くにさくロゴ
1998/10/19 第143回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第143回国会 科学技術委員会 第6号
姉妹サイト
 
1998/10/19 第143回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第143回国会 科学技術委員会 第6号

#1
第143回国会 科学技術委員会 第6号
平成十年十月十九日(月曜日)
    午後一時開議
出席委員
  委員長 大野由利子君
   理事 河村 建夫君 理事 河本 三郎君
   理事 中谷  元君 理事 山口 俊一君
   理事 辻  一彦君 理事 斉藤 鉄夫君
   理事 菅原喜重郎君
      飯島 忠義君    江渡 聡徳君
      奥山 茂彦君    木村 隆秀君
      田中 和徳君   三ッ林弥太郎君
      望月 義夫君    近藤 昭一君
      佐藤 敬夫君    鳩山由紀夫君
      近江巳記夫君    吉井 英勝君
      保坂 展人君    中村喜四郎君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      竹山  裕君
 委員外の出席者
        原子力安全委員
        会委員長    佐藤 一男君
        科学技術庁長官
        官房長     興  直孝君
        科学技術庁原子
        力局長     青江  茂君
        科学技術庁原子
        力安全局長   間宮  馨君
        法務省大臣官房
        審議官     渡邊 一弘君
        運輸省海上技術
        安全局長    谷野龍一郎君
        科学技術委員会
        専門員     宮武 太郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月十九日
 辞任         補欠選任
  辻元 清美君     保坂 展人君
同日
 辞任         補欠選任
  保坂 展人君     辻元 清美君
    ―――――――――――――
十月十六日
 一、科学技術振興の基本施策に関する件
 二、原子力の開発利用とその安全確保に関する
  件
 三、宇宙開発に関する件
 四、海洋開発に関する件
 五、生命科学に関する件
 六、新エネルギーの研究開発に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 原子力の開発利用とその安全確保に関する件
 (使用済燃料輸送容器のデータ問題)
     ――――◇―――――
#2
○大野委員長 これより会議を開きます。
 原子力の開発利用とその安全確保に関する件、特に使用済み燃料輸送容器のデータ問題について調査を進めます。
 政府から、使用済み燃料輸送容器のデータ問題について説明を聴取いたします。竹山国務大臣。
#3
○竹山国務大臣 原燃輸送株式会社における使用済み燃料輸送容器のデータ問題の状況と今後の対応について御説明申し上げます。
 今月二日に原子力発電所の使用済み燃料が青森県六ケ所村の再処理施設に搬入されました。この輸送を行っているのは原燃輸送であり、みずから輸送容器を保有しております。
 この原燃輸送の輸送容器は、同社が数社のメーカーに発注して製造したものでありますが、これらに使用している原電工事株式会社製造の遮へい材の、同社が日本油脂株式会社に分析を依頼したデータが改ざんされていたことが、今月九日に確認されました。この問題は、原子力に対する信頼や安心という観点からも、あってはならない遺憾なことであり、これを重く受けとめております。
 本件については、科学技術庁では、実際の輸送容器の製作に先立って製作されたモックアップに使用された遮へい材のデータの改ざんが明らかとなった六日夜以降、原燃輸送に徹底した調査を行うよう指示するとともに、今月八日から科学技術庁職員による現地調査を行うなど厳正な対応を図ってきたところでありますが、十三日に、原燃輸送から実際の輸送容器のデータの改ざん等についての調査結果の報告が出されました。この報告によると、原子力発電所から再処理施設までの輸送に用いられる輸送容器三十一基のうち二十九基のデータに改ざん等があるということであり、残念ながら国民の信頼を損なう極めて憂慮すべきものでありました。
 使用済み燃料輸送の安全確保の重要性にかんがみ、今回の事態の究明等を行うため、専門的、技術的見地から検討を行う第三者から成る使用済燃料輸送容器調査検討委員会を設置し、事実関係の整理と確認、輸送容器の安全性評価及び今後の対応について、通商産業省及び運輸省の参画も得て、詳細な検討を公開のもとで進めていくこととしており、今月十三日に第一回会合を、引き続き十六日金曜日に第二回会合を開催いたしました。
 科学技術庁としては、本委員会における事実確認、安全性評価及び再発防止策の検討等に全力を挙げつつ、今後とも迅速かつ厳正な対応を図ることとしております。
 原子力発電所の溶接熱処理の捏造問題を初め、今回の事態は、技術者一人一人の良心、倫理観の問題でもあり、原子力行政に携わる私にとって、非常に残念に思っている次第であります。私は、地元の方々を初め国民の皆様の原子力の不安と不信を払拭し得るよう最大限の努力を重ねてまいりたいと考えております。委員長を初め、委員の先生方の御支援、御協力をお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#4
○大野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口俊一さん。
#5
○山口(俊)委員 自由民主党の山口俊一でございます。
 大臣、外遊前に急速というふうなことに当委員会相なったわけでありますが、実は私も、当委員会で質問をしますのは、例のあの動燃の充てん施設の火災爆発ですか、あのとき以来の質問でございまして、なぜこういうときばかり質問をしなければならぬのかな、なぜこういうふうなのが続くのかなと、大変残念な、悔しい思いがいたすわけであります。
 先日も理事会で、若干中身について、今回の経緯について御質問をさせていただきました。それ以降いろいろ調査もなさっておられるというふうなことで、このたびのいわゆる搬送用容器のデータの改ざん問題について、どうか、それ以降の調査の結果も踏まえて、それこそ包み隠さず御答弁をいただきたいと思っております。
 その前に、実は私は、我が政府の政策として進めておられます核燃料サイクル、この政策というのは大変重要だというふうに考えております。
 実は、何年か前に、フランスからプルトニウムを日本に移送というか持って帰るときに、APPUというアジア太平洋の国会議員の会議がありまして、私も役員をしておりますので、ちょうどその時期に、たしかグアムで会議がありました。
 行ったところが、周辺、特に南太平洋の国々から、もう日本はけしからぬ、プルトニウムの再利用なんて何てことを考えるんだ、世界の趨勢はこうで、それこそ日本は核兵器をつくろうとしておるのかというふうな議論が実はございました。もう一人で、その分科会の中で五、六時間、私も議論をさせていただきました。
 そのときに申し上げたのは、確かにいろいろ難しい点はある、問題もある、しかし、この技術が確立をされることによって、資源保全はもちろんのこと、それから、日本にとってエネルギー安保という問題もあります、しかし、世界のエネルギー需要にとってまさに福音となるようなすばらしい事業、政策でもあるのだというふうなことを実は申し上げました。
 そうした気持ちを今も持っておるわけでありますが、しかし、いかんせん、そうした政策を遂行するためにはどうしても欠くことのできない国民の皆さん方の信頼、これがもう土台から揺すぶられるような事件とか事故というのが多発、まさに頻発をしております。腹立たしいをそれこそ通り越して、本当にもう情けない思いでいっぱいであります。
 きょうは主としてそうした質問をさせていただくわけでありますが、先ほど申し上げました核燃料サイクル、これをきちんと着実に進めるためには、どうしても国民の皆さん方の御理解、御信頼、そして地元の理解というふうなことが不可欠でありまして、同時に、そのためには、そうした燃料を移送する手段といいますか、移送に関しても絶対の安全が確保されなければならないというふうなことも相あるわけであります。そうしたことから、お考えの前提となる核燃料サイクルの重要性について、私、新大臣にお伺いするのは初めてでありますので、その御認識をまずお伺いをいたしたい。
 それと、そのサイクルを確立するに当たっては、もう御承知の、いわゆるMOX、プルサーマル計画の推進が大変重要となってまいる。これについても若干当初の計画との狂いも出てきておるわけでありますけれども、これについて、この計画に対する国民合意形成のための取り組み方いかんというふうなことであります。
 あるいはまた、このサイクルの確立に当たっては、高レベル放射性廃棄物の処分に向けた今後の取り組み、これをきちんと明確にして、最終処分地が決定をしないというふうなことによる地元の方々及び国民の皆さん方の不安を払拭をするというふうなことが重要であろうと考えておりますので、そこら辺を、この進捗状況等についてもお伺いをいたしたい。まず前提となるお話をお伺いさせていただきたいと思います。
#6
○竹山国務大臣 山口理事を初め当委員会の先生方におかれましては、私ども科学技術行政に対して日ごろから温かい御理解と御支援、御示唆をいただいている、なかんずく原子力行政についての御理解、お支えがあって今日まで我が役所としてもその仕事に励んできたわけでございまして、今回のといいますか、引き続くこうした不祥事について、科学技術行政の責任者として、山口理事のお言葉一つ一つずしりと重く受けとめさせていただいております。
 もとより、我が国、原子力エネルギーを初め物的資源に恵まれない日本国の環境としまして、将来のエネルギーの安定確保、そしてまたお話しの放射性廃棄物の環境への負荷の低減、こうした大きな問題を抱えながら、使用済み燃料再処理、回収プルトニウム等の核燃料の再利用、有効利用という核燃料サイクルを、こうした課題の安全確保を大前提に、関係地元の住民の皆さんはもとよりでございますが、日本国を挙げて国民の皆さん方の理解を得て今日まで進め、また今後ともその安全性をお訴え申し上げていかなければならないということを極めて重要に考えておりまして、これは昨年二月の閣議了解に沿って、当面の重要課題としては、青森の六ケ所村における再処理事業、お話しのプルサーマル計画の推進に最大限努力していく考えでございます。
 また、このプルサーマル計画についての国民的合意の形成にどう取り組んでいるかという御質問であります。
 このプルサーマルにつきましては、原子力発電施設への追加的な投資をほとんど伴うことなくウラン資源を有効に利用できるという、現時点での最も確実なプルトニウムの利用方法である、こういうことで、これもまた昨年二月の閣議了解の、プルサーマルを早急に始動していこうという必要を受けまして、政府としても、地元の住民の方々に全力を尽くしてこのプルサーマル計画について御説明をしてきているわけでございます。
 具体的には、プルサーマル計画として関西電力高浜発電所の計画がまずあるわけでございまして、これについては、ことしの八月に通産省から原子力委員会及び原子力安全委員会のダブルチェックの諮問が行われ、また東京電力福島第一原子力発電所のプルサーマル計画についても、地元への事前了解願が提出されているという現段階の具体的な進捗が見られているところでございます。
 特に、東京電力の柏崎原子力発電所に係る計画については、たまたまきょうの夕方、フォーラムが柏崎市で開かれることとなっております。科学技術庁と通産省の共催によりまして「プルサーマルを考える」フォーラムを開催して、今後とも引き続き、プルサーマル計画の意義、安全性等について地元の方々を初め国民の理解を得、本計画を円滑に進めていきたい。そういう努力を進めているやさきの出来事だけに、重大に今回のことを受けとめている次第でございます。
#7
○山口(俊)委員 時間がありませんので、ともかく先に進ませていただきたいと思いますが、基本的なお考え方はわかりました。
 しかし、そうしたこれまでの御努力というか、それをあざ笑うかのごとき事件なんですね、今回は。まさに、これまで安全ですよと申し上げておったその根拠となるデータが、実はそう確かなものではなかった。まさに改ざんとか捏造ということがあった。これは、まさに根底から信頼を覆すような、信頼を裏切るようなゆゆしき事態と言っても過言ではなかろうと思います。
 科技庁としても、これまでいろいろ御努力なさってきて、若干腹立たしいという思いもおありになろうかと思いますが、ただ、あくまで責任ある監督官庁として、その遂行に責任のある役所として、今回のデータの改ざん問題につきまして、所感というか、どういうふうな認識を持っておられるのかを、この際改めてちょっとお伺いをいたしたいと思います。
#8
○間宮説明員 お答え申し上げます。
 今回の問題につきましては、大臣からもお話ございましたように、原子力に対する信頼あるいは安心という観点からも、あってはならない遺憾なこととこれを重く受けとめておりまして、現地調査あるいは検討会等で原因究明等をまず進めているところでございます。
 本件につきましては、まず我々の責任といたしましては、原因を徹底的に究明すること、いわゆる現在の輸送容器の安全性についてきちっと評価すること、それと、これらを踏まえまして、今後二度とこういうことが起こらないような再発防止対策を講じていく、これをしっかりやることが責任であるというふうに考えておりまして、既に二回の調査委員会におきまして製造過程の技術的内容を詳しいところまで理解をしてきております。あるいは、福島第二原子力発電所から六ケ所に搬入された輸送物、これは中に使用済み燃料が入った状態でございますが、線量当量率が法令に定める基準値を大幅に下回っていたことを確認をするとともに、今後、原因特定、品質管理体制、安全性の評価の進め方等をやっていかなければいけないというところまで議論が進展しているところでございますので、全力を挙げてこの推進に努めてまいりたいと思っております。
#9
○山口(俊)委員 実際、サンプルというか試験容器でもこれは大変な問題であるにもかかわらず、実用の容器までもというふうなことがあったわけでありまして、本当にこれはゆゆしき事態というふうなことが言えるわけであります。今局長の方からお話がありましたけれども、やはり徹底した調査と同時に、その後の処置なんですね。どこに問題があったか、そこら辺をきちんとしませんと、結局また同じことの繰り返しになるであろうと思うわけであります。
 そこでお伺いをするわけでありますが、科学技術庁は、使用済み燃料の輸送容器につきましては法令に基づいてどのような安全規制を行っておるのか。また、今回のといいますか、中性子の遮へい材に使われるレジンですね、合成樹脂ですが、これに関するデータが改ざんをされたわけですけれども、安全上問題になるものかどうか。これは大変気になるわけでありまして、この中性子の遮へい材の基準というのはだれがどのように設定をしておるのか、これについてお伺いいたしたいと思います。
#10
○間宮説明員 お答え申し上げます。
 まず、どのような安全規制を行っているかということでございますが、科学技術庁におきましては、使用済み燃料の輸送に係る輸送物につきまして、この輸送物の設計が法令に基づく基準に適合することについての確認、これはまず設計段階で承認をしております。輸送容器が設計承認どおりに製作されていることについての確認、容器承認と申しますが、実際の輸送が行われる前に、輸送物の線量当量率等が法令に基づく基準に適合することについての確認、これは輸送物確認ということで、この三段階の規制を行っております。
 当庁といたしましては、個々の容器の承認に当たりまして、容器が製作される段階で、個々の輸送容器が承認された設計に従って製作されているということを確認するとともに、材料、外観、寸法、溶接等の検査への立ち会いも行うことによりまして、その容器が設計で示された材料仕様の値に適合していることを確認してございます。
