの任務でありまして、その法案をいかに審議さるべきかは、一にかかつて国会にあるのであります。私はこれについてとやかく国会に向つておさしずをするわけには参らないわけであります。これを御了承願います。
#60
○石野委員 政府当局は、この法案をできる限り成立させていただきたいということには今もかわりない、しかしそれ以上のことは、国会に対してとかく言うのはよくないのだという大臣の説明であります。それはもつともだろうと思います。そうなりますと、問題は委員会の問題になつて来るわけでございますので、一言委員長にお尋ねいたすのでございますが、昨日の請願の中にも、この法律案と同様趣旨による請願が出ておりました。しかもその請願の提出者は増田国務大臣になつておつたと思うのでございます。自由党の政府がこの法律案を上程し、しかもその自由党の錚々たる幹部であり、しかも現在の国務大臣が請願を出しておる、それほど私はこの法案の内容というものは、重要性を持つたものだと思うのであります。それを委員長は、昨日はこの案件だけを一件抹消しようとされたわけです。しかし幸いにして抹消することなく、その請願は本日に保留になつていると私は考えておるのでございます。そういうような意味合いも含めまして、この法律案を本委員会において本日中に少くとも――まだちようど六時間あります。この六時間の間に何とか採決しなければならぬ問題と思いますが、委員長はどのような法案審議の仕方をしようとしておられますか、一応これに対するお考えを承りたいのであります。
#61
○前田委員長 石野委員にお答えいたします。従来委員会の取扱い方は、十分石野君も知つておるはずであります。いよいよ討論採決に入る場合は、各党の役員会、あるいは政調会、あるいは代議士会の議を経て、そうして各党の代表者が討論、採決をされる、こういうことに大体なつておるようでございます。ところがまだ各党のうち討論、採決するまでに、役員会あるいは代議士会の議を経ないところがありますので、私がこれを進めることができぬわけです。これから休憩いたしまして、その点に努力をいたしたいと思います。
#62
○石野委員 ただいま委員長の良心的な御答弁をいただいて、私は非常にうれしく思うのであります。飜つて見ますると、第九国会におきましてただいま委員長の申されましたような心構えで、もし予算のごときものが審議されておつたならば、ああいうようなふしだらな予算審議の結果は出なかつたろうと思います。当時私どもは党議を決定するために、予算案の上程を待つてくれということを運営委員会でも申しました。しかしそれは不幸にして、自由党の多数のために押し切られてしまいまして、ああいうような一方的な形で上程になつたと思うのであります。幸いにしてこの運輸委員会では、その常道をふまれておることは、非常にけつこうなのであります。しかしこれも限界があるのでありまして、すでに時間は六時間、それも四分ほど切れてしまいました。こういうときに荏苒その時を過すということは、せつかくこのりつぱな法案を流してしまうことになり、おそらく政府の提出した法律案を、みずから進んで流してしまうような形に持つて行くとは私は考えていたい。そんなことはなされないと思いますが、そこで私は休憩なさるのはよろしいのであります。けれども、法律案が流れてしまうような――参議院ではこれを待つておるというような事態において、休憩が長くなることによつて、法案が流れることをおそれるのでありますが、一体どのくらい休憩なさるのでありますか。
#63
○前田委員長 お答えいたします。ここで暫時休憩いたしますれば、各党において御努力願いまして、なるべく早く開くように努力いたしてみたいと思います。
 それでは暫時休憩いたします。
    午後六時四分休憩
    〔休憩後は開会に至らなかつた〕
ソース: 国立国会図書館
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