 先ほどの、基準はだれが決めたのかということですが、今申し上げました中で、設計仕様の値というのがございましたが、設計を承認してもらうために事業者の方から設計申請書が出てまいりますが、その申請書の中に、事業者の方で決めました材料仕様の値というのがございます。この値によって遮へい計算を行いまして、その結果が法令に基づく線量当量率の基準を満たすということで、これを国が審査している、こういうことになってございます。つまり、基準と言われておりますのは、事業者がみずから設定するものでございます。
#11
○山口(俊)委員 今、あらあらのところをお伺いをしたわけでありますが、私もいろいろお話を聞いて、どこでちゃんとしたチェックが行われるのかな。結局は、出してきた書面で見る以外ないわけなんですね。そこら辺は相当問題があるんじゃないか。それと、業者が出してきた値を承認をして、そのままやる。これも、それでいいのかなというふうな感じがするわけであります。
 今回の場合、そのデータに改ざんあるいは捏造があったというふうなことが言われておるわけでありますが、じゃ、今回の件は、原子炉等規制法に違反をするのかどうか。違反をしておる場合はどうなるのか。あるいは、そうは言えない場合に、行政府としてどう対応するのか。そこら辺についてお伺いをいたしたいと思います。
#12
○間宮説明員 お答え申し上げます。
 今回の場合、まだ法令上の違反ということでは承知をいたしておりません。もちろん、調査検討が進む中でいろいろな御議論はあろうかと思いますが。
 それで、処置といたしましては、いずれにしましても、こういういわば未確認状態と申しましょうか、調査検討が行われている状態の中で輸送が行われるということは何としても防がなければいけないということで、我々としては、輸送物の確認という、最後の、輸送の直前に行われる行為がございますが、それで一種のゴー、承認を出すわけでございますが、その行為をしないということにいたしておりまして、このことによって、この調査検討会で結論が得られるまでの間は輸送は行われないということになってございます。
#13
○山口(俊)委員 私も、この原子炉等規制法、罰則がないと聞いて、しかも行政処分もできないというふうなことで、こんなものでいいのかなと疑問に思ったわけでありますが、結局今のお話でも、承認しないとか許可しないというだけの話なんですね。そんなのでいいんですかね、これは。
 それと、もう一つが、先ほどお話が出ておりました、業者の方から、硼素か水素か、そこら辺の割合等々について申請をしてくるというふうな話でありますが、それを科学技術庁として、実際どこまで遮断をできるのかという検査をする、オーケーであれば認めるというふうなことでありますが、それでもちょっとおかしいんじゃないかな。
 科学技術庁として、当然そこら辺の、こういうふうな内容物であればこれだけ中性子を遮断をすることができるというふうな数値があると思うんですね。今回の場合でも、例えば申請どおりの数値であれば、割合であればこれだけ遮断をするはずだというふうな、恐らく実験データというかそういうのがあると思うんです。そこら辺を、実際の値と予測をしておった値と違うというふうな検査をやはりもっとすべきじゃないかな。今回も当然なさったんであろうと思いますが、そこら辺はいかがですか。
#14
○間宮説明員 お答え申し上げます。
 今の先生のお話、安全性を確認する上で、例えばレジンの実測値を用いて、実際に使用済み燃料を入れた状態について、計算によって線量当量率を求めるということもすべきではないかというふうに理解するわけですが、それは非常に有用なことであろうと我々考えております。調査検討委員会におきまして、今徹底的な議論が行われておりますが、この過程で、そのような計算の対象、方法等について、今現在検討が進められていると考えております。
 以上でございます。
#15
○山口(俊)委員 やはり、そうしたことを取り入れない限り、今の制度でいく以上はなかなかチェックをするところがないというふうなことが言えるわけでありますので、そこら辺も、十分その調査の結果を踏まえて、じゃ、どうするのかといったときに、十分御検討いただきたいと思います。
 それと、今回の事態というのは、原電工事と日本油脂、これが相計らってデータを改ざんあるいは捏造したというふうなことでありますが、実際、聞きますと、この原電工事というのはこうした仕事を、特許を持っておって、この会社がかなり幅広くいろいろやっておるわけですね。今回の輸送容器にしても、四十数本、うち三十数本がデータがおかしいというふうなのが出ておるわけでありますが、そのほかに、この原電工事と日本油脂というのがやった仕事、原子力発電に関するいろいろな仕事があると思うんです。これに対しても、恐らく国民の皆さん方は、本当に大丈夫なのかな、ああいうことをやった会社が本当にちゃんとしたデータを出しておったのかな、ちゃんとした報告をしておったのかなというふうな御不安があろうかと思うんです。それについてどういうところがあるんですか。
#16
○間宮説明員 お答え申し上げます。
 我々調べましたところ、原電工事と日本油脂が共同で行った原子力関係の工事といたしましては、敦賀二号炉の海水取水設備の取水用の循環水配管、これの塗装工事と貝殻落とし工事というものがあったということで承知しております。
#17
○山口(俊)委員 これも、私も前もって調べておったわけでありますので、塗装云々というふうなことでありますが、これに関しては直接今回のような事態ではないかもわかりませんが、それこそ国民の皆さんあるいは地元の皆さん方にとって、これは本当に不安なんですね。同時に、この会社は本当に信用できるんだろうかというふうなことであります。
 やはり、そういった意味合いからも、この会社のみならず、原電工事のみならず、最近頻発するいろいろな不祥事を見ておりますと、この世界に特有なのかな、最近ちょっと多過ぎるんじゃないかなというような気がします。
 それだけに、皆さん方の信頼を取り戻すためにも、是が非でも総点検をやる、時間はかかってでも、やはり一度点検をし直すというぐらいの気持ちでぜひともやっていただきたい。そして、それをすべて国民の皆さん方にオープンにしていく、これが大事ではないかと思っておりますので、そこら辺も考えながらやっていただきたい。
 もう時間が参りましたので、最後に大臣にお伺いをいたしたいわけでありますが、先ほど来お話を申し上げましたように、ともかく、せっかく皆さん方が努力をしておるにもかかわらず、一部といいますか、頻発するので一部とは言いにくいわけでありますが、こうしたことによって、どんどん国民の皆さん方の信頼が薄れていく。もうほとんど空気みたいに薄れておるんじゃないかと心配をするわけでありますが、そこら辺について、大臣として、今後の決意をぜひともお伺いいたしたいと思います。
#18
○竹山国務大臣 山口理事の御指摘でございまして、原子力の推進に当たっての安全の確保というのは大前提である、これはもう言うをまたないわけでございまして、国民の皆さん方の理解、協力を得て今後も原子力行政は進めていきたいと考えております。
 一方で、今お話のありました事象について、今回、この事態が発生しましてすぐに、輸送容器に関しての調査検討委員会というのを第三者機関でつくるように私から早速に指示をいたしました。もう既に、冒頭の発言でお話ししたように、先週の火曜日、十三日に発足させていただいて、その週の金曜日に二回目、そしてまた今週の二十二日ですから木曜日になりますが、三回目と、テンポを上げまして、引き続き厳正な調査に取り組んでいくことを続けているわけであります。
 この中で、技術的、専門的なことはもとよりでありますが、こうした仕事に携わる技術者、科学者といいますか、研究を含めて、こうした人々の精神構造といいますか、今モラルハザードというような残念な言葉が人口に膾炙しておりますが、そうした精神面がいかがなものなのかということを特に究明していかないと、専門分野だけの解明ではなかなかこの取り組みには打開点が見出してこないのではないか。
 こんな点を重点に、今後とも、まさに科学技術の、特に原子力行政という分野の国民の皆さん方の信頼を築いてはまた崩すというようなことを一刻も早く払拭して、原子力に対する信頼の回復を図っていくように挙げて科学技術庁として取り組んでいる最中でございます。よろしく御理解をいただきたいと思います。
#19
○山口(俊)委員 もう時間が参りました。大臣の決意を了といたすわけでありますが、なぜやったのか、なぜこれがわからなかったのか、そしてなぜこういうことがしょっちゅう起こるのか、それこそこうしたことを真剣に考えていただきたい。そして、時間をかけてそれなりの結論というか対処方もお考えをいただきたいと強く要望して、質問を終わらせていただきます。
#20
○大野委員長 辻一彦さん。
#21
○辻(一)委員 大臣、出発前の大変忙しいところ、御苦労さまです。御答弁のいかんによっては、飛行機がおくれないようにひとつしっかりやってください。
 まず、端的に伺いたいのですが、この輸送容器のデータ改ざん問題が出て、新聞等に報道された内容を見ると、企業側、電力側ですね、この日本原電、工事をやった側がいろいろと言いわけするのは別としまして、肝心の科学技術庁が、改ざんは遺憾だが安全上は問題がないということに、どうも言いわけがましく終始しているように思えるのですね。
 一番大事なのは、大量の、今度は見ると、八五%改ざんですね、ロットというか、キャスクの。そして、一番大事な安全のいわゆる基準が満たされていないということですね。基準に達していないということ。安全の基準を守るということは、もう安全性確保の第一義というかイロハのイであるはずなのに、それが全く顧みられていないというようなこと。この二つに極めて大きな問題があるのですね。
 改ざんは遺憾であるが安全は心配ないというような言い方では、非常に国民の皆さんに対しても誤解を受けるというか、やはり真実を語っていないという感じが私はしますが、担当大臣として、そこらのひとつ考え方をまず当初に伺いたいと思います。
#22
○竹山国務大臣 辻理事におかれましては、原子力行政に厚い御理解、御声援をお送りいただいている、常日ごろ諸会合にもお出ましをいただいて貴重な御意見を開陳をいただいているその理事からの御指摘、強く受けとめております。
 安全に問題ないというようなことは全くございませんで、私も、科学技術庁の長官を拝命するときに、小渕総理からまず一番に、原子力行政は意を尽くして尽くし過ぎることはないのだからこの辺を十分認識して取り組んでもらいたいと。これが大きく頭の中に占めている立場で、今回の問題もしっかりと取り組んでいるわけでございまして、国民の理解と協力なくしてこの問題は前へ進まない、この辺を強く再認識をさせていただいております。
 特に、今回の原燃輸送の輸送容器のデータの改ざん問題、これはまさにあってはならない遺憾な問題でありまして、そうした場面で、この輸送容器の安全性については、使用済み燃料輸送容器の調査検討委員会、これで現在精力的に厳正な評価を追求しているところでございまして、この結果を踏まえまして即刻対処をしていきたい。そういう場面であるということを御運解いただければありがたいと思っております。
#23
○辻(一)委員 科技庁が安全上問題ないというのは、普通の状況で輸送された場合、青森にも持っていったわけですが、正常な状況で輸送しておれば、それは表面の放射能を測定しても恐らく基準内におさまっているでしょう。心配ないと思う。
 しかし、例えば、この前阪神大震災があったときに、新幹線の絶対崩れることがないと言われた橋梁が相当な長さにわたって倒れてしまった。それから、日本ではもう絶対あり得ないと言われていた高速道路が六百メートルにわたって倒壊して、脚柱、足が折れた。我々も何回か現場を見ました。こういうのは、普通ならば毎日何万人、何十万人という人が恐らく新幹線で走り、高速道路の上に大変な車が、何万台か何十万台もの車が走っていると思うのですよ。それは、普通のときにはそれでいいのです。しかし、ああいう大地震とかいう状況になったときに、どれぐらい安全度がとってあるか、あるいは基準がきちっと守られているかどうかということが非常に問題になってくると思うのですね。
 こんな話は長くしませんが、我々も現場を当時見に行ったときに、高速道路の脚柱、足の中に、例えば溶接をちゃんと、長いわけですから鉄筋を溶接をする。真横一文字に、真横で同じ高さで溶接したのでは弱いから、一メーターぐらい全部ずらして溶接をする、交互に。そういうものが、折れた中には守られていないですし、あるいは、縦に鉄筋を入れると同時に、強度のために、帯筋というのか、横に鉄筋を巻く。そういう一定の基準がある。折れたところを見るとそういう基準が満たされていない。そういうことが明確になって、随分国会でもこの問題は論議をされました。
 それは、新幹線も高速道も平常時ならあれだけ走って心配ないわけです。しかし、ああいう大事故が起きたときに、どれぐらいの安全基準がきちっと守られているかということが問題になってくる。それも、倒れて中身が出て初めてわかったわけで、外からはわからないわけですよね。
 そういうことを考えると、単に輸送容器の表面、まともに走って青森に着いたからそこをはかって、青森に持ってきてはかって、それで心配ないというもので安全だというような問題ではない。やはり一番大事なのは、非常のときに備えた基準をいかにちゃんと守っていくか、そういう基準がきちっと論議をされて、権威のあるものであるかということが非常に大事なので、もう一度そこらの見解についてお伺いいたしたい。
#24
○竹山国務大臣 御指摘のありました点について、しかと受けとめさせていただきました。
 特に、この調査検討委員会は、第三者機関として、それぞれの分野の専門家がシビアな上にも厳正に、厳しい目で検討を詰めていこう、こういうことでございますので、御指摘のありました点を含めて、今後のこの調査検討委員会の大きな調査項目として受けとめさせていただきたいと思っております。
#25
○辻(一)委員 具体的に伺います。
 改ざんの事実は、先ほど数字をちょっと挙げましたが、四十四分の三十人、パーセントでいうと八六%ぐらいになるのですね。こんな大規模なデータ改ざんが行われた例は、今まで私、余り聞かなかったのですね、あったかどうかわからないが。余りない、非常に例外的な、大規模な、組織的な改ざんであると思うのですね。しかも、この科技庁が出している資料を見れば、このうちの九つは、もう試験がなされる前に、一週間前に数字が出ている、つくってあるのですね。捏造というか予測というか、厳密な検査をして、その結果を見て、これは困ったというので改ざんを多少したというのではなしに、試験がなされる、出てくる、その一週間前にもつの例についてはもう数字を先につくっているわけですね。これを見ると、いかに、その基準を守る、安全に対するずさんきわまりない考え方を持っているか。私は、それはもう科学技術者の風上にも置けない態度であると思うのですよ。
 そういう中で、納期が逼迫しているから、だから改ざんした、そんなものは理由にならぬと思うのですが、どう考えていらっしゃるか、お伺いしたい。
#26
○間宮説明員 お答え申し上げます。
 今回の問題の背景といたしまして二つございまして、一つは、今先生おっしゃいましたように、納期に間に合わないから、いわばある基準を、向こうの設計仕様の値を満足する値を自分でつくったという事実がございまして、それと、いわゆる分析データは届いたけれども、それが設計仕様の値を満たしていない、したがってかさ上げをした、この二つをしたということでございます。
 では、なぜこういうことが起きたかということで、もう一つは、我々の承知しておりますのは、原電工事の担当課長がそういう指示をしたというのがございまして、ここら辺の事実関係といいましょうか、必然性につきましては、今後、調査検討委員会でも十分議論になっていくと思っておりますので、その結果はまた御報告いたしたいと思います。
#27
○辻(一)委員 私は、政府が提出された資料を参考に皆さんのところへ配付をさせてもらいましたが、それをちょっと見ながら論議をしたいと思うのですが、例えば、この試作品をつくった、そのときに、キャスク、枠の中に、レジンの充てんというのが一ページ目にありますが、中性子遮へい材を注入しているのですね。その時期を見ると、例えば三井造船、神戸製鋼等で試作品がつくられて、そのときに、いつ鋳込みをするというか、遮へい材を注入したかというのを資料から調べてみると、三井造船では、平成七年の十月に遮へい材を注入しているのですね。それから、神戸製鋼では、平成八年の一月にこの試作品についての注入をやっている。
 ところが、それから約一年後、この三井造船は、平成八年七月に今度は実機、本物についての製作をやって、今言った遮へい材の注入をやっているのですね。それから十一カ月たっているのですね。それから神戸製鋼の場合は、八年一月から、平成九年の一月にその実体の注入をやっているのですね。だから、これは満十二カ月、一年ですよ。
 そうすると、前に欠陥があるということがわかっておるわけですから、問題があるということがわかっておるのですから、こんなもの、基準値を守らなければならないという考えがあれば、一年後に同じことをやっているときに何らかの対応をきちっとすべきなんですが、そういうことを全然やっていない。やる気がないと私は言わざるを得ないが、この実態をどうお考えになるか伺いた
#28
○間宮説明員 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、おくれを懸念して担当課長が指示をして改ざんなり架空のデータ作成が行われたということでございますけれども、先生おっしゃいますように、かなり早い段階でそういうことがなされたということであれば、もし工期に間に合わないということが本当の理由であれば、いわゆる後ほど見直しをして、ちゃんと間に合うように物事ができたのではないかということでございますが、我々としましては、今おっしゃいましたように、そういう認識を持っていたのかどうか、そういう改善の努力があったのかどうか、あるいはその改善の努力があっても、なおかつ厳し過ぎてできなかったのか、ここら辺につきましては依然として明確になってございません。
 これらの点につきましては、明らかにすることが重要であるということで、発注期日、納入期日、製造期間等各期限の関係につきまして調査委員会で詳細な検討が行われることになっておりますので、これもまた明らかになりましたら、後ほど御報告いたします。
#29
○辻(一)委員 全部検討委員会に任せて、そこでやってもらいますというようなことでは、監督官庁の意味はないと私は思うのです。今までそういうことをきちっとやってこなければいかぬ。検討委員会ができて、そこで全部検討してもらいます、その結果を待ちますというだけにこの答弁は全部終始しそうな懸念があります。
 そこで、私も専門家の意見をいろいろ聞いてみると、原料三つをまぜて中性子の遮へい材をつくるわけだけれども、これは液体をまぜて固化するのでしょうが、つくるのに三時間ぐらい時間がかかるというんですね。しかし、原料のパーセントや割合というのは、こんなもの、おもりで重さをはかってまぜ合わすのだから、そんなむちゃくちゃに何十日も何カ月もかかるものではないはずなんですね。やる気になれば、何時間かかかって、基準に合わないから、基準を満たしていないから直ちにひとつやり直してやるということができるはずなんだ。そういうことが何もされていないということは、これは単に一課長が独断でそういうことをやったのか、あるいは全体で会社がそういうことを相談、合意の上でやっていたのか、これからの問題だろうと思うのですが、やり直しは幾らでもできるはずだけれども、できないほど難しかったのですか。
#30
○間宮説明員 中性子遮へい材の工事につきましては、先生おっしゃいますように、工期の後半あたりで行われるということになっておりまして、胴部と両端部合わせまして約五週間、準備とかすべてを入れまして、工期全体で二カ月程度というふうに聞いております。ここら辺につきましては、今のところはこれくらいのところでございまして、遮へい工事自体の納期は、これはメーカーが決めておりまして、その間におきましてどういうやりとりがなされていたかにつきましては、まだ確認しておりません。
#31
○辻(一)委員 それは全体の時間で、原料三つを重さをはかってまぜ返して、そして分析をして、これは数値が足りない、満たない、だからやり直すのにそんな何カ月もかかるはずないですよ、三時間で攪拝してやることができるというんだから。そういうことが本当にやられていないということを、私は時間の点がありますから長くは申し上げませんが、指摘せざるを得ないと思うのですね。
 そこで、こんな大規模な改ざんを、四十四体のうち三十八体まで、ほとんど大部分を改ざんしておるのですね。こんなこと聞いたことも私はないのだが、これは一担当課長の判断でやったのか、会社の上層部等も相談にあずかっているのか、それは一体どうなのか。
 例えば、この会社は、参議院でも論議をされましたのでちょっと見てみましたが、原電工事は、資本は一〇〇%日本原電から出ている。それから社長は日本原電出身だ。ずらっと、電気新聞等を見ると、役員の一覧表がありますが、随分日本原電から出向しておるのですね。そして、これを担当した担当課長も日本原電の副長というか、技術面ではかなりな地位にあった人なんですね。資本も一〇〇%、社長も担当者も全部日本原電出向者でいるわけです。だからそれは、下請に無理なことを言っても、その会社が意思を決めればやらすことができるだろうと思うのです、こういう実態では。
 その点で、担当課長が単独でこういうような大規模な改ざんをやったのか、あるいは会社、上層部等が相談に乗ってやったのか、そこらの判断というか、実態をどう把握しているのか、伺いたい。
#32
○間宮説明員 お答えを申し上げます。
 今おっしゃいました日本原子力発電ぐるみの関与があったかどうかでございますが、原燃輸送から提出を受けた調査報告書がございますが、そのような事実は述べられておりません。それと、当庁も、何もしていないということではございませんで、一生懸命調査をいたしております。その中で、原燃輸送、原電工事から得ております回答は、日本原子力発電の関与はないと確信しているということでございます。
 そういうことで、今の段階では、状況はそれ以上はございませんが。
#33
○辻(一)委員 私は、日本原電の会社が直接関与した云々よりも、原電工事の資本構成、役員構成、担当者構成を全部見ると、これは、会社で相談すれば無理なことができる資本と人事構成になっている。だから、担当課長が単独でこういうような大規模改ざんをやったのか、あるいは原電工事という会社が組織ぐるみでそういう相談にあずかっておったのか、そこらの判断というか実態をどう考えているのか。
#34
○間宮説明員 今申し上げましたように、これまで鋭意いろいろ事情聴取等をしておりますが、担当課長が指示したということは判明しておりますが、それ以上のことについては判明しておりません。
#35
○辻(一)委員 判明していないというようなことで済ませられるわけではないので、これは行政、監督庁として徹底的に調査をしてもらいたい。後でこの決意のほどは大臣にまとめて伺います。
 安全委員長が、後の安全委員会の会議等の関係もあるので、恐らく時間を急いでいらっしゃると思うので、ちょっと先に二、三伺いたいと思います。
 それで、検討委員会は第三者で構成をしていろいろ検討するということを聞いておりますが、私は、ぜひ警告をしておきたいというか、期待したいのは、これは基準を満たしていないんだから、現物を解体をしてやり直しをする、これが一つですね。あるいは、基準は、どうも決め方が問題があったからといって基準を引き下げるのか、あるいは、許容の範囲でばらつきがあったから仕方ないというような結論を出すのか。でないと、整合性がつかぬですね。業者が申請をしたというけれども、その申請した中身の検討は第一次的に役所がきちっとやっておる、第一次審査として。第二次審査として、これは技術顧問会議が専門的な分野から検討して、これでよろしいと判を押しておるのですよ。それは事業者から申請されたのでそのとおり認めたので、責任はそっちにありますと、そんなもので済むわけはない。確認した以上は、責任は役所と技術顧問会議にきちっとあるわけですね。
 そうなりますと、私は、自分でそういう基準を確認しておいて、そして都合が悪くなったらその基準を変えたり、ばらつきの範囲、余裕の範囲だというようなことで逃げるわけにはいかないが、そういうようなシナリオを裏づけるために検討委員会がつくられてなされるのであるならば大変だと思うのですが、これは、この検討委員会を設置した大臣には後で伺いますが、まず安全委員会の責任者として佐藤委員長にひとつ決意のほどをお伺いしたい。
#36
○佐藤説明員 佐藤でございます。
 安全委員会は、過日、本件につきまして報告を受けまして、現在、所管行政庁、科学技術庁において、辻先生ただいま御指摘の調査検討委員会等を設置して事実確認等を行っておるという報告を受けたところでございます。
 これはもう辻先生御指摘のとおりと私考えます。つまり、こういう基準というものがあり、それがあるからにはそれはきっちり守ってもらわなければどうにもならぬ、こういうことでございます。
 これの背景その他については行政庁の方で十分調査の上随時私どもの方に報告があるものと思っておりますが、いずれにいたしましても、これらについて、事に当たるすべての人たちの間に、安全を最優先するんだ、安全というのはもう大前提なんだという高い意識、あえて言えばセーフティーカルチャーが十分なくては、これはもうお話にならぬというふうに考えております。
 先般公表いたしました私どもの安全白書においてもその点を強調したところなのでありますが、にもかかわらずこういうような事態というのは、我々としては極めて残念、遺憾に思っているところでございます。
 これにつきましては、行政庁においても厳重な調査等を行って所要の措置をお考えいただくことになりますし、私どもの方でも節目節目に御報告をいただいて、十分な、適切な対応がとられているということを確認してまいる所存でございます。
#37
○辻(一)委員 もう一つ安全委員長に伺いますが、安全第一、これはもう当然のことだと思うのですね。
 そこで、私も少し調べてみたのですが、原料を、遮へい材をまぜるときに泡が出るのですね相当な泡ですね。その泡の部分を取るともっとこの基準に達しない、薄いというか、数字が低くなるんじゃないかという懸念が専門家の中ではあるということも聞いておるのですが、私は、安全第一ということを言うならば、四十四基ですか、つくったわけですが、まず、その基準に満たない、一番差の大きいのについては解体をして、現物をきちっと検査するということまでやらなくてはいかぬのではないかということ。それから第二は、検査の上でありますが、基準を満たしていないことが明確なものについては全部やり直しをするということが必要であると思いますが、これは安全委員長としてどうお考えですか。
#38
○佐藤説明員 現段階ではまだ安全委員会は詳細についての報告を受けておりませんので、その報告を待って、今辻先生御指摘の点も含めて十分な検討をしてまいりたいと思います。
#39
○辻(一)委員 原子力安全委員会は、第八条委員会、諮問委員会ではあるけれども、行政から独立した機関なので、我々はもっと三条ぐらいに強化せないかぬと思いますが、ともあれ独立機関でありますから、行政府の後を追うとかそういうことのないようにしっかりやってほしい。この点だけはひとつ決意のほどを重ねて伺っておきたい。
#40
○佐藤説明員 まことに御指摘のとおりに、私どもも全面的にそのように考えてございます。
 私ども、直接の行政責任とかなんとかいうことじゃなくて、私どもは国民に対してもう包括的な責任を負っているんだというふうに認識しておりまして、その認識のもとで遺憾のないような施策をしてまいりたいというふうに考えております。
#41
○辻(一)委員 じゃどうぞ、もう結構ですから。時間の点、安全委員会があると聞いておりますから。
 ちょっと佐藤先生、全体の持ち時間の中で調整をしていただくことにしまして、五分ちょっと延長させてもらいます。
 それで大臣に、今論議は聞かれたと思いますが、安全第一ということを、原子力安全行政に対する信頼をきちっと確保するためには、実機について、実際の容器について、さっき言ったように基準値に一番差が大きいのは解体して中身を厳重に検査すべきであるし、また、基準に満たないものはやり直しをする、そうでなければ何のための基準かということになるんですね。いや、基準は業者が決めたと言ったって、これはきちっと行政と技術顧問会議において確認をして、この基準でよろしい、これでいくということを確認しておるんですから、今さらもとへ返るわけには私はいかないと思う。
 その二点についてひとつお伺いしたい。
#42
○竹山国務大臣 輸送容器の今後の取り扱いにつきましては、現在の調査検討委員会での議論を踏まえて今後も慎重かつ厳正な対処をしてまいりたい、こう考えております。
#43
○辻(一)委員 そんなメモを読んだってさっぱりわからないですから、これはちょっと腹を据えて、科学技術庁も安全行政にはこういう見識を持つということを示してほしいと思いますね。それはこれからの行動でひとつやっていただきたい。
 そこで、運輸省が見えておると思いますね。伺いますが、運輸省は今、MOX、混合燃料の外国から海上輸送を担当しているということですね。だから、一つ今試作品というか実体をつくっておるんですが、今審査中なんですね。とすれば、これだけの問題があれば、この数字も見ましたが、これはもう基準を満たしていないということは明確なんですから、審査やり直しが必要だと思うんですが、どう考えていらっしゃるかお伺いしたい。
#44
○谷野説明員 お答えいたします。
 運輸省は、海上輸送のみに使われる輸送容器について、船舶安全法という法律に基づいて輸送容器の安全審査を行っております。
 先生御指摘のMOX燃料輸送容器についてただいま安全審査中でありまして、まだ承認はいたしておりません。
 手続的には、まず、事業者が示します設計要件に沿いまして安全基準を満たすかどうか設計確認をする、しかる後に実機について安全審査を行う、こういう段取りでございます。
 改ざんの事実がございましたので、我々としてはその原点に立ち返るといいますか、第一歩からもう一度再審査をしたい、こういうふうに考えています。
 なお、その際、データについては、先生再々御指摘のように自己認証の仕組みをとっておりますので、安全審査のあり方についても改めて考え直してみたいと思います。
#45
○辻(一)委員 もう二、三分で終わりますから。
 運輸省の方にも幾つか聞きたいことがありますが、時間の点からポイントだけ伺いました。もう結構です。
 最後に大臣に伺いたいんですが、今まで、去年一年間、随分動燃も、「もんじゅ」以来、再処理工場の爆発それから低廃棄物のずさん管理等々三つ、四つずうっと続いて、我々もかかり切りしましたが、動燃的体質という言葉が定着したほど、動燃の特殊性から来るところの、閉鎖集団から来るところの問題かという受けとめを多くの人がしておったんですが、今日のデータ改ざんのこのやり方を見ると、これは、原子力業界全般に広がっている風潮といいますか風土というか、そういうものでないか。だから、動燃が事故があるたびに総点検を言った。そのときの科学技術庁長官は、そのたびに原子力全体について総点検をして全部各地で点検しますと言った。しかし、その舌の根が乾かないうちに動燃は三回も四回も事故を起こしてきた。もう言うことを信用しなくなったですよ、国民の皆さんも。まあ我々もそうですが。
 同じように、動燃だけではない、もっと原子力業界全体にこういう風潮というか、こういう考え方があるとすればまことに遺憾なことです。これはもう厳しく変えていかないといかぬのですが、これは国民の一番懸念するところであろうと思いますから、それについてひとつ大臣どうお考えか伺って、質問を終わりにしたいと思います。
#46
○竹山国務大臣 今日まで原子力行政に最も御理解といいますか、御叱正、御鞭撻をいただいてきた辻理事のお言葉だけに、ずしりと受けとめ、今回のこうした、今表現のあった動燃体質というような言葉になるまでのことを踏まえながら、思ってみますに、安全確保、危機管理の不備というのは、まさに経営不在、先ほども申し上げたように、こうした原子力という非常に高度な技術的なものをもちろん要するわけでありまして、国民の皆さん方にそれを十分御理解いただくためには、関係者の今日までの努力を数倍にしていこうということで、動燃そのものも都甲理事長のもとに身も心もまさに洗い清めた思いで発足したばかりのこうしたことどもでございまして、原子力に携わる人々のまさに安全という観念が一般国民とどう違っているのかという点を強く指摘、認識をしていかなければならないことだと。こういう面で職員の、関連者の安全確保という意識の問題を改めて十分な取り上げ方をしていくと同時に、一方で、調査検討委員会の方もシビアな検討を文字どおりしていかなきゃいけないわけでありますが、原子力関連の事業に携わる者のまさに一人一人が全く違った観点で、今日までの安全という概念を、まさに精神構造を入れかえて取り組んでもらえるように私も肝を据えて今回の問題には取り組んでいきたい、こんな思いでおります。
 よろしくお願いいたします。
#47
○辻(一)委員 長官はずしりと皆さんの発言を受けとめておられるようだけれども、我々も、ずしりと、なるほど科技庁やったなという実感がするように具体的なひとつ行動の中で示していただきたいと思います。
 終わります。どうもありがとうございました。
#48
○大野委員長 佐藤敬夫さん。
#49
○佐藤(敬)委員 持ち時間がほとんどありませんので、簡単な質問で一点だけに絞りたいと思います。
 さっき自民党の山口理事の方からお話がありましたが、ちょうど私が科学技術の委員長をやっているときに「もんじゅ」、動燃と立て続きまして、法案が一本もないその中で十数回の委員会を開催し、ちょうど今この問題で、大臣がデータ問題の報告についていろいろな決意や仕組みのお話が出たようなこと、全くこれ、繰り返しなんですね。本来、余り質問なんかに立つ立場じゃないのですが、本当に残念に思って、このことだけは、それぞれの決意の中で、これからの新しい日本のエネルギー問題や具体的な原子力の問題等々について、本当に抜本的な改革をしていかなければいけないのじゃないかなという思いで実は質問に立たさせていただきました。
 大臣、十月二十六日というのは何の日か御存じですよね。
#50
○竹山国務大臣 原子力の日として、けさの新聞には総理府広報室からもPR紙を入れさせていただきました。
#51
○佐藤(敬)委員 私、ずっと初当選以来、科学技術委員会というものに携わってきて、最初は、共産党の吉井さんや皆さんがしゃべることに対して、実は何となく違和感を感じておりました。しかし、どうもチェックシステムとかというものが、最初に日本の原子力政策というのは安全宣言ありきで、やはり具体的な問題をいろいろ詰めていけば不安を与えるから、まず安全なんだということを中心にすべてが整わされてきたのかな。ですから、原子力安全委員会なんかについても、私はやはり独立行政体としてダブルチェックできるような機構でいくことがいい、こう思ったのでありますが、きょうの御発言や、この後の何か委員会をつくって、これから調査してどうだ、こんなことをやるようだったら、やはりこれは抜本的に、行政の中で推進官庁と検査をする省庁とをきちっと分けるべきだ。
 もっと具体的に言えば、科学技術庁や通産省から原子力安全局を外して、環境庁にきちんとこの原子力安全局を移す。そして、それがお互いにしのぎ合って、きちんとこういう問題を基本から整えていくことをやらない限り、これから原子力政策というものは、いつまでもどこまでもわけのわからぬ状況になって、ただつじつま合わせのような報告に終始してしまうのではないかという危機すら感じる。
 当時から言わせれば私の方がもっと、今の発言でいえば、反原発と言われ続けてきた共産党の吉井さんなんかよりもっと左の意見なのかもしれません。しかし、それをしない限りこれはもう無理じゃないかな。今の大臣の最初の報告等々について、私はもう本当にがっかりしまして、もう質問しなくていいのかな、これぐらい実は感じました。
 私はこれ一本に絞りたいと思いますが、もう時間がありませんし、私から一方的に問題点だけ指摘をさせていただきます。
 今言ったように、やはりこの問題は、原子力の日を決めてもう何十年もたって、まず最初に安全宣言ありきじゃなくて、何が問題なんだ、こういうことが国民にきちんと知らされて、そしてそこが一つの大きな判断というものを促していく、こういうことになっていかないと、今までの惰性の中で、若い科学者や開発者が物も言えない、そして本当に魅力のない分野になっている。学生たちだって、ほとんどこの分野に手を挙げず、進学の中でも、学校の中だって原子力工学学科なんというものはほとんど生徒がいないと言われているじゃありませんか。ですから、ここは私どもは本当に思い切って、抜本的な原子力政策に対する改革の検討を進める、こういうことじゃなきゃだめなんじゃないかと思うのですね。
 大体、一九九五年の十二月に「もんじゅ」が起きているわけでしょう。その後この事件が起きているわけですね。しかも、これは検査の過程の中であるいは承認の過程の中で、そういう中で知ったんじゃなくて、あくまでもこれは内部告発でしょう。内部告発じゃなければ全然こういうものが一切わからないという、こんな国家システムがあるのでしょうか。さっき辻さんに間宮原子力安全局長が答えていましたけれども、本当にがっかりしました、局長。局長のせいじゃないと思いますよ。しかし、何の反省もない。
 九五年の十二月四日に「もんじゅ」が、そして九七年の三月十一日には動燃の再処理工場のアスファルトが。九七年四月十四日には「ふげん」の放射能汚染の物質漏れ。これは、事件発生後三十時間になるまで報告がおくれて、しかも同様の事故を十回も隠していたということがありましたね。九七年の八月二十六日には動燃の東海村の廃棄物貯蔵庫の放射能漏れ、これも全然ノータッチで隠している。隠してきたというよりも知らなかったという方が正しかった。九七年の八月には、これは放射能物質の超過使用というのですか、ラドンとかコバルトの。「もんじゅ」だから人形峠のところで起きた事件で、これもそうだ。九七年の九月の十六日には稼働中の原発の配管工事の中で虚偽データ。
 こういうことがさんざん続いて、そしてまだ、この状況が起きたときに、やれ調査検討委員会だなどと、こんなことって本当にあるんだろうか。もう原電工事とかそういうところが仕事できぬようにした方がいいのじゃないですか。安全局長、どうですか。
#52
○間宮説明員 お答え申し上げます。
 お申し出の件、一々ごもっともなことだと思います。我々としても極めて残念なことであると思っておりますし、現在のやり方が、今回こういうことになって、万全でないということも認識しております。そういう意味におきましては、今後あらゆる努力をして、再発防止ということで御納得いただけるような方策を考えていきたいと思っております。
#53
○佐藤(敬)委員 いや、局長、無理なんですよ、あなたが努力しても。制度的に、これはもう制度疲労を来している。調査の段階からいったってこれは全部、資料で当たるしかないのでしょう。しかも、原子力安全委員会というのは、現実に輸送物に関しては何のあれも持っていないのでしょう。その辺はどうなんですか。
#54
○間宮説明員 安全委員会に関しては、今のところは直接の関与はございません。我々行政庁ということでやるべき問題でございます。
#55
○佐藤(敬)委員 これは最高裁の判決でも、輸送に関して、原子炉設置の許可の原子力安全委員会の関与というのは、審査の対象外となっているのですね。輸送については、ですから原子力安全委員会の関与する処分というのは何もないのですね。できないのですね。
#56
○間宮説明員 そのとおりでございます。
#57
○佐藤(敬)委員 それじゃ、最初の各種の事業のように、最初の許可において、輸送の安全性について安全審査が行われるように原子力安全委員会を組みかえするという考え方はありませんか。
#58
○間宮説明員 先生おっしゃいますように、本当に抜本的に法律から何から全部変えるということであればでございますが、現状ではございません。
#59
○佐藤(敬)委員 だから、もうそれは、とにかくそのぐらいの、原子力安全委員会というものを特別行政委員会として独立させて、まずそこへあらゆる機能をきちんとさせて、その機能が生きてくるようなチェックの形にするか、あるいはチェック機能をはっきり、行政として環境庁原子力安全所ぐらいにして、通産省や科学技術庁の中からもう安全に関する部分は切り離して相互にらみ合いの形でやっていくか、どっちか新しい機構にしなかったらこの問題は永久に片づかないというふうに私は昨晩考えて、これをちょっと大臣に申し上げよう、こう思って実は質問に立たせてもらったのです。もういつまで同じことを続けるのですか。
 いろいろな皆さんからのデータとかこういう形で、原燃輸送の方から報告があった資料も入っていますけれども、このようなデータの書きかえを行った動機とは何だ、こう書いてありますね。「今回の事象は原電工事(株)の原料の発注が遅れ、分析結果を待っていたのではレジンを製造工程上の期限内に供給することが困難となったため、設計基準値を満足するデータを作成し納入に必要な材料証明書を作成したと思われる。また、設計基準値に満たない分析結果が出た場合にも同様な理由から再分析を実施せず数値の修正を行ったものと思われる。」
 原子力の全体にかかわるこういう大事な部分のところでこんなことを平然と行えるという見識とか常識というのは、それは皆さんではなくて民間業者だから、こういうことであるかもしれませんけれども、考えられないのではないですか。そこまでもう何かしらわけのわからぬような状況になっているという現状を踏まえれば、もう本当にその検査と推進というものをどうするかということをはっきり国は考えるべきだ。そうでなければ、これはまた続きますよ。
 きょうは時間がありませんから、答えを大臣に求めません。私どもは、そういうことであるとすれば、日本の新しいエネルギー開発のためにも、あと一分しかありませんから、COP3の京都会議のときに、当時は村岡官房長官でありましたが、これからの地球環境のために原子力発電所をあと二十基つくります、官房長官がそういう発言をしているのですよ。これはできるのですか。世界との公約ですよ。しかし、こんなことが、もう業界の中では何にも反省もなしに行うということさえチェックできないなんていうようなことで、どうやってこれから地球環境のために原子力発電所を二十基つくるのですか。とんでもないと思いますよ。本当に大胆な組みかえをする。
 大臣、飛行機に乗りおくれないことと飛行機の安全をお祈りして、最後にひとつ私の発言に対して決意のほどを聞かせていただきたいと思います。
#60
○竹山国務大臣 佐藤委員の長い御経験の中から原子力行政に対しての現下の御認識をしかと受けとめさせていただきました。今後の対応の大きな糧にさせていただきたいと思います。
#61
○佐藤(敬)委員 終わります。
#62
○大野委員長 斉藤鉄夫さん。
#63
○斉藤(鉄)委員 平和・改革の斉藤鉄夫でございます。
 今回の事件、私は本当に残念で腹立たしい思いがいたします。二つ意味があります。一つは、日本の技術者がここまで落ちてしまったかという思い。私自身技術出身でございます。そういう思いが一つ。
 それからもう一つは、私は党の原子力政策の責任者をさせていただいております。そういう中で、例えば、新潟、福島、福井、それから、私は中国比例区でございますが、中国地方の原子力発電所である島根、その地元からよく呼ばれます。我が党は原子力に対して、それを否定する立場はとっておりません。しかし、そういう原子力発電所を抱える地域にいる我が党の支持者の方は大変悩んでいらっしゃる。そういうところに地元の議員さんから呼ばれて、私は行くわけです。党の原子力政策の責任者として行きます。そうすると、地域の方はこうおっしゃいます。私たちは、技術のことはようわからぬ。電力会社やまたお役所の方の言うことを聞けば、それも本当そうに聞こえるし、うそのようにも聞こえる。反対派の人の声を聞けば、それが本当そうにも聞こえるし、またうそにも聞こえる。ただ、斉藤さんがきょうここに来て真剣に訴えてくれて、ではあなたの人間を信じましょうと。だから、例えばプルサーマルならプルサーマルでも、私たちは、住民の方は地域現場で反対派と推進派の間に入って大変苦労しているけれども、斉藤さんの言うことを聞いて、では納得しましょう。それは人間を信用するのですと。こういうふうに言っていただいて、納得していただいているわけでございます。
 前回もデータ改ざんとか動燃の問題がございました。今回またこういう問題がございました。それは、結局その方々から見れば、斉藤がうそをついていたのだ、こういうことになるわけです。斉藤はあそこでまじめそうな顔をしてあんなことを言って、一たん我々は信じたけれども、結局あいつが我々に対してまじめそうな顔をしてうそをついたのだ、こう言われてしまうわけなのです。その繰り返してございます。
 原子力を推進したい、推進する側の今回の一連の事件の関係者の人々、我々に対しても責任を持っていていただかなければならないその人たちがああいう事件を起こして、我々味方をも敵にしている、こういう思いでございます。自分自身、私は、福井の人、新潟の人、そして福島の人、その人たちの信頼を裏切った、私自身が裏切ったということになっておるわけでございまして、物すごく腹立たしい。このことについて長官、どのようにお考えでしょうか。
#64
○竹山国務大臣 斉藤理事におかれましても、就任早々の私めにいろいろ御示唆を賜り、叱吃激励をしていただいている先生であるだけに、今のお話に返す言葉もございません。
 私は、四月末に責任者にはなったわけでございますが、それまでの歴代の大臣も苦労をして、先生方と同じ思いで科学技術庁の責任者としては原子力行政推進のためにいろいろな手だてを、また反省をしてきたわけでございまして、しかも先ほどお話ししたとおり、旧動燃の組織がえを含めてまさに新しいステップを半歩踏み出した途端のこうした不祥事でございますだけに、斉藤理事のお言葉、今日まで特に地元でまた各地で原子力行政の理解促進にお努めをいただいた先生のお言葉に対しての、責任者としての当面の明快な御返事の言葉がないというのが実感でございます。
#65
○斉藤(鉄)委員 先ほど佐藤委員からもお話がありましたけれども、今回のこの事件については、科技庁が、その信頼回復といいましょうか、リーダーシップで国民が納得するようなきちんとした処置をとった、こういうふうにしていただかなければ、私自身もう原子力発電所の地元に行けなくなる、こういう状況でございますので、深い決意で、大臣のリーダーシップで、果断な処置をお願いしたいと思います。
 一言、御決意をお願いします。
#66
○竹山国務大臣 斉藤理事のお言葉をしかと受けとめて、今後の対応に励んでいきたいと思います。
#67
○斉藤(鉄)委員 それでは、ちょっと具体的な質問に入らせてもらいます。
 納期に迫られてデータを捏造した、改ざんをしたということですけれども、そもそも工程的に検査という工程は工程の中に組み込まれていなかったのでしょうかという質問が一つと、それから、硼素や水素の成分分析に具体的にはどれだけの時間がかかるのか、御質問をします。
#68
○間宮説明員 お答え申し上げます。
 今の御質問の件でございますが、納期に間に合わなかったということで聞いておりますが、本当に必然的にそうであったのかどうかにつきまして、まだ必ずしも明確になってございません。
 その中で検査の時間を見込んでいなかったのかどうか、これにつきましても、分析会社からの分析結果と申しますのは、サンプルを出してから早くて二週間を要しているということでございまして、片方で、中性子遮へい材の原料が準備されてからキットとして出荷するまでに一カ月半から二カ月かかっている、こういう実態はわかっておりますが、この間の必然関係につきましては、これから鋭意明らかにしていかなければいけないと考えております。
#69
○斉藤(鉄)委員 材料が搬入されて、それから納期まで一カ月半から二カ月。それに対して、検査そのものは材料を出してから答えが返ってくるまで二週間、こういうことでございますが、私、素人ですが、これを聞いただけでも、明らかに検査という工程が最初の全体の工程管理に入っていないのじゃないか、こんな気がいたします。
 このキャスク製造工程の工程管理は、一体だれの責任なんでしょうか。また、その工程表をチェックするというのは、科技庁なり安全委員会なりがチェックする必要はなかったのでしょうか。
#70
○間宮説明員 お答えいたします。
 原燃輸送が輸送容器を発注するに当たりましては、輸送容器製作の工程管理は輸送容器メーカーが行うということで発注をいたしております。したがいまして、輸送容器製作の工程管理は輸送容器メーカーが行ってございます。
 それで、当庁が独自で調査した結果でございまして、幾つか判明した点を申し上げます。
 輸送容器の納期につきましては、輸送容器所有者が、見積もりの段階におきまして納期及び発注コストを定めて入札をし、発注仕様書で納期を確定するということになってございます。今般の場合、六種類の輸送容器が国内容器メーカー四社に発注されておりますが、一基当たりの納期は、発注から約二年となっております。
 それと、遮へい工事でございますが、先ほど申し上げましたように、工期の後半、一年半くらいが標準でございますか、そこで五週間程度の期間でございますが、準備を入れますと、全部で二カ月ということでございます。
 それと、輸送容器メーカーが遮へい工事を発注するに当たりましては、契約によってこの遮へい工事の納期というのを定めておりまして、輸送容器メーカーが遮へい材を製造する際の製造工程における検査時間についてどういう認識を持っていたかについては、確認をしてございません。これらについては、今後鋭意明確にしていきたいと思っております。
#71
○斉藤(鉄)委員 ちょっとよくわからなかったのですが、私の質問は、もう一度整理して質問をしますと、検査に二週間かかるということは初めからわかっていたはずですから、その二週間という時間を十分とった工程でなくてはならなかったはずですが、その工程を承認する最終責任者はだれなのかという質問と、それに対して科技庁や原子力安全委員会は無関係でいられたのか。この質問をいたします。
#72
○間宮説明員 工程の責任はメーカーでございます。我々としては、工程の中身については把握しておりません。
#73
○斉藤(鉄)委員 そうしますと、今回の大きな原因の一つである納期が足らなかったということについては、科技庁としては直接、また原子力安全委員会としては直接それを指導する立場にはなかった、こういうことでしょうか。
#74
○間宮説明員 そのとおりでございます。
#75
○斉藤(鉄)委員 先ほどの辻委員の質問にもございましたが、まさに最初のロットでもう提造が行われていたわけでございます。その時点で明らかに、この工程では検査という一工程をきちんとやるのは不可能だということがわかったはずですが、それに対して改善をしようという努力が全く現場には見られなかったようでございます。そもそも現実に、モックアップでやってみて、もしくは最初のロットでやってみて工程的に無理があるなとしたときに、それを改善しようという動き、技術者であれば当然だと思うのですが、それがなされなかったということのようなんですけれども、この点については何か、余りに納期が厳し過ぎたのだとか、科技庁としてはつかんでいますでしょうか。
#76
○間宮説明員 先生のおっしゃること、ごもっともだと思いますが、我々として現在までに調査した中からは、そこら辺について明確なものが浮き上がってきておりません。これにつきましても、浮き上がってくるようにこれから鋭意努力してまいりたいと思っております。
#77
○斉藤(鉄)委員 そこのところがポイントだと思いますので、ぜひ厳密な議論ができるように調査をしてほしいと思います。
 次に、ここで言う硼素の含有量、水素の含有量の基準値ということでございますが、いわゆる法律で定められているのは、表面線量率として定められております。この表面線量率、法で定めた基準と、今回問題になっております硼素含有量、水素含有量の基準値の関係はどういう関係か。また、この含有量の基準値は、だれが何を根拠に定めたのか、だれがその基準値を決めたのかについてお伺いします。
#78
○間宮説明員 お答え申し上げます。
 法律で決められておりますのは、今先生おっしゃいましたように表面の線量率と表面から一メートルのところの線量率でございます。表面二ミリシーベルト以下、一メートルで〇・一ミリシーベルト以下というふうに定められてございます。
 輸送容器を設計、製作する場合におきましては、まず設計段階で収納量とか燃焼度などを、いわゆる収納する使用済み燃料を設定をいたします。その上で、放射能線量に応じまして、先ほどの安全基準を満足するように遮へい設計を行っていくということでございまして、その遮へい設計の段階におきまして、事業者が中性子遮へい材を選定し、その中の硼素や水素の濃度を設定しております。
 したがいまして、設定しているのは事業者でございます。
#79
○斉藤(鉄)委員 法律で定めたのは表面線量それから一メートル離れたところの線量、そこから業者が遮へい計算を行って密度なり硼素、水素の含有量の基準値を出したということで、そうしますと、この基準値というのは一つの社内基準というふうに考えていいのでしょうか。
 それから、基準値をきちんと満足したというデータは一体何を保証することになるのでしょうか。
#80
○間宮説明員 基準と言われておりますのは、今おっしゃいましたように、社内の基準でございます。つまり、材料仕様の値でございます。
 それと、その基準を満たすということは、先ほど申し上げましたように、設計の段階において、中にどういうものが詰まるかというのを想定して設計をするわけでございますが、その内容物として設定されたものを目いっぱい入れたとしても表面なり一メートル離れたところの値が法令に定められた値を十分に下回る、こういう意味合いでございます。
#81
○斉藤(鉄)委員 そうすると、原子力安全委員会が行う安全審査においては、この基準値というのはどういうふうに取り扱われるのでしょうか。この基準値を前提としてオーケーを出した、こういう理解でいいのでしょうか。
#82
○間宮説明員 先ほど申し上げましたように、本件に関しましては安全委員会は直接タッチしておりませんで、行政庁でございますが、行政庁といたしましては、設計審査のときに、この値で表面なり一メートルなりのところがちゃんと基準値以内におさまるであろうということは確認をして設計の承認をまずいたします。
 その次には、今度は製造が始まりましたら、容器の製造過程におきまして、硼素なり水素なりの値が向こうが最初に設定してきた値を満足しているかどうかということを確認するわけでございます。
#83
○斉藤(鉄)委員 そうしますと、今の議論をまとめますと、確かに硼素や水素の含有量の基準値というのは法律で定めた値ではない、単なる社内基準ではあるけれども、原子力安全委員会で安全審査をしたときに、その基準値をもとにオーケーを出した、だからある意味では、この含有量基準値というのは、社内基準であるけれども、国民に対する約束である、そういう意味があるのだ、こういう理解でよろしいですか。
#84
○間宮説明員 まず、審査は行政庁で行われるということを改めて申し上げます。
 それと、基準値の意味合いでございますが、いわゆる最初の設計で、これだけのものを入れますと燃焼度はこれで、放射線量はこれですというものがございます。それを前提としてある基準を満たしていれば、それを運んだ場合にも十分基準値を下回る、こういう意味合いでございます。
#85
○斉藤(鉄)委員 ちょっとよく理解できないのですけれども、聞きたいのは、社内基準ではあるけれども公的な意味を持った値なのですねということを確認したいのですが、そういう端的な聞き方をします。
#86
○間宮説明員 おわかりにくいのは非常によくわかっておりまして、体系も若干複雑でございまして、いわゆる法律の要件は、最後に、輸送する直前に輸送物確認を行いますが、そのときに表面と一メートルのところの値が法令で定めた基準以下であればいい、これが絶対条件でございまして、その前にある段階の、設計を承認する、容器を承認するという段階は、実は法定で、必ずしなければいけないということではなくて、「できる」となっています。
 なぜそういうのが入ってくるかといいますと、最後のいわゆる輸送物の確認のときに、いわば容器の設計がどうであったかとか、容器がそのとおりつくられていたかということを全部確認しなければいけないわけですね、個別の承認でございますと。そうすると非常に時間がかかるわけですね。したがって、同じ容器を何度も使う場合は、容器の承認をとっていれば少なくともかなりの部分が審査の上から省かれる、こういう構造になっております。
 したがいまして、法令でどうこうというところにつきまして非常に申し上げにくいところはあるのですが、あくまでも、最初に想定されたものが目いっぱい詰まった状態、この状態でも基準値を下回るという保証を与えているものでございまして、それ以上のものではございません。
#87
○斉藤(鉄)委員 私がこういう質問をいたしますのは、私もいろいろな原子力関係の技術者と話をしたときに、ある技術者はこういう言い方をするのです。あれは単なる社内基準だ、かつ、十分安全余裕を持って設計してあるので、あそこで少々基準値を下回ったからといって騒ぐ方がおかしい、こういうことを言う技術者がいるのです。
 それは間違いだ、こう僕は思いまして、その基準というのは、ある意味で公的な意味を持った、行政庁で審査をしたときにそれを前提にしてオーケーを出したわけですから、ある意味では国民に対する約束なのだ、そういうふうに私は思うのですが、そういう質問に対して今のお答えは直接返ってきていないような気がするのですが、もう一度お伺いします
#88
○間宮説明員 いずれにしましても、容器承認を与える前提といたしましては、たとえ向こうが設定したものでもデータ的に満たしていなければ本来承認は与えられないわけでございまして、その重みはございます。
#89
○斉藤(鉄)委員 その回答が聞きたかったのです。
 私も、今の日本の技術者のモラルという面で非常に心配をしている面があるのですけれども、今回の事件についても、まだ現場の原子力技術者の間に先ほど言ったような安易な考え方がある。そうではないのだということをはっきりと国民の皆さんにわかるような形で示していただきたいと思います。
 それから、技術者という観点からいいますと、物をつくったその品質にはばらつきが生じるというのは当然でございます。ある値を上回るものもあるし下回るものもある。どうしても守らなくてはいけない基準であれば、つくったものがある確率で、どんなにばらついても九九・九%以上の確率でこの値は上回るというところを下限にする、その確率を何%にするかはつくる人が目指す品質によるわけですけれども、そういうのは技術者としては常識、イロハのイなのですけれども、そういうこともわかっていない。目標値を下限値にしてしまうような、今回、そういうふうにすれば、つくったものの五〇%は基準値を下回るというのは明らかに想像できるわけですが、その程度のレベルの技術者が、本当に国民の安全に対して、注目を浴びている原子力の第一線にいるのかというので私は非常にショックを受けたのですけれども、これに対して、どのようにお考えでしょうか。
#90
○間宮説明員 全く同感でございます。私も技術者の端くれとして、先生おっしゃるようなところは当然考えるべきであろうと思っております。
 ただ、そこら辺の、なぜそのように値を設定したのかということにつきましては、まだいろいろ検討の余地がございまして、これも明らかにしてまいりたいと思っております。
#91
○斉藤(鉄)委員 原子力に対する国民の信頼を取り戻すためにも、このような事件を二度と起こしてはならないと思うのですが、その一つは、先ほど最初に申し上げました、また長官も決意を表明されました、国民にわかりやすい形で今回の果断な処置をとっていただくということ、それからもう一つは、具体的な再発防止策を明確に示すことだと思います。
 私自身、今回の事件を見て、技術者のレベルの向上を図るのは当然として、こういうふうに、一つの輸送キャスクをつくるということにしましても、かなり各層、協力会社がございます。上は電力から、下は、この場合は東レリサーチですか、何段階にも入っております。
 そこで、各社の技術者がそこに関与していくわけですが、一つには、こういう使用済み核燃料輸送容器を設計した、この設計思想というのはこういう思想でつくったのですよ、ですからその設計思想の中でこの中性子遮へいのためのレジンはこういう役目を負うのです、ここら辺に位置づけされるのです、その安全余裕はこの程度含まれているのです、そういうことを各段階の技術者がすべて理解をしていなかったのじゃないか。多重構造の中で、いついつまでにこれだけのものをつくれということを言われて、そのキャスクが一体どういう思想のもとで設計されたかというのを理解しない技術者がやったがためにこんな事件が起きたのではないか、それも一つの原因ではないかというような気がいたします。そういう設計思想を従事技術者全員に理解させるという努力が必要ではないかなというような気がいたします。
 また、先ほど申し上げました工程的な余裕、また、工程的にふぐあいが見つかったときには、それがすぐ現場にフィードバックして工程が改善される、こういう事柄。
 それから、そういうこととちょっとまた次元が違いますけれども、原子力というのは今国民が本当に注目をしているのだ、その中で大変重要な仕事をしているのだという原子力に従事する技術者のモラルの向上。
 大きく分けますと、この三つが大きな問題点ではないかと思いまして、それぞれに再発防止策をとらなくてはいけないと思うのですが、その再発防止についての科技庁の見解をお伺いします。
#92
○間宮説明員 御指摘、一々ごもっともと思っております。
 今回の場合、複数のメーカーが、あるいはその下にいろいろな下請が配置されまして非常に複雑な構造をしておりますが、それがゆえに指示の徹底とか研修等で意思統一を図るべきであったというふうに思っております。
 ほかの二点につきましても全く仰せのとおりでございまして、そういうものも含めまして、再発防止について今後真剣に議論し、結論を出していきたいと思っております。
#93
○斉藤(鉄)委員 最後に大臣に、先ほど質問申し上げました再発防止、それから最初にお伺いしました果断な処置、これについて御決意をもう一度お伺いして、質問を終わります。
#94
○竹山国務大臣 斉藤理事の豊富な御経験、また工学博士としての高い識見を踏まえた数々の示唆に富む、特に三本柱の御提言をしっかり受けとめさせていただき、速いテンポで、今回の問題究明はもとよりでございますが、全体的な科学技術行政、なかんずく原子力行政に対する関係者のまさに意識改革に向けて研修錬磨を続けていきたい、こんな思いでございます。
#95
○斉藤(鉄)委員 終わります。
#96
○大野委員長 菅原喜重郎さん。
#97
○菅原委員 自由党の菅原喜重郎であります。
 私も、党を代表して、今問題となっております使用済み燃料輸送容器のデータ改ざんについての質問をいたしたいと思います。
 動力炉・核燃料開発事業団においては一連の事故、不祥事が続き、また、このため、動燃改革について本委員会もたびたび議論を行ってきたところでありました。そして、動燃事業団は、十月一日に新法人核燃料サイクル開発機構として、これまでの反省に立ち、決意を新たに再出発を図った、そのやさきの十月八日、今回の使用済み燃料輸送容器にかかわるデータ改ざんが発覚したことは、私たちとしては非常に落胆もし、また遺憾にも思うところであります。
 事件についてのその後の科学技術庁の調査によれば、四十四基の容器のりち三十八基にデータ改ざんが見られたとのことでありますが、このことは言語道断というほかはございません。強い憤りすら覚えております。しかも、このデータの改ざんされた容器が青森県六ケ所村への使用済み燃料の輸送に使われたことは、原子力の安全を願う国民として、また地元住民にとっても大きな不信のもととなるものであります。
 一方で、六ケ所村への輸送については安全上の問題はなかったと説明されているところでありますから質問しますが、六ケ所村への輸送に用いた容器についてデータ改ざんがあったのかどうか、この輸送物の確認においては政府はどのような検査をし、どのような結果が得られたから安全上の問題はなかったとしているのか、伺います。
#98
○間宮説明員 お答え申し上げます。
 まず、六ケ所村に搬入されました輸送容器につきましては、データの改ざんがなされていたと承知しております。
 この六ケ所村への搬入に当たりまして、実際の使用済み燃料を輸送容器に入れた輸送物につきまして、輸送前に、輸送物の線量当量率が法令に定める基準に適合していたこと等が国により確認されておりまして、安全上の問題はなかったと認識しております。
 ちなみに、六ケ所村に搬入されました二基につきましての測定の結果でございますが、表面の基準値二ミリシーベルト・パー・アワーに対しまして、一号機が百五十六分の一、二号機が百五十一分の一という値でございましたし、表面から一メートル離れた位置の基準値百マイクロシーベルト・パー・アワーに対しまして、一号機が四十一分の一、二号機が四十五分の一ということで、基準を満たす結果となっております。
 以上でございます。
#99
○菅原委員 次に、今回のデータ改ざんはいわゆる内部告発により発覚したとされておりますが、このことについて詳しく報告を願いたいと思います。
#100
○間宮説明員 我々が知っている限りということでございますが、まず、当庁は、十月六日の夜に、原燃輸送から、使用済み燃料輸送容器の大型試験用模型の内部に使用される中性子遮へい材のデータの一部に改ざんがある旨、報告を受けました。原燃輸送によりますと、報道機関から十月六日の午前十一時過ぎに原電工事に問い合わせがあり、同日午後三時ごろに原燃輸送に問い合わせがあったということを聞いております。
#101
○菅原委員 内部告発という行為についてはいろいろの意見があるところでありますが、内部告発があって初めてデータ改ざんがわかったということになると、内部告発も重要な意味を持ってくるところであります。私は、こういうことは倫理観の問題にもつながっていくことで好ましい風潮ではない、このように思っているのですが、内部告発がなく順調に運転されていると考えられている他の施設においても、実態はどうなっているのか心配になるわけであります。
 このような不安にこたえ、原子力の安全を確保するために原子炉等規制法に基づく規制が行われているはずでありますから質問しますが、使用済み燃料輸送容器については、原子炉等規制法上、どのような規制を行うこととなっているのか。また、それらの規制の中でどうしてデータ改ざんが発見できなかったのかを、まずお伺いします。
#102
○間宮説明員 お答えいたします。
 原子炉等規制法の体系におきましては、核燃料物質の輸送の安全確保に関して、設計、製作及び運搬につきましての当事者である輸送者、これは炉規法第五十九条の二の「運搬を委託された者」という位置づけでございますが、ここが一義的な責任を有しており、国は輸送者に対して、輸送容器の設計、製作及び輸送前の各段階において必要な審査及び検査を行っているところでございます。
 先ほど申し上げましたが、遮へい材の材料につきましては、製作段階で申請者が設定した材料仕様の値と容器承認の際に提出される書面、これは材料証明書と言っておりますが、この間の整合性の確認を行っているところでございます。材料証明書につきましては、データが正しいということを前提として確認を行っておりますので、このチータが改ざんされているということ自体を見破ることは困難であったということでございまして、ここら辺の問題につきましては、我々も、このままではいけないということで、今後鋭意検討して再発防止策を講じたいと思っております。
 以上でございます。
#103
○菅原委員 使用済み燃料を発生させていることについて、その所有者である電力会社は、原子炉等規制法の原子炉の設置、運転の許可を得る必要があり、直接的な規制対象となっています。また、電力会社から委託を受けて使用済み燃料を輸送する者、本件の場合は原燃輸送株式会社も、輸送容器の承認、輸送物確認等を得る必要があり、直接的な規制対象事業者であると理解しています。
 この電力会社の原子炉の設置、運転の場合と輸送を委託された者との間には、その規制の関係はどうなっているのでありますか。伺います。
#104
○間宮説明員 電力会社が原子炉を設置し運転を行おうとする場合には、原子炉の設置許可、保安規定の認可等については、原子炉等規制法によって規制が行われております。
 一方、電力会社から運搬を委託された者、原燃輸送でございますが、これは同じ法律でございますが、原子炉等規制法によりまして、保安のために必要な措置を講じることが義務づけられているとともに、輸送物の線量当量率等が技術基準に適合していることについて国による確認を受けなければならないとされております。
 したがいまして、今のような規制の状態にあるということでございまして、仮に電力会社が輸送を行う、こういう場合もあるわけですが、その場合は委託された者と同一の規制を受けることになります。
#105
○菅原委員 今回問題となっている容器は、原燃輸送株式会社が原電工事株式会社、さらに日本油脂株式会社に製作を発注しているものであります。
 これらの二社は原子炉等規制法上規制の対象であるのかどうか、その関係についても伺います。
#106
○間宮説明員 仰せのとおり、今回問題となっております輸送容器の製造につきましては、原燃輸送からの発注によって、まず輸送容器メーカーが設計と製造を行っておりまして、このうちの遮へい材について原電工事、さらには、その分析につきまして日本油脂が受注して実施しておりまして、原子炉等規制法上、輸送容器について設計承認、容器承認等を受けるのは運搬を委託された原燃輸送でございまして、お尋ねの原電工事と日本油脂の二社については直接の規制対象とはなってございません。
#107
○菅原委員 今回のデータ改ざんがこれまでの規制業務の中で発見できなかったことは非常に遺憾なことであります。発見できなかったのは、規制業務への取り組みが十分に行われなかったのか、あるいは、そもそもこのような原子炉等規制法上の規制の仕組み自体が適当でないのかという問題を問いかけられていると考えるところでありますので、お伺いします。
 今回問題となっている容器について、規制業務を実施していく上で手抜かりはなかったのか。また、原子炉等規制法に制度上の問題点はないのか。特に、原燃輸送、原電工事、日本油脂に対してこのようなチェックを行っていれば六ケ所村への輸送の前に発見できたのにという反省はないか。また、なぜこのような下請、下請、下請となるような発注をしなければならないのか。こうしう点でも国民の不信を払拭できないと思うので、政府としてどう考えているかお伺いします。
#108
○間宮説明員 先ほども申し上げましたように、我々がやっております規制は、事業者の方から申請がございまして、その申請の全体の体系が法律で決められております表面及び一メートル離れたところの値を満たしているように、いわばすべてのものがなされるように確認をしているところでございまして、その確認のやり方といたしまして、いわゆる材料証明書というものをもとに書面審査をしている。ということで、材料証明書自体が偽造されていたということにおいては、それが発見できないということでございます。
 それでは、どのようなチェックを行っていれば防げたかということに関しましては、我々も再発防止においてはそういうことを考えなければいけないと思っておりまして、先ほどお話ございましたように非常に複雑な体系をしている、そこら辺についても何らかのことがなされ得るのではないかと思っておりますが、仮にそういう体系としても、再発防止としてどういうことをすればいいかということをこれから真剣になって考えていかなければいけないと思っているところでございます。
#109
○菅原委員 いずれにしても、複雑な体系、こういう下請問題についても、国民の不信を払拭するためにも政府として強力に指導していっていただきたいことをまずお願いしておきます。
 次に、政府においては早急にデータ改ざんに至った原因を究明し、このようなことが再発することのないように対策の検討を進めるべきであるわけですので、原因究明、対応策検討の視点及びこれからのそういうことに関するスケジュールについてお聞きしたいと思います。
#110
○間宮説明員 お答えいたします。
 我々といたしましては、調査検討委員会というものを設けて、非常に速いピッチで調査検討を進めているところでございまして、既に二回の会合におきまして データの全容の確認といいましょうか、それが行われておりますし、さらに遮へい材の注入工事の技術的内容、これはこれまで公表されていなかったものが極めて詳細に明らかになってきておりますので、それらを踏まえまして今後再発防止対策等を講じていきたいと思っておりますが、検討会がまだ二回しか行われていない段階におきまして、今後の見通しについて申し上げる段階に至っていないと思っております。
 一日も早く信頼を回復するために全力を挙げたいと思っております。
    〔委員長退席、斉藤(鉄)委員長代理着席〕
#111
○菅原委員 今後の対応策を考えていく上で幾つか要望しておきたいと思いますが、データ改ざん、虚偽申告の例は、原子力の分野に限らず他の分野においても見受けられ、最近の新聞紙上だけでも数多く取り上げられているところであります。データ改ざん等が原子力分野においていとも簡単に行われる、このような事態が相次ぐ状況について大臣はどのような御見解か、ひとつお伺いいたします。
#112
○竹山国務大臣 今回のデータ改ざんという問題、御指摘のありますとおり、原子力関係の仕事として信頼、安全を根底から覆すような、まさにあってはならないことで遺憾に思っております。これを重く受けとめ、そして、その背景となる、こうしたデータを改ざんするというような技術者、この仕事に携わる人々のモラルをどうしていくかという問題が問われるわけでございます。
 特に、国民の皆さん方と、こうした原子力の仕事に携わっている人たちの安全性というものに対する基本的な認識の差異が問われているということを強く感じるわけでございまして、技術者の高い倫理観というものを問いただすと同時に、この認識のずれを徹底的に究明して関係者の意識改革に結びつけていかなければ事の解決にはならないということを強く感じているところでございます。
 使用済燃料輸送容器調査検討委員会、こうした第三者機構での検討委員会も、この原因究明のためには速いテンポで、あくまでも事実を究明するためにはこの委員会もフルに機能をして、今後の対応の役に立てていきたい、こんな思いでございます。
#113
○菅原委員 このような状況が続く限り、一つの考え方としては、疑ってかかる規制、チェックの体制を導入することが必要と考えます。それで、規制緩和の流れには逆行することとなるかと思いますが、原子力の安全は国民の生命にも影響を及ぼす重大な事柄であり、全国民の最大関心事であることから、規制を強化し、疑ってかかる規制体系を整備すべきという、この点についての所見はどのようにお持ちですか、お伺いします。
#114
○間宮説明員 お答えいたします。
 原子力の安全規制に当たりましては、法令に基づいて厳格な安全確保を図るということは非常に大事でございますが、他方、その過程や結果について情報を公開して、透明性を高めていくということも非常に重要であると考えております。
 大臣からもお話ございましたように、やはり一方でデータを提供する側のモラルの問題があるということで、この面に関しては、先ほど斉藤先生からも御指摘ございましたように、指示とか研修でモラルを高めていくということが重要であると考えております。
 他方、規制体系につきまして、先生おっしゃいましたように、すべてを疑ってかかるということもあろうかと思いますが、それが本件問題の解決に最も適したものであるかどうかにつきましては、今後の対応策の検討の中で幅広い観点から御審議をいただいて、我々もその結果を踏まえながら対応してまいりたいと思っております。
#115
○菅原委員 我が国では、申請を信頼した上で審査を行うことを前提として規制体系が整えられてきていることからも、直ちに大規模な変革は難しいとしても、規制当局としては、この信頼関係を裏切るような事態になったときには厳罰をもって処する、そういう態度が必要であるかと思いますので、ひとつこのことを政府に申し込んでおきます。
 次に、法務省の方にお伺いいたします。
 例えば、刑法においてデータ改ざんについてはどのような罪に当たるのか。さらに、今回のようなデータ改ざんは、国民に大きな不信を投げかけ、全国民的な問題となっていることから見て、何らかの処罰を行うべきと考えますが、現行法の中ではどういうことができるのか、お伺いします。
#116
○渡邉説明員 お答えいたします。
 まず、具体的な事件におきます犯罪の成否につきましては、御理解いただきたいわけでございますけれども、捜査機関が収集した証拠に基づいて判断されるべき事項でございますので、法務当局といたしましては、あらかじめこれを申し上げるべき性質のものではないというふうに考えております。
 なお、一般論として、民間の文書といいますか、私文書についての刑法の規定を申し上げますと、同法の百五十九条におきましては、行使の目的で、権利義務もしくは事実の証明に関する他人名義の私文書を偽造または変造した者を処罰の対象としております。また、同法の百六十条におきましては、医師が公務所に提出すべき診断書等に虚偽の記載をしたことを処罰の対象としているところでございます。
#117
○菅原委員 いずれにしても、このようなデータ改ざん等について厳しい処罰を規定すべきと私は考えております。
 それは、今回のデータ改ざんは何も原燃輸送の発注問題だけのことではなく、こういうことをこのまま放置していけば、昨今の経済繁栄で浮かれてきた日本国民の、民間、公共を問わず、その業務に携わる一人一人の職務観、一人一人の良心、一人一人の倫理観の弛緩につながっていく問題だと思うからであります。うそをついてもばれなければよいというような風潮をつくっていったら、亡国のもとになります。うそをつくことは刑事犯なのだという強い倫理観を醸成していかなければなりません。
 この意味で、民間のデータ改ざん等にもですが、特に公共等に関する仕事上のこういう問題については、刑法の上で対処できる法の整備を時代の趨勢に合わせ取り上げていくべきと考えますので、法務省の見解をお伺いし、私の質問を終わりたいと思います。
#118
○渡邉説明員 お答えいたします。
 刑法の問題として御理解いただきたいと思いますけれども、民間のデータあるいは一般の私文書と申しましても、種々さまざまなものが考えられるところでございます。また、それぞれのデータの性質や重要性も異なっておりますし、その改ざんの行為についても、対象や社会的な影響等の結果についても、さまざまなものが考えられるところでございます。
 このような行為を一般的に処罰するかどうかを一律に決することは非常に困難でありまして、いわゆる自然犯を処罰する一般法である刑法においてこのような行為を処罰する旨の規定を設けることは難しいのではないかというふうに考えておるところでございます。
    〔斉藤(鉄)委員長代理退席、委員長着席〕
#119
○菅原委員 質問を終わります。
#120
○大野委員長 吉井英勝さん。
#121
○吉井委員 日本共産党の吉井英勝です。
 私は、せんだって、十月十三日の日に、この問題につきましては商工委員会の方でも間宮局長に来ていただいて質問をいたしておりますので、余り重複するようなことにならないように質問していきたいと思います。
 それで、最初に確認をしておきたいと思うのですが、一番早く製作に取り組んだ輸送容器が二つあります。それは、九四年十二月に製造を開始して九六年三月にレジンを充てんしたNFT−22B型とNFT−12B型で、いずれも三井造船でつくられたものです、ただし、前者の方は日本製鋼所でも製作されているものですが。これが最終検査を受けたのは九六年十二月十一日、後者は九六年八月六日、七日であって、容器承認を受けたのはことし一月二十六日、後者が四月二十日です。ですから、レジン充てんから容器承認まで約二年間あったということです。つまり、納期に迫られたから改ざんになったとかそういうことじゃなくて、データの捏造ではなくて、このつくり直しは十分可能であった、時間的に十分可能であったということが一つ。
 もう一つ確認しておきたいことは、この九六年三月のレジン充てん作業に先立って行ったモックアップ試験のときにデータを偽造したのがデータ捏造問題の最初のもので、そして、四十三基の輸送容器のうち三十七基、まあ四十四基中三十八基という話もありますが、いずれにしても約九割の輸送容器のデータが捏造されておりましたが、それも一号機から始まったものだということ、つまり、途中から捏造が始まったのではなくて、一号機という最初から捏造しているということが明らかになった。
 この二つの点だけ、まず事実問題として確認をしておきたいと思います。
#122
○間宮説明員 今おっしゃいましたことは、そのとおりだと考えております。
#123
○吉井委員 次に、改ざんということの経過についても先に聞いておきたいのですが、原燃輸送株式会社の「NFT型輸送容器における中性子しゃへい材関連データの書換えに関する調査報告」というのがありますが、これを読みますと、「日本油脂からは分析結果とは異なったデータを作成する等の事実が判明した。」それから、原電工事株式会社の方では「担当課長が設計基準に合致する値に書き換えることを指示した事実が判明した。」とあります。
 そこで、お伺いしておきたいのですが、いわゆるマスコミ等で出回っていると言われている資料、ここにいらっしゃる皆さんもよく御存じのものですが、それを見ておりますと、九六年三月一日に日本油脂株式会社三国工場の長屋さんから原電工事株式会社の富永課長あてに、日立造船と三井造船玉野工場の二つのモックアップ試験の分析結果の数値が手書きで送られてきていて、その中で、日立のデータと三井造船玉野の一つのデータはいいのですけれども、三井造船の二つのデータは、ボロン、B4Cですね、その含有率が基準値を下回るものだったと。そこで、この手紙の中では、「分析結果が出ましたのでご報告申し上げます。データがあまり好ましいものではありませんが、ご検討下さい」とされて、三日後の三月四日に三井造船玉野のデータが送られております。
 また、三月七日には神戸製鋼所のモックアップ試験結果が手書きで送られてきたわけですが、その中で、「今回もボロン%は低く、いずれも規格を下回っています。一度打合せをしたいと思いますが、本日、門田が御社へ参りますので話しをしてみて下さい」とファクス送信されています。このデータに富永課長が、手書きで括弧の中に変更を希望する数値を書き込んでおります。切り出し位置KK−2の値というのを〇・〇一九七にするように、KK−3を〇・〇一九八にするように、KK−4を〇・〇二〇一になるように改ざんを確かに指示しております。
 ですから、それに合わせて実は私も計算をやってみました。そうすると、KK−2の値を〇・〇一九七の結果に合わせるように、密度データー・六三一二掛ける一・二七七七で割ってパーセントに直していきますと、計算結果は〇・九四五重量%となってくるわけです。同様に、〇・〇一九八と〇・〇二〇一についても計算すると、〇・九三四と〇・九三二となります。
 私のこの計算結果と同じ数値が、実は日本油脂三国工場品質保証課より九六年三月十二日に発行された神戸製鋼所のモックアップ試験の分析結果報告として、日本油脂の課長印もついた正式の書類に記載されています。富永課長の指示どおりに分析した会社のデータが書き込まれておったということを私自身確認することができました。
 そこで、まずもう一度確認しておきたいのですが、この事実というものは科学技術庁としても確認されましたか。
#124
○間宮説明員 お答え申し上げます。
 今のデータにつきましては、我々も入手はいたしております。ただ、中身のチェックにつきましてどうであったかということにつきましては、モックアップの段階のところについては我々意を十分用いておりませんで、実機のところは、我々の審査対象ということで、泊まり込みで向こうと一緒にチェックをいたしましたので、そこはわかっておりますが、ちょっとそこら辺については、しっかり、我々が、そのとおりであるとかないとかは申し上げられません。
#125
○吉井委員 実は、この問題の出発というのは、モックアップ試験のデータの改ざんから始まっているのですね。今、お手元に資料があるというお話なのですが、そのデータがあれば、私が簡単に計算してみたってすぐ出てくる話ですから、それをいまだにやっていなかったというのは、何とも頼りない話だなということを申し上げざるを得ません。こんなのはそんな難しい話じゃないのです、チェックしてみればすぐわかる話なのですから、私が簡単にやった話なのですから、皆さんの方はもっとたくさんデータは持っているのだから、ぜひやって、まず科学技術庁としても、モックアップの段階から、まさに原燃輸送株式会社が報告書に書いているとおりのことがあったということを確認をしてもらいたいというふうに思います。
 次に、原電工事は日本原子力発電所の一〇〇%子会社で、改ざんを指示した富永課長というのは日本原電では東海発電所の副長という身分です。課長の下の立場で原電工事に出向して課長になった人です。日本油脂を相手に分析チータの改ざんを命令できるほどの立場にはありません。日本油脂としては、課長印までついた偽造データを発行すれば企業の信用はがた落ちになります。企業として大きなリスクを負うようなことを、幾ら依頼先からの要請といっても、原電工事の、うんと下請の余り大きくないところの一課長ぐらいの力でゆがめられることはまずない。これは、私自身のかつての民間におったときの経験からいっても言えると思います。つまり、これは日本原子力発電という親企業の力が働いてできたということではありませんか。
#126
○間宮説明員 これまでも我々は徹底した調査を行ってきておりますし、それに基づいて報告書もできておりますが、その調査報告書、これは原燃輸送から出されたものでございますが、そのような事実は述べられておりません。かつ、当庁が独自に照会した結果におきましても、原燃輸送、原電工事とも、日本原子力発電の関与はないと確信しているという回答を得てございます。
#127
○吉井委員 そこで、科学技術庁長官、私非常にさっき大臣がおっしゃったことで気になることがあるのです。それは、科学者、技術者の良心や倫理観を問うというところなのです。
 私は、私も科学をやっておった人間ですから、良心や倫理観は非常に高いと思っているのです。そういうものを押しつぶしてきた原子力企業の利益第一の立場、そこを本当に見ないと、私は、科学者、技術者の皆さんは浮かばれないと思うのですよ。その押しつぶしてきたところにメスを入れないならば、さっきも出ておりましたけれども、今原子核工学科なんて来る学生はいないのです。でもしか学生の時代になっているのですよ。もう原子核でも行くか、原子力しか入れない、そういう時代だということを同窓の教授になった者なんかは言っていますよ。やはり、良心や倫理観を持っている人たちを物すごい力で押しつぶしていくというそこにもつとメスを入れないと、私は行政としての責任を果たすことにならないと思うのですよ。
 実は、青森県知事に輸送容器のデータ捏造事件で謝罪に行ったのは、原燃輸送の社長と、もう一人は、依頼した東京電力の社長でなくて、原電工事の親会社である日本原子力発電の社長であるということが、デーリー東北、地元新聞ですね、十月十三日付で大きく伝えられております。親企業がかかわっていないのなら、なぜ原電工事の社長なり輸送を依頼した東京電力の社長でなくて、日本原子力発電の社長が謝罪に行ったのか。データ捏造というのは、原電工事というよりも日本原子力発電の問題ということで、もっとメスを入れて、構造的な問題を調べる必要があるのじゃないですか。
#128
○竹山国務大臣 吉井委員のいつもながらの、御専門中の御専門、示唆に富む御指摘を今伺っていたわけでございまして、現下のところは、調査検討委員会がまさに拍車をかけてそれらの関係を詳細かつ厳正に究明中でございますので、御指摘いただいた面を含めまして、私の表現に一方的なものがあったとすれば、それを含めまして今後の調査にゆだねたいと思っております。
#129
○吉井委員 実は、海外再処理工場への使用済み核燃料の輸送に当たって使われてきたキャスクを科学技術庁からもデータをいただきまして見ました。エクセロックス−3型と4型で、このいずれも中性子遮へい材として水を使っているのですね。また、ほかにTN−12型と17型を使っておりますが、こちらは中性子遮へい材にレジンを使用しておりますが、原電工事が関与したものではなかったものです。
 日本でつくる輸送容器について、中性子遮へい材としては水ではだめだ、レジンを使わなければならないとした法的根拠なり技術基準なりが科学技術庁や原子力安全委員会の側にあったのなら、それをお聞かせいただきたいと思います。
#130
○間宮説明員 材料に何を使うかということに関しましては事業者が決めておりまして、今回も事業者の方が、レジンを使うべしということで指示をしたようでございます。
#131
○吉井委員 ですから、基準上はレジンでなくていいわけです。中性子遮へい材は水であってもいいわけなのです。
 日本原電がなぜ今回こういうことになったのかなということで、私も、実は非常に不思議に思いまして、原電工事へ参りまして、パンフレットもいただきました。そうすると、九三年九月にアメリカ・ビスコプロダクツ社より遮へい材のレジンの製造、販売、工事施工に関する技術ノウハウを一括購入したのだということをうたっているわけです。つまり、遮へい材として水ではなくて日本ではレジンを使わせることで独占的に受注しようとして、他社がまねのできないようにと、密度とB4Cと、そして水素の重量パーセントの規格を提示してNFT−14P型核燃料輸送物設計変更承認申請書を出したために、確かに、原燃輸送株式会社のキャスクはすべて原電工事のレジンを使うことになりましたけれども、逆に、その数値を使ってしまったためにみずからその数値を満たさなければならない、それが自縄自縛することになってしまったというのが今回の問題にあらわれているのではないですか。
#132
○間宮説明員 前半の部分につきましては、我々確認できておりません。
 自縄自縛という意味ではそのとおりかと思います。
#133
○吉井委員 原燃輸送という会社は、御承知のように日本原電と九電力の共同出資による会社です。日本原電も、九電力などを中心とする、いわばこれは国策会社ということになっていますね。原電工事はその日本原電の一〇〇%子会社という関係で、ですから、中性子遮へい材に水を使うだけならキャスクメーカーの手でやれるものを、わざわざレジンの充てんという工程を加えて原電工事を関与させるという複雑なことをやっているようにうかがえるわけです。あるいは、レジンと同等の中性子遮へいの効果を発揮する樹脂の開発ぐらいなら日本の代表的な企業であれば十分やれるのに、わざわざビスコ社のものを使うように仕掛けたという可能性もあります。
 私は、こういう点では、複雑な体系というお話もありましたが、体系が複雑なのではなくて、言ってみれば利権のために複雑にしてしまった、こういう可能性もあるのではないかと思うわけです。ここには原子力の安全よりも電力会社の利権、さらに言えば日本原電の利権が優先されて、結果としてデータ改ざんという深刻な事態をもたらしてしまったのではないか。私は、こういう点について、やはりいろいろな角度から突っ込んだ検討というものが、これは事務方の皆さんではなかなか大変だと思うのです。私は、ここはやはりこういう構造的な問題については、表面的な調査だけではなくて、構造問題を、大臣が先頭に立って徹底して解明していただくということが、日本の原子力の安全を確保する上で非常に大事な問題になっておるなと思うのですが、これは大臣、どうでしょう。
#134
○竹山国務大臣 御専門の吉井委員からの御指摘を踏まえて、今後の調査の大いなる参考にさせていただきたいと思います。
#135
○吉井委員 次に、この日本原電について少し過去のことを調べてみますと、日本原電敦賀発電所では八一年一月十日と二十四日の二回にわたって給水加熱器から放射能を帯びた蒸気が漏れるという事故がありました。当時これは国会でも問題になりましたが、実は、それが問題になったのは、そのとき明らかになったのではなくて、その八一年の四月まで放射性冷却水の漏えいについて三カ月間にわたって事実を隠し続けてきた、これが問題になったわけであります。
 日本原電では事故隠しとかデータ捏造が体質になっているとしたら、私はこれは大変な問題だと思うのですが、科学技術庁の事務方の方でも結構なんですが、これは体質にはなっていないと言い切れますか、伺っておきたいと思います。
#136
○間宮説明員 我々が承知していることは今現在極めてわずかでございまして、そこまでは申し上げられません。
#137
○吉井委員 長い間ずっと日本の原子力安全を担当してこられたのですから、わずかしかつかんでいないじゃなくて、ぜひ徹底してつかんでいただきたいと思います。
 私は、恐ろしいと思いますのは、最初はデータを一応見た上で、ぐあいが悪いと思って改ざんしたわけですね。だから、最初は一応データを見たわけなんです。ところが、三十六ロット中九ロット、つまり四分の一は検査データが出る前に検査結果数値を書き込んでしまっていた。つまり、はなから分析など当てにしていない、でっち上げの数値を書き込んで当たり前という、いわば初めに偽造データありきという立場になっていたというのが非常に恐ろしい問題だというふうに思っているのです。昨年の日立製作所、日立エンジニアリングサービスなどの原発配管溶接部の焼鈍データを偽造した問題も同じです。
 日本の原子力施設のほかの部分では、今回は内部告発によってデータ捏造がわかったわけですが、ほかの部分ではデータの捏造はない、そのことが一体証明できるのだろうかということが、これは国民の皆さんにとって一番今心配になっているところだと思うのです。
 そこで、大臣、今、データ提造、事故隠し、こうなっている中で、日本のたくさんある商業炉、もう五十基超えるところまできたわけですが、データの捏造はもうない、これ以外にないという証明が科学技術庁の方ではされているのかどうか、大臣はそのほかには偽造はありませんとここで断言していただけるのかどうか、この点を大臣に伺いたいと思います。
#138
○竹山国務大臣 この問題を契機とし、原子力関係者全体が、安全確保の徹底とそれに裏づけられた国民の信頼を得ることの重要性を改めて強く再認識し、適切に事業運営を行うことが必要不可欠であり、関係者の一層の自覚を求めていくという上での教育訓練の強化ということに当たっていきたいと思っております。
#139
○吉井委員 今後の決意の方は、大臣今おっしゃったことがあろうかと思うのですが、一番の問題は、要するに、内部告発で初めてわかったのです。この二つの溶接データと今回の輸送容器の提造問題というのは、内部告発がなかったらさっぱりわからなかったのです。ですから、ほかの原子力施設についてデータの捏造がないという証明は不可能なんですよ。不可能をわかっておって、おまえ何で聞くのだということになるかもしれませんが、それぐらい深刻な問題なんです、これは。そこのところをぜひ腹に置いて考えてもらいたいというふうに思うのです。
 原子力安全委員長に来ていただいておりますので、お聞きしたいと思うのですが、科学技術庁の段階のものあるいは原子力安全委員会の段階のものなどいろいろ審査の上であるわけですが、捏造されたデータで最終検査をパスして、その後容器承認が出されたというのは、これは事実であります、今回の問題については。狭く今回の原電工事のデータ捏造問題に限らないで考えたいのですが、原子力施設の設置工事認可申請が出されたときに企業がつけてきた分析結果報告書が捏造されているとき、その捏造を明らかにする原子力安全委員会側の技術的課題は一体何なのかという技術上の問題なんです。これを御専門の立場からお願いしたいと思います。
#140
○佐藤説明員 まず第一に、こういうたぐいのデータの改ざん、捏造というのは、これは吉井先生、御経歴からも御理解いただけると思いますが、およそ技術の世界であってはならぬことでございます。これは最低限のモラルと言ってよろしいし、また、私自身の経験から申しましても、そういうデータを実際に測定し作成する人間にとって、そのデータが勝手にいじられるというのは、非常に大げさな言い方をすれば、人格の否定と言ってもいいようなことでございます。
 まずその点が第一でございまして、そして、こういう技術的な議論あるいは技術的な行政処分その他においては、信義誠実の原則というのは絶対に守ってもらわなければならない。私どもも、審査の過程その他で申請者の解析が適当かどうかといったようなことを、これは全部やるわけにはとてもまいりませんので、幾つか重要と思われるようなものについてはクロスチェック等を行っている事例もございますが、ただ、先ほど申し上げましたような点を全く抜きにして、悪意を持って巧妙に隠ぺいされたら、これはなかなかもつて実際問題として発見は難しいのではないか、そのように考えております。
 しかしながら、私思いますのに、こういう原子力安全確保のためのさまざまな努力というものは、国民の方々から御信頼をいただき、そして国民の方々に御安心をいただくというのが最も大切なところかと思います。しかし、身内で信頼できないようではとても国民の信頼を得ることはできないわけでございますから、そういうところからも、関係される方々は、ひとつ意を新たにして、その辺のところをぜひしっかりやっていただきたいというのが私どもの今の考えでいるところでございます。
#141
○吉井委員 この種の問題が出たときには技術的に対応するのは極めて困難だ、ひたすらいわば一人の人間としてまじめに対応してほしいという御期待なんでしょうが、本当にそれぐらい深刻な問題だというふうに思うのです。これは、学者であれば、専門の学会等でデータ捏造をすれば、その人は学者としては死を意味しますから、もう二度と世間様の日は浴びることはできない、それぐらいの問題なんですが、しかし、現実にはその一人一人の科学者、技術者の良心を押しつぶしてまで企業利益第一で走っていった。私は、そのところに非常に怒りを持っていますし、もちろん本人がしっかりしなきゃだめなわけですけれども、しかし、企業社会の中で一人良心を貫いてというのはなかなか大変な立場に置かれていらっしゃるのもわからぬではないから、だからこそ今回の問題については徹底した調査、解明をやってもらいたいと思うわけです。
 あわせて、技術的課題が難しい、さはさりながら、今の原子力安全委員会の体制の強化とか、あるいは法律上の権限が及ぶように審査権限でこういうふうにしてもらったらという御意見なりお考えなりございましたら、これも安全委員長にもう一言お伺いしておきたいのですが。
#142
○佐藤説明員 実は、先ごろも、原子力安全委員会が実は設立ちょうど満二十年を迎えまして、さらにはまた、ただいま行政改革も進行中であるという機会をとらえまして、これから原子力安全委員会は一体何をやっていくべきか、ないしは何ができるのかという議論を大分前から委員会内部でやっているところでございます。まだそれについて最終的な結論には至っておりませんけれども、それも踏まえまして、必要あれば必要なところにいろいろとお願いをするということもあり得ることとは思っております。
 ただ、私ども今考えておりますのに、ただいま私どもがいただいております機能、あるいは行政権限ではございませんが権限といったようなもの、これは少なくとも安全確保にはかなり有効なものであるというふうには認識してございまして、これから、与えられておる機能、権限というものを最大限に行使して、それで本当にやれるところまでやってみるというのがまずは私ども試みなければならないことであろうとは思っております。
#143
○吉井委員 大臣、御出発の時間も迫ってまいりましたので、あと二分ほどですが、私も大体時間内に終わるように最後の質問をしたいと思います。
 「もんじゅ」事故とビデオの改ざんで、データなどの捏造、改ざんに厳しい世論が生まれていた中で、いわばそれに挑戦するかのように今回のデータ偽造事件というのは起こりました。それで、特殊法人動燃だけが悪いのじゃなくて、原子力業界全部がデータ捏造や虚偽、隠ぺい体質を持っているじゃないか、こういうことが、昨年の日立の問題にしても次々出てきた中で、非常に国民の皆さんの不信の的になっているわけです。
 もっと言えば、それだけじゃないですね。防衛庁調達本部とNECのつるんだ見積金額の偽造もあれば、金融業界と監督官庁の一体になった不良債権額の捏造とか、国民は一体何を信じたらいいのか、今はそういう時代になっていると思うのです。
 そこで、大臣、やはりアメリカのNRCのような監督、規制の仕組みをつくること、官庁から関係業界への天下りも、企業から関係企業や検査機関への天下りも禁止する、データ捏造に対しては刑事罰も含めた厳しい体制をつくって、国民の安全を守り、信頼に値する体制を築くということが今緊急な課題になっておると思うのです。
 最後に一言だけ御決意を伺って、質問を終わりたいと思います。
#144
○竹山国務大臣 吉井委員からの数々の示唆に富む指摘、しかと承りました。また、原子力安全に関しましては、ただいま佐藤原子力安全委員長からもお話のあった、現下急を要する中央の組織の改革に向けまして、今後ともしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
#145
○吉井委員 終わります。
#146
○大野委員長 保坂展人さん。
#147
○保坂委員 社会民主党の保坂展人です。
 私も、今国会、防衛庁の巨額の圧縮と利権という問題を追及してきましたけれども、まず大臣に伺いたいのは、防衛庁のときもそうでしたけれども、事態が発覚してその後に、今防衛庁の問題で大問題になっているのは、証拠が焼却されたのではないか、焼却を一部されたということも出てきているわけですけれども、今日ただいまから、大臣のこの問題に対する毅然とした対処が国民からの注目の的になっていると思います。
 そこで、端的に伺います。一つだけなので簡単に答えていただきたいのですが、今回の事態は個人の失態なのか、あるいは原子力産業内部の組織的な病理なのか。もう一度言います。個人の失態なのか、あるいは原子力産業内部の組織の病理なのか、どちらだとお考えでしょうか。
#148
○竹山国務大臣 大変広きにわたる御質問でございますが、現下の、今回のデータ改ざんについての究明が調査検討委員会で鋭意進行中の段階でございますので、この分野での第三者による厳正な調査をまず推進をしていくということが今お尋ねのありました判断にも大きな影響を及ぼすものだと思っておりますので、この検討委員会の詰めを一層推進していきたい、こんな思いでございます。
#149
○保坂委員 これは個人のできることではありませんので、組織の病理ということできちっとメスを入れていただきたいと思います。
 さて、先ほど吉井議員からの質問の中にもありました、報道各社に出回った内部告発の資料を一部こちらにお持ちしてまいりました。大臣もごらんになったと思いますけれども、大臣はこの資料をいつごらんになりましたか、そしてどんな御感想をお持ちになったか、お伺いをしたいと思います。
#150
○竹山国務大臣 正確な日時は今即答できませんが、この事件が起きまして、第一回目の十三日の調査検討委員会発足の直後ぐらいだったと思っております。
 私も仕事柄プレス関係の人たちとも接触する場がございますので、こうしたものの信憑性を含めて、今後十分、調査検討委員会とともどもにこれらの問題にしっかり取り組んでいかなければいかぬなと緊張感を一層強くした思いがございます。
#151
○保坂委員 では、原子力安全局長に伺いますが、このデータをいつごらんになったのかということと、端的に言ってこれは一体何を物語るというふうにこれを見て判断されたか、この二点について明快にお答えいただきたいと思います。
#152
○間宮説明員 まず、第一報が入ったのが十月六日の夜でございまして、その時点でこういう情報は得ておりました。
 この情報の意味するところがどうであるかということに関しましては、いろいろ各人各様思いをめぐらせているところでございまして、一つの答えというわけにいかないのではないかと思っております。
#153
○保坂委員 いや、各人各様なら、原子力安全局長はどういうふうにお感じになったのですか。
#154
○間宮説明員 何らかの形で内部の情報が漏れたということでございます。
#155
○保坂委員 それでは、この内部告発の中に、実はこういったデータの改ざんが日常的に行われていて、電力会社の監督官庁である通産、資源エネルギー、科技庁の官僚もわかっていながら目をつぶってしまう、なぜなら彼らのOBが各電力会社及びその関連会社に天下っているからだという指摘があるわけですね。
 いかがお感じになりますか。これは大臣に伺いたいと思います。こういう原子力産業ぐるみの、いわば病理が生んだ行為ではなかったのか、内部告発はそういうふうに述べているわけですが、いかがでしょうか。
#156
○竹山国務大臣 現在、調査検討委員会にその究明をゆだねておりますので、この場でそれに定かな御回答は控えさせていただきます。
#157
○保坂委員 それでは、先ほどの質疑のやりとりにもあったのですけれども、これは改ざんされたというだけじゃなくて、改ざんというのはある数値を変更するわけですけれども、調査をしないのに架空の数字を書き入れたということまで今回含まれているわけですね。そうしたならば、もう一度今までの原子力関係でのデータというものも洗いざらい検討しなければいけないと思います。
 そこでなのですけれども、原子力安全局核燃料規制課を事務局としていわゆる調査検討委員会というのを設置されました。しかしこれは、聞くところによると、専門家がその専門分野について検討するということですが、私が指摘したその組織の病理、データそのものを勝手に書きかえてしまうというようなことが起きた場合に、なぜこういう組織病理が起きるのか、そこにメスを入れる機関なのかどうか、その機能を持っているのかどうか。安全局長、これはいかがですか。
#158
○間宮説明員 今度の調査検討委員会でございますが、技術的事項のみならず専門的事項についても御審議をお願いしたいと思っておりまして、技術的だけというと非常に狭いわけでございますが、再発防止を含めた今後の対応について、技術者のモラルの問題から再発防止の具体的方法まで幅広く検討をされることを期待しております。
#159
○保坂委員 そうすると、その組織の病理にメスを入れる役割もこの調査検討委員会が果たすというふうに枠づけしてよろしいのですか。
#160
○間宮説明員 我々目指すところは、こういうことが二度と起こらないようにするという再発防止策を明らかにしたいということでございまして、その観点から必要な御議論はこの調査検討委員会でしていただくということでございまして、今おっしゃったようなところが再発防止の非常に大事なところであるということであれば、当然対象に入ってくると考えております。
#161
○保坂委員 恐らく、その関連業界やその研究者だけの力ではこの病理のところにメスを入れるのは無理だと思います。やはり客観的に外から、この委員会でも議論があったように、全く違う立場からチェックする機関が必要だと思いますが、一つは、偽造された、あるいは架空のデータをもって既に承認をされてしまったキャスクが存在するわけですね。これは許可を取り消すのが筋ではありませんか。どうするのですか。
#162
○間宮説明員 いずれにしましても、このような問題、非常に遺憾であると思っておりまして、再発防止策をこれから講じていくわけでございますけれども、この輸送容器の扱いにつきましてもこの調査検討委員会において今まさに議論の対象になりつつございまして、我々としては、その御議論を踏まえつつ厳正に対応してまいりたいと思っております。
#163
○保坂委員 それで、一点具体的に確認したいのですが、全部で五十三基ある使用済み核燃料の輸送容器のうち一基、実証試験のため電力中央研究所に送られているというふうに伺いますが、これは今即答できなければ後ほどでも結構ですが、仕様あるいは製造メーカー名あるいはレジン供給業者等おわかりでしょうか。
#164
○間宮説明員 お答えいたします。
 電中研のことであると思いますが、ほかの容器、特に国内製作をした容器と全く同じ製造メーカー、レジン注入業者、分析業者でございます。
#165
○保坂委員 では後ほど具体名も教えていただきたいと思うのです。
 次に、運輸省に伺いますけれども、MOX燃料輸送に使われるその一基にも改ざんがあることがわかったということなのですが、これは、イギリスのBSE社に今問題になっている会社が供給した材料にそういった改ざんがあったということなのですが、イギリス国内あるいはイギリスのジャーナリズムでは問題になっていますか。日本との関係もあることだと思うので答えてください。
#166
○谷野説明員 御指摘は、英国内で問題になっているかどうかという点についていえば、特にそれは承知しておりません。問題になっているか否かについては承知しておりません。
#167
○保坂委員 それでは運輸省に、時間がもう今本当に余りありませんので、このMOX燃料輸送容器がすべてで何基あるのかとか、あるいは型式や設計承認、容器承認、あるいは申請者等々ちょっと細かく、きちっと事態を掌握したいので、後ほどメモで出しますのでお答えいただきたいと思うのですが、よろしいでしょうか。
#168
○谷野説明員 先生御指摘の点についてはすべて把握しておりますので、後ほど提出させていただきます。
#169
○保坂委員 それでは、今イギリスの話題が出ましたけれども、私、この通常国会の会期末に、使用済み核燃料の容器の、つまりこれは、日本からフランスあるいはイギリスに運ばれていく容器の汚染について質問主意書を出させていただいております。日本からフランス核燃料公社、コジェマ社に輸送された際の輸送容器に汚染があったということなのですが、それに対する答弁書では、やはりその汚染自体は確認をしているという返事が来ているのですね。全部で三百三十七基のうち六十一基に、放射性物質の密度が検出限界値を超えた汚染があったということを答弁書でいただいているのですが、これを調べた業者、このチータは確かですか。つまり、きちっとこれは再調査するべきじゃないですか、こういう事態になってきたら。
 質問の趣旨、わかりますか。こういう答弁書をいただいて、ある程度汚染があったけれども大丈夫というふうに答えているのですよ。しかし、こういうデータ、特に検査における改ざんというのが今問題になっていますから、再調査する必要があると思います。いかがでしょう。
#170
○間宮説明員 お答え申し上げます。
 先生以前お尋ねの件につきまして御回答申し上げたところでございまして、その件に関しましては、当庁としても、単にフランスからの情報あるいは電力からの情報に頼るだけではなくて、我々独自の確証を得たいということで、職員を運輸省とともにフランスに派遣をいたしまして詳細な調査をしてございまして、御回答した点に関しては間違いないと考えております。
#171
○保坂委員 この政府の答弁書にもあるのですけれども、関西電力は平成二年に四つ、平成四年に六つ、平成五年に一つ、九電で平成六年に二つ、この十三基については、イギリスの会社からの指摘を受けながら国に報告していないのですね。そしてようやく、平成三年分の二基が指摘されるに及んで、ことしになって十五基まとめて国に報告してきているのですよ。
 ですから、やはり原子力業界あるいは電力業界のこの安全に対する姿勢、あるいはこれは海外との関係でもありますから、もう一度こういう情報を、そして国内の検査が妥当だったのか再調査するべきと思いますが、いかがですか。
#172
○間宮説明員 我々としては自信を持っているところでございますが、いずれにしましても、必要があればいつでも我々としてはそのようにしたいと思っております。
#173
○保坂委員 残り時間が少なくなってまいりました。
 大臣に伺いますが、これはフランスで、日本から運ばれてきたこの輸送容器に基準値を上回る汚染が指摘されているという問題が現地ではかなり大きな問題になっている。そして、それだけではなくて、今、使用済み核燃料を運ぶこと自体が大分長い間とまったり、大きな論議になっています。
 私が言っているのは、日本の国内でこの検査をめぐってこれだけいろいろデータの改ざんがあった、としたならば、もう一度、そのときの検査が正しかったのか、あるいは十分だったのか、振り返って調べていただきたいということです。いかがでしょう。
#174
○竹山国務大臣 御指摘のありましたことにつきましては、現下の情勢を踏まえて、十分な対応を今後ともしていきたいと思っております。
#175
○保坂委員 出発前であれなのですが、十分な対応というのは、一応そういう疑念が国会で指摘された以上は、改ざんがあるのか、あるいは十分な検査をしているのかどうか、調べ直すという意味に解してよろしいでしょうか。
#176
○竹山国務大臣 先ほど安全局長からも御返答したとおり、そういう意味で、必要があれば、こういう背景でございますので、即刻対応すべきだという意味でございます。
#177
○保坂委員 じゃ、時間になりましたので、ぜひ、今のその調査も含めてデータを、できるものならその検討委員会だけではなくて即刻国民にも、国会にも明らかにしていただきたいということを要望して、私の質疑を終わります。
#178
○大野委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト